パーティクル発生要因判別システム、パーティクル発生要因判別方法及び記憶媒体
【課題】パーティクルの発生要因に関する知識を殆ど有していない者であってもパーティクルの発生要因を正確に判別することができるパーティクル発生要因判別システムを提供する。
【解決手段】パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システム43は、クライアントPC47と、ホストサーバ48とを備え、ホストサーバ48は、複数のパーティクル発生要因の各々に関する確度を算出する算出方法のプログラムを格納するメモリと、各格納されたプログラムに基づいてパーティクルマップ、各パーティクルの材質、形状及びサイズから上記確度を各パーティクル発生要因について算出するCPUとを有し、クライアントPC47は各パーティクル発生要因について算出された確度をディスプレイ51に表示する。
【解決手段】パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システム43は、クライアントPC47と、ホストサーバ48とを備え、ホストサーバ48は、複数のパーティクル発生要因の各々に関する確度を算出する算出方法のプログラムを格納するメモリと、各格納されたプログラムに基づいてパーティクルマップ、各パーティクルの材質、形状及びサイズから上記確度を各パーティクル発生要因について算出するCPUとを有し、クライアントPC47は各パーティクル発生要因について算出された確度をディスプレイ51に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクル発生要因判別システム、パーティクル発生要因判別方法及び記憶媒体に関し、基板に所定の処理を施す基板処理システムにおいて発生したパーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、基板処理システムは、プラズマを用いて基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)にプラズマ処理を施すプロセスモジュールと、該プロセスモジュール及びウエハを収容する容器であるフープの間においてウエハを搬送するトランスファモジュールやローダーモジュールとを備える。この基板処理システムでは、ウエハにプラズマ処理を施す際やウエハを搬送する際にパーティクルが付着することがある。付着したパーティクルはウエハから製造される半導体デバイスの欠陥の原因となるため、ウエハにパーティクルが付着するのを防止する必要がある。
【0003】
パーティクルは、ウエハと構成部品の機械的な接触や、処理ガスと他の物質との化学的な反応等の様々な要因で発生するが、基板処理システムでは、多数のウエハにプラズマ処理を施して大量の半導体デバイスを量産するため、パーティクルの発生要因が解消されないと半導体デバイスの歩留まりが極度に低下する。したがって、基板処理システムにおいて、パーティクルの発生要因を判別し、該発生要因を根絶することが非常に重要である。
【0004】
そこで、従来より、ウエハに付着したパーティクルを詳細に検査して検査結果からパーティクルの発生要因を判別する方法が種々提案されている。具体的には、ウエハにおけるパーティクルの分布状況を異物マップとして入手し、該異物マップにおけるパーティクルを自動的に分類することによってパーティクルの発生要因の判別を容易化する方法が提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−189896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した方法が実行されて異物マップにおいてパーティクルの分類結果が示されても、該分類結果からパーティクルの発生要因を判別するには、パーティクルの発生要因に精通する技術者、例えば、基板処理システムを製造した製造業者の技術者の知識が必要である。
【0006】
また、基板処理システムは該基板処理システムの製造業者の工場ではなく該基板処理システムを購入した顧客の工場に設置されるため、基板処理システムの近傍に製造業者の技術者が常に待機している訳ではない。したがって、ウエハにパーティクルが付着するようになっても、最初にパーティクルの発生要因を判別するのは顧客の技術者である。
【0007】
通常、該顧客の技術者はパーティクルの発生要因に関する詳細な知識を殆ど有していないことが多いため、例え、パーティクルの分類結果を示されても、パーティクルの発生要因を正確に判別することができないという問題がある。そのために、製造業者の技術者が顧客の工場に着くまで基板処理システムが停止され、該基板処理システムの稼働率が低下する等の不都合が生じている。
【0008】
本発明の目的は、パーティクルの発生要因に関する知識を殆ど有していない者であってもパーティクルの発生要因を正確に判別することができるパーティクル発生要因判別システム、パーティクル発生要因判別方法及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のパーティクル発生要因判別システムは、ユーザインターフェイス装置と、パーティクル発生要因判別装置とを備え、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムであって、前記パーティクル発生要因判別装置は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納する格納部と、前記格納されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出部とを有し、前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記算出部は、さらに前記パーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから前記点数を算出することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1又は2記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記算出部は、前記格納されたプログラムに基づき、前記基板処理システムの種類に応じて前記点数を算出するか否かを判別することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記格納部は、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記格納部が格納する前記算出方法のプログラムに対応するパーティクル発生要因は、前記基板の周縁部における局所的な接触、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ、前記基板を囲む部材からの発塵、ガス穴転写、COP、析出ゴミ、水−ハロゲン系ガスの反応、及び前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板の周縁部における局所的な接触の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は前記基板を囲む部材からの発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ガス穴転写の可能性を点数で算出する算出方法では、基板処理システムが備えるプロセスモジュールにおいて処理ガスを供給するシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、前記基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0017】
請求項9記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記COPの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0018】
請求項10記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記析出ゴミの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面において分布する前記パーティクルの数及び前記基板の周縁部表面において分布する前記パーティクルの数に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0019】
請求項11記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記水−ハロゲン系ガスの反応の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの二次曲線状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0020】
請求項12記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの螺旋状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0021】
請求項13記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ユーザインターフェイス装置は前記基板の表面におけるパーティクル分布を表示し、さらに、前記パーティクル分布において各前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルを、他の前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示することを特徴とする。
【0022】
請求項14記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について対策方法を表示することを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するために、請求項15記載のパーティクル発生要因判別方法は、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法であって、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するために、請求項16記載の記憶媒体は、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記パーティクル発生要因判別方法は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載のパーティクル発生要因判別システム、請求項15記載のパーティクル発生要因判別方法、及び請求項16記載の記憶媒体によれば、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から点数が各パーティクル発生要因について算出され、該算出された点数が表示されるので、パーティクルの発生要因に関する知識を殆ど有していない者であっても、表示された点数を参照することによってパーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0026】
請求項2記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、さらにパーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから点数が算出されるので、各パーティクル発生要因の可能性の点数をさらに正確に算出することができる。
【0027】
請求項3記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、各格納されたプログラムに基づき、基板処理システムの種類に応じて各パーティクル発生要因の可能性の点数が算出されるか否かが判別されるので、あり得ないパーティクル発生要因について可能性の点数が算出されることはなく、これにより、パーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0028】
請求項4記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができるので、最新のパーティクルの発生要因に関する情報に基づいてパーティクルの発生要因を判別することができる。
【0029】
請求項6記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。基板の周縁部における局所的な接触によって発生するパーティクルは基板における他の部材、例えば、テーパパッドと接触する部分に主として付着する。したがって、基板の周縁部における局所的な接触がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0030】
請求項7記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は基板を囲む部材からの発塵によって発生するパーティクルは基板の周縁部に主として付着する。したがって、基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は基板を囲む部材からの発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0031】
請求項8記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、シャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて点数が算出される。ガス穴転写によって発生するパーティクルはシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置に対応するように基板に付着する。したがって、ガス穴転写がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0032】
請求項9記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。COPに起因するパーティクルは基板の中心部に主として発生する。したがって、COPがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0033】
請求項10記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の中心部表面において分布するパーティクルの数及び基板の周縁部表面において分布するパーティクルの数に基づいて点数が算出される。析出ゴミは基板の特定の位置に付着せず、基板の中心部及び周縁部に満遍なく付着する。したがって、析出ゴミがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0034】
請求項11記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて点数が算出される。水−ハロゲン系ガスの反応によって発生するパーティクルは基板へ二次曲線状に付着する。したがって、水−ハロゲン系ガスの反応がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0035】
請求項12記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて点数が算出される。基板の回転機構を有する測定器、例えば、メトロロジーユニットでは基板の測定中、該基板が回転するため、メトロロジーユニットにおいて発塵したパーティクルは螺旋状に付着する。したがって、基板の回転機構を有する測定器における発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0036】
請求項13記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、パーティクル分布において各パーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示されるので、算出された点数の確かさを目視で確認することができる。
【0037】
請求項14記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、各パーティクル発生要因について対策方法が表示されるので、直ちに対策を行うことができ、これにより、基板処理システムが停止する時間を短縮することができ、もって、基板処理システムの稼働率が低下するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムによって発生要因が判別されるパーティクルが付着した基板を処理した基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。
【0040】
図1において、基板処理システム10は、平面視六角形のトランスファモジュール11と、該トランスファモジュール11の周囲において放射状に配置された4つのプロセスモジュール12〜15と、矩形状の共通搬送室としてのローダーモジュール16とを備える。
【0041】
各プロセスモジュール12〜15は、半導体デバイス用の基板(以下、「ウエハ」という。)Wに所定の処理を施す基板処理装置である。例えば、プロセスモジュール12はウエハWにプラズマを用いてエッチング処理を施すエッチング処理装置である。
【0042】
