説明

ナビゲーション装置及び右折支援方法

【課題】
設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、適切な運転操作のための誘導を行う。
【解決手段】
車両CRが右折をすべき交差点に近づくと、位置関係算出手段720が、撮影手段710による撮影結果に基づいて、車両CRとセンターラインとの距離及び角度を算出する。また、車両CRが当該交差点に進入すると、位置関係算出手段720が、撮影手段710による撮影結果に基づいて、車両CRとセンターマークとの距離を算出する。こうして算出された位置関係情報に基づいて、誘導情報生成手段740が、車両CRをセンターラインに近づけるとともに、車両CRをセンターラインと平行にするための音声誘導情報の生成、及び、車両CRをセンターマークに近づけるための音声誘導情報の生成を行う。そして、生成された音声誘導情報に基づく誘導音声が、音声出力手段750から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、右折支援方法及び右折支援プログラム、並びに、当該右折支援プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多くの車両にナビゲーション装置が搭載されている。こうしたナビゲーション装置は、目的地までの走行経路の探索、探索された走行経路の中から選択されて設定された経路である設定経路に沿った走行のための案内誘導等の運転支援を行う。
【0003】
かかるナビゲーション装置が行う運転支援に関する技術として、交差点における右折時の運転を支援する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。この従来例1の技術では、車両の右折操作が開始された場合に、周囲の撮影結果における中央ゼブラゾーン(導流帯)の検出を試みる。そして、中央ゼブラゾーンが検出できなかった場合には、後続車両の渋滞を防止するために、なるべく中央車線マーク(以下、「センターライン」とも呼ぶ。)に近づけるための誘導を行う。一方、中央ゼブラゾーンが検出できた場合には、中央ゼブラゾーンへの侵入を促す誘導を行う。
【0004】
また、右折時の運転を支援する技術ではないが、臨場感にあふれるナビゲーション表示を行うために、鳥瞰図表示を行う技術も提案されている(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。この従来例2の技術では、車両位置及び進行方向の検出結果、視点や視線方向や視覚の設定内容、及び、地図情報に基づき車両周辺の鳥瞰図画像を作成する。また、車両の傾斜角の検出結果及び車両画像データに基づいて、検出された傾斜角に対応する車両画像を作成する。そして、鳥瞰図画像と車両画像とを合成した画像によるナビゲーション表示を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−110343号公報
【特許文献2】特開2003−302235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例1の技術では、中央ゼブラゾーンが検出できない場合には、センターラインに車両を近づけるための誘導を行うが、センターラインに対する車両の姿勢までの誘導を行う訳ではないので、当該誘導に従ったとしても、センターラインに対して車両が斜めとなってしまう場合があった。こうした場合には、後続車両の通行妨害や対向車両の通行障害の防止を十分に図ることができない。
【0007】
ところで、多くの交差点には、交差点の中央を示すセンターマークが描かれている。こうしたセンターマークは、交差点での右折待機時等における車両位置の設定の際に非常に有効な目安となり得る。しかしながら、従来例1の技術では、センターマークに関する考慮はなされていない。
【0008】
また、従来例2の技術では、撮影画像の利用を行うことなく、予め記憶された地図データ等に基づいて、ナビゲーション表示を行う。この結果、現実のセンターラインやセンターマークを目安とすることができる態様で右折支援のためのナビゲーション表示をすることができない。
【0009】
このため、右折すべき交差点における右折待機を行うために適切な操作のための誘導をすることができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、適切な運転操作のための誘導を行うことができるナビゲーション装置及び右折支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載され、目的地までの設定経路に沿った走行を案内誘導するナビゲーション装置であって、前記車両に対する右方周辺画像及び右前方画像を含む画像を撮影する撮影手段と;前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点付近の中央車線マーク及び前記交差点の中心を示すセンターマークと前記車両との位置関係情報を、前記車両と前記中央車線マークとのなす角度を含めて算出する位置関係算出手段と;前記算出された位置関係情報に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作の音声誘導情報を含む誘導情報を生成する誘導情報生成手段と;前記音声誘導情報を出力する音声出力手段と;を備えることを特徴とするナビゲーション装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、搭載された車両に対する右方周辺画像及び右前方画像を含む画像を撮影する撮影手段と;音声を出力する音声出力手段を備え、前記車両の目的地までの設定経路に沿った走行を案内誘導するナビゲーション装置において使用される右折支援方法であって、前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点付近の中央車線マーク及び前記交差点の中心を示すセンターマークと前記車両との位置関係情報を、前記車両と前記中央車線マークとのなす角度を含めて算出する位置関係算出工程と;前記算出された位置関係情報に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作の音声誘導情報を含む誘導情報を生成する誘導情報生成工程と;前記音声誘導情報を前記音声出力手段から出力する誘導音声出力工程と;を備えることを特徴とする右折支援方法である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の右折支援方法を演算手段により実行させる、ことを特徴とする右折支援プログラムである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の右折支援プログラムが、演算手段により読取可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図2の記憶ユニットに記憶されるデータを説明するための図である。
