説明

ナノ粒子の製造

材料の大粒子(例えば、100マイクロメートルより大きい)は、200nm未満の寸法を有する小粒子を発生させるために加工される。前述の加工の少なくとも一部は、低温の状態下で行われ、低温の状態下の材料の物理的特性に基づく加工である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、ナノ粒子の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパウンドの粒子径は、例えば見掛け溶解度(apparent solubility)、色、濡れ(wetting)、浮遊安定性(suspension stability)、圧密挙動、外観および触覚のような物理的および化学的特性に、しばしば影響を及ぼす。これらの特性は、様々な分野において重要である。例えば、薬剤学の分野で、薬デリバリー性、薬剤の生物学的利用能、生産工程、製品特性、製品安定性および生理的適合性は、薬剤コンパウンドの粒子径に大いに関係する。それらの粒子径が200ナノメートル(nm)未満まで減少すると、多くのコンパウンドが、同一のコンパウンドの大粒子とは全く異なる有効な特性を表す。ナノ粒子は、例えば超臨界流体の膨張や、超臨界流体貧溶媒析出(supercritical fluid anti−solvent precipitation)により生産されることができる。
【発明の開示】
【0003】
図面の説明
図1は、ナノ粒子発生装置を表す。
【0004】
図2は、粉末フィーダを表す。
【0005】
図3は、固体噴霧器を表す。
【0006】
図4および図5は、低温ガス発生器を表す。
【0007】
図6は、低温のジェットミルを表す。
【0008】
図7は、サイクロン式コレクタを表す。
【0009】
発明の概要
概括的に、本発明は一形態において、少なくとも200nm未満の寸法を有する小粒子を発生させるために、材料の大粒子の加工を有する方法であることを特徴とし、加工の一部は、少なくとも低温の状態下で実施され、低温下の材料の少なくとも物理的特性に基づくものである。
【0010】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0011】
低温の状態は、温度が40℃未満である状態を含む。物理的特性は、低温の状態下でひび割れを生じるというより大きな傾向を含む。大粒子は、最初に少なくとも100μmより大きい寸法を有する。大粒子の少なくとも5パーセントは、200nm未満の少なくとも一次元の寸法を有する小粒子に加工される。大粒子の少なくとも5パーセントは、200nm未満の三次元の寸法を有する小粒子に処理される。加工は、大粒子を粉砕(milling)することを含む。この粉砕は、粒子を研磨し、または粒子同士を衝突させるために、加圧された低温ガスを用いることを含む。低温ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも1つを含む。不活性気体は、ヘリウムを含む。
【0012】
加工は、少なくとも一つの付加的な処理を粉砕(milling)に含み、この付加的な処理は、低温の状態下の材料の少なくとも物理的特性に基づくものである。この付加的な処理は、粒子に超音波を与えることを含む。この付加的な処理は、粒子にマイクロ波を与えることを含む。
【0013】
物理的特性は、低温の状態下の超音波振動の状況下で、材料がひび割れを形成することを含む。この加工は、粒子に超音波を与えることを含む。この材料は、材料の温度が、低温の状態下の第1温度から第2温度へ少なくとも毎秒20℃上昇する場合に、材料がひびを形成するような物理的特性を有する。この加工は、粒子の温度を上昇させるためにマイクロ波を用いることを含む。この加工は、低温の状態と低温でない状態へ粒子を交互にさらすことを含む。
【0014】
この方法は、粒子を加工するために低温ガスを発生させることを含む。低温ガスを発生させることは、液体窒素により冷却される通路にガスを通すこと、または液体窒素にガスを通すことを含む。この通路は、液体窒素に浸けられるコイル管を含む。このガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも一つを含む。不活性気体は、ヘリウムを含む。低温ガスは、少なくとも100psiの圧力を有する。
【0015】
この方法は、粒子を発生させるために、高い圧力領域から低い圧力領域へ液体を噴霧することを含む。この方法は、低い圧力領域を低温ガスにより冷却することを含む。この方法は、材料を溶媒に溶かすことによって、液体を発生させることを含む。この溶媒は、アセトン、クロロホルム、アルコール、エーテル、石油エーテル、ベンゼンおよび水の少なくとも一つを含む。アルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールの少なくとも一つを含む。溶かされる材料は、プラスチックを含む。
【0016】
大粒子は、草本(herbs)、シュウ酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化珪素、セルロースと草本、インシュリン、タキシン、グリセオフルビン、硫酸アルブテロール、イブプロフェン、レシチン、プラスチック、ビタミン、酸化鉄、またはパクリタクセルを含む。この材料は、20℃において固体または液体の状態である。
【0017】
概括的に、本発明は他の形態において、−40℃以下の温度を有する液体により冷却される通路をガスが通ることによって、低温ガスを発生させることを含む方法を特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0019】
液体は、−100℃以下の温度を有する。液体は、液体窒素を含む。通路は、液体に浸されるコイル管を含む。ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも一つを含む。不活性気体は、ヘリウムを含む。
