説明

ノズルとそれを用いた塗布方法および塗布装置、並びにカラーフィルターの製造方法および製造装置

【課題】基板に近接させてビード形成して塗布液を基板に塗布しても、複数の孔から吐出される塗布液が基板上で拡幅せず、一定の塗布幅にて安定してストライプ状に塗布できるノズル、およびこのノズルを用いた塗布方法ならびに塗布装置を実現させ、それによってRGB3色を一括ないしは逐次でストライプ状に色画素部に塗布することを可能とし、全体の工程数を大幅に削減して低コストで高品質のカラーフィルターを製造できるカラーフィルターの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】長手方向に配列された複数の吐出口を有するノズルであって、各々の吐出口の出口周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を有していることを特徴とするノズルと、塗布液供給装置から前記ノズルに塗布液を供給して前記ノズルの複数の吐出口から塗布液を吐出して、前記ノズルの突出部と被塗布部材の両方に接触するビードを形成するとともに、被塗布部材の前記ノズルに対する相対移動を行って、被塗布部材上に一定幅のストライプ状塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタを製造する分野に主として使用されるものであり、詳しくはガラス基板などの被塗布部材表面にストライプ状に所定幅の塗布膜を形成できるノズル、およびこのノズルを用いた塗布方法および塗布装置並びにカラーフィルターの製造方法および製造装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているカラーフィルターの製造方法には、顔料分散法、染色法、印刷法、電着法等がある。しかし、いずれの製造方法においても製造工程が複雑で工程数が多く、コスト削減を図るために、製造工程を短縮したカラーフィルターの製造方法が望まれている。
【0003】
特に、主流となっている顔料分散法では、RGB各色ごとに最低限、洗浄、塗布、乾燥、露光、現像、キュアといった工程を繰り返すため、同じ洗浄機、塗布装置、乾燥機、露光機、現像装置、キュア装置がRGB3色で3セットも必要となり、設備的にも、使用加工材料的にもむだが多く、コスト低減化の大きな障害となっている。
【0004】
このため、基板上に遮光用のブラックマトリックスにより形成される色画素部に直接RGB3色を一括あるいは逐次塗布し、露光、現像のプロセスを省略するとともに、塗布以外の洗浄、乾燥、キュアの工程及び装置を1色分にしてしまう方法が各種提案されている。これらの提案は、インクジェットノズルを使用して間欠的に塗布液を吐出して色画素部にのみ塗布する方法(たとえば特許文献1)と、多数の吐出口から連続的に塗布液を吐出する連続吐出ノズルを使用して色画素部にストライプ状に塗布する方法に大きく分類される。インクジェットノズルを使用する方法は、ブラックマトリックス間の任意の色画素部に塗布ができるので、いかなる色画素パターン形状(ストライプ、モザイク等)にも対応でき、フレキシビリティが高いが、均一性、吐出安定性に課題がある。一方連続吐出ノズルを使用する方法は、ストライプ状にしか塗布できないが、逆に均一性、吐出安定性に優れている。連続吐出ノズル使用した具体的な手段としては、1色の色画素部配置ピッチで複数の吐出孔を一直線上に配したノズルで、色画素部に1色の塗布膜をストライプ状に形成し、それを3色分実施する手段(たとえば特許文献2)、1色の色画素部配置ピッチで複数の吐出孔を一直線上に配したノズルを塗布方向に3台ならべ、各ノズルをRGB各色ごとに専用化して各色のペーストを吐出し、ブラックマトリックス間の色画素部にRGB3色をストライプ状に同時に塗布する手段(たとえば特許文献3)、RGB3色を同時に吐出できるノズルで、ブラックマトリックス間の色画素部にRGB3色を同時にストライプ状に塗布する手段(たとえば特許文献4)、ノズルと基板間に高電圧を印可することでRGB塗布液を安定して色画素内に塗布する手段(たとえば特許文献5)等がある。
【0005】
以上の特許文献3や特許文献5の手段では、いずれも連続吐出ノズルと基板間の間隔を大きくとり、塗布液をノズルから柱状形状に吐出して、RGB3色を一括ないしは逐次でストライプ状に塗布する原理が示されている。柱状形状吐出とは、図7(a)、(b)に示す通り、ノズル300と基板304との間のすきま量LC1を比較的大きくとり、ノズル孔302より塗布液306を柱状に吐出するものである。ここで図7(a)は基板が矢印方向に移動して塗布膜310を形成する塗布状況を示す塗布方向を含む断面図、図7(b)は同じ状況を塗布方向に見た断面図である。図7(a)、(b)よりノズル孔から吐出される塗布液の柱状形状の直径は、塗布液306がノズル孔より出ていくときのバラス効果により、ノズル孔の直径よりやや大きくなる。このような形態の吐出を行うには、ノズル孔302からの吐出速度をかなり大きくせねばならない。そのために基板304に必要以上に厚い塗布膜を形成することになり、カラーフィルターのRGB画素膜に要求される適正厚さの塗布膜が実現できない。さらに柱状形状で塗布液が吐出されると、塗布液306が基板304に衝突する時に、吐出速度の大きさに伴う大きな動圧によって、図7(b)に示すように、塗布液306が基板304上で大きく広がってしまい、塗布液がRGB画素部の幅よりもはるかな大きな塗布幅Lcoで塗布されることになり、RGB画素内に塗布できない。以上の重大な問題に対し、その解決策が提供されていないために、特許文献3や特許文献5に示される柱状形状吐出の技術は実用に供されていない。
