説明

バックアップピンのセッティング作業用治具、基板支持装置、表面実装機、クリーム半田印刷装置、基板検査装置及びバックアップピンのセッティング方法

【課題】バックアップピンの付け替え作業(セッティング作業)について従来と同程度の作業性を確保しつつ、基板支持装置、表面実装機、印刷装置、基板検査装置などの装置構成を簡素化することを目的とする。
【解決手段】本実施形態のものは、バックアップピンBPの段取り替え作業を、ピンホルダベースHBと、これと対をなす治具ベースGBとを使用して行うようにした。バックアップピンBPの段取り替え作業、それ自体は、各実装機Z内において行われるが、両ベースHB、GBのうちの、治具ベースGBについてはコンベア60を用いて実装機内へ送り込み、段取り替え作業が完了した後には、これを機外へ搬出するようにした。このような方法であれば、各実装機それ自体に治具ベースGBを設けておく必要がなく、実装機の構成を簡素化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップピンのセッティング作業用治具、基板支持装置、表面実装機、クリーム半田印刷装置、基板検査装置及びバックアップピンのセッティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部品吸着用の吸着ヘッドを有するヘッドユニットを直角座標ロボットにより移動させながらIC等の電子部品を部品供給部から吸着し、この部品を所定の作業位置に位置決めされているプリント基板上に移送して実装するようにした表面実装機(以下、実装機と略す)は一般に知られている。
【0003】
この種の実装機ではプリント基板の撓みを防止すべく基板支持装置を備えている。基板支持装置は、ベース上にバックアップピンと称するピン部材を備えたものであり、基板の下方に位置してバックアップピンによりプリント基板の特定のポイントを支えることで基板を支持している。
【0004】
ところで、バックアップピンを用いてプリント基板を支える場合、そのポイントはプリント基板の大きさや種類、裏面(ピンの支持面)に実装される部品のパターンに応じて異なるため、プリント基板の種類の変更に応じてピン配置を変更する必要がある。そのため、従来では、必要に応じて作業者が、基板の近傍に配設されたバックアップピンの保管場所からバックアップピンを一本ずつ抜き取り、ベースの所定穴位置に一本ずつ手作業で挿入していた。
【0005】
しかし、バックアップピンの交換作業を一本ずつ手作業で行うのは作業効率が悪く、これを、改善することを目的とした技術が、下記特許文献1において、開示されている。
【0006】
このものは、保持部材を有する交換プレートを用いてバックアップピンの交換作業を行うようにしている。保持部材は形状記憶合金からなり、ヒータに対する通電操作によって温度変化を受けると、貫通孔の孔径が変化する。交換プレートには、係る保持部材が複数設けられている。
【0007】
以上のことから、例えば、バックアップピンの保管場所からバックアップピンを3本選択したい場合には、3本のバックアッピンに対応する保持部材のヒータに同様の通電操作を行うことで、3本のバックアップピンを一括保持出来る。従って、バックアップピンの保管場所からホルダベースにバックアップピンを運ぶ作業を、一度で終えることが可能となる。
【0008】
なお、上記基板支持装置によって基板を支えることは、表面実装機の他、印刷装置、接着剤塗布装置、部品組立機、基板検査装置などにも応用されている。
【特許文献1】特開平8−148898公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の構成であれば、バックアップピンを一本ずつ抜き取り、ベースの所定穴位置に一本ずつ手作業で挿入する必要はなくなるが、交換ベースに設けられる保持部材のそれぞれにヒータを専用に設ける必要があるので、交換ベース、並びにこれを搭載する基板支持装置、ひいては表面実装機などの構成が極めて煩雑になる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、バックアップピンの付け替え作業(セッティング作業)について従来と同程度の作業性を確保しつつ、基板支持装置、表面実装機、印刷装置、基板検査装置などの装置構成を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係るバックアップピンのセッティング方法は、複数のバックアップピンを初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースを、基板搬送用のコンベアの下部領域に予め設置させておくとともに、元は同じ初期位置にあった前記複数のバックアップピンのうちの、一部又は全てのバックアップピンを、前記基板支持位置まで位置変位させ前記ピンホルダベース上に保持させるバックアップピンのセッティング方法であって、前記バックアップピンを選択的に仮保持可能な仮保持手段を有する治具を、前記コンベアを用いて前記ピンホルダベースの上方まで搬送させ、前記ピンホルダベースの上方位置で位置決めする位置決め工程と、前記ピンホルダベースを前記治具に向けて上昇させ、前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段に接触させることで、前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段により仮保持させる仮保持工程と、前記一部又は全てのバックアップピンの仮保持状態を維持しつつ、前記治具或いは前記ピンホルダベースの少なくともいずれか一方を、前記治具と前記ピンホルダベースが互いに離間するように再昇降させることで、前記仮保持手段によって仮保持された一部又は全てのバックアップピンを前記初期位置から前記基板支持位置に位置変位させる位置変位工程と、前記基板支持位置に変位し、かつ仮保持状態にある前記一部又は全てのバックアップピンを前記ピンホルダベース上に本保持する本保持工程と、前記ピンホルダベース上に本保持された前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段から切り離す切離工程とを行って、バックアップピンのセッティングを行うところに特徴を有する。
【0011】
上記目的を達成するための手段として、請求項2に係るバックアップピンのセッティング作業用治具は、複数のバックアップピンを初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースを、基板搬送用のコンベアの下部領域に予め設置させておくとともに、元は同じ初期位置にあった前記複数のバックアップピンのうちの、一部又は全てのバックアップピンを、前記基板支持位置まで位置変位させ前記ピンホルダベース上に保持させるバックアップピンのセッティング作業に使用されるバックアップピンのセッティング作業用治具であって、前記コンベアを用いて搬送可能な板状をなすとともに、前記バックアップピンが接触するか、或いは少なくとも接近状態になったときに同バックアップピンを仮保持可能な仮保持手段を有するところに特徴を有する。
【0012】
本発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・バックアップピンを磁力により仮保持させるようにする。バックアップピンの仮保持は、仮保持状態を簡単に解除できるものが好ましい。この点、磁力であれば、磁力に抗した力で引き離せば仮保持を比較的簡単に解除でき、仮保持手段として最適である。
・治具上に、ピンホルダベース側のバックアップピンに対応して複数の受け部を形成させ、これら複数の受け部に仮保持手段を選択的に装着させる構成とする。そして、仮保持手段を受け部に対して取り外し可能な構成とする。このような構成であれば、治具に装着する仮保持手段の配列を任意に選択できる。従って、基板の種別に対応して個々に治具を設ける必要がなく、複数種の基板について治具を共通使用できる。
【0013】
