説明

バウンドストッパ

【課題】ゴム弾性体を取付金具に対し容易に脱着可能となし、尚且つ取付金具に対するゴム弾性体の固定強度を高強度となし得るバウンドストッパを提供する。
【解決手段】カップ状の取付金具12とゴム弾性体14とを有するバウンドストッパ10において、ゴム弾性体14と取付金具12とを別体に構成し、ゴム弾性体14の基部36を取付金具12に内嵌状態に嵌合させた上、ゴム弾性体14に設けた挟持部46を固定ボルト48の締込みにより押圧プレート50と取付金具12の底部16とで挟持し、ゴム弾性体14を取付金具12に抜止状態に非接着で固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車のサスペンションアームやリーフスプリング等車輪とともに上下動する上下動部材の、車体側への過度の変位を規制する緩衝部材としてのバウンドストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においては走行中路面の凹凸等による車輪の大きな上下動により、サスペンションアームやリーフスプリング等のサスペンション装置の一部、即ち車輪とともに上下動する部材が車体側に過度に変位し、車体側に当って衝撃を直接車体に伝えてしまうのを防ぐために、緩衝部材としてのバウンドストッパをサスペンション装置側或いは車体側に取り付けることが行われている。
【0003】
このバウンドストッパはゴム弾性体を主要素として有しており、サスペンション装置における上記の上下動部材が車体側に大きく変位したときに、ゴム弾性体が弾性変形することで衝撃を緩和し、また上下動部材の過度の車体側への変位を規制する。
【0004】
ところでトラック,バス等は車両の寿命が長く、これらトラック,バス等に使用されるバウンドストッパは車両が寿命に到る途中で交換されることが多い。
下記特許文献1にも開示されているように、従来かかるバウンドストッパは、ゴム弾性体と取付金具とが加硫接着された一体構造のものであり、この場合、ゴム弾性体だけが破損した場合であっても、或いはまたゴム弾性体が長期の使用によりへたりを生じたりしてストッパ特性が劣化し、その交換が必要となった場合であっても、取付金具ごと交換する必要があり、コスト高となっていた。
【0005】
またゴム弾性体と取付金具とが加硫接着にて一体化されているため、廃却品を処分するに際してゴム弾性体と取付金具とを分別することができず、取付金具を再使用しようとしてもリサイクル使用が実質的にできない問題があった。
近年環境問題が重視されており、再使用可能な取付金具についてはゴム弾性体から分離して、これをリサイクル使用できるようにすることが望ましい。
【0006】
更にまた、加硫接着によりゴム弾性体と取付金具とを一体化した従来のバウンドストッパの場合、ストッパ特性を変更する必要が生じたとき、取付金具ごと取り換えなければならないといった問題があった。
こうしたことから、ゴム弾性体を取付金具に対して容易に脱着できるようにしておくことが望ましい。
【0007】
因みに、下記特許文献2にはゴム弾性体から成るストッパ本体を、カップ状金具から成る取付金具に圧入により組み付けるようになしたバウンドストッパが開示されている。
また下記特許文献3には、弾性体から成るバンパスプリング本体10を、基端部においてカップ状の金具から成る取付金具に圧入固定するようになしたバンパスプリングが開示されている。
【0008】
これら特許文献2,特許文献3に開示のものでは、弾性体が取付金具に対し圧入にて組み付けられているため、弾性体を取付金具に対し単独で脱着することが可能である。
しかしながらこれら特許文献2,特許文献3に開示のものは、ストッパ作用の主体を成す弾性体が取付金具に対し、単に圧入のみにて固定してあるため、弾性体の取付金具に対する固定強度が弱いと言った問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2002−188672号公報
【特許文献2】特開平9−300931号公報
【特許文献3】特開2000−161419号公報
【特許文献4】特開平9−300931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上のような事情を背景とし、ゴム弾性体を取付金具に対して容易に脱着可能、即ちそれらを互いに分別することが可能で、尚且つ取付金具に対するゴム弾性体の固定強度を高強度となし得るバウンドストッパを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して請求項1のものは、底部と該底部の外周端部から立ち上がる環状の周壁部とを備え、該底部において車輪側の上下動部材と車体側との一方に取り付けられるカップ状の取付金具に対してストッパ作用の主体をなすゴム弾性体を、他方への当り部を該取付金具から突出させ、該当り部とは反対側の基部を該取付金具に収容する状態に結合して成り、前記上下動部材の前記車体側への過度の変位を規制する緩衝部材としてのバウンドストッパにおいて、前記ゴム弾性体と前記取付金具とを別体に構成し、該ゴム弾性体の前記基部を該取付金具に内嵌状態に嵌合させた上、固定ボルトにて該ゴム弾性体を該取付金具に抜止状態に非接着で固定することにより、該ゴム弾性体と該取付金具とを組み付けてあることを特徴とする。
