説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション方法

【課題】 地図データ上の目標物と現実世界の目標物との実在状態に相違が存在しても、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行う。
【解決手段】 この発明は、地図上のある地点を案内する際に目印となる目標物ごとに、実在スコアを用いることにより、地図データ上の目標物の実在状態を考慮して案内対象地点の案内を生成するので、地図データ上の目標物と現実世界の目標物との実在状態に相違があっても経路を誤らないような案内を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の運転者に対し、進行方向の変更地点や変更方向などを提示し、目的地までの道順を案内するナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や徒歩などでの移動者に対して、進行方向を変更する地点や変更すべき方向などを提示して、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置が広く普及してきた。移動者への経路案内は、進行方向を変更する地点(以後、案内対象地点と称す)に既定の距離まで到達した地点で「およそ300m先、右方向です。」のように距離と方向を提示する方法が一般的である。
しかし、車速などの車両状況、あるいは道路周辺の状況、さらには個人の感覚の相違などにより、距離だけでは案内対象地点の的確な把握が困難である。案内対象地点を的確に把握できないと、経路を間違える恐れがある。
これに対して、従来、案内対象地点付近に存在する建築物など、移動者が確認しやすい目標物(ランドマークと称す)を用いて案内を行う方法が提案されている。
【0003】
特許第3919855号(特許文献1)には、交差点に存在するランドマーク情報を記憶した道路地図データベースから、進入する交差点に存在するランドマークを選定し、選定したランドマークが交差点通過時点に移動体の進行方向側に存在する場合には「当該ランドマークのカドを」、そうでない場合には「当該ランドマークのある交差点を」との言い回しで案内を行うナビゲーション装置が開示されている。
特許文献1によれば、ランドマークとして選定したガソリンスタンドを巻き込むように車両が進む場合には、「300m先、ガソリンスタンドのカドを右方向です。」との表現で案内が行われる。また、ランドマークとして選定したコンビニを巻き込むようには車両が進行しない場合には、「300m先、コンビニのある交差点を左方向です。」というように、距離だけでなく目標物を使ったより分かりやすい案内を行うことができる。
【0004】
さらに、特許第3279986号(特許文献2)には、分岐点付近のランドマークを検出するランドマーク検出部と、検出されたランドマークの運転者から見た分岐点に対する位置関係を区別するランドマーク位置判断部と、音声ガイダンスを行おうとしている時間で確認できるランドマークに優先順位をつけてテーブル化されたランドマーク優先順位・有効時間テーブルに基づいて、ランドマーク検出部で検出された何れのランドマークを音声ガイダンスするかを決定する最適ランドマーク決定部を持つナビゲーション装置が開示されている。
特許文献2によれば、例えば21時に案内を行っていて、分岐点にカーディーラーとコンビニエンスストアとが存在した場合、営業が終わっているカーディーラーよりも営業中で確認しやすいコンビニエンスストアを優先して案内する。また、運転者との位置関係も考慮して案内するので、「左側手前にコンビニエンスストアがあります。」のように、運転者にとって分かりやすい案内を行うことができる。
【0005】
また、特許第3579613号(特許文献3)には、地図データから抽出した各ランドマーク候補の占有面積および周囲長に基づいて所定数以下のランドマークを選択するランドマーク選択処理を持つ案内地図要約方法が開示されている。
特許文献3によれば、ランドマークが占有する面積に比較して周囲長が長いランドマークを優先的に選択することにより、ナビゲーションの支援に有効となるランドマークが案内地図内に簡明に記入され、運転者の経路把握の効率を高めて誤った経路選択の可能性を低下させることができる。
【0006】
さらにまた、特開2002−116046号(特許文献4)には、車両の周囲の視界の程度に応じて目標物を変更するナビゲーション装置が開示されている。
特許文献4によれば、日中や晴天で視界が良い場合には、目標物として、大きな建物である「○○銀行」を設定し、夜間や雨等で視界が悪化した場合には、ライトが明るく点灯される「△△ガソリンスタンド」や「××コンビニ」等を選択する。これにより、より視認性の良い目標物を用いた案内を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3919855号公報
【特許文献2】特許第3279986号公報
【特許文献3】特許第3579613号公報
【特許文献4】特開2002−116046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した従来の技術により、距離だけではなく目標物を用いて運転者にとって分かりやすい案内を実現することができる。しかし、目標物に関する情報を格納した地図データは、案内を行っている時点での現実世界と必ずしも正確に一致しているとは限らない。
そのため、前述のいずれの従来の技術によっても、古い地図データ上の目標物と現実世界の目標物との実在状態の相違により、提示された案内では運転者が案内対象地点を把握できず、経路を誤るという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、地図データ上の目標物と現実世界の目標物との実在状態に相違が存在しても、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるナビゲーション装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るナビゲーション装置は、
地図上のある地点を案内する際に目印となる目標物ごとに、該目標物が存在することの確実さを示す実在スコアが記憶されている実在スコア記憶手段と、
前記案内の際に用いる目標物の実在スコアが、所定の閾値に満たない場合は、該目標物を用いずに前記案内の際の案内情報を生成する案内生成手段と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、実在スコアを用いることにより、地図データ上の目標物の実在状態を考慮して案内対象地点の案内情報を生成するので、地図データ上の目標物と現実世界の目標物との実在状態に相違があっても経路を誤らないような案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における地図情報記憶手段に記憶された目標物情報の一例を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1における実在スコア記憶手段103に記憶された目標物ごとの実在スコアの一例を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1における実在スコア記憶手段103に記憶された種別ごとの実在スコアの一例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1における進行中の車両とその経路を模式的に示した説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1における目標物候補抽出手段が抽出した目標物候補の説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1における目標物選択手段が選択した目標物の説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1における案内生成手段における案内文の雛型の一例を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態1における目標物候補抽出手段が抽出した目標物候補の説明図である。
【図11】この発明の実施の形態1における目標物選択手段が選択した目標物の説明図である。
【図12】この発明の実施の形態2における実在スコア記憶手段103に記憶された地図の領域ごとの実在スコアの一例を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態2における目標物候補抽出手段が抽出した目標物候補の説明図である。
【図14】この発明の実施の形態2における目標物選択手段が取得した目標物候補の実在スコアの説明図である。
【図15】この発明の実施の形態3における案内生成手段における案内文の雛型の一例を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態4におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図17】この発明の実施の形態4における目標物表現記憶手段に記憶された目標物の表現の一例を示す説明図である。
【図18】この発明の実施の形態5における案内生成手段における案内文の雛型の一例を示す説明図である。
【図19】この発明の実施の形態6におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図20】この発明の実施の形態7におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図21】この発明の実施の形態7における実在スコア更新手段によって更新された後の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図22】この発明の実施の形態8におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図23】この発明の実施の形態8における地図情報の更新における目標物の更新内容の一例を示す説明図である。
【図24】この発明の実施の形態8における地図情報の更新における目標物の種別ごとの「追加」「削除」の個数を示す説明図である。
【図25】この発明の実施の形態8における更新頻度記憶手段に記憶された更新頻度の一例を示す説明図である。
【図26】この発明の実施の形態8における更新頻度算出手段によって算出された更新頻度の一例を示す説明図である。
