説明

バリヤー特性を有する結合剤

本発明は、(A)放射線硬化させうる少なくとも1つの反応性官能基を含む18〜100℃(好ましくは20〜80℃)で流動性である少なくとも1つの化合物、(B)放射線硬化させうる少なくとも1つの反応性官能基および少なくとも1つのCOOH基を含む少なくとも1つの化合物、および(C)好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群および/またはポリオルガノシロキサンの群から選択される少なくとも1つのナノスケール充填剤を含有するバリヤー特性を有する結合剤に関する。この結合剤を、被覆剤、充填剤、封止剤または接着剤における放射線硬化性結合剤として使用する。また本発明は、該結合剤を用いて、CO2、O2、N2、水蒸気および風味に対してバリヤー特性を有する複合フィルムを製造する方法ならびに該方法によって製造された複合フィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリヤー特性を有する結合剤、結合、被覆および封止のための該結合剤の使用、本発明のバリヤー特性を有する結合剤を用いる多層材料の製造方法、ならびに、包装のための該多層材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの物品は、輸送または貯蔵のために循環空気または周囲大気から保護しなければならないが、その一方で、他の物品、特に高い含水量を有する物品は、乾燥から保護しなければならない。従って、これら物品を、周囲大気の全てのまたはある種の構成成分を完全に排除するのに適切であるか、あるいは、水または風味が周囲大気に拡散するのを防止し、従って包装された生成物の乾燥またはその味覚の変化を防止するのに適切であるような方法で包装しなければならない。
【0003】
例えば、燃料および暖房用油は、この目的に適する容器中で輸送および貯蔵されるが、医療分野(薬剤、アンプル)ならびに基本食品および高級食品産業においては、柔軟な包装が使用されることが多い。
【0004】
周囲大気の特に重要な構成成分は酸素である。多くの包装された物品(例えば、食品または薬剤など)に関して、酸素の存在は、酸化劣化または微生物増殖(これも包装された生成物を損なう)を導くことができる。
【0005】
熱可塑性のポリマーフィルムが、柔軟な包装の製造のために広く使用されている。これらのポリマーフィルムは、通常は単純な成型法(例えば、押出または吹込成形)によって製造される。
【0006】
最近の包装フィルムが満たすことが期待される様々な要求を、単一ポリマーのポリマーフィルムによって全て満足のいくように満たすことができないので、以前から、いわゆるラミネートされたフィルム(即ち、多層構造を有するフィルム)の製造に変更が為されている。包装フィルムの必須の基本特性(例えば、引裂強度、中性味覚およびバリヤー特性)を得るために、様々な方法を使用して個々のフィルム構成成分を一緒に結合させ、ラミネートフィルムを形成する。
【0007】
例えば、独立したバリヤー層を有する多層系を、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)および/またはアルミニウムフィルム/ホイルと、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムおよび/またはポリ塩化ビニルフィルムとを組み合わせることによって製造する。これらの多層系は、同時押出によって、または別々に製造したフィルムの結合によって製造することができる。
【0008】
別の方法において、包装フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートまたは二軸延伸ポリプロピレンに基づく包装フィルムを、アルミニウムおよび/または酸化ケイ素の層によって「金属化」(真空中)する。
別の既知の方法は、溶媒または水に基づくポリ塩化ビニリデン溶液または分散液によりフィルムを被覆することによる柔軟な包装フィルムの表面処理を使用する。
【0009】
PVDCまたはEVOHに基づく被覆組成物および接着剤は、ポリオレフィンフィルムに対して劣った接着を示すことが多い。このような接着剤が関与するポリオレフィンフィルムのラミネートは、手によって剥離できることが多い。従って、基材フィルムへの表面被覆剤または接着剤の堅固な接着を確実にするために、予備工程においてプライマーを適用しなければならないことがある。
【0010】
良好なバリヤー特性を有する包装/ラミネート材料を製造するためのこれら既知の方法は、通常は非常に複雑かつ高価である。実際的に、金属の蒸着または金属ホイルの積層による金属層の使用は、金属層における複数の微細穴による欠陥につながることが多く、これが、他の点では良好な金属層のバリヤー効果を大きく損なう。
【0011】
より簡単な方法の探索において、必要な接着効果に加えて、酸素、風味および水蒸気に対するバリヤーとしても作用する接着剤が求められている。
【0012】
欧州特許出願公開EP0906944A2は、酸素および湿気に対するバリヤー特性を有する無溶媒ポリウレタン接着剤に関する。これらのポリウレタン接着剤は、直鎖ジオールと直鎖ポリエステルとを反応させて、結晶性のヒドロキシル末端ポリエステルを生成させ、これを液体ジイソシアネートとNCO:OH比=約1:1〜約1.1:1で反応させることによって得られる。このようにして得られるポリウレタン接着剤を、積層用接着剤として使用する。この種の被覆組成物の欠点は、これらが所望の柔軟性を欠くことが多いことである。別の欠点は、良好なバリヤー特性を得るために長い反応時間を要することである。
【0013】
国際特許出願公開WO02/26908は、ポリマー結合剤、より具体的には1成分または2成分ポリウレタン接着剤に基づく積層用接着剤組成物であって、結合剤マトリックス中に、アスペクト比が>100である小板状結晶構造を有する充填剤を含有する組成物を記載している。充填剤は、例えば、2成分接着剤のヒドロキシル含有成分中に分散される。この積層用接着剤は、酸素透過率のかなりの低下を示す。しかし、その可使時間は、ある種の適用に対して短すぎることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、バリヤー特性を有する結合剤の加工および性能特性を改善することであった。本発明が解決しようとする別の課題は、バリヤー特性、より具体的にはCO2、O2、N2、水蒸気および風味に対してバリヤー特性を有する結合剤であって、低温で、即ち20〜100℃、好ましくは25〜80℃、特に30〜60℃で適用することができ、かつ良好な初期接着を示す結合剤を提供することであった。この結合剤は、特に、食品包装材のための積層用接着剤として適する。
【0015】
結合剤を封止剤または充填剤として使用するときには、硬化中の収縮は最少であろう。結合剤を、例えば、被覆のためまたは接着剤として使用するときには、硬質ないし湿潤した表面への接着が改善されるであろう。
本発明が解決しようとする別の課題は、迅速なさらなる加工が可能な接着剤、封止剤および充填剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明により提供される解決は、特許請求の範囲に規定されているが、本質的には、以下の成分を含有するバリヤー特性を有する結合剤からなる:
(A)少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基を含む18〜100℃(好ましくは20〜80℃)で流動性である少なくとも1つの化合物を、成分(A)として;
(B)少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基および少なくとも1つのCOOH基を含む少なくとも1つの化合物を、成分(B)として;および
(C)少なくとも1つのナノスケール充填剤、好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、および/または、ポリオルガノシロキサンの群から選択されるナノスケール充填剤を、成分(C)として。
【発明の効果】
【0017】
本発明の結合剤は、CO2、O2、N2、水蒸気および風味に対してバリヤー特性を有する。封止剤または接着剤としてのその好ましい使用は、バリヤー特性を有する多層材料の製造時に包含される工程の数を減少させる。これは、ポリ塩化ビニリデンおよび/またはエチレン/ビニルアルコール層による追加の被覆あるいはアルミニウム層による金属化をもはや必要としないためである。金属層が存在しないことにより、この多層材料は純粋にプラスチックフィルムからなり、従って、廃棄するのが比較的容易である。特に、金属層の不存在は、バリヤー特性を有する透明なラミネートフィルムの製造を可能にする。
【0018】
本発明の結合剤は、60℃で50〜52,000mPasの粘度(ブルックフィールドRVT DV-IIデジタル粘度計、スピンドル27で測定)を有し、従って、低温で、即ち40〜120℃の温度で容易に適用することができる。特に、これらは良好な初期接着を迅速に現す。従って、感温性基材(例えばポリオレフィンフィルム)を、基材を損なうことなく確実に結合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の接着剤組成物は、放射線硬化性であり、好ましい態様においては、二元的硬化系として使用する。この場合、結合剤は水不含であるべきである。二元的硬化系は、これらが放射線硬化性であり、かつ第2の独立した硬化機序によっても硬化されうるという点で区別される。本発明の結合剤は、好ましくは、1成分(1C)系として使用することができるので、追加の成分(特に硬化剤)を必要としない。
【0020】
本発明の結合剤を含む接着剤、封止剤および充填剤は、含有するとしても、少ない移動可能成分しか含有しない。従って、他では普通である接着剤、封止剤または充填剤の適用後の完全な硬化を待つ必要がない。
【0021】
本発明における結合剤とは、同種または異種の基材を結合するか、または該基材に強固に付着することができる材料であると解される。
【0022】
