説明

パターン検査装置及びパターン検査方法

【目的】パルス光を用いた場合のTDIセンサの出力変動を補正可能な検査装置を提供することを目的とする。
【構成】パターン検査装置100は、パルス光源103と、フォトマスク101を載置するXYθテーブル102と、パルス光がフォトマスク101に照射されて得られるフォトマスク101の光学画像を撮像するTDIセンサ105と、照射された後のパルス光の光量を検知する光量センサ172と、検知された光量を入力し、パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定する光量モニタ回路142と、パルス毎の光量とTDIセンサ105から出力された積分された画素値を入力し、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサ105から出力された積分された画素値を補正するセンサ回路106と、補正後の積分された画素値を用いて、パターンの欠陥の有無を検査する比較回路108と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン検査装置及びパターン検査方法に関する。例えば、パルス光と時間遅延積分型(TDI)センサを用いてパターンを検査する検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。よって、かかる微細な回路パターンをウェハに転写するためのマスクの製造には、微細な回路パターンを描画することができる電子ビームを用いたパターン描画装置を用いる。かかるパターン描画装置を用いてウェハに直接パターン回路を描画することもある。或いは、電子ビーム以外にもレーザビームを用いて描画するレーザビーム描画装置の開発が試みられている。
【0003】
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになろうとしている。歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
【0004】
一方、マルチメディア化の進展に伴い、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)は、500mm×600mm、またはこれ以上への液晶基板サイズの大型化と、液晶基板上に形成されるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のパターンの微細化が進んでいる。従って、極めて小さいパターン欠陥を広範囲に検査することが要求されるようになってきている。このため、このような大面積LCDのパターン及び大面積LCDを製作する時に用いられるフォトマスクの欠陥を短時間で、効率的に検査するパターン検査装置の開発も急務となってきている。
【0005】
検査手法としては、拡大光学系を用いてリソグラフィマスク等の試料上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した光学画像と、設計データ、あるいは試料上の同一パターンを撮像した光学画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die(ダイ−ダイ)検査」や、パターン設計されたCADデータをマスクにパターンを描画する時に描画装置が入力するための装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計パターンデータ)を検査装置に入力して、これをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ−データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
【0006】
ここで、パターン形成されたマスクの検査を行なう際に、検査装置で微細な欠陥を検出するためには短波長(紫外域)の光を照明光として使用する必要がある。従来、照明光としては、光量をフィードバックすることで一定光量となるように制御された連続発振レーザ光を採用していた。そして、マスクのパターン像を撮像するセンサとして、xy方向の2次元エリアセンサをx方向にステージと同期させながらシフトさせて得られる画素値を時間遅延積分する時間遅延積分型(TDI)センサを用いていた。このようにTDIセンサを用いることでかかる連続光を所定回数分累積露光してセンサ素子の感度不足を補う仕組みを採用していた。一方、光量をフィードバックしていない連続発振レーザでは、光量変動が生じ得るため、光源側に光量センサを配置して、照射された連続光の光量でTDIセンサの出力変動を補正するといった技術が文献に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ここで、短波長(紫外域)の光は、上述した連続発振レーザ光だけではない。短波長の光として、例えば、ArFエキシマレーザ光が挙げられる。エキシマレーザ光源は、従来の連続発振レーザ光源に比べて小型で効率のよい光源である。よって、検査装置の光源としての搭載が望まれる。しかし、エキシマレーザ光はパルスレーザ光であり、ミリ秒(mSec)程度の時間にナノ秒(nSec)程度の発光しか得られない。照明光として、このパルス光を用いた場合、1パルス毎の光量がばらつく影響で、TDIセンサを1画素分シフトする時間中に仮に複数パルスが照射されるとしても累積センサ光量は大きく変動し得るといった問題があった。連続光では光量が変動したとしてもTDIセンサを1画素分シフトする時間中に常に照射されるので累積センサ光量はかなり平均化されたものになるが、パルス光では、1画素分シフトする時間中の照射時間が連続光に比べて大幅に少ないので照明光の光量変動の影響を大きく受けることになるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−101438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、検査装置の照明光として、パルス光を用いた場合、1パルス毎の光量がばらつく影響で、TDIセンサへの累積光量が連続光を用いた場合よりも大きく変動し得るといった問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、パルス光を用いた場合のTDIセンサの出力変動を補正可能な検査装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、パルス光を用いた場合のTDIセンサの出力変動を補正可能な検査装置および方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の一態様のパターン検査装置は、