【0020】
概括的に、本発明は、他の形態において、−40℃以下の温度を有する液体をガスが通過することにより、低温ガスを発生させることを含む方法を特徴とする。
【0021】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0022】
液体は、−100℃以下の温度を有する。液体は、液体窒素を含む。この方法は、液体窒素の中で酸素を液化することによって、ガスの酸素を取り除くことを含む。ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも一つを含む。不活性気体は、ヘリウムを含む。
【0023】
概括的に、本発明は他の形態において、200nm未満の三次元の寸法を有する小粒子を発生させること、溶液を発生させるために小粒子を液体と混ぜ合わせること、および静脈注射を介して人体に溶液を投与すること、を含む方法を特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0025】
小粒子は、加工の少なくとも一部が−40℃以下の温度で行われる加工により発生される。この加工は、小粒子を発生させるために大粒子をジェットミルで粉砕する(jet milling)ことを含む。小粒子は、製薬剤を含む。
【0026】
概括的に、本発明は他の形態において、分散媒に分散された材料を含んでいる液体の液滴を生じさせること、および材料を含む固体分散粒子を発生させるために低温の状態下で液滴を冷却することを含む方法を特徴とする。
【0027】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0028】
低温の状態は、温度が−40℃以下である状態を含む。液滴を発生させることは、液体を高い圧力領域から開口を介して低い圧力領域へ通過させることを含む。低温の状態下で液滴を冷却することは、液滴を冷却するために低温ガスを使用することを含む。固体分散粒子の少なくとも一部の各々は、材料の単一分子を含む。
【0029】
概括的に、本発明は他の形態において、大粒子を、200nm未満の三次元の寸法を有する小粒子が少なくとも5パーセントある小粒子に粉砕させるために、大粒子および低温ガスを受けるジェットミルを含む装置を特徴とする。
【0030】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0031】
装置は、低温ガスを発生させる低温ガス発生器を含む。ジェットミルは、温度を−40℃以下に維持する断熱されたチャンバを含む。低温ガスは、−40℃以下の温度を有する。
【0032】
装置は、小粒子を集める収集チャンバを含む。収集チャンバは、1気圧(atm)より低い圧力を有する低圧チャンバを含む。
【0033】
装置は、超音波を粒子の方向へ向ける超音波発振器を含む。
【0034】
装置は、液体から大粒子を発生させる固体噴霧器を含む。固体噴霧器は、高圧領域から低圧領域へ液体を噴霧する噴霧ヘッドを含む。装置は、噴霧ヘッドから噴霧される液滴を冷却するために、噴霧ヘッドの周りに低温ガスを噴射するためのノズルを含む。
【0035】
装置は、粒子が粉砕される間、粒子を加熱するヒータを含む。ヒータは、マイクロ波発振器を含む。
【0036】
概括的に、本発明は他の形態において、大粒子を受けて、大粒子を少なくとも200nm未満の1次元の寸法を有する小粒子に加工するための粒子加工器を含む装置を特徴とし、粒子加工器の少なくとも一部は、大粒子の加工の少なくとも一部が低温の状態下で行えるように、低温の状態下で維持される。
【0037】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。粒子加工器は、低温の状態下で大粒子を粉砕するジェットミルを含む。低温の状態は、温度が−40℃以下である状態を含む。
【0038】
概括的に、本発明は他の形態において、40℃以下の温度に維持された液体を含むコンテナと、少なくとも一部が液体に浸けられる通路と、含む装置を特徴とし、前述の通路は、−40℃を越える温度を有するガスを受ける第1の開口と、ガスが液体に入れられた部分を通過した後にガスを排出するための第2の開口とを有する。
【0039】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。液体は、液体窒素を含む。装置は、ガスを発生させる源を含む。ガスは、窒素、空気および不活性気体の少なくとも一つを含む。通路は、コイル管を含む。
【0040】
概括的に、本発明は他の形態において、40℃以下の温度に維持された液体で部分的に満たされたコンテナと、40℃を超える温度を有するガスを受けるための第1の開口を備えるとともに、液体の中へガスを排出するために液体に浸けられた第2の開口を備え、ガスが液体の中でバブルを形成して液体から現れて、液体の上のコンテナの空間に入るようにする第1通路と、開放空間のガスを受ける第2通路と、を含む装置を特徴とする。
【0041】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。液体は、液体窒素を含む。装置は、ガスを発生させる源を含む。ガスは、窒素、空気および不活性気体の少なくとも一つを含む。
【0042】
概括的に、本発明は他の形態において、低温の状態に粒子の温度を低減させる手段と、小粒子を発生させるために粒子を加工する手段と、を含む装置を特徴とする。
【0043】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。粒子の温度を低減させる手段は、40℃未満の温度を有するガスを発生させる低温ガス発生器を含む。粒子を加工する手段は、ジェットミルを含む。
【0044】
材料の粒子径を減少させるために本発明を用いる利点は、材料の溶解度を増加できることでる。薬の溶解度の増加は、その生物学的利用能を向上させることができる。ナノ粒子を使用する他の利点は、ある薬に関して、ナノサイズの固体粒子が肺に直接に吸入されることができるということである。ナノサイズの粒子は、それから肺細胞の膜を通過して、血流に入ることができる。