【図27】この発明の実施の形態8における実在スコア更新手段が参照する更新頻度と実在スコアの関係の一例を示す説明図である。
【図28】この発明の実施の形態8における実在スコア更新手段によって更新された後の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図29】この発明の実施の形態9におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図30】この発明の実施の形態9における実在スコア更新手段によって更新された後の目標物ごとの実在スコアの一例を示す説明図である。
【図31】この発明の実施の形態9における実在スコア更新手段によって更新された後の種別ごとの実在スコアの一例を示す説明図である。
【図32】この発明の実施の形態9における目標物選択手段が取得した目標物の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図33】この発明の実施の形態10におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図34】この発明の実施の形態10における実在スコア更新手段によって更新された後の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図35】この発明の実施の形態11におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図36】この発明の実施の形態11における実在スコア更新手段によって更新された後の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図37】この発明の実施の形態11における目標物選択手段が取得した目標物の実在スコアの一例を示す説明図である。
【図38】この発明の実施の形態12におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図39】この発明の実施の形態12における目標物一覧情報取得手段に設定されたURLのリストの一例を示す説明図である。
【図40】この発明の実施の形態12における目標物一覧情報取得を保持しているWebページの一例を示す説明図である。
【図41】この発明の実施の形態13におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図42】この発明の実施の形態13における閾値設定手段の一例を示す説明図である。
【図43】この発明の実施の形態14におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図44】この発明の実施の形態14における利用可否設定手段の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す構成図である。
地図情報記憶手段101は、目標物の名称及び種別(目標物を分類するための種類)の少なくとも一方と、目標物の位置からなる目標物情報を含む道路地図情報を記憶する。
目標物とは、自動車の運転者に対して、進行方向の変更地点や変更方向などを提示する際の案内対象地点付近に存在する建築物など、運転者が確認しやすい対象物である。
道路地図情報とは、少なくとも道路情報(交差点の名称を含む)と目標物情報を含む。
目標物候補抽出手段102は、経路案内に利用する目標物の候補を地図情報記憶手段から抽出する。
実在スコア記憶手段103は、目標物の実在性を表す実在スコア(存在することの確実さ)として、目標物ごとの実在スコアおよび種別ごとの実在スコアを記憶する。
【0014】
目標物選択手段104は、目標物候補抽出手段102により抽出された目標物の候補の中で、実在スコア記憶手段103に記憶されている実在スコアが最大でかつ予め定めた閾値以上の目標物候補を、経路案内に用いる目標物として選択する。
案内生成手段105は、目標物選択手段104が選択した目標物の実在スコアが、確実に存在することを意味する値の場合、該目標物を用いた経路案内を生成し、それ以外の場合には目標物を用いない経路案内を生成する。
経路案内とは、経路の案内文や経路の案内に用いる目標物を表す図形情報やアイコン情報(地図データに含まれない案内用の目印)といった案内情報のことを示す。
案内提示手段106は、案内生成手段105で生成された経路案内に従って聴覚的(音声ガイド)および視覚的(画面表示)に案内を行う。
【0015】
次に動作について説明する。
図2は、地図情報記憶手段101に記憶された目標物情報の一例を示している。
目標物番号は、目標物個別に与えられ目標物を一意に同定できる番号である。
名称は、目標物固有の名称である。例えば、目標物番号「1」の目標物は「○○マート新東京店」という固有の名称を持っている。
種別は、目標物が属する種別を表す。例えば、目標物番号「1」の目標物は「コンビニ」という種別に属している。なお、図中に示した種別は「学校」「銀行」「ファミリーレストラン」「衣料品店」であるが、目標物を分類するための種別はこれらに限定されるものではない。また、種別間に階層的な関係があってもよい。例えば種別「レストラン」があり、それを細分化した「ファミリーレストラン」「寿司屋」「焼肉屋」などの種別があってもよい。
【0016】
位置は、目標物の存在する位置を表す。例えば、目標物番号「1」の目標物は緯度35度67分56秒、経度139度77分01秒の位置に存在することを意味する。なお、緯度・経度による位置情報は一例であり、目標物の位置を特定できるものであれば、緯度・経度以外の位置情報(番地など)を用いてもよい。
また、図2は、地図情報記憶手段101に記憶された目標物情報の一部分であり、これ以外の目標物も記憶されている。
【0017】
図3は、実在スコア記憶手段103に記憶されている、目標物ごとの実在スコアの一例を示しており、目標物番号ごとに実在スコアが規定されている。本実施の形態では、実在スコアは0から1までの実数値とし、数値が大きいほど実在性が高いことを意味するものとする。したがって、1は確実に存在することを意味し、0は確実に存在しないことを意味するものとする。図中で、実在スコアがハイフンとなっているものは、目標物個別の実在スコアが規定されていないことを表す。
例えば、目標物番号「2」の「新東京小学校」には実在スコアとして1.0を規定している。これは例えば、「新東京小学校」が創立100年以上の学校である、などの目標物固有の事実を踏まえて与えることができる。
なお、図3は実在スコア記憶手段103に記憶された目標物ごとのと実在スコアであり、これ以外の目標物に対する実在スコアも記憶されている。
【0018】
一方、図4は、実在スコア記憶部に記憶された種別ごとの実在スコアの一例を示している。例えば、種別「学校」には1.0という値を規定している。これは例えば、役所・学校などの公共施設が無くなることは極めて少ない、という事実を踏まえて与えられるものである。一方で、新規出店や閉店が頻繁に生じる「コンビニ」に対しては、0.5という実在スコアを規定している。
なお、図4は実在スコア記憶手段103に記憶された種別ごとの実在スコアであり、これ以外の種別に対する実在スコアも記憶されている。
【0019】
図5は、進行中の車両とその経路を模式的に示したものである。図中の直線(太線、細線)は道路を表し、直線上の三角(a,b,c)は進行中の車両を表している。また、図中の数字(1〜6)を伴った黒丸は目標物と目標物番号を表しており、目標物番号は図2に対応している。図中の二重丸は右左折が必要な経路上の案内対象地点(交差点)を表す。
以下、車両が交差点Aを右折する経路を進行中で、交差点Aの手前で案内を提示すべきタイミングである交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)を例に動作を説明する。
図6は、この発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
まず、目標物候補抽出手段101が、経路案内に利用する目標物の候補を地図情報記憶手段101から抽出する(ステップS1)。目標物の候補の抽出には、分岐点付近のランドマークを検出するランドマーク検出などを行えばよい。ここでは、案内対象地点である交差点A付近の目標物候補として、図7に示す3個の目標物候補が抽出されたものとする。
【0020】
次に、目標物選択手段104は、目標物候補抽出手段102が抽出した目標物の候補に対する実在スコアを、実在スコア記憶手段103から取得し(ステップS2)、目標物の候補の中で最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物の候補を、経路案内に用いる目標物として選択する(ステップS3)。本実施の形態では、予め規定した閾値が0.8の場合を例に説明する。
目標物選択手段104は、図7の目標物の候補に対する実在スコアを実在スコア記憶手段103から取得する。例えば、目標物の候補「新東京小学校」の実在スコアとして、図3に示す目標物ごとの実在スコアから1.0を取得する。
また、目標物の候補「○○マート新東京店」の実在スコアとしては、図3の目標物ごとの実在スコアには規定されていないため、図4の種別ごとの実在スコアから0.5を取得する。同様にして、図7の全ての目標物候補に対する実在スコアを取得した結果を図8に示す。目標物選択手段104は、目標物候補中最大でかつ予め規定された閾値0.8以上の実在スコアを持つ目標物候補である「新東京小学校」を経路案内に用いる目標物として選択する。
目標物個別の実在スコアと種別の実在スコアがある場合は、目標物個別の実在スコアを優先して目標物の実在スコアとして採用する。
【0021】
案内生成手段105は、前記目標物選択手段が選択した目標物の実在スコアが、確実に存在するか否かを判断し(ステップS4)、確実に存在することを意味する値1.0の場合は、該目標物を用いた案内を生成する(ステップS5)。すなわち、「新東京小学校」の実在スコアは1.0であるため、「新東京小学校」を用いた案内文を生成する。
案内文の生成は、例えば図9に示すような案内文の雛型を用いることで実現できる。図中の${距離}、${目標物}、${方向}は置き換えるべき項目を表しており、現在の動作説明の例では、距離が「300メートル」、目標物が「新東京小学校」、方向が「右方向」なので、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という案内文を生成する。
【0022】
案内提示手段106は、上記の案内文を音声によって提示する(ステップS7)。あるいは、上記案内文をナビゲーション装置の画面上に表示してもよい。
