説明

パターンの形成方法、及び液滴吐出ヘッド

【課題】ウエットエッチングを用いた際のサイドエッチを低減することにより精度の高い微細なパターンを形成できる、パターンの形成方法、及び液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】基板18上に機能性材料からなる薄膜28を成膜し、薄膜28上にレジストパターン38を形成する。そして、レジストパターン38を撥液化処理して、撥液化処理が施されたレジストパターン38をマスクにして、薄膜28をウエットエッチングによりパターニングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンの形成方法、及び液滴吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
配線、絶縁膜、半導体層等からなるパターンを基板上に形成する方法としては、基板表面にスパッタ、蒸着等によって薄膜を成膜した後、該薄膜上にレジストを塗布・露光・現像し、所望のパターンに対応したレジスト形状にパターニングする。そして、このレジストをマスクにしてエッチング工程を行うことにより、例えば配線パターン(パターン)を形成する。
【0003】
上記のエッチング工程としては、例えば真空中でプラズマを用いることでドライエッチングを行う方法がある。このようなドライエッチング工程では、微細なパターン形成が可能となるものの、真空中でプラズマを用いるための真空装置及びプラズマ装置が必要となることから、装置が高価、かつその使用電力も大きくなってしまう。
【0004】
一方、上記レジストをマスクとし、エッチング液を用いたウエットエッチングを行うことで、真空装置等の高価な装置を用いることなく、基板上に所定の配線パターンを形成する方法もある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−132631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ウエットエッチングはいわゆる等方性エッチングであるため、形成された配線パターン(パターン)にサイドエッチが生じてしまい、そのため寸法の精度が低く、配線パターンの信頼性が低下してしまうといった問題があった。また、ウエットエッチングを用いたパターンの形成工程では、上述したサイドエッチが生じることから、特に微細な配線パターンを精度良く形成するのが難しかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ウエットエッチングを用いた際のサイドエッチを低減することにより精度の高い微細なパターンを形成できる、パターンの形成方法、及び液滴吐出ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパターンの形成方法は、基板上に機能性材料からなる薄膜を成膜する工程と、前記薄膜上にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンを撥液化処理する工程と、該撥液化処理が施されたレジストパターンをマスクにして、前記薄膜をウエットエッチングによりパターニングする工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のパターンの形成方法によれば、撥液化処理されたレジストパターンをマスクにして薄膜をエッチングしているので、ウエットエッチング時にレジストパターンの側面部がエッチング液を弾いた状態で薄膜がパターニングされるようになる。このとき、レジストパターンの側面部がエッチング液を弾くことで、薄膜に対しエッチングが等方的に進むことが防止される。よって、ウエットエッチングを行った際に薄膜にサイドエッチが生じるのが防止され、平面視した状態でレジストパターンと略同等の幅のパターンが形成される。
したがって、ウエットエッチングを用いた際のサイドエッチを抑えることで、エッチングによるバラツキが小さくなって、微細なパターンを精度良く形成することができる。
【0009】
また、上記のパターン形成方法においては、前記機能性材料が、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Ag、Ti、Ta、Pd、ITO若しくはW又はこれらの材料のうち少なくとも2種以上から選択される材料であるのが好ましい。
この材料によれば、上記の薄膜をエッチングして基板上に形成されたパターンを金属配線として好適に採用することができる。
【0010】
また、上記のパターン形成方法においては、前記機能性材料が、Si、GaAsであるのが好ましい。
このようにすれば、上記の薄膜をエッチングして基板上に形成されたパターンを半導体層として好適に採用することができる。
【0011】
また、上記のパターン形成方法においては、前記機能性材料が、SiO、Al、PZT、Siであるのが好ましい。
このようにすれば、薄膜をエッチングして基板上に形成されたパターンを絶縁膜として好適に採用することができる。
【0012】
また、上記のパターン形成方法においては、前記撥液処理工程として、前記基板を界面活性剤を含有する溶剤に浸漬するのが好ましい。
このようにすれば、レジストパターンに対して撥液性を付与することができ、したがって該レジストパターンを介しエッチングによって形成されるパターンのサイドエッチを良好に防止することができる。
