説明

バッテリ昇温システム

【課題】電動機の駆動に必要な電圧の確保とバッテリの迅速な昇温との両立を図ることができるバッテリ昇温システムを提供する。
【解決手段】制御装置14は、車両の走行中に車両の走行状態に応じて電動機30を駆動するために必要な駆動電圧Vmを演算し、蓄電装置13に充電されたコンデンサ電圧Vcを取得する。そして、制御装置14は、電動機30を駆動するために必要な最大電圧である基準電圧Vthと電動機30を駆動するために必要な駆動電圧Vmとの範囲内にコンデンサ電圧Vcが収まるようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力の授受を切り替える。これにより、電動機30の駆動に必要な駆動電圧Vmの確保とバッテリ11の迅速な昇温との両立を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車や電気自動車のバッテリを早期昇温するためのバッテリ昇温システムに関し、走行時に電動機の駆動に必要な電圧を確保しながら昇温する際に特に有効である。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハイブリッド車等の電気自動車に搭載され、バッテリとなる充電可能な二次電池の温度を迅速に上昇させる電圧変換装置が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、温度センサで検出されたバッテリの温度が基準値よりも低いとき、電圧変換器の電圧変換(昇圧動作および降圧動作)によってバッテリと蓄電装置との間で電力の授受を繰り返し行うように昇圧コンバータを制御する制御装置が提案されている。
【0003】
そして、昇圧コンバータの昇圧動作および降圧動作によってバッテリの温度が基準値以上に上昇すると、制御装置は昇圧動作および/または降圧動作からなる通常動作を行うように昇圧コンバータを制御する。また、蓄電装置に蓄積された電圧は車両を駆動するための電動機を動作させるための駆動電圧として使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−312160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、エンジン始動のために蓄電装置から電動機に供給する駆動電圧を例えば650V等の最大電圧にするときや高速走行等のように電動機が動作しているときにバッテリの昇温制御を行うと、降圧動作時に電動機の駆動電圧が低下してしまう。このため、駆動電圧に基づいて動作する電動機に十分な大きさの駆動電圧が供給されないので、電動機から走行に必要な出力が得られないという問題がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、電動機の駆動に必要な電圧の確保とバッテリの迅速な昇温との両立を図ることができるバッテリ昇温システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、充電可能なバッテリ(11)と、蓄電装置(13)と、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電圧変換を行う電圧変換器(12)と、車両の走行に従って回転動作または回生動作を行う電動機(30)に対し、蓄電装置(13)に充電された蓄電電圧(Vc)を交流電圧に変換して供給するインバータ(20)と、バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)が基準値(Tth)よりも低いとき、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えてバッテリ(11)を昇温させるように電圧変換器(12)を制御する制御装置(14)と、を備えるバッテリ昇温システムであって、以下の点を特徴としている。
【0008】
すなわち、制御装置(14)は、車両の走行中に車両の走行状態に応じて電動機(30)を駆動するために必要な駆動電圧(Vm)を演算し、蓄電装置(13)に充電された蓄電電圧(Vc)を取得し、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)を取得し、駆動電圧(Vm)、蓄電電圧(Vc)、バッテリ電圧(Vb)に応じて、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えることを特徴とする。
【0009】
このように、電動機(30)の駆動電圧(Vm)に応じて、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えることにより、電動機(30)の駆動に必要な駆動電圧(Vm)を確保しつつ、バッテリ(11)の迅速な昇温を図ることができる。
【0010】
具体的に、請求項2に記載の発明では、制御装置(14)は、電動機(30)を駆動するために必要な最大電圧である所定の閾値(Vth)よりも駆動電圧(Vm)が低く、かつ、駆動電圧(Vm)よりも蓄電電圧(Vc)が高いときに、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えることを特徴とする。
【0011】
