説明

ドア装置

【課題】ロック機構によりドアパネルの反りを抑えることができるドア装置を提供する。
【解決手段】機体側フレームFに対しヒンジ54によりドアパネル20を開閉自在に取付け、このドアパネル20のヒンジとは反対側の先端側辺部における中央寄り位置とこの中央寄り位置に対応する機体側フレームFの高さ位置とに、機体側フレームFに対するドアパネル20のロックおよびロック解除が可能なロック機構65を設ける。ロック機構65の下方に位置するドアパネル20の下部と、このドアパネル20の下部と対応する機体側フレームFの高さ位置とに、ロック機構65のロック状態を解除操作するロック解除操作機構66を設け、ロック解除操作機構66とロック機構65とを、ロック解除操作機構66のロック解除操作をロック機構65に伝達するリンク部材67により連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構とロック解除操作機構とが分離されたドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、油圧ショベルのような作業機械10を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回可能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が搭載されている。動力装置15は、上部カバー16およびサイドドア17などにより覆われている。これらの上部カバー16およびサイドドア17は、機体側フレームの一側部にヒンジにより開閉自在に取付けられている。これらのサイドドア17などは、基本的にはロック機構18により機体側フレームの他側部に閉じ状態で固定される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の作業機械10のサイドドア17においては、車両に発生する衝撃などによりサイドドア17にも大きな振動が発生する。そこで、図20に示されるようにサイドドア17と対向する機体側フレーム19には、上下振動を抑えるための振止部品19a,19bが、ロック機構18a,18bとは別部品として取付けられている(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−137183号公報(第3頁、図3−5)
【特許文献2】特開2001−262618号公報(第3−4頁、図2−4)
【特許文献3】特開2007−170114号公報(第5−8頁、図2−7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中型の作業機械10では、図20に示されるように地上から手が届く位置であるサイドドア17の下部にロック機構18a,18bおよびそのロック作用を解除する操作ハンドル18cを設ける必要があるため、上下方向で片持ち梁のようにサイドドア17の上部に反りが生じやすく、ドアパネルの合わせ面がきれいに揃わないことがある。上記振止部品19a,19bは、上下振動を抑えるには効果的であるが、パネル面に対して垂直方向の変形である反りを防止する効果はない。
【0006】
特に、複数の鋼板を重ね合わせて構成されたサイドドア17の多層構造ドアパネルは、ドア自体の剛性を利用し、高いテンションを確保することによりガタを少なくし、長寿命を実現するようにしているので、ラジエータ室用サイドドアのような大開口面積用のドアパネルでは、全体の剛性が下がりやすく、図20に示されるように、剛性を維持するために振止部品19a,19bによりテンションをかけると、ロック機構18a,18bから離れた剛性の比較的低い上側の振止部品19aと対応するドアパネル上方部分が反ってしまう。また、反りをなくすためにテンションを落とすと、ドアパネルの耐久性が落ちてしまう。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ロック機構によりドアパネルの反りを抑えることができるドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、取付基体に対しヒンジにより開閉自在に取付けられたドアパネルと、このドアパネルのヒンジとは反対側の先端側辺部における中央寄り位置とこの中央寄り位置に対応する取付基体の位置とに設けられ、取付基体に対するドアパネルのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、このロック機構から離隔する少なくともドアパネルの離隔位置に設けられ、ロック機構のロック状態を解除操作するロック解除操作機構と、このロック解除操作機構とロック機構とを連結してロック解除操作機構のロック解除操作をロック機構に伝達するリンク部材とを具備したドア装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載のドア装置におけるロック機構が、ドアパネルの中央寄り位置に取付けられたストライカと、このストライカに対応して取付基体に取付けられストライカと係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチとを備え、ロック解除操作機構は、ドアパネルの下部に取付けられた外部から操作可能なハンドルレバーと、このハンドルレバーに対応して取付基体に回動自在に軸支されドアパネル閉じ状態でハンドルレバーにより作動されてリンク部材を介しラッチに固定解除動作を伝達する運動方向転換レバーとを備えたドア装置である。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1記載のドア装置におけるロック機構が、取付基体に取付けられたストライカと、このストライカに対応してドアパネルの中央寄り位置に取付けられストライカと係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチとを備え、ロック解除操作機構は、ドアパネルの下部に取付けられた外部から操作可能なハンドルレバーと、このハンドルレバーに対応してドアパネルの下部に回動自在に軸支されハンドルレバーにより作動されてリンク部材を介しラッチに固定解除動作を伝達する運動方向転換レバーとを備えたドア装置である。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項3記載のドア装置におけるロック解除操作機構の運動方向転換レバーが、ドアパネルと平行の姿勢を保って回動できるように軸支されたドア装置である。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項4記載のドア装置におけるロック解除操作機構が、中間部をドアパネル側に回動自在に軸支されハンドルレバーにより一端側に位置するレバー端部を押圧されて回動される一方の運動方向転換レバーと、この一方の運動方向転換レバーの他端側に位置するレバー端部に一方端に位置するレバー端部を回動自在に軸連結され、中間部をドアパネル側に回動自在に軸支され、ハンドルレバーによる押圧で回動した一方の運動方向転換レバーの動きを他方端に位置するレバー端部に連結されたリンク部材を介しラッチに固定解除動作として伝達する他方の運動方向転換レバーと、一方の運動方向転換レバーの一側に位置するレバー端部をハンドルレバーに対抗する方向に附勢するスプリングとを具備したドア装置である。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれか記載のドア装置におけるドアパネルが、プレス成形された金属板部材で形成されたドア装置である。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれか記載のドア装置におけるドアパネルが、通気用開口部を有する外側板と、外側板の内側面に固定され、外側板から離反する方向に膨出形成された一側の補強板収納凸部を含む外枠状補強用凸部とその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部との間に通気用開口部が設けられた内側板と、外側板と内側板の一側の補強板収納凸部との間に固定された一側の内部補強板と、内部補強板を取付基体に取付けるヒンジとを具備し、横梁状補強用凸部の断面積は、外枠状補強用凸部の断面積より小さく形成されたドア装置である。
