説明

バッテリの冷却風取入構造

【課題】 非使用状態のシートベルトを可及的に車幅方向外側に配置しながら、バッテリの冷却風の吸気口が塞がれないようにする。
【解決手段】 乗員が着座するシートのシートバック32の側部に連なるように車体側部のトランクサイドライニング35を配置し、その前面35aに設けた吸気口36から取り入れた車室内の空気を冷却風としてバッテリを冷却する際に、非使用状態のシートベルト38の少なくとも一部が車体前後方向に見て吸気口36と重なり、かつ前記シートベルト38の少なくとも一部が車幅方向に見て吸気口36との間に所定の隙間bを形成するように配置したので、シートベルト38をシートバック32と重ならないように可及的に車幅方向外側に寄せながら、そのシートベルト38が吸気口36を塞いで冷却風の取り入れを妨げるのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員が着座するシートのシートバックの側部に連なる車体側部の内装部材に、バッテリを冷却するための空気を冷却風として車室内から取り入れるための吸気口を設けたバッテリの冷却風取入構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車両のバッテリを車体後部のラッゲジスペースに搭載し、このバッテリを冷却する冷却風を、後席シートの側部に連なるシートサイドガーニッシュの前面に設けた吸気口から取り入れるものが、下記特許文献1に第3の実施の形態として記載されている。
【特許文献1】特開2004−1683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記従来のものは、シートバックの前面と吸気口が設けられたシートサイドガーニッシュの前面とが面一になっているので、シートバックの前面に沿って配置される非使用状態のシートベルトによって吸気口が塞がれてしまい、バッテリに冷却風を供給できなくなる可能性があった。これを防止するために、非使用状態のシートベルトを吸気口よりも車幅方向内側に配置すると、シートベルトの使い勝手が悪くなる可能性がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、非使用状態のシートベルトを可及的に車幅方向外側に配置しながら、バッテリの冷却風の吸気口が塞がれないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、乗員が着座するシートのシートバックの側部に連なる車体側部の内装部材に、バッテリを冷却するための空気を冷却風として車室内から取り入れるための吸気口を設けたバッテリの冷却風取入構造において、非使用状態のシートベルトの少なくとも一部を、車体前後方向に見て前記吸気口と重なり、かつ前記シートベルトの後面と前記吸気口との間に車体前後方向の所定の隙間を形成するように配置したことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0006】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、車体前後方向に見たとき、前記吸気口の車幅方向の幅は前記シートベルトの車幅方向の幅よりも大きいことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0007】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記吸気口が設けられた前記内装部材の前面を、前記シートバックの前面よりも車体後方にオフセットさせたことにより、前記所定の隙間を形成したことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0008】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記吸気口が設けられた前記内装部材の前面に前記シートベルトの後面に当接する隙間形成部材を突設することで、前記非使用状態のシートベルトを前記吸気口から車体前方に浮き上がらせたことにより、前記所定の隙間を形成したことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0009】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記隙間形成部材が前記シートベルトの後面に当接する先端部分を、前記シートバックの前面よりも車体前方に位置させたことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0010】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記吸気口を、下側ほど車体前方に位置するように傾斜