基板処理システム10では、トランスファモジュール11及び各プロセスモジュール12〜15は内部の圧力が真空に維持され、ローダーモジュール16の内部圧力が大気圧に維持される。
【0043】
トランスファモジュール11はその内部に屈伸及び旋回自在になされたフロッグレッグタイプの基板搬送ユニット17を有し、基板搬送ユニット17は、水平方向に伸縮自在且つ回転自在なアーム18と、該アーム18の先端部に接続されてウエハWを支持する二股状の搬送フォーク19とを有する。基板搬送ユニット17は、各プロセスモジュール12〜15の間においてウエハWを搬送する。また、搬送フォーク19は支持するウエハWの周縁に当接し、該ウエハWを安定させる突起状の複数のテーパパッド20(他の部材)を有する。
【0044】
ローダーモジュール16には、25枚のウエハWを収容する容器としてのフープ(Front Opening Unified Pod)21がそれぞれ載置される3つのフープ載置台22と、フープ21から搬出されたウエハWの位置をプリアライメントするオリエンタ23と、エッチング処理が施されたウエハWの表面を測定するメトロロジーユニット24(測定器)とが接続されている。該メトロロジーユニット24はウエハWを載置する回転台25(回転機構)と、該回転台25に載置されたウエハWの表面を操作するスキャナ(図示しない)とを有する。ローダーモジュール16は、内部に配置され且つウエハWを搬送する基板搬送ユニット26を有し、該基板搬送ユニット26によってウエハWを所望の位置に搬送する。
【0045】
図2は、図1におけるプロセスモジュールの構成を概略的に示す断面図である。
【0046】
図2において、プロセスモジュール12は、例えば、直径が300mmのウエハWを収容するチャンバ27を有し、該チャンバ27内にはウエハWを載置する円柱状のサセプタ28が配置されている。また、チャンバ27には排気管29が接続されている。
【0047】
排気管29にはTMP(Turbo Molecular Pump)及びDP(Dry Pump)(ともに図示しない)が接続され、これらのポンプはチャンバ27内を真空引きして減圧する。
【0048】
チャンバ27内のサセプタ28には下部高周波電源30が接続されており、該下部高周波電源30は所定の高周波電力をサセプタ28に供給する。サセプタ28の上部には、静電電極板31を内部に有する台状の静電チャック32が配置されている。静電チャック32では、静電電極板31に直流電源33が電気的に接続されている。静電電極板31に正の直流電圧が印加されると、クーロン力又はジョンソン・ラーベック力によってウエハWが静電チャック32の上面に吸着保持される。
【0049】
また、静電チャック32には、吸着保持されたウエハWを囲うように、円環状のフォーカスリング34(基板を囲む部材)が載置される。フォーカスリング34は、導電性部材、例えば、シリコンからなり、チャンバ27内のプラズマをウエハWの表面に向けて収束し、エッチング処理の効率を向上させる。
【0050】
チャンバ27の天井部には、サセプタ28と対向するようにシャワーヘッド35が配置されている。シャワーヘッド35には上部高周波電源36が接続されており、上部高周波電源36は所定の高周波電力をシャワーヘッド35に供給する。シャワーヘッド35は、多数のガス穴37を有する円板状の天井電極板38と、該天井電極板38を釣支するクーリングプレート39と、該クーリングプレート39を覆う蓋体40とを有する。また、該クーリングプレート39の内部にはバッファ室41が設けられ、このバッファ室41には処理ガス導入管42が接続されている。シャワーヘッド35は、処理ガス導入管42からバッファ室41へ供給された処理ガス、例えば、CF系ガスを含む混合ガスを、ガス穴37を介してチャンバ27内へ供給する。天井電極板38では、チャンバ27内へ面する下面において多数のガス穴37が規則的に、例えば、放射状若しくは同心円状に配置されている。
【0051】
このプロセスモジュール12では、処理ガスをチャンバ27内へ供給するとともに、サセプタ28やシャワーヘッド35によってチャンバ27内へ高周波電圧を印加して処理ガスからプラズマを発生させ、該プラズマを用いてウエハWにエッチング処理を施す。
【0052】
次に、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムについて説明する。
【0053】
図3は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムの構成を概略的に示す図である。
【0054】
図3において、パーティクル発生要因判別システム43は、ウエハWの表面を撮影し、又はウエハWの表面からの反射光を受光してウエハW表面の画像データ(図4(A))を取り込むウエハ表面検査装置44と、走査型分析電子顕微鏡45(SEM−EDX)を有し、ウエハWの表面における各パーティクルの大きさや形状(図4(B))をSEM画像データとして取得し、さらに該パーティクルの材質を分析するパーティクル材質分析装置46と、ユーザインターフェイス装置としてのクライアントPC47と、パーティクル発生要因判別装置としてのホストサーバ48と、ウエハ表面検査装置44、パーティクル材質分析装置46、クライアントPC47及びホストサーバ48を互いに通信可能に接続するケーブル49とを備える。
【0055】
クライアントPC47は、顧客の技術者の入力を受け付けるキーボード50と、後述する各パーティクル発生要因に関する確度を表示するディスプレイ51とを有する。ホストサーバ48は、メモリ(格納部)及びCPU(算出部)(いずれも図示しない)を有する。
【0056】
ホストサーバ48のメモリは、ウエハWの表面にパーティクルが付着した場合、そのパーティクルはどのパーティクル発生要因によって発生したのかについての確からしさ(可能性)の点数(以下、「確度」という。)を算出する確度算出方法のプログラムを、後述する複数のパーティクル発生要因に関して格納する。また、該メモリは各パーティクル発生要因によって発生するパーティクルの代表的な材質(ナトリウム、硫黄、アルミ、弗素、炭素等)、形状(球状度、房状度、フィルム度、針状度、四角錐度、ウォーターマーク度、花びら度、フレーク度等)及びサイズのデータを予め格納している。
【0057】
ホストサーバ48のCPUは、ウエハ表面検査装置44から送信されたウエハW表面の画像データを、ウエハWの諸元値(ウエハWの外周円や内周円の大きさ)に基づいて2値変換等により、ウエハWの表面におけるパーティクルの分布状況を示すデータであるパーティクルマップに変換し、さらに、メモリから各パーティクル発生要因に関する確度算出方法のプログラムを読み出し、パーティクルマップやパーティクル材質分析装置46から送信された各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータから、読み出した確度算出方法のプログラムに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出する。このとき、本実施の形態では、直径300mmのウエハW表面の画像データが直径600mmのパーティクルマップに変換される。
【0058】
本実施の形態では、ホストサーバ48のメモリが、テーパパッドとの接触(基板の周縁部における局所的な接触)、フォーカスリングとのこすれ(基板及び該基板を囲む部材のこすれ)、フォーカスリングの肩やられ(Attacked Shoulder)(基板を囲む部材からの発塵)、ガス穴転写、周縁偏り、COP、析出ゴミ、水−CF系ガスの反応(水−ハロゲン系ガスの反応)、及びメトロロジーユニットにおける発塵(基板の回転機構を有する測定器における発塵)のそれぞれに対応する確度算出方法のプログラムを格納する。各パーティクル発生要因については後述する。なお、該メモリは上述した全ての確度算出方法のプログラムを格納する必要はなく、また、上述した確度算出方法のプログラムの他の確度算出方法のプログラムを格納してもよい。さらに、メモリは、確度算出方法のプログラムの削除、追加が自在であり、例えば、新しいパーティクル発生要因が発見されたときには、該パーティクル発生要因に対応する新規の確度算出方法のプログラムを追加可能である。該新規の確度算出方法のプログラムは記憶媒体やネットワークを介してメモリに供給される。
【0059】
なお、パーティクル発生要因判別システム43は、ウエハ表面検査装置44及びパーティクル材質分析装置46を備えなくてもよい。この場合、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータはクライアントPC47を介して入力される。
【0060】
図5は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別方法としてのパーティクル発生要因判別処理を示すフローチャートである。本処理は、クライアントPC47を介した顧客の技術者の入力に応じてホストサーバ48のCPUが実行する。
【0061】
図5において、まず、ウエハ表面検査装置44から送信されたウエハW表面の画像データを変換してパーティクルマップを取得し(ステップS501)、顧客の技術者がクライアントPC47で入力した基板処理システム10やプロセスモジュール12の名称を該クライアントPC47から取得し(ステップS502)、さらに、パーティクル材質分析装置46から各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータを取得する(ステップS503)。
【0062】
次いで、メモリからパーティクル発生要因としてのテーパパッドとの接触に関する確度算出方法のプログラムを読み出し、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータから、読み出されたテーパパッドとの接触に関する確度算出方法のプログラムに基づいてテーパパッドとの接触に関する確度を算出する(ステップS504)。以下、同様に、フォーカスリングとのこすれに関する確度を算出し(ステップS505)、フォーカスリングの肩やられに関する確度を算出し(ステップS506)、ガス穴転写に関する確度を算出し(ステップS507)、周縁偏りに関する確度を算出し(ステップS508)、COPに関する確度を算出し(ステップS509)、析出ゴミに関する確度を算出し(ステップS510)、水−CF系ガスの反応に関する確度を算出し(ステップS511)、及びメトロロジーユニットにおける発塵に関する確度を算出する(ステップS512)。
【0063】
次いで、算出された各パーティクル発生要因に関する確度をディスプレイ51に表示し(ステップS513)、その後、本処理を終了する。
【0064】
図6は、図5のステップS513におけるクライアントPCのディスプレイの表示内容を示す図である。
【0065】
図6において、ディスプレイ51は、各パーティクル発生要因に関する確度を示す確度リスト52と、パーティクルマップ53とを表示する。確度リスト52では、確度の高い順にパーティクル発生要因が並べられ、各パーティクル発生要因についてその確度が表示される。パーティクルマップ53はウエハWの表面における所定の大きさ以上の全てのパーティクルの分布状況を示すが、確度リスト52における或るパーティクル発生要因をポインティングデバイス等によって指し示すと、パーティクルマップ53において、指し示されたパーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルと色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)等が変更されて表示される。
【0066】
また、確度リスト52における或るパーティクル発生要因をポインティングデバイス等によってダブルクリックして選択すると、該選択されたパーティクル発生要因についての対策方法(例えば、フォーカスリング34の交換やシャワーヘッド35のクリーニング)がテキストで表示される。
【0067】
図6の処理によれば、複数のパーティクル発生要因の各々に関する確度が表示されるので、顧客の技術者であっても、表示された確度を参照することによってパーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0068】
また、図6の処理では、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズに基づいて確度が算出されるので、各パーティクル発生要因に関する確度をさらに正確に算出することができる。なお、パーティクルマップ、並びに各パーティクルの材質、形状及びサイズの全てに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出する必要はなく、パーティクルマップ、並びに各パーティクルの材質、形状及びサイズのいずれかのデータが欠けている場合、欠けていないデータのみに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出してもよい。
【0069】
上述したパーティクル発生要因判別システム43では、ホストサーバ48のメモリが新しいパーティクル発生要因に対応する新規の確度算出方法のプログラムを格納することができるので、顧客の技術者は最新のパーティクルの発生要因に関する情報に基づいてパーティクルの発生要因を判別することができる。
【0070】
また、クライアントPC47のディスプレイ51では、パーティクルマップ53において各パーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)等が変更されて表示されるので、算出された各パーティクル発生要因に関連する確度の確かさを目視で確認することができる。
【0071】
さらに、クライアントPC47のディスプレイ51では、選択されたパーティクル発生要因について対策方法が表示されるので、直ちに対策を行うことができ、これにより、基板処理システム10が停止する時間を短縮することができ、もって、基板処理システム10の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0072】
上述したパーティクル発生要因判別システム43では、クライアントPC47とホストサーバ48が別体で構成されたが、クライアントPC及びホストサーバを一体化してもよく、さらに、一体化されたクライアントPC及びホストサーバを基板処理システム10に付してもよい。
【0073】
次に、図5のステップS504〜S512における確度算出について詳述する。
【0074】
図7は、図5のステップS504における、テーパパッドとの接触に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。テーパパッド20及びウエハWの接触によって発生するパーティクルはウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位に主として付着する。したがって、図7の処理では、ウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位のパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0075】
図7において、まず、基板処理システム10やプロセスモジュール12の種類によって搬送フォーク19の形状や該搬送フォーク19上のテーパパッド20の配置位置、数が異なるため、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてテーパパッド20のタイプ(配置位置、数)を特定する(ステップS701)。
【0076】
次いで、特定されたテーパパッド20の配置位置や数からウエハWにおけるテーパパッド20との接触部位を特定し、パーティクルマップにおいて該特定された接触部位に対応する領域をテーパパッド対応領域54として設定し、該テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在するか否かを判別する(ステップS702)。
【0077】
テーパパッド対応領域54は、図8(A)において斜線部で示すように、各テーパパッド20との接触部位からパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度で±5°、パーティクルマップの周縁から内側へ30mmに亘る領域である。なお、図8(A)は搬送フォーク19が8つのテーパパッド20を有する場合に該当する。
【0078】
ステップS702の判別の結果、テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在する場合、パーティクルマップからテーパパッド対応領域内割合、テーパパッド周辺領域内割合、及びテーパパッド対応領域内集中度を算出する。テーパパッド周辺領域55は、各テーパパッド対応領域54を囲う領域であり、各テーパパッド20との接触部位からパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度で±10°、パーティクルマップの周縁から内側へ50mmに亘る領域であって、該領域からテーパパッド対応領域54を除外した領域である(図8(B))。
【0079】
テーパパッド対応領域内割合、テーパパッド周辺領域内割合、及びテーパパッド対応領域内集中度はそれぞれ下記式で示される。
テーパパッド対応領域内割合 = テーパパッド対応領域54内におけるパーティクル分布密度/パーティクルマップにおける半径200mm〜300mmの間(外側)におけるパーティクル分布密度
テーパパッド周辺領域内割合 = テーパパッド周辺領域55内におけるパーティクル分布密度/パーティクルマップにおける半径200mm〜300mmの間(外側)におけるパーティクル分布密度