【0006】
また特許文献2や特許文献4の手段では、図8(a)、(b)に示すように、柱状形状吐出の時と同じノズル300と基板304を近接させ、ノズル300と基板304との間のすきま量LC2を柱状形状吐出の時のすきま量LC1よりもはるかに小さくして狭いすきまを作り、そのすきまの一部に液を満たして液だまり、いわゆるビードCを形成して塗布を行っている。ビードCを形成して行われる塗布が、ビード塗布と呼ばれる。ここで図8(a)は基板が矢印方向に移動して塗布膜310を形成する塗布状況を示す塗布方向を含む断面図、図8(b)は同じ状況を塗布方向から見た断面図である。ビード塗布の特徴は、ノズル孔からの塗布液306の吐出速度が小さくても、ノズル300と基板304の間のすきま量LC2が十分小さくて、両者間のすきまに塗布液が満たされて液だまりができれば塗布を行えるので、柱状形状吐出よりも薄い塗布膜が形成できるということである。その結果、カラーフィルターのRGB画素膜に要求される適正厚さの塗布膜が実現できる。しかしながら、図8(b)で示すように、ノズル孔302が多数配列されるノズル長手方向(塗布方向に直角な方向)には吐出口面308はフラットであるので、毛細管現象により塗布液306がノズル長手方向に広がるために、ノズル孔から吐出量Qで塗布液306が吐出される時の塗布幅Lcoは、ノズル孔302の直径よりもはるかに大きくなってしまう。ここで塗布幅Lcoは塗布液306の表面張力γ、動的なぬれ角度α、すきま量LC2、ビードC内部の圧力Pのバランスによって定まるものと推察される。ただし、圧力Pは塗布液306の粘度と塗布速度に依存する。この塗布方法を適用している特許文献2や特許文献4では、上記理由によりストライプ状のRGB色画素膜の幅が色画素部の幅よりはるかに大きくなったり、はなはだしい場合には、隣どうしの色画素膜が連結してストライプ状の塗膜が形成されないといった不具合が生じている。
また、ノズルと基板間のすきまの大きさを変えてRGB色画素膜のストライプ幅を所定の大きさに調整できたとしても、吐出口面308に相当する部分がフラットであるので、ビードに作用する力がバランスしにくく、RGB色画素膜のストライプ幅が時間の経過とともに変動するという不都合もある。
【特許文献1】特開2002−122722号公報(第3欄30行目〜第5欄11行目、第15欄24行目〜42行目、図3、図6)
【特許文献2】特開平5−11105号公報(第2欄49行目〜第4欄11行目、図1)
【特許文献3】特開平5−142407号公報(第2欄25行目〜第4欄18行目、第4欄45行目〜第5欄15行目、図1、図2)
【特許文献4】特開平7−230085号公報(第3欄35行目〜第8欄29行目、図6、図7)
【特許文献5】特開2002−48910号公報(第8欄19行目〜第10欄12行目、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、基板(被塗布部材)に近接させてビード形成して塗布液を基板に塗布しても、複数の孔から吐出される塗布液が基板上で拡幅せず、一定の塗布幅にて安定してストライプ状に塗布できるノズル、およびこのノズルを用いた塗布方法ならびに塗布装置を実現させ、それによってRGB3色を一括ないしは逐次でストライプ状に色画素部に塗布することを可能とし、全体の工程数を大幅に削減して低コストで高品質のカラーフィルターを製造できるカラーフィルターの製造方法および製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。
本発明になるノズルは、長手方向に配列された複数の吐出口を有するノズルであって、各々の吐出口の出口周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を有していることを特徴とする。ここで、前記突出部には、突出している吐出口面に連なって、塗布液吐出方向に対して傾斜部を含み、前記突出部の突出量Laは0.02〜1mm、かつ角度θは0〜85度であることが好ましい。
【0009】
本発明になる塗布装置は、請求項1〜3に記載のノズルと、該ノズルに定量の塗布液を供給する手段を含む塗布液供給手段と、被塗布部材を保持する載置台と、前記塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルの突出部と被塗布部材の両方に接触するビードを形成する位置まで前記ノズルを被塗布部材に近接させる近接手段と、前記ノズルの吐出口を被塗布部材上の任意の場所に位置あわせをする位置合わせ手段と、を備えてストライプ状塗布膜を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明になるカラーフィルターの製造装置は、請求項4に記載の塗布装置を少なくとも備えて、ブラックマトリックスまたは上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックスがパターン状に配列された被塗布部材の、ブラックマトリックス間または上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックス間に配置された色画素部に、前記位置合わせ手段で前記ノズルの吐出口を位置合わせをし、色画素膜液をノズルより吐出してストライプ状に前記色画素部に色画素膜を形成してカラーフィルターを製造することを特徴とする。
【0011】
