説明

ナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法及びLED素子の製造方法

【課題】本発明は、感光性プレポリマーレジンを使用せずに、感光性金属有機物前駆体溶液を基板に塗布して、ナノインプリント方式で直接パターニングする金属酸化薄膜パターンの形成方法、当該形成方法によって直接パターニングされた金属酸化薄膜パターン、および、当該形成方法によって光結晶層を含むLED素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階と、凹凸構造を有するようにパターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階と、前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成する段階と、前記パターン化されたモールドを前記金属酸化薄膜パターンから除去する段階とを含むナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノインプリント工程に関するものであって、より詳細には、紫外線ナノインプリントを利用して基板上に金属酸化薄膜パターンを形成する方法、及びこれを利用してLED素子を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノインプリント技術は、超微細加工であるナノ加工(1〜100nm)を実現するために提案された技術であって、基板上に光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を塗布したナノサイズのモールドに圧力を加えて紫外線を照射したり加熱して硬化させることによってパターンを転写する技術である。
【0003】
ナノインプリント技術を活用すれば、現在の半導体工程で使用されているフォトリソグラフィ方式の微細化の限界点を克服して、印鑑を押すように容易にナノ構造物を製作することができるようになる。
【0004】
また、ナノインプリント技術を活用すれば、現在の100nm級の微細工程が10nm級に向上して、次世代半導体分野の技術発展が促進される。特に、このようなナノインプリント技術は、次世代半導体技術及び平板ディスプレイ用回路形成技術として認定されている。
【0005】
ナノインプリント技術は、硬化方式によって、不透明なシリコンスタンプを使用する加熱式インプリンティング(thermal imprinting)技術及び透明な石英(quartz)スタンプ(または、シリコンスタンプを使用する時には透明な石英基板)を使用して紫外線を透過させてレジンを硬化させるUVナノインプリンティング技術に区分される。
【0006】
このうちのUVナノインプリンティング技術では、まず、電子ビームなどのナノリソグラフィ装備によって透明なモールド基板上にマスターパターンを形成する。そして、紫外線によって硬化されるプレポリマー(prepolymer)レジンを基板上にスピンコーティング(またはディスフェンシング)して、前記形成されたマスターパターンをレジン上に接触させる。この時、毛細管力(capillary force)によってレジンがマスターパターン間に充填されて、パターンの転写が行われる。充填が完了すれば、透明な基板を通過した紫外線はポリマーの硬化を誘発し、次の段階でマスターパターンモールドは除去される。ナノインプリント時の円滑なレジンの充填及び均一なパターンサイズの実現のために、マスターパターンモールドは基板との直接的な接触を避けるが、この時に発生する残留物は物理的エッチングによって除去され、必要に応じて後加工によって基板エッチングまたは金属リフトオフ(metal lift−off)が行われる。
【0007】
基板上に金属酸化薄膜を形成してパターニングする場合には、紫外線レジン(レジスト)にナノインプリントでパターンを形成した後、エッチング工程でパターン化された金属酸化薄膜を形成するため、工程が複雑になる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記のような技術的背景に基づいて、本発明は、感光性プレポリマーレジン(レジスト)を使用せずに、感光性金属有機物前駆体溶液を基板に塗布して、ナノインプリント方式で直接パターニングする金属酸化薄膜パターンの形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法によって直接パターニングされた金属酸化薄膜パターンを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法によって光結晶層を含むLED素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様によるナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法は、基板に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階と、凹凸構造を有するようにパターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階と、前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成する段階と、前記パターン化されたモールドを前記金属酸化薄膜パターンから除去する段階とを含む。
【0010】
そして、前記金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことができる。
【0011】
前記感光性金属有機物前駆体溶液は、金属に有機物リガンドが結合して合成された金属有機物前駆体を含む。
【0012】
前記金属有機物前駆体を構成する金属元素は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、砒素(As)、セレン(Se)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、ガドリニウム(Gd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、ウラニウム(U)からなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上の金属からなる。
