ナビゲーションアルバムシステム
【課題】 ナビゲーションアルバムにおいて、旅行中にユーザーが使用した車両、航空機、船等の移動手段の情報が表示されるようにする。
【解決手段】 移動手段判別手段71で旅行期間中にユーザーが使用した移動手段を判別し、画像合成表示手段70で該移動手段を示す画像データを経路データRにおける現在地を示す現在地カーソルVに対して合成する。
【解決手段】 移動手段判別手段71で旅行期間中にユーザーが使用した移動手段を判別し、画像合成表示手段70で該移動手段を示す画像データを経路データRにおける現在地を示す現在地カーソルVに対して合成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動経路の位置情報にデジタル画像データをリンクさせた電子アルバムを作成可能なナビゲーションアルバムシステムに関し、特に該移動経路における現在地を示す現在地カーソルの表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムの高性能化、低価格化が進んでおり、カーナビゲーションシステムを搭載する車両が増加している。カーナビゲーションシステムは、例えば特許文献1に記載されているように、目的地をセットしておくことにより走行すべき経路をディスプレイに表示することや、自家用車が走行した経路を保存し、その経路をディスプレイ上に表示することが可能である。
【0003】
特許文献1では、目的地までの案内経路データや実際に走行した軌跡データに対して付加情報としての画像データや音声データ等を対応付けて記億し、案内経路データや軌跡データを表示装置に表示する際には、対応付けられた画像データや音楽データ等を出力するように構成されている。このナビゲーション装置は、位置検出器で検出した現在位置をマップマッチング処理によって地図上に表示し、目的地や経由地点が入力された場合には、経路探索動作を行って案内経路データを地図上に表示し、この案内経路を登録した場合にはユーザーの操作に応じて案内経路に関連した任意の画像データ等の付加情報を案内経路に対応付けて記憶し、このように記憶した付加情報を選択的に呼び出して表示できるように構成されている。
【0004】
一方、近年、デジタルカメラの高性能化、低価格化が進んでおり、車両で観光地等に旅行する際にはデジタルカメラを携行して名所や旧跡等を撮影することや、これらを背景にしてスナップ写真を撮影することも多くなっている。そして、このように撮影した画像データをCD−RやDVD−R等の記録メディアに保存して電子アルバムを作成し、コンピュータやテレビモニタ等に画像を表示させて楽しむといった使い方がなされている。
【0005】
通常、電子アルバムは、デジタル画像データを単にサムネイル表示するか、又はスライドショー形式で画面に表示させるものが一般的であり、複数の観光地を周遊した場合に撮影した画像を後日見直したときに、いつどこで撮影した画像なのかを直ちに判別することが難しくなる等、旅行当時の思い出を想起する上で不利になることがあった。
【0006】
そこで、本発明者は、ユーザーが容易に旅行当時の思い出を想起することができるように、前記カーナビゲーションシステムと電子アルバムとを融合させたナビゲーションアルバムを提案した。
【0007】
具体的に、前記ナビゲーションアルバムは、電子アルバムを開くと、旅行当日にユーザーが車両で走行した走行経路データをそのまま画面上に表示し、通常のカーナビゲーションのように画面上の現在地を示す現在地カーソルが旅行当時の走行経路に沿って移動し、ユーザーが訪れた観光ポイントに到着すると、その場所で撮影したデジタル画像データがサムネイル表示又はスライドショー表示されるように構成されたものである。
【0008】
これにより、旅行当時に自家用車で走行した経路をそのまま画面上で辿って旅行気分を再現することができ、さらに各観光地で撮影したデジタル画像データは、現在地カーソルがナビゲーションアルバム画面上のその観光地に移動したときにはじめて表示されるようになっているから、旅行の出発日から最終日までの日程をその旅行した順番通りに忠実に追体験でき、容易に旅行気分を再現することができる。
【0009】
一方、近年、GPS機能が搭載されたカメラ又はカメラ付き携帯電話が普及してきており、これら携帯機器のGPS機能を用いて旅行期間中の移動経路を特定すれば、より詳細な旅行ルートを再現したナビゲーションアルバムの作成が可能となる。すなわち、カーナビゲーションシステムのように車両で移動した移動経路のみを特定するのではなく、例えばユーザーが船や航空機等を利用して移動した移動経路も前記GPS機能付カメラ等で特定することができ、これらの移動経路もナビゲーションアルバムに盛り込むことができる。
【特許文献1】特開2002−81955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記ナビゲーションアルバムのように、旅行経路を再現してそれぞれの観光地で撮影した画像を表示するようにすると、ユーザーが旅行気分を再現する上で有利となるが、顧客満足度を高めるためにさらに改良すべき点がある。すなわち、ユーザーに旅行当時の思い出を容易に想起させるためには、旅行期間中に使用した車両、船、航空機等の各種交通手段を示す情報を画面に表示されている移動経路に対応させて前記ナビゲーションアルバムで目立つ状態で表示できるようにすることが望ましい。
【0011】
さらに、その場合、前記各種交通手段を示す情報の表示設定をユーザーがその都度行うのは非常に煩わしい作業であるため、自動的にその設定が行われるように制御することが好ましい。
【0012】
本発明の目的は、ナビゲーションアルバムにおいて、旅行中に乗車していた車両等の情報が表示されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明では、旅行期間中の移動経路における現在地を示す現在地カーソルに画像データを合成するようにした。
【0014】
すなわち、請求項1の発明は、ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデータを含むデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を判別する移動手段判別手段と、
前記表示手段上で前記移動経路の現在地を示す現在地カーソルに対して、任意のデジタル画像データを合成して表示する画像合成表示手段とを備え、
前記画像合成表示手段は、前記現在地カーソルに合成すべき画像データとして、前記移動手段判別手段で判別された移動手段を示す画像データを合成するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段で移動経路の移動時に使用していた移動手段が判別され、画像合成表示手段でこの移動手段を示す画像データが表示手段上で移動経路の現在地を示す現在地カーソルに合成される。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を航空機であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、第1の空港から第2の空港へ移動した経路における移動手段が航空機であると判別される。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に水上を移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を船であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、水上を移動した経路における移動手段が船であると判別される。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に線路上に沿って移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、線路上に沿って移動した経路における移動手段が鉄道であると判別される。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を車両であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、道路上に沿って所定速度以上で移動した経路における移動手段が車両であると判別される。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を示す情報は、該ユーザーがその移動経路に対して任意に設定することが可能であり、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に前記ユーザーによって移動手段を示す情報が設定された経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を該ユーザーが設定した移動手段であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、ユーザーが移動手段を示す情報を設定した経路における移動手段が該ユーザーが設定した移動手段であると判別される。
【0026】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記画像合成表示手段は、前記移動経路における第1の移動手段をその移動途中で第2の移動手段に変更した場合に、前記現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データを前記第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するように構成されていることを特徴とする。
【0027】
従って、本発明によれば、移動経路の移動途中で第1の移動手段から第2の移動手段へと乗り換えた場合に、画像合成表示手段により、現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データが前記第2の移動手段を示す画像データに切り替わって表示される。
【0028】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正する合成画像補正手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0029】
従って、本発明によれば、合成画像補正手段により、現在地カーソルに合成表示されている画像データが、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正される。
【0030】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段で判別された移動手段の走行能力に応じて、前記表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更する表示倍率変更手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0031】
従って、本発明によれば、表示倍率変更手段により、移動手段の走行能力に応じて、表示手段に表示する地図データの表示倍率が変更される。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、表示手段上で現在地を示す現在地カーソルは、矢印や丸印等の単純な形状で表示されているのが一般的であるが、移動経路上を移動したときにユーザーが使用した移動手段を示す画像データを該現在地カーソルに合成して表示することで見映えを向上させることができ、顧客満足度を高めることができる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、特定された移動経路の中に第1の空港から第2の空港に移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を航空機であると判別して現在地カーソルに航空機の画像データを合成して表示するから、旅行中に搭乗した航空機で空港間を飛行するシミュレーションを行うことができ、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の航空機で飛行しているような疑似体験をすることができる。このように、表示されている航空機の画像を見ることで旅行当時の思い出が鮮明に想起されることとなり、高い満足度が得られる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、特定された移動経路の中に水上を移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を船であると判別して現在地カーソルに船の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗船した船で水上を航行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の船で航行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、特定された移動経路の中に線路上に沿って移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別して現在地カーソルに鉄道の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗車した鉄道で線路上を走行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の鉄道で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、特定された移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を車両であると判別して現在地カーソルに車両の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗車した車両で道路を走行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の車両で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0037】
