ナビゲーション装置
【課題】所定の案内タイミングにおいて、同乗者の有無に応じて適切な音声案内を行うことが可能となるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになった場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、助手席重量センサ61と後部座席重量センサ62からの検出信号に基づいて、同乗者の有無を判定する。その後、CPU41は、同乗者の有無に基づいて音声案内テーブル71から当該案内タイミングの「案内内容」に対応する音声案内情報を読み出して、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【解決手段】CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになった場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、助手席重量センサ61と後部座席重量センサ62からの検出信号に基づいて、同乗者の有無を判定する。その後、CPU41は、同乗者の有無に基づいて音声案内テーブル71から当該案内タイミングの「案内内容」に対応する音声案内情報を読み出して、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の案内タイミングにおいて音声案内を行うナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の案内タイミングにおいて音声案内を行うナビゲーション装置に関し種々提案されている。
例えば、ECU9は、車両の運転が開始された直後に、第1設定時間経過後の当該車両の走行経路上または移動経路上における走行地点を予測する。そして、予測した走行地点から所定範囲内に休憩エリアが設けられていない場合には、車両が走行を開始してから第1設定時間が経過するまでの間に立ち寄れる各休憩エリアに接近するたびに、休憩案内を行うように構成された車両用案内装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−32558号公報(段落(0022)〜(0054)、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両用案内装置では、同乗者の有無に拘わらず、同一の音声案内で休憩案内を行うため、運転者に分かりやすいように、「長時間の運転で疲れがたまっています。○○○で休憩して下さい。」等の音声案内を行った場合には、同乗者に不安感を与える虞があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、所定の案内タイミングにおいて、同乗者の有無に応じて適切な音声案内を行うことが可能となるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、同乗者を検出する同乗者検出手段と、ユーザに案内する音声案内情報を案内内容別に同乗者の有無に対応して複数種類記憶する音声案内情報記憶手段と、所定の案内タイミングにおいて前記同乗者検出手段を介して検出した同乗者の有無に基づいて前記音声案内情報を選択する選択手段と、前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内する案内手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記音声案内情報記憶手段は、特定の同乗者が同乗した場合に案内する複数種類の特定同乗者用音声案内情報を案内内容別に記憶し、前記選択手段は、前記同乗者検出手段を介して前記特定の同乗者が検出された場合には、前記特定同乗者用音声案内情報を選択することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記同乗者検出手段は、出発地又は目的地に基づいて前記特定の同乗者がユーザと親密であるか否かを判定する親密判定手段を有し、前記複数種類の特定同乗者用音声案内情報は、ユーザと親密な特定の同乗者が同乗した場合に案内する親密同乗者用案内情報を含み、前記選択手段は、前記親密判定手段を介して前記特定の同乗者がユーザと親密であると判定された場合には、前記親密同乗者用案内情報を選択することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置において、前記ユーザと前記同乗者との会話状態を検出する会話検出手段と、前記会話検出手段の検出結果に基づいて前記会話状態が続いているか否かを判定する判定手段と、を備え、前記案内手段は、前記所定の案内タイミングにおいて会話状態が続いていると判定された場合には、この会話が途切れたときに前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、所定の案内タイミングにおいて、同乗者の有無に基づいて音声案内情報を選択してユーザに案内するため、同乗者の有無に応じて適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、同乗者がいない場合には、運転者に分かりやすいように、「長時間の運転で疲れがたまっています。休憩して下さい。」と音声案内を行い、一方、同乗者がいる場合には、「○○km先の○○○で休憩できます。」と音声案内を行うことが可能となり、同乗者に不安感を与えない適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0011】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、特定の同乗者が同乗した場合には、所定の案内タイミングにおいて、特定同乗者用音声案内情報を選択して音声案内を行うことが可能となり、特定の同乗者に応じた適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、出発地と目的地との少なくとも一方に基づいて、ユーザと親密な特定の同乗者(例えば、ユーザの家族である。)が同乗したと判定した場合には、所定の案内タイミングにおいて、親密同乗者用案内情報を選択して音声案内を行うことが可能となり、ユーザと親密な特定の同乗者に応じた適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0013】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置では、所定の案内タイミングにおいて、ユーザと同乗者との会話状態が続いている場合には、この会話が途切れたときに音声案内を行うことが可能となり、会話している雰囲気を壊さずに、適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】音声案内DBに記憶される音声案内テーブルの一例を示す図である。
【図3】同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るナビゲーション装置を具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、運転者や同乗者の音声を検出するマイク18から構成されている。
【0017】
また、ナビゲーション制御部13には、自車の走行速度を検出する車速センサ21と、助手席の同乗者の有無を検出する助手席重量センサ61と、後部座席の同乗者の有無を検出する後部座席重量センサ62と、自車両の燃料の残量を検出する残燃料検出センサ63とが接続されている。また、ナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic Control Unit)51が接続されている。そして、このカメラECU51には、ルームミラー付近に固定されたCCDカメラ等により構成されて車内の搭乗者を撮影する車内撮像用カメラ53が接続されている。
【0018】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0019】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、音声案内データベース(音声案内DB)26及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0020】
