説明

パターン形成方法およびパターン形成装置

【課題】 例えば太陽電池用のフィンガー配線パターンなどのパターンを、その開始端も含めて均一に形成することができるパターン形成方法およびパターン形成装置を提供する。
【解決手段】 ペーストに加えるせん断応力の増加に応じたペーストの粘度変化(粘度特性)を測定する(ステップS10)。測定した粘度特性に応じて、ノズルからのペーストの吐出を開始する際における基板の移動速度条件を調整する(ステップS20)。調整された速度条件で基板を移動させるとともにノズルからペーストを線状に吐出して基板上に線状のフィンガー配線パターンを塗布形成する(ステップS30)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、太陽電池素子用の基板上に配線パターンなどのパターンを形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図13(a)に示すように太陽電池素子用の基板9の表面には出力を取り出すためのバス配線93と、このバス配線93に対して直交する方向に交差するとともに互いに平行に設けられた複数のフィンガー配線91が形成されている(例えば、特許文献1参照)。基板9は例えばシリコン基板であり、その表面にはn型拡散層が形成され、このn型拡散層の表面にバス配線93とフィンガー配線91が形成されている。また、バス配線93とフィンガー配線91を除くn型拡散層の表面には反射防止膜が形成されている。なお、基板9の裏面には図13(b)に示すように裏面用のバス配線97が形成されている。また、バス配線97を除く基板9の裏面のほぼ全面に集電用電極95が形成されている。
【0003】
上述のバス配線93、フィンガー配線91などの各配線を形成する方法として、スクリーン印刷法を用い、基板上に導電性のペーストを印刷して配線を形成する方法が知られている。スクリーン印刷法により形成されるフィンガー配線は、例えば、その線幅が120μmで、その高さが20μmであり、その断面は扁平な凸形状である。
【0004】
近年、太陽電池素子による光電変換効率を向上させるために、上記フィンガー配線91の線幅を小さくして、基板9の表面における受光面積を大きくすることが検討されている。しかしながら、フィンガー配線91の線幅を小さくすると、フィンガー配線91の断面積が小さくなる。この結果、フィンガー配線91の電気抵抗が大きくなり、フィンガー配線91による集電能力が低下する、という問題が発生する。
【0005】
集電能力の低下を防止するためにフィンガー配線91を厚膜化することにより、電気抵抗の増加を抑制する方法が考えられる。換言すれば、フィンガー配線91の線幅は小さくするが、その高さを大きくして高アスペクト比の配線を形成することによりフィンガー配線91の断面積を大きくし、電気抵抗の増加を抑制する方法が考えられる。しかしながら、スクリーン印刷法により配線を厚膜化することは難しく、高アスペクト比のフィンガー配線91を容易に形成することができない、という問題が発生する。
【0006】
そこで、スクリーン印刷法に替えて、例えば特許文献2に記載されるような塗布方法を用いて配線パターンを塗布形成する方法が考えられる。このパターン形成方法によれば基板上に導電性のペーストを複数の吐出口から線状に供給するとともに、基板上に供給されたペーストに光を照射してペーストを硬化させることによって、厚膜(高アスペクト比)の線状パターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005‐353851号公報(例えば、図1、図2)
【特許文献2】特開2002‐184303号公報(例えば、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のパターン形成方法を用いて基板9上に線状パターンであるフィンガー配線91を形成すると次のような問題が発生する。すなわち、図14(a)に示すように、フィンガー配線91のパターン寸法はその延設方向に亘って均一である必要があり、フィンガー配線91の先端部においてもパターン寸法を均一に形成する必要がある。ところが、上述のパターン形成方法によると、図14(b),(c)に示すようにフィンガー配線91の先端部において、パターン寸法が均一にならないという、問題が発生する。
【0009】
図14(b)は、フィンガー配線91の先端部に線幅寸法が小さい細線部91nが形成されている状態を示す。図14(c)は、フィンガー配線91の先端部に細線部91nと、細線部91nから離間した島部91iとが形成され、細線部91nと91iとの間に断線箇所91bが発生している状態を示す。図14(b),(c)に示すように、フィンガー配線91の先端部におけるパターン寸法が不均一であると、フィンガー配線91による集電能力が低下する、という問題が発生する。
【0010】
本発明の目的は、上述のような点に鑑み、例えば太陽電池用のフィンガー配線パターンなどのパターンを、その開始端も含めて均一に形成することができるパターン形成方法およびパターン形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明(パターン形成方法)は、パターンを形成するための材料のせん断応力に応じた粘度特性を測定する粘度特性測定工程と、粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、ノズルに対して相対移動する基板に向けてノズルから前記材料の吐出を開始する際の基板の速度条件を調整する速度調整工程と、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、速度調整工程によって調整された速度条件で、基板をノズルに対して相対移動させるとともに、ノズルから基板に向けて前記材料を吐出して、基板上に前記材料による線状パターンを形成する塗布工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されるパターン形成方法において、速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、ノズルに対する基板の相対加速度を調整する工程であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載されるパターン形成方法において、前記速度条件が、ノズルの吐出口から前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、前記一定速度の値を調整する工程であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載されるパターン形成方法において、前記速度条件が、ノズルの吐出口から前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、前記一定速度である期間の長さを調整する工程であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明(パターン形成方法)は、パターンを形成するための材料を、ノズルに対して相対移動する基板に向けてノズルから吐出することにより基板上に形成された線状パターンの開始端の形状を観察する観察工程と、観察工程により観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、ノズルに対して相対移動する基板にノズルから前記材料の吐出を開始する際の基板の速度条件を調整する速度調整工程と、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、速度調整工程によって調整された