説明

ナビゲーション装置

【課題】地図上における渋滞傾向表示マークの表示を適切に制御するようにして、渋滞傾向表示マークが常に適切に表示され、操作者が渋滞傾向を容易に、かつ、的確に認識することができるようにする。
【解決手段】設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、前記渋滞情報の渋滞傾向に基づいて渋滞傾向表示マークの表示形態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載されたナビゲーション装置においては、運転者等の操作者が所定の入力部を操作して目的地を設定すると、現在位置検出処理部によって検出された車両の現在位置を出発地として、該出発地から目的地までの経路が探索され、案内される。この場合、表示手段に地図を表示して、該地図上に経路を表示するようになっている。また、前記地図上には、ランドマーク、駐車場等を示すマークも表示され、操作者が経路や必要な施設の場所を容易に把握することができるようになっている。
【0003】
もっとも、駐車場等の施設が狭い地域に密集して存在するような場合には、前記施設を示すマークが重なり合って表示され、却(かえ)って、経路や施設の場所を把握し難くなってしまうことがある。そこで、前記施設を示すマーク同士が重なり合ったり、他のマークと重なり合ったりするような場合には、前記施設を示すマークの一部を表示しないようにするナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−107155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、渋滞の傾向を示す渋滞傾向表示マークについて、何ら考慮されていない。そのため、地図上に渋滞傾向表示マークを表示するようにした場合であって、渋滞傾向表示マークが重なってしまうときには、渋滞傾向表示マークの重なりを適切に解消することができず、操作者は渋滞傾向を的確に把握することができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、地図上における渋滞傾向表示マークの表示を適切に制御するようにして、渋滞傾向表示マークが常に適切に表示され、操作者が渋滞傾向を容易に、かつ、的確に認識することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、前記渋滞情報の渋滞傾向に基づいて渋滞傾向表示マークの表示形態を変更する。
【0007】
本発明の他のナビゲーション装置においては、さらに、一部の渋滞傾向表示マークを非表示にする。
【0008】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、さらに、渋滞が一定傾向にあることを示す渋滞傾向表示マークを非表示にする。
【0009】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、さらに、到着予測時刻に渋滞が解消されている渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マークであって渋滞が減少傾向にあることを示す渋滞傾向表示マークを非表示にする。
【0010】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、目的地までの経路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させる。
【0011】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、さらに、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、目的地までの経路が設定されていないときには、道路種別が上位の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させる。
【0012】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、道路種別が上位の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させる。
【0013】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、走行中の道路と同じ道路種別の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させる。
【0014】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、対応する渋滞区間の範囲内で渋滞傾向表示マークの位置を移動させる。
【0015】
本発明の更に他のナビゲーション装置においては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、複数の渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マークを統合して表示させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、地図上における渋滞傾向表示マークの表示を適切に制御するようになっている。そのため、渋滞傾向表示マークが常に適切に表示され、操作者が渋滞傾向を容易に、かつ、的確に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図、図2は本発明の実施の形態における渋滞傾向を判定する方法を示す表である。
【0019】
図1において、11は本実施の形態における図示されないナビゲーション装置の表示部の表示画面である。前記ナビゲーション装置は、乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両に搭載された車両用ナビゲーション装置であり、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。前記ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサ等によって現在位置を検出する現在位置検出処理部、道路データ、探索データ等を含む地図データ等を記憶する記憶手段としてのデータ記録部、入力された情報に基づいて、設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理、経路の走行案内処理、地点や施設の検索を行うPOI(Point of Interest)検索処理等のナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部、入力部、表示部、音声入力部、音声出力部及び通信部を有し、設定された目的地までの経路を探索して案内を行うようになっている。
【0020】
そして、前記データ記録部は、探索データ等を含む地図データを記憶する。すなわち、前記データ記録部は、各種のデータファイルから成るデータベースを備え、経路を探索するための探索データの他、前記表示部の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、他の案内情報を表示したりするために、施設データ等の各種のデータを記録する。なお、前記データ記録部には、道路を構成する単位であるリンクに関する情報も含まれている。また、前記データ記録部には、所定の情報を音声出力部によって音声出力するための各種のデータも記録される。
【0021】
また、前記入力部は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、前記ナビゲーション装置本体に配設された操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー等から成るものであるが、リモートコントローラであってもよい。なお、表示部がタッチパネルである場合には、前記表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチから成るものであることが望ましい。この場合、通常のタッチパネルのように前記操作スイッチを押す、すなわち、タッチすることによって、入力を行うことができる。
【0022】
そして、前記表示部の表示画面11には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等が表示される。前記表示部としては、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0023】
本実施の形態において、ナビゲーション装置は、機能の観点から、入力された出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部、渋滞区間の位置、渋滞区間の長さ、渋滞区間の車速、渋滞区間の渋滞度、渋滞区間の渋滞傾向等の渋滞情報を含む交通情報を取得して処理する交通情報処理部、及び、表示部の動作を制御して地図画面を表示させる表示制御部を有する。
