説明

ナビゲーション装置

【課題】利便性を向上することのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車載用電源アダプタ11を介して車載用電源から電源供給できるとともに、商用電源アダプタ12を介して商用電源から電源供給できるナビゲーション装置1において、車載用電源アダプタ11の出力電圧と商用電源アダプタ12の出力電圧とを異なる電圧にして車載用電源と商用電源のどちらから電源供給したかを検知し、起動時の認証を行うパスワード等の所定の登録情報を車載用電源から電源供給した際に変更できるとともに、商用電源から電源供給した際に該登録情報の変更を禁止した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電源及び商用電源から電源供給可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置は特許文献1に開示される。このナビゲーション装置は車載用電源から電源供給して駆動され、自車位置を検知して目的地までの経路案内を行う。また、ナビゲーション装置の本体部を取り外して商用電源から電源供給し、目的地の登録、DVD鑑賞、地図情報の更新等を行うことができる。
【0003】
近年のナビゲーション装置は起動する際にパスワードによる認証が行われる。使用者は予め登録したパスワードを入力して認証を受けることにより、ナビゲーション装置を起動することができる。これにより、他人が使用することができずナビゲーション装置の盗難防止を図ることができる。また、目的地を登録する際に記憶されるアドレス帳のデータ等の個人情報が他人によって簡単に閲覧されることを防止することができる。
【特許文献1】特開2002−328026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のナビゲーション装置によると、家庭内での使用時には大人の目の届かないときに児童がナビゲーション装置を操作することができる。このため、児童が悪戯等によりパスワードを変更して失念するとナビゲーション装置を起動できなくなる危険がある。このため、ナビゲーション装置の利便性が悪い問題があった。
【0005】
本発明は、利便性を向上できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、車載用電源及び商用電源から電源供給可能なナビゲーション装置において、所定の登録情報を車載用電源から電源供給した際に変更できるとともに、商用電源から電源供給した際に該登録情報の変更を禁止したことを特徴としている。
【0007】
この構成によると、ナビゲーション装置は車載用電源から電源供給して駆動され、自車位置を検知して目的地までの経路案内を行う。また、ナビゲーション装置の本体部を取り外して商用電源から電源供給し、目的地の登録、DVD鑑賞、地図情報の更新等を行うことができる。商用電源から電源供給する際には、起動時の認証を行うパスワードやアドレス帳を閲覧するためのパスワード等の登録情報の変更が禁止される。
【0008】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、車載用電源に接続して所定の直流電圧を出力する車載用電源アダプタと、商用電源に接続して所定の直流電圧を出力する商用電源アダプタとを備え、前記車載用電源及び前記商用電源アダプタアダプタの一方を接続して電源供給するとともに、前記車載用電源アダプタの出力電圧と前記商用電源アダプタの出力電圧とが異なることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、ナビゲーション装置はシガーライターソケット等に接続される車載用電源アダプタを介して電源供給され、車内で使用される。また、ナビゲーション装置の本体部を車内から取り外し、商用電源に接続される商用電源アダプタを介して本体部に電源供給される。これにより、ナビゲーション装置が家庭内等で使用される。車載用電源アダプタの出力電圧は商用電源アダプタの出力電圧と異なり、ナビゲーション装置は入力電圧を検知して入力電圧に応じた制御を行う。
【0010】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、前記登録情報は起動時の認証を行うパスワードから成ることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、前記登録情報はアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードから成ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、車載用電源から電源供給した際に変更可能な登録情報を商用電源から電源供給した際に変更禁止されるので、家庭内で使用する際に児童による重要な登録情報の変更を防止することができる。従って、ナビゲーション装置の機能を使用できなくなる危険を防止し、ナビゲーション装置の利便性が向上する。
【0013】
また本発明によると、車載用電源アダプタの出力電圧と商用電源アダプタの出力電圧とが異なるので、ナビゲーション装置は入力電圧を検知して、車載用電源から電源供給した時と商用電源から電源供給した時とで簡単に異なる制御を行うことができる。
【0014】
また本発明によると、商用電源から電源供給した際に起動時の認証を行うパスワードの変更を禁止したので、ナビゲーション装置を起動できなくなる危険を防止することができる。
【0015】
また本発明によると、商用電源から電源供給した際にアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードの変更を禁止したので、アドレス帳を閲覧、編集できなくなる危険を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は本体部10を備え、本体部10には外部電源入力端子9が設けられる。外部電源入力端子9は車載用電源アダプタ11または商用電源アダプタ12が接続され、外部電源が入力される。ナビゲーション装置1は車載用電源から電源供給して駆動され、自車位置を検知して目的地までの経路案内を行う。また、ナビゲーション装置1の本体部10を取り外して商用電源から電源供給し、目的地の登録、DVD鑑賞、地図情報の更新等を行うことができる。
【0017】
車載用電源アダプタ11は車載用電源に接続されるシガーライターソケットに挿設され、DC12Vの車載用電源をDC9Vに変換する。車載用電源に接続される配線から分岐して車載用電源アダプタ11を設けてもよい。また、車載用電源アダプタ11をDC24Vに接続できるようにしてもよい。商用電源アダプタ12は商用電源に接続され、AC100VをDC10.5Vに変換する。
