説明

パック電池

【課題】別成形された基板ホルダとポッティング樹脂を使用することなく、部品コストを低減し、簡単かつ容易にしかも短時間で能率よく多量生産する。回路基板に実装する部品をしっかりと固定して衝撃強度と耐水性を向上する。
【解決手段】パック電池は、複数の電池1を平行に配列してなる電池ブロック集合体20と、これらの電池1にリード板5を介して接続してなる回路基板6と、回路基板6を定位置に配置するプラスチック製の基板ホルダ7と、基板ホルダ7を介して回路基板6を定位置に連結してなる電池ブロック集合体20を収納している外装ケース4とを備える。回路基板6は、電池1に接続される接続リード21を連結している。基板ホルダ7は、回路基板6に連結している接続リード21を外部に突出または表出させる状態で回路基板6をインサート成形して埋設しており、基板ホルダ7から突出または表出する接続リード21を電池1に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として大電流の放電に適しているパック電池に関し、特に複数の電池を並列や直列に接続しているパック電池に関する。
【背景技術】
【0002】
大出力が要求されるパック電池は多数の電池を備える。このパック電池は、電池を保護しながら充放電し、安全性を向上するために、保護回路を実装する回路基板を備える。回路基板は、リードを介して電池の電極に接続され、電池の電圧や電流を検出して、電池に流れる電流を制御する。このパック電池は、複数の電池と回路基板を定位置に配置することが大切である。また、このパック電池は大きくて重いので、優れた耐衝撃強度も要求される。このことを実現するために、本出願人は、多数の電池をインナーケースで定位置に配置し、さらに回路基板を基板ホルダに入れて定位置に配置するパック電池を開発している。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2005−317459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のパック電池は、図1に示すように、複数の電池91をインナーケース92に収納して定位置に固定し、電池ブロック集合体90としている。電池ブロック集合体90には、基板ホルダ97を連結して、基板ホルダ97に回路基板96を固定している。回路基板96は、電池91の電圧を検出して充放電をコントロールする保護回路を実装している。このパック電池は、回路基板96を基板ホルダ97を介して電池ブロック集合体90の定位置に配置することに加えて、回路基板96を振動や衝撃から保護し、さらに耐水性を向上するために、基板ホルダ97を箱形として内部にポッティング樹脂98を充填している。このため、回路基板96を定位置に固定するために、別に成形している基板ホルダ97を使用するので部品コストが高くなる。また、基板ホルダ97にポッティング樹脂98を充填するので、この処理にも手間がかかる。また、ポッティング樹脂98は、充填して硬化させるのに時間がかかるので、回路基板96の埋設処理に手間と時間がかかる欠点がある。さらに、硬化したポッティング樹脂98が柔らかいことから、回路基板96をしっかりと強靱な状態で振動しない状態では固定できず、強い衝撃で部品が振動して、ハンダ付け不良などの故障を起こすことがある。また、ポッティングは、ペースト状の未硬化樹脂を充填するので、一緒に空気が混入して内部に気泡ができて、さらに部品を固定する強度が低下して、耐衝撃強度が低下することがある。
【0004】
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、別成形された基板ホルダとポッティング樹脂を使用することなく、基板ホルダを成形するプラスチックに回路基板をインサート成形することで、部品コストを低減し、簡単かつ容易にしかも短時間で能率よく多量生産でき、さらに回路基板に実装する部品をしっかりと固定して衝撃強度と耐水性を向上できるパック電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のパック電池は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
パック電池は、複数の電池1を平行に配列してなる電池ブロック集合体20と、この電池ブロック集合体20を構成する電池1にリード板5を介して接続してなる電池1の保護回路を実装する回路基板6と、この回路基板6を定位置に配置するプラスチック製の基板ホルダ7と、基板ホルダ7を介して回路基板6を定位置に連結してなる電池ブロック集合体20を収納している外装ケース4とを備える。回路基板6は、電池1に接続される接続リード21を連結している。プラスチック製の基板ホルダ7は、回路基板6に連結している接続リード21を外部に突出または表出させる状態で回路基板6をインサート成形して埋設しており、基板ホルダ7から突出または表出する接続リード21を電池1に接続している。
【0006】
本発明の請求項2のパック電池は、請求項1の構成に加えて、回路基板6が、電池1に接続される接続リード21に加えて、パック電池の出力端子に接続される出力リード8を連結している。このパック電池は、出力リード8を外部に突出させる状態で、基板ホルダ7が回路基板6をインサート成形している。