【0013】
前記有機物リガンドは、ヘキサン酸エチル(ethylhexanoate)、アセチルアセトナート(acetylacetonate)、ジアルキルジチオカルバメート(dialkyldithiocarbamates)、カルボン酸(carboxylic acids)、カルボキシラート(carboxylates)、ピリジン(pyridine)、ジアミン(diamines)、アルシン(arsines)、ジアルシン(diarsines)、ホスフィン(phosphines)、ジホスフィン(diphosphines)、ブトキシド(butoxide)、イソプロポキシド(isopropoxide)、エトキシド(ethoxide)、塩化物(chloride)、アセテート(acetate)、カルボニル(carbonyl)、カルボネート(carbonate)、水酸化物(hydroxide)、アレナス(arenas)、ベータ−ジケトナート(beta−diketonate)、2−ニトロベンズアルデヒド(2−nitrobenzaldehyde)、及びこれらの混合物を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上のリガンドからなる。
【0014】
前記金属有機物前駆体は、ヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン(4−methyl−2−pentanone)、ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran、THF)、テカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、及びペンタンからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上を混合した溶媒に溶解される。
【0015】
本発明の他の実施態様によるナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法は、第1パターンの凹凸構造を有するモールド上に第2パターンを有するマスクを付着する段階と、基板に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階と、前記マスクが付着されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階と、前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成する段階と、パターン化されたモールドを前記金属酸化薄膜パターンから除去する段階と、前記金属酸化薄膜パターンを現像する段階とを含む。
【0016】
前記第1パターンは、ナノスケールの凹凸構造に形成され、前記第2パターンは、マイクロスケールの平面構造に形成される。
【0017】
そして、前記金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことができる。
【0018】
本発明のまた他の実施態様によるナノインプリントを利用したLED素子の製造方法は、光結晶(photonic crystal)構造を有するLED素子の製造方法において、基板上の前記光結晶構造を形成する層に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階と、前記光結晶構造に対応する凹凸構造を有するようにパターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階と、前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された光結晶構造の金属酸化薄膜パターンを形成する段階と、前記モールドを前記光結晶構造の金属酸化薄膜パターンから除去する段階とを含む。
【0019】
そして、前記光結晶構造の金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
前記のようなナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法によれば、レジストとして使用するために紫外線レジンを別途に塗布する工程が省略されるので、パターンの形成工程が簡素化される効果がある。
従って、金属酸化薄膜パターンが必要な半導体、ディスプレイ、太陽電池、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)などの多様な分野に簡素化された工程を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施態様によるナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法を示したフローチャートである。
【図2】本発明の一実施態様によるナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法を示した工程図である。
【図3】紫外線照射時に金属有機物前駆体から金属酸化薄膜が形成されるメカニズムを例示した模式図である。
【図4】本発明の他の一実施態様によるマイクロ/ナノ複合パターンの形成方法を示した工程図である。
【図5】本発明のまた他の一実施態様による金属酸化薄膜パターンの形成方法により製造された光結晶層を含むLED素子を示した断面図である。
【図6】本発明の実施例1により形成された直接パターン型酸化チタン(TiO)薄膜のSEMイメージである。
【図7】本発明の実施例2により形成された直接パターン型酸化錫(SnO)薄膜のSEMイメージである。
【図8】本発明の実施例3により形成されたまた他の直接パターン型酸化錫(SnO)薄膜のSEMイメージである。
【図9】本発明の実施例4により形成された直接パターン型酸化ジルコニウム(ZrO)薄膜のSEMイメージである。
【図10】本発明の実施例5により形成されたマイクロ/ナノスケール複合パターン型酸化チタン(TiO)薄膜のSEMイメージ(a、b、c)である。