あるいは、案内生成手段105は「新東京小学校」を表す図形情報やアイコン情報(地図データに含まれない案内用の目印)を生成して、案内提示手段106はそれらを地図上に表示してもよい。
続いて、案内提示手段106の提示した案内に従って車両が交差点Aを右折して次の案内対象地点である交差点Bへ向かって進行し、案内を提示すべきタイミングである交差点Bの300メートル手前に差し掛かった時(図5のbの三角)に、目標物候補抽出手段102が、案内地点である交差点B付近の目標物の候補として、図10の目標物候補を抽出したとする。
【0023】
目標物選択手段104は、目標物の候補に対する実在スコアを実在スコア記憶手段103から取得し、図11を得る。目標物番号4の〇〇レストラン新東京店は、図1の目標物個別の実在スコアが規定されていないため、種別「ファミリーレストラン」の実在スコア0.8を取得する。目標物番号5のジーンズ〇〇新東京店は、目標物個別の実在スコアを優先して、図1の目標物個別の実在スコアが0.7を取得し、図2の種別「衣料品店」の実在スコア0.6は取得しない。
そして、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値0.8以上の実在スコアを持つ目標物の候補である「○○レストラン新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択する。
【0024】
案内生成手段105は、前記目標物選択手段104が選択した目標物「○○レストラン新東京店」の実在スコアが、確実に存在するか否かを判断し(ステップS4)、確実に存在することを意味する値1.0ではない場合は、目標物を用いない案内を生成する(ステップS6)。すなわち、図9に示す案内文の雛型を用い、「およそ300メート先、左方向です。」という案内文を生成する。案内提示手段106は、交差点Aの場合と同様に案内生成手段105が生成した案内文を音声によって提示する(ステップS7)。
また、地図上に表示する「○○レストラン新東京店」の案内用の目印は表示しない。
【0025】
以上のように、地図情報に含まれる目標物情報から目標物候補抽出手段102が目標物候補を抽出し、目標物選択手段104が、実在スコア記憶手段103に記憶された目標物ごとの実在スコアおよび種別ごとの実在スコアを参照して、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物候補を選択する。そして、案内生成手段105が、選択された目標物の実在スコアが確実に存在することを意味する値の場合のみ、該目標物を用いた経路案内を生成し、それ以外の場合には目標物を用いない経路案内を生成する。
そのため、地図データを数年間更新せずに古い情報の地図データでナビゲーションを利用する場合でも、例えば、案内地点の目標物となる「コンビニ」が既に存在しなかった場合に、「コンビニ」を目標物として「コンビニの角を左です」という案内が行われて、運転者が、コンビニが見えるまで直進してしまうということがなく、運転者に経路を誤らせないような案内を行うことができる。
即ち、目標物を用いた経路案内をするナビゲーション装置において、道路地図情報に含まれる目標物が、現実には既に存在しない場合に、既に存在しない目標物の提示で、運転者が案内対象地点を間違えることがなく、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0026】
実施の形態2.
実施の形態2は、実在スコア記憶手段103に、地図の領域ごとの実在スコアが記憶されていること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアに加えて、図12に示す地図の領域ごとの実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.8で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、実施の形態1と同様に図1の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0027】
図12は、地図の領域ごとの実在スコアの一例を示す図である。例えば、緯度が35度69分00秒から35度70分00秒、経度が139度77分30秒から139度79分00秒の領域では、全ての目標物の実在スコアを0.5とすることが規定されている。
【0028】
図5に示す経路を車両が進行し、交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102は、実施の形態1と同様に動作して図7の目標物候補を出力する。
目標物選択手段104は、実在スコア記憶手段103に記憶された図3、図4および図12の実在スコアを参照して、各目標物候補の実在スコアを得る。実在スコアを参照する優先順位は、個別目標物毎の実在スコア、領域の実在スコア、種別の実在スコアの順である。
図7の目標物候補は全て図12に規定された領域には含まれないため、実施の形態1と同様に、図8の実在スコアを取得して「新東京小学校」を目標物として選択する。
案内生成手段105および案内提示手段106は、実施の形態1と同様に動作して、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)も同様であり「およそ300メートル先、左方向です。」という経路案内が提示される。
【0029】
次いで、右折すべき交差点Cの手前300メートルの経路案内タイミング地点に差し掛かり、目標物候補抽出手段102が図13に示す目標物候補を抽出したとする。目標物選択手段は、実在スコア記憶手段103に記憶された図3、図4および図12の実在スコアを参照して目標物候補の実在スコアを得る。
目標物番号「6」の「○○ショップ新東京店」の位置は、緯度35度69分50秒、経度139度78度09秒で、図12に規定された地図上の領域内に位置する。したがって、目標物選択手段104は、目標物候補の実在スコアとして図14を得る。予め規定した閾値0.8以上の実在スコアを持つ目標物候補が存在しないため、目標物選択手段104は選択結果無しという結果を出力する。
案内生成手段105は、選択された目標物が存在しないため、目標物を用いない経路案内を生成する。その結果、案内生成手段105および案内提示手段106は実施の形態1と同様に動作し、「およそ300メートル先、右方向です。」という経路案内が提示される。
【0030】
以上のように、道路地図情報に含まれる目標物情報から目標物候補抽出手段102が目標物候補を抽出し、目標物選択手段104が、実在スコア記憶手段103に記憶された目標物ごとの実在スコアおよび地図の領域ごとの実在スコアおよび種別ごとの実在スコアを参照して、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物候補を選択する。
そのため、開発中の市街区地域など領域単位で現実世界の変化が激しく目標物情報との相違が大きい場合には、領域単位で目標物を用いない経路案内を行うことにより、現実には既に存在しない目標物の提示で運転者が案内対象地点を間違えることがなく、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態3は、目標物選択手段104によって選択された目標物の実在スコアが、確実に存在することを意味する値1.0ではない場合に、目標物の存在が確実でないことを意味する表現による経路案内を案内生成手段105が生成すること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.8で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図15である場合を例に、実施の形態1と同様に図1の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0032】
図5に示す経路を車両が進行し、交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102から案内提示手段106までは、実施の形態1と同様に動作して「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内を提示する。
次いで、車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かった場合、目標物候補抽出手段102および目標物選択手段104は、実施の形態1と同様に動作し「○○レストラン新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択する。
【0033】
案内生成手段105は、前記目標物選択手段104が選択した目標物「○○レストラン新東京店」の実在スコアが、閾値0.8以上で、確実に存在することを意味する値1.0ではないため、目標物の存在が確実でないことを意味する表現による経路案内を生成する。すなわち、図15に示す案内文の雛型を用い、実在スコアが閾値0.8以上で1.0未満の場合は、「およそ300メート先、左方向です。○○レストラン新東京店が見えるかもしれません。」という案内文を生成する。
案内生成手段105が案内を生成する際に、実在スコアが確実に存在することを意味する値1.0であった場合には、目標物を用いた案内「およそ300メートル先、〇〇レストランを左方向です。」という案内文を生成し、実在スコアが閾値よりも小さい場合は、目標物を用いない案内「およそ300メートル先、左方向です。」という案内文を生成する。
【0034】
案内提示手段106は、上記の案内文を音声によって提示する。あるいは、上記案内文をナビゲーション装置の画面上に表示してもよい。
あるいは、案内生成手段105は目標物の存在が確実でないことを意味する表現として、該目標物の図形情報やアイコン情報(地図データに含まれない案内用の目印)の色を薄くしたり、半透明にしたり、輪郭をぼかしたりするなどして、案内提示手段106がそれらを地図上に表示してもよい。
【0035】
以上のように、目標物選択手段104の選択した目標物の実在スコアが、確実に存在することを意味する値ではない場合に、案内生成手段105が、目標物の存在が確実でないことを意味する表現による経路案内を生成する。そのため、経路案内に用いた目標物が現実には既に存在しない場合にも、その可能性を予め運転者へ伝えることで、運転者が案内対象地点を間違えることがなく、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0036】
実施の形態4.