また、地図情報DB25には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0021】
また、音声案内DB26には、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に対応して交差点案内や燃料補給の警告等の所定の案内タイミングにおいて案内する音声案内情報が案内内容別に格納された後述の音声案内テーブル71(図2参照)が記憶されている。この音声案内テーブル71は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0022】
また、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理のプログラム(図3参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラム等を記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0023】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、マイク18等の各周辺装置が接続されている。また、マイク18は、各座席に配置されており、各座席の同乗者の声を集音する。
また、通信装置17は、不図示の情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信や、音声案内テーブル71の更新情報の送受信を行う。また、通信装置17は不図示の情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0024】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、車内撮像用カメラ53によって撮影された撮影画像の画像認識を行う画像認識部51Bとを備えている。ここで、画像認識部51Bは、車内撮像用カメラ53の映像信号を画像処理して、撮影画像上における同乗者の顔部分の画像認識を行い、運転者と親密な関係にある家族や友人等の予め登録してある顔部分の画像と比較することによって、同乗者の顔が当該家族又は友人等の顔に似ているか否かを判定し、この判定結果をナビゲーション制御部13へ出力する。
【0025】
次に、音声案内DB26に記憶されて、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に対応して誘導経路の交差点案内や燃料補給の警告等の所定の案内タイミングにおいて案内する音声案内情報が案内内容別に格納された音声案内テーブル71の一例について図2に基づいて説明する。図2は音声案内DB26に記憶される音声案内テーブル71の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、音声案内テーブル71は、音声案内の案内内容を表す「案内内容」と、各「案内内容」に対応する同乗者の有無や同乗者の種類を表す「同乗者」と、各「同乗者」に対応して案内する音声案内情報を表す「音声案内」とから構成されている。
この「案内内容」には、経路案内時に交差点の案内を行う「交差点案内」、休憩の案内を行う「休憩案内」、進路方向前方に渋滞がある旨を案内する「渋滞警告」、誘導経路から外れた旨を案内する「ルート外れ案内」、及び、燃料の残量が少なくなった時に燃料を補給するように案内する「燃料警告」等が格納されている。
【0027】
また、「同乗者」には、同乗者がいない場合を表す「無し」と、同乗者が存在することを表す「有り」とが格納されている。また、同乗者が存在することを表す「有り」には、同乗者が運転者と親密な関係にある家族等の特定の相手であることを表す「特定相手」と、同乗者が家族等以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等であることを表す「通常相手」とが格納されている。そして、各「案内内容」に対応する「音声案内」が、「同乗者」の「無し」、「特定相手」、「通常相手」のそれぞれに対して格納されている。
【0028】
[音声案内処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理について図3に基づいて説明する。
【0029】
図3は同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0030】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部11により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったか否かを判定する判定処理を実行する。
【0031】
ここで、音声案内を行う案内タイミングは、経路案内時に自車位置が交差点の約700m手前、約300m手前、約50m手前の各位置に到達したときや、経路案内を開始してから2時間以上連続走行して休憩案内を行う時間に達したときや、道路交通情報センタや情報配信センタから取得した経路上の渋滞の所定距離手前(例えば、約5km手前である。)に到達したときや、誘導経路から外れたときや、自車両の残燃料が少なくなったとき(例えば、燃料が10リットル以下になったときである。)等である。
【0032】
そして、音声案内を行う案内タイミングになっていないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、音声案内を行う案内タイミングになったと判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶後、S12の処理に移行する。
【0033】
例えば、当該案内タイミングが、経路案内時に自車位置が交差点の約700m手前、約300m手前、約50m手前の各位置に到達したときは、CPU41は、「案内内容」として「交差点案内」をRAM42に記憶する。また、経路案内を開始してから2時間以上連続走行して休憩案内を行う時間に達したときは、CPU41は、「案内内容」として「休憩案内」をRAM42に記憶する。
【0034】
また、道路交通情報センタや情報配信センタから取得した経路上の渋滞の所定距離手前(例えば、約5km手前である。)に到達したときは、CPU41は、「案内内容」として「渋滞警告」をRAM42に記憶する。また、誘導経路から外れたときは、CPU41は、「案内内容」として「ルート外れ案内」をRAM42に記憶する。また、自車両の残燃料が少なくなったとき(例えば、燃料が10リットル以下になったときである。)は、CPU41は、「案内内容」として「燃料警告」をRAM42に記憶する。
【0035】
続いて、S12において、CPU41は、助手席重量センサ61と後部座席重量センサ62からの検出信号に基づいて、同乗者の有無を判定する判定処理を実行する。
そして、同乗者がいないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0036】
S13において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0037】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「700m先、左方向です。」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0038】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「長時間運転で疲れがたまっています。休憩して下さい」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、運転者に対して休憩が必要なことを分かり易い音声案内で知らせることができる。
【0039】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「ルート外れ案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「ルート外れ案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「ルートを外れました。目的地までの経路を再探索します」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。また、CPU41は、自車位置から目的地までの経路を再探索し、推奨経路を液晶ディスプレイ(LCD)15の地図上に表示する。従って、運転者に対して誘導経路から外れたことと、経路の再探索することを分かり易い音声案内で知らせることができる。
