ナビゲーション装置、情報処理方法、およびプログラム
【課題】目的地を設定する際、利用者の操作負担を軽減したナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補の情報を記憶部から読み出して表示部に表示させ、表示された目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、を有する。
【解決手段】目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補の情報を記憶部から読み出して表示部に表示させ、表示された目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置、情報処理方法、およびコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
出発地と目的地を入力すると、最短時間または最短距離で目的地に到達するための経路を探索し、その結果を利用者に通知するナビゲーション装置が知られている。ナビゲーション装置は、経路表示のための表示部と、道路および建物を表示するための地図情報が予め格納された記憶部とを有する。
【0003】
自動車やオートバイなどの車両に装備されるナビゲーション装置のうち、GPS(Global Positioning System)に対応する機能が搭載された機種では、地球上において車両の現在位置を把握し、車両の移動に合わせてその位置を地図に表示することが可能である(特許文献1参照)。このようなナビゲーション装置は車両の現在地を把握しているため、利用者は、経路探索を装置に実行させる際、出発地を入力する必要がなく、目的地を入力すればよい。
【0004】
利用者は、目的地を入力する際、行きたい場所の名称または住所などの情報を入力するか、装置に設けられた検索機能を利用して、行きたい場所が目的地設定画面に表示されるまで、検索のための情報を入力して目的地を絞り込むか、いずれかの方法を行っていた。
【0005】
しかし、これらの方法は、いずれも入力の手間がかかるという問題があった。この問題に対して、特許文献1には、パーソナルコンピュータを用いて、事前にドライブルートを探索しておく方法が開示されている。この方法によれば、利用者は、パーソナルコンピュータに装着されたキーボードやマウスを用いて操作できるため、ドライブルート探索のための操作負担が軽減する。
【0006】
また、特許文献2には、利用者が「お好みPOI」というリストに予め目的地を登録しておき、リストから目的地を選択することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−221425号公報
【特許文献2】特開2003−269986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された方法では、利用者は、車両に乗った後、事前に登録した目的地とは異なる目的地に変更する場合には、ナビゲーション装置を操作しなければならず、この場合、操作負担は軽減されない。また、特許文献2に開示された方法では、「お好みPOI」リストへの登録数が多くなるほど、リストの中から1つの場所を探す時間が長くなり、手間がかかってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、目的地を設定する際、利用者の操作負担を軽減したナビゲーション装置、情報処理方法、およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明のナビゲーション装置は、
目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、該複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、
を有する構成である。
【0011】
また、本発明の情報処理方法は、ナビゲーション装置による情報処理方法であって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定するものである。
【0012】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する処理を前記コンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、目的地設定の際に、カテゴリーを選択すれば、カテゴリーに対応して登録された目的地候補だけが表示部に表示され、表示された目的地候補から1つを目的地に選択すればよいので、利用者の操作負担が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】メインメニュー画面の一例を示す図である。
【図3】カテゴリー編集のための画面の例を示す図である。
【図4】目的地候補の登録方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】目的地候補の検索および登録のための画面の一例を示す図である。
【図6】目的地候補の検索画面の一例を示す図である。
【図7】目的地候補を記録した記録テーブルの一例を示す図である。
【図8】目的地設定方法の手順を示すフローチャートである。
【図9】目的地設定のための画面の一例を示す図である。
【図10】カテゴリー選択画面の一例を示す図である。
【図11】目的地候補のリストの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【図13】目的地候補のリスト表示と経由地の検索条件の指定のいずれかを選択するための画面の一例を示す図である。
【図14】検索条件を指定するための画面の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態におけるナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】道案内の画面の一例を示す図である。
【図17】第3の実施形態のナビゲーション装置で管理されるカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。
【図18】第1から第3の実施形態における情報処理を実行可能な情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明する。図1は本実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、ナビゲーション装置10は、記憶部21と、GPS測位部23と、方位測定部24と、表示部25と、スピーカ27と、制御部30とを有する。
【0017】
記憶部21は、地図データ211が予め格納されている。地図データ211は、道路の情報および場所の情報を含む。場所の情報は、場所を分類したときのMAP区分、地名または施設名、住所、および電話番号などの情報である。また、記憶部21には、利用者によって登録されるカテゴリーデータ213が格納される。
【0018】
表示部25は、タッチパネルであり、各種情報を表示するだけでなく、利用者が指示を入力するための操作部としての機能も備えている。表示部とは別に操作部が設けられていてもよいが、以下では、表示部25が操作部の機能も備えたタッチパネルの場合で説明する。
【0019】
制御部30は、ナビゲーション処理を実行する基本処理部31と、候補地情報管理部41を含む登録情報管理部33とを有する。制御部30には、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)が設けられている。CPUがプログラムを実行することで、基本処理部31および登録情報管理部32がナビゲーション装置10に仮想的に構成される。
【0020】
基本処理部31は、目的地が設定されると、現在地から目的地までの経路を探索し、探索した経路の1つが設定されると、その経路にしたがって車両の進行すべき方向を表示部25に表示させ、また、スピーカ27を介して音声によって利用者に案内する。基本処理部31は、経路を探索する際、最短時間または最短距離などの条件にしたがって最適な経路を探索する。また、基本処理部31は、GPS測位部23から受信する位置情報と方位測定部24から受信する方位情報を基にして、車両が地図上のどの位置にあるかを一定時間毎に確認し、その現在地を表示部25に表示された地図に示す。なお、基本処理部31が実行するナビゲーション処理の内容は、特許文献1または特許文献2に開示されているものと同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0021】
登録情報管理部32の候補地情報管理部41は、利用者が地図データ211の情報を元に登録した、目的地の候補である目的地候補の情報を含むカテゴリーデータ213を管理する。候補地情報管理部41は、利用者の指示により、対象となるカテゴリーの情報の検索、登録、更新、および削除を行う。登録処理の際、候補地情報管理部41は、カテゴリーと関連づけて目的地候補の情報を記憶部21に登録する。また、候補地情報管理部41は、利用者による目的地設定の際、カテゴリー選択の指示が入力されると、選択されたカテゴリーに対応して登録されている目的地候補を表示部25に表示させる。
【0022】
なお、道路交通情報を受信するための無線受信部(不図示)が車両に搭載されていれば、基本処理部31は、無線受信部(不図示)を介して道路交通情報を受信し、経路を探索する際に道路交通情報を参照してもよい。
【0023】
次に、本実施形態のナビゲーション装置10において、カテゴリーの編集方法を説明する。ここでは、カテゴリー編集のうち、カテゴリーを新規に登録する場合について説明する。
【0024】
利用者がナビゲーション装置10を起動すると、ナビゲーション装置10の基本処理部31はメインメニュー画面を表示部25に表示させる。図2はメインメニュー画面の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すメインメニュー画面には、「目的地設定」、「カテゴリー編集」、「目的地候補の検索/登録」および「その他の設定」の4つの項目が表示されている。「目的地設定」は、行きたい場所の名称や住所などを入力して目的地を設定するための選択肢である。「カテゴリー編集」は、車両の使用目的に対応して区分されたカテゴリーを編集するための選択肢である。「目的地候補の検索/登録」は、カテゴリーに目的地候補を予め登録するための選択肢である。「その他の設定」は、最短距離および最短時間などの経路探索条件ならびに地図の表示方法などを設定するための選択肢である。これらの項目のうち、利用者が表示部25を操作して「カテゴリー編集」を選択すると、候補地情報管理部41は、カテゴリー編集の画面を表示部25に表示させる。
【0026】
図3(a)はカテゴリー編集の画面の一例を示す図であり、図3(b)は文字入力画面の一例を示す図である。図3(a)に示すように、画面の枠301には、既に登録されているカテゴリーの名称が表示される。枠301の下側には、利用者区分の枠303が設けられ、枠303には編集対象のカテゴリーの名称が表示される。枠303の下には、「追加」、「編集」、「削除」および「キャンセル」の指示ボタンが表示されている。
【0027】
図3(a)の枠301に示すように、「父とドライブ」、「母とドライブ」、「子供とドライブ」および「友人とドライブ」のカテゴリーがナビゲーション装置10に利用者によって登録されている。利用者は、独りで車を使用する場合のカテゴリーを新規に登録するために、図3(a)に示す「追加」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は図3(b)に示す文字入力画面を表示部25に表示させる。