【0007】
本発明の請求項3のパック電池は、請求項2の構成に加えて、出力リード8を可撓性のリード線としている。
【0008】
本発明の請求項4のパック電池は、請求項1の構成に加えて、基板ホルダ7が、電池ブロック集合体20との対向面を嵌着形状に成形している。
【0009】
本発明の請求項5のパック電池は、請求項1の構成に加えて、電池1をリチウムイオン二次電池として、電池ブロック集合体20を構成する全ての電池1を回路基板6に接続している。さらに、このパック電池は、回路基板6に実装される保護回路が、電池電圧を検出して電池の充放電をコントロールする電圧検出回路を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のパック電池は、別成形された基板ホルダとポッティング樹脂を使用することなく、基板ホルダを成形するプラスチックに回路基板をインサート成形して、部品コストを低減し、簡単かつ容易にしかも短時間で能率よく多量生産でき、さらに回路基板に実装する部品をしっかりと固定して衝撃強度と耐水性を向上できる特徴がある。それは、本発明のパック電池が、電池に接続される接続リードを回路基板に連結すると共に、プラスチック製の基板ホルダが、回路基板に連結している接続リードを外部に突出または表出させる状態でインサート成形して埋設しており、基板ホルダから突出または表出する接続リードを電池に接続しているからである。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載するパック電池は、請求項1の構成に加えて、基板ホルダの形状を、電池ブロック集合体との対向面を嵌着形状に成形しているので、回路基板をインサートしながら、電池ブロック集合体に定位置に配置できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池を例示するものであって、本発明はパック電池を以下のものに特定しない。
【0013】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】
図2ないし図8に示すパック電池は、複数の電池1を連結している電池のコアパック10と、電池のコアパック10を収納する外装ケース4とを備える。これらの図のパック電池は、図9ないし図11に示すように、電池のコアパック10が、複数の電池1を平行に配列してなる電池ブロック集合体20と、この電池ブロック集合体20を構成する電池1にリード板5を介して電池1に接続してなる回路基板6と、この回路基板6をインサート成形しているプラスチック製の基板ホルダ7とを備える。電池ブロック集合体20は、複数の電池1を電池ホルダ2で定位置に保持している。この電池ホルダ2に基板ホルダ7を連結して、回路基板6を定位置に配置している。
【0015】
電池1は、充電できる二次電池で、リチウムイオン二次電池である。ただし、電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池とすることもできる。さらに、図のパック電池は、電池1を円筒型電池とするが、角型電池とすることもできる。図の電池ブロック集合体20は、平行な姿勢で、同一面に7本の電池1を並べて、さらに同一面に並べた電池1を上下2段に配置して、端面を同一面に位置させるように電池ホルダ2で定位置に保持している。ただ、パック電池は、3段以上に電池を並べて収納することができ、また、同一段に6本以下、あるいは8本以上の電池を並べることもできる。
【0016】
電池1は、端面の電極にリード板5を溶着して、互いに直列と並列とに接続している。図の電池ブロック集合体20は、7本の電池1を直列に接続したものを2組並列に接続している。図の電池ブロック集合体20は、各々のリード板5を、電池ホルダ2の上部に配置している回路基板6に接続している。リード板5は、回路基板6に接続する接続部5Aを端部から突出するように設けている。接続部5Aは、回路基板6に接続している接続リード21に連結している。
【0017】
電池ホルダ2は、図10と図11に示すように、電池1を挿通して保持する保持筒11の両端に、支持側壁12を一体的に成形して連結している。この電池ホルダ2は、一対の支持側壁12の対向する内側に保持筒11を設けて電池収納部40としている。保持筒11に電池1を入れて、電池1は定位置に保持される。この電池ホルダ2は、絶縁材を成形して製作される。電池ホルダ2を成形する絶縁材はプラスチックである。保持筒11は、電池1を挿通する複数の挿通穴13を貫通して設けている。電池ホルダ2は、保持筒11の挿通穴13に電池1を挿通して、複数の電池1を所定の位置に保持している。図の電池ホルダ2は、14本の円筒型電池1を連結して保持するので、保持筒11に14個の挿通穴13を設けている。14個の挿通穴13は、2段に並べて、各々7個設けている。さらに、図に示す保持筒11は、隣接して配設している電池1の谷間に他の電池1を配設しており、複数段に配置する電池1を俵積みの状態で配設している。
【0018】
