説明

バルブ開閉制御装置

【課題】 フラップ型バルブ5を開弁駆動するアクチュエータの大型化を防止して、自動車等の車両への搭載性を向上させることを課題とする。
【解決手段】 EGRクーラに結合されたハウジング4の内部に開閉自在に収容されるフラップ型バルブ5のバルブ周縁部を第1シール面側に折り曲げてフラップ型バルブ5の全周に全周フラップ部93を設けている。これにより、負圧作動式アクチュエータによるフラップ型バルブ5の開弁作動時に、バルブ表面に流速の速いEGRガスの流れが生じ、バルブ裏面に流速の遅いEGRガスの流れが生じるため、バルブ表裏面に圧力差が発生するので、フラップ型バルブ5の開弁方向にアシストさせる方向に揚力が発生する。したがって、ダイヤフラム径を径大化することなく、負圧作動式アクチュエータの必要作動軸力を軽減することができるので、搭載スペースを容易に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉弁または切替弁のバルブを開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置を備えたバルブ開閉制御装置に関するもので、特に負圧作動式アクチュエータのダイヤフラムの変位を利用して2位置切替弁のフラップ型バルブを開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置を備えたバルブ開閉制御装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、負圧作動式アクチュエータのダイヤフラムの変位を利用して開閉弁のバルブを駆動するバルブ駆動装置として、例えばエンジンより流出した排気ガスの一部(排気再循環ガス:EGRガス)をエンジンの吸気系に再循環させる排気ガス再循環装置に組み込まれる切替弁装置(バルブ開閉制御装置)が公知である(例えば、特許文献1参照)。これは、図10に示したように、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に配置されたUターンフロータイプのEGRクーラ101の入口部および出口部に結合されるハウジング102と、このハウジング102の内部に開閉自在に収容された2つの第1、第2バタフライ型バルブ111、112と、リンク機構113を介して、2つの第1、第2バタフライ型バルブ111、112を開閉駆動する負圧作動式アクチュエータ107とによって構成されている。
【0003】
そして、ハウジング102の内部には、EGRクーラ101を経由させてエンジンの吸気通路にEGRガスを再循環させるためのクーラ側連通路(クーラ入口側連通路103とクーラ出口側連通路104)と、EGRクーラ101を迂回させてエンジンの吸気通路にEGRガスを再循環させるためのバイパス側連通路(バイパス流路)105とが並列して配設されている。なお、ハウジング102のクーラ入口側連通路103の排気ガス入口121とバイパス側連通路105の排気ガス入口122に接続する排気ガス還流管120は、ハウジング102よりもEGRガスの流れ方向の上流側で分岐する分岐管を有している。また、ハウジング102のクーラ出口側連通路104の排気ガス出口131とバイパス側連通路105の排気ガス出口132に接続する排気ガス還流管130は、ハウジング102よりもEGRガスの流れ方向の下流側で合流する合流管を有している。
【0004】
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の排気ガス再循環装置の切替弁装置においては、第1バタフライ型バルブ111がクーラ全開位置に配置され、第2バタフライ型バルブ112がバイパス全閉位置に配置されている場合、ハウジング102のバイパス側連通路105の通路壁面と第2バタフライ型バルブ112との隙間から高温EGRガスが洩れてしまうため、EGRクーラ101を通過して冷却された低温EGRガスの温度が上昇してしまい、エンジンより排出される排気ガス中の汚染物質(NOx等のエミッション)を効果的に低減させることができないという問題があった。また、この問題を解消するためには、EGRクーラ101の体格を大きくしてEGRガスの冷却性能を向上させる必要があるが、この方法を採用すると自動車等の車両への搭載性が悪化するという問題が生じる。
【0005】
[先行の技術]
そこで、本発明者は、第1バタフライ型バルブ111のバイパス全閉位置における弁洩れ量を低減し、且つEGRクーラ101の大型化および搭載性の悪化を防止するという目的で、特願2005−327869(平成17年11月11日出願:比較例1)を出願した。これは、図11および図12に示したように、UターンフロータイプのEGRクーラ2の入口部および出口部に結合される切替弁装置3のハウジング4の内部に、EGRクーラ2の入口部に連通するクーラ入口側連通路201、EGRクーラ2の出口部に連通するクーラ出口側連通路202、およびクーラ入口側連通路201とクーラ出口側連通路202とを短絡(ショートカット)して連通するバイパス流路203を形成している。そして、バイパス流路203を開閉する2位置3方向切替弁の弁体として、ハウジング4の第1バルブシート31に着座してバイパス流路203を閉鎖する平板形状のフラップ型バルブ5を採用している。
【0006】
そして、2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5のバイパス全閉位置を、クーラ入口側連通路201とクーラ出口側連通路202との間に配置することで、フラップ型バルブ5の裏面側のシール面が第1バルブシート31に着座してバイパス流路203を閉鎖している時(バイパス全閉時)に、EGRクーラ2の内部を通過するEGRガス流の圧力損失によってフラップ型バルブ5の表面に印加される圧力差(クーラ入口側連通路201とクーラ出口側連通路202との差圧)が、フラップ型バルブ5の裏面側のシール面を第1バルブシート31に押さえ付ける方向に働く。これによって、フラップ型バルブ5のバイパス全閉位置における弁洩れ量を低減し、且つEGRクーラ2の大型化および搭載性の悪化を防止できる。
【0007】
[先行の技術の不具合]
この比較例1では、負圧源に連通する負圧室と大気中に連通する大気圧室との圧力差に応じて変位するダイヤフラムを有し、このダイヤフラムの変位を利用して2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5を、バルブ全閉位置とクーラ全閉位置との2位置に駆動する負圧作動式アクチュエータ9が採用されている。この比較例1のように、フラップ型バルブ5のバイパス全閉時にクーラ入口側連通路201とクーラ出口側連通路202との圧力差(フラップ型バルブ5の前後差圧)を利用してフラップ型バルブ5の裏面側のシール面を第1バルブシート31に密着させる構造では、フラップ型バルブ5を円滑に開弁駆動するには、負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力が増える。このように必要作動軸力が増えるとダイヤフラム径を径大化する必要があるが、これでは負圧作動式アクチュエータ9の体格が大きくなり、搭載性が悪化するという問題がある。
【0008】
ここで、エンジンシステムや高地仕様に伴い負圧作動式アクチュエータ9の負圧室に、負圧源(例えばバキュームポンプ)から導入される負圧供給量は減る傾向にあるが、そのようになっても、確実に2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5を、バルブ全閉位置とクーラ全閉位置との2位置に駆動できる設計が要求される。この要求を満足するためには、ダイヤフラム径を径大化する必要があるが、これでは負圧作動式アクチュエータ9の体格が大きくなり、搭載性が悪化するという問題がある。
【特許文献1】欧州特許第0987427号明細書(第2頁−第8頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、バルブを駆動するのに必要な作動軸力を軽減することで、バルブを円滑に駆動することのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。また、アクチュエータの体格の大型化を防止して搭載性を向上することのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、バルブのシール面よりも外周側に位置するバルブ周縁部をシール面側に折り曲げてバルブ(バルブ全周、バルブ周縁部の周方向全域、バルブ周縁部の周方向に部分的、バルブにおける流体の流れ方向の下流側のみ)にフラップ部を設けたことにより、アクチュエータによってバルブを流路孔の開口周縁部より離脱させて流路孔を開放させる開弁作動時に、ハウジングの流体流路内を流れる流体流に、平板状のバルブ表裏面に比べて、バルブ表裏面の流れにおいて流速差が付く。特に、バルブのバルブ周縁部がシール面(裏面)側に折り曲げられているので、バルブ表面(シール面側に対して逆側)に流速の速い流体の流れが生じ、また、バルブ裏面(シール面側)に流速の遅い流体の流れが生じる。これにより、バルブ表裏面に圧力差が発生するので、バルブを流路孔の開口周縁部より離脱させる方向、つまりバルブ作動方向に揚力(作動アシスト力)を得ることができる。
【0011】
