説明

パターン形成方法及び液晶表示装置の製造方法

【課題】フォトリソグラフィによるパターン形成方法において、検査工程を短縮すると共に、その検査の高精度化を図る。
【解決手段】パターン形成方法は、フォトリソグラフィにより、表示領域に主パターンを形成すると共に、非表示領域に検査用パターン30を形成するパターン形成工程と、検査用パターン30を直接に検査することにより、主パターンの形成状態を間接的に検査する検査工程とを含んでいる。検査用パターン30は、主パターンにおける検査対象部を含む所定領域と同じ構成を有する検査領域35を備えている。検査工程では、検査用パターン30の検査領域35を計測することにより、主パターンにおける線幅とアライメントずれとを検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィにより所定のパターンを形成するパターン形成方法、及び液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、携帯電話等のモバイル機器や、いわゆる液晶テレビ等の表示装置としての需要が高まっており、その表示品位や信頼性の向上が望まれている。液晶表示装置は、一般に、複数の薄膜トランジスタ(以下、TFTと略称する)が形成されたTFT基板と、TFT基板に対向した配置された対向基板と、これらTFT基板及び対向基板の間に介装された液晶層とを備えている。
【0003】
上記TFT基板は、表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素を有し、各画素毎に上記TFTが設けられている。また、TFT基板には、各TFTに接続される走査配線、信号配線及び容量線等が形成されている。これらTFTや配線は、一般に、フォトリソグラフィによりパターン形成される。
【0004】
フォトリソグラフィでは、まず、例えばメタル層やシリコン層等の上に、レジスト層を一様に塗布する。続いて、マスクを介してレジスト層を露光し、現像することによってレジスト層をパターン形成する。その後、レジスト層から露出している上記メタル層やシリコン層をエッチングして、レジスト層を除去することにより、上記メタル層やシリコン層をパターン形成する。このような一連の手順を各レイヤー毎に繰り返すことによって、TFTや配線等をパターン形成する。
【0005】
上記TFTや配線等を高精度に形成するためには、(a)各レイヤー毎にフォトリソグラフィが高精度に行われているか、また、(b)各レイヤー同士の重ね合わせにおけるアライメントずれが十分に小さいか、について検査して確認することが望ましい。そして、検査の結果に基づいて、フォトリソグラフィのパラメータを補正することが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
ところが、表示領域に形成される実際のパターンは、複雑であり多数の種類のパターンが混在しているため、その実際のパターンを直接に精度良く計測することは難しい。そこで、表示領域におけるTFT等のパターンとは別に、その表示領域の外側の非表示領域において検査用のパターンを形成することも知られている。(a)各レイヤー毎にフォトリソグラフィが高精度に行われているかについて検査する場合には、例えば図11に示すように、検査用パターン101を非表示領域に形成する。検査用パターン101は表示領域におけるTFT等の主パターンと同時にパターン形成され、例えば、所定間隔で平行に並ぶ3つの帯状部102により構成されている。各帯状部102は同じ線幅aに設計されている。
【0007】
そして、検査工程において、各帯状部102の線幅aや間隔bを測定して設計値と比較する。その結果、線幅aや間隔bが、設計値を含む所定の数値範囲内の数値であれば、高精度にフォトリソグラフィが行われていると判断する。一方、線幅aや間隔bが、上記所定の数値範囲外の数値であれば、フォトリソグラフィの精度が低いと判断する。
【0008】
また、(b)各レイヤー同士の重ね合わせにおけるアライメントずれが十分に小さいかについて検査する場合には、例えば図12に示すような検査用パターン103を非表示領域に形成する。検査用パターン103は、長方形状の第1パターン104と、第1パターン104の上に重ねられた十字状の第2パターン105とにより構成されている。第1パターン104は、表示領域における第1主パターン(図示省略)と同時に形成される。一方、第2パターン105は、レジストにより構成され、第1主パターンの上に重ねられる第2主パターン(図示省略)を形成するためのレジストパターン(図示省略)と同時に形成される。
【0009】
そうして、検査工程において、第1パターン104におけるx方向の幅α1の中点座標と、第2パターン105におけるx方向の幅β1の中点座標との差により、x方向のアライメントずれを検出する。一方、第1パターン104におけるy方向の幅α2の中点座標と、第2パターン105におけるy方向の幅β2の中点座標との差により、y方向のアライメントずれを検出する。
【0010】
その結果、x方向及びy方向におけるアライメントずれが所定の数値範囲内の値である場合には、正確にアライメントされていると判断する。一方、上記アライメントずれが所定の数値範囲外の値である場合には、アライメントずれが大きいと判断され、表示領域のレジストパターン及び検査用パターン103は、新たに形成し直される。
【0011】
このようにして、パターンの線幅及びアライメントずれの2種類の検査が行われる。