【0024】
ここで、前記経路探索部は、通常のナビゲーション装置と同様に、出発地から目的地までの経路を探索する。なお、出発地は、通常、車両の現在位置が自動的に入力されるが、操作者が任意の地点を出発地として入力することもできる。そして、前記経路探索部は、データ記録部に格納されたデータベースにアクセスして、出発地から目的地までの距離が最短となるように経路を探索したり、所要時間が最短となるように経路を探索するが、交通情報処理部が取得した交通情報を参照して経路を探索してもよい。なお、該経路が案内の対象としての経路、すなわち、案内経路として設定されると、前記表示部の画面に前記案内経路や該案内経路に沿った案内情報が表示されたり、音声出力部から案内情報が音声出力されることによって、経路案内が行われる。
【0025】
また、前記交通情報処理部は、例えば、VICS(R)(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)によって提供される交通情報であるVICS(R)情報、その他の交通情報提供センタが提供する交通情報、プローブカー等のプローブ手段が提供する交通情報等の交通情報を取得することができる。
【0026】
なお、本実施の形態において、前記交通情報処理部が取得する交通情報は、渋滞区間の渋滞傾向に関する情報を含むものであり、交通情報提供センタに配設されるサーバから配信されるものであるとして説明する。この場合、前記サーバは、予測リンク旅行時間パターンに基づいて、指定された道路を構成するリンクに関して指定時刻における渋滞予測情報を作成するようになっている。この際、前記サーバは、各リンクを通過するために必要な所要時間を求めるとともに、該当するリンクの周辺のリンク、例えば、該当するリンクの前後1本ずつのリンクも含めて所要時間を求める。そして、該当するリンク及びその周辺のリンクに関して、前記指定時刻の前後の時刻、例えば、前後30分ずつの時刻における渋滞予測情報を作成し、該当するリンク及びその周辺のリンクの所要時間を求める。これにより、3つの時刻におけるリンクの所要時間が作成される。
【0027】
ここで、指定時刻の前の時刻におけるリンクの所要時間をa、指定時刻におけるリンクの所要時間をb、及び、指定時刻の後の時刻におけるリンクの所要時間をcとすると、前記サーバは、図2に示されるような表に基づいて、渋滞傾向を判定する。すなわち、判定1としてaとbとの大小関係を判定し、さらに、判定2としてbとcとの大小関係を判定して、それぞれの場合に応じ、判定値を決定する。そして、これによって得られた増加率及び減少率があらかじめ定められた閾(しきい)値を超えた場合に、「渋滞増加傾向」及び「渋滞減少傾向」と判定し、渋滞傾向に関する情報として、渋滞増加傾向、渋滞一定又は渋滞減少傾向を配信する。
【0028】
さらに、前記表示制御部は、図1に示されるように、地図画面の描画を行って表示部の表示画面11に表示させる。この場合、前記交通情報処理部が取得して処理した交通情報を表示部の表示画面11に表示させる。そして、渋滞区間の渋滞傾向を表示させる場合には、渋滞傾向に応じて、渋滞が増加傾向にあることを示す渋滞増加傾向マーク13a、渋滞が増加も減少もせず一定傾向にあることを示す渋滞一定傾向マーク13b、及び、渋滞が減少傾向にあることを示す渋滞減少傾向マーク13cを表示させる。なお、前記渋滞増加傾向マーク13a、渋滞一定傾向マーク13b及び渋滞減少傾向マーク13cを統合的に説明する場合には、渋滞傾向表示マーク13として説明する。
【0029】
また、図1に示される例において、前記渋滞傾向表示マーク13は、矢印の向きによって渋滞傾向を直感的に把握することができるようにデザインされているが、前記渋滞傾向表示マーク13の形状、模様、色合い等のデザインは、渋滞傾向をある程度直感的に把握することができるものであればいかなるデザインであってもよい。例えば、渋滞増加傾向マーク13a、渋滞一定傾向マーク13b及び渋滞減少傾向マーク13cを、それぞれ、赤、黄、緑等の色で表示するようにしてもよいし、矢印に代えて、増加、一定、減少等の文字を表示するようにしてもよいし、1、2、3等の数字で表示するようにしてもよい。また、図1に示される例において、渋滞傾向表示マーク13が示す渋滞傾向の段階は、増加、一定及び減少の3段階であるが、前記渋滞傾向は2段階で示されてもよいし、4段階以上の段階で示されてもよいし、無段階に滑らかに変化するように示されてもよい。
【0030】
この場合、前記表示制御部は、交通情報処理部の判定に基づいて、該当する渋滞傾向表示マーク13のビットマップ(BMP:BitMaP)データを選択して表示させる。なお、前記渋滞傾向表示マーク13のビットマップデータは、渋滞傾向表示マーク13の種類毎にあらかじめ作成され、データ記録部等の記憶手段内に格納されて登録されている。これにより、前記表示制御部は、前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マーク13を前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させることができる。
【0031】
ここで、前記渋滞傾向表示マーク13は、図1に示されるように、表示画面11上における道路上の渋滞区間に対応する位置に表示される。なお、図1において、12は車両の現在位置を示す現在位置マークであり、該現在位置マーク12における矢印の方向が車両の進行方向を示している。なお、前記渋滞傾向表示マーク13を表示画面11上に表示させるか否かは、操作者が入力部を操作することによって設定することができる。さらに、操作者が操作することによって、前記渋滞傾向表示マーク13の形態を任意に設定して、例えば、該渋滞傾向表示マーク13を車両の進行方向前方におけるすべての道路上の渋滞区間に対応する位置に表示させるようにしたり、前記渋滞傾向表示マーク13を経路探索部によって探索された経路についてのみ表示させるようにすることもできる。ここでは、図1に示されるように、前記渋滞傾向表示マーク13は、車両の進行方向前方における道路であれば、経路探索部によって探索された経路以外の道路についても表示されるようになっているものとして説明する。
【0032】
ところで、前記渋滞傾向表示マーク13は、表示画面11に表示される地図の縮尺が変更されても、ほぼ同様の大きさで表示されるようになっている。図1(a)は、地図の縮尺が比較的大きく、比較的狭い範囲が詳細に表示された表示画面11を示し、図1(b)は、地図の縮尺が比較的小さく、比較的広い範囲が表示された表示画面11を示している。しかし、図1(a)及び(b)において、表示される渋滞傾向表示マーク13の大きさはほぼ同様である。これは、地図の縮尺が小さくなるように変更された場合に渋滞傾向表示マーク13を小さく表示すると視認性が悪化して、操作者が渋滞傾向表示マーク13を判別することが困難になり、また、地図の縮尺が大きくなるように変更された場合に渋滞傾向表示マーク13を大きく表示すると不必要に広い範囲を専有して操作者が地図に示された情報を取得することが困難になるためである。
【0033】
しかし、図1(a)に示されるように地図の縮尺が大きい状態から、図1(b)に示されるように地図の縮尺が小さい状態に表示画面11の縮尺を変更した場合、縮尺が大きい表示画面11に表示されていた渋滞傾向表示マーク13のすべてを縮尺が小さい表示画面11に表示しようとすると、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまう。例えば、図1(a)に表示された地図の範囲は、図1(b)においては、枠15で示される範囲となっている。そのため、図1(a)に表示されている5個の渋滞傾向表示マーク13のすべてを図1(b)における枠15の範囲に表示させると、渋滞傾向表示マーク13の表示密度が高くなり、一部の渋滞傾向表示マーク13が重なってしまう。そこで、前記表示制御部は、渋滞傾向表示マーク13の表示形態を変更して重複を解消し、渋滞傾向表示マーク13が常に適切に表示され、操作者が渋滞傾向を容易に、かつ、的確に認識することができるようになっている。なお、渋滞傾向表示マーク13の表示形態とは、渋滞傾向表示マーク13の表示の仕方、方法等であり、例えば、表示画面11における渋滞傾向表示マーク13の配置、どの渋滞傾向表示マーク13を非表示にしてどの渋滞傾向表示マーク13を表示するかの選択、どのような種類の渋滞傾向表示マーク13を表示させるかの選択等である。図1に示される例においては、図1(a)に表示されている範囲14に2つの渋滞傾向表示マーク13が表示されているが、図1(b)において対応する範囲には1つの渋滞傾向表示マーク13を表示するように制御されている。
【0034】
次に、前記構成のナビゲーション装置の動作について説明する。
【0035】
図3は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の全体的な動作を示す第1のフローチャートである。
【0036】