【0045】
詳細な説明
200nm未満の寸法を有するナノ粒子は、温度が40℃以下である低温の状態下での材料の加工によって発生されることができる。ナノ粒子を生成するためには、材料の大粒子(例えば、3次元の全てが1μmを超える寸法を有している)を、加圧された低温ガス(例えば、−40℃より低い温度の窒素)によってジェットミルの中に吹きつけて、大粒子を互いに衝突させ、またジェットミルの内壁に対して研磨する。低温の大粒子の脆弱性のため、衝突と研磨(または、流動化ミリング(fluidized milling)と呼ばれる)が、全ての三次元の寸法が200nm未満の粒子を生産する。
【0046】
図1を参照すると、ナノ粒子発生装置100は、200nm未満の寸法を有するナノ粒子を発生させるために、直列に接続された一対のジェットミル102および104を含む。ジェットミル102および104の一方または両方は、低温の状態下で粒子を加工する。一方が他方の後に直列に接続された2つのジェットミルを用いることにより、加工された粒子はより小さいサイズを有し、そして粒子のサイズは、より一様な分布を有する。別々に制御される2つのジェットミルの使用は、短時間で、異なる温度および圧力の状態のような異なる条件で、粒子を加工することを可能とする。高圧低温ガス発生器112によって発生される加圧された低温ガスは、大粒子を互いに衝突させ、そしてチャンバの壁に対して研磨して小粒子を発生させるために、ジェットミルの中にノズル110a−110eを介して噴射される。第2ジェットミル104に噴射されるガスは低温でありえ(例えば、ジェットミル102と同様に−40℃以下)、またはより高い温度を有することができる。
【0047】
ジェットミル102および104内の粒子は、粒子の物理的特性に従う異なる方法で、低温の状態下により処理されることができる。20kHzを超える周波数を有する超音波が浴びせられると、ある材料はひび割れが生じやすい。急激な温度変化にさらされる場合には、ある材料は高い熱膨張係数を有してひび割れが生じやすい。超音波振動に影響されやすい材料を加工する場合には、ジェットミル102の中の粒子の方へ向けて超音波を発生させるために、超音波発振器114が起動される。大きい熱膨張係数を有する材料を加工する場合には、マイクロ波発振器116が、急速に粒子を加熱するためのマイクロ波を発生させるために起動され、急速な熱膨張に起因するひび割れまたは亀裂が生じる。超音波またはマイクロ波によって生じるひび割れまたは亀裂は、ジェットミリング加工の間の粒子の破壊を容易にする。加工されている材料の物理的特性に従って、超音波発振器114およびマイクロ波発振器116のいずれか一方または両方が使用され、またはどちらも使用されない。
【0048】
ジェットミル102において加工される粒子は、粉末フィーダ106または固体噴霧器108から受けられる。材料がその粉末形態からナノ−サイズに容易に研磨されることができる場合に、粉末フィーダ106が使われる。粉末フィーダ106は、粉末としての材料を受けて、粉末の中の小粒子がお互いにくっつくことを妨げ、集合体の形成を妨げるために粉末をかき混ぜる。
【0049】
溶液を形成するために材料が液体(または溶媒によって溶解された液体)と混ぜられる場合に、固体噴霧器108が使われる。溶液は、低温ガスにより冷却されるチャンバへ、ノズル・ヘッドから噴霧され、液体を凝固させて固体分散粒子を形成する。固体分散粒子を形成するプロセスは、後述する。低温ガスは、ジェットミル102に固体粒子を運ぶ。
【0050】
ジェットミル102および104により加工された粒子は、水または溶媒を蒸発させることができ、ナノ粒子を重力によってコレクタ134に落下させることができる低圧チャンバを有するサイクロン式コレクタ118に送り届けられる。
【0051】
超音波発振器114によって発生される音波の周波数は、調節可能である。波の周波数は、加工される材料に基づいて選択される。異なる材料は、異なる周波数でひび割れまたは亀裂を生じる。超音波は、導波管234を介してチャンバ120に送られる。複数の超音波発振器が使われてもよい。
【0052】
超音波振動に影響されやすい材料の例は、シュウ酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムおよび二酸化珪素を含む。
【0053】
マイクロ波発振器116は、調節可能な出力を有する。マイクロ波発振器116は、急速に、ジェットミル104の研磨チャンバ122に入る粒子を加熱するために、連続的に起動されることができる(例えば、粒子の温度が少なくとも毎秒20℃増加するような出力を使用する)。粒子がジェットミル102の研磨チャンバ120を離れる場合には、粒子は(粒子が低温ガスにより冷却されるため)低温である。粒子がジェットミル104の研磨チャンバに入るときに、温度の急増が粒子にひびを生じさせる。
【0054】
一例において、研磨チャンバ122が低温に維持されるように、低温ガスはポート110f〜110jによりジェットミル104の研磨チャンバ122に噴射される。マイクロ波発振器106からのマイクロ波は、導波管235を通過すると、粒子が研磨チャンバ122に入るので、粒子がマイクロ波により加熱されるように、研磨チャンバ122の供給ポート129へ向う。粒子がマイクロ波により加熱される領域を離れると、粒子は低温ガスにより冷却される。温度の冷−熱−冷という周期的変化は、粒子にひび割れを生じさせる。チャンバ122内に交互に設けられる複数の高温と低温の領域を生じさせるために、複数のマイクロ波発振器が、研磨チャンバ122内の異なる領域における粒子の加熱に供されるように用いられてもよい。この場合、粒子が研磨チャンバ122を通過するため、粒子は熱膨張と熱収縮からなる複数のサイクルを通過し、それぞれのサイクルで粒子にひび割れが生じる。
【0055】
熱処理にさらされてひび割れる材料の例は、セルロースと生薬を含む。