本発明になる塗布方法は、請求項1〜3に記載のノズルを被塗布部材に近接させ、塗布液供給装置から前記ノズルに塗布液を供給して前記ノズルの複数の吐出口から塗布液を吐出して、前記ノズルの突出部と被塗布部材の両方に接触するビードを形成するとともに、被塗布部材の前記ノズルに対する相対移動を行って、被塗布部材上にストライプ状塗布膜を形成することを特徴とする。
【0012】
本発明になるカラーフィルターの製造方法は、請求項6に記載の塗布方法を用いて、ブラックマトリックスまたは上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックスがパターン状に配列された被塗布部材の、ブラックマトリックス間または上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックス間に配置された色画素部に、色画素膜液をノズルより吐出してストライプ状に色画素膜を形成することを特徴とする。ここで、前記ブラックマトリックスまたはブラックマトリックス上部に形成される樹脂膜が撥水性を有するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明になるノズルおよびそれを用いた塗布方法および塗布装置を用いれば、ノズルが複数の吐出口を有し、さらに各々の吐出口周辺を塗布液吐出方向に突出させているのであるから、該ノズルを被塗布部材に近接させて塗布すると、突出部によって塗布液の拡幅が防止され、ノズルと被塗布部材間のすきまが塗布液のビード形成できる範囲内であれば、一定幅でストライプ状に塗布膜を安定して塗布することが可能となる。
【0014】
本発明になるカラーフィルターの製造方法および製造装置によれば、上記の優れた塗布方法および塗布装置を用いてカラーフィルターを製造するのであるから、パターン状に配置されたブラックマトリックス間の色画素部に、RGB3色を一括ないしは逐次で塗布することが可能となり、全体の工程数を大幅に削減して低コストで高品質のカラーフィルターを製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明にかかる塗布装置および塗布方法を図面を参照しながら説明する。図1は、RGBペーストを本発明にかかるノズル2でストライプ状に塗布するストライプ塗布装置の一実施態様の斜視図、図2は図1のノズル2による基板への塗布状況を示す正面断面図、図3は従来のノズルによる塗布状況を示す正面断面図、図4はブラックマトリックスが格子状に形成された基板Aの平面図と正面断面図、図5は図4のブラックマトリックス上に剥離可能な樹脂膜層が積層された基板Bの平面図と正面断面図、図6は図4に示す基板に本発明にかかる製造方法で色画素膜を形成したカラーフィルターの一実施態様の平面図と正面断面図である。
【0016】
図1を参照すると、RGBストライプ塗布工程で、塗布液であるRGBペーストを塗布するストライプ塗布装置1が示されている。
【0017】
このストライプ塗布装置1において、ノズル2はXYZステージ16の図示しないリニアガイドを介してブラケット8に取り付けられている。このノズル2では一色のペーストをストライプ状に塗布できるので、3色を塗布するには、このストライプ塗布装置1を3色分3台ならべるか、3色分のノズル3台をストライプ塗布装置1に取り付けることとなる。さてノズル2は図示しないリニアガイドとその駆動装置によって上下方向(Z方向)に自在に移動することができ、さらにブラケット8がリニア駆動装置10に装着されているので、基板の幅方向(Y方向)にも自在に移動できる。結果としてノズル2は上下、基板幅方向に自在に移動できることになる。一方ノズル2の下方には、基板Aを載置する吸着盤4があり、図示しない吸着孔によって基板Aを真空吸着することができる。基板Aは図4に示す通り、ガラス基板110に厚さH1のブラックマトリックス112を、縦格子118と横格子116からなる格子状に配したものであり、ブラックマトリックスの間にR画素部114R、G画素部114G、B画素部114Bを有している。R画素部114R、G画素部114G、B画素部114Bは、図4の上下方向すなわち矢印D方向に同じ色画素部同士で一直線上に配置されており、この一直線上方向すなわち矢印D方向が、ノズル2によるストライプ塗布方向となる。さらにガラス基板110上には、2個の十字形のアライメントマーク119A、Bが設けられている。
【0018】
さて再び図1を参照すると、吸着盤4は中央部で図示しない回転軸を介してリニア駆動装置6に取り付けられており、自在にX−Y平面内での回転と基板長手方向(X方向)の往復動を行なうことができる。また吸着盤4の上方のブラケット8に対応する位置にはCCDカメラ12と高さセンサー14も装着されている。CCDカメラ12は図示しない画像処理装置に連結されており、基板Aのアライメントマーク119A、Bの位置を検知し、これを基準にして図示していない制御装置によってノズルの吐出口を基板Aの格子状のブラックマトリックス112に囲まれた各色画素部114R、114G、114Bの真上に位置合わせをすることができる。この位置あわせに関わるもの、上記のCCDカメラ12、制御装置、リニア駆動装置10、リニア駆動装置6等が位置合わせ手段を構成することになる。
【0019】
一方高さセンサー14は、基板Aの上面の位置を検知、すなわち基板Aの厚さを検知して、図示しない制御装置によって塗布時のノズル2の最下面と基板A上面とのすきまを設定することができる。なおXYZステージ16の右下隅にはX、Y、Z各軸の原点Oが設けられている。