図16は、この発明の実施の形態4を示す構成図である。
実施の形態4は、実在スコアに応じて目標物を表現するデータを規定した目標物表現記憶手段107を備え、目標物選択手段104の選択した目標物の実在スコアが、確実に存在することを意味する値ではない場合に、案内生成手段105は、目標物表現記憶手段107を参照して実在スコアに応じた目標物を表現するデータを取得し、該目標物表現を用いた経路案内を生成すること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.8で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図16の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0037】
図17は、目標物表現記憶手段107に記憶された目標物を表現するデータの一例を示している。一つの目標物に対して、音声提示用の表現と、表示提示用の表現が規定されている。
例えば目標物番号「1」の行では、実在スコアが1.0の場合は音声提示用には「○○マート新東京店」という表現が規定されており、表示提示用には、「○○マート」のアイコンと「新東京店」というキャプションを表示することが規定されている。「○○マート」のアイコンとは、「○○マート」のマークをかたどったアイコンで、一目で「○○マート」であることがわかるようなものである。同様に、実在スコアが0.9以上1.0未満の場合には、音声提示用には「○○マート」と表現が規定され、表示提示用には「○○マート」のアイコンのみを提示することが規定されている。
【0038】
実在スコアが0.8以上0.9未満の場合には、音声提示用には「コンビニ」という表現が規定されており、表示提示用には「コンビニ」のアイコンのみを提示することが規定されている。「コンビニ」のアイコンとは、「○○マート」や「○○ショップ」などのコンビニ会社の区別なく、コンビニ一般を意味するようなアイコンである。
このように、図17の例では、目標物の実在スコアが低くなるにつれ表現の具体性を低くし、より一般的な概念で表現するように規定している。
なお、図17は目標物表現の一部分であり、これ以外の目標物に対する表現も規定されている。
【0039】
以下、図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)の動作は実施の形態1と同様で、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。
次いで、車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かったとする。このとき、車両走行の前日に目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」は営業形態が変更され、名称が「和食○○新東京バイパス店」に変わっていたものとする。
【0040】
目標物候補抽出手段102および目標物選択手段104は、実施の形態1と同様に動作し、目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択する。目標物「○○レストラン新東京店」の実在スコアは0.8で、確実に存在することを意味する値1.0ではないため、案内生成手段105は、図17の実在スコアに応じた目標物を表現するデータを参照して、目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」の音声提示用の表現として、実在スコア0.8以上0.9未満に規定されている「ファミリーレストラン」を取得する。そして、図9の案内文の雛型を参照して「およそ300メート先、ファミリーレストランを左方向です。」という経路案内を生成し、案内提示手段106が経路案内を提示する。
【0041】
また、案内生成手段105は、目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」の表示用の表現として、実在スコア0.8以上0.9未満に規定されている「アイコン:ファミリーレストラン、キャプション:(なし)」を取得し、案内提示手段106が、地図上の目標物の位置にファミリーレストランを表すアイコンを表示する。
【0042】
以上のように、実在スコアに応じて目標物を表現するデータを規定した目標物表現記憶手段107を備え、目標物選択手段104の選択した目標物の実在スコアが、確実に存在することを意味する値ではない場合、案内生成手段105は、目標物表現記憶手段107を参照して実在スコアに応じた目標物を表現するデータを取得し、該目標物表現を用いた経路案内を生成する。
そのため、洋食から和食などへの営業形態の変更頻度の高いファミリーレストランや、経営会社の変更頻度の高いコンビニエンスストアなどに対して、目標物情報中の名称などの具体的な情報が現実世界と異なっていても、目標物をより一般的な概念で表現することで現実世界とのずれが生じなくなり、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0043】
実施の形態5.
実施の形態5は、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物候補が、確実に存在することを意味する実在スコアではない場合、目標物選択手段104が、予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ複数の目標物候補を経路案内に用いる目標物として選択し、案内生成手段105が、複数の目標物を用いた経路案内を生成すること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図18である場合を例に、実施の形態1と同様に図1の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0044】
以下、図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)の動作は実施の形態1と同様で、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。
車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かったとする。このとき、車両走行の2週間前に目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」が閉店して建物が取り壊され、既に存在しなくなっているものとする。
目標物候補抽出手段102は、実施の形態1と同様に動作し、図10の目標物候補を抽出する。目標物選択手段104は、実施の形態1と同様に動作し、目標物候補の実在スコアとして図11を取得する。
【0045】
さらに、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物候補が、確実に存在することを意味する実在スコアではない場合、目標物選択手段104は、予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ複数の目標物候補を経路案内に用いる目標物として選択する。
図11の例の場合、目標物番号「4」の実在スコアは0.8、目標物番号「5」の実在スコアは0.7であり、いずれも確実に存在することを意味する1.0ではなく、いずれも閾値0.7以上である。したがって、目標物選択手段104は目標物番号「4」および「5」の2つの目標物を、経路案内に用いる目標物として選択する。
案内生成手段105は、図18の雛型を用いて「およそ300メートル先、○○レストラン新東京店かジーンズ○○新東京店を左方向です。」という経路案内を生成し、案内提示手段106が、案内生成手段105の生成した経路案内を音声で提示する。
【0046】
以上のように、目標物候補中最大でかつ予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ目標物候補が、確実に存在することを意味する実在スコアではない場合、目標物選択手段104は、予め規定した閾値以上の実在スコアを持つ複数の目標物候補を経路案内に用いる目標物として選択する。そして、案内生成手段105は、存在する確率の高い複数の目標物を用いた経路案内を生成するため、現実には既に実在しなくなっている目標物のみでの経路案内を防止することができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0047】
実施の形態6.
図19は、この発明の実施の形態6を示す構成図である。
実施の形態6は、利用者の代替案内要求を受け付ける代替案内要求入力手段108を備え、案内生成手段105が、代替案内要求が入力されるたびに、実在スコアの高い順に目標物を変更して経路案内を生成すること以外、実施の形態5と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図19の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態5と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0048】
代替案内要求入力手段108は、公知の様々な入力方法によって実現できる。一例としては、ナビゲーション装置の表示機器上(図示せず)にボタンを表示して、該ボタンを選択する方法がある。ボタンの選択には、表示機器をタッチパネルによって構成してタッチ入力により選択すればよい。
あるいは、ナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置をリモートコントロールできる機器に設けたメニュー選択スイッチにより選択してもよい。
また、ナビゲーション装置に音声認識機能を備え、運転者による例えば「他の案内」などの発話を認識して、これにより代替案内要求入力を行ってもよい。
【0049】
以下、図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)の動作は、実施の形態5と同様で、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。
車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かったとする。このとき、車両走行の2週間前に目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」が閉店して建物が取り壊され、既に存在しなくなっているものとする。
目標物候補抽出手段102および目標物選択手段104は、実施の形態5と同様に動作して、図10に示す目標物番号「4」および「5」の2つの目標物が経路案内に用いる目標物として選択される。案内生成手段105は、目標物番号「4」および「5」の目標物のうち、実在スコアが最も大きい目標物番号「4」を用いた経路案内「およそ300メートル先、○○レストラン新東京店を左方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0050】
運転者は、提示された経路案内「およそ300メートル先」という距離から左折すべき交差点のおよその見当をつけたものの、「○○レストラン新東京店」を確認できず、見当をつけた交差点に確信が持てない状況になったとする。
このとき、運転者が、代替案内要求入力手段108により他の目標物に替えた代替案内を要求する代替案内要求を入力したとする。なお、目標物番号「4」を用いた案内提示から代替案内要求が入力されるまでに車両が100メートル進み、代替案内要求が入力された時点で交差点B手前200メートルの位置に到達していたものとする。
代替案内要求が入力106されると、案内生成手段105は、実在スコアの高い順に目標物を変更して経路案内を生成する。
図11中の目標物のうち、目標物番号「4」の次に実在スコアが高いのは目標物番号「5」の目標物である。したがって、案内生成手段105は目標物番号「5」を用いた経路案内「およそ200メートル先、ジーンズ○○新東京店を左方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0051】
以上のように、代替案内要求が入力されるたびに、案内生成手段105は実在スコアの高い順に目標物を変更して経路案内を生成するため、既に存在せずに運転者が確認できない目標物を用いた経路案内を行った場合にも、異なる目標物による代替案内を提供する。
このように、運転者が確認できる目標物による経路案内が行えるため、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0052】
実施の形態7.