【0056】
図2を参照すると、粉末フィーダ106は、粒子がジェットミル102へ運ばれる前の固体粒子を保持する受容チャンバ144を含む。約100〜200マイクロμmの範囲の直径を有する固体粒子が、供給ホッパー138を介して受容チャンバ144へ注入される。垂直回転シャフト140に接続されるハンマー142は、粒子の凝集を妨げるために固体粒子をかき混ぜる。液体窒素を含んでいる外側ジャケット146は、受容チャンバ144を低温に維持するために受容チャンバ144を取り囲んでいる。粒子は、粉末フィーダ106の底の開口148を介して受容チャンバ144から出る。
【0057】
図3を参照すると、固体噴霧器108は、加圧された液体(図示せず)が、低圧チャンバ164に位置される噴霧ヘッド150を通過することによって、固体分散粒子152を発生させる。加圧された液体は、ナノ粒子が生産されることになっている材料と、材料を分散させるために使われる分散媒(例えば溶媒)を含む。チャンバ164は、(円筒壁156に囲まれる)内側領域166と、外側領域168とを含む。低温ガス分配器160は、噴霧ヘッド150のそばに配置されるノズル154を介して、低温ガスを排出する。低温ガスは、内側領域166を上向きへ流れるとともに外側領域168を下向きへ流れ、低圧チャンバ164の温度を低減させる。低温ガスは、開口170を介して固体噴霧器108から流れ出る。
【0058】
噴霧ヘッド150は、加圧された液体の源に連結され、この液体は、エマルジョン(例えば、水中のグアヤコール炭素塩クロロホルム溶液)、または材料が溶媒に溶かされた溶液(例えばグリセオマイシン・エタノール溶液)でありえる。一例において、噴霧ヘッド150内部で、液体は1000ポンド/平方インチ(psi)の高圧を有する。液体が内側チャンバ166に吹き付けられるときに、材料は、分子レベルまたはコロイドレベルの液体の小さい液滴に、細かく分散される。小さい液滴がより大きい液滴を形づくるために集まる前に、小さい液滴は低温ガスによって急速に冷却されて凍り、そして、材料の結晶化を妨げる。小さい液滴が結晶化する前に、小さい液滴の材料が凍るので、各々の粒子152は、材料の一つ以上の分子を含むことができる。材料の分子の三次元構造は、固体分散粒子152に保存される。固体分散粒子152は、低温ガスの内側領域166から外側領域168への流れに引かれ、開口170を介して固体噴霧器の外へ引っ張られる。
【0059】
材料が結晶化する前に材料が凍るので、固体分散粒子152の材料は構造強度が低減され、低温の状態下においてひび割れるより大きな傾向を有する。固体分散粒子152がジェットミル102および104により加工され、サイクロン式コレクタ118に入った後、分散媒(または溶媒)は昇華し、排出ポート232から出る。ジェットミル102および104により加工されるナノ粒子の少なくとも一部は、材料の分子の三次元構造を維持する。材料が、例えば薬(例えばインシュリン)、ポリマー、タンパク質またはペプチドを含むときに、これは有効である。例えば、薬の分子の三次元構造を保存することは、それらの生物学的利用能を強化する。表1は、固体噴霧器108によって、固体分散粒子152を発生させるのに適している溶液を形成できる材料と溶媒の例の一覧を示す。
【0060】
【表1】

【0061】
図4は、−196℃に維持された液体窒素182のタンクに浸されるコイル管184を含む高圧低温ガス発生器180の例を示す。窒素ガスの源(図示せず)からの加圧された窒素ガスは、入口186を通って低温ガス発生器180に入り、コイル管184を通過して、液体窒素182によって低温に冷却される。コイル管184を介して流れる窒素ガスの量は、制御弁188により制御される。温度計192と圧力計194は、窒素ガスがコイル管184に入る前に、窒素ガスの温度と圧力をそれぞれ監視する。液体窒素182は、圧力上昇を抑えるために窒素ガスを放出するための安全弁196を有する、熱的に断熱されたタンク208に格納される。温度計200と圧力計202は、コイル管184を出た窒素ガスの温度と圧力を、それぞれ監視する。加圧された低温ガスは、ジェットミル102および104のガスの入口に連結される出口206を通って低温ガス発生器180を離れる。制御弁204は、ジェットミルに入る窒素ガスの量を制御する。
【0062】
熱交換器190および198は、加圧された低温の窒素ガスの温度の調整を可能にする。異なる材料は、ジェットミルによる粉砕加工の間の、異なる温度での低温ガスの使用を要求する。表2は、異なる材料のための低温ガスのための適切な温度を示す。
【0063】
【表2】

【0064】
図5は、高圧低温ガス発生器210の他の例である。ここでは、加圧された窒素ガスが、液体窒素182の中に拡散される。加圧された窒素ガスは、液体窒素182の中に延びる通路216を通る。通路216は、加圧された窒素ガスが液体窒素182に入ることを可能とする開口を有するガス拡散器214に連結される。窒素ガスは、液体窒素182の中に放散された後に、液体窒素182の上まで上がり、出口218を通ってタンク208を出る。出口218を通って出る窒素ガスは、約−198℃である液体窒素182の温度の近くまで冷却される。
【0065】
液体窒素182を通って窒素ガスを拡散する利点は、出口218を通って出る窒素ガスが、ほとんどもしくは全く水蒸気を含まないということである。もし水の名残があれば、氷になって液体窒素182のタンクの中に残る。これは、ジェットミル102および104の中の粒子の湿気の量を減少させる。他の利点は、出口218を通って出る窒素ガスが、ほとんどもしくは全く酸素を含まないということである。酸素は−183℃の沸点を有し、したがって、液体窒素182を通る酸素は、−196℃の温度で液化される。これは、ジェットミルの中の粒子の酸化の可能性を低減させる。
【0066】
