説明

トロイダル変速機構の油圧制御装置

【課題】トロイダル変速機構の変速装置の伝動制御特性について、制御弁の圧力設定精度によるバリエータローラ駆動シリンダの伸長側と短縮側の圧力制御特性の差を簡易な構成によって小さく抑えることができるトロイダル変速機構の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】トロイダル変速機構の油圧制御装置は、無段変速伝動するためのバリエータローラ44を進退駆動する複動シリンダ44aの伸長側および短縮側と接続し、その伸長側および短縮側の作用油圧をそれぞれ制御する2つの油圧制御部により構成され、これら2つの油圧制御部は、それぞれ、入力信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁53と、その出力圧をパイロット圧として受けることにより作用油圧の調節が可能な可変レデュースバルブ54とからなり、この可変レデュースバルブ54には、パイロット圧について予圧調節可能な圧力セット部54a、54sを付設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に使用されるトロイダル変速機構の油圧制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、トロイダル変速機構の変速装置の油圧制御装置が知られている。この油圧制御装置は、同文献の図2に示すように、バリエータローラを進退駆動するシリンダについて伸長側と短縮側の系統別にオイルポンプを設け、このオイルポンプによって供給された作動油の保持圧を調節するべく電気式油圧比例圧力制御弁を設けて構成される。この電気式油圧比例圧力制御弁に信号を送ることにより、バリエータローラ位置が進退調節されてその傾斜角を変更することにより、バリエータの変速比を無段階に調節することができる。
【0003】
しかし、上記油圧制御装置によるバリエータローラの進退動作は、制御弁の圧力設定精度上の圧力制御特性のばらつきの影響を受けることから、伸長側と短縮側の伝動制御特性の差を避けることができなった。
【特許文献1】特開2002−227953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、トロイダル変速機構の変速装置の伝動制御特性について、制御弁の圧力設定精度によるバリエータローラ駆動シリンダの伸長側と短縮側の圧力制御特性の差を簡易な構成によって小さく抑えることができるトロイダル変速機構の油圧制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、無段変速伝動するためのバリエータローラ44を進退駆動する複動シリンダ44aの伸長側および短縮側と接続し、その伸長側および短縮側の作用油圧S1,S2をそれぞれ制御する2つの油圧制御部を備えるトロイダル変速機構の油圧制御装置において、上記2つの油圧制御部は、それぞれ、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁53と、その出力圧をパイロット圧として受けることにより作用油圧の調節が可能な可変レデュースバルブ54とからなり、この可変レデュースバルブ54には、そのパイロット圧について予圧調節可能な圧力セット部54a,54sを付設したことを特徴とする。
上記電磁比例減圧弁により入力電流信号に応じたパイロット圧が可変レデュースバルブに作用して伸長側および短縮側のそれぞれについて圧力セット部により調節された増幅特性の圧力制御によりバリエータローラが進退駆動される。
【0006】
請求項2に係る発明は、無段変速伝動するためのバリエータローラ44を進退駆動する複動シリンダ44aの伸長側および短縮側と接続し、その伸長側および短縮側の作用油圧S1,S2をそれぞれ制御する2つの油圧制御部を備えるトロイダル変速機構の油圧制御装置において、上記2つの油圧制御部は、それぞれ、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁53と、その出力圧をパイロット圧として保持油圧の調節が可能な可変リリーフバル59ブとからなり、この可変リリーフバル59には、そのパイロット圧について予圧調節可能な圧力セット部59aを付設したことを特徴とする。