【0013】
また、上記のパターン形成方法においては、前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であるのが好ましい。
このような界面活性剤を用いることで、上記撥液処理工程を良好に行うことができる。
【0014】
また、上記のパターン形成方法においては、前記レジストパターンを形成する現像液に前記界面活性剤が含有されているのが好ましい。
このようにすれば、レジストパターンの現像工程が基板を撥液処理する工程を兼ねることとなり、界面活性剤を含有する溶剤に基板を浸漬する工程を省くことができ、したがってパターン形成工程を簡略化することができる。
【0015】
また、上記のパターン形成方法においては、前記薄膜が下層膜と上層膜とを積層して形成され、前記下層膜が前記上層膜に比べてイオン化傾向が大きい場合、前記レジストパターンをマスクにして前記上層膜をパターニングすることで上層膜パターンを形成した後、前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理し、該撥液化処理が施された前記レジストパターン及び前記上層膜パターンをマスクとして、前記下層膜をウエットエッチングによりパターニングするのが好ましい。
【0016】
ここで、下層膜が上層膜に比べてイオン化傾向が大きくなっているので、ウエットエッチングを行った際に、いわゆる電池効果が生じて前記下層膜のサイドエッチ量が大きくなる。そこで、本発明を採用すれば、例えば上層膜としてAu膜を形成し、下層膜として前記Au膜に比べてイオン化傾向の大きいNi−Cr膜を形成した場合に、撥液処理されたレジストパターン、及び上層膜パターンであるAu膜パターンをマスクとして、Ni−Cr膜をウエットエッチングによりパターニングしているので、Au膜パターン及びレジストパターンに付与された撥液性によって上述したようにエッチング液を弾くことで、サイドエッチを防止した状態でNi−Cr膜をパターニングすることができる。よって、2層からなるパターンを精度良く形成することができる。
【0017】
また、上記のパターン形成方法においては、前記上層膜パターンを形成するエッチング液に前記界面活性剤が含有されているのが好ましい。
このようにすれば、上層膜パターンを形成するエッチング工程により、前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理する工程を兼ねることとなり、パターン形成工程を簡略化できる。
【0018】
また、上記のパターン形成方法においては、ウエットエッチングによってパターニングされた前記薄膜に対しメッキ処理を行う際の前処理として、前記基板上に前記上層膜あるいは下層膜の残渣が存在する場合、前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理する工程と、前記上層膜をエッチングする工程と、前記下層膜をエッチングする工程とを、前記残渣を除去するまで繰り返すのが好ましい。
【0019】
ここで、薄膜に対しメッキ処理を行う際に、下層膜あるいは上層膜の残渣が基板上に存在すると、該残渣にメッキが析出してしまい、結果として隣接するパターン間で接触が起こり、ショートあるいはAu異物の原因となるおそれがある。そこで、本発明を採用すれば、例えば前記基板上の前記Ni−Cr膜(下層膜)あるいは前記Au膜(上層膜)の残渣を除去するまで、前記レジストパターン及び前記Au膜パターン(上層膜パターン)を撥液化処理する工程と、前記Au膜をウエットエッチングによりパターニングする工程と、前記Ni−Cr膜をウエットエッチングによりパターニングする工程とを繰り返しているので、前記上層膜及び下層膜を覆ってメッキ処理する場合でも、上述した残渣による不具合を確実に防止することができる。
【0020】
また、上記のパターン形成方法においては、ウエットエッチングによってパターニングされた前記薄膜に対しメッキ処理を行う際の前処理として、前記基板上に前記下層膜の残渣が存在する場合、前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理する工程と、前記下層膜をウエットエッチングによりパターニングする工程とを、前記残渣を除去するまで繰り返すのが好ましい。
【0021】
ここで、薄膜に対しメッキ処理を行う際に、下層膜の残渣が基板上に存在すると、該残渣にメッキが析出してしまい、結果として隣接するパターン間で接触が起こり、ショートあるいはAu異物の原因となるおそれがある。そこで、本発明を採用すれば、例えば前記基板上の前記Ni−Cr膜(下層膜)の残渣を除去するまで、前記レジストパターン及び前記Au膜パターン(上層膜パターン)を撥液化処理する工程と、前記Ni−Cr膜をウエットエッチングによりパターニングする工程とを繰り返しているので、パターニングされた薄膜をメッキ処理する場合でも、上述したNi−Cr膜の残渣による不具合を確実に防止することができる。このとき、基板を撥液化処理した状態で、Ni−Cr膜をウエットエッチングしているので、Ni−Cr膜にサイドエッチが生じるのが防止される。
【0022】
また、上記のパターン形成方法においては、前記基板として、貫通孔が設けられた基板を用いるのが好ましい。
【0023】