上記目的を達成するための手段として、請求項6に係る基板支持装置は、複数のバックアップピンを、初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースと、前記ピンホルダベースが載置される載置テーブルと、前記載置テーブルを昇降させる昇降装置と、前記バックアップピンのうち前記基板支持位置に位置するバックアップピンに係止して、当該バックアップピンを前記基板支持位置に保持する保持装置とからなるところに特徴を有する。
【0014】
本発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・保持装置は、複数のバックアップピンに対応して複数の保持部を備えた水平板状をなすロック部材と、前記ロック部材を、基板支持位置にある複数のバックアップピンを一括保持する保持位置と、保持を一括して解除させる解除位置との間で水平移動させる駆動装置と、から構成させる。このような構成であれば、各バックアップピンを個別に保持する保持形成のものに比べて、保持装置を部品点数少なく構成できる。
・ピンホルダベースについては、間にロック部材を水平移動可能に介挿させつつ、2つの支持体を上下に重ねた構成とする。このような構成であれば、2つの支持体が、ロック部材の水平移動を案内するガイドとして機能する。従って、ロック部材の水平移動を案内するガイド機能をそれ専用の部品によって構成する場合に比べて、装置を簡素化できる。
【0015】
上記目的を達成するための手段として、請求項9に係る表面実装機は、請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置したところに特徴を有する。
【0016】
本発明の実施態様として、以下の形態とすることが好ましい。
・複数の表面実装機がコンベアによって直列的に接続され、基板がコンベアによって各表面実装機に順々に送られるものにおいて、ピンホルダベースを、各表面実装機のそれぞれに配置する一方、治具を基板搬送方向の上流側に位置する表面実装機から下流側の表面実装機に、コンベアを用いて順々に送るようにする。このようにすれば、各表面実装機においてバックアップピンのセッティング作業を共通の治具により行うことが出来る。そのため、各表面実装機に対応してそれぞれ専用に治具を設ける場合に比べて、コスト面、管理面についてメリットがある。
【0017】
上記目的を達成するための手段として、請求項10に係るクリーム半田印刷装置は、請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置したところに特徴を有する。
【0018】
上記目的を達成するための手段として、請求項11に係る基板検査装置は、請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置したところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明(バックアップピンのセッティング作業用治具、基板支持装置、表面実装機、クリーム半田印刷装置、基板検査装置及びバックアップピンのセッティング方法)によれば、バックアップピンのセッティング作業を、治具と、同治具と対をなすピンホルダベースを備えた基板支持装置を使用して行うようにした。そして、治具についてはコンベアを用いて搬送させることとし、基板支持装置とは別体の構成とした。このような構成であれば、基板支持装置、表面実装機、クリーム半田印刷装置、基板検査装置それ自体に治具を設けておく必要がなく、これら各装置の構成を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の理解の助けとするために、実施形態の説明に先立って本発明を端的に表した例を、図1ないし図3を参照して簡単に説明し、その後、具体的構成を説明する。
【0021】
図1に示す符号Z1、Z2、Z3は表面実装機(以下、実装機Zとよぶ)である。これら各実装機Z1〜Z3はコンベア60によって渡されており、上流の実装機Z1から下流の実装機Z2、Z3にプリント基板(以下、単に基板)Pを、順々に搬送させるように構成されている。
【0022】
各実装機Z1〜Z3においては、ICなどのチップ部品を基板表面に実装させる実装動作が実行されるが、この実装動作を行うときに、基板Pの裏面を、図2に示すように複数のバックアップピンBPにより支えた状態で実施する。
【0023】
これらバックアップピンBPのピン配列(ピン使用個数、並びにピン配置)は、実装機Z1〜Z3からなる実装ラインを流される基板Pの種別(以下、品種とも言う)ごとに、予め定められている。従って、基板Pの品種を切り替える場合には、段取り替え作業としてバックアップピンBPのピン配列を基板の品種に合わせてセッティングする作業を各実装機Z1〜Z3において実施する必要がある。
【0024】
本発明は、各実装機Z1〜Z3におけるバックアップピンBPのセッティング作業を、以下に説明するピンホルダベースHBと、これと対をなす治具ベース(本発明の「治具」の一例)GBを用いて行うようにしたものである。
【0025】
ピンホルダベースHBは、ベース板上に複数のバックアップピンBPを上下移動可能に支持したものである。係るピンホルダベースHBは各実装機Z1〜Z3にそれぞれ専用に設けられ、各実装機Z1〜Z3内において、基板搬送用のコンベア60の直下となる位置(本発明の「下部領域」に相当)に配置される。
【0026】
一方、治具ベースGBは、図1に示すように水平板状をなし、ピンホルダベースHBの各バックアップピンBPに対応して複数の取り付け孔210を設けている。そして、これら取り付け孔(本発明の「受け部」の一例)210にマグネット(本発明の磁力仮保持手段」の一例)MPを付け替えることが可能となっている。
【0027】
このような構成とすることで、治具ベースGB上に、マグネットMPを任意の配列に装着させることができ、品種の切り替えの際には、バックアップピンBPのピン配列(図1の例であれば、黒く塗られた2箇所)と同じ配列となるように、例えば、作業者の手作業によりマグネットMPの装着作業が実施される。
【0028】
そして、マグネットMPが装着された治具ベースGBはコンベア60によって実装ラインに送り込まれる。そして、各実装機Z1〜Z3内において、以下に説明するピックアップ動作を行うことで、各実装機Z1〜Z3について、順々にバックアップピンBPのセッティングを自動的に完了させることが出来る。
【0029】
ピックアップ動作の概要は図3に示す通りであり、まず、図3の(a)に示すように治具ベースGBを、実装機内のピンホルダベースHB上まで搬入させ、そこで、治具ベースGBを位置決めする(本発明の「位置決め工程」に相当)。
【0030】
その後、マグネットMPにバックアップピンBPを接近させるべく、ピンホルダベースHBを治具ベースGBに向けて上昇変位させる。これにより、ピンホルダベースHB上のバックアップピンBPのうち、一部のものはマグネットMPに接触する。その結果、接触した一部のバックアップピンBPSは、マグネットMPに磁力により吸着されて仮保持状態となる(本発明の「仮保持工程」に相当)。
【0031】
一部のバックアップピンBPが仮保持されたら、今度は、図3の(b)に示すように、ピンホルダベースHBを下降させる。これを行うと、仮保持されたバックアップピンBPSを除く他のバックアップピンBPはピンホルダベースHBとともに下降する。
【0032】
一方、仮保持されたバックアップピンBPSは治具ベースGB側に残される結果、ピンホルダベースHBとの間において相対的な変位が生じる。この変位により、仮保持された一部のバックアップピンBPは、図3の(a)に示す初期位置から装置上方に持ち上げられてベース板より突出し、図3の(b)に示す基板支持位置に至る(本発明の「位置変位工程」に相当)。
【0033】
続いて、ロック機能を有するシャッター板180を作動させて、基板支持位置に位置変位したバックアップピンBPSを、その位置でロックさせ本保持する(本発明の「本保持工程」に相当)。