【図4】図2の装置による右折支援処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4のセンターライン関連処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】センターライン関連処理において表示される誘導画像の例を示す図である。
【図7】図4のセンターマーク関連処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】センターマーク関連処理において表示される誘導画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1を参照して説明する。なお、以下の説明においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
[構成]
図1には、一実施形態に係るナビゲーション装置700の概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、ナビゲーション装置700は、車両CRに搭載される。
【0018】
上記のナビゲーション装置700は、撮影手段710と、位置関係算出手段720と、車両形状情報記憶手段730とを備えている。また、ナビゲーション装置700は、誘導情報生成手段740と、音声出力手段750と、画像表示手段760とを備えている。
【0019】
上記の撮影手段710は、車両CRの全方向の周辺画像を撮影する。この撮影手段710は、例えば、車両CRの複数の所定位置に設置された広視野角のカメラを備えて構成される。撮影手段710による撮影画像は、位置関係算出手段720及び誘導情報生成手段740へ送られる。
【0020】
上記の位置関係算出手段720は、撮影手段710から送られた撮影画像を受ける。この位置関係算出手段720は、車両CRが、設定経路において右折をすべき交差点に近づくと、右側方の撮影画像の解析によるセンターラインの検出を開始する。そして、当該交差点へ進入するまでにセンターラインが検出されると、位置関係算出手段720は、撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターラインとの間の距離、及び、車両CRの縦方向とセンターラインとのなす角度を算出する。かかる算出処理の結果は、誘導情報生成手段740へ送られる。
【0021】
なお、車両CRとセンターラインとの位置関係の算出処理は、当該交差点へ進入し、センターラインが検出されなくなるまで、継続的に行われる。
【0022】
位置関係算出手段720は、進入前にセンターラインが検出された右折をすべき交差点に車両CRが進入すると、右前方の撮影画像の解析によるセンターマークの検出を開始する。そして、センターマークが検出されると、位置関係算出手段720は、撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターマークとの間の距離を算出する。かかる算出処理の結果は、誘導情報生成手段740へ送られる。
【0023】
上記の車両形状情報記憶手段730には、車両CRの形状情報が記憶される。この車両CRの形状情報には、車両CRの長さ及び幅が含まれている。なお、車両形状情報記憶手段730には、誘導情報生成手段740が、必要に応じて、アクセスするようになっている。
【0024】
上記の誘導情報生成手段740は、位置関係算出手段720から送られた位置関係情報の算出結果、及び、撮影手段710から送られた撮影画像を受ける。そして、誘導情報生成手段740は、位置関係情報の算出結果及び撮影画像に基づいて、音声誘導情報及び画像誘導情報を生成する。そして、誘導情報生成手段740は、音声誘導情報を音声出力手段750へ送るとともに、画像誘導情報を画像表示手段760へ送る。
【0025】
なお、誘導情報生成手段740による誘導情報の生成処理の内容については、後述する。
【0026】
上記の音声出力手段750は、スピーカを備えて構成される。この音声出力手段750は、誘導情報生成手段740から送られた音声誘導情報を受ける。そして、音声出力手段750は、音声誘導情報に従った誘導音声を出力する。
【0027】
画像表示手段760は、表示デバイスを備えて構成される。この画像表示手段760は、誘導情報生成手段740から送られた画像誘導情報を受ける。そして、画像表示手段760は、画像誘導情報に従った誘導画像を表示する。
【0028】
[動作]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置700の動作について、説明する。
【0029】
ナビゲーション装置700では、撮影手段710が、車両CRの全方向の周辺画像を撮影する。そして、撮影手段710は、撮影画像を位置関係算出手段720及び誘導情報生成手段740へ送る。
【0030】
<位置関係情報の算出処理>
位置関係情報の算出処理は、位置関係算出手段720により行われる。
【0031】
撮影手段710による撮影動作と並行して、位置関係算出手段720は、車両CRが、設定経路において右折をすべき交差点に近づいたか否かを判定する。この判定の結果が肯定的となると、位置関係算出手段720は、車両CRの右側方の撮影画像の解析によるセンターラインの検出を開始する。そして、当該交差点へ進入するまでにセンターラインが検出されると、位置関係算出手段720は、撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターラインとの間の距離、及び、車両CRの縦方向とセンターラインとのなす角度を算出する。そして、位置関係算出手段720は、算出されたセンターラインとの位置関係情報を、誘導情報生成手段740へ送る。
【0032】
上述のセンターラインとの位置関係の算出処理と並行して、位置関係算出手段720は、車両CRが交差点に進入したか否かを判定する。この判定の結果が肯定的となると、位置関係算出手段720は、右前方の撮影画像の解析によるセンターマークの検出を開始する。
【0033】
なお、車両CRが交差点に進入し、センターラインが検出されなくなると、位置関係算出手段720は、センターラインとの位置関係の算出処理を終了する。
【0034】
センターマークが検出されると、位置関係算出手段720は、撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターマークとの間の距離を算出する。そして、位置関係算出手段720は、センターマークとの間の距離の算出結果を誘導情報生成手段740へ送る。
【0035】
そして、位置関係算出手段720は、車両CRが交差点を右折すると、センターマークとの間の距離の算出処理を終了する。
【0036】
<誘導情報の生成処理>