テーパパッド対応領域内集中度 = テーパパッド対応領域54内のパーティクル数/(テーパパッド対応領域54内のパーティクル数+テーパパッド周辺領域55内のパーティクル数)×100
さらに、確度を下記式から算出し(ステップS703)、ステップS705に進む。
確度 = テーパパッド対応領域内割合+テーパパッド周辺領域内割合×テーパパッド対応領域内集中度
続くステップS705では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、該確度にパーティクルの材質、形状及びサイズから算出された確度を加算し(ステップS706)、本処理を終了する。
【0080】
ステップS706では、メモリに格納された、テーパパッドとの接触によって発生するパーティクルの代表的な材質、形状及びサイズのデータと、パーティクル材質分析装置46から取得した各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータとを比較する。材質の類似度や形状及びサイズの一致度がある閾値以上であれば、テーパパッドとの接触がパーティクル発生要因である可能性が高いとし、確度として5を算出する。なお、確度は材質、形状及びサイズのそれぞれについて算出される。
【0081】
ステップS702の判別の結果、テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在しない場合、確度を0に設定し(ステップS704)、本処理を終了する。
【0082】
図7の処理によれば、ウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位のパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがテーパパッド20及びウエハWの接触によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、テーパパッドとの接触がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0083】
図9は、図5のステップS505における、フォーカスリングとのこすれに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。フォーカスリング34及びウエハWのこすれによって発生するパーティクルは、ウエハWの周縁部に主として付着する。また、こすれとはウエハWがフォーカスリング34と局所的に接触する現象であるため、パーティクルはウエハWの周縁部において局所的且つ比較的内側に分布する。したがって、図9の処理では、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0084】
基板処理システム10やプロセスモジュール12の種類によってフォーカスリング34の種類が異なり、基板処理システム10の種類によってはフォーカスリング34及びウエハWのこすれが発生しないことがある。そこで、図9において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてフォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS901)。
【0085】
ステップS901の判別の結果、フォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当する場合、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であるか否かを判別する(ステップS902)。
【0086】
ステップS902の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS903)、ステップS905に進む。
確度 = 安定度×100
ここで、安定度は下記式から算出される。
安定度 = ベクトル平均/スカラー平均
但し、ベクトル平均は、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域に存在する全てのパーティクルのパーティクルマップの中心からの距離の平均値であり、スカラー平均は、パーティクルマップの中心を原点とした場合のパーティクルマップにおける半径250mm以上の領域に存在する全てのパーティクルの位置ベクトルのx成分及びy成分をそれぞれの平均した平均x成分及び平均y成分に対応するポイントの座標の原点からの距離である。
【0087】
ステップS902の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS904)、ステップS905に進む。
確度 = テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度×100
テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度は、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域であって、テーパパッド対応領域が除外された領域に存在する全てのパーティクルに関する安定度である。この安定度も上記式から算出される。
【0088】
次いで、ウエハWの周縁部におけるピークの数が1か否かを判別する(ステップS905)。ここでは、パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域を週方向に10等分した場合(図10(A))における各領域(1,2,3...)に存在するパーティクルの数をグラフ(図10(B))にプロットしたとき、該グラフにおいて、或る領域のパーティクルの数と、隣接する他の領域のパーティクルの数との差が全領域におけるパーティクルの数の標準偏差より大きい場合、当該或る領域を上記ピークとする(図10(B)では領域9がピークに該当する。)。
【0089】
ステップS905の判別の結果、ピークの数が1である場合、確度に20を加算して(ステップS906)ステップS907に進み、ピークの数が1でない場合はそのままステップS907に進む。
【0090】
次いで、エッジ領域の角度が45°以下であるか否かを判別し(ステップS907)、エッジ領域の角度が45°以下である場合、ステップS911に進み、エッジ領域の角度が45°より大きい場合、ステップS908に進む。
【0091】
ここで、エッジ領域は、図10(B)におけるピーク(領域9)を挟む2つの谷(領域7,領域4)に挟まれた領域のうち、該領域に存在する全パーティクルの90%以上が分布する領域(図10(C)における濃色部分が該当する。)である。
【0092】
続く、ステップS908では、エッジ領域の角度が90°以下であるか否かを判別し、エッジ領域の角度が90°以下である場合、さらに、パーティクルマップの中心からパーティクルマップにおける半径200mm以上の領域に存在する全パーティクルまでの距離の平均(以下、「パーティクル平均距離」という。)が270mmより小さいか否かを判別し(ステップS909)、パーティクル平均距離が270mmよりも小さい場合、ステップS911に進む。
【0093】
ステップS908の判別の結果、エッジ領域の角度が90°より大きい場合、及びステップS909の判別の結果、パーティクル平均距離が270mm以上である場合、確度を3で除算し(ステップS910)、ステップS911に進む。
【0094】
続くステップS911では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS913)、本処理を終了する。
【0095】
また、ステップS901の判別の結果、フォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS912)、本処理を終了する。
【0096】
図9の処理によれば、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがフォーカスリング34及びウエハWとのこすれによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、フォーカスリングとのこすれがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0097】
図11は、図5のステップS506における、フォーカスリングの肩やられに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ウエハWによるフォーカスリング34の肩やられによって発生するパーティクルは、ウエハWの周縁部に主として付着する。また、肩やられとはプラズマ中のイオン等によってフォーカスリングの肩部がスパッタリングにより削れる現象であるため、パーティクルはウエハWの周縁部において広範囲且つ比較的外側に分布する。したがって、図11の処理では、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0098】
ここで、基板処理システム10の種類によってはウエハWによるフォーカスリング34の肩やられが発生しないことがある。そこで、図11において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてフォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1101)。
【0099】
ステップS1101の判別の結果、フォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当する場合、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であるか否かを判別する(ステップS1102)。
【0100】
ステップS1102の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1103)、ステップS1105に進む。ここでの安定度は、図9の処理における安定度と同じである。
確度 = 安定度×100
ステップS1102の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1104)、ステップS1105に進む。
確度 = テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度×100
ここでのテーパパッド対応領域を除外した場合の安定度も、図9の処理におけるテーパパッド対応領域を除外した場合の安定度と同じである。
【0101】
次いで、ウエハWの周縁部におけるピークの数が1か否かを判別する(ステップS1105)。ここでのピークも図9の処理におけるピークと同じである。
【0102】
ステップS1105の判別の結果、ピークの数が1である場合、確度に20を加算して(ステップS1106)ステップS1107に進み、ピークの数が1でない場合はそのままステップS1107に進む。
【0103】
次いで、エッジ領域の角度が90°以上であるか否かを判別し(ステップS1107)、エッジ領域の角度が90°以上である場合、ステップS1111に進み、エッジ領域の角度が90°より小さい場合、ステップS1108に進む。ここでのエッジ領域も図9の処理におけるエッジ領域と同じである。
【0104】
続く、ステップS1108では、エッジ領域の角度が45°以上であるか否かを判別し、エッジ領域の角度が45°以上である場合、さらに、上述したパーティクル平均距離が270mm以上であるか否かを判別し(ステップS1109)、パーティクル平均距離が270mm以上である場合、ステップS1111に進む。
【0105】
ステップS1108の判別の結果、エッジ領域の角度が45°より小さい場合、及びステップS1109の判別の結果、パーティクル平均距離が270mmより小さいである場合、確度を3で除算し(ステップS1110)、ステップS1111に進む。
【0106】
続くステップS1111では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1113)、本処理を終了する。
【0107】
また、ステップS1101の判別の結果、フォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1112)、本処理を終了する。
【0108】
図11の処理によれば、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがウエハWによるフォーカスリング34の肩やられによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、フォーカスリングの肩やられがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0109】
図12は、図5のステップS507における、ガス穴転写に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ガス穴転写とは、チャンバ11内の上部で発生したパーティクルがシャワーヘッド35の各ガス穴37から噴出される処理ガスの粘性流によってウエハWの表面まで運ばれ、該パーティクルがウエハWの表面に付着する現象である。そのため、ガス穴転写によって発生するパーティクルは、シャワーヘッド35における複数のガス穴37の配置位置に対応するように、例えば、放射状や同心円状にウエハWへ付着する。したがって、図12の処理では、シャワーヘッド35の複数のガス穴37の配置位置と、ウエハWの表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて確度が算出される。
【0110】
ここで、基板処理システム10の種類によってはガス穴転写が発生しないことがある。そこで、図12において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてガス穴転写がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1201)。
【0111】
ステップS1201の判別の結果、ガス穴転写がパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、基板処理システム10等の名称に基づいてシャワーヘッド35における複数のガス穴37の配置位置が放射状か同心円状かを判別する(ステップS1202)。
【0112】
ステップS1202の判別の結果、複数のガス穴37の配置位置が放射状である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1203)、ステップS1205に進む。
確度 = ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度×(パーティクル数/10000)
ここで、ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度は下記式から算出される。
ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度 = 2500−((ガス穴格子ラインからの距離)2の標準偏差)
ここで、ガス穴格子ラインからの距離とは、パーティクルマップに一辺が20mm〜40mmのいずれかの大きさのメッシュからなる格子を重ね、該格子をずらしたときの各メッシュにおける該メッシュに含まれる各パーティクルから当該メッシュの各辺(ライン)までの距離の平均値の最小値である。なお、各パーティクルからメッシュの各辺までの距離は、該メッシュの各辺の長さを100としたときの相対値である。
【0113】
ステップS1202の判別の結果、複数のガス穴37の配置位置が同心円状である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1204)、ステップS1205に進む。
確度 = パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合×10
ここで、パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合とは、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域を、該パーティクルマップの中心を回転中心として1°毎に分割した各領域(図13)に含まれるパーティクルの数からなる数列からバンドパスフィルタによって得た130〜150周波数の成分の割合である。
【0114】
続くステップS1205では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1207)、本処理を終了する。
【0115】
また、ステップS1201の判別の結果、ガス穴転写がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1206)、本処理を終了する。
【0116】
図12の処理によれば、シャワーヘッド35の複数のガス穴37の配置位置と、ウエハWの表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて確度が算出されるので、パーティクルがガス穴転写によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、ガス穴転写がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0117】