本明細書における「硬化する」なる用語または同様の用語は、この用語に関連して考慮される特定の組成物の個々の成分において起こりうる重合反応に関係する。この重合反応は、ラジカル、アニオンもしくはカチオン重合、重縮合または重付加反応であってよく、これらの反応において、1つの反応性官能基が別の適する官能基と反応することができ、該基を保持する分子の分子量が増大する。通常は、架橋反応も同時に起こる。
【0023】
本発明において、「放射線硬化性」なる特徴は、放射線の作用下で重合反応が開始されることであると解される。この放射線は、照射される架橋可能な結合剤層において不可逆的な架橋を生じるあらゆる形態の放射線であることができる。適する放射線の形態には、特にUV線、電子ビーム、可視光線およびIR線が含まれる。放射線によって硬化させうる反応性官能基の例は、炭素-炭素二重結合を含む基である。
【0024】
ポリマー化合物に対して記載した分子量は、他に特記することがなければ、数平均分子量(Mn)を表す。記載した全ての分子量は、他に示すことがなければ、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって得られる値である。
【0025】
モノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物が、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基を含んでいるなら、これら化合物は成分(A)として使用するのに適する。成分(A)は、18〜100℃、好ましくは20〜80℃で流動性であるのが好ましい。成分(A)として使用するのに適するこのような化合物は、ポリ(メタ)アクリル酸のアルキル、シクロアルキルもしくはアリールエステル、(メタ)アクリル酸のホモおよび/またはコポリマー、不飽和のポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリオレフィン、ビニルポリマーまたはゴムポリマー(例えば、ニトリルまたはスチレン/ブタジエンゴム)からなる群から選択される。本発明の目的のために成分(A)として適する化合物は、例えば、C.G.Roffeyによる「Photogeneration of Reactive Species for UV Curing」[John Wiley & Sons、1997、p.182(ビニル誘導体)、p.482-485(不飽和ポリエステル)、p.487-502(ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ、ポリウレタンおよびメラミンアクリレート)、p.504-508(放射線架橋可能なオルガノシロキサンポリマー)]に、ならびに、R.HolmanおよびP.Oldringによる「U.V. and E.B. Curing Formulation for Printing Inks、Coatings and Paints」[SIFA (Selective Industrial Training Associates Limited、London、U.K.)、第2版、1988、p.23-26(エポキシアクリレート)、p.27-35(ウレタンアクリレート)、p.36-39(ポリエステルアクリレート)、p.39-41(ポリエーテルアクリレート)、p.41(ビニルポリマー)、p.42-43(不飽和ポリエステル)]に記載されている。
【0026】
(メタ)アクリル酸のホモおよび/またはコポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートまたはポリウレタン(メタ)アクリレートからなる群からの化合物を、好ましくは成分(A)として使用する。「(メタ)アクリレート」なる用語は、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」の短縮形であることを意味する。
スチレン、メチルスチレンおよび/または他のアルキルスチレンおよびα-オレフィンをコモノマーとして含有する(メタ)アクリル酸のコポリマーが好ましい。
【0027】
2および/またはそれ以上の官能価を有するアクリレートまたはメタクリレートエステルが、成分(A)として特に適する。このようなアクリレートまたはメタクリレートエステルには、好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸と芳香族、脂肪族または脂環式ポリオールとのエステルあるいはポリエーテルアルコールのアクリレートエステルが含まれる。適する化合物は、C.G.Roffeyによる「Photogeneration of Reactive Species for UV Curing」(p.537-560)ならびにR.HolmanおよびP.Oldringによる「U.V. and E.B. Curing Formulation for Printing Inks、Coatings and Paints」(p.52-59)に記載されている。
【0028】
成分(A)として特に好ましい化合物には、2〜約40個の炭素原子を含む脂肪族ポリオールの(メタ)アクリレートエステルが含まれる。このような化合物は、好ましくは、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートならびにソルビトールおよび他の糖アルコールの(メタ)アクリレートエステルからなる群から選択される。これら脂肪族または脂環式ジオールの(メタ)アクリレートエステルを、脂肪族エステルまたはアルキレンオキシドで修飾することができる。脂肪族エステルで修飾されたアクリレートには、例えば、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレートなどが含まれる。アルキレンオキシド修飾したアクリレート化合物には、例えば、エチレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートまたはプロピレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートあるいはこれらの2つまたはそれ以上の混合物が含まれる。
【0029】
また、芳香族基を含むアクリレートまたはメタクリレートを使用することもできる。これらには、対応するビスフェノールA化合物、例えば、ビスフェノールAとアルキレンオキシドとの付加物(例えば、ビスフェノールAとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの付加物)のジアクリレートまたはジメタクリレートが含まれる。ポリエーテルポリオールに基づくアクリレートモノマーには、例えば、ネオペンチルグリコール修飾した(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが含まれる。3またはそれ以上の官能価を有するアクリレートモノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトール トリおよびテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリルオキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン修飾したトリス[(メタ)アクリルオキシエチル]イソシアヌレートまたはトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートあるいはこれらの2つまたはそれ以上の混合物が含まれる。
【0030】
本発明に従って成分(A)として使用しうる2、3またはそれ以上の官能価を有する上記アクリレートモノマーの中で、ジ、トリおよびテトラプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノエトキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリトリトールトリアクリレートが好ましい。
【0031】
ポリオールを2官能以上のイソシアネートと反応させてOH末端ポリウレタンプレポリマーを調製し、これを(メタ)アクリル酸でエステル化して対応するジエステルを調製することによって、ウレタン基を含むポリオールに基づく(メタ)アクリレートエステルを製造することができる。
【0032】
特に好ましい態様において、一般式(I):
【化1】

[式中、
1=H、CH3
7=直鎖もしくは分岐鎖のC2-C10アルキレン基;
8=直鎖もしくは分岐鎖のC1-C25アルキレン基;
n=1〜25]
で示される化合物を成分(A)として使用する。
【0033】
一般式(I)で示される好ましい化合物は、メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブチルジエチレングリコールメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化ラウリルアルコールメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレートである。
【0034】
特に好ましい態様において、成分(A)は、ヒドロキシ官能性エチルヘキシルメタクリレート、オクチル/デシルアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、修飾した芳香族または脂肪族エポキシアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリルオキシエチル]-イソシアヌレート、カプロラクトン修飾したトリス[(メタ)アクリルオキシエチル]-イソシアヌレート、ジ、トリおよびテトラプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノエトキシトリ(メタ)アクリレート、アミン修飾したポリエーテルアクリレートからなる群から選択される。
【0035】
化合物(A)の分子量は、100〜15,000g/モルの範囲内、好ましくは100〜10,000g/モルの範囲内、特に100〜8,000g/モルの範囲内である。