させるとともに、車幅方向内側ほど車体後方に位置するように傾斜させたことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0011】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記吸気口から車体後方に延びる吸気ダクトの入口部分の下面を、車体後方側が高くなるように傾斜させたことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0012】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、前記シートの側方に配置されたドアの後面を、車体前後方向に見て前記吸気口の車幅方向外側の一部と重なり、かつ車幅方向に見て前記吸気口との間に所定の隙間が形成されるように配置したことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0013】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、前記内装部材が前記シートバックの側面に対向する部分に、前記吸気口から車体後方に延びる吸気ダクトに連なる補助吸気口を設けたことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造が提案される。
【0014】
尚、実施の形態のバッテリモジュール22は本発明のバッテリに対応し、実施の形態のリヤシート33は本発明のシートに対応し、実施の形態のリヤドア34は本発明のドアに対応し、実施の形態のトランクサイドライニング35は本発明の内装部材に対応し、実施の形態の上部隙間形成突起35eおよび下部隙間形成突起35fは本発明の隙間形成部材に対応する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の構成によれば、乗員が着座するシートのシートバックの側部に連なる車体側部の内装部材に設けた吸気口から取り入れた車室内の空気を冷却風としてバッテリを冷却する際に、非使用状態のシートベルトの少なくとも一部が車体前後方向に見て吸気口と重なり、かつ前記シートベルトの後面と吸気口との間に車体前後方向の所定の隙間を形成するように配置したので、シートベルトをシートバックと重ならないように可及的に車幅方向外側に寄せて使い勝手を確保しながら、そのシートベルトが吸気口を塞いで冷却風の取り入れを妨げるのを防止することができる。
【0016】
また請求項2の構成によれば、車体前後方向に見たときに吸気口の車幅方向の幅がシートベルトの車幅方向の幅よりも大きいので、シートベルトによって吸気口が完全に塞がれるのを確実に防止することができる。
【0017】
また請求項3の構成によれば、吸気口が設けられた内装部材の前面をシートバックの前面よりも車体後方にオフセットしたので、シートベルトと吸気口との間に隙間を確保することができるだけでなく、シートに着座した乗員の身体によって吸気口が塞がれるのを防止することができる。
【0018】
また請求項4の構成によれば、吸気口が設けられた内装部材の前面に、シートベルトの後面に当接する隙間形成部材を突設したので、非使用状態のシートベルトを吸気口から車体前方に浮き上がらせてシートベルトと吸気口との間に隙間を確保することができ、シートベルトによって吸気口が完全に塞がれるのを一層確実に防止することができる。
【0019】
また請求項5の構成によれば、隙間形成部材がシートベルトの後面に当接する先端部分が、シートバックの前面よりも車体前方に位置するので、シートベルトと吸気口との距離を大きく確保し、シートベルトによって吸気口が完全に塞がれるのを一層確実に防止することができる。
【0020】
また請求項6の構成によれば、吸気口は下側ほど車体前方に位置するように傾斜し、かつ車幅方向内側ほど車体後方に位置するように傾斜するので、限られたスペース内で吸気口の面積を最大限に確保することができる。
【0021】
また請求項7の構成によれば、吸気口から車体後方に延びる吸気ダクトの入口部分の下面が車体後方側が高くなるように傾斜するので、吸気口から吸気ダクト内に侵入した異物や水が吸気ダクトの奥に入り込むのを防止することができる。
【0022】
また請求項8の構成によれば、シートの側方に配置されたドアの後面が車体前後方向に見て吸気口の車幅方向外側の一部と重なり、かつ車幅方向に見て前記ドアの後面と吸気口との間に所定の隙間を形成したので、シートに着座した乗員がドアに凭れ掛かっても、乗員の身体と吸気口との間に確実に空間を確保することができる。
【0023】