【0020】
図2はノズル2と基板AのY方向すなわち基板幅方向にみた断面を示しており、塗布液であるペースト48をノズル2で基板Aに塗布している状況を示している。図2で、ノズル2は紙面に垂直な方向に移動し、これが塗布方向となるが、この方向は図1の基板幅方向(Y方向)、図4の矢印D方向と一致している。ノズル2にはペースト48を吐出する直径dの円形の孔である吐出口40が、下板42に下向きに設けられている。ここで吐出口40の出口は吐出口面56の面内にある。吐出口面56は下板42よりもペースト48の吐出方向である下向きに突出量Laだけ突出して、吐出口面56に連なる傾斜部60とともに突出部54を形成している。すなわち、吐出口40の出口周辺が塗布液吐出方向に突出量Laだけ突出している突出部を有している。ここで、吐出口40の出口周辺とは、吐出口40の中心線から、ノズル2の長手方向に吐出口40の配置ピッチLRの半分未満の距離にある領域をいう。吐出口40の配置ピッチLRの半分以上になると、隣合う吐出口面が連なって、吐出口40ごとに独立した吐出口面56、傾斜部60が形成できないので、好ましくない。吐出口40の配置ピッチLRは、ブラックマトリックス112が格子状に形成されている基板Aの一色の色画素部に対応するように設けられている。各々の色画素部の幅にあわせて、各色画素部ごとに配置ピッチLRが異なってもよい。
【0021】
吐出口40の真上にはペースト48を貯蔵するマニホールド46があり、ここへのペースト48の供給は供給口52を介して行う。さらに、ノズル2の上部にはマニホールド46に連通する加圧口50がある。加圧口50は図示しないエアー加圧源に通じており、圧力を調整したエアーによって、マニホールド46内のペースト48を吐出口40から吐出することができる。
【0022】
さて塗布を行うために、ノズル2の吐出口面56を基板Aに近接させ、吐出口面56と基板A間のすきま量LCを好ましくは30〜300μm、より好ましくは50〜200μmにしてから、吐出口40からペースト48を吐出すると、吐出口面56と基板A間に液だまりであるビードCが形成されながらペースト48が基板Aに塗布される。すきま量LCが上記の範囲よりも小さいと吐出口面と基板Aがガラス基板110の厚さむらにより衝突する危険性が急増し、上記範囲よりも大きいと、経済的な塗布速度範囲でビードCを形成できなくなる。ビードCの幅LB、すなわち塗布幅は、上述の通り、ビードCに作用する圧力、ペースト48の表面張力、動的なぬれ角度等により平衡状態が作られて定まる。ここで圧力はペースト48の粘度、塗布速度に依存するとともに、すきま量LCもこの平衡状態に関与する。突出部54では、吐出口面56とそれに連なる傾斜部60の境界にエッジ部58が形成されているので、エッジ部58のエッジ効果によって、上記の各影響因子が変化して平衡状態を作り易いためにビードCの拡幅が阻止され、吐出口面56の幅LDが、ビードCの幅LBにほぼ等しくなることが多い。すきま量LCが小さすぎるとエッジ部でビードCの拡幅が阻止されないこともあるが、この場合は、ビードCのノズル2との接触点が傾斜部60にそって吐出口40より離れる方向に移動するが、該接触点位置におけるノズル〜基板A間の長さ(すきま)が次第に大きくなると、毛細管で該接触点が移動させる力が減少するために、傾斜部60上の位置で各影響因子が平衡状態を作って、ビードCの拡幅が阻止される。この時のビードCの幅LBは、吐出口面56の幅LDよりも若干大きくなる。ビードCの幅LB、すなわち実際の塗布幅が吐出区面56の幅LDよりも小さくなる時は、ビードCのノズル2との接触点は吐出口面56内にあるので非常に不安定であり、すきま量LCを小さくして該接触点がエッジ部58か傾斜部60に来るようにする。このようにするとビードCの幅LB、すなわち実際の塗布幅は吐出区面56の幅LDと同じかそれより若干大きくなるが、上記のようにビードCに形成に関与する各影響因子が平衡状態を作りだすので、非常に安定していて好ましい。
【0023】
一方、図3を見ると従来のノズル102の正面断面図が示されている。ノズル102は、突出部54を省略した他はノズル2と全く同じ構成である。ノズル102の吐出口面104と基板A間のすきまをノズル2の場合と同じすきま量LCにして、ペースト48を吐出口40から吐出すると、同じようにビードCは形成されるものの、ビードCは毛細管により移動させる力により拡幅するとともに、この時のビードCの幅LBが不安定で時間の経過とともに変化する。これはビードCとノズル102との接触点がフラットな吐出口面104内にあり、ノズル102にはノズル2のエッジ部58や傾斜部60のように該接触点の移動を阻止するように作用する要素がなく、ビードC形成に関与する各影響因子による平衡状態を作り難いからである。さらにビードCの拡幅がはなはだしい場合には、隣の吐出口40から吐出されて形成されたビードCと連結して、ストライプ状に塗布されなくなる。本発明になるノズル2は、突出部54を設けることによりできるエッジ部58と傾斜部60の効果により、ビードCの拡幅がそこで阻止されてビードCの幅LBすなわち塗布幅を小さく、しかも安定化することができる。
【0024】