【0028】
図3(b)に示すように、文字入力画面には、文字入力枠305が表示され、その下に、50音の文字キーが表示されている。また、ひらがなを漢字に変換するための「漢字変換」、ひらがなをカタカナに変換するための「カナ変換」、入力した文字を1文字消去するための「1文字消去」、入力した文字列を登録するための「決定」、および、文字入力画面からカテゴリー編集画面に戻るための「戻る」の指示ボタンが表示されている。なお、50音の文字キーの他に、0から9の数字を入力するための数字キーが設けられていてもよい。
【0029】
利用者が、50音の文字キーと「漢字変換」および「カナ変換」のボタンを操作して文字入力枠305に「独りでドライブ」を入力した後、「決定」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、図3(a)に示した画面に戻って、枠303に「独りでドライブ」が記述された画面を表示する。
【0030】
図3(a)に示すように、枠303に「独りでドライブ」が表示された状態で、利用者が再度「追加」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、「独りでドライブ」のカテゴリーを枠301に表示させ、枠303からは「独りでドライブ」の文字列を消去する。
【0031】
なお、既に登録されているカテゴリーの名称を変更する場合には、次のように操作する。利用者は、枠301に表示されているカテゴリーのうち、編集対象となるカテゴリーの名称を選択すると、候補地情報管理部41は選択されたカテゴリーの名称を枠303に表示する。この状態で、利用者が「編集」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、図3(b)の文字入力画面を表示する。カテゴリーの名称の文字列の変更方法は、新規にカテゴリーを登録した場合と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
【0032】
また、既に登録されているカテゴリーを削除する場合には、利用者が、枠301に表示されているカテゴリーのうち、削除対象となるカテゴリーの名称を選択し、「削除」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーの情報を記憶部21から削除する。
【0033】
利用者が、カテゴリーの編集を終了し、「キャンセル」のボタンを選択すると、ナビゲーション装置10は、表示画面を図2に示すメインメニュー画面に戻す。
【0034】
次に、本実施形態のナビゲーション装置10における、目的地候補の登録方法を説明する。図4は目的地候補の登録方法の手順を示すフローチャートである。図5は目的地候補の検索および登録のための画面の一例を示す図である。図6は目的地候補の検索画面の一例を示す図である。ここでは、利用者が、釣り道具店を目的地候補として登録する場合を説明する。
【0035】
図2に示したメインメニュー画面において、利用者が「目的地候補の検索/登録」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、図5に示す画面を表示部25に表示させる。利用者が図5のカテゴリー区分の欄の右端にある三角印に触れると、登録されているカテゴリーの全てが表示される。利用者が、そのうちの1つを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーを目的地候補の検索/登録の対象となるカテゴリーに設定し(ステップ101)、そのカテゴリーの名称をカテゴリー区分の欄に表示部25に表示させる。図5に示す例では、カテゴリー区分の欄に「独りでドライブ」の名称が表示されており、「独りでドライブ」のカテゴリーが利用者によって選択されたことがわかる。
【0036】
続いて、図5に示す画面において、利用者が「目的地候補の検索」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、図6に示す検索画面を表示部25に表示させる。図6の検索画面に示す「名称」、「郵便番号」、「住所」および「電話番号」のそれぞれは、入力される情報を条件にして目的地候補を検索するための選択項目である。「マップコード」は、地図上の主要な場所毎に異なるコードが予め決められており、入力されるコードで特定される目的地候補を検索するための選択項目である。「施設」は、買い物や食事など、利用者の目的から目的地候補を検索するための選択項目である。「施設」が選択されると、「病院」、「飲食」、「店舗」、「公園」などの項目が選択可能に表示される。「その他」は、「名称」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「施設」および「マップコード」以外の方法で場所を検索するための選択項目である。
【0037】
利用者が、図6に表示された選択項目のうち、いずれか1つの項目を選択し、検索条件を入力すると、候補地情報管理部41は、検索条件に一致する場所があるか、地図データ211を検索する(ステップ102)。検索の結果、候補地情報管理部41は、検索条件に一致する場所として、MAP区分が「店舗」に属する「○○釣り道具店」を見つけると、図5のMAP区分の欄に「店舗」を表示部25に表示させ、地名または施設名の欄に「○○釣り道具店」を表示部25に表示させる。
【0038】
続いて、利用者が表示部25に表示された目的地候補を確認し、図5の画面に示す「登録」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、「○○釣り道具店」をカテゴリー「独りでドライブ」のカテゴリーデータ213に登録する(ステップ103)。
【0039】
なお、利用者はステップ102の検索結果に不満があれば、図5の画面に示す「キャンセル」のボタンを選択すればよい。「キャンセル」のボタンが選択されると、候補地情報管理部41は、MAP区分の欄に記述された情報と地名または施設名の欄に記述された情報を削除する。その後、利用者が、「目的地の検索」の項目を選択すれば、再度、目的地候補の検索を候補地情報管理部41に実行させることが可能となり、利用者がもう一度「キャンセル」のボタンを選択すれば、表示部25の表示が図2のメインメニュー画面に戻る。
【0040】
また、利用者が図5に示す画面で「区分の追加登録」を選択すると、候補地情報管理部41は、図3に示した画面を表示部25に表示させ、カテゴリーを新規に登録することが可能となる。
【0041】
次に、カテゴリーに対応して目的地候補が登録されたカテゴリーデータの記録テーブルの一例を説明する。図7はカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。
【0042】
図7に示すように、記録テーブルは、カテゴリーに対応して目的地候補の情報が登録されている。目的地候補の情報は、MAP区分、地名または施設名、および住所の情報を含む。図7に示すように、候補地情報管理部41は、地図データ211に含まれている、場所に関する情報と目的地候補を、利用者が登録したカテゴリーに関連を持たせてカテゴリーデータ213を作成し、カテゴリーデータ213を記憶部に格納している。
【0043】
なお、車両の使用目的の分類方法として、図3に示した例に限らない。趣味と仕事のカテゴリーで分類してもよい。この場合、「仕事」のリストには、自分が勤めている会社の支店、支社または事業所、取引先の会社などの場所が登録されてもよい。利用者の趣味が釣りであれば、「趣味」のリストに釣り場が登録されてもよい。
【0044】
次に、ナビゲーション装置10を操作して目的地を設定する方法を説明する。図8は目的地設定方法の手順を示すフローチャートである。図9は目的地設定のための画面の一例を示す図である。
【0045】
利用者がナビゲーション装置10を起動すると、ナビゲーション装置10の基本処理部31は、図2に示したメインメニュー画面を表示部25に表示させる。利用者が、図2に示した「目的地設定」を選択すると、基本処理部31は、図9に示す画面を表示部25に表示させる(ステップ201)。
【0046】
図9の画面に示す複数の選択項目のうち、「カテゴリー」は、本実施形態で追加された項目であり、利用者がカテゴリーから目的地を設定するための選択項目である。なお、「名称」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「施設」、「マップコード」および「その他」の選択項目については、図6で説明したのと同様であるため、これらの選択項目の詳細な説明を省略する。
【0047】
図9に示した画面において、複数の選択項目のうち、利用者がいずれかの項目を選択すると、基本処理部31は、「カテゴリー」が選択されたか否かを判定する(ステップ202)。利用者が「カテゴリー」の項目を選択すると、基本処理部31は、「カテゴリー」の項目が選択された旨を候補地情報管理部41に通知する。候補地情報管理部41は、カテゴリーを選択するための画面であるカテゴリー選択画面を表示部25に表示させる。
【0048】
図10はカテゴリー選択画面の一例を示す図である。図10には、登録されたカテゴリーの名称が記述された枠307と、複数の指示ボタンが表示されている。複数の指示ボタンには、利用者が枠307内から複数のカテゴリーを選択する場合の「複数選択」と、複数のカテゴリーを選択する場合に選択が終了した旨を入力するための「終了」と、枠307で選択したカテゴリーを設定する旨を入力するための「決定」と、図10の画面から図9の画面に戻るための「戻る」のボタンがある。
【0049】
ここでは、利用者が、子供と母親を車に乗せてドライブに行く際に目的地を設定する場合で説明する。利用者は、図10に示す画面の「複数選択」のボタンを選択する。続いて、利用者が、枠307に表示されたカテゴリーのうち、「子供とドライブ」を選択し、「決定」のボタンを選択する。図10は、「子供とドライブ」の項目がハイライトバーで表示され、「子供とドライブ」の項目が選択されたことを示している。さらに、利用者が、枠307に表示された「母とドライブ」のカテゴリーを選択し、「終了」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、「子供とドライブ」のカテゴリーに対応して登録された目的地候補と「母とドライブ」のカテゴリーに対応して登録された目的地候補をリストにして表示部25に表示させる(ステップ203)。
【0050】
図11は目的地候補のリストの一例を示す図である。図11に示すリストは、図10で選択されたカテゴリーに対応する目的地候補のリストであり、ここでは、「母とドライブ」のカテゴリーの目的地候補および「子供とドライブ」のカテゴリーの目的地候補の両方が列挙されている。図7に示した記録テーブルを参照すると、図11に示すリストには、「母とドライブ」および「子供とドライブ」のそれぞれのカテゴリーに関する目的地候補のデータが記録テーブルから抜き出されて表示されている。
【0051】
利用者が図11に示す目的地候補のリストから1つを選択すると、候補地情報管理部41は、選択された目的地候補を目的地に設定する(ステップ204)。そして、候補地情報管理部41は、設定した目的地の情報を基本処理部31に通知する。
【0052】
ステップ203では、リストとして表示される場所がステップ202で選択されたカテゴリーに対応する情報に絞られるため、カテゴリーで分類せずに登録された場所が全て表示される場合よりも、リストから目的地候補を1つ選択する際の利用者の操作負担が軽減する効果が得られる。