また請求項9の構成によれば、内装部材がシートバックの側面に対向する部分に、吸気口から車体後方に延びる吸気ダクトに連なる補助吸気口を設けたので、万一吸気口が塞がれた場合でも、補助吸気口を介してバッテリに冷却風を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図5は本発明の実施の形態を示すもので、図1は車両用電源装置の全体斜視図、図2は図1の2方向矢視図.図3は図1の3方向矢視図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断面図である。
【0026】
図1および図2に示すように、ハイブリッド車両のモータ・ジェネレータを作動させる電源装置は、車体後部のトランクルームの下方にスペアタイヤを収納するタイヤパン11を利用して収納される。下方に凹む容器状のタイヤパン11は、その左右側縁が左右のリヤサイドフレーム12,12に接続される。電源装置は上面が開放した容器状の防水ケース14と、その上面開口部を閉塞する平板状の蓋部材15とを備えており、防水ケース14および蓋部材15間に挟まれて車幅方向に延びる前後一対の吊り下げフレーム16,16の車幅方向両端部が、左右のリヤサイドフレーム12,12の上面にボルト17…で固定される。従って、電源装置は前後一対の吊り下げフレーム16,16を介して左右のリヤサイドフレーム12,12に吊り下げ支持されることになる。
【0027】
蓋部材15の前縁は前側の吊り下げフレーム16の位置で終わっており、その前方の防水ケース14内にダクト部材18が収納される。ダクト部材18の上面には、車室内の空気を防水ケース14内に冷却風として吸入する吸気ダクト19の下流端と、冷却を終えた冷却風を防水ケース14内から排出する排気ダクト20の上流端とが接続されており、吸気ダクト19は防水ケース14の左前部から車体左前上方に延び、排気ダクト20は防水ケース14の右前部から車体の右側面を後方に延びている。排気ダクト20の下流端には電動式のファン21が設けられており、このファン21が発生する負圧で吸気ダクト19内に冷却風が吸入される。尚、吸気ダクト19から排出された冷却風は、トランクルームの内装材とリヤフェンダとの間に排出され、一部は車室内に戻されて一部は車外に排出される。
【0028】
防水ケース14の底部には、複数のバッテリセルを車幅方向に直列に接続した棒状のバッテリモジュール22…が、前後方向に7列、上下方向に2段に配列されており、その上部にインバータやDC−DCコンバータ等の高圧電装部品23が配置される。吸気ダクト19からダクト部材18を介して防水ケース14の内部に吸入された冷却風は、そこを前方から後方に流れる間にバッテリモジュール22…を冷却し、その後にUターンしてバッテリモジュール22…の上方を後方から前方に流れる間に高圧電装部品23を冷却し、防水ケース14の内部からダクト部材18、排気ダクト20およびファン21を介して排出される。
【0029】
トランクルームの前方には、シートクッション31およびシートバック32を備えたリヤシート33が配置される。吸気ダクト19は、シートクッション31の左側部に開口して車体後方に延びる入口部分19aと、入口部分19aの後端右側面に連なって下方に延びる中間部分19bと、中間部分19bの下端に連なって車幅方向内側に延び、ダクト部材18の上面に結合される出口部分19cとを備える。
【0030】
図3から明らかなように、リヤシート33のシートバック32の左側部と左側のリヤドア34の後縁との間に、トランクサイドライニング35の一部が上下方向に細長い帯状の前面35aとして露出しており、その前面35aの概ね上半部に、吸気ダクト19の入口部分19aの前端に連なる吸気口36が車室内に向けて開口する。
【0031】
トランクサイドライニング35の上部後側に配置されたリトラクタ37(図1参照)から引出口35bを介して車室内に引き出されたリヤシート用のシートベルト38は、その非使用状態において車室内に露出するトランクサイドライニング35の前面35aに沿って下向きに延び、その下端が図示せぬアンカーに固定される。シートベルト38にはタング39が摺動自在に支持されており、シートベルト38をリトラクタ37から引き出しながらタング39を図示せぬバックルに結合することで、乗員の胸部および腹部を拘束する使用状態とすることができる。
【0032】
図3〜図5から明らかなように、トランクサイドライニング35の前面35aは、シートバック32の前面32aと概ね平行に延びているが、少なくとも吸気口36が存在する部分で、シートバック32の前面32aよりも距離aだけ車体後方にオフセットしている。換言すると、シートバック32の前面32aは、トランクサイドライニング35の前面35aよりも距離aだけ前方に位置している(図5参照)。
【0033】
これにより、吸気口36の位置をシートベルト38から車体後方に離間させ、シートベルト38によって吸気口36が塞がれるのを防止することができるだけでなく、乗員がリヤドア34に凭れ掛かったときに、乗員の身体Bで吸気口36が塞がれるのを防止することができる(図4参照)。