【0012】
請求項2のものは、請求項1において、前記ゴム弾性体が中心部に軸線方向の貫通穴を有する筒形状となしてあって、該ゴム弾性体が前記基部の外周部で前記取付金具の周壁部に嵌合させてあり、該ゴム弾性体には、該取付金具の前記底部に着座する着座部の内周側に、前記固定ボルトにて該固定ボルトの締込方向に押圧される挟持部が所定肉厚で設けてあり、前記貫通穴に挿入した前記固定ボルトにより該挟持部を押圧プレートと前記取付金具の底部とで前記軸線方向に圧縮し挟持する状態に、前記ゴム弾性体と該取付金具とが該固定ボルトにより固定してあることを特徴とする。
【0013】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記取付金具には、前記ゴム弾性体の前記挟持部の内周側で前記底部から前記軸線方向に且つ該挟持部の肉厚よりも低い高さで立ち上がる締込規制部が設けてあり、該締込規制部にて前記固定ボルトの締込量を規定していることを特徴とする。
【0014】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記固定ボルトが前記ゴム弾性体及び前記取付金具を前記上下動部材と前記車体側との前記一方に締結固定する締結ボルトであることを特徴とする。
【0015】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記取付金具には該取付金具を前記ゴム弾性体とは別に単独で前記一方に締結する締結ボルトが設けてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0016】
以上のように本発明は、カップ状の取付金具とゴム弾性体とを有するバウンドストッパにおいて、ゴム弾性体と取付金具とを別体に構成し、ゴム弾性体の基部を取付金具に内嵌状態に嵌合させた上、固定ボルトにてゴム弾性体を取付金具に抜止状態に非接着で固定し、以ってバウンドストッパを構成するようになしたもので、かかる本発明によれば、バウンドストッパをトラックやバス等に用いた場合において、車両が寿命に到る途中にバウンドストッパのゴム弾性体が損傷したり、或いはゴム弾性体の長期使用による劣化やへたり等によってストッパ特性が劣化し、その交換が必要となった場合において、ゴム弾性体のみを交換することが可能となり、交換のための所要コストを低減することができる。
【0017】
またバウンドストッパを廃却処分するに際しても、ゴム弾性体と取付金具とを容易に分別することができ、取付金具をリサイクル使用することが可能となる。
またゴム弾性体のストッパ特性を変更する必要が生じた場合において、ゴム弾性体を換えることで容易にストッパ特性を変更することが可能となる。
【0018】
本発明では、ゴム弾性体を中心部に軸線方向の貫通穴を有する筒形状となして、ゴム弾性体を基部の外周部で取付金具の周壁部に嵌合するようになし、更にゴム弾性体には、取付金具の底部に着座する着座部の内周側に、固定ボルトにて締込方向に押圧される挟持部を所定肉厚で設けておき、貫通穴に挿入した固定ボルトにてその挟持部を、押圧プレートと取付金具の底部とで上記の軸線方向に圧縮し挟持する状態に、ゴム弾性体を取付金具に固定するようになすことができる(請求項2)。
【0019】
このようにすることで、ゴム弾性体を容易に且つ簡単な構造で取付金具に固定することができる。
この場合において、取付金具にはゴム弾性体の上記挟持部の内周側で底部から軸線方向に且つ挟持部の肉厚よりも低い高さで立ち上がる締込規制部を設けておき、その締込規制部のストッパ作用にて固定ボルトの締込量を規定するようになしておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、挟持部を設定した締代で押圧プレートと取付金具の底部とで挟み込むことができ、ゴム弾性体を確実に設定した固定強度で取付金具に固定することができる。
【0020】
また固定ボルトの締め込み過ぎによりゴム弾性体が、詳しくは挟持部が破損してしまって固定が不良となったり、或いは固定強度が却って低下してしまったりする不具合を回避することができる。
また固定ボルトを締め込むときのトルク管理を厳密にしなくても良く、ひいては組付作業を容易化することができる。