図20は、この発明の実施の形態7を示す構成図である。
実施の形態7は、代替案内要求入力手段108に代替案内要求が入力された場合、該代替案内要求を生じせしめた経路案内に用いられた目標物あるいは種別の少なくとも一方の実在スコアを減少させることで、実在スコア記憶手段103に記憶された実在スコアを更新する実在スコア更新手段109を備えること以外、実施の形態6と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図20の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態6と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0053】
以下、図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)の動作は実施の形態6と同様で、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。
車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かったとする。このとき、車両走行の2週間前に目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」が閉店して建物が取り壊され、既に存在しなくなっているものとする。
【0054】
実施の形態6と同様に経路案内「およそ300メートル先、○○レストラン新東京店を左方向です。」が提示され、運転者が代替案内要求を入力したとする。代替案内要求が入力されると、実在スコア更新手段109は、代替案内要求を生じせしめた目標物の実在スコアを実在性のない値に減少させる。実施の形態7では、実在スコアを0とするものとする。
代替案内要求を生じせしめた目標物は、目標物番号「4」の「○○レストラン新東京店」である。実在スコア記憶手段103に記憶された目標物番号「4」の実在スコアは、図3に示すように値が規定されていない。実在スコア更新手段109は、これを値0に更新し、実在スコア記憶手段103に記憶された目標物ごとの実在スコアは、図21に示すものとなる。
一方、代替案内要求が入力されると案内生成手段105は実施の形態6と同様に動作して、経路案内「およそ200メートル先、ジーンズ○○新東京店を左方向です。」が提示される。 これによって、運転者は交差点Bを誤らずに左折する。
【0055】
前述の車両走行の1週間後に、再び同じ経路で交差点Bの300メートル手前に差し掛かったとする。目標物候補抽出手段102は、実施の形態6と同様に動作し、図10の目標物候補を抽出する。
次に、目標物選択手段104は、図21に示す目標物ごとの実在スコアから、目標物番号「4」の実在スコアとして0を、目標物番号「5」の実在スコアとして0.7を取得する。そして、実在スコアが候補中最大でかつ規定された閾値0.7以上の目標物として、目標物番号「5」の「ジーンズ○○新東京店」を選択する。
案内生成手段105は、目標物「ジーンズ○○新東京店」を用いた経路案内「およそ300メートル先、ジーンズ○○新東京店を左方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0056】
以上のように、代替案内要求入力手段108に代替案内要求が入力された場合、実在スコア更新手段109が、該代替案内要求を生じせしめた経路案内に用いた目標物あるいは種別の少なくとも一方の実在スコアを減少させることで、実在スコア記憶手段103に記憶された実在スコアを更新する。そのため、運転者が有効と感じなかった目標物を以降の経路案内において用いないようになり、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0057】
実施の形態8.
図22は、この発明の実施の形態8を示す構成図である。
実施の形態8は、地図情報の更新における目標物の更新頻度を算出する更新頻度算出手段110を備え、更新頻度を記憶する更新頻度記憶手段111を備え、更新頻度に基づいて実在スコアを更新する実在スコア更新手段を備えること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図22の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0058】
図23は、地図情報の更新における目標物の更新内容の一例を示すものである。
更新方法の列が「削除」である目標物は地図情報更新によって削除される目標物を表し、「追加」である目標物は地図情報更新によって追加される目標物を表している。
なお、図23は更新内容の一部分を示しており、これ以外にも「削除」や「追加」された目標物が存在するものとする。
また、目標物に関する情報として、種別のみを示しているが位置情報やその他関連する情報を含んでもよい。図23は表形式での例を示しているが、データの記述形式は表形式に限定されるものではなく、XML(Extensible Markup Language)などの表記を用いてもよい。
【0059】
更新頻度算出手段110は、目標物の更新内容から目標物の更新頻度を算出する。
図25は、図24から得られた目標物の種別ごとの「追加」「削除」の個数を示している。このような個数は図24を数え上げることで得ることができる。変更総数は「追加」と「削除」の和である。なお、図25に示した種別は全体の一部分であり、図25に示した種別のみに限定されるものではない。
変更総数を地図情報の更新の度に算出して変更総数の累積和を求め、地図情報の更新回数で除することで、地図情報の更新1回あたりの目標物の種別ごとの平均更新件数を求めることができる。そのようにして求めた平均更新件数を、目標物の更新頻度として更新頻度記憶手段111に記憶する。
例えば、図25に示した内容が更新頻度記憶手段111に記憶されている場合に、地図情報の更新が行われ、図24の変更総数であったとする。このとき、図25のコンビニの更新頻度1325と、図24のコンビニの変更総数1017の和を2で除した1171となる。他の種別に対しても同様であり、図26に示す内容を新たな更新頻度として算出して更新頻度記憶手段111に記憶する。
また、更新頻度算出手段110は、一回の地図更新での目標物の「追加」や「削除」の目標物の種別ごとの変更総数をそのまま更新頻度として算出し、更新頻度記憶手段111に記憶してもよい。
【0060】
実在スコア更新手段109は、更新頻度記憶手段111に記憶された更新頻度に基づいて目標物の種別に対する実在スコアを更新する。図27は、実在スコア更新に用いる更新頻度と実在スコアの関係の一例を示すものである。
図27では、更新頻度が1000以上の場合には実在スコアを0.5に更新し、更新頻度が750以上1000未満の場合は実在スコアを0.6に更新することが規定されている。また、更新頻度が500以上750未満の場合は実在スコアを0.7に更新し、更新頻度が250以上500未満の場合は実在スコアを0.8に更新し、更新頻度が50以上250未満の場合は実在スコアを0.9に更新し、更新頻度が0以上50未満の場合は実在スコアを1.0に更新することが規定されている。
実在スコア更新手段109は図26と図27に基づき、実在スコア記憶手段103に記憶された図4の種別ごとの実在スコアを、図28に示す実在スコアに更新する。
【0061】
なお、実在スコア更新のための更新頻度と実在スコアの関係は、図27だけに限定されるものではなく、頻度の範囲やそれに対する実在スコアの値はこれ以外でもよい。また、単に実在スコアを対応付けるだけでなく、更新頻度に対して実在スコアをどれくらい減少させるかという変化率(例えば、更新頻度1000以上であれば実在スコアを−0.1する、更新頻度750であれば実在スコアを−0.2するなど変化させる割合)を規定してもよい。
地図情報更新に伴って前述したように実在スコアの更新が行われた後、図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。
交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)の動作は実施の形態1と同様で、「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」という経路案内が提示される。
【0062】
次に、車両が交差点Bの300メートル手前(図5のbの三角)に差し掛かったとする。目標物候補抽出手段102は、実施の形態1と同様に動作し、図10の目標物候補を抽出する。目標物選択手段104は、図3の実在スコアを参照し目標物番号「5」の実在スコアとして0.7を取得する。一方、目標物番号「4」の実在スコアは図3に規定されていないため、種類ごとの実在スコアである図28を参照して、目標物番号「4」の種別「ファミリーレストラン」の実在スコア0.6を取得する。
目的物候補中最大で閾値0.7以上の実在スコアを持つものは、目標物番号「5」の「ジーンズ○○新東京店」であり、目標物選択手段104は、これを経路案内に用いる目標物として選択する。
案内生成手段105は、実施の形態1と同様に動作し、経路案内「およそ300メートル先、ジーンズ○○新東京店を左方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0063】
以上のように、更新頻度算出手段110が、地図情報の更新における目標物の更新頻度を算出して更新頻度記憶手段111がそれを記憶し、実在スコア更新手段109が更新頻度に基づいて実在スコアを更新するため、現実世界を反映した地図情報の更新における目標物の更新頻度に基づいた実在スコアを設定でき、実在の変化がより少ない目標物を用いた経路案内が行えるようになり、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0064】
実施の形態9.