【0034】
吸気口36は上下方向に長い長方形であり、異物が侵入しないように複数の横フィン35c…および複数の縦フィン35d…を有してルーバー状に形成されている。吸気口36は、下側ほど車体前方に位置するように角度α(図5参照)だけ傾斜し、かつ車幅方向内側ほど車体後方に位置するように角度β(図4参照)だけ傾斜しており、これによりシートバック32の側部とリヤドア34との間の狭いスペースで最大限の開口面積を確保できるようにしている。
【0035】
吸気口36の車幅方向の幅Wiは、シートベルト38の車幅方向の幅Wbよりも大きく設定されている(図4参照)。即ち、車体前後方向に見て、シートベルト38は吸気口36を完全に覆い隠すことはなく、吸気口36の少なくとも一部が露出している。よって、万一シートベルト38が後方に押しつけられた場合でも、シートベルト38によって吸気口36が完全に塞がれるのを防止することができる。
【0036】
また吸気口36の上端に対応するトランクサイドライニング35の前面35aには、車体前方に突出する上部隙間形成突起35eが形成されるとともに、吸気口36の上下方向中間部に対応するトランクサイドライニング35の前面35aには、車体前方に突出する下部隙間形成突起35fが形成される。上部隙間形成突起35eの先端はシートバック32の前面32aよりも車体前方に突出し、その先端に非使用状態のシートベルト38の後面が当接することで、シートベルト38と吸気口36との隙間は、シートバック32の前面32aと吸気口36との距離aよりも大きいbとなっている。
【0037】
下部隙間形成突起35fの突出量は上部隙間形成突起35eよりも小さく設定されており、非使用状態のシートベルト38が下部隙間形成突起35fの先端に当接することはないが、シートベルト38が後方に押された場合に車体後方への移動を上部隙間形成突起35eおよび下部隙間形成突起35fの協働で阻止することで、シートベルト38によって吸気口36が塞がれるのを防止することができる(図5参照)。
【0038】
リヤドア34のドアライニング34aの後端内面は吸気口36の車幅方向外端よりも距離cだけ車幅方向内側にオフセットしている。つまり車体前後方向に見たとき、リヤドア34のドアライニング34aは吸気口36の車幅方向外側の一部にオーバーラップしている。またリヤドア34のドアライニング34aの後端面を吸気口36に対して距離dだけ前方に位置させることで、両者の間に空間が確保されている(図4参照)。
【0039】
従って、乗員がリヤドア34に凭れ掛かっても、その身体Bがシートバック32とリヤドア34のドアライニング34aとの間に嵌まり込むの阻止し、身体によって吸気口36が塞がれるのを一層確実に防止するとともに、身体Bと吸気口36との間に空間を確保することで、吸気口36からの冷却風の吸入を可能にすることができる。
【0040】
吸気ダクト19の入口部分19aの底面B(図2および図5参照)は、車体前方側、つまり吸気口36側が低くなるように傾斜している。これにより、万一吸気口36から吸気ダクト19の内部に異物や水が侵入した場合でも、それらの異物や水が吸気ダクト19の奥深くに入り込むのを防止することができる(図5参照)。
【0041】
吸気ダクト19の入口部分19aの車幅方向内側の壁面には、それに対向するトランクサイドライニング35から延びる補助吸気口40が接続されており、この補助吸気口40を介して車室と吸気ダクト19の入口部分19aとが連通している。従って、吸気口36が万一塞がれた場合であっても、補助吸気口40を介して吸気ダクト19に冷却風を吸入することができる(図4参照)。
【0042】
以上のように、リヤシート33のシートバック32の側部とリヤドア34との間に露出するトランクサイドライニング35の前面35aに吸気口36を形成し、その吸気口36の前方に非使用状態のシートベルト38を配置しても、シートベルト38が吸気口36を塞いでバッテリモジュール22…や高圧電装部品23に冷却風を供給できなくなる事態を確実に防止することができるので、非使用状態のシートベルト38をトランクサイドライニング35の前面35aよりも車幅方向内側のシートバック32上に配置する必要がなくなり、シートベルト38を可及的に車幅方向外側に配置して使い勝手を向上させることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0044】
例えば、実施の形態ではハイブリッド車両を例示したが、本発明は電気自動車に対しても適用することができる。
【0045】