上記電磁比例減圧弁により入力電流信号に応じたパイロット圧が可変レデュースバルブに作用して伸長側および短縮側のそれぞれについて圧力セット部により調節された増幅特性の圧力制御によりバリエータローラが進退駆動される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のトロイダル変速機構の油圧制御装置は、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明の効果は、上記電磁比例減圧弁により入力電流信号に応じたパイロット圧が可変レデュースバルブに作用して伸長側および短縮側のそれぞれの増幅特性の圧力制御によりバリエータローラが進退駆動されることから、増幅特性の調節によって伸長側および短縮側のそれぞれの圧力制御特性を共通化することにより、バリエータローラの伝動制御精度を向上することができる。
【0008】
請求項2に係る発明の効果は、上記電磁比例減圧弁により入力電流信号に応じたパイロット圧が可変リリーフバルブに作用して伸長側および短縮側のそれぞれの増幅特性の圧力制御によりバリエータローラが進退駆動されることから、増幅特性の調節によって伸長側および短縮側のそれぞれの圧力制御特性を共通化することにより、バリエータローラの伝動制御精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る油圧制御装置が適用されるトロイダル変速装置を搭載した作業車両の1例を示す農用トラクタの側面図である。この農用トラクタは、前輪aと後輪bとを備えた機体前部にエンジンcを搭載し、このエンジンcの回転動力を変速装置1に伝達し、この変速装置1で適宜減速された動力を前輪aと後輪bとに伝達するとともに、後部のPTO軸kを介して作業機K1に出力するように構成している。また、オペレータによる操作のために、ステアリングハンドルhの前方に運転状態を表示するモニタm、下方にアクセルペダルp、変速装置1の上部に設けた操縦席qの側方に変速レバー7等が配置され、制御部Cにより自動変速可能に構成される。
【0010】
上記変速装置1には、PTO軸kの伝動系とともに、トロイダル変速機構による走行伝動系を内設する。このトロイダル変速機構は、図2の要部構成側面図に示すように、軸端(図中の右端)側から動力を受ける走行伝動軸5について、フルトロイダル型バリエータによる変速部21、仕切壁9の後側に続く遊星機構22、Hi・Loの2つのクラッチからなる高低切替部23等を走行伝動軸5の軸線上に構成し、ミッションケース内の仕切壁9によって画成された所定の区画内に配置する。
【0011】
バリエータ21は、前後配置の2つの入力ディスク41,42と、その間に配置した出力ディスク43と、互いの対向面を円環凹面状に形成してこれらの対向面間に例えば120°の等分周間隔で介設する前後3つのバリエータローラ44…とによって構成する。前側の入力ディスク41は、その内部ピストンによって軸線方向に作用するエンドロードの油圧を受けつつ走行伝動軸5によって一体に回動支持し、出力ディスク43は、後方に延びるスリーブ状の伝動部材45を取付けて走行伝動軸5上に軸支するとともに、同伝動部材45上に後側の入力ディスク42を軸支することにより、バリエータローラ44…の傾斜に応じた無段変速動力を出力ディスク43により出力する。このバリエータローラ44…は、専用作動油を受けることにより伝動性を確保し、また、その進退位置を制御する油圧系により傾斜角度が調節されて無段変速伝動を行う。
【0012】
バリエータ21の油圧制御系は、図3のシステム系統図に示すように、各バリエータローラ44…を進退駆動する複動型の油圧シリンダ44a…を備え、かつ、それぞれのシリンダロッド44b…に形成した油路を介して専用作動油を供給し、入力ディスク41,42と出力ディスク43との間の伝動を確保しつつ潤滑と冷却を行うとともに、各油圧シリンダ44aによるバリエータローラ44…の進退駆動と走行伝動軸5の軸端入力によるエンドロード圧とを制御する。
【0013】
詳細には、バリエータローラ44…の油圧シリンダ44a…は、すべてを並列に油圧接続してその伸長側および短縮側の作用油圧をそれぞれ制御する伸長用および短縮用の2つの油圧制御部を介設する。これら2つの油圧制御部は、ポンプPからレデュースバルブ52によって所定の供給圧をそれぞれ受け、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁53,53と、その出力圧をパイロット圧として作用油圧の調節が可能な可変レデュースバルブ54,54とにより構成する。これらのドレン側の作動油は、各シリンダロッド44b…からバリエータローラ44…の転動面に供給する。可変レデュースバルブ54,54のパイロットポートにそれぞれスプリング54s,54sと調節ねじ54a,54aとによる圧力セット部を付設する。