【0015】
請求項8に記載された発明は、請求項3乃至7のいずれか記載のドア装置におけるドアパネルが、通気用開口部を有する外側板と、外側板の内側面に固定され、外側板から離反する方向に膨出形成された一側の補強板収納凸部および他側の補強板収納凸部を含む外枠状補強用凸部とその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部との間に通気用開口部が設けられた内側板と、外側板と内側板の一側の補強板収納凸部との間に固定されたヒンジ取付用の一側の内部補強板と、外側板と内側板の他側の補強板収納凸部との間に固定された他側の内部補強板とを具備し、ロック機構のラッチは、内側板の他側の補強板収納凸部を挿通したボルトにより他側の内部補強板に固定されたドア装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された発明によれば、ドアパネルのヒンジとは反対側の先端側辺部における中央寄り位置に設けられたロック機構と、このロック機構から離隔する少なくともドアパネルの離隔位置に設けられたロック解除操作機構とを、リンク部材により連結したので、ロック解除操作機構をロック機構の設置位置に拘束されることなく手が届く位置に分離して容易にドアパネルのロック解除操作をすることができるとともに、ドアパネルの先端側辺部はその中央寄り位置に設けられたロック機構により固定できるため、従来のドアパネル下部にロック機構を設けざるを得なかったものより、ドアパネルの反りを著しく抑えることができ、ドアパネルの合わせ面をきれいに揃えることができる。
【0017】
請求項2に記載された発明によれば、ラッチ、リンク部材および運動方向転換レバーを固定された取付基体側に設け、これらをドアパネル側のストライカおよびハンドルレバーと分離したので、ドアパネル側の軽量化と機構簡素化とによる耐久性の向上すなわち寿命延長を図ることができる。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、ラッチ、リンク部材、運動方向転換レバーおよびハンドルレバーをドアパネル側に集約するので、これらの組付け作業および調整作業を容易に行なうことができ、組立作業の効率化を図ることができる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、運動方向転換レバーがドアパネルと平行の姿勢を保つので、運動方向転換レバーの長さにかかわらず、ロック解除操作機構をドアパネルに沿ってコンパクトに形成できる。
【0020】
請求項5に記載された発明によれば、一方および他方の運動方向転換レバーのそれぞれの中間部を、ドアパネル側に回動自在に軸支し、これらの運動方向転換レバーのレバー端部間を回動自在に軸連結したので、1つの引張コイルスプリングにより、一方の運動方向転換レバーをハンドルレバーに対抗する方向に附勢できると同時に、他方の運動方向転換レバーをラッチ固定方向に効率良く附勢できる。
【0021】
請求項6に記載された発明によれば、プレス成形された金属板部材で形成されたドアパネルは、剛性の比較的低い部分で反りが生じやすいので、ドアパネルの先端側辺部の中央寄り位置に設けられたロック機構により剛性の低下を抑えることで、反りの発生を抑えることができる。
【0022】
請求項7に記載された発明によれば、外側板から離反する方向に膨出形成された内側板の一側の補強板収納凸部を含む外枠状補強用凸部とその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部との間に通気用開口部が設けられ、一側の補強板収納凸部と外側板との間に固定された一側の内部補強板を、ヒンジにより、取付基体に取付けるようにし、横梁状補強用凸部の断面積は、外枠状補強用凸部の断面積より小さく形成されたので、小断面積の横梁状補強用凸部によりドアパネルに大きな通気用開口部を設けることができるとともに、相対的に大断面積の外枠状補強用凸部と、補強板収納凸部内の内部補強板とにより、十分なパネル剛性を確保でき、ドアパネルの反りを抑える構造を確保できる。
【0023】
請求項8に記載された発明によれば、外側板から離反する方向に膨出形成された内側板の一側の補強板収納凸部および他側の補強板収納凸部と外側板との間に、ヒンジ取付用の一側の内部補強板と、他側の内部補強板とを固定し、内側板の他側の補強板収納凸部を挿通したボルトにより他側の内部補強板にロック機構のラッチを固定したので、ヒンジおよびラッチの取付強度を向上できるとともに、一側の内部補強板および他側の内部補強板により、より十分なパネル剛性を確保でき、ドアパネルの反りを確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るドア装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上ドア装置のロック機構およびロック解除操作機構の拡大斜視図である。
【図3】同上ロック機構のラッチの正面図である。
【図4】同上ロック機構のストライカの斜視図である。
【図5】同上ロック機構の結合前の状態を示す側面図である。
【図6】同上ロック機構の結合後の状態を示す側面図である。
【図7】同上ドア装置を備えた作業機械の平面図である。
【図8】同上ドア装置のドアパネルを作業機械に取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】同上ドア装置のドアパネル内面図である。
【図10】同上ドア装置のドアパネル分解斜視図である。
【図11】図9のXI−XI線断面図である。
【図12】本発明に係るドア装置の他の実施の形態を示すドアパネル内面図である。
【図13】同上ドア装置のロック機構およびロック解除操作機構の正面図である。
【図14】同上ドア装置のロック機構およびロック解除操作機構の側面図である。
【図15】同上ドア装置のロック機構およびロック解除操作機構の底面図である。
【図16】同上ドア装置のドアパネル分解斜視図である。
【図17】本発明に係るドア装置のさらに別の実施の形態を示す斜視図である。
【図18】(a)は同上ドア装置のロック機構を示す斜視図、(b)は同上ドア装置のロック解除操作機構を示す斜視図である。
【図19】従来のドア装置を備えた作業機械の斜視図である。
【図20】従来の振止部品を取付けたフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を、図1乃至図11に示された一実施の形態、図12乃至図16に示された他の実施の形態、図17および図18に示されたさらに別の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
先ず、図1乃至図11に示された一実施の形態を説明する。
【0027】
図7は、作業機械としての油圧ショベル10を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回可能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が搭載されている。動力装置15は、上部カバー16およびサイドドア17などにより覆われている。