誘導情報の生成処理は、誘導情報生成手段740により行われる。誘導情報生成手段740は、誘導情報の生成処理を行って、音声誘導情報及び画像誘導情報を生成する。
【0037】
《音声誘導情報の生成処理》
位置関係算出手段720から送られたセンターラインとの位置関係情報を受けると、誘導情報生成手段740は、車両CRとセンターラインとの距離が第1所定距離以下であるか否かの第1誘導判定、及び、車両CRとセンターラインとの角度が所定角度以下であるか否かの第2誘導判定を行う。なお、本実施形態では、第1所定距離として「0m」を採用するとともに、所定角度として「0°」を採用している。
【0038】
第1誘導判定の結果が否定的であった場合には、誘導情報生成手段740は、「車両CRをセンターラインに近づける」ように誘導するための音声誘導情報を生成する。また、第2誘導判定の結果が否定的であった場合には、誘導情報生成手段740は、「車両CRをセンターラインと平行に近づける」ように誘導するための音声誘導情報を生成する。さらに、第1及び第2誘導判定の結果の双方が否定的であった場合には、誘導情報生成手段740は、「車両CRをセンターラインに近づけ、かつ、車両CRをセンターラインと平行に近づける」ための音声誘導情報を生成する。そして、誘導情報生成手段740は、生成された音声誘導情報を音声出力手段750へ送る。
【0039】
また、位置関係算出手段720から送られたセンターマークとの位置関係情報を受けると、誘導情報生成手段740は、車両CRとセンターマークとの距離が第2所定距離以下であるか否かの第3誘導判定を行う。なお、本実施形態では、第2所定距離として「0m」を採用している。
【0040】
第3誘導判定の結果が否定的であった場合には、誘導情報生成手段740は、「車両CRをセンターマークに近づける」ように誘導するための音声誘導情報を生成する。そして、誘導情報生成手段740は、生成された音声誘導情報を音声出力手段750へ送る。
【0041】
《画像誘導情報の生成処理》
位置関係算出手段720から送られたセンターラインとの位置関係情報を受けると、誘導情報生成手段740は、全方向に関する撮影画像を取り込む。引き続き、誘導情報生成手段740は、取り込んだ撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像を生成する。
【0042】
次に、誘導情報生成手段740は、車両形状情報記憶手段730から車両CRの形状情報を読み取る。引き続き、誘導情報生成手段740は、読み取られた車両CRの形状情報から車両CRの平面視画像を生成する。
【0043】
次いで、誘導情報生成手段740は、生成された鳥瞰画像と、生成された車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成する。引き続き、誘導情報生成手段740は、合成画像に、センターラインとの位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成する。そして、誘導情報生成手段740は、生成された画像誘導情報を画像表示手段760へ送る。
【0044】
また、位置関係算出手段720から送られたセンターマークとの位置関係情報を受けると、誘導情報生成手段740は、上述したセンターラインとの位置関係情報を受けた場合と同様にして、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像、及び、車両CRの平面視画像を生成する。次に、誘導情報生成手段740は、生成された鳥瞰画像と、生成された車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成した後、当該合成画像にセンターマークとの位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成する。そして、誘導情報生成手段740は、生成された画像誘導情報を画像表示手段760へ送る。
【0045】
上述されるようにして生成された音声誘導情報を受けると、音声出力手段750は、当該音声誘導情報に基づく誘導音声を出力する。また、上述のようにして生成された画像誘導情報を受けると、画像表示手段760は、当該画像誘導情報に基づく誘導画像を表示する。この結果、利用者に対して、右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作が提示される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、車両CRが設定経路において右折をすべき交差点に近づくと、位置関係算出手段720が、撮影手段710による車両CRの右側方の撮影結果の解析によるセンターラインの検出を開始する。そして、当該交差点へ進入するまでにセンターラインが検出されると、位置関係算出手段720が、撮影画像に基づいて、車両CRとセンターラインとの間の距離、及び、車両CRの縦方向とセンターラインとのなす角度を算出する。次に、誘導情報生成装置740が、位置関係算出手段720によるセンターラインとの位置関係情報の算出結果に基づいて、車両CRをセンターラインに近づけるとともに、車両CRをセンターラインと平行にするための音声誘導情報を生成する。
【0047】
また、車両CRが、進入前にセンターラインが検出された交差点に進入すると、位置関係算出手段720が、撮影手段710による車両CRの右前方の撮影結果の解析によるセンターマークの検出を開始する。そして、センターマークが検出されると、位置関係算出手段720が、撮影画像に基づいて、車両CRとセンターマークとの間の距離を算出する。次に、誘導情報生成装置740が、位置関係算出手段720によるセンターマークとの位置関係情報の算出結果に基づいて、車両CRをセンターマークに近づけるための音声誘導情報を生成する。
【0048】
こうして誘導情報生成手段740により生成された音声誘導情報に基づく誘導音声が、音声出力手段750から出力される。したがって、本実施形態によれば、設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、適切な運転操作のための誘導を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、誘導情報生成手段740が、音声誘導情報の生成と並行して、撮影手段710による車両CRの全方向の撮影結果と、車両形状情報記憶手段730に記憶された車両形状情報とに基づいて、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像と、車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成する。引き続き、誘導情報生成手段740が、当該合成画像に、位置関係算出手段720から送られた位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成する。
【0050】