【0053】
一方、ステップ202で、図9に示した目的地設定画面において、利用者が「カテゴリー」以外の項目を選択すると、基本処理部31は、選択された項目に対応する設定画面を表示部25に表示させ、その後、利用者により入力または選択される条件に一致する場所を検索し、条件に一致する場所を目的地に設定する(ステップ205)。その後、基本処理部31は、設定された目的地に基づいてナビゲーション処理を実行する。
【0054】
一般的なナビゲーション装置では、地図データに登録されている場所を検索する際、地名または施設名などの名称、住所または電話番号といった一般的な固有情報を直接入力する方法か、または、店舗や飲食など、メーカ側で予め決めたカテゴリー区分に基づいた情報区分からいずれかを選択して、行きたい場所を絞りこむ方法で行うしかなかった。
【0055】
これに対して、本実施形態では、車両の使用目的を基準にして利用者自身が目的地候補を複数のカテゴリーで分類して登録している。そのため、利用者は、目的地設定の際に、カテゴリーを選択すれば、カテゴリーに対応して登録した目的地候補だけが表示部に表示され、表示された目的地候補から1つを目的地に選択すればよいので、地図データに登録された大量の場所の情報から検索を行う必要がなく、目的地候補の検索データ検索効率が向上し、走行開始前の利用者の操作負担が軽減する。
【0056】
また、複数の目的地候補をカテゴリーで区分する際、車両の使用目的という基準に限らず、家族と行きたい場所、夜に行きたい場所、釣りに行きたい場所といった様な、利用者の嗜好や考えを基準にすることも可能である。カテゴリー区分の基準を利用者自身で自由に設定できるようにすることで、目的地検索の効率をより向上させることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
利用者は、複数の目的地を経由する道案内をナビゲーション装置に行わせる場合、車両を走行させる前に、最終目的地以外の目的地を経由地としてナビゲーション装置に設定していた。この場合、利用者は、最終目的地の検索と設定の操作を行った後、経由地についても検索と設定の操作を行わなければならず、検索および設定の操作を経由地の数だけ繰り返す必要があり、利用者にとって操作負担が大きかった。
【0058】
本実施形態は、ナビゲーション装置の道案内にしたがって車両の走行を開始した後でも、予め登録された目的地候補を経由地として簡単に追加できるようにしたものである。
【0059】
本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明する。図12は本実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図12に示すように、本実施形態のナビゲーション装置11における制御部34の登録情報管理部35は、第1の実施形態で説明した候補地情報管理部41の他に、検索条件管理部43および追加案内処理部45を有する。
【0061】
検索条件管理部43は、利用者によって指定された検索条件と案内表示時間を次のように管理する。検索条件管理部43は、利用者によって入力される指示にしたがって、管理対象となる検索条件および案内表示時間の登録、更新および削除を行う。検索条件および案内表示時間は、カテゴリーに対応してカテゴリーデータ213に登録される。検索条件および案内表示時間の具体例については後述する。
【0062】
追加案内処理部45は、車両の進行に合わせて、指定された検索条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する。そして、追加案内処理部45は、検索条件に一致する目的地候補があると、その目的地候補を経由地の候補(以下では、経由地候補と称する)とし、経由地候補を経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせる。続いて、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定する旨の指示が入力されると、経由地に設定された経由地候補を基本処理部31に通知する。なお、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定するか否かの問い合わせに対して、予め決められた時間内に利用者から指示の入力がなければ、その問い合わせに対して回答がないものとして処理する。
【0063】
基本処理部31は、追加案内処理部45から経由地候補の情報を受け取ると、経由地候補を経由地とする経路を探索し、探索により求めた経路で最終目的地までナビゲーション処理を実行する。
【0064】
次に、経路に近い場所にある目的地候補を経由地の候補対象とするための検索条件の指定方法を説明する。図13は、目的地候補のリスト表示と経由地の検索条件の指定のいずれかを選択するための画面の一例を示す図である。
【0065】
図13に示す画面には、「目的地候補のリスト表示」と「経由地の検索条件の指定」の選択項目が表示されている。また、図13に示す画面から図10に示した画面に戻るための「戻る」の指示ボタンが表示されている。「目的地候補のリスト表示」は、第1の実施形態で図4を用いて説明した手順で登録された目的地候補のリストを表示させるための項目である。「経由地の検索条件の指定」は、カテゴリーに対応して登録された目的地候補に対して、経由地の候補対象とするか否かを決める条件を指定するための項目である。
【0066】
第1の実施形態で参照した図10の画面において、利用者がカテゴリーを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーの情報を記憶部21に保存し、図13に示す画面を表示部25に表示させる。図13に示す画面において、利用者が「経由地の検索条件の指定」の項目を選択すると、検索条件管理部43は、検索条件を指定するための画面を表示部25に表示させる。
【0067】
図14は検索条件を指定するための画面の一例を示す図である。図14に示すように、画面には、カテゴリーの欄と、条件の欄と、案内表示時間の欄とが設けられている。利用者が、図14の条件の欄の右端の三角印に触れると、検索条件管理部43は、予め決められた複数の検索条件を表示部25に表示させる。検索条件とは、設定された経路を走行中の車両の位置からどのくらいの距離にある目的地候補を経由地候補にするか、その距離を示す。
【0068】
また、利用者が、図14の案内表示時間の欄の右端の三角印に触れると、検索条件管理部43は、予め決められた複数の案内表示時間を表示部25に表示させる。案内表示時間は、指定された検索条件に一致する目的地候補を経由地候補として表示部25が案内を表示する時間である。さらに、図14には、利用者が設定した検索条件を確定するための「OK」の指示ボタンと、図14の画面から図10の画面に戻るための「キャンセル」の指示ボタンが表示されている。
【0069】
検索条件管理部43は、図14に示す画面を表示部25に表示させる際、図10に示した画面で選択されたカテゴリーの情報を記憶部21から読み出し、そのカテゴリーの名称をカテゴリーの欄に表示部25に表示させる。この例では、図10の画面で利用者が「子供とドライブ」および「母とドライブ」の2つのカテゴリーを選択したので、図14のカテゴリーの欄には、「子供とドライブ」および「母とドライブ」が表示されている。また、図14に示すように、検索条件として「現在地から5km以内」という条件が選択され、案内表示時間として「30秒」が選択されている。
【0070】
なお、図13に示す画面で、利用者が「目的地候補のリスト表示」を選択すると、第1の実施形態と同様にして、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーに対応する目的地候補のリストを表示部25に表示させる。図11は目的地候補のリストの一例である。
【0071】
次に、本実施形態のナビゲーション装置による道案内の手順を説明する。図15は本実施形態のナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、図14で説明した、検索条件の指定および案内表示時間の設定がされているものとする。
【0072】
利用者がナビゲーション装置11を操作して、第1の実施形態で説明した方法で目的地が設定されると、基本処理部31はナビゲーション処理を開始する(ステップ251)。
【0073】
追加案内処理部45は、一定時間毎に、目的地に到着したか否かを判定する(ステップ252)。目的地に到着していない場合、追加案内処理部45は、指定された検索条件に該当する経由地候補があるか否かを判定する(ステップ253)。
【0074】
ステップ253で経由地候補がある場合、追加案内処理部45は、経由地候補を表示部25に表示させ(ステップ254)、その経由地候補を経由地に設定するか否かを問い合わせる文字メッセージを表示部25に表示させる。また、表示だけでなく、追加案内処理部45は、その経由地候補を経由地に設定するか否かを問い合わせる旨の音声メッセージをスピーカ27を介して出力してもよい。
【0075】
図16は、道案内の画面の一例を示す図である。ここでは、目的地が○○○○病院に設定されている場合とする。図16に示す画面は、利用者に2つの情報を提供するためのツイン画面表示になっている。表示部25の画面全体が、地図を表示する画面である地図表示画面と、経由地候補の案内を表示する画面である案内画面との2つに分割されている。
【0076】
ステップ253の判定前では、図16の地図表示画面が表示部25に表示される。地図表示画面には、出発地から目的地の病院までの経路351がハッチングで示され、車両の現在位置を示す現在地マーク353がその経路上に表示されている。
【0077】
ファーストフードの店舗が「子供とドライブ」または「母とドライブ」のカテゴリーに目的地候補として予め登録されており、ステップ253において、その店舗が現在地から5km以内になっていると、追加案内処理部45は、地図表示画面の右側に案内画面を表示部25に表示させ、地図表示画面には経由地候補を表示部25に表示させる。
【0078】
図16に示すように、地図表示画面には、経由地候補としてファーストフードの店舗マーク355が表示されている。案内画面には、経由地候補を経由地に追加するか否かを利用者に問い合わせる旨の文字メッセージと、「OK」の指示ボタンが表示されている。
【0079】
追加案内処理部45は、案内表示時間に設定された「30秒」の時間だけ、案内画面を表示部25に表示させ、その間に経由地候補を経由地に設定する旨の指示があるか否かを判定する(ステップ255)。案内画面が表示されている間に、利用者が車を安全な場所に停止させ、案内画面の「OK」の指示ボタンに触れると、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定する旨の指示が入力されたと認識し、経由地に設定された経由地候補を基本処理部31に通知する。
【0080】
基本処理部31は、追加案内処理部45から経由地候補の情報を受け取ると、経由地候補を経由地とする経路を探索し、探索により求めた経路を目的地までの経路に設定し直す(ステップ256)。基本処理部31が経路の再設定を終了すると、追加案内処理部45は、ステップ252に戻る。このようにして、最終目的地までナビゲーション処理が実行される。
【0081】