【0034】
ロックに続いて、ピンホルダベースHBを、更に下降させてやれば、図3の(c)に示すように基板支持位置にあるバックアップピンBPSはマグネットMPから強制的に切り離され、これにより、マグネットMPによる仮保持が解かれる(本発明の「切離工程」に相当)。
【0035】
かくして、ピンホルダベースHB上において、基板の支持に必要な一部のバックアップピンBPSが基板支持位置にセットされることとなる。これにて、実装機Z1についてバックアップピンのセッティング作業が完了する。
【0036】
その後は、実装機Z1内にある治具ベースGBをコンベア60を用いて機外に搬出させつつ、実装機Z2へと送り、実装機Z2において、実装機Z1で実行したのと同様のピックアップ動作を行うことで、実装機Z2に設置されたピンホルダベースHBについて、基板Pの支持に必要な一部のバックアップピンBPSが基板支持位置にセットされる。
【0037】
そして、実装機Z2についてバックアップピンBPSのセッティング作業が完了したら、実装機Z2内にある治具ベースGBを、今度は実装機Z3へと送り、実装機Z3において、実装機Z1、並びに実装機Z2で実行したのと同様のピックアップ動作を行うことで、実装機Z3に設置されたピンホルダベースHBについて、実装機1、2と同じく基板Pの支持に必要な一部のバックアップピンBPSが基板支持位置にセットされる。
【0038】
このように、本発明のものは、ピンホルダベースHBに支持された複数のバックアップピンBPの中から、一部のバックアップピンBPSを選択し、これを初期位置から基板支持位置に位置変位させることをもって、バックアップピンBPのセッティングを行っている。
【0039】
ここで、本発明では、複数のバックアップピンBPから、その一部を選択させる機能については、実装機Z1〜Z3とは別に構成された専用の治具ベースGBに与えることで、実装機Z1〜Z3の構成について簡素化を図っている。そして、係る治具ベースGBについては、コンベア60を用いて実装機Z内へ搬入することで、治具ベースGBが実装機Z1〜Z3の一部として機内に設けられているのと同様に、実装機Z内においてバックアップピンBPSのセッティング作業を支障なく完了できるようにしたものである。以下、実施形態の具体的構成について説明を行う。
【0040】
<実施形態1>
まず、実装機Z1〜Z3の具体的構成について、実装機Z2を代表させて説明を行う。実装機Z2は、おおまかには、各実装機間において基板Pを搬入するコンベア60、搬入されてきた基板Pを支持する基板支持装置100、支持された基板Pに部品を実装させる実装装置などから構成される。尚、以下の説明において、コンベア60の搬送方向をX方向、水平面内においてX方向に直交する方向をY方向とし、また上下方向をZ方向とする。
【0041】
まず、実装装置、並びに実装に関連ある装置について、説明を行う。図4における符号30は部品供給部、符号40はヘッドユニットである。部品供給部30は基板Pに実装される部品の供給場所であって、そこには、部品供給装置(テープフィーダなど)50が複数並列して配置されている。
【0042】
ヘッドユニット40は、部品供給部30から部品をピックアップして基板P上に移動させる機能を担うものであって、部品供給部30と基板P上の実装位置とに渡る領域をサーボ機構により移動可能となっている。
【0043】
ヘッドユニット40には一列状に吸着ヘッド41が配置されるとともに、各吸着ヘッド41の先端には、部品を吸着して基板Pに装着するための吸着ノズルが設けられている。各ノズルは、部品吸着時には図外の負圧手段から負圧が供給されて、その負圧による吸引力で部品を吸着するものである。
【0044】
また、図4における符号12はカメラである。カメラ12はヘッド41で吸着された部品を撮像して、部品の吸着姿勢の良否を検出する機能を担うものである。
【0045】
次に、コンベア60、並びに基板支持装置100について説明する。図5は、図4中のA−A線で切断した断面図であって、コンベア60並びに基板支持装置100の構成を表したものである。
【0046】
図5に示すように、実装機Z2の基台20上には、支持体61、62が左右一対設けられている。これら各支持体61、62の上部には一対のガイドレール65、66が設けられている。両ガイドレール65、66は共に、図5において紙面に直交する方向(図4では左右方向)に延びており、上部には内向きに張り出すようにして押さえ片65A、66Aを設けている。これらガイドレール65、66は、次に説明する搬入ローラ75、76、図略の搬送ベルトとともに基板搬送用のコンベア60を構成している。
【0047】
各支持体61、62の上部内壁面には、押さえ片65A、66Aの下方に位置して搬入ローラ75、76が設置されている。搬入ローラ75、76は、図5中においては、左右のガイドレール65、66について各1個のみ示されているが、図5における紙面に直交する方向(図4は左右方向)に複数設けられており、これら複数のローラ間を渡すようにして搬送ベルトが巻かれている。
【0048】
また、図5において左側の支持体61にはコンベア駆動装置81が設けられている。このコンベア駆動装置81はモーター(図略)の動力を上述の搬入ローラ75、76に伝達することで、搬入ローラ75、76に巻かれた搬送ベルトを循環駆動させる。
【0049】
そして、上述のコンベア60は、図4に示すように、各実装機Z1〜Z3間を渡す構成となっている。これにより、ベルト上に基板Pをセットさせてコンベア60を作動させると、基板Pは上流側の実装機Zから下流側の実装機Zへと送られるようになっている。
【0050】
また、図5における符号100は基板支持装置である。基板支持装置100は、おおまかには、水平テーブル(本発明の「載置テーブル」の一例)140、同水平テーブル140を昇降させる昇降装置110、及び水平テーブル140上に設置されたピンホルダベースHBとから構成され、実装機Z2内におけるコンベア60の直下位置、具体的には、図4においてハッチングで示される位置(基板Pに部品の実装動作が実行される位置)の真下に設置されている。
【0051】
昇降装置110は、水平テーブル140を支える支持軸として、ボール螺子軸111と、従動軸131の2つの軸を設けている。ボール螺子軸111は、軸受け部113によって上下方向に進退可能に支持されている。このボール螺子軸111には、ボールナット(図略)が螺合しており、軸周りの回転運動を軸に沿った直線運動に変換するボール螺子機構を構成している。
【0052】
図5に示すように、軸受け部113の右側部には、駆動源としてのPU軸モーター121がモーター軸122を上に向けて設置されている。モーター軸122には第一プーリ125が設置されている。そして、軸受け部113の上部には第二プーリ115が設けられており、第一プーリ125と第二プーリ115との間が無端ベルト127によって渡されている。
【0053】
以上のことから、PU軸モーター121を駆動させると、その回転力が第一プーリ125、無端ベルト127、第二プーリ115を経由してボール螺子軸111へと伝達され、ボール螺子軸111を上下動させる。その結果、水平テーブル140はボール螺子軸111と一体的に昇降する。尚、従動軸131は水平テーブル140の支持を安定させるべく補助的に水平テーブル140を支えており、ボール螺子軸111の上下動に追随して上下動する。
【0054】
尚、本実施形態のものは、水平テーブル140が上下2段の構成となっており、上側のテーブル145を下側のテーブル141に対して付け替えることが出来るようになっている。このような構成としてあるのは、機械仕様によって上側テーブル145の大きさを変える必要があり、またテーブル145の水準(水平度)を正確に調整するためである。
【0055】
次に、図6〜図13を参照して、ピンホルダベースHBの説明を行う。
ピンホルダベースHBは、ベース本体150と、ベース本体150に支持されるバックアップピンBPと、シャッター板(本発明の「ロック部材」の一例)180と、シャッター板180を開閉させるシリンダ装置(本発明の「駆動装置」の一例)190とから構成されている。