パルス光を発生するパルス光源と、
パターンが形成された被検査試料を載置するステージと、
パルス光が被検査試料に照射されて得られる被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を光学画像の画素毎に積分する時間遅延積分型(TDI)センサと、
被検査試料に照射された後のパルス光の光量を検知する光量センサと、
光量センサにより検知された光量を入力し、パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定する光量測定回路と、
パルス毎の光量とTDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサから出力された積分された画素値を補正する補正部と、
補正後の積分された画素値を用いて、前記パターンの欠陥の有無を検査する検査部と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の態様のパターン検査装置は、
パルス光を発生するパルス光源と、
パターンが形成された被検査試料を載置するステージと、
パルス光が被検査試料に照射されて得られる被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を前記光学画像の画素毎に積分する時間遅延積分型(TDI)センサと、
被検査試料に照射される前のパルス光の光量を検知する光量センサと、
光量センサにより検知された光量を入力し、パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定する光量測定回路と、
パルス毎の光量とTDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、光学画像の画素毎に、該当する前記パルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサから出力された積分された画素値を補正する補正部と、
補正後の積分された画素値を用いて、パターンの欠陥の有無を検査する検査部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様のパターン検査方法は、
パルス光を発生し、
時間遅延積分型(TDI)センサを用いて、パターンが形成された被検査試料にパルス光が照射されて得られる被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を光学画像の画素毎に積分し、
被検査試料に照射された後のパルス光の光量を検知し、
検知された光量を入力し、パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定し、
パルス毎の光量とTDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサから出力された積分された画素値を補正し、
補正後の積分された画素値を用いて、パターンの欠陥の有無を検査することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様のパターン検査方法は、
パルス光を発生し、
時間遅延積分型(TDI)センサを用いて、パターンが形成された被検査試料にパルス光が照射されて得られる被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を光学画像の画素毎に積分し、
被検査試料に照射される前のパルス光の光量を検知し、
検知された光量を入力し、パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定し、
パルス毎の光量とTDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサから出力された積分された画素値を補正し、
補正後の積分された画素値を用いて、パターンの欠陥の有無を検査することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、パルス光を用いた場合のTDIセンサの出力変動を補正することができる。よって、パルス光源を検査装置に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。
【図2】実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための概念図である。
【図3】実施の形態1におけるパルス発光タイミングとTDIセンサ受光素子との同期関係の一例を示す概念図である。
【図4】実施の形態1におけるセンサ回路内の構成を示す概念図である。
【図5】実施の形態1におけるダイ−ダイ検査を行うフォトマスクの一例を示す図である。
【図6】実施の形態1におけるダイ−ダイ検査の場合における光量補正の効果を説明するための図である。
【図7】実施の形態1における積算回路の内部構成の一例を示す概念図である。
【図8】実施の形態1における積算回路の内部構成の他の一例を示す概念図である。
【図9】実施の形態1における積算回路の内部構成の他の一例を示す概念図である。