図6を参照すると、ジェットミル102は、ループ形の研磨チャンバ120を含む。粒子は、粉末フィーダ106または固体噴霧器108に連結される供給ポート124を通ってチャンバ120に入る。加圧された低温ガスは、粒子を混ぜ、互いに衝突させ、チャンバ120の壁に対して研磨させることを粒子に強制するために、ノズル110a、110b、110c、110dおよび110eを通ってチャンバ120に噴射される。これにより、小粒子が生産される。ノズル110aは、推進ノズルである。ノズル110aから飛び出す低温ガスは、粉末フィーダ106または固体噴霧器108から供給ポート124へ粒子を引く吸引力を発生させる。
【0067】
低温ガスノズル110a〜110eは、加圧された低温ガス発生器180または210の出口206に対して連結される。ノズルは、粒子が研磨チャンバ120において一方向へ流れるように(例えば、図6に示される例の時計まわりに)、方向づけられる。窒素ガスの大部分は、方向220に沿って移動し、出口延長ポート126を通ってチャンバ120を出る。図6において、出口延長ポート126の一端部221は、図の平面に平行な方向へ延び、チャンバ120に連結する。ポート126の他端部223は、図6の平面に対して垂直な方向に延び、接続管128(図1)に連結され、接続管128は、ジェットミル104の供給ポート129へ順々に連結される。端部223の断面は、研磨チャンバ120の断面の平面と異なる平面上にある。
【0068】
窒素ガスの小部分は、方向222に沿って移動し、再びチャンバ120の周りを回る。窒素ガスは粒子を担持し、したがって、粒子の大部分が方向220に沿って移動し、出口延長ポート126を通ってチャンバ120を出る。粒子の小部分は、方向222に沿って移動して再びチャンバ120の周りを回り、もう一度研磨サイクルを行う。チャンバ120は、窒素ガスを低温に維持するために断熱される。
【0069】
ジェットミル104は、ジェットミル102と同様の形状を有する。低温ガスは、入口110f、110g、110h、110iおよび110jを通ってチャンバ104に入る(図1参照)。粒子は、ジェットミル102の中でのジェットミルによる粉砕(jet milling)加工と同様に、研磨チャンバ122において粉砕される。チャンバ122は、接続管240を通ってサイクロン式コレクタ118に連結される出口延長ポート130を有する。
【0070】
ジェットミル102の供給ポート124に入る粒子は、約100〜200μmの範囲の寸法を有することができ、ジェットミル104の出口延長ポート130を出る粒子(「最終粒子」と称する)は、1μm未満の寸法を有することができる。最終粒子の寸法は、ジェットミル102と104の研磨チャンバに注入されるガスの温度と圧力を変化させることにより、調整されることができる。一例において、最終粒子の半分以上が、200nm未満の寸法を有する。
【0071】
図7を参照すると、サイクロン式コレクタ118は、接続管240に連結される減圧チャンバ224を含む。減圧チャンバ224は、サイクロンチャンバ226に入る前に窒素ガスの圧力を減少させることを可能とする。サイクロンチャンバ226は、圧力の急な減少によって粒子の水または溶媒が蒸発するように、常気圧または低圧で保たれる。粒子は、重力によって、粒子コレクタ134に落ち着く(231)。
【0072】
サイクロン式コレクタ118は、フィルタ228によってサイクロンチャンバ226から切り離される濾過チャンバ230を含む。濾過チャンバ230は、窒素が大気に拡散することを加能とする排出ポート232を有する。フィルタ228は、ナノ粒子が排出ポート232を通ってサイクロンチャンバ226を出ることを妨げる。
【0073】
200nm未満の寸法を有する粒子を生産するためのナノ粒子発生装置100により加工されることができる材料の例は、シュウ酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化珪素、セルロースおよび草本(herbs)、インシュリン、タキシン、グリセオフルビン、硫酸アルブテロール、イブプロフェン、レシチン、プラスチック、ビタミン、酸化鉄、パクリタクセル等を含む。
【0074】
ナノ粒子発生装置100は、様々な分野で有効である。例えば、ナノ粒子発生装置100は、静脈注射のための薬を調合するために使用されることができる。薬は、静脈注射を介して患者に与えられる溶液を形成するために、通常溶媒に溶かされる。ある薬は、注射用水(WFI、注射に適する精製水)に溶かされることができる。その一方で、ある薬は、製薬溶媒(例えばグリセリン、エタノール、プロピレングリコールまたはこれらの溶媒の混合物)に溶かされなければならない。水に溶かすことができない薬に関しては、未溶解の薬の粒子が大き過ぎてミクロサイズの血管を塞いだり血栓症の原因ともなるので、薬を含んでいる水性懸濁液は、静脈注射で安全に静脈内に患者に与えられることができない。薬が製薬溶媒に溶かされるにもかかわらず、体に製薬溶媒を注入することは、しばしば望ましくない副作用を生じさせる。200nm未満のサイズを有する粒子を発生させるために薬を加工するためのナノ粒子発生装置100を用いることによって、ナノサイズの薬の粒子を含む水性懸濁液は、薬のナノ粒子が円滑にミクロサイズの血管を通過することができるために、静脈注射を介して安全に患者に与えられることが可能である。これは製薬投与の形態に新規な方法を提供し、静脈注射内の製薬溶媒の必要性を減少させる。
【0075】
いくつかの例が上で議論されたが、他の実施形態および応用形態もまた、特許請求項の範囲の範囲内である。例えば、ナノ粒子発生装置100は、2つの直列に接続されたジェットミル102と104を含む。ある材料においては、1つのジェットミル102で、ナノサイズの粒子を生産するのに十分である。2つ以上のジェットミルが、直列に接続されることもできる。研磨チャンバ120と122は、異なる形状を有することができる。超音波発振器114およびマイクロ波発振器116は、同じジェットミル102および/または104に、両方とも連結されてもよい。超音波発振器114およびマイクロ波発振器116は、任意に設けられる。