なお、ステップ253で検索条件に一致する経由地候補がない場合、ステップ255で経由地候補が経由地に設定されない場合には、追加案内処理部45は、ステップ252の処理に戻る。案内表示時間が設定されている場合、経由地が設定されずに案内表示時間が経過すると、追加案内処理部45は、図16に示した案内画面を表示部25の画面上から消去する。
【0082】
また、地図表示画面に目的地の到着予定時刻を表示してもよい。図16の地図表示画面には、病院の到着予定時刻が21時25分であることが表示されている。これは、基本処理部31が経路を設定した際に、経路の全長と車の制限時速から到着予定時刻を算出して表示したものである。このようにして、到着予定時刻を表示する場合、ステップ255で利用者が経由地候補を経由地に設定すると、経路が変更され、到着予定時刻が最初に算出された時刻と異なることになる。
【0083】
このような場合、追加案内処理部45は、ステップ253で検索条件に一致する経由地候補があると判定すると、経由地候補の情報を基本処理部31に通知し、車が経由地候補を経由した場合の経路による到着予定時刻を基本処理部31に算出させてもよい。追加案内処理部45は、算出された到着予定時刻の情報を基本処理部31から受け取ると、改めて算出された到着予定時刻を案内画面に表示部25に表示させることが可能となる。図16に示す案内画面には、ファーストフードの店舗を経由地に追加した場合に最終目的地となる病院の到着予定時刻が21時35分になることが表示されている。利用者は、変更になった、病院の到着予定時刻を見て、案内に表示された場所を経由地に設定するか否かを決めることが可能となる。
【0084】
本実施形態では、車両の走行開始後であっても、経路途中にある目的地候補を経由地に設定するか否かの案内を受けることができるようになる。この仕組みにより、利用者は、地図データに登録された大量の場所の情報から経由地を検索して設定するという、走行開始前に必要であった操作の負担が軽減する。
【0085】
車両の走行開始前に目的地として設定されていない目的地候補は、利用者にとって興味のある場所にもかかわらず、その近くを走行していても、案内を受けることができないため、利用者が立ち寄る可能性を失っていた。これに対して、本実施形態では、利用者は、経路途中にある目的地候補を経由地に設定するか否かの案内を受けられるため、興味のある場所に立ち寄る機会を多く得られるようになる。
【0086】
また、利用者により経由地が設定されると、現在地から経由地を通って目的地に至る経路の設定が行われるので、利用者は、走行開始後に経由地を設定しても、変更に伴った道案内を受けることができる。
【0087】
さらに、経由地候補の案内に関して、カテゴリーに対応して登録された目的地候補を経由地候補の対象とするための条件および経由地候補の案内表示時間を利用者が指定できるようにしたことで、利用者は、案内対象とする目的地候補の範囲を自由に設定できるだけでなく、利用者自身にとって必要十分な案内表示を受けることができる。
【0088】
なお、本実施形態では、車両の進行に合わせて現在地から所定の距離の範囲にある経由地候補を利用者に通知し、経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせる場合を説明した。目的地が設定され、ナビゲーション装置が目的地までの経路を設定した後、車両の走行開始前に、経路からの距離が所定の距離の範囲にある経由地候補を表示部25に表示して、経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせるようにしてもよい。この場合、利用者は、選択したカテゴリーに対応する目的地候補が経由地候補として表示され、そのうち経由地に設定したいものだけを選択すればよいので、経由地毎に検索および設定の操作を行う必要がなく、経由地設定のための操作負担が軽減する。
【0089】
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態で説明したカテゴリーを、利用者毎に管理するものである。本実施形態のナビゲーション装置の構成は、第1または第2の実施形態で説明した構成と同様であるため、その詳細な説明を省略し、上述の実施形態と異なる点について詳細に説明する。
【0090】
図17は本実施形態のナビゲーション装置で管理されるカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。図17に示すように、本実施形態のカテゴリーデータは、第1または第2の実施形態で説明したカテゴリーの上位の階層に別のカテゴリーを設けた構成である。図17では、第1または第2の実施形態で説明したカテゴリーを第2のカテゴリーとし、本実施形態で新たに追加した階層のカテゴリーを第1のカテゴリーとしている。
【0091】
ここでは、第1のカテゴリーを車の利用者単位で分類した区分としている。記録テーブルには、利用者毎に異なる識別子である利用者識別子(不図示)が第1のカテゴリーの区分に対応して登録されている。第1のカテゴリーとして、区分名称が「自分」であるカテゴリーと、区分名称が「父」であるカテゴリーが図17に示されている。
【0092】
第1のカテゴリーが「自分」に対応する第2のカテゴリーが5つに区分され、「子供とドライブ」、「友人とドライブ」、「母とドライブ」および「独りでドライブ」の区分名称が図17に記載されている。この第2のカテゴリーは、車の使用目的という基準で分類されている。
【0093】
また、図17には、第1のカテゴリーが「父」に対応する第2のカテゴリーが4つに区分され、「行きたい」、「また行きたい」、「機会があれば」および「また行きたい」の区分名称が記載されている。この第2のカテゴリーは、どのくらい行きたいと思うかという、個人の気持ちを基準にして分類されている。このように、第2のカテゴリーにおいて、第1のカテゴリーで分類した利用者毎に、自由なカテゴリー区分を目的地候補に対して行うことが可能となる。
【0094】
なお、本実施形態では、第1のカテゴリーの区分名称が、1人の利用者を中心にした続柄で表現されているが、利用者を特定するための情報は、この場合に限らない。利用者を特定するための情報は、例えば、利用者の氏名であってもよい。
【0095】
次に、本実施形態のナビゲーション装置を操作して目的地を設定する方法を、図8を参照して説明する。
【0096】
図8に示すステップ201において、基本処理部31が、図9に示した画面を表示部25に表示させた後、利用者が「カテゴリー」の項目を選択すると、ステップ202において、候補地情報管理部41は、予め第1のカテゴリーに登録された、利用者を特定するための情報を表示部25に表示させる。表示された、利用者を特定するための情報のうち、利用者が自分自身を示す情報を選択すると、選択された情報に対応する利用者識別子が候補地情報管理部41に入力され、候補地情報管理部41は、この利用者識別子に対応する第2のカテゴリーを記憶部21から読み出し、第2のカテゴリーの選択画面の一例として、図10に示した画面を表示部25に表示させる。これ以降の処理は、第1の実施形態と同様なため、その説明を省略する。
【0097】
本実施形態では、目的地候補に対する、カテゴリーによる分類を階層化することで、利用者の嗜好で目的地候補を分類できる。そのため、ナビゲーション装置の操作負担がより軽減し、ナビゲーション効率がさらに向上する。
【0098】
なお、第1から第3の実施形態で説明した、目的地の設定、経路の設定、および経由地の設定に関する情報処理を、コンピュータに実行させることが可能である。そのため、これらの情報処理方法を実行させる情報処理装置は、図18に示すように、記憶部21、表示部25および制御部37を有する構成であればよい。図18に示す制御部37は、制御部30または制御部34に相当する。
【符号の説明】
【0099】
10、11 ナビゲーション装置
21 記憶部
25 表示部
27 スピーカ
30、34、37 制御部
33、35 登録情報管理部
41 候補地情報管理部
43 検索条件管理部
45 追加案内処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置、情報処理方法、およびコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
出発地と目的地を入力すると、最短時間または最短距離で目的地に到達するための経路を探索し、その結果を利用者に通知するナビゲーション装置が知られている。ナビゲーション装置は、経路表示のための表示部と、道路および建物を表示するための地図情報が予め格納された記憶部とを有する。
【0003】
自動車やオートバイなどの車両に装備されるナビゲーション装置のうち、GPS(Global Positioning System)に対応する機能が搭載された機種では、地球上において車両の現在位置を把握し、車両の移動に合わせてその位置を地図に表示することが可能である(特許文献1参照)。このようなナビゲーション装置は車両の現在地を把握しているため、利用者は、経路探索を装置に実行させる際、出発地を入力する必要がなく、目的地を入力すればよい。
【0004】
利用者は、目的地を入力する際、行きたい場所の名称または住所などの情報を入力するか、装置に設けられた検索機能を利用して、行きたい場所が目的地設定画面に表示されるまで、検索のための情報を入力して目的地を絞り込むか、いずれかの方法を行っていた。
【0005】
しかし、これらの方法は、いずれも入力の手間がかかるという問題があった。この問題に対して、特許文献1には、パーソナルコンピュータを用いて、事前にドライブルートを探索しておく方法が開示されている。この方法によれば、利用者は、パーソナルコンピュータに装着されたキーボードやマウスを用いて操作できるため、ドライブルート探索のための操作負担が軽減する。
【0006】
また、特許文献2には、利用者が「お好みPOI」というリストに予め目的地を登録しておき、リストから目的地を選択することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−221425号公報
【特許文献2】特開2003−269986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された方法では、利用者は、車両に乗った後、事前に登録した目的地とは異なる目的地に変更する場合には、ナビゲーション装置を操作しなければならず、この場合、操作負担は軽減されない。また、特許文献2に開示された方法では、「お好みPOI」リストへの登録数が多くなるほど、リストの中から1つの場所を探す時間が長くなり、手間がかかってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、目的地を設定する際、利用者の操作負担を軽減したナビゲーション装置、情報処理方法、およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明のナビゲーション装置は、
目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、該複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、
を有する構成である。
【0011】
また、本発明の情報処理方法は、ナビゲーション装置による情報処理方法であって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定するものである。
