説明

ドームの構築方法

【課題】ドームを地盤または床上で順次構築していく方法及びその接合装置並びに吊上機。
【解決手段】所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周の軸材交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にある軸材(1)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態となるように、軸材(1)の交点となる接合基材(6)を、多角形、円状の盤または星型とし、接合基材(6)の側面に締め付ナット(14)を装着した複数のヒンジ付ボルト(15)をねじ接合し、軸材(1)の先端部にヒンジ付プレート(16)を取り付けまたは一体加工し、ヒンジ付ボルト(15)と軸材(1)を地盤、床等上でボルト(17)で仮接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離された軸材(1)と接合基材(6)を接合していくことによってドームの骨格(7)を構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドームの構築方法及びそのための吊上機並びに接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸材(枠材)と接合基材(ジョイント)を用いたドームの構築方法があった。(特許文献1参照)
【0003】
軸材を、接合基材を介して相互に接合する接合装置を提案した。(特許文献2、3参照)
【特許文献1】特許第316855号
【特許文献2】特許第3867128号
【特許文献3】特許第3944552号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1では、ジョイントと枠材で三角枠を接地している状態で組み立て、更にその周辺に三角枠を組み立て、これを繰り返し、次いで、これを回転させ、続いて三角枠を組み立てて行く構築方法である。球状ドームであれば、回転しもって三角枠を組み立て、組み立てられた多面体骨格を基礎に定着させることができる。しかし、半球状ドームの場合、組み立てられたドームを反転し、基礎に定着させるには、ドームが小規模である場合は別として、ドームを反転し、基礎に定着させるためには、クレーン等の吊り上げ機が必要である。しかも半球状のドームをクレーン等で吊り上げ、その後概略90度回転させるために、また別な力が必要である。
【0005】
前記特許文献1では、枠材とジョイントが2本のボルトで接合される。(図10参照)従って、ジョイントについて云えば、ジョイントの接続羽根の平面的、立面的角度に製作精度が要求される。また、ドームの形状が変われば、前記角度も変わることになる。枠材について云えば、その長さに於いて製作精度が要求される。また、施工精度も要求される。
【0006】
特許文献2において、締め付ナット(15)を装着したヒンジ付ボルト(13)を接合基材(14)にねじ接合しておき、このヒンジ付ボルト(13)にヒンジ付プレート(23)を先端に付けた軸部材(12)をピンボルト(11a)で接合することによって、軸部材(12)を接合基材(14)に任意の角度で取り付けられる。従って軸部材(12)を接合基材(14)を介して相互に任意の角度で接合できるようにすることを提案した。
【0007】
特許文献3において、前記締め付ナット(15)を装着したヒンジ付ボルト(13)を円盤状の接合基材(14)の側面にねじ接合、必要な回転角度に定めて締め付け固定するようにした接合装置を提案した。しかしこの接合装置の有効な利用方法が提案されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
軸材(1)を相互に接合して構築するドーム(2)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周の軸材交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にある軸材(1)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成する軸材(1)を相互に接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離された軸材(1)を前記交点に接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とする。
【0009】
トラス梁(22)を相互に接合して構築するドーム(27)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周のトラス梁(22)の交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にあるトラス梁(22)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成するトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を相互に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離されたトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を前記交点に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とする。
【0010】
前記ドームの構築方法において、概略半球状または部分球状の前記ドームの骨格(7)を構築した後、前記ドームの骨格(7)を吊り、又は押し上げて、前記ドームの下部に所定の出入口、窓または壁のための骨組を組み立てて全体のドームの骨格を構築することを特徴とする。
【0011】
前記ドームの構築方法によって複数のドーム(2)の構築を同時または順次行い、前記ドーム(2)が接する部分で連結することを特徴とする。
【0012】