図29はこの発明の実施の形態9の構成図である。
実施の形態9は、実在スコア更新手段109が、地図情報を更新していない期間に基づいて実在スコアを減少させることで、実在スコア記憶手段103に記憶された実在スコアを更新すること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図29の構成を用いて動作を説明する。また、地図情報記憶手段101には、地図の更新日時が記憶されているものとする。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0065】
実在スコア更新手段109は、地図情報記憶手段101に記憶された地図の更新日時と現在の日時を比較し、地図情報を更新していない期間Tを求める。例えば、地図情報記憶手段101に記憶された地図の更新日時が2009年1月1日で、現在の日時が2010年1月1日の場合、地図情報を更新していない期間Tは365日と求まる。
実在スコア更新手段109は、例えば SS=S−T/365×0.1という式により更新後の実在スコアを算出する。ここでSSは更新後の実在スコア、Sは更新前の実在スコア、Tは地図情報を更新していない日数とする。
更新後の実在スコアSSは、1年の日数365に対する地図情報を更新していない日数Tの割合に対して減少させる実在スコア0.1を掛けた値を更新前の実在スコアSから減算した値となる。
図3の目標物ごとの実在スコアを例に説明すると、目標物番号「2」の実在スコアは、1.0−365/365×0.1より0.9と算出される。
また、実在スコア更新手段109は、所定の係数ε、更新されなかった期間Tとしてε×Tを更新前の実在スコアから減算するとしてもよい。
【0066】
同様に図4の種別ごとの実在スコアの「コンビニ」については、0.5−365/365×0.1より0.4と算出される。同様に全てについて更新後の実在スコアを算出すると、目標物ごとの実在スコアは図30に示すものとなり、種別ごとの実在スコアは図31に示すものとなる。これらを実在スコア記憶手段103に記憶する。
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102は実施の形態1と同様に動作して図6の目標物候補を抽出する。
【0067】
目標物選択手段104は、図6の3つの目標物候補の実在スコアを実在スコア記憶手段103に記憶された図30および図31から取得する。例えば、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」の実在スコアは図30には規定されていないので、図31の「コンビニ」から0.4を取得する。同様に他の2つの目標物候補の実在スコアを取得して、図32の結果を取得する。そして、候補中最大で閾値0.7以上の実在スコアを持つ目標物番号「2」の「新東京小学校」を経路案内に用いる目標物として選択する。
案内生成手段105は、「新東京小学校」の実在スコアが、確実に存在することを意味する値1.0ではないため、目標物を用いた案内は生成しない。すなわち、図9に示す案内文の雛型を用い、「およそ300メート先、右方向です。」という経路案内を生成する。案内提示手段106は、経路案内を提示する。
【0068】
以上のように、実在スコア更新手段109が、地図情報を更新していない期間に基づいて実在スコアを減少させることで、実在スコア記憶手段103に記憶された実在スコアを更新するために、地図更新を行わない期間が長くなるにつれて、目標物を用いた経路案内を行わないようになるために、現実には既に実在しなくなっている目標物を用いた経路案内を防止することができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0069】
実施の形態10.
図33は、この発明の実施の形態10の構成図である。
実施の形態10は、目標物候補抽出手段102が抽出した目標物候補に対して、該目標物候補の近傍の交差点名を地図情報記憶手段101から抽出する交差点名抽出手段112を備え、目標物候補の名称が該抽出した交差点名に含まれる場合、実在スコア記憶手段103に記憶された該目標物候補の実在スコアを、確実に存在することを意味する値1.0に更新する実在スコア更新手段109を備えること以外、実施の形態1と同じである。
【0070】
以下、実在スコア記憶手段103に図30および図31に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図33の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0071】
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段は、実施の形態1と同様に動作して、図8の目標物候補を抽出する。
交差点名抽出手段112は、図7の目標物候補の近傍交差点として、案内対象地点である交差点Aの名称を地図情報記憶手段101に記憶された地図情報から取得する。取得した交差点Aの名称が「新東京小学校南側」であったとする。
【0072】
実在スコア更新手段109は、目標物候補の名称が交差点Aの名称に含まれているか否かを判定する。図7の3つの目標物候補のうち、名称が交差点Aの名称「新東京小学校南側」に含まれているのは、目標物番号「2」の「新東京小学校」のみである。したがって、実在スコア更新手段は、目標物番号「2」の実在スコアを、確実に存在することを意味する値1.0に更新する。その結果、実在スコア記憶手段103に記憶されている目標物ごとの実在スコアは図34に示すものとなる。
【0073】
続いて目標物選択手段104は、図31および図34の実在スコアを参照して各目標物候補の実在スコアを取得し、経路案内に用いる目標物として実在スコア1.0である目標物番号「2」の「新東京小学校」を選択する。案内生成手段105および案内提示手段106は実施の形態1と同様に動作して、経路案内「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」が提示される。
【0074】
以上のように、交差点名抽出手段112が、目標物候補抽出手段102が目標物を抽出した案内地点の交差点名を地図情報記憶手段101から抽出し、実在スコア更新手段109が、目標物候補の名称が該抽出した交差点名に含まれる場合、実在スコア記憶手段103に記憶された該目標物候補の実在スコアを、確実に存在することを意味する値に更新する。そのため、交差点名に利用されるような非常に恒久性の高い目標物を用いた経路案内を行うことができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0075】
実施の形態11.
