説明

ノシセプチンレセプターリガンドとしての3−一置換トロパン誘導体

式(I)の化合物、もしくはその薬学的に受容可能な塩(ここで、式中のR、RおよびRは、本明細書中で規定されるとおりである)または薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、開示される。また、本明細書中において、上記化合物を含む薬学的組成物も、開示される。さらに、本明細書中において、咳、疼痛、不安、ぜんそく、うつ、アルコール乱用、尿失禁および過活動膀胱を処置する際の、この化合物の使用も、開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、咳、疼痛、不安、ぜんそく、アルコール乱用、うつ、尿失禁もしくは過活動膀胱を処置する際に有用であるノシセプチンレセプターアゴニストである、3−一置換トロパン誘導体に関連している。この化合物を含む薬学的組成物、ならびに特許請求されている化合物と、咳、アレルギーもしくはぜんそくの症状を処置するための他の薬剤との組み合わせを含む薬学的組成物も開示されている。
【背景技術】
【0002】
(背景)
ノシセプチンは、オピオイド様レセプターであるNOP(以前は、ORL−1と呼ばれていた)の強力な内因性アゴニストとして最近同定された17アミノ酸の神経ペプチドである。NOPレセプターは、オピオイドレセプターと全体的に47%相同であり、そして膜貫通ドメインにおいて64%同一であるGタンパク質結合レセプターである。この相同性にもかかわらず、古典的なオピオイドリガンドは、このレセプターに対して大変低い親和性を有する。NOPレセプターの活性化は、アデニリルシクラーゼ活性の阻害およびニューロンのKおよびCa+2の伝導の調節を引き起こす。これはオピオイドペプチドと構造的に関連するが、オピオイドレセプターを活性化させない。
【0003】
ノシセプチンとそのレセプターは、中枢神経系の全体にわたって広範囲に発現される。したがって、ノシセプチンは、幅広い範囲の生理学的機能および行動機能に関係しているようである。文献中の報告は、その役割と咳(例えば、非特許文献1を参照されたい)、ならびに疼痛、摂食、運動活動、アルコール乱用、尿失禁、不安、ストレス、心臓血管機能、睡眠障害、パーキンソン病およびアルツハイマー病とを結び付けている。
【0004】
3−置換8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタンは、特許文献1(B1)、特許文献2、特許文献3および特許文献4中に開示され;3−置換8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン−3−オールは、特許文献5(B2)に開示された。
【特許文献1】米国特許第6,262,066号明細書
【特許文献2】国際公開第95/04742号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/48397号パンフレット
【特許文献4】国際公開第98/25924号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6,727,254号明細書
【非特許文献1】McLeodら、Pulmonary Pharmacology & Therapeutics (2002)、15、213−216
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明の化合物は、式I
【0006】
【化5】