【特許文献1】特開2003−142374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記従来の検査方法では、2種類の検査を別個独立に行っていたため、検査工程を短縮することが難しいという問題がある。
【0013】
また、隣り合うパターン(主パターン及び検査用パターン)を露光する光は互いに影響を受けるため、あるパターンが密集して形成されている場合と、単独で孤立して形成されている場合とでは、同じ条件でフォトリソグラフィを行っても、でき上がるパターンの線幅が異なってしまう。さらに、パターンの方向や他の膜との重なり状態が異なっている場合にも、でき上がるパターンの線幅が異なってしまう。
【0014】
すなわち、従来の検査方法では、検査パターンを、主パターンにおける検査対象の部分の状態とは無関係に形成していたため、精密な検査を行うことが困難であるという問題がある。
【0015】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フォトリソグラフィによるパターン形成方法において、検査工程を短縮すると共に、その検査の高精度化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、この発明では、主パターンの検査対象部を含む所定領域と同じ構成を有する検査領域を、検査用パターンに形成するようにした。
【0017】
具体的に、本発明に係るパターン形成方法は、フォトリソグラフィにより、基板の中央領域に主パターンを形成すると共に、上記中央領域の外側の外側領域に検査用パターンを形成するパターン形成工程と、上記検査用パターンを直接に検査することにより、上記主パターンの形成状態を間接的に検査する検査工程とを含むパターン形成方法であって、上記パターン形成工程で形成される検査用パターンは、上記主パターンにおける検査対象部を含む所定領域と同じ構成を有する検査領域を備え、上記検査工程では、上記検査用パターンの検査領域を計測することにより、主パターンにおける線幅とアライメントずれとを検査する。
【0018】
上記パターン形成工程は、第1工程と、第2工程とを含み、上記第1工程では、上記基板の中央領域に第1主パターンを形成する一方、上記外側領域に第1検査用パターンを形成し、上記第2工程では、上記中央領域にレジストからなる第2主パターンを形成することにより、上記第1主パターン及び上記第2主パターンによって上記主パターンを形成する一方、上記外側領域にレジストからなる第2検査用パターンを形成することにより、上記第1検査用パターン及び上記第2検査用パターンによって上記検査用パターンを形成することが好ましい。
【0019】
上記検査用パターンの検査領域における第1検査用パターンと第2検査用パターンとの重なり状態は、上記主パターンの所定領域における第1主パターンと第2主パターンとの重なり状態と同じであることが好ましい。
【0020】
上記検査用パターンの検査領域における少なくとも一部のパターン密度は、上記主パターンにおける検査対象部のパターン密度と同じであってもよい。
【0021】
上記検査用パターンの検査領域における少なくとも一部のパターンの方向は、上記主パターンにおける検査対象部のパターンの方向と同じであってもよい。
【0022】
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、複数のスイッチング素子が設けられたスイッチング素子基板と、該スイッチング素子基板に対向して配置された対向基板と、上記スイッチング素子基板及び上記対向基板との間に設けられた液晶層とを備える液晶表示装置を製造する方法であって、上記請求項1のパターン形成方法によって、上記スイッチング素子基板をパターン形成する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、主パターンの検査対象部を含む所定領域と同じ構成を有する検査領域を、検査用パターンに形成するようにしたので、検査用パターンにおける主パターンの検査対象部の再現性を高めて、検査の高精度化を図ることができる。さらに、1つの検査用パターンにより、検査用パターンにおける線幅とアライメントずれとを同時に検査できるために検査工程を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0025】
《発明の実施形態1》
図1〜4は、本発明に係るパターン形成方法の実施形態1を示している。また、図9は液晶表示装置1を概略的に示す断面図であり、図10は後述のスイッチング素子基板2を模式的に示す平面図である。
【0026】
液晶表示装置1は、図9に示すように、スイッチング素子基板2と、このスイッチング素子基板2に対向して設けられた対向基板3と、これらの基板2,3の間に設けられた液晶層4とを備えている。
【0027】
上記スイッチング素子基板2には、ガラス基板12にスイッチング素子である薄膜トランジスタ(以下、TFTと略称する)が複数形成されている。また、スイッチング素子基板2は、液晶層4側の表面に配向膜5が設けられると共に、液晶層4とは反対側の表面に偏光板6が積層されている。また、図示を省略するが、スイッチング素子基板2には、各TFTを駆動制御するためのICドライバや、TFTに接続される走査配線、信号配線及び容量線等が設けられている。TFTや上記各配線等を構成する薄膜は、フォトリソグラフィ法によりパターン形成される。