これによると、蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が駆動電圧(Vm)を下回らないように昇温制御を行っているので、電力の授受による駆動電圧(Vm)の低下を回避でき、駆動電圧(Vm)に基づいて動作する電動機(30)から走行に必要な出力を得ることができる。また、バッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えにより、バッテリ(11)を迅速に昇温することができる。したがって、電動機(30)の駆動に必要な駆動電圧(Vm)の確保とバッテリ(11)の迅速な昇温との両立を図ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、制御装置(14)は、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)を取得し、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上昇して上限電圧(Vbu)に到達したら電圧変換器(12)においてバッテリ(11)から蓄電装置(13)へ電力を供給し、バッテリ電圧(Vb)が下降して下限電圧(Vbd)に到達したら電圧変換器(12)において蓄電装置(13)からバッテリ(11)へ電力を供給することを特徴とする。
【0013】
これによると、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)と下限電圧(Vbd)との範囲を超えることがないので、バッテリ(11)が過充電または過放電にならないようにすることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、制御装置(14)は、蓄電電圧(Vc)が上昇して上限値(Vcu)に到達したら電圧変換器(12)において蓄電装置(13)からバッテリ(11)へ電力の授受を切り替え、蓄電電圧(Vc)が下降して駆動電圧(Vm)に到達したら電圧変換器(12)においてバッテリ(11)から蓄電装置(13)へ電力の授受を切り替えることを特徴とする。
【0015】
これによると、蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が上限値(Vcu)と下限値(Vcd)との範囲内を超えることがないので、蓄電装置(13)の故障を防止することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、制御装置(14)は、蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が上昇して上限値(Vcu)を上回る前に所定の時間が経過した場合、蓄電装置(13)からバッテリ(11)への電力の授受を行うことを特徴とする。これにより、バッテリ(11)の放電状態が続くことでバッテリ(11)が過放電の状態にならないようにすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項3または4に記載の発明において、制御装置(14)は、蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が下降して駆動電圧(Vm)を下回る前に所定の時間が経過した場合、バッテリ(11)から蓄電装置(13)への電力の授受を行うことを特徴とする。これにより、バッテリ(11)の充電状態が続くことでバッテリ(11)が過充電の状態にならないようにすることができる。
【0018】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバッテリ昇温システムを備えた負荷駆動装置の全体構成図である。
【図2】コンデンサ電圧Vc、バッテリ電圧Vb、リアクトル電流IL、電圧変換器に入力する駆動信号のタイミングチャートである。
【図3】制御装置の昇温制御の内容を示したフローチャートである。
【図4】昇温制御を行わない場合と行った場合との効果の違いを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示されるバッテリ昇温システムは、充電可能な電源を早期昇温するためのシステムであり、例えばハイブリッド車やプラグインハイブリッド車等の電気自動車に適用することができる。
【0021】
図1は、本実施形態に係るバッテリ昇温システムを備えた負荷駆動装置の全体構成図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は、バッテリ昇温システム10と、インバータ20と、電動機30と、第1電流検出器40と、第1電流検出器50を備えている。
【0022】
バッテリ昇温システム10は、バッテリ11と、電圧変換器12と、蓄電装置13と、制御装置14と、を備えて構成されている。
【0023】
バッテリ11は、最小単位である図示しない電池セルが直列に複数接続されて構成された電池群である。電池セルとして、充電可能なリチウムイオン二次電池が用いられる。このようなバッテリ11はインバータやモータ等の電動機30を駆動するための電源として用いられる。
【0024】