【0021】
ここで上記の締込規制部は全周に亘り筒状に形成しておくことができる。
また押圧プレートは上記の固定ボルトと一体に構成しておくこともできるし、或いはまた別体に構成しておくこともできる。
【0022】
本発明では、ゴム弾性体及び取付金具を車輪側の上下動部材と車体側との一方の取付相手に締結固定する締結ボルトを上記の固定ボルトとして用いることができる(請求項4)。
このようにすれば、必要なボルト数を少なくすることができ、またバウンドストッパの構造をより簡単化することができる。
【0023】
一方で取付金具には、これを単独で前記の取付相手に締結する締結ボルトを設けておくことができる(請求項5)。
このようにすれば、取付金具を締結ボルトにて相手部材に取り付けた状態のまま、ゴム弾性体を単独で取付金具から取り外し、また別のゴム弾性体をその取付金具に固定ボルトにて固定し、組み付けることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はバウンドストッパで、取付金具12とゴム弾性体14とを有している。
ここでゴム弾性体14は、取付金具12とは別体に構成してあり、取付金具12に対して非接着で固定され、組み付けられている。
取付金具12は、図2にも示しているように平面形状が円形の底部16と、底部16の外周端から図中上向きに直角に立ち上る円環状の周壁部18とを有するカップ状をなしている。
【0025】
周壁部18は、上端部が径方向外向きに湾曲形状で開く形状のフランジ部20とされ、また底部16の中央には円形の開口22が設けられている。そしてその開口22と周壁部18との間において、底部16に取付金具12用の締結ボルト24が図中下向きに固設されている。
取付金具12はこの締結ボルト24にてサスペンション装置の一部、即ち車輪とともに上下動する上下動部材又は車体側の一方の取付相手26に締結固定される。
【0026】
底部16には貫通の取付孔28が設けられており、締結ボルト24がセレーション部30を取付孔28の内面に食い込ませる状態に図中下向きに圧入され、底部16に固定されている。
これら一対の締結ボルト24は、底部16の上側に大径の頭部32を有しており、これに対応してゴム弾性体14にはこの頭部32を収容する凹部34が設けられている。
【0027】
ゴム弾性体14は、取付金具12の内部に収容される図中下側の基部36と、取付金具12から図中上方に突出したストッパ作用部38とを有している。
基部36は外周形状が円形状をなしており、その外周部において取付金具12の周壁部18の内部に所定の圧入代をもって内嵌状態に嵌合されている。
ここで基部36は、図2に示しているように図中上下方向、即ち軸線方向に外径寸法が同径とされている。
一方取付金具12から図中上方に突出したストッパ作用部38は、その外周形状が図中上端の当り部40に向って軸線方向に進むにつれ、外径が漸次小径化するテーパ形状をなしている。
【0028】
ゴム弾性体14は、中心部に図中上下方向即ち軸線方向の貫通穴42を有する円筒形状をなしている。
このゴム弾性体14には、取付金具12の底部16に着座する着座部44の内周側に、径方向内方に環状に突出した挟持部46が所定肉厚で設けてある。
【0029】
ゴム弾性体14は、貫通穴42内に図中上方から下向きに挿入された固定ボルト48による図中下方への締込みにより、挟持部46が押圧プレート50と取付金具12の底部16とにより図中上下方向に圧縮挟持される状態に、取付金具12に固定されている。
この実施形態では、固定ボルト48が締結ボルトを兼用しており、かかる固定ボルト48が取付相手26にねじ込まれるようになっている。
【0030】
挟持部46は、この固定ボルト48の図中下向きのねじ込みにより、所定の締代をもって圧縮された状態で押圧プレート50と取付金具12の底部16とにより挟持されている。
ここで固定ボルト48は、六角形状の頭部51を有している。頭部51と貫通穴42の内面との間には所定の工具掛け用のスペースが確保されている。
また押圧プレート50は、固定ボルト48の頭部51に一体に構成されている。
【0031】
この押圧プレート50は頭部51よりも大径で、貫通穴42の内径とほぼ同等径ないしは僅かに小径とされており、挟持部46の全体を図中下向きに押圧可能である。
尚、挟持部46の付根部にはくびれ部52が設けてあり、挟持部46を上下方向に圧縮したときに容易にこれを圧縮できるようになしてあるとともに、その圧縮によって付根部分に大きな歪みが発生しないようになしてある。
【0032】
上記取付金具12には、ゴム弾性体14における上記挟持部46の内周側で、底部16から図中上向きに立ち上る円筒形状の締込規制部54が設けてあり、この締込規制部54にて固定ボルト48の締込量が規定されている。