図35はこの発明の実施の形態11の構成図である。
実施の形態11は、走行中の車両の周辺画像を撮影する周辺画像撮影手段113を備え、周辺画像から目標物候補抽出手段102が抽出した目標物候補を認識する目標物認識手段114を備え、目標物認識手段114の認識結果に基づいて、実在スコア記憶手段103に記憶された該目標物候補の実在スコアを更新する実在スコア更新手段109を備えること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図35の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0076】
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102は実施の形態1と同様に動作して、図7の目標物候補を抽出する。
周辺画像撮影手段113は、車両から周辺の画像を撮影し、目標物認識手段114は、周辺画像から目標物候補抽出手段102が抽出した目標物候補を認識する。
【0077】
目標物認識手段114によって、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」と目標物番号「2」の「新東京小学校」が認識されたとする。実在スコア更新手段109は、これら2つの目標物の実在スコアを、確実に存在することを意味する値1.0に更新する。その結果、目標物ごとの実在スコアが図36に示すものとなる。
なお、画像認識技術においては、認識結果の確からしさを表す認識結果スコアを出力させることも一般的に可能である。したがって、目標物認識手段114が目標物候補ごとに認識結果スコアを出力するように構成し、実在スコア更新手段109は、認識結果スコアに応じた値で実在スコアを更新するようにしてもよい。
例えば、認識結果スコアが1〜100とし、数値が大きいほど確からしいスコアとすると、実在スコア0〜1.0に対応させて、認識結果スコア1であれば実在スコア0、認識結果スコアが100であれば実在スコア1.0、認識結果スコアが50であれば実在スコア0.5のように正規化して対応させる。
【0078】
目標物選択手段104は、実在スコア記憶部103に記憶された図36および図4から、図7の3つの目標物候補の実在スコアとして、図37を取得する。候補中最大で閾値0.7以上の実在スコアを持つ目標物は、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」と目標物番号「2」の「新東京小学校」の2つである。したがって、目標物選択手段104は別の基準によって目標物を選択する。別の基準とは、距離や営業時間などを用いればよい。ここでは、車両と目標物の距離を選択基準とし、車両から最も近い目標物番号「1」の「○○マート新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択したとする。
案内生成手段105は、実施の形態1と同様に動作して経路案内「およそ300メートル先、○○マート新東京店を右方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0079】
以上のように、周辺画像撮影手段113が撮影した走行中の車両の周辺画像から、目標物候補抽出手段102が抽出した目標物候補を目標物認識手段114によって認識し、目標物認識手段114の認識結果に基づいて、実在スコア更新手段109が実在スコア記憶手段103に記憶された該目標物候補の実在スコアを更新する。そのため、現実に存在することが確認できた目標物を用いた経路案内を行うことができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0080】
実施の形態12.
図38は、この発明の実施の形態12の構成図である。
実施の形態12は、インターネット上のWebページから目標物一覧情報115(例えば店舗一覧情報)を取得する目標物一覧情報取得手段116を備え、一覧情報の中に必要な情報がある目標物について、実在スコア記憶手段103に記憶された実在スコアを、確実に存在することを意味する値1.0に更新する実在スコア更新手段109を備えること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.7であり、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図38の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0081】
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102は、実施の形態1と同様に動作して、図7の目標物候補を抽出する。
目標物一覧情報取得手段116は、インターネット上のWebページから目標物候補抽出手段102によって抽出された目標物候補に関する目標物一覧情報115を取得する。例えば、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどの経営企業の多くは、自社のWebサイトにおいて店舗検索や店舗一覧のWebページを提供している。目標物一覧情報取得手段116に、これらのWebページのURL(Uniform Resource Locator)のリストを記憶しておくことで、インターネットを通じて店舗の一覧情報を取得することが可能である。
目標物一覧情報取得手段116による目標物一覧情報115の取得は、経路を検索(経路計算)している時であってもよい。
【0082】
図39は、目標物一覧情報取得手段116に設定されているURLのリストである。例えば、コンビニの「○○マート」の店舗一覧WebページのURLとして、http://○○mart.jp/info/tenpo/が設定されている。図40は、前述のURLが示す「○○マート」の店舗一覧情報Webページの一例を示している。店舗情報として「都道府県」「店舗名」「住所」が記述されている。このようなWebページは一般にHTML(Hyper Text Markup Language)によって記述されている。HTMLを解析して必要な情報を抽出する公知の方法が存在するため、このようなWebページから「店舗名」や「住所」を抽出することが可能である。
【0083】
目標物一覧情報取得手段116は、図7の目標物候補のうち、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」に関する目標物一覧情報として、図40の「○○マート」店舗一覧情報を取得する。Webページを解析した結果、店舗名に「新東京店」が含まれているため、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」の実在スコアを1.0に更新する。図7の目標番号「2」の小学校と「3」の○○銀行については、一覧情報のURLは規定されていないため、情報の取得は行なわず、実在スコアの更新も行わない。その結果、目標物ごとの実在スコアは図36のように更新される。
【0084】
目標物選択手段104は、実在スコア記憶手段103に記憶された図36および図4から、図7の3つの目標物候補の実在スコアとして、図37の実在スコアを取得する。候補中最大で閾値0.7以上の実在スコアを持つ目標物は、目標物番号「1」の「○○マート新東京店」と目標物番号「2」の「新東京小学校」の2つである。したがって、目標物選択手段は別の基準によって目標物を選択する。別の基準としては、距離や営業時間などを用いればよい。ここでは、車両と目標物の距離を選択基準とし、車両から最も近い目標物番号「1」の「○○マート新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択したとする。
案内生成手段105は、実施の形態1と同様に動作して経路案内「およそ300メートル先、○○マート新東京店を右方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0085】
以上のように、目標物一覧情報取得手段116がインターネット上のWebページから目標物一覧情報115を取得し、実在スコア更新手段109が、一覧情報中に存在する目標物の実在スコアを、確実に存在することを意味する値に更新するため、確実に存在する目標物を用いた経路案内を行うことができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0086】
実施の形態13.
図41は、この発明の実施の形態13の構成図である。
実施の形態13は、目標物選択手段104で用いる実在スコアの閾値を利用者が設定できる閾値設定手段117を備え、前記案内生成手段105は、前記目標物選択手段104が選択した目標物を用いた経路案内を生成すること以外、実施の形態1と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図41の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態1と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0087】
図42は閾値設定手段117の一例を示している。ナビゲーション装置の表示画面(図示せず)の上に3つの選択肢を表示し、選択された選択肢に対応する閾値を設定する。たとえば、「確実に存在する目標物のみ利用」の場合、閾値を1.0に設定する。「ほぼ確実に存在する目標物のみ利用」の場合、閾値を0.8以上に設定する。「存在しない可能性のある目標物も利用」の場合、閾値を0.5に設定する。
閾値設定の手段としては、この他にも、閾値を直接数値で入力したり、設定ファイルに格納しておき、そこから読み出したりしてもよい。
利用者が、図42に示した閾値設定手段117で「存在しない可能性のある目標物も利用」を選択し、閾値が0.5に設定されたとする。
【0088】
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、実施の形態1と同様に動作して経路案内「およそ300メートル先、新東京小学校を右方向です。」が提示される。
次いで、交差点Bの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のbの三角)、目標物候補抽出手段102は、実施の形態1と同様に動作して図10の目標物候補を抽出する。目標物選択手段104は、実施の形態1と同様に動作して図10の実在スコアを取得する。目標物候補中最大で閾値0.5以上の実在スコアを持つ「○○レストラン新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択する。
【0089】
案内生成手段105は、目標物選択手段104が選択した目標物「○○レストラン新東京店」を用いた経路案内「およそ300メートル先、○○レストラン新東京店を左方向です。」を生成し、案内提示手段106が提示する。
利用者が、図42に示した閾値設定手段117で「ほぼ確実に存在する目標物のみ利用」を選択し、閾値が0.8に設定されたとして、目標物選択手段104によって選択される目標物がない場合は、距離と方向だけを示す経路案内を生成する。
【0090】
以上のように、閾値設定手段117により目標物選択手段104で用いる実在スコアの閾値を利用者が設定でき、案内生成手段105は目標物選択手段104が選択した目標物を用いた経路案内を生成するため、経路案内に用いられている目標物が「確実に存在している」「もしかしたら存在しないかもしれない」ということを利用者が把握した上で経路案内がなされる。そのため、現実には既に存在しない目標物を用いた経路案内を行った場合でも、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【0091】
実施の形態14.