したがって、流路孔の開口周縁部に対するバルブのシール性を向上させる等によってアクチュエータの必要作動軸力が増加する場合であっても、バルブ作動方向に発生する揚力(作動アシスト力)によりバルブを駆動するのに必要な作動軸力を軽減することができるので、バルブを円滑に駆動することができる。これにより、アクチュエータの体格の大型化を防止できるので、アクチュエータを含む装置全体の体格の大型化を防止することができる。この結果、アクチュエータを含む装置全体の搭載スペースを確保することが容易となるので、アクチュエータを含む装置全体の搭載性を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、流路孔が流体流路の内部を流れる流体の流れ方向に対して略直角方向に形成されることで、流路孔の開口周縁部に着座するバルブのシール面が流体流路の内部を流れる流体の流れ方向に対して略平行に位置するので、バルブ表裏面を流れる流体の流速差が大きくなり、バルブ表裏面に発生する圧力差をより大きくすることができる。つまりバルブ作動方向に発生する揚力(作動アシスト力)を大きくすることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、バルブのシール面が流路孔の開口周縁部に着座して流路孔を閉鎖(密閉化)している時に、流路孔の開口周縁部の周囲を取り囲むように設けられた環状空間の内部にバルブに設けられたフラップ部が侵入するように、バルブ周縁部が折り曲げられているので、アクチュエータによるバルブ開弁作動時に流体がハウジングの流路壁面とバルブのフラップ部の裏面に流れ難くなっている。これによって、アクチュエータによってバルブの開弁動作を開始する直後に、流速の遅い流れをバルブの裏面に流すことができ、バルブ作動方向に揚力(作動アシスト力)を発生させることができるので、少ない作動軸力で直ちにバルブを駆動できる。したがって、開弁応答性に優れたアクチュエータを構成することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、2つの第1、第2圧力室の圧力差に応じて変位するダイヤフラムを有するアクチュエータとして、負圧源から第1圧力室内に大気圧よりも低い負圧が導入されると、負圧源に連通する第1圧力室と大気中に連通する第2圧力室との間に圧力差が生じ、この圧力差に応じてダイヤフラムが変位することで、バルブのシール面を流路孔の開口周縁部より離脱させる作動軸力(軸線方向の駆動力)が発生する負圧作動式アクチュエータを採用している。
これによって、仮に負圧源から第1圧力室内に導入される負圧供給量が比較例1(図11および図12参照)と同じであれば、ダイヤフラム径を小径化することが可能となる。これにより、負圧作動式アクチュエータの体格を小型化することができるので、負圧作動式アクチュエータを含む装置全体の体格を小型化することができる。この結果、負圧作動式アクチュエータを含む装置全体の搭載スペースを確保することが容易となるので、負圧作動式アクチュエータを含む装置全体の搭載性を向上させることができる。
【0015】
また、負圧作動式アクチュエータの必要作動軸力が減るので、同じダイヤフラム径とする場合、負圧作動式アクチュエータの第1圧力室内への負圧供給量が少なくても、バルブのシール面を流路孔の開口周縁部より容易に離脱させることができる。これにより、負圧源の負圧消費量を確保することができる。ここで、負圧源が電気エネルギーを利用して負圧を発生する電気式負圧ポンプ(例えば電動バキュームポンプ)であれば、少ない電力消費量でバルブを駆動できる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、負圧作動式アクチュエータに設けられるスプリングは、ダイヤフラムに対して、バルブのシール面を流路孔の開口周縁部に押し当てる方向にスプリング荷重を与えている。これにより、バルブ全閉時の弁洩れを防止できる。また、請求項6に記載の発明によれば、負圧作動式アクチュエータの第1、第2圧力室の圧力差に応じてダイヤフラムが変位すると、ダイヤフラムに連動してロッドがその軸線方向に変位する。そして、ロッドの軸線方向の変位がバルブに伝達されると、バルブが駆動される。すなわち、バルブが流路孔の開口周縁部より離脱して流路孔が開放される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、負圧作動式アクチュエータの第1、第2圧力室の圧力差に応じてダイヤフラムが変位すると、ダイヤフラムに連動してロッドがその軸線方向に直線運動を行う。そして、ロッドの軸線方向の直線運動をバルブ軸の回転運動に変換する運動方向変換機構を介して、ロッドの軸線方向の変位がバルブ軸に伝達されると、バルブ軸が所定の回転角度だけ回転する。これにより、フラップ型バルブがバルブ軸の軸心を中心にして回転動作を行うことで、バルブが駆動される。すなわち、バルブが流路孔の開口周縁部より離脱して流路孔が開放される。また、請求項8に記載の発明によれば、内燃機関より流出して内燃機関の吸気系に再循環される排気ガスを冷却する排気ガスクーラの入口部に、内部にバルブを開閉自在に収容するハウジングが結合されている。そして、バルブは、排気ガスクーラよりも排気ガスの流れ方向の上流側に配設されている。
【0018】
請求項9に記載の発明によれば、バルブが流路孔の開口周縁部に着座して流路孔を閉鎖している時には、ハウジングの内部に流入した排気ガスが、排気ガスクーラを経由して内燃機関の吸気系に再循環される。また、バルブが流路孔の開口周縁部より離脱して流路孔を開放している時には、ハウジングの内部に流入した排気ガスが、排気ガスクーラを迂回して内燃機関の吸気系に再循環される。また、請求項10に記載の発明によれば、バルブは、少なくともバイパス側連通路を開閉する開閉弁の弁体を構成している。また、請求項11に記載の発明によれば、バルブは、クーラ側連通路とバイパス側連通路とを切り替える切替弁の弁体を構成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態は、アクチュエータのダイヤフラム径を径大化することなく、バルブを円滑に駆動するという目的を、バルブのシール面よりも外周側に位置するバルブ周縁部をシール面側に折り曲げてフラップ部を設けて、バルブを駆動するのに必要な作動軸力を軽減することで実現した。
【実施例1】
【0020】
[実施例1の構成]
図1ないし図9は本発明の実施例1を示したもので、図2は排気ガス再循環装置の全体構成を示した図で、図3および図4はバルブ開閉制御装置の全体構造を示した図で、図5は負圧作動式アクチュエータを示した図である。
【0021】
本実施例のEGRクーラモジュール1は、図2に示したように、排気ガスクーラとしてのEGRクーラ2を利用して排気ガスを冷却する排気ガス冷却装置であって、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)Eの燃焼室より流出した排気ガスの一部を吸気系に導いて再循環させる排気ガス再循環装置に組み込まれている。この排気ガス再循環装置は、エンジンEの排気管(以下エンジン排気管と言う)14に接続されて、エンジンEの燃焼室より流出する排気ガスの一部(排気再循環ガス:以下EGRガスと言う)をエンジンEの吸気管(以下エンジン吸気管と言う)15の内部に再循環させるための排気ガス還流管16、17と、これらの排気ガス還流管16、17内に形成される排気ガス還流路を通過するEGRガスの還流量(EGR量)を連続的または段階的に調節する排気ガス還流量制御弁(以下EGR制御弁と言う)19とを備えている。
【0022】
ここで、エンジン排気管14の内部には、エンジンEの燃焼室より流出した排気ガスが流れる排気通路が形成されている。また、エンジン吸気管15の内部には、エアクリーナ20で濾過されて、エンジンEの燃焼室に吸入される吸入空気が流れる吸気通路が形成されている。また、排気ガス還流管16、17間には、EGRクーラモジュール1が直列的に直接結合されている。そして、排気ガス還流管16は、エンジン排気管14のエキゾーストマニホールドに接続されている。また、排気ガス還流管17は、エンジン吸気管15のインテークマニホールドまたはサージタンクに接続されている。また、エンジンEには、EGRクーラモジュール1にエンジン冷却水を循環供給するためのエンジン冷却水回路(冷却水循環路)が設けられている。
【0023】
エンジン冷却水回路は、エンジンEのウォータジャケット(図示せず)からEGRクーラモジュール1の冷却水入口管(温水パイプ)21へエンジン冷却水を循環供給するための冷却水配管22と、EGRクーラモジュール1の冷却水出口管(温水パイプ)23からラジエータ(図示せず)を経てエンジンEのウォータジャケットにエンジン冷却水を循環供給する(戻す)ための冷却水配管24と、エンジン冷却水回路中にエンジン冷却水の循環流を発生させるウォータポンプ(図示せず)とを備えている。なお、本実施例では、ラジエータでエンジン冷却水と室外空気(外気)とを熱交換させることで、所定の温度範囲(例えば75〜80℃)のエンジン冷却水をエンジンEのウォータジャケットに戻すように構成されている。
【0024】
本実施例のEGRクーラモジュール1は、高温EGRガスをエンジン冷却水と熱交換させてEGRガスを冷却するUターンフロータイプのEGRクーラ2と、このEGRクーラ2の入口部および出口部に気密的に結合されるバルブ開閉制御装置(以下切替弁装置と呼ぶ)3とを一体化したもので、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管16、17の一部およびエンジン冷却水回路の冷却水配管22、24の一部を構成している。ここで、切替弁装置3は、内部にクーラ側連通路およびバイパス側連通路が形成されたハウジング4と、このハウジング4の内部に開閉自在に収容されて、バイパス全閉位置とクーラ全閉位置との2位置に駆動される2位置3方向切替弁とを備えている。また、ハウジング4は、内部に第1、第2連通孔11、12が形成されたブロック13を有している。
【0025】
EGRクーラ2は、切替弁装置3のハウジング4から導入される高温EGRガスと冷却水配管22から流入する低温のエンジン冷却水とを熱交換させることで、EGRガスを所望の排気温度以下に冷却する水冷式の排気ガスクーラである。このEGRクーラ2は、複数の熱交換チューブ(図示せず)を内部に収容しており、これらの熱交換チューブの周囲にエンジン冷却水が循環する冷却水流路(図示せず)を有している。そして、EGRクーラ2の内部には、ハウジング4からEGRガスが流入する第1排気ガス流路群とハウジング4にEGRガスを流出する第2排気ガス流路群とを区画する隔壁部25が設けられている。