【0028】
図8は、ラジエータ室に設けられたサイドドア17を示し、このサイドドア17は、取付基体としての機体側フレームFに開閉自在に取付けられている。
【0029】
図9乃至図11は、このサイドドア17のドアパネル20を示し、このドアパネル20は、外側板21と、この外側板21に対し凹凸状にプレス成形されて外側板21の内側面に凹部を固定されるとともに凸部と外側板21との間に空間22を形成する内側板23と、これらの外側板21と内側板23との間の空間22に充填された発泡材24とを具備している。外側板21および内側板23には、4列の通気用開口部25が設けられている。
【0030】
外側板21は、内側板23の1.2〜5.0倍の板厚にする。言い換えれば、内側板23は、外側板21より薄い板厚の鉄板を用いる。例えば、外側板21を1.2mmの鉄板とした場合、内側板23は、相反する強度と加工性とを満足するために、0.6mm、0.8mmなどの鉄板を用いることが望ましい。
【0031】
発泡材24は、外側板21または内側板23の内面に貼付された未発泡状態のシート状の発泡素材を、外側板21と内側板23との間の空間22内で加熱して発泡させ、成形する。発泡素材は、20倍程度の体積膨張率を有する高発泡性のゴム系吸音材が望ましい。発泡素材の加熱は、焼付塗装用加熱炉を用いて、焼付塗装と同時に行なうことが望ましい。
【0032】
図10に示されるように、外側板21には、ヒンジ取付側の板部26aと、最上段および最下段の横方向に成形された板部26bと、上から第2段、第3段および第4段の横方向に成形された板部26cと、ロック機構取付側の板部26dとの間に、通気用開口部25aが開口されている。
【0033】
内側板23は、外側板21に接合された開口側の接合部27および外周側の接合部28と、これらの接合部27,28に対し膨出成形された凸部29とを具備している。
【0034】
この内側板23の凸部29は、ヒンジ取付側の縦方向に成形された大型断面の補強板収納凸部29aと、最上段および最下段の横方向に成形された大型断面の補強用凸部29bと、上から第2段、第3段および第4段の横方向に成形された小型断面の横梁状補強用凸部29cと、ロック機構取付側の縦方向に成形された大型断面の補強用凸部29dとで構成されている。
【0035】
ヒンジ取付側の補強板収納凸部29aと、最上段および最下段の横方向に成形された補強用凸部29bと、ロック機構取付側の補強用凸部29dとにより、内側板23の周囲を外側板21から離反する方向に膨出させて形成した外枠状補強用凸部29a,29b,29dが構成されている。3本の横梁状補強用凸部29cは、この外枠状補強用凸部29a,29b,29dの枠内で横方向に一体成形されている。
【0036】
最上部および最下部の太い補強用凸部29bには、縦方向に凹状の強化用凹部30が形成されている。小型断面の横梁状補強用凸部29cは、通気用開口部25の開口面積を確保するために、補強用凸部29bより小幅かつ低く形成され、補強用凸部29bの強化用凹部30が形成されていない。
【0037】
図10および図11に示されるように、内側板23の接合部27には、外側板21に開口された3列の通気用開口部25aと対応して、これらの外側板21の通気用開口部25aよりやや大きな通気用開口部25bがそれぞれ穴加工により設けられている。
【0038】
外側板21の外周縁部は、内側板23の周縁部を包みこむように折返し平坦に押しつぶして形成したヘミング加工部33により、内側板23の周縁部を咬込み結合する。内側板23の接合部27,28は、接着剤34により外側板21に接着され、この接着剤34により外側板21と内側板23の接合部27,28とを接合するとともにシールする。接着剤34は、粘性と熱硬化性を有するペーストタイプ構造用接着剤が望ましい。
【0039】
図10に示されるように、外側板21と、この外側板21に対し位置決めされて外側板21の内側面に固定された内側板23との間で挟まれるようにして、ヒンジ取付用の内部補強板41が固定されている。
【0040】
内部補強板41は、中央部に凹状補強部42が細長く設けられ、この凹状補強部42の一端側および他端側にヒンジ取付凸部43,44がそれぞれ平面状に成形され、これらのヒンジ取付凸部43,44に1対のボルト挿入孔50がそれぞれ穿設され、また、各ヒンジ取付凸部43,44の中央部であって2つのボルト挿入孔50の間に、位置決め用嵌合部45がそれぞれ凹状に形成されている。
【0041】
この内部補強板41に対し、内側板23のヒンジ取付側の補強板収納凸部29aの中央部には、内部補強板41の凹状補強部42と嵌合される凹状補強部47が細長く設けられ、この凹状補強部47の一端側および他端側にヒンジ取付面部48,49がそれぞれ平面状に成形され、これらのヒンジ取付面部48,49に複数のボルト挿入孔48h,49hがそれぞれ穿設され、また、各ヒンジ取付面部48,49の中央部であって2つのボルト挿入孔48h,49hの間に、一方の位置決め用嵌合部51および他方の位置決め用嵌合部52がそれぞれ下方へ突出する凸状に形成されている。
【0042】
そして、内側板23のヒンジ取付面部48,49に設けられた位置決め用嵌合部51,52と、内部補強板41のヒンジ取付凸部43,44に設けられた位置決め用嵌合部45とが、相互に嵌合して、内側板23に対し内部補強板41を位置決めする。この位置決めにより、内部補強板41の凹状補強部42と内側板23の凹状補強部47とが嵌合されるとともに、内部補強板41のボルト挿入孔50と内側板23のボルト挿入孔48h,49hとが正確に位置決めされる。
【0043】
内側板23のヒンジ取付面部48,49上には、図8に示されるようにヒンジ54が取付けられる。これらのヒンジ54は、内側板23のヒンジ取付面部48,49上に固定される一側のプレートP1に対して、軸部材により、他側のプレートP2が回動自在に連結され、この他側のプレートP2をボルトにより取付基体としての機体側フレームFに取付けている。
【0044】
図11に示されるように、内側板23は、外側板21に密着された接合部27,28に沿って膨出成形された凸部29の中間部に段差状の補強変形部56が形成され、この段差状の補強変形部56により外側板21に対し凸部29の十分な高さを確保するとともに強度を確保している。
【0045】
図9乃至図11に示されるように、太い外枠状補強用凸部29a,29b,29dは、断面二次モーメントなどの断面性能に優れ、補強変形部56および強化用凹部30などの補強構造もあることから、曲げ応力などに対して変形しにくい特性を有する。
【0046】
相対的に、横梁状補強用凸部29cの断面積は、両端部の突出部57間において外枠状補強用凸部29a,29b,29dの断面積より小さく、かつ小幅に形成されているため、通気用開口部25の開口面積を大きく形成することができる。
【0047】
図10に示されるように、横梁状補強用凸部29cの一端側および他端側に位置する外枠状補強用凸部29a,29dは、最上部に位置する外枠状補強用凸部29bを内側に傾けるように内側に曲げ加工されている。
【0048】
すなわち、ドアパネル20の上部は、その下側のほぼ垂直部分よりも機体側に曲げ加工されているが、この曲げ加工をする際に内側面23のヒンジ取付側の補強板収納凸部29aおよびロック機構取付側の補強用凸部29dの各上部に皺が発生しやすい。
【0049】
そこで、図9および図10に示されるように、内側板23のヒンジ取付側の補強板収納凸部29aおよびロック機構取付側の補強用凸部29dが曲げ加工される内側の面に、曲げ加工の際に皺の発生を防止する皺発生防止凹部58,59が形成されている。
【0050】