請求項6に係る発明によれば、特定された移動経路の中にユーザーが移動手段を示す情報を任意に設定した経路がある場合、その移動経路を通過する現在地カーソルに対してユーザーが設定した移動手段を示す画像データを合成するから、例えば、移動経路の中で自転車で移動した区間がある場合、その区間に対してユーザーが自転車を示す情報を設定したり、バイクで移動した区間がある場合にはバイクを示す情報を設定する等、より詳細な移動手段の設定をすることができて、旅行当時の情景をより一層思い出しながらアルバム鑑賞を楽しむことができる。
【0038】
請求項7に係る発明によれば、移動経路の移動途中で第1の移動手段から第2の移動手段へと乗り換えた場合に、現在地カーソルに合成されている第1の移動手段を示す画像データを第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するようにしているから、例えば、自宅から空港まで車両(第1の移動手段)で走行し、空港から航空機(第2の移動手段)に乗り換えた場合、アルバム再生して旅行当時の移動経路を辿っていくときに、自宅から空港までは現在地カーソルに車両の画像データが合成表示され、空港に到着したときに現在地カーソルの表示が航空機に切り替わって別の空港へ航行するようなシミュレーションを行うことができて、旅行当時の情景をより一層思い出しながらアルバム鑑賞を楽しむことができる。
【0039】
請求項8に係る発明によれば、現在地カーソルに合成表示されている画像データをユーザーが選択した画像データに補正するから、例えば、水上を移動するシミュレーションを行っているときにこの現在地カーソルに合成表示されている画像データが車両であった場合など、実際の旅行ルートとそのときに使用していた移動手段の画像データとが異なっている場合であっても、システム内に用意された画像データの中からユーザーが選択したものが現在地カーソルに合成表示されるようになる。
【0040】
請求項9に係る発明によれば、移動手段の走行能力に応じて、表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更するから、例えば、車両から航空機に乗り換えた場合、車両で走行していたときの市街地等の道路地図データの表示倍率のままでは、航空機での航行時に現在地カーソルがすぐに画面外に外れてしまい好ましくないが、表示倍率を変更して日本地図全体を表示するように調整すれば、アルバム鑑賞時に違和感を覚えることもなく、楽しく鑑賞することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0042】
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、このナビゲーションアルバムシステムは、GPS機能が搭載されたカメラ又はカメラ付き携帯電話等のGPS機能付き携帯機器であり、アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの信号を入力するシステム本体Bと、地図データや画像データを表示するディスプレイCと、必要な情報を入力する複数のスイッチ1と、音声情報を出力するスピーカ2と、画像を撮影するためのカメラ部3とを備えている。
【0043】
このナビゲーションアルバムシステムは、GPS衛星からの信号に基づき、ユーザーの現在位置の経度・緯度をリアルタイムで取得して対応する地図データを設定された拡大率でディスプレイCに表示し、その地図データ上にユーザーの現在位置をシンボル等で表示する機能を備えている。さらに、目的とするポイントを指定することにより、そのポイントに至るまでに移動すべき経路を抽出し、案内(ナビゲーション)する機能を備えている。
【0044】
前記複数のスイッチ1は、ナビゲーションアルバムシステムのON又はOFFを含め、表示モードの切り替え等の処理を実現する。前記スピーカ2は後述する音声情報の出力に用いられるものである。
【0045】
前記システム本体Bは、マイクロプロセッサへの情報のアクセスを実現する入出力インタフェースI/Oを備えており、この入出力インタフェースI/Oに対して位置取得手段P、前記ディスプレイC、前記複数のスイッチ1、前記スピーカ2、前記カメラ部3、及び前記記憶メモリMそれぞれからのデータがアクセスする信号系を形成している。
【0046】
前記位置検出手段Pは、前記アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの電波を取り込むことによりリアルタイムで現在位置データ(経度・緯度のデータ)を取得するものである。
【0047】
前記記憶メモリMは、画像データを目的地毎にグループ化して記憶するとともに、ユーザーが移動した経路データを記憶するものである。また、この記憶メモリMは地図データを保存する地図データ保存部としての地図データベース、及び、音楽データを保存する音楽データベースとして機能するものである。前記目的地はユーザーの移動開始以前に設定するものの他に、移動を終えた後に設定するものであってもよい。なお、記憶メモリMの代わりにハードディスクを用いて構成することも可能である。
【0048】
前記処理装置Dは、マイクロプロセッサからのデータバスに接続する半導体メモリRAM/ROM、マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、画像合成表示手段70、移動手段判別手段71、及び合成画像補正手段72を備えている。
【0049】
なお、この処理装置Dにおいて制御を実現するためには、データバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避ける目的から図面にはコントロールバス、アドレスバス、及びインタフェース類の記載を省略している。
【0050】
前記マップマッチング手段11は、前記位置取得手段Pからの位置データに対応する地図データを前記記憶メモリMに保存された地図データベースから抽出して、ディスプレイCに対して予め設定された拡大率で表示する処理を行う。さらに、地図上の移動経路を移動する移動手段の走行能力に応じて地図データの表示倍率を変更する機能(表示倍率変更手段)を備えている。
【0051】
前記ナビゲーション手段12は、予め設定された目的地に至る経路を前記地図データから抽出してディスプレイCに表示された地図データ上にライン状に表示する。
【0052】
前記画像記憶処理手段13は、前記カメラ部3で撮影した画像データを前記記憶メモリMに保存する処理を行うものである。
【0053】
前記経路記憶処理手段14は、ユーザーが移動した経路に対応する経路データR(図5を参照)を前記記憶メモリMに保存する処理を行うものである。この経路データRはサンプリングタイミング毎の現在地の座標を示すデータを保存した構造のファイルを想定しているが、基点となる複数の座標と、その座標毎に設定された移動方向と移動速度とをベクトルデータ化した構造であってもよい。また、この経路記憶処理手段14で保存した経路データRをディスプレイCに表示した場合には、図5において破線で示す経路が経路データRとなり、この経路データR上に現在地カーソルVが示され、この経路データR上に複数の観光地P1,P2,P3・・・が示される。
【0054】
前記リンクデータ生成手段15は、図10に示す画像取得画面27をディスプレイCに表示した状態で、経路データR上に設定した観光地P1,P2,・・・毎に画像データの関連付けを行い、生成したリンクデータをファイル形式で保存する処理を行うものであり、この保存の際の順序で画像データが表示される。
【0055】
前記出力手段16は、後述するように経路データRと関連付けられた画像データをディスプレイCに表示する処理を行うものである。
【0056】
前記日付情報読取手段18は、前記カメラ部3で撮影した画像データに付加されているExif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定するものである。
【0057】
前記判定手段19は、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時情報のうち、最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定するものである。
【0058】
前記経路表示手段20は、前記判定手段19の判定結果に基づいて、その旅行期間内に走行した経路データRを前記記憶メモリMから読み出してディスプレイCに表示するものである。
【0059】
前記画像合成表示手段70は、図4に示す現在地カーソルVに対して、旅行期間中に乗車した車両、航空機、船等の画像データを合成するものである。
【0060】
前記移動手段判別手段71は、前記経路データRの移動時にユーザーが使用した移動手段(車両、航空機、船等)を判別するものである。
【0061】
前記合成画像補正手段72は、現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正するものである。
【0062】
なお、前記マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、画像合成表示手段70、移動手段判別手段71、及び合成画像補正手段72は半導体メモリRAM上に展開したソフトウェア(プログラム)を想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウェアで構成することも可能である。
【0063】
[経路データRの特定]
次に、本発明の実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムにおける旅行期間内に走行した経路データRを特定する手順について説明する。図2に示すように、ステップS101で、カメラ部3で撮影して記憶メモリMに記憶されている画像データをディスプレイCに表示し、複数の画像データの中から、ユーザーがアルバムに載せる必要はないと判断した画像データを選択して削除する。
【0064】
そして、ステップS102で、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されているかを判定する。ステップS102での判定が「YES」の場合には、ステップS103に分岐する。
【0065】
ステップS103で、前記日付情報読取手段18により、Exif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定してステップS104に進む。ステップS104で、前記判定手段19により、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時のうち最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定する。
【0066】
そして、ステップS105で、前記経路表示手段20により、前記判定手段19で特定された旅行期間内にユーザーが移動した経路データRを記憶メモリMから読み出してディスプレイCに表示することで、ナビゲーションアルバムの作成のための経路データRの特定が完了する。
【0067】
一方、ステップS102での判定が「NO」の場合には、ステップS106に分岐し、ステップS106で、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面を表示する。そして、ステップS107で日付入力が終わるまで待機する。日付入力が終了するとステップS104に分岐する。