【0040】
一方、同乗者がいると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
S14において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報を読み出し、全部同じ音声案内情報か否かを判定する判定処理を実行する。
【0041】
そして、音声案内テーブル71から読み出した当該「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報が全部同じ音声案内情報の場合、つまり、当該「案内内容」が同乗者の有無を考慮しないものである場合には(S14:NO)、CPU41は、上記S13の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0042】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が「渋滞警告」であった場合には、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報を読み出す。そして、各音声案内情報が全て同じ、「○○km(自車位置から渋滞までの距離である。)先、渋滞があります。」の場合には(S14:NO)、CPU41は、上記S13の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0043】
一方、音声案内テーブル71から読み出した当該「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報が全部同じ音声案内情報でない場合、つまり、当該「案内内容」が同乗者を考慮したものである場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。
【0044】
S15において、CPU41は、同乗者が「特定相手」か否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、例えば、「特定相手」を運転者の「家族」とした場合には、CPU41は、カメラECU51に対して、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ているか否かを判定するように指示し、この判定結果をカメラECU51から取得する。また、CPU41は、誘導経路の出発地と目的地をRAM42から読み出し、出発地又は目的地がデータ記録部12に予め登録してある自宅の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、自宅住所や自宅の電話番号等と一致するか否かを判定する。
【0045】
そして、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ているという判定結果をカメラECU51から取得した場合、又は、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等と一致する場合には、CPU41は、同乗者は「特定相手」であると判定し(S15:YES)、S16の処理に移行する。
【0046】
S16において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0047】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります(案内タイミング:会話が無いときに)」の音声案内情報を読み出す。
【0048】
そして、CPU41は、この音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が、含まれるため、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、自車位置から交差点までの距離を地図情報DB25に格納される地図情報に基づいて算出し、スピーカ16を介して「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります。」と音声案内を行う。従って、CPU41は、家族と会話している雰囲気を壊さずに音声案内を行うことが可能となる。
【0049】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「○○km(自車位置から休憩所までの距離である。)先の○○○で休憩できます」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している家族に不安を与えない音声案内を行うことができる。
【0050】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「ルート外れ案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「ルート外れ案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「(案内なしで、経路の再探索)」の音声案内情報を読み出し、音声案内を中止する。また、CPU41は、自車位置から目的地までの経路を再探索し、推奨経路を液晶ディスプレイ(LCD)15の地図上に表示する。従って、CPU41は、同乗している家族に不安を与えることなく、自車位置から目的地までの経路の再探索を行うことが可能となる。
【0051】
一方、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ていないという判定結果をカメラECU51から取得し、且つ、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等のいずれとも一致しない場合には、CPU41は、同乗者は「通常相手」であると判定し、つまり、同乗者は家族等以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等であると判定し(S15:NO)、S17の処理に移行する。
【0052】
S17において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0053】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります(案内タイミング:会話が無いときに)」の音声案内情報を読み出す。
【0054】
そして、CPU41は、この音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が、含まれるため、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、自車位置から交差点までの距離を地図情報DB25に格納される地図情報に基づいて算出し、スピーカ16を介して「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります。」と音声案内を行う。従って、CPU41は、職場の上司や同僚等と会話している雰囲気を壊さずに、適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【0055】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「長時間の運転お疲れ様です。○○km(自車位置から休憩所までの距離である。)先の○○○に休憩所があります」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している職場の上司や同僚等に対して丁寧な音声案内を行うことができる。