【0026】
ここで、冷却水配管22から、切替弁装置3のハウジング4に接続された温水パイプ21に流入したエンジン冷却水は、ハウジング4の内部(例えばシャフト6の周囲)に形成された冷却水通路(図示せず)を経由して冷却水通路の出口部に導かれる。そして、エンジン冷却水は、切替弁装置3のハウジング4に設けられた温水パイプ23から冷却水配管24に導かれる。また、複数の熱交換チューブの各々は、EGRクーラ2の入口から出口に向けてU字状にEGRガスが流れるように例えばU字管となっている。
【0027】
ハウジング4は、EGRクーラ2の入口部(EGRガスの入口側)および出口部(EGRガスの出口側)に結合されている。このハウジング4は、金属材料(例えば鉄系の鋳物(鋳鉄)、アルミニウム鋳物またはアルミニウムダイカスト等)によって所定の形状に一体的に形成されている。また、ハウジング4には、図1、図3および図4に示したように、排気ガス還流管16のEGRガスの流れ方向の下流端に設けられるフランジ部(図示せず)にスクリュー等の締結具を用いて締め付け固定されるインレットポート側フランジ部26、および排気ガス還流管17のEGRガスの流れ方向の上流端に設けられるフランジ部(図示せず)にスクリュー等の締結具を用いて締め付け固定されるアウトレットポート側フランジ部27が設けられている。また、ハウジング4には、EGRクーラ2の入口部および出口部に設けられるフランジ部(図示せず)にスクリュー等の締結具を用いて締め付け固定されるEGRクーラ側フランジ部29が設けられている。
【0028】
ここで、本実施例のハウジング4の内部には、第1連通孔11の開口周縁部の周囲を取り囲むようにブロック13の流路壁面を凹ませて円環状空間30が形成されている。また、本実施例のハウジング4は、2位置3方向切替弁の弁体(フラップ型バルブ5)が着座可能な2つの第1、第2バルブシート31、32を有している。これらの第1、第2バルブシート31、32は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS303等のステンレス鋼)によって円筒形状に一体的に形成された第1、第2円筒体(第1、第2筒状体)よりなる。第1、第2バルブシート31、32は、ハウジング4と別体で製造された後に、ブロック13に設けられる第1、第2連通孔11、12の孔壁面に圧入嵌合されている。
【0029】
そして、第1バルブシート31の軸線方向の一方側(EGRガスの流れ方向の上流側)の環状端面には、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が着座可能な円環状の第1弁座部33が設けられている。この第1弁座部33は、本発明の流路孔(第1連通孔11)の開口周縁部に相当するもので、フラップ型バルブ5の回転動作範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が第1バルブシート31の第1弁座部33に着座した際にフラップ型バルブ5のそれ以上の回転方向の一方側(第1連通孔11を閉鎖する側)への回転動作が規制される。なお、第1バルブシート31の第1弁座部33に、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91とのシート接触面積を小さくしてフラップ型バルブ5の密着面と第1バルブシート31の密着面とのシール面圧を向上させるための円環状凸部を設けても良い。なお、円環状空間30は、第1バルブシート31の第1弁座部33の外周とブロック13の流路壁面との間に第1バルブシート31の第1弁座部33の周囲を周方向に取り囲むように形成されている。
【0030】
また、第2バルブシート32の軸線方向の一方側(EGRガスの流れ方向の上流側)の環状端面には、フラップ型バルブ5の表面側の第2シール面92が着座可能な円環状の第2弁座部34が設けられている。この第2弁座部34は、流路孔(第2連通孔12)の開口周縁部に相当するもので、フラップ型バルブ5の回転動作範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、フラップ型バルブ5の表面側の第2シール面92が第2バルブシート32の第2弁座部34に着座した際にフラップ型バルブ5のそれ以上の回転方向の他方側(第2連通孔12を閉鎖する側)への回転動作が規制される。
【0031】
そして、ハウジング4の排気ガスの流れ方向の上流端では、インレットポート(ハウジング4の排気ガス入口、流体入口)35が開口しており、また、ハウジング4の排気ガスの流れ方向の下流端では、アウトレットポート(ハウジング4の排気ガス出口、流体出口)45が開口している。そして、インレットポート35は、排気ガス還流管16の下流側開口端に接続し、また、アウトレットポート45は、排気ガス還流管17の上流側開口端に接続している。
【0032】
また、ハウジング4の内部には、つまりハウジング4の外壁部とブロック13との間には、1つのインレットポート35に対して2つのクーラ側、バイパス側連通路が形成されている。クーラ側連通路は、EGRクーラ2の入口部に連通するクーラ入口側連通路、およびEGRクーラ2の出口部に連通するクーラ出口側連通路を有し、インレットポート35より内部に流入したEGRガスをEGRクーラ2を経由させてエンジンEの吸気系にEGRガスを再循環させる流体流路(排気ガス流路)である。
【0033】
クーラ入口側連通路は、インレットポート35からEGRクーラ2の入口部に向けて、バイパス側流路孔42、バイパス流路43の軸線方向に対して直交する方向に真っ直ぐに延びる第1直線状流路であって、排気ガス流路36、クーラ側流路孔37およびクーラ入口側連通口39によって構成されている。また、クーラ出口側連通路は、EGRクーラ2の出口部からアウトレットポート45に向けて途中で略直角(例えば90°)に屈曲したL字状流路であって、クーラ出口側連通口40、排気ガス流路41、44によって構成されている。ここで、クーラ側流路孔37は、第2バルブシート32の内部に形成されて第2流路孔を構成している。また、クーラ入口側連通口39は、EGRクーラ2の複数の熱交換チューブの入口側端部に連通している。また、クーラ出口側連通口40は、EGRクーラ2の複数の熱交換チューブの出口側端部に連通している。
【0034】
バイパス側連通路は、クーラ入口側連通路とクーラ出口側連通路とを短絡(ショートカット)して連通するバイパス側流路孔42およびバイパス流路43を有し、インレットポート35より内部に流入したEGRガスをEGRクーラ2を迂回(バイパス)させてエンジンEの吸気系にEGRガスを再循環させる流体流路(排気ガス流路)である。そして、バイパス側連通路は、インレットポート35からアウトレットポート45に向けて途中で略直角(例えば90°)に屈曲したL字状流路であって、排気ガス流路36、バイパス側流路孔42、バイパス流路43および排気ガス流路44によって構成されている。また、バイパス側連通路は、排気ガス流路36からアウトレットポート45に向けて、バイパス側流路孔42、バイパス流路43の軸線方向に真っ直ぐに延びる第2直線状流路を構成する。ここで、バイパス側流路孔42は、第1バルブシート31の内部に形成されて第1流路孔を構成し、クーラ入口側連通路(排気ガス流路、流体流路)の途中で分岐する流路孔を形成している。
【0035】
ここで、ハウジング4の内部には、クーラ入口側連通路とクーラ出口側連通路とを気密的に区画するようにブロック13が一体的に形成されている。このブロック13の内部には、バルブ軸方向(シャフト6の軸線方向)に延びるシャフト収容孔46が設けられており、ブッシング等の軸受け部品(図示せず)を介して、2位置3方向切替弁のシャフト6を回転方向に摺動自在に軸支する円筒状のバルブ軸受け部が設けられている。このため、2位置3方向切替弁のシャフト6は、シャフト収容孔46の内部に設けられているバルブ軸受け部によりブロック13の内部に回転自在に収容される。
【0036】
なお、ブロック13の軸線方向の一端側に位置するハウジング4の外壁部は、バルブ軸受け部のシャフト収容孔46の軸線方向の一端側が開口している。そして、ハウジング4には、シャフト収容孔46の開口部を気密的に閉塞するためのプラグ47が気密的に圧入固定されている。また、ハウジング4の冷却水通路の入口部および出口部には、温水パイプ21、23が液密的に圧入固定されている。また、ハウジング4には、後述する負圧作動式アクチュエータ9を取り付けるためのブラケット49がスクリュー50等の締結具を用いて締め付け固定されている。
【0037】
また、ブロック13のシャフト収容孔46の内周と2位置3方向切替弁のシャフト6の外周との間には、ブッシング等の軸受け部品の他にガスシール等のシール部品(図示せず)が装着されている。また、ガスシールは、ゴム系弾性体によって円筒状に一体的に形成されており、ブロック13のシャフト収容孔46の内部に設けられているバルブ軸受け部とシャフト6との隙間にEGRガス中の異物が侵入するのを防止するゴムシール等のシール部品である。
【0038】
そして、ブロック13は、2位置3方向切替弁のシャフト6に高温EGRガスおよび低温EGRガスが直接当たらないようにするために、2位置3方向切替弁のシャフト6の周囲を周方向に取り囲むように配設されている。これにより、ブロック13は、2位置3方向切替弁のシャフト6、このシャフト6を軸支するバルブ軸受け部、およびシャフト6上に設置されるガスシールを高温EGRガスの熱に対して保護する機能と、2位置3方向切替弁のシャフト6、およびバルブ軸受け部を低温EGRガス中に含まれる粘着性物質(例えば粘性カーボン等)に対して保護する機能とを兼ね備えている。
