説明

ナビゲーション装置の経路探索方法

【課題】 右左折にかかる時間を適切に考慮して経路探索する。
【解決手段】
ナビゲーション装置は、各分岐点におけるコストを記憶する。分岐点のコストは、過去に収集された交通情報をもとに、統計処理して求められたものであり、収集条件ごとに分類されている。経路探索は、分岐点通過時の状況に対応する収集条件の分岐点のコストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の推奨経路探索処理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、右左折時の所要時間を考慮して経路探索を行うナビゲーション装置が記載されている。特許文献1の技術では、一律に定められた右左折時の所要時間を、リンク旅行時間に加算し、総旅行時間が最少となる経路を探索する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−162243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、右左折時の所要時間は実際には一律ではない。右左折時の所要時間は、交差点の種類、時間帯等によって異なる。したがって、特許文献1の技術では、右左折時の所要時間を適切に考慮した経路探索ができるとは限らない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、より正確に右左折時の所要時間を考慮し、推奨経路を探索することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明のナビゲーション装置の経路探索方法は、ナビゲーション装置の記憶装置に、各分岐点におけるコストを記憶させる。そして、経路探索の際、分岐点ごとのコストを考慮して、コストが最少となる経路を探索する。
【0007】
例えば、ナビゲーション装置は、地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有する。前記リンク間接続コストは、分岐点ごとに、分岐点通過時の状況に対応させて記憶されている。そして、前記ナビゲーション装置は、前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応するリンク間接続コストとを用いて、総コストが最少となる経路を探索する。
【0008】
具体的には、前記ナビゲーション装置は、地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有する。そして、前記ナビゲーション装置は、前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する。
【0009】
また、前記ナビゲーション装置は、分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストを用いて、分岐方向に対応する渋滞度を求め、求めた渋滞度を表示するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置1000の概略構成図である。図示するように、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、データ記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13とを有する。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データをデータ記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、データ記憶装置3に記憶されている地図データおよび統計交通データを用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0014】
データ記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データ310、統計交通データ320等が記憶されている。
【0015】
図2は、地図データ310の構成を示す図である。地図データ310は、地図上の領域を区分けしたメッシュ領域の識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ312を含む。
【0016】
リンクデータ312は、リンクの識別コード(リンクID)3121ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報3122、リンクを含む道路の種別情報3123、リンクの長さを示すリンク長情報3124、リンクの旅行時間情報3125、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)3126などを含む。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。リンク旅行時間3125は、リンク長、制限速度等の地図情報から求められたものであり、後述する過去の交通情報から統計処理して求めた統計交通データ320に含まれる旅行時間とは異なる。リンク旅行時間情報3125は、データ上、省略することが可能である。その場合は、道路種別3123及びリンク長情報3124などからそのリンクの旅行時間を生成するようにしてもよい。
【0017】
リンクデータ312は、右折車線、左折車線、直進車線等の車線の存在、その配置等に関する情報も含む。
【0018】
また、地図データ310には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。
【0019】
図3は、統計交通データ320の構成を示す図である。統計交通データ320は、メッシュ領域のメッシュID321ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクの交通情報統計データ(過去に収集された交通情報の統計値)322を含む。メッシュID321は、地図データ310のメッシュID311と同じものを用いている。交通情報統計データ322は、収集条件3221、3222及びリンクID3223に対応した交通情報統計値3224を含む。各リンクのリンクID3223は、地図データ310のリンクID3121と同じものを用いている。