化合物(A)は、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤の5〜60重量%、好ましくは5〜45重量%、特に5〜30重量%を構成する。
【0036】
アシル化したカルボン酸末端のポリエステル、カルボン酸修飾したポリブタジエンおよびポリエーテルポリオールに基づく酸修飾した(メタ)アクリレートを、成分(B)として使用するのが好ましい。この最後のものは、ポリエーテルポリオール(例えば、エチレングリコールまたはプロピレングリコール)と、芳香族または脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸またはフタル酸)、および(メタ)アクリル酸との反応によって得られる。
【0037】
成分(B)は、特に、国際特許出願公開WO01/16244に開示されている生成物から選択される(該文献の全開示が、本願明細書に具体的に含まれる)。
成分(B)として使用する好ましい市販の化合物は、CognisからPHOTOMER 5429F、5432、4173、4149、3038または4017の名称のもとで、BASFからLaromer PE 44F、PE 55F、PE 56F、8800、8981、9004の名称のもとで、Cray ValleyからCraynor 203、293、294E、UVP 210、UVP 220の名称のもとで、またはSynocure AC 1007の名称のもとで、RahnからGenomer 6043、6050の名称のもとで、UCBからEbecryl 436、438、584、586、588の名称のもとで入手することができる。
【0038】
化合物(B)の分子量は、100〜15,000g/モルの範囲内、好ましくは100〜10,000g/モルの範囲内、特に100〜8,000g/モルの範囲内である。
化合物(B)は、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、特に20〜40重量%を構成する。
【0039】
本発明の結合剤は、成分(C)として、ナノスケール充填剤、好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、および/または、ポリオルガノシロキサンの群から選択されるナノスケール充填剤を含有する。
【0040】
ナノスケール充填剤は、ナノ分散充填剤または「ナノ粒子」としても知られている。これは、全粒子の数加重平均において、分散物中で堅い一団(ユニット)を形成する最小粒子が、各粒子について所望により選択される少なくとも1つの方向において、1,000ナノメートル(nm)以下、好ましくは500nm以下、特に100nm以下の寸法を有するためである。
【0041】
例えば、ナノ粒子は球状、棒状または小板状の構造を有するか、または様々な構造の混合物である。ナノスケール充填剤中に存在するナノ粒子は、好ましくは、数加重平均で1〜40nm、特に3〜30nmの寸法を有する。粒子寸法は、好ましくはUPA法(Ultrafine Particle Analyzer)によって、例えばレーザー光後方散乱によって測定する。ナノ粒子の凝集または合体を防止または回避するために、ナノ粒子を、既知のようにして表面修飾または表面被覆することができる。凝集物を含まないナノ粒子を製造するための1つの方法が、独国特許出願公開DE-A-19614136の第8〜10欄に、酸化鉄粒子を例に挙げて記載されている。このようなナノ粒子を表面被覆して凝集を回避するためのある種の可能な方法が、独国特許出願公開DE-A-19726282に記載されている。
【0042】
本発明の好ましい態様は、分散物中で堅い一団を形成するナノスケール充填剤の最小構成成分のそれぞれが、所望により選択される互いに直角の2つの方向において、該構成成分の最小寸法とともに、少なくとも10倍の構成成分寸法を有するナノスケール充填剤の使用を特徴とする。これら粒子の厚みは、好ましくは10nmよりも小さい。
【0043】
ナノスケール充填剤は、第2〜第4主族、遷移元素またはランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、特に、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、スズ、亜鉛、鉄またはアルカリ(アルカリ土類)金属の酸化物、水酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物または混合の酸化/水酸化/ハロゲン化化合物から選択される。これらの物質は、本質的にはアルミナであり、例えば、酸化アルミニウム、ベーマイト、バイエライト、ギブサイト、ダイアスポアなどである。層状ケイ酸塩、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、ヒドロタルサイト、ヘクトライト、カオリナイト、ベーマイト、雲母、蛭石またはこれらの混合物などが適する。フィロケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウム、およびモンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ステベンサイト、蛭石、ハロイサイトまたはこれらの合成類似体が特に好ましい。二酸化ケイ素のクリストバライト、石英およびトリジナイト修飾の中で、石英修飾が好ましい。
【0044】
他の適するナノスケール充填剤は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化カドミウムなどである。
本発明の特に好ましい態様において、成分(C)は非晶質二酸化ケイ素である。
【0045】
SANS法(小角中性子散乱)を用いて、ナノ粒子、特に非晶質の二酸化ケイ素粒子を測定する。当業者はこの方法に精通しており、詳しい説明はここでは必要ない。このSANS法において、粒子寸法の分布曲線が得られ、この分布曲線において、適する寸法(直径)の粒子の割合(容量%)が粒子直径に対してプロットされる。本発明において、平均粒子寸法は、SANS分布曲線のピーク、即ち、対応する直径の粒子を含む最大分画(容量)と定義される。この平均粒子寸法は、好ましくは6〜40nm、より好ましくは8〜30nm、最も好ましくは10〜25nmである。二酸化ケイ素粒子は、好ましくは実質的に球状である。
【0046】
成分(C)として使用するナノスケール充填剤は、本発明の結合剤の5〜50重量%、好ましくは20〜45重量%、特に30〜40重量%を構成する。
【0047】
特に好ましい態様において、ナノスケール充填剤を、重合可能なモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーを含有する流動性相中に分散させる。流動性相は、成分(A)、(B)および(D)の混合物からなっていてよい。好ましい態様において、流動性相は成分(A)から構成される。特に好ましい態様において、分散媒体として使用する流動性相は、水不含、即ち、わずかな痕跡量の水しか含まない。
【0048】
このような分散物および二酸化ケイ素分散物それ自体を製造するための方法は、欧州特許出願公開EP-A1-1236765に開示されている(この文献の全開示は、本願の開示中に包含される)。
【0049】
成分(A)および(C)の市販分散物は、Hanse ChemieからNanocrylの名称のもとで入手可能である。好ましい製品は、Nanocryl XP 21/0746、XP 21/0768、XP 21/0396、XP 21/1045およびXP 21/1515である。
【0050】
別の好ましい態様において、本発明の結合剤は、少なくとも1つの有機ケイ素化合物を化合物(D)として含有する。成分(D)として使用するのに適する有機ケイ素化合物の群から、少なくとも1つの3次元架橋可能なポリオルガノシロキサン(架橋後に平均粒子直径70〜1,000nmを有する)を、成分(D1)として使用する。対応するポリオルガノシロキサンは、欧州特許EP-B1-0407834の第3頁第43行〜第4頁第19行に記載されている。
【0051】
好ましい態様において、成分(D)は、成分(D2)として、アクリル酸および/またはメタクリル酸またはこれらの誘導体と、一般式(II):
【化2】

[式中、
Y=エポキシド、-OH、-COOH、-SH、-NH2、NHR''基;
R''=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル、C5-8シクロアルキル、C6-10アリール、C7-12アラルキル基;4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;A-Si((Z)n)(X)3-n;アルキル-、シクロアルキル-またはアリール置換された約1〜約20個のSi原子を含むシロキサン基;
A=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和の1〜12個の炭素原子を含むアルキレン基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖の1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基;
Z=C1-18アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基;
T=-NH2、-NH-CO-R5、-OOC-R5、-O-N=C(R5)2またはOR6
5=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;
6=R5、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;または4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;C5-8シクロアルキレン基;C6-10アリール基またはC7-12アラルキル基;
m=1〜40、好ましくは1〜20、特に1〜10;