【0056】
図7、図8に示すように、ベース本体150は、対をなす2枚の支持ベース(本発明の「支持体」の一例)151、155を上下に重ねた構成とされ、全体としては、横長なブロック状をなしている。ベース本体150であって、両支持ベース151、155の合わせ部分にはシャッター収容部161が形成されている。また、ベース本体150の下面壁にはシリンダ収容部165が形成されている。
【0057】
ベース本体150には、両支持ベース151、155を上下に貫通するようにして、ピンガイド孔170が形成されている。ピンガイド孔170は、ベース本体150上において、行列状(本例では、横6列×縦8列)に設けられている。これら各ピンガイド孔170には、それぞれ、バックアップピンBPが軸を上下に向けて挿通されている。
【0058】
バックアップピンBPの全長は、ピンホルダベースHBの全高より幾らか短く設定され、かつ、上端にはE型のリング205が嵌められている。これにより、バックアップピンBPに、何ら拘束力が作用しない場合であれば、バックアップピンBPはピンガイド孔170内に収まり、Eリング205により下落防止された状態となる。
【0059】
また、バックアップピンBPの下端には鍔部203が形成される一方、各ピンガイド孔170は、軸方向の中央やや上部寄りの位置に段部173が設けられている。図9に示すように、ピンガイド孔170のうち、段部173より下側は大径(以下、大径部175と呼ぶ)とされ、そこに、鍔部203を収容出来るようになっている。
【0060】
このような構成とすることで、ピンホルダベースHB上において、バックアップピンBPを、図9に示す初期位置から図13に示す基板支持位置(鍔部203が段部173の壁面に突き当たる位置)までピンガイド孔170に沿って移動させることができるようになっている。
【0061】
そして、大径部175が形成された高さ範囲内(図9に示すD寸法内)に上述したシャッター収容部161が形成されていて、図13に示すようにバックアップピンBPを基板支持位置まで引き上げた状態で、以下に説明するシャッター板180が開閉(水平移動)されると、バックアップピンBPが基板支持位置においてロック状態に保持されるようになっている。
【0062】
シャッター板180は平板状をなすとともに、図10に示すように、ベース本体150側のピンガイド孔170の配列に一致させて挿通孔181が形成されている。挿通孔181の孔径は、ピンガイド孔170の大径部175と同径とされている。これら挿通孔181は、同列に並ぶ、横8つの挿通孔181同士が連絡溝183によって相互に繋がっている。このように、横8つの挿通孔181同士を連絡溝183によって相互に繋げてあるのは、シャッター板180の開閉が横方向(図10に示す左右方向)に行われるためである。
【0063】
連絡溝183の溝幅は、バックアップピンBPの直径より幾らか広い程度に設定されているものの、鍔部203の直径より狭く設定されている。係るシャッター板180は、ベース本体150に形成されたシャッター収容部161にスライド可能に収容されている。
【0064】
本実施形態では、シャッター収容部161の壁面が、シャッター板180のスライド動作(水平移動)を案内するガイドとして機能している。このように、シャッター板180のスライド動作を案内するガイド機能をシャッター収容部161の壁面、すなわち両支持ベース151、155に兼用させることで、ガイド機能を専用の部品によって構成する場合に比べて、装置を簡素化することが出来るようになっている。
【0065】
そして、シャッター板180は、後述するシリンダ装置190の動力を受けて開閉動作、すなわち図11に示す開放位置(本発明の「解除位置」に相当)から図14に示す閉止位置(本発明の「保持位置」に相当)、或いは閉止位置から開放位置に変位する。
【0066】
開放位置においては、図11に示すようにシャッター板180の挿通孔181がピンガイド孔170の大径部175に一致して整合する。
【0067】
一方、閉止位置においては、図14に示すようにシャッター板180の挿通孔181がピンガイド孔170の大径部175から外れる不整合状態になる。
【0068】
従って、まず、シャッター板180を開放位置に留めた状態にして、初期位置にあるバックアップピンBPを基板支持位置にまで引き上げ、その状態から、シャッター板180を閉止位置に変位させると、図15に示すように、バックアップピンBPの鍔部203をシャッター板(より具体的には、図14に示すように連絡溝183周辺の壁面)180が下支えする。その結果、バックアップピンBPの鍔部203は、段部173の壁面とシャッター板180によって上下に挟まれた状態となり、基板支持位置に保持(本保持)される。
【0069】
尚、その状態からシャッター板180を図11に示す開放位置に再変位させると、バックアップピンBPの保持が解除されて、基板支持位置にあるバックアップピンBPは自重により落下し、図12に示す初期位置に自然復帰する。
【0070】
さて、上述のシャッター板180は、ベース本体150の全長よりやや長く形成されており、図6に示すように、シャッター収容部161へ収容したときに、端部がベース本体150の左端から突出するようになっている。そして、この突出した部分であって、幅方向(図6においては、上下方向)の中央には取り付け具185が設置されている。取り付け具185は、シャッター板180の下面側に設置されている。
【0071】
一方、ピンホルダベースHBのシリンダ収容部165にはシリンダ装置190が設置されている。シリンダ装置190はシリンダ本体191と、ロッド195とから構成されている。シリンダ本体191には、図9に示すように、2つのエア導入部192、193が形成され、図外のエアチューブを介してエアが導入されるように構成されている。
【0072】
かかるシリンダ装置190は、ベース本体150のシリンダ収容部165において、軸線をシャッター板180の開閉方向(図9の左右方向)に向けつつ、シリンダ本体191の前端をベース本体150の端に整合させている。
【0073】
そして、シリンダ装置190のロッド195は、ベース本体150の端から、図9において左側に突出しており、先端がシャッター板180に設けられる取り付け具185に固定されている。これにより、シリンダ本体191に対してエアの給排がなされると、ロッド195が図9における左右方向に伸張する結果、シャッター板180の開閉が行われる。
【0074】
尚、本実施形態では、図14に示すように、シャッター板180の閉止位置においては、取り付け具185の端面186がピンホルダベースHBの端面156に突き当たることで、それ以上、図14に示す右方向にシャッター板180が変位しないようになっている。又、上記シャッター板180及びシリンダ装置190が、本発明の「保持装置」に相当している。
【0075】
次に、治具ベースGBについて、図16を参照して説明する。治具ベースGBは、ピンホルダベースHBと対をなすものであり、水平板状をなし、コンベア60上を搬送可能な大きさ(例えば、基板Pのうち、最大のものと同じ形状)とされる。
【0076】
治具ベースGBには、図16に示すように、取り付け孔(本発明の「受け部」の一例)210が形成されている。取り付け孔210は、ピンホルダベースHB上に挿通支持されるバックアップピンBPに対応している。すなわち、取り付け孔210は、バックアップピンBPのピン配置と同ピッチで、バックアップピンBPと同じく行列状(本例では、横6列×縦8列)に形成されている。
【0077】
これら各取り付け孔210には、以下に説明するように、マグネットMPが個別(すなわち選択的)に装着されるようになっている。
【0078】
マグネットMPは、上部に鍔225を有するピン体220の下端部に固定されている。そのため、マグネットMPを下に向けた状態として、取り付け孔210にピン体220を上方から差し入れると、図17に示すように、治具ベースGB上に、マグネットMPを吊った状態に保持できる。