【0020】
収集条件には、日の種類3221と天気の種類3222とがある。日の種類3221は、交通情報統計値3224が異なる傾向を示す単位毎に定められている。日の種類3221としては、休日前の平日「平日(休日前)」、休日明けの平日「平日(休日後)」、盆、正月などといった特異日前の平日「平日(特異日前)」、特異日明けの平日「平日(特異日後)」、その他の平日「平日(一般)」、特異日の初日「休日(特異日初め)」、特異日の終日「休日(特異日終り)」、その他の休日「休日(一般)」などがある。
【0021】
収集条件の天気の種類3222は、交通情報統計値3224が異なる傾向を示す単位毎に定められている。天気の種類3222としては、「晴れ・曇り」、「雨」、「大雨」、「雪」、「大雪」などがある。
【0022】
交通情報統計値3224は、統計処理により求められた時間帯毎のリンク旅行時間3225及び接続旅行時間情報3326を含む。接続旅行時間情報3226は、今のリンク(3323のリンク)から次のリンクに接続するまでにかかる旅行時間を含む。例えば、図10に示すような十字路711においては、交差点進入車線が、右折車線714か左折車線712か直進車線713かによって交差点を通過するまでの所要時間が異なることがある。日本のように左側通行の場合、右折車線は渋滞する傾向にある。図4に、十字路の場合の接続旅行時間情報3226の構成例を示す。図示するように、接続旅行時間情報3226には、車線32261ごとに、次のリンクID32262と接続旅行時間32263が含まれている。このように、接続旅行時間32263は、分岐方向に対応した交差点進入車線によって旅行時間が異なることを考慮して設けられたものである。複数車線(若しくは右左折車線)がないリンクについては、交通情報統計値3224は、接続旅行時間情報3226を持たなくてもよい。
【0023】
これらの交通情報統計値は、過去に収集された複数の交通情報に基づいて統計処理することにより求められたものである。
【0024】
このように、交通情報統計値3224は、これらの基となる交通情報の収集条件(基となる交通情報が収集された日の種類3221および天気の種類3222)と対象のリンク3223とによって分類されている。つまり、日の種類3221と天気の種類3222とリンクID3223と時間帯が定まれば、統計処理により求められたリンク旅行時間3325が抽出できる。また、対象リンクから次のリンクに接続するまでにかかる時間(言い換えれば、右左折にかかる時間)も、接続旅行時間33263として抽出できる。
【0025】
データ記憶装置3には、さらに、年月日から日の種類リスト3221に登録されている日の種類を特定するための変換テーブルである日付変換テーブルが記憶されている。
【0026】
図5は、日付変換テーブルの構成例を示す図である。図示するように、日付331と、その日付331に対応する日の種類332とが対応付けられて登録されている。このような日付変換テーブルを用いることで、日付より日の種類を簡単に特定することができる。
【0027】
図1に戻って説明を続ける。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0028】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0029】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置1000で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0030】
車内LAN装置11は、車載用ナビゲーション装置1000が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
【0031】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局から送られてくる概略現況交通データ、交通規制情報、および、天気情報を受信する。
【0032】
ビーコン受信装置13は、ビーコンから送られてくるリンク旅行時間を含む現況交通データを受信する。
【0033】
図6は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0034】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、データ記憶装置3から読み出した地図データ、統計交通データや演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0035】
図7は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【0036】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路誘導部44と、現在位置算出部46と、表示処理部45とを有する。
【0037】
現在位置算出部46は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である現在地(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在地を合わせ込む。
【0038】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0039】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。
【0040】
経路誘導部44は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部44は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0041】