【0068】
以上のように、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されていた場合には、ユーザーはデジタル画像データを本ナビゲーションアルバムシステムに入力するだけで、旅行期間の日付をわざわざ入力指定しなくても自動的に旅行期間内に走行した経路データRを特定することができる。そのため、ナビゲーションアルバムを作成する上でユーザーの作業負担が軽減されることになる。
【0069】
また、デジタル画像データに撮影日時を含むExif情報が付加されていない場合でも、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面が表示されるから、日付入力漏れを防止する上で有利である。
【0070】
なお、本実施形態では、ユーザーが撮影した画像データのみを用いるようにしているが、これに限定されず、例えば、一緒に旅行していた他のメンバーが各々撮影した画像データを記録メディアのやり取りや無線通信等により記憶メモリMに追加入力するようにしても構わない。また、他のメンバーの記憶メディアのみから画像データを記憶メモリMに入力するようにしても構わないのはもちろんである。
【0071】
なお、本実施形態では、経路データRをディスプレイCに表示する場合、ユーザーが実際に移動した経路を正確にトレースした経路データRを表示するようにしているが、これに限定されず、例えば、出発位置から到着位置までを直線やS字状等の曲線でつないで簡易的に表現した経路データRを表示するようにしても構わない。
【0072】
[現在地カーソルVと画像データとの合成]
現在地カーソルVは、矢印や丸印等の単純な形状で表現されているのが一般的である。顧客満足度を高めるためには、見映えを向上させるために現在地カーソルVに画像データを合成することが好ましい。以下、現在地カーソルVに対して画像データを合成する処理について説明する。
【0073】
図3は、現在地カーソルに対して画像データを合成する手順を示すフローチャート図である。図3に示すように、ステップS201で、旅行期間中に移動した経路データRを特定する。ステップS202で、特定した経路データRの中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在するかを判定する。
【0074】
ステップS202での判定が「YES」の場合には、ステップS207に分岐して、ステップS207で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を航空機であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに航空機の画像データを合成する。
【0075】
ステップS202での判定が「NO」の場合には、ステップS203に分岐して、ステップS203で、特定した経路データRの中に水上を移動した経路が存在するかを判定する。
【0076】
ステップS203での判定が「YES」の場合には、ステップS208に分岐して、ステップS208で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を船であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに船の画像データを合成する。
【0077】
ステップS203での判定が「NO」の場合には、ステップS204に分岐して、ステップS204で、特定した経路データRの中に線路上に沿って移動した経路が存在するかを判定する。
【0078】
ステップS204での判定が「YES」の場合には、ステップS209に分岐して、ステップS209で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を鉄道であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに鉄道の画像データを合成する。
【0079】
ステップS204での判定が「NO」の場合には、ステップS205に分岐して、ステップS205で、道路上に沿って所定速度(例えば、時速40km)以上で移動した経路が存在するかを判定する。
【0080】
ステップS205での判定が「YES」の場合には、ステップS210に分岐して、ステップS210で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を車両であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに車両の画像データを合成する。
【0081】
ステップS205での判定が「NO」の場合には、ステップS206に分岐して、ステップS206で、画像合成表示手段70でシステム内の記憶メモリMに用意された画像データの中からユーザーが選択した画像データ(例えば、自転車、バイク、徒歩等)を現在地カーソルVに合成する。このような処理を行うことにより、図4に示す現在地カーソルVを表す矢印記号が、図5に示すような車両等の画像に変更される。
【0082】
なお、移動手段判別手段71による移動手段のその他の判別方法として、例えば、経路データRにおいて自動車が通行不可能な狭い道路上に沿って移動しているときにはその移動手段を徒歩、自転車、又はバイクであると判別し、さらに移動速度が時速10km以上であればその移動手段は自転車又はバイクであるというように、より詳細に判別するようにしても構わない。
【0083】
このように、旅行中に乗車した車両、航空機、船、鉄道等の移動手段を示す画像データを現在地カーソルVに合成して表示するから、旅行中に乗車した移動手段で経路データR上を走行するシミュレーションを行うことができる。このとき、例えば移動途中で車両から航空機に乗り換えた場合には、現在地カーソルVの表示も車両から航空機に切り替わるようになっており、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の移動手段で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の思い出が鮮明に想起されることとなり、高い満足度が得られる。
【0084】
なお、前記現在地カーソルVに合成すべき画像データとして、実際に旅行に使用した車両、航空機、船、鉄道等をカメラ部3で撮影して、この画像データを合成するようにするとさらに旅行当時の思い出を想起する上で有利となる。その他にも、旅行期間中に一緒に行動していたメンバーの画像データを現在地カーソルVに合成して表示するようにすれば、旅行当時に一緒に行動していたメンバーが経路データR上を移動して各観光地P1〜P4を周遊するシミュレーションを行うことができ、旅行当時の状況をより詳細に思い出すことができ、アルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0085】
また、カメラ部3で実際に撮影した画像データに限らず、例えば、インターネットで自動車メーカーのホームページ等からダウンロードした車両の画像データを使用するようにしても構わない。
【0086】
さらに、飛行機、船、鉄道等、発着時間の決まっている移動手段の場合、インターネット等で各交通機関のホームページ等にアクセスし、ユーザーが利用した時間に発着した航空機や船の便名、鉄道の種類等を判別し、該当する移動手段を示す画像データをダウンロードしてこの画像データを合成するようにしても構わない。
【0087】
ところで、上述したような画像データの合成処理を行ったときに、現在地カーソルVに合成された画像データが実際の移動手段を示す画像データと異なっている場合がある。具体的に、水上を移動するシミュレーションを行っているときに現在地カーソルVに車両が表示されたままであったり、バスで移動した移動経路における現在地カーソルに自家用車の画像データが合成されたりする場合がある。このような誤った表示のままアルバム鑑賞をすると違和感を覚えてしまいアルバム鑑賞を楽しめないという問題がある。以下、現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する処理について説明する。
【0088】
図6は、現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する手順を示すフローチャート図である。図6に示すように、ステップS301で、現在地カーソルVに移動手段を示す画像データを合成した後でナビゲーションアルバムのプレビューを行い、ディスプレイCに経路データRを表示する。
【0089】
ステップS302で、図7に示すようにディスプレイCに表示されている経路データR上で始点と終点とを指定して補正区間を設定し、その区間における現在地カーソルVに合成された画像データ(図7では鉄道)を表示する。
【0090】
ステップS303で、指定した補正区間における現在地カーソルVに合成された画像データをユーザーが確認し、その画像データを補正するかどうかを判定する。ステップS303での判定が「NO」の場合には、画像データを補正することなく作業を終了する。
【0091】
ステップS303での判定が「YES」の場合には、ステップS304に分岐し、ステップS304で、指定した区間における現在地カーソルVに合成すべき画像データの候補を一覧表示する。
【0092】
次に、ステップS305で、一覧表示された画像データの中からユーザーが一つ(図7では“車両”)を選択する。ステップS306で、図8に示すように、画像合成表示手段70により、指定した区間における現在地カーソルVに対して選択された画像データを合成する。
【0093】
なお、現在地カーソルVに合成すべき画像データの候補として、移動手段の種類毎の分類(車両、航空機等)を一覧表示しているが、さらに詳細に分類したものを一覧表示してユーザーが選択できるようにしてもよい。具体的に、“車両”の項目の中でも、ワゴンやセダン等の車種や色の違いまで一覧表示してその中から選択するようにしても構わない。
【0094】
[画像データと観光地との関連付け]
次に、旅行中に携帯機器のカメラ部3で撮影したスナップ写真等とその写真を撮影した観光地情報とを関連付けるための手順について説明する。図9は、関連付け処理のフローチャート図である。
【0095】
図9に示すように、ステップS401で、前記カメラ部3で撮影して記憶メモリMに記憶された複数の画像データのうち1つを図10に示す画像取得画面27に表示する。ステップS402で、画像取得画面27よりも下側位置に、記憶メモリMに記録されている観光地情報のタイトル(図10では“USJ”や“海遊館”)の候補を一覧表示する。
【0096】
前記観光地タイトルは、画像取得画面27に表示された画像データに付加されているExif情報から撮影日時を特定し、この撮影日時にユーザーが滞在していた位置情報を前記経路記憶処理手段14に記憶されている経路データRから読み出すことで、その位置における最寄りの観光地タイトルの候補を一覧表示するようにしている。そして、スクロールカーソル26を操作することにより、全ての観光地タイトルの候補を確認することができるようになっている。
【0097】
そして、ステップS403で、画像取得画面27に表示された画像データが、観光地タイトルに関連付ける必要があるかを判定する。ステップS403での判定が「YES」の場合には、ステップS404に分岐して、ステップS404で、画像取得画面27に表示されている画像データを撮影した観光地のタイトルを選択した状態で「登録」ボタン29を操作する。これにより、画像取得画面27に表示された画像データと、撮影場所の観光地タイトルとの関連付けが終了し、ステップS405に進む。
【0098】
ステップS403での判定が「NO」の場合(写真写りが悪かったり同じようなアングルの写真が何枚もある等の理由による)には、「キャンセル」ボタン30を操作することで、観光地タイトルに画像データを関連付けることなくステップS405に分岐する。
【0099】
ステップS405で、次の画像データが存在するかを判定し、ステップS405での判定が「YES」の場合には、ステップS401に分岐して、次の画像データが画像取得画面27に表示される。ステップS405での判定が「NO」の場合には、画像データと観光地タイトルとの関連付け作業を終了する。
【0100】
次に、ディスプレイCに図11に示す画像編集画面31が表示される。この画像編集画面31では、先ほど観光地タイトルに関連付けた画像データが1枚ずつ表示される。画像編集画面31の下側位置にはタイトルバー32が表示され、このタイトルバー32の左端には画像データと関連付けられた観光地タイトル(図11では“USJ”)が表示され、タイトルバー32の中央右寄り位置には画像データのExif情報から取得した撮影日時が表示されている。
【0101】
そして、タイトルバー32の右端には、その観光地毎に予め登録されている観光地にちなんだ画像がはめ込み合成されるようになっており、複数の画像の中からユーザーの好みに合わせて選択して切り替えることができるようになっている。