なお、ビードCの幅LB、すなわちストライプの塗布幅は、基板AのR画素部114Rの幅WR、G画素部114Gの幅WG、B画素部114Bの幅WBと、同じかそれより小さくする。この関係にあると、図6に示すように、各色画素部の幅内にストライプ状に色画素膜、すなわち、R画素部114RにR画素膜210R、G画素部114GにG画素膜210G、B画素部114BにB画素膜210Bを、各々形成してカラーフィルターを作ることができる。上記のビードCの幅LBと各色画素部の幅との関係を実現するために、吐出口40の直径dは、R画素部114Rの幅WR、G画素部114Gの幅WG、B画素部114Bの幅WBよりも小さいことが好ましく、より好ましくは10μm以上小さくする。このため吐出口40の直径dは10〜200μm、より好ましくは40〜80μmとなる。吐出口面56の幅LDはR画素部114Rの幅WR、G画素部114Gの幅WG、B画素部114Bの幅WB以下であることが好ましい。特に吐出口面56の幅LDがそれぞれの色画素部の幅より大きくなると、ビードCの幅LBすなわち塗布幅が各色画素部の幅より大きくなることになり、各色画素部内にストライプ状の塗布ができず、各色画素部の幅をはみ出してブラックマトリックス112の上部に塗布されることになって不都合が生じる。なお、吐出口面56の幅LDは吐出口40の直径dよりも、ビードC安定化の点から、少なくとも10μm以上大きいことが好ましい。
【0025】
突出部54の突出量La、すなわち吐出口面56と下板42間の距離は好ましくは20μm以上、より好ましくは100μm以上、さらにより好ましくは500μm以上であって、1mm以下である。20μmより小さいと、ビードCが吐出口面と下板42の両方に接触して突出部54の効果がえられず、1mmより大きいと、ノズル2の形状加工難度が増大する。また、吐出口40の中心線、すなわち塗布液であるペースト48の吐出方向を基準とした傾斜部60となす角度θは、好ましくは0〜85度、より好ましくは20〜75度である。角度θが85度より大きいと、傾斜部60と吐出口面56がフラットな面上にあるのと大差がなくなり、ビードCの拡幅が抑制されにくくなる。一方角度θが0度より小さくなっても(θが負となっても)、ビードCの拡幅抑制効果が0度の時と変わらないので、角度θを小さくする意味がなくなるとともに、突出部54の加工形成が困難となる。上記に定めた突出部54の形状を有することで、ビードCの幅LBを、吐出口面56の幅LDにより近くて小さい値にすることができる。なお傾斜部60は平面でも、円錐形の斜面等に代表される曲面でも、いずれでもよい。
【0026】
吐出口面56の形状は、ペースト48の吐出方向に見て、円形形状でも、四角形でも、その他いかなる形状であってもよい。吐出口面56が円形形状の場合は、円形の直径が吐出口面56の幅LDとなるが、この時の傾斜部60は円錐形の斜面に代表される曲面であることが好ましい。ペースト48の吐出方向に見た吐出口面56の形状が任意のものである場合は、複数の吐出口40が一直線上に並ぶ方向(ノズル2の長手方向)での吐出口面56の形状の最大寸法が、吐出口面56の幅LDとなる。また吐出口40の吐出方向の長さは下板42の厚さよりも大きくなっているが、マニホールド46側を加工して、吐出口40の吐出方向の長さと下板42の厚さを略同一にしたり、それより小さくしてもよい。加工上の制約から、吐出口40の吐出方向の長さと直径dとの比は0.5〜5が好ましい。さらに均一厚さの下板42にパンチング加工をして突出部54を下板から突き出して成形してもよい。この場合は、吐出口40の吐出方向の長さと下板42の厚さは略同一になる。
【0027】
なお、吐出口40は図2では2個しか示されていないが、特に制限はなく、塗布する基板の色画素数にあわせて設ければよく、より好ましくは基板上にある製品画面の各色の色画素数にあわせるのがよい。さらに加圧口50を封止し、供給口を図示しない濾過装置、定容量型のポンプに接続し、定容量型ポンプによる定容量供給により、吐出口40からペーストを吐出して、基板Aに塗布してもよい。この場合は、マニホールド46を含めたノズル2の内部流路より気泡をすべて排除して定容量型ポンプから定容量供給することが好ましい。ノズル2の内部流路に気泡が残存していると、塗布開始時のペースト48の吐出遅れや、各色画素膜に気泡欠点が生じることがあるためである。なお定容量型のポンプとしては、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、チュービングポンプ、シリンジポンプ、ベロフラム型ポンプ(商品名CTポンプ)等が好適である。
【0028】
次に、ストライプ塗布装置1を用いたRGB各色ペーストのストライプ状の塗布方法について説明する。まず図示しない移載装置によって基板Aを吸着盤4に載置して吸着固定する。次いで高さセンサー14によって基板Aの高さを検知するとともに、CCDカメラ12で2ヶ所設けられているアライメントマーク119A、Bを検知して、基板A上で一列上に配列されているR画素部114Rの列と、ノズル2の下面で一直線上に設けられている吐出口40の列が直角になるように、吸着盤4を回転させる。次いでノズル2で最も原点O側にある吐出口40が、基板Aの最も原点O側にあるR画素部114R上にくるように、吸着盤4をX方向に移動させる。次いでノズル2をY方向に原点Oに向かって移動させ、基板A上の塗布開始部で停止させるとともに、測定した基板Aの高さに応じて、基板Aとノズル2の吐出口面56との間のすきま量LCが所定の値になるようにノズル2をZ方向に下降停止させる。つづいてRペーストを充填したノズル2に、図示しないエアー加圧源からエアーを供給して吐出口40からRペーストを吐出しながら、ノズル2を原点O側とは逆のY方向に移動させる。終点がきたらエアーの供給を停止するとともに、ノズル2をZ方向に上昇させて、塗布を終える。ついでノズル2をY方向に原点O側に復帰させるとともに、ノズル2の吐出口40を今度は、次の塗布すべき基板AのR画素部114Rに来るように、吸着盤4をX方向に移動させる。引き続いて、同様に塗布を行い、所定の領域の塗布が完了したら、吸着盤4の吸着を解除して、基板Aを次の工程に移載する。以下、G、B画素についても、それぞれの専用のノズル塗布装置で同様の塗布をおこなって、基板A上にRGB三色のストライプ状塗布を完成させる。この塗布完了した状態では、図6に示すように、R画素部114RにR色画素膜210R、G画素部114GにG画素膜210G、B画素部114BにB画素膜210B、が形成されている。なおこの塗布完了した状態では、基板Aのブラックマトリックス112の横格子116上には、RGBの各色ペーストが残存しているが、これは乾燥後に研磨工程で除去されることになる。
