ナビゲーション装置及びプログラム
【課題】 防犯効果を向上させたセキュリティ機能を有するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 L車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。そして、L車両460は、K車両450からの情報受信が途絶えると、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する。
【解決手段】 L車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。そして、L車両460は、K車両450からの情報受信が途絶えると、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盗難防止機能を有する車両が知られている。例えば、所有者でない者が不正な手段で車両を移動させようとした場合に、車両の窃取行為を判断してクラクションなどの警報音を発するセキュリティ装置がある。ところが、窃取行為が行われる場合、事前にセキュリティ装置の機能を停止させられることがあり、実際にはセキュリティ装置が機能しないことも往々にして起こり得る。
【0003】
このような問題を解決するための手段として、携帯電話機などの車両の所有者の携帯端末装置を用いて車両の異常を検知するようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、車両から携帯端末装置への信号を送信し、この信号が途切れた場合に、車両に異常があったことを判断することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−35990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるシステムでは、車両の所有者の携帯端末と通信を行うことで異常を検出しているが、携帯端末は移動してしまうため常に安定して通信が出来るとは限らず、安定して通信が出来ない場合には、車両に異常があったことを正確に判断することができなかった。例えば、携帯端末の所有者が電波の状況が悪い場所(例えば、地下など)に移動した場合には通信を行うことが出来ず、車両から送信される信号を受信することが不可能となるため、車両の異常と判断してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、防犯効果を向上させたセキュリティ機能を有するナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うナビゲーション装置であって、通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定手段と、設定された第一の所定時間間隔で送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信手段と、送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信手段と、受信手段にて第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合、異常時に対応する異常時処理を実行する異常時処理実行手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、自車両から情報を送信する車両である「送信先車両」、及び、自車両へ情報を送信してくる「送信元車両」が特定される。そして、送信元車両から送信されてくるはずの送信元車両確認伝聞情報が途切れた場合、送信元車両に異常が発生したものとされ、異常時に対応する異常時処理が実行される。この異常時処理には、例えば、クラクションの鳴動などによる警報音の発生などが含まれる。
【0009】
つまり、駐車中の車両同士、即ち移動しない車両同士でグループを形成して常に安定した通信を行い、通信が途切れた場合に他車両(送信元車両)の異常を自車両が検出する。なお、送信元車両と送信先車両とが同一車両となっても差し支えない。このようにすれば、正確に他車両の異常を検出することができ、防犯効果の向上が図られる。
【0010】
このようなナビゲーション装置を各車両が備えることで、いずれの車両も送信元車両の異常を検出することができ、グループ内において各車両の異常を確実に検出可能となる。
【0011】
また、送信手段は、異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報を送信するよう構成されており、受信手段にて送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、異常時処理を実行する発報処理実行手段を備えていることとしてもよい。
【0012】
送信元車両に異常が発生したと判断した場合に異常時処理が実行されることは既に述べたが、この異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報が送信先車両へ送信される。一方、送信元車両から送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、発報処理実行手段によって、異常時処理が実行される。このようなナビゲーション装置を各車両が備えることで、グループを形成する車両の異常を検知した車両以外の複数の車両が、異常時処理を実行することになり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0013】
以上は、ナビゲーション装置の発明として説明してきたが、このようなナビゲーション装置の機能はコンピュータシステムにて実現されるため、プログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うためのプログラムであって、通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定処理と、設定された第一の所定時間間隔で送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信処理と、送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信処理と、受信処理にて第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合に実行される異常時に対応する異常時処理とを含むことを特徴とするプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上述のナビゲーション装置と同様の効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置1の全体構成を示す概略ブロック図である。本実施形態のナビゲーション装置1は、後述するように車両に搭載されて用いられ、車車間通信により車両同士で防犯機能を実現する。
ナビゲーション装置1は、電子制御装置(以下「ECU」という)10を中心に構成されている。ECU10には、GPS(Global Positining System)受信機20、地図データ記憶部30、通信部40、及び、セキュリティ部50が電気的に接続されている。
【0015】
ECU10は、いわゆるコンピュータシステムとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、及び、I/Oなどを備えている。なお、CPUはフリーランカウンタを有しており、このフリーランカウンタの値を取得することで計時可能となっている。
GPS受信機20は、衛星からの電波を受信する。この電波に基づく測位によって、自車位置を検出することが可能となっている。もちろん、図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサなどと、相互に補完しながら自車位置を検出しても良いし、GPS受信機20を用いずに自車位置を検出してもよい。
【0016】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、他の記憶媒体を用いても差し支えない。この地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。地図データには、各種データが含まれるが、その一つとして施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には、施設を特定するIDと関連づけて記憶されているPOI(Point Of Interest )情報である。POI情報には、施設ID、住所、種別(ジャンル)、領域データ(領域の外周座標、中心座標等)、などが含まれる。例えば、駐車場の情報も施設情報として記憶されている。
【0017】
通信部40は、無線通信を行うための構成である。本実施形態のナビゲーション装置1は、複数台の車両に搭載されて用いられる。このとき各車両同士の間で車車間通信を可能とするのが、この通信部40である。
セキュリティ部50は、防犯のための構成である。具体的には、防犯機能の開始及び終了を指示するための操作ボタン51、及び、警報音を発生する警報音発生部52を具備してなる。
【0018】
このように構成されたナビゲーション装置1が複数台の車両に搭載されることは、既に述べた。本実施形態では、当該複数台の車両がグループを形成し、このグループ内で通信を行うことを特徴とする。そこで次に、グループの形成について説明する。
【0019】
図2は、グループの形成を示す説明図である。図2に示すように、駐車場Cには、複数台(ここでは7台)の車両400、410、420、430、440、450、460が駐車されている。以下、車両400〜460を区別するため、図2中の記号を用い、F車両400、G車両410、H車両420、I車両430、J車両440、K車両450、L車両460と記述する。
【0020】
図2では、F〜Lの車両400〜460が2つのグループD、Eを形成している。より詳しくは、F〜Hの3台の車両400〜420がグループDを形成し、I〜Lの4台の車両430〜460がグループEを形成している。本実施形態では、このようなグループを形成することにより、グループ単位で通信処理を行う。例えば、グループEについて見ると、図3に示すように、I車両430からJ車両440への情報送信が行われ、J車両440からK車両450への情報送信が行われ、K車両450からL車両460への情報送信が行われ、L車両460からI車両430への情報送信が行われるという具合である。
【0021】
なお、以下では、ある車両から見て、情報の送信先となる車両を「送信先車両」、情報の送信元となる車両を「送信元車両」というものとする。図3において一例を挙げると、L車両460から見て、I車両430が「送信先車両」であり、K車両450が「送信元車両」である。
【0022】
このようなグループが形成された後、I〜Lの各車両430〜460のナビゲーション装置1では、メイン処理が繰り返し実行されることになる。そこで次に、このメイン処理について説明する。
【0023】
図4は、メイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、ステップ(以下「ステップ」を単に記号Sで示す)10の送信フラグ管理処理、S20の送信処理、S30の受信処理、及び、S40の異常処理からなる。これらの処理を順に説明していく。
【0024】