【0028】
上記対向基板3には、図示を省略するが、ガラス基板13にカラーフィルタやITOからなる共通電極等が形成されている。また、対向基板3は、液晶層4側の表面に配向膜7が設けられると共に、液晶層4とは反対側の表面に偏光板8が積層されている。また、上記液晶層4は、スイッチング素子基板2と対向基板3との間に介在されたスペーサ9によって封止されている。こうして、液晶表示装置1は、TFTにより液晶層4における液晶分子の配向状態を制御して、所望の表示を行うようになっている。
【0029】
また、上記スイッチング素子基板2には、図10に示すように、ガラス基板12の中央領域であって表示に寄与する表示領域14と、その外側の外側領域であって表示に寄与しない非表示領域15とを有している。表示領域には、上記TFTや各配線等の一部を形成するための主パターン20が形成される。一方、非表示領域15には、上記主パターン20の形成状態を検査するための検査用パターン30が形成されている。検査用パターン30は、例えば、非表示領域の四隅にそれぞれ形成することが可能である。
【0030】
図1は、検査用パターン30を拡大して示す平面図である。また、図2は、主パターン20の一部を拡大して示す平面図である。
【0031】
主パターン20は、図2に示すように、例えば、ガラス基板12の上に図示省略の絶縁膜等を介してパターン形成されたソースバスラインである第1主パターン21と、この第1主パターン21に接続される引き出し配線を形成するためのレジストパターンである第2主パターン22とにより構成されている。
【0032】
第1主パターン21は、複数設けられると共に互いに密集して形成されている。第2主パターン22は、複数設けられると共に、上記各第1主パターン21の一部にそれぞれ重なっている。例えば、この第1主パターン21と第2主パターン22とが重なっている部分が、検査対象部23となっている。
【0033】
一方、検査用パターン30は、図1に示すように、例えば、ガラス基板12の上に図示省略の絶縁膜等を介してパターン形成された矩形枠形状の第1検査用パターン31と、複数の折れ線又は直線により構成された第2検査用パターン32とにより構成されている。
【0034】
第1検査用パターン31には、正方形の枠パターンの中央に正方形板状の基準部33が含まれる。基準部33は、検査用パターン30の計測の際に基準点を規定するためのものである。尚、この基準部33は省略してもよい。
【0035】
第2検査用パターン32は、第1検査用パターン31の各辺の中央位置からその辺に直交するように外側に延びる直線部32aと、隣り合う直線部32aとそれぞれ平行に延びる2つの直線部からなる折曲線部32bとにより構成されている。そして、正方形の第1検査用パターン31の各辺の外側には、1つの直線部32aと4つの折曲線部32bの4つの直線部との合計5本の直線部が、それぞれ平行に形成されている。
【0036】
そして、検査用パターン30の検査領域35は、主パターン20の検査対象部23を含む所定領域25と同じ構成を有している。すなわち、検査用パターン30の検査領域35の計測部分36における第1検査用パターン31と第2検査用パターン32との重なり状態は、主パターン20の所定領域25における第1主パターン21と第2主パターン22との重なり状態と同じである。
【0037】
また、検査領域35における少なくとも一部のパターン密度は、主パターン20における検査対象部23のパターン密度と同じである。ここでは、検査対象部23を有する第2主パターン22の線幅及び密度が、検査領域35の直線部32a及び折曲線部32bの線幅及び密度と略同じになっている。
【0038】
さらに、検査領域35における少なくとも一部のパターンの方向は、主パターン20における検査対象部23のパターンの方向と同じである。つまり、第2主パターン22の検査対象部23における長さ方向が、折曲線部32bにおける計測部分36の長さ方向と同じになっている。
【0039】
−パターン形成方法−
次に、本実施形態のパターン形成方法について、図1〜図4を参照して説明する。
【0040】
本実施形態のパターン形成方法は、フォトリソグラフィにより、ガラス基板12の表示領域14に主パターン20を形成すると共に、非表示領域15に検査用パターン30を形成するパターン形成工程と、検査用パターン30を直接に検査することにより、主パターン20の形成状態を間接的に検査する検査工程とを含んでいる。
【0041】
上記パターン形成工程は、第1工程と、第2工程とを含んでいる。第1工程では、図4に示すように、ガラス基板12の表示領域14に第1主パターン21を形成する一方、図3に示すように、非表示領域15に第1検査用パターン31を形成する。
【0042】
その後、第2工程では、図2に示すように、表示領域14にレジストからなる第2主パターン22を形成することにより、第1主パターン21及び第2主パターン22によって主パターン20を形成する。一方、図1に示すように、非表示領域15にレジストからなる第2検査用パターン32を形成することにより、第1検査用パターン31及び第2検査用パターン32によって検査用パターン30を形成する。
【0043】
次に、検査工程では、検査用パターン30の検査領域35を計測することにより、主パターン20における線幅とアライメントずれとを検査する。検査工程は、上記検査用パターン30を用いて同時に行われる。すなわち、実際の検査対象部23に対応する検査用パターン30の計測部分36において線幅tを計測する。これより、検査対象部23の線幅sを間接的に計測し、所定の数値範囲内であるかを判断する。