図43は、この発明の実施の形態14の構成図である。
実施の形態14は、経路案内への目標物の利用可否を目標物あるいは種別ごとに設定する利用可否設定手段118を備え、前記目標物選択手段104は、前記利用可否設定手段118で利用不可と設定された目標物あるいは種別を選択の対象から除外すること以外、実施の形態3と同じである。
以下、実在スコア記憶手段103に図3および図4に示す実在スコアが記憶されており、地図情報記憶手段101には図2の目標物情報が記憶されており、目標物選択手段104での実在スコアに対する閾値が0.5で、案内生成手段105で用いる案内文の雛型が図9である場合を例に、図43の構成を用いて動作を説明する。なお、実施の形態3と動作が同じ場合には説明を省略する。
【0092】
図44は、利用可否設定手段118の一例を示している。ナビゲーション装置の表示画面(図示せず)の上に目標物の種別の一覧を表示し、経路案内に用いる目標物種別を設定する。図44の例では、「コンビニ」と「ファミリーレストラン」のみが経路案内に用いる目標物種別として選択されている。
目標物を利用可否設定する場合は、地図上でその目標物を指定する、音声でその目標物を指定するなどして利用可否設定を行う。
【0093】
図5に示す経路を車両が進行している場合を例に、動作について説明する。交差点Aの300メートル手前に差し掛かった場合(図5のaの三角)、目標物候補抽出手段102は、実施の形態3と同様に動作し、図7に示す3つの目標物候補を抽出する。目標物選択手段104は、図44に示す利用可否設定手段118で設定された「コンビニ」「ファミリーレストラン」以外の種別の目標物候補を選択の対象から除外する。すなわち、目標物番号「2」「3」の2つの候補は選択の対象から除外され、目標物番号「1」候補のみ選択の対象となる。
目標物選択手段104は、候補中最大で閾値0.5以上の実在候補を持つ目標物「○○マート新東京店」を経路案内に用いる目標物として選択する。
案内生成手段105は、実施の形態3と同様に動作して「およそ300メートル先、右方向です。○○マート新東京店が見えるかもしれません。」という経路案内を生成し、案内提示手段106が提示する。
【0094】
以上のように、利用可否設定手段118により、経路案内への目標物の利用可否を目標物あるいは種別ごとに設定し、目標物選択手段104は、利用不可と設定された目標物あるいは種別を選択の対象から除外するため、経路案内に用いられる目標物あるいは種別を運転者が予め把握することができ、運転者が案内対象地点を的確に把握し、経路を誤らないような案内を行えるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0095】
101 地図情報記憶手段、102 目標物候補抽出手段、103実在スコア記憶手段、104目標物選択手段、105 案内生成手段、106 案内提示手段、107 目標物表現記憶手段、108 代替案内要求入力手段、109 実在スコア更新手段、110 更新頻度算出手段、111 更新頻度記憶手段、112 交差点名抽出手段、113 周辺画像撮影手段、114 目標物認識手段、115 目標物一覧情報、116 目標物一覧情報取得手段、117 閾値設定手段、118 利用可否設定手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上のある地点を案内する際に目印となる目標物ごとに、前記目標物が存在することの確実さを示す実在スコアが記憶されている実在スコア記憶手段と、
前記地点を案内する際に用いる前記目標物の実在スコアが、所定の閾値に満たない場合は、前記目標物を用いずに前記地点を案内する案内情報を生成する案内生成手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記実在スコア記憶手段は、前記目標物ごと,前記目標物を分類する種類の種別ごとまたは地図上の領域毎に実在スコアを記憶することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内生成手段は、前記目標物の実在スコアが所定の閾値に満たない場合は、前記目標物の存在が確実でない表現で案内情報を生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記目標物の実在スコアに応じて、目標物を表現するデータを具体的な表現から一般的な概念の表現に規定して記憶する目標物表現記憶手段を備え、
前記案内生成手段は、前記目標物の実在スコアに応じて前記目標物表現記憶手段から目標物を表現するデータを取得し、前記実在スコアに応じた目標物の表現で案内情報を生成することを特徴とする請求項1〜請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記目標物に対する実在スコアを前記実在スコア記憶手段から取得し、所定の閾値以上の実在スコアをもつ複数の目標物を選択する目標物選択手段を備え、
前記案内生成手段は、前記目標物選択手段で選択された複数の目標物を用いた案内情報を生成することを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記案内生成手段によって生成された案内情報で用いられている目標物以外の目標物での案内情報を要求する代替案内要求入力手段を備え、
前記案内生成手段は、前記代替案内要求入力手段によって代替案内が要求されると、次に実在スコアの高い目標物に変更して案内情報を生成することを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記実在スコア記憶手段に記憶された実在スコアを更新する実在スコア更新手段を備え、
前記実在スコア更新手段は、前記代替案内要求入力手段で代替案内を行うように指定された前記目標物の実在スコアを実在性のない値に更新することを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
地図情報の更新で、削除または追加された目標物の変更総数を目標物の種別ごとの更新頻度として算出する更新頻度算出手段と、
前記更新頻度算出手段によって算出された更新頻度を記憶する更新頻度記憶手段を備え、
前記実在スコア更新手段は、前記更新頻度記憶手段に記憶されている更新頻度が所定の値より高い目標物について、前記実在スコア記憶手段に記憶されている実在スコアを実在性のない値に更新することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記実在スコア更新手段は、地図情報が更新されなかった期間に比例した値を更新前の実在スコアから減算した値に実在スコアを更新することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記目標物選択手段が選択した目標物に対して、前記目標物が抽出された案内地点の交差点名を地図情報から抽出する交差点名抽出手段を備え、
前記実在スコア更新手段は、前記目標物の名称が前記抽出した交差点名に含まれる場合、前記目標物の実在スコアを実在性のある値に更新することを特徴とする請求項7〜請求項9記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記移動体の周辺画像を撮影する周辺画像撮影手段と、
前記周辺画像撮影手段によって撮影された周辺画像から前記目標物選択手段が選択した目標物候補を認識する目標物認識手段を備え、
前記実在スコア更新手段は、前記目標物認識手段の認識結果に基づいて目標物の実在スコアを更新することを特徴とする請求項7〜請求項10記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
目標物に関する情報をインターネットから取得する目標物一覧情報取得手段を備え、
前記実在スコア更新手段は、前記目標物一覧取得手段が取得した目標物の一覧情報に目標物が存在することのわかる情報がある場合は、前記目標物の実在スコアを実在性のある値に更新することを特徴とする請求項7〜請求項11記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記目標物選択手段で目標物を選択するための実在スコアの閾値を設定する閾値設定手段を備え、
前記目標物選択手段は、前記閾値設定手段によって設定された閾値の実在スコアによって目標物を選択し、
前記案内生成手段は、前記目標物選択手段が選択した目標物を用いた案内情報を生成することを特徴とする請求項1〜請求項12記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
目標物を使った案内情報にするか否かを目標物または目標物の種別ごとに設定する利用可否設定手段を備え、
前記目標物選択手段は、前記利用可否設定手段で利用不可と設定された目標物または目標物の種別を目標物として選択しないことを特徴とする請求項1〜13記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
経路に沿って移動する移動体で、前記移動体が移動する目的地までの経路を案内するナビゲーション装置のナビゲーション方法において、
前記目的地までの経路を案内するための案内文や地図上の目印に関する案内情報で、案内地点を案内する際に前記目印となる目標物ごとに、前記目標物が存在することの確実さを示す実在スコアが記憶されている実在スコア記憶手段から、前記経路を案内するために抽出された前記目標物の候補に関する実在スコアを取得し、取得した各目標物候補の実在スコアが所定の閾値を満たすか否かを判断し、満たさなければ、前記目標物の候補を用いずに前記案内地点での案内情報を生成することを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2011−106862(P2011−106862A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259851(P2009−259851)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】