説明

ナビゲーション装置

【課題】カレンダーを利用して日付毎に目的地を設定し、その設定状態をカレンダー上で管理する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、カレンダーを表示モニタに表示し(ステップS10)、そのカレンダーにおいてユーザにより日付が指定されると(ステップS20)、指定された日付に対して目的地を設定する(ステップS40)。こうして目的地を設定したら、ステップS20でユーザに指定された日付に対してステップS40で目的地が設定されたことをカレンダー上に示す(ステップS70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カレンダー情報を検出し、寄り道に好適な場所を通過する寄り道ルートを経由する案内経路を探索するナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−185453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される従来のナビゲーション装置は、カレンダーを利用して寄り道ルートを経由する案内経路を探索する。このようにカレンダーを利用するナビゲーション装置において、他の用途にカレンダーを利用できるものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるナビゲーション装置は、カレンダーを記憶するカレンダー記憶手段と、カレンダー記憶手段からカレンダーを取得して表示モニタに表示するカレンダー表示制御手段と、カレンダーに日付を指定した位置の入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段で入力を受け付けた位置を目的地として設定する目的地設定手段と、入力受付手段で入力を受け付けた位置が目的地として設定されたことを表示する設定提示手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、カレンダーを利用して日付毎に目的地を設定し、その設定状態をカレンダー上で管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態によるナビゲーション装置において日付指定付きの目的地設定を行う場合に実行される処理のフローチャートである。
【図3】表示モニタに表示されるカレンダーの例である。
【図4】表示モニタに表示される地図の例である。
【図5】第2の実施の形態によるナビゲーション装置において日付指定付きの目的地設定を行う場合に実行される処理のフローチャートである。
【図6】第3の実施の形態によるナビゲーション装置において日付指定付きの目的地設定を行う場合に実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1に示すナビゲーション装置1は、車両に搭載されており、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS受信部14、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)情報受信部15、表示モニタ16、スピーカ17および入力装置18を備える。
【0009】
制御部10は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、ROMまたはHDD13に記録されたプログラムやデータ類に基づいて、各種の処理や制御を実行する。振動ジャイロ11は、車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両の走行速度を検出するためのセンサである。振動ジャイロ11により検出された車両の角速度と、車速センサ12により検出された車両の走行速度は、制御部10へ出力される。
【0010】
HDD13は、記録されたデータを保持可能な不揮発性の記録媒体である。HDD13には、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されているデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。HDD13に記録された地図データは、経路計算データ、道路データおよび背景データを含む。経路計算データは、制御部10において目的地までの推奨経路を探索する処理を行う際などに用いられるデータであり、道路毎の通過所要時間などを表す。道路データは、地図を表示する際の道路形状などを表す。背景データは、河川、鉄道、各種施設(ランドマーク)など、道路以外の地図要素の形状を表す。
【0011】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。車両の現在位置は、振動ジャイロ11から出力された車両の角速度、車速センサ12から出力された車両の走行速度、GPS受信部14から出力されたGPS信号、HDD13に記録された地図データなどに基づいて、制御部10により所定時間毎に求められる。
【0012】
VICS情報受信部15は、VICSセンターからナビゲーション装置1に対して送信されるVICS情報を受信する。このVICS情報により、渋滞情報や通行規制情報、駐車場情報などの様々な道路交通情報がナビゲーション装置1に対して送信される。VICS情報受信部15により受信されたVICS情報は制御部10に出力され、制御部10において推奨経路を探索するときに利用されると共に、その内容が表示モニタ16において表示される。
【0013】