図10と図11に示す電池ホルダ2は、保持筒11を軸方向の中間で2分割して、一対の支持側壁12に一体的に成形して連結している。分割された保持筒11の端部を支持側壁12の内側に連結する形状に成形している。この電池ホルダ2は、保持筒11の分割端である開口部を挿通穴13として電池1を挿入し、一対の支持側壁12を連結して、複数の電池1を電池ホルダ2に収納している。
【0019】
保持筒11は、図5、図10、及び図11に示すように、電池1の表面のほぼ全周に沿う筒状に挿通穴13を開口している。ただ、保持筒は、必ずしも電池の全周に沿う筒状に挿通穴を開口する必要はない。さらに、図10と図11に示す電池ホルダ2は、保持筒11の一部に開口部11Aを設けている。図の電池ホルダ2は、分割された一方の保持筒11の開口端部を切欠して開口部11Aを設けている。この電池ホルダ2は、保持筒11に設けた開口部11Aに温度センサー(図示せず)を配設して、電池の温度を検出することができる。このパック電池は、温度センサーで電池温度を検出しながら、電池の充放電を制御できる特徴がある。ただ、保持筒は、必ずしも開口部を設ける必要はない。
【0020】
中間で分割される保持筒11は、図示しないが、分割端側から支持側壁12側に向かって次第に内径が小さくなるテーパー状に内面を成形している。この保持筒11は、支持側壁12側の端部の内面に突出する部分を電池1の表面に面接触させて電池1を定位置に保持できる。このように、保持筒11を分割する構造は、プラスチックを成形する金型の設計を簡単にして、プラスチック成形を容易にできる特長がある。
【0021】
一対の支持側壁12は、電池収納部40である保持筒11の両端に位置して、互いに平行な姿勢で設けられている。支持側壁12は、保持筒11に対して直交する板状に成形されている。この支持側壁12は、図5ないし図8に示すように、外装ケース4の内形に沿う形状としている。すなわち、一対の支持側壁12は、図7と図8に示すように、外装ケース4の横断面における内面に沿う形状としている。また、各支持側壁12は、図5と図6に示すように、その外周形状を、外装ケース4の縦断面における内形に沿う形状としている。一対の支持側壁12は、中央部に保持筒11を設けて電池収納部40とし、外周部に基板の収納スペース41を設けている。図7ないし図9に示す電池ホルダ2は、一対の支持側壁12を、保持筒11の両端から、図において上方に突出させており、一対の支持側壁12の間に、基板ホルダ7を収納する基板の収納スペース41を設けている。基板の収納スペース41は、保持筒11の長さ、すなわち電池1の長さで幅が特定され、支持側壁12が保持筒11から上方に突出する突出高さで深さが特定される。収納スペース41の深さ、すなわち、支持側壁12の突出高さは、収納スペース41に基板ホルダ7を収納して、基板ホルダ7が外装ケース4の内面に接触しない高さとする。
【0022】
さらに、支持側壁12は、外周に沿って、外装ケース4の内面に面接触する接触プレート部12Aを設けている。電池ホルダ2は、接触プレート部12Aを外装ケース4の内面に接触させて電池のコアパック10を外装ケース4の内部に収納する。図の電池ホルダ2は、接触プレート部12Aを支持側壁12の内側、すなわち保持筒11を連結している側に突出して設けている。電池ホルダ2は、この接触プレート部12Aを介して、支持側壁12の外周を外装ケース4の内面に面接触状態で配置する。接触プレート部12Aは、その幅を広くして、外装ケース4の内面に面接触する接触面積を大きくできる。この接触面積を大きくすることは、落下などの衝撃を受けるときに、電池ホルダ2と外装ケース4の局部に強い衝撃力が作用するのを防止できる。衝撃力が広い面積に分散されるからである。接触プレート部12Aの幅は、たとえば5mm以上で2cm以下とする。接触プレート部12Aの幅が広すぎると、基板の収納スペース41に基板ホルダ7を入れるのが難しくなる。また、狭すぎると、衝撃を広い面積に分散できなくなる。したがって、接触プレート部12Aの幅は、電池ホルダ2に収納する電池1の個数、大きさ、重量を考慮して最適値に特定される。図7と図8に示す接触プレート部12Aは、基板の収納スペース41に位置する部分の幅を狭くして基板ホルダ7を入れ易くすると共に、電池収納部40に位置する部分の幅を広くして衝撃を広い面積に分散できるようにしている。
【0023】
さらに、パック電池は、接触プレート部12Aと外装ケース4との間にクッション材30を配置している。このパック電池は、接触プレート部12Aがクッション材30を介して外装ケース4の内面に面接触する。この構造は、クッション材30が衝撃を吸収して、耐衝撃強度を向上する。図のパック電池は、電池のコアパック10を防水袋3に入れて外装ケース4に収納して、防水袋3をクッション材30に併用する。ただ、本発明のパック電池は、必ずしも接触プレート部と外装ケースとの間にクッション材を配置する必要はなく、また、必ずしも電池のコアパックを防水袋に入れて外装ケースに収納する必要はない。
【0024】