図14は、図5のステップS508における、周縁偏りに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。周縁偏りとは、パーティクルがウエハWの周縁部に数多く分布する状況である。したがって、図14の処理では、ウエハWの周縁部に存在するパーティクルの割合に基づいて確度が算出される。
【0118】
ここで、基板処理システム10の種類によっては周縁偏りが発生しないことがある。そこで、図14において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて周縁偏りがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1401)。
【0119】
ステップS1401の判別の結果、周縁偏りがパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きいか否か、又はフォーカスリングとのこすれに関する確度が50より大きいか否かを判別する(ステップS1402)。
【0120】
ステップS1402の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であり、且つフォーカスリングとのこすれに関する確度が50以下である場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外することなく、下記式から外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1403)。
外側パーティクルの割合 = パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域における単位面積あたりのパーティクル数/パーティクルマップの全領域における単位面積あたりのパーティクル数×100
次いで、外側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1404)、外側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1405)、ステップS1407に進む。
確度 = (外側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1404の判別の結果、外側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1406)、ステップS1407に進む。
確度 = 外側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布の均一性が0.2以上であるか否かを判別する(ステップS1407)。ここで、パーティクル分布の均一性とは、パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域を円周方向に6等分した場合(図15)の各領域が含むパーティクル数の最小値を各領域が含むパーティクル数の最大値で除算したものである。
【0121】
ステップS1407の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.2以上である場合、そのままステップS1415に進み、パーティクル分布の均一性が0.2より小さい場合、確度を2で除算し(ステップS1408)、ステップS1415に進む。
【0122】
ステップS1402の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きく、又はフォーカスリングとのこすれに関する確度が50より大きい場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外して、外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1409)。
【0123】
次いで、外側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1410)、外側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1411)、ステップS1413に進む。
確度 = (外側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1410の判別の結果、外側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1412)、ステップS1413に進む。
確度 = 外側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布の均一性が0.1以上であるか否かを判別する(ステップS1413)。
【0124】
ステップS1413の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.1以上である場合、そのままステップS1415に進み、パーティクル分布の均一性が0.1より小さい場合、確度を2で除算し(ステップS1414)、ステップS1415に進む。
【0125】
続くステップS1415では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1417)、本処理を終了する。
【0126】
また、ステップS1401の判別の結果、周縁偏りがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1416)、本処理を終了する。
【0127】
図14の処理によれば、ウエハWの周縁部に存在するパーティクルの割合(外側パーティクルの割合)に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが周縁偏りによって発生したか否かの確度を正確に算出することができる。
【0128】
図16は、図5のステップS509における、COPに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。COPとは、ウエハWの結晶欠陥から生じるパーティクルであり、ウエハWの外部から付着するパーティクルではない。また、結晶欠陥はウエハを切り出すシリコンのインゴットを製造する際に該インゴットの中心部に多く生じ、その結果、ウエハWの中心においてCOPに起因するパーティクルが発生しやすい。したがって、図16の処理では、ウエハWの中心部表面におけるパーティクル分布密度に基づいて確度が算出される。
【0129】
ここで、ウエハの種類によってはCOPが発生しないことがある。そして、用いるウエハは基板処理システム10の種類によってほぼ決まる。そこで、図16において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてCOPがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1601)。
【0130】
ステップS1601の判別の結果、COPがパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きいか否か、又は周縁偏りに関する確度が50より大きいか否かを判別する(ステップS1602)。
【0131】
ステップS1602の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であり、且つ周縁偏りに関する確度が50以下である場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外することなく、下記式から内側パーティクルの割合を算出する(ステップS1603)。
内側パーティクルの割合 = パーティクルマップにおける半径200mm以下の領域における単位面積あたりのパーティクル数/パーティクルマップの全領域における単位面積あたりのパーティクル数×100
ステップS1602の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きく、又は周縁偏りに関する確度が50より大きい場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外して内側パーティクルの割合を算出する(ステップS1604)。
【0132】
次いで、内側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1605)、内側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1606)、ステップS1608に進む。
確度 = (内側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1605の判別の結果、内側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1607)、ステップS1608に進む。
確度 = 内側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高いか否かを判別する(ステップS1608)。具体的には、図17に示すように、パーティクルマップにおいて半径30mm未満の領域(領域A)、半径30mm以上且つ100mm未満の領域(領域B)、及び半径200mm以上の領域(領域C)のそれぞれにおける単位面積あたりのパーティクル数を算出し、単位面積あたりのパーティクル数が領域A≧領域B≧領域Cを満たすか否かを判別する。
【0133】
ステップS1608の判別の結果、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高い場合、確度に30を加算し(ステップS1609)、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高くはなっていない場合、確度から30だけ減算する(ステップS1610)。
【0134】
次いで、パーティクル分布の均一性が0.1より大きいか否かを判別する(ステップS1611)。ここでのパーティクル分布の均一性は、図14の処理におけるパーティクル分布の均一性と同じである。
【0135】
ステップS1611の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.1より大きい場合、そのままステップS1613に進み、パーティクル分布の均一性が0.1以下の場合、確度を2で除算し(ステップS1612)、ステップS1613に進む。
【0136】
続くステップS1613では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1615)、本処理を終了する。
【0137】
また、ステップS1601の判別の結果、COPがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1614)、本処理を終了する。
【0138】
図16の処理によれば、ウエハWの中心部表面におけるパーティクル分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがCOPによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、COPがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0139】
図18は、図5のステップS510における、析出ゴミに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。析出ゴミとは、ウエハWの表面上に析出した微小なゴミであり、該ゴミはウエハWが大気中に放置されると成長してパーティクルとなる。また、ウエハWの表面において微小なゴミはウエハWの表面の全面亘ってランダム的に析出する。したがって、図18の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの全体的な分布状態、具体的には、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合に基づいて確度が算出される。
【0140】
ここで、基板処理システム10の種類によっては析出ゴミが発生しないことがある。そこで、図18において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて析出ゴミがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1801)。
【0141】
ステップS1801の判別の結果、析出ゴミがパーティクル発生要因に該当する場合、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1802)。ここでの内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合は、図14及び図16の処理における内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合と同じである。
【0142】
次いで、確度を下記式から算出する(ステップS1803)。
確度 = 100−ABS(外側パーティクルの割合−内側パーティクルの割合)×2
ここで、ABSは絶対値を示す。
【0143】
次いで、ガス穴転写に関する確度が50より小さいか否かを判別し(ステップS1804)、ガス穴転写に関する確度が50より小さい場合は、さらに、周縁偏りに関する確度が50より小さいか否かを判別し(ステップS1805)、周縁偏りに関する確度が50より小さい場合、そのままステップS1807に進む。
【0144】
ステップS1804の判別の結果、ガス穴転写に関する確度が50以上である場合、及びステップS1805の判別の結果、周縁偏りに関する確度が50以上である場合、確度を2で除算してステップS1807に進む。
【0145】
続くステップS1807では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1809)、本処理を終了する。
【0146】
また、ステップS1801の判別の結果、析出ゴミがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1808)、本処理を終了する。
【0147】
図18の処理によれば、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが析出ゴミによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、析出ゴミがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0148】
図19は、図5のステップS511における、水−CF系ガスの反応に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。処理ガス中のCF系ガスがチャンバ11内に残留し、水分と反応すると反応生成物が生じ、該反応生成物がパーティクルとしてウエハWの表面に付着する。このとき、付着したパーティクルはウエハWの表面上において二次曲線状に分布する。したがって、図19の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて確度が算出される。
【0149】
ここで、基板処理システム10の種類によっては水−CF系ガスの反応が発生しないことがある。そこで、図19において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1901)。
【0150】
ステップS1901の判別の結果、水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当する場合、パーティクルマップにおいてV字状二次曲線を特定する(ステップS1902)。
【0151】
図20は、ステップS1902におけるV字状二次曲線の特定について説明するための図である。
【0152】
図20(A)において、パーティクルマップ上に濃色で示すパーティクル群56a〜56eが存在している。これらのパーティクル群56a〜56eから、外縁部に存在しているパーティクル群(パーティクルマップにおける半径275mm以上の領域に存在するパーティクル群)、パーティクルマップにおける面積が所定値より小さいパーティクル群、及びパーティクルマップの中心を原点とした座標系において各パーティクル群を通過するV字状二次曲線を近似的に算出し、該V字状二次曲線を中心線とする幅40mmの帯に全てのパーティクルが含まれないパーティクル群を除外する。
【0153】
さらに、図20(B)に示す、除外されなかったパーティクル群56a,56b,56cを通過するV字状二次曲線57a,57bを近似的に算出してパーティクルマップ上にプロットする。このとき、算出されるV字状二次曲線が接近する複数のパーティクル群同士(例えば、パーティクル群56a,56b)については各パーティクル群を通過する1つのV字状二次曲線57aを算出する。
【0154】
次いで、確度を下記式から算出し(ステップS1903)、ステップS1904に進む。
確度 = V字状二次曲線へのパーティクル集中度
ここで、V字状二次曲線へのパーティクル集中度は下記式から算出される。
V字状二次曲線へのパーティクル集中度 = パーティクル群におけるV字状二次曲線からの距離が15mm以内のパーティクルの数/パーティクル群におけるV字状二次曲線からの距離が30mm以内のパーティクルの数×100
次いで、確度が30より大きく且つ70より小さいか否かを判別し(ステップS1904)、確度が30以下であるか、又は70以上である場合、そのままステップS1906に進み、確度が30より大きく且つ70より小さい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1905)、ステップS1906に進む。