【0039】
切替弁装置3の2位置3方向切替弁は、ハウジング4の内部(排気ガス流路36)に開閉自在(回転自在)に収容されて、クーラ側流路孔37およびバイパス側流路孔42を選択的に開閉する折り曲げ形状のフラップ型バルブ5と、ハウジング4のブロック13のバルブ軸受け部に回転自在に軸支(支持)された円柱状のシャフト(バルブ軸)6と、フラップ型バルブ5とシャフト6とを連結する断面V字状のバルブレバー7とによって構成されている。
【0040】
ここで、薄膜状のダイヤフラム8の変位を利用して2位置3方向切替弁の弁体(フラップ型バルブ5)をバイパス全閉位置とクーラ全閉位置との2位置に駆動するバルブ駆動装置は、図3ないし図5に示したように、電動モータの駆動力(モータトルク)によって回転駆動される負圧源としての電動バキュームポンプ(図示せず)と、この電動バキュームポンプのエア吸入口に連通する空気流路管の途中に配設された電磁式または電動式の負圧制御弁(図示せず)と、この負圧制御弁を介して、電動バキュームポンプから大気圧よりも低い負圧が導入されると軸線方向の作動軸力を発生する負圧作動式アクチュエータ9とを備えている。
【0041】
負圧作動式アクチュエータ9は、ダイヤフラム8に連動して軸線方向に往復移動(変位)するロッド51と、内部に軸線方向に延びる大気開放孔52が形成された円筒状のホルダー53と、このホルダー53の図示上端部に配設されたダイヤフラム座部54と、内部にダイヤフラム8およびコイルスプリング55を弾性変形自在に収容する2つのケーシング56、57とを備えている。ダイヤフラム8は、ゴム系の弾性体であって、2つのケーシング56、57のフランジ部間に挟み込んだ状態で、ケーシング57の外周縁部をU字状に折り返すことで、ダイヤフラム8の外周端縁部が2つのケーシング56、57のフランジ部間に保持固定されている。
【0042】
ここで、2つのケーシング56、57により囲まれた内部空間(ダイヤフラム室)は、ダイヤフラム8によって2つの第1、第2圧力室61、62に気密的に区画されている。第1圧力室61は、負圧制御弁を介して、電動バキュームポンプのエア吸入口に連通する負圧室を構成する。また、第2圧力室62は、大気開放孔52を介して、大気中に連通する大気圧室を構成する。そして、ロッド51は、軸線方向の一端側がL字状に屈曲しており、このL字状部の先端がリンクプレート63の入力側の嵌合穴に係合している。また、ロッド51の軸線方向の他端部(図5において図示上端部)は、ダイヤフラム8の中央部に設けられた穴に嵌め込まれた状態で、ダイヤフラム8を間に挟むように配設されたプレート64、65を介してダイヤフラム8に結合されている。ここで、リンクプレート63は、ロッド51の軸線方向の直線運動をシャフト6の回転運動に変換する運動方向変換機構を構成すると共に、シャフト6およびロッド51と共にリンク機構を構成している。また、リンクプレート63の出力側の嵌合穴には、プラグ47より外部に突出したシャフト6の軸線方向の先端部が固定されている。
【0043】
負圧作動式アクチュエータ9のホルダー53は、ブラケット49の棚状の座部に固定され、負圧作動式アクチュエータ9を保持している。コイルスプリング55は、ダイヤフラム8に対して、フラップ型バルブ5を第1バルブシート31の第1弁座部33に押し当てる方向(閉弁方向、バイパス側流路孔42を閉じる側)にスプリング荷重(付勢力)を与えるスプリング荷重付与手段である。このコイルスプリング55の軸線方向の一端は、ダイヤフラム側に位置するスプリングシート66に保持され、また、コイルスプリング55の軸線方向の他端は、ダイヤフラム側に対して逆側に位置するケーシング56の天井壁に保持されている。そして、ケーシング56には、負圧制御弁を介し、電動バキュームポンプから第1圧力室61の内部に負圧を導入するための負圧導入管67が接続されている。
【0044】
ダイヤフラム座部54の図示上端部は、電動バキュームポンプから負圧作動式アクチュエータ9への負圧供給の停止(負圧導入カット)時に、コイルスプリング55のスプリング荷重(付勢力)によってダイヤフラム8が図示下方に変位した際にダイヤフラム8の変位量(デフォルト位置)を規制する規制部(ストッパ)として利用されている。これにより、ダイヤフラム8の裏面側がダイヤフラム座部54に当接した際にダイヤフラム8のそれ以上の変位が規制される。つまり、ダイヤフラム8の位置がデフォルト位置となる。
【0045】
ここで、69は、ケーシング56の天井壁で開口した開口部を気密的に閉塞し、ダイヤフラム8のストロークを拘束するためのプラグ(ストッパ)である。このプラグ69の軸線方向の図示下端部は、電動バキュームポンプから負圧作動式アクチュエータ9への負圧供給時に、2つの第1、第2圧力室61、62の圧力差に応じてダイヤフラム8が図示上方に変位した際にダイヤフラム8の変位量(フルリフト位置、フルリフト量)を規制する規制部(ストッパ)として利用されている。これにより、ダイヤフラム8の表面側がプラグ69に当接した際にダイヤフラム8のそれ以上の変位が規制される。つまり、ダイヤフラム8の位置がフルリフト位置となる。
【0046】
負圧作動式アクチュエータ9は、フラップ型バルブ5の開弁作動時にコイルスプリング55のスプリング荷重(SPG負荷)とエンジンEから受ける外力(エンジン外力:振動、圧力)との合力に打ち勝ち、フラップ型バルブ5を開弁作動できる設計となっている。すなわち、ダイヤフラム8を使用する負圧作動式アクチュエータ9の作動軸力は、「ダイヤフラム径×印加負圧」で決まり、この「ダイヤフラム径×印加負圧」が、「エンジン外力(振動、圧力)+スプリング荷重(SPG負荷)」よりも上回るように設計されている。このように設計された負圧作動式アクチュエータ9は、2つの第1、第2圧力室61、62の圧力差を利用して、コイルスプリング55のスプリング荷重に抗してダイヤフラム8をこれ自身の板厚方向(図5において図示上下方向)に変位(図示上方)させることで、ダイヤフラム8に連動したロッド51を軸線方向の図示上方に変位させるように構成されている。そして、ロッド51の軸線方向の図示上方への変位が、リンクプレート63を介してシャフト6に伝達されると、シャフト6が所定の回転角度(作動角θ:例えば40〜50°)だけ回転する。これにより、2位置3方向切替弁は、フラップ型バルブ5のバイパス全閉位置とフラップ型バルブ5のクーラ全閉位置との2位置に駆動される。
【0047】
ここで、電動バキュームポンプおよび負圧制御弁は、エンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10によって通電制御されるように構成されている。なお、負圧制御弁は、第1圧力室61の内部への負圧供給量を切り替えるように構成されている。ここで、ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチをオン(IG・ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムやマップ70に基づいて、フラップ型バルブ5の弁開度を電子制御するように構成されている。なお、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
【0048】
そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、マイクロコンピュータには、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、冷却水温度センサ、排気ガス還流管16、17の内部を流れるEGR量を間接的に検出するエアフロメータ、エンジンEの燃焼室内に吸入される吸入空気の温度(吸気温)を検出するための吸気温度センサ(吸気温度検出手段)71、およびEGRクーラモジュール1より流出してエンジン吸気管15に再循環されるEGRガスの温度を検出するための排気温度センサ(排気温度検出手段)72等が接続されている。
【0049】
本実施例の2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼)によって所定の折り曲げ形状に形成されている。このフラップ型バルブ5は、平らな金属板をダイスの上に載せ、フラップ型バルブ5の外径よりやや小さいパンチでダイスの穴の中に押し込み、底付きの製品とするプレス成形(例えば深絞り加工)によって製造される。そして、フラップ型バルブ5の板厚方向の一端面には、図1、図6および図7に示したように、ハウジング4の第1バルブシート31に対して着座、離脱してバイパス側流路孔42を閉鎖、開放する第1シール面91が設けられている。この第1シール面91は、本発明のシール面に相当するもので、フラップ型バルブ5の表面に対して逆側の裏面側に設けられている。また、フラップ型バルブ5の板厚方向の他端面には、図1、図6および図8に示したように、ハウジング4の第2バルブシート32に対して着座、離脱してクーラ側流路孔37を閉鎖、開放する第2シール面92が設けられている。なお、フラップ型バルブ5の第1、第2シール面92は、円形状の平坦面となっている。
【0050】
フラップ型バルブ5は、バイパス全閉位置(デフォルト位置、作動角θ=0°:図7参照)とクーラ全閉位置(フルリフト位置、作動角θ=40〜50°:図8参照)との2位置に駆動されるように構成されている。バイパス全閉位置とは、バイパス全閉時に、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が、第1バルブシート31に着座(密着)してクーラ側流路孔37を開放(全開)し、且つバイパス側流路孔42を閉鎖(全閉)するフラップ型バルブ5のバルブシート位置である。また、クーラ全閉位置とは、クーラ全閉時に、フラップ型バルブ5の表面側の第2シール面92が、第2バルブシート32に着座(密着)してクーラ側流路孔37を閉鎖(全閉)し、且つバイパス側流路孔42を開放(全開)するフラップ型バルブ5のバルブシート位置である。