で表される化合物、もしくはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで、
は、R−アリール、R−アリールアルキル、R−ヘテロアリール、R−ヘテロアリールアルキル、R−シクロアルキル、R−シクロアルキルアルキル、R−ヘテロシクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は、R−アリール、R−アリールアルキル、R−ヘテロアリール、R−ヘテロアリールアルキル、R−シクロアルキル、R−シクロアルキルアルキル、R−ヘテロシクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は、R−アルキル、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−シクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルであり;
Xは、結合、(C−C)アルキレン、−(CH−N(R)−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−S−(CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(O)N(R)−、−C(O)N(R)−アルキレンもしくは−N(R)C(O)−であり;
nは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;mは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;但し、mとnとの和が、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
各RおよびRは、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CN、−CF、−(CH−OR、−N(R10および−(CH−N(R10からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、−CN、シアノアルキル、−CF、−C(O)アルキル、−(CH−OR、−COOR、−N(R10、−(CH−N(R10および−C(O)N(R10からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;;
pは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、Hもしくはアルキルであり;
およびRは、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキル−C(O)−およびアルキル−C(O)−N(R)−C(O)−からなる群より独立して選択され;そして、
10は、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択される。
【0007】
別の局面において、本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物に関連している。
【0008】
本発明の化合物は、NOPレセプターのアゴニストであるので、別の局面においては、本発明は、疼痛、不安、せき、ぜんそく、アルコール乱用、うつ、尿失禁もしくは過活動膀胱を処置する方法に関連しており、この方法は、有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含している。
【0009】
別の局面において、本発明は、咳を処置する方法に関連しており、この方法は、(a)少なくとも1種の式Iの化合物と;(b)咳、アレルギーもしくはぜんそくの症状を処置するための、抗ヒスタミン薬、5−リポキシゲナーゼインヒビター、ロイコトリエンインヒビター、Hインヒビター、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、マスト細胞安定薬、鎮咳薬、去痰薬、NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニストならびにGABAアゴニストからなる群より選択される1種以上のさらなる薬剤との組み合わせの有効量をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含している。
【0010】
なお別の局面において、本発明は、少なくとも1種の式Iの化合物と、抗ヒスタミン薬、5−リポキシゲナーゼインヒビター、ロイコトリエンインヒビター、Hインヒビター、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、マスト細胞安定薬、鎮咳薬、去痰薬、NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニストならびにGABAアゴニストからなる群より選択される1種以上のさらなる薬剤とを含む薬学的組成物に関連している。
【0011】
別の局面において、本発明は、尿失禁(UI)もしくは過活動膀胱を処置する方法に関連しており、この方法は、(a)少なくとも1種の式Iの化合物と、(b)UIもしくは過活動膀胱を処置するのに有用な1種以上の薬剤との組み合わせの有効量を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含している。
【0012】
なお別の局面において、本発明は、少なくとも1種の式Iの化合物と、UIもしくは過活動膀胱を処置するのに有用な1種以上の薬剤とを含む薬学的組成物に関連している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
上記の式Iに関して、本発明の好ましい化合物は、RがR−フェニルであり、そしてRがR−フェニルであり、ここで、RおよびRが、H、ハロおよびアルキルからなる群より独立して選択される化合物である。さらに好ましくは、RがR−フェニルであり、ここで、Rが1つのハロ原子であり、そしてRがR−フェニルであり、ここで、RがHまたは1つのハロ原子である。RおよびRにとって好ましいハロ原子は、塩素である。RおよびR置換基は、好ましくは、フェニル環中の2位にある。
【0014】
Xは、好ましくは、結合、−(CH−N(R)−(CH−(ここで、RはHであり、mは0であり、そしてnは0もしくは1である)、または−C(O)N(R)−(ここで、RはHである)である。さらに好ましくは、Xは結合である。
【0015】
は、好ましくは、R−アリール、R−ヘテロアリールもしくはR−ヘテロシクロアルキルであり、ここで、アリールは好ましくはフェニルであり、ヘテロアリールは好ましくはピリジル、ピリミジル、イミダゾリルもしくはベンズイミダゾリルであり、そしてヘテロシクロアルキルは好ましくはピペリジニルもしくはモルホリニルである。好ましいR置換基は、H、ハロ、アルキル、OH、−OCH(すなわち、nが0もしくは1であり、そしてRがHである−(CH−OR)、ヒドロキシアルキル(すなわち、nが1〜6であり、そしてRがHである−(CH−OR)、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキル(例えば、ピペリジニルメチル)である。さらに好ましくは、Rは、H、ハロ、アルキル、OHおよび−OCHから選択される1つの置換基である。
【0016】
本発明の好ましい化合物は、以下の実施例1、2、8、12、13、14、16、19、20、21、23、28、29および62に記載される化合物である。
【0017】
式Iの化合物の好ましい適用は、咳の処置である。
【0018】
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り以下に定義されたとおりに使用される:
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを表す;
アルキル(例えば、アリールアルキルのアルキル部分)は、直鎖状および分枝状の炭素鎖を表し、これは1〜6個の炭素原子を有する;
アルキレンは、二価の直鎖状もしくは分枝上のアルキル鎖(例えば、エチレン(−CH−)、またはプロピレン(−CHCHCH−))を表す;
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子(好ましくは約5〜約10個の炭素原子)を含む非芳香族の単環式もしくは多環式の環系を表す。好ましいシクロアルキル環は約3〜約7個の環原子を含む。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例として、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例として、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0019】
アリール(アリールアルキルのアリール部分を含む)は、6〜15個の炭素原子を含み、そして少なくとも1つの芳香族環(例えば、アリールは、フェニル環もしくはナフチル環)を含む炭素環式基を表し、ここで、炭素環式基の全ての利用可能かつ置換可能な炭素原子は、結合が可能な点であることが意図される;
ヘテロアリールは、O、SもしくはNより独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子(このヘテロ原子は、炭素環式環の構造に割り込む)を有し、そして芳香族の特徴を提供するのに充分な数の非局在化π電子を有する、5個もしくは6個の原子の環式芳香族基または9〜10個の原子の二環式基を表し、但し、この環は、隣接する酸素原子および/もしくは硫黄原子を含まない。窒素原子は、N−酸化物を形成し得る。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が企図される。典型的な6員のヘテロアリール環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびそれらのN−酸化物である。典型的な5員のヘテロアリール基は、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびイソキサゾリルである。二環式基は、典型的には、上記に挙げたヘテロアリール基から誘導したベンゾ縮合した環系(例えば、ベンゾイミダゾリル、キノリル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルおよびインドリル)である。ヘテロアリール環は、1〜3個のR、RもしくはR基によって置換され得、ここで、このヘテロアリール基中の任意の利用可能な置換可能かつ炭素原子もしくは窒素原子は、必要に応じてかつ独立して置換され得る;
ヘテロシクロアルキルは、3〜15個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む飽和した炭素環式環を表し、ここで、炭素環式環は、−O−、−S−、−SO−、−SO−もしくは−NH−から選択される1〜3個のヘテロ原子によって割り込まれ;例としては、2−もしくは3−テトラヒドロフラニル、2−もしくは3−テトラヒドロチエニル、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−もしくは3−ピロリジニル、2−もしくは3−ピペリジニル(pyperizinyl)、2−もしくは4−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3,5−トリチアニル、硫化ペンタメチレン、ペルヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、酸化トリメチレン、アゼチジニル、1−アザシクロヘプタニル、1,3−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−チオキサニル、および1,3,5−ヘキサヒドロトリアジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル環は、1〜3個のR、RもしくはR基によって置換され得、ここで、このヘテロシクロアルキル基中の任意の利用可能かつ置換可能な炭素原子もしくは窒素原子は、必要に応じてかつ独立して置換され得る。
【0020】
請求項1は、不安定であることが当業者にとって公知である化合物を含まない。
【0021】
本発明の化合物は、精製された形態であってもよいし、もしくは単離された形態であってもよい。化合物の「精製された」、「精製された形態」、もしくは「単離され、そして精製された形態」という用語は、合成プロセスもしくは天然資源またはこれらの組み合わせから単離された後の上記化合物の物理的状態をいう。ゆえに、化合物の「精製された」、「精製された形態」、もしくは「精製され、そして単離された形態」という用語は、本明細書中に記載のもしくは当業者には周知の精製プロセスから得られた後の、本明細書中に記載のもしくは当業者には周知の標準的な分析技術によって性質決定されるために充分な純度を有する、上記化合物の物理的状態をいう。
【0022】
本明細書中の本文、スキーム、実施例および表中の原子価が満たされていない任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすために十分な数の水素原子を有するとみなされることもまた注意されるべきである。
【0023】
化合物中の官能基が「保護された」と称された場合、これは、この化合物が反応に供される場合に、保護された位置における望ましくない副反応を防ぐためにこの基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって、ならびに標準的な教科書(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991)、Wiley、New York)を参照することによって認められる。
【0024】
任意の構成要素中もしくは式I中で、1つより多くの何らかの可変物(例えば、Rなど)が存在する場合、それぞれの存在箇所におけるその定義は、他の全ての存在箇所におけるその定義とは独立する。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的にもしくは間接的に生じた任意の生成物を包含することが意図される。
【0026】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた本明細書中で企図される。プロドラッグに関する議論は、A.C.S. Symposium SeriesのT.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、(1987) Edward B.Roche(編)、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press内に提供されている。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換されて式(I)の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を生成する化合物(例えば、薬物の前駆物質)を意味する。この変換は、種々のメカニズムによって(例えば、代謝プロセスもしくは化学的プロセスによって、例えば、血液中の加水分解をとおして)起こり得る。プロドラッグの使用に関する議論は、A.C.S. Symposium SeriesのVol.14のT.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」によって、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design(編)Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987内に提供されている。
【0027】
例えば、式Iの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物が、カルボン酸官能基を有する場合、プロドラッグは、酸の基の水素原子を、基(例えば、(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ(C−C)アルキル、ピロリジノ(C−C)アルキルもしくはモルホリノ(C−C)アルキルなど)で置き換えることによって形成されるエステルを含み得る。
【0028】
同様に、式Iの化合物が、アルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、基(例えば、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシルもしくはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、各α−アミノアシル基は、天然のL−アミノ酸より独立して選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)もしくはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を取り除くことで生じるラジカル)など)で置き換えることによって形成され得る。
【0029】
式Iの化合物がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、アミン基中の水素原子を、基(例えば、R’’およびR’’’がそれぞれ独立して(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジルであるか、あるいはR’’−カルボニルが天然α−アミノアシルもしくは天然α−アミノアシルである、R’’−カルボニル、R’’O−カルボニル、NR’’R’’’−カルボニル、YがH、(C−C)アルキルもしくはベンジルである−C(OH)C(O)OY、Yが(C−C)アルキルであり、Yが(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキルである−C(OY)Y、YがHもしくはメチルであり、そしてYがモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである−C(Y)Yなど)で置き換えることによって形成され得る。
【0030】
式Iの化合物は、塩を形成し得、この塩もまた本発明の範囲内にある。他に示されない限り、本明細書中の式Iの化合物への言及は、その塩への言及を含むと理解される。用語「塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/もしくは有機酸を使って形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/もしくは有機塩基を使って形成される塩基性塩を示す。さらに、式Iの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンもしくはイミダゾールだが、これらに限定されない)、および酸性部分(例えば、カルボン酸だが、これに限定されない)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用される場合、用語「塩」に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学上受容可能な)塩が好ましいが、他の塩もまた有用である。例えば、媒質中(例えば、塩を沈殿させる媒質中もしくはその後凍結乾燥を行う水性媒質中)で式Iの化合物とある量(例えば、等量)の酸もしくは塩基とを反応させることにより、式Iの化合物の塩が形成され得る。
【0031】
典型的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)などが挙げられる。さらに、塩基性の薬学的化合物から一般的に薬学的に有用な塩を形成するために適切であると考えられる酸は、例えばP.Stahlら、 Camille G.(編) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use.(2002) Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1) 1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press、New Yorkによって;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration、Washington,D.C.ウェブサイトにて)中で議論されている。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0032】
典型的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。塩基性の窒素含有基は、薬剤(例えば、ハロゲン化低級アルキル(例えば、メチル、エチルおよびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリルおよびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ハロゲン化アラルキル(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)など)によって、四級化され得る。
【0033】
このような酸性塩および塩基性塩は全て、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であることが意図されており、全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のためには、対応する化合物の遊離した形態と等価であるとみなされる。
【0034】
本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルは、以下の基を含む:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル(ここで、エステルグループのカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖状もしくは分枝状のアルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルもしくはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、必要に応じて(例えば、ハロゲン、C1−4アルキルもしくはC1−4アルコキシまたはアミノで)置換されたフェニル)から選択される;(2)スルホネートエステル(例えば、アルキルスルホニルもしくはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル));(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルもしくはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)モノ−、ジ−もしくはトリリン酸エステル。リン酸エステルは、例えば、C1−20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、あるいは2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによってさらにエステル化され得る。
【0035】
本発明の一種以上の化合物は、溶媒和物の形態で存在し得るか、または必要に応じて溶媒和物に変換され得る。「溶媒和物」は、一つ以上の溶媒分子をもつ本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な程度のイオン結合および水素結合を含む共有結合を含む。特定の実例中では、例えば一つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子内に組み込まれている場合、溶媒和物は単離可能である。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物と単離可能な溶媒和物との両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート(ethanolate)、メタノレート(methanolate)などが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0036】
溶媒和物の調製は、一般的に公知である。例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.、93(3)、601−611(2004)は、酢酸エチル中のならびに水からの抗真菌性のフルコナゾールの溶媒和物の調製を記載している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.、5(1)、記事12(2004);およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.、603−604(2001)によって記載されている。典型的な非限定的なプロセスは、本発明の化合物を望ましい量の望ましい溶媒(有機溶媒もしくは水またはこれらの混合物)に、周囲温度より高い温度で溶解し、そしてこの溶液を、結晶を形成するために十分な速度で冷却し、この結晶が、次いで、標準的な方法によって単離されることを含む。分析技術(例えば、I.R.分光学)は、溶媒和物(もしくは水和物)としての結晶中のその溶媒(もしくは水)の存在を示す。
【0037】
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性体の形態で(例えば、アミドもしくはイミノエーテルとして)存在し得る。このような互変異性の形態は全て、本明細書中で、本発明の一部として企図される。
【0038】
本化合物(この化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグ、ならびにこのプロドラッグの塩、溶媒和物、およびエステルを含む)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(例えば、エナンチオマー形態(不斉炭素が存在しなくてさえも存在し得る)、回転異性体の形態、アトロプ異性体、およびジアステレオマーの形態を含む種々の置換基上の不斉炭素ゆえに存在し得るもの)は、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)と同様に、本発明の範囲内であることが企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば他の異性体を実質的に含まなくてもよいし、あるいは例えばラセミ体として、または他の全ての異性体と、もしくは他の選択された異性体と混合されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されているS配置もしくはR配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体もしくはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しく適用されることが意図される。
【0039】
式Iの化合物の多形形態ならびに、式Iの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの多形形態は、本発明に含まれることが意図される。
【0040】
本発明の化合物は、公知の方法によって、当該分野において公知の出発物質もしくは当該分野において公知の方法によって調製された出発物質から調製され得る。スキーム1は、式Iの化合物(ここで、RおよびRが上記のとおりであり、Xが結合であり、そしてR3aが、環炭素を介してトロパン環と結合しているR−フェニル、もしくはR−ヘテロアリール(例えば、R−(2−ピリミジル)もしくはR−ピリジルである)を調製するための典型的な反応スキームを示す。
【0041】
【化6】