【0012】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する処理を前記コンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、目的地設定の際に、カテゴリーを選択すれば、カテゴリーに対応して登録された目的地候補だけが表示部に表示され、表示された目的地候補から1つを目的地に選択すればよいので、利用者の操作負担が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】メインメニュー画面の一例を示す図である。
【図3】カテゴリー編集のための画面の例を示す図である。
【図4】目的地候補の登録方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】目的地候補の検索および登録のための画面の一例を示す図である。
【図6】目的地候補の検索画面の一例を示す図である。
【図7】目的地候補を記録した記録テーブルの一例を示す図である。
【図8】目的地設定方法の手順を示すフローチャートである。
【図9】目的地設定のための画面の一例を示す図である。
【図10】カテゴリー選択画面の一例を示す図である。
【図11】目的地候補のリストの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【図13】目的地候補のリスト表示と経由地の検索条件の指定のいずれかを選択するための画面の一例を示す図である。
【図14】検索条件を指定するための画面の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態におけるナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】道案内の画面の一例を示す図である。
【図17】第3の実施形態のナビゲーション装置で管理されるカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。
【図18】第1から第3の実施形態における情報処理を実行可能な情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明する。図1は本実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、ナビゲーション装置10は、記憶部21と、GPS測位部23と、方位測定部24と、表示部25と、スピーカ27と、制御部30とを有する。
【0017】
記憶部21は、地図データ211が予め格納されている。地図データ211は、道路の情報および場所の情報を含む。場所の情報は、場所を分類したときのMAP区分、地名または施設名、住所、および電話番号などの情報である。また、記憶部21には、利用者によって登録されるカテゴリーデータ213が格納される。
【0018】
表示部25は、タッチパネルであり、各種情報を表示するだけでなく、利用者が指示を入力するための操作部としての機能も備えている。表示部とは別に操作部が設けられていてもよいが、以下では、表示部25が操作部の機能も備えたタッチパネルの場合で説明する。
【0019】
制御部30は、ナビゲーション処理を実行する基本処理部31と、候補地情報管理部41を含む登録情報管理部33とを有する。制御部30には、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)が設けられている。CPUがプログラムを実行することで、基本処理部31および登録情報管理部32がナビゲーション装置10に仮想的に構成される。
【0020】
基本処理部31は、目的地が設定されると、現在地から目的地までの経路を探索し、探索した経路の1つが設定されると、その経路にしたがって車両の進行すべき方向を表示部25に表示させ、また、スピーカ27を介して音声によって利用者に案内する。基本処理部31は、経路を探索する際、最短時間または最短距離などの条件にしたがって最適な経路を探索する。また、基本処理部31は、GPS測位部23から受信する位置情報と方位測定部24から受信する方位情報を基にして、車両が地図上のどの位置にあるかを一定時間毎に確認し、その現在地を表示部25に表示された地図に示す。なお、基本処理部31が実行するナビゲーション処理の内容は、特許文献1または特許文献2に開示されているものと同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0021】
登録情報管理部32の候補地情報管理部41は、利用者が地図データ211の情報を元に登録した、目的地の候補である目的地候補の情報を含むカテゴリーデータ213を管理する。候補地情報管理部41は、利用者の指示により、対象となるカテゴリーの情報の検索、登録、更新、および削除を行う。登録処理の際、候補地情報管理部41は、カテゴリーと関連づけて目的地候補の情報を記憶部21に登録する。また、候補地情報管理部41は、利用者による目的地設定の際、カテゴリー選択の指示が入力されると、選択されたカテゴリーに対応して登録されている目的地候補を表示部25に表示させる。
【0022】
なお、道路交通情報を受信するための無線受信部(不図示)が車両に搭載されていれば、基本処理部31は、無線受信部(不図示)を介して道路交通情報を受信し、経路を探索する際に道路交通情報を参照してもよい。
【0023】
次に、本実施形態のナビゲーション装置10において、カテゴリーの編集方法を説明する。ここでは、カテゴリー編集のうち、カテゴリーを新規に登録する場合について説明する。
【0024】
利用者がナビゲーション装置10を起動すると、ナビゲーション装置10の基本処理部31はメインメニュー画面を表示部25に表示させる。図2はメインメニュー画面の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すメインメニュー画面には、「目的地設定」、「カテゴリー編集」、「目的地候補の検索/登録」および「その他の設定」の4つの項目が表示されている。「目的地設定」は、行きたい場所の名称や住所などを入力して目的地を設定するための選択肢である。「カテゴリー編集」は、車両の使用目的に対応して区分されたカテゴリーを編集するための選択肢である。「目的地候補の検索/登録」は、カテゴリーに目的地候補を予め登録するための選択肢である。「その他の設定」は、最短距離および最短時間などの経路探索条件ならびに地図の表示方法などを設定するための選択肢である。これらの項目のうち、利用者が表示部25を操作して「カテゴリー編集」を選択すると、候補地情報管理部41は、カテゴリー編集の画面を表示部25に表示させる。
【0026】
図3(a)はカテゴリー編集の画面の一例を示す図であり、図3(b)は文字入力画面の一例を示す図である。図3(a)に示すように、画面の枠301には、既に登録されているカテゴリーの名称が表示される。枠301の下側には、利用者区分の枠303が設けられ、枠303には編集対象のカテゴリーの名称が表示される。枠303の下には、「追加」、「編集」、「削除」および「キャンセル」の指示ボタンが表示されている。
【0027】
図3(a)の枠301に示すように、「父とドライブ」、「母とドライブ」、「子供とドライブ」および「友人とドライブ」のカテゴリーがナビゲーション装置10に利用者によって登録されている。利用者は、独りで車を使用する場合のカテゴリーを新規に登録するために、図3(a)に示す「追加」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は図3(b)に示す文字入力画面を表示部25に表示させる。
【0028】
図3(b)に示すように、文字入力画面には、文字入力枠305が表示され、その下に、50音の文字キーが表示されている。また、ひらがなを漢字に変換するための「漢字変換」、ひらがなをカタカナに変換するための「カナ変換」、入力した文字を1文字消去するための「1文字消去」、入力した文字列を登録するための「決定」、および、文字入力画面からカテゴリー編集画面に戻るための「戻る」の指示ボタンが表示されている。なお、50音の文字キーの他に、0から9の数字を入力するための数字キーが設けられていてもよい。
【0029】
利用者が、50音の文字キーと「漢字変換」および「カナ変換」のボタンを操作して文字入力枠305に「独りでドライブ」を入力した後、「決定」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、図3(a)に示した画面に戻って、枠303に「独りでドライブ」が記述された画面を表示する。
【0030】
図3(a)に示すように、枠303に「独りでドライブ」が表示された状態で、利用者が再度「追加」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、「独りでドライブ」のカテゴリーを枠301に表示させ、枠303からは「独りでドライブ」の文字列を消去する。
【0031】
なお、既に登録されているカテゴリーの名称を変更する場合には、次のように操作する。利用者は、枠301に表示されているカテゴリーのうち、編集対象となるカテゴリーの名称を選択すると、候補地情報管理部41は選択されたカテゴリーの名称を枠303に表示する。この状態で、利用者が「編集」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、図3(b)の文字入力画面を表示する。カテゴリーの名称の文字列の変更方法は、新規にカテゴリーを登録した場合と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
【0032】
また、既に登録されているカテゴリーを削除する場合には、利用者が、枠301に表示されているカテゴリーのうち、削除対象となるカテゴリーの名称を選択し、「削除」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーの情報を記憶部21から削除する。
【0033】
利用者が、カテゴリーの編集を終了し、「キャンセル」のボタンを選択すると、ナビゲーション装置10は、表示画面を図2に示すメインメニュー画面に戻す。
【0034】
次に、本実施形態のナビゲーション装置10における、目的地候補の登録方法を説明する。図4は目的地候補の登録方法の手順を示すフローチャートである。図5は目的地候補の検索および登録のための画面の一例を示す図である。図6は目的地候補の検索画面の一例を示す図である。ここでは、利用者が、釣り道具店を目的地候補として登録する場合を説明する。
【0035】
図2に示したメインメニュー画面において、利用者が「目的地候補の検索/登録」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、図5に示す画面を表示部25に表示させる。利用者が図5のカテゴリー区分の欄の右端にある三角印に触れると、登録されているカテゴリーの全てが表示される。利用者が、そのうちの1つを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーを目的地候補の検索/登録の対象となるカテゴリーに設定し(ステップ101)、そのカテゴリーの名称をカテゴリー区分の欄に表示部25に表示させる。図5に示す例では、カテゴリー区分の欄に「独りでドライブ」の名称が表示されており、「独りでドライブ」のカテゴリーが利用者によって選択されたことがわかる。
【0036】