【0051】
また、フラップ型バルブ5は、図6および図7に示したように、バイパス全閉時に、ハウジング4の排気ガス流路(流体流路)36の内部を流れるEGRガス(流体)の平均的な流れの軸線方向と、フラップ型バルブ5の軸線方向に対して垂直な垂線方向(第1、第2シール面91、92の面方向)とが略平行となるように配設されている。そして、フラップ型バルブ5は、第1シール面91よりも半径方向の外周側(外径側)に位置するバルブ周縁部を第1シール面側(図示下方)に所定の傾斜角度だけ折り曲げて、必要に応じて高い揚力を得ることが可能な全周フラップ部93を設けている。また、本実施例では、フラップ型バルブ5のバイパス全閉時に、円環状空間30の内部に全周フラップ部93が侵入するように、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部が折り曲げられている。したがって、本実施例では、全周フラップ部93をバルブ全周(フラップ型バルブ5のバルブ周縁部の周方向全域)に設けて、折り曲げ形状のフラップ型バルブ5とすることで、図6に示したように、負圧作動式アクチュエータ9によるバルブ開弁作動時(バイパス全閉位置からクーラ全閉位置への切り替え動作時)に、フラップ型バルブ5の開弁作動をアシストする方向(バルブ作動方向)に揚力(作動アシスト力)が発生する。
【0052】
本実施例の2位置3方向切替弁のシャフト6は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼)によって一体的に形成されている。このシャフト6は、軸受け部品およびシール部品を介して、ブロック13のシャフト収容孔46の内周に回転方向に摺動自在に支持されている。そして、シャフト6の外周には、バルブレバー7の固定端を保持固定する円筒状のレバー固定部94が固定されている。また、シャフト6のシャフト方向の一端部は、プラグ47よりハウジング4の外部に突出している。
【0053】
バルブレバー7は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼)によって所定の形状(例えばV字状)に一体的に形成されている。このバルブレバー7は、一端にシャフト6のレバー固定部94の外周に例えば溶接等の固定手段を用いて固定される固定端を有し、且つ他端側にフラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91(図示下端面)を固定する自由端を有している。
【0054】
バルブレバー7の固定端は、シャフト6のバルブ保持部の円柱形状に対応して円弧形状(または円筒形状)に形成されて、シャフト6のバルブ保持部の外周面の周方向の一部に例えば溶接等の固定手段を用いて保持固定されている。また、バルブレバー7の自由端は、フラップ型バルブ5の中央部にある孔形状に対応した形状に形成されて、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91の中央部を例えば溶接等の固定手段を用いて保持固定している。したがって、フラップ型バルブ5は、バルブレバー7の固定端側を起点とした回転動作によってバルブレバー7の自由端側でクーラ側流路孔37およびバイパス側流路孔42を選択的に開閉する1個の弁体を構成している。
【0055】
[実施例1の作用]
次に、本実施例の排気ガス再循環装置の作用を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
【0056】
例えばディーゼルエンジン等のエンジンEが始動することにより、エンジンEのシリンダヘッドに形成された吸気ポートの吸気バルブが開かれると、エアクリーナ20で濾過された吸入空気が、エンジン吸気管15、スロットルボディ、サージタンクを通って各気筒のインテークマニホールドに分配され、エンジンEの各気筒の燃焼室内に吸入される。そして、エンジンEでは、燃料が燃える温度よりも高い温度になるまで空気を圧縮し、そこにインジェクタから高圧燃料を噴霧して燃焼が成される。
【0057】
そして、エンジンEの各気筒の燃焼室内で燃えた燃焼ガスは、エンジンEのシリンダヘッドに形成された排気ポートから排出され、エキゾーストマニホールド、エンジン排気管14を経て排出される。ここで、負圧制御弁および電動バキュームポンプへの通電が成されていない場合には、負圧作動式アクチュエータ9のケーシング56、57の内部に設けられるコイルスプリング55のスプリング荷重(付勢力)によってダイヤフラム8がダイヤフラム座部54に押し付けられているので、負圧作動式アクチュエータ9のロッド51が図示下方に位置している(図3および図5参照)。この場合には、図7に示したように、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が第1バルブシート31の第1弁座部33に着座するバルブシート位置に維持される。したがって、フラップ型バルブ5のバルブシート位置は、クーラ側流路孔37を開放(全開)し、且つバイパス側流路孔42を閉鎖(全閉)するバイパス全閉位置に維持される。
【0058】
したがって、排気ガス還流管16からインレットポート35を経由して、ハウジング4の内部(排気ガス流路36)に流入した高温EGRガス(例えば450〜600℃の排気温度)は、図7に示したように、クーラ側流路孔37およびクーラ入口側連通口39を真っ直ぐに流れ、クーラ入口側連通口39からEGRクーラ2の内部に流入する。そして、EGRクーラ2の内部に流入した高温EGRガスは、複数の熱交換チューブを通過する際にエンジン冷却水(例えば80〜90℃程度の冷却水温)と熱交換して冷やされて低温EGRガス(例えば100℃程度の排気温度)となる。そして、低温EGRガスは、クーラ出口側連通口40からハウジング4の内部(排気ガス流路41)に再度流入し、排気ガス流路44にて流れ方向が約90°屈曲した後に、アウトレットポート45よりハウジング4の外部に流出する。そして、ハウジング4の外部に流出した低温EGRガスは、排気ガス還流管17を経由してエンジン吸気管15に再循環(還流)される。
【0059】
一方、切替弁装置3のフラップ型バルブ5のバルブシート位置が、第2バルブシート32の第2弁座部34に着座してクーラ側流路孔37を閉鎖するクーラ全閉位置となるように、負圧制御弁および電動バキュームポンプへの通電が成されると、電動バキュームポンプのエア吐出口に正圧が発生し、エア吸入口に負圧が発生するため、空気流路管および第1圧力室61内のエアを吸引するので、負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部は負圧状態となり、大気中に連通する第2圧力室62と第1圧力室61との間に圧力差が生じる。
【0060】
これにより、コイルスプリング55のスプリング荷重(付勢力)に抗して、2つの第1、第2圧力室61、62の圧力差に応じてダイヤフラム8が図示上方に変位するため、ロッド51が軸線方向に移動する。そして、ロッド51の軸線方向の直線運動に伴ってリンクプレート63がシャフト6の軸心を中心にして回転し、リンクプレート63の回転に伴ってリンクプレート63に固定されたシャフト6が回転中心軸線を中心にして回転する。これによって、フラップ型バルブ5がシャフト6の軸心を中心にして回転するため、第1バルブシート31の第1弁座部33より離脱して、第2バルブシート32の第2弁座部34に着座する。したがって、フラップ型バルブ5のバルブシート位置は、クーラ側流路孔37を閉鎖(全閉)し、且つバイパス側流路孔42およびバイパス流路43を開放(全開)するクーラ全閉位置となる。
【0061】
したがって、排気ガス還流管16からインレットポート35を経由して、ハウジング4の排気ガス流路36に流入した高温EGRガスは、図8に示したように、排気ガス流路36を直線状流路の軸線方向に真っ直ぐに流れて、第2バルブシート32の第2弁座部34に着座しているフラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91に衝突する。このとき、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が直線状流路の軸線方向に対して所定の傾斜角度(例えば40〜50°程度)で傾斜しているため、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91に衝突した高温EGRガスの流れ方向が、バイパス側流路孔42およびバイパス流路43の軸線方向に変更される。そして、バイパス側流路孔42およびバイパス流路43を通過した高温EGRガスは、バイパス側流路孔42およびバイパス流路43の軸線方向に真っ直ぐに流れて、ハウジング4の排気ガス流路44に流入し、アウトレットポート45よりハウジング4の外部に流出する。そして、ハウジング4の外部に流出した高温EGRガスは、排気ガス還流管17を経由してエンジン吸気管15に再循環(還流)される。
【0062】
ここで、例えば定常時に、フラップ型バルブ5のバルブシート位置を、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が第1バルブシート31の第1弁座部33に着座してバイパス側流路孔42を閉鎖(全閉)するバイパス全閉位置に設定し、排気ガス還流管16からEGRクーラモジュール1の内部に導入されるEGRガスの全流量を、図7に示したように、EGRクーラ2の内部を通過させてエンジン吸気管15に再循環(還流)させるようにすると、高温EGRガスが、EGRクーラ2の内部で十分に冷却される。これによって、温度が低く、密度の小さい低温EGRガスが、エンジン吸気管15の吸気通路内で吸入空気と混入することになるので、エンジンEの出力を低下させることなく、エンジンEの各気筒の燃焼室内での燃料の燃焼温度が低下して、エンジンEより排出される排気ガス中の汚染物質(NOx等のエミッション)の発生を効果的に低減させることができる。