スキームI中の式Iの化合物(ここで、R3aはピリジニルである)は、PtOのような薬剤を使用した水素添加によって対応するピペリジニル化合物に変換され得る。
【0042】
スキーム2は、式Iの化合物(ここで、RおよびRは、上記のとおりであり、Xが結合であり、そしてR3bは、環窒素を介してトロパン環と結合しているR−ヘテロアリールもしくはR−ヘテロシクロアルキル(例えば、R−(ピラゾロ−1−イル)もしくはR−ピペリジニル)である)を調製するための典型的な反応スキームを示す。式Iの化合物(ここで、RおよびRは、上記のとおりであり、Xは、−N(R)−(CH−であり(ここで、RはHであり、nは0である)、そしてR3cは、例えば、R−ピリジルもしくはR−ピリミジルであり、ここで、このピリジルもしくはピリミジル環は、環炭素原子を介して結合している)を調製するために、メシラート中間体もまた使用される。また、トロパンアルコール中間体は、Xが−O−であり、R3dがR−フェニルであるか、もしくはR3eがR−ピリミジルである化合物に変換され得;アミノ−トロパン中間体は、−X−Rが−NHC(O)−Rである化合物に変換され得、これは、還元されて、対応する−NH−CH−R化合物を生じ得る。
【0043】
【化7】

スキーム3は、式Iの化合物(ここで、R、RおよびRは、上記のとおりであり、そしてXは、−C(O)N(R)−である)を調製するための典型的な反応スキームを示し、この化合物は、Xが−CH−N(R)−である化合物に還元され得る。
【0044】
【化8】

スキーム4は、式Iの化合物(RおよびRは、上記のとおりであり、Xが結合であり、そしてRはベンズイミダゾリルである)を調製するための反応スキームを示す。
【0045】
【化9】

上記の手順において使用される出発物質は、市販で入手可能であるか、もしくはこの出発物質を作るための手順は当該分野において公知である。
【0046】
以下の溶媒および試薬は、示される略語によって本明細書中で呼ばれる:テトラヒドロフラン(THF);エタノール(EtOH);メタノール(MeOH);N,N−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミド(DCC); ジクロロエタン(DCE);酢酸エチル(EtOAc);リチウムジイソプロピルアミド(LDA);トリエチルアミン(EtN)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF);水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL);ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT);1−(3−ジメチル−アミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(EDCl);4−ジメチルアミノピリジン(DMAP);ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);メタンスルホニル(mesyl、Ms);ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS);薄層クロマトグラフィー(TLC)。室温は、rtとして省略される。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
【0048】
【化10】

工程1:
【0049】
【化11】

NaBH(1.5g、39.82mmol)を、2,2’−ジクロロベンゾフェノン1(5g、19.9mmol)のMeOH(40ml)中の溶液に、室温で加えた。室温で2時間攪拌した後、この混合物を、HOでクエンチングし、1N HClで中和させ、その後、MeOHをエバポレートした。残渣を、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して、所望の化合物2(5g)を白色固体として得、これを精製せずに、次の工程で使用した。
【0050】
【化11】

工程2:
【0051】
【化13】

CHCl中のステップ1の生成物(20.36g、80.47mmol)のを、SOBr(30.11g、144.85mmol)で0℃で処理した。室温で一晩攪拌した後、この混合物を、氷とNaHCO水溶液でクエンチングし、CHClで抽出し、乾燥させ、ろ過し、そして濃縮して所望の化合物3(23.6g)を得た。
【0052】
【化14】

工程3:
【0053】
【化15】

トロピノン(10g、71.84mmol)のDCE(200ml)中の溶液を、α−クロロエチルクロロホルメート(15.4g、108mmol)に0℃で一滴ずつ加えた。その後、この混合物を還流で2時間加熱した。溶媒をエバポレートして、茶色の残渣を得た。この残渣をMeOH(200ml)中に溶解し、そして還流で2時間加熱した。MeOHをエバポレートして、固体を得、これをEtOAc中で攪拌し、ろ過し、そしてエーテルで洗浄して、所望の化合物4(7g)を得た。粗製の生成物を、これ以上精製せずに次の工程で使用した。
【0054】
【化16】

工程4:
【0055】
【化17】

4(26g、161mmol)、3(53g、168mmol)およびKCO(110g、796mmol)の無水CHCN(410ml)中の混合物を、80℃で加熱した。反応の進行をH NMR分析によってモニタリングした。87時間後に、約79%の変換を観察した。この反応混合物を室温まで冷却し、CHClで希釈し、ろ過し、そして濃縮した。残渣をSiOのクロマトグラフィー(4〜7% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望の化合物5を得た。
【0056】
【化18】

工程5:
【0057】
【化19】

カリウムtert−ブトキシド(232g)を、5(300g)とトシルメチルイソシアニド(211g)との無水1,2−ジメトキシエタン(3.5l)および無水EtOH(240ml)中の攪拌溶液にN下で−40℃でゆっくり加えた。この混合物を室温までゆっくり温め、そして室温で一晩攪拌した。この混合物をろ過し、そしてEtOAcで洗浄した。ろ液中のほとんどの溶媒を真空中で(浴温度<40℃)エバポレートして、懸濁液を得、これをろ過し、そしてエーテルで洗浄して、6(158g)を得た。LC/ESI−MS m/z=371(C2120Cl)。
【0058】
工程6
【0059】
【化20】

THF(25ml)中のジイソプロピルアミン(2.27ml、16.15mmol)およびn−BuLi(2.5M、6.46ml、16.15mmol)からLDAを新たに生成した。このLDA溶液を、−40℃で、THF(25ml)中の6の溶液で1滴ずつ処理し、2時間攪拌し、そして2−クロロ−ピリミジン(1.85g、16.15mmol)を加えた。この混合物を室温までゆっくり温め、室温で一晩攪拌し、水でクエンチングし、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)で精製して、7(3g)を得た。LC/ESI−MS m/z=449(C2522Cl. H)。
【0060】
工程7:
7(200mg)と濃HCl(2ml)との混合物を、封をしたチューブ内で100℃で3日間加熱し、0℃まで冷却し、NaOH水溶液で中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(110mg)を得た。LC/ESI−MS m/z=424(C2423Cl.H)。
【0061】
(実施例2および3)
【0062】
【化21】

工程1:
【0063】
【化22】

6(20g、53.9mmol)のTHF(100ml)中の攪拌溶液に、NaHMDS/THF(40.4ml、2M)を、−78℃でN下で一滴ずつ加えた。この溶液を、−78℃で約1時間攪拌し、その後、THF中の2−ブロモピリジン(17g、154mmol)を1滴ずつ加えた。この温度でさらに1時間攪拌した後、この反応フラスコを、CHCN/ドライアイス浴に移した。この反応混合物を室温までゆっくり温め、室温で一晩攪拌し、飽和NHCl水溶液で−78℃でクエンチングし、室温まで温め、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。この残渣をエーテルで数回洗浄して、所望の化合物8(19.1g)を得、これをこれ以上精製せずに、次の工程で使用した。LC/ESI−MS: m/z 448(C2623Cl.H)。
【0064】
工程2:
8(5g)、NaOH(20g)およびエチレングリコール(40ml)の混合物を、N雰囲気下で200℃で、2〜3日間攪拌しそして加熱をした。この反応が完了した後、この混合物を室温まで冷却し、そして1N HCl溶液に溶解した。この懸濁液を、塩基性条件下でCHClで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例2(約4.3g)(LC/ESI− MS:m/z 423(C2524Cl.H))および実施例3(LC/ESI−MS: m/z 423 (C2524Cl.H)を得た。
【0065】
(実施例4および5)
【0066】
【化23】

工程1:
【0067】
【化24】

実施例2の工程1に記載されている手順にしたがい、6、NaHMDSおよび2−ブロモ−3−メチルピリジンを使用して、化合物9を調製した。LC/ESI−MS:m/z 462 (C2725Cl3.)。
【0068】
工程2:
9(1.92g、4.156mmol)のTHF中の攪拌溶液に、1M LiALH/THF溶液(4.57ml、4.57mmol)を、室温でN下で一滴ずつ加えた。この混合物を50℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した後、以下の溶液を連続的に加えた:190μlの水、570μlの15% NaOHおよび190μlの水。この混合物を攪拌し、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例4(約370mg)(LC/ESI−MS: m/z 437(C2626Cl.H)および実施例5(LC/ESI−MS: m/z 437 (C2626Cl.H)を得た。
【0069】
(実施例6および7)
【0070】
【化25】

工程1:
【0071】
【化26】

実施例2の工程1に記載されている手順にしたがい、6、NaHMDSおよび2,5−ジブロモピリジンを使用して、化合物10を調製した。LC/ESI−MS m/z =528 (C2622BrCl.H)。
【0072】
工程2:
10(210mg)および濃HCl(1.5ml)の混合物を、封をしたチューブ内で100℃で3日間加熱し、室温まで冷却し、NaOH水溶液で中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例6(LC/ESI−MS m/z=503 (C2523BrCl.H)および実施例7(LC/ESI−MS: m/z 503(C2523BrCl.H)を得た。
【0073】
(実施例8)
【0074】
【化27】

工程1:
【0075】
【化28】

実施例2の工程1に記載されている手順にしたがい、6、NaHMDSおよび2−ブロモ−6−メトキシピリジンを使用して、化合物11を調製した。LC/ESI−MS: m/z 478 (C2725ClO.H)。
【0076】
工程2:
11(21mg、0.044mmol)のTHF中の攪拌溶液に、1M LiALH/THF溶液(132μl、0.132mmol)を、N下で0℃で一滴ずつ加えた。この混合物を、60℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、以下の溶液を連続的に加えた:2μlの水、6μlの15% NaOHおよび2μlの水。この混合物を攪拌し、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜40% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(5mg)を得た。ESI−MS: m/z 453 (C2626ClO.H)。
【0077】
(実施例9)
【0078】
【化29】