まず、ナビゲーション装置が新規に交通情報を取得した場合の動作について説明する。ここでは、前記交通情報が渋滞傾向に関する情報を含む渋滞情報であるものとして説明する。この場合、前記ナビゲーション装置は、交通情報提供センタに配設されたサーバから配信された渋滞情報を受信すると、該渋滞情報に含まれる渋滞傾向に関する情報に対応する渋滞傾向表示マーク13を決定する。なお、通常、渋滞が発生しているリンクが複数なので、それぞれのリンクに対応する渋滞傾向表示マーク13を表示させるようにすると、表示画面11に表示される渋滞傾向表示マーク13は複数となる。
【0037】
続いて、前記ナビゲーション装置は、重複する渋滞傾向表示マーク13のグループ化処理を実行する。該処理においては、表示画面11に表示させた場合に互いに重なって表示されてしまう、すなわち、重複してしまう渋滞傾向表示マーク13をグループ化して、渋滞傾向表示マーク13のグループとしての配列を作成して記憶手段に登録するようになっている。前記配列は、1箇所に集中している渋滞傾向表示マーク13の集合であり、互いに重なって表示されてしまう可能性の高い渋滞傾向表示マーク13の集合である。
【0038】
続いて、前記ナビゲーション装置は、それぞれの配列に関して、順次、渋滞傾向表示マーク13の重複を解除させる動作を行う。この場合、まず、次の配列が存在するか否かを判断し、次の配列が存在しない場合は、すべての配列に関して、前記動作を行ったものとして、処理を終了する。また、次の配列が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、次の配列について次の重複解消方法が存在するか否かを判断する。本実施の形態において、渋滞傾向表示マーク13の重複を解除させるための重複解消方法は、後述されるように7つ存在する。そして、次の重複解消方法が存在しない場合には、再び、次の配列が存在するか否かを判断する。
【0039】
また、次の重複解消方法が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、n番目の重複解消方法によって渋滞傾向表示マーク13を操作する。なお、nは自然数であり、ここでは、重複解消方法が7つ存在するので、7以下の自然数である。続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解除されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の重複解消方法が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、再び、次の配列が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。
【0040】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 渋滞傾向表示マーク13を決定する。
ステップS2 重複する渋滞傾向表示マーク13のグループ化処理を実行する。
ステップS3 次の配列が存在するか否かを判断する。次の配列が存在する場合はステップS4に進み、次の配列が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS4 次の重複解消方法が存在するか否かを判断する。次の重複解消方法が存在する場合はステップS5に進み、次の重複解消方法が存在しない場合はステップS3に戻る。
ステップS5 n番目の重複解消方法によって渋滞傾向表示マーク13を操作する。
ステップS6 渋滞傾向表示マーク13の重複が解除されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解除された場合はステップS3に戻り、渋滞傾向表示マーク13の重複が解除されない場合はステップS4に戻る。
【0041】
次に、重複する渋滞傾向表示マーク13のグループ化処理について説明する。
【0042】
図4は本発明の実施の形態における重複する渋滞傾向表示マークのグループ化処理の動作のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0043】
まず、前記ナビゲーション装置は、i及びjをそれぞれ初期値としての0に設定する。ここで、i及びjは、それぞれ、渋滞傾向表示マーク13に付与された番号であり、自然数である。また、前記ナビゲーション装置は、mを渋滞傾向表示マーク13の数に設定する。
【0044】
続いて、前記ナビゲーション装置は、それぞれの渋滞傾向表示マーク13について、他の渋滞傾向表示マーク13と重複しているか否か、また、重複している場合にはどの配列に属すべきかを判断する。この場合、付与された番号が小さい渋滞傾向表示マーク13から順次判断する。そこで、まず、iがm−1より小さいか否かを判断する。なお、一番最初のiは、前述のように、0に設定されている。ここで、iがm−1より小さくない場合、すべての渋滞傾向表示マーク13について判断が行われたので、処理を終了する。また、iがm−1より小さい場合、iを1だけ増加させる。すなわち、iを1だけインクリメントする。次に、jをiと等しい値に設定してjがmより小さいか否かを判断する。そして、jがmより小さくない場合、再び、iがm−1より小さいか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、jがmより小さい場合、jを1だけ増加させる。すなわち、jを1だけインクリメントする。
【0045】
続いて、前記ナビゲーション装置は、i、jの重複判定を行う。すなわち、i番目の渋滞傾向表示マーク13とj番目の渋滞傾向表示マーク13とが重複しているか否かを判断する。そして、重複していない場合には、再び、jがmより小さいか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複している場合には、iは他の配列に属しているか否か、すなわち、i番目の渋滞傾向表示マーク13は、j番目の渋滞傾向表示マーク13と異なる配列に登録されて属しているか否かを判断する。そして、属している場合、前記ナビゲーション装置は、iが登録されている配列にjを追加する、すなわち、i番目の渋滞傾向表示マーク13が登録されて属している配列にj番目の渋滞傾向表示マーク13を登録し、再び、jがmより小さいか否かを判断して前述の動作を繰り返す。
【0046】
また、iが他の配列に属していない場合、前記ナビゲーション装置は、新規配列を作成し、i、jを追加する。すなわち、新規に配列を作成し、該配列にi番目の渋滞傾向表示マーク13及びj番目の渋滞傾向表示マーク13を追加する。そして、作成した配列を登録し、再び、jがmより小さいか否かを判断して前述の動作を繰り返す。これにより、i番目の渋滞傾向表示マーク13及びj番目の渋滞傾向表示マーク13含む配列が新規に記憶手段に登録される。
【0047】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 i及びjをそれぞれ初期値としての0に設定する。
ステップS12 mを渋滞傾向表示マーク13の数に設定する。
ステップS13 iがm−1より小さいか否かを判断する。iがm−1より小さい場合はステップS14に進み、iがm−1より小さくない場合は処理を終了する。
ステップS14 iを1だけ増加させる。
ステップS15 jをiと等しい値に設定する。
ステップS16 jがmより小さいか否かを判断する。jがmより小さい場合はステップS17に進み、jがmより小さくない場合はステップS13に戻る。
ステップS17 jを1だけ増加させる。
ステップS18 i、jの重複判定を行う。重複している場合はステップS19に進み、重複していない場合はステップS16に戻る。
ステップS19 iは他の配列に属しているか否かを判断する。iは他の配列に属している場合はステップS22に進み、iは他の配列に属していない場合はステップS20に進む。
ステップS20 新規配列を作成し、i、jを追加する。
ステップS21 作成した配列を登録する。
ステップS22 iが登録されている配列にjを追加する。
【0048】
次に、表示画面11の縮尺を変更した場合の動作について説明する。
【0049】
図5は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の全体的な動作を示す第2のフローチャートである。
【0050】
前記ナビゲーション装置は、重複する渋滞傾向表示マーク13のグループ化処理を実行する。該処理は、ナビゲーション装置が新規に交通情報を取得した場合と同様であり、図4のフローチャートに示される処理である。
【0051】
続いて、前記ナビゲーション装置は、それぞれの配列に関して、順次、渋滞傾向表示マーク13の重複を解除させる動作を行う。この場合、まず、次の配列が存在するか否かを判断し、次の配列が存在しない場合は、すべての配列に関して、前記動作を行ったものとして、処理を終了する。また、次の配列が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、次の配列について次の重複解消方法が存在するか否かを判断する。そして、次の重複解消方法が存在しない場合には、再び、次の配列が存在するか否かを判断する。