さらに、電池ホルダ2は、電池収納部40の両側に位置する支持側壁12に、リード板5を連結している。支持側壁12は、保持筒11の外側において、挿通穴13の開口部から表出する電池端面にリード板5を溶着して連結している。図9ないし図11の支持側壁12は、リード板5を嵌入する位置決凹部24を外側面に設けており、この位置決凹部24にリード板5を入れて定位置に配置している。位置決凹部24は、リード板5の外形よりもわずかに大きい外形として、ここにリード板5を入れて定位置に配置している。
【0025】
さらに、支持側壁12は、リード板5の接続部5Aを回路基板6に接続するための接続窓12Bを開口している。接続窓12Bは、位置決凹部24に配設されるリード板5の接続部5Aの位置に開口されており、接続部5Aを収納スペース41に表出させている。リード板5の接続部5Aは、接続窓12Bに配置されて、収納スペース41に配置される基板ホルダ7の回路基板6に接続している。この構造のパック電池は、支持側壁12の接続窓12Bにリード板5の接続部5Aを配置するので、電池のコアパック10を防水袋3に収納した状態で、リード板5の接続部5Aが防水袋3を損傷するのを有効に防止できる特長がある。それは、接続窓12Bに配置されるリード板5の接続部5Aを、支持側壁12と接触プレート部12Aで保護して、接続部5Aが防水袋3に直接接触するのを阻止するからである。したがって、この構造は、リード板5の接続部5Aが局部的に防水袋3を内面から突いて破損するのを有効に防止できる。
【0026】
以上の電池ホルダ2は、図10と図11に示すように、一対の支持側壁12に保持筒11を一体的に成形してホルダーユニット2Aとし、このホルダーユニット2Aを連結している。一対のホルダーユニット2Aは、一体的に成形されたボス22に止ネジ23をねじ込んで互いに連結される。図5、図10、及び図11に示すホルダーユニット2Aは、両端部と中央下部に、ボス22を一体的に成形して設けている。ボス22は筒状で、内部に止ネジ23を挿通している。ただ、図示しないが、分割されたホルダーユニットは、係止構造で連結し、あるいは接着して連結し、あるいはまた、これらを組み合わせて連結することもできる。
【0027】
以上の電池ホルダ2は、保持筒11の半分と支持側壁12とを一体的に成形してホルダーユニット2Aとしているが、電池ホルダは以上の構造に特定しない。電池ホルダは、複数の電池を所定の位置に保持できる他の全ての構造とすることができる。電池ホルダは、たとえば、保持筒と支持側壁を分割することなく一体構造とすることも、保持筒と両端の支持側壁とを分割してなる構造とすることもできる。
【0028】
以上のように、複数の電池1を電池ホルダ2で定位置に保持して電池ブロック集合体20とする構造は、電池ブロック集合体20の組み立てを簡単かつ容易にできる特長がある。さらに、複数の電池1を定位置に保持している電池ブロック集合体20に基板ホルダ7を連結してなるコアパック10を、防水袋3にスムーズに収納できる特徴もある。
【0029】
図のコアパック10は、電池ホルダ2に設けている支持側壁12の間に基板ホルダ7を配設し、この基板ホルダ7に回路基板6をインサート成形して埋設している。回路基板6は、電池1の電圧を検出して、電池1の充放電をコントロールする保護回路を実装する。
【0030】
回路基板6は、リード板5を介して電池1に接続される。回路基板6は、各々の電池電圧を検出して、充放電の電流を遮断する保護回路(図示せず)を実装している。保護回路は、いずれかの電池電圧が最低電圧よりも低くなると、放電電流を遮断するスイッチング素子をオフに切り換えて、放電電流を遮断する。また、いずれかの電池電圧が最高電圧よりも高くなると、充電を停止するスイッチング素子をオフに切り換えて、充電を停止する。このように、各々の電池電圧を検出して、充放電をコントロールする保護回路を実装するパック電池は、電池1を保護しながら安全に使用できる。
【0031】
基板ホルダ7は、図5、図7、図12、及び図13に示すように、回路基板6をインサート成形して所定の位置に埋設している。回路基板6は、図14に示すように、接続リード21をハンダ付け等の方法で接続している。接続リード21は、金属線材または金属板である。図の回路基板6は、接続リード21として、金属線材であるリードピン21Aと金属板であるリード板21Bとを接続している。これらの接続リード21は、電池1に連結しているリード板5に一端を接続している。さらに、回路基板6は、パック電池の出力端子(図示せず)に接続される出力リード8も接続している。出力リード8は可撓性のリード線、すなわち、多数の細い銅線をプラスチック等の絶縁外皮で被覆するコードである。基板ホルダ7は、プラスチック14で成形する工程で、回路基板6をインサート成形して定位置に配置し、さらに基板ホルダ7を成形するプラスチック14に絶縁状態で埋設する。基板ホルダ7にインサート成形される回路基板6は、接続リード21を基板ホルダ7の外部に引き出している。接続リード21は、リードピン21Aを基板ホルダ7の外部に突出させており、リード板21Bを基板ホルダ7の表面に表出させている。さらに、回路基板6に接続される出力リード8も基板ホルダ7の外部に突出させて引出している。
【0032】
基板ホルダ7は、以下の工程で回路基板6をインサート成形する。
(1)金型の成形室を開いた状態として、一方の金型の成形室に定位置に回路基板6をセットする。