確度 = V字状二次曲線におけるパーティクル占有率
ここで、V字状二次曲線におけるパーティクル占有率は、V字状二次曲線においてパーティクル群におけるパーティクルが存在する部分の長さのV字状二次曲線の全長に対する割合である。
【0155】
次いで、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1906)、本処理を終了する。
【0156】
また、ステップS1901の判別の結果、水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1907)、本処理を終了する。
【0157】
図19の処理によれば、ウエハWの表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが水−CF系ガスの反応によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、水−CF系ガスの反応がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0158】
図21は、図5のステップS512における、メトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ウエハWが帯電していると、メトロロジーユニット24内において発塵して浮遊するパーティクルがウエハWの表面に引き寄せられて付着することがある。また、メトロロジーユニット24では、ウエハWの表面の検査の際、ウエハWが回転台25に載置されて回転されるため、ウエハWの表面に付着するパーティクルは螺旋状に分布する。したがって、図21の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて確度が算出される。
【0159】
ここで、基板処理システム10の種類によってはメトロロジーユニット24を備えないものがある。そこで、図21において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてメトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS2101)。
【0160】
ステップS2101の判別の結果、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当する場合、パーティクルマップにおいて螺旋状分布を特定する(ステップS2102)。
【0161】
図22は、ステップS2102における螺旋状分布の特定について説明するための図である。
【0162】
図22(A)において、パーティクルマップ上に濃色で示すパーティクルの螺旋状分布58a〜58cが存在している。これらの螺旋状分布58a〜58cから、外縁部に存在しているパーティクル(パーティクルマップにおける半径275mm以上の領域に存在するパーティクル)及び中心部に存在しているパーティクル(パーティクルマップにおける半径35mm以下の領域に存在するパーティクル)を除外する。
【0163】
また、パーティクルマップを、格子を用いて半径方向が3mm且つパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度が1°であるメッシュに分解し(図22(A))、各メッシュを、x軸がパーティクルマップの中心からの距離であり且つy軸がパーティクルの中心を回転中心とする場合の回転角度である座標系(以下、「変換座標系」という。)に変換配置する(図22(B)、但し、図中各メッシュの枠線は省略する。)。さらに、変換座標系をx=300mmの線に関して対称に複写する。そして、変換座標系と複写された変換座標系を並べた座標系(以下、「拡大座標系」という。)において各螺旋状分布58a〜58cを通過する二次曲線59a〜59cを近似的に算出する。このとき、二次曲線においてパーティクルが存在するメッシュ(螺旋状分布に対応するメッシュ)が占有する長さが二次曲線の全長の50%以下である螺旋状分布やx軸方向の長さが20mm以下の螺旋状分布を拡大座標系から除去する。また、互いに近接する複数の螺旋状分布を一定の条件下で結合する。
【0164】
次いで、確度を下記式から算出し(ステップS2103)、ステップS2104に進む。
確度 = 二次曲線におけるパーティクル占有率×螺旋状分布長さ/螺旋状分布構成パーティクル数
ここで、二次曲線におけるパーティクル占有率は、拡大座標系における、二次曲線の全長に対する二次曲線においてパーティクルが存在するメッシュ(螺旋状分布に対応するメッシュ)が占有する長さの割合である。
【0165】
次いで、確度が0より大きいか否かを判別し(ステップS2104)、確度が0である場合、本処理を終了し、確度が0より大きい場合、拡大座標系における螺旋状分布から回帰直線を求め、該回帰直線の傾きを確度に加算する(ステップS2105)。
【0166】
次いで、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS2106)、本処理を終了する。
【0167】
また、ステップS2101の判別の結果、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS2107)、本処理を終了する。
【0168】
図21の処理によれば、ウエハWの表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがメトロロジーユニットにおいて発塵したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0169】
また、上述した図9のフォーカスリングとのこすれに関する確度算出処理、図11のフォーカスリングの肩やられに関する確度算出処理、図12のガス穴転写に関する確度算出処理、図14の周縁偏りに関する確度算出処理、図16のCOPに関する確度算出処理、図18の析出ゴミに関する確度算出処理、図19の水−CF系ガスの反応に関する確度算出処理及び図21のメトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出処理では、基板処理システム10等の名称に基づいて各パーティクル発生要因に関する確度が算出されるか否かが判別される(ステップS901、ステップS1101、ステップS1201、ステップS1401、ステップS1601、ステップS1801、ステップS1901、及びステップS2101)ので、対象となる基板処理システム10では起こり得ないパーティクル発生要因について確度が算出されることはなく、これにより、パーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0170】
なお、上述した本実施の形態では、エッチング処理が施される基板が半導体ウエハWであったが、エッチング処理が施される基板はこれに限られず、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等のガラス基板であってもよい。
【0171】
また、本発明の目的は、上述した本実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体を、コンピュータに供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される。
【0172】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が上述した本実施の形態の機能を実現することになり、プログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0173】
また、プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
【0174】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上記本実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した本実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0175】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した本実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0176】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムによって発生要因が判別されるパーティクルが付着した基板を処理した基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1におけるプロセスモジュールの構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムの構成を概略的に示す図である。
【図4】図3のパーティクル発生要因判別システムが用いるデータを示す図であり、図4(A)はウエハ表面の画像データであり、図4(B)はパーティクルの大きさや形状のSEM画像データである。
【図5】本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別方法としてのパーティクル発生要因判別処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS513におけるクライアントPCのディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】テーパパッドとの接触に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図8】パーティクルマップにおけるテーパパッド対応領域及びテーパパッド周辺領域を示す図であり、図8(A)はパーティクルマップにおける各テーパパッド対応領域の位置を示す平面図であり、図8(B)はパーティクルマップにおけるテーパパッド対応領域及びテーパパッド周辺領域を示す拡大平面図である。
【図9】フォーカスリングとのこすれに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図10】フォーカスリングとのこすれに関する確度算出に用いるデータを説明するための図であり、図10(A)はパーティクルマップの周縁部において10等分された各領域を示す平面図であり、図10(B)は図10(A)の各領域におけるパーティクル数をプロットしたグラフであり、図10(C)はエッジ領域を示す平面図である。
【図11】フォーカスリングの肩やられに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図12】ガス穴転写に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図13】パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合の算出に用いられる各領域を示す平面図である。
【図14】周縁偏りに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図15】パーティクルマップの周縁部において10等分された各領域を示す平面図である。
【図16】COPに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図17】パーティクルマップにおいて中心から分割された各領域を示す平面図である。
【図18】析出ゴミに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図19】水−CF系ガスの反応に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図20】ステップS1902におけるV字状二次曲線の特定について説明するための図であり、図20(A)はパーティクルマップにおける各パーティクル群を示す平面図であり、図20(B)は各パーティクル群に関して近似的に算出されたV字状二次曲線を示す平面図である。
【図21】メトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図22】ステップS2102における螺旋状分布の特定について説明するための図であり、図22(A)はパーティクルマップにおける各螺旋状分布を示す平面図であり、図22(B)はx軸がパーティクルマップの中心からの距離であり且つy軸がパーティクルの中心を回転中心とする場合の回転角度である座標系を示す図である。
【符号の説明】
【0178】
W ウエハ
10 基板処理システム
12 プロセスモジュール
20 テーパパッド
24 メトロロジーユニット
34 フォーカスリング
35 シャワーヘッド
37 ガス穴
43 パーティクル発生要因判別システム
47 クライアントPC
48 ホストサーバ
51 ディスプレイ
52 確度リスト
53 パーティクルマップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクル発生要因判別システム、パーティクル発生要因判別方法及び記憶媒体に関し、基板に所定の処理を施す基板処理システムにおいて発生したパーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、基板処理システムは、プラズマを用いて基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)にプラズマ処理を施すプロセスモジュールと、該プロセスモジュール及びウエハを収容する容器であるフープの間においてウエハを搬送するトランスファモジュールやローダーモジュールとを備える。この基板処理システムでは、ウエハにプラズマ処理を施す際やウエハを搬送する際にパーティクルが付着することがある。付着したパーティクルはウエハから製造される半導体デバイスの欠陥の原因となるため、ウエハにパーティクルが付着するのを防止する必要がある。
【0003】
パーティクルは、ウエハと構成部品の機械的な接触や、処理ガスと他の物質との化学的な反応等の様々な要因で発生するが、基板処理システムでは、多数のウエハにプラズマ処理を施して大量の半導体デバイスを量産するため、パーティクルの発生要因が解消されないと半導体デバイスの歩留まりが極度に低下する。したがって、基板処理システムにおいて、パーティクルの発生要因を判別し、該発生要因を根絶することが非常に重要である。
【0004】
そこで、従来より、ウエハに付着したパーティクルを詳細に検査して検査結果からパーティクルの発生要因を判別する方法が種々提案されている。具体的には、ウエハにおけるパーティクルの分布状況を異物マップとして入手し、該異物マップにおけるパーティクルを自動的に分類することによってパーティクルの発生要因の判別を容易化する方法が提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−189896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した方法が実行されて異物マップにおいてパーティクルの分類結果が示されても、該分類結果からパーティクルの発生要因を判別するには、パーティクルの発生要因に精通する技術者、例えば、基板処理システムを製造した製造業者の技術者の知識が必要である。
【0006】
また、基板処理システムは該基板処理システムの製造業者の工場ではなく該基板処理システムを購入した顧客の工場に設置されるため、基板処理システムの近傍に製造業者の技術者が常に待機している訳ではない。したがって、ウエハにパーティクルが付着するようになっても、最初にパーティクルの発生要因を判別するのは顧客の技術者である。
【0007】
通常、該顧客の技術者はパーティクルの発生要因に関する詳細な知識を殆ど有していないことが多いため、例え、パーティクルの分類結果を示されても、パーティクルの発生要因を正確に判別することができないという問題がある。そのために、製造業者の技術者が顧客の工場に着くまで基板処理システムが停止され、該基板処理システムの稼働率が低下する等の不都合が生じている。
【0008】