図5に示すように、送信フラグ管理処理では、最初のS11において、前回の送信から第一の所定時間(例えば、3分)が経過したか否かを判断する。前回の送信から第一の所定時間の経過はECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値に基づき判断することが例示される。ここで第一の所定時間が経過したと判断された場合(S11:YES)、S12にて送信フラグをONにし、その後、本送信フラグ管理処理を終了する。一方、第一の所定時間が経過していないと判断された場合(S11:NO)、S12の処理を実行せず、本送信フラグ管理処理を終了する。
【0025】
また、図6に示すように、送信処理では、最初のS21において、送信フラグがONであるか否かを判断する。上述したように、送信フラグは、第一の所定時間が経過したときにONとなる(図5中のS11:YES、S12)。ここで送信フラグがONであると判断された場合(S21:YES)、S22へ移行する。一方、送信フラグがONでないと判断された場合(S21:NO)、すなわち送信フラグがOFFの場合には、以降の処理を実行せず、本送信処理を終了する。
【0026】
S22では、発報フラグがONであるか否かを判断する。この発報フラグについては後述する。ここで発報フラグがONであると判断された場合(S22:YES)、S24にて発報伝聞情報を送信先車両へ送信し、その後、本送信処理を終了する。一方、発報フラグがONでないと判断された場合(S22:NO)、すなわち発報フラグがOFFである場合には、S23にて確認伝聞情報を送信先車両へ送信すると共に送信フラグをOFFとし、その後、本送信処理を終了する。
【0027】
これらの情報の送信は、図1に示した通信部40を介して行われる。発報伝聞情報には、「発報伝聞ID」及び送信先車両のIDである「宛先車両ID」が含まれる。同様に、確認伝聞情報には、「確認伝聞ID」及び送信先車両のIDである「宛先車両ID」が含まれる。
【0028】
このように、本実施形態では、送信フラグ管理処理及び送信処理を繰り返し実行することにより、第一の所定時間間隔で、送信先車両へ情報を送信する。この意味で、ECU10が「送信手段」を構成し、送信フラグ管理処理及び送信処理が「送信手段」の機能としての「送信処理」に相当する。
【0029】
図7に示すように、受信処理では、最初のS31において、通信部40を介し情報を受信したか否かを判断する。この処理は、図1に示した通信部40を介した情報の受信があったか否かを判断するものである。ここで情報を受信したと判断された場合(S31:YES)、S32へ移行する。一方、情報を受信していないと判断された場合(S31:NO)、以降の処理を実行せず、本受信処理を終了する。
【0030】
S32では、受信した情報が自車両宛か否かを判断する。これは、送信された情報に含まれる「宛先車両ID」が自車両のIDと一致しているか否かで判断される。ここで自車両宛であると判断された場合(S32:YES)、S33にて受信フラグをONにし、本受信処理を終了する。一方、自車両宛でないと判断された場合(S32:NO)、S33の処理を実行せず、本受信処理を終了する。
【0031】
また、図8に示すように、異常処理では、最初のS41において、受信フラグがONであるか否かを判断する。上述したように、受信フラグは、自車両宛の情報を受信したときにONとなる(図7中のS31:YES、S32:YES、S33)。ここで受信フラグがONであると判断された場合(S41:YES)、S45へ移行する。一方、受信フラグがONでないと判断された場合(S41:NO)、すなわち自車両宛の情報が受信されないうちは、S42へ移行する。
【0032】
S42では、第二の所定時間が経過したか否かを判断する。この第二の所定時間は、上述した第一の所定時間に基づくものであり、具体的には、第一の所定時間と同一か、あるいは、第一の所定時間よりも長い時間として設定される。また、第一の所定時間の経過と同様、第二の所定時間の経過はECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値に基づき判断することが例示される。ここで第二の所定時間が経過したと判断された場合(S42:YES)、S43へ移行する。一方、第二の所定時間が経過していないと判断された場合(S42:NO)、以降の処理を実行せず、本異常処理を終了する。
【0033】
第二の所定時間が経過した場合に移行するS43では、送信フラグ及び発報フラグを共にONにする。続くS44では異常時処理を実行し、その後、本異常処理を終了する。S44における異常時処理では、セキュリティ部50の警報音発生部52を介し、警報音を発生させる。なお、本実施形態では、警報音発生部52を備える構成としたが、例えば、クラクションを鳴動させるようにしてもよい。
【0034】
受信フラグがONであると判断された場合に移行するS45では、受信フラグをOFFにする。
続くS46では、受信した情報が発報伝聞情報であるか否かを判断する。この発報伝聞情報には、「発報伝聞ID」が含まれる。したがって、ここでは受信情報に「発報伝聞ID」があるか否かを判断する。発報伝聞情報であると判断された場合(S46:YES)、第二の所定時間が経過した場合と同様、S43にて送信フラグ及び発報フラグを共にONとし、S44にて異常時処理を実行して、本異常処理を終了する。一方、発報伝聞情報でないと判断された場合(S46:NO)、すなわち確認伝聞情報である場合には、本異常処理を終了する。
【0035】
このように本実施形態では、繰り返し自車両宛の情報受信を行い(図7中のS31、S32)、情報が受信されないまま第二の所定時間が経過すると(図8中のS41:NO、S42:YES)、異常時処理が実行されるようになっている(S44)。この意味で、ECU10が「受信手段」、「異常時処理実行手段」及び「発報処理実行手段」を構成し、図7に示した受信処理が「受信手段」の機能としての「受信処理」に相当し、図8に示した異常処理のS44が「異常時処理実行手段」及び「発報処理実行手段」の機能としての「異常時処理」に相当する。
【0036】
ところで、S44の異常時処理が実行されるときには、必ずS43にて、送信フラグ及び発報フラグがONとなる。これによって、異常時処理が一度実行されると、図6中のS22にて肯定判断されることになり、発報伝聞情報が送信先車両へ送信されることになる(S24)。また、このときは、送信フラグもONとなっているため、第一の所定時間の経過を待たずに、発報伝聞情報が送信されることになる。
【0037】
一方、発報伝聞情報を受信する送信先車両では、図8に示した異常処理のS46にて肯定判断され、送信フラグ及び発報フラグが共にONとなり(S43)、異常時処理が実行される(S44)。これにより、順次、発報伝聞情報がグループを形成する各車両へ送信されることになる。
【0038】
この点、図3を用いて具体的に説明する。なお、実際には各車両430〜460に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Lの各車両430〜460を主体とした記載とする。
【0039】
例えばL車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す(図7参照)。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す(図6参照)。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。
【0040】
ここで例えば、L車両460について見ると、K車両450からの情報受信が途絶えると(図8中のS42:YES)、L車両460は、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する(S44)。このときL車両460は、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるI車両430へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。
【0041】
その結果、I車両430は、L車両460と同様、異常時処理を実行し(図8中のS44)、このとき、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるJ車両440へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。J車両440も同様に異常時処理を実行する(S44)。
【0042】
以上、グループが形成されている状態での通信処理について説明した。次に、グループを形成するための通信処理について説明する。
ここでは最初にグループへの車両の追加について、図9〜図13を用い説明する。次に、グループからの車両の削除について、図14〜図17を用い説明する。
【0043】
図9は、追加要求処理を示すフローチャートである。この処理は、形成されたグループへの追加を要求する新規車両にて実行されるものであり、駐車後に繰り返し実行される。
最初のS51では、利用者からの追加指示があったか否かを判断する。この処理は、セキュリティ部50の操作ボタン51の操作を判断するものであり、グループへの追加指示があったか否かを判断するものである。ここで追加指示があったと判断された場合(S51:YES)、S52へ移行する。一方、追加指示がないと判断された場合(S51:NO)、以降の処理を実行せず、本追加要求処理を終了する。
【0044】
S52では、グループへの追加要求を送信する。この処理は、車両を特定せずに行われる。この追加要求には、「追加要求ID」及び「新規車両(自車両)のID」が送信される。
【0045】
続くS53では、局設定要求があったか否かを判断する。局設定要求には、「局設定要求ID」、「末端車両のID」、「末端車両の位置」及び当該末端車両の送信先車両としての「先頭車両のID」が含まれる。この局設定要求は、後述するように、グループを形成している車両のうち末端車両から送信されるものである。本実施形態において、末端車両は、最後にグループに追加された車両である。したがって、さらに自車両が追加されれば、次は、自車両が末端車両となる。ここで局設定要求がないと判断された場合(S53:NO)、S54へ移行する。一方、局設定要求があったと判断された場合(S53:YES)、S55へ移行する。
【0046】
S54では、第三の所定時間が経過したか否かを判断する。この判断は、ECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値を参照することで行うことが例示される。ここで所定時間が経過したと判断された場合(S54:YES)、本追加要求処理を終了する。一方、所定時間が経過していないと判断された場合(S54:NO)、S53の判断処理を繰り返す。つまり、S53及びS54によって、末端車両から局設定要求があったか否かの判断が、所定時間繰り返されることになる。
【0047】
S55では、新規車両に最も近い末端車両を選択する。複数のグループが存在する場合、複数台の末端車両が存在する。したがって、ここではGPS受信機24にて取得される新規車両(自車両)の位置、局設定要求として送信される「末端車両の位置」及び地図データ記憶部30の地図データに基づき、新規車両に最も近い末端車両を選択する。
【0048】
次のS56では、局設定応答を送信する。ここでは、「局設定応答ID」、情報送信の宛先となる「宛先車両ID」、及び「自車両ID」が送信される。宛先車両は、末端車両及び先頭車両である。したがって、「宛先車両ID」は、末端車両ID及び先頭車両IDとなる。
続くS57では末端フラグをONとする。これにより、自車両が次の末端車両となる。S58の処理終了後、本追加要求処理を終了する。
【0049】