表示処理部45は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データをデータ記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、誘導経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザ操作解析部41から出力される命令を受けて、ディスプレイ2への表示が要求される統計交通データをデータ記憶装置3から受け取り、ディスプレイ2に表示中の地図上に、各道路の交通情報を重ねて表示するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0042】
[動作の説明]次に、車載用ナビゲーション装置1000の動作について説明する。図8は、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000の動作の概略を示すフロー図である。
【0043】
このフローは、ユーザ操作解析部41が、音声入出力装置4あるいは入力装置5を介してユーザより推奨経路の探索要求を受け付けることで開始する。
【0044】
まず、ユーザ操作解析部41は、出発地を設定する。ユーザ操作解析部41は、通常、現在位置算出部46で求めた現在地を出発地に設定する。ユーザ操作解析部41はまた、ユーザの指示に基づき目的地を設定する。例えばユーザ操作解析部41は、データ記憶装置3から地図データに登録されている地図構成物を読み込む。ユーザ操作解析部41は、表示処理部45を介してディスプレイ2に、これらの地図構成物を表示する。ユーザ操作解析部41は、入力装置5を介してユーザより、表示中の地図構成物の情報の中から目的地を選択させる。ユーザ操作解析部41はまた、出発時刻を設定する。現在時刻を出発時刻に設定する場合は、図示していない内蔵タイマなどを用いて推奨経路の探索要求を受け付けた時に取得した現在時刻を出発時刻に設定する(S102)。
【0045】
次に、経路探索部42は、現在位置の座標から、出発地および目的地を含む経路探索領域に含まれる各メッシュ領域のメッシュIDを特定する。経路探索部42はまた、データ記憶装置3より、特定したメッシュIDを持つ地図データ310各々に登録されている各リンクデータ312を入手する。経路探索部42はまた、データ記憶装置3より日付変換テーブルを読み出す。経路探索部42はまた、日付変換テーブルを用いて、出発日の日の種類を特定する。経路探索部42はまた、出発日の日付が日付変換テーブルに登録されていない場合、計算ロジックにより日付から日の種類を特定する。この出発日に対応する日の種類を特定する処理は、車載用ナビゲーション装置に組み込まれたソフトウエアで実行するようにしてもよい。こうすれば、日付変換テーブルに登録されている日付の範囲を超えた場合でも、処理を継続実行させることができる(S104)。
【0046】
次に、経路探索部42は、S104で入手した各リンクデータ312を用いて、後述するS118でヒープテーブルから抽出された抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを、推奨経路を構成する候補リンクとして選出する。ただし、S118での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを候補リンクとして選出する代わりに、出発地が存在あるいは出発地に近接する少なくとも1つのリンクを、候補リンクとして選出する(S106)。
【0047】
次に、経路探索部42は、抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻を算出する。これは、出発時刻に、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクまでの旅行時間を加算することで算出できる。このとき、リンク旅行時間のみならず、リンク間の接続旅行時間も加算して、総旅行時間を求める。また、経路探索部42は、抽出リンクの終了ノードの座標から終了ノードが位置するメッシュ領域のメッシュIDを特定する。ただし、S118での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、出発地が位置するメッシュ領域のメッシュIDを特定する。そして、経路探索部42は、FM多重放送受信装置12を介して、前記特定したメッシュIDと、抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻が属する対象時間帯(注目時間帯と呼ぶ)とを有する天気情報を入手する。なお、車内LAN装置11を介して受信したワイパーの作動状況情報や外気温情報から天気を判断し、この判断結果を天気情報として利用してもよい(S108)。
【0048】
次に、経路探索部42は、データ記憶装置3に記憶されているS104で特定したメッシュIDを持つ統計交通データ320にアクセスする。そして、この統計交通データ320を用いて、候補リンク各々について、注目時間帯の交通情報統計値であって、且つ、S104で特定した日の種類およびS106で入手した天気情報により特定される天気の種類に対応付けられている交通情報統計値3224を入手する。そして交通情報統計値3224に含まれるリンク旅行時間3225を入手する。
【0049】
さらに、経路探索部42は、抽出リンクについて、注目時間帯の交通情報統計値であって、且つ、S104で特定した日の種類およびS106で入手した天気情報により特定される天気の種類に対応付けられている交通情報統計値3224を入手する。そして交通情報統計値3224に含まれる接続旅行時間情報3226を参照し、各候補リンク(次リンク)への接続旅行時間32263を入手する。
【0050】
このようにして、経路探索部42は、候補リンク各々について、リンク旅行時間及び接続旅行時間を求める(S110)。
【0051】