本発明の目的は、パーティクルの発生要因に関する知識を殆ど有していない者であってもパーティクルの発生要因を正確に判別することができるパーティクル発生要因判別システム、パーティクル発生要因判別方法及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のパーティクル発生要因判別システムは、ユーザインターフェイス装置と、パーティクル発生要因判別装置とを備え、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムであって、前記パーティクル発生要因判別装置は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納する格納部と、前記格納されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出部とを有し、前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記算出部は、さらに前記パーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから前記点数を算出することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1又は2記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記算出部は、前記格納されたプログラムに基づき、前記基板処理システムの種類に応じて前記点数を算出するか否かを判別することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記格納部は、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記格納部が格納する前記算出方法のプログラムに対応するパーティクル発生要因は、前記基板の周縁部における局所的な接触、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ、前記基板を囲む部材からの発塵、ガス穴転写、COP、析出ゴミ、水−ハロゲン系ガスの反応、及び前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板の周縁部における局所的な接触の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は前記基板を囲む部材からの発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ガス穴転写の可能性を点数で算出する算出方法では、基板処理システムが備えるプロセスモジュールにおいて処理ガスを供給するシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、前記基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0017】
請求項9記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記COPの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0018】
請求項10記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記析出ゴミの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面において分布する前記パーティクルの数及び前記基板の周縁部表面において分布する前記パーティクルの数に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0019】
請求項11記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記水−ハロゲン系ガスの反応の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの二次曲線状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0020】
請求項12記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項5記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの螺旋状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする。
【0021】
請求項13記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ユーザインターフェイス装置は前記基板の表面におけるパーティクル分布を表示し、さらに、前記パーティクル分布において各前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルを、他の前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示することを特徴とする。
【0022】
請求項14記載のパーティクル発生要因判別システムは、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システムにおいて、前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について対策方法を表示することを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するために、請求項15記載のパーティクル発生要因判別方法は、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法であって、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するために、請求項16記載の記憶媒体は、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記パーティクル発生要因判別方法は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載のパーティクル発生要因判別システム、請求項15記載のパーティクル発生要因判別方法、及び請求項16記載の記憶媒体によれば、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から点数が各パーティクル発生要因について算出され、該算出された点数が表示されるので、パーティクルの発生要因に関する知識を殆ど有していない者であっても、表示された点数を参照することによってパーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0026】
請求項2記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、さらにパーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから点数が算出されるので、各パーティクル発生要因の可能性の点数をさらに正確に算出することができる。
【0027】
請求項3記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、各格納されたプログラムに基づき、基板処理システムの種類に応じて各パーティクル発生要因の可能性の点数が算出されるか否かが判別されるので、あり得ないパーティクル発生要因について可能性の点数が算出されることはなく、これにより、パーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0028】
請求項4記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができるので、最新のパーティクルの発生要因に関する情報に基づいてパーティクルの発生要因を判別することができる。
【0029】
請求項6記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。基板の周縁部における局所的な接触によって発生するパーティクルは基板における他の部材、例えば、テーパパッドと接触する部分に主として付着する。したがって、基板の周縁部における局所的な接触がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0030】
請求項7記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は基板を囲む部材からの発塵によって発生するパーティクルは基板の周縁部に主として付着する。したがって、基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は基板を囲む部材からの発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0031】
請求項8記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、シャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて点数が算出される。ガス穴転写によって発生するパーティクルはシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置に対応するように基板に付着する。したがって、ガス穴転写がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0032】
請求項9記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて点数が算出される。COPに起因するパーティクルは基板の中心部に主として発生する。したがって、COPがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0033】
請求項10記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の中心部表面において分布するパーティクルの数及び基板の周縁部表面において分布するパーティクルの数に基づいて点数が算出される。析出ゴミは基板の特定の位置に付着せず、基板の中心部及び周縁部に満遍なく付着する。したがって、析出ゴミがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0034】
請求項11記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて点数が算出される。水−ハロゲン系ガスの反応によって発生するパーティクルは基板へ二次曲線状に付着する。したがって、水−ハロゲン系ガスの反応がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0035】
請求項12記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、基板の表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて点数が算出される。基板の回転機構を有する測定器、例えば、メトロロジーユニットでは基板の測定中、該基板が回転するため、メトロロジーユニットにおいて発塵したパーティクルは螺旋状に付着する。したがって、基板の回転機構を有する測定器における発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0036】
請求項13記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、パーティクル分布において各パーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示されるので、算出された点数の確かさを目視で確認することができる。
【0037】
請求項14記載のパーティクル発生要因判別システムによれば、各パーティクル発生要因について対策方法が表示されるので、直ちに対策を行うことができ、これにより、基板処理システムが停止する時間を短縮することができ、もって、基板処理システムの稼働率が低下するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムによって発生要因が判別されるパーティクルが付着した基板を処理した基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。
【0040】
図1において、基板処理システム10は、平面視六角形のトランスファモジュール11と、該トランスファモジュール11の周囲において放射状に配置された4つのプロセスモジュール12〜15と、矩形状の共通搬送室としてのローダーモジュール16とを備える。
【0041】
各プロセスモジュール12〜15は、半導体デバイス用の基板(以下、「ウエハ」という。)Wに所定の処理を施す基板処理装置である。例えば、プロセスモジュール12はウエハWにプラズマを用いてエッチング処理を施すエッチング処理装置である。
【0042】
基板処理システム10では、トランスファモジュール11及び各プロセスモジュール12〜15は内部の圧力が真空に維持され、ローダーモジュール16の内部圧力が大気圧に維持される。
【0043】
トランスファモジュール11はその内部に屈伸及び旋回自在になされたフロッグレッグタイプの基板搬送ユニット17を有し、基板搬送ユニット17は、水平方向に伸縮自在且つ回転自在なアーム18と、該アーム18の先端部に接続されてウエハWを支持する二股状の搬送フォーク19とを有する。基板搬送ユニット17は、各プロセスモジュール12〜15の間においてウエハWを搬送する。また、搬送フォーク19は支持するウエハWの周縁に当接し、該ウエハWを安定させる突起状の複数のテーパパッド20(他の部材)を有する。
【0044】
ローダーモジュール16には、25枚のウエハWを収容する容器としてのフープ(Front Opening Unified Pod)21がそれぞれ載置される3つのフープ載置台22と、フープ21から搬出されたウエハWの位置をプリアライメントするオリエンタ23と、エッチング処理が施されたウエハWの表面を測定するメトロロジーユニット24(測定器)とが接続されている。該メトロロジーユニット24はウエハWを載置する回転台25(回転機構)と、該回転台25に載置されたウエハWの表面を操作するスキャナ(図示しない)とを有する。ローダーモジュール16は、内部に配置され且つウエハWを搬送する基板搬送ユニット26を有し、該基板搬送ユニット26によってウエハWを所望の位置に搬送する。
【0045】
図2は、図1におけるプロセスモジュールの構成を概略的に示す断面図である。
【0046】
図2において、プロセスモジュール12は、例えば、直径が300mmのウエハWを収容するチャンバ27を有し、該チャンバ27内にはウエハWを載置する円柱状のサセプタ28が配置されている。また、チャンバ27には排気管29が接続されている。
【0047】
排気管29にはTMP(Turbo Molecular Pump)及びDP(Dry Pump)(ともに図示しない)が接続され、これらのポンプはチャンバ27内を真空引きして減圧する。
【0048】
チャンバ27内のサセプタ28には下部高周波電源30が接続されており、該下部高周波電源30は所定の高周波電力をサセプタ28に供給する。サセプタ28の上部には、静電電極板31を内部に有する台状の静電チャック32が配置されている。静電チャック32では、静電電極板31に直流電源33が電気的に接続されている。静電電極板31に正の直流電圧が印加されると、クーロン力又はジョンソン・ラーベック力によってウエハWが静電チャック32の上面に吸着保持される。
【0049】
また、静電チャック32には、吸着保持されたウエハWを囲うように、円環状のフォーカスリング34(基板を囲む部材)が載置される。フォーカスリング34は、導電性部材、例えば、シリコンからなり、チャンバ27内のプラズマをウエハWの表面に向けて収束し、エッチング処理の効率を向上させる。
【0050】
チャンバ27の天井部には、サセプタ28と対向するようにシャワーヘッド35が配置されている。シャワーヘッド35には上部高周波電源36が接続されており、上部高周波電源36は所定の高周波電力をシャワーヘッド35に供給する。シャワーヘッド35は、多数のガス穴37を有する円板状の天井電極板38と、該天井電極板38を釣支するクーリングプレート39と、該クーリングプレート39を覆う蓋体40とを有する。また、該クーリングプレート39の内部にはバッファ室41が設けられ、このバッファ室41には処理ガス導入管42が接続されている。シャワーヘッド35は、処理ガス導入管42からバッファ室41へ供給された処理ガス、例えば、CF系ガスを含む混合ガスを、ガス穴37を介してチャンバ27内へ供給する。天井電極板38では、チャンバ27内へ面する下面において多数のガス穴37が規則的に、例えば、放射状若しくは同心円状に配置されている。
【0051】
このプロセスモジュール12では、処理ガスをチャンバ27内へ供給するとともに、サセプタ28やシャワーヘッド35によってチャンバ27内へ高周波電圧を印加して処理ガスからプラズマを発生させ、該プラズマを用いてウエハWにエッチング処理を施す。
【0052】
次に、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムについて説明する。
【0053】
図3は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムの構成を概略的に示す図である。
【0054】
図3において、パーティクル発生要因判別システム43は、ウエハWの表面を撮影し、又はウエハWの表面からの反射光を受光してウエハW表面の画像データ(図4(A))を取り込むウエハ表面検査装置44と、走査型分析電子顕微鏡45(SEM−EDX)を有し、ウエハWの表面における各パーティクルの大きさや形状(図4(B))をSEM画像データとして取得し、さらに該パーティクルの材質を分析するパーティクル材質分析装置46と、ユーザインターフェイス装置としてのクライアントPC47と、パーティクル発生要因判別装置としてのホストサーバ48と、ウエハ表面検査装置44、パーティクル材質分析装置46、クライアントPC47及びホストサーバ48を互いに通信可能に接続するケーブル49とを備える。
【0055】
クライアントPC47は、顧客の技術者の入力を受け付けるキーボード50と、後述する各パーティクル発生要因に関する確度を表示するディスプレイ51とを有する。ホストサーバ48は、メモリ(格納部)及びCPU(算出部)(いずれも図示しない)を有する。
【0056】