【0052】
また、次の重複解消方法が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、n番目の重複解消方法によって渋滞傾向表示マーク13を操作する。なお、nは自然数であり、ここでは、重複解消方法が7つ存在するので、7以下の自然数である。続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の重複解消方法が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解除されている場合には、再び、次の配列が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。
【0053】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 重複する渋滞傾向表示マーク13のグループ化処理を実行する。
ステップS32 次の配列が存在するか否かを判断する。次の配列が存在する場合はステップS33に進み、次の配列が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS33 次の重複解消方法が存在するか否かを判断する。次の重複解消方法が存在する場合はステップS34に進み、次の重複解消方法が存在しない場合はステップS32に戻る。
ステップS34 n番目の重複解消方法によって渋滞傾向表示マーク13を操作する。
ステップS35 渋滞傾向表示マーク13の重複が解除されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解除された場合はステップS32に戻り、渋滞傾向表示マーク13の重複が解除されない場合はステップS33に戻る。
【0054】
次に、渋滞傾向表示マーク13の重複を解除させるための重複解消方法について説明する。まず、重複解消方法を全体的に説明する。
【0055】
本実施の形態において、渋滞傾向表示マーク13の重複を解除させるための重複解消方法は、後述されるように7つ存在する。まず、第1の方法は、渋滞が増加も減少もせず一定傾向にあることを示す渋滞一定傾向マーク13bを表示させない、すなわち、非表示にする方法である。これは、渋滞が変化すること示す渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cの方が、前記渋滞一定傾向マーク13bよりも操作者にとって重要度が高いと考えられるからである。すなわち、重要度の低い渋滞傾向表示マーク13を表示させないようになっている。なお、渋滞表示マークは表示させるので、渋滞区間の存在は認識可能である。
【0056】
次に、第2の方法は、目的地までの経路が設定されている場合に経路上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させる方法である。これは、経路に相当する道路の方がそれ以外の道路よりも操作者にとって重要度が高いと考えられるからである。すなわち、重要度の低い道路上の渋滞傾向表示マーク13を表示させないようになっている。
【0057】
次に、第3の方法は、渋滞が減少傾向にあり、かつ、車両が当該リンクに到達する時点で渋滞が解消されていると予想される場合に、減少傾向マーク13cも渋滞表示マークも表示させない方法である。すなわち、到着予測時刻に渋滞が解消されている渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マーク13であって渋滞が一定傾向にあることを示す渋滞傾向表示マーク13を表示させないようにする。これは、車両が到達する時点で解消されている渋滞に関する情報は操作者にとって重要度が低いと考えられるからである。すなわち、重要度の低い渋滞傾向表示マーク13を表示させないようになっている。
【0058】
次に、第4の方法は、道路種別が上位の道路上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させる方法である。この方法は、目的地までの経路が設定されていない場合にも適用することができる。この場合の優先度は、例えば、次の(ア)〜(カ)のように設定される。
(ア)優先度1:都市間高速道路
(イ)優先度2:都市高速道路、有料道路、国道
(ウ)優先度3:主要地方道
(エ)優先度4:県道
(オ)優先度5:一般道、導入路
(カ)優先度6:細街路
なお、優先度の数値が小さいほど優先的に表示される。これは、道路種別が上位の道路の方が道路種別が下位の道路よりも操作者にとって重要度が高いと考えられるからである。すなわち、重要度の低い道路上の渋滞傾向表示マーク13を表示させないようになっている。
【0059】
次に、第5の方法は、対応する渋滞区間の範囲内で、すなわち、対応する渋滞表示マークの範囲内で渋滞傾向表示マーク13の位置を移動させる方法である。これは、対応する渋滞表示マークの範囲内であるならば、渋滞傾向表示マーク13が示す渋滞区間を操作者が誤認識することがないと考えられるからである。すなわち、誤認識の生じない範囲内で渋滞傾向表示マーク13の位置を移動させるようになっている。
【0060】
次に、第6の方法は、渋滞傾向表示マーク13が、それぞれ、表示されている複数箇所の渋滞情報に基づいて1つの渋滞傾向表示マーク13を新たに作成し、複数の渋滞傾向表示マーク13を新たな1つの渋滞傾向表示マーク13で置き換える方法である。すなわち、複数の渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マーク13を統合して表示させるようになっている。これは、複数の渋滞区間が近接している場合には、これら渋滞区間を1つの渋滞区間として表示しても、操作者にとっては実質的に問題がないと考えられるからである。すなわち、微細化された渋滞傾向表示マーク13を表示状態に応じて統合的に表示するようになっている。
【0061】
次に、第7の方法は、現在走行中の道路と同じ道路種別の道路上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させる方法である。これは、現在走行中の道路の方が他の道路よりも、操作者にとって重要度が高いと考えられるからである。すなわち、操作者にとって、重要度の低い道路上の渋滞傾向表示マーク13を表示させないようになっている。特に、高速道路と一般道が平行している箇所において、車両が一般道を走行している場合等に有効である。
【0062】
なお、前記第1〜第7の方法は、例えば、次の(A)〜(C)の3つの分類に分類分けすることができる。
(A)分類A:渋滞傾向表示マーク13に固有であり、特有の計算を必要とする方法。第3の方法及び第6の方法。
(B)分類B:渋滞傾向表示マーク13に固有であり、単純に処理をすることができる方法。第1の方法及び第5の方法。
(C)分類C:渋滞傾向表示マーク13以外のマーク、例えば、ランドマーク、駐車場等の施設を示すマーク等についても適用可能な方法。第2の方法、第4の方法及び第7の方法。
【0063】
また、渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させるために、前記第1〜第7の方法を適用する順番、すなわち、重複解消方法の適用順は、例えば、次の(1)〜(7)のように設定することができる。この場合、矢印(→)の順に適用するものとする。
(1)分類Aに属する重複解消方法のみを適用する場合:第3の方法→第6の方法
(2)分類Bに属する重複解消方法のみを適用する場合:第5の方法→第1の方法
(3)分類Cに属する重複解消方法のみを適用する場合:第2の方法→第7の方法→第4の方法
(4)分類A及び分類Bに属する重複解消方法を適用する場合:第3の方法→第5の方法→第1の方法→第6の方法
(5)分類A及び分類Cに属する重複解消方法を適用する場合:第3の方法→第2の方法→第7の方法→第4の方法→第6の方法
(6)分類B及び分類Cに属する重複解消方法を適用する場合:第5の方法→第2の方法→第7の方法→第4の方法→第1の方法
(7)すべての重複解消方法を適用する場合:第3の方法→第5の方法→第2の方法→第7の方法→第4の方法→第1の方法→第6の方法
次に、各重複解消方法について説明する。まず、第1の方法について説明する。
【0064】
図6は本発明の実施の形態における第1の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図7は本発明の実施の形態における第1の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0065】
ここで、図6(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図6(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図6(b)において、枠15で示される範囲となっている。なお、図6において、16は渋滞区間であることを示す渋滞表示マークであり、渋滞が発生している道路のリンク上に表示されている。