【図11】本発明の実施例5により形成されたマイクロ/ナノスケール複合パターン型酸化チタン(TiO)薄膜のAFMイメージ(a、b)である。
【図12】本発明の実施例6により形成されたLED素子の光結晶層酸化チタン(TiO)薄膜の発光特性の向上を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施態様について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な相異した形態に具現され、ここで説明する実施態様に限定されない。図面では、本発明を明確に説明するために、説明に不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似した構成要素には、同一な参照符号を付けた。
【0023】
図1は本発明の一実施態様によるナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法を示したフローチャートであり、図2は工程図である。図1及び図2を参照して、インプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法を説明する。
【0024】
まず、基板を準備して、前記基板10に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングする(S1)。
【0025】
基板10は、シリコン、ガリウム砒素、ガリウムリン、ガリウム砒素リン、酸化ケイ素、サファイア、石英、ガラス基板などの無機物質、またはポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリノルボルナン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホンなどの透明なポリマーからなる。
【0026】
感光性金属有機物前駆体溶液を製造するために、まず、金属元素に有機物リガンドが結合された金属有機物前駆体(precursor)を合成する。
【0027】
前記金属有機物前駆体を構成する金属元素は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、砒素(As)、セレン(Se)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、ガドリニウム(Gd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、ウラニウム(U)を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上の金属からなる。これら金属は、金属有機物前駆体が紫外線に露出される場合に共通的に金属酸化薄膜を形成する。
【0028】
前記金属有機物前駆体は、約5ないし95質量%の有機物リガンド及び全体が100質量%になるように添加される金属元素を含み、前記金属元素は、有機物リガンドと結合されて金属有機物前駆体が製造される。そして、前記金属有機物前駆体は、溶媒に溶解されて感光性金属有機物前駆体溶液が製造される。この時、溶媒は、感光性金属有機物前駆体溶液の総含有量に対して約5ないし95質量%で含まれる。
【0029】
この時、前記有機物リガンドは、ヘキサン酸エチル(ethylhexanoate)、アセチルアセトナート(acetylacetonate)、ジアルキルジチオカルバメート(dialkyldithiocarbamates)、カルボン酸(carboxylicacids)、カルボキシラート(carboxylates)、ピリジン(pyridine)、ジアミン(diamines)、アルシン(arsines)、ジアルシン(diarsines)、ホスフィン(phosphines)、ジホスフィン(diphosphines)、ブトキシド(butoxide)、イソプロポキシド(isopropoxide)、エトキシド(ethoxide)、塩化物(chloride)、アセテート(acetate)、カルボニル(carbonyl)、カルボネート(carbonate)、水酸化物(hydroxide)、アレナス(arenas)、ベータ−ジケトナート(beta−diketonate)、2−ニトロベンズアルデヒド(2−nitrobenzaldehyde)、及びこれらの混合物を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上のリガンドからなるものが使用される。
【0030】
そして、前記溶媒は、ヘキサン(hexanes)、4−メチル−2−ペンタノン(4−methyl−2−pentanone)、ケトン(ketone)、メチルイソブチルケトン(methylisobutylketone)、メチルエチルケトン(methylethylketone)、水(water)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、プロパノール(propanol)、イソプロパノール(isopropanol)、ブタノール(buthanol)、ペンタノール(pentanol)、ヘキサノール(hexanol)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)、アセトン(acetone)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran、THF)を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上を混合した溶媒が使用される。二つ以上の溶媒を混合する場合、それらの混合比率は、溶解する金属有機物前駆体に応じて、任意に設定することができる。
【0031】
このように製造される金属有機物前駆体は、紫外線によって有機物の分解が行われる。
【0032】
前記感光性金属有機物前駆体溶液は、スピンコーティング(spin coating)、ディープコーティング(deep coating)、スプレーコーティング(spray coating)、溶液滴下(dropping)の方法から選択して前記基板にコーティングされる。