【図10】実施の形態2におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。図1において、試料、例えばマスクの欠陥を検査する検査装置100は、光学画像取得部150と制御系回路160を備えている。光学画像取得部150は、パルス光源103、XYθテーブル102、照明光学系170、拡大光学系104、時間遅延積分型(TDI)センサ105、センサ回路106、光量センサ172、レーザ測長システム122、及びオートローダ130を備えている。制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、パルスコントローラ140、光量モニタ回路142、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、及びプリンタ119に接続されている。光量センサ172は、TDIセンサ105の手前、すなわち、XYθテーブル102を透過後であってTDIセンサ105で受光する前の光の光量を検知できる位置に配置されている。また、センサ回路106は、ストライプパターンメモリ123に接続され、ストライプパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。XYθテーブル102は、ステージの一例となる。ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
【0019】
検査装置100では、パルス光源103、XYθテーブル102、照明光学系170、拡大光学系104、TDIセンサ105、光量センサ172及びセンサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。また、XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。そして、XYθテーブル102の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、XYθテーブル102上のフォトマスク101はオートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130から自動的に搬送され、検査終了後に自動的に排出されるものとなっている。
【0020】
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置される。そして、フォトマスク101に形成されたパターンには、例えば、ArFエキシマレーザ光源等のパルス光源103によってArFエキシマレーザ光等の紫外域の波長のパルス光が照明光学系170を介して照射される。パルス光源103の発光タイミング(周期)は、パルスコントローラ140によって制御される。フォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、TDIセンサ105に光学像として結像し、入射する。その際、フォトマスク101を透過した後であってTDIセンサ105に受光する前の光の光量が光量センサによって検知される。
【0021】
図2は、実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための概念図である。被検査領域22は、図2に示すように、例えばY方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割される。そして、その分割された各検査ストライプ20が連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御される。XYθテーブル102の移動によってTDIセンサ105が相対的にX方向(第1の方向)に連続移動しながら光学画像が取得される。TDIセンサ105では、図2に示されるようなスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。実施の形態1では、1つの検査ストライプ20における光学画像を撮像した後、スキャン幅WずつY方向にずれた位置で今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。すなわち、往路と復路で逆方向に向かうフォワード(FWD)−バックフォワード(BWD)の方向で撮像を繰り返す。
【0022】
TDIセンサ105上に結像されたパターンの像は、TDIセンサ105の各受光素子によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログ・デジタル)変換される。そして、検査ストライプ20毎にストライプパターンメモリ123に画素データが格納される。その後、画素データは、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータと共に比較回路108に送られる。測定データは例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調(光量)を表現している。
【0023】
図3は、実施の形態1におけるパルス発光タイミングとTDIセンサ受光素子との同期関係の一例を示す概念図である。光学画像の1つの画素の画素値を得るために、TDIセンサ105は、例えば、16列のセンサ画素(受光素子)を1画素ずつずらしながら光を受光し、16列のセンサ画素が受光した値の累積(積分)値を出力する。このように、TDIセンサ105は、フォトマスク101の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値(パルス強度:t1,t2,・・・,tn)を光学画像の画素毎に累積(積分)する。この累積値が光学画像の1つの画素の画素値となる。ここで、図3では、TDIセンサ105がセンサ画素1画素分だけ相対移動する際にパルス光源103は例えば1パルスの光を発生する場合を示している。図3に示すように、発生されるパルス光の光量にはばらつきがあり、例えば、30%程度のばらつきが生じる。そのため、16列のセンサ画素の累積値もかかる光量変動の影響を受けて変動してしまうことになる。
【0024】