【0033】
ここで締込規制部54は、組付前の形状においてゴム弾性体14の挟持部46の肉厚よりも低い高さで上向きに立ち上っており、従って固定ボルト48を締め込んで押圧プレート50を締込規制部54に当接させたとき、挟持部46は上下方向に所定量圧縮された状態となる。即ち挟持部46は、図1の組付状態で押圧プレート50と取付金具12の底部16とにより、図中上下方向に圧縮された状態で挟持されている。
【0034】
本実施形態のバウンドストッパ10は、図2に示しているように締結ボルト24にて取付金具12を取付相手26に予め取り付けた状態としておき、その状態でゴム弾性体14の基部36を取付金具12の内部に所定の圧入代をもって嵌入させ、しかる後固定ボルト48をゴム弾性体14の貫通穴12に図中上方から下向きに挿入し、更にこれを取付金具12の中心部の開口22を通じて取付相手26にねじ込むことで、ゴム弾性体14を取付金具12に固定することができ、且つ同時にゴム弾性体14を取付金具12を介して取付相手26に固定することができる。
また一方、ゴム弾性体14を取り外す必要が生じたとき、取付金具12を取付相手26に組み付けたまま、固定ボルト48を外すことによってゴム弾性体14を単独で取付金具12から取り外すことができる。
【0035】
以上のような本実施形態によれば、バウンドストッパ10をトラックやバス等に用いた場合において、車両が寿命に到る途中でバウンドストッパ10のゴム弾性体14が損傷したり、或いはゴム弾性体14の長期使用による劣化やへたり等によってストッパ特性が劣化し、その交換が必要となった場合において、ゴム弾性体14のみを交換することが可能となり、交換のための所要コストを低減することができる。
【0036】
またバウンドストッパ10を廃却処分するに際しても、ゴム弾性体14と取付金具12とを容易に分別することができ、取付金具12をリサイクル使用することが可能となる。
またゴム弾性体14のストッパ特性を変更する必要が生じた場合において、ゴム弾性体14を換えることで容易にストッパ特性を変更することが可能となる。
【0037】
本実施形態では、ゴム弾性体14の取付金具12の底部16への着座部44の内周側に、挟持部46を所定肉厚で設け、貫通穴42に挿入した固定ボルト48にてその挟持部46を、押圧プレート50と取付金具12の底部16とで圧縮し挟持する状態に、ゴム弾性体14を取付金具12に固定するようになしており、このようにすることで、ゴム弾性体14を容易に且つ簡単な構造で取付金具12に固定することができる。
【0038】
また取付金具12には挟持部46の内周側で底部16から立ち上がる締込規制部54を設け、締込規制部54のストッパ作用で固定ボルト48の締込量を規定するようになしていることから、挟持部46を設定した締代で押圧プレート50と取付金具12の底部16とで挟み込むことができ、ゴム弾性体14を確実に設定した固定強度で取付金具12に固定することができる。
【0039】
また固定ボルト48の締め込み過ぎによりゴム弾性体14が、詳しくは挟持部46が破損してしまって固定が不良となったり、或いは固定強度が却って低下してしまったりする不具合を回避することができる。
また固定ボルト48を締め込むときのトルク管理を厳密にしなくても良く、ひいては組付作業を容易化することができる。
【0040】
本実施形態では、ゴム弾性体14及び取付金具12を取付相手26に締結固定する締結ボルトを固定ボルト48として用いており、このようにすることで必要なボルト数を少なくでき、またバウンドストッパ10の構造を簡単化することができる。
【0041】
また一方で取付金具12にはこれを単独で取付相手26に締結する締結ボルト48が設けてあり、このようにすることで、取付金具12を締結ボルト48にて取付相手26に取り付けた状態のまま、ゴム弾性体14のみを単独で取付金具12から取り外し、また別のゴム弾性体14を取付金具12に固定ボルト48にて固定し、組み付けることができる。
【0042】
図3及び図4は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、図1の取付金具12と同様の形状を有するカップ金具12Aと、プレート金具12Bとで取付金具12を構成した例である。
ここでプレート金具12Bは、カップ金具12Aから図中左右方向に延出しており、その延出部に貫通の取付孔56が設けられており、これら取付孔56に締結ボルトを挿通し取付相手26にねじ込むことで、取付金具12即ちバウンドストッパ10を取付相手26に組み付けるようになしてある。
ここでカップ金具12Aとプレート金具12Bとは溶接により接合してある。
尚、他の点については上記第1の実施形態と同様である。
【0043】