【0056】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が、「燃料警告」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「燃料警告」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置からガソリンスタンドまでの距離である。)先、ガソリンスタンドがあります」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している職場の上司や同僚等に対して不安を与えることなく給油案内を行うことが可能となる。
【0057】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになった場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、同乗者がいない場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0058】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、運転者に分かり易い内容に設定することによって、運転者に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、同乗者がいない場合には、CPU41は、運転者に分かり易いように、「長時間の運転で疲れがたまっています。休憩して下さい。」と音声案内を行って、運転者に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0059】
また、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったときに、「家族」が同乗している場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0060】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、「家族」の人達に不安感を与えない内容に設定することによって、同乗している「家族」の人達に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、「家族」が同乗している場合には、「○○km先の○○○で休憩できます。」と音声案内を行って、運転者に対して休憩が必要なことを知らせることが可能になると共に、同乗している家族に対して不安感を与えない適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0061】
また、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったときに、職場の上司や同僚等が同乗している場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0062】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、同乗している職場の上司や同僚等の人達に不安感を与えない内容に設定することによって、同乗している職場の上司や同僚等の人達に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、職場の上司が同乗している場合には、CPU41は、「長時間の運転お疲れ様です。○○km先の○○○に休憩所があります。」と音声案内を行って、運転者に対して休憩が必要なことを知らせることが可能になると共に、同乗している職場の上司等に対して不安感を与えることなく、丁寧で適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0063】
また、CPU41は、同乗している家族や職場の上司や同僚等に対応して音声案内テーブル71から選択した「音声案内」に格納されている音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が含まれている場合には、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0064】
これにより、CPU41は、同乗している家族や職場の上司や同僚等と会話している雰囲気を壊さずに適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【0065】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0066】
(A)CPU41は、助手席や後部座席の同乗者の有無を、各座席に設けられたシートベルトの着脱を検出するセンサや、赤外線センサを介して検出するように構成してもよい。
【0067】
(B)また、上記S15において、CPU41は、誘導経路の出発地と目的地をRAM42から読み出し、出発地又は目的地がデータ記録部12に予め登録してある自宅の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、自宅住所や自宅の電話番号等と一致するか否かを判定するようにしてもよい。そして、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等と一致する場合には、CPU41は、同乗者は「家族」である、つまり、同乗者は「特定相手」であると判定し(S15:YES)、S16の処理に移行するようにしてもよい。
【0068】
一方、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等のいずれとも一致しない場合には、CPU41は、同乗者は「家族」でない、つまり、同乗者は家族以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等の「通常相手」であると判定し(S15:NO)、S17の処理に移行するようにしてもよい。これにより、カメラECU51及び車内撮像用カメラ53を設ける必要がなくなる。
【符号の説明】
【0069】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
26 音声案内DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
53 車内撮像用カメラ
61 助手席重量センサ
62 後部座席重量センサ
71 音声案内テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の案内タイミングにおいて音声案内を行うナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の案内タイミングにおいて音声案内を行うナビゲーション装置に関し種々提案されている。
例えば、ECU9は、車両の運転が開始された直後に、第1設定時間経過後の当該車両の走行経路上または移動経路上における走行地点を予測する。そして、予測した走行地点から所定範囲内に休憩エリアが設けられていない場合には、車両が走行を開始してから第1設定時間が経過するまでの間に立ち寄れる各休憩エリアに接近するたびに、休憩案内を行うように構成された車両用案内装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−32558号公報(段落(0022)〜(0054)、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両用案内装置では、同乗者の有無に拘わらず、同一の音声案内で休憩案内を行うため、運転者に分かりやすいように、「長時間の運転で疲れがたまっています。○○○で休憩して下さい。」