バッテリ11の近傍には温度検出器16が備えられており、温度検出器16で検出されたバッテリ温度が温度検出器16から制御装置14に出力される。また、バッテリ11のバッテリ電圧は図示しない電圧検出器によって検出され、バッテリ11に流れるバッテリ電流は電流検出器17により検出される。これらバッテリ電圧およびバッテリ電流は各検出器からそれぞれ制御装置14に出力される。本実施形態では、バッテリ温度をTbとし、バッテリ電圧をVbとし、バッテリ電流をIbとする。
【0025】
電圧変換器12は、制御装置14からの指令に応じてバッテリ11と蓄電装置13との間で電圧変換を行う昇圧コンバータである。すなわち、電圧変換器はDC−DCコンバータである。このような電圧変換器12は、リアクトル12aと、スイッチング素子12b、12c(図1のQc1、Qc2)と、ダイオード素子12d、12e(図1のD1、D2)とを含んでいる。
【0026】
リアクトル12aは、一端がバッテリ11の正極側に接続され、他端が一方のスイッチング素子12bと他方のスイッチング素子12cとの接続点に接続されている。リアクトル12aに流れるリアクトル電流は電流検出器18によって検出され、電流検出器18から制御装置14に出力される。本実施形態では、リアクトル電流をILとする。
【0027】
各スイッチング素子12b、12cはそれぞれIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、インバータ20の電源ラインとグランドラインとの間に直列接続されている。具体的には、一方のスイッチング素子12bのコレクタがインバータ20の電源ラインに接続され、エミッタが他方のスイッチング素子12cのコレクタに接続されている。また、スイッチング素子12cのエミッタは、インバータ20のグランドラインに接続されている。そして、各スイッチング素子12b、12cのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード素子12d、12eがそれぞれ接続されている。各ダイオード素子12d、12eは、いわゆるFWD(Free Wheeling Diode)である。
【0028】
蓄電装置13は、電圧変換器12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ20に供給するコンデンサである。この蓄電装置13はインバータ20の入力側に設けられていると共に、インバータ20の電源ラインとグランドラインとに接続されている。そして、蓄電装置13であるコンデンサの両端の電圧がコンデンサ電圧として図示しない電圧検出器で検出され、当該電圧検出器から制御装置14に出力される。本実施形態では、コンデンサ電圧をVcとする。
【0029】
制御装置14は、負荷駆動装置の外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から電動機30の駆動に係る指令に従って電圧変換器12の各スイッチング素子12b、12cとインバータ20とに駆動信号を出力することでこれらを駆動させる装置である。ECUは、図示しないCPU、ROM、EEPROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータがROM等に記憶されたプログラムに従って所定の機能を実行する装置である。
【0030】
このため、制御装置14は、外部からアクセル開度、変速機のシフト位置、車速の各データを入力し、電動機30のトルク、回転数、駆動に必要なパワーを決定する。これらのデータに基づいて車両の走行に必要な駆動電圧を演算する。なお、本実施形態では、相電流をIv、Iwとし、回転数をNとし、駆動電圧をVmとする。また、アクセル開度、シフト位置、車速については、これらを検出する各センサから制御装置14がデータを直接受け取っても良いし、エンジンECU等の外部機器から受け取っても良い。
【0031】
また、制御装置14は、バッテリ11のバッテリ温度Tbが基準値よりも低いとき、駆動電圧Vm、蓄電電圧Vc、バッテリ電圧Vbに応じて電圧変換器12を制御することでバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受してバッテリ11を昇温させる機能を備えている。本実施形態では基準値をTthとする。この基準値Tthはバッテリ11の入出力特性が悪化する温度であり、例えば氷点下に設定されている。これにより、バッテリ11が氷点下に晒されている状況でバッテリ11を昇温させることができる。なお、基準値Tthはバッテリ11を構成する電池セルに応じて適宜設定することが好ましい。
【0032】
バッテリ11の昇温の際、制御装置14はコンデンサ電圧Vcがコンデンサ上限電圧を上回らないようにすると共に駆動電圧Vmを下回らないように、さらに、バッテリ電圧Vbが上限電圧を上回らないようにすると共に下限電圧を下回らないように電圧変換器12を制御してバッテリ11と蓄電装置13との間で電力の授受を切り替える。すなわち、制御装置14は、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ上限電圧と駆動電圧Vmとの間の範囲に収まると共に、バッテリ電圧Vbが上限電圧と下限電圧との間の範囲内に収まるように電力の授受を切り替える。
【0033】