次に、経路探索部42は、出発地から候補リンクの終了ノードまでの総コストを算出する。具体的には、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクまでの総コストに、S110で求めた候補リンクのコスト(リンク旅行時間)及び接続コスト(接続旅行時間)を加算する。そして、その加算結果を当該候補リンクまでの総コストとする。ただし、ヒープテーブルに抽出リンクが登録されていない初期段階では、S110で算出した候補リンクのコストを当該候補リンクまでの総コストとする。それから、経路探索部42は、候補リンク各々のリンクデータおよび総コストをヒープテーブルに追加する(S114)。
【0052】
次に、経路探索部42は、ヒープテーブルに新たに追加されたリンクの中に、目的地リンクがあるか否かを調べる(S116)。目的地リンクがないと判断した場合(S116でNo)、経路探索部42は、ヒープテーブルに登録されているリンクの情報を総コストの小さい順にソートし、最初に位置する未抽出のリンクを抽出するなどして、ヒープテーブルから総コストが最小の候補リンク(未抽出リンク)を抽出する(S118)。それから、S106に戻る。
【0053】
一方、目的地リンクがあると判断した場合(S116でYes)、経路探索部42は、推奨経路決定処理を行う。具体的には、ヒープテーブルから、目的地リンクを発生させたリンク(目的地リンクの開始ノードを終了ノードとするリンク)を検索し、検出したリンクを推奨経路を構成する構成リンクに決定する。次に、構成リンクが、出発地が存在あるいは出発地に近接する出発地リンクであるか否かを調べ、出発地リンクでないならば、この構成リンクを発生させたリンクを検索し、検出したリンクを構成リンクに決定して、それが出発リンクであるか否かをさらに調べる。この処理を、構成リンクが出発リンクであると判断されるまで繰り返すことで、推奨経路を構成する各構成リンクを決定する。
【0054】
なお、本発明に適用できる経路探索処理は、上記に限られない。本発明をその要旨の範囲で実施可能であれば、他の経路探索方法を採用することもできる。例えば、想定されるメッシュ領域に含まれる、出発地から目的地までのすべての経路についてダイクストラ法等により総当りで調べたのち、その経路の中でコストが最短となる経路を探索する経路探索方法を採用してもよい。
【0055】
以上、推奨経路を探索する処理について説明した。
【0056】
経路探索部42は、推奨経路が探索されると、探索した経路を用いて経路誘導を行うように経路誘導部44に指示する。これを受けて、経路誘導部44は、経路誘導を開始する。経路誘導部44は、ディスプレイ2に推奨経路を表示するなどして、誘導を行う。
【0057】
図9は、経路誘導中のディスプレイ2の表示画面701の一例である。図示するように、経路誘導部44は、表示画面701に、地図702を表示する。そして、現在位置703とともに、推奨経路704を表示する。経路誘導部44はまた、渋滞の度合い(渋滞度)706を表示する。渋滞度706は、交通情報統計値3324から求めることができる。具体的には、リンク旅行時間3325をリンク長3124で割った値から移動速度を求め、移動速度の大きさに応じて渋滞度を求める。渋滞度のレベル(例えば、「高」、「中」、「低」)は、移動速度に応じて予め定められている。
【0058】
経路誘導部44はまた、交差点などの分岐点707の渋滞度708を表示する。分岐点の渋滞度708は、交通情報統計値3324の接続旅行時間情報3226から求めることができる。具体的には、接続旅行時間33263に応じて、渋滞度を求める。渋滞度のレベル(例えば、「高」、「中」、「低」)は、接続旅行時間の長さに応じて予め定められている。
【0059】
また、経路誘導部44は、渋滞度を表示する際、推奨経路に関係するもののみを表示するようにしてもよい。こうすれば、推奨経路に関係ない情報が表示されず、表示画面が繁雑となるのを防止できる。
【0060】
また、交差点などの分岐前において、渋滞度が、車線によって異なる場合は、推奨経路上の車線の渋滞度のみを表示してもよい。図9の例では、推奨経路704は、交差点707において右折している。そこで、表示画面701には右車線の渋滞度708のみが表示されている。
【0061】
経路誘導部44はまた、分岐点の様子を拡大表示してもよい。図10は、交差点の様子を拡大表示したところを示す図である。図10の例では、経路誘導部44は、左折車線712、直進車線713及び右折車線714を有する交差点711を拡大表示している。また、経路誘導部44は、交差点711において右折する推奨経路715を表示している。また、車線ごとに渋滞度721〜723を表示している。図9の例では、全ての車線の渋滞度を表示しているが、推奨経路に関係する車線(図10の例では右折車線714)のみの渋滞度を表示するようにしてもよい。
【0062】
また、経路誘導部44は、地図表示の拡大縮尺に応じて、車線ごと(分岐方向ごと)の渋滞度を表示するか否か判定してもよい。例えば、経路誘導部44は、地図表示の拡大縮尺が、分岐方向を表示できるまでになった場合、車線ごとの渋滞度を表示するようにする。
【0063】
また、経路誘導部44は、複数の車線において、渋滞度が同じ場合は、一つの渋滞度のみを表示するようにしてもよい。
【0064】
また、渋滞度は、文字で表示してもよいし、リンクに特定の色を付す等して異なる渋滞度の区間を異なる態様で表示するようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0066】
上記の実施形態によれば、分岐点ごとに右左折にかかる時間を考慮して、推奨経路を探索できる。
【0067】
また、経路探索において、分岐点での右左折にかかる旅行時間として、一律に定められたものではなく、過去の交通情報から求めた旅行時間を用いる。したがって、出発地から目的地までの旅行時間をより正確に求めることができる。
【0068】
上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【0069】
例えば、上記の実施形態では、車載用ナビゲーション装置1000は、そのデータ記憶装置3に統計交通データ320を保持している。本発明は、これに限られない。統計交通データ320と同様の交通情報や予測情報を配信するセンタから受信するようにしてもよい。