【0066】
そして、図6(a)に示される例においては、渋滞増加傾向マーク13aと渋滞一定傾向マーク13bとが近接した位置に表示され、図6(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記渋滞増加傾向マーク13aと渋滞一定傾向マーク13bとが互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第1の方法を行うことによって、前記渋滞一定傾向マーク13bを表示させないようにして、図6(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。なお、渋滞一定傾向マーク13bが表示されなくても、渋滞表示マーク16が表示されているので、操作者は渋滞区間の存在を認識することができる。
【0067】
この場合、ナビゲーション装置は、第1の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。この場合、該当する配列に属する渋滞傾向表示マーク13のそれぞれについて順番に判断する。なお、処理の対象となる渋滞傾向表示マーク13を選択する順番は任意であるが、例えば、車両の現在位置に近い、すなわち、現在位置マーク12に近い順に選択することができる。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。
【0068】
また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、該渋滞傾向表示マーク13の傾向は「変化なし」であるか否か、すなわち、該当する渋滞傾向表示マーク13が渋滞一定傾向マーク13bであるか否かを判断する。そして、渋滞一定傾向マーク13bでない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、渋滞一定傾向マーク13bである場合、前記ナビゲーション装置は、前記渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
【0069】
続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、処理を終了する。
【0070】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS42に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS42 渋滞傾向表示マーク13の傾向は「変化なし」であるか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の傾向は「変化なし」である場合はステップS43に進み、渋滞傾向表示マーク13の傾向は「変化なし」でない場合はステップS41に戻る。
ステップS43 渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
ステップS44 渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解消された場合は処理を終了し、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されていない場合はステップS41に戻る。
【0071】
次に、第2の方法について説明する。
【0072】
図8は本発明の実施の形態における第2の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図9は本発明の実施の形態における第2の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ここで、図8(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図8(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図8(b)において、枠15で示される範囲となっている。なお、図8において、17は設定された経路を示している。
【0074】
そして、図8(a)に示される例においては、経路17以外の道路上の渋滞傾向表示マーク13と経路17上の渋滞傾向表示マーク13とが近接した位置に表示され、図8(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記渋滞傾向表示マーク13が互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第2の方法を行うことによって、経路17以外の道路上の渋滞傾向表示マーク13を表示させないようにして、図8(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。
【0075】
この場合、ナビゲーション装置は、第2の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、経路17が存在するか否か、すなわち、表示画面11に表示された道路に設定された経路17が存在する否かを判断する。そして、存在しない場合には、処理を終了する。また、存在する場合、前記ナビゲーション装置は、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。
【0076】
また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、経路17上の渋滞傾向表示マーク13であるか否かを判断する。そして、経路17上の渋滞傾向表示マーク13である場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、経路17上の渋滞傾向表示マーク13でない場合、前記ナビゲーション装置は、前記渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
【0077】
続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、処理を終了する。
【0078】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 経路17が存在するか否かを判断する。経路17が存在する場合はステップS52に進み、経路17が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS52 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS53に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS53 経路17上の渋滞傾向表示マーク13であるか否かを判断する。経路17上の渋滞傾向表示マーク13である場合はステップS52に戻り、経路17上の渋滞傾向表示マーク13でない場合はステップS54に進む。
ステップS54 渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
ステップS55 渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解消された場合は処理を終了し、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されていない場合はステップS52に戻る。
【0079】
次に、第3の方法について説明する。
【0080】
図10は本発明の実施の形態における第3の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図11は本発明の実施の形態における第3の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0081】
ここで、図10(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図10(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図10(b)において、枠15で示される範囲となっている。
【0082】
そして、図10(a)に示される例においては、渋滞増加傾向マーク13aと渋滞減少傾向マーク13cとが近接した位置に表示され、図10(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記渋滞増加傾向マーク13aと渋滞減少傾向マーク13cとが互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第3の方法を行うことによって、前記渋滞減少傾向マーク13cを表示させないようにして、図10(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。なお、前記渋滞減少傾向マーク13cに対応する渋滞表示マーク16も表示させないようになっている。