そこで、実施の形態1では、パルス毎にTDIセンサ105が受光するパルス光の光量を光量センサ172及び光量モニタ回路142で測定する。光量モニタ回路142(光量測定回路)は、パルスコントローラ140から発光タイミング(周期)の情報を得て、パルス光の周期に同期させて、光量センサ172により検知された光量を取り込む(入力する)。そして、光量モニタ回路142は、パルス毎の光量を測定の上、光量データをデジタルデータに変換する。測定されたパルス毎の光量は、センサ回路106に出力される。そして、センサ回路106内で、光学画像の画素毎に、該当するパルス光の光量和(総光量)でTDIセンサ105から出力された累積値を補正する。
【0025】
図4は、実施の形態1におけるセンサ回路内の構成を示す概念図である。センサ回路106は、TDIセンサ105が順方向(FWD)に相対移動する場合に光学画像の1画素分に相当する必要列数(例えば16列)のセンサ画素30の画素値の累積値(アナログデータ)を入力し、センサ回路106内で、アンプ52が入力した累積値を増幅する。そして、アナログ・デジタル(A/D)変換器56が、アンプ52により増幅後のアナログデータをデジタルデータに変換して、デジタルアンプ46に出力する。また、センサ回路106は、TDIセンサ105が逆方向(BWD)に相対移動する場合に光学画像の1画素分に相当する必要列数(例えば16列)のセンサ画素30の画素値の累積値(アナログデータ)を入力し、センサ回路106内で、アンプ54が入力した累積値を増幅する。そして、アナログ・デジタル(A/D)変換器58が、アンプ54により増幅後のアナログデータをデジタルデータに変換して、デジタルアンプ46に出力する。また、センサ回路106は、光量モニタ回路142から測定されたパルス毎の光量を順次入力する。センサ回路106内では、積算回路42により、光学画像の1画素分に相当する必要列数(例えば16列)のセンサ画素30が受光するパルス数分のパルス光の光量を積算(累積加算)して、積算された総光量が補正係数算出部44に出力される。積算回路42内には、光学画像の1画素分に相当するセンサ画素30の必要列数(例えば16列)のシフトレジスタ40が配置されている。積算回路42内での積算方法についての詳細は後述する。
【0026】
ここで、光量センサ172により検知し光量モニタ回路142で観測する光量は、測定パターンの形状密度に依存して変動するが、ある観測領域における理想的な総光量Ti(基準総光量)は、その領域の設計パターンデータに基づき参照回路112が生成したパターンデータを用いて、パターン密度、および被検査マスクの透過率・反射率などから算出して求めることができる。
【0027】
補正係数算出部44では、積算回路42により積算された総光量Tが理想的な総光量Tiから変動してしまうことに備えて、補正係数Ti/Tを算出し、デジタルアンプ46に出力する。デジタルアンプ46(補正部)は、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量Tを用いてTDIセンサ105から出力された画素値(累積値)を補正する。すなわち、デジタルアンプ46は、光学画像の画素毎に、該当する補正係数Ti/TをTDIセンサ105からの累積値に乗じる。乗じることでパルス毎の光量変動に起因して変動するTDIセンサ105の出力レベルを平準化する補正を行なうことができる。そして、補正後の画素値は、インターフェース(I/F)回路48を介してストライプパターンメモリ123に出力される。
【0028】
図5は、実施の形態1におけるダイ−ダイ検査を行うフォトマスクの一例を示す図である。図5において、フォトマスク101の中に同一の設計データから描画された被検査領域(ダイ)が2つ以上あることが前提となる。図5では、被検査領域10と被検査領域12との同一の設計データに基づく2つの被検査領域がフォトマスク101の中に描画されている。ここで、ダイ−ダイ検査を行う場合、かかる2つの被検査領域10,12を含む全体の検査領域が、図2に示したように、例えばY方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割される。よって、2つの対応する領域が1つの検査ストライプ20内に含まれることになる。そして、その分割された各検査ストライプ20が連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御される。
【0029】
次に、ダイ−ダイ検査の場合には、以下のように検査する。共に撮像された被検査領域10,12の測定データが、ストライプパターンメモリ123に検査ストライプ20毎に格納された後、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータとともに比較回路108(検査部)に送られる。そして、検査ストライプのサイズの画像が、例えば、512×512画素のサイズの検査用画像に切り出される。そして、被検査領域10,12の対応する領域の検査用画像同士の位置合わせを行なう。そして、各検査用画像の各画素データを所定のアルゴリズムに従って画素毎に比較し、パターンの欠陥の有無を判定する。そして、比較された結果は出力される。比較された結果は、例えば、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、CRT117、パターンモニタ118、或いはプリンタ119に出力される。或いは、外部に出力されても構わない。
【0030】
図6は、実施の形態1におけるダイ−ダイ検査の場合における光量補正の効果を説明するための図である。図6において、一方の被検査領域12を撮像する際にパルス光の光量変動があった場合、図6(c)に示すように、センサ画素の出力変動により撮像されたパターン38には、ある画素32bと画素34bにおいてパターンの形状に変形31が生じた如く撮像されてしまう。これに対し、他方の被検査領域10を撮像する際にパルス光の光量変動がない場合、図6(a)に示すように、撮像されたパターン36には、対応する画素32aと画素34aにおいてパターンの形状に変形が生じない。よって、そのまま、比較すると画素32と画素34において欠陥と誤判定されてしまうことになる。しかし、実施の形態1では、上述したように、センサ画素の出力変動を総光量で補正しているので、図6(b)に示すように、撮像されたパターン38では、対応する画素32bと画素34bにおけるパターンの形状の変形31が補正される。よって、両者を比較しても欠陥と誤判定されてしまうことを防止することができる。