速度条件で、基板をノズルに対して相対移動させるとともに、ノズルから基板に向けて前記材料を吐出して、基板上に前記材料による線状パターンを形成する塗布工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載されるパターン形成方法において、速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、ノズルに対する基板の相対加速度を調整する工程であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項5に記載されるパターン形成方法において、前記速度条件が、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、前記速度条件として前記一定速度の値を調整する工程であることを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項5に記載されるパターン形成方法において、前記速度条件が、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで加速する途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、前記一定速度である期間の長さを調整する工程であることを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載されるパターン形成方法において、基板が太陽電池素子用の基板であり、前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、線状パターンがフィンガー配線用のパターンであることを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明(パターン形成装置)は、パターンを形成するための材料を線状に吐出するノズルと、ノズルに対して基板を相対移動させる移動手段と、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、移動手段によりノズルに対して基板を速度条件に基づいて相対移動させるとともに、当該基板に向けてノズルから前記材料を線状に吐出させる制御手段とを備え、前記速度条件が前記材料のせん断応力に応じた粘度特性に基づいて予め調整された速度条件であることを特徴とする。
【0021】
請求項11に係る発明(パターン形成装置)は、パターンを形成するための材料を線状に吐出するノズルと、ノズルに対して基板を相対移動させる移動手段と、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、移動手段によりノズルに対して基板を速度条件に基づいて相対移動させるとともに、当該基板に向けてノズルから前記材料を線状に吐出させる制御手段とを備え、前記速度条件が前記材料により基板上に塗布形成された線状パターンの開始端の形状を観察することにより予め調整された速度条件であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1から請求項11のいずれかに係る発明によれば、例えば太陽電池用のフィンガー配線パターンなどのパターンを、その開始端も含めて均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態であるパターン形成装置1を示す側面図である。
【図2】ノズルの側断面図(a)および底面図(b),(c)である。
【図3】実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の動作の流れを示すフロー図である。
【図5】塗布工程の流れを示すフロー図である。
【図6】フィンガー配線パターンの塗布状態を示す図である。
【図7】バス配線パターンの塗布状態を示す図である。
【図8】ペーストのせん断応力に応じた粘度特性を示す図である。
【図9】塗布開始時における基板の速度条件を示す図である。
【図10】塗布開始時における基板の速度条件を示す図である。
【図11】第2実施形態の動作の流れを示すフロー図である。
【図12】フィンガー配線パターンの開始端の状態を示す図である。
【図13】太陽電池素子用の基板の表面(a)および裏面(b)を示す図である。
【図14】フィンガー配線の開始端の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態であるパターン形成装置1を模式的に示す側面図である。パターン形成装置1は例えば図13に示す太陽電池用の基板9上にバス配線91用のバス配線パターン71およびフィンガー配線93用のフィンガー配線パターン73をペースト7により塗布形成するものである。
【0025】
基板9は、例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどからなるp型半導体であるシリコン基板である。また、上記バス配線93およびフィンガー配線91が形成される基板9の表面側にはn型拡散層が形成され、このn型拡散層上には反射防止膜が形成されている。
【0026】
パターン形成装置1は、図1に示すように基板載置部20、駆動部30、第1形成部40および第2形成部50を備える。基板載置部20は上からステージ21、昇降部22、ターンテーブル23およびナット部25が積層された構造を有する。ステージ21はその上面にて基板9を水平に保持する。ターンテーブル23はステージ21を水平面内において90度、回動させる。ナット部25はターンテーブル23の下面に固定されている。
【0027】
さらに、ターンテーブル23とステージ21との間には、昇降部22が設けられている。昇降部22は、ターンテーブル23に対してステージ21を昇降させ、ステージ21に載置された基板9の高さ(Z方向位置)を位置決めする。昇降部22としては、例えばソレノイドや圧電素子などのアクチュエータによるもの、ギヤによるもの、楔の噛み合わせによるものなどを用いることができる。
【0028】
駆動部30は、基台31の(+X)側端の上面に固定されたモータ35を備える。モータ35はサーボモータでありエンコーダを内蔵している。モータ35の回転軸にはボール螺子33が固定されている。ボール螺子33の(−X)側端部は基台31の(−X)側端部の上面に、X軸周りに回転自在に固定されている。ボール螺子33は上記ナット部25に螺合されている。Y方向に並列配置された一対のガイドレール37は基台31の上面にX方向に沿って延設されている。ガイドレール37は上記ナット部25を滑動自在に支持するとともに基板載置部20の移動方向を規定する。なお、基板載置部20および駆動部30が本発明の移動手段に相当する。
【0029】
第1形成部40はフィンガー配線用の配線パターン(フィンガー配線パターン71)を基板9の主面に形成するための形成部である。なお、フィンガー配線パターン71が本発明の線状パターンに相当する。第1形成部40はパターンを形成するための材料である例えば導電性を有する高粘度のペースト7を吐出する複数の第1ノズル47を備える。複数の第1ノズル47はY方向に延びる第1ヘッド41の下部にY方向に沿って列状に設けられている。第1ヘッド41は基板載置部20をY方向に沿って跨ぐように基台31に設けられたフレーム81の梁部の下面に取り付けられている。
【0030】
第1ヘッド41には配管42の一方端が流路接続されている。配管42の他方端は図示しないエア(空気)の供給源に流路接続されている。配管42の途中には配管42の流路を開閉するためのバルブ45と、第1ヘッド41に供給するエアの圧力を調整するレギュレータ46が介装されている。また、第1ヘッド41内にペースト7を供給する図示しないペースト供給機構が設けられている。