次に、図9の追加要求処理に対応する追加処理を、図10を参照して説明する。この追加処理は、イグニッションキーがオフされている間、繰り返し実行されるものである。
最初のS61において、他車両からの情報受信があったか否かを判断するものである。ここで受信があったと判断された場合(S61:YES)、S62へ移行する。一方、受信がないと判断された場合(S61:NO)、以降の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0050】
S62では、受信した情報が追加要求であるか否かを判断する。この処理は、図9中のS52の追加要求の送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「追加要求ID」が含まれているか否かを判断する。ここで追加要求であると判断された場合(S62:YES)、S63へ移行する。一方、追加要求でないと判断された場合(S62:NO)、S63及びS64の処理を実行せず、S65へ移行する。
【0051】
S63では、末端フラグがONであるか否かを判断する。この処理は、自車両が末端車両であるか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONであると判断された場合(S63:YES)、S64へ移行する。一方、末端フラグがONでないと判断された場合(S63:NO)、S64の処理を実行せず、S65へ移行する。
【0052】
S64では、局設定要求を送信する。この局設定要求には、「局設定要求ID」、「自車両ID」、「自車両の位置」及び自車両の送信先車両である「先頭車両ID」が含まれる。これを新規車両側から見ると、上述したように「局設定要求ID」、「末端車両ID」、「末端車両の位置」及び「先頭車両ID」が送信されてくることになる。
【0053】
S65では、受信した情報が局設定応答であるか否かを判断する。この処理は、図9中のS57の局設定応答送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「局設定応答ID」が含まれているか否かで判断する。ここで局設定応答であると判断された場合(S65:YES)、S66へ移行する。一方、局設定応答でないと判断された場合(S65:NO)、S66及びS67の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0054】
S66では、自車両宛か否かを判断する。図9中のS57では、末端車両及び先頭車両へ向けて、局設定応答が送信される。具体的には、末端車両ID及び先頭車両IDが「宛先車両ID」として送信される。したがって、ここでは、宛先車両IDが自車両IDに一致するか否かを判断する。ここで自車両宛であると判断された場合(S66:YES)、S67にて局設定処理を実行し、その後、本追加処理を終了する。S67では、末端車両及び先頭車両において、局設定処理が実行されることになる。一方、自車両宛でないと判断された場合(S66:NO)、S67の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0055】
続けて、図10中のS67で実行される局設定処理の詳細を、図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
最初のS671では、末端フラグがONであるか否かを判断する。これは、自車両が末端車両であるか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONであると判断された場合(S671:YES)、すなわち自車両が末端車両である場合には、S672にて末端フラグをOFFとし、S673で送信先車両を新規車両に変更して、その後、局設定処理を終了する。一方、末端フラグがONでないと判断された場合(S671:NO)、すなわち、自車両が先頭車両である場合には、S674にて送信元車両を新規車両に変更し、その後、局設定処理を終了する。
【0057】
なお、本実施形態におけるECU10が「車両特定手段」を構成し、図9および図10に示す追加要求処理、追加処理が「車両特定手段」の機能としての「車両特定処理」に相当する。
【0058】
ここで、図9〜図11を用いて説明した追加要求処理及び追加処理に対する理解を容易にするため、図12及び図13を用いて具体的な説明を加える。
【0059】
図12(a)に示すように、I〜Lの4台の車両430〜460がグループを形成しているものとする。このとき、末端車両はL車両460であり、先頭車両はI車両430であるものとして以下説明を続ける。なお、実際には各車両430〜460に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Lの各車両430〜460を主体とした記載とする。
【0060】
新規車両としてのM車両470は、その駐車後、利用者によってグループへの追加指示がなされると(図9中のS51:YES)、追加要求を送信する(S52、図13中のT1)。このとき、末端車両の場合には図10中のS63にて肯定判断されるため、末端車両であるL車両460は、追加要求に応じて、局設定要求を送信する(S64、図13中のT2)。これに対し、新規車両であるM車両470は、複数台の末端車両がある場合、末端車両のうちで最も近い車両を選択し(図9中のS55)、局設定応答を送信する(S56、図13中のT3、T4)。
【0061】
これにより、末端車両であるL車両460及び先頭車両であるI車両430は、局設定処理を実行する(図10中のS67、図11参照)。具体的に、末端車両であるL車両460は、末端フラグをOFFとし(図11中のS672)、送信先車両を新規車両であるM車両470へ変更する。一方、先頭車両であるI車両430は、送信元車両を新規車両であるM車両470へ変更する。これにより、図12(b)に示す如く、M車両470が末端車両として追加されることになる。
【0062】
図14は、削除要求処理を示すフローチャートである。この処理は、形成されたグループからの削除を要求する離脱車両にて実行されるものであり、エンジンの始動時に実行される。
最初のS71では、利用者からの削除指示があったか否かを判断する。この処理は、セキュリティ部50の操作ボタン51の操作を判断するものであり、グループからの削除指示があったか否かを判断するものである。ここで削除指示があったと判断された場合(S71:YES)、S72へ移行する。一方、削除指示がないと判断された場合(S71:NO)、以降の処理を実行せず、本削除要求処理を終了する。
【0063】
S72では、末端フラグがONであるか否かを判断する。この処理は、離脱車両がグループの末端車両であったか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONである場合(S72:YES)、S73にて第一の削除要求を送信する。この第一の削除要求には、末端復帰要求が含まれる。具体的には、「宛先車両ID」、「削除要求ID」、自車両のIDである「離脱車両のID」及び「末端復帰要求を示す情報」が含まれる。一方、末端フラグがONでない場合(S72:NO)、S74にて第二の削除要求を送信する。この第二の削除要求は、末端復帰要求を含まない。具体的には、「宛先車両ID」、「削除要求ID」及び「離脱車両ID」が含まれる。ここで「宛先車両ID」は、離脱車両の送信元車両ID及び送信先車両IDである。
【0064】
次に、図14の削除要求処理に対応する削除処理を、図15を参照して説明する。この削除処理は、イグニッションキーがオフされている間、繰り返し実行されるものである。
最初のS81において、受信があったか否かを判断する。この処理は、他車両からの情報受信があったか否かを判断するものである。ここで受信があったと判断された場合(S81:YES)、S82へ移行する。一方、受信がないと判断された場合(S81:NO)、以降の処理を実行せず、本削除処理を終了する。
【0065】
S82では、受信した情報が削除要求であるか否かを判断する。この処理は、図14中のS73又はS74の削除要求の送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「削除要求ID」が含まれているか否かを判断する。ここで削除要求であると判断された場合(S82:YES)、S83へ移行する。一方、削除要求でないと判断された場合(S82:NO)、以降の処理を実行せず、本削除処理を終了する。
【0066】
S83では、自車両宛か否かを判断する。図14中のS73又はS74では、離脱車両の送信元車両及び送信先車両へ向けて、削除要求が送信される。具体的には、「宛先車両ID」として、離脱車両の送信元車両ID及び送信先車両IDが送信される。したがって、ここでは、宛先車両IDが自車両のIDに一致するか否かを判断する。ここで自車両宛であると判断された場合(S83:YES)、S84へ移行する。一方、自車両宛でないと判断された場合(S83:NO)、以降の処理を実行せずに、本削除処理を終了する。
【0067】
S84では、離脱車両から見て自車両が送信元車両であるか否かを判断する。ここで離脱車両から見て自車両が送信元車両でない場合(S84:NO)、S85にて自車両の送信元車両を離脱車両の送信元車両に変更し、本削除処理を終了する。一方、離脱車両から見て自車両が送信元車両である場合(S84:YES)、S86へ移行する。
【0068】
S86では、末端復帰要求があるか否かを判断する。図14中のS73にて削除要求が送信されるときは、上述したように「末端復帰要求を示す情報」が含まれる。ここで末端復帰要求があると判断された場合(S86:YES)、S87にて末端フラグをONにし、S88へ移行する。一方、末端復帰要求がないと判断された場合(S86:NO)、S87の処理を実行せず、S88へ移行する。S88では、自車両の送信先車両を離脱車両の送信先車両に変更し、その後、本削除処理を終了する。
【0069】
ここで、図14及び図15を用いて説明した削除要求処理及び削除処理に対する理解を容易にするため、図16及び図17を用いて具体的な説明を加える。
【0070】
なお、実際には各車両430〜470に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Mの各車両430〜470を主体とした記載とする。図16に示すように、I〜Mの5台の車両430〜470がグループを形成しているものとする。このとき末端車両はM車両470であるものとして以下説明を続ける。
【0071】
最初に、図16(a)に示すように、K車両450が離脱車両である場合を説明する。K車両450は、エンジン始動後、利用者によってグループからの削除指示がなされると(図14中のS71:YES)、削除要求を送信する(S74、図17中のU1、U2)。このとき、K車両450は末端車両でないため、図14中のS72にて否定判断されて、末端復帰要求のない第二の削除要求が送信される。削除要求は、送信元車両であるJ車両440と、送信先車両であるL車両460とへ送信される。
【0072】
これに対し、J車両440及びL車両460は、受信情報が自車両宛であると判断した後(図15中のS83:YES)、自車両が送信元車両であるか否かを判断する(S84)。このとき、離脱車両であるK車両450から見ると、J車両440が送信元車両であるため、J車両440においては、S84で肯定判断されることになる。
【0073】
このとき末端復帰要求はないため(S86:NO)、J車両440は、その送信先車両を離脱車両の送信先車両であるL車両460へ変更する(S88)。一方、L車両460は、その送信元車両を離脱車両の送信元車両であるK車両440へ変更する(S85)。