【0031】
ここで、ダイ−データベース検査の場合には、以下のように検査する。比較回路108(検査部)は、検査ストライプ20毎にストライプパターンメモリ123から画素データを入力する。他方、参照回路112は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計データを読み出す。そして、読み出されたフォトマスク101の設計データを2値ないしは多値のイメージデータに変換して、参照データ(参照画像)を作成する。そして、参照データは、比較回路108(検査部)に送られる。
【0032】
そして、測定データと参照データとの位置合わせを行なう。そして、測定データの各画素データと参照データの参照画素データとを所定のアルゴリズムに従って画素毎に比較し、欠陥の有無を判定する。そして、比較された結果は出力される。比較された結果は、例えば、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、CRT117、パターンモニタ118、或いはプリンタ119に出力される。或いは、外部に出力されても構わない。
【0033】
ダイ−データベース検査の場合でも、図6Aに示すパターン36を参照画像のパターンと見なせば、ダイ−ダイ検査の場合と同様の効果を達成することができる。
【0034】
ここで、図1で示したように、TDIセンサ105がフォトマスク101を透過した透過光を受光する場合には、理想とされるTDIセンサ105の蓄積光量が反射光を受光する場合に比べて少なくても構わない。よって、実施の形態1では、図3に示すように、TDIセンサ105がセンサ画素1画素分だけ相対移動する際にパルス光源103は例えば1パルスの光を発生する場合を示している。しかし、これに限るものではない。実施の形態1では、TDIセンサ105がフォトマスク101を透過した透過光を受光する場合に限るものではなく、フォトマスク101を反射した反射光を受光する場合であっても構わない。かかる場合には、反射効率が透過効率より悪い材料のマスクになる場合があり、その場合には、理想とされるTDIセンサ105の蓄積光量が透過光を受光する場合に比べて大きい方が好適である。よって、例えば、TDIセンサ105がセンサ画素1画素分だけ相対移動する際にパルス光源103は例えば2パルスの光を発生させるとよい。或いは、3パルス以上の光を発生させるとよい。
【0035】
以上のように、使用される光学系の構成やフォトマスク101の材料に合わせて、TDIセンサ105が検知する各画素値のパルス数を可変にするとよい。それに合わせて、積算回路42により積算される総光量Tが可変になる。
【0036】
例えば、TDIセンサ105がセンサ画素1画素分だけ相対移動する際にパルス光源103が1パルスの光を発生する場合、光学画像の1つの画素の画素値を得るために使用されるTDIセンサ105のセンサ画素数と総光量Tに使用される光量のパルス数が一致することになる。また、TDIセンサ105がセンサ画素1画素分だけ相対移動する際にパルス光源103は2パルスの光を発生する場合、光学画像の1つの画素の画素値を得るために使用されるTDIセンサ105のセンサ画素数に対して総光量Tに使用される光量のパルス数が2倍になる。同様に、3パルスの光を発生すれば3倍となる。このように、総光量Tに使用される光量のパルス数は、TDIセンサ105が積分する画素値の数(1画素あたりのセンサ画素数)の整数倍になるようにすると好適である。
【0037】
図7は、実施の形態1における積算回路の内部構成の一例を示す概念図である。センサ回路106内の積算回路42は、光学画像の1画素分に相当するセンサ画素30の必要列数(例えば16列)のシフトレジスタ40a〜40pと、加算器41が配置される。そして、1列目のシフトレジスタ40aから例えば16列目のシフトレジスタ40pまで、各パルスで測定された光量が順に送られる。そして、それぞれのシフトレジスタ40が一時的に格納した光量値が加算器41にパルス周期で送られ、その都度、光量が累積加算され、総光量Tが演算される。このようにして、パルス周期で総光量Tが演算され、演算された総光量Tはパルス周期で順次出力される。図7では、1つの加算器41しか示していないが、通常、16個の値を同時に入力して加算することは困難なので、加算器41の内部構成として、2入力の加算器を複数組み合わせて演算すればよい。積算回路42の内部構成は図7の構成に限るものではない。
【0038】
図8は、実施の形態1における積算回路の内部構成の他の一例を示す概念図である。センサ回路106内の積算回路42は、光学画像の1画素分に相当するセンサ画素30の必要列数(例えば16列)のシフトレジスタ40a〜40pと、加算器62と、減算器64とレジスタ66とが配置される。そして、1列目のシフトレジスタ40aから例えば16列目のシフトレジスタ40pまで、各パルスで測定された光量が順に送られる。そして、1列目のシフトレジスタ40aが一時的に格納した光量値とレジスタ66に格納された光量値が加算器62にパルス周期で送られ、その都度、光量が加算される。減算器64は、加算器62により加算された加算値を正極(+)側に、最終列目(例えば16列目)のシフトレジスタ40pが一時的に格納した光量値を負極(−)側に入力して、正極(+)側の値から負極(−)側の値を減算する。減算器64の出力は、レジスタ66に格納されると共に、総光量Tとしてパルス周期で順次出力される。図8の構成では、図7と異なり、加算器62と減算器64とが1つずつあれば足りる。よって、上述したように、反射系と透過系で必要パルス数を変える場合など、総光量Tに用いるパルス数を可変にした場合でも、シフトレジスタ40の数を増減させるだけで済むのでさらに好適である。積算回路42の内部構成は図8の構成に限るものではない。
【0039】