ドーム(2)頂上部を吊り上げ、ドーム(2)の下部を順次組み立てていくドームの構築方法の吊上機において、3本以上の軸管(8)を相互に頂部(9)で角度の変わるヒンジ接合し、前記軸管(8)は複数の直径の異なる軸管(8)からなり、上の軸管(8)は、下の軸管(8)に内蔵され、または下の軸管(8)を内蔵し、上の軸管を伸ばして上下の軸管(8)の端部テーパー面(18)で相互に接するようにし、上の軸管(8)または下の軸管(8)に装着された締め付ナット(10)を下の軸管(8)または上の軸管(8)に向けて締め付け、上の軸管(8)と下の軸管(8)が接する面を締め付けて、締め付ナット(10)の戻りをなくするため戻り止めナット(11)で締め付ける構造になっており、前記頂部(9)にチェンブロックなどの巻上機(12)またはウインチなどの巻上機で巻き上げるための滑車(12)を取り付けてなることを特徴とする。
【0013】
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(6)において、接合基材(6)は、多角形または円状の盤からなり、前記接合基材(6)の側面に締め付ナット(14)を装着した複数のヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする。
【0014】
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(18)において、接合基材(18)は、複数の円筒が交叉した星型の集合体で、各円筒内に締め付ナット(14)を装着したヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする。
【0015】
前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)が、前記軸材(1)またはトラス梁(22)とねじ接合され、前記先端部(27)の軸材(1)またはトラス梁(22)からの出を所定の長さとし、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を前記接合基材(6または18)に接合し、前記ドーム(2または27)を組み立て後、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を、軸材(1)またはトラス梁(22)の断面の長辺軸線(28)がドーム面(29)に垂直になるように、軸材(1)またはトラス梁(22)を回転し、前記軸材(1)またはトラス梁(23)の先端部(27)に装着された締め付ナット(30)を締め付けて前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)を前記軸材(1)またはトラス梁(22)に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
ドームの最頂部となる部分を吊りまたは押し上げもって、前記最頂部の下部、その下部と順次下の方へと組み立ててドームを構築していくので、ドームの構築のための仮設足場を必要としないし、地上または床上の作業となるので安全である。また、ドームの骨格の仕方によっては、ドームの内装、外装にも仮設足場を必要とせずに施工することができる。
【0017】
ドームの軸材をトラス梁とし、吊り上げ機にタワークレーン等の重機を用いることによって、図3の(3)のような内部に複層型の建造物等も収納可能な大規模なドームが、仮設足場なしで構築可能である。
【0018】
ドームを吊り上げた状態にし、ドームの下部に出入口、窓、壁のための骨組をつくることができる。
【0019】
複数のドームを構築し、連接していくこともできる。
【0020】
本発明の格納型吊上機を用いることによって、随時、クレーン等の重機を用いることなくドームの構築ができる。
【0021】
本発明の接合装置を用いることによって、ドームの構築において、地盤または床上で、ドームの軸材またはトラス梁相互の仮接合ができ、ドームを順次吊り上げて行くことによって、仮設足場なしに地盤、床上または簡易な脚立足場などで、ドームの軸材またはトラス梁相互の本接合ができる。
【0022】
本発明の接合装置は、軸材を相互に接合基材を介して平面的、立面的に自由な角度で接合できるので、ドームの形体が変わっても接合基材を変える必要がなく接合基材の種類をドームの規模等に応じて標準化できる。
【0023】
軸材等を接合するためのヒンジ付ボルトが接合基材にねじ接合されているので、軸材の長さの製作誤差、組み立ての施工誤差を、ヒンジ付ボルトの接合基材からの出を調整することによって吸収できる。
【0024】
軸材またはトラス梁の先端部を軸材またはトラス梁にねじ接合し、先端部の出を調整して軸材またはトラス梁の先端部に装着された締め付けナットを締め付けることによって軸材またはトラス梁の長さを調整できる。
【0025】
ドームにおいて、軸材またはトラス梁は3角形を形成し、軸材等には曲げの力が働かないので、ラーメン構造等の構造物等と比較して構造材の質量は少なくすむ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1の(1)は、ドーム(2)の斜視図である。図1の(2)は、(1)のドーム(2)の平面展開図である。中央にドームを吊り上げるための吊上機(13)を配置している。図2はドーム(2)構築方法を示した断面図である。(1)では、頂上部5角形(3)が組み立てられている。(2)では、頂上部5角形(3)が吊り上げられ、頂上部5角形に接する3角形が相互に接合される。(3)では、頂上部5角形に接する3角形の下部の3角形が相互に接合される。
軸材(1)を相互に接合して構築するドーム(2)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周の軸材交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にある軸材(1)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成する軸材(1)を相互に接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離された軸材(1)を前記交点に接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とする。
【0027】
図3は、トラス梁(22)を用いたドーム(27)の構築方法を示した断面図である。