(2)金型を型締めして、成形室を閉鎖室とする。このとき、回路基板6は金型に設けている仮止めピン(図示せず)等に両面から挟着されて、成形室の定位置に仮止めされる。回路基板6は、接続リードであるリードピンを金型に設けている仮止めピン(図示せず)で挟着して、定位置に配置することもできる。成形室に仮止めされる回路基板6は、接続リード21のリードピン21Aと出力リード8の一部を、成形室の外部に突出させている。また、回路基板6は、接続リード21のリード板21Bの一部を、成形室の金型の内面に密着させて、リード板21Bの接続面をプラスチック14から表出させるようにしている。リード板21Bは、内面にナット材25を固定しており、このナット材25をプラスチックに埋設する。ここに埋設されるナット材25は、リード板21Bにねじ込まれる連結ネジ31をスムーズにねじ込みできる。ただ、基板ホルダは、必ずしもナット材をプラスチックに埋設する必要はない。ナット材を埋設しない基板ホルダは、接続リードであるリード板を貫通する連結ネジを、直接にプラスチックにねじ込んでリード板の接続部を連結する。金型は、接続リード21と出力リード8を、金型の当接面に挟着して、成形室を閉鎖状態とする。言い換えると、金型は当接面に接続リード21と出力リード8を隙間なく案内する凹部(図示せず)を設けている。閉鎖状態の成形室は、ここに注入される溶融状態のプラスチックが漏れることなく成形される。
(3)成形室に溶融状態のプラスチックが注入される。成形室に仮止めされる回路基板6は、注入されるプラスチックで位置ずれしない状態に金型に保持されている。したがって、回路基板6は、成形室に注入されるプラスチックに埋設される状態でインサート成形される。
(4)注入させるプラスチックを冷却して硬化させたのち、金型を開いて成形された基板ホルダ7を成形室から取り出す。この状態で、成形された基板ホルダ7は、回路基板6を内部にインサート成形している。接続リード21のリードピン21Aと出力リード8は成形室から突出していたので、成形された基板ホルダ7からも突出される。また、接続リード21のリード板21Bは、成形室の内面に密着していたので、成形された基板ホルダ7の表面に表出する。
【0033】
基板ホルダ7の成形に使用されるプラスチックは、ポリアミド樹脂である。ポリアミド樹脂にはエポキシ樹脂を添加することもできる。エポキシ樹脂を添加しているポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂のみのものに比較して回路基板6と接続リード21と出力リード8への接着力を強くできる。ポリアミド樹脂は、軟化温度が低く、しかも溶融時の粘度も低いので、他の熱可塑性合成樹脂に比較して、低温、低圧で成形できる。また、金型の成形室から速やかに脱型できる特長もある。低温、低圧で成形される基板ホルダは、成形に要する時間を短縮できると共に、樹脂成形時における熱や射出圧による保護素子等への悪影響を低減できる特長がある。ただし、本発明のパック電池は、基板ホルダを成形する樹脂をポリアミド樹脂には特定しない。ポリアミド樹脂以外の樹脂、たとえばポリウレタン樹脂等も使用できる。さらに、基板ホルダにインサートされる回路基板に実装される保護素子等の耐熱性を向上できるなら、ポリエチレン、アクリル、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用できる。
【0034】
基板ホルダ7は、電池ブロック集合体20との対向面を嵌着形状に成形して、電池ブロック集合体20の定位置に連結される。図5と図13の基板ホルダ7は、円筒形電池1を収納する保持筒11の谷間に嵌着される位置決凸部25を下方に突出して設けている。基板ホルダ7は、複数の位置決凸部28を設けて、電池ブロック集合体20の定位置に決まった姿勢で嵌着される。さらに、基板ホルダ7は、この位置決凸部28に連結孔27を設けており、この連結孔27に止ネジ39をねじ込んで電池ホルダ2の定位置に固定している。電池ホルダ2は、位置決凸部28に止ネジ39をねじ込むために、支持側壁12の内側に突出する連結ボス29を一体成形して設けている。基板ホルダ7は、図15に示すように、連結ボス29を貫通する止ネジ39が位置決凸部28にねじ込まれて、電池ホルダ2の定位置に固定される。ただ、基板ホルダは、図示しないが、係止構造で電池ホルダに連結することもできる。
【0035】
基板ホルダ7から外部に突出する出力リード8は、外部機器に接続されるコネクタ15を先端に接続している。図示しないが、回路基板は、通信用のリード線をインサート成形させる基板ホルダから引き出してコネクタに接続することもできる。コネクタ15は、内蔵する電池1の出力用の出力端子や、外部機器との接続端子を装備している。コネクタ15は、出力端子や接続端子を外部に表出する状態で外装ケース4に設けた開口窓4aに配設される。
【0036】
以上のように、複数の電池1を電池ホルダ2で所定の位置に保持して電池ブロック集合体20とし、回路基板6がインサートされた基板ホルダ7を電池ブロック集合体20に固定する共に、各々の電池1の端面に接続したリード板5を回路基板6に接続して、電池のコアパック10となる。電池のコアパックが、外装ケース4に収納されて、パック電池となる。