図9は、実施の形態1における積算回路の内部構成の他の一例を示す概念図である。センサ回路106内の積算回路42は、光学画像の1画素分に相当するセンサ画素30の必要列数(例えば16列)のシフトレジスタ74a〜74pと、シフトレジスタ74と同数の加算器72a〜72pと、レジスタ70とが配置される。そして、レジスタ70に一時的に格納された1パルス目の光量が、1列目の加算器72aの一方の入力端子に入力され、他方の端子は地絡されている。そして、加算器72aでの加算値が1列目のシフトレジスタ74aに一時的に格納される。そして、レジスタ70に一時的に格納された2パルス目の光量が、2列目の加算器72bの一方の入力端子に、1列目のシフトレジスタ74aに格納された値が他方の端子に入力される。そして、加算器72bでの加算値が2列目のシフトレジスタ74bに一時的に格納される。このようにして、最終列まで順次、カスケード加算が行われ、最終列目(例えば16列目)のシフトレジスタ74pに格納された値が総光量Tとしてパルス周期で順次出力される。
【0040】
以上のように、実施の形態1では、パルス光が被検査試料に照射されて得られる被検査試料の光学画像をTDIセンサ105で撮像する。その際にパルス光の光量変動によって生じるTDIセンサ105の出力強度の変動をTDIセンサ105側の光量センサ172で検知した光量の総和を使った補正係数で補正することができる。被検査試料の膜面の材質によって透過率や反射率が変化するなか、特に、TDIセンサ105側での光量を光量センサ172で検知することでTDIセンサ105が受像する真の光量で補正することができる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態1では、被検査試料を透過或いは反射した光であってTDIセンサ105が受光する前の光の光量を測定したが、これに限るものではない。実施の形態2では、フォトマスク101を透過する前の光の光量を光量センサによって検知する構成について説明する。
【0042】
図10は、実施の形態2におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。図10において、光量センサ172の代わりに、光量センサ174をパルス光源103側に配置した点以外は図1と同様である。すなわち、XYθテーブル102上のフォトマスク101に照射される前のパルス光の光量を検知できる位置に配置されている。なお、実施の形態2では、被検査パターン通過前に光量センサ174で光量を観測するので、理想的な総光量Ti(基準総光量)はパターンに依存しない。よって、実施の形態2における理想的な総光量Tiは、検査開始前に、予め充分な安定した理想光量として採用できる光量を観測し、保持しておき、検査中のパルス光量変動に備えればよい。その他のパターン検査装置100の構成や動作内容は、実施の形態1と同様である。
【0043】
以上のように、実施の形態2では、パルス光が被検査試料に照射されて得られる被検査試料の光学画像をTDIセンサ105で撮像する。その際にパルス光の光量変動によって生じるTDIセンサ105の出力強度の変動をパルス光源103側の光量センサ172で検知した光量の総和を使った補正係数で補正することができる。パルス光源103側の光量を光量センサ172で検知することで、パターンの内容による透過光或いは反射光の光量が変化の影響を排除することができる。
【0044】
以上のように、実施の形態1ではTDIセンサ側で、実施の形態2では光源側で、それぞれパルス光の周期に同期させてパルス光のパルス毎の光量を測定する。そして、光学画像の画素毎に、該当するパルス毎の光量の総光量を用いてTDIセンサから出力された画素値を補正する。かかる補正により、パルス光であってもTDIセンサの出力変動を補正することができる。
【0045】
実施の形態1,2によれば、パルス光を用いた場合のTDIセンサの出力変動を補正することができる。よって、パルス光源を検査装置に搭載することができる。
【0046】
以上の説明において、「〜部」、或いは「〜回路」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。例えば、演算制御部を構成するオートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、参照回路112、比較回路108及び位置回路107内の各回路等は、電気的回路で構成されていても良いし、制御計算機110によって処理することのできるソフトウェアとして実現してもよい。また電気的回路とソフトウェアの組み合わせで実現しても良い。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、以上の説明では、透過光学系とフォトマスク101の透過光を使った検査装置について説明したが、反射光学系とフォトマスク101の反射光を使った検査装置であっても本発明は有効である。
【0048】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、検査装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
【0049】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置及びパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0050】
10,12 被検査領域
20 検査ストライプ
22 被検査領域
30 センサ画素
31 変形
32,34 画素
36,38 パターン
40,74 シフトレジスタ
41,62,72 加算器
42 積算回路
44 補正係数算出部
46 デジタルアンプ
48 I/F回路
52,54 アンプ
56,58 A/D変換器
66,70 レジスタ
64 減算器
100 検査装置
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 パルス光源
104 拡大光学系
105 TDIセンサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 テーブル制御回路
115 磁気テープ装置
116 FD
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 ストライプパターンメモリ