【0070】
図11にかかる場合のナビゲーションシステムの構成の概略を示す。図示するように、ナビゲーションシステムは、車両に搭載された車載用ナビゲーション装置1000と、無線基地局3000およびネットワーク4000を介して接続された交通情報配信センタ2000と、FM多重放送局5000と、交通情報管理センタ6000と、天気情報管理センタ7000と、を有する。
【0071】
交通情報管理センタ6000は、各地域の最新の交通情報を管理しており、これらの交通情報を、交通情報配信センタ2000、FM多重放送局5000に配信する。
【0072】
天気情報管理センタ7000は、各地域の天気情報を管理しており、これらの天気情報を、FM多重放送局5000に配信する。
【0073】
FM多重放送局5000は、交通情報管理センタ6000より配信された各地域の交通情報を放送する。また、FM多重放送局5000は、天気情報管理センタ7000より配信された各地域の天気情報をFM多重放送信号として放送する。なお、天気情報管理センタ7000からの天気情報は、FM多重放送局5000からではなく、後述する交通情報配信センタ2000から配信されることもあり得る。
【0074】
交通情報配信センタ2000は、そのデータベースに、統計交通データを記憶する。統計交通データの構成は、上記、図3で示した統計交通データ320の構成と同様とすることができる。
【0075】
車載用ナビゲーション装置1000は、図1で示した構成と同様に構成されるが、さらに、交通情報配信センタ2000と情報の授受を行う通信装置を備える。
【0076】
以上のような構成において、車載用ナビゲーション装置1000の経路探索部42は、通信装置を介して、交通情報配信センタ2000にアクセスし、交通データをダウンロード(受信)する。このとき、経路探索に使用される交通データ(例えば、出発地から目的地までの経路が含まれるメッシュ領域の統計交通データ)のみを送信するように交通情報配信センタ1000に要求するようにしてもよい。そして、経路探索部42は、受信した統計交通データを用いて、出発地から目的地まで推奨経路を探索する。探索処理の流れは、図8で示したフローと同様に行うことができる。
【0077】
このような実施形態によれば、車載用ナビゲーション装置1000自身が、統計交通データを保持している必要がない。また、統計交通データが更新された場合でも、交通情報配信センタ2000にアクセスすることで、容易に最新の交通データを取得することができる。
【0078】
なお、交通情報配信センタ1000は、分岐方向ごとの接続旅行時間の差(または比)が所定値以上の分岐に関する接続旅行時間のみ、車載用ナビゲーション装置1000に送信するようにしてもよい。例えば、直進車線の次リンクへの接続旅行時間を基準として、接続旅行時間の差が所定値以上の車線の接続旅行時間のみを車載用ナビゲーション装置1000に送信するようにする。こうすれば、情報通信量を軽減できる。
【0079】
また、上記実施形態において、車載用ナビゲーション装置1000が搭載された車両が、交通情報を収集するプローブカーとして機能するようにしてもよい。例えば、実際に走行することにより算出された、リンク旅行時間や接続旅行時間を交通情報配信センタ200に送信する。実際の値と統計交通データに含まれる値とが異なる場合(例えば差または比が所定値以上の場合)に、交通情報配信線2000に送信するようにしてもよい。例えば、車載用ナビゲーション装置1000自身が保持する統計交通データまたは、交通情報配信センタ2000から受信した統計交通データに含まれるリンク旅行時間や接続旅行時間と、実際のリンク旅行時間や接続旅行時間が異なる場合、実際のリンク旅行時間や接続旅行時間を交通情報配信センタ200に送信する。こうすれば、車載用ナビゲーション装置1000が搭載された車両は、プローブカーとして機能する。交通情報配信センタ2000は、効率よく交通情報を収集することができる。
【0080】
図12は、かかる実施形態における車載用ナビゲーション装置1000の処理のフロー図である。このフローは、経路誘導中に行われる。
【0081】
まず、経路誘導部44は、現在位置算出部46の出力から、車両が次のリンクへ移動したか否か判定する(S210)。次のリンクへ移動した場合(S210でYes)、経路誘導部44は、前のリンク(対象リンク)の開始ノードから現在のリンクの開始ノードまでの旅行時間(実際の旅行時間)を走行履歴から算出する(S220)。
【0082】
次に、経路誘導部44は、統計交通データ320を参照して、対象リンクを走行した日の種類、天気の種類に対応するリンク旅行時間3325と接続旅行時間3326とを抽出する。そして、抽出したリンク旅行時間3325と接続旅行時間3326との和を算出する。さらに、算出した和の値と、S220で算出した実際に走行した旅行時間との差を算出する。さらに、算出した差が所定値(例えば5分)以上か否か判定する(S230)。差が所定値未満の場合(S230でNo)、S210に戻って処理を続ける。
【0083】
一方、差が所定値以上の場合(S230でYes)、経路誘導部44は、実際の旅行時間(対象リンクの開始ノードから次のリンクの開始ノードまでの旅行時間)を交通情報配信センタ2000に、通信装置を介して送信する(S240)。そして、S210に戻って処理を続ける。なお、実際の旅行時間から、統計交通データのリンク旅行時間3225を減じた値を、実際の接続旅行時間(右左折コスト)として、交通情報配信センタ2000に送信してもよい。
【0084】
交通情報配信センタ2000は、車載用ナビゲーション装置1000から受信した実際の旅行時間を基に、統計処理により、そのリンクのリンク旅行時間、接続旅行時間を算出することになる。
【0085】
このような実施形態によれば、車載用ナビゲーション装置1000は、リンク間の接続旅行時間(右左折コスト)を収集するプローブカーとして機能する。
【0086】
また、統計交通データに格納されている接続旅行時間が実際と異なる場合にのみ、交通情報配信センタ2000に情報を送信するので、情報通信量を軽減できる。
【0087】