ここで、基板に貫通孔が形成されている場合には、該開口部にエッチング液が流れ込んでしまい、結果として前記開口部の近傍に形成されるパターンにおけるサイドエッチの量が多くなってしまう。そこで、本発明を採用することで開口部の近傍のパターンのサイドエッチを効果的に防止することができる。
【0024】
本発明の液滴吐出ヘッドは、上記のパターンの形成方法により形成された配線パターンを有した封止基板を備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明の液滴吐出ヘッドによれば、封止基板には上述した方法によって形成された精度の高い配線パターンを備えているので、誤動作の少ない信頼性の高い液滴吐出ヘッドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0027】
まず、本発明のパターンの形成方法の一実施形態として、配線パターン形成方法について説明する。
図1(a)〜(c)及び図2(a)〜(d)は、本実施形態の配線パターン形成工程を示す図である。なお、本実施形態において、半導体基板18上にパターンを形成する領域をパターン形成部と称し、パターンを形成しない領域を非パターン形成部と称する。
【0028】
まず、図1(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板18(基板)を用意した後、半導体基板18の表面を熱酸化処理し、半導体基板18表面に絶縁材料からなるSiO膜(図示省略)を形成する。次に、後述するように半導体基板18の上面に実装される駆動回路と、半導体基板18の下面に設けられる圧電素子とを電気的に接続するために、半導体基板18の厚み方向に貫通する複数の貫通孔48を形成する。具体的には、半導体基板18上にレジスト(マスクパターン)を塗布し、露光、現像処理によりレジストを所定形状にパターニングする。その後、パターニングしたレジストをマスクとして、フッ酸によりSiO膜(熱酸化膜)を除去後、KOH等のアルカリ溶液でウエットエッチングすることにより半導体基板18に貫通孔48を形成する。続けて、再度、半導体基板18に熱酸化処理を施し、半導体基板18の全面にSiO膜(図示省略)を形成する。
【0029】
次に、図1(b)に示すように、形成するパターンと基板表面との密着性を確保するためにスパッタ法により、半導体基板18上にNi−Cr合金(Cr20%)からなるNi−Cr膜(下層膜)28を形成する。Ni−Cr膜28の膜厚は例えば数10〜100nmである。そして、前記Ni−Cr膜28を覆うようにして、AuからなるAu膜(上層膜)29をスパッタ法により成膜する。なお、上記の成膜方法としては蒸着法を用いてもよい。これにより、半導体基板18上に配線パターンの前駆体層(薄膜)30を形成する。
このとき、半導体基板18には複数の貫通孔48が形成されているため、スパッタ時にスパッタ粒子が貫通孔48の内壁面18a及び半導体基板18の裏面18bに回り込んで、異物として付着してしまうが、本実施形態では、後述のウエットエッチング工程で前記内壁面18a及び裏面18bに付着したスパッタ粒子を良好に除去できるので問題ない。
【0030】
なお、半導体基板18上に成膜する配線パターンの前駆体層としては、上記以外にもCu、Ni、Cr、Al、Ti、Ta、Pd、ITO若しくはW又はこれらの材料のうち少なくとも2種以上から選択される材料を用いて形成することができる。この材料によれば、半導体基板18上に形成された薄膜をエッチングすることで得たパターンを金属配線として好適に用いることが可能となる。また、前記半導体基板18上に成膜する薄膜の機能性材料として、Si、GaAsを用いてもよい。このようにすれば、半導体基板18上に形成された薄膜パターンを半導体層として好適に採用することができる。また、前記半導体基板18上に成膜する薄膜の機能性材料として、SiO、Al、PZT、Siを用いてもよい。このようにすれば、半導体基板18上に形成された薄膜パターンを絶縁膜として好適に採用することができる。
【0031】
次に、図1(c)に示すように、半導体基板18上の全面にレジストを塗布し、このレジストをフォトリソグラフィー法により、所定形状にパターニングする。このとき、レジストの形状は、配線パターンを形成する必要の無い非パターン形成領域に対応した位置の前駆体層30が露出するように開口部52を形成するとともに、配線パターンを形成するためのパターン形成領域に対応した位置の前駆体層30がレジストパターン38に覆われるようにパターニング形成する。
【0032】
次に、図2(a)に示すように、上記レジストパターン38をマスクにして、例えばヨウ素とヨウ化カリウムをベースに用いたウェットエッチング処理を半導体基板18に施す。これにより、マスクに被覆されていない非パターン形成部に位置する前駆体層30におけるAu層29がエッチングされて、Ni−Cr膜28上に所定パターン(レジストパターン38と同じパターン)からなるAu膜パターン(上層膜パターン)29aが形成される。その後、半導体基板18を例えば純水等を用いて洗浄する。
【0033】
続いて、前記レジストパターン38、または前記レジストパターン38とともに前記パターニングされたAu層膜パターン29aを撥液化処理する。なお、ここでいう撥液化とは撥液化されたレジストパターン38の前記エッチング液に対する接触角が必ずしも90度以上ではなく、前記Au層膜パターン(機能膜)29aと撥液化されたレジストパターンとの接触角の差が数十度以上であればよい。