【0079】
このような構成とすることで、治具ベースGB上にマグネットMPを任意の配列に装着させることができ、品種の切り替えの際には、基板支持に使用されるバックアップピンBPのピン配列と同じ配列となるように例えば、作業者の手作業によりマグネットMPの装着作業が行われる。尚、図17では、図16においてハッチングで示す8つの取り付け孔210A〜210JにマグネットMPを取り付けた状態を例示してある。
【0080】
また、図18には実装機Z2の電気的構成を示すブロックが示されている。簡単に説明すると、実装機Z2は、コントローラ250により装置全体が制御統括されている。コントローラ250は、CPU等により構成される演算処理部251を備える他、実装プログラム記憶手段252、搬送系データ記憶手段253、モーター制御部254、外部入出力部255、並びに画像処理部256を設けている。
【0081】
実装プログラム記憶手段252には、X軸モーター、Y軸モーター、Z軸モーター、R軸モーターからなるサーボ機構を制御するための実装プログラムが格納され、搬送系データ記憶手段253には、基板P、並びに治具ベースHBを搬送するべくコンベア60、位置決め手段を駆動するための搬送系についてのデータが記憶されている。
【0082】
また、外部入出力部255にはシリンダ装置190、並びにセンサなどが接続されている。センサはコンベア60上を流される基板Pの搬送状況や、治具ベースGBの搬送状況を検出する機能を担うものであり、検出結果はコントローラ250に送られるようになっている。
【0083】
以上の構成により、コントローラ250は状況に応じて、各種のプログラム、或いはデータを記憶手段から読み出して実装機Z2に所定動作を実行処理させる。
【0084】
すなわち、実装動作中であれば、実装プログラムに基づきX軸モーター、Y軸モーター、Z軸モーター及びR軸モーターを制御して基板P上に部品を実装させる。
【0085】
また、次に説明するバックアップピンBPの段取り替え作業時においては、治具ベースGBの搬送を制御する他、PU軸モーター121を通電操作することで昇降装置110を作動させるとともに、所定のタイミングでシリンダ装置190を作動させ、実装機Z2内において行われるバックアップピンBPのセッティング作業を自動的に完了させる。
【0086】
続いて、基板Pの品種切り替え時に行われるバックアップピンBPの段取り替え作業(セッティング作業)について、図19ないし図24を参照して説明を行う。
【0087】
品種の切り替えを行う際には、まず、作業者により治具ベースGBに対しマグネットMPの装着作業が行われる。
【0088】
マグネットMPの配列は、品種切り替え後の基板支持に使用されるバックアップピンBPのピン配列と同じ配列でなければならず、作業者は予め指定されたピン配列に従って、マグネットMPの装着作業を行うこととなる。具体的には、図16において、ハッチングで示されるようなピン配列が指定される。
【0089】
この場合であれば、治具ベースGBの各取り付け孔210A〜210Jのそれぞれに、マグネットMPを先端に取り付けたピン体220を差し込む作業を行うこととなる(ステップS10)。
【0090】
ステップS10によって治具ベースGBにマグネットMPが装着されると、今度は、マグネットMPを装着した治具ベースGBをコンベア60にセットする作業が作業者により行われる。
【0091】
そして、治具ベースGBがコンベア60上にセットされると、これに続いてコンベア60が駆動される。これにより、治具ベースGBは、コンベア60によって実装機Z1内へと搬入される。また、この段階では、治具ベースGBの相手側となるピンホルダベースHBは図20に示す高さ位置(コンベア60の下方において待機した位置)にあるとともに、シャッター板180は開放位置にあってバックアップピンBPはいずれも初期位置にある。
【0092】
やがて、治具ベースGBが、図20に示すように実装機Z1内に設置された基板支持装置100の上方位置に至ると、そこで、図外の位置決め手段により治具ベースGBは位置決めされ、それとともにコンベア60が一時停止される(ステップS20、本発明の「位置決め工程」に相当)。
【0093】
この状態では、図20に示すように、治具ベースGBがピンホルダベースHBに正対し、ピンホルダベースHBのバックアップピンBPの真上に、治具ベースGBのマグネットMPが位置した状態となる。
【0094】
そして、上述のように治具ベースGBがピンホルダベースHBに正対した状態になると、今度は、図21に示すように、昇降装置110が作動して、水平テーブル140を装置上方に持ち上げてゆく(ステップS30)。
【0095】
これにより、水平テーブル140とともに、ピンホルダベースHBが上昇する結果、治具ベースGBのマグネットMPに、ピンホルダベースHBのバックアップピンBPが接近してゆき、やがて、治具ベースGBのマグネット下面に、バックアップピンBPの先端が接触する。より具体的には、ピンホルダベースHBに支持されたバックアップピンBPのうちの、マグネットMPに対応した一部のバックアップピンBPSの先端が各マグネットMPの下面にそれぞれ接触する。
【0096】
従って、係る一部のバックアップピンBPSについては、治具ベースGBのマグネットMPに磁力により吸着された状態となる。ここで、マグネットMPによる吸着保持力の強さは、バックアップピンBPの自重を支えることが出来る程度よりやや強い程度の力とされる。この状態では、ある程度強い力で引き離せば、バックアップピンBPSは簡単に保持が解除される仮保持状態にある(ステップS40、本発明の「仮保持工程」に相当)。
【0097】
バックアップピンBPSが仮保持されると、昇降装置110は、水平テーブル140の上昇を停止させ、今度は下降させてゆく。これにより、水平テーブル140とともに、ピンホルダベースHBが下降してゆくので、治具ベースGBからピンホルダベースHBが次第に離間してゆく。
【0098】
ここで、先のステップS40で、吸着保持の対象とされなかったバックアップピンBPは、治具ベースGB側と仮保持関係がないので、ピンホルダベースHBが下降してゆくときに、初期位置を保ちつつピンホルダベースHBとともに下降してゆく。
【0099】
これに対して、一部のバックアップピンBPSは、治具ベースGB側に仮保持された状態にあり、治具ベースGB側に残される。しかも、治具ベースGBのシャッター板180は、この時点では開放位置にあって、一部のバックアップピンBPSの鍔部203は大径部175を移動できる状態にある。
【0100】
従って、ピンホルダベースHBを下降させてゆく過程で、一部のバックアップピンBPSと、治具ベースGBとの間に相対的な移動が生じる。この結果、それまでは他のバックアップピンBPと同じく初期位置にあった、一部のバックアップピンBPSは初期位置から移動をはじめ、図22に示す基板支持位置へと変位してゆく(ステップS50、本発明の「位置変位工程」に相当)。
【0101】
そして、水平テーブル140の下降に伴って、一部のバックアップピンBPSが、図22に示す基板支持位置に至ると、そこで一旦水平テーブル140の下降動作が停止され、シリンダ装置190が駆動される。これにより、それまで開放位置にあったシャッター板180は水平に移動して図23に示す閉止位置に至る。
【0102】
すると、図15に示すように、バックアップピンBPSの鍔部が、段部173とシャッター板(より具体的には、図14に示すように連絡溝183周辺の壁面)180とによって上下に挟まれた状態となる。その結果、一部のバックアップピンBPSは基板支持位置に移動不能な状態にロック、すなわち本保持される(ステップS60、本発明の「本保持工程」に相当)。
【0103】
そして、一部のバックアップピンBPSが基板支持位置に本保持されると、今度は水平テーブル140を下降させるべく昇降装置110が再駆動される。すると、水平テーブル140とともにピンホルダベースHBが下降してゆくので、治具ベースGBからピンホルダベースHBが更に、離れてゆく。