【0014】
また、上記油圧シリンダ44a…の伸長側と短縮側との油路間にはシャトル弁55を介設し、このシャトル弁55により夫々の制御圧S1,S2の高い方をパイロット圧とする圧力制御弁56によりバリエータローラ44…の傾斜動作による速度変更と対応してエンドロードを制御して各バリエータローラ44…の転動接触圧を調整する。これらの専用作動油は所定区画内に限定して循環使用する。
【0015】
上記シャトル弁55を除くバルブ類は、図4のバルブブロック構成例の展開図に示すように、メインリリーフRを含めてバルブブロック57として構成する。2つの可変レデュースバルブ54,54はそれぞれのパイロットピストン54p,54pに電磁比例減圧弁53,53の出力を対応して連通するとともに、圧力調節用のスプリング54s、54sと調節ねじ54a,54a等による圧力セット部をバルブブロック57のベース部に構成する。
【0016】
上記構成の油圧制御装置により、変速レバーと対応して電磁比例減圧弁53の入力電流信号が制御されることから、変速レバーの前後回動操作に応じたパイロット圧が可変レデュースバルブ54に作用し、伸長側および短縮側のそれぞれの増幅特性の圧力制御によりバリエータローラ44…が進退駆動される。例えば、図5の増幅特性例を示す圧力制御特性図のように、25キログラム重/平方センチメートル(以下において、「kgf/cm2」と表記する)用の電磁比例減圧弁53により50kgf/cm2用の可変レデュースバルブ54の増幅特性を得ることができる。
【0017】
この場合、電磁比例減圧弁53の制御特性C1に対して圧力セット部54aを調節することにより、圧力精度による特性のばらつき幅C1L〜C1Uがあっても、伸長側および短縮側に共通の制御特性C2に揃えることができる。したがって、増幅特性の調節によって伸長側および短縮側のそれぞれの圧力制御特性を共通化することにより、バリエータローラ44…の制御を介してバリエータ21の伝動制御精度を向上することができる。
【0018】
次に、バリエータ21の別の油圧制御系について説明する。以下において、前記同様の部材はその符号を付すことによって説明を省略する。
この油圧制御系は、図6のシステム系統図に示すように、バリエータローラ44…の油圧シリンダ44a…にポンプPからレデュースバルブ52によって所定の供給圧を伸長用および短縮用の作動油をそれぞれに受けてその保持圧を制御する2つの油圧制御部を設ける。これら2つの油圧制御部は、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁53,53と、その出力圧をパイロット圧として保持油圧の調節が可能な可変リリーフバルブ59,59とにより構成する。これら可変リリーフバルブ59,59のパイロット圧は、それぞれスのプリング59sに作用する調節ねじ59aによる圧力セット部を付設する。また、バリエータローラ44…の各シリンダロッド44b…とエンドロード制御の圧力制御弁56は上記供給油圧と接続する。
【0019】
これらバルブ類は、図7の構成例展開図に示すように、メインリリーフRを含めてバルブブロック60として構成する。2つの可変リリーフバルブ59,59はそれぞれのパイロット圧として電磁比例減圧弁53,53の出力を対応して連通するとともに、それぞれのスプリング59s、59sのセット圧調節用の調節ねじ59a,59aをねじ込みホルダとしてバルブブロック60のベース部に構成する。
【0020】
上記構成の油圧制御装置により、伸長側と短縮側の2つの可変リリーフバルブ59,59の増幅特性をそれぞれの圧力セット部59a,59aによって調節することにより、前記同様に、伸長側と短縮側について制御特性を揃えることができる。
【0021】
バリエータ21のローラ潤滑回路は、図8の油圧系統図に示すように、メインリリーフRのTポートからバリエータローラ44…の各シリンダロッド44b…に作動油を供給する。これにより、メインリリーフRの不要な全流量を多数のバリエータローラ44…の潤滑に回すことができるので、通例による2次圧回路からオリフィスを通じて一定流量を供給する場合と比較し、多数のバリエータローラ44…のための潤滑油量が不足して必要な一定圧を保持できないという事態を招くことなく、ポンプ容量を小さく抑えてエンジン馬力ロスを最小限としつつ、低コストでバリエータローラの耐久性を確保することができる。