そして、バッテリ11のバッテリ温度Tbが基準値Tthを超えると、制御装置14は電動機30を駆動するように電圧変換器12およびインバータ20を制御する。つまり、制御装置14は、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcを昇圧させる昇圧動作と、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcを降圧させる降圧動作と、からなる通常動作を行うように電圧変換器12およびインバータ20を制御する。
【0034】
なお、本実施形態では、バッテリ11の上限電圧をVbuとし、バッテリ11の下限電圧をVbdとする。制御装置14の作動については、後で具体的に説明する。
【0035】
インバータ20は、制御装置14からの信号に応じて、蓄電装置13からの直流電圧を交流電圧に変換して電動機30を駆動する回路である。また、インバータ20は、電動機30が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を蓄電装置13を介して電圧変換器12に供給する機能も備えている。
【0036】
このようなインバータ20は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23と、を備えている。これら各アーム21〜23は、電源ラインとグランドラインとの間に並列に接続されている。
【0037】
U相アーム21は直列に接続されたスイッチング素子21a、21bで構成され、V相アーム22は直列に接続されたスイッチング素子22a、22bで構成され、W相アーム23は直列に接続されたスイッチング素子23a、23bで構成されている。各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード素子21c、21d、22c、22d、23c、23dがそれぞれ接続されている。なお、各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bは例えばIGBTであり、各ダイオード素子21c、21d、22c、22d、23c、23dはFWDである。
【0038】
また、各相アーム21〜23の中間点は、電動機30である三相モータの各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータは3相の永久磁石モータであり、U相、V相、W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成されている。そして、U相コイルの他端がスイッチング素子21a、21bの中間点に、V相コイルの他端がスイッチング素子22a、22bの中間点に、W相コイルの他端がスイッチング素子23a、23bの中間点にそれぞれ接続されている。
【0039】
このような構成のインバータ20の各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bは、制御装置14によってスイッチング制御され、電動機30であるモータが指令されたトルクを出力するようにモータの各相に流す電流が制御される。
【0040】
電動機30は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのモータである。このモータが負荷に相当する。この電動機30をハイブリッド自動車のエンジンに連結することで、エンジンの回転力によって発電する発電機の機能とエンジン始動を行なう電動機の機能とを電動機30に持たせることもできる。すなわち、電動機30は、車両の加速時に回転動作を行い、車両の減速時に回生動作を行う。
【0041】
第1電流検出器40は、V相アーム22から電動機30のV相コイルに流れる相電流Ivを検出するセンサである。また、第1電流検出器50は、W相アーム23から電動機30のW相コイルに流れる相電流Iwを検出するセンサである。これらの相電流Iv、Iwのデータは制御装置14に入力され、IvおよびIwからU相コイルに流れる相電流Iuが算出される。そして、これらIu、Iv、Iwは制御装置14において駆動電圧Vmを算出する際に用いられる。
【0042】
以上が、本実施形態に係るバッテリ昇温システム10および負荷駆動装置の全体構成である。
【0043】
続いて、バッテリ昇温システム10の作動について、図1および図2を参照して説明する。図2は、コンデンサ電圧Vc、バッテリ電圧Vb、リアクトル電流IL、電圧変換器12に入力する駆動信号のタイミングチャートである。
【0044】
まず、蓄電装置13の昇圧時には、制御装置14はスイッチング素子12c(Qc2)をオンする。これにより、バッテリ11→リアクトル12a→スイッチング素子12c(Qc2)の経路に電流が流れるので、リアクトル12aにエネルギーが蓄積される。
【0045】
その後、制御装置14がスイッチング素子12c(Qc2)をオフすると、バッテリ11→リアクトル12a→ダイオード素子12d(D1)→蓄電装置13の経路に電流が流れる。バッテリ11→リアクトル12aに電流が流れる方向を正とすると、昇圧時には正の方向に電流が流れる。これにより、リアクトル12aのバッテリ11側の電圧はバッテリ電圧Vbとなるため、蓄電装置13に昇圧された電圧が充電される。
【0046】