【0104】
このとき、一部のバックアップピンBPSは本保持された状態にあるので、ピンホルダベースHBとともに一体的に下降してゆく。従って、本保持されたバックアップピンBPSとマグネットMPとの間には互いを引き離すように力が作用し、この力がマグネットMPの吸着保持力を上回ったところで、図24に示すように、一部のバックアップピンBPSは、治具ベースGBのマグネットMPから切り離されることとなる(ステップS70、本発明の「切離工程」に相当)。
【0105】
ステップS70の作業が完了すると、位置決め手段による治具ベースGBの位置決めが解除され、更に、コンベア60が作動を開始する。これにより、実装機Z1内にあった治具ベースGBは、実装機外に搬出される(ステップS80)。これにより、実装機Z1における、バックアップピンBPの段取り替え作業が全て完了する。
【0106】
その後、実装機Z1の機外へと出された治具ベースGBは、コンベア60によって実装機Z2へと搬入される。そして、実装機Z2では、上述したステップS30からステップS70までの作業が順に行われる。
【0107】
これにより、実装機Z1において、バックアップピンBPの段取り替え作業がされたのと同様に、実装機Z2においても、バックアップピンBPの段取り替え作業がなされる。すなわち、実装機Z2に置かれたピンホルダベースHB上のバックアップピンBPのうち、治具ベースGBのマグネットMPの配列に倣った一部のバックアップピンBPSが基板支持位置に本保持されることとなる。
【0108】
そして、実装機Z2において、バックアップピンBPの段取り替え作業が完了すると、治具ベースGBは、コンベア60によって実装機Z3へと送られる。そして、実装機Z3では、上述したステップS30からステップS70までの作業が順に行われる。これにより、実装機Z1、実装機Z2においてなされたのと同様に、実装機Z3においても、バックアップピンBPの段取り替え作業が行われる。
【0109】
かくして、実装機Z3に置かれたピンホルダベースHB上のバックアップピンBPのうち、治具ベースGBのマグネットMPの配列に倣った一部のバックアップピンBPSが基板支持位置に本保持されることとなる。
【0110】
そして、実装機Z3内にあった治具ベースGBが機外に搬出されると、実装機Z1〜実装機Z3からなる実装ラインについての全ての段取り替えが完了する。これにより、実装機Z1〜実装機Z3からなる実装ラインを稼動出来る状態(ラインに基板Pを供給し、部品を実装できる状態)になる。
【0111】
尚、図25には、各実装機Z1〜Z3を稼動させた後の状態、すなわち段取り替え済みのバックアップピンBPSにより、品種切り替え後の基板Pを支えた状態が示されている。同図に示すように、基板Pは押さえ片65A、66AとバックアップピンBPSとによって上下に挟まれた状態で上面に部品が実装されるものである。
【0112】
さて、品種切り替え後の基板Pについて指定数量分、部品の実装処理が完了すると、再び、品種を切り替えるべく、バックアップピンBPの段取り替え作業を行う必要がある。段取り替え作業を行うには、基板支持位置に本保持されていたバックアップピンBPを初期位置に戻す必要があるが、本実施形態では、シリンダ装置190を駆動させて、シャッター板180を閉止位置から開放位置に変位させてやれば、バックアップピンBPSはシャッター板180による拘束を解かれる。
【0113】
これにより、基板支持位置に本保持されていたバックアップピンBPは、自重により落下して初期位置に自動復帰する。従って、後は、次に実装ラインに流される基板Pに対応するピン配列に従って、治具ベースGBの取り付け孔210にマグネットMPを装着する作業を改めて行う必要はあるものの、後は、すでに説明したステップS10〜ステップS80の作業を行えば、基板Pの段取り替えを簡単に終えられる。
【0114】
次に、本実施形態の作用効果について説明を行う。
1.構造的な側面から見た効果
以上述べたように本実施形態のものは、バックアップピンBPの段取り替え作業を、ピンホルダベースHBと、これと対をなす治具ベースGBとを使用して行うようにした。バックアップピンBPの段取り替え作業それ自体は、各実装機Z1〜Z3内において行われるが、両ベースHB、GBのうちの、治具ベースGBについてはコンベア60を用いて実装機Z1〜Z3内へ送り込み、段取り替え作業が完了した後には、これを機外へ搬出するようにした。このような方法であれば、各実装機Z1〜Z3それ自体に治具ベースGBを設けておく必要がなく、実装機Z1〜Z3の構成を簡素化できる。
【0115】
また、本実施形態のものは、実装ラインが実装機Z1〜実装機Z3を直列的に接続したライン構成となっており、一の実装機Zについて、バックアップピンBPの段取り作業が完了すると、それに使用された治具ベースGBは、下流側の実装機(例えば、実装機Z1→実装機Z2など)へと送られるようになっている。このような作業手順であれば、全実装機Z1〜Z3に対して共通の治具ベースGBを使用することが可能である。従って、各実装機Z1〜Z3に対応して、それぞれ専用に治具ベースGBを設ける必要がなく、低コスト化に寄与する。
【0116】
また、治具ベースGBはマグネットMPの付け替えが実施可能となっており、マグネットMPの配列を自由に変更できる。このような構成であれば、一の治具ベースGBさえ用意しておけば、種別の異なる基板Pに対応することが出来るので、この点においても、低コスト化を図る上で好適な構成といえる。
【0117】
2.作業性の側面から見た効果
本実施形態によれば、治具ベースGBには、複数の取り付け孔210が設けられており、複数のマグネットMPを同時装着できる構成となっている。このような構成であれば、治具ベースGB全体として、複数個のバックアップピンBPSを一括保持できる。従って、バックアップピンBPを初期位置から基板支持位置に位置変位させる作業を、基板支持の対象となったすべてのバックアップピンBPSについて同時に行うことが出来る。
【0118】
従って、例えば、自動機などを使用してバックアップピンBPの一本一本を、初期位置から基板支持位置に一本ずつ個別に位置変位させる場合に比べて、バックアップピンBPの段取り替え作業を短く終えることが可能となる。
【0119】
このように、バックアップピンBPの段取り替え作業を、短時間で完了させることができれば、それだけ、実装機Z1〜Z3を稼動停止させておく時間が短く済むので、生産効率を向上させるのに好適な構成となる。
【0120】
また、本実施形態のものは、すでに述べてあるように、各実装機Z1〜Z3において行われるバックアップピンBPの段取り替え作業が水平テーブル140について一度の上昇操作と、一度の下降操作のみ行えば、完了するようになっている。このように、段取り替え作業が簡単、かつ工程数少なく構成されており、この点も、バックアップピンBPの段取り替え作業を、短時間で完了出来るようになっている。従って、上記した効果(生産性向上の効果)が上記構成とともに相乗的な効果となって発揮されることとなる。
【0121】
3.その他の効果
本実施形態では、治具ベースGBにバックアップピンBPを仮保持させる機能を持たせる必要があるが、これをマグネットMPによって実現させている。マグネットMPであれば、比較的安価であるので、コスト的なメリットもある。また、吸着保持力も程度の強さであって、簡単に引き離せるので仮保持手段として最適である。
【0122】
加えて、本実装形態のものは、シャッター板180が、基板支持の対象とされた複数のバックアップピンBPを一括してロックする構成になっている。従って、各バックアップピンBPを個別にロックする形式のものに比べて、バックアップピンBPを保持する機構を部品点数少なく構成できる。
【0123】