【0029】
以上の実施態様では、ブラックマトリックス112は、黒色顔料を含有する非感光性の樹脂材料でも、感光性の樹脂材料でも、酸化クロム等の金属材料でもよい。酸化クロム等の金属材料の場合は、スパッタリング等で酸化クロムを付着させる。
【0030】
なお、本発明が適用できる基板の大きさは特に限定されないが、好ましくは対角の長さが400mm〜4000mm、より好ましくは1700〜3700mmである。さらに使用するRGB色画素膜用のペーストは特に限定されないが、ノズルから均一に吐出するためには粘度が1mPas〜1000mPas、より好ましくは2〜30mPasである。この範囲の粘度であれば、各色画素部に塗布されたRGBペーストがレベリングにより表面が平坦化し、平坦な各色画素膜を形成することができる。
さらに使用するRGBペーストの塗布条件としては、塗布速度は0.1m/分〜10m/分、より好ましくは0.5m/分〜6m/分である。さらに基板のブラックマトリックス膜の格子形状は横方向ピッチが好ましくは50〜300μm、より好ましくは100〜200μm、縦方向ピッチが好ましくは100〜500μm、より好ましくは200〜400μm、ブラックマトリックス膜の線幅は好ましくは5〜80μm、より好ましくは10〜40μm、さらにブラックマトリックス膜の厚さは0.05μm〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。ブラックマトリックスの厚さは上記の範囲より薄いと遮光効果がなくなり、逆に厚すぎるとフォトリソ法によって製造する場合精度よく所定形状のパターンが形成できなくなる。また、本発明は格子形状に形成されたブラックマトリックスのみではなく、ストライプ状に形成されたブラックマトリックスにも適用可能であることは勿論である。
【0031】
なおストライプ塗布装置1については、構成を変えて、ノズル2を固定、基板Aを移動させてストライプ状に塗布できるようにしてもよい。またノズル2の吐出口40は円形でなく、スリット形状として幅Lsとなる矩形であってもよい。幅Lsの大きさは、R、G、B画素部の幅より小さいことが望ましく、より好ましくは10μm以上小さくする。このため幅Lsは10〜200μm、より好ましくは40〜80μmとなる。またスリットの幅Lsは、吐出口面56の幅LDよりも、ビードC安定化の点から、少なくとも10μm以上小さいことが好ましい。
【0032】
さらにストライプ塗布装置1に、RGB各々の色画素膜を同時に形成するために、RGB色画素部に対応する位置にノズル2を3本配置して、塗布を行ってもよい。
【0033】
さらにまた、本発明は、図5に示すようにブラックマトリックス上に剥離可能な樹脂層120が形成された基板Bでの色画素部にストライプ状に塗布するのにも適用することができる。この場合、RGBの各色ペーストがストライプ状に基板Aに塗布される過程で、横格子116上の樹脂膜層120の上部にRGBの色画素膜が形成されても、後ほどに剥離によって樹脂膜層120ごと除去することができるので、最終的には図6において、R画素部114RにのみR画素膜210R、G画素部114GにのみG画素膜210G、B画素部114BにのみB画素膜210Bを形成することができる。この結果、研磨工程が不要となる。樹脂膜層120の樹脂膜としては、フォトレジストを塗布して乾燥後露光現像して格子状に形成したものや、乾燥膜をラミネートして露光現像して格子状に形成したものが好適に用いられる。
【0034】
なお格子状に形成されたブラックマトリックス112や、樹脂膜層120には撥水性が付与されていることが好ましい。撥水性が付与されることで塗布液すなわちRGB各色ペーストに対して反撥性が生じることになり、RGB各ペーストがブラックマトリックス112の縦格子118や縦格子118上の樹脂膜層120上に乗り上げても、色画素部の方にRGB各色ペーストが移動し、縦格子118上に乗り上げのない色画素部内の色画素膜形成が可能となる。また横格子116上にRGB各色ペーストも色画素部の方に移動して、横格子116上のRGB各色ペースト残存量が減少する。ブラックマトリックス112や、樹脂膜層120に適度な撥水性が付与されている場合に限り、ビードCの幅LB、すなわち塗布幅を各色画素部の幅よりも10〜20μm大きくしてもよい。撥水性による反発力により、縦格子118上に各色ペーストが塗布されても、色画素部の方に移動するからである。ここで、撥水性を有するとは、水に対する接触角度が70°以上であることを言う。接触角度としては、好ましくは90°以上であり、より好ましくは110°以上である。撥水性を付与する手段としては、ブラックマトリックス112や樹脂膜層120にフッ素やシリコンを含有させることの他、フッ素原子を含むガス雰囲気中でプラズマ照射するプラズマ処理等が好適に用いることができる。