工程1:
【0079】
【化30】

6(371mg、1mmol)のTHF中の攪拌溶液に、NaHMD/THF(750μl、2M)を、−78℃でN下で、一滴ずつ加えた。この溶液を−78℃で0.5時間攪拌し、その後、THF中の2,6−ジフルオロピリジンを1滴ずつ加えた。この温度で少なくとも6時間攪拌した後、この反応混合物を室温までゆっくり温め、そして週末にわたって攪拌した。この混合物を、−78℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチングし、室温まで温め、そしてNHCl水溶液とEtOAc−ヘキサン(1:1)とに分配した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィーによって精製して、12(194mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 466 (C2622ClFN.H)。
【0080】
工程2:
12(69.5mg、0.149mmol)のTHF中の攪拌溶液に、1M LiAH/THF溶液(149μl、0.149mmol)を、室温でN下で、一滴ずつ加えた。この混合物を、室温で一晩攪拌した。以下の溶液を、連続的に加えた:5μlの水、15μlの15% NaOHおよび5μlの水。この混合物を攪拌し、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜100% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物(14mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 441 (C2523ClFN.H)。
【0081】
(実施例10および11)
【0082】
【化31】

工程1:
【0083】
【化32】

6(3336mg、9mmol)のTHF中の攪拌溶液に、NaHMDS/THF(6750μl、2M、13.5mmol)を、−78℃でN下で、一滴ずつ加えた。この溶液を、−78℃で約0.5時間攪拌し、その後、THF中の2−ブロモ−5−フルオロピリジン(5000mg、28.4mmol)を一滴ずつ加えた。この温度で少なくとも8時間攪拌した後、この反応混合物を室温までゆっくり温め、そして一晩攪拌した。この混合物を−78℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチングし、室温まで温め、そしてNHCl水溶液とEtOAcとに分配した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、13(1650mg)を得た。ESI−MS: m/z 466 (C2622ClFN3,)。
【0084】
工程2:
封をしたチューブ内の13(67mg)、NaOH(400mg)およびエチレングリコール(4ml)の混合物を、攪拌し、そして150℃まで一晩加熱した。室温まで冷却した後、この混合物を、HOおよびEtOAcに加えた。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜100% EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例10(約2mg)(ESI−MS: m/z 441 (C2523ClFN2.)および実施例11(5mg)(LC/ESI−MS: m/z 439 (C2524ClO.H)を得た。
【0085】
(実施例12)
【0086】
【化33】

工程1:
【0087】
【化34】

2−ブロモ−3−メチルピリジン(1114μl、10mmol)、NBS(1780mg、10mmol)および過酸化ベンゾイル(45mg)のCCl中の混合物を、3時間還流した。室温まで冷却した後、懸濁液をろ過した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望の化合物(600mg)を得た。ESI−MS: m/z 250、252および254 (CBrN.H
工程2:
【0088】
【化35】

工程1からの生成物(595mg、2.36mmol)のDMF中の溶液に、ピペリジン(205mg、2.4、mmol)およびKCO(979mg、7.08mmol)を連続的に加えた。この混合物を室温で一晩攪拌し、氷−水でクエンチングし、その後、エーテルで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望の化合物(約450mg)を得た。C1115BrN、LC/ESI−MS: m/z 255および257 (C1115BrN.H)。
【0089】
工程3:
【0090】
【化36】

実施例2の工程1に記載されている手順にしたがい、6、NaHMDSおよび工程2の生成物を使用して、化合物14を調製した。LC/ESI−MS: m/z 545 (C3234Cl.H)。
【0091】
工程4:
実施例9の工程2に記載されている手順にしたがい、14およびLiAlHを使用して、表題の化合物を得た。LC/ESI−MS: m/z 520 (C3135Cl3.)。
【0092】
(実施例13)
【0093】
【化37】

工程1:
【0094】
【化38】

6(580mg)とフルオロベンゼン(約1.5ml)との混合物に、フルオロベンゼン(約2.5ml)中のカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(580mg)をN下で加えた。この混合物を10分間攪拌し、その後、マイクロウェーブ内で100℃で18分間加熱した。室温まで冷却した後、この混合物を、飽和NHCl水溶液でクエンチングし、そしてEtOAcで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣をエーテルで洗浄して、15(約450mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 447 (C2724Cl)。
【0095】
工程2:
15(310mg、0.693mmol)のTHF中の攪拌溶液に、1M LiALH/THF溶液(693μl、0.693mmol)を室温でN下で一滴ずつ加えた。この混合物を、60℃まで温め、そして一晩攪拌した。以下の溶液を連続的に加えた:50μlの水、150μlの15% NaOHおよび50μlの水。この混合物を攪拌し、ろ過し、そして乾燥状態までエバポレートした。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物(約80mg)を得た。LC/ESI− MS: m/z 422 (C2625ClN.H)。
【0096】
(実施例14)
【0097】
【化39】

工程1:
【0098】
【化40】

実施例1の工程4に記載されている手順にしたがって、4、1−クロロ−2−(クロロフェニルメチル)ベンゼンおよびKCOを使用して、化合物16を調製した。
【0099】
【化41】

工程2:
【0100】
【化42】

実施例1の工程5の手順にしたがって、16、カリウムtert−ブトキシドおよびトシルメチルイソシアニドを使用して、化合物17を調製した。
【0101】
【化43】

工程3:
【0102】
【化44】

実施例2の工程1の手順にしたがって、17、NaHMDSおよび2−ブロモピリジンを使用して、化合物18を調製した。LC/ESI−MS: m/z 414 (C2624ClN.H)。
【0103】
工程4:
18と濃HClと共に、実施例6の工程2の手順を使用して、表題の化合物を得た。LC/ESI−MS: m/z 389。(C2525ClN.H)。
【0104】
(実施例15)
【0105】
【化45】

工程1:
【0106】
【化46】

実施例1の工程5の手順にしたがって、無水1,2−ジメトキシエタンおよび無水EtOH中の19、トシルメチルイソシアニドおよびカリウムtert−ブトキシドを使用して、化合物20を調製した。ESI−MS: m/z 339 (C21202.)。
【0107】
工程2:
【0108】
【化47】

実施例2の工程1の手順にしたがって、THF中の20、NaHMDSおよび2−ブロモピリジンを使用して、化合物21を調製した。ESI−MS: m/z 416 (C26233.)。
【0109】
工程3:
実施例2の工程2の手順を、エチレングリコール中の21およびNaOHと共に使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS m/z=391 (C25242.)。
【0110】
(実施例16)
【0111】
【化48】

工程1:
【0112】
【化49】

6(2g)の溶液を、DIBAL/トルエン(7.5ml、1.5M)に0℃で加えた。この混合物を室温までゆっくり温め、その後、50℃で3時間攪拌し、0℃でMeOHおよびHOでクエンチングし、ろ過し、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(5% EtOAc/ヘキサン)で精製して、22を得た。
【0113】
【化50】

工程2:
22(410mg)のEtOH中の溶液に、1,2−ジアミノベンゼン(119mg)およびNaHSO(2.3ml、HO中40%)を加えた。この混合物を、還流で3時間攪拌し、濃縮し、その後、CHClと水とに分配した。CHCl溶液を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物を得た。LC/ESI−MS m/z=462 (C2725Cl3.)。
【0114】
(実施例17)
【0115】
【化51】

工程1:
【0116】
【化52】

化合物6(1g)を、濃HClに溶解し、その後、3日間0℃に保った。その後、この溶液を80℃まで2時間加熱し、室温まで冷却し、そして乾燥状態までエバポレートした。水を加え、そして1N NaOH溶液を使用して、溶液をpH 7まで調節した。水溶液をEtOAcで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮して、23(970mg)を得、これを次の工程で直接使用した。ESI−MS: m/z 390 (C2121ClNO2.)。
【0117】
工程2:
23(21.5mg、0.055mmol)のDMF中の溶液に、DMF中のEDCl(15.9mg、0.0827、mmol)およびHOBT(10.4mg、0.077mmol)ならびにDMF中のアニリン(5.6mg、0.06mmol)を加えた。その後、EtN(26μl、0.187mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で一晩攪拌した。この反応混合物に水およびEtOAcを加えた。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(11.2mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 465 (C2726ClO.H)。
【0118】
(実施例18)
【0119】
【化53】

23(118mg、0.303mmol)と2−アミノピリジン(55mg、0.58mmol)との無水CHCl中の混合物に、EDCl(118mg、0.76mmol)およびDMAP(15mg、0.123mmol)を室温でN下で加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。真空中で溶媒をエバポレートし、そして残渣にエーテルと水とを加えた。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣をSiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(97mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 466 (C2625ClO.H)。
【0120】
(実施例19)
【0121】
【化54】

実施例2のCHCl溶液(200mg)に、PtO(40mg)を加えた。この混合物を、バルーンを介した1atmのH環境下で約24時間攪拌し、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(約190mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 429 (C2530Cl2.)。
【0122】
(実施例20)
【0123】
【化55】

実施例19(30mg)のギ酸(100μl)および37%ホルムアルデヒド水溶液(200μl)中の懸濁液を、70℃で約7時間攪拌しそして加熱した。この混合物を乾燥状態までエバポレートさせ、その後、EtOAcと1N NaOHとの溶液に分配させた。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(17.8mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 443 (C2632Cl.H)。
【0124】
(実施例21)
【0125】
【化56】

実施例19(55mg、0.128mmol)とKCO(53mg、0.385mmol)とのDMF中の混合物を室温で20分間攪拌し、その後、ブロモアセトニトリル(17.8μl、0.256mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間攪拌し、その後、60℃で一晩加熱した。この混合物を室温まで冷却し、水でクエンチングし、エーテルで抽出し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣の再結晶によって、表題の化合物(16mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 468 (C2731Cl.H)。
【0126】
(実施例22)
【0127】
【化57】