n=0、1または2]
で示されるシラン(e)との反応生成物、好ましくはエステル化またはエステル交換生成物である。
【0052】
以下に、式(II)で示される化合物の例を挙げる:H2N-CH2-Si(O-CH2-CH3)3、HO-CH2-Si(OCH3)3、HO-(CH2)3-O-CH2-Si(O-CH3)3、HO-CH2-CH2-O-CH2-Si(OCH3)3、(HO-C24)2N-CH2-Si(O-CH3)3、HO-(C24-O)3-C24-N(CH3)-CH2-Si(O-CH3)3、H2N-CH2-C64-CH2-NH-CH2-Si(O-CH3)3、HS-CH2-Si(O-CH3)3、H2N-(CH2)3-NH-CH2-Si(OCH3)3、H2N-CH2-CH2-NH-CH2-Si(O-CH3)3、HN-((CH2)3-Si(O-CH2-CH3)3)2、またはCH3-(CH2)3-NH-(CH2)3-Si(O-CH3)3、H2N-(CH2)3-Si(O-C25)3、H2N-CH(CH3)-CH2-Si(O-CH3)3、H2N-(CH2)3-Si(O-CH3)3、H2N-CH2-CH2-O-CH2-CH2-Si(O-CH3)3、(HO-C24)2N-(CH2)3-Si(O-CH3)3、HO-(C24-O)3-C24-N(CH3)-(CH2)3-Si(O-C49)3、H2N-CH2-C64-CH2-CH2-Si(O-CH3)3、H2N-(CH2)3-NH-(CH2)3-Si(O-CH3)3、H2N-CH2-CH2-NH-(CH2)2-Si(OCH3)3、H2N-(CH2)2-NH-(CH2)3-Si(O-CH3)3、H2N-CH(C25)-CH2-Si(O-CH3)3、H2N-CH2-CH2-O-CH2-CH2-Si(O-C25)3、(HO-C24)2N-(CH2)3-Si(O-C25)3、H2N-CH2-C24-CH2-CH2-Si(O-C25)3、H2N-(CH2)3-NH-(CH2)3-Si(O-C25)3、H2N-CH2-CH2-NH-(CH2)2-Si(O-C25)3、H2N-(CH2)2-NH-(CH2)3-Si(O-C25)3およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物。
【0053】
本発明によれば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシフェニルシランおよび3-アミノプロピルジエトキシシラン、特に、3-アミノプロピルトリメトキシシランまたはビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)-アミン、またはこれらの混合物を、一般式(II)で示されるシランとして使用する。
【0054】
市販のシラン(e)は、Dynamit NobelからDYNASYLANの名称のもとで入手可能である。これらは、2個または3個のアルコキシ基および1個または2個のアルキル基(これらに官能基、例えばアミノ、メルカプト、メタクリルオキシまたはニトリル基、あるいはハロゲン原子、例えば塩素が結合していてもよい)を含むアルコキシシラン誘導体である。
【0055】
特に好ましい態様において、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび/またはアリルトリエトキシシランを、成分(D2)として使用する。成分(D2)を、それ自体でまたは成分(D1)との混合物の形態で使用することができる。
【0056】
別の好ましい態様において、成分(D)は、成分(D3)として、イソシアネート含量が<1重量%、好ましくは<0.5重量%、特に0.1重量%NCOであるウレタン基を含むシランである。成分(D3)を、それ自体でまたは成分(D1)および/または成分(D2)との混合物の形態で使用することができる。このようなウレタン基を含むシランは、ポリイソシアネート(c)と一般式(II)で示されるシラン(e)との反応によって得られる。
【0057】
成分(D1)、(D2)および/または(D3)は、0.3〜20重量%の量で、好ましくは0.4〜15重量%の量で、特に0.5重量%までの量で存在する。
【0058】
特に好ましい態様において、成分(D)として使用するのに適する有機ケイ素化合物の群から、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性基を有するウレタン基含有シランを、成分(D4)として使用する。
【0059】
成分(D4)は、少なくとも1つのポリイソシアネート(c)を、少なくとも1つのNCO反応性官能基および少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基の両方を含む少なくとも1つの化合物(d)と、ならびに、式(II)で示される少なくとも1つのシラン(e)と反応させることによって製造される。対応する方法は当業者に知られている。
【0060】
本発明によれば、遊離NCO基を含む非対称性ジイソシアネートおよび/またはポリウレタンプレポリマーを、好ましくはポリイソシアネート(c)の群から選択する。
非対称性ジイソシアネートは、分子中に反応性の異なるイソシアネート基を含んでいる。好ましい非対称性ジイソシアネートは、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)である。
【0061】
広範囲の適するポリオールおよびイソシアネート成分ならびにポリウレタンプレポリマーの製造方法に関する情報は、ポリウレタンプレポリマーに関する文献において見ることができる(例えば、欧州特許EP0150444、EP0590398または国際特許出願公開WO99/24486を参照)。
【0062】
低モノマーポリウレタンプレポリマーを、成分(c)として使用するのが好ましい。本発明において「低モノマー」とは、遊離NCO基を含むPUプレポリマーにおいて、モノマージイソシアネート、特に芳香族ジイソシアネートが低濃度であるものと解される。これらのいわゆる「残留モノマー」の濃度は、遊離NCO基を含むPUプレポリマーの組成を基準に、1重量%以下、好ましくは0〜0.5重量%、特に0〜0.2重量%である。遊離NCO基を含む低モノマーPUプレポリマーは、例えば、独国特許DE4136490、国際特許出願公開WO01/40342およびWO97/46603から既知であり、明らかに本発明に包含される。
【0063】
NCO反応性官能基は、ツェレウィチノフ試験によって測定しうるN、OまたはS原子に結合した活性水素原子を含む基である。このような水素原子には、特に、水、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシおよびチオール基の水素原子が含まれる。
【0064】
一般式(III):
【化3】

[式中、
Y=NCO反応性基、好ましくは、OH、COOH、SH、NH2、NHR3
1=H、CH3
2=所望により官能基によって、例えばフェノキシまたはアセトキシ基によって置換された、2〜21個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を含む飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基、特にエチレン、プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン基、あるいは、C2-4アルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド基、特に、2〜10個のエチレンオキシド単位を含むエチレンオキシド基および/または1〜7個のプロピレンオキシド単位を含むプロピレンオキシド基;
3=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル基;C5-8シクロアルキル、C6-10アリール、C7-12アラルキル]
で示されるメタクリレートを、好ましくは、少なくとも1つのNCO反応性官能基および少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基の両方を含む化合物(d)として使用する。
式(III)で示される(メタ)アクリレートの製造は、当業者に知られている。
【0065】
一般式(III)で示される好ましい(メタ)アクリレートは、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Y=OH)、例えば2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレートおよびポリプロピレングリコールメタクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、1,3-グリセロールジ(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-トルイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-アセトキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ安息香酸の2-ヒドロキシ-3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)-ヒドロキシ]-プロピルエステル、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートである。これらのヒドロキシアクリレートまたはメタクリレートを、個々にまたは混合して使用する。
【0066】
ポリイソシアネート(c)および一般式(III)で示される(メタ)アクリレートの量は、広い範囲で選択することができる。即ち、ポリイソシアネート(c)のNCO基:一般式(III)で示される(メタ)アクリレートのNCO反応性基Yの比は、0.6:1〜20:1であることができる。NCO:Yの比は、好ましくは1.2:1〜10:1である。
【0067】