【0031】
パターンを形成するための高粘度材料であるペースト7は導電性および光硬化性を有し、例えば、導電性粒子、有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)および光重合開始剤を含む。導電性粒子は例えば銀粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。
【0032】
図2(a)に示すように第1ヘッド41の内部にはマニホールド(内部空間)87が形成されている。また、第1ヘッド41の内部にはマニホールド87をその上方空間と下方空間(液溜り部)とに仕切るとともに、Z方向に摺動自在なピストン83が設けられる。ピストン83より上方にあるマニホールド87の上方空間には配管42が流路接続されている。また、ピストン83より下方にあるマニホールド87の下方空間にはペースト7が充填されている。マニホールド87の下方空間は、第1ノズル47の流路に向かうに連れて、その断面積(単位長さ当たりの容積)が小さくなる先細り形状となっている。
【0033】
図2(a),(b)に示すように第1ヘッド41の下部に複数(例えば16個)の第1ノズル47が鉛直下向き(−Z方向向き)、かつ、Y方向に列状に設けられる。第1ノズル47の下端部には円形の吐出口85が設けられ、この吐出口85とマニホールド87の下方空間とが、第1ノズル47内に形成された流路によって連通している。なお、第1ノズル47の流路内の容積(体積)はマニホールド87の下方空間内の容積(体積)よりも小さい。吐出口85のY方向の幅寸法(直径寸法)は、形成すべきフィンガー配線パターン71の幅寸法とほぼ等しく、例えば50μmであり、複数の吐出口85の間隔は複数本のフィンガー配線パターン71の間隔とほぼ等しい。
【0034】
図1に戻り、第1形成部40は複数(例えば16個)の第1光照射部61を備える。複数の第1光照射部61は複数の第1ノズル47の(+X)側の位置に所定間隔を空けて、それぞれ第1ノズル47に並設されるようにフレーム81に固定されている。つまり、第1ヘッド41の第1ノズル47と第1光照射部61はフレーム81に一体的に固定されている。第1照射部47には光ファイバー62の一方端が光学的に接続されている。光ファイバー62の他方端は第1光源部63に光学的に接続されている。第1光源部63は紫外線を放射する光源と、光源と光ファイバー63との間に配置されたシャッター機構を有する。
【0035】
第2形成部50は第1形成部40より(+X)側に配置されている。第2形成部50はバス配線用のパターン(バス配線パターン73)を基板9の主面に形成するための形成部である。第2形成部50はパターンを形成するための材料であるペースト7を吐出する複数の第2ノズル57を備える。複数の第2ノズル57はY方向に延びる第2ヘッド51の下部にY方向に沿って列状に設けられている。第2ヘッド51は基板載置部20をY方向に沿って跨ぐように基台31に設けられたフレーム82の梁部の下面に取り付けられている。
【0036】
第2ヘッド51には配管52の一方端が流路接続されている。配管52の他方端は図示しないエア(空気)の供給源に流路接続されている。配管52の途中には配管52の流路を開閉するためのバルブ55と、第2ヘッド51に供給するエアの圧力を調整するレギュレータ56が介装されている。また、第2ヘッド51内にペースト7を供給する図示しないペースト供給機構が設けられている。
【0037】
図2(a)に示すように、第2ヘッド51は、第1ヘッド41と同様に、その内部にはマニホールド88が形成され、また、ピストン84が設けられる。ピストン84より上方にあるマニホールド87の上方空間には配管52が流路接続されている。また、ピストン84より下方にあるマニホールド88の下方空間にはペースト7が充填されている。
【0038】
図2(a),(c)に示すように第2ヘッド51の下部に複数(例えば2個)の第2ノズル57が鉛直下向き(−Z方向向き)、かつ、Y方向に列状に設けられる。第2ノズル57の下端部には矩形の吐出口86が設けられ、この吐出口86とマニホールド88の下方空間とが、第2ノズル57内に形成された流路によって連通している。吐出口86のY方向の幅寸法は、形成すべきバス配線パターン73の幅寸法とほぼ等しく、例えば2mmであり、複数の吐出口86の間隔は複数本のバス配線パターン73の間隔とほぼ等しい。
【0039】
図1に戻り、第2形成部50は複数(例えば2個)の第2光照射部64をさらに備える。第2光照射部64は第2ノズル57の(+X)側の位置に所定間隔を空けて、それぞれ第2ノズル57に並設されるようにフレーム82に固定されている。つまり、第2ヘッド51の第2ノズル57と第2光照射部64はフレーム82に一体的に固定されている。第2光照射部64には光ファイバー65の一方端が光学的に接続されている。光ファイバー65の他方端は第2光源部66に光学的に接続されている。第2光源部66は紫外線を放射する光源と、光源と光ファイバー65との間に配置されたシャッター機構を有する。
【0040】
図3はパターン形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。制御部60はCPU、RAMおよびROMなどから構成されるコンピュータである。ROMにはパターン形成装置1の動作を制御するためのプログラムやステージ21の移動速度(すなわち基板9の移動速度)を制御するための速度条件である速度パラメータなどが記憶されている。なお、速度条件は後述する速度調整工程(図4のステップS20または図11のステップS21)によって予め調整された速度条件である。
【0041】
制御部60はターンテーブル23に電気的に接続され、ターンテーブル23の回動動作を制御する。制御部60は昇降部22に電気的に接続され、昇降部22の昇降動作を制御する。制御部60はバルブ45,55に電気的に接続され、各バルブの開閉動作を制御する。制御部60は第1光源部63および第2光源部66にそれぞれ電気的に接続され、各光源部内の光源の点灯・消灯やシャッター機構の開閉動作を制御する。
【0042】
また、制御部60はモータ35に電気的に接続され、モータ35の駆動・停止、回転数および回転方向などを制御するとともに、モータ35からのフィードバック情報を取得する。なお、モータ35の回転数は上記速度パラメータに応じて制御部60により制御される。また、制御部60はモータ35からのフィードバック情報に基づいて基板載置部20のX方向における原点位置からの移動距離を算出して検出する。換言すれば、制御部60はステージ21に載置された基板9のX方向における位置を算出して検出する。なお、制御部60は本発明の制御手段に相当する。
【0043】
<第1実施形態>
次にパターン形成動作の第1実施形態について、図4に示すフロー図を参照して説明する。図4に示すように粘度特性測定工程(ステップS10)、速度調整工程(ステップS20)および塗布工程(ステップS30)が順次実行される。順序は前後するが、まず、塗布工程(ステップS30)について説明する。ステップS30において、パターン形成装置1により基板9の主面上にフィンガー配線パターン71およびバス配線パターン73を塗布形成する(塗布工程)。この塗布工程(ステップS30)の詳細は次の通りである。
【0044】