工程1:
【0128】
【化58】

5(5g)のMeOH(200ml)中の攪拌溶液に、NaBH(0.7g)を0℃で加えた。この混合物を0℃で2時間攪拌した。MeOHをエバポレートし、生じた残渣をNHCl水溶液で処理し、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、化合物24(2.54g)(LC/ESI−MS: m/z 362 (C202IClNO.H)および化合物25(1.71g)(LC/ESI−MS: m/z 362 (C2021ClNO.H)を得た。
【0129】
工程2:
【0130】
【化59】

24(1.38g)のCHCl(35ml)中の攪拌溶液に、EtN(0.64ml)およびCHSOCl(0.36ml)を0℃で加えた。この混合物を0℃で3.5時間攪拌し、水でクエンチングし、CHClで抽出し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮して、26を得た。LC/ESI−MS: m/z=440 (C2123ClNOS.H)。粗製の生成物をこれ以上精製せずに次の工程で使用した。
【0131】
工程3:
26(286mg)のDMF(3ml)中の溶液に、NaH(鉱油中60%、39mg)を0℃で加えた。この混合物を0℃で10分間攪拌し、室温まで温め、その後、ピラゾールを加え、そしてこの混合物を60℃で一晩攪拌した。この反応物を、NHCl水溶液でクエンチングし、そしてこの混合物をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、そして分取用TLCによって精製して、表題の化合物を得た。LC/ESI−MS: m/z=412(C2323Cl.H)。
【0132】
(実施例23)
【0133】
【化60】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26およびイミダゾールを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=412 (C2323Cl.H)。
【0134】
(実施例24および25)
【0135】
【化61】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26および1,2,3−トリアゾールを使用して、表題の化合物の混合物を調製した。この混合物を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例24(LC/ESI−MS: mz 413 (C2222Cl.H)および実施例25(LC/ESI−MS: m/z 413 (C2222Cl.H)を得た。
【0136】
(実施例26)
【0137】
【化62】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26および1,2,4−トリアゾールを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=413 (C2222Cl.H)。
【0138】
(実施例27)
【0139】
【化63】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26およびピロールを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=411 (C2424Cl.H)。
【0140】
(実施例28)
【0141】
【化64】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26およびピペリジンを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=429 (C2530Cl.H)。
【0142】
(実施例29)
【0143】
【化65】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26およびモルホリンを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=431(C2428ClO.H)。
【0144】
(実施例30および31)
【0145】
【化66】

アミノメチルシクロヘキサン(39μl、0.3mmol)と5(72mg)とのTHF中の溶液に、NaBHCN(32mg、0.5mmol)を加えた。この混合物を、約2時間攪拌し、その後、HOAc(60mg、1mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌し、水および1N NaOHを加え、そしてこの混合物をエーテルで抽出し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、実施例30(LC/ESI−MS: m/z 457 (C2734Cl.H))および実施例31(LC/ESI−MS: m/z457 (C2734Cl.H))を得た。
【0146】
(実施例32)
【0147】
【化67】

工程1:
【0148】
【化68】

26(1.68g)とアジ化リチウム(225g)とのDMF(5ml)中の混合物を室温で24時間攪拌し、NHCl水溶液でクエンチングし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、27を得た。LC/ESI− MS: m/z= 387 (C2020Cl.H)。
【0149】
工程2:
【0150】
【化69】

27(895mg)とLindlar触媒(90mg)との1:1 MeOHおよびEtOAc(20ml)中の混合物を、MeOH中のNH(2M、1ml)の存在下で、1atmでH下で2時間攪拌した。この混合物をろ過し、そして濃縮して、28を得た。LC/ESI−MS: m/z= 361 (C2022Cl.H)。
【0151】
工程3:
28(223mg)とDIPEA(80mg)との2−フルオロピリジン中の混合物を、130℃で36時間攪拌した。この混合物を濃縮し、NHCl水溶液で処理し、EtOAcで抽出し、乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(163mg)を得た。ESI−MS: m/z=438 (C2525Cl.H)。
【0152】
(実施例33)
【0153】
【化70】

28(103mg)のDMF中の溶液に、NaH(14mg、鉱油中60%)を0℃で加えた。この混合物を室温まで温め、2−クロロピリミジン(65mg)を加え、そしてこの混合物を60℃まで0.5時間加熱し、その後、室温で一晩攪拌した。この混合物を、NHCl水溶液でクエンチングし、CHClで抽出し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOの分取用薄層クロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(16mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z=439 (C2424Cl.H)。
【0154】
(実施例34)
【0155】
【化71】

28(328mg)、安息香酸(122mg)、EDC(175mg)およびHOBT(123mg)のDMF(2ml)中の混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を水でクエンチングし、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜20% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た。LC/ESI−MS: m/z=465 (C2726ClO.H)。
【0156】
(実施例35)
【0157】
【化72】

実施例34(258mg)のTHF中の溶液に、BH.THF(1.4ml、1M)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。この混合物を濃縮し、水で処理し、CHClで抽出し、そして濃縮した。残渣を、Gilson HPLCによって精製して、表題の化合物(25mg)を得た。LC/ECI−MS: m/z=451 (C2728Cl.H)。
【0158】
(実施例36)
【0159】
【化73】

実施例22の工程3の手順にしたがって、26およびピペリジンを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=430 (C2429Cl.H)。
【0160】
(実施例37)
【0161】
【化74】

25(56mg)、2−クロロピリミジン(19mg)およびNaH(16mg、鉱油中60%)のDMF(2ml)中の混合物を、0℃で2時間攪拌し、その後、室温で3日間攪拌した。この混合物を、NHCl水溶液でクエンチングし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、分取用TLCによって精製して、表題の化合物(36mg)を得た。ESI−MS: m/z=440 (C2423ClO.H)。
【0162】
(実施例38)
【0163】
【化75】

実施例37の手順にしたがって、24、2−クロロピリミジンおよびNaHを使用して、表題の化合物を調製した。ESI−MS: m/z=440 (C2423ClO.H)。
【0164】
(実施例39)
【0165】
【化76】

24(210mg)、フェノール(55mg)およびトリフェニルホスフィン(152mg)のTHF中の混合物に、THF中のアゾジカルボン酸ジエチル(111mg)を加えた。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この混合物を濃縮し、ヘキサンで処理し、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜20% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(30mg)を得た。LC/ESI−MS; m/z=438 (C2625ClNO.H)。
【0166】
(実施例40)
【0167】
【化77】

実施例39の手順にしたがって、24、p−フルオロフェノール、アゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI− MS; m/z=456 (C2624ClFNO.H)。
【0168】
(実施例41)
【0169】
【化78】

工程1:
【0170】
【化79】

実施例2の工程1に記載されている手順にしたがって、6、NaHMDSおよび2,3−ジブロモピリミジンを使用して、化合物29を調製した。LC/ESI−MS m/z 528 (C2622BrCl.H)。
【0171】
工程2:
実施例6の工程2に記載されている手順にしたがって、29および濃HClを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS m/z 503 (C2523BrCl.H)。
【0172】
(実施例42)
【0173】
【化80】

工程1:
【0174】
【化81】

実施例13の工程1に記載されている手順にしたがって、6および1−フルオロ−4−トリフルオロメトキシベンゼンを使用して、化合物30を調製した。LC/ESI−MS m/z 531 (C2823ClO.H)。
【0175】
工程2:
実施例8の工程2の手順にしたがって、30およびLAHを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS m/z 506 (C2724ClNO.H)。
【0176】
(実施例43)
【0177】
【化82】

工程1:
【0178】
【化83】

実施例2(4g)、Pd(OH)/C(12%、1g)およびギ酸アンモニウム(9g)のMeOH(100ml)中の混合物を、還流で3日間攪拌した。この混合物をろ過し、濃縮し、水で処理し、15% MeOH/CHClで抽出し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(NH/MeOH/CHCl)で精製して、表題の化合物(1.5g)を得た。LC/ESI−MS; m/z=189 (C1612.H)。
【0179】
工程2:
31(129mg)、クロロ−(2−クロロフェニル)−(2−フルオロフェニル)メタン(175 mg)、KCO(380mg)およびNaI(103mg)のCHCN(2ml)中の混合物を、封をしたチューブ内で75℃で一晩攪拌した。この混合物を室温まで冷却し、CHClで処理し、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(0〜10% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(84mg)を得た。LC/ESI−MS; m/z=407 (C2524ClFN.H)。
【0180】
実施例44
【0181】
【化84】

実施例43の工程2の手順にしたがって、31、2,6−ジクロロベンジルブロミドおよびKCO(508mg)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS; m/z=247(C1920Cl.H)。
【0182】
実施例45
【0183】
【化85】

実施例17の手順にしたがって、23およびピペリジンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 457 (C2630ClO.H)。
【0184】
(実施例46)
【0185】
【化86】

実施例17の手順にしたがって、23および4−フルオロアニリンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 483 (C2725ClFNO.H)。
【0186】
(実施例47)
【0187】
【化87】

23(43mg、0.11mmol)、2−アミノ−5−フルオロピリジン(24.6mg、0.58mmol)およびDCC(34mg、0.166mmol)の無水CHCl中の混合物に、DMAP(4mg)を室温で加え、そして室温で3日間攪拌した。この混合物をろ過し、そしてろ液を水および飽和NHCl水溶液で洗浄した。有機溶液をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(15.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 484 (C2624ClFNO.H)。
【0188】
(実施例48)
【0189】
【化88】