【0037】
外装ケース4は、プラスチックを成形して製作される。図2ないし図8の外装ケース4は、プラスチック製の第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結して、コアパック10を収納してなる防水袋3を内部に収納している。第1ケース4Aと第2ケース4Bは周壁34を一体的に成形して設けている。さらに、図の外装ケース4は、内側に、ボス35を突出して設けている。ボス35は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの四隅部に設けている。ボス35に止ネジ(図示せず)を挿通し、この止ネジで第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結する。連結された第1ケース4Aと第2ケース4Bは、互いに周壁34の開口縁を隙間なく接触させて閉塞される。
【0038】
さらに、外装ケース4は、電気機器に連結するコネクタ15を外部に表出させる開口窓4aを設けている。このパック電池は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの連結部に開口窓4aを設けており、第1ケース4Aと第2ケース4Bの開口窓4aでコネクタ15を挟着して、コネクタ15を外装ケース4の開口窓4aから表出させる状態で連結している。このパック電池は、コネクタ15が電気機器(図示せず)の電源供給部に接続されて、パック電池が定位置に連結される。コネクタ15は、パック電池の出力端子(図示せず)を表出して設けている。出力端子は出力リード8を介して電池1に連結している。さらに、このパック電池は、コネクタ15が充電器(図示せず)の充電接続部にも接続される。充電器は、充電接続部にコネクタ15を接続して、パック電池を定位置に連結して充電する。
【0039】
さらに、図のパック電池は、電池のコアパック10を防水袋3に収納し、その開口部を水密に閉塞して防水構造として、外装ケース4に収納している。このパック電池は、電池1に回路基板6を接続しているコアパック10を防水袋3に収納するので、電池1に加えて、電池1と回路基板6との接続部を含むコアパック全体を防水袋3に収納できる。このため、従来のインナーケースに電池のコアパックを収納するパック電池に比較して、より理想的な状態で、電池1と回路基板6との接続部を防水構造として外装ケース4に収納できる。このため、電池1と回路基板6との接続部分を防水構造とするためにシール材を塗布する等の手間を必要としない。また、シール材が劣化して防水構造に保持できない弊害も発生しない。この構造のパック電池は、防水袋3からリード線8のみを引き出す極めて簡単な構造となる。このため、リード線8のみを防水袋3の開口部から防水構造で引き出して、電池1と回路基板6の全体を防水構造として外装ケース4に収納できる。さらに、このパック電池は、防水袋3で電池のコアパック10を防水しながら、これをクッション材30に使用して、外装ケース4の衝撃を吸収して、耐衝撃強度を向上することもできる。
【0040】
防水袋3は、図16に示すように、可撓性シートを袋状に成形したものである。防水袋3の可撓性シートには、プラスチックシートが使用できる。プラスチックシートには、ポリイミド(PI)、ポリエチレンイミド(PEI)、ペット(PET)等が使用できる。これらのプラスチックシートは、可撓性と耐熱性に優れている特長がある。また、電池の安全弁が開弁されたときに排出される電解液によって、溶融されたり化学反応を起こすこともない。ただ、可撓性シートには、他のプラスチックシートも使用できる。
【0041】
図16に示す防水袋3は、電池のコアパック10を収納する収納部3Bを備えており、リード線8を引き出すために一部を開口している。防水袋3は、収納部3Bに電池のコアパック10を収納すると共に、コアパック10から引き出されたリード線8を開口部から外部に引き出している。防水袋3の収納部3Bは、電池のコアパック10を収納できる形状と大きさに成形している。防水袋3は、収納される電池のコアパック10の外形に沿う袋状、たとえば、コアパック10を無理なく収納できるように、コアパック10の外形よりも多少大きな直方体形状や角筒状とすることができる。ただ、防水袋は、円筒状や楕円筒状とすることもできる。
【0042】
防水袋3は、図16ないし図19に示すように、収納部3Bを、電池のコアパック10を収納できる袋状として、この部分に電池のコアパック10を収納すると共に、リード線8を引き出す部分である開口部を細く絞ってリード線引出部3Yとしている。図に示す防水袋3は、開口部と収納部3Bを同じ太さの筒状としている。この防水袋3は、プラスチックを筒状にインフレーション成形したものを、所定の長さに切断して、能率よく安価に多量生産できる。図に示す防水袋3は、筒状に成形された可撓性シートの一端を溶着または接着して、他端を開口部とする袋状に成形している。さらに、袋状に成形された防水袋3の収納部3Bに電池のコアパック10を挿入し、開口部からリード線8を引き出すと共に、この部分を細く絞ってリード線引出部3Yとしている。