なお、VICSセンターからナビゲーション装置1へのVICS情報の送信は、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光(赤外線)により局所的にVICS情報を送信するものである。これに対して、FM多重放送では比較的広い地域に対してVICS情報を送信することができる。
【0014】
表示モニタ16は、制御部10の制御により、地図画像などの様々な画像や映像を表示する。表示モニタ16は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、運転席から見やすい位置に設置されている。表示モニタ16には、たとえば液晶ディスプレイなどが用いられる。スピーカ17は、制御部10の制御により、経路案内用の音声などを出力する。
【0015】
入力装置18は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置18を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置18は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置18を表示モニタ16と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0016】
次に、ナビゲーション装置1の動作について説明する。ユーザは、ナビゲーション装置1に対して、通常の目的地設定と日付指定付きの目的地設定のいずれかを選択して実行させることができる。通常の目的地設定の場合、ナビゲーション装置1は、目的地を設定した後に直ちに推奨経路を探索し、車両の誘導を開始する。一方、日付指定付きの目的地設定の場合、ナビゲーション装置1は、ユーザに指定された日付に対して目的地を設定し、その日付になると車両の誘導を開始する。
【0017】
ナビゲーション装置1において日付指定付きの目的地設定を行う場合に、制御部10によって実行される処理のフローチャートを図2に示す。このフローチャートについて以下に説明する。
【0018】
ステップS10では、ユーザが日付を指定するためのカレンダーを表示モニタ16に表示する。ここでは、HDD13において記憶されているカレンダーの情報をHDD13から取得することでカレンダーの表示を行う。このとき表示されるカレンダーの例を図3に示す。図3では4月のカレンダー20を例示しているが、表示するカレンダーの月はユーザが入力装置18を操作することにより任意に変更することができる。なお、カレンダー20において4月14日の位置には、符号21に示すように、設定された目的地を表す「遊園地A」の文字と、登録されている自宅の位置からその目的地までの所要時間を表す「1時間15分」の文字とが表示されている。なお、自宅が登録されていない場合は、車両の現在位置であってもよい。これらの表示方法については、以下のステップにおいて説明する。
【0019】
ステップS20では、ステップS10で表示したカレンダーにおいて、いずれかの日付がユーザによって指定されたか否かを判定する。ユーザが入力装置18を操作してカレンダー上でいずれかの日付を選択することで、ナビゲーション装置1に対して日付が指定された場合は、ステップS30へ進む。一方、いずれの日付も指定されていない場合は、ステップS80へ進む。
【0020】
ステップS30では、ユーザが目的地を設定するための目的地設定画面を表示モニタ16に表示する。この目的地設定画面において、ユーザは入力装置18を操作することにより、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したりすることができる。
【0021】
以上説明したステップS20およびステップS30の処理により、制御部10は、ステップS10で表示したカレンダーに対して、日付を指定したユーザからの位置の入力を受け付ける。
【0022】
ステップS40では、ステップS30で表示した目的地設定画面におけるユーザの入力内容に基づいて、車両の目的地を設定する。たとえば、目的地設定画面において施設や地点の名称がユーザに入力された場合、ステップS40では、HDD13に記録された地図データに基づいてその施設や地点の位置を検索し、目的地に設定する。あるいは、ユーザにより登録地の中から選択された目的地や、地図上でユーザに指定された目的地を設定することもできる。なお、同じ日付に対して複数の目的地を設定してもよい。これにより、制御部10は、ステップS20およびステップS30でユーザからの入力を受け付けた位置を目的地として設定することができる。設定された目的地の情報は、ステップS20で指定された日付の情報と関連付けてHDD13に記録される。
【0023】
ステップS50では、車両の現在位置からステップS40で設定された目的地までの推奨経路を探索する。または、登録された自宅の位置からステップS40で設定された目的地までの推奨経路を探索する。ここでは、HDD13に記録された地図データのうち前述の経路計算データに基づいて、所定のアルゴリズムによる経路探索演算を行うことにより、車両の現在位置または登録された自宅の位置から目的地までの所要時間が最短となる推奨経路を探索する。その際、過去の渋滞情報を統計的に処理して得られた統計交通情報に基づいて、指定された日付における各道路の渋滞状況を予測し、推奨経路の探索結果に反映させてもよい。なお、統計交通情報はHDD13に記録されていてもよいし、携帯電話などの無線通信回線を介して受信できるようにしてもよい。あるいは、車両の現在位置または登録されている自宅の位置から目的地までの距離が最短となる推奨経路や、通行料金が最安値となる推奨経路などを探索してもよい。さらに、車両の現在位置とから目的地までの推奨経路と、登録されている自宅の位置から目的地までの推奨経路とを、両方とも探索してもよい。