そして、図2に示されるように、スイッチング素子12c(Qc2)が所定のDutyでスイッチング駆動されると、昇圧時はバッテリ電圧Vbが徐々に低下し、コンデンサ電圧Vcは上昇する。昇圧後のコンデンサ電圧Vcは、Duty(=ton/(ton+toff))を用いて、Vc={1/(1−Duty)}×Vbで表される。tonはスイッチング素子12c(Qc2)のオン時間であり、toff:スイッチング素子12c(Qc2)のオフ時間である。一方、蓄電装置13の昇圧にバッテリ11のエネルギーが利用されるので、バッテリ電圧Vbは下降していく。これが昇圧動作である。
【0047】
蓄電装置13の降圧時には、制御装置14がスイッチング素子12b(Qc1)をオンする。これにより、蓄電装置13→スイッチング素子12b(Qc1)→リアクトル12a→バッテリ11の経路に電流が流れるので、リアクトル12aにエネルギーが蓄積される。
【0048】
その後、制御装置14がスイッチング素子12b(Qc1)をオフすると、リアクトル12a→バッテリ11→ダイオード素子12e(D2)の経路に電流が流れる。上記のようにバッテリ11→リアクトル12aに電流が流れる方向を正とすると、降圧時には負の方向に電流が流れる。これにより、リアクトル12aのダイオード素子12e(D2)側の電圧は0Vとなるため、バッテリ11に降圧された電圧が充電される。
【0049】
そして、図2に示されるように、スイッチング素子12b(Qc1)が所定のDutyでスイッチング駆動されると、降圧時はコンデンサ電圧Vcが徐々に低下し、バッテリ電圧Vbは上昇する。降圧後のバッテリ電圧Vbは、Duty(=ton/(ton+toff)、ton:スイッチング素子12b(Qc1)のオン時間、toff:スイッチング素子12b(Qc1)のオフ時間)を用いて、Vb=Duty×Vcで表される。一方、蓄電装置13のエネルギーがバッテリ11に移動するので、バッテリ電圧Vbは上昇していく。これが降圧動作である。
【0050】
なお、図2では駆動電圧Vmが一定値のように示されているが、実際には上記の各パラメータによって演算される値であるので、実際には駆動電圧Vmは時間と共に変化する。
【0051】
次に、制御装置14の昇温制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、制御装置14は、外部からアクセル開度、シフト位置、車速の各データを入力し、さらに電動機30に流れる相電流Iv、Iwおよび回転数Nを入力する。そして、アクセル開度、シフト位置、車速から電動機30のトルクを決定し、さらに、電動機30の回転数Nから電動機30の駆動に必要なパワーを決め、電動機30の駆動電圧Vmを演算する(S100)。この駆動電圧Vmは車両の走行に必要な最低限の電圧であり、かつ電動機30の効率が良くなる電圧である。
【0052】
続いて、演算した駆動電圧Vmが基準電圧Vthより低いか否かを判定する(S101)。ここで、基準電圧Vthは電動機30を駆動するために必要な最大電圧つまり駆動電圧Vmの最大値(例えば650V)、または昇温制御時に十分な電流が流せる電圧(例えば400V)とする。そして、駆動電圧Vmが基準電圧Vthより低い場合、バッテリ11の昇温制御に移行する一方、駆動電圧Vmが基準電圧Vthより高い場合は機器の破壊防止のために電力の授受つまり昇温動作を行わずに通常制御(S114)を行う。通常制御とは、電圧変換器12によりバッテリ11を必要に応じて昇圧し、インバータ20および電動機30を用いて走行、回生する制御である。
【0053】
駆動電圧Vmが基準電圧Vthより低い場合、図示しない電圧検出器からバッテリ11のバッテリ電圧Vbを取得し、バッテリ電圧Vbが所定の電圧より高いか否かを判定する(S102)。ここで、所定の電圧をVdとすると、所定の電圧Vdは制御装置14がバッテリ電圧Vbやバッテリ電流Ib等から算出した残存容量(State of Charge;SOC)に基づいて設定されている。所定の電圧Vdは、例えばSOC50%相当の電圧とする。これにより、バッテリ電圧Vbが所定の電圧Vdよりも低いときに通常制御に戻すことで、昇温制御してバッテリ電圧Vbがさらに低下し、走行できなくなることを防ぐことができる。
【0054】
バッテリ電圧Vbが所定の電圧Vdより高い場合、制御装置14は温度検出器16により検出されたバッテリ温度Tbを取得する(S103)。なお、バッテリ温度Tbが基準値Tthより高いとき(S104)、バッテリ11を昇温させる必要がないので、通常制御に移行する(S114)。
【0055】
そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthより低いとき(S104)、S105〜S108の昇圧動作を行う。昇圧動作では、まず、バッテリ電圧Vbを昇圧して蓄電装置13であるコンデンサを充電する(S105)。
【0056】
この後、バッテリ電圧Vbが下降して下限電圧Vbdに到達したら(S106)、すなわちバッテリ電圧Vbが下限電圧Vbdを下回る場合、昇圧動作を終了し、S109以降の降圧動作に移行する。
【0057】
一方、バッテリ電圧Vbが下降して下限電圧Vbdに到達していない場合、すなわちバッテリ電圧Vbが下限電圧Vbdを上回る場合、コンデンサ電圧Vcが上限値を超えるか否かを判定する(S107)。ここで、コンデンサ電圧Vcの上限値をVcuとする。上限値Vcuは例えばコンデンサの耐圧に設定されている。この判定により、蓄電装置13の故障を防止することができる。
【0058】