【0063】
また、例えば寒冷時に、フラップ型バルブ5のバルブシート位置を、フラップ型バルブ5の表面側の第2シール面92が第2バルブシート32の第2弁座部34に着座してクーラ側流路孔37を閉鎖(全閉)するクーラ全閉位置に設定し、排気ガス還流管16からEGRクーラモジュール1の内部に導入されるEGRガスの全流量を、図8に示したように、バイパス側流路孔42およびバイパス流路43を通過させてエンジン吸気管15に再循環(還流)させるようにすると、EGRガスの温度が比較的に高い状態で再循環されることになる。これによって、吸入空気への十分な暖気効果を得ることができ、エンジンEでの燃焼性が向上し、エンジンEより排出される排気ガス中の汚染物質(HC等のエミッション)や白煙の発生を防止することができる。
【0064】
また、EGRガスを冷却することによって吸入空気の温度を低下させると、NOxの排出量が減少する傾向にあるが、比較的にエンジンEの低回転、低負荷の運転条件においては、EGRガスを冷却することによってHCの排出量が増加する。このため、エンジンEの運転状態に応じてフラップ型バルブ5を適度な弁開度(回転角度、作動角θ)に制御することで、EGRガスの温度が最適な温度となるように変化させて、NOxの排出量およびHCの排出量を同時に低減させるようにすることもできる。
【0065】
[実施例1の特徴]
以上のように、本実施例の排気ガス再循環装置に組み込まれるEGRクーラモジュール1の切替弁装置3においては、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が第1バルブシート31の第1弁座部33に着座してバイパス側流路孔42を閉鎖(密閉化)している時(フラップ型バルブ5のバイパス全閉時)に、EGRガスがEGRクーラ2を通過する際の圧力損失により、フラップ型バルブ5の第1、第2シール面91、92の差圧が、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91を第1バルブシート31の第1弁座部33に押し付ける方向に大きく働くようにして、フラップ型バルブ5のバイパス全閉位置におけるフラップ型バルブ5のシール性を向上させ、フラップ型バルブ5のバイパス全閉位置における弁洩れ量を効果的に低減させている。
【0066】
このようなEGRクーラモジュール1の構造の場合には、負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力が増加し、負圧作動式アクチュエータ9のダイヤフラム8を径大化させる必要があるが、負圧作動式アクチュエータ9の体格が大きくなり、搭載性が悪化するという問題がある。
【0067】
ここで、一般的に、ダイヤフラム8を使った負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力(実施例1=α、比較例1=β)は、図9に示したように、エンジンEから受ける外力(エンジン外力:例えば振動、圧力)とコイルスプリング55のスプリング荷重(SPG負荷)との合力(γ)に、フラップ型バルブ5の流体力(実施例1=α2、比較例1=β2)を加算した値以上の作動軸力を必要とする。
これを下記の数1の演算式にて表す。
[数1]
「負圧作動式アクチュエータの必要作動軸力」
≧「エンジン外力(振動、圧力)+SPG負荷+フラップ型バルブの流体力」
特に、フラップ型バルブ5の流体力は、EGRガス(流体)の流れ方向と負圧作動式アクチュエータ9の作動方向とで、正の値(バルブ作動方向に対して逆向きの荷重:所謂負荷)になったり、負の値(バルブ作動方向に対してアシストする向きの荷重:所謂アシスト力)になったりする。
【0068】
また、エンジンシステムや高地仕様に伴い負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部への負圧供給量が減る傾向にあるが、そうなっても搭載性の悪化を防止する目的で、負圧作動式アクチュエータ9の体格を大きくせず円滑にバルブ開弁作動が可能な設計が求められる。
この場合には、エンジンEから受ける外力(エンジン外力)以上の負圧作動式アクチュエータ9の作動軸力が必要となり、また、負圧作動式アクチュエータ9の作動軸力は、「ダイヤフラム径×印加負圧−コイルスプリング55のスプリング荷重(SPG負荷)」を満足する必要があることから、負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部への負圧供給量が減ると、負圧作動式アクチュエータ9の作動軸力が減少してしまう。これをカバーすべくダイヤフラム8を径大化させる必要があるが、これでは負圧作動式アクチュエータ9の体格が大きくなり、搭載性が悪化するという問題がある。
【0069】
そこで、負圧作動式アクチュエータ9の体格の大型化に伴う搭載性の悪化を防止するという目的で、本実施例では、比較例1の平板形状のフラップ型バルブ5に変えて、折り曲げ形状のフラップ型バルブ5を採用している。具体的には、フラップ型バルブ5の全周に、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部を第1シール面側に折り曲げて、必要に応じて高い揚力を得るための全周フラップ部93を設けることで、フラップ型バルブ5を全周折り曲げ形状にしている。
【0070】
したがって、負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部に負圧を導入して、フラップ型バルブ5のバルブシート位置をバイパス全閉位置からクーラ全閉位置に切り替える開弁作動時に、インレットポート35から排気ガス流路36の内部に流入するEGRガス流に、平板状のバルブ表裏面を有する比較例1に比べて、バルブ表裏面の流れにおいて流速差が付く。特に、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部が第1シール面(裏面)側に折り曲げられているので、図6に示したように、バルブ表面(第1シール面側に対して逆側の第2シール面92)に流速の速いEGRガスの流れが生じ、また、バルブ裏面(第1シール面側)に流速の遅いEGRガスの流れが生じる。これにより、バルブ表裏面に圧力差が発生するので、図1および図6に示したように、フラップ型バルブ5を第1バルブシート31の第1弁座部33より離脱させる方向、つまりフラップ型バルブ5の開弁方向(バルブ作動方向)に揚力を得ることができる。この揚力は、バルブ作動方向への作動軸力をアシストする作動アシスト力として働く。
【0071】
すなわち、バルブ表面に沿うEGRガス流は、速く流れ、また、バルブ裏面に沿うEGRガス流は、遅く流れる。特に、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部が第1シール面(裏面)側に折り曲げられているので、バルブ表裏面のEGRガスの流れの速さの相違が一層顕著になる。そして、図6に示したように、EGRガスの流れの速い部位では圧力が低く、また、EGRガスの流れの遅い部位では圧力が高くなる。これにより、バルブ表面側の圧力はバルブ裏面側の圧力に対し低くなる。この圧力差が作用してフラップ型バルブ5は、バルブ裏面から押し上げられて、図1および図6に示したように、バルブ揚力が生じる。特にフラップ型バルブ5のバルブ周縁部が第1シール面(裏面)側に折り曲げられているので、開弁アシスト方向に高い揚力が得られる。
【0072】
したがって、エンジンシステムや高地仕様に伴い負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部への負圧供給量が減ってしまい、2つの第1、第2圧力室61、62の圧力差が大きくとれず、ダイヤフラム8を使用する負圧作動式アクチュエータ9のロッド51の軸線方向の駆動力(作動軸力)が減少する場合、あるいは本実施例のようにフラップ型バルブ5のシール性を向上させることによって負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力が増加する場合であっても、図9に示したように、フラップ型バルブ5を開弁駆動するのに必要な作動軸力(負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力)をβ→αに軽減することができる。
【0073】
ここで、実施例1の折り曲げ形状のフラップ型バルブ5に作用する流体力をα2とし、エンジン外力(振動、圧力)とSPG負荷との合力をγとし、これらの合成負荷をα1とすると、実施例1の合成負荷(α1)は、(γ+α2)となる。また、比較例1の平板形状のフラップ型バルブ5に作用する流体力をβ2とし、エンジン外力(振動、圧力)とSPG負荷との合力をγとし、これらの合成負荷をβ1とすると、比較例1の合成負荷(β1)は、(γ+β2)となる。したがって、実施例1の必要作動軸力(α)を、比較例1の必要作動軸力(β)よりも流体力の差分(β2−α2)だけ軽減することができる(図9参照)ので、ダイヤフラム径を径大化することなく、負圧作動式アクチュエータ9によってフラップ型バルブ5を円滑に開弁作動させることができる。これにより、負圧作動式アクチュエータ9の体格の大型化を防止できるので、負圧作動式アクチュエータ9を含む装置全体(EGRクーラモジュール1)の体格の大型化を防止することができる。この結果、自動車等の車両へのEGRクーラモジュール1の搭載スペースを確保することが容易となるので、EGRクーラモジュール1の搭載性を向上させることができる。
【0074】