こうして誘導情報生成手段740により生成された画像誘導情報に基づく誘導画像が、画像表示手段760に表示される。したがって、本実施形態によれば、設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、視覚及び聴覚を介して、適切な運転操作のための誘導を行うことができる。
【0051】
なお、上記の実施形態では、誘導情報として音声誘導情報及び画像誘導情報の双方を含むようにしたが、音声誘導情報のみを含むようにしてもよい。
【0052】
また、上記の実施形態では、画像誘導情報には、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像と車両CRの平面視画像を合成した合成画像、及び、位置関係情報の文字表示の双方を含むようにしたが、位置関係情報の文字表示のみを含むようにしてもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、センターライン及びセンターマークと車両CRとの距離を、撮影画像の解析により算出するようにしたが、測距手段を更に備えるようにし、測距手段によるセンターライン及びセンターマークまでの距離の測定結果を併用して、センターライン及びセンターマークと車両CRとの距離を算出するようにしてもよい。
【0054】
また、上記の実施形態のナビゲーション装置を、演算手段としてのコンピュータを備えたコンピュータ装置として構成し、上述した位置関係算出手段及び誘導情報生成手段の機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにすることができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明のナビゲーション装置の一実施例を、図2〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0056】
[構成]
図2には、一実施例に係るナビゲーション装置としてのナビゲーション装置100の概略的な構成が示されている。なお、ナビゲーション装置100は、上述した実施形態のナビゲーション装置700(図1参照)の一態様となっている。
【0057】
ナビゲーション装置100は、道路上を走行する車両CRに搭載される。この車両CRには、ナビゲーション装置100に接続される車速センサ200が搭載されている。
【0058】
ナビゲーション装置100は、図2に示されるように、制御ユニット110と、車両形状情報記憶手段730としての記憶ユニット120と、撮影手段710としての撮影ユニット130と、音声出力手段750としての音出力ユニット140とを備えている。さらに、ナビゲーション装置100は、画像表示手段760としての表示ユニット150と、操作入力ユニット160と、走行情報取得ユニット170と、GPS受信ユニット180とを備えている。
【0059】
上記の制御ユニット110は、ナビゲーション装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110については、後述する。
【0060】
上記の記憶ユニット120は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶ユニット120は、ナビゲーション装置100で利用される様々なデータを記憶する。この記憶ユニット120には、制御ユニット110がアクセスできるようになっている。なお、記憶ユニット120に記憶されるデータについては、後述する。
【0061】
上記の撮影ユニット130は、車両CRの複数の所定位置に設置された広視野角のカメラを備えて構成される。そして、撮影ユニット130は、車両CRの全方向の周辺画像を撮影する。撮影ユニット130による撮影結果は、撮影データとして、制御ユニット110へ送られる。
【0062】
上記の音出力ユニット140は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット110から受信した音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット140は、制御ユニット110による制御のもとで、車両CRの進行方向、走行状況、交通状況、予定走行ルートの変更等の案内誘導音声を出力する。また、音出力ユニット140は、制御ユニット110による制御のもとで、設定経路中の右折すべき交差点における右折待機のための推奨操作の誘導音声を出力する。
【0063】
上記の表示ユニット150は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット110から受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット150は、制御ユニット110による制御のもとで、地図情報、ルート情報等の画像、ガイダンス情報等を表示する。また、表示ユニット150は、制御ユニット110による制御のもとで、設定経路中の右折すべき交差点における右折待機のための推奨操作の誘導画像を出力する。
【0064】
上記の操作入力ユニット160は、ナビゲーション装置100の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット150の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0065】
この操作入力ユニット160を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置100の動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、目的地の指定、探索された経路の中の走行ルート選択等の設定を、利用者が操作入力ユニット160を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データとして、操作入力ユニット160から制御ユニット110へ向けて送られる。
【0066】
上記の走行情報取得ユニット170は、加速度センサ、角速度センサ等を備えて構成されており、車両CRに作用している加速度、角速度を検出する。また、走行情報取得ユニット170は、ナビゲーション装置100と、車両CRに搭載されている車速センサ200との間におけるデータ授受に関して利用され、車速センサ200による検出結果である速度データを取得する。こうして得られた各データは、走行データとして制御ユニット110へ送られる。
【0067】
上記のGPS受信ユニット180は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット180は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御ユニット110へ送られる。
【0068】