【0074】
次に、図16(b)に示すように、M車両470が離脱車両である場合を説明する。M車両470は、エンジン始動後、利用者によってグループからの削除指示がなされると(図14中のS71:YES)、削除要求を送信する(S73、図17中のU1、U2)。このとき、M車両470は末端車両であるため、図14中のS72にて肯定判断され、末端復帰要求のある第一の削除要求が送信される。削除要求は、送信元車両であるL車両460と、送信先車両であるI車両430とへ送信される。
【0075】
これに対し、L車両460及びI車両430は、受信情報が自車両宛であると判断した後(図15中のS83:YES)、自車両が送信元車両であるか否かを判断する(S84)。このとき、離脱車両であるM車両470から見ると、L車両460が送信元車両であるため、L車両460においては、S84で肯定判断されることになる。
【0076】
このとき末端復帰要求があるため(S86:YES、図17中のU3)、L車両460は、末端復帰フラグをONとし(S87)、その後、送信先車両を離脱車両の送信先車両であるI車両430へ変更する(S88)。一方、I車両430は、その送信元車両を離脱車両の送信元車両であるL車両460へ変更する(S85)。
【0077】
次に、本実施形態のナビゲーション装置1が奏する効果について説明する。
本実施形態では、図3に示したように、L車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す(図7参照)。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す(図6参照)。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。そして、L車両460は、K車両450からの情報受信が途絶えると(図8中のS42:YES)、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する(S44)。なお、異常時処理では、セキュリティ部50の警報音発生部52から警報音が発生させられる。
【0078】
このように、駐車中の車両同士、つまり移動しない車両同士でグループを形成するため、常に安定した通信を行うことができ、正確に他車両の異常を検出することができる。また、グループ内のいずれの車両も送信元車両の異常を検出することができ、グループ内において各車両の異常を確実に検出可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、異常時処理を行うL車両460は、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(図8中のS43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるI車両430へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。その結果、I車両430は、L車両460と同様、異常時処理を実行し(図8中のS44)、このとき、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるJ車両440へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。J車両440も同様に異常時処理を実行する(図8中のS44)。これにより、グループを形成する車両の異常を検知した車両以外の複数の車両が、異常時処理を実行することになり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0080】
しかも、ここでは送信フラグがONにされることで、発報伝聞情報が即座に送信先車両へ送信される。この意味で『前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、前記発報伝聞情報を前記送信先車両へ即座に送信すること』としてもよい。この点でも、防犯効果の向上に寄与する。
【0081】
さらにまた、本実施形態では、上述したように、各車両が、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって自車両に発生する異常を監視してもらうように構成されている。しかも、車両毎に送信先車両及び送信先車両を異なるものとしている(図3参照)。この意味で『複数台(N台)の車両のうち自車両が第n台目の車両である場合、前記送信元車両は第(n−1)台目の車両であり、前記送信先車両は第(n+1)台目の車両であること(n=2、3、4、・・・、N−1)』としてもよい。これにより、特定の車両のみの処理負荷が大きくなることを低減できる。
【0082】
また、本実施形態では、図9及び図10に示した追加要求処理及び追加処理により、また、図14及び図15に示した削除要求処理及び削除処理により、車両のグループを動的に構成できるため、当該システムの実効性を向上させることができる。
【0083】
以上本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施できることは言うまでもない。
【0084】
(イ)上記実施形態では、グループへの追加要求処理(図9参照)において、新規車両側で、最も近い末端車両を選択していた(S55)。これに対し、新規車両が追加要求を送信する際(S52)、自車両の位置を送信する構成とし、グループ側で通信を行い、最も近い末端車両のみが局設定要求を送信する構成としてもよい。
また、例えば、末端車両の位置を基に、地図データ記憶部30に記憶された地図データを用い、新規車両と末端車両とが同一施設(例えば、同一駐車場)に存在するか否かを判断するようにしてもよい。このように、同一施設に駐車されている車両同士でグループを形成することにより、グループ内の車両に異常が検出された場合、同一施設に駐車されているグループ内の他の車両により異常時処理を行うことが可能となり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0085】
(ロ)上記実施形態では、異常を検知した車両は発報伝聞情報を送信先車両へ送信するようにしており、発報伝聞情報を受信した車両がさらに、その車両の送信先車両へ送信するように構成していた。これに対し、追加要求の送信時に返信があった車両全てと定期的に通信を行うシステムとして、異常を検知した自車両が、定期的な通信を行う車両すべてに対し、発報伝聞情報を送信する構成としてもよい。この意味で『前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、前記情報としての発報伝聞情報を全車両に対し送信すること』としてもよい。このようにすれば、全車両が即座に警報音を発生するという点で有利である。
【0086】
(ハ)上記実施形態において、各車両が測る第一の所定時間を、車両が駐車された地域の特性に基づいて設定する構成としてもよい。例えば、繁華街など車両の盗難事件が多発する区画に車両が駐車されたことを地図データ記憶部30の地図データに基づいて判断し、第一の所定時間を相対的に短くするようにしてもよい(例えば、2分)。この意味で『送信手段は、予め記憶されている地図情報に基づいて、前記第一の所定時間を動的に設定可能であること』としてもよい。このようにすれば、地域に応じた適切な防犯効果が得られることになる。
【0087】
(ニ)上記実施形態ではセキュリティ部50の警報音発生部52を介して警報音を発生させているが、例えば車両周辺の写真撮影などを行う構成としても、防犯効果を向上させることができる。盗難現場における写真撮影であるため、窃取状況や窃取行為を行う人物を撮影できる可能性が高いためである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】グループの形成を示す説明図である。
【図3】形成されたグループにおける車車間通信を示す説明図である。
【図4】グループが形成されたことを前提に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】メイン処理における送信フラグ管理処理を示すフローチャートである。
【図6】メイン処理における送信処理を示すフローチャートである。
【図7】メイン処理における受信処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理における異常処理を示すフローチャートである。
【図9】グループへの新規車両の追加に際し実行される追加要求処理を示すフローチャートである。
【図10】グループへの新規車両の追加に際し追加要求処理に対応して実行される追加処理を示すフローチャートである。
【図11】追加処理における局設定処理を示すフローチャートである。
【図12】新規車両の追加を示す説明図である。
【図13】追加要求処理と追加処理との対応を示す説明図である。
【図14】グループからの離脱車両の削除に際し実行される削除要求処理を示すフローチャートである。
【図15】グループからの離脱車両の削除に際し削除要求処理に対応して実行される削除処理を示すフローチャートである。
【図16】離脱車両の削除を示す説明図である。
【図17】削除要求処理と削除処理との対応を示す説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1…ナビゲーション装置、10…ECU(車両特定手段、送信手段、受信手段、異常時処理実行手段、発報処理実行手段)、20…GPS受信機、30…地図データ記憶部、40…通信部、50…セキュリティ部、51…操作ボタン、52…警報音発生部、400〜470…車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盗難防止機能を有する車両が知られている。例えば、所有者でない者が不正な手段で車両を移動させようとした場合に、車両の窃取行為を判断してクラクションなどの警報音を発するセキュリティ装置がある。ところが、窃取行為が行われる場合、事前にセキュリティ装置の機能を停止させられることがあり、実際にはセキュリティ装置が機能しないことも往々にして起こり得る。
【0003】
このような問題を解決するための手段として、携帯電話機などの車両の所有者の携帯端末装置を用いて車両の異常を検知するようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、車両から携帯端末装置への信号を送信し、この信号が途切れた場合に、車両に異常があったことを判断することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−35990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるシステムでは、車両の所有者の携帯端末と通信を行うことで異常を検出しているが、携帯端末は移動してしまうため常に安定して通信が出来るとは限らず、安定して通信が出来ない場合には、車両に異常があったことを正確に判断することができなかった。例えば、携帯端末の所有者が電波の状況が悪い場所(例えば、地下など)に移動した場合には通信を行うことが出来ず、車両から送信される信号を受信することが不可能となるため、車両の異常と判断してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、防犯効果を向上させたセキュリティ機能を有するナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うナビゲーション装置であって、通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定手段と、設定された第一の所定時間間隔で送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信手段と、送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信手段と、受信手段にて第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合、異常時に対応する異常時処理を実行する異常時処理実行手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、自車両から情報を送信する車両である「送信先車両」、及び、自車両へ情報を送信してくる「送信元車両」が特定される。そして、送信元車両から送信されてくるはずの送信元車両確認伝聞情報が途切れた場合、送信元車両に異常が発生したものとされ、異常時に対応する異常時処理が実行される。この異常時処理には、例えば、クラクションの鳴動などによる警報音の発生などが含まれる。