【0034】
本実施形態では、具体的に前記の撥液化処理として半導体基板18を界面活性剤を含有する溶剤に浸漬している。このような界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤を好適に採用することができる。なお、前記レジストパターン38を形成する現像液に前記界面活性剤が含有させるようにしてもよい。このようにすれば、レジストパターン38の現像工程が半導体基板18を撥液処理する工程を兼ねることとなり、界面活性剤を含有する溶剤に半導体基板18を浸漬する工程を省くことでパターン形成工程を簡略化するようにしてもよい。また、レジストパターン38を撥液化後、前記Au層膜パターン29aをエッチングしてもよい。
【0035】
よって、図2(b)に示すように、上記界面活性剤を含有する溶剤に半導体基板18を浸漬することで、前記半導体基板18に形成されたレジストパターン38、またはレジストパターン38とともに、Au層膜パターン29aに撥液性が付与されることとなる。
【0036】
続いて、図2(c)に示すように、上記の撥液化処理が施されたレジストパターン38及びAu膜29をマスクとして、硝酸と硝酸第2セリウムアンモニウムをベースに用いたウエットエッチング処理を半導体基板18に施し、Ni−Cr膜28をパターニングしてNi−Cr膜パターン28aを形成する。
【0037】
ところで、本実施形態では、配線パターンの前駆体層(薄膜)30が複数の金属層から構成されている。前記前駆体層30は、上述したように下層側がNi−Cr膜28によって形成され、上層側がAu膜29によって形成されており、Ni−Cr膜28はAu膜29に比べイオン化傾向が大きいものである。
このような構造に対してウエットエッチングを行うと、ウエットエッチング時に卑金属からなる半導体基板18側に設けられたNi−Cr膜パターン28aは、いわゆる電池効果によってサイドエッチが多く生じてしまうことが知られている。
【0038】
そこで、本発明を採用すれば、上層膜としてAu膜29を形成し、下層膜として前記Au膜29に比べてイオン化傾向の大きいNi−Cr膜28を形成した場合であっても、上述したように撥液処理されたレジストパターン38、及びAu膜パターン29aをマスクにして、Ni−Cr膜28をウエットエッチングしている。このとき、上述したように撥液処理されたレジストパターン38、及びAu膜パターン29aの側面部、すなわちマスクの側面部がエッチング液を弾くようになる。
そして、一般的にウエットエッチング時は等方的なエッチングで行われるが、上述したようにマスクの側面部がエッチング液を弾くことで、薄膜に対してエッチングが等方的に進むことが防止される。よって、Ni−Cr膜28に生じるサイドエッチを防止し、平面視した状態でレジストパターン38と略同等の幅にNi−Cr膜パターン28aをパターニングすることができる。
【0039】
次に、図2(d)に示すように、バレルアッシャーを用いたOプラズマアッシングにより、レジストパターン38を除去する。なお、レジストパターンの除去方法としては、半導体基板18を剥離液(剥離液106:東京応化)に例えば10分程度浸漬させ、レジストパターン38を剥離する方法を採用することも可能である。
以上説明した工程により、半導体基板18上に、Ni−Cr膜パターン28a、Au膜パターン29aからなる配線パターン46を形成できる。
【0040】
本実施形態の配線パターンの形成方法によれば、撥液化処理されたレジストパターン38及びAu膜29をマスクとしているので、ウエットエッチング時に前記マスクの側面部がエッチング液を弾いた状態となる。よって、ウエットエッチング時の等方的なエッチングによる薄膜のサイドエッチが防止されて、平面視した状態でレジストマスクと略同等の幅のパターンを形成できる。
したがって、ウエットエッチングを用いた際のサイドエッチを効果的に抑えることで、Ni−Cr膜28のエッチング時の寸法のバラツキを小さくして、精度の良い微細なパターンを形成することができる。
【0041】
特に、本実施形態のように、半導体基板18に貫通孔48を形成した場合、貫通孔48周辺部に局所的なエッチング液の流れが生じ、前記貫通孔48の周辺部に形成するNi−Cr膜28にサイドエッチが多く生じるが、上述したように界面活性剤を含有する溶剤に半導体基板18を浸漬させることにより、Ni−Cr膜28のサイドエッチを防止した状態に配線パターン46を形成できる。
【0042】
また、本実施形態の配線パターンの形成工程を用いれば、ウエットエッチングを用いた場合であってもサイドエッチを防止することにより微細なパターンを形成することができる。したがって、従来、微細なパターンを形成する際に用いたドライエッチング工程と比べて、真空中でプラズマを用いるための真空装置やプラズマ装置等の高価な装置が不用となり、製造コストの低減が図られたものとなる。また、ウエットエッチング工程によれば、上記のような装置を用いることが無く消費電力が抑えられて、結果として製造コストの低減、及び環境保全を考慮したものとなる。
また、ウエットエッチングを用いることで、複数枚のウエハに対して同時にエッチング処理を行うことができ、いわゆるバッチ処理が可能となってスループットが向上し、ひいては製造コストの低減が図られたものとなる。
【0043】
本発明のパターンの形成方法は、上記実施形態に限定されることはない。