【0102】
また、画面右上にはサブ画像表示画面33が表示されており、観光地の位置情報が地図データとして表示されている。なお、このサブ画像表示画面33は、表示されている画像データとオーバーラップして表示されているため、画像データが見づらい等の場合には非表示に設定することもできる。
【0103】
次の処理では、ディスプレイCに対して図12に示すBGMセット画面40を表示し、ユーザーが必要とした場合には、「YES」ボタン41を操作し、不要であると判断した場合には「NO」ボタン42を操作し、「YES」ボタン41を操作した場合には、前記音楽データベースに保存された曲名を曲名表示部43に一覧化して表示し、試聴する場合には「試聴」ボタン44を操作することにより前記スピーカ2で音楽の試聴を行え、音楽の選択を終えた場合に「OK」ボタン45を操作することにより、その音楽データが、BGMとして1つの経路データRに対してセットして次の処理に移行する。なお、このように音楽データをセットする場合、観光地タイトル毎に異なる音楽データをセットするようにしてもよい。さらに、例えば、USJ内のジョーズのアトラクションにおいて撮影した画像データに対して映画“ジョーズ”で使用されていたBGMを流すように設定する等、より詳細な音楽データの設定を行っても構わない。
【0104】
次の処理では、ディスプレイCにタイトル入力画面(図示せず)を表示する。タイトル入力作業は、先ほど選択した観光地タイトルがそのまま入力されるためユーザーがわざわざ作業する必要がない。ユーザーが任意のタイトルに修正したい場合には、このタイトル入力画面に表示されたキーボードを用いて必要とする文字を入力することができる。
【0105】
このように、画像データと観光地情報との関連付けが全て完了した後で保存処理を行うことにより、ナビゲーションアルバムの作成が完了する。
【0106】
[ナビゲーションアルバムの起動]
ナビゲーションアルバムを起動すると、図13に示すタイトルメニュー画面50が表示される。このタイトルメニュー画面50には、アルバムのタイトルを示すタイトル表示部50A、旅行の日付を示す日付表示部50Bが表示されていつどこに旅行したときの電子アルバムであるかが判別できるようになっている。さらに、ナビスライド51、Mapスライド52、スライドショー53の3つのメニューが表示されており、後述するように、3つのメニューはそれぞれ画像の表示方式に違いがある。
【0107】
前記ナビスライドメニュー51を選択すると、図14に示すように、地図表示画面60に切り替わる。この地図表示画面60には、タイムラインバー61と複数の再生制御ボタン62とが表示されており、再生制御ボタン62のうちの再生ボタンを操作することやタイムラインバー61を操作することにより、経路データR上に現在地カーソルVが移動する状態が時間を短縮した状態で(シミュレーションした状態で)表示される。
【0108】
なお、本実施形態では、出発位置Stから観光地P1までの移動に使用した移動手段を車両、観光地P1からP2までの移動に使用した移動手段を航空機、観光地P2からP3までの移動に使用した移動手段を鉄道、観光地P3からP4までの移動に使用した移動手段を船、観光地P4から到着位置Gまでは徒歩で移動したとして説明する。
【0109】
まず、現在地カーソルVには車両の画像データが合成表示され、この現在地カーソルVが出発位置Stを出発して経路データR上を走行し、最初の観光地P1に到着すると、その観光地P1に関連付けて登録されていた画像データが、図11に示すような表示形式で、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0110】
前記観光地P1に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、図15に示すように現在地カーソルVには航空機の画像データが合成表示され、この現在地カーソルVが次の観光地P2に向けて移動する。
【0111】
前記現在地カーソルVが前記観光地P2に到着し、前記観光地P2に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには鉄道の画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが次の観光地P3に向けて移動する。
【0112】
前記現在地カーソルVが前記観光地P3に到着し、前記観光地P3に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには船の画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが次の観光地P4に向けて移動する。
【0113】
前記現在地カーソルVが前記観光地P4に到着し、前記観光地P4に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには一緒に旅行したメンバーの画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが到着位置Gに向けて移動する。
【0114】
このように、全ての観光地P1〜P4を現在地カーソルVが走行して到着位置Gに到着するまでの間に、各々の観光地P1〜P4で登録されていた画像データを時系列に沿って楽しむことができる。
【0115】
ここで、地図表示画面60に表示される地図データは、この地図データ上の経路データRを移動するときの移動手段の走行能力に応じて表示倍率を変更するようにしている。具体的に、出発位置Stから観光地P1までは車両で移動するため、市街地等の詳細な道路地図が表示されることとなるが、観光地P1からP2までは航空機で移動するため、地図データの表示倍率が変更されて日本地図全体を表示するようにする等、必要に応じて地図データの表示倍率が適切に調整されて表示されるようになっている。
【0116】
なお、経路データRの途中に有名な観光地がある場合には、その観光地情報が記憶メモリMに登録されていれば、現在地カーソルVが有名観光地付近を移動したときにその観光地情報を表示するようにしても構わない。
【0117】
また、前記Mapスライドメニュー52を選択すると、前記ナビスライドメニュー51のときと同様、地図表示画面60が表示される。ここで、登録されている観光地P1〜P4のうち1つを選択することにより、その選択した観光地に関連付けられている画像データのみが、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。これにより、ユーザーが見たい観光地の画像データを素早く表示させることができる。
【0118】
なお、Mapスライドメニュー52では、前記ナビスライド51のように地図表示画面60を表示させず、登録されている観光地タイトルの一覧を表示してそのタイトル情報を選択することで画像データを表示させるようにしても構わない。
【0119】
そして、前記スライドショーメニュー53を選択すると、このナビゲーションアルバムに記憶されている画像データが、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0120】
また、タイトルメニュー画面50には、「設定」ボタン54が表示されており、この「設定」ボタン54を操作することにより、例えば音声データの切り替え等、種々の設定を行うことができるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上説明したように、本発明は、ナビゲーションアルバムにおいて、旅行中にユーザーが使用した車両、航空機、船等の移動手段の情報が表示されるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムにおける経路データを特定する手順を示すフローチャート図である。
【図3】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに対して画像データを合成する手順を示すフローチャート図である。
【図4】従来のナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルの表示形式を示す図である。
【図5】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに車両の画像を合成した状態を示す図である。
【図6】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する手順を示すフローチャート図である
【図7】現在地カーソルに合成する画像データの補正処理を示す図である。
【図8】現在地カーソルに合成する画像データを補正した後の状態を示す図である。
【図9】関連付け処理のフローチャート図である。
【図10】関連付け処理を行うメニュー画面を示す図である。
【図11】アルバム表示された画像データを示す図である。
【図12】BGMセット画面を示す図である。
【図13】ナビゲーションアルバムのタイトルメニューを示す図である。
【図14】地図表示画面を示す図である。
【図15】観光地P1に到達したときの地図表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
70 画像合成表示手段
71 移動手段判別手段
72 合成画像補正手段
B システム本体
C ディスプレイ(表示手段)
D 処理手段
M 記憶メモリ
P 位置検出手段(ナビゲーション装置)
V 現在地カーソル
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動経路の位置情報にデジタル画像データをリンクさせた電子アルバムを作成可能なナビゲーションアルバムシステムに関し、特に該移動経路における現在地を示す現在地カーソルの表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムの高性能化、低価格化が進んでおり、カーナビゲーションシステムを搭載する車両が増加している。カーナビゲーションシステムは、例えば特許文献1に記載されているように、目的地をセットしておくことにより走行すべき経路をディスプレイに表示することや、自家用車が走行した経路を保存し、その経路をディスプレイ上に表示することが可能である。
【0003】
特許文献1では、目的地までの案内経路データや実際に走行した軌跡データに対して付加情報としての画像データや音声データ等を対応付けて記億し、案内経路データや軌跡データを表示装置に表示する際には、対応付けられた画像データや音楽データ等を出力するように構成されている。このナビゲーション装置は、位置検出器で検出した現在位置をマップマッチング処理によって地図上に表示し、目的地や経由地点が入力された場合には、経路探索動作を行って案内経路データを地図上に表示し、この案内経路を登録した場合にはユーザーの操作に応じて案内経路に関連した任意の画像データ等の付加情報を案内経路に対応付けて記憶し、このように記憶した付加情報を選択的に呼び出して表示できるように構成されている。
【0004】
一方、近年、デジタルカメラの高性能化、低価格化が進んでおり、車両で観光地等に旅行する際にはデジタルカメラを携行して名所や旧跡等を撮影することや、これらを背景にしてスナップ写真を撮影することも多くなっている。そして、このように撮影した画像データをCD−RやDVD−R等の記録メディアに保存して電子アルバムを作成し、コンピュータやテレビモニタ等に画像を表示させて楽しむといった使い方がなされている。
【0005】
通常、電子アルバムは、デジタル画像データを単にサムネイル表示するか、又はスライドショー形式で画面に表示させるものが一般的であり、複数の観光地を周遊した場合に撮影した画像を後日見直したときに、いつどこで撮影した画像なのかを直ちに判別することが難しくなる等、旅行当時の思い出を想起する上で不利になることがあった。
【0006】
そこで、本発明者は、ユーザーが容易に旅行当時の思い出を想起することができるように、前記カーナビゲーションシステムと電子アルバムとを融合させたナビゲーションアルバムを提案した。
【0007】
具体的に、前記ナビゲーションアルバムは、電子アルバムを開くと、旅行当日にユーザーが車両で走行した走行経路データをそのまま画面上に表示し、通常のカーナビゲーションのように画面上の現在地を示す現在地カーソルが旅行当時の走行経路に沿って移動し、ユーザーが訪れた観光ポイントに到着すると、その場所で撮影したデジタル画像データがサムネイル表示又はスライドショー表示されるように構成されたものである。
【0008】
これにより、旅行当時に自家用車で走行した経路をそのまま画面上で辿って旅行気分を再現することができ、さらに各観光地で撮影したデジタル画像データは、現在地カーソルがナビゲーションアルバム画面上のその観光地に移動したときにはじめて表示されるようになっているから、旅行の出発日から最終日までの日程をその旅行した順番通りに忠実に追体験でき、容易に旅行気分を再現することができる。