すなわち、図5に示すステップS31において、図1の(−X)側端部(原点位置)に配置されたステージ21上の所定位置に図示しない搬送ロボットまたは操作者により基板9が載置される。基板9がステージ21に載置されると、制御部60はモータ35の駆動を開始してボール螺子33を回転駆動させる。ボール螺子33が回転駆動されるとナット部25が(+X)方向に駆動されて、ステージ21を含む基板載置部20が(+X)方向への移動を開始する。制御部60は、基板9の先端部(+X方向端部)が第1形成部40の第1ノズル47の下方に到達したことを、モータ35からのフィードバック情報に基づいて検出すると、モータ35の駆動を停止し、ステージ21の移動を停止する。この停止位置において、第1ノズル47と基板9の先端部におけるフィンガー配線パターン71の塗布開始位置とが対向している(基板搬入工程)。
【0045】
次にステップS32においてフィンガー配線パターン71の形成工程が実行される。具体的には、制御部60がモータ35を駆動してステージ21の(+X)方向への移動を開始するとともに、バルブ45を開ける。このときステージ21が後述するステップS20で予め調整された速度条件(速度パラメータ)に基づき速度を増加させて、一定速度に移行するように制御部60はモータ35の回転数を制御する。
【0046】
制御部60によってバルブ45が開けられると、加圧されたエアが配管42を介して第1ヘッド41内のマニホールド87の上方空間に供給される。上方空間に供給されたエアの圧力によってピストン83が押し下げられ、この結果、マニホールド87の下方空間に充填されたペースト7が複数の吐出口85からそれぞれ吐出される。
【0047】
吐出口85から吐出されたペースト7は、移動を開始した基板9の塗布開始位置に供給される。その後、吐出口85からのペースト7の供給が継続されるとともに、基板9の移動速度は所定速度まで増加した後、所定速度を維持する。制御部60がモータ35からのフィードバック情報に基づいて、第1ノズル47の下方に基板9の(−X)側端部にある塗布終了位置が到達したことを検出すると、制御部60はバルブ45を閉じて吐出口85からのペースト7の吐出を停止する。
【0048】
上述の動作によって、図6(a)に示すように第1ノズル47の16個の吐出口85から吐出されたペースト7はX方向に移動する基板9の主面にそれぞれ線状に供給される。また、基板9の主面上に供給されたペースト7に対して光照射部61から光(紫外線)が照射されてペースト7が硬化する。この結果、図6(b)に示すようにX方向に沿うとともに互いに平行な16本のフィンガー配線パターン71が形成される(フィンガー配線形成工程)。
【0049】
上述のように第1ノズル47の吐出口85から吐出された直後のペースト7の形状がほぼ維持された状態でペースト7が硬化するため、フィンガー配線パターン71の断面寸法を例えば幅が50μm、高さが50μmとすることができる。従来のスクリーン印刷法を用いた場合のフィンガー配線の断面寸法は例えば幅が120μm、高さが20μmであり、本実施形態のパターン形成方法を用いる方が、厚膜の配線パターンを形成することができる。すなわち、本実施形態のパターン形成方法によれば、断面寸法の幅に対する高さの比を大きくすることができ、高アスペクト化を図ることができる。
【0050】
また、フィンガー配線パターン71の開始端部(+X側端部)においても、開始端部以外の断面寸法とほぼ同じ断面寸法に形成することができて、この結果、フィンガー配線パターン71の長手方向(X方向)に亘ってほぼ均一な断面寸法で、フィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0051】
次にステップS33において、制御部60がターンテーブル23を回動させて、基板9を保持したステージ21を90度、回動させる。ステージ21が90度、回動すると基板9上に形成されたフィンガー配線パターン71の長手方向がY方向と平行になる(ステージ90度回動工程)。このようにステージ21を90度、回動することによってステージ21に載置された基板9の移動方向は、上述のステップS32によるフィンガー配線パターン71の形成工程における移動方向(第1方向)とは直交関係で交差する第2方向に相対的に変更されることとなる。
【0052】
ステップS33を実行した後、制御部60はモータ35を駆動してステージ21を(+X)方向に移動させ、基板9の(+X)側端部が第2形成部50の第2ノズル57の下方に到達したら、モータ35の駆動を停止してステージ21の移動を停止する。
【0053】
次にステップS34においてバス配線パターン73の形成工程が実行される。バス配線パターン73の形成工程は上述のステップ32によるフィンガー配線パターン71の形成工程とほぼ同様に実行される。すなわち、制御部60がモータ35を駆動してステージ21の(+X)方向への移動を開始するとともに、バルブ55を開けて第2ノズル57からのペースト7の吐出を開始する。その後、制御部60がモータ35からのフィードバック情報に基づいて、第2ノズル57の下方に基板9の(−X)側端部にある塗布終了位置が到達したことを検出すると、制御部60はバルブ55を閉じて吐出口86からのペースト7の吐出を停止する。この結果、図7(a),(b)に示すように第2ノズル57の2個の吐出口86から吐出されたペースト7は、X方向に移動する基板9の主面およびフィンガー配線パターン71上にそれぞれ線状に供給された後、硬化して、X方向に沿うとともに互いに平行な2本のバス配線パターン73が形成される(バス配線形成工程)。なお、バス配線パターン73はフィンガー配線パターン71と直交関係で交差し、また、バス配線パターン73の断面寸法は例えば、幅が2mm、高さが50μmである。
【0054】
次にステップS35においてステージ21が図1に示す(+X)側の端部に到達したことを制御部60が検出すると、制御部60はモータ35の駆動を停止して、ステージ21の移動を停止し、停止したステージ21上から図示しない搬送ロボットまたは操作者が基板9を受け取り搬出する(基板搬出工程)。
【0055】
上述のように基板9の表面にある反射防止膜上に形成されたフィンガー配線パターン71およびバス配線パターン73は、後工程である焼成工程においてファイアースルー法により反射防止膜の下に形成されているn型拡散層に電気的に接続されることとなる。
【0056】
図4に戻り、上記塗布工程(ステップS30)に先立つ準備工程である粘度特性測定工程(ステップS10)および速度調整工程(ステップS20)について説明する。まず、ステップS10において、高粘度材料であるペースト7に加えるせん断力に応じた粘度特性を測定する。
【0057】
ここで、第1ヘッド41のピストン83が押し下げられペースト7に圧力が加わると、ペースト7はマニホールド87内から第1ノズル47の吐出口85に向かって流動する。このとき、ペースト7の吐出開始の直後においては粘度の高いペースト7をピストン83により押し下げるため、ピストン83の押し下げ速度が遅くなる。この結果、吐出開始直後において、吐出口85から吐出されるペースト7の単位時間あたりの吐出量が小さくなる。
【0058】
マニホールド87内から第1ノズル47の吐出口85に向かって流動するペースト7には、マニホールド87の内壁や第1ノズル47の流路の内壁との摩擦によるせん断力が加わり、ペースト7内にせん断応力が発生する。ペースト7はチキソトロピー性を有するので、その内部にせん断応力が発生すると粘度が低下する。ペースト7の粘度低下に伴い、ピストン83の押し下げ速度が速くなり、この結果、吐出口85から吐出されるペースト7の単位時間あたりの吐出量が増加する。
【0059】
上述のようにエアの圧力によりピストン83を弾性的に押し下げているので、ピストン83の押し下げ速度は、ペースト7の粘度に依存し、ペースト7の粘度が高い吐出開始直後においては遅くなり、ピストン83の押し下げに伴いペースト7の粘度が低下すると速くなる。この結果、吐出口85からのペースト7の吐出量は、吐出開始直後は少なく、その後、次第に増加する。
【0060】