次に、上記の記憶ユニット120に記憶されるデータについて説明する。記憶ユニット120には、上述したように、ナビゲーション装置100で利用される様々なデータが記憶される。こうしたデータには、図3に示されるように、地図データMPD、POI(Points Of Interest)データPOD、設定経路データRTD、車両形状データCFD及び誘導音声テンプレートデータSTDが含まれている。
【0069】
上記の地図データMPDには、地図上における道路網のデータが含まれている。上記のPOIデータPODには、地図上における施設の位置、施設名等のデータが含まれている。
【0070】
上記の設定経路データRTDは、現時点において設定されている走行経路のデータである。なお、走行経路が設定されていない場合には、設定経路データRTDは、走行経路が設定されていない状態を示す値となっている。
【0071】
上記の車両形状データCFDは、車両CRの形状のデータである。この車両形状データCFDには、車両CRの長さ及び幅が含まれている。
【0072】
上記の誘導音声テンプレートデータSTDには、様々な誘導音声のテンプレートのデータが含まれている。このテンプレートのデータの一部を、誘導時の車両CRと、走行道路のセンターライン又は交差点のセンターマークとの位置関係に対応して変更することにより、右折待機における推奨操作の誘導音声情報を生成できる。
【0073】
次いで、上記の制御ユニット110について説明する。この制御ユニット110は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット110が様々なプログラムを実行することにより、上述した位置関係算出手段720及び誘導情報生成手段740としての機能が実現されるようになっている。
【0074】
制御ユニット110は、走行情報取得ユニット170から送られた走行データ、及び、GPS受信ユニット180から送られたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120中のデータを適宜参照し、利用者へのナビゲーション情報の提供処理を行う。こうしたナビゲーション情報の提供処理には、(a)利用者が指定する地域の地図を表示ユニット150の表示デバイスに表示するための地図表示、(b)車両CRが地図上のどこに位置するのか、また、どの方角に向かっているのかを算出し、表示ユニット150の表示デバイスに表示して利用者に提示するマップマッチング、(c)進行すべき方向等を的確にアドバイスするために行われる、表示ユニット150の表示デバイスへの案内誘導の表示のための制御、及び、音出力ユニット140のスピーカから案内誘導を行う音声を出力するための制御等の処理が含まれる。
【0075】
また、制御ユニット110は、撮影ユニット130から送られた撮影データに基づく右折支援に際して、音声及び画像による誘導のための処理を行う。かかる誘導処理については、後述する。
【0076】
[動作]
以上のように構成されたナビゲーション装置100の動作について、撮影画像に基づく右折支援のための制御ユニット110による処理に着目して説明する。
【0077】
撮影画像に基づく右折支援に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット110が、車両CRの走行経路の設定中か否かを判定する。かかる判定は、制御ユニット110が、記憶ユニット120内の設定経路データRTDの値を参照することにより行われる。
【0078】
ステップS11における判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。目的地までの走行経路が設定され、ステップS11における判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。
【0079】
ステップS12では、制御ユニット110が、目的地に到着したか否かを判定する。かかる目的地の判定に際しては、制御ユニット110は、まず、上述したマップマッチングの結果に基づいて、車両CRの現在位置を特定する。引き続き、制御ユニット110は、特定された車両CRの現在位置と、設定経路データRTD中における目的地位置とを比較して、目的地に到着したか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS11へ戻る。
【0080】
ステップS12における判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS13へ進む。このステップS13では、制御ユニット110が、右折すべき交差点に近づいたか否かを判定する。かかる判定に際して、制御ユニット110は、特定された現在位置、並びに、記憶ユニット120内の地図データMPD及び設定経路データRTDに基づいて、設定中の走行経路における右折すべき交差点位置までの走行距離が所定距離LTH1以内となったか否かを判定する。なお、所定距離LTH1は、適切な位置から右折支援を開始するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0081】
ステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS12へ戻る。一方、右折すべき交差点に近づき、ステップS13における判定の結果が肯定的となると(ステップS13:Y)、処理はステップS14へ進む。
【0082】
ステップS14では、制御ユニット110が、センターライン関連処理を行う。このセンターライン関連処理の内容については、後述する。
【0083】
ステップS14におけるセンターライン関連処理が終了すると、処理はステップS15へ進む。このステップS15では、制御ユニット110が、ステップS14におけるセンターライン関連処理において、センターラインが検出されたか否かを判定する。
【0084】
ステップS15における判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS12へ戻る。一方、ステップS15における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS15:Y)には、処理はステップS16へ進む。
【0085】
ステップS16では、制御ユニット110が、センターマーク関連処理を行う。このセンターマーク関連処理の内容については、後述する。
【0086】
ステップS16におけるセンターマーク関連処理が終了すると、処理はステップS12へ戻る。以後、ステップS11〜S16の処理が繰り返される。
【0087】
《センターライン関連処理》
次に、ステップS14におけるセンターライン関連処理について説明する。
【0088】
センターライン関連処理に際しては、図5に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット110が、撮影ユニット130から送られた撮影データを取り込む。引き続き、ステップS22において、制御ユニット110が、車両CRの右側方の撮影画像の解析によるセンターラインの検出ができたか否かを判定する。