続いて、図5に示す画面において、利用者が「目的地候補の検索」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、図6に示す検索画面を表示部25に表示させる。図6の検索画面に示す「名称」、「郵便番号」、「住所」および「電話番号」のそれぞれは、入力される情報を条件にして目的地候補を検索するための選択項目である。「マップコード」は、地図上の主要な場所毎に異なるコードが予め決められており、入力されるコードで特定される目的地候補を検索するための選択項目である。「施設」は、買い物や食事など、利用者の目的から目的地候補を検索するための選択項目である。「施設」が選択されると、「病院」、「飲食」、「店舗」、「公園」などの項目が選択可能に表示される。「その他」は、「名称」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「施設」および「マップコード」以外の方法で場所を検索するための選択項目である。
【0037】
利用者が、図6に表示された選択項目のうち、いずれか1つの項目を選択し、検索条件を入力すると、候補地情報管理部41は、検索条件に一致する場所があるか、地図データ211を検索する(ステップ102)。検索の結果、候補地情報管理部41は、検索条件に一致する場所として、MAP区分が「店舗」に属する「○○釣り道具店」を見つけると、図5のMAP区分の欄に「店舗」を表示部25に表示させ、地名または施設名の欄に「○○釣り道具店」を表示部25に表示させる。
【0038】
続いて、利用者が表示部25に表示された目的地候補を確認し、図5の画面に示す「登録」の項目を選択すると、候補地情報管理部41は、「○○釣り道具店」をカテゴリー「独りでドライブ」のカテゴリーデータ213に登録する(ステップ103)。
【0039】
なお、利用者はステップ102の検索結果に不満があれば、図5の画面に示す「キャンセル」のボタンを選択すればよい。「キャンセル」のボタンが選択されると、候補地情報管理部41は、MAP区分の欄に記述された情報と地名または施設名の欄に記述された情報を削除する。その後、利用者が、「目的地の検索」の項目を選択すれば、再度、目的地候補の検索を候補地情報管理部41に実行させることが可能となり、利用者がもう一度「キャンセル」のボタンを選択すれば、表示部25の表示が図2のメインメニュー画面に戻る。
【0040】
また、利用者が図5に示す画面で「区分の追加登録」を選択すると、候補地情報管理部41は、図3に示した画面を表示部25に表示させ、カテゴリーを新規に登録することが可能となる。
【0041】
次に、カテゴリーに対応して目的地候補が登録されたカテゴリーデータの記録テーブルの一例を説明する。図7はカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。
【0042】
図7に示すように、記録テーブルは、カテゴリーに対応して目的地候補の情報が登録されている。目的地候補の情報は、MAP区分、地名または施設名、および住所の情報を含む。図7に示すように、候補地情報管理部41は、地図データ211に含まれている、場所に関する情報と目的地候補を、利用者が登録したカテゴリーに関連を持たせてカテゴリーデータ213を作成し、カテゴリーデータ213を記憶部に格納している。
【0043】
なお、車両の使用目的の分類方法として、図3に示した例に限らない。趣味と仕事のカテゴリーで分類してもよい。この場合、「仕事」のリストには、自分が勤めている会社の支店、支社または事業所、取引先の会社などの場所が登録されてもよい。利用者の趣味が釣りであれば、「趣味」のリストに釣り場が登録されてもよい。
【0044】
次に、ナビゲーション装置10を操作して目的地を設定する方法を説明する。図8は目的地設定方法の手順を示すフローチャートである。図9は目的地設定のための画面の一例を示す図である。
【0045】
利用者がナビゲーション装置10を起動すると、ナビゲーション装置10の基本処理部31は、図2に示したメインメニュー画面を表示部25に表示させる。利用者が、図2に示した「目的地設定」を選択すると、基本処理部31は、図9に示す画面を表示部25に表示させる(ステップ201)。
【0046】
図9の画面に示す複数の選択項目のうち、「カテゴリー」は、本実施形態で追加された項目であり、利用者がカテゴリーから目的地を設定するための選択項目である。なお、「名称」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「施設」、「マップコード」および「その他」の選択項目については、図6で説明したのと同様であるため、これらの選択項目の詳細な説明を省略する。
【0047】
図9に示した画面において、複数の選択項目のうち、利用者がいずれかの項目を選択すると、基本処理部31は、「カテゴリー」が選択されたか否かを判定する(ステップ202)。利用者が「カテゴリー」の項目を選択すると、基本処理部31は、「カテゴリー」の項目が選択された旨を候補地情報管理部41に通知する。候補地情報管理部41は、カテゴリーを選択するための画面であるカテゴリー選択画面を表示部25に表示させる。
【0048】
図10はカテゴリー選択画面の一例を示す図である。図10には、登録されたカテゴリーの名称が記述された枠307と、複数の指示ボタンが表示されている。複数の指示ボタンには、利用者が枠307内から複数のカテゴリーを選択する場合の「複数選択」と、複数のカテゴリーを選択する場合に選択が終了した旨を入力するための「終了」と、枠307で選択したカテゴリーを設定する旨を入力するための「決定」と、図10の画面から図9の画面に戻るための「戻る」のボタンがある。
【0049】
ここでは、利用者が、子供と母親を車に乗せてドライブに行く際に目的地を設定する場合で説明する。利用者は、図10に示す画面の「複数選択」のボタンを選択する。続いて、利用者が、枠307に表示されたカテゴリーのうち、「子供とドライブ」を選択し、「決定」のボタンを選択する。図10は、「子供とドライブ」の項目がハイライトバーで表示され、「子供とドライブ」の項目が選択されたことを示している。さらに、利用者が、枠307に表示された「母とドライブ」のカテゴリーを選択し、「終了」のボタンを選択すると、候補地情報管理部41は、「子供とドライブ」のカテゴリーに対応して登録された目的地候補と「母とドライブ」のカテゴリーに対応して登録された目的地候補をリストにして表示部25に表示させる(ステップ203)。
【0050】
図11は目的地候補のリストの一例を示す図である。図11に示すリストは、図10で選択されたカテゴリーに対応する目的地候補のリストであり、ここでは、「母とドライブ」のカテゴリーの目的地候補および「子供とドライブ」のカテゴリーの目的地候補の両方が列挙されている。図7に示した記録テーブルを参照すると、図11に示すリストには、「母とドライブ」および「子供とドライブ」のそれぞれのカテゴリーに関する目的地候補のデータが記録テーブルから抜き出されて表示されている。
【0051】
利用者が図11に示す目的地候補のリストから1つを選択すると、候補地情報管理部41は、選択された目的地候補を目的地に設定する(ステップ204)。そして、候補地情報管理部41は、設定した目的地の情報を基本処理部31に通知する。
【0052】
ステップ203では、リストとして表示される場所がステップ202で選択されたカテゴリーに対応する情報に絞られるため、カテゴリーで分類せずに登録された場所が全て表示される場合よりも、リストから目的地候補を1つ選択する際の利用者の操作負担が軽減する効果が得られる。
【0053】
一方、ステップ202で、図9に示した目的地設定画面において、利用者が「カテゴリー」以外の項目を選択すると、基本処理部31は、選択された項目に対応する設定画面を表示部25に表示させ、その後、利用者により入力または選択される条件に一致する場所を検索し、条件に一致する場所を目的地に設定する(ステップ205)。その後、基本処理部31は、設定された目的地に基づいてナビゲーション処理を実行する。
【0054】
一般的なナビゲーション装置では、地図データに登録されている場所を検索する際、地名または施設名などの名称、住所または電話番号といった一般的な固有情報を直接入力する方法か、または、店舗や飲食など、メーカ側で予め決めたカテゴリー区分に基づいた情報区分からいずれかを選択して、行きたい場所を絞りこむ方法で行うしかなかった。
【0055】
これに対して、本実施形態では、車両の使用目的を基準にして利用者自身が目的地候補を複数のカテゴリーで分類して登録している。そのため、利用者は、目的地設定の際に、カテゴリーを選択すれば、カテゴリーに対応して登録した目的地候補だけが表示部に表示され、表示された目的地候補から1つを目的地に選択すればよいので、地図データに登録された大量の場所の情報から検索を行う必要がなく、目的地候補の検索データ検索効率が向上し、走行開始前の利用者の操作負担が軽減する。
【0056】
また、複数の目的地候補をカテゴリーで区分する際、車両の使用目的という基準に限らず、家族と行きたい場所、夜に行きたい場所、釣りに行きたい場所といった様な、利用者の嗜好や考えを基準にすることも可能である。カテゴリー区分の基準を利用者自身で自由に設定できるようにすることで、目的地検索の効率をより向上させることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
利用者は、複数の目的地を経由する道案内をナビゲーション装置に行わせる場合、車両を走行させる前に、最終目的地以外の目的地を経由地としてナビゲーション装置に設定していた。この場合、利用者は、最終目的地の検索と設定の操作を行った後、経由地についても検索と設定の操作を行わなければならず、検索および設定の操作を経由地の数だけ繰り返す必要があり、利用者にとって操作負担が大きかった。
【0058】
本実施形態は、ナビゲーション装置の道案内にしたがって車両の走行を開始した後でも、予め登録された目的地候補を経由地として簡単に追加できるようにしたものである。
【0059】
本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明する。図12は本実施形態のナビゲーション装置の一構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図12に示すように、本実施形態のナビゲーション装置11における制御部34の登録情報管理部35は、第1の実施形態で説明した候補地情報管理部41の他に、検索条件管理部43および追加案内処理部45を有する。
【0061】
検索条件管理部43は、利用者によって指定された検索条件と案内表示時間を次のように管理する。検索条件管理部43は、利用者によって入力される指示にしたがって、管理対象となる検索条件および案内表示時間の登録、更新および削除を行う。検索条件および案内表示時間は、カテゴリーに対応してカテゴリーデータ213に登録される。検索条件および案内表示時間の具体例については後述する。
【0062】
追加案内処理部45は、車両の進行に合わせて、指定された検索条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する。そして、追加案内処理部45は、検索条件に一致する目的地候補があると、その目的地候補を経由地の候補(以下では、経由地候補と称する)とし、経由地候補を経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせる。続いて、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定する旨の指示が入力されると、経由地に設定された経由地候補を基本処理部31に通知する。なお、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定するか否かの問い合わせに対して、予め決められた時間内に利用者から指示の入力がなければ、その問い合わせに対して回答がないものとして処理する。