また、本実施形態では、実装機Z1〜Z3について、共通の治具ベースGBを使用しており、段取り替えを行うと、治具ベースGB上にセットされたマグネットMPの配列パターンが、各実装機Z1〜Z3のバックアップピンBPのピン配列として写されてゆく。このような構成であれば、作業者が治具ベースGBにマグネットMPを、配列の誤りなく正しく取り付けることが出来れば、実装機Z1〜Z3側では、バックアップピンBPSのセッティングがピン配列に誤りなく正しく実行される。従って、段取り替え作業についてその信頼性がきわめて高く、言い換えれば、ピン配置のミスを防止するための装置を必要としない。
【0124】
<実施形態2>
実施形態1のものでは、実装機Z1〜実装機Z3について、共通の治具ベースGBを使用して、バックアップピンBPの段取り替え作業を行うようにしていた。すなわち、実施形態1では、各実装機Z1〜実装機3についてバックアップピンBPのピン配置が全て共通である場合を想定していた。
【0125】
これに対して、実施形態2では、実装機Z1〜Z3間でバックアップピンBPのピン配置が異なっている状況であっても、それに対応できるようにしたものである。具体的には、治具ベースGBに読み取り可能な態様でIDを付加しておく一方、各実装機Z1〜Z3にはIDを読み取るための読み取り装置を新たに設けた。
【0126】
そして、読み取ったIDに基づいて治具ベースGBが自己の段取り替えに必要なものであるか、否かを各実装機Z1〜Z3で判別させ(図26のステップS23、S25の処理)、自己のものでない場合には段取り替え作業を行わず、治具ベースGBをそのまま搬出させることとした。
【0127】
このような構成であれば、実装機Z1〜Z3間でバックアップピンBPのピン配置が異なっている状況にも、比較的簡単に対応でき、使用性も高まる。
【0128】
<実施形態3>
実施形態1のものは、マグネットMPからバックアップピンBPSを切り離す切り離し動作を、水平テーブル140を下降させることで実行させた。これに対して、実施形態3は係る切り離し動作を、治具ベースGB側を上昇させることで実行するようにしたものである(図27参照)。
【0129】
<実施形態4>
実施形態1ないし実装形態3では、基板支持装置100を搭載する装置として、いずれも実装機Zを例示したが、実施形態4では、クリーム半田印刷装置300を例示させている。
【0130】
図28に示す符号301は基台、符号305は基板搬送用のコンベアである。コンベア305の搬送経路上には、実施形態1で説明した基板支持装置100が設置されている。かかる構成とすることで、コンベア305を用いて基板支持装置100の上方に治具ベースGBを送り込むことで、実施形態1の場合と同様にバックアップピンBPのセッテイング作業を行うことが出来る。
【0131】
また、基板支持装置100の上方には、所定のマスクパターンの開口が穿設されたマスク321がマスク支持枠325により保持されている。マスク支持枠325は、基台301と一体化した不図示のフレームの上部に固定されている。また、図28における符号331はスキージヘッド、符号335はスキージである。これらスキージヘッド331及びスキージ335はサーボ機構350の動力を得て、XY方向に駆動される。
【0132】
以上のことから、基板支持装置100のバックアップピン(図28中は省略)BPで、基板(図28中は省略)Pの下面を支持しつつ、マスク321上に供給されたクリーム半田をスキージ335で掻いてマスク321の上記開口に埋め込むことにより、基板P上の所定の位置にクリーム半田を印刷することができる。
【0133】
このような構成においても、治具ベースGBをクリーム半田印刷装置300に設ける必要がないので、実施形態1において実装機Zの構成を簡素化できたのと同様に、クリーム半田印刷装置300の構成を簡素化できる。
【0134】
<実施形態5>
実施形態1ないし実装形態3では、基板支持装置100を搭載する装置として、いずれも実装機Zを例示したが、実施形態5のものは、係る実装機Zに対して基板認識用のカメラ400を搭載させ、実装機Zに基板検査機能(本発明の「基板検査装置」の一例)を持たせたものである。
【0135】
図29はヘッドユニット40の周辺部分を拡大した図である。同図に示すように、基台20上には、ヘッド支持体51が一対のガイドレール22上を渡すようにして横向きに設置されている。ヘッド支持体51はガイドレール22上を図29における紙面と直交する方向(Y方向)に移動可能とされる。
【0136】
また、ヘッド支持体51上にはX軸方向に延びるガイド部材53が設置されている。このガイド部材53にはヘッドユニット40がガイド部材53の長手方向(X軸方向)に移動可能に装着されている。ヘッドユニット40はX軸モーター55を駆動源とするX軸移動装置によって、ガイド部材53に沿ってX軸方向に駆動される。
【0137】
ヘッドユニット40には部品装着用の複数の吸着ヘッド41が搭載されている。当実施形態では8本の吸着ヘッド41がX軸方向に一列状に並べて配設されている。各吸着ヘッド41の先端には、部品を吸着して基板Pに装着するための吸着ノズル42が設けられている。
【0138】
そして、上記ヘッドユニット40のフレーム40Aには、基板認識用のカメラ400が、図29において左右に一機ずつ、撮像面を図示下方に向けた姿勢で取り付けられている。これにより、基板Pの下面をバックアップピンBPで支えた状態としておき、上述のヘッドユニット40をXY方向に駆動させることで、基板P上の任意の位置の画像を撮像することが出来る。
【0139】
そして、得られた基板画像に基づいて、基板Pに付されたフィデューシャルマーク(基準マーク)の認識を行ったり、基板P上に実装された部品の実装状況などを検査する構成とされている。
【0140】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0141】
(1)実施形態1においては、マグネットMPの装着作業時期を、明記していないが、これは実装機Z1〜Z3の稼動時間中に終えておくことが好ましい。というのも、予め、マグネットMPのセット作業を完了しておけば、段取り替えを行うべく実装機Zを稼動停止させた後、直ぐに、治具ベースGBの搬入作業に取り掛かれる。従って、段取り替え作業に必要とされる作業トータル時間を短くすることが可能となり、実装機の稼動率を上げることが出来るからである。
【0142】
(2)実施形態1では、バックアップピンBPを磁力を利用して仮保持させたが、仮保持の形式はこれに限定されるものではなく、例えば、バックアップピンBPの一部を挟んで保持するもの、あるいは孔に係止させるなどして保持させるなど様々の変形が可能である。また、磁力を利用する場合においても、マグネット(永久磁石)を利用するものの他に、電磁石の利用も可能である。
【0143】
(3)実施形態5では、基板支持装置100を基板検査装置に応用した例として、基板検査機能を実装機Zに組み込む構成のものを例示したが、それ以外にも、基板支持装置100を専用の基板検査装置に適用することも可能である。例えば、コンベア60、305等により所定の作業位置に搬送、位置決めされる基板Pの下方に基板支持装置100を設定する一方、基板Pの上方には、CCDエリアセンサ等を具備したカメラをXY方向に移動可能となるように設置させてやればよい。また、基板支持装置100の適用範囲は、表面実装機Z、クリーム半田印刷装置300、基板検査装置に限定されるものではなく、コンベア60、305によって所定の作業位置まで基板Pを搬入させ、基板Pの下面を支えた状態でなんらかの作業をするものであればよく、例えば、接着剤塗布機(ディスペンサ)、部品組立機などがある。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明を概念的に表した概念図
【図2】基板をバックアップピンで支えた状態を示す図
【図3】表面実装機内において実行される、バックアップピンのセッティング作業を示す図
【図4】実施形態1における表面実装機の平面図
【図5】表面実装機の断面図
【図6】ピンホルダベースの平面図
【図7】図6をC方向から見た図
【図8】ピンホルダベースの斜視図(一部切り欠き)