そこで、上記塗布工程(ステップS30)に先立って、レオメーター(回転式粘度計)によりペースト7に加えるせん断力を増加させながらペースト7の粘度変化(粘度特性)を測定する。この結果、例えば、図8に実線で示すペースト7の粘度特性NC2が求められる(粘度特性測定工程)。なお、図8に破線で示す粘度特性NC1は、予め求められたペースト7とは別のペーストの粘度特性を示し、以下においては基準ペーストの粘度特性NC1と称す。また、図8に二点差線で示す粘度特性NC3は、ペースト7とはさらに別のペーストの粘度特性を示し、以下においては第2ペーストの粘度特性NC3と称す。
【0061】
図8に示すようにペースト7の粘度特性NC2は、ペースト7がチキソトロピー性を有するので、ペースト7に加えるせん断力、すなわちペースト7内に発生するせん断応力が増加するに連れて、例えば、10000Pa・s(パスカル秒)から100Pa・sまで粘度が低下する傾向を示す。また、ペースト7の粘度特性NC2における粘度低下の割合は、基準ペーストの粘度特性NC1における粘度低下の割合よりも大きい。なお、第2ペーストの粘度特性NC3におけるせん断力の増加に伴う粘度低下の割合は、基準ペーストの粘度特性NC1における粘度低下の割合よりも小さい。このように各ペーストの粘度特性は異なるが、各ペーストにせん断力SO以上を加えたときに、例えば10Pa・sから1000Pa・sの範囲内にあるほぼ一定の粘度NS(例えば100Pa・s)となるようなペーストが選定される。
【0062】
次に、ステップS20において、上述の塗布工程(ステップS30)にて第1形成部40にある基板9の移動を開始するときの速度を予め調整する。換言すれば制御部60のROMに保存すべき速度パラメータを調整する(速度調整工程)。ここで図9は、上述の塗布工程(ステップS30)にて第1形成部40にある基板9の移動を開始する際の経過時間tに対する基板9の速度Vの変化を示すグラフ(速度パラメータ)である。図9において破線で示す速度パラメータは予め実験的に求めておいた速度パラメータVp1を示し、実験的に実行された上記塗布工程のフィンガー配線形成工程(ステップS32)において、上記基準ペーストを第1ノズル47から吐出して、図12(a)に示すようにフィンガー配線パターン71の開始端を均一に形成できたときの速度パラメータである。
【0063】
ここで、図8に実線で示すペースト7の粘度特性NC2によると、ペースト7の粘度は、ペースト7にかかるせん断力、すなわちペースト7内に発生するせん断応力が増加するに連れて、粘度が低下する傾向を示すが、ペースト7の粘度が粘度NSに低下するまで、基準ペーストの粘度(粘度特性NC1参照)よりも大きい。
【0064】
上述のように、基準ペーストの粘度特性NC1に対してペースト7の粘度特性NC2は相違するので、同じエア圧でピストン83により基準ペーストを押し下げたときの押し下げ速度よりも、ペースト7を押し下げたときの押し下げ速度が遅くなる。この結果、吐出口85から吐出される単位時間あたりのペースト7の吐出量は、基準ペーストの吐出量に比べて少なくなる。この結果、基準ペーストの速度パラメータVp1(図9(a))で基板9を移動させながら、ペースト7を基板9に供給すると、ペースト7の供給量が十分でないために、フィンガー配線パターン71の開始端が均一にならず、例えば図12の(b),(c)に示すようにフィンガー配線パターン71の開始端に細線部71n、島部71iおよび断線箇所71bが発生する。
【0065】
なお、図12(a)はフィンガー配線パターン71がその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一に形成されている状態を示す平面図および側面図である。図12(b)はフィンガー配線パターン71の開始端にその線幅および高さ寸法が小さい細線部71nが形成されている状態を示す平面図および側面図である。図12(c)はフィンガー配線パターン71の開始端(塗布開始位置)にペースト7により島部71iが形成された後、ペースト7の供給が途絶えた断線箇所71bを経て、細線部71nが形成されている状態を示す平面図および側面図である。
【0066】
そこで、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときの加速度を図9(a)に破線で示す加速度a1から実線で示す加速度a2に小さくした速度パラメータVp2に変更する。この速度パラメータVp2は加速度a2により速度を増加させた後、一定速度Vcに移行する速度パラメータである。このような速度パラメータVp2に変更することにより、第1ノズル47からのペースト7の吐出量が基準ペーストのときよりも減少していても、それに応じて基板9の加速度も小さくなっているため、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。ここで、「均一」とはフィンガー配線による集電能力が低下しない程度にフィンガー配線パターン71の線幅および高さ寸法が均一である状態を示し、例えば数μm程度の寸法誤差があっても良い。
【0067】
また、図9(b)に実線で示すように、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際に、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときに基板9を加速して一定速度Vcに移行するまでに、一定速度Vcより小さい一定速度Vsで所定期間、基板9を移動させる速度パラメータVp2を採用しても良い。このような速度パラメータVp2に変更することにより、第1ノズル47からのペースト7の吐出量が基準ペーストのときよりも減少していても、それに応じて基板9の移動開始時において、低速Vsで基板9を移動させる期間を設けているため、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0068】
次にペースト7とは異なる第2ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する場合を説明する。図8に二点鎖線で示す第2ペーストの粘度特性NC3によると、第2ペーストの粘度は、第2ペーストにかかるせん断力、すなわち第2ペースト内に発生するせん断応力が増加するに連れて、粘度が低下する傾向を示すが、第2ペーストの粘度が粘度NSに低下するまで、基準ペーストの粘度(粘度特性NC1参照)よりも小さい。
【0069】
上述のように、基準ペーストの粘度特性NC1に対して第2ペーストの粘度特性NC3は相違するので、同じエア圧でピストン83により基準ペーストを押し下げたときの押し下げ速度よりも、第2ペーストを押し下げたときの押し下げ速度が速くなる。この結果、吐出口85から吐出される第2ペーストの吐出量は、基準ペーストの吐出量に比べて多くなり、基準ペーストの速度パラメータVp1(図9(a))で基板9を移動させながら、第2ペーストを基板9に供給すると、第2ペーストの供給量が多くなり、フィンガー配線パターン71の開始端が太くなり均一にならない。
【0070】
そこで、第2ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときの加速度を図9(a)に破線で示す加速度a1から二点差線で示す加速度a3に大きくした速度パラメータVp3に変更する。この速度パラメータVp3は加速度a3により速度を増加させた後、一定速度Vcに移行する速度パラメータである。このような速度パラメータVp3に変更することにより、第1ノズル47からの第2ペーストの吐出量が基準ペーストのときよりも増加していても、それに応じて基板9の加速度が小さくなっているため、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0071】