そして、コンデンサ電圧Vcが上昇して上限値Vcuに到達する前に所定の時間が経過した場合(S108)、S109以降の降圧動作に移行する。これは、蓄電装置13であるコンデンサが容量不足になるとある時間から電流値が小さくなり、発熱量が低下して効率的に昇温できなくなるため、所定の時間で区切っている。これにより、蓄電装置13が飽和して電流を流せなくなり、発熱量が低下することを防止することができる。所定の時間が経過していない場合(S108)、S105に戻って昇圧動作を繰り返す。
【0059】
以上のように、制御装置14は、バッテリ電圧Vbが下降して下限電圧Vbdに到達したら電圧変換器12において蓄電装置13からバッテリ11へ電力を供給する。また、制御装置14は、コンデンサ電圧Vcが上昇して上限値Vcuに到達したら、電圧変換器12において蓄電装置13からバッテリ11へ電力を供給する。このように、バッテリ11のバッテリ電圧Vbや蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcをモニタして電力の授受を切り替えることにより、バッテリ11が過放電にならないようにすることができる。
【0060】
続いて、降圧動作では、蓄電装置13を降圧してバッテリ11を充電する(S109)。バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上昇して上限電圧Vbuに到達したら(S110)、すなわちバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuを上回る場合、降圧動作を終了する。
【0061】
そして、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上昇して上限電圧Vbuに到達していない場合、すなわちバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuより低い場合、コンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmより高いか否かを判定する(S111)。その結果、コンデンサ電圧Vcが下降して駆動電圧Vmに到達したら降圧動作を終了する。また、昇圧時と同様にバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuより低く、コンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmより高くても所定の時間が経過すると降圧動作を終了する(S112)。これにより、蓄電装置13に流れる電流が小さくなり、発熱量が低下することを防止できる。
【0062】
降圧動作が終了すると、電動機30の駆動電圧Vmを演算するタイミングであるか否かを判定し(S113)、駆動電圧Vmを演算するタイミングならば電動機30の駆動電圧Vmの演算ステップ(S100)へ移行する。ここで、「駆動電圧Vmを演算するタイミング」とは、電動機30であるモータのトルクを決めるタイミングである。このタイミングは、例えば数百msec等の所定の時間間隔に設定されている。
【0063】
このようにして再び駆動電圧Vmを演算し、昇圧動作と降圧動作を繰り返す。駆動電圧Vmを演算するタイミングでなければバッテリ電圧Vbの検出(S102)に移行する。そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthに到達したら、通常制御に戻す(S114)。
【0064】
以上のように、制御装置14は、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上昇して上限電圧Vbuに到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13へ電力を供給する。また、制御装置14は、コンデンサ電圧Vcが下降して駆動電圧Vmに到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13へ電力を供給する。このように、バッテリ11のバッテリ電圧Vbや蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcをモニタして電力の授受を切り替えることにより、バッテリ11が過充電にならないようにすることができる。
【0065】
続いて、上記の昇温制御による効果について、図4を参照して説明する。図4(a)はバッテリ11の昇温制御を行わない場合のコンデンサ電圧Vc(上欄)とバッテリ電流Ib(下欄)を示した図である。また、図4(b)は本実施形態に係るバッテリ11の昇温制御を行った場合のコンデンサ電圧Vc(上欄)とバッテリ電流Ib(下欄)を示した図である。
【0066】
まず、バッテリ11の昇温制御を行わない場合、図4(a)の上欄に示されるように、コンデンサ電圧Vcは、車両の走行状態に従って、車両の走行に必要な電動機30の最低駆動電圧である駆動電圧Vmと電動機30の最大駆動電圧(例えば650V)との範囲内で変動する。軽い走行ではコンデンサ電圧Vcの変動は小さく、高速走行ではコンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmの最大値である650Vまで上昇する。