等の音声案内を行った場合には、同乗者に不安感を与える虞があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、所定の案内タイミングにおいて、同乗者の有無に応じて適切な音声案内を行うことが可能となるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、同乗者を検出する同乗者検出手段と、ユーザに案内する音声案内情報を案内内容別に同乗者の有無に対応して複数種類記憶する音声案内情報記憶手段と、所定の案内タイミングにおいて前記同乗者検出手段を介して検出した同乗者の有無に基づいて前記音声案内情報を選択する選択手段と、前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内する案内手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記音声案内情報記憶手段は、特定の同乗者が同乗した場合に案内する複数種類の特定同乗者用音声案内情報を案内内容別に記憶し、前記選択手段は、前記同乗者検出手段を介して前記特定の同乗者が検出された場合には、前記特定同乗者用音声案内情報を選択することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記同乗者検出手段は、出発地又は目的地に基づいて前記特定の同乗者がユーザと親密であるか否かを判定する親密判定手段を有し、前記複数種類の特定同乗者用音声案内情報は、ユーザと親密な特定の同乗者が同乗した場合に案内する親密同乗者用案内情報を含み、前記選択手段は、前記親密判定手段を介して前記特定の同乗者がユーザと親密であると判定された場合には、前記親密同乗者用案内情報を選択することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置において、前記ユーザと前記同乗者との会話状態を検出する会話検出手段と、前記会話検出手段の検出結果に基づいて前記会話状態が続いているか否かを判定する判定手段と、を備え、前記案内手段は、前記所定の案内タイミングにおいて会話状態が続いていると判定された場合には、この会話が途切れたときに前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、所定の案内タイミングにおいて、同乗者の有無に基づいて音声案内情報を選択してユーザに案内するため、同乗者の有無に応じて適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、同乗者がいない場合には、運転者に分かりやすいように、「長時間の運転で疲れがたまっています。休憩して下さい。」と音声案内を行い、一方、同乗者がいる場合には、「○○km先の○○○で休憩できます。」と音声案内を行うことが可能となり、同乗者に不安感を与えない適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0011】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、特定の同乗者が同乗した場合には、所定の案内タイミングにおいて、特定同乗者用音声案内情報を選択して音声案内を行うことが可能となり、特定の同乗者に応じた適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、出発地と目的地との少なくとも一方に基づいて、ユーザと親密な特定の同乗者(例えば、ユーザの家族である。)が同乗したと判定した場合には、所定の案内タイミングにおいて、親密同乗者用案内情報を選択して音声案内を行うことが可能となり、ユーザと親密な特定の同乗者に応じた適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0013】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置では、所定の案内タイミングにおいて、ユーザと同乗者との会話状態が続いている場合には、この会話が途切れたときに音声案内を行うことが可能となり、会話している雰囲気を壊さずに、適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】音声案内DBに記憶される音声案内テーブルの一例を示す図である。
【図3】同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るナビゲーション装置を具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、運転者や同乗者の音声を検出するマイク18から構成されている。
【0017】
また、ナビゲーション制御部13には、自車の走行速度を検出する車速センサ21と、助手席の同乗者の有無を検出する助手席重量センサ61と、後部座席の同乗者の有無を検出する後部座席重量センサ62と、自車両の燃料の残量を検出する残燃料検出センサ63とが接続されている。また、ナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic Control Unit)51が接続されている。そして、このカメラECU51には、ルームミラー付近に固定されたCCDカメラ等により構成されて車内の搭乗者を撮影する車内撮像用カメラ53が接続されている。
【0018】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0019】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、音声案内データベース(音声案内DB)26及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0020】
また、地図情報DB25には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0021】
また、音声案内DB26には、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に対応して交差点案内や燃料補給の警告等の所定の案内タイミングにおいて案内する音声案内情報が案内内容別に格納された後述の音声案内テーブル71(図2参照)が記憶されている。この音声案内テーブル71は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0022】
また、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理のプログラム(図3参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラム等を記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0023】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、マイク18等の各周辺装置が接続されている。また、マイク18は、各座席に配置されており、各座席の同乗者の声を集音する。
また、通信装置17は、不図示の情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信や、音声案内テーブル71の更新情報の送受信を行う。また、通信装置17は不図示の情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0024】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、車内撮像用カメラ53によって撮影された撮影画像の画像認識を行う画像認識部51Bとを備えている。ここで、画像認識部51Bは、車内撮像用カメラ53の映像信号を画像処理して、撮影画像上における同乗者の顔部分の画像認識を行い、運転者と親密な関係にある家族や友人等の予め登録してある顔部分の画像と比較することによって、同乗者の顔が当該家族又は友人等の顔に似ているか否かを判定し、この判定結果をナビゲーション制御部13へ出力する。
【0025】
次に、音声案内DB26に記憶されて、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に対応して誘導経路の交差点案内や燃料補給の警告等の所定の案内タイミングにおいて案内する音声案内情報が案内内容別に格納された音声案内テーブル71の一例について図2に基づいて説明する。図2は音声案内DB26に記憶される音声案内テーブル71の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、音声案内テーブル71は、音声案内の案内内容を表す「案内内容」と、各「案内内容」に対応する同乗者の有無や同乗者の種類を表す「同乗者」と、各「同乗者」に対応して案内する音声案内情報を表す「音声案内」とから構成されている。
この「案内内容」には、経路案内時に交差点の案内を行う「交差点案内」、休憩の案内を行う「休憩案内」、進路方向前方に渋滞がある旨を案内する「渋滞警告」、誘導経路から外れた旨を案内する「ルート外れ案内」、及び、燃料の残量が少なくなった時に燃料を補給するように案内する「燃料警告」等が格納されている。