【0089】
ステップS22における判定に際して、制御ユニット110は、センターラインの検出を開始してから所定時間TTHにわたってセンターラインが検出できなかった場合には、記憶ユニット120内の誘導音声テンプレートデータSTDを参照して、車両CRを右側によせるべき旨の音声誘導情報(例えば、「少し右側によってみてください」との音声に対応する音声誘導情報)を生成し、音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140からは、生成された音声誘導情報に対応する誘導音声が出力される。この後、センターラインの検出を開始してから所定時間TTHにわたってセンターラインが検出できなかった場合に、制御ユニット110は、センターラインが検出できなかったと判定する。
【0090】
ステップS22における判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)には、ステップS14の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS15へ進む。
【0091】
ステップS22における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)には、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、制御ユニット110が、撮影データとカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターラインとの間の距離、及び、車両CRの縦方向とセンターラインとのなす角度を算出する。
【0092】
引き続き、ステップS24において、制御ユニット110が、誘導情報を生成する。かかる誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、音声誘導情報及び画像誘導情報を生成する。
【0093】
音声誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、車両CRとセンターラインとの距離が第1所定距離以下であるか否かの第1誘導判定、及び、車両CRとセンターラインとの角度が所定角度以下であるか否かの第2誘導判定を行う。なお、本実施例では、上述した実施形態の説明のように、第1所定距離として「0m」を採用するとともに、所定角度として「0°」を採用している。
【0094】
第1誘導判定の結果が否定的であった場合には、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の誘導音声テンプレートデータSTDを参照して、車両CRをセンターラインに近づけるべき旨の音声誘導情報(例えば、「センターライン側に1m程度寄せてください」との音声に対応する音声誘導情報)を生成する。また、第2誘導判定の結果が否定的であった場合には、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の誘導音声テンプレートデータSTDを参照して、車両CRをセンターラインと平行に近づけるべき旨の音声誘導情報(例えば、「車両の方向を左へ5°程度変更してください」との音声に対応する音声誘導情報)を生成する。さらに、第1及び第2誘導判定の結果の双方が否定的であった場合には、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の誘導音声テンプレートデータSTDを参照して、車両CRをセンターラインに近づけ、かつ、車両CRをセンターラインと平行に近づけるべき旨の音声誘導情報(例えば、「センターライン側に1m程度寄せつつ、車両の方向を左へ5°程度変更してください」との音声に対応する音声誘導情報)を生成する。
【0095】
そして、制御ユニット110は、生成された音声誘導情報を音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140から、当該音声誘導情報に対応した誘導音声が出力される。
【0096】
一方、画像誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、取り込んだ撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像を生成する。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の車両形状データCFDを参照して、車両CRの平面視画像を生成する。
【0097】
次に、制御ユニット110は、生成された鳥瞰画像と、生成された車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成する。引き続き、制御ユニット110は、合成画像に、センターラインとの位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成し、表示ユニット150へ送る。この結果、表示ユニット150に、画像誘導情報に対応する誘導画像が表示される。
【0098】
こうして表示された誘導画像の例が、図6に示されている。なお、図6におけるセンターライン(CL)との距離L及び角度θの定義を示すための補助線及び符号L,θは、誘導画像に含まれていない。
【0099】
こうしてステップS24の処理が終了すると、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、制御ユニット110が、その時点で特定されている車両CRの現在位置と、設定経路データRTD中における目的地位置とを比較して、車両CRが交差点に進入したか否かを判定する。
【0100】
ステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、制御ユニット110が、撮影ユニット130から送られた新たな撮影データを取り込む。そして、処理はステップS23へ戻る。この後、ステップS25における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS23〜S26の処理が繰り返される。
【0101】
ステップS23〜S26の処理の繰り返し実行中にステップS25における判定の結果が肯定的となると(ステップS25:Y)、ステップS14の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS15へ進む。
【0102】
《センターマーク関連処理》
次に、ステップS16におけるセンターマーク関連処理について説明する。
【0103】