【0044】
一方、第1検査用パターン31のx方向の幅A1の中点座標と、折曲線部32bのx方向の幅B1の中点座標との差により、x方向のアライメントずれを計測する。また、第1検査用パターン31のy方向の幅A2の中点座標と、折曲線部32bのy方向の幅B2の中点座標との差により、y方向のアライメントずれを計測する。その結果、x方向及びy方向におけるアライメントずれが所定の数値範囲内の値である場合には、正確にアライメントされていると判断する。
【0045】
こうして、線幅及びアライメントずれの検査の結果、第1主パターン21に対して第2主パターン22が精度良く形成されていることが分かれば、次の工程に進んで、そのレジスト(つまり第2主パターン22)に基づいて、フォトリソグラフィによるパターン形成を行う。一方、第2主パターン22の精度が低いことが分かれば、再び、第2主パターン22を形成し直す。
【0046】
また、液晶表示装置を製造する場合には、上述の各工程を含む工程によりスイッチング素子基板2を形成する。さらに、別途形成した対向基板3と上記スイッチング素子基板2とを貼り付けると共に、液晶層4を封入する。そのことにより、液晶表示装置を製造する。
【0047】
したがって、この実施形態1によると、主パターン20の検査対象部23を含む所定領域25と同じ構成を有する検査領域35を、検査用パターン30に形成するようにしたので、検査用パターン30における主パターン20の検査対象部23の再現性を高めて、検査の高精度化を図ることができる。さらに、1つの検査用パターン30により、検査用パターン30における線幅とアライメントずれとを同時に検査できるために検査工程を短縮することができる。
【0048】
《発明の実施形態2》
図5及び図6は、本発明の実施形態2を示している。尚、以降の各実施形態では、図1〜図4、図9及び図10と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0049】
本実施形態の主パターン20は、図6に示すように、TFTを形成するためのパターンである。ガラス基板12には、ゲート電極41と、ゲート電極に重なるシリコン層42と、シリコン層42に接続されたドレイン電極43とにより構成された第1主パターン21がフォトリソグラフィによりパターン形成されている。さらに、ガラス基板12には、ソース配線を形成するためのレジストパターンである第2主パターン22が形成されている。本実施形態では、第2主パターン22が、孤立して形成されている点で、上記実施形態1と異なっている。
【0050】
一方、検査用パターン30は、図5に示すように、上記実施形態1と同様に矩形形状を有する第1検査用パターン31と、4つの折曲線部32により構成されたレジストパターンである第2検査用パターン32とにより構成されている。
【0051】
そして、本実施形態の検査工程も、上記実施形態1と同様に行う。すなわち、線幅の検査では、主パターン20の検査対象部23(線幅s)に対応する検査用パターン30の計測部分36の線幅tを計測する。一方、アライメントずれの検査では、第1検査用パターン31のx方向の幅A1の中点座標と、折曲線部32のx方向の幅B1の中点座標との差により、x方向のアライメントずれを計測する。また、第1検査用パターン31のy方向の幅A2の中点座標と、折曲線部32のy方向の幅B2の中点座標との差により、y方向のアライメントずれを計測する。
【0052】
したがって、本実施形態のように、検査対象部が孤立してパターン形成されている場合であっても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0053】
《発明の実施形態3》
図7及び図8は、本発明の実施形態3を示している。
【0054】
本実施形態の主パターン20は、図8に示すように、スイッチング素子基板2に搭載されるICチップ(図示省略)の実装端子21により構成された第1主パターン21と、第1主パターン21の上方(紙面手前側)にコンタクトホールを形成するためのレジストパターンである第2主パターン22とにより構成されている。
【0055】
すなわち、ガラス基板12には、絶縁膜等を介して第1主パターン21である実装端子21がフォトリソグラフィによりパターン形成されている。この実装端子21は絶縁膜50により覆われている。そして、絶縁膜50の表面には、上記実装端子21の上方位置に円形のレジストパターンである第2主パターン22が形成されている。
【0056】
一方、検査用パターン30は、図7に示すように、リング状の第1検査用パターン31と、その略中央位置に形成された円形状のレジストパターンである第2検査用パターン32とにより構成されている。
【0057】
本実施形態の検査工程も、上記実施形態1と同様に行う。すなわち、線幅の検査では、主パターン20の検査対象部23(線幅s)に対応する検査用パターン30の計測部分36の線幅tを計測する。一方、アライメントずれの検査では、第1検査用パターン31のx方向の幅A1の中点座標と、円形の第2検査用パターン32のx方向の幅B1の中点座標との差により、x方向のアライメントずれを計測する。また、第1検査用パターン31のy方向の幅A2の中点座標と、第2検査用パターン32のy方向の幅B2の中点座標との差により、y方向のアライメントずれを計測する。
【0058】