また、上記実施形態では、統計交通データを用いて経路探索を行っている。これに限らず、現況の交通情報を用いて経路探索を行っても良い。例えば、ビーコンや交通情報配信センタ2000から受信した現況交通データに、リンク旅行時間やリンク間の接続旅行時間が含まれている場合、それらの情報を用いて経路探索を行う。現況交通データに、リンク旅行時間や接続旅行時間が含まれてない場合は、統計交通データに含まれるリンク旅行時間や接続旅行時間で補間するようにする。具体的には、図8のフローのS110において、図13に示す処理を行う。
【0088】
経路探索部42は、各候補リンクについて、現況交通データがあるか否か判定する(S1101)。現況交通データがない場合(S1101でNo)、上記実施形態と同様に、統計交通データ320の中からリンク旅行時間3325を入手する(S1102)。一方、現況交通データがある場合(S1101でYes)、現況交通データの候補リンクの旅行時間を入手する(S1103)。
【0089】
次に、経路探索部42は、各候補リンクへの接続旅行時間について、現況交通データがあるか否か判定する(S1104)。現況交通データがない場合(S1104でNo)、上記実施形態と同様に、統計交通データ320の中から接続旅行時間3326を入手する(S1105)。一方、現況交通データがある場合(S1104でYes)、現況交通データの接続旅行時間を入手する(S1106)。
【0090】
そして、経路探索部42は、全ての候補リンクについてS1101〜S1106の処理を行うと(S1107)、図7のS114に移行し処理を続ける。
【0091】
上記フローによれば、入手した現況交通データを優先的に用いて経路探索を行うことができる。なお、地図上の特定の範囲(例えば、現在位置周辺)については現況交通データを用い、その他の範囲については統計交通データを用いるようにしてもよい。
【0092】
なお、上記実施形態では、図3に示すように、統計交通データ320には、収集した天気の種類ごとに、交通情報統計値3224が登録されている。これに限らず、統計交通データ320は、天気の収集条件を省略したものとしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、統計交通データの中に、リンクごとに、接続旅行時間を格納している。しかし、本発明の要旨を達成できるものであれば、データ構造の形に制限はない。例えば、分岐のノードに対応させて接続旅行時間を格納するようにしてもよい。また、接続旅行時間をリンク旅行時間に含ませてもよい。そして、統計交通データの中に、リンクの車線ごとに、リンク旅行時間を格納するようにしてもよい。また、接続旅行時間があるリンクについては、統計交通データの中に、そのことを示すフラグ情報を含ませてもよい。
【0094】
また、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、車載用ナビゲーション装置1000の概略構成図である。
【図2】図2は、データ記憶装置3に記憶されている地図データの構成を示す図である。
【図3】図3は、統計交通データの構成を示す図である。
【図4】図4は、接続旅行時間情報の構成を示す図である。
【図5】図5は、日付から日の種類を特定するための日付変換テーブルの構成を示す図である。
【図6】図6は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図7】図7は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図8】図8は、車載用ナビゲーション装置1000の経路探索処理の概略を示すフロー図である。
【図9】図9は、経路誘導中の推奨経路の表示例を示す図である。
【図10】図10は、経路誘導中の交差点拡大図の表示例を示す図である
【図11】図11は、統計交通データを交通情報配信センタから受信する実施形態の概略構成図である。
【図12】図12は、車両をプローブカーとして機能させる実施形態のフロー図である。
【図13】図13は、現況交通データを用いて経路探索する場合の、図8のS110における処理のフロー図である。
【符号の説明】
【0096】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・データ記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・車輪速センサ、7・・・地磁気センサ、8・・・ジャイロ、9・・・GPS受信機、11・・・車内LAN装置、12・・・FM多重放送受信装置、13…ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・DMA、25・・・描画コントローラ、26・・・VRAM、27・・・カラーパレット、28・・・A/D変換器、29・・・SCI、30・・・PIO、31・・・カウンタ、41・・・ユーザ操作解析部、42・・・経路探索部、44・・・経路誘導部、45・・・表示処理部、46・・・現在位置算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
前記リンク間接続コストは、分岐点ごとに、分岐点通過時の状況に対応させて記憶されており、
前記ナビゲーション装置は、
前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応するリンク間接続コストとを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項2】
請求項2において、
前記分岐点通過時の状況は、日の種類、天気及び時間帯のいずれか1以上であることを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項3】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストとを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項4】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストとを用いて、目的地への到着時刻を算出する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記ナビゲーション装置は、