【0024】
なお、前述のステップS40において同じ日付に対して複数の目的地を設定した場合、ステップS50で推奨経路を探索する際には、その各目的地に対して車両の現在位置または登録された自宅の位置からの距離などに応じた通過順序を割り当てることが好ましい。すなわち、最後の目的地以外は経由地として設定し、割り当てられた通過順序に従って各経由値を通過した後に、最後の目的地に到達する推奨経路を探索する。
【0025】
ステップS60では、ステップS50で探索した推奨経路に基づいて、車両の現在位置または登録された自宅の位置から目的地までの所要時間を推定する。なお、上記ステップS50において、統計交通情報に基づいて指定された日付における推奨経路の渋滞状況を予測した場合は、その予測結果を反映して所要時間を推定することが好ましい。また、前述のようにステップS50において、車両の現在位置から目的地までの推奨経路と、自宅の位置から目的地までの推奨経路とを両方とも探索した場合は、その両方の推奨経路について目的地までの所要時間をそれぞれ推定することが好ましい。推定された所要時間の情報は、前述の目的地の情報と同様に、ステップS20で指定された日付の情報と関連付けてHDD13に記録される。
【0026】
ステップS70では、ステップS20で指定された日付を含むカレンダーを再び表示モニタ16に表示し、そのカレンダー上の対応する位置に、ステップS40で設定した目的地と、ステップS60で求めた目的地までの所要時間の推定値とを表示する。たとえば、ステップS20においてユーザにより4月14日が指定された後、ステップS40において「遊園地A」が目的地に設定され、ステップS60においてその目的地までの所要時間の推定値が「1時間15分」と算出されたとする。この場合、図3の符号21に示すように、カレンダー20において4月14日の位置に、設定された目的地の名称と推定された目的地までの所要時間とが表示される。こうして目的地と所要時間をカレンダー上に表示することにより、制御部10は、ステップS20およびステップS30で日付を指定してユーザからの入力を受け付けた位置が目的地として設定されたことを表示する。
【0027】
なお、ステップS60において、前述のように車両の現在位置から目的地までの推奨経路と、登録されている自宅の位置から目的地までの推奨経路とについて、それぞれに所要時間を推定していた場合は、その両方の所要時間をカレンダー上の対応する位置に併記してもよい。この場合、たとえば文字色を変える等の方法により、いずれの所要時間を表しているかをユーザが容易に識別可能とすることが好ましい。
【0028】
ステップS80では、ステップS10で表示モニタ16に表示したカレンダー上で、目的地が設定された日付がユーザによって選択されたか否かを判定する。上記のステップS20においてユーザに指定され、ステップS40において目的地を設定した日付が、ユーザの入力装置18の操作によりカレンダー上で選択された場合、ステップS90へ進む。一方、目的地が設定された日付がユーザによって選択されていない場合は、ステップS100へ進む。
【0029】
ステップS90では、HDD13に記録された地図データに基づいて、ステップS80において選択された日付に対応する目的地付近の地図を表示モニタ16に表示する。このとき表示される地図の例を図4に示す。前述のように図3のカレンダー20において、ユーザに指定された4月14日に対する目的地として遊園地Aが設定されている。図4の地図22には、目的地マーク23により、この遊園地Aの位置と指定された日付の4月14日とが示されている。なお、このときさらに目的地までの所要時間の推定値を地図上に表示するようにしてもよい。ユーザが入力装置18により所定のキャンセル操作を行うと、地図の表示を終了してカレンダーの表示に戻る。
【0030】
ステップS100では、ステップS20においてユーザに指定された日付になったか否かを判定する。指定された日付になった場合、すなわち現在の日付が指定された日付と同じである場合は、ステップS110へ進む。一方、まだ指定された日付になっていない場合は、ステップS10へ戻って前述のような処理を繰り返す。これにより、異なる日付を指定してそれぞれに目的地を設定することができる。なお、現在の日付は、GPS受信部14により受信されたGPS信号に基づいて、制御部10により求められる。
【0031】
ステップS110では、車両の現在位置から現在の日付に対応する目的地までの推奨経路を探索する。このとき、VICS情報受信部15により受信されたVICS情報に基づいて、各道路の渋滞状況を判断し、推奨経路の探索結果に反映させることが好ましい。さらに、前述のステップS50と同様に、統計交通情報に基づく渋滞状況の予測を行うようにしてもよい。このようにして、指定された日付になったら、そのときの渋滞状況に応じて目的地までの推奨経路を再び探索する。
【0032】
ステップS110を実行したら、図2のフローチャートを終了する。その後は、探索された推奨経路に従って車両を目的地まで誘導する。
【0033】
なお、以上説明した図2のフローチャートにおいて、ステップS50で推奨経路を探索しないようにしてもよい。この場合、ステップS60において推奨経路に基づく所要時間の推定値を算出できないため、ステップS70では目的地のみをカレンダー上に表示し、所要時間は表示しないようにする。指定された日付になるとステップS110を実行し、そのときの車両の位置から設定された目的地までの推奨経路を探索する。