【0027】
また、「同乗者」には、同乗者がいない場合を表す「無し」と、同乗者が存在することを表す「有り」とが格納されている。また、同乗者が存在することを表す「有り」には、同乗者が運転者と親密な関係にある家族等の特定の相手であることを表す「特定相手」と、同乗者が家族等以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等であることを表す「通常相手」とが格納されている。そして、各「案内内容」に対応する「音声案内」が、「同乗者」の「無し」、「特定相手」、「通常相手」のそれぞれに対して格納されている。
【0028】
[音声案内処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理について図3に基づいて説明する。
【0029】
図3は同乗者の有無及び運転者と同乗者との関係に基づいて音声案内を行う音声案内処理を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0030】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部11により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったか否かを判定する判定処理を実行する。
【0031】
ここで、音声案内を行う案内タイミングは、経路案内時に自車位置が交差点の約700m手前、約300m手前、約50m手前の各位置に到達したときや、経路案内を開始してから2時間以上連続走行して休憩案内を行う時間に達したときや、道路交通情報センタや情報配信センタから取得した経路上の渋滞の所定距離手前(例えば、約5km手前である。)に到達したときや、誘導経路から外れたときや、自車両の残燃料が少なくなったとき(例えば、燃料が10リットル以下になったときである。)等である。
【0032】
そして、音声案内を行う案内タイミングになっていないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、音声案内を行う案内タイミングになったと判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶後、S12の処理に移行する。
【0033】
例えば、当該案内タイミングが、経路案内時に自車位置が交差点の約700m手前、約300m手前、約50m手前の各位置に到達したときは、CPU41は、「案内内容」として「交差点案内」をRAM42に記憶する。また、経路案内を開始してから2時間以上連続走行して休憩案内を行う時間に達したときは、CPU41は、「案内内容」として「休憩案内」をRAM42に記憶する。
【0034】
また、道路交通情報センタや情報配信センタから取得した経路上の渋滞の所定距離手前(例えば、約5km手前である。)に到達したときは、CPU41は、「案内内容」として「渋滞警告」をRAM42に記憶する。また、誘導経路から外れたときは、CPU41は、「案内内容」として「ルート外れ案内」をRAM42に記憶する。また、自車両の残燃料が少なくなったとき(例えば、燃料が10リットル以下になったときである。)は、CPU41は、「案内内容」として「燃料警告」をRAM42に記憶する。
【0035】
続いて、S12において、CPU41は、助手席重量センサ61と後部座席重量センサ62からの検出信号に基づいて、同乗者の有無を判定する判定処理を実行する。
そして、同乗者がいないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0036】
S13において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0037】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「700m先、左方向です。」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0038】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「長時間運転で疲れがたまっています。休憩して下さい」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、運転者に対して休憩が必要なことを分かり易い音声案内で知らせることができる。
【0039】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「ルート外れ案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「ルート外れ案内」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている「ルートを外れました。目的地までの経路を再探索します」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。また、CPU41は、自車位置から目的地までの経路を再探索し、推奨経路を液晶ディスプレイ(LCD)15の地図上に表示する。従って、運転者に対して誘導経路から外れたことと、経路の再探索することを分かり易い音声案内で知らせることができる。
【0040】
一方、同乗者がいると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
S14において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報を読み出し、全部同じ音声案内情報か否かを判定する判定処理を実行する。
【0041】
そして、音声案内テーブル71から読み出した当該「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報が全部同じ音声案内情報の場合、つまり、当該「案内内容」が同乗者の有無を考慮しないものである場合には(S14:NO)、CPU41は、上記S13の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0042】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が「渋滞警告」であった場合には、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報を読み出す。そして、各音声案内情報が全て同じ、「○○km(自車位置から渋滞までの距離である。)先、渋滞があります。」の場合には(S14:NO)、CPU41は、上記S13の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0043】
一方、音声案内テーブル71から読み出した当該「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」、「特定相手」及び「通常相手」の「音声案内」に格納されている各音声案内情報が全部同じ音声案内情報でない場合、つまり、当該「案内内容」が同乗者を考慮したものである場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。
【0044】
S15において、CPU41は、同乗者が「特定相手」か否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、例えば、「特定相手」を運転者の「家族」とした場合には、CPU41は、カメラECU51に対して、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ているか否かを判定するように指示し、この判定結果をカメラECU51から取得する。また、CPU41は、誘導経路の出発地と目的地をRAM42から読み出し、出発地又は目的地がデータ記録部12に予め登録してある自宅の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、自宅住所や自宅の電話番号等と一致するか否かを判定する。
【0045】