【図9】全てのバックアップピンが初期位置にある状態を示す、ピンホルダベースの垂直断面図
【図10】シャッター板の平面図
【図11】シャッター板の開放位置を示す図(図9をB方向から見た図)
【図12】挿通孔と大径部が整合した状態を示す図
【図13】一部のバックアップピンが基板支持位置に固定された状態を示す、ピンホルダベースの垂直断面図
【図14】シャッター板の閉止位置を示す図(図13をB方向から見た図)
【図15】挿通孔と大径部が整合した状態を示す図
【図16】治具ベースの平面図
【図17】治具ベースにマグネットを装着した状態を示す図
【図18】表面実装機の電気的構成を示すブロック図
【図19】バックアップピンの段取り替え作業の手順を示すフローチャート図
【図20】治具ベースが搬入された状態を示す図
【図21】ピンホルダベースを上昇させ、バックアップピンをマグネットにより吸着保持させた状態を示す図
【図22】ピンホルダベースを下降させ、バックアップピンを初期位置から基板支持位置に変位させた状態を示す図
【図23】シャッター板を開放位置から閉止位置に変位させて、基板支持位置にあるバックアップピンをロックさせた状態を示す図
【図24】治具ベースを更に、下降させて、基板支持位置にあるバックアップピンをマグネットから切り離した状態を示す図
【図25】基板の下面をバックアップピンによって支えた状態を示す図
【図26】実施形態2における、バックアップピンの段取り替え作業の手順を示すフローチャート図
【図27】実施形態3における、バックアップピンの段取り替え作業の手順を概念的に表した図
【図28】実施形態4における、クリーム半田印刷装置の平面図
【図29】実施形態5において、ヘッドユニットに基板認識カメラを搭載した状態を示す図
【符号の説明】
【0145】
60…コンベア
100…基板支持装置
110…昇降装置
140…水平テーブル(本発明の「載置テーブル」の一例)
150…ベース本体
151…支持ベース(本発明の「支持体」の一例)
155…支持ベース(本発明の「支持体」の一例)
170…ピンガイド孔
180…シャッター板(本発明の「ロック部材」の一例)
190…シリンダ装置(本発明の「駆動装置」の一例)
210…取り付け孔(本発明の「受け部」の一例)
P…基板
BP…バックアップピン
GB…治具ベース(本発明の「バックアップピンのセッティング作業用治具」の一例)
HB…ピンホルダベース
MP…マグネット(本発明の「磁力仮保持手段」の一例)
Z1〜Z3…表面実装機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバックアップピンを初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースを、基板搬送用のコンベアの下部領域に予め設置させておくとともに、
元は同じ初期位置にあった前記複数のバックアップピンのうちの、一部又は全てのバックアップピンを、前記基板支持位置まで位置変位させ前記ピンホルダベース上に保持させるバックアップピンのセッティング方法であって、
前記バックアップピンを選択的に仮保持可能な仮保持手段を有する治具を、前記コンベアを用いて前記ピンホルダベースの上方まで搬送させ、前記ピンホルダベースの上方位置で位置決めする位置決め工程と、
前記ピンホルダベースを前記治具に向けて上昇させ、前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段に接触させることで、前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段により仮保持させる仮保持工程と、
前記一部又は全てのバックアップピンの仮保持状態を維持しつつ、前記治具或いは前記ピンホルダベースの少なくともいずれか一方を、前記治具と前記ピンホルダベースが互いに離間するように再昇降させることで、前記仮保持手段によって仮保持された一部又は全てのバックアップピンを前記初期位置から前記基板支持位置に位置変位させる位置変位工程と、
前記基板支持位置に変位し、かつ仮保持状態にある前記一部又は全てのバックアップピンを前記ピンホルダベース上に本保持する本保持工程と、
前記ピンホルダベース上に本保持された前記一部又は全てのバックアップピンを前記仮保持手段から切り離す切離工程とを行って、バックアップピンのセッティングを行うバックアップピンのセッティング方法。
【請求項2】
複数のバックアップピンを初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースを、基板搬送用のコンベアの下部領域に予め設置させておくとともに、
元は同じ初期位置にあった前記複数のバックアップピンのうちの、一部又は全てのバックアップピンを、前記基板支持位置まで位置変位させ前記ピンホルダベース上に保持させるバックアップピンのセッティング作業に使用されるバックアップピンのセッティング作業用治具であって、
前記コンベアを用いて搬送可能な板状をなすとともに、前記バックアップピンが接触するか、或いは少なくとも接近状態になったときに同バックアップピンを仮保持可能な仮保持手段を有することを特徴とするバックアップピンのセッティング作業用治具。
【請求項3】
前記仮保持手段は、前記バックアップピンを磁力により仮保持する磁力仮保持手段であることを特徴とする請求項2に記載のバックアップピンのセッティング作業用治具。
【請求項4】
前記治具上に、前記ピンホルダベース側のバックアップピンに対応して複数の受け部を形成させ、これら複数の受け部に前記仮保持手段を選択的に装着させる構成としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバックアップピンのセッティング作業用治具。
【請求項5】
前記仮保持手段が、前記受け部に対して取り外し可能な構成とされていることを特徴とする請求項4に記載のバックアップピンのセッティング作業用治具。
【請求項6】
複数のバックアップピンを、初期位置とそれより上方の基板支持位置との間で上下移動可能に支持したピンホルダベースと、
前記ピンホルダベースが載置される載置テーブルと、
前記載置テーブルを昇降させる昇降装置と、
前記バックアップピンのうち前記基板支持位置に位置するバックアップピンに係止して、当該バックアップピンを前記基板支持位置に保持する保持装置とからなる基板支持装置。
【請求項7】
前記保持装置は、
前記複数のバックアップピンに対応して複数の保持部を備えた水平板状をなすロック部材と、
前記ロック部材を、前記基板支持位置にある複数のバックアップピンを一括保持する保持位置と、前記保持を一括して解除させる解除位置との間で水平移動させる駆動装置と、から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の基板支持装置。
【請求項8】
前記ピンホルダベースは、間に前記ロック部材を前記水平移動可能に介挿させつつ、2つの支持体を上下に重ねた構成であることを特徴とする請求項7に記載の基板支持装置。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置した表面実装機。
【請求項10】
請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置したクリーム半田印刷装置。
【請求項11】
請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の前記基板支持装置を、機内であって基板搬入用のコンベアの下部領域に設置した基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2008−153457(P2008−153457A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340289(P2006−340289)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】