【0067】
そして、図4(a)の下欄に示されるように、コンデンサ電圧Vcの変動に従ってバッテリ電流Ibも変動する。しかしながら、バッテリ電流Ibは走行状態によって変動するコンデンサ電圧Vcに従うため、コンデンサ電圧Vcの変動時にバッテリ電流Ibが大きく流れるものの、コンデンサ電圧Vcの変動が小さい走行時ではバッテリ電流Ibの変動も小さい。このため、バッテリ電流Ibは−100Aや+100Aを超えることはない。
【0068】
これに対し、バッテリ11の昇温制御を行う場合、図4(b)の上欄に示されるように、コンデンサ電圧Vcは車両の走行状態にかかわらず、駆動電圧Vmと最大駆動電圧である650Vとの間で昇降圧を繰り返している。なお、図4(b)の上欄では、コンデンサ電圧Vcは黒く塗りつぶされた状態になっているが、実際には図4(b)の上欄中に示すようにコンデンサ電圧Vcは最大駆動電圧(650V)に達すると下降し、駆動電圧Vmに達すると上昇し、これを繰り返している。このように、コンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmに達するとコンデンサ電圧Vcを充電するので、電動機30の駆動に必要な電圧の確保ができる。
【0069】
そして、図4(b)の下欄に示されるように、コンデンサ電圧Vcの昇降圧に従ってバッテリ電流Ibが流れる。すなわち、バッテリ電流Ibは−150Aや150Aを超える大きな値で繰り返し流れるので、バッテリ11はバッテリ電流Ibが流れることによって昇温される。このように、バッテリ11の昇温制御を行う場合は昇温制御を行わない場合に対してバッテリ11に流れるバッテリ電流Ibが大きいと共に流れる頻度が高くなるので、バッテリ11をより迅速に昇温できる。
【0070】
上記のように昇温制御を行う際、図4(a)の上欄の「A」に示す部分では、バッテリ電圧Vbが基準電圧Vthより高い場合に対応している。この場合は昇温制御を行わずに通常制御を行うため、コンデンサ電圧Vcは昇降圧を繰り返さない。そして、「A」の期間を経過し、駆動電圧Vmが基準電圧Vthより低くなると、再び昇圧動作と降圧動作とを繰り返す。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では、ハイブリッド車等の電気自動車の走行中にバッテリ11を昇温制御する場合、蓄電装置13であるコンデンサのコンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmと基準電圧Vthとの範囲内となるようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力の授受を切り替えることが特徴となっている。
【0072】
これにより、電力の授受による蓄電装置13の駆動電圧Vmの低下を回避でき、電動機30に対して走行に必要な駆動電圧Vmを供給することができる。これにより、駆動電圧Vmに基づいて動作する電動機30から走行に必要な出力を得ることができる。もちろん、バッテリ11と蓄電装置13との間で頻繁に電力の授受を切り替えるので、バッテリ11を迅速に昇温することができる。したがって、電動機30の駆動に必要な駆動電圧Vmの確保とバッテリ11の迅速な昇温との両立を図ることができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御装置14は、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuと下限電圧Vbdとの範囲内となるように電圧変換器12において蓄電装置13からバッテリ11へ電力を供給している。これにより、バッテリ11が過充電または過放電の状態とならないようにする。
【0074】
さらに、本実施形態では、コンデンサ電圧Vcが上昇して上限値Vcuに到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13への電力の授受を切り替えているので、蓄電装置13の故障を防止することができる。
【0075】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、基準電圧Vthが特許請求の範囲の「所定の閾値」に対応し、コンデンサ電圧が特許請求の範囲の「蓄電電圧」に対応する。
【0076】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示されたバッテリ昇温システム10および負荷駆動装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明の特徴を含んだ他の構成とすることもできる。例えば、所定時間に関係なくバッテリ電圧Vbおよびコンデンサ電圧Vcをモニタすることで昇圧動作と降圧動作とを繰り返しても良いので、S108およびS113の各処理は無くても良い。
【0077】
また、制御装置14が電動機30に流れる相電流を取得する際、上記の実施形態ではV相コイルに流れる相電流IvとW相コイルに流れる相電流Iwとの2つの電流を取得し、これらからU相コイルに流れる相電流Iuを算出していた。しかしながら、電動機30は3相モータであり、2つの相電流を検出すれば残りの1つの相電流がわかる。このため、2つの電流を検出できれば良いので、上記実施形態のようにIvとIwを検出する場合に限らず、IuとIv、IuとIw、という組み合わせで相電流を検出しても良い。