センターマーク関連処理に際しては、図7に示されるように、まず、ステップS31において、制御ユニット110が、撮影ユニット130から送られた撮影データを取り込む。引き続き、ステップS32において、制御ユニット110が、車両CRの右前方の撮影画像の解析によるセンターマークの検出ができたか否かを判定する。ステップS32における判定に際して、制御ユニット110は、センターラインの検出を開始してから所定時間TTGにわたってセンターマークが検出できなかった場合に、センターマークの検出ができなかったと判定する。
【0104】
ステップS32における判定の結果が否定的であった場合(ステップS32:N)には、ステップS16の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS12へ戻る。
【0105】
ステップS32における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS32:Y)には、処理はステップS33へ進む。このステップS33では、制御ユニット110が、撮影データとカメラ設置位置とに基づいて、車両CRとセンターマークとの間の距離を算出する。
【0106】
引き続き、ステップS34において、制御ユニット110が、誘導情報を生成する。かかる誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、音声誘導情報及び画像誘導情報を生成する。
【0107】
音声誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、車両CRとセンターマークとの距離が第2所定距離以下であるか否かの第3誘導判定を行う。なお、本実施例では、上述した実施形態の説明のように、第2所定距離として「0m」を採用している。
【0108】
第3誘導判定の結果が否定的であった場合には、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の誘導音声テンプレートデータSTDを参照して、車両CRをセンターマークに近づけるべき旨の音声誘導情報(例えば、「センターマークに向かって1.5m程進んでください」との音声に対応する音声誘導情報)を生成する。そして、制御ユニット110は、生成された音声誘導情報を音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140から、当該音声誘導情報に対応した誘導音声が出力される。
【0109】
一方、画像誘導情報の生成に際して、制御ユニット110は、取り込んだ撮影画像とカメラ設置位置とに基づいて、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像を生成する。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の車両形状データCFDを参照して、車両CRの平面視画像を生成する。
【0110】
次に、制御ユニット110は、生成された鳥瞰画像と、生成された車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成する。引き続き、制御ユニット110は、合成画像に、センターラインとの位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成し、表示ユニット150へ送る。この結果、表示ユニット150に、画像誘導情報に対応する誘導画像が表示される。
【0111】
こうして表示された誘導画像の例が、図8に示されている。なお、図8におけるセンターマーク(CM)との距離Dの定義を示すための補助線及び符号Dは、誘導画像に含まれていない。
【0112】
こうしてステップS34の処理が終了すると、処理はステップS35へ進む。このステップS35では、制御ユニット110が、車速及び角速度の検出結果に基づいて、車両CRが右折したか否かを判定する。
【0113】
ステップS35における判定の結果が否定的であった場合(ステップ35:N)には、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、制御ユニット110が、撮影ユニット130から送られた新たな撮影データを取り込む。そして、処理はステップS33へ戻る。この後、ステップS35における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS33〜S36の処理が繰り返される。
【0114】
ステップS33〜S36の処理の繰り返し実行中にステップS35における判定の結果が肯定的となると(ステップS35:Y)、ステップS16の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS12へ戻る。
【0115】
以上のステップS11〜S16の処理が繰り返されることにより、利用者に対して、右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作が提示される。
【0116】
以上説明したように、本実施例では、車両CRが設定経路において右折をすべき交差点に近づくと、制御ユニット110が、撮影ユニット130による車両CRの右側方の撮影結果の解析によるセンターラインの検出を開始する。そして、当該交差点へ進入するまでにセンターラインが検出されると、制御ユニット110が、撮影画像に基づいて、車両CRとセンターラインとの間の距離、及び、車両CRの縦方向とセンターラインとのなす角度を算出する。次に、制御ユニット110が、センターラインとの位置関係情報の算出結果に基づいて、車両CRをセンターラインに近づけるとともに、車両CRをセンターラインと平行にするための音声誘導情報を生成する。
【0117】
また、車両CRが、進入前にセンターラインが検出された交差点に進入すると、制御ユニット110が、撮影ユニット130による車両CRの右前方の撮影結果の解析によるセンターマークの検出を開始する。そして、センターマークが検出されると、制御ユニット110が、撮影画像に基づいて、車両CRとセンターマークとの間の距離を算出する。次に、制御ユニット110が、センターマークとの位置関係情報の算出結果に基づいて、車両CRをセンターマークに近づけるための音声誘導情報を生成する。
【0118】
こうして音声誘導情報に基づく誘導音声が、音出力ユニット140から出力される。したがって、本実施例によれば、設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、適切な運転操作のための誘導を行うことができる。
【0119】
また、本実施例では、制御ユニット110が、音声誘導情報の生成と並行して、撮影ユニット130による車両CRの全方向の撮影結果と、記憶ユニット120に記憶された車両形状データCFDとに基づいて、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像と、車両CRの平面視画像を合成した合成画像を生成する。引き続き、制御ユニット110が、当該合成画像に、位置関係情報の文字表示を重ね合わせた画像誘導情報を生成する。