【0033】
前記方法でコーティングされた溶液は、前記基板10上で感光性金属有機物前駆体コーティング層30を形成する。前記感光性金属有機物前駆体コーティング層30は、残留溶媒を除去するために加熱乾燥される。
【0034】
次に、凹凸構造を有するようにパターン化されたモールド20で前記感光性金属有機物前駆体コーティング層30を加圧する(S2)。
【0035】
前記モールド20は、前記基板10に形成するパターンと相対する凹凸パターン23を有する。つまり、モールド20の陽刻部は基板上の金属酸化薄膜に陰刻部としてパターニングされ、モールド20の陰刻部は基板上の金属酸化薄膜に陽刻部としてパターニングされる。
【0036】
前記モールド20は、シリコン(Si)、石英(Quartz)、または高分子からなり、一例として、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)モールド、ポリウレタンアクリレート(polyurethaneacrylate、PUA)モールド、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE)モールド、エチレンテトラフルオロエチレン(Ethylene Tetrafluoroethylene、ETFE)モールド、またはペルフルオロアルキルアクリレート(Perfluoroalkylacrylate、PFA)モールドが使用される。
【0037】
前記モールド20を前記感光性金属有機物前駆体溶液コーティング層30に加圧する時には、0ないし100バー(bar)の圧力で加圧したり、真空雰囲気で加圧する。
【0038】
この時、前記モールドまたは基板のうちの少なくともいずれか一つが透明な材質からなり、透明なモールドまたは透明な基板を透過して紫外線が照射される。
【0039】
次に、前記加圧された感光性金属有機物前駆体溶液コーティング層30に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターン35を形成する(S3)。
【0040】
前記紫外線照射のための露光装置としては、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F(157nm)から構成されたレーザー系露光装置、またはG−line(436nm)、I−line(365nm)から構成されたランプ系露光装置を利用することができる。
【0041】
前記紫外線の照射時間は、1秒乃至10時間の範囲内で時間を調節して照射することができ、このような紫外線の照射は常温で行われる。
【0042】
前記基板10にコーティングされた感光性金属有機物前駆体溶液コーティング層30に紫外線を照射すれば、金属に付着している有機物が光分解反応を起こして金属だけが残り、大気中にある酸素と結合して、金属酸化薄膜パターン35を形成する。
【0043】
図3は紫外線の照射時に金属有機物前駆体から金属酸化薄膜が形成されるメカニズムを例示した模式図である。図3を参照して、前記光分解反応についてより詳細に説明する。
図3で、Mは金属元素であり、前記列挙した金属元素の一つまたは二つ以上の金属元素である。例えば、一つの金属Tiを含む金属有機物前駆体はTiO薄膜を形成することができ、二つ以上の金属Pb、Zr、Tiを含む金属有機物前駆体はPb(ZrTi1−x)O薄膜を形成することができる。
【0044】
図3では、M(II)2−ethylhexanoate(エチルヘキサン酸)の金属有機物前駆体を一例として示したが、紫外線を照射すると、(a)に示したような過程の開始反応が起こって、M(II)2−ethylhexanoateはM(I)2−ethylhexanoate、CO、・C15に光分解される。紫外線を照射し続けると、継続的な光化学反応によってM2+、CO、及びリガンド(ligand)の分裂(cleavage)が起こって、生成されたCOは揮発し、開始反応によって形成された・C15ラジカルは2番目の反応機構である成長反応を誘導する。つまり、(b)に示したように、有機光反応の水素分離(hydrogen abstraction)によってM(I)2−ethylhexanoate、C14、C16のように結合解離(bond dissociation)反応が起こって、反応が進められ、最終的にM2+だけが残って、空気中の酸素と結合して金属酸化薄膜を形成するようになる。
【0045】
次に、前記パターン化されたモールド20を前記金属酸化薄膜パターン35から除去する(S4)。
【0046】
前記モールド20を前記金属酸化薄膜パターン35からリリース(release)して除去すれば、金属酸化薄膜パターン35が上部に形成された基板10を製造することができる。
【0047】
その後、前記金属酸化薄膜パターンを熱処理する熱処理工程を行って、前記基板上にパターン化された金属酸化薄膜パターンの高さ、残留層の厚さ、及び屈折率を制御することができる(S5)。つまり、熱処理時間及び温度の調節によってパターン化されたパターンの高さ、残留層の厚さ、及び屈折率を制御することができる。このような熱処理段階は、選択的に採択することができる。
【0048】
図4は本発明の他の実施態様によるマイクロ/ナノ複合パターンの形成方法を示した工程図である。
【0049】
図4を参照すれば、単一工程によって第1パターン及び第2パターンを同時に形成するために、第1パターンの凹凸構造24を有するモールド25及び第2パターン42を有するマスク41を準備する。
【0050】
そして、前記マスク41の下端に第1パターンの凹凸構造24を有するモールド25をプレスして、一体型モールド40に形成する。
【0051】
次に、基板10の上部に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングしてコーティング層30を形成し、前記一体型モールド40で前記コーティング層30を加圧する。加圧した状態で前記一体型モールド40の上部からコーティング層30に向かって紫外線を照射する。
【0052】
前記一体型モールド40の第1パターンの凹凸構造24によって、加圧された状態で紫外線に露出された前記感光性金属有機物コーティング層30は硬化されて金属酸化薄膜パターン45を形成するが、前記マスク41の第2パターン42によって紫外線が遮断された部分のコーティング層30は硬化されない。