ポリイソシアネート(c)と化合物(d)との反応生成物(これは、少なくとも1つのNCO反応性官能基および少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基の両方を含む)の分子量は、100〜10,000g/モルの範囲内、好ましくは110〜6,000g/モルの範囲内、特に120〜4,000g/モルの範囲内である。ポリイソシアネート(c)と化合物(d)との反応生成物(これは、少なくとも1つのNCO反応性官能基および少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基の両方を含む)のNCO含量は、2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である(スピーゲルバーガー法で測定)。
【0068】
ポリイソシアネート(c)の混合物および/またはシラン(e)の混合物の両方を、成分(D4)の製造に使用することができる。ポリイソシアネート成分(c)とシラン(e)との反応は、NCO:Yのモル比を1:0.01〜1、好ましくは1:0.05〜0.7、特に1:0.1〜0.4として行う。ポリイソシアネート成分(c)およびシラン(e)の反応生成物は、1〜30%、好ましくは10〜28%、特に15〜25%のNCO含量(スピーゲルバーガー法で測定)、および100〜1,000g/モルの分子量を有する。このような反応生成物の製造方法および反応生成物それ自体は、独国特許出願公開DE-A1-10162642に開示されている。
【0069】
成分(D4)を製造するために、少なくとも1つのポリイソシアネート(c)、少なくとも1つの化合物(d)[これは、少なくとも1つのNCO反応性官能基および少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基の両方を含む]、および少なくとも1つのシラン(e)を、いわゆる「ワンポット」反応で互いに反応させる。しかし、この反応を、段階的に行うこともできる。即ち、第1段階において、(c)を(d)または(e)と反応させ、第2段階において、(e)または(d)を第1段階からの対応する反応生成物とさらに反応させることもできる。
【0070】
反応終了時に、成分(D4)は、成分(D4)の全重量を基準に、<0.05重量%の遊離モノマーポリイソシアネート含量を有する。
成分Dと本発明の結合剤とを安定な状態で混合するために、成分Dは、貯蔵条件下で他の構成成分に反応性であるどのような基をも含むべきではない。特に、それはイソシアネート基を含まないものであるべきである。
【0071】
成分(D3)および(D4)として使用する有機ケイ素化合物の官能基:-Si(T)3-n(II)は、Si-O-Si単位の無機網状構造を形成するのに役立つ。
本発明の結合剤を1成分(1C)接着剤として使用するときには、成分(D3)および(D4)は、好ましくは加水分解に対して感受性である。即ち、水または大気中湿気の存在下に、Si-T結合は、対応する切断生成物の放出および架橋を伴う過程において分解される。式(II)中のT基に対応して、例えば、アミン、酸アミド、オキシムまたはアルコールが、架橋反応(重縮合反応)中に切断生成物として生成する。
【0072】
Si-O-Si網状構造の形成は、例えば、カール-フィッシャー滴定(加水分解中の水消費の測定)によってモニターすることができる。
成分(C)は、好ましくは網状構造を形成することができ、重縮合によるSi-O-Si網状構造の形成が特に好ましい。
【0073】
本発明の好ましい態様において、成分(E)として、式(IV):
【化4】

で示される金属化合物の存在下に、成分(C)の表面で成分(D)との反応が起こりうる。
【0074】
この化合物の金属Mは、形式的に酸化状態3または4で存在しうる周期律表の主族および亜族の元素から選択される。好ましい態様において、金属MはGe、Sn、Pb、Ti、Zr、BまたはAlである。その価数に依存して、xは好ましくは3または4である。同一または異なっていてよい置換基R9は、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびヒドロキシルから選択される。しかし、形式的な酸化状態3または4を有する多くの化合物は、複数の配位子を有する錯体としても存在しうるので、結合剤は、式(IV)中のR9基がR9基よりも強く金属Mに結合する1つまたはそれ以上の配位子Lによって完全にまたは部分的に置換されている化合物を、代わりにまたは追加で含有することができる。この種の化合物は、例えば、独国特許出願公開DE10044216A1(第4頁第1〜31行を参照)に記載されている。
【0075】
適する金属化合物は、「カップリング剤」としても知られ、有機官能基に結合した1つまたはそれ以上の金属中心、例えばSi、Ti、ZrまたはAlを有する。対応するチタン、ジルコニウムまたはアルミニウム化合物は、例えば、独国特許DE41128743C2(第7および8頁)に記載されている。ZrおよびTi化合物については、r=0である。
【0076】
成分(E)は、好ましくは、テトラブチルチタネート、スズ(II)オクタノエート、ジブチルスズジラウレート、テトラアセトキシシランまたはメチルトリメトキシシランから選択される。成分(E)として好ましく使用しうる他の金属化合物は、欧州特許出願公開EP1342742A1(第5頁第28〜52行)に記載されており、これらが本発明において包含される。
【0077】
チタネートは、「KR」または「LICA」物質として市販されている(Kenrich Petrochemicals, Inc.から)。上記したシランと同様に、これらの試薬は、アルコキシ基および所望により酸素を介して金属中心に結合した官能基によって置換された基を含む化合物である。これらの官能基は、例えば、アミノ、メルカプトまたはヒドロキシル基である。
【0078】
適するジルコネート化合物は、例えば、所望によりアミノまたはメルカプトを含む化合物であり、「KZ」または「LZ」試薬として入手可能である(Kenrich Petrochemicals, Inc.から)。
【0079】
成分(E)は、本発明の結合剤において、使用する成分の合計量を基準に、0〜12重量%の量で、好ましくは0.5〜10重量%の量で、特に1〜5重量%の量で使用する。反応は、特に水の存在下で起こる。即ち、特に接着剤として適用した後に、湿気が接着剤中に浸透することができ、成分CおよびDおよび所望によりEの間の化学的架橋を促進することができる。
【0080】
放射線硬化性基の重合反応は、UV線、電子ビーム、可視光線、さらにはIR線によっても行うことができる。電子ビームまたはUV線の場合には、所望の生成物特性を、放射線用量によって調節し、IR線の場合には、生成物温度および滞留時間によって調節する。光化学硬化反応の進行を、IRスペクトルによって追跡することができる(C=CおよびC=Oバンドの強度および相関)。UV光または電子ビームの照射が、本発明の目的に好ましい。
【0081】
本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤をUV光中で重合させるときには、少なくとも1つの光開始剤(F)が結合剤組成物中に存在する。約215〜約480nmの波長の光に暴露したときに、オレフィン性不飽和二重結合のラジカル重合を開始させうる光開始剤(F)を使用するのが好ましい。原則的に、本発明の結合剤と相溶性である、即ち少なくとも実質的に均一な混合物を生成する任意の市販の光開始剤を、本発明の目的のために、光開始剤(F)として使用することができる。このような市販の光開始剤は、例えば、任意のノリッシュ(Norrish)I型分断性物質、例えばベンゾフェノン、カンファーキノン、Quantacure(International Bio-Syntheticsの製品)、Kayacure MBP(Nippon Kayakuの製品)、Esacure BO(Fratelli Lambertiの製品)、Trigonal 14(Akzoの製品)、Irgacure、DarocureまたはSpeedcure系列の光開始剤(Cibaの製品)、例えばDarocure 1173および/またはFi-4(Eastman Companyによる製造)である。これらの中で、Irgacure 651、Irgacure 369、Irgacure 184、Irgacure 907、Irgacure 907、Irgacure 784、Irgacure 500、Irgacure 1000、Darocure MBF、Irgacure 1300、Darocur 4265、Darocur TPO、Irgacure 819および918 DW、Irgacure 2022およびIrgacure 2959またはこれらの2種またはそれ以上の混合物が特に適している。また適するのは、ホスフィンオキシド化合物(Lucirin TPO、BASF AGの製品)であり、これは、上記した光開始剤の1種またはそれ以上と混合して使用することもできる。
【0082】
本発明のバリヤー特性を有する結合剤は、光開始剤(F)を、全結合剤組成物を基準に、0〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の量で含有する。
【0083】
本発明の結合剤は、所望により添加剤(G)を含有することができ、これは全接着剤の約50重量%程度を構成することができる。本発明に従って使用するのに適する添加剤(G)には、例えば、可塑剤、触媒、安定剤、分散剤、抗酸化剤、染料、充填剤、および、成分(A)、(B)もしくは(D)中またはこれら成分の混合物中の成分(C)の分散物の流動性に影響を与えるための物質が含まれる。
【0084】
本発明のバリヤー特性を有する結合剤は、好ましくは以下の成分を含有する:
(I)成分(A)として、5〜80重量%、好ましくは60重量%まで、より好ましくは45重量%まで、最も好ましくは5〜30重量%の、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基を含む18〜100℃(好ましくは20〜80℃)で流動性である少なくとも1つの化合物;