【0083】
この場合、ナビゲーション装置は、第3の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。
【0084】
また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、該渋滞傾向表示マーク13は減少傾向であるか否か、すなわち、該当する渋滞傾向表示マーク13が渋滞減少傾向マーク13cであるか否かを判断する。そして、渋滞減少傾向マーク13cでない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、渋滞減少傾向マーク13cである場合、前記ナビゲーション装置は、地点到着時に渋滞解消か否か、すなわち、車両が渋滞傾向表示マーク13が表示されているリンクに到達する時点で渋滞が解消されているか否かを判断する。そして、渋滞が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、渋滞が解消されている場合、前記ナビゲーション装置は、前記渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
【0085】
続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、処理を終了する。
【0086】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS61 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS62に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS62 渋滞傾向表示マーク13は減少傾向であるか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13は減少傾向である場合はステップS63に進み、渋滞傾向表示マーク13は減少傾向でない場合はステップS61に戻る。
ステップS63 地点到着時に渋滞解消か否かを判断する。地点到着時に渋滞解消の場合はステップS64に進み、地点到着時に渋滞解消でない場合はステップS61に戻る。
ステップS64 渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
ステップS65 渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解消された場合は処理を終了し、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されていない場合はステップS61に戻る。
【0087】
次に、第4の方法について説明する。
【0088】
図12は本発明の実施の形態における第4の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図13は本発明の実施の形態における第4の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0089】
ここで、図12(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図12(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図12(b)において、枠15で示される範囲となっている。
【0090】
そして、図12(a)に示される例においては、2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに近接した位置に表示され、図12(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第4の方法を行うことによって、道路種別が上位の道路上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させるようにして、図12(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。なお、渋滞傾向表示マーク13が表示されなくても、渋滞表示マーク16が表示されているので、操作者は渋滞区間の存在を認識することができる。
【0091】
この場合、ナビゲーション装置は、第4の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、表示優先順位の低いもの順になるようにソートする。すなわち、前述した(ア)〜(カ)のように設定された道路の優先度に従って、該優先度の低い道路上の渋滞傾向表示マーク13を表示優先順位が低いものとして、渋滞傾向表示マーク13を表示優先順位の低いもの順になるように順番を入れ替える。続いて、前記ナビゲーション装置は、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。
【0092】
また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、前回より優先度が高いか否か、すなわち、該当する渋滞傾向表示マーク13の表示優先順位が前回の処理対象である渋滞傾向表示マーク13の表示優先順位より高いか否かを判断する。そして、高くない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、高い場合、前記ナビゲーション装置は、前回の渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
【0093】
続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、処理を終了する。
【0094】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS71 表示優先順位の低いもの順になるようにソートする。
ステップS72 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS73に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS73 前回より優先度が高いか否かを判断する。前回より優先度が高い場合はステップS74に進み、前回より優先度が高くない場合はステップS72に戻る。
ステップS74 前回の渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
ステップS75 渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解消された場合は処理を終了し、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されていない場合はステップS72に戻る。
【0095】
次に、第5の方法について説明する。
【0096】
図14は本発明の実施の形態における第5の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図15は本発明の実施の形態における第5の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0097】
ここで、図14(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図14(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図14(b)において、枠15で示される範囲となっている。
【0098】
そして、図14(a)に示される例においては、2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに近接した位置に表示され、図14(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第5の方法を行うことによって、対応する渋滞表示マーク16の範囲内で渋滞傾向表示マーク13の位置を移動させるようにして、図14(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。なお、渋滞傾向表示マーク13が対応する渋滞表示マーク16の範囲内で移動させられ、移動の前後で渋滞傾向表示マーク13と渋滞表示マーク16との対応関係が変化しないようになっているので、操作者は渋滞傾向表示マーク13がどの渋滞表示マーク16に対応付けられているのかを正確に認識することができる。
【0099】
この場合、ナビゲーション装置は、第5の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。
【0100】