そして、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ているという判定結果をカメラECU51から取得した場合、又は、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等と一致する場合には、CPU41は、同乗者は「特定相手」であると判定し(S15:YES)、S16の処理に移行する。
【0046】
S16において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0047】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります(案内タイミング:会話が無いときに)」の音声案内情報を読み出す。
【0048】
そして、CPU41は、この音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が、含まれるため、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、自車位置から交差点までの距離を地図情報DB25に格納される地図情報に基づいて算出し、スピーカ16を介して「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります。」と音声案内を行う。従って、CPU41は、家族と会話している雰囲気を壊さずに音声案内を行うことが可能となる。
【0049】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「○○km(自車位置から休憩所までの距離である。)先の○○○で休憩できます」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している家族に不安を与えない音声案内を行うことができる。
【0050】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「ルート外れ案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「ルート外れ案内」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている「(案内なしで、経路の再探索)」の音声案内情報を読み出し、音声案内を中止する。また、CPU41は、自車位置から目的地までの経路を再探索し、推奨経路を液晶ディスプレイ(LCD)15の地図上に表示する。従って、CPU41は、同乗している家族に不安を与えることなく、自車位置から目的地までの経路の再探索を行うことが可能となる。
【0051】
一方、同乗者の顔が運転者と親密な関係にある家族の顔に似ていないという判定結果をカメラECU51から取得し、且つ、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等のいずれとも一致しない場合には、CPU41は、同乗者は「通常相手」であると判定し、つまり、同乗者は家族等以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等であると判定し(S15:NO)、S17の処理に移行する。
【0052】
S17において、CPU41は、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「案内内容」を音声案内DB26に記憶された音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行った後、当該処理を終了する。
【0053】
例えば、RAM42から読み出した「案内内容」が700m手前の「交差点案内」で、誘導経路が左折の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「交差点案内」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります(案内タイミング:会話が無いときに)」の音声案内情報を読み出す。
【0054】
そして、CPU41は、この音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が、含まれるため、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、自車位置から交差点までの距離を地図情報DB25に格納される地図情報に基づいて算出し、スピーカ16を介して「○○○m(自車位置から交差点までの距離である。)先、左方向となります。」と音声案内を行う。従って、CPU41は、職場の上司や同僚等と会話している雰囲気を壊さずに、適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【0055】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が「休憩案内」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「休憩案内」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「長時間の運転お疲れ様です。○○km(自車位置から休憩所までの距離である。)先の○○○に休憩所があります」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している職場の上司や同僚等に対して丁寧な音声案内を行うことができる。
【0056】
また、RAM42から読み出した「案内内容」が、「燃料警告」の場合には、CPU41は、音声案内テーブル71の「燃料警告」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている「○○○m(自車位置からガソリンスタンドまでの距離である。)先、ガソリンスタンドがあります」の音声案内情報を読み出し、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。従って、CPU41は、同乗している職場の上司や同僚等に対して不安を与えることなく給油案内を行うことが可能となる。
【0057】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになった場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、同乗者がいない場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0058】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「無し」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、運転者に分かり易い内容に設定することによって、運転者に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、同乗者がいない場合には、CPU41は、運転者に分かり易いように、「長時間の運転で疲れがたまっています。休憩して下さい。」と音声案内を行って、運転者に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0059】
また、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったときに、「家族」が同乗している場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0060】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「特定相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、「家族」の人達に不安感を与えない内容に設定することによって、同乗している「家族」の人達に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、「家族」が同乗している場合には、「○○km先の○○○で休憩できます。」と音声案内を行って、運転者に対して休憩が必要なことを知らせることが可能になると共に、同乗している家族に対して不安感を与えない適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0061】