【0063】
基本処理部31は、追加案内処理部45から経由地候補の情報を受け取ると、経由地候補を経由地とする経路を探索し、探索により求めた経路で最終目的地までナビゲーション処理を実行する。
【0064】
次に、経路に近い場所にある目的地候補を経由地の候補対象とするための検索条件の指定方法を説明する。図13は、目的地候補のリスト表示と経由地の検索条件の指定のいずれかを選択するための画面の一例を示す図である。
【0065】
図13に示す画面には、「目的地候補のリスト表示」と「経由地の検索条件の指定」の選択項目が表示されている。また、図13に示す画面から図10に示した画面に戻るための「戻る」の指示ボタンが表示されている。「目的地候補のリスト表示」は、第1の実施形態で図4を用いて説明した手順で登録された目的地候補のリストを表示させるための項目である。「経由地の検索条件の指定」は、カテゴリーに対応して登録された目的地候補に対して、経由地の候補対象とするか否かを決める条件を指定するための項目である。
【0066】
第1の実施形態で参照した図10の画面において、利用者がカテゴリーを選択すると、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーの情報を記憶部21に保存し、図13に示す画面を表示部25に表示させる。図13に示す画面において、利用者が「経由地の検索条件の指定」の項目を選択すると、検索条件管理部43は、検索条件を指定するための画面を表示部25に表示させる。
【0067】
図14は検索条件を指定するための画面の一例を示す図である。図14に示すように、画面には、カテゴリーの欄と、条件の欄と、案内表示時間の欄とが設けられている。利用者が、図14の条件の欄の右端の三角印に触れると、検索条件管理部43は、予め決められた複数の検索条件を表示部25に表示させる。検索条件とは、設定された経路を走行中の車両の位置からどのくらいの距離にある目的地候補を経由地候補にするか、その距離を示す。
【0068】
また、利用者が、図14の案内表示時間の欄の右端の三角印に触れると、検索条件管理部43は、予め決められた複数の案内表示時間を表示部25に表示させる。案内表示時間は、指定された検索条件に一致する目的地候補を経由地候補として表示部25が案内を表示する時間である。さらに、図14には、利用者が設定した検索条件を確定するための「OK」の指示ボタンと、図14の画面から図10の画面に戻るための「キャンセル」の指示ボタンが表示されている。
【0069】
検索条件管理部43は、図14に示す画面を表示部25に表示させる際、図10に示した画面で選択されたカテゴリーの情報を記憶部21から読み出し、そのカテゴリーの名称をカテゴリーの欄に表示部25に表示させる。この例では、図10の画面で利用者が「子供とドライブ」および「母とドライブ」の2つのカテゴリーを選択したので、図14のカテゴリーの欄には、「子供とドライブ」および「母とドライブ」が表示されている。また、図14に示すように、検索条件として「現在地から5km以内」という条件が選択され、案内表示時間として「30秒」が選択されている。
【0070】
なお、図13に示す画面で、利用者が「目的地候補のリスト表示」を選択すると、第1の実施形態と同様にして、候補地情報管理部41は、選択されたカテゴリーに対応する目的地候補のリストを表示部25に表示させる。図11は目的地候補のリストの一例である。
【0071】
次に、本実施形態のナビゲーション装置による道案内の手順を説明する。図15は本実施形態のナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、図14で説明した、検索条件の指定および案内表示時間の設定がされているものとする。
【0072】
利用者がナビゲーション装置11を操作して、第1の実施形態で説明した方法で目的地が設定されると、基本処理部31はナビゲーション処理を開始する(ステップ251)。
【0073】
追加案内処理部45は、一定時間毎に、目的地に到着したか否かを判定する(ステップ252)。目的地に到着していない場合、追加案内処理部45は、指定された検索条件に該当する経由地候補があるか否かを判定する(ステップ253)。
【0074】
ステップ253で経由地候補がある場合、追加案内処理部45は、経由地候補を表示部25に表示させ(ステップ254)、その経由地候補を経由地に設定するか否かを問い合わせる文字メッセージを表示部25に表示させる。また、表示だけでなく、追加案内処理部45は、その経由地候補を経由地に設定するか否かを問い合わせる旨の音声メッセージをスピーカ27を介して出力してもよい。
【0075】
図16は、道案内の画面の一例を示す図である。ここでは、目的地が○○○○病院に設定されている場合とする。図16に示す画面は、利用者に2つの情報を提供するためのツイン画面表示になっている。表示部25の画面全体が、地図を表示する画面である地図表示画面と、経由地候補の案内を表示する画面である案内画面との2つに分割されている。
【0076】
ステップ253の判定前では、図16の地図表示画面が表示部25に表示される。地図表示画面には、出発地から目的地の病院までの経路351がハッチングで示され、車両の現在位置を示す現在地マーク353がその経路上に表示されている。
【0077】
ファーストフードの店舗が「子供とドライブ」または「母とドライブ」のカテゴリーに目的地候補として予め登録されており、ステップ253において、その店舗が現在地から5km以内になっていると、追加案内処理部45は、地図表示画面の右側に案内画面を表示部25に表示させ、地図表示画面には経由地候補を表示部25に表示させる。
【0078】
図16に示すように、地図表示画面には、経由地候補としてファーストフードの店舗マーク355が表示されている。案内画面には、経由地候補を経由地に追加するか否かを利用者に問い合わせる旨の文字メッセージと、「OK」の指示ボタンが表示されている。
【0079】
追加案内処理部45は、案内表示時間に設定された「30秒」の時間だけ、案内画面を表示部25に表示させ、その間に経由地候補を経由地に設定する旨の指示があるか否かを判定する(ステップ255)。案内画面が表示されている間に、利用者が車を安全な場所に停止させ、案内画面の「OK」の指示ボタンに触れると、追加案内処理部45は、経由地候補を経由地に設定する旨の指示が入力されたと認識し、経由地に設定された経由地候補を基本処理部31に通知する。
【0080】
基本処理部31は、追加案内処理部45から経由地候補の情報を受け取ると、経由地候補を経由地とする経路を探索し、探索により求めた経路を目的地までの経路に設定し直す(ステップ256)。基本処理部31が経路の再設定を終了すると、追加案内処理部45は、ステップ252に戻る。このようにして、最終目的地までナビゲーション処理が実行される。
【0081】
なお、ステップ253で検索条件に一致する経由地候補がない場合、ステップ255で経由地候補が経由地に設定されない場合には、追加案内処理部45は、ステップ252の処理に戻る。案内表示時間が設定されている場合、経由地が設定されずに案内表示時間が経過すると、追加案内処理部45は、図16に示した案内画面を表示部25の画面上から消去する。
【0082】
また、地図表示画面に目的地の到着予定時刻を表示してもよい。図16の地図表示画面には、病院の到着予定時刻が21時25分であることが表示されている。これは、基本処理部31が経路を設定した際に、経路の全長と車の制限時速から到着予定時刻を算出して表示したものである。このようにして、到着予定時刻を表示する場合、ステップ255で利用者が経由地候補を経由地に設定すると、経路が変更され、到着予定時刻が最初に算出された時刻と異なることになる。
【0083】
このような場合、追加案内処理部45は、ステップ253で検索条件に一致する経由地候補があると判定すると、経由地候補の情報を基本処理部31に通知し、車が経由地候補を経由した場合の経路による到着予定時刻を基本処理部31に算出させてもよい。追加案内処理部45は、算出された到着予定時刻の情報を基本処理部31から受け取ると、改めて算出された到着予定時刻を案内画面に表示部25に表示させることが可能となる。図16に示す案内画面には、ファーストフードの店舗を経由地に追加した場合に最終目的地となる病院の到着予定時刻が21時35分になることが表示されている。利用者は、変更になった、病院の到着予定時刻を見て、案内に表示された場所を経由地に設定するか否かを決めることが可能となる。
【0084】
本実施形態では、車両の走行開始後であっても、経路途中にある目的地候補を経由地に設定するか否かの案内を受けることができるようになる。この仕組みにより、利用者は、地図データに登録された大量の場所の情報から経由地を検索して設定するという、走行開始前に必要であった操作の負担が軽減する。
【0085】
車両の走行開始前に目的地として設定されていない目的地候補は、利用者にとって興味のある場所にもかかわらず、その近くを走行していても、案内を受けることができないため、利用者が立ち寄る可能性を失っていた。これに対して、本実施形態では、利用者は、経路途中にある目的地候補を経由地に設定するか否かの案内を受けられるため、興味のある場所に立ち寄る機会を多く得られるようになる。
【0086】
また、利用者により経由地が設定されると、現在地から経由地を通って目的地に至る経路の設定が行われるので、利用者は、走行開始後に経由地を設定しても、変更に伴った道案内を受けることができる。
【0087】
さらに、経由地候補の案内に関して、カテゴリーに対応して登録された目的地候補を経由地候補の対象とするための条件および経由地候補の案内表示時間を利用者が指定できるようにしたことで、利用者は、案内対象とする目的地候補の範囲を自由に設定できるだけでなく、利用者自身にとって必要十分な案内表示を受けることができる。
【0088】
なお、本実施形態では、車両の進行に合わせて現在地から所定の距離の範囲にある経由地候補を利用者に通知し、経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせる場合を説明した。目的地が設定され、ナビゲーション装置が目的地までの経路を設定した後、車両の走行開始前に、経路からの距離が所定の距離の範囲にある経由地候補を表示部25に表示して、経由地に設定するか否かを利用者に問い合わせるようにしてもよい。この場合、利用者は、選択したカテゴリーに対応する目的地候補が経由地候補として表示され、そのうち経由地に設定したいものだけを選択すればよいので、経由地毎に検索および設定の操作を行う必要がなく、経由地設定のための操作負担が軽減する。
【0089】
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態で説明したカテゴリーを、利用者毎に管理するものである。本実施形態のナビゲーション装置の構成は、第1または第2の実施形態で説明した構成と同様であるため、その詳細な説明を省略し、上述の実施形態と異なる点について詳細に説明する。
【0090】
図17は本実施形態のナビゲーション装置で管理されるカテゴリーデータの記録テーブルの一例を示す図である。図17に示すように、本実施形態のカテゴリーデータは、第1または第2の実施形態で説明したカテゴリーの上位の階層に別のカテゴリーを設けた構成である。図17では、第1または第2の実施形態で説明したカテゴリーを第2のカテゴリーとし、本実施形態で新たに追加した階層のカテゴリーを第1のカテゴリーとしている。
【0091】