【0009】
つまり、駐車中の車両同士、即ち移動しない車両同士でグループを形成して常に安定した通信を行い、通信が途切れた場合に他車両(送信元車両)の異常を自車両が検出する。なお、送信元車両と送信先車両とが同一車両となっても差し支えない。このようにすれば、正確に他車両の異常を検出することができ、防犯効果の向上が図られる。
【0010】
このようなナビゲーション装置を各車両が備えることで、いずれの車両も送信元車両の異常を検出することができ、グループ内において各車両の異常を確実に検出可能となる。
【0011】
また、送信手段は、異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報を送信するよう構成されており、受信手段にて送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、異常時処理を実行する発報処理実行手段を備えていることとしてもよい。
【0012】
送信元車両に異常が発生したと判断した場合に異常時処理が実行されることは既に述べたが、この異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報が送信先車両へ送信される。一方、送信元車両から送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、発報処理実行手段によって、異常時処理が実行される。このようなナビゲーション装置を各車両が備えることで、グループを形成する車両の異常を検知した車両以外の複数の車両が、異常時処理を実行することになり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0013】
以上は、ナビゲーション装置の発明として説明してきたが、このようなナビゲーション装置の機能はコンピュータシステムにて実現されるため、プログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うためのプログラムであって、通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定処理と、設定された第一の所定時間間隔で送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信処理と、送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信処理と、受信処理にて第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合に実行される異常時に対応する異常時処理とを含むことを特徴とするプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上述のナビゲーション装置と同様の効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置1の全体構成を示す概略ブロック図である。本実施形態のナビゲーション装置1は、後述するように車両に搭載されて用いられ、車車間通信により車両同士で防犯機能を実現する。
ナビゲーション装置1は、電子制御装置(以下「ECU」という)10を中心に構成されている。ECU10には、GPS(Global Positining System)受信機20、地図データ記憶部30、通信部40、及び、セキュリティ部50が電気的に接続されている。
【0015】
ECU10は、いわゆるコンピュータシステムとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、及び、I/Oなどを備えている。なお、CPUはフリーランカウンタを有しており、このフリーランカウンタの値を取得することで計時可能となっている。
GPS受信機20は、衛星からの電波を受信する。この電波に基づく測位によって、自車位置を検出することが可能となっている。もちろん、図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサなどと、相互に補完しながら自車位置を検出しても良いし、GPS受信機20を用いずに自車位置を検出してもよい。
【0016】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、他の記憶媒体を用いても差し支えない。この地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。地図データには、各種データが含まれるが、その一つとして施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には、施設を特定するIDと関連づけて記憶されているPOI(Point Of Interest )情報である。POI情報には、施設ID、住所、種別(ジャンル)、領域データ(領域の外周座標、中心座標等)、などが含まれる。例えば、駐車場の情報も施設情報として記憶されている。
【0017】
通信部40は、無線通信を行うための構成である。本実施形態のナビゲーション装置1は、複数台の車両に搭載されて用いられる。このとき各車両同士の間で車車間通信を可能とするのが、この通信部40である。
セキュリティ部50は、防犯のための構成である。具体的には、防犯機能の開始及び終了を指示するための操作ボタン51、及び、警報音を発生する警報音発生部52を具備してなる。
【0018】
このように構成されたナビゲーション装置1が複数台の車両に搭載されることは、既に述べた。本実施形態では、当該複数台の車両がグループを形成し、このグループ内で通信を行うことを特徴とする。そこで次に、グループの形成について説明する。
【0019】
図2は、グループの形成を示す説明図である。図2に示すように、駐車場Cには、複数台(ここでは7台)の車両400、410、420、430、440、450、460が駐車されている。以下、車両400〜460を区別するため、図2中の記号を用い、F車両400、G車両410、H車両420、I車両430、J車両440、K車両450、L車両460と記述する。
【0020】
図2では、F〜Lの車両400〜460が2つのグループD、Eを形成している。より詳しくは、F〜Hの3台の車両400〜420がグループDを形成し、I〜Lの4台の車両430〜460がグループEを形成している。本実施形態では、このようなグループを形成することにより、グループ単位で通信処理を行う。例えば、グループEについて見ると、図3に示すように、I車両430からJ車両440への情報送信が行われ、J車両440からK車両450への情報送信が行われ、K車両450からL車両460への情報送信が行われ、L車両460からI車両430への情報送信が行われるという具合である。
【0021】
なお、以下では、ある車両から見て、情報の送信先となる車両を「送信先車両」、情報の送信元となる車両を「送信元車両」というものとする。図3において一例を挙げると、L車両460から見て、I車両430が「送信先車両」であり、K車両450が「送信元車両」である。
【0022】
このようなグループが形成された後、I〜Lの各車両430〜460のナビゲーション装置1では、メイン処理が繰り返し実行されることになる。そこで次に、このメイン処理について説明する。
【0023】
図4は、メイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、ステップ(以下「ステップ」を単に記号Sで示す)10の送信フラグ管理処理、S20の送信処理、S30の受信処理、及び、S40の異常処理からなる。これらの処理を順に説明していく。
【0024】
図5に示すように、送信フラグ管理処理では、最初のS11において、前回の送信から第一の所定時間(例えば、3分)が経過したか否かを判断する。前回の送信から第一の所定時間の経過はECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値に基づき判断することが例示される。ここで第一の所定時間が経過したと判断された場合(S11:YES)、S12にて送信フラグをONにし、その後、本送信フラグ管理処理を終了する。一方、第一の所定時間が経過していないと判断された場合(S11:NO)、S12の処理を実行せず、本送信フラグ管理処理を終了する。
【0025】
また、図6に示すように、送信処理では、最初のS21において、送信フラグがONであるか否かを判断する。上述したように、送信フラグは、第一の所定時間が経過したときにONとなる(図5中のS11:YES、S12)。ここで送信フラグがONであると判断された場合(S21:YES)、S22へ移行する。一方、送信フラグがONでないと判断された場合(S21:NO)、すなわち送信フラグがOFFの場合には、以降の処理を実行せず、本送信処理を終了する。
【0026】
S22では、発報フラグがONであるか否かを判断する。この発報フラグについては後述する。ここで発報フラグがONであると判断された場合(S22:YES)、S24にて発報伝聞情報を送信先車両へ送信し、その後、本送信処理を終了する。一方、発報フラグがONでないと判断された場合(S22:NO)、すなわち発報フラグがOFFである場合には、S23にて確認伝聞情報を送信先車両へ送信すると共に送信フラグをOFFとし、その後、本送信処理を終了する。
【0027】
これらの情報の送信は、図1に示した通信部40を介して行われる。発報伝聞情報には、「発報伝聞ID」及び送信先車両のIDである「宛先車両ID」が含まれる。同様に、確認伝聞情報には、「確認伝聞ID」及び送信先車両のIDである「宛先車両ID」が含まれる。
【0028】
このように、本実施形態では、送信フラグ管理処理及び送信処理を繰り返し実行することにより、第一の所定時間間隔で、送信先車両へ情報を送信する。この意味で、ECU10が「送信手段」を構成し、送信フラグ管理処理及び送信処理が「送信手段」の機能としての「送信処理」に相当する。
【0029】
図7に示すように、受信処理では、最初のS31において、通信部40を介し情報を受信したか否かを判断する。この処理は、図1に示した通信部40を介した情報の受信があったか否かを判断するものである。ここで情報を受信したと判断された場合(S31:YES)、S32へ移行する。一方、情報を受信していないと判断された場合(S31:NO)、以降の処理を実行せず、本受信処理を終了する。
【0030】