また、本実施例の切替弁装置3においては、バイパス側流路孔42が排気ガス流路36を含むクーラ入口側連通路(流体流路)の内部を流れるEGRガス流の流れ方向に対して略直角方向に形成されている。これによって、第1バルブシート31の第1弁座部31に着座するフラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91が、クーラ入口側連通路(流体流路)の内部を流れるEGRガス流の流れ方向に対して略平行に位置するので、フラップ型バルブ5のバルブ表裏面を流れる流体の流速差が大きくなり、フラップ型バルブ5のバルブ表裏面に発生する圧力差をより大きくすることができる。すなわち、フラップ型バルブ5の開弁作動方向に発生する揚力(作動アシスト力)を大きくすることができる。
【0075】
また、本実施例の切替弁装置3においては、フラップ型バルブ5のバイパス全閉時に、円環状空間30の内部にフラップ型バルブ5の全周フラップ部93が侵入するように、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部を折り曲げているので、負圧作動式アクチュエータ9によるフラップ型バルブ5の開弁作動時に、EGRガス流がブロック13の流路壁面とフラップ型バルブ5の全周フラップ部93の裏面に流れ難くなっている。これによって、電動バキュームポンプから負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部に負圧を導入して、負圧作動式アクチュエータ9の作動軸力を利用してフラップ型バルブ5の開弁動作を開始する直後に、流速の遅い流れをフラップ型バルブ5の裏面に流すことができ、フラップ型バルブ5の開弁作動をアシストする方向に揚力を発生させることができるので、少ない作動軸力で直ちにフラップ型バルブ5を開弁駆動できる。したがって、開弁応答性に優れた負圧作動式アクチュエータ9を含むバルブ駆動装置を構成することができる。
【0076】
また、仮に電動バキュームポンプから負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部に導入される負圧供給量が比較例1(図11および図12参照)と同じであれば、ダイヤフラム径を小径化することが可能となる。これにより、負圧作動式アクチュエータ9の体格を小型化することができるので、負圧作動式アクチュエータ9を含む装置全体(ハウジング4の外壁面に負圧作動式アクチュエータ9を外付した切替弁装置3、更にはEGRクーラ2と切替弁装置3とを一体化したEGRクーラモジュール1)の体格を小型化することができる。この結果、自動車等の車両へのEGRクーラモジュール1の搭載スペースを確保することが容易となるので、EGRクーラモジュール1の搭載性を更に向上させることができる。
【0077】
また、開弁動作時に高い揚力を得ることの可能な折り曲げ形状のフラップ型バルブ5を採用することにより、負圧作動式アクチュエータ9の必要作動軸力が減るので、負圧作動式アクチュエータ9の第1圧力室61の内部への負圧供給量が少なくても、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91を第1バルブシート31の第1弁座部33より容易に離脱させることができる。これにより、電動バキュームポンプの負圧消費量を低減することができるので、少ない電力消費量(省電力)でフラップ型バルブ5を開弁駆動することができる。
【0078】
また、本実施例の負圧作動式アクチュエータ9においては、2つのケーシング56、57により囲まれた内部空間(ダイヤフラム室)、特に第1圧力室61の内部に、ダイヤフラム8に対して、フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91を第1バルブシート31の第1弁座部33に押し当てる方向にスプリング荷重を与えるコイルスプリング55を収容している。これによって、フラップ型バルブ5のバイパス全閉時に、エンジンEから受ける外力(エンジン外力:振動、圧力)、特にエンジン振動がハウジング4のブロック13のバルブ軸受け部からフラップ型バルブ5に伝わっても、コイルスプリング55のスプリング荷重によってフラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91を第1バルブシート31の第1弁座部33に押し付けているので、フラップ型バルブ5が第1バルブシート31の第1弁座部33に対し微小なリフトで開閉を繰り返すようなチャタリング現象の発生を抑えることができる。したがって、フラップ型バルブ5のバイパス全閉位置における弁洩れ量を効果的に低減することができるので、EGRクーラモジュール1の切替弁装置3の信頼性を向上することができる。
【0079】
[変形例]
本実施例では、アクチュエータとして、第1圧力室61に大気圧よりも低い負圧を導入して、大気中に連通する第2圧力室62と負圧源に連通する第1圧力室61との圧力差を利用してダイヤフラム8を変位させるように構成した負圧作動式アクチュエータ9を採用しているが、他のアクチュエータの例として、第2圧力室62に大気圧よりも高い正圧を導入して、大気中に連通する第1圧力室61とポンプに連通する第2圧力室62との圧力差を利用してダイヤフラム8を変位させるように構成しても良い。この場合のポンプは、エア吸入口より吸入したエアを加圧してエア吐出口より吐出し、第2圧力室62にエア吐出口より吐出されたエアを供給するエアポンプが用いられる。また、切替弁装置3の2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5を閉弁方向(バイパス側流路孔42およびバイパス流路43を閉じる側)に付勢するコイルスプリング55等のバルブ付勢手段を、切替弁装置3のハウジング4の内部に設置しても良い。
【0080】
また、本実施例では、切替弁装置3の2位置3方向切替弁のフラップ型バルブ5を開弁駆動(または閉弁駆動)するバルブ駆動装置を、負圧制御弁および電動バキュームポンプを備えた負圧作動式アクチュエータ9によって構成したが、切替弁装置の2位置3方向切替弁の弁体(バルブ)を開弁駆動(または閉弁駆動)するバルブ駆動装置を、電動モータと動力伝達機構(例えば歯車減速機構)とを含んで構成される電動式アクチュエータや、電磁式アクチュエータによって構成しても良い。
【0081】
本実施例では、2位置3方向切替弁の弁体として、シャフト6の軸心を中心にして回転するフラップ型バルブ5を適用した例を説明したが、2位置3方向切替弁の弁体として、プレート型バルブ、ロータリー型バルブ等の他のバルブを用いても良い。また、切替弁装置を、バイパス全閉位置とクーラ全閉位置との間のバルブ作動角度を連続的または段階的に変更して、EGRクーラ2を通過する排気ガス流量(低温EGRガス量)とバイパス側流路孔42およびバイパス流路43を通過する排気ガス流量(高温EGRガス量)との混合比を調整して、エンジンEの吸気系に再循環されるEGRガス温度(排気ガス温度)を制御する排気ガス温度制御弁として用いても良い。また、バルブをバイパス側流路孔42のみを開閉する流路開閉弁の弁体としても良い。
【0082】
本実施例では、本発明を、クーラ側流路孔37およびバイパス側流路孔42を選択的に開閉する2位置3方向切替弁に適用した例を説明したが、本発明を、EGRクーラ2に冷却性能の異なる複数の排気ガス流路を設け、これらの排気ガス流路にそれぞれ連通する複数のクーラ側連通路を切り替える切替弁に使用しても良い。また、2位置3方向切替弁のバルブ端面(フラップ型バルブ5の裏面側の第1シール面91)を、クーラ全閉時にEGRガスが緩やかに流れ方向を変更するように球面状(または円弧状)に湾曲させても良い。
【0083】
本実施例では、本発明を、内部をU字状にEGRガス(排気ガス)が流れるUターンフロータイプのEGRクーラ(排気ガスクーラ)2を備えた排気ガス冷却装置(EGRクーラモジュール1)に適用したが、本発明を、内部をS字状またはI字状にEGRガス(排気ガス)が流れるタイプの排気ガスクーラを備えた排気ガス冷却装置(EGRクーラモジュール)に適用しても良い。この場合には、排気ガスクーラの出口タンク部とハウジング4のクーラ出口側連通口40とを、熱交換機能を持たない排気ガス配管で接続する。
【0084】
本実施例では、2位置3方向切替弁の弁体(フラップ型バルブ5)の裏面側の第1シール面91が着座する第1弁座部33を、ハウジング4のブロック13に圧入嵌合される円筒状の第1バルブシート31の環状端面に設けているが、2位置3方向切替弁の弁体(バルブ)が着座する第1弁座部を、ハウジング4のブロック13に設けられる第1連通孔の開口周端縁に直接設けても良い。この場合には、ハウジング4に第1弁座部が一体的に形成される。また、2位置3方向切替弁の弁体(フラップ型バルブ5)の表面側の第2シール面92が着座する第2弁座部34を、ハウジング4の直線状流路に圧入嵌合される円筒状の第2バルブシート32の環状端面に設けているが、2位置3方向切替弁の弁体(バルブ)が着座する第2弁座部を、ハウジング4の直線状流路に設けられる第2連通孔の開口周端縁に直接設けても良い。この場合には、ハウジング4に第2弁座部が一体的に形成される。
【0085】
本実施例では、ハウジング4の排気ガス流路(流体流路)36内を流れる流体として、エンジンEより流出する排気ガス(EGRガス)を適用しているが、ハウジングの流体流路内を流れる流体として、燃料タンク内で揮発化した蒸発燃料(エバポガス)、エンジンEの気筒内に吸入される吸入空気(新規吸入空気)、冷凍サイクルに使用する気化冷媒(冷媒ガス)等の気体だけでなく、エンジン冷却水、冷凍サイクルに使用する液化冷媒等の液体、冷凍サイクルに使用する気液二相状態の冷媒を使用しても良い。
【0086】