図10に示されるように、内部補強板41にも、内側板23の一方の皺発生防止凹部58と嵌合する凹部60が形成され、皺発生防止凹部58との干渉を防止している。
【0051】
図11に示されるように、横方向に成形された外枠状の補強用凸部29bおよび横梁状補強用凸部29cには、発泡材24を充填する。一方、縦方向に成形されたヒンジ取付側の補強板収納凸部29aおよびロック機構取付側の補強用凸部29dには、発泡材を充填しない。これにより、発泡材24による振動減衰効果を維持しつつ、発泡材24の量およびその貼付などの施工時間を節約できる。
【0052】
図9および図10に示されるように、内側板23のヒンジ取付側とは反対側の辺部である補強用凸部29dにおける中央寄り位置には、後述するロック機構取付用の取付孔62が設けられ、この取付孔62の下方に位置するドアパネル20の下部には、後述するロック解除操作機構取付用の取付穴63が開口されている。なお、中央寄り位置とは、中央位置およびその近傍位置である。
【0053】
そして、このようなドアパネル20を製造する際は、内側板23および内部補強板41と外側板21とを、外側板21の周縁部のヘミング加工と、図示しない固定治具により固定した状態で焼付塗装用加熱炉に入れて、これらの間に塗布されている熱硬化性の接着剤を硬化させ、外側板21と内側板23と内部補強板41とを接着する。
【0054】
このとき、外側板21または内側板23の内面に貼付された発泡素材を、焼付塗装用加熱炉の加熱により発泡させて、空間22内に発泡材24を充填し、さらに、焼付塗装用加熱炉の加熱により、外側板21および内側板23の外表面に予め吹付けられた塗料を焼付ける。
【0055】
例えば、接着剤34の熱硬化は、150℃で5分間の加熱をし、発泡材24の発泡は、150℃で20分間の加熱をし、焼付塗装は、180℃〜200℃で20分間の加熱をする。これらの加熱は、既存の焼付塗装用加熱炉を用いて行なうことができる。
【0056】
そして、このように、外側板21から離反する方向に膨出形成された外枠状補強用凸部29a,29b,29dと、その枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部29cとが設けられた内側板23を外側板21の内側面に接合し、最上部に位置する外枠状の補強用凸部29bを内側に傾けるように、横梁状補強用凸部29cの一端側および他端側に位置する外枠状補強用凸部29a,29dを内側に曲げ加工したので、外枠状補強用凸部29a,29b,29dの枠内で複数の横梁状補強用凸部29cの間を切欠くことで、パネル剛性を損なうことなく、必要に応じてドアパネル20に大きな通気用開口部25を設けることが可能であるとともに、外枠状補強用凸部29a,29dを内側に曲げ加工することで、パネル剛性を向上させることができる。
【0057】
外側板21から離反する方向に膨出形成された内側板23の一側の補強板収納凸部29aを含む外枠状補強用凸部29a,29b,29dと、その枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部29cとの間に通気用開口部25が設けられ、一側の補強板収納凸部29aと外側板21との間に固定された一側の内部補強板41を、ヒンジ54により、機体側フレームFに取付けるようにし、横梁状補強用凸部29cの断面積は、外枠状補強用凸部29a,29b,29dの断面積より小さく形成されたので、小断面積の横梁状補強用凸部29cによりドアパネル20に大きな通気用開口部25を設けることができるとともに、相対的に大断面積の外枠状補強用凸部29a,29b,29dと、補強板収納凸部29a内の内部補強板41とにより、十分なパネル剛性を確保できる。
【0058】
次に、図8は、ドア装置のロック構造を示し、取付基体としての機体側フレームFに対しヒンジ54によりドアパネル20が開閉自在に取付けられ、このドアパネル20のヒンジ54とは反対側の先端側辺部における中央寄り位置とこの中央寄り位置に対応する機体側フレームFの高さ位置とに、機体側フレームFに対するドアパネル20のロックおよびロック解除が可能なロック機構65が設けられている。
【0059】
さらに、このロック機構65の下方に離隔して位置するドアパネル20の下部と、このドアパネル20の下部と対応する機体側フレームFの高さ位置とに、ロック機構65のロック状態を解除操作するロック解除操作機構66が設けられ、このロック解除操作機構66とロック機構65とが、ロック解除操作機構66のロック解除操作をロック機構65に伝達するロッド状のリンク部材67により連結されている。
【0060】
図1および図2に示されるように、ロック機構65は、ドアパネル20の中央寄り位置に設けられた取付孔62にストライカ71が取付けられ、このストライカ71に対応して機体側フレームFに、ストライカ71と係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチ72が取付けられている。ラッチ72は、ストライカ71と係合してドアパネル20の開閉方向および上下方向の動きを規制する。
【0061】
ロック解除操作機構66は、ドアパネル20の下部に設けられた取付穴63に操作部本体73が取付けられ、この操作部本体73内に、軸74を支点にハンドルプレート(図示せず)が外部から回動操作可能に設けられ、このハンドルプレートにより外部から回動操作可能なハンドルレバー75が取付けられ、このハンドルレバー75に対応して機体側フレームFに、取付板76を介して取付けられた軸部材77により、L字形状の運動方向転換レバー78が回動自在に軸支されている。
【0062】
この運動方向転換レバー78は、ドアパネル閉じ状態でハンドルレバー75と対向する一端部にローラ79を軸支しており、ハンドルレバー75によりローラ79を押圧されると、この運動方向転換レバー78が図1反時計方向に作動して、運動方向転換レバー78の他端部に回動自在に嵌装されたピン67aにロッド下端部が接続されたリンク部材67を介し、ラッチ72に固定解除動作を伝達する。
【0063】
ハンドルレバー75の一側には、エンジンキーなどにより回動操作可能な盗難防止用のストッパ81が設けられ、ハンドルレバー75の他側には、回動されたストッパ81を係止する係止部82を備えた受け板83が設けられている。そして、この受け板83で係止される位置にストッパ81を回動したときは、このストッパ81により、ハンドルレバー75が運動方向転換レバー78のローラ79を押圧することを阻止して、ハンドルレバー75によるロック解除操作を防止する。
【0064】
図4に示されるように、ストライカ71は、上下1対の取付基板部85と、これらの取付基板部85からラッチ72側にV字状に膨出形成されラッチ72と上下方向に係合される上下1対の振止斜面部86と、これらの振止斜面部86間の先端平面部87から突設されてラッチ72に挿入されラッチ72により係止される丸形断面部材によりコ字形に成形されたフック金具88とを備えている。各取付基板部85には、上下方向に細長く形成された長穴89がそれぞれ設けられ、これらの長穴89に図1に示されるように挿入されたボルト90により、ストライカ71がドアパネル20の補強用凸部29dに取付けられている。
【0065】
図1乃至図3に示されるように、ラッチ72は、機体側フレームFに1対の本体プレート91,92が、それぞれボルト93a,93bおよびこれらのボルト93a,93bと螺合するナットにより取付けられ、これらの本体プレート91,92の間には、軸部材94a,94bが嵌着されている。本体プレート91,92には、ストライカ71のフック金具88と嵌合するフック挿入溝部95がそれぞれU字形に切込み形成され、これらの各フック挿入溝部95の開口側に複数の振止規制部96がそれぞれV字形に一体形成されている。これらの振止規制部96は、フック挿入溝部95の開口側に位置する本体プレート91,92の一部を折曲して形成する。