(II)成分(B)として、1〜70重量%、好ましくは5重量%を超える、より好ましくは10〜60重量%、最も好ましくは30〜40重量%の、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基および少なくとも1つのCOOH基を含む少なくとも1つの化合物;
(III)成分(C)として、5〜50重量%、好ましくは20〜45重量%、特に30〜40重量%の少なくとも1つのナノスケール充填剤、好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、および/または、ポリオルガノシロキサンの群から選択されるナノスケール充填剤;
(IV)成分(D)として、0〜50重量%、好ましくは0.3〜40重量%、特に0.5〜30重量%の少なくとも1つの有機ケイ素化合物;
(V)成分(E)として、0〜12重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の、式(IV):
【化5】

[式中、
M=Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、B、Al;
x=3または4;
9=ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル基(Rは同一または異なっていてよい)]
で示される金属化合物;
(VI)成分(F)として、0〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の光開始剤;
(VII)成分(G)として、0〜50重量%の、可塑剤、触媒、安定剤、分散剤、抗酸化剤、染料、充填剤、および、成分(A)、(B)もしくは(D)中またはこれら成分の混合物中の成分(C)の分散物の流動性に影響を与えるための物質からなる群から選択される添加剤;
ここで、上記した成分の合計は100重量%である。
【0085】
本発明の特に好ましい態様において、バリヤー特性を有する結合剤は、成分(D4)として、10〜50重量%、特に15〜40重量%の有機ケイ素化合物を含有し、この成分(D4)は、以下の成分の反応によって得られる:
(i)ポリイソシアネート(a)として、遊離NCO基を含む低モノマーポリウレタンプレポリマーであって、IPDI、MDIまたはTDIからなる群からの少なくとも1つのポリイソシアネートおよび分子量150〜2,000g/モルを有する少なくとも1つのポリオールの付加生成物である低モノマーポリウレタンプレポリマー;および
(ii)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートからなる群からの少なくとも1つのヒドロキシアクリレート;および
(iii)以下の式(II)で示される少なくとも1つの化合物:
【化6】

[式中、
Y=エポキシド、-OH、-COOH、-SH、-NH2、NHR''基;
R''=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル、C5-8シクロアルキル、C6-10アリール、C7-12アラルキル基;4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;A-Si((Z)n)(X)3-n;アルキル-、シクロアルキル-またはアリール置換された約1〜約20個のSi原子を含むシロキサン基;
A=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和の1〜12個の炭素原子を含むアルキレン基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖の1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基;
Z=C1-18アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基;
T=-NH2、-NH-CO-R5、-OOC-R5、-O-N=C(R5)2またはOR6
5=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;
6=R5、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;または4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;C5-8シクロアルキレン基;C6-10アリール基またはC7-12アラルキル基;
m=1〜40、好ましくは1〜20、特に1〜10;
n=0、1または2]。
【0086】
工程(i)において使用する低モノマーポリウレタンプレポリマーは、PUプレポリマーの合計量を基準に、0.5重量%未満、好ましくは0.3重量%未満、特に0.1重量%未満のIPDI、MDIまたはTDIからなる群からの遊離モノマー性ポリイソシアネートを含有する。存在するイソシアネート基は、D4を生成する成分(i)、(ii)、(iii)の反応中に反応消失することが意図されている。
【0087】
本発明の別の好ましい態様において、成分(D1)、(D2)および/または(D3)は、成分(I)〜(VII)からなる全組成物を基準に、0.3〜20重量%の量で、好ましくは0.4〜15重量%の量で、特に好ましい態様においては0.5〜10重量%の量で存在する。
【0088】
また、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤は、その意図する適用分野に依存して、60重量%までの不活性溶媒を含有することもできる。
基本的に、適する溶媒は当業者に既知の任意の溶媒であり、特に、エステル、ケトン、ハロゲン化炭化水素、アルカン、アルケンおよび芳香族炭化水素である。このような溶媒の例は、塩化メチレン、トリクロロエチレン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、酢酸メトキシブチル、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、酢酸2-エチルヘキシル、グリコールジアセテート、ヘプタン、ヘキサン、酢酸イソブチル、イソオクタン、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランまたはテトラクロロエチレンあるいはこれら溶媒の2種またはそれ以上の混合物である。
【0089】
本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤は、ポリマー混合物を製造するための当業者には既知の通常の方法のいずれかによって製造することができる。
【0090】
結合剤を硬化させると、柔軟特性を有するくっつきのない、即ち不粘着性の、特に耐引掻性の被覆剤、充填剤または封止剤、あるいは表面粘着性の接着剤が導かれる。従って、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤を、被覆組成物、充填剤、封止剤または接着剤として使用することができ、該結合剤は、CO2、O2、N2、ガス混合物(例えばCO2とN2の混合物)、水蒸気および風味に対してバリヤー特性を有する接着剤、封止剤または充填剤として区別される。
【0091】
基本的に、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤は、種々の材料を充填、封止、被覆および結合するのに適している。このような材料には、例えば、木材、金属、ガラス、植物繊維、石、紙、水和セルロース、プラスチック、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、酢酸ビニルオレフィンのコポリマー、ポリアミド、または金属ホイル、例えばアルミニウム、鉛もしくは銅のホイルが含まれる。
【0092】
本発明の放射線硬化性結合剤は、任意の適する方法によって、例えば、噴霧、ナイフ被覆、3本/4本ロール適用ユニット(無溶媒結合剤を使用するとき)または2本ロール適用ユニット(溶媒含有結合剤を使用するとき)によって、基材に適用することができる。
【0093】
本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤は、ガラス、金属、プラスチック、紙、セラミックなどの基材を、浸漬被覆、注型、引き被覆、噴霧、静電噴霧、電気被覆などによって被覆するのに特に適している。本結合剤は、光学、光電気または電子物品の被覆に、ならびに、原動機および暖房用燃料のための容器の被覆に特に適している。
【0094】
本発明の放射線硬化性結合剤は、バリヤー特性を有する接着剤であり、ラミネートフィルムの製造に特に適している。0.05重量%未満のモノマーポリイソシアネート含量のゆえに、本結合剤は、食品包装に使用する柔軟なラミネートフィルムの製造に特に適している。
【0095】
従って、本発明は、本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤を用いて、少なくとも2つの同種または異種のプラスチックフィルムを部分表面結合または全表面結合することによって得られるラミネートフィルムの製造方法にも関する。
【0096】
本結合剤を、このような目的に典型的に使用される機械(例えば通常の貼合せ機)を用いて、結合しようとするフィルムに適用することができる。ラミネートを得るために結合しようとするフィルムに、例えばプラスチックまたは金属のフィルムに、本結合剤を液体状態で適用するのが特に適している。結合剤の粘度は、接着剤が通常の適用温度で約500mPas、特に1,000〜約5,000mPasの粘度(ブルックフィールドRVT DV-IIデジタル粘度計、スピンドル27で測定)を有するように選択する。通常の適用温度は、例えば、柔軟な包装フィルムの製造の際には約25〜約75℃であり、高光沢フィルムの積層の際には約70〜約90℃であり、繊維製品分野における適用のためには約80〜約130℃である。
【0097】