【0043】
防水袋3は、細く絞られたリード線引出部3Yを、図18に示すように、閉塞具9で閉塞して、電池のコアパック10を防水構造で収納できる。図に示す閉塞具9は、リード線引出部3Yを外部から結束する結束具9Aである。図18の結束具9Aは結束バンドである。結束バンドである結束具9Aは、リード線8を挿通しているリード線引出部3Yにバンド部9aを巻き付けて、バンド部9aを係止部9bに挿通した後、係止部9bをバンド部9aの根元に向かって締め付けして外れないように結束する。ただ、結束具には線材を使用することもできる。線材である結束具には、図示しないが、針金や結束紐が使用できる。線材である結束具は、リード線を挿通しているリード線引出部に外部から巻き付けて結束する。さらに、閉塞具には、粘着テープを使用することもできる。粘着テープである閉塞具は、リード線引出部に巻き付けて閉塞する。以上の閉塞具は、簡単な構造で、しかも低コストにリード線引出部3Yを外部から閉塞できる。また、結束具9Aや粘着テープである閉塞具9は、たとえば、防水袋3から引き出されるリード線8と開口部との隙間に接着剤を充填する状態として、その外側から結束する等の構造で防水袋3の開口部を確実に閉塞できる。
【0044】
さらに、防水袋は、図示しないが、リード線引出部をコードブッシュで閉塞することもできる。コードブッシュは、たとえば、ゴムや軟質プラスチック等のゴム状弾性体で成形して、リード線を水密に挿通させると共に、外周面に沿って防水袋の可撓性シートを水密に結束して水密に閉塞できる。このように、ゴム状弾性体でのコードブッシュは、リード線や防水袋の可撓性シートを弾性的に挟着して、防水構造に密閉しながらリード線を引き出すことができる。ゴム状弾性体であるコードブッシュは、リード線をインサート成形して、リード線を水密に挿通することも、リード線を貫通孔に圧入する状態で挿通して水密に挿通することもできる。以上のコードブッシュは、リード線と防水袋とを別々に密閉するので、リード線と防水袋の両方を確実に防水構造で閉塞できる特徴がある。ただ、閉塞具は、リード線と可撓性シートとの両方を水密に挟着して、リード線を防水構造で防水袋から引き出すこともできる。
【0045】
以上のように、リード線引出部3Yが防水構造で閉塞される防水袋3は、外部から水分が浸入するのを有効に防止して、内部に収納されるコアパック10を確実に防水する。さらに、防水構造で閉塞される防水袋3は、収納される電池1の安全弁が開弁されたときに排出される電解液が防水袋3の外側に漏れるのを有効に防止できる特長もある。
【0046】
防水袋3からリード線8を引き出したリード線引出部3Yは、図19に示すように、コアパック10の端部において折り返されて、電池ホルダ2の下方に設けた引出スペース42に配置される。電池ホルダ2は、図7と図8に示すように、一対の支持側壁12の間に、防水袋3のリード線引出部3Yを配置する引出スペース42を設けている。引出スペース42は、基板の収納スペース41の反対側に設けられる。図7と図8の電池ホルダ2は、電池収納部40の上方に基板の収納スペース41を設けているので、電池収納部40の下方に引出スペース42を設けている。図に示す電池ホルダ2は、一対の支持側壁12を、保持筒11の両端から、図において下方に突出させており、一対の支持側壁12の間に、リード線引出部3Yを収納する引出スペース42を設けている。引出スペース42は、リード線8を収納している防水袋3の開口部であるリード線引出部3Yを配設できる深さに設計される。
【0047】
以上のパック電池は、以下のようにして組み立てられる。
(1) 図11に示すように、全ての電池1を電池ホルダ2の保持筒11に挿入した後、一対のホルダユニット2Aを連結して電池ブロック集合体20とする。
(2) 電池ホルダ2の収納スペース41に基板ホルダ7を固定する。基板ホルダ7は、図15に示すように、位置決凸部28を、止ネジ39を介して電池ホルダ2に固定する。基板ホルダ7は、回路基板6をインサートして内蔵している。
(3) 各々の電池1の端面電極に、リード板5を溶着して固定する。リード板5の接続部5Aを回路基板6に接続する。リード板5の接続部5Aは、支持側壁12の接続窓12Bに配置されて、基板ホルダ7から引き出された接続リード21に接続される。リード板5の接続部5Aは、接続リード21のリードピン21Aにハンダ付け等の方法で接続され、あるいは、接続リード21のリード板21Bに連結ネジ31をねじ込んで、ネジ止めして連結される。
以上の工程で、電池のコアパック10が組み立てられる。
【0048】
(4) 図16ないし図19に示すように電池のコアパック10を防水袋3に入れて、出力リード8を防水袋3の開口部から外部に引き出す。出力リード8を引き出す開口部は、結束具やコードブッシュ等の閉塞具9で閉塞することができる。出力リード8を引き出す部分をリード線引出部3Yとして、このリード線引出部3Yを折り返して、電池ホルダ2の引出スペース42に配置する。このとき、コアパック10が収納された防水袋3の外側を収縮チューブや粘着テープで被覆することもできる。
(5) 防止袋3に収納された電池のコアパック10を外装ケース4に収納する。