【0009】
一方、近年、GPS機能が搭載されたカメラ又はカメラ付き携帯電話が普及してきており、これら携帯機器のGPS機能を用いて旅行期間中の移動経路を特定すれば、より詳細な旅行ルートを再現したナビゲーションアルバムの作成が可能となる。すなわち、カーナビゲーションシステムのように車両で移動した移動経路のみを特定するのではなく、例えばユーザーが船や航空機等を利用して移動した移動経路も前記GPS機能付カメラ等で特定することができ、これらの移動経路もナビゲーションアルバムに盛り込むことができる。
【特許文献1】特開2002−81955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記ナビゲーションアルバムのように、旅行経路を再現してそれぞれの観光地で撮影した画像を表示するようにすると、ユーザーが旅行気分を再現する上で有利となるが、顧客満足度を高めるためにさらに改良すべき点がある。すなわち、ユーザーに旅行当時の思い出を容易に想起させるためには、旅行期間中に使用した車両、船、航空機等の各種交通手段を示す情報を画面に表示されている移動経路に対応させて前記ナビゲーションアルバムで目立つ状態で表示できるようにすることが望ましい。
【0011】
さらに、その場合、前記各種交通手段を示す情報の表示設定をユーザーがその都度行うのは非常に煩わしい作業であるため、自動的にその設定が行われるように制御することが好ましい。
【0012】
本発明の目的は、ナビゲーションアルバムにおいて、旅行中に乗車していた車両等の情報が表示されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明では、旅行期間中の移動経路における現在地を示す現在地カーソルに画像データを合成するようにした。
【0014】
すなわち、請求項1の発明は、ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデータを含むデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を判別する移動手段判別手段と、
前記表示手段上で前記移動経路の現在地を示す現在地カーソルに対して、任意のデジタル画像データを合成して表示する画像合成表示手段とを備え、
前記画像合成表示手段は、前記現在地カーソルに合成すべき画像データとして、前記移動手段判別手段で判別された移動手段を示す画像データを合成するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段で移動経路の移動時に使用していた移動手段が判別され、画像合成表示手段でこの移動手段を示す画像データが表示手段上で移動経路の現在地を示す現在地カーソルに合成される。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を航空機であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、第1の空港から第2の空港へ移動した経路における移動手段が航空機であると判別される。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に水上を移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を船であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、水上を移動した経路における移動手段が船であると判別される。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に線路上に沿って移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、線路上に沿って移動した経路における移動手段が鉄道であると判別される。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を車両であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、道路上に沿って所定速度以上で移動した経路における移動手段が車両であると判別される。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を示す情報は、該ユーザーがその移動経路に対して任意に設定することが可能であり、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に前記ユーザーによって移動手段を示す情報が設定された経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を該ユーザーが設定した移動手段であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
従って、本発明によれば、移動手段判別手段により、ユーザーが移動手段を示す情報を設定した経路における移動手段が該ユーザーが設定した移動手段であると判別される。
【0026】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記画像合成表示手段は、前記移動経路における第1の移動手段をその移動途中で第2の移動手段に変更した場合に、前記現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データを前記第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するように構成されていることを特徴とする。
【0027】
従って、本発明によれば、移動経路の移動途中で第1の移動手段から第2の移動手段へと乗り換えた場合に、画像合成表示手段により、現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データが前記第2の移動手段を示す画像データに切り替わって表示される。
【0028】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正する合成画像補正手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0029】
従って、本発明によれば、合成画像補正手段により、現在地カーソルに合成表示されている画像データが、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正される。
【0030】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段で判別された移動手段の走行能力に応じて、前記表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更する表示倍率変更手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0031】
従って、本発明によれば、表示倍率変更手段により、移動手段の走行能力に応じて、表示手段に表示する地図データの表示倍率が変更される。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、表示手段上で現在地を示す現在地カーソルは、矢印や丸印等の単純な形状で表示されているのが一般的であるが、移動経路上を移動したときにユーザーが使用した移動手段を示す画像データを該現在地カーソルに合成して表示することで見映えを向上させることができ、顧客満足度を高めることができる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、特定された移動経路の中に第1の空港から第2の空港に移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を航空機であると判別して現在地カーソルに航空機の画像データを合成して表示するから、旅行中に搭乗した航空機で空港間を飛行するシミュレーションを行うことができ、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の航空機で飛行しているような疑似体験をすることができる。このように、表示されている航空機の画像を見ることで旅行当時の思い出が鮮明に想起されることとなり、高い満足度が得られる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、特定された移動経路の中に水上を移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を船であると判別して現在地カーソルに船の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗船した船で水上を航行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の船で航行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、特定された移動経路の中に線路上に沿って移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別して現在地カーソルに鉄道の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗車した鉄道で線路上を走行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の鉄道で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、特定された移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路がある場合、その移動経路における移動手段を車両であると判別して現在地カーソルに車両の画像データを合成して表示するから、旅行中に乗車した車両で道路を走行するシミュレーションを行うことができて、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の車両で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の情景を思い出しながらアルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0037】
請求項6に係る発明によれば、特定された移動経路の中にユーザーが移動手段を示す情報を任意に設定した経路がある場合、その移動経路を通過する現在地カーソルに対してユーザーが設定した移動手段を示す画像データを合成するから、例えば、移動経路の中で自転車で移動した区間がある場合、その区間に対してユーザーが自転車を示す情報を設定したり、バイクで移動した区間がある場合にはバイクを示す情報を設定する等、より詳細な移動手段の設定をすることができて、旅行当時の情景をより一層思い出しながらアルバム鑑賞を楽しむことができる。
【0038】
請求項7に係る発明によれば、移動経路の移動途中で第1の移動手段から第2の移動手段へと乗り換えた場合に、現在地カーソルに合成されている第1の移動手段を示す画像データを第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するようにしているから、例えば、自宅から空港まで車両(第1の移動手段)で走行し、空港から航空機(第2の移動手段)に乗り換えた場合、アルバム再生して旅行当時の移動経路を辿っていくときに、自宅から空港までは現在地カーソルに車両の画像データが合成表示され、空港に到着したときに現在地カーソルの表示が航空機に切り替わって別の空港へ航行するようなシミュレーションを行うことができて、旅行当時の情景をより一層思い出しながらアルバム鑑賞を楽しむことができる。
【0039】
請求項8に係る発明によれば、現在地カーソルに合成表示されている画像データをユーザーが選択した画像データに補正するから、例えば、水上を移動するシミュレーションを行っているときにこの現在地カーソルに合成表示されている画像データが車両であった場合など、実際の旅行ルートとそのときに使用していた移動手段の画像データとが異なっている場合であっても、システム内に用意された画像データの中からユーザーが選択したものが現在地カーソルに合成表示されるようになる。
【0040】
請求項9に係る発明によれば、移動手段の走行能力に応じて、表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更するから、例えば、車両から航空機に乗り換えた場合、車両で走行していたときの市街地等の道路地図データの表示倍率のままでは、航空機での航行時に現在地カーソルがすぐに画面外に外れてしまい好ましくないが、表示倍率を変更して日本地図全体を表示するように調整すれば、アルバム鑑賞時に違和感を覚えることもなく、楽しく鑑賞することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0042】