例えば、半導体基板18上に形成された配線パターン46を覆ってAuメッキで覆うことで、低抵抗で膜厚の厚い配線パターンを形成するようにしてもよい。
【0044】
ところで、配線パターン46に対しメッキ処理を行う際に、半導体基板18上にNi−Cr膜28の残渣が存在しているとこの残渣にメッキが析出してしまい、結果として隣接する配線パターン46間で接触が起こり、ショートするあるいはAu異物の原因となるおそれがある。
そこで、前記配線パターン46に対しメッキ処理を行うに際の前処理として、前記半導体基板18上の前記Ni−Cr膜28の残渣を除去するまで、前記半導体基板18を撥液化処理(界面活性剤を含有する溶剤に浸漬する)する工程と、前記Ni−Cr膜28をウエットエッチングする工程とを繰り返し行っている。
【0045】
このようにすれば、前記半導体基板18上の前記Ni−Cr膜28の残渣を除去するまで、前記半導体基板18を撥液化処理する工程と、前記下層膜をウエットエッチングする工程とを繰り返しているので、前記配線パターン46をメッキ処理する場合に、上述した残渣による不具合を確実に防止できる。また、半導体基板18を撥液化処理した状態で、Ni−Cr膜28をウエットエッチングしているので、Ni−Cr膜28にサイドエッチが生じるのを防止している。
【0046】
また、上記実施形態では、前記Ni−Cr膜パターン28aと前記Au膜パターン29aとを積層することにより配線パターン46を形成している。
ここで、前記Ni−Cr膜パターン28a及びAu膜パターン29aの界面には、Ni−Cr及びAuからなる合金層が形成され、、エッチング時に配線パターン端面に残渣として残ってしまう。そして、このような合金層が生じた配線パターン46に対しメッキ処理を行う際に、上記合金層が生じているとメッキが合金層に析出してしまい、結果として隣接する配線パターン46から析出したメッキが接触して、配線パターン46間でショートが生じるあるいはAu異物の原因となるおそれがある。
そこで、前記半導体基板18を撥液化処理する工程の前に、前記レジストパターン38を介してAu膜パターン29aをエッチングすることにより、前記Au膜パターン29a及び前記Ni−Cr膜パターン28aの合金層を除去する工程を行っている。
【0047】
このようにすれば、前記レジストパターン38を介してAu膜パターン29aをエッチングすることにより、前記Au膜パターン29a及び前記Ni−Cr膜パターン28aによって形成された合金層を除去しているので、前記配線パターン46に対してメッキ処理を行う場合に、上述した合金層に起因する不具合を確実に防止できる。
なお、前記Au膜のエッチング液中に前記界面活性剤を含有させることも好ましい。これにより、前記撥液化処理とAuエッチングを兼ねることができるため、工程を削減することができる。
【0048】
(液滴吐出ヘッド)
次に、上述したパターンの形成方法により形成された配線パターンを有する封止基板を備えた液滴吐出ヘッドについて図3を参照して説明する。
図3は、液滴吐出ヘッドHの断面構成図である。
液滴吐出ヘッドHは、インク(機能液)を液滴状にしてノズルから吐出するものである。図3に示すように、液滴吐出ヘッドHは、液滴が吐出されるノズル開口15を備えたノズル基板16と、ノズル基板16の上面(+Z側)に接続されてインク流路を形成する流路形成基板10と、流路形成基板10の上面に接続されて圧電素子(駆動素子)300の駆動によって変位する振動板400と、振動板400の上面に接続されてリザーバ100を形成するリザーバ形成基板(保護基板)20と、封止基板20上に設けられた前記圧電素子300を駆動するための駆動回路部(ドライバIC)200A〜200Bと、駆動回路部200A〜200Bと接続された複数の配線パターン(上述したパターン形成方法により形成されたパターン)34とを備えて構成されている。
【0049】
液滴吐出ヘッドHの動作は、各駆動回路部200A〜200Bに接続された図示略の外部コントローラによって制御される。流路形成基板10には、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されており、これらの開口領域は、ノズル基板16と振動板400とにより囲まれて圧力発生室12を形成する。また、上記平面視略櫛歯状の開口領域のうち、封止基板20と流路形成基板10とにより囲まれた部分がリザーバ100を形成している。
【0050】
流路形成基板10の図示下面側(−Z側)は開口しており、その開口を覆うようにノズル基板16が流路形成基板10の下面に接続されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。ノズル基板16には、液滴を吐出する複数のノズル開口15が設けられている。具体的には、ノズル基板16に設けられた複数(例えば720個程度)のノズル開口15はY軸方向(紙面と直交する方向)に配列されている。
【0051】
圧力発生室12とノズル開口15とは、各々対応して設けられている。すなわち、圧力発生室12は、複数のノズル開口15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。圧力発生室12は、X軸方向に関して互いに対向するように配置されており、それらの間には隔壁10Kが形成されている。
【0052】