【0053】
紫外線の照射後に、前記一体型モールド40を前記金属酸化薄膜パターン45からリリースして、前記金属酸化薄膜パターン45を溶媒で洗浄(現像)すれば、硬化されない部分は除去されて、第1パターンと共に第2パターンが同時に形成された複合パターン47が形成される。
【0054】
この時、前記第1パターンの凹凸構造24はナノスケールに形成され、前記第2パターン42はマイクロスケールの平面構造に形成され、この時に、マイクロ/ナノスケール複合パターンを形成することができる。つまり、マイクロスケールのパターンを有するマスク41及びナノスケールの凹凸パターンを有するモールド25によってマイクロ/ナノスケール複合パターンが形成される。
【0055】
また、一例として、前記マスク41はマイクロスケールのクロム(Cr)パターンが形成されたものであってもよい。前記マイクロスケールの第2パターン42は、公知のマイクロパターニング工程によって形成される。
【0056】
また、選択的に、このように形成された複合パターン47を熱処理して、パターンの高さ、残留層の厚さ、及び屈折率を制御することができる。
【0057】
一方、前記で説明したように、金属酸化薄膜パターンの形成方法を利用して、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)素子の光結晶(Photonic Crystal)構造の形成に適用することができる。
【0058】
光結晶とは、屈折率が異なる2種類以上の誘電体がナノサイズの周期的な構造で無限に繰り返される格子構造をいう。この時、光の波長が媒質を伝播することができない禁止帯域が現れるが、この禁止帯域を光バンドギャップ(photonic bandgap)という。つまり、光結晶は、周期的な屈折率差を利用して光バンドギャップを形成して調節することによって、光の内部反射経路を変換させて、LED素子の光抽出効率を極大化させることができる。
【0059】
図5は本発明のまた他の実施態様による金属酸化薄膜パターンの形成方法により製造された光結晶層を含むLED素子を示した断面図である。
図5を参照すれば、LED素子50は、基板52上にGaNバッファー層54が形成され、前記GaNバッファー層54上に順次にn型GaN層60、発光層65、及びp型GaN層67が形成され、前記p型GaN層67上に光結晶層70が形成された構造からなる。
【0060】
この時、前記光結晶層70を形成するために、感光性金属有機物前駆体溶液を準備する。
【0061】
次に、前記感光性金属有機物前駆体溶液を前記p型GaN層67にコーティングして、パターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体溶液コーティング層を加圧する。前記パターン化されたモールドは、予め設計された光結晶構造に対応する凹凸構造を有するように形成される。
【0062】
前記加圧された感光性金属有機物前駆体溶液コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成し、前記モールドを除去することによって、光結晶層構造を形成する。
【0063】
このように、ナノインプリント工程を利用して金属酸化薄膜を直接パターニングするため、既存のナノインプリント工程を利用して高分子有機物パターンを形成した場合に比べて、LED素子50の基板52の屈折率差を減少させて、高分子パターニング工程後に、エッチング工程によって基板52をエッチングして有機物を除去しなければならない面倒さを解消し、エッチング工程時に発生する基板52の電気的物性の損傷も防止することができる。
【0064】
前記光結晶層70を形成するのに使用される物質としては、高屈折率を有するTiO、ZnOを含むことができ、LED素子50の基板として使用されるGaN/GaAs/GaPを使用することもできる。
【0065】
以下、前記本発明の実施態様に対する実施例を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0066】
チタン(Ti)の感光性金属有機物前駆体溶液を合成するために、チタン(VI)(n−ブトキシド)(2−エチルヘキサノアート)[Ti(VI)(n−butoxide)(2−ethylhexanoate)、合成]1.0000g及びヘキサン(Hexanes、Aldrich Co.,米国)5.000gを投入して混合し、24時間攪拌して、0.27モル濃度のTiOゾルを製造した。
【0067】
ここで、チタン(VI)(ノーマル−ブトキシド)(2−エチルヘキサノアート)[Ti(VI)(n−butoxide)(2−ethylhexanoate)]を合成するために、チタン(VI)(ノーマル−ブトキシド)[Ti(VI)(n−butoxide)、Aldrich Co.,米国]10.5266g、2−エチルヘキサン酸(2−ethylhexanoic acid、Aldrich Co.,米国)8.7400g、ヘキサン15.000gを丸底フラスコに投入し、ロータリ揮発器(rotary evaporator)を使用して、72時間蒸発及び凝縮させて、チタン(VI)(ノーマル−ブトキシド)(2−エチルヘキサノアート)を合成した。
【0068】
合成されたチタンの感光性金属有機物前駆体溶液をシリコン基板の上端一側に3,000rpmの条件でスピンコーティングした後、柱(pillar)または線(line)形状のパターンが形成されたモールドを圧着させた。
【0069】
20分間紫外線を照射した後、モールドをリリースすることによって、酸化チタン薄膜パターンを形成し、その結果を図6に示した。図6の(a)は孔(hole)形状のパターンを形成したものであり、(b)は線(line)形状のパターンを形成したものである。
【0070】
図6のように、チタンの感光性金属有機物前駆体溶液を利用して、ナノインプリント工程によって、パターン化されたTiO薄膜の形成が可能であることを確認した。
【実施例2】
【0071】
錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液を合成するために、錫(VI)2−エチルヘキサノアート[Sn(II)2−ethylhexanoate、Alfa Aesar Co.,米国]1.0000g及びヘキサン(Hexanes、AldrichCo.,米国)6.000gを投入して混合し、24時間攪拌して、0.21モル濃度のSnOゾルを製造した。
【0072】
合成された錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液をシリコン基板の上端一側に3,000rpmの条件でスピンコーティングした後、柱(pillar)形状のパターンが形成されたモールドを圧着させた。
【0073】
30分間紫外線を照射した後、モールドをリリースすることによって、酸化錫薄膜パターンを形成し、その結果を図7に示した。
図7のように、錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液を利用して、ナノインプリント工程によって、パターン化されたSnO薄膜の形成が可能であることを確認した。
【実施例3】
【0074】
多様な錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液を合成するために、錫(VI)2−エチルヘキサノアート[Sn(II)2−ethylhexanoate、Alfa Aesar Co.,米国]1.0000g及びMIBK(4−methyl−2−pentanone、Aldrich Co.,米国)6.000gを投入して混合し、24時間攪拌して、0.25モル濃度のSnOゾル(II)を製造した。
【0075】
合成された錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液(II)をシリコン基板の上端一側に3,000rpmの条件でスピンコーティングした後、柱(pillar)形状のパターンが形成されたモールドを圧着させた。
【0076】
30分間紫外線を照射した後、モールドをリリースすることによって、酸化錫薄膜パターンを形成し、その結果を図8に示した。
【0077】
図8のように、錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液(II)を利用して、ナノインプリント工程によって、パターン化されたSnO薄膜の形成が可能であることを確認した。特に、本実施例の場合、錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液を合成するために多様な溶媒に溶解させて、多様な種類の錫(Sn)の感光性金属有機物前駆体溶液の合成が可能であることを確認した。
【実施例4】
【0078】
ジルコニウムの感光性金属有機物前駆体溶液を合成するために、ジルコニウム(VI)2−エチルヘキサノアート[Zr(VI)2−ethylhexanoate、Strem Co.,米国]1.6893g及びヘキサン(Hexanes、Aldrich Co.,米国)10.6749gを投入して混合し、24時間攪拌して、0.063モル濃度のZrOゾルを製造した。
【0079】
合成されたジルコニウムの感光性金属有機物前駆体溶液をシリコン基板の上端一側に3,000rpmの条件でスピンコーティングした後、孔(hole)形状のパターンが形成されたモールドを圧着させた。
【0080】
30分間紫外線を照射した後、モールドをリリースすることによって、酸化ジルコニウム薄膜パターンを形成し、その結果を図9に示した。
【0081】
図9のように、ジルコニウムの感光性金属有機物前駆体溶液を利用して、ナノインプリント工程によって、パターン化されたZrO薄膜の形成が可能であることを確認した。
【実施例5】
【0082】
マイクロ/ナノスケール複合パターンのTiO薄膜の形成するために、前記実施例1で合成されたチタニウムの感光性金属有機物前駆体溶液をシリコン基板の上部に3,000rpmの条件でスピンコーティングした後、マイクロパターン化されたクロム(Cr)マスク及びナノパターン化されたPUAモールドを合着して、一体型モールドを形成し、常圧で加圧した。
【0083】
20分間紫外線を照射した後、クロムマスク及びPUAモールドの一体型モールドをリリースして、ヘキサン溶液に浸漬して洗浄することによって、マイクロ/ナノスケール複合パターンのTiO薄膜を形成し、その結果を図10及び図11に示した。
【0084】
図10及び図11のように、クロムマスク及びPUAモールドの一体型モールドを利用して、ナノインプリント工程によって、マイクロ/ナノスケール複合パターンのTiO薄膜の形成が可能であることを確認した。
【0085】
図10の(a)、(b)、(c)は、大きな面積にかけて均一なパターンが形成されて、パターン周縁の境界が明確であることを示している。図11の(a)、(b)は、直径が265nm、深さが180nmの六角形の孔が形成されて、周縁が鋭く形成されたことを示している。
【実施例6】
【0086】
直接パターン化されたTiO薄膜をLED素子の光結晶構造に適用するために、実施例1で合成されたチタンの感光性金属有機物前駆体溶液をp−type GaN/MQW layer/n−type GaN/GaN buffer‐layer/sapphire substrateの上端一側に3,000rpmの条件でコーティングした後、柱(pillar)形状のパターンが形成されたモールドを圧着させた。
【0087】
20分間紫外線を照射した後、モールドをリリースすることによって、光結晶構造を有する酸化チタン薄膜パターンが形成された。
【0088】
光結晶構造としてTiO薄膜のパターン化及び熱処理効果を確認するために、下記のような4種類のサンプルを製造した。
【0089】
○実施例6−1:パターン化されたTiO薄膜
○実施例6−2:パターン化された薄膜を400度で1時間熱処理したTiO薄膜
○比較例1:パターンされないTiO薄膜
○比較例2:パターン化されない薄膜を400度で1時間熱処理したTiO薄膜
【0090】
そして、前記それぞれ製造されたLED素子の光抽出効率の向上を確認するために、蛍光分析器(PL;Photoluminescence、He−Cd Laser、Omni Chrome Co.,米国)を利用して分析し、その結果を図12に示した。