トラス梁(22)を相互に接合して構築するドーム(27)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周のトラス梁(22)の交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にあるトラス梁(22)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成するトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を相互に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離されたトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を前記交点に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とする。
【0028】
前記ドームの構築方法において、概略半球状または部分球状の前記ドームの骨格(7)を構築した後、前記ドームの骨格(7)を吊り、又は押し上げて、前記ドームの下部に所定の出入口、窓または壁のための骨組を組み立てて全体のドームの骨格を構築することを特徴とする。
【0029】
前記ドームの構築方法によって複数のドーム(2)の構築を同時または順次行い、前記ドーム(2)が接する部分で連結することを特徴とする。
【0030】
図2で、吊上機(13)の正面図を示している。(1)は格納された状態、(2)、(3)は軸管が伸ばされた状態を示している。図4は吊上機(13)の詳細図である。但し巻上機(12)は省略し、巻上機(12)を取り付けるためのフック(21)を示している。(1)はその上部の平面図。(2)は(1)のA―A断面図。(3)は軸管8の接合部である。ドーム(2)頂上部を吊り上げ、ドーム(2)の下部を順次組み立てていくドームの構築方法の吊上機において、3本以上の軸管(8)を相互に頂部(9)で角度の変わるヒンジ接合し、前記軸管(8)は複数の直径の異なる軸管(8)からなり、上の軸管(8)は、下の軸管(8)に内蔵され、または下の軸管(8)を内蔵し、上の軸管を伸ばして上下の軸管(8)の端部テーパー面(18)で相互に接するようにし、上の軸管(8)または下の軸管(8)に装着された締め付ナット(10)を下の軸管(8)または上の軸管(8)に向けて締め付け、上の軸管(8)と下の軸管(8)が接する面を締め付けて、締め付ナット(10)の戻りをなくするため戻り止めナット(11)で締め付ける構造になっており、前記頂部(9)にチェンブロックなどの巻上機(12)またはウインチなどの巻上機で巻き上げるための滑車(12)を取り付けてなることを特徴とする。
【0031】
図5の(1)、(2)は、多角形または円状の接合基材を用いた接合装置の詳細図である。(1)は(2)のC−C断面図。(2)は(1)のB−B断面図である。
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(6)において、接合基材(6)は、多角形または円状の盤からなり、前記接合基材(6)の側面に締め付ナット(14)を装着した複数のヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする。
【0032】
図5の(3)は、星型の接合基材(18)を用いた接合装置の断面図である。そのD−D断面図は、図5の(2)に順ずる。
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(18)において、接合基材(18)は、複数の円筒が交叉した星型の集合体で、各円筒内に締め付ナット(14)を装着したヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする。
【0033】
図6の(1)は、軸材またはトラス梁の先端部(27)とトラス梁(22)の接合を示した断面図である。(2)は(1)のE−E断面図である。
前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)が、前記軸材(1)またはトラス梁(22)とねじ接合され、前記先端部(27)の軸材(1)またはトラス梁(22)からの出を所定の長さとし、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を前記接合基材(6または18)に接合し、前記ドーム(2または27)を組み立て後、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を、軸材(1)またはトラス梁(22)の断面の長辺軸線(28)がドーム面(29)に垂直になるように、軸材(1)またはトラス梁(22)を回転し、前記軸材(1)またはトラス梁(23)の先端部(27)に装着された締め付ナット(30)を締め付けて前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)を前記軸材(1)またはトラス梁(22)に固定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(1)は、ドーム2の斜視図。(2)は、(1)の平面図。
【図2】ドーム(2)の構築方法を示した断面図。
【図3】トラス梁(22)を用いたドーム(27)の構築方法を示した断面図。
【図4】(1)は3脚式格納型吊上機(13)の上部平面図。(2)は(1)のA−A断面図。(3)は、軸管8の接合部の断面図。
【図5】(1)は(2)のC−C断面図。(2)は(1)のB−B断面図。(3)は、星型の接合基材(18)の断面図。
【図6】(1)は軸材またはトラス梁の先端部(27)とトラス梁(22)の接合を示した断面図。(2)は(1)のE−E断面図。
【符号の説明】
【0035】
1 軸材
2、27 ドーム
3 頂上部5角形
4 頂上部5角形の中心
5 頂上部5角形の中心と外周の軸材交点を結ぶ概略延長線
6、18 接合基材
7 ドームの骨組
8 軸管
9 頂部
10、14、30 締め付ナット
11 戻り止めナット
12 巻上機または滑車
13 吊上機
15 ヒンジ付ボルト
16 ヒンジ付プレート
17、28 ボルト
20 引綱
22 トラス梁
23 つなぎ材
24 上弦材
25 下弦材
26 タワークレーン
27 軸材またはトラス梁の先端部
28 軸材またはトラス梁の断面の長辺軸線
29 ドーム面