また補助吸気口40(図4参照)は必ずしも必要はなく、吸気ダクト19の入口部分19aの車幅方向内側の壁面とシートバック32の側面との間に隙間をある程度確保しておけば、それを省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】車両用電源装置の全体斜視図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図1の3方向矢視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【符号の説明】
【0047】
19 吸気ダクト
19a 入口部分
22 バッテリモジュール(バッテリ)
32 シートバック
32a シートバックの前面
33 リヤシート(シート)
34 リヤドア(ドア)
35 トランクサイドライニング(内装部材)
35a 内装部材の前面
35e 上部隙間形成突起(隙間形成部材)
35f 下部隙間形成突起(隙間形成部材)
36 吸気口
38 シートベルト
40 補助吸気口
b 隙間
d 隙間
Wi 吸気口の車幅方向の幅
Wb シートベルトの車幅方向の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシート(33)のシートバック(32)の側部に連なる車体側部の内装部材(35)に、バッテリ(22)を冷却するための空気を冷却風として車室内から取り入れるための吸気口(36)を設けたバッテリの冷却風取入構造において、
非使用状態のシートベルト(38)の少なくとも一部を、車体前後方向に見て前記吸気口(36)と重なり、かつ前記シートベルト(38)の後面と前記吸気口(36)との間に車体前後方向の所定の隙間(b)を形成するように配置したことを特徴とするバッテリの冷却風取入構造。
【請求項2】
車体前後方向に見たとき、前記吸気口(36)の車幅方向の幅(Wi)は前記シートベルト(38)の車幅方向の幅(Wb)よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項3】
前記吸気口(36)が設けられた前記内装部材(35)の前面(35a)を、前記シートバック(32)の前面(32a)よりも車体後方にオフセットさせたことにより、前記所定の隙間(b)を形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項4】
前記吸気口(36)が設けられた前記内装部材(35)の前面(35a)に前記シートベルト(38)の後面に当接する隙間形成部材(35e,35f)を突設することで、前記非使用状態のシートベルト(38)を前記吸気口(36)から車体前方に浮き上がらせたことにより、前記所定の隙間(b)を形成したことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項5】
前記隙間形成部材(35e)が前記シートベルト(38)の後面に当接する先端部分を、前記シートバック(32)の前面(32a)よりも車体前方に位置させたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項6】
前記吸気口(36)を、下側ほど車体前方に位置するように傾斜させるとともに、車幅方向内側ほど車体後方に位置するように傾斜させたことを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項7】
前記吸気口(36)から車体後方に延びる吸気ダクト(19)の入口部分(19a)の下面を、車体後方側が高くなるように傾斜させたことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項8】
前記シート(33)の側方に配置されたドア(34)の後面を、車体前後方向に見て前記吸気口(36)の車幅方向外側の一部と重なり、かつ車幅方向に見て前記吸気口(36)との間に所定の隙間(d)を形成するように配置したことを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のバッテリの冷却風取入構造。
【請求項9】
前記内装部材(35)が前記シートバック(32)の側面に対向する部分に、前記吸気口(36)から車体後方に延びる吸気ダクト(19)に連なる補助吸気口(40)を設けたことを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のバッテリの冷却風取入構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−154599(P2009−154599A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332590(P2007−332590)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【特許番号】特許第4283326号(P4283326)
【特許公報発行日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】