カートリッジ中のPS−EDC樹脂(45mg、0.0615mmol)に、1mlのCHCN−THF(3:2)中の23(8mg、0.0205mmol)およびHOBt(4.2mg、0.031mmol)を加えた。その後、この混合物に、シクロプロパンメチルアミンのCHCN(1M、45μl、0.045mmol)中の溶液を加えた。カートリッジに蓋をし、一晩振とうした。この混合物を、PS−イソシアネート(40mg、約0.0615mmol)PS−トリスアミン樹脂(30mg、約0.123mmol)および0.5mlのCHCN−THF(3:2)で処理した。カートリッジに蓋をして、6時間振とうした。この混合物をろ過し、そしてCHCNで2回リンスし、そしてろ液を濃縮して、表題の化合物(6.4mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 443 (C2528ClO.H)。
【0190】
(実施例49)
【0191】
【化89】

実施例48の手順にしたがって、23およびシクロブチルアミン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 443 (C2528ClO.H)。
【0192】
(実施例50)
【0193】
【化90】

実施例48の手順にしたがって、23およびシクロペンチルアミン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 457 (C2630ClO.H)。
【0194】
(実施例51)
【0195】
【化91】

実施例48の手順にしたがって、23およびα−メチルベンジルアミン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 493 (C2930ClO.H)。
【0196】
(実施例52)
【0197】
【化92】

実施例48の手順にしたがって、23および2−フルオロベンジルアミン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 497 (C2827ClFNO.H)。
【0198】
(実施例53)
【0199】
【化93】

実施例48の手順にしたがって、23および2−S−アミノ−3−メチル−1−ブタノール/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 475 (C2632Cl.H)。
【0200】
(実施例54)
【0201】
【化94】

実施例48の手順にしたがって、23および3−(2−アミノエチル)ピリジン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 494 (C2829ClO.H)。
【0202】
(実施例55)
【0203】
【化95】

実施例48の手順にしたがって、23およびN−(3−アミノプロピル)イミダゾール/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 497 (C2730Cl)。
【0204】
(実施例56)
【0205】
【化96】

カートリッジ中のPS−EDCレジン(45mg、0.0615mmol)に、1mlのCHCN−THF(3:2)中の23(8mg、0.0205mmol)およびTHF(200μl)中のHOBT(4.2mg、0.031mmol)を加えた。この混合物を、室温で1分間振とうし、その後、ベンジルアミン/CHaCN(1M、41μl、0.041mmol)を加えた。カートリッジに蓋をし、そして一晩振とうした。この混合物を、PS−イソシアネート(45mg、0.0615mmol)、PS−トリスアミン(40mg、0.123mmol)レジンおよび0.5mlのCHCN−THF(3:2)で処理した。カートリッジに蓋をし、そして6時間振とうした。この混合物をろ過し、そしてCHCNで2回リンスした。ろ液を濃縮して、表題の化合物(5.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 479 (C2828Cl)。
【0206】
(実施例57)
【0207】
【化97】

実施例56の手順にしたがって、23および4−フルオロベンジルアミン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 497 (C2827ClFNO.H)。
【0208】
(実施例58)
【0209】
【化98】

実施例56の手順にしたがって、23およびピロリジン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 443 (C2528ClO.H)。
【0210】
(実施例59)
【0211】
【化99】

実施例56の手順にしたがって、23およびモルホリン/CHCN(1M)を使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 459 (C2528Cl.H)。
【0212】
(実施例60)
【0213】
【化100】

実施例18の手順にしたがって、23および3−アミノピリジンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 466 (C2625ClO.H)。
【0214】
(実施例61)
【0215】
【化101】

実施例19(34mg)のピリジン/無水酢酸(1:1)中の混合物を、0℃で一晩攪拌し、その後、濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(13mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 471 (C2732ClO.H)。
【0216】
(実施例62)
【0217】
【化102】

実施例19(40.3mg、0.094mmol)、KCO(26mg、0.188mmole)および2−ブロモエタノール(13.3μl、0.188mmol)のDMF中の混合物を、50℃で3日間攪拌した。この混合物を室温まで冷却し、水でクエンチングし、そしてエーテルで抽出した。有機溶液をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(9.4mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 473 (C2734ClO.H)。
【0218】
(実施例63)
【0219】
【化103】

22のMeOH(75mg、0.2mmol)中の溶液に、KCO(83mg、0.6mmol)およびトシルメチルイソシアニド(39.1mg、0.2mmol)を加えた。この混合物を、窒素下で2時間還流し、室温まで冷却し、そしてEtOAcで抽出した。有機溶液を、NaSOで乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(11.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 413 (C2322ClO.H)。
【0220】
(実施例64)
【0221】
【化104】

実施例47(8mg、0.0165mmol)のTHF中の攪拌溶液に、LAH/THF(1M、25μl)を0℃で窒素下で加えた。この混合物を室温まで温め、一晩攪拌し、そしてHO(2μl)、15%NaOH(6μl)およびHO(2μl)を連続的に加えた。この混合物を攪拌し、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(2.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 470 (C2626ClFN.H])。
【0222】
(実施例65)
【0223】
【化105】

22(37.4mg、0.1mmol)および3−アミノピリジン(9.6mg、0.1mmol)のCHCl中の溶液に、NaBH(OAc)(32mg、0.15mmol)を窒素下で加えた。この混合物を室温で3時間攪拌し、飽和NaHCO溶液でクエンチングし、そしてEtOAcで抽出した。有機溶液をNaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物(19.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 452 (C2627Cl.H)。
【0224】
(実施例66)
【0225】
【化106】

実施例65の手順にしたがって、22、NaBH(OAc)および2−アミノピリジンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 452 (C2627Cl.H)。
【0226】
(実施例67)
【0227】
【化107】

実施例65の手順にしたがって、22、NaBH(OAc)およびアニリンを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 451 (C2728Cl.H)。
【0228】
(実施例68)
【0229】
【化108】

2−ブロモピリジン(95.4μl、1mmol)のTHF中の溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム(THF中2M、500μl、1mmol)を、室温で窒素下で一滴ずつで加えた。この混合物を室温で1.5時間攪拌し、22のTHF中の溶液を加え、そしてこの混合物を一晩攪拌した。この反応混合物を水でクエンチングし、CHClで抽出し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(26mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 453 (C2626Cl)。
【0230】
(実施例69)
【0231】
【化109】

22(75mg、0.2mmol)のエーテル中の溶液に、臭化フェニルマグネシウム(THF中1M、400μl、0.4mmol)を、−78℃で窒素下で一滴ずつ加えた。この混合物を、−78℃で5時間攪拌し、飽和NHCl溶液でクエンチングし、エーテルで抽出し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、SiOのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題の化合物(33.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 452 (C2727ClNO.H)。
【0232】
(実施例70)
【0233】
【化110】

実施例69(22mg、0.049mmol)およびDess−Martinペルヨージナン(42mg、0.097mmol)のCHCl中の混合物を、室温で一晩攪拌した。この混合物を、エーテル(4ml)で希釈し、そして飽和したNaHCOおよびチオ硫酸ナトリウムの水溶液(126mg、2ml中)に注いだ。有機溶液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そして濃縮して、表題の化合物(18.5mg)を得た。LC/ESI−MS: m/z 450 (C2725ClNO.H)。
【0234】
(実施例71)
【0235】
【化111】

工程1:
【0236】
【化112】

実施例2の工程1の手順にしたがって、6、NaHMDSおよび2−ブロモ−6−メチルピリジンを使用して、化合物32を調製した。LC/ESI−MS: m/z 462 (C2725Cl.H)。
【0237】
工程2:
実施例2の工程2の手順にしたがって、32およびNaOHを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 437 (C2626Cl.H)。
【0238】
(実施例72)
【0239】
【化113】

工程1:
【0240】
【化114】

実施例2の工程1の手順にしたがって、6、NaHMDSおよび2−ブロモ−4−メチルピリジンを使用して、化合物33を調製した。LC/ESI−MS: m/z 462 (C2725Cl.H)。
【0241】
工程2:
実施例2の工程2の手順にしたがって、33およびNaOHを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 437 (C2626Cl.H)。
【0242】
(実施例73)
【0243】
【化115】

工程1:
【0244】
【化116】

実施例2の工程1の手順にしたがって、6、NaHMDSおよび2−ブロモ−5−メチルピリジンを使用して、化合物34を調製した。LC/ESI−MS: m/z 462 (C2725Cl.H)。
【0245】
工程2:
実施例2の工程2の手順にしたがって、34およびNaOHを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 437 (C2626Cl.H)。
【0246】
(実施例74)
【0247】
【化117】