また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、該渋滞傾向表示マーク13を移動させると重複が解消するか否かを判断する。そして、重複が解消されない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消される場合には、渋滞傾向表示マーク13を移動させて、処理を終了する。
【0101】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS81 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS82に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS82 渋滞傾向表示マーク13を移動させると重複が解消するか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13を移動させると重複が解消する場合はステップS83に進み、渋滞傾向表示マーク13を移動させると重複が解消されない場合はステップS81に戻る。
ステップS83 渋滞傾向表示マーク13を移動させて、処理を終了する。
【0102】
次に、第6の方法について説明する。
【0103】
図16は本発明の実施の形態における第6の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図17は本発明の実施の形態における第6の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0104】
ここで、図16(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図16(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図16(b)において、枠15で示される範囲となっている。
【0105】
そして、図16(a)に示される例においては、2つの渋滞傾向表示マーク13、すなわち、渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cが互いに近接した位置に表示され、図16(b)に示されるように縮尺を小さく変更した場合には、前記渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cが互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第6の方法を行うことによって、渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cが、それぞれ、表示されている複数箇所の渋滞情報に基づいて1つの渋滞傾向表示マーク13として渋滞一定傾向マーク13bを新たに作成し、渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cを渋滞一定傾向マーク13bで置き換えることにより、図16(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。また、渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cが対応する渋滞表示マーク16も新たに1つの渋滞表示マーク16として作成されて表示される。
【0106】
なお、図16に示される例においては、変更前の渋滞傾向表示マーク13が渋滞増加傾向マーク13a及び渋滞減少傾向マーク13cであるが、変更前の渋滞傾向表示マーク13は、渋滞増加傾向マーク13a、渋滞一定傾向マーク13b及び渋滞減少傾向マーク13cのうちのいずれのものであってもよい。また、変更前の渋滞傾向表示マーク13の数は3つ以上であってもよい。
【0107】
この場合、ナビゲーション装置は、第6の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。
【0108】
そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、重複する渋滞傾向表示マーク13の旅行時間合計を算出する。すなわち、重複する渋滞傾向表示マーク13に対応するリンクの旅行時間、すなわち、所要時間の合計を算出する。そして、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向を判定して新規に渋滞傾向表示マーク13を作成し、処理を終了する。この場合、図2に示されるような表に基づいて渋滞傾向を判定し、判定した渋滞傾向に対応する渋滞傾向表示マーク13する。
【0109】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS91 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS92に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合はステップS93に進む。
ステップS92 重複する渋滞傾向表示マーク13の旅行時間合計を算出する。
ステップS93 渋滞傾向を判定して新規に渋滞傾向表示マーク13を作成し、処理を終了する。
【0110】
次に、第7の方法について説明する。
【0111】
図18は本発明の実施の形態における第7の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図、図19は本発明の実施の形態における第7の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0112】
ここで、図18(a)は縮尺を変更する前の表示画面11を示し、図18(b)は縮尺を小さく変更した後の表示画面11を示している。これにより、縮尺を変更する前の表示画面11に表示された地図の範囲は、図18(b)において、枠15で示される範囲となっている。
【0113】
そして、図18(a)に示される例においては、道路種別が異なる道路上の2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに近接した位置に表示されている。すなわち、高速道路18a上の渋滞減少傾向マーク13cと県道18b上の渋滞増加傾向マーク13aが互いに近接した位置に表示されている。この場合、図18(b)に示されるように縮尺を小さく変更すると、前記2つの渋滞傾向表示マーク13が互いに重なり合ってしまう。そこで、縮尺を小さく変更する場合に、第7の方法を行うことによって、現在走行中の道路と同じ道路種別の道路、すなわち、県道18b上の渋滞増加傾向マーク13aを優先的に表示させるようにして、図18(b)に示されるように、渋滞傾向表示マーク13が重なってしまうことがないようになっている。なお、高速道路18a上の渋滞減少傾向マーク13cが表示されなくても、渋滞表示マーク16が表示されているので、操作者は渋滞区間の存在を認識することができる。
【0114】
この場合、ナビゲーション装置は、第7の方法による渋滞傾向表示マーク13の重複を解消させる動作を開始すると、まず、自車位置は一般道であるか否か、すなわち、車両の現在位置が一般道上にあるか否かを判断する。そして、一般道である場合、前記ナビゲーション装置は一般道用優先度情報をメモリに展開する。すなわち、重複解消方法を実行するためのワーキングメモリとして機能する記憶手段の記憶領域に一般道上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させるための表示優先順位に関する情報を展開する。また、一般道でない場合、前記ナビゲーション装置は高速道路用優先度情報をメモリに展開する。すなわち、重複解消方法を実行するためのワーキングメモリとして機能する記憶手段の記憶領域に高速道路上の渋滞傾向表示マーク13を優先的に表示させるための表示優先順位に関する情報を展開する。
【0115】
続いて、前記ナビゲーション装置は、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。そして、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合には、処理を終了する。また、次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合、前記ナビゲーション装置は、該当する渋滞傾向表示マーク13について、前回より優先度が高いか否か、すなわち、該当する渋滞傾向表示マーク13の表示優先順位が前回の処理対象である渋滞傾向表示マーク13の表示優先順位より高いか否かを判断する。そして、高くない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、高い場合、前記ナビゲーション装置は、前回の渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
【0116】
続いて、前記ナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。そして、重複が解消されていない場合には、再び、次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断して前述の動作を繰り返す。また、重複が解消されている場合には、処理を終了する。