【0022】
バリエータ21のギヤ・ベアリング等の潤滑回路については、図9の油圧系統図に示すように、各電磁比例減圧弁53,53および減圧弁54,54のドレンポートから走行伝動軸5を介して潤滑油を供給するように構成する。これにより、オイルに漬からない伝動条件下におけるバリエータローラ44…の潤滑、冷却が可能となり、耐久性を確保することができる。
【0023】
別のバリエータローラ44…の潤滑例としては、図10の油圧系統図のように、パイロットリリーフ弁Rのドレンポートからバリエータローラ44…の潤滑油(冷却油)を供給する。これにより、その不要な全流量(基本的に、シリンダ作動時以外はポンプの全流量)を多数のバリエータローラ44…の潤滑に回すことができるので、通例による2次圧回路からオリフィスを通じて一定流量を供給する場合と比較し、潤滑油量の不足(多くなると一定圧保持が困難)を補うべく、油量確保のための複数のポンプや、分流弁と組合わせた大容量ポンプ等を要することなく、ポンプ容量を小さく抑えてエンジン馬力ロスを最小限としつつ、低コストでバリエータローラの耐久性を確保することができる。
【0024】
この場合、バリエータローラ44…の潤滑回路には、可変レデュースバルブ54,54のドレンポートからさらに供給することにより、特に、機体の前後進等のバリエータローラ44…の急激な作動の時(作動シリンダの圧力S1,S2が入れ替わる時)にシリンダ作動に流量を取られてバリエータローラ44…の潤滑油(冷却油)が瞬間的ではあるが不足してバリエータローラ44…の耐久性を損なうという問題を解決することができる。
【0025】
上記バリエータ21のエンドロードは、バリエータローラ44…のシリンダ作動圧S1,S2の高い方をシャトル弁55によって直接供給し、かつ、この作動圧をパイロット圧としてパイロットリリーフRを構成し、このパイロットリリーフRは初期(エンドロード圧力が無い時)に5〜10kgf/cm2程度の低圧にセット可能に構成する。具体的には、バルブブロック61は、その展開断面図を図11に示すように、パイロットリリーフRは、リリーフポペットとパイロット受圧部とを一体部材R1とし、かつ、最低圧力をセットするスプリングR2と調整ねじR3とによりセット部を構成する。
【0026】
上記構成のパイロットリリーフRにPポートから作動油を受け、Eポートのエンドロードをシャトル弁55からパイロット受圧部に受け、セット部R2,R3によって圧力設定することにより、走行系に使用するエンジン馬力ロスを最小限に抑えてロータリ耕耘等のPTO出力の増加が可能となることから、燃費向上等により環境問題への対応が可能となる。
【0027】
また、上記パイロットリリーフRのセット部は、図12のバルブブロック61の断面展開図に示すように、リリーフポペットR5とパイロット受圧部(パイロットスプール)R4とを別部材として構成することにより、一体構成の場合の同軸度の精度を要することなく、個々の軸線加工によって両者の作動性を確保して安定したリリーフ動作が可能となる。
【0028】
走行伝動軸5の後段部のHiLoクラッチによる高低切替部23の油圧制御回路は、図13の油圧系統図に示すように、1個の電磁比例減圧弁71とHi側およびLo側の2つの別々のオンオフ切替弁(ソレノイドバルブ)72、72で構成し、高低切替部23の後段の走行出力軸73からそれぞれHi側およびLo側の対応するクラッチ74、74の油路に接続する。
【0029】
上記構成の高低切替部23の油圧制御回路は、Hi、Loを切替える時に、各クラッチの作動時間をカバーするように別々のオンオフ切替制御弁72、72によって両者をラップさせるように制御する。その具体的なHiLoクラッチの切替制御は、図14のクラッチ動作特性図に示すように、所定の回転(例えば40rpm)以内で一定時間についてHi側およびLo側が同時に入り、かつ、クラッチの作動時間を考慮してHi側を先に入れ(シリンダ作動圧S1,S2も同様)、かつ、図15(a)のHiLoクラッチとバリエータの制御圧力特性図に示すように、バリエータトルクに追従して圧力制御を行う。
【0030】
上記のようにクラッチ制御することにより、バリエータ21、遊星機構22、Hi―Loクラッチ23等からなるトロイダル変速装置において、Hi―Loを切替える時にHi―Loのクラッチ作動時間をカバーできるので、エンドロード圧力を保持してローラトルクを確保しつつ、作動シリンダ44aの一方の圧力(S1)を抜く前に他方の圧力(S2)を立てることができる。これにより、伝達トルクが抜けることなく、負荷作業時でのショックを防止することができる。また、図15(b)のトルク特性図に示すように、クラッチトルクをバリエータトルクの10〜15%増に設定することにより、機体走行時のタイヤスリップ、大きな凹凸等の外乱によるスパークをカットしてバリエータディスクの滑りや損傷を防止することができる。