【0076】
研磨チャンバ102と104に噴射される低温ガスは、窒素ガスと異なってもよい。例えば、空気または不活性気体を使用することができる。不活性気体の例は、ヘリウムである。不活性気体の混合物も、使用されえる。
【0077】
上記した例は、例えば200nm未満の三次元の全ての寸法を有するナノ粒子を発生させるために、低温の状態下で粒子を加工するためのジェットミルを用いる。材料はまた、200nm未満の一次元の寸法を有するとともに他の二次元の寸法が200nmより大きい粒子を発生させるために、低温の状態下で加工されることができる(例えば、粒子は薄く平らな形状を有することができる)。材料はまた、200nm未満の二次元の寸法を有し、三つ目の次元の寸法が200nmより大きい粒子を発生させるために、低温の状態下で加工されることができる(例えば、粒子は針形状を有することができる)。例えば、材料が、材料の結晶構造に基づいて薄く平らな形状または針形状の粒子へ壊されるように、超音波が、低温の状態下で材料に付与されえる。
【0078】
材料が低温の状態下で加工されるときに、ジェットミルを使用しようと他の加工用具を使用しようと、最終製品の粒子径は完全に均一である必要はなく、分布範囲を有してよい。一例において、ナノ粒子発生装置100により加工されてコレクタ134で集められる粒子は、100nmと200nmの間の範囲内のサイズの粒子を50%以上含む、50nmと300nmの間の範囲内のサイズを有する。他の例において、低温の状態下で加工される粒子の少なくとも5%は、200nmより小さい寸法を有する。粒子のサイズの分布は、研磨チャンバに噴射される低温ガスの温度と圧力を調整することによって、および/または、粒子に付与される超音波とマイクロ波の出力を調整することによって、および/または、順々に直列に連結されるジェットミルの数を増やしまたは減らすことによって、調整されることが加能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ナノ粒子発生装置を表す。
【図2】粉末フィーダを表す。
【図3】固体噴霧器を表す。
【図4】低温ガス発生器を表す。
【図5】低温ガス発生器を表す。
【図6】低温のジェットミルを表す。
【図7】サイクロン式コレクタを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
200nm未満の少なくとも一次元の寸法を有する小粒子を発生させるために材料の大粒子を加工することを含む方法であり、
前記加工の少なくとも一部は、低温の状態下で実施され、前記低温の状態下の材料の少なくとも物理的特性に基づくものである方法。
【請求項2】
前記低温の状態は、温度が−40℃以下の状態を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低温の状態は、温度が−80℃以下の状態を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記低温の状態は、温度が−120℃以下の状態を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記低温の状態は、温度が−160℃以下の状態を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記物理特性は、前期低温の状態下でひび割れが非常に生じやすい傾向を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記大粒子の少なくとも5パーセントが、200nm未満の少なくとも一次元の寸法を有する小粒子に加工される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記大粒子の少なくとも5パーセントが、200nm未満の三次元の寸法を有する小粒子に加工される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記加工は、大粒子を粉砕(milling)することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記粉砕は、粒子を研磨し、または粒子を互いに衝突させるために、加圧された低温ガスを使用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記低温ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記不活性気体は、ヘリウムを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記加工は、前記粉砕に追加され、低温の状態下の材料の少なくとも物理的特性に基づく少なくとも1つの処理を含む請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記追加される処理は、前記粒子に超音波を与えることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記追加される処理は、前記粒子にマイクロ波を与えることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記大粒子は、最初に100μmより大きい少なくとも一次元の寸法を有する請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記物理的特性は、低温の状態下の超音波振動を受ける際に、材料がひび割れを形成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記加工は、前記粒子に超音波を付与することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記材料の温度が低温の状態下の第1温度から第2温度まで少なくとも毎秒摂氏20度上昇する際に、材料がひび割れを形成するような物理的特性