複数の圧力発生室12の基板中央部側の端部は上述した隔壁10Kによって閉塞されているが、基板外縁部側の端部は互いに接続するように集合され、リザーバ100と接続されている。リザーバ100は、機能液導入口25と圧力発生室12との間で機能液を一時的に保持するものであって、封止基板20にY軸方向に延びる平面視矩形状に形成されたリザーバ部21と、流路形成基板10に形成された連通部13とから構成されている。そして、連通部13において各圧力発生室12と接続され、複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)を形成している。図3に示す機能液の経路をみると、ヘッド外端上面に開口する機能液導入口25より導入された機能液が、導入路26を経てリザーバ100に流れ込み、供給路14を経て、複数の圧力発生室12のそれぞれに供給されるようになっている。
【0053】
流路形成基板10と封止基板20との間に配置された振動板400は、流路形成基板10側から順に弾性膜50と下電極膜60とを積層した構造を備えている。流路形成基板10側に配される弾性膜50は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜からなるものであり、弾性膜50上に形成される下電極膜60は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜からなるものである。本実施形態において、下電極膜60は、流路形成基板10と封止基板20との間に配される複数の圧電素子300の共通電極としても機能するようになっている。
【0054】
振動板400を変形させるための圧電素子300は、下電極膜60側から順に圧電体膜70と、上電極膜80とを積層した構造を備えている。圧電体膜70の厚さは例えば1μm程度、上電極膜80の厚さは例えば0.1μm程度である。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねる構成とすることもできる。
【0055】
圧電素子300(圧電体膜70及び上電極膜80)は、複数のノズル開口15及び圧力発生室12のそれぞれに対応するように複数設けられている。
圧電素子300を含む振動板400上の領域を覆って、封止基板20が設けられており、封止基板20の上面(流路形成基板10と反対側面)には、封止膜31と固定板32とを積層した構造のコンプライアンス基板30が接合されている。このコンプライアンス基板30において、内側に配される封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなり、この封止膜31によってリザーバ部21の上部が封止されている。他方、外側に配される固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さ30μm程度のステンレス鋼)からなる板状部材である。
この固定板32には、リザーバ100に対応する平面領域を切り欠いてなる開口部33が形成されており、この構成によりリザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。
【0056】
通常、機能液導入口25からリザーバ100に機能液が供給されると、例えば、圧電素子300の駆動時の機能液の流れ、あるいは、周囲の熱などによってリザーバ100内に圧力変化が生じる。しかしながら、上述のように、リザーバ100の上部が封止膜31のみよって封止された可撓部22を有しているので、この可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収する。従って、リザーバ100内は常に一定の圧力に保持される。なお、その他の部分は固定板32によって十分な強度に保持されている。そして、リザーバ100の外側のコンプライアンス基板30上には、リザーバ100に機能液を供給するための機能液導入口25が形成されており、封止基板20には、機能液導入口25とリザーバ100の側壁とを連通する導入路26が設けられている。
【0057】
封止基板20は、流路形成基板10とともに液滴吐出ヘッドHの基体を成す部材であるから剛体とすることが好ましく、封止基板20を形成する材料として流路形成基板10と略同一の熱膨張率を有する材料を用いることがより好ましい。本実施形態の場合、流路形成基板10がシリコンからなるものであるから、それと同一材料のシリコン単結晶基板が好適である。シリコン単結晶基板を用いた場合、異方性エッチングにより容易に高精度の加工を施すことが可能であるため、圧電素子保持部24や溝部700を容易に形成できるという利点が得られる。その他、流路形成基板10と同様、ガラス、セラミック材料等を用いて封止基板20を作製することもできる。
【0058】
封止基板20上には2個の駆動回路部200A、200Bが配設されている。
駆動回路部200A〜200Bは、例えば回路基板あるいは駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を含んで構成されている。各駆動回路部200A〜200Bは、複数の接続端子(図示せず)を備えており、一部の接続端子が封止基板20上に形成された配線パターン34に対してワイヤーW1により接続されている。駆動回路部200A〜200Bの他の一部の接続端子は、封止基板20の溝部700内に配置された上電極膜80に対してワイヤーW2により接続されている。