【0034】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、HDD13からカレンダーを取得して表示モニタ16に表示し(ステップS10)、そのカレンダーに日付を指定したユーザからの位置の入力を受け付け(ステップS20、S30)、入力を受け付けた位置を目的地として設定する(ステップS40)。こうして入力を受け付けた位置を目的地として設定したら、その位置が目的地として設定されたことを表示する(ステップS70)。このようにしたので、ユーザはカレンダーを利用して日付毎に目的地を設定し、その設定状態をカレンダー上で管理することができる。
【0035】
(2)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、ステップS40で設定した目的地付近の地図を表示モニタ16に表示する(ステップS90)。このようにしたので、ユーザは目的地の位置を地図上で容易に確認することができる。
【0036】
(3)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、ステップS20において指定された日付がカレンダー上で選択されたか否かを判定し(ステップS80)、当該日付がカレンダー上で選択されたときに、ステップS90を実行して目的地付近の地図を表示モニタ16に表示する。このようにしたので、ユーザは目的地付近の地図を簡単な操作で表示させることができる。
【0037】
(4)ステップS90では、目的地付近の地図に、その目的地の位置と、その目的地を設定する際に指定された日付とを示す。これにより、ユーザは目的地の位置と共に、その目的地が設定された日付を地図上で容易に確認することができる。
【0038】
(5)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、ステップS20において指定された日付になったか否かを判定し(ステップS100)、その日付になったときに、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS110)。このようにしたので、現在の車両の位置や道路の渋滞状況が目的地設定時のものと違っていても、そのときの状況に応じて最適な推奨経路を探索することができる。
【0039】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記で説明した第1の実施の形態では、ユーザに指定された日付に対して目的地を設定し、その日付になると目的地までの推奨経路を探索するナビゲーション装置の例を説明した。これに対して本実施の形態では、目的地と共に出発時刻を設定し、ユーザに指定された日付において出発時刻を過ぎると、目的地までの推奨経路を探索するナビゲーション装置の例を説明する。なお、本実施形態によるナビゲーション装置の構成は、図1に示すナビゲーション装置1と同じである。したがって以下の説明では、図1の構成を用いて本実施形態の説明を行う。
【0040】
本実施形態のナビゲーション装置において日付指定付きの目的地設定を行う場合に、制御部10によって実行される処理のフローチャートを図5に示す。このフローチャートでは、図2に示すフローチャートと同じ内容の処理を行うステップに対して、同一のステップ番号としている。以下では、この図2と同一のステップ番号が付されたステップについては、特に必要ない限り説明を省略する。
【0041】
ステップS41では、ステップS30で表示した目的地設定画面におけるユーザの入力内容に基づいて、車両の目的地と出発時刻とを設定する。このとき設定する出発時刻には、ユーザが任意の時刻を指定することができる。なお、日付が同じ複数の目的地に対して同一の出発時刻を設定してもよい。その場合、ステップS50およびS110で推奨経路を探索する際に、車両の現在位置からの距離などに応じた通過順序を各目的地に対して割り当てる。すなわち、最後の目的地以外を経由地として設定し、割り当てられた通過順序に従って各経由値を通過した後に、最後の目的地に到達する推奨経路を探索する。
【0042】
あるいは、日付が同じ複数の目的地に対して異なる出発時刻を設定するようにしてもよい。その場合、ステップS50およびS110で推奨経路を探索する際に、目的地毎に推奨経路をそれぞれ探索する。なお、このときに、いずれかの目的地に対して設定された出発時刻から推定されたその目的地への所要時間までの間に、別の目的地に対する出発時刻が設定されるのを禁止するようにしてもよい。
【0043】
ステップS71では、ステップS20で指定された日付を含むカレンダーを再び表示モニタ16に表示し、そのカレンダー上の対応する位置に、ステップS41で設定した目的地および出発時刻と、ステップS60で推定した所要時間とを表示する。これにより、制御部10は、指定された日付に対して目的地が設定されたことをカレンダー上に示すと共に、予定されている出発時刻と目的地までの所要時間の推定値をカレンダー上に示すようにする。
【0044】
ステップS101では、ユーザに指定された日付における出発時刻から所定時間前の時刻を過ぎたか否かを判定する。現在の日付がステップS20でユーザに指定された日付と同じであり、かつ現在の時刻がステップS41で設定した出発時刻よりも所定時間前、たとえば1時間前を過ぎている場合は、ステップS110へ進んで推奨経路を探索する。ステップS110を実行したら、図5のフローチャートを終了する。その後は、探索された推奨経路に従って車両を目的地まで誘導する。一方、まだ指定された日付になっていない場合や、指定された日付であっても出発時刻までに所定時間以上ある場合は、ステップS10へ戻って前述のような処理を繰り返す。なお、現在の時刻は、GPS受信部14により受信されたGPS信号に基づいて、制御部10により求められる。