【0091】
図12に示されているように、p型GaN/MQW層/n型GaN/GaNバッファー層/サファイア基板のPL強度を100%とした時、パターン化されないTiO薄膜(比較例1)の場合には33%向上、パターン化されない薄膜を400度で1時間熱処理したTiO薄膜(比較例2)の場合には67%向上、パターン化されたTiO薄膜(実施例6−1)の場合には139%向上、及びパターン化された薄膜を400度で1時間熱処理したTiO薄膜(実施例6−2)の場合には225%向上した。つまり、光結晶層としてTiO薄膜をパターン化及び熱処理することによって、光抽出効率の向上の極大化が可能であることを確認した。
【0092】
以上で、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び添付した図面の範囲内で多様に変形または変更して実施することができ、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0093】
10、52 基板
20 モールド
23 凹凸パターン
24 第1パターンの凹凸構造
25 凹凸パターンを有するモールド
30 感光性金属有機物前駆体コーティング層
35 金属酸化薄膜パターン
40 一体型モールド
41 マスク
42 第2パターン
45 金属酸化薄膜パターン
47 複合パターン
50 LED素子
54 GaNバッファー層
60 n型GaN層
65 発光層
67 p型GaN層
70 光結晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階;
凹凸構造を有するようにパターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階;
前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成する段階;
前記パターン化されたモールドを前記金属酸化薄膜パターンから除去する段階;を含む、ナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項2】
前記金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項3】
前記感光性金属有機物前駆体溶液は、金属に有機物リガンドが結合して合成された金属有機物前駆体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項4】
前記金属有機物前駆体を構成する金属元素は、リチウム、ベリリウム、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、ガドリニウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ウラニウムからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上の金属からなることを特徴とする、請求項3に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項5】
前記有機物リガンドは、ヘキサン酸エチル、アセチルアセトナート、ジアルキルジチオカルバメート、カルボン酸、カルボキシラート、ピリジン、ジアミン、アルシン、ジアルシン、ホスフィン、ジホスフィン、ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシド、塩化物、アセテート、カルボニル、カルボネート、水酸化物、アレナス、ベータ−ジケトナート、2−ニトロベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上のリガンドからなることを特徴とする、請求項3に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項6】
前記金属有機物前駆体は、ヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン、ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、テカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、及びペンタンからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上を混合した溶媒に溶解されることを特徴とする、請求項3に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項7】
第1パターンの凹凸構造を有するモールド上に第2パターンを有するマスクを付着する段階;
基板に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階;
前記マスクが付着されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階;
前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された金属酸化薄膜パターンを形成する段階;
パターン化されたモールドを前記金属酸化薄膜パターンから除去する段階;及び
前記金属酸化薄膜パターンを現像する段階;を含む、ナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項8】
前記第1パターンは、ナノスケールの凹凸構造に形成され、前記第2パターンは、マイクロスケールの平面構造に形成されることを特徴とする、請求項7に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項9】
前記金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項10】
前記感光性金属有機物前駆体溶液は、金属に有機物リガンドが結合して合成された金属有機物前駆体を含むことを特徴とする、請求項7に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項11】