S32では、受信した情報が自車両宛か否かを判断する。これは、送信された情報に含まれる「宛先車両ID」が自車両のIDと一致しているか否かで判断される。ここで自車両宛であると判断された場合(S32:YES)、S33にて受信フラグをONにし、本受信処理を終了する。一方、自車両宛でないと判断された場合(S32:NO)、S33の処理を実行せず、本受信処理を終了する。
【0031】
また、図8に示すように、異常処理では、最初のS41において、受信フラグがONであるか否かを判断する。上述したように、受信フラグは、自車両宛の情報を受信したときにONとなる(図7中のS31:YES、S32:YES、S33)。ここで受信フラグがONであると判断された場合(S41:YES)、S45へ移行する。一方、受信フラグがONでないと判断された場合(S41:NO)、すなわち自車両宛の情報が受信されないうちは、S42へ移行する。
【0032】
S42では、第二の所定時間が経過したか否かを判断する。この第二の所定時間は、上述した第一の所定時間に基づくものであり、具体的には、第一の所定時間と同一か、あるいは、第一の所定時間よりも長い時間として設定される。また、第一の所定時間の経過と同様、第二の所定時間の経過はECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値に基づき判断することが例示される。ここで第二の所定時間が経過したと判断された場合(S42:YES)、S43へ移行する。一方、第二の所定時間が経過していないと判断された場合(S42:NO)、以降の処理を実行せず、本異常処理を終了する。
【0033】
第二の所定時間が経過した場合に移行するS43では、送信フラグ及び発報フラグを共にONにする。続くS44では異常時処理を実行し、その後、本異常処理を終了する。S44における異常時処理では、セキュリティ部50の警報音発生部52を介し、警報音を発生させる。なお、本実施形態では、警報音発生部52を備える構成としたが、例えば、クラクションを鳴動させるようにしてもよい。
【0034】
受信フラグがONであると判断された場合に移行するS45では、受信フラグをOFFにする。
続くS46では、受信した情報が発報伝聞情報であるか否かを判断する。この発報伝聞情報には、「発報伝聞ID」が含まれる。したがって、ここでは受信情報に「発報伝聞ID」があるか否かを判断する。発報伝聞情報であると判断された場合(S46:YES)、第二の所定時間が経過した場合と同様、S43にて送信フラグ及び発報フラグを共にONとし、S44にて異常時処理を実行して、本異常処理を終了する。一方、発報伝聞情報でないと判断された場合(S46:NO)、すなわち確認伝聞情報である場合には、本異常処理を終了する。
【0035】
このように本実施形態では、繰り返し自車両宛の情報受信を行い(図7中のS31、S32)、情報が受信されないまま第二の所定時間が経過すると(図8中のS41:NO、S42:YES)、異常時処理が実行されるようになっている(S44)。この意味で、ECU10が「受信手段」、「異常時処理実行手段」及び「発報処理実行手段」を構成し、図7に示した受信処理が「受信手段」の機能としての「受信処理」に相当し、図8に示した異常処理のS44が「異常時処理実行手段」及び「発報処理実行手段」の機能としての「異常時処理」に相当する。
【0036】
ところで、S44の異常時処理が実行されるときには、必ずS43にて、送信フラグ及び発報フラグがONとなる。これによって、異常時処理が一度実行されると、図6中のS22にて肯定判断されることになり、発報伝聞情報が送信先車両へ送信されることになる(S24)。また、このときは、送信フラグもONとなっているため、第一の所定時間の経過を待たずに、発報伝聞情報が送信されることになる。
【0037】
一方、発報伝聞情報を受信する送信先車両では、図8に示した異常処理のS46にて肯定判断され、送信フラグ及び発報フラグが共にONとなり(S43)、異常時処理が実行される(S44)。これにより、順次、発報伝聞情報がグループを形成する各車両へ送信されることになる。
【0038】
この点、図3を用いて具体的に説明する。なお、実際には各車両430〜460に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Lの各車両430〜460を主体とした記載とする。
【0039】
例えばL車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す(図7参照)。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す(図6参照)。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。
【0040】
ここで例えば、L車両460について見ると、K車両450からの情報受信が途絶えると(図8中のS42:YES)、L車両460は、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する(S44)。このときL車両460は、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるI車両430へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。
【0041】
その結果、I車両430は、L車両460と同様、異常時処理を実行し(図8中のS44)、このとき、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるJ車両440へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。J車両440も同様に異常時処理を実行する(S44)。
【0042】
以上、グループが形成されている状態での通信処理について説明した。次に、グループを形成するための通信処理について説明する。
ここでは最初にグループへの車両の追加について、図9〜図13を用い説明する。次に、グループからの車両の削除について、図14〜図17を用い説明する。
【0043】
図9は、追加要求処理を示すフローチャートである。この処理は、形成されたグループへの追加を要求する新規車両にて実行されるものであり、駐車後に繰り返し実行される。
最初のS51では、利用者からの追加指示があったか否かを判断する。この処理は、セキュリティ部50の操作ボタン51の操作を判断するものであり、グループへの追加指示があったか否かを判断するものである。ここで追加指示があったと判断された場合(S51:YES)、S52へ移行する。一方、追加指示がないと判断された場合(S51:NO)、以降の処理を実行せず、本追加要求処理を終了する。
【0044】
S52では、グループへの追加要求を送信する。この処理は、車両を特定せずに行われる。この追加要求には、「追加要求ID」及び「新規車両(自車両)のID」が送信される。
【0045】
続くS53では、局設定要求があったか否かを判断する。局設定要求には、「局設定要求ID」、「末端車両のID」、「末端車両の位置」及び当該末端車両の送信先車両としての「先頭車両のID」が含まれる。この局設定要求は、後述するように、グループを形成している車両のうち末端車両から送信されるものである。本実施形態において、末端車両は、最後にグループに追加された車両である。したがって、さらに自車両が追加されれば、次は、自車両が末端車両となる。ここで局設定要求がないと判断された場合(S53:NO)、S54へ移行する。一方、局設定要求があったと判断された場合(S53:YES)、S55へ移行する。
【0046】
S54では、第三の所定時間が経過したか否かを判断する。この判断は、ECU10のCPUが有するフリーランカウンタの値を参照することで行うことが例示される。ここで所定時間が経過したと判断された場合(S54:YES)、本追加要求処理を終了する。一方、所定時間が経過していないと判断された場合(S54:NO)、S53の判断処理を繰り返す。つまり、S53及びS54によって、末端車両から局設定要求があったか否かの判断が、所定時間繰り返されることになる。
【0047】
S55では、新規車両に最も近い末端車両を選択する。複数のグループが存在する場合、複数台の末端車両が存在する。したがって、ここではGPS受信機24にて取得される新規車両(自車両)の位置、局設定要求として送信される「末端車両の位置」及び地図データ記憶部30の地図データに基づき、新規車両に最も近い末端車両を選択する。
【0048】
次のS56では、局設定応答を送信する。ここでは、「局設定応答ID」、情報送信の宛先となる「宛先車両ID」、及び「自車両ID」が送信される。宛先車両は、末端車両及び先頭車両である。したがって、「宛先車両ID」は、末端車両ID及び先頭車両IDとなる。
続くS57では末端フラグをONとする。これにより、自車両が次の末端車両となる。S58の処理終了後、本追加要求処理を終了する。
【0049】
次に、図9の追加要求処理に対応する追加処理を、図10を参照して説明する。この追加処理は、イグニッションキーがオフされている間、繰り返し実行されるものである。
最初のS61において、他車両からの情報受信があったか否かを判断するものである。ここで受信があったと判断された場合(S61:YES)、S62へ移行する。一方、受信がないと判断された場合(S61:NO)、以降の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0050】
S62では、受信した情報が追加要求であるか否かを判断する。この処理は、図9中のS52の追加要求の送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「追加要求ID」が含まれているか否かを判断する。ここで追加要求であると判断された場合(S62:YES)、S63へ移行する。一方、追加要求でないと判断された場合(S62:NO)、S63及びS64の処理を実行せず、S65へ移行する。
【0051】
S63では、末端フラグがONであるか否かを判断する。この処理は、自車両が末端車両であるか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONであると判断された場合(S63:YES)、S64へ移行する。一方、末端フラグがONでないと判断された場合(S63:NO)、S64の処理を実行せず、S65へ移行する。
【0052】
S64では、局設定要求を送信する。この局設定要求には、「局設定要求ID」、「自車両ID」、「自車両の位置」及び自車両の送信先車両である「先頭車両ID」が含まれる。これを新規車両側から見ると、上述したように「局設定要求ID」、「末端車両ID」、「末端車両の位置」及び「先頭車両ID」が送信されてくることになる。
【0053】
S65では、受信した情報が局設定応答であるか否かを判断する。この処理は、図9中のS57の局設定応答送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「局設定応答ID」が含まれているか否かで判断する。ここで局設定応答であると判断された場合(S65:YES)、S66へ移行する。一方、局設定応答でないと判断された場合(S65:NO)、S66及びS67の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0054】
S66では、自車両宛か否かを判断する。図9中のS57では、末端車両及び先頭車両へ向けて、局設定応答が送信される。具体的には、末端車両ID及び先頭車両IDが「宛先車両ID」として送信される。したがって、ここでは、宛先車両IDが自車両IDに一致するか否かを判断する。ここで自車両宛であると判断された場合(S66:YES)、S67にて局設定処理を実行し、その後、本追加処理を終了する。S67では、末端車両及び先頭車両において、局設定処理が実行されることになる。一方、自車両宛でないと判断された場合(S66:NO)、S67の処理を実行せず、本追加処理を終了する。