【0059】
封止基板20のうち、X軸方向に関して中央部には、Y軸方向に延びる溝部700が形成されている。
溝部700によってX軸方向に関し区画される封止基板20のうち、回路駆動部200Aと接続される複数の圧電素子300を封止している部分を第1封止部20Aとし、駆動回路部200Bと接続される複数の圧電素子300を封止ししている部分を第2封止部20Bとする。これらの第1封止部20A及び第2封止部20Bには、それぞれ圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保するとともに、その空間を密封する圧電素子保持部24が設けられている。圧電素子300のうち、少なくとも圧電体膜70は、この圧電素子保持部24内に密封されている。
【0060】
第1封止部20Aの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の−X側の端部は、第1封止部20Aの外側まで延びて、溝部700の底面部に露出している。溝部700における流路形成基板10上に下電極膜60の一部が配置されている場合においては、上電極膜80と下電極膜60との短絡を防止するための絶縁膜600が、上電極膜80と下電極膜60との間に介挿されている。同様に、第2封止部20Bの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の+X側の端部が、第2封止部20Bの外側まで延びて、溝部700内に露出しており、この露出側の端部にも、上電極膜80と下電極膜60との間に絶縁膜600が介挿されている。
【0061】
本実施形態では、配線パターン34、駆動回路部200A、200B等が設けられた封止基板20及び圧電素子300が設けられた流路形成基板10がそれぞれ本発明に係るデバイスの一部を構成し、これらのデバイスを組み立て、固定することにより、液滴吐出ヘッドHが製造される。
【0062】
上述した構成を有する液滴吐出ヘッドHにより機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッドHに接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル開口15に至るまでの液滴吐出ヘッドHの内部流路を満たす。
【0063】
また外部コントローラは、封止基板20上に実装された駆動回路部200A、200B等に例えば配線パターン34を介して駆動電力や指令信号を送信する。指令信号等を受信した駆動回路部200A、200Bは、外部コントローラからの指令に基づく駆動信号を、各圧電素子300に送信する。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル開口15より液滴が吐出される。
【0064】
本実施形態によれば、封止基板20には上述した方法によって形成された電気的特性の良い配線が形成されるため、誤作動のない高信頼性の液滴吐出ヘッドHを提供することができる。
【0065】
(液滴吐出装置)
次に、上述した液滴吐出ヘッドHを備えた液滴吐出装置の一例について図4を参照しながら説明する。本例では、その一例として、前述の液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット式記録装置について説明する。
【0066】
液滴吐出ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載されている。図4に示すように、液滴吐出ヘッドを有する記録ヘッドユニット61A及び61Bには、インク供給手段を構成するカートリッジ62A及び62Bが着脱可能に設けられており、この記録ヘッドユニット61A及び61Bを搭載したキャリッジ63が、装置本体64に取り付けられたキャリッジ軸65に軸方向移動自在に取り付けられている。
【0067】
記録ヘッドユニット61A及び61Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ66の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト67を介してキャリッジ63に伝達されることで、記録ヘッドユニット61A及び61Bを搭載したキャリッジ63がキャリッジ軸65に沿って移動するようになっている。一方、装置本体64にはキャリッジ軸65に沿ってプラテン68が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン68上に搬送されるようになっている。上記構成を具備したインクジェット式記録装置は、前述の液滴吐出ヘッドHを備えているので、小型で信頼性が高く、さらに低コストなインクジェット式記録装置となっている。
【0068】
なお、図4では、本発明の液滴吐出装置の一例としてプリンタ単体としてのインクジェット式記録装置を示したが、本発明はこれに限らず、係る液滴吐出ヘッドを組み込むことによって実現されるプリンタユニットに適用することも可能である。このようなプリンタユニットは、例えば、テレビ等の表示デバイスやホワイトボード等の入力デバイスに装着され、該表示デバイス又は入力デバイスによって表示若しくは入力された画像を印刷するために使用される。