ホストサーバ48のメモリは、ウエハWの表面にパーティクルが付着した場合、そのパーティクルはどのパーティクル発生要因によって発生したのかについての確からしさ(可能性)の点数(以下、「確度」という。)を算出する確度算出方法のプログラムを、後述する複数のパーティクル発生要因に関して格納する。また、該メモリは各パーティクル発生要因によって発生するパーティクルの代表的な材質(ナトリウム、硫黄、アルミ、弗素、炭素等)、形状(球状度、房状度、フィルム度、針状度、四角錐度、ウォーターマーク度、花びら度、フレーク度等)及びサイズのデータを予め格納している。
【0057】
ホストサーバ48のCPUは、ウエハ表面検査装置44から送信されたウエハW表面の画像データを、ウエハWの諸元値(ウエハWの外周円や内周円の大きさ)に基づいて2値変換等により、ウエハWの表面におけるパーティクルの分布状況を示すデータであるパーティクルマップに変換し、さらに、メモリから各パーティクル発生要因に関する確度算出方法のプログラムを読み出し、パーティクルマップやパーティクル材質分析装置46から送信された各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータから、読み出した確度算出方法のプログラムに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出する。このとき、本実施の形態では、直径300mmのウエハW表面の画像データが直径600mmのパーティクルマップに変換される。
【0058】
本実施の形態では、ホストサーバ48のメモリが、テーパパッドとの接触(基板の周縁部における局所的な接触)、フォーカスリングとのこすれ(基板及び該基板を囲む部材のこすれ)、フォーカスリングの肩やられ(Attacked Shoulder)(基板を囲む部材からの発塵)、ガス穴転写、周縁偏り、COP、析出ゴミ、水−CF系ガスの反応(水−ハロゲン系ガスの反応)、及びメトロロジーユニットにおける発塵(基板の回転機構を有する測定器における発塵)のそれぞれに対応する確度算出方法のプログラムを格納する。各パーティクル発生要因については後述する。なお、該メモリは上述した全ての確度算出方法のプログラムを格納する必要はなく、また、上述した確度算出方法のプログラムの他の確度算出方法のプログラムを格納してもよい。さらに、メモリは、確度算出方法のプログラムの削除、追加が自在であり、例えば、新しいパーティクル発生要因が発見されたときには、該パーティクル発生要因に対応する新規の確度算出方法のプログラムを追加可能である。該新規の確度算出方法のプログラムは記憶媒体やネットワークを介してメモリに供給される。
【0059】
なお、パーティクル発生要因判別システム43は、ウエハ表面検査装置44及びパーティクル材質分析装置46を備えなくてもよい。この場合、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータはクライアントPC47を介して入力される。
【0060】
図5は、本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別方法としてのパーティクル発生要因判別処理を示すフローチャートである。本処理は、クライアントPC47を介した顧客の技術者の入力に応じてホストサーバ48のCPUが実行する。
【0061】
図5において、まず、ウエハ表面検査装置44から送信されたウエハW表面の画像データを変換してパーティクルマップを取得し(ステップS501)、顧客の技術者がクライアントPC47で入力した基板処理システム10やプロセスモジュール12の名称を該クライアントPC47から取得し(ステップS502)、さらに、パーティクル材質分析装置46から各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータを取得する(ステップS503)。
【0062】
次いで、メモリからパーティクル発生要因としてのテーパパッドとの接触に関する確度算出方法のプログラムを読み出し、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータから、読み出されたテーパパッドとの接触に関する確度算出方法のプログラムに基づいてテーパパッドとの接触に関する確度を算出する(ステップS504)。以下、同様に、フォーカスリングとのこすれに関する確度を算出し(ステップS505)、フォーカスリングの肩やられに関する確度を算出し(ステップS506)、ガス穴転写に関する確度を算出し(ステップS507)、周縁偏りに関する確度を算出し(ステップS508)、COPに関する確度を算出し(ステップS509)、析出ゴミに関する確度を算出し(ステップS510)、水−CF系ガスの反応に関する確度を算出し(ステップS511)、及びメトロロジーユニットにおける発塵に関する確度を算出する(ステップS512)。
【0063】
次いで、算出された各パーティクル発生要因に関する確度をディスプレイ51に表示し(ステップS513)、その後、本処理を終了する。
【0064】
図6は、図5のステップS513におけるクライアントPCのディスプレイの表示内容を示す図である。
【0065】
図6において、ディスプレイ51は、各パーティクル発生要因に関する確度を示す確度リスト52と、パーティクルマップ53とを表示する。確度リスト52では、確度の高い順にパーティクル発生要因が並べられ、各パーティクル発生要因についてその確度が表示される。パーティクルマップ53はウエハWの表面における所定の大きさ以上の全てのパーティクルの分布状況を示すが、確度リスト52における或るパーティクル発生要因をポインティングデバイス等によって指し示すと、パーティクルマップ53において、指し示されたパーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルと色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)等が変更されて表示される。
【0066】
また、確度リスト52における或るパーティクル発生要因をポインティングデバイス等によってダブルクリックして選択すると、該選択されたパーティクル発生要因についての対策方法(例えば、フォーカスリング34の交換やシャワーヘッド35のクリーニング)がテキストで表示される。
【0067】
図6の処理によれば、複数のパーティクル発生要因の各々に関する確度が表示されるので、顧客の技術者であっても、表示された確度を参照することによってパーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0068】
また、図6の処理では、パーティクルマップや各パーティクルの材質、形状及びサイズに基づいて確度が算出されるので、各パーティクル発生要因に関する確度をさらに正確に算出することができる。なお、パーティクルマップ、並びに各パーティクルの材質、形状及びサイズの全てに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出する必要はなく、パーティクルマップ、並びに各パーティクルの材質、形状及びサイズのいずれかのデータが欠けている場合、欠けていないデータのみに基づいて各パーティクル発生要因に関する確度を算出してもよい。
【0069】
上述したパーティクル発生要因判別システム43では、ホストサーバ48のメモリが新しいパーティクル発生要因に対応する新規の確度算出方法のプログラムを格納することができるので、顧客の技術者は最新のパーティクルの発生要因に関する情報に基づいてパーティクルの発生要因を判別することができる。
【0070】
また、クライアントPC47のディスプレイ51では、パーティクルマップ53において各パーティクル発生要因に関連するパーティクルが、他のパーティクル発生要因に関連するパーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)等が変更されて表示されるので、算出された各パーティクル発生要因に関連する確度の確かさを目視で確認することができる。
【0071】
さらに、クライアントPC47のディスプレイ51では、選択されたパーティクル発生要因について対策方法が表示されるので、直ちに対策を行うことができ、これにより、基板処理システム10が停止する時間を短縮することができ、もって、基板処理システム10の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0072】
上述したパーティクル発生要因判別システム43では、クライアントPC47とホストサーバ48が別体で構成されたが、クライアントPC及びホストサーバを一体化してもよく、さらに、一体化されたクライアントPC及びホストサーバを基板処理システム10に付してもよい。
【0073】
次に、図5のステップS504〜S512における確度算出について詳述する。
【0074】
図7は、図5のステップS504における、テーパパッドとの接触に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。テーパパッド20及びウエハWの接触によって発生するパーティクルはウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位に主として付着する。したがって、図7の処理では、ウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位のパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0075】
図7において、まず、基板処理システム10やプロセスモジュール12の種類によって搬送フォーク19の形状や該搬送フォーク19上のテーパパッド20の配置位置、数が異なるため、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてテーパパッド20のタイプ(配置位置、数)を特定する(ステップS701)。
【0076】
次いで、特定されたテーパパッド20の配置位置や数からウエハWにおけるテーパパッド20との接触部位を特定し、パーティクルマップにおいて該特定された接触部位に対応する領域をテーパパッド対応領域54として設定し、該テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在するか否かを判別する(ステップS702)。
【0077】
テーパパッド対応領域54は、図8(A)において斜線部で示すように、各テーパパッド20との接触部位からパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度で±5°、パーティクルマップの周縁から内側へ30mmに亘る領域である。なお、図8(A)は搬送フォーク19が8つのテーパパッド20を有する場合に該当する。
【0078】
ステップS702の判別の結果、テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在する場合、パーティクルマップからテーパパッド対応領域内割合、テーパパッド周辺領域内割合、及びテーパパッド対応領域内集中度を算出する。テーパパッド周辺領域55は、各テーパパッド対応領域54を囲う領域であり、各テーパパッド20との接触部位からパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度で±10°、パーティクルマップの周縁から内側へ50mmに亘る領域であって、該領域からテーパパッド対応領域54を除外した領域である(図8(B))。
【0079】
テーパパッド対応領域内割合、テーパパッド周辺領域内割合、及びテーパパッド対応領域内集中度はそれぞれ下記式で示される。
テーパパッド対応領域内割合 = テーパパッド対応領域54内におけるパーティクル分布密度/パーティクルマップにおける半径200mm〜300mmの間(外側)におけるパーティクル分布密度
テーパパッド周辺領域内割合 = テーパパッド周辺領域55内におけるパーティクル分布密度/パーティクルマップにおける半径200mm〜300mmの間(外側)におけるパーティクル分布密度
テーパパッド対応領域内集中度 = テーパパッド対応領域54内のパーティクル数/(テーパパッド対応領域54内のパーティクル数+テーパパッド周辺領域55内のパーティクル数)×100
さらに、確度を下記式から算出し(ステップS703)、ステップS705に進む。
確度 = テーパパッド対応領域内割合+テーパパッド周辺領域内割合×テーパパッド対応領域内集中度
続くステップS705では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、該確度にパーティクルの材質、形状及びサイズから算出された確度を加算し(ステップS706)、本処理を終了する。
【0080】
ステップS706では、メモリに格納された、テーパパッドとの接触によって発生するパーティクルの代表的な材質、形状及びサイズのデータと、パーティクル材質分析装置46から取得した各パーティクルの材質、形状及びサイズのデータとを比較する。材質の類似度や形状及びサイズの一致度がある閾値以上であれば、テーパパッドとの接触がパーティクル発生要因である可能性が高いとし、確度として5を算出する。なお、確度は材質、形状及びサイズのそれぞれについて算出される。
【0081】
ステップS702の判別の結果、テーパパッド対応領域54にパーティクルが存在しない場合、確度を0に設定し(ステップS704)、本処理を終了する。
【0082】
図7の処理によれば、ウエハWにおけるテーパパッド20と接触する部位のパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがテーパパッド20及びウエハWの接触によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、テーパパッドとの接触がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0083】
図9は、図5のステップS505における、フォーカスリングとのこすれに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。フォーカスリング34及びウエハWのこすれによって発生するパーティクルは、ウエハWの周縁部に主として付着する。また、こすれとはウエハWがフォーカスリング34と局所的に接触する現象であるため、パーティクルはウエハWの周縁部において局所的且つ比較的内側に分布する。したがって、図9の処理では、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0084】
基板処理システム10やプロセスモジュール12の種類によってフォーカスリング34の種類が異なり、基板処理システム10の種類によってはフォーカスリング34及びウエハWのこすれが発生しないことがある。そこで、図9において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてフォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS901)。
【0085】
ステップS901の判別の結果、フォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当する場合、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であるか否かを判別する(ステップS902)。
【0086】
ステップS902の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS903)、ステップS905に進む。
確度 = 安定度×100
ここで、安定度は下記式から算出される。
安定度 = ベクトル平均/スカラー平均
但し、ベクトル平均は、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域に存在する全てのパーティクルのパーティクルマップの中心からの距離の平均値であり、スカラー平均は、パーティクルマップの中心を原点とした場合のパーティクルマップにおける半径250mm以上の領域に存在する全てのパーティクルの位置ベクトルのx成分及びy成分をそれぞれの平均した平均x成分及び平均y成分に対応するポイントの座標の原点からの距離である。
【0087】
ステップS902の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS904)、ステップS905に進む。
確度 = テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度×100
テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度は、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域であって、テーパパッド対応領域が除外された領域に存在する全てのパーティクルに関する安定度である。この安定度も上記式から算出される。
【0088】
次いで、ウエハWの周縁部におけるピークの数が1か否かを判別する(ステップS905)。ここでは、パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域を週方向に10等分した場合(図10(A))における各領域(1,2,3...)に存在するパーティクルの数をグラフ(図10(B))にプロットしたとき、該グラフにおいて、或る領域のパーティクルの数と、隣接する他の領域のパーティクルの数との差が全領域におけるパーティクルの数の標準偏差より大きい場合、当該或る領域を上記ピークとする(図10(B)では領域9がピークに該当する。)。
【0089】