【0078】
そして、上記の実施形態では、バッテリ11のバッテリ電圧Vbをモニタして電力の授受を切り替えているが、これはバッテリ11が過放電にならないようにするためである。したがって、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcのみをモニタし、コンデンサ電圧Vcが駆動電圧Vmと基準電圧Vthとの範囲内となるように電力の授受を切り替えても良い。
【0079】
また、駆動電圧Vmを電動機30の駆動に必要なパワーから演算しているが、昇温が必要な場合、電流を増大させてパワーを出力するようにし、駆動電圧Vmを低くしても良い。
【符号の説明】
【0080】
11 バッテリ
12 電圧変換器
13 蓄電装置
14 制御装置
20 インバータ
30 電動機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能なバッテリ(11)と、
蓄電装置(13)と、
前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電圧変換を行う電圧変換器(12)と、
車両の走行に従って回転動作または回生動作を行う電動機(30)に対し、前記蓄電装置(13)に充電された蓄電電圧(Vc)を交流電圧に変換して供給するインバータ(20)と、
前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)が基準値(Tth)よりも低いとき、前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えて前記バッテリ(11)を昇温させるように前記電圧変換器(12)を制御する制御装置(14)と、を備えるバッテリ昇温システムであって、
前記制御装置(14)は、前記車両の走行中に前記車両の走行状態に応じて前記電動機(30)を駆動するために必要な駆動電圧(Vm)を演算し、前記蓄電装置(13)に充電された蓄電電圧(Vc)を取得し、前記バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)を取得し、前記駆動電圧(Vm)、前記蓄電電圧(Vc)、前記バッテリ電圧(Vb)に応じて、前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えることを特徴とするバッテリ昇温システム。
【請求項2】
前記制御装置(14)は、前記電動機(30)を駆動するために必要な最大電圧である所定の閾値(Vth)よりも前記駆動電圧(Vm)が低く、かつ、前記駆動電圧(Vm)よりも前記蓄電電圧(Vc)が高いときに、前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力の授受を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ昇温システム。
【請求項3】
前記制御装置(14)は、前記バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上昇して上限電圧(Vbu)に到達したら前記電圧変換器(12)において前記バッテリ(11)から前記蓄電装置(13)へ電力を供給し、前記バッテリ電圧(Vb)が下降して下限電圧(Vbd)に到達したら前記電圧変換器(12)において前記蓄電装置(13)から前記バッテリ(11)へ電力を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリ昇温システム。
【請求項4】
前記制御装置(14)は、前記蓄電電圧(Vc)が上昇して上限値(Vcu)に到達したら前記電圧変換器(12)において前記蓄電装置(13)から前記バッテリ(11)へ電力の授受を切り替え、前記蓄電電圧(Vc)が下降して前記駆動電圧(Vm)に到達したら前記電圧変換器(12)において前記バッテリ(11)から前記蓄電装置(13)へ電力の授受を切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のバッテリ昇温システム。
【請求項5】
前記制御装置(14)は、前記蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が上昇して上限値(Vcu)を上回る前に所定の時間が経過した場合、前記蓄電装置(13)から前記バッテリ(11)への電力の授受を行うことを特徴とする請求項4に記載のバッテリ昇温システム。
【請求項6】
前記制御装置(14)は、前記蓄電装置(13)の蓄電電圧(Vc)が下降して前記駆動電圧(Vm)を下回る前に所定の時間が経過した場合、前記バッテリ(11)から前記蓄電装置(13)への電力の授受を行うことを特徴とする請求項4または5に記載のバッテリ昇温システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−249412(P2012−249412A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118864(P2011−118864)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】