【0117】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS101 自車位置は一般道であるか否かを判断する。自車位置は一般道である場合はステップS102に進み、自車位置は一般道でない場合はステップS103に進む。
ステップS102 一般道用優先度情報をメモリに展開する。
ステップS103 高速道路用優先度情報をメモリに展開する。
ステップS104 次の渋滞傾向表示マーク13が存在するか否かを判断する。次の渋滞傾向表示マーク13が存在する場合はステップS105に進み、次の渋滞傾向表示マーク13が存在しない場合は処理を終了する。
ステップS105 前回より優先度が高いか否かを判断する。前回より優先度が高い場合はステップS106に進み、前回より優先度が高くない場合はステップS104に戻る。
ステップS106 前回の渋滞傾向表示マーク13を配列から削除する。
ステップS107 渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されたか否かを判断する。渋滞傾向表示マーク13の重複が解消された場合は処理を終了し、渋滞傾向表示マーク13の重複が解消されていない場合はステップS104に戻る。
【0118】
このように、本実施の形態におけるナビゲーション装置は、渋滞傾向表示マーク13が重複する場合、該渋滞傾向表示マーク13の表示形態を変更して重複を解消するようになっている。すなわち、渋滞傾向表示マーク13が重複して表示される場合、重複解消方法としての第1〜第7の方法を適切な順序で適用して、渋滞傾向表示マーク13の重複を適切に解消するようになっている。そのため、操作者は、常に、渋滞傾向を容易に、かつ、的確に認識することができ、適切な道路を選択することが可能となる。例えば、表示画面11に表示される地図の縮尺が変更された場合であっても、渋滞傾向表示マーク13が互いに重なり合うことなく、適切に表示される。
【0119】
また、一部の渋滞傾向表示マーク13を表示しないようにする、すなわち、非表示にする場合には、重要度の低い渋滞傾向表示マーク13を表示させず、重要度の高い渋滞傾向表示マーク13を表示させるので、操作者は、重要度の高い渋滞傾向に関する情報を容易に、かつ、的確に認識することができる。さらに、渋滞傾向表示マーク13の位置を移動させて表示する場合であっても、誤認識の生じない範囲内で渋滞傾向表示マーク13の位置を移動させるので、操作者は、渋滞傾向に関する情報を的確に認識することができる。さらに、微細化された渋滞傾向表示マーク13を表示状態に応じて統合的に表示するので、操作者は、渋滞区間全般についての渋滞傾向に関する情報を容易に、かつ、的確に認識することができる。
【0120】
なお、本実施の形態においては、渋滞傾向表示マーク13について説明したが、渋滞傾向表示マーク13以外のマーク、例えば、ランドマーク、駐車場等の施設を示すマーク等についても適用することができる。
【0121】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における渋滞傾向を判定する方法を示す表である。
【図3】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の全体的な動作を示す第1のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における重複する渋滞傾向表示マークのグループ化処理の動作のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の全体的な動作を示す第2のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における第1の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における第1の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における第2の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における第2の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における第3の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における第3の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における第4の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における第4の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態における第5の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における第5の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態における第6の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態における第6の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態における第7の方法を行った場合の表示画面の変化を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における第7の方法を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
13 渋滞傾向表示マーク
13a 渋滞増加傾向マーク
13b 渋滞一定傾向マーク
13c 渋滞減少傾向マーク
17 経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、前記渋滞情報の渋滞傾向に基づいて渋滞傾向表示マークの表示形態を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
一部の渋滞傾向表示マークを非表示にする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
渋滞が一定傾向にあることを示す渋滞傾向表示マークを非表示にする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
到着予測時刻に渋滞が解消されている渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マークであって渋滞が減少傾向にあることを示す渋滞傾向表示マークを非表示にする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、目的地までの経路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、目的地までの経路が設定されていないときには、道路種別が上位の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させる請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、道路種別が上位の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、走行中の道路と同じ道路種別の道路に対応する渋滞傾向表示マークを優先的に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、対応する渋滞区間の範囲内で渋滞傾向表示マークの位置を移動させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、
(a)探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図画面を表示する表示部と、
(c)渋滞区間の渋滞傾向を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)前記渋滞傾向を示す渋滞傾向表示マークを前記地図画面上の道路に対応した位置に表示させる表示制御部とを有し、
(e)前記渋滞傾向表示マークが重複する場合、複数の渋滞区間に対応する渋滞傾向表示マークを統合して表示させることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−17482(P2006−17482A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193133(P2004−193133)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】