このように本発明のバリヤー特性を有する溶媒含有の放射線硬化性結合剤で被覆したフィルムを、初めに40〜120℃のトンネル乾燥機中で熱的に予備架橋(縮合)させ、次いで所望により加圧下に、少なくとも1つの他のフィルムと貼合せ、その後に照射する。本発明の無溶媒結合剤のためには、乾燥工程は余分である。
【0098】
本発明のバリヤー特性を有する放射線硬化性結合剤は、放射線への暴露およびそれに伴う架橋反応の結果として分子量が増大し、従ってより高い凝集力を持ち、感圧接着剤の表面を有する。放射線供給源としてUV光を使用するときには、本発明に従って使用する結合剤は、成分(F)として少なくとも1つの光開始剤を含有する。
記載した方法を数回繰り返して、2を超える結合層からなるラミネートフィルムを製造することができる。
【0099】
本発明の方法を、不活性ガス大気中で、即ち、不活性ガス(例えば窒素)の存在下に行うことができる。しかし、それを通常の大気中で、例えば、製造現場において普通に存在する大気中で好都合かつ容易に行うこともできる。
【0100】
また、本発明は、本発明の結合剤を用いて本発明の方法により製造したラミネートフィルムに関する。このラミネートフィルムは、食品包装のためのバリヤーフィルムとして特に適している。食品の包装において、バリヤーフィルムは、23°/85%相対湿度において、その酸素透過性Q(O2)が100cm3/(m2×日×バール)以下であり、その水蒸気透過性Q(H2O)が10g/(m2×日)以下であるときに、そのように称される(Delventhal、Verpackungs-Rundschau 3/1991、p.19-23)。
【実施例】
【0101】
ラミネート接着剤
(成分A)18.75gの分子量 約5,000g/モルの2官能芳香族ポリウレタンアクリレート(Akzo Nobel Actilane 170)、(成分B)76.5gのカルボン酸修飾したアクリレート誘導体(Cognis Photomer 4173)、および51.0gの微細分散SiO2を混合し、均一にした。
次いで、(成分D)1.5gのアリルトリメトキシシランを加え、混合した。
2.25gの市販の光開始剤(Ciba Irgacure 819)を加え、均一にした。
液体の積層用接着剤が得られる。
【0102】
比較試験
同様の接着剤混合物を、SiO2を用いて調製した。成分Cを、同じ量の成分Bにより置換した。
【0103】
ラミネート試験
接着剤を、O2フィルムに約80℃で2g/m2の量にて適用した。次いで、第2のフィルムを適用した。以下のフィルムを積層した:
(a)配向ポリプロピレン(OPP)(ExxonMobil MB 400)の2つのフィルム;
(b)ポリエステルフィルム(PET)(Mitsubishi RNK)とポリエチレンフィルム(Nordenia PE K 088)。
次いで、このラミネート(積層体)を、120W水銀ランプからのUV線に暴露した(UV用量=約70mJ/cm2)。透明かつ安定な結合がもたらされた。水蒸気に対するバリヤー挙動は良好であった。
【0104】
酸素透過性の測定
DIN53380に従って試験し、結果を3回測定の平均として表した。
・試験接着剤により結合:
OPP//OPPラミネート:157cm3/m3・24h・atm
PET//PEラミネート:17cm3/m3・24h・atm
・比較接着剤により結合:
OPP//OPPラミネート:596cm3/m3・24h・atm
PET//PEラミネート:77cm3/m3・24h・atm
本発明の接着剤を用いて酸素透過性が改善された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基を含む、18〜100℃、好ましくは20〜80℃で流動性である少なくとも1つの化合物を、成分(A)として;
(B)少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基および少なくとも1つのCOOH基を含む少なくとも1つの化合物を、成分(B)として;および
(C)少なくとも1つのナノスケール充填剤、好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、および/または、ポリオルガノシロキサンの群から選択されるナノスケール充填剤を、成分(C)として;
含有するバリヤー特性を有する結合剤。
【請求項2】
60℃で50〜52,000mPasのブルックフィールド粘度(ブルックフィールドRVT DV-IIデジタル粘度計、スピンドル27で測定)を有することを特徴とする請求項1に記載の結合剤。
【請求項3】
適用温度で500〜5,000mPasの粘度を有することを特徴とする請求項1に記載の結合剤。
【請求項4】
成分(A)が、ポリ(メタ)アクリル酸のアルキル、シクロアルキルもしくはアリールエステル、(メタ)アクリル酸のホモおよび/またはコポリマー、不飽和のポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリオレフィン、ビニルポリマーまたはゴムポリマー、例えばニトリルまたはスチレン/ブタジエンゴムからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結合剤。
【請求項5】
(メタ)アクリル酸のホモおよび/またはコポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートまたはポリウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選択される化合物を、成分(A)として使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結合剤。
【請求項6】
(メタ)アクリル酸と芳香族、脂肪族、脂環式ポリオールまたはポリエーテルアルコールとのエステル、特に2〜約40個の炭素原子を含む脂肪族ポリオールの(メタ)アクリレートエステルを、成分(A)として使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結合剤。
【請求項7】
一般式(I):
【化1】

[式中、
1=H、CH3
7=直鎖もしくは分岐鎖のC2-C10アルキレン基;
8=直鎖もしくは分岐鎖のC1-C25アルキレン基;
n=1〜25]
で示される化合物を、成分(A)として使用することを特徴とする請求項6に記載の結合剤。
【請求項8】
成分(A)が、メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブチルジエチレングリコールメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化ラウリルアルコールメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレートまたはメトキシポリエチレングリコールモノアクリレートであることを特徴とする請求項7に記載の結合剤。
【請求項9】
成分(A)が、ヒドロキシ官能性エチルヘキシルメタクリレート、オクチル/デシルアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、修飾した芳香族または脂肪族エポキシアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド修飾したネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートまたはプロピレンオキシド修飾した1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトール トリおよびテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン修飾したジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリルオキシエチル]-イソシアヌレート、カプロラクトン修飾したトリス[(メタ)アクリルオキシエチル]-イソシアヌレートまたはトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジ、トリおよびテトラプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノエトキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリトリトールトリアクリレート、アミン修飾したポリエーテルアクリレートからなる群から選択されることを特徴とする請求項6または7に記載の結合剤。
【請求項10】
成分(B)が、ポリエーテルポリオールに基づく酸修飾した(メタ)アクリレート、アシル化したカルボン酸末端のポリエステル、酸修飾したポリブタジエンまたはこれら化合物の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結合剤。
【請求項11】
成分(C)が非晶質二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の結合剤。
【請求項12】
少なくとも1つの有機ケイ素化合物が成分(D)として存在することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の結合剤。
【請求項13】
成分(D)が、成分(D1)として、架橋後の平均粒子直径 70〜1,000nmを有する少なくとも1つの3次元架橋可能なポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項12に記載の結合剤。
【請求項14】
成分(D)が、アクリル酸および/またはメタクリル酸またはこれらの誘導体と、一般式(II):
【化2】

[式中、
Y=エポキシド、-OH、-COOH、-SH、-NH2、NHR''基;
R''=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル、C5-8シクロアルキル、C6-10アリール、C7-12アラルキル基;4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;A-Si((Z)n)(X)3-n;アルキル-、シクロアルキル-またはアリール置換された約1〜約20個のSi原子を含むシロキサン基;