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、このナビゲーションアルバムシステムは、GPS機能が搭載されたカメラ又はカメラ付き携帯電話等のGPS機能付き携帯機器であり、アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの信号を入力するシステム本体Bと、地図データや画像データを表示するディスプレイCと、必要な情報を入力する複数のスイッチ1と、音声情報を出力するスピーカ2と、画像を撮影するためのカメラ部3とを備えている。
【0043】
このナビゲーションアルバムシステムは、GPS衛星からの信号に基づき、ユーザーの現在位置の経度・緯度をリアルタイムで取得して対応する地図データを設定された拡大率でディスプレイCに表示し、その地図データ上にユーザーの現在位置をシンボル等で表示する機能を備えている。さらに、目的とするポイントを指定することにより、そのポイントに至るまでに移動すべき経路を抽出し、案内(ナビゲーション)する機能を備えている。
【0044】
前記複数のスイッチ1は、ナビゲーションアルバムシステムのON又はOFFを含め、表示モードの切り替え等の処理を実現する。前記スピーカ2は後述する音声情報の出力に用いられるものである。
【0045】
前記システム本体Bは、マイクロプロセッサへの情報のアクセスを実現する入出力インタフェースI/Oを備えており、この入出力インタフェースI/Oに対して位置取得手段P、前記ディスプレイC、前記複数のスイッチ1、前記スピーカ2、前記カメラ部3、及び前記記憶メモリMそれぞれからのデータがアクセスする信号系を形成している。
【0046】
前記位置検出手段Pは、前記アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの電波を取り込むことによりリアルタイムで現在位置データ(経度・緯度のデータ)を取得するものである。
【0047】
前記記憶メモリMは、画像データを目的地毎にグループ化して記憶するとともに、ユーザーが移動した経路データを記憶するものである。また、この記憶メモリMは地図データを保存する地図データ保存部としての地図データベース、及び、音楽データを保存する音楽データベースとして機能するものである。前記目的地はユーザーの移動開始以前に設定するものの他に、移動を終えた後に設定するものであってもよい。なお、記憶メモリMの代わりにハードディスクを用いて構成することも可能である。
【0048】
前記処理装置Dは、マイクロプロセッサからのデータバスに接続する半導体メモリRAM/ROM、マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、画像合成表示手段70、移動手段判別手段71、及び合成画像補正手段72を備えている。
【0049】
なお、この処理装置Dにおいて制御を実現するためには、データバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避ける目的から図面にはコントロールバス、アドレスバス、及びインタフェース類の記載を省略している。
【0050】
前記マップマッチング手段11は、前記位置取得手段Pからの位置データに対応する地図データを前記記憶メモリMに保存された地図データベースから抽出して、ディスプレイCに対して予め設定された拡大率で表示する処理を行う。さらに、地図上の移動経路を移動する移動手段の走行能力に応じて地図データの表示倍率を変更する機能(表示倍率変更手段)を備えている。
【0051】
前記ナビゲーション手段12は、予め設定された目的地に至る経路を前記地図データから抽出してディスプレイCに表示された地図データ上にライン状に表示する。
【0052】
前記画像記憶処理手段13は、前記カメラ部3で撮影した画像データを前記記憶メモリMに保存する処理を行うものである。
【0053】
前記経路記憶処理手段14は、ユーザーが移動した経路に対応する経路データR(図5を参照)を前記記憶メモリMに保存する処理を行うものである。この経路データRはサンプリングタイミング毎の現在地の座標を示すデータを保存した構造のファイルを想定しているが、基点となる複数の座標と、その座標毎に設定された移動方向と移動速度とをベクトルデータ化した構造であってもよい。また、この経路記憶処理手段14で保存した経路データRをディスプレイCに表示した場合には、図5において破線で示す経路が経路データRとなり、この経路データR上に現在地カーソルVが示され、この経路データR上に複数の観光地P1,P2,P3・・・が示される。
【0054】
前記リンクデータ生成手段15は、図10に示す画像取得画面27をディスプレイCに表示した状態で、経路データR上に設定した観光地P1,P2,・・・毎に画像データの関連付けを行い、生成したリンクデータをファイル形式で保存する処理を行うものであり、この保存の際の順序で画像データが表示される。
【0055】
前記出力手段16は、後述するように経路データRと関連付けられた画像データをディスプレイCに表示する処理を行うものである。
【0056】
前記日付情報読取手段18は、前記カメラ部3で撮影した画像データに付加されているExif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定するものである。
【0057】
前記判定手段19は、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時情報のうち、最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定するものである。
【0058】
前記経路表示手段20は、前記判定手段19の判定結果に基づいて、その旅行期間内に走行した経路データRを前記記憶メモリMから読み出してディスプレイCに表示するものである。
【0059】
前記画像合成表示手段70は、図4に示す現在地カーソルVに対して、旅行期間中に乗車した車両、航空機、船等の画像データを合成するものである。
【0060】
前記移動手段判別手段71は、前記経路データRの移動時にユーザーが使用した移動手段(車両、航空機、船等)を判別するものである。
【0061】
前記合成画像補正手段72は、現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正するものである。
【0062】
なお、前記マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、画像合成表示手段70、移動手段判別手段71、及び合成画像補正手段72は半導体メモリRAM上に展開したソフトウェア(プログラム)を想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウェアで構成することも可能である。
【0063】
[経路データRの特定]
次に、本発明の実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムにおける旅行期間内に走行した経路データRを特定する手順について説明する。図2に示すように、ステップS101で、カメラ部3で撮影して記憶メモリMに記憶されている画像データをディスプレイCに表示し、複数の画像データの中から、ユーザーがアルバムに載せる必要はないと判断した画像データを選択して削除する。
【0064】
そして、ステップS102で、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されているかを判定する。ステップS102での判定が「YES」の場合には、ステップS103に分岐する。
【0065】
ステップS103で、前記日付情報読取手段18により、Exif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定してステップS104に進む。ステップS104で、前記判定手段19により、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時のうち最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定する。
【0066】
そして、ステップS105で、前記経路表示手段20により、前記判定手段19で特定された旅行期間内にユーザーが移動した経路データRを記憶メモリMから読み出してディスプレイCに表示することで、ナビゲーションアルバムの作成のための経路データRの特定が完了する。
【0067】
一方、ステップS102での判定が「NO」の場合には、ステップS106に分岐し、ステップS106で、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面を表示する。そして、ステップS107で日付入力が終わるまで待機する。日付入力が終了するとステップS104に分岐する。
【0068】
以上のように、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されていた場合には、ユーザーはデジタル画像データを本ナビゲーションアルバムシステムに入力するだけで、旅行期間の日付をわざわざ入力指定しなくても自動的に旅行期間内に走行した経路データRを特定することができる。そのため、ナビゲーションアルバムを作成する上でユーザーの作業負担が軽減されることになる。
【0069】
また、デジタル画像データに撮影日時を含むExif情報が付加されていない場合でも、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面が表示されるから、日付入力漏れを防止する上で有利である。
【0070】
なお、本実施形態では、ユーザーが撮影した画像データのみを用いるようにしているが、これに限定されず、例えば、一緒に旅行していた他のメンバーが各々撮影した画像データを記録メディアのやり取りや無線通信等により記憶メモリMに追加入力するようにしても構わない。また、他のメンバーの記憶メディアのみから画像データを記憶メモリMに入力するようにしても構わないのはもちろんである。
【0071】
なお、本実施形態では、経路データRをディスプレイCに表示する場合、ユーザーが実際に移動した経路を正確にトレースした経路データRを表示するようにしているが、これに限定されず、例えば、出発位置から到着位置までを直線やS字状等の曲線でつないで簡易的に表現した経路データRを表示するようにしても構わない。
【0072】
[現在地カーソルVと画像データとの合成]
現在地カーソルVは、矢印や丸印等の単純な形状で表現されているのが一般的である。顧客満足度を高めるためには、見映えを向上させるために現在地カーソルVに画像データを合成することが好ましい。以下、現在地カーソルVに対して画像データを合成する処理について説明する。
【0073】
図3は、現在地カーソルに対して画像データを合成する手順を示すフローチャート図である。図3に示すように、ステップS201で、旅行期間中に移動した経路データRを特定する。ステップS202で、特定した経路データRの中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在するかを判定する。
【0074】
ステップS202での判定が「YES」の場合には、ステップS207に分岐して、ステップS207で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を航空機であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに航空機の画像データを合成する。
【0075】
ステップS202での判定が「NO」の場合には、ステップS203に分岐して、ステップS203で、特定した経路データRの中に水上を移動した経路が存在するかを判定する。
【0076】
ステップS203での判定が「YES」の場合には、ステップS208に分岐して、ステップS208で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を船であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに船の画像データを合成する。
【0077】
ステップS203での判定が「NO」の場合には、ステップS204に分岐して、ステップS204で、特定した経路データRの中に線路上に沿って移動した経路が存在するかを判定する。
【0078】
ステップS204での判定が「YES」の場合には、ステップS209に分岐して、ステップS209で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を鉄道であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに鉄道の画像データを合成する。