工程1:
【0248】
【化118】

実施例2の工程1の手順にしたがって、6、NaHMDSおよび4−ブロモ−ピリジン(4−ブロモ−ピリジン臭化水素酸塩から誘導される)を使用して、化合物35を調製した。LC/ESI−MS: m/z 448 (C2623Cl.H)。
【0249】
工程2:
実施例2の工程2の手順にしたがって、35およびNaOHを使用して、表題の化合物を調製した。LC/ESI−MS: m/z 423 (C2524Cl.H)。
【0250】
式Iの化合物は、古典的なオピオイドレセプターの50倍高い選択性を示す。NOPレセプターは、古典的なオピオイドレセプター(例えば、μ、κおよびδ)と高い程度の相同性を共有しているが、NOPレセプターは、内因性オピオイドによっては活性化されず、内因性オピオイドは、NOPレセプターを活性化せない。咳の抑制剤として使用されるコデインおよび他のオピオイドは、副作用(例えば、呼吸低下、便秘、耐性、身体依存性)を起こして、μ−オピオイドレセプターを活性化させることが公知である。NOPレセプターアゴニストは、μ−オピオイドレセプターを活性化させず、それゆえに、オピオイドに比べてすぐれた安全性のプロフィールをもたらすことが期待される。
【0251】
式Iの化合物のNOPレセプターアゴニスト活性、ならびにそれらの咳および呼吸への効果は、以下のテストによって測定され得る。
【0252】
(ノシセプチン結合アッセイ)
NOPレセプターを発現しているCHO細胞膜の調製物(2mg)を、50mM HEPES(pH7.4)、10mM NaCl、1mM MgCl、2.5mM CaCl、1mg/ml ウシ血清アルブミンおよび0.025%バシトラシンを含んだ緩衝液中の[125I][Tyr14]ノシセプチンの種々の濃度(3〜500pM)と共にインキュベートした。多くの試験において、アッセイを、緩衝液(50mM tris−HCl(pH 7.4)、1mg/mlウシ血清アルブミンおよび0.025%バシトラシン)中で行なった。サンプルを、室温で(22℃)で1時間インキュベートした。膜に結合した放射性同位元素標識されたリガンドを、Brandell細胞ハーベスターを使用して、0.1%ポリエチレンアミンにあらかじめひたしておいたGF/Bフィルター上に取り出し、そして5mlの冷たい蒸留水で5回洗浄した。1μMのノシセプチンの存在下での同様のアッセイを行なうことによって非特異的な結合を並行して決定した。全てのアッセイポイントを、全ておよび非特異的結合の2連で行なった。
【0253】
Kiの計算は、当該分野において周知の方法を使用して行なった。
【0254】
本発明の化合物に関して、Ki値は、約1〜約500nMの範囲内で決定され、10nM未満のKi値を有する化合物が好まれる。
【0255】
European Journal of Pharmacology、336 (1997)、p.233−242に記載の手順を使用して、本発明の化合物のアゴニスト活性を決定する。
【0256】
(咳の試験)
BolserらのBritish Journal of Pharmacology (1995) 114、735−738 (McLeodら、British Journal of Pharmacology (2001)132、1175−1178も参照されたい)の方法にしたがって、ノシセプチンアゴニストの効果を、モルモットにおけるカプサイシン誘発させた咳において評価する。このモデルは、強力な鎮咳薬の活性を評価するのに幅広く使用されている方法である。一晩絶食させたオスのHartleyモルモット(350〜450g、Charles River、Bloomington、MA、USA)を、12”×14”の透明なチャンバに入れた。この動物を、ジェットネブライザー(Puritan Bennett、Lenexa、KS、USA)によって生成されるエアロゾル化したカプサイシン(300μM、4分間)にさらして、咳反射を引き起こす。各モルモットを、カプサイシンに1度だけさらす。このチャンバ内に設置されているマイクによって咳の数を検出し、そして訓練された観察者が確かめる。マイクからのシグナルを、咳の数の記録を提供するポリグラフに中継する。エアロゾル化カプサイシンの2時間前にビヒクル(メチルセルロース 1ml/kg、p.o.)もしくはテスト化合物のいずれかを与える。バクロフェン(3mg/kg、p.o.)の鎮咳活性もまた陽性コントロールとしてテストされる。
【0257】
(呼吸測定)
試験は、450〜550gの体重の範囲のオスのHartleyモルモットで行なった。この動物を、水を自由に与えて一晩絶食させた。このモルモットを、全身、頭部以外(whole−body,head−out)プレチスモグラフ内に入れ、ゴムのカラーをこの動物の頭部にかぶせてつけることにより、気密な密閉をモルモットとプレチスモグラフの間に提供する。プレチスモグラフの壁の1インチの穴を覆ったワイヤーメッシュスクリーンを横切る差次的圧力として気流を測定する。この気流シグナルを、プリアンプ回路および肺機能コンピューター(Buxco Electronics、Sharon、CT.、model XA)を使用して、体積に比例したシグナルに統合させる。頭部チャンバをプレチスモグラフに接続し、そして試験持続期間中、圧縮ガス源(21%O、残りはN)からの空気を、頭部チャンバに循環させる。全ての呼吸測定は、このモルモットがこの循環空気を呼吸している間に行なわれる。
【0258】
各動物からの体積シグナルを、一呼吸一呼吸を基に一回呼吸量および呼吸速度を計算するデータ取得/分析システム(Buxco Electronics、model XA)に入力する。これらのシグナルは、モニター上に視覚的に表示される。一回呼吸量および呼吸速度を、1分毎に平均値として記録する。
【0259】
このモルモットを、プレチスモグラフ内に30分間平衡状態にさせる。ベースラインの測定を、この30分の期間の最後に得る。その後、このモルモットをプレチスモグラフからはずし、テスト化合物(10mg/kg、p.o.)、バクロフェン(3mg/kg、p.o.)もしくはメチルセルロースビヒクルのプラセボ(2ml/kg、p.o.)を経口投与する。この投与直後に、このモルモットを、プレチスモグラフに入れ、頭部チャンバおよび循環空気を再び接続し、そして呼吸変量(一回呼吸量(V)、呼吸速度(f)および分時拍出量(MV=V×f))を、処置してから30、60、90および120分後に測定する。この試験は、ACUCのプロトコール#960103の下で行なわれる。
【0260】
式Iの1〜3種の化合物が、本発明の方法において投与され得、好ましくは1種である。
【0261】
本発明の化合物は、抗咳活性を示し、これは、哺乳動物において咳を抑えるのに有用である。咳の処置がされる哺乳動物は、少なくとも1種の式IのノシセプチンレセプターNOPアゴニストが、咳、アレルギーもしくはぜんそくの症状を処置するための、抗ヒスタミン薬、5−リポキシゲナーゼインヒビター、ロイコトリエンインヒビター、Hインヒビター、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、マスト細胞安定薬、鎮咳薬、去痰薬、NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニストならびにGABAアゴニストより選択される1種以上のさらなる薬剤とともに投与され得る。好ましくは、本発明の組み合わせは、1種の式Iの化合物と、1〜3種のさらなる薬剤(好ましくは、1〜2種のさらなる薬剤、さらに好ましくは、1種のさらなる薬剤)とを含む。
【0262】
抗ヒスタミン薬の非限定的な例としては:アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セルチリジン(certirizine)、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン(SCH−34117としても公知)、ドキシルアミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、エキタジン(equitazine)、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレンアミン、テメラスチン、トリメプラジンおよびトリプロリジンが挙げられる。
【0263】
ヒスタミンHレセプターアンタゴニストの非限定的な例としては:チオペラミド、イムプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピト、イムペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、SKF−91486、GR−175737、GT−2016、UCL−1199およびクロザピンが挙げられる。他の化合物は、公知の方法によってHレセプターでの活性を決定するために容易に評価され得る。この方法としては、モルモットの脳膜アッセイおよびモルモットの神経回腸収縮アッセイが挙げられ、これらの2つともが、米国特許5,352,707中に開示されている。ラットの脳膜において使用される別の有用なアッセイは、Westらの「Identification of Two−H3−Histamine Receptor Subtypes,」 Molecular Pharmacology、Vol. 38、610頁〜613頁(1990)によって記載されている。
【0264】
用語「ロイコトリエンインヒビター」としては、ロイコトリエンの作用もしくは活性を阻害、抑制、遅延させる、もしくはそうでなければロイコトリエンの作用もしくは活性と相互作用をする任意の薬剤もしくは化合物が挙げられる。ロイコトリエンインヒビターの非限定的な例としては、モンテルカスト[R−(E)]−1[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)−エテニル]フェニル]−3−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル]プロピル]チオ]メチル]シクロプロパン酢酸およびそのナトリウム塩(EP 0480 717中に開示されている);1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸およびそのナトリウム塩(WO 92/28797および米国特許5,270,324中に開示されている);1−(((1(R)−3−(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸およびそのナトリウム塩(WO97/28797および米国特許5,472,964中に開示されている);プランルカスト、N−[4−オキソ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−8−イル]−p−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド(WO97/28797およびEP 173,516中に開示されている);ザファールルカスト、(シクロペンチル−3−[2−メトキシ−4−[(o−トリルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチルインドール−5−カルバメート(WO 97/28797およびEP 199,543中に開示されている)、ならびに[2−[[2(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸(米国特許5,296,495および日本特許JP08325265 A中に開示されている)が挙げられる。
【0265】
用語「5−リポキシゲナーゼインヒビター」もしくは「5−LOインヒビター」としては、5−リポキシゲナーゼの酵素作用を阻害、抑制、遅延させる、もしくはそうでなければ5−リポキシゲナーゼの酵素作用と相互作用をする任意の薬剤もしくは化合物が挙げられる。5−リポキシゲナーゼインヒビターの非限定的な例としては、ジレウトン、ドセベノン、プリポスト、ICI−D2318およびABT 761が挙げられる。
【0266】
β−アドレナリン作用性レセプターアゴニストの非限定的な例としては:アルブテロール、ビトルテロール、イソエタリン、マタプロテレノール、ペルブテロール、サルメテロール、テルブタリン、イソプロテレノール、エフェドリンおよびエピネフリンが挙げられる。
【0267】
キサンチン誘導体の非限定的な例は、テオフィリンである。
【0268】
α−アドレナリン作用性レセプターアゴニストの非限定的な例としては、アリールアルキルアミン(例えば、フェニルプロパノールアミンおよびプソイドエフェドリン)、イミダゾール(例えば、ナファゾリン、オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリンおよびキシロメタゾリン)およびシクロアルキルアミン(例えば、プロピルヘキセドリン)が挙げられる。
【0269】
マスト細胞安定薬の非限定的な例は、ネドクロミルナトリウムである。
鎮咳薬の非限定的な例としては、コデイン、デキストロメトルファン、ベンゾナテート、クロフェジアノールおよびノスカピンが挙げられる。
【0270】
去痰薬の非限定的な例は、グアイフェネシンである。
【0271】
NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニストの非限定的な例としては、CP−99,994およびSR48968が挙げられる。
【0272】
GABAアゴニストの非限定的な例としては、バクロフェンおよび3−アミノプロピル−ホスフィン酸が挙げられる。
【0273】
本発明の化合物は、哺乳動物においてUIもしくはもしくは過活動膀胱を処置する際に有用である。少なくとも1種の式Iの化合物が、UIもしくは過活動膀胱を処置するのに有用な1種以上の追加の薬剤とともに投与され得る。UIもしくはもしくは過活動膀胱を処置するとして公知の薬剤としては、ムスカリン性アンタゴニスト(例えば、ダリフェナシン、トルテロジン、ソリフェナシン、トロスピウム、デュロキセチンおよびテミベリン)、ならびに鎮痙薬および/もしくは抗コリン作用剤(例えば、オキシブチニンもしくはヒヨスチアミン)が挙げられる。好ましくは、本発明の組み合わせは、1種の式Iの化合物および1種のさらなる薬剤を含む。
【0274】
本発明によって記載されている化合物から薬学的組成物を調製するための、不活性の薬学的に受容可能なキャリアは、固体もしくは液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約5〜約70%の活性成分を含み得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知である(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖もしくはラクトース)。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体の投薬形態として使用され得る。
【0275】
坐剤の調製のためには、低い融点のろう(例えば、脂肪酸グリセリドもしくはカカオ脂の混合物)をまず融解し、そこへ攪拌によって活性成分を均一に分散する。次に、融解した均一な混合物を手ごろなサイズの型に流し込み、冷却し、それによって凝固させる。
【0276】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液、エマルジョンが挙げられる。例としては、非経口の注射のための水溶液または水−プロピレングリコール溶液が挙げられ得る。
【0277】
液体形態の調製物としては、鼻腔内投与のための液体もまた挙げられ得る。
【0278】
吸入に適したエアロゾルの調製物としては、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、圧縮不活性ガス)と組み合わせられ得る溶液および粉末状の固体が挙げられ得る。
【0279】
また、経口もしくは非経口いずれかの投与のために使用直前に液体形態の調製物に変換されることが意図された固体形態の調製物も挙げられる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。
【0280】
本発明の化合物はまた、経皮的にも送達され得る。この経皮的な組成物は、クリーム、ローション、エアロゾル、および/もしくはエマルジョンの形態をとり得、この目的のために当該分野で慣習的であるように、マトリックスもしくはレザバタイプの経皮パッチにふくまれ得る。
【0281】
好ましくは、本発明の化合物は経口投与される。
【0282】
好ましくは、この薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態では、この調製物は、適切な量の活性成分をふくむ用量単位(例えば、望ましい目的に達するための有効な量)に細分される。
【0283】
調製物の用量単位の式Iの活性化合物の量は、特定の用途に従って、変わり得るか、もしくは約0.1mg〜1000mgに調整され得、さらに好ましくは約1mg〜300mgに調整され得る。
【0284】
実際に使用される用量は、患者の条件および処置される状態の重症度に依存して変わり得る。個々の状態に対する適切な用量の決定は、当該分野の範囲内である。一般的に、処置は、この化合物の最適用量よりも少ない少量の用量から開始する。その後、この投薬は、この状況下で最適な効果に達するまで小さい増分で増加する。便宜上、所望される場合は、1日の総日用量は細分され得、1日の間に少しずつ投与され得る。
【0285】
本発明の化合物および薬学的に受容可能なその塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態、および大きさ、ならびに処置される症状の重症度といった要素を考慮して、主治医の判断に従って調節される。一般的に推奨される投薬レジメンは、疼痛、不安、うつ、ぜんそく、もしくはアルコール乱用の軽減を提供するための、2〜4分割した用量での1日あたり10mg〜2000mg、好ましくは1日あたり10mg〜1000mgの経口投与である。本化合物は、この投薬範囲内で投与される場合は、非毒性である。
【0286】
式IのNOPアゴニストが、1種以上のさらなる薬剤と組み合わせて投与される場合、式Iの化合物およびさらなる薬剤は、好ましくは、合わせた投薬形態(例えば、単一の錠剤)で投与されるが、それらが別々に投与されてもよい。このさらなる薬剤は、咳、アレルギーもしくはぜんそくの症状の軽減を提供するために有効な量で投与され、好ましくは、単位用量あたり約0.1〜1000mgであり、さらに好ましくは、約1mg〜300mgである。一般的に推奨されるさらなる薬剤の投薬レジメンは、2〜4分割した用量での1日あたり1mg〜2000mg、好ましくは1日あたり1mg〜1000mgである。他の薬剤の一般的な投与量は、文献(例えば、ThePhysician’s Desk Reference)から決定され得る。
【0287】
本発明は、上記の特定の実施形態と関連して記載されているが、それらの多数の代案、改変、および変更が当業者にとって明白となる。全てのこういった代案、改変、および変更は、本発明の意図および範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