【0035】
なお、ノズル2からRGB各色ペーストを基板Aあるいは基板Bに連続で吐出することが好ましいが、RGBの各色画素部のある範囲でペーストを間欠的に吐出して、断続的なストライプ状塗布を行ってもよい。この場合は、各色画素部にのみ各色色画素膜が形成されることになる。
【実施例】
【0036】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
360×465mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を洗浄装置に投入した。ウェット洗浄によって基板上のパーティクルを除去後、ダイコータでブラックマトリックス材を10μm基板全面に塗布した。ブラックマトリックス材には、遮光材にチタン酸窒化物、バインダーにポリアミック酸、溶剤にγ−ブチロラクトンを使用し、固形分濃度9.6%、粘度17.5mPasに調整したペーストを用いた。塗布後、ホットプレートを使用した乾燥装置で、130℃で20分乾燥し、厚さ1μmのブラックマトリックス膜を得た。
【0037】
そしてその上に、固形分濃度20.5%、粘度8mPasに調整したレジスト液を、これもダイコータで146μm基板全面に塗布した。90℃に加熱したホットプレートで10分乾燥後、1μmのブラックマトリックス材の上に3μmの乾燥レジスト膜を形成した。次に露光、現像処理を行って、基板の幅方向にピッチが110μmで1921本、基板の長手方向にピッチが330μm481本、線幅が30μmとなる格子形状をブラックマトリックス膜と乾燥レジスト膜を積層した状態で、対角が10.4インチの大きさとなる基板上領域2ヶ所に形成した。
【0038】
つづいて、RGBペーストを、順番に、ノズル2を使って、基板内に2ヶ所ある対角10.4インチの領域内のRGB各色の画素部に、厚さ20μmで基板長手方向にそれぞれストライプ状に速度100mm/sで塗布した。使用したノズル2の吐出口40は、直径が50μmで吐出方向の長さが100μmの孔で、ピッチ330μmで64個配置されたものであった。またこのノズル2の吐出口面56はLD=70μm(ノズル長手方向)、塗布方向に1mmの矩形形状で、吐出口面56と下板42間の距離である突出量Laは150μm、平面である斜面60の水平線となす角度θは60°であった。さらに塗布時の吐出口面56と基板Aとの間のすきま量LCは150μmで、ストライプ状の色画素膜の幅は70μmであり、幅80μmの色画素内に問題なく塗布することができた。対角10.4インチの領域内の色画素部全てを各色ペーストでストライプ状に塗布するために、各色でノズルをそれぞれ10回づつ往復させた。ここで、Rペーストには、ポリアミック酸をバインダー、γ−ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンと3-メチル-3-メトキシブタノールの混合物を溶媒(以下溶媒Aと呼称)、ピグメントレッド177を顔料、に用いて混合し、固形分濃度10%、粘度を10mPasに調整したものを用い、さらにGペーストにはRペーストの組成中、顔料をピグメントグリーン36にして、固形分濃度10%、粘度を11mPasに調整したもの、BペーストにはRペーストの組成中、顔料をピグメントブルー15にして、固形分濃度を10%、粘度を12mPasに調整したものを用いた。色画素部を囲むブラックマトリックス材と乾燥レジスト膜の積層膜の厚さが4μmあり、隣の色画素部に侵入することなく均一に画素部にストライプ状に塗布することができた。
【0039】
これを100℃のホットプレートで20分乾燥後、剥離装置で溶剤を使用して乾燥レジスト膜とその上に存在するRGBペーストを除去し、ブラックマトリックス膜1μmと、格子状のブラックマトリックスに囲まれた色画素部内に厚さ2μmのRGB色画素膜をえた。続いて基板を260℃のホットプレートで30分加熱してキュアした後、塗布により高さ5μmの柱部を形成するとともに、ITOをスパッタリングで付着させ、カラーフィルターを作成した。得られたカラーフィルターは、混色がなく、色度も基板全面にわたって均一で、品質的に申し分ないものであった。
【0040】
さらに、このカラーフィルターをTFTアレイを形成した基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化させた。このセルに液晶注入を行った後、紫外線硬化樹脂により液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラス基板の外側に貼り付け、さらに、得られたセルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。得られた液晶表示装置は混色がなく、色度も基板全面に渡って、均一で品質的に申し分ないものであった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】RGBペーストを本発明にかかるノズル2でストライプ状に塗布するストライプ塗布装置の一実施態様の斜視図である。
【図2】図1のノズル2による塗布状況を示す正面断面図である。
【図3】従来のノズルによる塗布状況を示す正面断面図である。
【図4】ブラックマトリックスが格子状に形成された基板Aの平面図と正面断面図である。
【図5】図4のブラックマトリックス上に剥離可能な樹脂膜層が積層された基板Bの平面図と正面断面図である。