ここでは、第1のカテゴリーを車の利用者単位で分類した区分としている。記録テーブルには、利用者毎に異なる識別子である利用者識別子(不図示)が第1のカテゴリーの区分に対応して登録されている。第1のカテゴリーとして、区分名称が「自分」であるカテゴリーと、区分名称が「父」であるカテゴリーが図17に示されている。
【0092】
第1のカテゴリーが「自分」に対応する第2のカテゴリーが5つに区分され、「子供とドライブ」、「友人とドライブ」、「母とドライブ」および「独りでドライブ」の区分名称が図17に記載されている。この第2のカテゴリーは、車の使用目的という基準で分類されている。
【0093】
また、図17には、第1のカテゴリーが「父」に対応する第2のカテゴリーが4つに区分され、「行きたい」、「また行きたい」、「機会があれば」および「また行きたい」の区分名称が記載されている。この第2のカテゴリーは、どのくらい行きたいと思うかという、個人の気持ちを基準にして分類されている。このように、第2のカテゴリーにおいて、第1のカテゴリーで分類した利用者毎に、自由なカテゴリー区分を目的地候補に対して行うことが可能となる。
【0094】
なお、本実施形態では、第1のカテゴリーの区分名称が、1人の利用者を中心にした続柄で表現されているが、利用者を特定するための情報は、この場合に限らない。利用者を特定するための情報は、例えば、利用者の氏名であってもよい。
【0095】
次に、本実施形態のナビゲーション装置を操作して目的地を設定する方法を、図8を参照して説明する。
【0096】
図8に示すステップ201において、基本処理部31が、図9に示した画面を表示部25に表示させた後、利用者が「カテゴリー」の項目を選択すると、ステップ202において、候補地情報管理部41は、予め第1のカテゴリーに登録された、利用者を特定するための情報を表示部25に表示させる。表示された、利用者を特定するための情報のうち、利用者が自分自身を示す情報を選択すると、選択された情報に対応する利用者識別子が候補地情報管理部41に入力され、候補地情報管理部41は、この利用者識別子に対応する第2のカテゴリーを記憶部21から読み出し、第2のカテゴリーの選択画面の一例として、図10に示した画面を表示部25に表示させる。これ以降の処理は、第1の実施形態と同様なため、その説明を省略する。
【0097】
本実施形態では、目的地候補に対する、カテゴリーによる分類を階層化することで、利用者の嗜好で目的地候補を分類できる。そのため、ナビゲーション装置の操作負担がより軽減し、ナビゲーション効率がさらに向上する。
【0098】
なお、第1から第3の実施形態で説明した、目的地の設定、経路の設定、および経由地の設定に関する情報処理を、コンピュータに実行させることが可能である。そのため、これらの情報処理方法を実行させる情報処理装置は、図18に示すように、記憶部21、表示部25および制御部37を有する構成であればよい。図18に示す制御部37は、制御部30または制御部34に相当する。
【符号の説明】
【0099】
10、11 ナビゲーション装置
21 記憶部
25 表示部
27 スピーカ
30、34、37 制御部
33、35 登録情報管理部
41 候補地情報管理部
43 検索条件管理部
45 追加案内処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、該複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、該経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する、請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報が前記記憶部に予め登録され、
前記制御部は、前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する、請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録され、
前記制御部は、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる、請求項1から3のいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置による情報処理方法であって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する、情報処理方法。
【請求項6】
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、
その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、
前記経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する、請求項5記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報を前記記憶部に予め登録し、
前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する、請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる、請求項5から7のいずれか1項記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、
その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、
前記経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する処理を有する、請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報を前記記憶部に予め登録し、
前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する処理を有する、請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる処理を有する、請求項9から11のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項1】
目的地の候補である目的地候補が、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類されて登録された記憶部と、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、該複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する制御部と、
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、該経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する、請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報が前記記憶部に予め登録され、
前記制御部は、前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する、請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録され、
前記制御部は、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる、請求項1から3のいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置による情報処理方法であって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する、情報処理方法。
【請求項6】
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、
その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、
前記経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する、請求項5記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報を前記記憶部に予め登録し、
前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する、請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる、請求項5から7のいずれか1項記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
目的地の候補である目的地候補を、車両の使用目的に対応して複数のカテゴリーに分類して記憶部に登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力されると、前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を表示部に表示させ、
前記複数のカテゴリーのうちの1つが利用者により選択されると、選択されたカテゴリーに分類された前記目的地候補の情報を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させ、
表示された前記目的地候補のうち、利用者により選択される目的地候補を目的地に設定する処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記目的地を設定した後、該目的地までの経路を設定し、
その後、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記記憶部に予め登録された条件に一致する目的地候補があると、該目的地候補を経由地の候補である経由地候補として前記表示部に表示させ、
前記経由地候補を経由地に設定する旨の指示が利用者により入力されると、該経由地候補を経由して前記目的地に到達する経路を設定する処理を有する、請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記目的地候補が現在地から所定の距離の範囲にあることを前記条件とする情報を前記記憶部に予め登録し、
前記車両の走行開始後、一定時間毎に、選択されたカテゴリーに分類された目的地候補のうち、前記条件に一致する目的地候補があるか否かを判定する処理を有する、請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記複数のカテゴリーが利用者毎に異なる利用者識別子に対応して前記記憶部に予め登録し、
目的地を設定する旨の指示が利用者により入力され、続いて、前記利用者識別子が利用者により入力されると、該利用者識別子に対応して登録された前記複数のカテゴリーのそれぞれの名称を前記表示部に表示させる処理を有する、請求項9から11のいずれか1項記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−99694(P2011−99694A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252923(P2009−252923)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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