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記加工は、粒子の温度を上昇させるためにマイクロ波を用いることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記加工は、前記粒子を低温の状態と非低温の状態へ交互にさらすことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子を加工するために低温ガスを発生させることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記低温ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記不活性気体は、ヘリウムを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記低温ガスは、少なくとも100psiの圧力を有する請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記大粒子を発生させるために、液体を高圧領域から低圧領域へ噴霧することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項27】
低温ガスにより、前記低圧領域を冷却することを更に含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
材料を溶媒に溶かすことによって前記液体を発生させることを更に含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記溶媒は、アセトン、クロロホルム、アルコール、エーテル、石油エーテル、ベンゼンおよび水の少なくとも1つを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記アルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールの少なくとも1つを含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記材料は、プラスチックを含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記大粒子は、草本を含む請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記大粒子は、シュウ酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化珪素、セルロース、インシュリン、タキシン、グリセオフルビン、硫酸アルブテロール、イブプロフェン、レシチン、プラスチック、ビタミン、酸化鉄およびパクリタクセルの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記材料は、20℃において固体状態である請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記材料は、20℃において液体状態である請求項1に記載の方法。
【請求項36】
−40℃以下の温度を有する液体により冷却される通路にガスを通すことにより、低温ガスを発生させることを含む方法。
【請求項37】
前記液体は、−100℃以下の温度を有する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記液体は、液体窒素を含む請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記通路は、前記液体に浸けられるコイル管を含む請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記不活性気体は、ヘリウムを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
−40℃以下の温度を有する液体にガスを通すことにより、低温ガスを発生させることを含む方法。
【請求項43】
前記液体は、−100℃以下の温度を有する請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記液体は、液体窒素を含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
上記は、液体窒素の中で酸素を液化することによって、ガスの中の酸素を取り除くことを更に含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ガスは、空気、窒素および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記不活性気体は、ヘリウムを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
200nm未満の三次元の寸法を有する小粒子を発生させることと、
溶液を生じさせるために前記小粒子を液体と混合することと、
前記溶液を静脈注射を介して人体に投与することと、を含む方法。
【請求項49】
前記小粒子は、加工の少なくとも一部が−40℃以下の温度で行われる加工により発生される請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記加工は、小粒子を発生させるために大粒子をジェットミルで粉砕する(jet milling)ことを含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記小粒子は、製薬剤を含む請求項48に記載の方法。
【請求項52】
分散媒に分散される材料を含む液体の液滴を発生させることと、
前記材料を含む固体分散粒子を発生させるために低温の状態下で前記液滴を冷却することと、を含む方法。
【請求項53】