【0066】
ストライカ71の複数の振止斜面部86およびラッチ72の複数の振止規制部96は、それぞれ上下に配置され、上下の振止規制部96は、ストライカ71の上下の振止斜面部86と密着して、ドア荷重により発生するラッチ72の上下方向の振動を抑える。
【0067】
さらに、ラッチ72は、1対の本体プレート91,92の一側部間に軸部材94aにより回動自在に軸支されたラッチプレート97と、1対の本体プレート91,92の他側部間に軸部材94bにより回動自在に軸支されたロックプレート98とを備えている。
【0068】
ラッチプレート97は、ストライカ71のフック金具88がフック挿入溝部95に挿入されるときにこのフック金具88を受入れるラッチ溝99を有し、このラッチ溝99がフック挿入溝部95の開口側に開放される角度にスプリング(図示せず)で附勢されストッパ(図示せず)で係止されているが、フック金具88の挿入動作に応じて回動することでそのラッチ溝99を閉じることができる。
【0069】
ロックプレート98は、ラッチプレート97の周面にスプリング(図示せず)で附勢されて、ラッチ溝99を閉じた角度のラッチプレート97を係止する係止溝98aを有している。このロックプレート98にはロッド連結プレート100がネジ101により取付けられ、このロッド連結プレート100に回動自在に嵌装されたピン102に、リンク部材67のロッド上端部67bが一体的に嵌着されている。
【0070】
次に、この図1乃至図11に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0071】
機体側フレームFの一側にヒンジ54により開閉自在に取付けられたサイドドア17のドアパネル20が、機体側フレームFの他側に向かって閉じられるときは、図5に示されるように、ドアパネル20に取付けられたストライカ71が、機体側フレームFのラッチ72に向かって移動し、その本体プレート91,92に設けられたフック挿入溝部95に、図6に示されるようにストライカ71のフック金具88が挿入される。
【0072】
その際、ラッチプレート97のラッチ溝99がストライカ71のフック金具88により押圧されて、図6に示されるように、ラッチプレート97が回転し、ストライカ71のフック金具88を拘束係止する。
【0073】
このとき、ラッチ72の本体プレート91,92に一体に設けられた上下の振止規制部96と、ストライカ71に一体に設けられた上下の振止斜面部86とが係合するので、サイドドア17のドアパネル20は、ドア荷重による上下方向の振動を起こさないように規制される。
【0074】
したがって、図11に示されるように外側板21と内側板23との間に充填された発泡材24により、ドアパネル20から発生する音を減衰させて、低騒音化を図ることができるとともに、ストライカ71とラッチ72との間での上下方向の振動を、上下の振止斜面部86と上下の振止規制部96との係合により規制することでも、ドアパネル20から振動音が発生することを抑制して、低騒音化を図ることができる。
【0075】
一方、ドアパネル20を開けるときは、操作部本体73内のハンドルプレート(図示せず)を外部から回動操作すると、このハンドルプレートによりハンドルレバー75が回動し、このハンドルレバー75により運動方向転換レバー78のローラ79が押圧されて、運動方向転換レバー78は、軸部材77を支点に図2反時計方向に回動する。
【0076】
これにより、運動方向転換レバー78の他端部にピン67aを介して接続されたリンク部材67は、押し上げられ、ラッチ72に固定解除動作を伝達する。ラッチ72のロックプレート98は、上方に回動され、その係止溝98aによるラッチプレート97の係止作用が解除されるので、ラッチプレート97は、スプリング(図示せず)により図2反時計方向に回動して、図5に示された状態にラッチ溝99を開放するので、ストライカ71のフック金具88を開放して、サイドドア17を開くことができる。
【0077】
ドアパネル20のヒンジ54とは反対側の先端側辺部における中央寄り位置に設けられたロック機構65と、このロック機構65の下方に位置するドアパネル20の下部に設けられたロック解除操作機構66とを、リンク部材67により連結したので、ロック解除操作機構66をロック機構65の設置位置に拘束されることなく地上から手が届く位置に分離して、容易にドアパネル20のロック解除操作をすることができるとともに、ドアパネル20の先端側辺部はその中央寄り位置に設けられたロック機構65により固定できるため、従来のドアパネル下部にロック機構を設けざるを得なかったものより、ドアパネル20の反りを著しく抑えることができ、ドアパネル20の合わせ面をきれいに揃えることができる。従来の片持ち梁状の固定形態に対して、計算上は梁の長さが1/2になり、反りは1/4以下になる。
【0078】
ラッチ72、リンク部材67および運動方向転換レバー78を固定された機体側フレームF側に設け、これらをドアパネル側のストライカ71およびハンドルレバー75と分離したので、ドアパネル20側の軽量化と機構簡素化とによる耐久性の向上すなわち寿命延長を図ることができる。
【0079】
外側板21および内側板23は、プレス成形された金属板部材であり、これらのプレス成形された外側板21および内側板23で形成されたドアパネル20は、剛性の比較的低い部分で反りが生じやすいので、ドアパネル20の先端側辺部の中央寄り位置に設けられたロック機構65により剛性の低下を抑えることで、反りの発生を抑えることができる。
【0080】
外側板21から離反する方向に膨出形成された内側板23の一側の補強板収納凸部29aを含む外枠状補強用凸部29a,29b,29dとその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部29cとの間に通気用開口部25bが設けられ、一側の補強板収納凸部29aと外側板21との間に固定された一側の内部補強板41を、ヒンジ54により、機体側フレームFに取付けるようにし、横梁状補強用凸部29cの断面積は、外枠状補強用凸部29a,29b,29dの断面積より小さく形成されたので、小断面積の横梁状補強用凸部29cによりドアパネル20に大きな通気用開口部25を設けることができるとともに、相対的に大断面積の外枠状補強用凸部29a,29b,29dと、補強板収納凸部29a内の内部補強板41とにより、十分なパネル剛性を確保でき、ドアパネル20の反りを抑える構造を確保できる。
【0081】
次に、図12乃至図16に基いて、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、図1乃至図11に示された一実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0082】
図16に示されるように、通気用開口部25aを有する外側板21と、この外側板21に対し位置決めされて外側板21の内側面に固定された通気用開口部25bを有する内側板23との間で挟まれるようにして、ヒンジ取付用の内部補強板41と、ロック機構取付用の内部補強板41aとが、それぞれ接着剤などにより固定されている。
【0083】
すなわち、内側板23は、外側板21から離反する方向に膨出形成された一側の補強板収納凸部29aおよび他側の補強板収納凸部29eを含む外枠状補強用凸部29a,29b,29eと、その枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部29cとの間に通気用開口部25bが設けられた構造であるので、ヒンジ取付用の一側の内部補強板41は、外側板21と内側板23の一側の補強板収納凸部29aとの間に固定され、また、他側の内部補強板41aは、外側板21と内側板23の他側の補強板収納凸部29eとの間に固定されている。