【0055】
続けて、図10中のS67で実行される局設定処理の詳細を、図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
最初のS671では、末端フラグがONであるか否かを判断する。これは、自車両が末端車両であるか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONであると判断された場合(S671:YES)、すなわち自車両が末端車両である場合には、S672にて末端フラグをOFFとし、S673で送信先車両を新規車両に変更して、その後、局設定処理を終了する。一方、末端フラグがONでないと判断された場合(S671:NO)、すなわち、自車両が先頭車両である場合には、S674にて送信元車両を新規車両に変更し、その後、局設定処理を終了する。
【0057】
なお、本実施形態におけるECU10が「車両特定手段」を構成し、図9および図10に示す追加要求処理、追加処理が「車両特定手段」の機能としての「車両特定処理」に相当する。
【0058】
ここで、図9〜図11を用いて説明した追加要求処理及び追加処理に対する理解を容易にするため、図12及び図13を用いて具体的な説明を加える。
【0059】
図12(a)に示すように、I〜Lの4台の車両430〜460がグループを形成しているものとする。このとき、末端車両はL車両460であり、先頭車両はI車両430であるものとして以下説明を続ける。なお、実際には各車両430〜460に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Lの各車両430〜460を主体とした記載とする。
【0060】
新規車両としてのM車両470は、その駐車後、利用者によってグループへの追加指示がなされると(図9中のS51:YES)、追加要求を送信する(S52、図13中のT1)。このとき、末端車両の場合には図10中のS63にて肯定判断されるため、末端車両であるL車両460は、追加要求に応じて、局設定要求を送信する(S64、図13中のT2)。これに対し、新規車両であるM車両470は、複数台の末端車両がある場合、末端車両のうちで最も近い車両を選択し(図9中のS55)、局設定応答を送信する(S56、図13中のT3、T4)。
【0061】
これにより、末端車両であるL車両460及び先頭車両であるI車両430は、局設定処理を実行する(図10中のS67、図11参照)。具体的に、末端車両であるL車両460は、末端フラグをOFFとし(図11中のS672)、送信先車両を新規車両であるM車両470へ変更する。一方、先頭車両であるI車両430は、送信元車両を新規車両であるM車両470へ変更する。これにより、図12(b)に示す如く、M車両470が末端車両として追加されることになる。
【0062】
図14は、削除要求処理を示すフローチャートである。この処理は、形成されたグループからの削除を要求する離脱車両にて実行されるものであり、エンジンの始動時に実行される。
最初のS71では、利用者からの削除指示があったか否かを判断する。この処理は、セキュリティ部50の操作ボタン51の操作を判断するものであり、グループからの削除指示があったか否かを判断するものである。ここで削除指示があったと判断された場合(S71:YES)、S72へ移行する。一方、削除指示がないと判断された場合(S71:NO)、以降の処理を実行せず、本削除要求処理を終了する。
【0063】
S72では、末端フラグがONであるか否かを判断する。この処理は、離脱車両がグループの末端車両であったか否かを判断するものである。ここで末端フラグがONである場合(S72:YES)、S73にて第一の削除要求を送信する。この第一の削除要求には、末端復帰要求が含まれる。具体的には、「宛先車両ID」、「削除要求ID」、自車両のIDである「離脱車両のID」及び「末端復帰要求を示す情報」が含まれる。一方、末端フラグがONでない場合(S72:NO)、S74にて第二の削除要求を送信する。この第二の削除要求は、末端復帰要求を含まない。具体的には、「宛先車両ID」、「削除要求ID」及び「離脱車両ID」が含まれる。ここで「宛先車両ID」は、離脱車両の送信元車両ID及び送信先車両IDである。
【0064】
次に、図14の削除要求処理に対応する削除処理を、図15を参照して説明する。この削除処理は、イグニッションキーがオフされている間、繰り返し実行されるものである。
最初のS81において、受信があったか否かを判断する。この処理は、他車両からの情報受信があったか否かを判断するものである。ここで受信があったと判断された場合(S81:YES)、S82へ移行する。一方、受信がないと判断された場合(S81:NO)、以降の処理を実行せず、本削除処理を終了する。
【0065】
S82では、受信した情報が削除要求であるか否かを判断する。この処理は、図14中のS73又はS74の削除要求の送信に対応するものである。したがって、ここでは、受信された情報に「削除要求ID」が含まれているか否かを判断する。ここで削除要求であると判断された場合(S82:YES)、S83へ移行する。一方、削除要求でないと判断された場合(S82:NO)、以降の処理を実行せず、本削除処理を終了する。
【0066】
S83では、自車両宛か否かを判断する。図14中のS73又はS74では、離脱車両の送信元車両及び送信先車両へ向けて、削除要求が送信される。具体的には、「宛先車両ID」として、離脱車両の送信元車両ID及び送信先車両IDが送信される。したがって、ここでは、宛先車両IDが自車両のIDに一致するか否かを判断する。ここで自車両宛であると判断された場合(S83:YES)、S84へ移行する。一方、自車両宛でないと判断された場合(S83:NO)、以降の処理を実行せずに、本削除処理を終了する。
【0067】
S84では、離脱車両から見て自車両が送信元車両であるか否かを判断する。ここで離脱車両から見て自車両が送信元車両でない場合(S84:NO)、S85にて自車両の送信元車両を離脱車両の送信元車両に変更し、本削除処理を終了する。一方、離脱車両から見て自車両が送信元車両である場合(S84:YES)、S86へ移行する。
【0068】
S86では、末端復帰要求があるか否かを判断する。図14中のS73にて削除要求が送信されるときは、上述したように「末端復帰要求を示す情報」が含まれる。ここで末端復帰要求があると判断された場合(S86:YES)、S87にて末端フラグをONにし、S88へ移行する。一方、末端復帰要求がないと判断された場合(S86:NO)、S87の処理を実行せず、S88へ移行する。S88では、自車両の送信先車両を離脱車両の送信先車両に変更し、その後、本削除処理を終了する。
【0069】
ここで、図14及び図15を用いて説明した削除要求処理及び削除処理に対する理解を容易にするため、図16及び図17を用いて具体的な説明を加える。
【0070】
なお、実際には各車両430〜470に搭載されるナビゲーション装置1のECU10が処理実行の主体となるが、煩雑になることを避ける意味で、ここでは、I〜Mの各車両430〜470を主体とした記載とする。図16に示すように、I〜Mの5台の車両430〜470がグループを形成しているものとする。このとき末端車両はM車両470であるものとして以下説明を続ける。
【0071】
最初に、図16(a)に示すように、K車両450が離脱車両である場合を説明する。K車両450は、エンジン始動後、利用者によってグループからの削除指示がなされると(図14中のS71:YES)、削除要求を送信する(S74、図17中のU1、U2)。このとき、K車両450は末端車両でないため、図14中のS72にて否定判断されて、末端復帰要求のない第二の削除要求が送信される。削除要求は、送信元車両であるJ車両440と、送信先車両であるL車両460とへ送信される。
【0072】
これに対し、J車両440及びL車両460は、受信情報が自車両宛であると判断した後(図15中のS83:YES)、自車両が送信元車両であるか否かを判断する(S84)。このとき、離脱車両であるK車両450から見ると、J車両440が送信元車両であるため、J車両440においては、S84で肯定判断されることになる。
【0073】
このとき末端復帰要求はないため(S86:NO)、J車両440は、その送信先車両を離脱車両の送信先車両であるL車両460へ変更する(S88)。一方、L車両460は、その送信元車両を離脱車両の送信元車両であるK車両440へ変更する(S85)。
【0074】
次に、図16(b)に示すように、M車両470が離脱車両である場合を説明する。M車両470は、エンジン始動後、利用者によってグループからの削除指示がなされると(図14中のS71:YES)、削除要求を送信する(S73、図17中のU1、U2)。このとき、M車両470は末端車両であるため、図14中のS72にて肯定判断され、末端復帰要求のある第一の削除要求が送信される。削除要求は、送信元車両であるL車両460と、送信先車両であるI車両430とへ送信される。
【0075】
これに対し、L車両460及びI車両430は、受信情報が自車両宛であると判断した後(図15中のS83:YES)、自車両が送信元車両であるか否かを判断する(S84)。このとき、離脱車両であるM車両470から見ると、L車両460が送信元車両であるため、L車両460においては、S84で肯定判断されることになる。
【0076】
このとき末端復帰要求があるため(S86:YES、図17中のU3)、L車両460は、末端復帰フラグをONとし(S87)、その後、送信先車両を離脱車両の送信先車両であるI車両430へ変更する(S88)。一方、I車両430は、その送信元車両を離脱車両の送信元車両であるL車両460へ変更する(S85)。
【0077】
次に、本実施形態のナビゲーション装置1が奏する効果について説明する。
本実施形態では、図3に示したように、L車両460は、送信元車両であるK車両450からの情報受信を繰り返す(図7参照)。これにより、K車両450に発生する異常を監視する。また、L車両460は、K車両450からの情報受信と並行して、送信先車両であるI車両430への情報送信を繰り返す(図6参照)。これにより、L車両460に発生する異常は、I車両430によって監視されることになる。つまり、各車両は、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって、自車両に発生する異常を監視してもらうのである。そして、L車両460は、K車両450からの情報受信が途絶えると(図8中のS42:YES)、K車両450に異常があったものとして、異常時処理を実行する(S44)。なお、異常時処理では、セキュリティ部50の警報音発生部52から警報音が発生させられる。
【0078】
このように、駐車中の車両同士、つまり移動しない車両同士でグループを形成するため、常に安定した通信を行うことができ、正確に他車両の異常を検出することができる。また、グループ内のいずれの車両も送信元車両の異常を検出することができ、グループ内において各車両の異常を確実に検出可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、異常時処理を行うL車両460は、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(図8中のS43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるI車両430へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。その結果、I車両430は、L車両460と同様、異常時処理を実行し(図8中のS44)、このとき、送信フラグ及び発報フラグを共にONとし(S43)、即座に、発報伝聞情報を送信先車両であるJ車両440へ送信する(図6中のS21:YES、S22:YES、S24)。J車両440も同様に異常時処理を実行する(図8中のS44)。これにより、グループを形成する車両の異常を検知した車両以外の複数の車両が、異常時処理を実行することになり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0080】