また、CPU41は、音声案内を行う案内タイミングになったときに、職場の上司や同僚等が同乗している場合には、当該案内タイミングに対応する「案内内容」をRAM42から読み出し、「案内内容」を音声案内テーブル71の「案内内容」として、この「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を読み出す。その後、CPU41は、この読み出した音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0062】
これにより、音声案内テーブル71の各「案内内容」に対応する「同乗者」が「通常相手」の「音声案内」に格納されている音声案内情報を、同乗している職場の上司や同僚等の人達に不安感を与えない内容に設定することによって、同乗している職場の上司や同僚等の人達に対して適切な音声案内を行うことが可能となる。例えば、職場の上司が同乗している場合には、CPU41は、「長時間の運転お疲れ様です。○○km先の○○○に休憩所があります。」と音声案内を行って、運転者に対して休憩が必要なことを知らせることが可能になると共に、同乗している職場の上司等に対して不安感を与えることなく、丁寧で適切な音声案内を行うことが可能となる。
【0063】
また、CPU41は、同乗している家族や職場の上司や同僚等に対応して音声案内テーブル71から選択した「音声案内」に格納されている音声案内情報に「案内タイミング:会話が無いときに」が含まれている場合には、各座席に配置されたマイク18を介して、同乗者の声を集音し、会話が途切れるのを待つ。そして、CPU41は、会話が途切れたときに、この音声案内情報の音声案内をスピーカ16を介して行う。
【0064】
これにより、CPU41は、同乗している家族や職場の上司や同僚等と会話している雰囲気を壊さずに適切なタイミングで音声案内を行うことが可能となる。
【0065】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0066】
(A)CPU41は、助手席や後部座席の同乗者の有無を、各座席に設けられたシートベルトの着脱を検出するセンサや、赤外線センサを介して検出するように構成してもよい。
【0067】
(B)また、上記S15において、CPU41は、誘導経路の出発地と目的地をRAM42から読み出し、出発地又は目的地がデータ記録部12に予め登録してある自宅の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、自宅住所や自宅の電話番号等と一致するか否かを判定するようにしてもよい。そして、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等と一致する場合には、CPU41は、同乗者は「家族」である、つまり、同乗者は「特定相手」であると判定し(S15:YES)、S16の処理に移行するようにしてもよい。
【0068】
一方、出発地又は目的地が自宅の座標位置、自宅住所や自宅の電話番号等のいずれとも一致しない場合には、CPU41は、同乗者は「家族」でない、つまり、同乗者は家族以外の運転者と親密な関係にない職場の上司や同僚等の「通常相手」であると判定し(S15:NO)、S17の処理に移行するようにしてもよい。これにより、カメラECU51及び車内撮像用カメラ53を設ける必要がなくなる。
【符号の説明】
【0069】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
26 音声案内DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
53 車内撮像用カメラ
61 助手席重量センサ
62 後部座席重量センサ
71 音声案内テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同乗者を検出する同乗者検出手段と、
ユーザに案内する音声案内情報を案内内容別に同乗者の有無に対応して複数種類記憶する音声案内情報記憶手段と、
所定の案内タイミングにおいて前記同乗者検出手段を介して検出した同乗者の有無に基づいて前記音声案内情報を選択する選択手段と、
前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内する案内手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記音声案内情報記憶手段は、特定の同乗者が同乗した場合に案内する複数種類の特定同乗者用音声案内情報を案内内容別に記憶し、
前記選択手段は、前記同乗者検出手段を介して前記特定の同乗者が検出された場合には、前記特定同乗者用音声案内情報を選択することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記同乗者検出手段は、出発地と目的地との少なくとも一方に基づいて前記特定の同乗者がユーザと親密であるか否かを判定する親密判定手段を有し、
前記複数種類の特定同乗者用音声案内情報は、ユーザと親密な特定の同乗者が同乗した場合に案内する親密同乗者用案内情報を含み、
前記選択手段は、前記親密判定手段を介して前記特定の同乗者がユーザと親密であると判定された場合には、前記親密同乗者用案内情報を選択することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ユーザと前記同乗者との会話状態を検出する会話検出手段と、
前記会話検出手段の検出結果に基づいて前記会話状態が続いているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記案内手段は、前記所定の案内タイミングにおいて会話状態が続いていると判定された場合には、この会話が途切れたときに前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
同乗者を検出する同乗者検出手段と、
ユーザに案内する音声案内情報を案内内容別に同乗者の有無に対応して複数種類記憶する音声案内情報記憶手段と、
所定の案内タイミングにおいて前記同乗者検出手段を介して検出した同乗者の有無に基づいて前記音声案内情報を選択する選択手段と、
前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内する案内手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記音声案内情報記憶手段は、特定の同乗者が同乗した場合に案内する複数種類の特定同乗者用音声案内情報を案内内容別に記憶し、
前記選択手段は、前記同乗者検出手段を介して前記特定の同乗者が検出された場合には、前記特定同乗者用音声案内情報を選択することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記同乗者検出手段は、出発地と目的地との少なくとも一方に基づいて前記特定の同乗者がユーザと親密であるか否かを判定する親密判定手段を有し、
前記複数種類の特定同乗者用音声案内情報は、ユーザと親密な特定の同乗者が同乗した場合に案内する親密同乗者用案内情報を含み、
前記選択手段は、前記親密判定手段を介して前記特定の同乗者がユーザと親密であると判定された場合には、前記親密同乗者用案内情報を選択することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ユーザと前記同乗者との会話状態を検出する会話検出手段と、
前記会話検出手段の検出結果に基づいて前記会話状態が続いているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記案内手段は、前記所定の案内タイミングにおいて会話状態が続いていると判定された場合には、この会話が途切れたときに前記選択手段を介して選択した音声案内情報をユーザに案内することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−160066(P2010−160066A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2702(P2009−2702)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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