A=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和の1〜12個の炭素原子を含むアルキレン基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖の1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基;
Z=C1-18アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基;
T=-NH2、-NH-CO-R5、-OOC-R5、-O-N=C(R5)2またはOR6
5=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;
6=R5、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;または4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;C5-8シクロアルキレン基;C6-10アリール基またはC7-12アラルキル基;
m=1〜40、好ましくは1〜20、特に1〜10;
n=0、1または2]
で示されるシラン(e)との反応生成物(D2)、好ましくはエステル化またはエステル交換生成物であることを特徴とする請求項12に記載の結合剤。
【請求項15】
一般式(II)で示されるシラン(e)が、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシフェニルシランおよび3-アミノプロピルジエトキシシランからなる群から、特に3-アミノプロピルトリメトキシシランまたはビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)-アミン、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項14に記載の結合剤。
【請求項16】
成分(D2)が、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび/またはアリルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項14に記載の結合剤。
【請求項17】
成分(D)として、イソシアネート含量が<1重量%NCO、好ましくは<0.5重量%NCO、特に<0.1重量%NCOであるウレタン基を含むシラン(D3)を使用することを特徴とする請求項12に記載の結合剤。
【請求項18】
成分(D)が、成分(D4)として、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性基を含むウレタン基を含むシランであることを特徴とする請求項12に記載の結合剤。
【請求項19】
以下の成分を含有するバリヤー特性を有する結合剤:
(I)成分(A)として、5〜80重量%、好ましくは5〜45重量%の、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基を含む、18〜100℃、好ましくは20〜80℃で流動性である少なくとも1つの化合物;
(II)成分(B)として、1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%の、少なくとも1つの放射線硬化性の反応性官能基および少なくとも1つのCOOH基を含む少なくとも1つの化合物;
(III)成分(C)として、5〜50重量%、好ましくは20〜45重量%、特に30〜40重量%の少なくとも1つのナノスケール充填剤、好ましくは第2〜第4主族、遷移元素、ランタニド元素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、硫化物、炭化物、テルル化物、セレン化物からなる群から、および/または、ポリオルガノシロキサンの群から選択されるナノスケール充填剤;
(IV)成分(D)として、0〜50重量%、好ましくは0.3〜40重量%、特に0.5〜30重量%の少なくとも1つの有機ケイ素化合物;
(V)成分(E)として、0〜12重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の、式(IV):
【化3】

[式中、
M=Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、B、Al;
x=3または4;
9=ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル基(Rは同一または異なっていてよい)]
で示される金属化合物;
(VI)成分(F)として、0〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の光開始剤;
(VII)成分(G)として、0〜50重量%の、可塑剤、触媒、安定剤、分散剤、抗酸化剤、染料、充填剤、および、成分(A)、(B)もしくは(D)中またはこれら成分の混合物中の成分(C)の分散物の流動性に影響を与えるための物質からなる群から選択される添加剤;
ここで、上記した成分の合計は100重量%である。
【請求項20】
成分(D)が、成分(D4)として、10〜50重量%、特に15〜40重量%の有機ケイ素化合物を含有し、成分(D4)が、以下の成分:
(i)ポリイソシアネート(a)として、遊離NCO基を含む低モノマーポリウレタンプレポリマーであって、IPDI、MDIまたはTDIからなる群からの少なくとも1つのポリイソシアネートおよび分子量150〜2,000g/モルを有する少なくとも1つのポリオールの付加生成物である低モノマーポリウレタンプレポリマー;および
(ii)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートからなる群からの少なくとも1つのヒドロキシアクリレート;および
(iii)以下の式(II)で示される少なくとも1つの化合物:
【化4】

[式中、
Y=NCO反応性基、好ましくは-OH、-COOH、-SH、-NH2、NHR''基;
R''=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル、C5-8シクロアルキル、C6-10アリール、C7-12アラルキル基;4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;A-Si((Z)n)(X)3-n;アルキル-、シクロアルキル-またはアリール置換された約1〜約20個のSi原子を含むシロキサン基;
A=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和の1〜12個の炭素原子を含むアルキレン基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖の1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基;
Z=C1-18アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基;
T=-NH2、-NH-CO-R5、-OOC-R5、-O-N=C(R5)2またはOR6
5=直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のC1-18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;
6=R5、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基;または4個までの炭素原子を含むオキシアルキレン基、好ましくは-(CH2-CH2-O)m-Hおよび/または(CH2-CH(CH3)-O)m-H;C5-8シクロアルキレン基;C6-10アリール基またはC7-12アラルキル基;
m=1〜40、好ましくは1〜20、特に1〜10;
n=0、1または2];
の反応によって得られる請求項19に記載の結合剤。
【請求項21】
低モノマーポリウレタンプレポリマーが、PUプレポリマーの合計量を基準に、0.5重量%未満、好ましくは0.3重量%未満、特に0.1重量%未満のIPDI、MDIまたはTDIから選択される遊離ポリイソシアネートを含有することを特徴とする請求項20に記載の結合剤。
【請求項22】
被覆組成物、充填剤、封止剤または接着剤における放射線硬化性結合剤としての、請求項1〜21のいずれかに記載の結合剤の使用。
【請求項23】
ラミネートフィルムを製造するための、請求項22に記載の結合剤の使用。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれかに記載の結合剤を使用することを特徴とする、少なくとも2つの同種または異種のプラスチックフィルムからなるラミネートフィルムの製造方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法によって得られるラミネートフィルム。
【請求項26】
CO2、O2、N2、水蒸気および風味に対してバリヤー特性を有することを特徴とする請求項25に記載のラミネートフィルム。
【請求項27】
食品を包装するための、請求項25または26に記載のラミネートフィルムの使用。

【公表番号】特表2008−509235(P2008−509235A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524199(P2007−524199)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006835
【国際公開番号】WO2006/015659
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル コマンディットゲゼルシャフト アウフ アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】