【0045】
なお、上記のステップS41において、出発時刻ではなく到着時刻を設定するようにしてもよい。この場合、ステップS71では、出発時刻の代わりに到着時刻をカレンダー上に表示する。また、ステップS101では、ユーザに指定された日付における到着時刻から所定時間前の時刻を過ぎたか否かを判定する。そして、到着時刻から所定時間前の時刻を過ぎたと判定したら、ステップS110へ進んで推奨経路を探索する。なお、このときの所定時間は、出発時刻を設定した場合よりも長くすることが好ましい。あるいは、目的地までの所要時間の推定値に応じた時間を設定してもよい。
【0046】
以上説明した第2の実施の形態によれば、ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、出発時刻または到着時刻を設定する(ステップS41)。そして、ステップS20において指定された日付における出発時刻または到着時刻から所定時間前の時刻を過ぎたか否かを判定し(ステップS101)、その時刻を過ぎたときに、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS110)。このようにしたので、日付だけを指定する場合と比べて、推奨経路の探索を開始するタイミングをより適切に制御することができる。
【0047】
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、目的地と共に到着時刻を設定し、その到着時刻と目的地までの所要時間の推定値とに基づいて出発時刻を設定するナビゲーション装置の例を説明する。なお、本実施形態によるナビゲーション装置の構成も、前述した第2の実施の形態と同様に、図1に示すナビゲーション装置1と同じである。したがって以下の説明では、図1の構成を用いて本実施形態の説明を行う。
【0048】
本実施形態のナビゲーション装置において日付指定付きの目的地設定を行う場合に、制御部10によって実行される処理のフローチャートを図6に示す。このフローチャートでは、図2または図5に示すフローチャートと同じ内容の処理を行うステップに対して、同一のステップ番号としている。以下では、この図2または図5と同一のステップ番号が付されたステップについては、特に必要ない限り説明を省略する。
【0049】
ステップS42では、ステップS30で表示した目的地設定画面におけるユーザの入力内容に基づいて、車両の目的地と到着時刻を設定する。このとき設定する到着時刻には、図5のステップS41で出発時刻を設定する場合と同様に、ユーザが任意の時刻を指定することができる。なお、日付が同じ複数の目的地に対しては、同一の到着時刻を設定してもよいし、異なる到着時刻を設定してもよい。同一の到着時刻を設定した場合は、ステップS50およびS110で推奨経路を探索する際に、車両の現在位置からの距離などに応じた通過順序を各目的地に対して割り当てることが好ましい。一方、異なる到着時刻を設定した場合は、その到着時刻に応じた通過順序を各目的地に対して割り当てることが好ましい。
【0050】
ステップS61では、ステップS42で設定した到着時刻と、ステップS60で推定した目的地までの所要時間とに基づいて、出発時刻を設定する。すなわち、設定された到着時刻よりも目的地までの所要時間の推定値だけ前の時刻を、出発時刻として設定する。こうして設定された出発時刻は、ステップS70において目的地と共にカレンダー上に表示されることにより、ユーザに対して通知される。
【0051】
ステップS101では、前述の第2の実施の形態と同様に、ユーザに指定された日付における出発時刻から所定時間前の時刻を過ぎたか否かを判定する。現在の日付がステップS20でユーザに指定された日付と同じであり、かつ現在の時刻がステップS61で設定した出発時刻よりも所定時間前、たとえば1時間前を過ぎている場合は、ステップS110へ進んで推奨経路を探索する。ステップS110を実行したら、図6のフローチャートを終了する。その後は、探索された推奨経路に従って車両を目的地まで誘導する。一方、まだ指定された日付になっていない場合や、指定された日付であっても出発時刻までに所定時間以上ある場合は、ステップS10へ戻って前述のような処理を繰り返す。
【0052】
以上説明した第3の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、到着時刻を設定する(ステップS42)。そして、目的地までの推奨経路を探索し(ステップS50)、探索した推奨経路に基づいて目的地までの所要時間を推定する(ステップS60)。こうしてステップS42で設定した到着時刻と、ステップS60で推定した目的地までの所要時間とに基づいて、出発時刻を設定し(ステップS61)、その出発時刻をカレンダー上に表示してユーザに通知する(ステップS71)。このようにしたので、ユーザにより指示された目的地への到着時刻に合わせて適切な出発時刻を設定し、ユーザに通知することができる。
【0053】
(2)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、ステップS20で指定された日付におけるステップS61で設定した到着時刻から所定時間前の時刻を過ぎたか否かを判定し(ステップS101)、その時刻を過ぎたときに、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS110)。このようにしたので、設定された出発時刻に応じて推奨経路の探索を開始するタイミングを適切に制御することができる。
【0054】