で表される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
は、R−アリール、R−アリールアルキル、R−ヘテロアリール、R−ヘテロアリールアルキル、R−シクロアルキル、R−シクロアルキルアルキル、R−ヘテロシクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は、R−アリール、R−アリールアルキル、R−ヘテロアリール、R−ヘテロアリールアルキル、R−シクロアルキル、R−シクロアルキルアルキル、R−ヘテロシクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は、R−アルキル、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−シクロアルキルもしくはR−ヘテロシクロアルキルであり;
Xは、結合、(C−C)アルキレン、−(CH−N(R)−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−S−(CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(O)N(R)−、−C(O)N(R)−アルキレンもしくは−N(R)C(O)−であり;
nは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;mは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;但し、mとnとの和が、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
各RおよびRは、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CN、−CF、−(CH−OR、−N(R10および−(CH−N(R10からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、−CN、シアノアルキル、−CF、−C(O)アルキル、−(CH−OR、−COOR、−N(R10、−(CH−N(R10および−C(O)N(R10からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;;
pは、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、Hもしくはアルキルであり;
およびRは、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキル−C(O)−およびアルキル−C(O)−N(R)−C(O)−からなる群より独立して選択され;そして、
10は、Hおよびアルキルからなる群より選択される、化合物。
【請求項2】
がR−フェニルであり、そしてRがR−フェニルであり、ここで、RおよびRが、H、ハロおよびアルキルからなる群より独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がR−フェニルであり、ここで、Rが1つのハロ原子であり、そしてRがR−フェニルであり、ここで、Rが1つのハロ原子である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが塩素である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、結合、−N(R)−(CH−(ここで、RがHであり、そしてnが、0もしくは1である)、または−C(O)N(R)−(ここで、RがHである)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Xが結合である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、R−アリール、R−ヘテロアリールもしくはR−ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、R−フェニル、R−ピリジル、R−ピリミジル、R−イミダゾリル、R−ベンズイミダゾリル、R−ピペリジニルもしくはR−モルホリニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、H、ハロ、アルキル、OHおよび−OCHからなる群より選択される1つの置換基である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
【化2】

【化3】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】

【化4】

を有する化合物。
【請求項12】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物を、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項13】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物;抗ヒスタミン薬、5−リポキシゲナーゼインヒビター、ロイコトリエンインヒビター、Hインヒビター、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、マスト細胞安定薬、鎮咳薬、去痰薬、NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニスト、GABAアゴニスト、ムスカリン性アンタゴニスト、抗コリン作用剤、ならびに鎮痙薬からなる群より選択される治療上有効な量の1種以上のさらなる薬剤;および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項14】
咳、疼痛、不安、ぜんそく、うつ、アルコール乱用、尿失禁もしくは過活動膀胱を処置するための方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項15】
咳を処置するための請求項14に記載の方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項16】
咳を処置するための方法であって、該方法は、請求項1に記載の化合物と、咳、アレルギーもしくはぜんそくの症状を処置するための、抗ヒスタミン薬、5−リポキシゲナーゼインヒビター、ロイコトリエンインヒビター、Hインヒビター、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト、マスト細胞安定薬、鎮咳薬、去痰薬、NK、NKおよびNKタキキニンレセプターアンタゴニストならびにGABAアゴニストからなる群より選択される1〜3種のさらなる薬剤との組み合わせの有効量をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項17】
尿失禁もしくは過活動膀胱を処置するための請求項14に記載の方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
尿失禁もしくは過活動膀胱を処置するための方法であって、該方法は、請求項1に記載の化合物と、尿失禁もしくは過活動膀胱を処置するための、ムスカリン性アンタゴニスト、抗コリン作用剤および鎮痙薬からなる群より選択される薬剤との組み合わせの有効量をこのような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物が、ダリフェナシン、トルテロジン、ソリフェナシン、トロスピウム、デュロキセチン、テミベリン、オキシブチニンもしくはヒヨスチアミンと組み合わせて投与される、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2009−513664(P2009−513664A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537972(P2008−537972)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/041925
【国際公開番号】WO2007/053435
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】