【0084】
ロック機構取付用の内部補強板41aは、ヒンジ取付用の内部補強板41と共通の素材を用いて成形したものであり、ヒンジ取付用の内部補強板41と同様に外側板21と内側板23との間に固定されるが、ヒンジ取付凸部43,44の代わりに、中央部にロック機構取付用の取付孔62aが設けられ、下部にロック解除操作機構取付用の切欠部63aが設けられている。
【0085】
内側板23には、ロック機構取付用の4個の取付孔62が穿設されており、同様に、ロック機構取付用の内部補強板41aにも、4個の取付孔62aが穿設されている。これらの取付孔62aの図16裏面には後述する4本のボルト93と螺合するナット(図示せず)が溶接されている。
【0086】
図12に示されるように、ドアパネル20の内側板23のヒンジ取付側とは反対側の辺部である補強板収納凸部29eにおける中央部に、ロック機構取付用の取付孔62および内部補強板41aの取付孔62aを用いて、機体側フレームFに対するドアパネル20のロックおよびロック解除が可能なロック機構65のラッチ72が4本のボルト93により取付けられている。
【0087】
また、ドアパネル20の開閉側の下部に開口された取付穴63に、ロック機構65のロック状態を解除操作するロック解除操作機構66が設けられ、このロック解除操作機構66とロック機構65のラッチ72とが、ロック解除操作機構66のロック解除操作をロック機構65のラッチ72に伝達するロッド状のリンク部材67により連結されている。
【0088】
図13乃至図15は、ロック機構65およびロック解除操作機構66を示し、ロック機構65は、上記のようにドアパネル20の中央寄り位置に設けられた取付孔62に取付けられたラッチ72と、このラッチ72に対応して図14に示されるように機体側フレームFに取付けられたストライカ71とを備えている。このストライカ71は、ラッチ72と係合してドアパネル20の開閉方向および上下方向の動きを規制する。
【0089】
ロック解除操作機構66は、ドアパネル20の下部に設けられた取付穴63に操作部本体73が取付けられ、この操作部本体73内に、図15に示されるように軸74を支点に外部から回動操作可能なハンドルプレート75pが回動自在に軸支され、このハンドルプレート75pと一体に外部から回動操作可能なハンドルレバー75が取付けられ、このハンドルレバー75に対応して、図13に示されるように操作部本体73にボルトで固定された取付板76aに、軸部材77aにより、ほぼC形状に形成された一方の運動方向転換レバー78aの中間部が、ドアパネル20と平行の姿勢を保って回動できるように回動自在に軸支され、スプリングとしての引張コイルスプリング80により図13反時計方向に附勢されている。
【0090】
この引張コイルスプリング80は、運動方向転換レバー78aの屈曲端に一体形成されたスプリング係止部80aと、取付板76aに設けられたスプリング係止部80bとに係着されている。
【0091】
一方の運動方向転換レバー78aの一端側に位置するレバー端部79aは、ハンドルレバー75に対向して設置され、この運動方向転換レバー78aの他端側に位置するレバー端部に、他方の運動方向転換レバー78bの一方端に位置するレバー端部が、連結軸部材77cにより回動自在に連結されている。
【0092】
この他方の運動方向転換レバー78bは、その中間部が軸部材77bにより取付板76aにドアパネル20と平行の姿勢を保って回動できるように回動自在に軸支され、この他方の運動方向転換レバー78bの他方端に位置するレバー端部にピン67aが回動自在に嵌装され、このピン67aにリンク部材67の下端部が接続されている。
【0093】
引張コイルスプリング80は、運動方向転換レバー78aのスプリング係止部80aを上方へ附勢して、近傍に位置する連結軸部材77cを上方へ附勢することで、一方の運動方向転換レバー78aをハンドルレバー75に対抗する図13反時計方向に附勢するとともに、他方の運動方向転換レバー78bを図13時計方向に附勢し、リンク部材67を下方(ラッチ固定方向)に附勢する。
【0094】
そして、図15に示されるように、ハンドルプレート75pを外部に引出すように回動操作すると、ハンドルレバー75により一方の運動方向転換レバー78aのレバー端部79aが押圧され、この運動方向転換レバー78aは軸部材77aを支点に図13時計方向に回動して、連結軸部材77cを押し下げるので、この連結軸部材77cに連結された他方の運動方向転換レバー78bは、軸部材77bを支点に図13反時計方向に回動し、ピン67aに接続されたリンク部材67を上方(ラッチ固定解除方向)に作動する。
【0095】
図13に示されるように、ハンドルレバー75の近傍には、エンジンキーなどにより回動操作可能な盗難防止用のストッパ81が軸支され、ハンドルレバー75の延長部には、回動されたストッパ81と係合する被係止部75aが一体に設けられている。そして、ストッパ81を被係止部75a上に回動したときは、このストッパ81により被係止部75aを係止することで、図15に2点鎖線で示されたハンドルレバー75の動きを規制して、ラッチ固定解除方向の作動を阻止する。
【0096】
図14に示されるように、ストライカ71は、上下1対の取付基板部85と、これらの取付基板部85からラッチ72側にV字状に膨出形成されてラッチ72と上下方向に係合される上下1対の振止斜面部86と、これらの振止斜面部86間の先端平面部87から突設されてラッチ72に挿入されラッチ72により係止される丸形断面部材によりコ字形に成形されたフック金具88とを備えている。各取付基板部85には、上下方向に細長く形成された長穴89がそれぞれ設けられ、これらの長穴89に挿入されたボルト90およびこのボルト90と螺合するナットにより、ストライカ71が機体側フレームFに取付けられている。
【0097】
図13および図14に示されるように、ロック機構65のラッチ72は、1対の本体プレート91,92をベース部材にして構成され、内側板23の他側の補強板収納凸部29eを挿通した4本のボルト93と、これらのボルト93に内部補強板41aの裏面で螺合するナットとにより、1対の本体プレート91,92が、補強板収納凸部29eおよび内部補強板41aに固定されている。
【0098】
これらの本体プレート91,92の間には、軸部材94a,94bが嵌着されている。また、本体プレート91,92には、ストライカ71のフック金具88と嵌合するフック挿入溝部95がそれぞれU字形に切込み形成され、これらの各フック挿入溝部95の開口側に複数の振止規制部96がそれぞれV字形に一体形成されている。これらの振止規制部96は、フック挿入溝部95の開口側に位置する本体プレート91,92の一部を折曲して形成する。
【0099】
ストライカ71の複数の振止斜面部86およびラッチ72の複数の振止規制部96は、それぞれ上下に配置され、上下の振止規制部96は、ストライカ71の上下の振止斜面部86と密着して、ドア荷重により発生するラッチ72の上下方向の振動を抑える。
【0100】
さらに、ラッチ72は、1対の本体プレート91,92の一側部間に軸部材94aにより回動自在に軸支されたラッチプレート97と、1対の本体プレート91,92の他側部間に軸部材94bにより回動自在に軸支されたロックプレート98とを備えている。
【0101】
ラッチプレート97は、ストライカ71のフック金具88がフック挿入溝部95に挿入されるときにこのフック金具88を受入れるラッチ溝99を有し、このラッチ溝99がフック挿入溝部95の開口側に開放される角度にスプリング97sで附勢され、ストッパ(図示せず)で係止されているが、フック金具88の挿入動作に応じて回動することで、そのラッチ溝99を図14に示されるように閉じることができる。