なお、以上説明した各実施の形態において、指定された日付がカレンダー上でユーザにより選択されたときに目的地付近の地図を表示モニタ16に表示する代わりに、目的地付近の地図をカレンダー上で縮小表示してもよい。すなわち、図2、5および6において、ステップS80の判定を省略すると共に、ステップS90において、カレンダー上の指定された日付に対応する位置に目的地付近の地図を表示する。このようにすれば、カレンダーを表示したままで画面を切り替えることなく、ユーザに目的地の位置を把握させることができる。あるいは、目的地付近の地図をカレンダー上の指定された日付に対応する位置に縮小表示すると共に、その日付が選択されると拡大した地図表示に切り替えるようにしてもよい。
【0055】
なお、以上説明した各実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、本発明は上記実施の形態に限定されず、実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。たとえば、ユーザにより出発時刻と到着時刻のいずれも指定されない場合は図2のフローチャートを実行し、出発時刻を指定された場合は図5のフローチャートを実行し、到着時刻を指定された場合は図6のフローチャートを実行するようにしてもよい。
【0056】
以上説明した各実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段のうち、カレンダー記憶手段をHDD13により実現し、それ以外の各手段をナビゲーション装置1の制御部10において実行される処理によりそれぞれ実現することとした。すなわち、ナビゲーション装置1の制御部10は、カレンダー表示制御手段、入力受付手段、目的地設定手段、設定提示手段、地図表示制御手段、経路探索手段、時刻設定手段、到着時刻設定手段、推定手段、出発時刻設定手段および通知手段として機能する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、各実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【符号の説明】
【0057】
1:ナビゲーション装置 10:制御部
11:振動ジャイロ 12:車速センサ
13:HDD 14:GPS受信部
15:VICS情報受信部 16:表示モニタ
17:スピーカ 18:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カレンダーを記憶するカレンダー記憶手段と、
前記カレンダー記憶手段から前記カレンダーを取得して表示モニタに表示するカレンダー表示制御手段と、
前記カレンダーに日付を指定した位置の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で入力を受け付けた位置を目的地として設定する目的地設定手段と、
前記入力受付手段で入力を受け付けた位置が目的地として設定されたことを表示する設定提示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記目的地設定手段により設定された目的地付近の地図を前記表示モニタに表示する地図表示制御手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記指定された日付が前記カレンダー上で選択されたときに、前記目的地付近の地図を前記表示モニタに表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記カレンダー上の前記指定された日付に対応する位置に前記目的地付近の地図を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記目的地付近の地図に前記目的地の位置と前記指定された日付とを示すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記指定された日付になったときに、前記目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
出発時刻または到着時刻を設定する時刻設定手段と、
前記指定された日付における前記出発時刻または前記到着時刻から所定時間前の時刻を過ぎたときに、前記目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
到着時刻を設定する到着時刻設定手段と、
前記目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された推奨経路に基づいて前記目的地までの所要時間を推定する推定手段と、
前記到着時刻設定手段により設定された到着時刻と、前記推定手段により推定された前記目的地までの所要時間とに基づいて、出発時刻を設定する出発時刻設定手段と、
前記出発時刻設定手段により設定された出発時刻を前記ユーザに通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置において、
前記経路探索手段は、前記指定された日付における前記出発時刻から所定時間前の時刻を過ぎたときに、前記目的地までの推奨経路を再探索することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−257345(P2011−257345A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133870(P2010−133870)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】