【0079】
ステップS204での判定が「NO」の場合には、ステップS205に分岐して、ステップS205で、道路上に沿って所定速度(例えば、時速40km)以上で移動した経路が存在するかを判定する。
【0080】
ステップS205での判定が「YES」の場合には、ステップS210に分岐して、ステップS210で、移動手段判別手段71によりその経路における移動手段を車両であると判別し、画像合成表示手段70でその区間における現在地カーソルVに車両の画像データを合成する。
【0081】
ステップS205での判定が「NO」の場合には、ステップS206に分岐して、ステップS206で、画像合成表示手段70でシステム内の記憶メモリMに用意された画像データの中からユーザーが選択した画像データ(例えば、自転車、バイク、徒歩等)を現在地カーソルVに合成する。このような処理を行うことにより、図4に示す現在地カーソルVを表す矢印記号が、図5に示すような車両等の画像に変更される。
【0082】
なお、移動手段判別手段71による移動手段のその他の判別方法として、例えば、経路データRにおいて自動車が通行不可能な狭い道路上に沿って移動しているときにはその移動手段を徒歩、自転車、又はバイクであると判別し、さらに移動速度が時速10km以上であればその移動手段は自転車又はバイクであるというように、より詳細に判別するようにしても構わない。
【0083】
このように、旅行中に乗車した車両、航空機、船、鉄道等の移動手段を示す画像データを現在地カーソルVに合成して表示するから、旅行中に乗車した移動手段で経路データR上を走行するシミュレーションを行うことができる。このとき、例えば移動途中で車両から航空機に乗り換えた場合には、現在地カーソルVの表示も車両から航空機に切り替わるようになっており、アルバムを眺めるだけで実際の旅行ルートを実際の移動手段で走行しているような疑似体験をすることができ、旅行当時の思い出が鮮明に想起されることとなり、高い満足度が得られる。
【0084】
なお、前記現在地カーソルVに合成すべき画像データとして、実際に旅行に使用した車両、航空機、船、鉄道等をカメラ部3で撮影して、この画像データを合成するようにするとさらに旅行当時の思い出を想起する上で有利となる。その他にも、旅行期間中に一緒に行動していたメンバーの画像データを現在地カーソルVに合成して表示するようにすれば、旅行当時に一緒に行動していたメンバーが経路データR上を移動して各観光地P1〜P4を周遊するシミュレーションを行うことができ、旅行当時の状況をより詳細に思い出すことができ、アルバム鑑賞をさらに楽しむことができる。
【0085】
また、カメラ部3で実際に撮影した画像データに限らず、例えば、インターネットで自動車メーカーのホームページ等からダウンロードした車両の画像データを使用するようにしても構わない。
【0086】
さらに、飛行機、船、鉄道等、発着時間の決まっている移動手段の場合、インターネット等で各交通機関のホームページ等にアクセスし、ユーザーが利用した時間に発着した航空機や船の便名、鉄道の種類等を判別し、該当する移動手段を示す画像データをダウンロードしてこの画像データを合成するようにしても構わない。
【0087】
ところで、上述したような画像データの合成処理を行ったときに、現在地カーソルVに合成された画像データが実際の移動手段を示す画像データと異なっている場合がある。具体的に、水上を移動するシミュレーションを行っているときに現在地カーソルVに車両が表示されたままであったり、バスで移動した移動経路における現在地カーソルに自家用車の画像データが合成されたりする場合がある。このような誤った表示のままアルバム鑑賞をすると違和感を覚えてしまいアルバム鑑賞を楽しめないという問題がある。以下、現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する処理について説明する。
【0088】
図6は、現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する手順を示すフローチャート図である。図6に示すように、ステップS301で、現在地カーソルVに移動手段を示す画像データを合成した後でナビゲーションアルバムのプレビューを行い、ディスプレイCに経路データRを表示する。
【0089】
ステップS302で、図7に示すようにディスプレイCに表示されている経路データR上で始点と終点とを指定して補正区間を設定し、その区間における現在地カーソルVに合成された画像データ(図7では鉄道)を表示する。
【0090】
ステップS303で、指定した補正区間における現在地カーソルVに合成された画像データをユーザーが確認し、その画像データを補正するかどうかを判定する。ステップS303での判定が「NO」の場合には、画像データを補正することなく作業を終了する。
【0091】
ステップS303での判定が「YES」の場合には、ステップS304に分岐し、ステップS304で、指定した区間における現在地カーソルVに合成すべき画像データの候補を一覧表示する。
【0092】
次に、ステップS305で、一覧表示された画像データの中からユーザーが一つ(図7では“車両”)を選択する。ステップS306で、図8に示すように、画像合成表示手段70により、指定した区間における現在地カーソルVに対して選択された画像データを合成する。
【0093】
なお、現在地カーソルVに合成すべき画像データの候補として、移動手段の種類毎の分類(車両、航空機等)を一覧表示しているが、さらに詳細に分類したものを一覧表示してユーザーが選択できるようにしてもよい。具体的に、“車両”の項目の中でも、ワゴンやセダン等の車種や色の違いまで一覧表示してその中から選択するようにしても構わない。
【0094】
[画像データと観光地との関連付け]
次に、旅行中に携帯機器のカメラ部3で撮影したスナップ写真等とその写真を撮影した観光地情報とを関連付けるための手順について説明する。図9は、関連付け処理のフローチャート図である。
【0095】
図9に示すように、ステップS401で、前記カメラ部3で撮影して記憶メモリMに記憶された複数の画像データのうち1つを図10に示す画像取得画面27に表示する。ステップS402で、画像取得画面27よりも下側位置に、記憶メモリMに記録されている観光地情報のタイトル(図10では“USJ”や“海遊館”)の候補を一覧表示する。
【0096】
前記観光地タイトルは、画像取得画面27に表示された画像データに付加されているExif情報から撮影日時を特定し、この撮影日時にユーザーが滞在していた位置情報を前記経路記憶処理手段14に記憶されている経路データRから読み出すことで、その位置における最寄りの観光地タイトルの候補を一覧表示するようにしている。そして、スクロールカーソル26を操作することにより、全ての観光地タイトルの候補を確認することができるようになっている。
【0097】
そして、ステップS403で、画像取得画面27に表示された画像データが、観光地タイトルに関連付ける必要があるかを判定する。ステップS403での判定が「YES」の場合には、ステップS404に分岐して、ステップS404で、画像取得画面27に表示されている画像データを撮影した観光地のタイトルを選択した状態で「登録」ボタン29を操作する。これにより、画像取得画面27に表示された画像データと、撮影場所の観光地タイトルとの関連付けが終了し、ステップS405に進む。
【0098】
ステップS403での判定が「NO」の場合(写真写りが悪かったり同じようなアングルの写真が何枚もある等の理由による)には、「キャンセル」ボタン30を操作することで、観光地タイトルに画像データを関連付けることなくステップS405に分岐する。
【0099】
ステップS405で、次の画像データが存在するかを判定し、ステップS405での判定が「YES」の場合には、ステップS401に分岐して、次の画像データが画像取得画面27に表示される。ステップS405での判定が「NO」の場合には、画像データと観光地タイトルとの関連付け作業を終了する。
【0100】
次に、ディスプレイCに図11に示す画像編集画面31が表示される。この画像編集画面31では、先ほど観光地タイトルに関連付けた画像データが1枚ずつ表示される。画像編集画面31の下側位置にはタイトルバー32が表示され、このタイトルバー32の左端には画像データと関連付けられた観光地タイトル(図11では“USJ”)が表示され、タイトルバー32の中央右寄り位置には画像データのExif情報から取得した撮影日時が表示されている。
【0101】
そして、タイトルバー32の右端には、その観光地毎に予め登録されている観光地にちなんだ画像がはめ込み合成されるようになっており、複数の画像の中からユーザーの好みに合わせて選択して切り替えることができるようになっている。
【0102】
また、画面右上にはサブ画像表示画面33が表示されており、観光地の位置情報が地図データとして表示されている。なお、このサブ画像表示画面33は、表示されている画像データとオーバーラップして表示されているため、画像データが見づらい等の場合には非表示に設定することもできる。
【0103】
次の処理では、ディスプレイCに対して図12に示すBGMセット画面40を表示し、ユーザーが必要とした場合には、「YES」ボタン41を操作し、不要であると判断した場合には「NO」ボタン42を操作し、「YES」ボタン41を操作した場合には、前記音楽データベースに保存された曲名を曲名表示部43に一覧化して表示し、試聴する場合には「試聴」ボタン44を操作することにより前記スピーカ2で音楽の試聴を行え、音楽の選択を終えた場合に「OK」ボタン45を操作することにより、その音楽データが、BGMとして1つの経路データRに対してセットして次の処理に移行する。なお、このように音楽データをセットする場合、観光地タイトル毎に異なる音楽データをセットするようにしてもよい。さらに、例えば、USJ内のジョーズのアトラクションにおいて撮影した画像データに対して映画“ジョーズ”で使用されていたBGMを流すように設定する等、より詳細な音楽データの設定を行っても構わない。
【0104】
次の処理では、ディスプレイCにタイトル入力画面(図示せず)を表示する。タイトル入力作業は、先ほど選択した観光地タイトルがそのまま入力されるためユーザーがわざわざ作業する必要がない。ユーザーが任意のタイトルに修正したい場合には、このタイトル入力画面に表示されたキーボードを用いて必要とする文字を入力することができる。
【0105】
このように、画像データと観光地情報との関連付けが全て完了した後で保存処理を行うことにより、ナビゲーションアルバムの作成が完了する。
【0106】
[ナビゲーションアルバムの起動]
ナビゲーションアルバムを起動すると、図13に示すタイトルメニュー画面50が表示される。このタイトルメニュー画面50には、アルバムのタイトルを示すタイトル表示部50A、旅行の日付を示す日付表示部50Bが表示されていつどこに旅行したときの電子アルバムであるかが判別できるようになっている。さらに、ナビスライド51、Mapスライド52、スライドショー53の3つのメニューが表示されており、後述するように、3つのメニューはそれぞれ画像の表示方式に違いがある。
【0107】
前記ナビスライドメニュー51を選択すると、図14に示すように、地図表示画面60に切り替わる。この地図表示画面60には、タイムラインバー61と複数の再生制御ボタン62とが表示されており、再生制御ボタン62のうちの再生ボタンを操作することやタイムラインバー61を操作することにより、経路データR上に現在地カーソルVが移動する状態が時間を短縮した状態で(シミュレーションした状態で)表示される。
【0108】
なお、本実施形態では、出発位置Stから観光地P1までの移動に使用した移動手段を車両、観光地P1からP2までの移動に使用した移動手段を航空機、観光地P2からP3までの移動に使用した移動手段を鉄道、観光地P3からP4までの移動に使用した移動手段を船、観光地P4から到着位置Gまでは徒歩で移動したとして説明する。
【0109】
まず、現在地カーソルVには車両の画像データが合成表示され、この現在地カーソルVが出発位置Stを出発して経路データR上を走行し、最初の観光地P1に到着すると、その観光地P1に関連付けて登録されていた画像データが、図11に示すような表示形式で、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0110】
前記観光地P1に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、図15に示すように現在地カーソルVには航空機の画像データが合成表示され、この現在地カーソルVが次の観光地P2に向けて移動する。
【0111】