【図6】図4に示す基板に本発明にかかる製造方法で色画素膜を形成したカラーフィルターの一実施態様の平面図と正面断面図である。
【図7】ノズル柱状形状吐出の時の塗布状況を示す塗布方向を含む断面図と塗布方向から見た断面図である。
【図8】ノズルでビード塗布を行う時の塗布状況を示す塗布方向を含む断面図と塗布方向から見た断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 :ストライプ塗布装置
2 :ノズル
4 :吸着盤
6 :リニア駆動装置
8 :ブラケット
10 :リニア駆動装置
12 :CCDカメラ
14 :高さセンサー
16 :XYZステージ
40 :吐出口
42 :下板
44 :本体
46 :マニホールド
48 :ペースト
50 :加圧口
52 :供給口
54 :突出部
56 :吐出口面
58 :エッジ部
60 :傾斜部
102:ノズル
104:吐出口面
110:ガラス基板
112:ブラックマトリックス
114R:R画素部
114G:G画素部
114B:B画素部
116:横格子
118:縦格子
119A、B:アライメントマーク
120:樹脂膜層
210R:R画素膜
210G:G画素膜
210B:B画素膜
300:ノズル
302:ノズル孔
304:基板
306:塗布液
308:吐出口面
310:
A:基板
B:基板
C:ビード
H1:ブラックマトリックス112の厚さ
H2:樹脂膜層120の厚さ
La:突出量
LB:ビードCの幅(塗布幅)
LC:すきま量
Lco:塗布幅
LD:吐出口面56の幅
WR、WG、WB:R、G、B画素部の幅
θ:ペースト48の吐出方向を基準とした傾斜部60となす角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に配列された複数の吐出口を有するノズルであって、各々の吐出口の出口周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を有していることを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記突出部には、突出している吐出口面に連なって、塗布液吐出方向に対して傾斜部を含むことを特徴とする請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記突出部の突出量Laは0.02〜1mm、かつ傾斜部の角度θは0〜85度であることを特徴とする請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
請求項1〜3に記載のノズルと、該ノズルに定量の塗布液を供給する手段を含む塗布液供給手段と、被塗布部材を保持する載置台と、前記塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルの突出部と被塗布部材の両方に接触するビードを形成する位置まで前記ノズルを被塗布部材に近接させる近接手段と、前記ノズルの吐出口を被塗布部材上の任意の場所に位置あわせをする位置合わせ手段と、を備えてストライプ状塗布膜を形成することを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項4に記載の塗布装置を少なくとも備えて、ブラックマトリックスまたは上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックスがパターン状に配列された被塗布部材の、ブラックマトリックス間または上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックス間に配置された色画素部に、前記位置合わせ手段で前記ノズルの吐出口を位置合わせをし、色画素膜液をノズルより吐出してストライプ状に前記色画素部に色画素膜を形成してカラーフィルターを製造することを特徴とするカラーフィルターの製造装置。
【請求項6】
請求項1〜3に記載のノズルを被塗布部材に近接させ、塗布液供給装置から前記ノズルに塗布液を供給して前記ノズルの複数の吐出口から塗布液を吐出して、前記ノズルの突出部と被塗布部材の両方に接触するビードを形成するとともに、被塗布部材の前記ノズルに対する相対移動を行って、被塗布部材上にストライプ状塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法。
【請求項7】
請求項6に記載の塗布方法を用いて、ブラックマトリックスまたは上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックスがパターン状に配列された被塗布部材の、ブラックマトリックス間または上部に樹脂膜層を有するブラックマトリックス間に配置された色画素部に、色画素膜液をノズルより吐出してストライプ状に色画素膜を形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【請求項8】
前記ブラックマトリックスまたはブラックマトリックス上部に形成される樹脂膜が撥水性を有するものであることを特徴とする請求項7に記載のカラーフィルターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−187948(P2007−187948A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7006(P2006−7006)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】