30 補強リブ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸材(1)を相互に接合して構築するドーム(2)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周の軸材交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にある軸材(1)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成する軸材(1)を相互に接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離された軸材(1)を前記交点に接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とするドームの構築方法。
【請求項2】
トラス梁(22)を相互に接合して構築するドーム(27)の構築方法において、所定のドームの骨格(7)を、平面視前記ドームの骨格(7)頂上部5角形(3)または6角形の中心(4)と外周のトラス梁(22)の交点を結ぶ線の概略延長線(5)上にあるトラス梁(22)の片方を交点から離し、平面的に展開した状態で地盤、床等上に配置し、3角形を形成するトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を相互に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合し、前記頂上部5角形(3)または6角形を吊りまたは押し上げて、順次ドームの骨格(7)の上部から下部へ前記交点から離されたトラス梁(22)の上弦材(24)または下弦材(25)を前記交点に接合し、さらに接合されなかった下弦材(25)または上弦材(24)を相互につなぎ材(23)を用いて接合していくことによってドームの骨格(7)を構築し、前記ドームの骨格(7)に内装、外装を施してドーム(2)を構築することを特徴とするドームの構築方法。
【請求項3】
前記ドームの構築方法において、概略半球状または部分球状の前記ドームの骨格(7)を構築した後、前記ドームの骨格(7)を吊り、又は押し上げて、前記ドームの下部に所定の出入口、窓または壁のための骨組を組み立てて全体のドームの骨格を構築することを特徴とする請求項1または2記載のドームの構築方法。
【請求項4】
前記ドームの構築方法によって複数のドーム(2)の構築を同時または順次行い、前記ドーム(2)が接する部分で連結することを特徴とする請求項1、2または3記載のドームの構築方法。
【請求項5】
ドーム(2)頂上部を吊り上げ、ドーム(2)の下部を順次組み立てていくドームの構築方法の吊上機において、3本以上の軸管(8)を相互に頂部(9)で角度の変わるヒンジ接合し、前記軸管(8)は複数の直径の異なる軸管(8)からなり、上の軸管(8)は、下の軸管(8)に内蔵され、または下の軸管(8)を内蔵し、上の軸管を伸ばして上下の軸管(8)の端部テーパー面(18)で相互に接するようにし、上の軸管(8)または下の軸管(8)に装着された締め付ナット(10)を下の軸管(8)または上の軸管(8)に向けて締め付け、上の軸管(8)と下の軸管(8)が接する面を締め付けて、締め付ナット(10)の戻りをなくするため戻り止めナット(11)で締め付ける構造になっており、前記頂部(9)にチェンブロックなどの巻上機(12)またはウインチなどの巻上機で巻き上げるための滑車(12)を取り付けてなることを特徴とする吊上機。
【請求項6】
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(6)において、接合基材(6)は、多角形または円状の盤からなり、前記接合基材(6)の側面に締め付ナット(14)を装着した複数のヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする接合装置。
【請求項7】
ドームを構成する軸材(1)またはトラス梁(22)と接合基材(18)において、接合基材(18)は、複数の円筒が交叉した星型の集合体で、各円筒内に締め付ナット(14)を装着したヒンジ付ボルト(15)がねじ接合され、軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部にはヒンジ付プレート(16)が取り付けまたは一体加工されており、前記ヒンジ付ボルト(15)と前記軸材(1)またはトラス梁(22)をボルト(17)を介して、地盤、床等上で仮接合し、ドームを順次立ち上げ、組み立てもって前記ヒンジ付ボルト(15)の締め付ナット(14)及び前記ボルト(17)を締め付けることによって、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を相互に本接合し、ドームを構築することを特徴とする接合装置。
【請求項8】
前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)が、前記軸材(1)またはトラス梁(22)とねじ接合され、前記先端部(27)の軸材(1)またはトラス梁(22)からの出を所定の長さとし、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を前記接合基材(6または18)に接合し、前記ドーム(2または27)を組み立て後、前記軸材(1)またはトラス梁(22)を、軸材(1)またはトラス梁(22)の断面の長辺軸線(28)がドーム面(29)に垂直になるように、軸材(1)またはトラス梁(22)を回転し、前記軸材(1)またはトラス梁(23)の先端部(27)に装着された締め付ナット(30)を締め付けて前記軸材(1)またはトラス梁(22)の先端部(27)を前記軸材(1)またはトラス梁(22)に固定することを特徴とする1、2、6または7記載の軸材(1)またはトラス梁(22)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−150136(P2009−150136A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329423(P2007−329423)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【特許番号】特許第4273238号(P4273238)
【特許公報発行日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(301041450)株式会社小笠原設計 (21)
【Fターム(参考)】