前記低温の状態は、温度が−40℃以下の状態を含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記低温の状態は、温度が−100℃以下の状態を含む請求項53に記載の方法。
【請求項55】
液滴を発生させることは、高圧領域から開口を通って低圧領域へ液体を通過させることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項56】
低温の状態下で液滴を冷却することは、液滴を冷却するために低温ガスを使用することを含む請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記固体分散粒子の少なく一部のそれぞれが、材料の単一分子を含む請求項52に記載の方法。
【請求項58】
大粒子が小粒子に粉砕されるように、大粒子と低温ガスを受けるジェットミルを含み、小粒子の少なくとも5パーセントが、200nm未満の三次元の寸法を有する装置。
【請求項59】
前記低温ガスを発生させるために低温ガス発生器を更に含む請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記ジェットミルは、−40℃以下の温度を維持するための断熱されたチャンバを含む請求項58に記載の装置。
【請求項61】
小粒子を集めるための収集チャンバを更に含む請求項58に記載の装置。
【請求項62】
前記収集チャンバは、1atm未満の圧力を有する低圧チャンバを含む請求項61に記載の装置。
【請求項63】
超音波を粒子に方向づけるための超音波発振器を更に含む請求項58に記載の装置。
【請求項64】
液体から大粒子を発生させるための固体噴霧器を更に含む請求項58に記載の装置。
【請求項65】
前記固体噴霧器は、高圧領域から低圧領域へ液体を噴霧する噴霧ヘッドを更に含む請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記噴霧ヘッドから噴霧される液滴を冷却するために、噴霧ヘッドの周りに低温ガスを吹き込むノズルを更に含む請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記粒子が粉砕される間に粒子を加熱するためのヒータを更に含む請求項58に記載の装置。
【請求項68】
前記ヒータは、マイクロ波発振器を含む請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記低温ガスは、窒素、空気および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項58に記載の装置。
【請求項70】
大粒子を受け、前記大粒子を200nm未満の少なくとも一次元の寸法を有する小粒子に加工するための粒子加工器を含み、大粒子の加工の少なくとも一部が低温の状態下で行われるように、前記粒子加工器の少なくとも一部が低温の状態に維持される装置。
【請求項71】
前記粒子加工器は、低温の状態下で大粒子を粉砕するジェットミルを含む請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記低温の状態は、温度が−40℃以下である状態を含む請求項70に記載の装置。
【請求項73】
前記低温の状態は、温度が−100℃以下である状態を含む請求項72に記載の装置。
【請求項74】
温度が−40℃以下に維持された液体を含むコンテナと、
少なくとも一部が液体に浸けられる通路と、を含み、
前記通路は、−40℃を超える温度を有するガスを受ける第1の開口を備えるとともに、前記ガスが前記液体に浸される部位を通過した後に当該ガスを排出する第2の開口を
備える装置。
【請求項75】
前記液体は、液体窒素を含む請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記ガスを発生させるための源を更に含む請求項74に記載の装置。
【請求項77】
前記ガスは、窒素、空気および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記通路は、コイル管を含む請求項74に記載の装置。
【請求項79】
温度が−40℃以下に維持される液体で部分的に満たされたコンテナと、
−40℃を超える温度を有するガスを受ける第1の開口を備えるとともに、前記液体に前記ガスを排出するために液体に浸けられる第2の開口を備え、前記ガスが液体から現れて液体の中でバブルを形成し、前記液体の上のコンテナの空間に入るようにする第1の通路と、
前記空間のガスを受ける第2の通路と、を含む装置。
【請求項80】
前記液体は、液体窒素を含む請求項74に記載の装置。
【請求項81】
前記ガスを発生させるための源を更に含む請求項74に記載の装置。
【請求項82】
前記ガスは、窒素、空気および不活性気体の少なくとも1つを含む請求項76に記載の装置。
【請求項83】
−40℃以下まで粒子の温度を低減するための手段と、
小粒子を発生させるために粒子を加工する手段と、を含む装置。
【請求項84】
前記粒子の温度を低減するための手段は、−40℃以下の温度を有するガスを発生させる低温ガス発生器を含む請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記粒子を加工する手段は、ジェットミルを含む請求項83に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−505763(P2008−505763A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521528(P2007−521528)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024501
【国際公開番号】WO2006/135373
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(507012294)
【Fターム(参考)】