【0018】
本体部10はCPUから成る制御部2を有している。制御部2には記憶部3、表示部4、GPS測位手段5、地図再生手段6、入力部7、変圧回路8が接続される。記憶部3はRAM、ROM及びHDDから成り、ナビゲーション装置1の動作プログラムを記憶するとともに、制御部2による演算結果を一時記憶する。動作プログラムを制御部2が実行してナビゲーション装置1の各部が制御される。また、記憶部3には地図情報やアドレス帳等が記憶される。アドレス帳は目的地を登録する際に使用者により入力される住所や電話番号等の情報を含んでいる。
【0019】
表示部4は液晶パネル等から成り、地図や設定画面を表示する。GPS測位手段5はGPSアンテナ(不図示)を介して使用者が運転する自車の現在位置を検出する。地図再生手段6は記憶部3に記憶された地図情報に基づいて時系列に変化する地図を作成し、表示部4に表示する。
【0020】
入力部5はリモートコントローラや表示部4の表面に設けたタッチパネル等から成り、使用者による入力操作を行う。変圧回路8は外部電源入力端子9から入力された外部電源を所定の駆動電圧(例えば、DC3.3V)に変換する。変圧回路8の出力電圧によって本体部10内部の各回路に電源供給される。
【0021】
図3はナビゲーション装置1の起動時の動作を示すフローチャートである。ナビゲーション装置1の電源スイッチをONするとステップ#11でパスワードの入力画面が表示され、パスワードが入力されるまで待機する。パスワードが入力されると、ステップ#12に移行し、予め登録されたパスワードに一致するか否かによって認証が行われる。パスワードによる認証を行うことにより、他人が使用できないため盗難防止を図ることができる。
【0022】
パスワードの不一致により認証できない場合はステップ#11に戻る。認証された場合はステップ#13で動作プログラムが起動される。ステップ#14では変圧回路8の入力電圧を制御部2により検知し、入力電圧がDC9Vか否かが判断される。即ち、外部電源入力端子9に車載用電源から電源供給したか商用電源から電源供給したかが判断される。変圧回路8の入力電圧がDC9Vの場合は、ステップ#16に移行する。
【0023】
変圧回路8の入力電圧がDC10.5Vの場合はステップ#15で起動時のパスワード及びアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードの変更が禁止される。即ち、ステップ#12で認証されるパスワードは登録画面を表示して変更することが可能になっている。しかし、ステップ#15で起動時の認証を行うパスワードの変更禁止がフラグ等により記憶されるとパスワードの登録画面に移行できなくなる。
【0024】
また、目的地を登録する際に使用者により住所や電話番号が入力され、記憶部3に設けたアドレス帳に記憶される。このため、個人情報が記録されるアドレス帳を閲覧、編集する際にはパスワードによる認証が行われる。これにより、他人が個人情報を容易に閲覧できないようになっている。ステップ#15でフラグ等によりアドレス帳の閲覧を認証するパスワードの変更禁止が記憶されると、パスワードの登録画面に移行できなくなる。
【0025】
ステップ#16では初期画面を表示して起動時の処理が終了し、使用者による所定の入力操作を待機する。
【0026】
本実施形態によると、商用電源から電源供給した際に起動時の認証を行うパスワードの変更を禁止したので、家庭内で使用する際に児童によるパスワードの変更を防止することができる。従って、ナビゲーション装置1を起動できなくなる危険を防止し、ナビゲーション装置1の利便性が向上する。また、商用電源から電源供給した際にアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードの変更を禁止したので、アドレス帳を閲覧、編集できなくなる危険を防止することができる。
【0027】
起動時の認証を行うパスワードやアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードだけでなく、車載用電源から電源供給した際にユーザ変更可能な重要な登録情報を商用電源から電源供給した際に変更禁止してもよい。これにより、該登録情報に基づく機能を使用できなくなる危険を防止することができる。
【0028】
また本発明によると、車載用電源アダプタ11の出力電圧と商用電源アダプタ12の出力電圧とが異なるので、ナビゲーション装置1は外部電源入力端子9に入力された入力電圧を検知して、車載用電源供給時と商用電源供給時とで簡単に異なる制御を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、車載用電源及び商用電源から電源供給可能なナビゲーション装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のナビゲーション装置の起動時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 ナビゲーション装置
2 制御部
3 記憶部
4 表示部
5 GPS測位手段
6 地図再生手段
7 入力部
8 変圧回路
9 外部電源入力端子
10 本体部
11 車載用電源アダプタ
12 商用電源アダプタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用電源及び商用電源から電源供給可能なナビゲーション装置において、所定の登録情報を車載用電源から電源供給した際に変更できるとともに、商用電源から電源供給した際に該登録情報の変更を禁止したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
車載用電源に接続して所定の直流電圧を出力する車載用電源アダプタと、商用電源に接続して所定の直流電圧を出力する商用電源アダプタとを備え、前記車載用電源及び前記商用電源アダプタアダプタの一方を接続して電源供給するとともに、前記車載用電源アダプタの出力電圧と前記商用電源アダプタの出力電圧とが異なることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記登録情報は起動時の認証を行うパスワードから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記登録情報はアドレス帳を閲覧する際の認証を行うパスワードから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−232692(P2007−232692A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57914(P2006−57914)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】