【0069】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】(a)〜(c)は、配線パターン形成工程を示す図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1に続く配線パターン形成工程を示す図である。
【図3】配線パターンを有する封止基板を備えた液滴吐出ヘッドを示す図である。
【図4】液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
18…半導体基板(基板)、28…Ni−Cr膜(下層膜)、29…Au膜(上層膜)、38…レジストパターン(レジストマスク)、46…配線パターン(パターン)、48…貫通孔




【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に機能性材料からなる薄膜を成膜する工程と、
前記薄膜上にレジストパターンを形成する工程と、
該レジストパターンを撥液化処理する工程と、
該撥液化処理が施されたレジストパターンをマスクにして、前記薄膜をウエットエッチングによりパターニングする工程と、を備えたことを特徴とするパターンの形成方法。
【請求項2】
前記機能性材料が、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Ag、Ti、Ta、Pd、ITO若しくはW又はこれらの材料のうち少なくとも2種以上から選択される材料であることを特徴とする請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項3】
前記機能性材料が、Si、GaAsであることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターンの形成方法。
【請求項4】
前記機能性材料が、SiO、Al、PZT、Siであることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターンの形成方法。
【請求項5】
前記撥液処理工程として、前記基板を界面活性剤を含有する溶剤に浸漬することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパターンの形成方法。
【請求項6】
前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項5に記載のパターンの形成方法。
【請求項7】
前記レジストパターンを形成する現像液に前記界面活性剤が含有されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のパターンの形成方法。
【請求項8】
前記薄膜が下層膜と上層膜とを積層して形成され、前記下層膜が前記上層膜に比べてイオン化傾向が大きい場合、前記レジストパターンをマスクにして前記上層膜をパターニングすることで上層膜パターンを形成した後、前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理し、該撥液化処理が施された前記レジストパターン及び前記上層膜パターンをマスクとして、前記下層膜をウエットエッチングによりパターニングすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のパターンの形成方法。
【請求項9】
前記上層膜パターンを形成するエッチング液に前記界面活性剤が含有されていることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
ウエットエッチングによってパターニングされた前記薄膜に対しメッキ処理を行う際の前処理として、
前記基板上に前記上層膜あるいは下層膜の残渣が存在する場合、
前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理する工程と、前記上層膜をエッチングする工程と、前記下層膜をエッチングする工程とを、前記残渣を除去するまで繰り返すことを特徴とする請求項8又は9に記載のパターンの形成方法。
【請求項11】
ウエットエッチングによってパターニングされた前記薄膜に対しメッキ処理を行う際の前処理として、
前記基板上に前記下層膜の残渣が存在する場合、
前記レジストパターン、または前記レジストパターンとともに前記上層膜パターンを撥液化処理する工程と、前記下層膜をウエットエッチングによりパターニングする工程とを、前記残渣を除去するまで繰り返すことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のパターンの形成方法。
【請求項12】
前記基板として、貫通孔が設けられた基板を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のパターンの形成方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のパターンの形成方法により形成された配線パターンを有した封止基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−180304(P2007−180304A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−377770(P2005−377770)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】