130 オートローダ
140 パルスコントローラ
142 光量モニタ回路
150 光学画像取得部
160 制御系回路
170 照明光学系
172,174 光量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス光を発生するパルス光源と、
パターンが形成された被検査試料を載置するステージと、
前記パルス光が前記被検査試料に照射されて得られる前記被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を前記光学画像の画素毎に積分する時間遅延積分型(TDI)センサと、
前記被検査試料に照射された後の前記パルス光の光量を検知する光量センサと、
前記光量センサにより検知された光量を入力し、前記パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定する光量測定回路と、
前記パルス毎の光量と前記TDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、前記光学画像の画素毎に、該当する前記パルス毎の光量の総光量を用いて前記TDIセンサから出力された積分された画素値を補正する補正部と、
補正後の積分された画素値を用いて、前記パターンの欠陥の有無を検査する検査部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項2】
前記TDIセンサが検知する各画素値のパルス数を可変にすることで、前記総光量は可変にされることを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記総光量に使用される光量のパルス数は、前記TDIセンサが積分する画素値の数の整数倍であることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記光学画像の画素毎に、基準総光量と前記総光量との比を演算することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のパターン検査装置。
【請求項5】
前記補正部は、前記TDIセンサから出力された積分された画素値に前記比を乗じることを特徴とする請求項4記載のパターン検査装置。
【請求項6】
パルス光を発生するパルス光源と、
パターンが形成された被検査試料を載置するステージと、
前記パルス光が前記被検査試料に照射されて得られる前記被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を前記光学画像の画素毎に積分する時間遅延積分型(TDI)センサと、
前記被検査試料に照射される前の前記パルス光の光量を検知する光量センサと、
前記光量センサにより検知された光量を入力し、前記パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定する光量測定回路と、
前記パルス毎の光量と前記TDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、前記光学画像の画素毎に、該当する前記パルス毎の光量の総光量を用いて前記TDIセンサから出力された積分された画素値を補正する補正部と、
補正後の積分された画素値を用いて、前記パターンの欠陥の有無を検査する検査部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項7】
前記TDIセンサが検知する各画素値のパルス数を可変にすることで、前記総光量は可変にされることを特徴とする請求項6記載のパターン検査装置。
【請求項8】
前記総光量に使用される光量のパルス数は、前記TDIセンサが積分する画素値の数の整数倍であることを特徴とする請求項6又は7記載のパターン検査装置。
【請求項9】
パルス光を発生し、
時間遅延積分型(TDI)センサを用いて、パターンが形成された被検査試料に前記パルス光が照射されて得られる前記被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を前記光学画像の画素毎に積分し、
前記被検査試料に照射された後の前記パルス光の光量を検知し、
検知された光量を入力し、前記パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定し、
前記パルス毎の光量と前記TDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、前記光学画像の画素毎に、該当する前記パルス毎の光量の総光量を用いて前記TDIセンサから出力された積分された画素値を補正し、
補正後の積分された画素値を用いて、前記パターンの欠陥の有無を検査することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項10】
パルス光を発生し、
時間遅延積分型(TDI)センサを用いて、パターンが形成された被検査試料に前記パルス光が照射されて得られる前記被検査試料の光学画像の各画素値を時間遅延しながら複数回検知して、検知された各画素値を前記光学画像の画素毎に積分し、
前記被検査試料に照射される前の前記パルス光の光量を検知し、
検知された光量を入力し、前記パルス光の周期に同期させて、パルス毎の光量を測定し、
前記パルス毎の光量と前記TDIセンサから出力された積分された画素値を入力し、前記光学画像の画素毎に、該当する前記パルス毎の光量の総光量を用いて前記TDIセンサから出力された積分された画素値を補正し、
補正後の積分された画素値を用いて、前記パターンの欠陥の有無を検査することを特徴とするパターン検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−91552(P2010−91552A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181565(P2009−181565)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】