しかも、ここでは送信フラグがONにされることで、発報伝聞情報が即座に送信先車両へ送信される。この意味で『前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、前記発報伝聞情報を前記送信先車両へ即座に送信すること』としてもよい。この点でも、防犯効果の向上に寄与する。
【0081】
さらにまた、本実施形態では、上述したように、各車両が、送信元車両に発生する異常を監視すると共に、送信先車両によって自車両に発生する異常を監視してもらうように構成されている。しかも、車両毎に送信先車両及び送信先車両を異なるものとしている(図3参照)。この意味で『複数台(N台)の車両のうち自車両が第n台目の車両である場合、前記送信元車両は第(n−1)台目の車両であり、前記送信先車両は第(n+1)台目の車両であること(n=2、3、4、・・・、N−1)』としてもよい。これにより、特定の車両のみの処理負荷が大きくなることを低減できる。
【0082】
また、本実施形態では、図9及び図10に示した追加要求処理及び追加処理により、また、図14及び図15に示した削除要求処理及び削除処理により、車両のグループを動的に構成できるため、当該システムの実効性を向上させることができる。
【0083】
以上本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施できることは言うまでもない。
【0084】
(イ)上記実施形態では、グループへの追加要求処理(図9参照)において、新規車両側で、最も近い末端車両を選択していた(S55)。これに対し、新規車両が追加要求を送信する際(S52)、自車両の位置を送信する構成とし、グループ側で通信を行い、最も近い末端車両のみが局設定要求を送信する構成としてもよい。
また、例えば、末端車両の位置を基に、地図データ記憶部30に記憶された地図データを用い、新規車両と末端車両とが同一施設(例えば、同一駐車場)に存在するか否かを判断するようにしてもよい。このように、同一施設に駐車されている車両同士でグループを形成することにより、グループ内の車両に異常が検出された場合、同一施設に駐車されているグループ内の他の車両により異常時処理を行うことが可能となり、防犯効果の一層の向上が図られる。
【0085】
(ロ)上記実施形態では、異常を検知した車両は発報伝聞情報を送信先車両へ送信するようにしており、発報伝聞情報を受信した車両がさらに、その車両の送信先車両へ送信するように構成していた。これに対し、追加要求の送信時に返信があった車両全てと定期的に通信を行うシステムとして、異常を検知した自車両が、定期的な通信を行う車両すべてに対し、発報伝聞情報を送信する構成としてもよい。この意味で『前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、前記情報としての発報伝聞情報を全車両に対し送信すること』としてもよい。このようにすれば、全車両が即座に警報音を発生するという点で有利である。
【0086】
(ハ)上記実施形態において、各車両が測る第一の所定時間を、車両が駐車された地域の特性に基づいて設定する構成としてもよい。例えば、繁華街など車両の盗難事件が多発する区画に車両が駐車されたことを地図データ記憶部30の地図データに基づいて判断し、第一の所定時間を相対的に短くするようにしてもよい(例えば、2分)。この意味で『送信手段は、予め記憶されている地図情報に基づいて、前記第一の所定時間を動的に設定可能であること』としてもよい。このようにすれば、地域に応じた適切な防犯効果が得られることになる。
【0087】
(ニ)上記実施形態ではセキュリティ部50の警報音発生部52を介して警報音を発生させているが、例えば車両周辺の写真撮影などを行う構成としても、防犯効果を向上させることができる。盗難現場における写真撮影であるため、窃取状況や窃取行為を行う人物を撮影できる可能性が高いためである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】グループの形成を示す説明図である。
【図3】形成されたグループにおける車車間通信を示す説明図である。
【図4】グループが形成されたことを前提に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】メイン処理における送信フラグ管理処理を示すフローチャートである。
【図6】メイン処理における送信処理を示すフローチャートである。
【図7】メイン処理における受信処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理における異常処理を示すフローチャートである。
【図9】グループへの新規車両の追加に際し実行される追加要求処理を示すフローチャートである。
【図10】グループへの新規車両の追加に際し追加要求処理に対応して実行される追加処理を示すフローチャートである。
【図11】追加処理における局設定処理を示すフローチャートである。
【図12】新規車両の追加を示す説明図である。
【図13】追加要求処理と追加処理との対応を示す説明図である。
【図14】グループからの離脱車両の削除に際し実行される削除要求処理を示すフローチャートである。
【図15】グループからの離脱車両の削除に際し削除要求処理に対応して実行される削除処理を示すフローチャートである。
【図16】離脱車両の削除を示す説明図である。
【図17】削除要求処理と削除処理との対応を示す説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1…ナビゲーション装置、10…ECU(車両特定手段、送信手段、受信手段、異常時処理実行手段、発報処理実行手段)、20…GPS受信機、30…地図データ記憶部、40…通信部、50…セキュリティ部、51…操作ボタン、52…警報音発生部、400〜470…車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うナビゲーション装置であって、
通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定手段と、
設定された第一の所定時間間隔で前記送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信手段と、
前記送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信手段と、
前記受信手段にて前記送信元車両からの前記送信元車両確認伝聞情報を受信した後、前記第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても前記送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合、異常時に対応する異常時処理を実行する異常時処理実行手段と、
を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報を前記送信先車両へ送信するよう構成されており、
前記受信手段にて送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、前記異常時処理を実行する発報処理実行手段を備えていること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うためのプログラムであって、
通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定処理と、
設定された第1の所定時間間隔で前記送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信処理と、
前記送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信処理と、
前記受信処理にて前記送信元車両からの前記送信元車両確認伝聞情報を受信した後、前記第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても前記送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合に実行される異常時に対応する異常時処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うナビゲーション装置であって、
通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定手段と、
設定された第一の所定時間間隔で前記送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信手段と、
前記送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信手段と、
前記受信手段にて前記送信元車両からの前記送信元車両確認伝聞情報を受信した後、前記第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても前記送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合、異常時に対応する異常時処理を実行する異常時処理実行手段と、
を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記送信手段は、前記異常時処理の実行後にあっては、自車両発報伝聞情報を前記送信先車両へ送信するよう構成されており、
前記受信手段にて送信元車両発報伝聞情報が受信された場合、前記異常時処理を実行する発報処理実行手段を備えていること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
自車両の防犯機能の開始要求を検出した場合に、駐車中の車両と通信を行うためのプログラムであって、
通信を行う駐車中の車両として、送信先車両、及び送信元車両を特定する車両特定処理と、
設定された第1の所定時間間隔で前記送信先車両へ自車両確認伝聞情報を送信する送信処理と、
前記送信元車両から送信元車両確認伝聞情報を受信する受信処理と、
前記受信処理にて前記送信元車両からの前記送信元車両確認伝聞情報を受信した後、前記第一の所定時間に基づく第二の所定時間が経過しても前記送信元車両確認伝聞情報が受信されない場合に実行される異常時に対応する異常時処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−117926(P2010−117926A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291199(P2008−291199)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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