【0102】
ロックプレート98は、ラッチプレート97の周面にスプリング98sで附勢されて、ラッチ溝99を図14に示されるように閉じた状態のラッチプレート97を係止する係止溝98aを有している。
【0103】
このロックプレート98には、ロッド連結プレート100がネジ101により取付けられ、このロッド連結プレート100に回動自在に嵌装されたピン102に、リンク部材67の上端部が一体的に嵌着されている。
【0104】
次に、この図12乃至図16に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0105】
サイドドア17のドアパネル20が、機体側フレームFに向かって閉じられるときは、図14に示されるように、機体側フレームFに取付けられたストライカ71が、相対的にドアパネル20のラッチ72に向かって移動し、その本体プレート91,92に設けられたフック挿入溝部95に、ストライカ71のフック金具88が挿入される。
【0106】
その際、ラッチプレート97のラッチ溝99がストライカ71のフック金具88により押圧されて、図14に示される角度までラッチプレート97が回転すると、ロックプレート98の係止溝98aがラッチプレート97の復帰動作を係止するので、ストライカ71のフック金具88を図14に示された位置に拘束係止できる。
【0107】
このとき、ラッチ72の本体プレート91,92に一体に設けられた上下の振止規制部96と、ストライカ71に一体に設けられた上下の振止斜面部86とが係合するので、サイドドア17のドアパネル20は、ドア荷重による上下方向の振動を起こさないように規制され、低騒音化を図ることができる。
【0108】
一方、ドアパネル20を開けるときは、図15に2点鎖線で示されるように、操作部本体73内のハンドルプレート75pをパネル外面から引出すように回動操作すると、このハンドルプレート75pによりハンドルレバー75が回動し、このハンドルレバー75により運動方向転換レバー78aのレバー端部79aが押圧されて、図13に2点鎖線で示されるように、一方の運動方向転換レバー78aは、軸部材77aを支点に時計方向に回動する。
【0109】
これにより、一方の運動方向転換レバー78aの他端部に連結軸部材77cにより回動自在に連結された他方の運動方向転換レバー78bは、軸部材77bを支点に図13反時計方向に回動し、ピン67aを介して接続されたリンク部材67を押上げ、ラッチ72に固定解除動作を伝達する。
【0110】
すなわち、リンク部材67の押上げ作用により、ラッチ72のロックプレート98は、スプリング98sの附勢力に抗して図14時計方向に回動し、その係止溝98aによるラッチプレート97の係止作用を解除するので、ラッチプレート97は、スプリング97sにより図14時計方向に回動して、ラッチ溝99をフック挿入溝部95の開口側に開放するので、ストライカ71のフック金具88をラッチ溝99から開放して、サイドドア17を開くことができる。
【0111】
また、図12に示されるように、ドアパネル20の先端側辺部における中央寄り位置にロック機構65のラッチ72を設け、このロック機構65のラッチ72と、このロック機構65の下方に位置するドアパネル20の下部に設けられたロック解除操作機構66とを、リンク部材67により連結したので、ロック解除操作機構66をロック機構65の設置位置に拘束されることなく地上から手が届く位置に分離して、容易にドアパネル20のロック解除操作をすることができるとともに、ドアパネル20の先端側辺部はその中央寄り位置に設けられたロック機構65により固定できるため、従来のドアパネル下部にロック機構を設けざるを得なかったものより、ドアパネル20の反りを著しく抑えることができ、ドアパネル20の合わせ面をきれいに揃えることができる。従来の片持ち梁状の固定形態に対して、計算上は梁の長さが1/2になり、反りは1/4以下になる。
【0112】
ロック機構65のラッチ72、ロック解除操作機構66およびリンク部材67をドアパネル側に集約できるので、これらの組付け作業および調整作業を容易に行なうことができ、組立作業の効率化を図ることができる。
【0113】
図12に示されるように、運動方向転換レバー78a,78bがドアパネル20と平行の姿勢を保つので、運動方向転換レバー78a,78bの長さにかかわらず、ロック解除操作機構66をドアパネル20に沿ってコンパクトに形成できる。
【0114】
図13に示されるように、一方および他方の運動方向転換レバー78a,78bのそれぞれの中間部を、一方および他方の軸部材77aおよび77bにより、ドアパネル側に回動自在に軸支し、これらの運動方向転換レバー78a,78bのレバー端部間を連結軸部材77cにより回動自在に軸連結したので、連結軸部材77cの近傍に対して設けられた1つの引張コイルスプリング80により、一方の運動方向転換レバー78aをハンドルレバー75に対抗する方向に効率良く附勢できると同時に、他方の運動方向転換レバー78bをラッチ固定方向に効率良く附勢できる。
【0115】
図12に示されるように、外側板21および内側板23は、プレス成形された金属板部材であり、これらのプレス成形された外側板21および内側板23で形成されたドアパネル20は、剛性の比較的低い部分で反りが生じやすいので、ドアパネル20の先端側辺部の中央寄り位置に設けられたロック機構65により剛性の低下を抑えることで、反りの発生を抑えることができる。
【0116】
外側板21から離反する方向に膨出形成された内側板23の一側の補強板収納凸部29aを含む外枠状補強用凸部29a,29b,29eとその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部29cとの間に通気用開口部25bが設けられ、一側の補強板収納凸部29aと外側板21との間に固定された一側の内部補強板41を、ヒンジにより、機体側フレームに取付けるようにし、横梁状補強用凸部29cの断面積は、外枠状補強用凸部29a,29b,29eの断面積より小さく形成されたので、小断面積の横梁状補強用凸部29cによりドアパネル20に大きな通気用開口部25を設けることができるとともに、相対的に大断面積の外枠状補強用凸部29a,29b,29eと、補強板収納凸部29a内の内部補強板41とにより、十分なパネル剛性を確保でき、ドアパネル20の反りを抑える構造を確保できる。
【0117】
特に、図16に示されるように外側板21から離反する方向に膨出形成された内側板23の一側の補強板収納凸部29aおよび他側の補強板収納凸部29eと、外側板21との間に、ヒンジ取付用の一側の内部補強板41と、他側の内部補強板41aとを固定し、図14に示されるように内側板23の他側の補強板収納凸部29eを挿通したボルト93により他側の内部補強板41aにロック機構65のラッチ72を固定したので、ヒンジおよびラッチ72の取付強度を向上できるとともに、一側の内部補強板41および他側の内部補強板41aにより、より大きなパネル剛性を確保でき、ドアパネル20の反りを確実に抑えることができる。
【0118】
次に、図17および図18に基いて、本発明のさらに別の実施の形態を説明する。なお、図1乃至図11に示された一実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0119】
ドアパネル20のヒンジ取付側とは反対側の先端側辺部における中央寄り位置と、この中央寄り位置に対応する機体側フレームFの高さ位置とに、機体側フレームFに対するドアパネル20のロックおよびロック解除が可能なロック機構65が設けられている。
【0120】