<第1実施形態の変形例>
基準ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときの基板9の速度パラメータVp1が図10(a)の破線に示すように一定速度Vcまで基板9の速度を増加させる途中において、速度Vcより低速の一定速度Vs1で所定期間だけ基板9を移動させる速度パラメータであるときは、ペーストの粘度特性に応じて次のように速度パラメータを変更しても良い。
【0072】
すなわち、図10(a)に実線で示すように、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際に、一定速度Vcまで基板9の速度を増加させる途中において、速度Vcより低速であり、かつ、速度Vs1より低速である一定速度Vs2で所定期間だけ基板9を移動させる速度パラメータVp2に変更する。このような速度パラメータVp2に変更することにより、第1ノズル47からのペースト7の吐出量が基準ペーストのときよりも減少していても、それに応じて基板9の移動開始時において、速度Vs1より低速である速度Vs2で基板9を移動させる期間を設けているため、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0073】
また、第2ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、速度パラメータVp3に変更する。このような速度パラメータVp3に変更することにより、第1ノズル47からのペースト7の吐出量が基準ペーストのときよりも増加していても、それに応じて基板9の移動開始時において、速度Vs1より高速である速度Vs3で基板9を移動させる期間を設けているため、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量の第2ペーストを供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0074】
なお、基準ペーストの速度パラメータVp1における低速期間の長さをペーストの粘度測定に応じて変更しても良い。具体的には、基準ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときの基板9の速度パラメータVp1が図10(b)の破線に示すように基板9の速度を一定速度Vcまで増加させる途中において、期間t1だけ低速の一定速度Vsで基板9を移動させる速度パラメータであるときは、ペーストの粘度特性に応じて低速期間の長さを変更しても良い。例えば、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときは低速Vsの期間をt1からt2に長くするように変更した実線で示す速度パラメータVp2を採用しても良い。このように低速期間を長くすることにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0075】
また、第2ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときは低速Vsの期間をt1からt3に短くするように変更した二点鎖線で示す速度パラメータVp3を採用しても良い。このように低速期間を短くすることにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0076】
<第2実施形態>
次にパターン形成動作の第2実施形態について、図11に示すフロー図を参照して説明する。図11に示すように第2実施形態ではペースト撹拌工程(ステップS5)、開始端観察工程(ステップS11)、速度調整工程(ステップS20)および塗布工程(ステップS30)が順次実行される。なお、塗布工程(ステップS30)の詳細は、上述の第1実施形態における塗布工程(ステップS30)と同様である。
【0077】
上記塗布工程(ステップS30)に先立つ準備工程として、ステップS5においてペースト7を撹拌することにより、ペースト7を脱気処理して、ペースト7に混入している気体の量を低減させる(ペースト撹拌工程)。
【0078】
次にステップS11において、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成した後、その開始端の形状を観察する(開始端観察工程)。具体的には、第1ヘッド41のマニホールド87内にペースト7を充填し、パターン形成装置1により上述のフィンガー配線形成工程(図5のステップS32)を実験的に実行して、基板9上にフィンガー配線パターン71を塗布形成する。このステップS32における基板9の速度パラメータは、例えば図9(a)の破線で示す基準ペースト用の速度パラメータVp1とする。
【0079】
ステップS11の開始端観察工程において、例えば、カメラ等の撮像手段によりフィンガー配線パターン71の開始端を撮像して得られた画像を観察する。例えば、図12の(b),(c)に示すような形状を有するフィンガー配線パターン71を観察することができる。なお、フィンガー配線パターン71の開始端を直接、目視によって観察しても良い。
【0080】
上記開始端の観察工程において、例えば、図12(b)に示すようにフィンガー配線パターン71の開始端に細線部71nが形成されている形状が観察され、若しくは、図12(c)に示すように細線部71n、島部71iおよび断線箇所71bが形成された形状が観察される。この観察結果は、吐出開始時において、吐出口85から吐出されたペースト7の吐出量が十分ではなく不足していたことを示す。このようにペースト7の吐出量が不足する原因は、ペースト7に混入している気体の量が基準ペーストに混入している気体の量よりも多いためである。ペーストに混入している気体の量は、上述のペースト撹拌工程(ステップS5)によって低減されているが、その気体量(気体混入度合い)はペーストの種類によって相違する。ここで、ピストン83が押し下げられることにより、マニホールド87内に充填されたペーストには圧力がかかり圧縮され、所定圧力以上になると吐出口85からペーストが吐出される。ペーストに混入している気体はペーストより圧縮性が高いので、ペーストに混入している気体の量が多いほど所定圧力以上になるまでの時間が長くなる。この結果、ペーストに混入している気体の量が多いほど、吐出開始時における単位時間あたりの吐出量が少なくなる。
【0081】
次に、図11に示すステップS21において、上述の塗布工程(ステップS30)にて第1形成部40にある基板9の移動を開始するときの速度を予め調整する。換言すれば制御部60のROMに保存すべき速度条件(速度パラメータ)を調整する(速度調整工程)。
【0082】
具体的には、開始端観察工程(ステップS11)にて例えば図12(b),(c)に示すような開始端の形状が観察された際には、塗布開始端において第1ノズル47から十分な量のペースト7が吐出されていないと判断する。そして、例えば、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときの加速度を図9(a)に破線で示す加速度a1から実線で示す加速度a2に小さくした速度パラメータVp2に変更する。この速度パラメータVp2は加速度a2により速度を増加させた後、一定速度Vcに移行する速度パラメータである。このように加速度を小さくした速度パラメータVp2に変更することにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0083】