【0120】
こうして生成された画像誘導情報に基づく誘導画像が、表示ユニット150に表示される。したがって、本実施例によれば、設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行う際に、視覚及び聴覚を介して、適切な運転操作のための誘導を行うことができる。
【0121】
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0122】
例えば、上記の実施例では、誘導情報として音声誘導情報及び画像誘導情報の双方を含むようにしたが、音声誘導情報のみを含むようにしてもよい。
【0123】
また、上記の実施例では、画像誘導情報には、鉛直上方から見た場合における車両周辺の鳥瞰画像と車両CRの平面視画像を合成した合成画像、及び、位置関係情報の文字表示の双方を含むようにしたが、位置関係情報の文字表示のみを含むようにしてもよい。この場合には、右前方及び右側方を視野方向とするカメラのみを用意すればよい。
【0124】
また、上記の実施例では、センターライン及びセンターマークと車両CRとの距離を、撮影画像の解析により算出するようにしたが、測距手段を更に備えるようにし、測距手段によるセンターライン及びセンターマークまでの距離の測定結果を併用して、センターライン及びセンターマークと車両CRとの距離を算出するようにしてもよい。
【0125】
また、上記の実施例では、第1及び第2所定距離として「0m」を採用するとともに、所定角度として「0°」を採用するようにしたが、後続車両の通行妨害や対向車両の通行障害の防止を十分に図ることができるならば、他の値を採用するようにしてもよい。
【0126】
また、上記の実施例では、コンピュータによるプログラムの実行により、撮影結果に基づく右折支援処理を行うようにしたが、当該右折支援処理の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
100 … ナビゲーション装置
110 … 制御ユニット(位置関係算出手段及び誘導情報生成手段)
120 … 記憶ユニット(車両形状情報記憶手段)
130 … 撮影ユニット(撮影手段)
140 … 音出力ユニット(音声出力手段)
150 … 表示ユニット(画像表示手段)
700 … ナビゲーション装置
710 … 撮影手段
720 … 位置関係算出手段
730 … 車両形状情報記憶手段
740 … 誘導情報生成手段
750 … 音声出力手段
760 … 画像表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、目的地までの設定経路に沿った走行を案内誘導するナビゲーション装置であって、
前記車両に対する右方周辺画像及び右前方画像を含む画像を撮影する撮影手段と;
前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点付近の中央車線マーク及び前記交差点の中心を示すセンターマークと前記車両との位置関係情報を、前記車両と前記中央車線マークとのなす角度を含めて算出する位置関係算出手段と;
前記算出された位置関係情報に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作の音声誘導情報を含む誘導情報を生成する誘導情報生成手段と;
前記音声誘導情報を出力する音声出力手段と;
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記中央車線マーク及び前記センターマークまでの距離を測定する測距手段を更に備え、
前記位置関係算出手段は、前記測距手段による測距結果を更に考慮して、前記位置関係情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記推奨操作が、前記車両と前記中央車線マークとのなす角度0度に近づけるとともに、前記車両と前記センターマークとの距離を0に近づけるような操作であるとして、前記誘導情報生成手段は、前記音声誘導情報を含む誘導情報を生成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
画像を表示する画像表示手段を更に備え、
前記画像表示手段は、前記算出された位置関係情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記車両の形状情報を記憶する車両形状情報記憶手段と;
画像を表示する画像表示手段と;を更に備え、
前記撮影手段は、前記車両に対する全方位の周辺画像を撮影し、
前記誘導情報生成手段は、前記誘導情報の一部として前記車両に関する鳥瞰図情報を更に生成し、
前記画像表示手段は、前記生成された鳥瞰図情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記中央車線マーク及び前記センターマークのいずれか一方と前記車両との位置関係を算出できなかった場合には、前記誘導情報生成手段は、前記誘導情報の生成を行わない、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
搭載された車両に対する右方周辺画像及び右前方画像を含む画像を撮影する撮影手段と;音声を出力する音声出力手段を備え、前記車両の目的地までの設定経路に沿った走行を案内誘導するナビゲーション装置において使用される右折支援方法であって、
前記撮影手段により撮影された画像に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点付近の中央車線マーク及び前記交差点の中心を示すセンターマークと前記車両との位置関係情報を、前記車両と前記中央車線マークとのなす角度を含めて算出する位置関係算出工程と;
前記算出された位置関係情報に基づいて、前記設定経路において右折すべき交差点における右折待機を行うための推奨操作の音声誘導情報を含む誘導情報を生成する誘導情報生成工程と;
前記音声誘導情報を前記音声出力手段から出力する誘導音声出力工程と;
を備えることを特徴とする右折支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載の右折支援方法を演算手段により実行させる、ことを特徴とする右折支援プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の右折支援プログラムが、演算手段により読取可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196942(P2011−196942A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66690(P2010−66690)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】