分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストを用いて、分岐方向に対応する渋滞度を求め、求めた渋滞度を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記ナビゲーション装置は、
分岐方向により渋滞度が異なる場合、分岐方向ごとに渋滞度を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項7】
請求項5において、
前記ナビゲーション装置は、
渋滞度が同じ分岐方向については、いずれか一つの渋滞度を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項8】
請求項5において、
前記ナビゲーション装置は、
分岐方向に対応する交差点進入車線ごとに、渋滞度を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項9】
請求項5において、
前記ナビゲーション装置は、
地図表示の拡大縮尺が所定値以上の場合、分岐方向に対応させて渋滞度を表示することを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項10】
請求項5において、
前記ナビゲーション装置は、
探索した経路に沿った車線の渋滞度を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項11】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する情報センタから、当該リンク間接続コストを受信し、
分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項12】
情報センタとナビゲーション装置とを有するナビゲーションシステムの経路探索方法において、
前記情報センタは、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶し、
分岐方向の間で、リンク間接続コストの差若しくは比が所定値以上である分岐に関するリンク間接続コストを、前記ナビゲーション装置に送信し、
前記ナビゲーション装置は、
前記情報センタから、当該リンク間接続コストを受信し、
分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーションシステムの経路探索方法。
【請求項13】
ナビゲーション装置の処理方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
前記記憶装置に記憶されたリンク間接続コストが実際と異なる場合、実際の旅行により取得した交通情報を、交通情報を収集する情報センタに送信する
ことを特徴とするナビゲーション装置の処理方法。
【請求項14】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
現在の交通情報を含む現況データを入手し、
前記現況データを、前記記憶装置に記憶されたリンクコストとリンク間接続コストとで補間して、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記ナビゲーション装置は、
前記現況データにリンク間接続コストが含まれている分岐点については、当該リンク間接続コストを用い、
前記現況データにリンク間接続コストが含まれていない分岐点については、前記記憶装置に記憶されているリンク間接続コストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項16】
請求項14において、
地図上の特定の範囲のリンクについては、前記現況データに含まれるリンク間接続コストを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項17】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクデータと、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、各リンクのリンクコストと、
過去に収集された交通情報から統計処理により求められ、該交通情報の収集条件毎に分類された、道路の分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置を有し、
前記リンクデータと、リンク通過時の状況に対応する収集条件のリンクコストと、分岐点通過時の状況に対応する収集条件のリンク間接続コストとを用いて、総コストが最少となる経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置の経路探索方法。
【請求項18】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成する各リンクのリンクコストと、分岐点通過時の状況に分類された、分岐点におけるコストであるリンク間接続コストとを記憶する記憶装置と、
前記リンクコストと、分岐点通過時の状況に対応するリンク間接続コストとを用いて、総コストが最少となる経路を探索する手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項19】
請求項18において、
前記記憶装置は、右折車線若しくは左折車線があるリンクのみのリンク間接続コストを記憶する
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−47246(P2006−47246A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232241(P2004−232241)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】