前記現在地カーソルVが前記観光地P2に到着し、前記観光地P2に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには鉄道の画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが次の観光地P3に向けて移動する。
【0112】
前記現在地カーソルVが前記観光地P3に到着し、前記観光地P3に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには船の画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが次の観光地P4に向けて移動する。
【0113】
前記現在地カーソルVが前記観光地P4に到着し、前記観光地P4に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わるとともに、現在地カーソルVには一緒に旅行したメンバーの画像データが合成表示される。この現在地カーソルVが到着位置Gに向けて移動する。
【0114】
このように、全ての観光地P1〜P4を現在地カーソルVが走行して到着位置Gに到着するまでの間に、各々の観光地P1〜P4で登録されていた画像データを時系列に沿って楽しむことができる。
【0115】
ここで、地図表示画面60に表示される地図データは、この地図データ上の経路データRを移動するときの移動手段の走行能力に応じて表示倍率を変更するようにしている。具体的に、出発位置Stから観光地P1までは車両で移動するため、市街地等の詳細な道路地図が表示されることとなるが、観光地P1からP2までは航空機で移動するため、地図データの表示倍率が変更されて日本地図全体を表示するようにする等、必要に応じて地図データの表示倍率が適切に調整されて表示されるようになっている。
【0116】
なお、経路データRの途中に有名な観光地がある場合には、その観光地情報が記憶メモリMに登録されていれば、現在地カーソルVが有名観光地付近を移動したときにその観光地情報を表示するようにしても構わない。
【0117】
また、前記Mapスライドメニュー52を選択すると、前記ナビスライドメニュー51のときと同様、地図表示画面60が表示される。ここで、登録されている観光地P1〜P4のうち1つを選択することにより、その選択した観光地に関連付けられている画像データのみが、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。これにより、ユーザーが見たい観光地の画像データを素早く表示させることができる。
【0118】
なお、Mapスライドメニュー52では、前記ナビスライド51のように地図表示画面60を表示させず、登録されている観光地タイトルの一覧を表示してそのタイトル情報を選択することで画像データを表示させるようにしても構わない。
【0119】
そして、前記スライドショーメニュー53を選択すると、このナビゲーションアルバムに記憶されている画像データが、予め設定された順序で且つ設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0120】
また、タイトルメニュー画面50には、「設定」ボタン54が表示されており、この「設定」ボタン54を操作することにより、例えば音声データの切り替え等、種々の設定を行うことができるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上説明したように、本発明は、ナビゲーションアルバムにおいて、旅行中にユーザーが使用した車両、航空機、船等の移動手段の情報が表示されるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るナビゲーションアルバムシステムにおける経路データを特定する手順を示すフローチャート図である。
【図3】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに対して画像データを合成する手順を示すフローチャート図である。
【図4】従来のナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルの表示形式を示す図である。
【図5】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに車両の画像を合成した状態を示す図である。
【図6】本ナビゲーションアルバムシステムにおける現在地カーソルに合成表示されている画像データを補正する手順を示すフローチャート図である
【図7】現在地カーソルに合成する画像データの補正処理を示す図である。
【図8】現在地カーソルに合成する画像データを補正した後の状態を示す図である。
【図9】関連付け処理のフローチャート図である。
【図10】関連付け処理を行うメニュー画面を示す図である。
【図11】アルバム表示された画像データを示す図である。
【図12】BGMセット画面を示す図である。
【図13】ナビゲーションアルバムのタイトルメニューを示す図である。
【図14】地図表示画面を示す図である。
【図15】観光地P1に到達したときの地図表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
70 画像合成表示手段
71 移動手段判別手段
72 合成画像補正手段
B システム本体
C ディスプレイ(表示手段)
D 処理手段
M 記憶メモリ
P 位置検出手段(ナビゲーション装置)
V 現在地カーソル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデータを含むデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を判別する移動手段判別手段と、
前記表示手段上で前記移動経路の現在地を示す現在地カーソルに対して、任意のデジタル画像データを合成して表示する画像合成表示手段とを備え、
前記画像合成表示手段は、前記現在地カーソルに合成すべき画像データとして、前記移動手段判別手段で判別された移動手段を示す画像データを合成するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を航空機であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項3】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に水上を移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を船であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項4】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に線路上に沿って移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項5】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を車両であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項6】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を示す情報は、該ユーザーがその移動経路に対して任意に設定することが可能であり、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に前記ユーザーによって移動手段を示す情報が設定された経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を該ユーザーが設定した移動手段であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記画像合成表示手段は、前記移動経路における第1の移動手段をその移動途中で第2の移動手段に変更した場合に、前記現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データを前記第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正する合成画像補正手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段で判別された移動手段の走行能力に応じて、前記表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更する表示倍率変更手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項1】
ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデータを含むデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を判別する移動手段判別手段と、
前記表示手段上で前記移動経路の現在地を示す現在地カーソルに対して、任意のデジタル画像データを合成して表示する画像合成表示手段とを備え、
前記画像合成表示手段は、前記現在地カーソルに合成すべき画像データとして、前記移動手段判別手段で判別された移動手段を示す画像データを合成するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に第1の空港から該第1の空港とは異なる第2の空港へ移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を航空機であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項3】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に水上を移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を船であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項4】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に線路上に沿って移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を鉄道であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項5】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に道路上に沿って所定速度以上で移動した経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を車両であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項6】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動経路の移動時にユーザーが使用した移動手段を示す情報は、該ユーザーがその移動経路に対して任意に設定することが可能であり、
前記移動手段判別手段は、前記移動経路の中に前記ユーザーによって移動手段を示す情報が設定された経路が存在する場合に、その移動経路における移動手段を該ユーザーが設定した移動手段であると判別するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記画像合成表示手段は、前記移動経路における第1の移動手段をその移動途中で第2の移動手段に変更した場合に、前記現在地カーソルに合成されている前記第1の移動手段を示す画像データを前記第2の移動手段を示す画像データに切り替えて表示するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記現在地カーソルに合成表示されている画像データを、予めシステム内に用意された複数の画像データのうちユーザーが選択したものに補正する合成画像補正手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記移動手段判別手段で判別された移動手段の走行能力に応じて、前記表示手段に表示する地図データの表示倍率を変更する表示倍率変更手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−78412(P2006−78412A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264879(P2004−264879)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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