さらに、このロック機構65の下方に位置するドアパネル20の下部に、ロック機構65のロック状態を解除操作するロック解除操作機構66が設けられ、このロック解除操作機構66とロック機構65とが、ロック解除操作機構66のロック解除操作をロック機構65に伝達するリンク部材67により連結されている。
【0121】
ロック機構65は、機体側フレームFに取付板105により取付けられたストライカ71と、このストライカ71に対応してドアパネル20の中央寄り位置に取付けられストライカ71と係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチ72とを備えている。
【0122】
また、ロック解除操作機構66は、ドアパネル20の下部に取付けられた外部から操作可能なハンドルレバー75と、このハンドルレバー75に対応してドアパネル20の下部に取付板106により回動自在に軸支された運動方向転換レバー78とを備えたものである。この運動方向転換レバー78は、ハンドルレバー75により作動されてリンク部材67を介しラッチ72に固定解除動作を伝達する。
【0123】
このようにすると、ラッチ72、リンク部材67、運動方向転換レバー78およびハンドルレバー75をドアパネル側に集約できるので、これらの組付け作業および調整作業を容易に行なうことができ、組立作業の効率化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、油圧ショベル、ローダ、ブルドーザなどの作業機械の例えばラジエータ室、バッテリ室またはポンプ室などのサイドドアなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0125】
F 取付基体としての機体側フレーム
20 ドアパネル
21 外側板
23 内側板
25a 通気用開口部
25b 通気用開口部
29a,29e 補強板収納凸部
29a,29b,29d 外枠状補強用凸部
29a,29b,29e 外枠状補強用凸部
29c 横梁状補強用凸部
41,41a 内部補強板
54 ヒンジ
65 ロック機構
66 ロック解除操作機構
67 リンク部材
71 ストライカ
72 ラッチ
75 ハンドルレバー
78,78a,78b 運動方向転換レバー
80 スプリングとしての引張コイルスプリング
93 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付基体に対しヒンジにより開閉自在に取付けられたドアパネルと、
このドアパネルのヒンジとは反対側の先端側辺部における中央寄り位置とこの中央寄り位置に対応する取付基体の位置とに設けられ、取付基体に対するドアパネルのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、
このロック機構から離隔する少なくともドアパネルの離隔位置に設けられ、ロック機構のロック状態を解除操作するロック解除操作機構と、
このロック解除操作機構とロック機構とを連結してロック解除操作機構のロック解除操作をロック機構に伝達するリンク部材と
を具備したことを特徴とするドア装置。
【請求項2】
ロック機構は、
ドアパネルの中央寄り位置に取付けられたストライカと、
このストライカに対応して取付基体に取付けられストライカと係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチとを備え、
ロック解除操作機構は、
ドアパネルの下部に取付けられた外部から操作可能なハンドルレバーと、
このハンドルレバーに対応して取付基体に回動自在に軸支されドアパネル閉じ状態でハンドルレバーにより作動されてリンク部材を介しラッチに固定解除動作を伝達する運動方向転換レバーとを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のドア装置。
【請求項3】
ロック機構は、
取付基体に取付けられたストライカと、
このストライカに対応してドアパネルの中央寄り位置に取付けられストライカと係合して係合状態を固定および固定解除可能なラッチとを備え、
ロック解除操作機構は、
ドアパネルの下部に取付けられた外部から操作可能なハンドルレバーと、
このハンドルレバーに対応してドアパネルの下部に回動自在に軸支されハンドルレバーにより作動されてリンク部材を介しラッチに固定解除動作を伝達する運動方向転換レバーとを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のドア装置。
【請求項4】
ロック解除操作機構の運動方向転換レバーは、ドアパネルと平行の姿勢を保って回動できるように軸支された
ことを特徴とする請求項3記載のドア装置。
【請求項5】
ロック解除操作機構は、
中間部をドアパネル側に回動自在に軸支されハンドルレバーにより一端側に位置するレバー端部を押圧されて回動される一方の運動方向転換レバーと、
この一方の運動方向転換レバーの他端側に位置するレバー端部に一方端に位置するレバー端部を回動自在に軸連結され、中間部をドアパネル側に回動自在に軸支され、ハンドルレバーによる押圧で回動した一方の運動方向転換レバーの動きを他方端に位置するレバー端部に連結されたリンク部材を介しラッチに固定解除動作として伝達する他方の運動方向転換レバーと、
一方の運動方向転換レバーの一側に位置するレバー端部をハンドルレバーに対抗する方向に附勢するスプリングと
を具備したことを特徴とする請求項4記載のドア装置。
【請求項6】
ドアパネルは、プレス成形された金属板部材で形成された
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のドア装置。
【請求項7】
ドアパネルは、
通気用開口部を有する外側板と、
外側板の内側面に固定され、外側板から離反する方向に膨出形成された一側の補強板収納凸部を含む外枠状補強用凸部とその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部との間に通気用開口部が設けられた内側板と、
外側板と内側板の一側の補強板収納凸部との間に固定された一側の内部補強板と、
内部補強板を取付基体に取付けるヒンジとを具備し、
横梁状補強用凸部の断面積は、外枠状補強用凸部の断面積より小さく形成された
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載のドア装置。
【請求項8】
ドアパネルは、
通気用開口部を有する外側板と、
外側板の内側面に固定され、外側板から離反する方向に膨出形成された一側の補強板収納凸部および他側の補強板収納凸部を含む外枠状補強用凸部とその枠内に形成された複数の横梁状補強用凸部との間に通気用開口部が設けられた内側板と、
外側板と内側板の一側の補強板収納凸部との間に固定されたヒンジ取付用の一側の内部補強板と、
外側板と内側板の他側の補強板収納凸部との間に固定された他側の内部補強板とを具備し、
ロック機構のラッチは、内側板の他側の補強板収納凸部を挿通したボルトにより他側の内部補強板に固定された
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか記載のドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−285784(P2010−285784A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139510(P2009−139510)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(505236469)キャタピラー エス エー アール エル (144)
【Fターム(参考)】