上記図1及び図2の実施形態では、取付金具12を締結ボルト24にて取付相手26に固定した後に、ゴム弾性体14を取付金具12に組み付けることとなるが、この図3及び図4の実施形態では、取付金具12に対してゴム弾性体14を予め嵌合させておき、その状態で固定ボルト48をねじ込むことによって、ゴム弾性体14を取付金具12に固定することができる。
またその固定ボルト48を取付相手26にねじ込み、更にまた取付孔56において締結ボルトを取付相手26にねじ込むことで、バウンドストッパ10を取付相手26に組み付けることができる。
【0044】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態ではゴム弾性体14を取付金具12に固定するための固定ボルト48が、同時に取付相手26にねじ込まれる締結ボルトを兼ねているが、場合によって固定ボルトに締結ボルトを兼用させず、単にゴム弾性体と取付金具とを固定するだけのものとしておくことも可能である。またゴム弾性体の中心部以外の他の個所で固定ボルトによりゴム弾性体と取付金具とを固定するようになすことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態のバウンドストッパの平面図及び断面図である。
【図2】図1のバウンドストッパを組付前の状態で示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態のバウンドストッパの図である。
【図4】図3のバウンドストッパを組付前の状態で示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 バウンドストッパ
12 取付金具
14 ゴム弾性体
16 底部
18 周壁部
24 締結ボルト
26 取付相手
36 基部
40 当り部
42 貫通穴
44 着座部
46 挟持部
48 固定ボルト
50 押圧プレート
54 締込規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と該底部の外周端部から立ち上がる環状の周壁部とを備え、該底部において車輪側の上下動部材と車体側との一方に取り付けられるカップ状の取付金具に対してストッパ作用の主体をなすゴム弾性体を、他方への当り部を該取付金具から突出させ、該当り部とは反対側の基部を該取付金具に収容する状態に結合して成り、前記上下動部材の前記車体側への過度の変位を規制する緩衝部材としてのバウンドストッパにおいて、
前記ゴム弾性体と前記取付金具とを別体に構成し、該ゴム弾性体の前記基部を該取付金具に内嵌状態に嵌合させた上、固定ボルトにて該ゴム弾性体を該取付金具に抜止状態に非接着で固定することにより、該ゴム弾性体と該取付金具とを組み付けてあることを特徴とするバウンドストッパ。
【請求項2】
請求項1において、前記ゴム弾性体が中心部に軸線方向の貫通穴を有する筒形状となしてあって、該ゴム弾性体が前記基部の外周部で前記取付金具の周壁部に嵌合させてあり
該ゴム弾性体には、該取付金具の前記底部に着座する着座部の内周側に、前記固定ボルトにて該固定ボルトの締込方向に押圧される挟持部が所定肉厚で設けてあり、前記貫通穴に挿入した前記固定ボルトにより該挟持部を押圧プレートと前記取付金具の底部とで前記軸線方向に圧縮し挟持する状態に、前記ゴム弾性体と該取付金具とが該固定ボルトにより固定してあることを特徴とするバウンドストッパ。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記取付金具には、前記ゴム弾性体の前記挟持部の内周側で前記底部から前記軸線方向に且つ該挟持部の肉厚よりも低い高さで立ち上がる締込規制部が設けてあり、該締込規制部にて前記固定ボルトの締込量を規定していることを特徴とするバウンドストッパ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記固定ボルトが前記ゴム弾性体及び前記取付金具を前記上下動部材と前記車体側との前記一方に締結固定する締結ボルトであることを特徴とするバウンドストッパ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記取付金具には該取付金具を前記ゴム弾性体とは別に単独で前記一方に締結する締結ボルトが設けてあることを特徴とするバウンドストッパ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−216177(P2009−216177A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60309(P2008−60309)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】