また、図9(b)に実線で示すように、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際に、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときに基板9の速度を増加させて一定速度Vcに移行するまでに、一定速度Vcより小さい速度Vsで所定期間、基板9を移動させる速度パラメータVp2を採用しても良い。このように低速Vsで基板9を移動させる期間を設けた速度パラメータVp2に変更することにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0084】
次にペースト7とは異なる第3ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する場合を説明する。この第3ペーストの撹拌工程(図11のステップS5)後における気体の混入量(混入量)は、基準ペーストの混入量よりも少ない。上述のように、吐出開始時においてペーストが吐出に必要な所定圧力以上になるまでの時間は、ペーストに混入された気体量に依存し、気体量が多いほど時間が長くなる。したがって、吐出開始時における吐出口85から吐出される第3ペーストの吐出量は、基準ペーストの吐出量に比べて多くなる。この結果、開始端観察工程(ステップS11)にて塗布開始端が太い形状であるフィンガー配線パターン71が観察される。
【0085】
そこで、第3ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、第1形成部40の塗布開始位置から基板9の移動を開始するときの加速度を図9(a)に破線で示す加速度a1から二点差線で示す加速度a3に大きくした速度パラメータVp3に変更する。この速度パラメータVp3は加速度a3により速度を増加させた後、一定速度Vcに移行する速度パラメータである。このように加速度を大きくした速度パラメータVp3に変更することにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量の第3ペーストを供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0086】
<第2実施形態の変形例>
基準ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときの基板9の速度パラメータVp1が図10(a)の破線に示すように一定速度Vcまで基板9の速度を増加させる途中において、速度Vcより低速の速度Vs1で所定期間だけ基板9を移動させる速度パラメータであるときは、開始端観察工程(ステップS11)による観察結果に応じて次のように速度パラメータを変更しても良い。
【0087】
具体的には、上述の開始端観察工程(図11のステップS11)において、図10(a)の破線で示す基準ペーストの速度パラメータVp1により、ペースト7によるフィンガー配線パターン71の塗布形成を実験的に行い、図12(b),(c)に示す開始端の状態が観察された場合は次のように速度パラメータを変更すれば良い。すなわち、図12(b),(c)に示す開始端の状態が観察された場合は、上述のように基板9に十分な量のペースト7が供給されていないと判断する。そして、図10(a)に実線で示すように、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際に、一定速度Vcまで基板9の速度を増加させる途中において、速度Vcより低速であり、かつ、速度Vs1より低速である速度Vs2で所定期間だけ基板9を移動させる速度パラメータVp2に変更する。このように速度Vs1より低速である速度Vs2で基板9を移動させる期間を設けた速度パラメータVp2に変更することにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0088】
また、上記第3ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成する際には、速度Vs1より高速である速度Vs3で基板9を移動させる期間を設けた速度パラメータVp3に変更する。このような速度パラメータVp3に変更することにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量の第3ペーストを供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0089】
なお、基準ペーストの速度パラメータVp1における低速期間の長さを開始端観察工程(ステップS11)による観察結果に応じて変更しても良い。具体的には、基準ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときの基板9の速度パラメータVp1が図10(b)の破線に示すように基板9の速度を一定速度Vcに増加させる途中において、期間t1だけ低速の一定速度Vsで基板9を移動させる速度パラメータであるときは、開始端観察工程(ステップS11)による観察結果に応じて低速期間の長さを変更しても良い。例えば、ペースト7によりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときは低速Vsの期間をt1からt2に長くするように変更した実線で示す速度パラメータVp2を採用しても良い。このように低速期間を長くすることにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に十分な量のペースト7を供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0090】
また、第3ペーストによりフィンガー配線パターン71を塗布形成するときは低速Vsの期間をt1からt3に短くするように変更した二点鎖線で示す速度パラメータVp3を採用しても良い。このように低速期間を短くすることにより、フィンガー配線パターン71の塗布開始端に適切な量の第3ペーストを供給することができる。この結果、図12(a)に示すようにその開始端(先端)も含めて線幅および高さ寸法が均一なフィンガー配線パターン71を形成することができる。
【0091】
なお、上述の実施形態を以下のように変形実施しても良い。
上述の実施形態や変形例の速度調整工程(ステップS20またはステップS21)において、粘度特性や観察結果に基づいて速度パラメータVp1を変更して調整する際に、1回の変更では、図12(a)に示すような均一なフィンガー配線パターン71を塗布形成することができる速度パラメータが求められない場合は、複数回の速度パラメータの変更を行って、適切な速度パラメータを求めても良い。また、複数の粘度特性や塗布開始端の形状(観察結果)に応じた適切な速度パラメータとの関係を予め求めておき、粘度特性測定工程(図4のステップS10)で測定されたペーストの粘度特性や開始端観察工程(図11のステップS11)による観察結果に対応する速度パラメータを選択するように速度調整工程(ステップS20)を実行しても良い。
【0092】
上述の実施形態や変形例において、光硬化性を有しないペーストを用いても良い。このようなペーストは、光硬化などの硬化処理によらず溶剤の揮発のみによって固化するペーストで、例えば、導電性粒子、有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)を含む。導電性粒子は例えば銀粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。この場合、ペーストを光硬化するための光照射部や光源部は不要となる。なお、光硬化性を有しないペーストを加熱するなどして硬化させる構成でも良い。
【0093】