本実施例では、内部にクーラ側連通路およびバイパス側連通路が形成されたハウジング4の内部に開閉自在にフラップ型バルブ5を収容しているが、1つのインレットポート(流体入口、排気ガス入口)に対して2つの第1、第2アウトレットポート(流体出口、排気ガス出口)を有するT字状分岐管(ハウジング)の内部に開閉自在にバルブを収容しても良い。この場合には、インレットポートから第1アウトレットポートに向けて真っ直ぐに延びる直線状流路が流体流路を成し、その直線状流路の途中から分岐して第2アウトレットポートに向けて延びる分岐流路が流路孔を成す。また、バルブは、直線状流路の内部に開閉自在に収容される。
【0087】
また、2つの第1、第2インレットポート(流体入口、排気ガス入口)に対して1つのアウトレットポート(流体出口、排気ガス出口)を有するT字状合流管(ハウジング)の内部に開閉自在にバルブを収容しても良い。この場合には、第1インレットポートからアウトレットポートに向けて真っ直ぐに延びる直線状流路が流体流路を成し、第2インレットポートから流入してその直線状流路の途中に合流する合流流路が流路孔を成す。また、バルブは、直線状流路の内部に開閉自在に収容される。
【0088】
本実施例では、EGRクーラ(熱交換器)2の入口部に、内部にフラップ型バルブ5を開閉自在に収容したハウジング4を結合し、EGRクーラ2よりも排気ガス(流体)の流れ方向の上流側にフラップ型バルブ5を配設しているが、熱交換器の出口部に、内部にバルブを開閉自在に収容したハウジングを結合し、熱交換器よりも流体の流れ方向の下流側にバルブを配設しても良い。また、ハウジングは、必ずしもEGRクーラ2等の熱交換器の入口部または出口部に結合されていなくても良い。また、EGRクーラ2等の熱交換器を廃止しても良い。
【0089】
本実施例では、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部を第1シール面側(図示下方)に所定の傾斜角度だけ折り曲げて、フラップ型バルブ5の全周に全周フラップ部93を設けているが、フラップ型バルブ5のバルブ周縁部を第1シール面側に折り曲げて、バイパス全閉時にインレットポート35から排気ガス流路36の内部に流入するEGRガスの平均的な流れの軸線に対して傾くようにフラップ型バルブ5に部分的にフラップ部を設けても良い。また、インレットポート35から排気ガス流路36の内部に流入するEGRガスの上流側よりも下流側の方がフラップ部のサイズが大きくなるように、あるいはインレットポート35から排気ガス流路36の内部に流入するEGRガスの下流側のみに円弧状にフラップ部を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】フラップ型バルブの開弁動作を示した説明図である(実施例1)。
【図2】排気ガス再循環装置の全体構成を示した構成図である(実施例1)。
【図3】切替弁装置の全体構造を示した斜視図である(実施例1)。
【図4】切替弁装置の全体構造を示した斜視図である(実施例1)。
【図5】負圧作動式アクチュエータを示した断面図である(実施例1)。
【図6】(a)、(b)はフラップ型バルブを示した断面図で、(c)はフラップ型バルブを示した斜視図である(実施例1)。
【図7】フラップ型バルブのバイパス全閉位置を示した説明図である(実施例1)。
【図8】フラップ型バルブのクーラ全閉位置を示した説明図である(実施例1)。
【図9】負圧作動式アクチュエータの必要作動軸力に対する負荷および流体力を示したグラフである(実施例1)。
【図10】EGRクーラモジュールの全体構造を示した断面図である(従来の技術)。
【図11】切替弁装置の全体構造を示した断面図である(比較例1)。
【図12】フラップ型バルブのバイパス全閉位置を示した説明図である(比較例1)。
【符号の説明】
【0091】
E エンジン(内燃機関)
1 EGRクーラモジュール(排気ガス冷却装置)
2 EGRクーラ(排気ガスクーラ)
3 切替弁装置(バルブ開閉制御装置)
4 ハウジング
5 フラップ型バルブ(2位置3方向切替弁の弁体)
6 シャフト(バルブ軸、2位置3方向切替弁の弁軸)
7 バルブレバー(2位置3方向切替弁の連結部)
8 ダイヤフラム
9 負圧作動式アクチュエータ
11 第1連通孔(流路孔)
12 第2連通孔
13 ブロック(ハウジング)
30 ブロックの円環状空間(ハウジングの環状空間)
31 第1バルブシート
32 第2バルブシート
33 第1バルブシートの第1弁座部(流路孔の開口周縁部)
34 第2バルブシートの第2弁座部(流路孔の開口周縁部)
35 ハウジングのインレットポート(流体入口)
36 排気ガス流路(クーラ側連通路、バイパス側連通路)
37 クーラ側流路孔(クーラ側連通路)
39 クーラ入口側連通口(クーラ側連通路)
40 クーラ出口側連通口(クーラ側連通路)
41 排気ガス流路(クーラ側連通路)
42 バイパス側流路孔(バイパス側連通路)
43 バイパス流路(バイパス側連通路)
44 排気ガス流路(クーラ側連通路、バイパス側連通路)
45 ハウジングのアウトレットポート(流体出口)
51 負圧作動式アクチュエータのロッド
55 負圧作動式アクチュエータのコイルスプリング
61 負圧作動式アクチュエータの第1圧力室
62 負圧作動式アクチュエータの第2圧力室
63 リンクプレート(運動方向変換機構、リンク機構)
91 フラップ型バルブの第1シール面
92 フラップ型バルブの第2シール面
93 フラップ型バルブの全周フラップ部(フラップ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)内部を流体が流れる流体流路、およびこの流体流路の途中で分岐または合流する流路孔が形成されたハウジングと、
(b)このハウジングの内部に開閉自在に収容されて、前記流路孔の開口周縁部に対して着座、離脱して前記流路孔を閉鎖、開放するバルブと、
(c)このバルブを駆動するアクチュエータと
を備えたバルブ開閉制御装置において、
前記バルブは、表面に対して逆側の裏面側に、前記流路孔の開口周縁部に着座して前記流路孔を閉鎖するシール面を有し、このシール面よりも外周側に位置するバルブ周縁部を前記シール面側に折り曲げて前記バルブにフラップ部を設けたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記流路孔は、前記流体流路の内部を流れる流体の流れ方向に対して略直角方向に形成されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記ハウジングは、前記流路孔の開口周縁部の周囲を取り囲むように環状空間を有し、 前記バルブ周縁部は、前記フラップ部が前記環状空間の内部に侵入するように折り曲げられていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、 前記アクチュエータは、負圧源に連通する第1圧力室、大気中に連通する第2圧力室、およびこれら2つの第1、第2圧力室の圧力差に応じて変位するダイヤフラムを有し、
前記第1圧力室内に大気圧よりも低い負圧が導入されると、前記バルブのシール面を前記流路孔の開口周縁部より離脱させる作動軸力が発生する負圧作動式アクチュエータであることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記負圧作動式アクチュエータは、前記ダイヤフラムに対して、前記バルブのシール面を前記流路孔の開口周縁部に押し当てる方向にスプリング荷重を与えるスプリングを有していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記負圧作動式アクチュエータは、前記ダイヤフラムに連動して軸線方向に移動するロッドを有し、
前記ロッドは、前記バルブを駆動することを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記バルブは、前記ハウジングに回転自在に支持されたバルブ軸を有し、このバルブ軸の軸心を中心にして回転動作を行うフラップ型バルブであって、
前記ロッドと前記バルブ軸との間には、前記ロッドの直線運動を前記バルブ軸の回転運動に変換する運動方向変換機構が介在していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、 前記ハウジングは、内燃機関より流出して前記内燃機関の吸気系に再循環される排気ガスを冷却する排気ガスクーラの入口部に結合されており、
前記バルブは、前記排気ガスクーラよりも排気ガスの流れ方向の上流側に配設されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記ハウジングの内部には、前記排気ガスクーラを経由させて前記内燃機関の吸気系に排気ガスを再循環させるクーラ側連通路、および前記排気ガスクーラを迂回させて前記内燃機関の吸気系に排気ガスを再循環させるバイパス側連通路が形成されており、
前記流体流路は、前記クーラ側連通路の一部を構成し、
前記流路孔は、前記バイパス側連通路の一部を構成することを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記バルブは、少なくとも前記バイパス側連通路を開閉する開閉弁の弁体を構成していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項11】
請求項9に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記バルブは、前記クーラ側連通路と前記バイパス側連通路とを切り替える切替弁の弁体を構成していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−154907(P2007−154907A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346417(P2005−346417)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】