【0031】
このように、バリエータ21、遊星機構22、Hi―Loクラッチ23等からなるトロイダル変速装置においては、バリエータローラ44…の飛び出し防止のために、エンドロード圧力を保持してトルクを確保し、この間に、別々のオンオフ切替弁72、72によって両者をラップさせるようにしてHi―Loのクラッチ作動時間をカバーすることができる。したがって、Hi―Loを切替える時のショックが低減されるとともに、耐コンタミ性を含めてバリエータローラの保護・耐久性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の作業車両の側面図である。
【図2】トロイダル変速機構の要部構成縦断面図である。
【図3】バリエータの油圧制御例を示すシステム系統図である。
【図4】バルブブロックの構成例の展開図である。
【図5】増幅制御例を示す圧力制御特性図である。
【図6】別の油圧制御系のシステム系統図である。
【図7】バルブブロックの構成例展開図である。
【図8】バリエータのローラ潤滑例を示す油圧系統図である。
【図9】バリエータのギヤ・ベアリング等の潤滑例を示す油圧系統図である。
【図10】別のバリエータローラの潤滑例を示す油圧系統図である。
【図11】図10のバルブブロックの断面展開図である。
【図12】図11のバルブブロックの別構成の断面展開図である。
【図13】高低切替部の油圧系統図である。
【図14】HiLoクラッチの切替制御のクラッチ動作特性図である。
【図15】HiLoクラッチとバリエータの制御動作特性図である。
【符号の説明】
【0033】
1 変速装置
21 バリエータ
41,42 入力ディスク
43 出力ディスク
44 バリエータローラ
44a 複動シリンダ
44b シリンダロッド
52 レデュースバルブ
53 電磁比例減圧弁
54 可変レデュースバルブ(減圧弁)
54a 調整ねじ(圧力セット部)
54p パイロットピストン
54s スプリング(圧力セット部)
59 可変リリーフバルブ
59a 調整ねじ(圧力セット部)
C1 制御特性
C1L、C1U 制御特性幅
C2 制御特性
P ポンプ
R メインリリーフ
S1,S2 シリンダ作動圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無段変速伝動するためのバリエータローラ(44)を進退駆動する複動シリンダ(44a)の伸長側および短縮側と接続し、その伸長側および短縮側の作用油圧(S1,S2)をそれぞれ制御する2つの油圧制御部を備えるトロイダル変速機構の油圧制御装置において、
上記2つの油圧制御部は、それぞれ、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁(53)と、その出力圧をパイロット圧として受けることにより作用油圧の調節が可能な可変レデュースバルブ(54)とからなり、この可変レデュースバルブ(54)には、そのパイロット圧について予圧調節可能な圧力セット部(54a,54s)を付設したことを特徴とするトロイダル変速機構の油圧制御装置。
【請求項2】
無段変速伝動するためのバリエータローラ(44)を進退駆動する複動シリンダ(44a)の伸長側および短縮側と接続し、その伸長側および短縮側の作用油圧(S1,S2)をそれぞれ制御する2つの油圧制御部を備えるトロイダル変速機構の油圧制御装置において、
上記2つの油圧制御部は、それぞれ、入力電流信号に応じて油圧を調節する電磁比例減圧弁(53)と、その出力圧をパイロット圧として保持油圧の調節が可能な可変リリーフバル(59)ブとからなり、この可変リリーフバル(59)には、そのパイロット圧について予圧調節可能な圧力セット部(59a)を付設したことを特徴とするトロイダル変速機構の油圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−2912(P2006−2912A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182243(P2004−182243)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】