ピストン38をエア圧によって弾性的に押し下げる構成に替えて、ピストン38にロッドを連結し、このロッドをモータ及びボール螺子等を有する押下げ機構によってピストン38を押し下げても良い。
【0094】
上記実施形態においては第1形成部40および第2形成部50に対して基板9が移動する構成であるが、固定配置された基板9に対して第1形成部40および第2形成部50をX方向に移動させても良い。または、固定配置された基板9に対して第1形成部40を所定方向(例えばX方向)に移動させるとともに第2形成部50を所定方向と直交する方向(例えばY方向)に移動させる構成でも良い。
【0095】
本発明によって形成するパターンは上記フィンガー配線パターンやバス配線パターンに限定されず、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)を製造する際に基板上に形成される隔壁パターンでも良い。また、基板上に形成される接着剤パターンでも良い。また、電池を製造する際に集電体上に形成される活物質材料を含むパターンでも良い。
【符号の説明】
【0096】
1 パターン形成装置
7 ペースト
9 基板
20 基板載置部
30 駆動部
40 第1形成部
41 第1ヘッド
47 第1ノズル
50 第2形成部
51 第2ヘッド
57 第2ノズル
60 制御部
61 第1光照射部
64 第2光照射部
71 バス配線パターン
73 フィンガー配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンを形成するための材料のせん断応力に応じた粘度特性を測定する粘度特性測定工程と、
粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、ノズルに対して相対移動する基板に向けてノズルから前記材料の吐出を開始する際の基板の速度条件を調整する速度調整工程と、
ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、速度調整工程によって調整された速度条件で、基板をノズルに対して相対移動させるとともに、ノズルから基板に向けて前記材料を吐出して、基板上に前記材料による線状パターンを形成する塗布工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載されるパターン形成方法において、
速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、ノズルに対する基板の相対加速度を調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載されるパターン形成方法において、
前記速度条件が、ノズルの吐出口から前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、
速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、前記一定速度の値を調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1に記載されるパターン形成方法において、
前記速度条件が、ノズルの吐出口から前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、
速度調整工程が粘度特性測定工程によって測定された粘度特性に基づいて、前記一定速度である期間の長さを調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
パターンを形成するための材料を、ノズルに対して相対移動する基板に向けてノズルから吐出することにより基板上に形成された線状パターンの開始端の形状を観察する観察工程と、
観察工程により観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、ノズルに対して相対移動する基板にノズルから前記材料の吐出を開始する際の基板の速度条件を調整する速度調整工程と、
ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、速度調整工程によって調整された速度条件で、基板をノズルに対して相対移動させるとともに、ノズルから基板に向けて前記材料を吐出して、基板上に前記材料による線状パターンを形成する塗布工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載されるパターン形成方法において、
速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、ノズルに対する基板の相対加速度を調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
請求項5に記載されるパターン形成方法において、
前記速度条件が、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、
速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、前記一定速度の値を調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項8】
請求項5に記載されるパターン形成方法において、
前記速度条件が、ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、基板の相対移動速度を所定速度まで増加させる途中において、所定速度より低速の一定速度である期間を有する速度条件であり、
速度調整工程が観察工程によって観察された線状パターンの開始端の形状に基づいて、前記一定速度である期間の長さを調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載されるパターン形成方法において、
基板が太陽電池素子用の基板であり、
前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、
線状パターンがフィンガー配線用のパターンであることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項10】
パターンを形成するための材料を線状に吐出するノズルと、
ノズルに対して基板を相対移動させる移動手段と、
ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、移動手段によりノズルに対して基板を速度条件に基づいて相対移動させるとともに、当該基板に向けてノズルから前記材料を線状に吐出させる制御手段とを備え、
前記速度条件が前記材料のせん断応力に応じた粘度特性に基づいて予め調整された速度条件であることを特徴とするパターン形成装置。
【請求項11】
パターンを形成するための材料を線状に吐出するノズルと、
ノズルに対して基板を相対移動させる移動手段と、
ノズルから前記材料の吐出を開始する際に、移動手段によりノズルに対して基板を速度条件に基づいて相対移動させるとともに、当該基板に向けてノズルから前記材料を線状に吐出させる制御手段とを備え、
前記速度条件が前記材料により基板上に塗布形成された線状パターンの開始端の形状を観察することにより予め調整された速度条件であることを特徴とするパターン形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−5988(P2012−5988A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145964(P2010−145964)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】