前記金属有機物前駆体を構成する金属元素は、リチウム、ベリリウム、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、ガドリニウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ウラニウムからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上の金属からなることを特徴とする、請求項10に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項12】
前記有機物リガンドは、ヘキサン酸エチル、アセチルアセトナート、ジアルキルジチオカルバメート、カルボン酸、カルボキシラート、ピリジン、ジアミン、アルシン、ジアルシン、ホスフィン、ジホスフィン、ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシド、塩化物、アセテート、カルボニル、カルボネート、水酸化物、アレナス、ベータ−ジケトナート、2−ニトロベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上のリガンドからなることを特徴とする、請求項10に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項13】
前記金属有機物前駆体は、ヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン、ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、テカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、及びペンタンからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上を混合した溶媒に溶解されることを特徴とする、請求項10に記載のナノインプリントを利用した金属酸化薄膜パターンの形成方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項による方法によって形成された金属酸化薄膜パターン。
【請求項15】
光結晶構造を有するLED素子の製造方法において、
基板上の前記光結晶構造を形成する層に感光性金属有機物前駆体溶液をコーティングして感光性金属有機物前駆体コーティング層を形成する段階;
前記光結晶構造に対応する凹凸構造を有するようにパターン化されたモールドで前記感光性金属有機物前駆体コーティング層を加圧する段階;
前記加圧された感光性金属有機物前駆体コーティング層に紫外線を照射して硬化された光結晶構造の金属酸化薄膜パターンを形成する段階;
前記モールドを前記光結晶構造の金属酸化薄膜パターンから除去する段階;を含む、ナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項16】
前記光結晶構造の金属酸化薄膜パターンを熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項17】
前記感光性金属有機物前駆体溶液は、金属に有機物リガンドが結合して合成された金属有機物前駆体を含むことを特徴とする、請求項15に記載のナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項18】
前記金属有機物前駆体を構成する金属元素は、リチウム、ベリリウム、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、ガドリニウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ウラニウムからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上の金属からなることを特徴とする、請求項17に記載のナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項19】
前記有機物リガンドは、ヘキサン酸エチル、アセチルアセトナート、ジアルキルジチオカルバメート、カルボン酸、カルボキシラート、ピリジン、ジアミン、アルシン、ジアルシン、ホスフィン、ジホスフィン、ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシド、塩化物、アセテート、カルボニル、カルボネート、水酸化物、アレナス、ベータ−ジケトナート、2−ニトロベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群より選択された何れか一つまたは二つ以上のリガンドからなることを特徴とする、請求項17に記載のナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項20】
前記金属有機物前駆体は、ヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン、ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、テカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、及びペンタンからなる群より選択された何れか一つまたは二つ以上を混合した溶媒に溶解されることを特徴とする、請求項17に記載のナノインプリントを利用したLED素子の製造方法。
【請求項21】
請求項15乃至20のうちのいずれか一項による方法によって製造された光結晶層を含むLED素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図12】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−51875(P2011−51875A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1538(P2010−1538)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】