したがって、本実施形態のように、検査対象部が円形のパターンであっても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0059】
尚、本発明に係るパターン形成方法に用いるパターン形状は、上述した各実施形態のものに限定されない。検査用パターン30が、主パターン20の検査対象部23を含む所定領域25と同じ構成を有する検査領域35を有していればよく、検査用パターン30におけるその他の形状は適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明は、パターン形成方法及び液晶表示装置の製造方法について有用であり、特に、フォトリソグラフィによるパターン形成方法において、検査工程を短縮すると共に、その検査の高精度化を図る場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施形態1の検査パターンを示す平面図である。
【図2】実施形態1の主パターンを示す平面図である。
【図3】実施形態1の第1主パターンを示す平面図である。
【図4】実施形態1の第1検査用パターンを示す平面図である。
【図5】実施形態2の検査パターンを示す平面図である。
【図6】実施形態2の主パターンを示す平面図である。
【図7】実施形態3の検査パターンを示す平面図である。
【図8】実施形態3の主パターンを示す平面図である。
【図9】液晶表示装置を概略的に示す断面図である。
【図10】スイッチング素子基板を概略的に示す平面図である。
【図11】従来の検査工程においてパターンの線幅を計測するための検査パターンである。
【図12】従来の検査工程においてアライメントずれを計測するための検査パターンである。
【符号の説明】
【0062】
1 液晶表示装置
2 スイッチング素子基板
3 対向基板
4 液晶層
12 ガラス基板(基板)
14 表示領域(中央領域)
15 非表示領域(外側領域)
20 主パターン
21 第1主パターン、実装端子
22 第2主パターン
23 検査対象部
25 所定領域
30 検査用パターン
31 第1検査用パターン
32 第2検査用パターン、折曲線部
35 検査領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィにより、基板の中央領域に主パターンを形成すると共に、上記中央領域の外側の外側領域に検査用パターンを形成するパターン形成工程と、
上記検査用パターンを直接に検査することにより、上記主パターンの形成状態を間接的に検査する検査工程とを含むパターン形成方法であって、
上記パターン形成工程で形成される検査用パターンは、上記主パターンにおける検査対象部を含む所定領域と同じ構成を有する検査領域を備え、
上記検査工程では、上記検査用パターンの検査領域を計測することにより、主パターンにおける線幅とアライメントずれとを検査する
ことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1において、
上記パターン形成工程は、第1工程と、第2工程とを含み、
上記第1工程では、上記基板の中央領域に第1主パターンを形成する一方、上記外側領域に第1検査用パターンを形成し、
上記第2工程では、上記中央領域にレジストからなる第2主パターンを形成することにより、上記第1主パターン及び上記第2主パターンによって上記主パターンを形成する一方、上記外側領域にレジストからなる第2検査用パターンを形成することにより、上記第1検査用パターン及び上記第2検査用パターンによって上記検査用パターンを形成する
ことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
請求項2において、
上記検査用パターンの検査領域における第1検査用パターンと第2検査用パターンとの重なり状態は、上記主パターンの所定領域における第1主パターンと第2主パターンとの重なり状態と同じである
ことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1において、
上記検査用パターンの検査領域における少なくとも一部のパターン密度は、上記主パターンにおける検査対象部のパターン密度と同じである
ことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
請求項1において、
上記検査用パターンの検査領域における少なくとも一部のパターンの方向は、上記主パターンにおける検査対象部のパターンの方向と同じである
ことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
複数のスイッチング素子が設けられたスイッチング素子基板と、該スイッチング素子基板に対向して配置された対向基板と、上記スイッチング素子基板及び上記対向基板との間に設けられた液晶層とを備える液晶表示装置を製造する方法であって、
上記請求項1のパターン形成方法によって、上記スイッチング素子基板をパターン形成する
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−276747(P2006−276747A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99273(P2005−99273)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】