(6) 外装ケース4の第1ケース4Aと第2ケース4Bとを連結する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のパック電池は、屋外で使用される電気機器、たとえば電動自転車や電動車両、作業用ロボット用の電源として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来のパック電池の横断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるパック電池の斜視図である。
【図3】図2に示すパック電池の分解斜視図である。
【図4】図3に示すパック電池を下側から見た背面斜視図である。
【図5】図2に示すパック電池の垂直縦断面図である。
【図6】図5に示すパック電池にコアパックが収納される状態を示す垂直縦断面図である。
【図7】図2に示すパック電池の垂直横断面図である。
【図8】図7に示すパック電池にコアパックが収納される状態を示す垂直横断面図である。
【図9】図2に示すパック電池のコアパックの斜視図である。
【図10】図9に示すコアパックの分解斜視図である。
【図11】図9に示すコアパックの電池ブロック集合体の分解斜視図である。
【図12】図9に示すコアパックの横断面図である。
【図13】基板ホルダの斜視図である
【図14】図13に示す基板ホルダの底面斜視図である
【図15】回路基板の斜視図である。
【図16】コアパックを防水袋に挿入する状態を示す斜視図である。
【図17】コアパックを防水袋に挿入した状態を示す斜視図である。
【図18】図17に示すコアパックのリード線を防水袋から引き出す状態を示す斜視図である。
【図19】防水袋から引き出したリード線を引出スペースに配置した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1…電池
2…電池ホルダ 2A…ホルダーユニット
3…防水袋 3B…収納部
3Y…リード線引出部
4…外装ケース 4A…第1ケース
4B…第2ケース
4a…開口窓
5…リード板 5A…接続部
6…回路基板
7…基板ホルダ
8…出力リード
9…閉塞具 9A…結束具
9a…バンド部
9b…係止部
10…コアパック
11…保持筒 11A…開口部
12…支持側壁 12A…接触プレート部
12B…接続窓
13…挿通穴
14…プラスチック
15…コネクタ
20…電池ブロック集合体
21…接続リード 21A…リードピン
21B…リード板
22…ボス
23…止ネジ
24…位置決凹部
25…ナット材
27…連結孔
28…位置決凸部
29…連結ボス
30…クッション材
31…連結ネジ
34…周壁
35…ボス
39…止ネジ
40…電池収納部
41…収納スペース
42…引出スペース
90…電池ブロック集合体
91…電池
92…インナーケース
96…回路基板
97…基板ホルダ
98…ポッティング樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池(1)を平行に配列してなる電池ブロック集合体(20)と、この電池ブロック集合体(20)を構成する電池(1)にリード板(5)を介して接続してなる電池(1)の保護回路を実装する回路基板(6)と、この回路基板(6)を定位置に配置するプラスチック製の基板ホルダ(7)と、基板ホルダ(7)を介して回路基板(6)を定位置に連結してなる電池ブロック集合体(20)を収納している外装ケース(4)とを備えるパック電池であって、
回路基板(6)が電池(1)に接続される接続リード(21)を連結しており、プラスチック製の基板ホルダ(7)は、回路基板(6)に連結している接続リード(21)を外部に突出または表出させる状態で回路基板(6)をインサート成形して埋設しており、基板ホルダ(7)から突出または表出する接続リード(21)を電池(1)に接続してなることを特徴とするパック電池。
【請求項2】
回路基板(6)が、電池(1)に接続される接続リード(21)に加えて、パック電池の出力端子に接続される出力リード(8)を連結しており、出力リード(8)を外部に突出させる状態で、基板ホルダ(7)が回路基板(6)をインサート成形してなる請求項1に記載されるパック電池。
【請求項3】
出力リード(8)が可撓性のリード線である請求項2に記載されるパック電池。
【請求項4】
基板ホルダ(7)が、電池ブロック集合体(20)との対向面を嵌着形状に成形してなる請求項1に記載されるパック電池。
【請求項5】
電池(1)がリチウムイオン二次電池で、電池ブロック集合体(20)を構成する全ての電池(1)を回路基板(6)に接続しており、回路基板(6)に実装される保護回路が、電池電圧を検出して電池の充放電をコントロールする電圧検出回路を備える請求項1に記載されるパック電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−166208(P2008−166208A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356920(P2006−356920)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】