ステップS905の判別の結果、ピークの数が1である場合、確度に20を加算して(ステップS906)ステップS907に進み、ピークの数が1でない場合はそのままステップS907に進む。
【0090】
次いで、エッジ領域の角度が45°以下であるか否かを判別し(ステップS907)、エッジ領域の角度が45°以下である場合、ステップS911に進み、エッジ領域の角度が45°より大きい場合、ステップS908に進む。
【0091】
ここで、エッジ領域は、図10(B)におけるピーク(領域9)を挟む2つの谷(領域7,領域4)に挟まれた領域のうち、該領域に存在する全パーティクルの90%以上が分布する領域(図10(C)における濃色部分が該当する。)である。
【0092】
続く、ステップS908では、エッジ領域の角度が90°以下であるか否かを判別し、エッジ領域の角度が90°以下である場合、さらに、パーティクルマップの中心からパーティクルマップにおける半径200mm以上の領域に存在する全パーティクルまでの距離の平均(以下、「パーティクル平均距離」という。)が270mmより小さいか否かを判別し(ステップS909)、パーティクル平均距離が270mmよりも小さい場合、ステップS911に進む。
【0093】
ステップS908の判別の結果、エッジ領域の角度が90°より大きい場合、及びステップS909の判別の結果、パーティクル平均距離が270mm以上である場合、確度を3で除算し(ステップS910)、ステップS911に進む。
【0094】
続くステップS911では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS913)、本処理を終了する。
【0095】
また、ステップS901の判別の結果、フォーカスリングとのこすれがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS912)、本処理を終了する。
【0096】
図9の処理によれば、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがフォーカスリング34及びウエハWとのこすれによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、フォーカスリングとのこすれがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0097】
図11は、図5のステップS506における、フォーカスリングの肩やられに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ウエハWによるフォーカスリング34の肩やられによって発生するパーティクルは、ウエハWの周縁部に主として付着する。また、肩やられとはプラズマ中のイオン等によってフォーカスリングの肩部がスパッタリングにより削れる現象であるため、パーティクルはウエハWの周縁部において広範囲且つ比較的外側に分布する。したがって、図11の処理では、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出される。
【0098】
ここで、基板処理システム10の種類によってはウエハWによるフォーカスリング34の肩やられが発生しないことがある。そこで、図11において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてフォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1101)。
【0099】
ステップS1101の判別の結果、フォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当する場合、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であるか否かを判別する(ステップS1102)。
【0100】
ステップS1102の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1103)、ステップS1105に進む。ここでの安定度は、図9の処理における安定度と同じである。
確度 = 安定度×100
ステップS1102の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1104)、ステップS1105に進む。
確度 = テーパパッド対応領域を除外した場合の安定度×100
ここでのテーパパッド対応領域を除外した場合の安定度も、図9の処理におけるテーパパッド対応領域を除外した場合の安定度と同じである。
【0101】
次いで、ウエハWの周縁部におけるピークの数が1か否かを判別する(ステップS1105)。ここでのピークも図9の処理におけるピークと同じである。
【0102】
ステップS1105の判別の結果、ピークの数が1である場合、確度に20を加算して(ステップS1106)ステップS1107に進み、ピークの数が1でない場合はそのままステップS1107に進む。
【0103】
次いで、エッジ領域の角度が90°以上であるか否かを判別し(ステップS1107)、エッジ領域の角度が90°以上である場合、ステップS1111に進み、エッジ領域の角度が90°より小さい場合、ステップS1108に進む。ここでのエッジ領域も図9の処理におけるエッジ領域と同じである。
【0104】
続く、ステップS1108では、エッジ領域の角度が45°以上であるか否かを判別し、エッジ領域の角度が45°以上である場合、さらに、上述したパーティクル平均距離が270mm以上であるか否かを判別し(ステップS1109)、パーティクル平均距離が270mm以上である場合、ステップS1111に進む。
【0105】
ステップS1108の判別の結果、エッジ領域の角度が45°より小さい場合、及びステップS1109の判別の結果、パーティクル平均距離が270mmより小さいである場合、確度を3で除算し(ステップS1110)、ステップS1111に進む。
【0106】
続くステップS1111では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1113)、本処理を終了する。
【0107】
また、ステップS1101の判別の結果、フォーカスリングの肩やられがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1112)、本処理を終了する。
【0108】
図11の処理によれば、ウエハWの周縁部におけるパーティクルの分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがウエハWによるフォーカスリング34の肩やられによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、フォーカスリングの肩やられがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0109】
図12は、図5のステップS507における、ガス穴転写に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ガス穴転写とは、チャンバ11内の上部で発生したパーティクルがシャワーヘッド35の各ガス穴37から噴出される処理ガスの粘性流によってウエハWの表面まで運ばれ、該パーティクルがウエハWの表面に付着する現象である。そのため、ガス穴転写によって発生するパーティクルは、シャワーヘッド35における複数のガス穴37の配置位置に対応するように、例えば、放射状や同心円状にウエハWへ付着する。したがって、図12の処理では、シャワーヘッド35の複数のガス穴37の配置位置と、ウエハWの表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて確度が算出される。
【0110】
ここで、基板処理システム10の種類によってはガス穴転写が発生しないことがある。そこで、図12において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてガス穴転写がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1201)。
【0111】
ステップS1201の判別の結果、ガス穴転写がパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、基板処理システム10等の名称に基づいてシャワーヘッド35における複数のガス穴37の配置位置が放射状か同心円状かを判別する(ステップS1202)。
【0112】
ステップS1202の判別の結果、複数のガス穴37の配置位置が放射状である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1203)、ステップS1205に進む。
確度 = ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度×(パーティクル数/10000)
ここで、ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度は下記式から算出される。
ガス穴格子ラインへのパーティクル集中度 = 2500−((ガス穴格子ラインからの距離)2の標準偏差)
ここで、ガス穴格子ラインからの距離とは、パーティクルマップに一辺が20mm〜40mmのいずれかの大きさのメッシュからなる格子を重ね、該格子をずらしたときの各メッシュにおける該メッシュに含まれる各パーティクルから当該メッシュの各辺(ライン)までの距離の平均値の最小値である。なお、各パーティクルからメッシュの各辺までの距離は、該メッシュの各辺の長さを100としたときの相対値である。
【0113】
ステップS1202の判別の結果、複数のガス穴37の配置位置が同心円状である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1204)、ステップS1205に進む。
確度 = パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合×10
ここで、パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合とは、パーティクルマップにおける半径250mm以上の領域を、該パーティクルマップの中心を回転中心として1°毎に分割した各領域(図13)に含まれるパーティクルの数からなる数列からバンドパスフィルタによって得た130〜150周波数の成分の割合である。
【0114】
続くステップS1205では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1207)、本処理を終了する。
【0115】
また、ステップS1201の判別の結果、ガス穴転写がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1206)、本処理を終了する。
【0116】
図12の処理によれば、シャワーヘッド35の複数のガス穴37の配置位置と、ウエハWの表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて確度が算出されるので、パーティクルがガス穴転写によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、ガス穴転写がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0117】
図14は、図5のステップS508における、周縁偏りに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。周縁偏りとは、パーティクルがウエハWの周縁部に数多く分布する状況である。したがって、図14の処理では、ウエハWの周縁部に存在するパーティクルの割合に基づいて確度が算出される。
【0118】
ここで、基板処理システム10の種類によっては周縁偏りが発生しないことがある。そこで、図14において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて周縁偏りがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1401)。
【0119】
ステップS1401の判別の結果、周縁偏りがパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きいか否か、又はフォーカスリングとのこすれに関する確度が50より大きいか否かを判別する(ステップS1402)。
【0120】
ステップS1402の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であり、且つフォーカスリングとのこすれに関する確度が50以下である場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外することなく、下記式から外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1403)。
外側パーティクルの割合 = パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域における単位面積あたりのパーティクル数/パーティクルマップの全領域における単位面積あたりのパーティクル数×100
次いで、外側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1404)、外側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1405)、ステップS1407に進む。
確度 = (外側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1404の判別の結果、外側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1406)、ステップS1407に進む。
確度 = 外側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布の均一性が0.2以上であるか否かを判別する(ステップS1407)。ここで、パーティクル分布の均一性とは、パーティクルマップにおける半径200mm以上の領域を円周方向に6等分した場合(図15)の各領域が含むパーティクル数の最小値を各領域が含むパーティクル数の最大値で除算したものである。
【0121】
ステップS1407の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.2以上である場合、そのままステップS1415に進み、パーティクル分布の均一性が0.2より小さい場合、確度を2で除算し(ステップS1408)、ステップS1415に進む。
【0122】
ステップS1402の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きく、又はフォーカスリングとのこすれに関する確度が50より大きい場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外して、外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1409)。
【0123】
次いで、外側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1410)、外側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1411)、ステップS1413に進む。
確度 = (外側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1410の判別の結果、外側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1412)、ステップS1413に進む。
確度 = 外側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布の均一性が0.1以上であるか否かを判別する(ステップS1413)。
【0124】
ステップS1413の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.1以上である場合、そのままステップS1415に進み、パーティクル分布の均一性が0.1より小さい場合、確度を2で除算し(ステップS1414)、ステップS1415に進む。
【0125】
続くステップS1415では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1417)、本処理を終了する。
【0126】
また、ステップS1401の判別の結果、周縁偏りがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1416)、本処理を終了する。
【0127】
図14の処理によれば、ウエハWの周縁部に存在するパーティクルの割合(外側パーティクルの割合)に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが周縁偏りによって発生したか否かの確度を正確に算出することができる。
【0128】
図16は、図5のステップS509における、COPに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。COPとは、ウエハWの結晶欠陥から生じるパーティクルであり、ウエハWの外部から付着するパーティクルではない。また、結晶欠陥はウエハを切り出すシリコンのインゴットを製造する際に該インゴットの中心部に多く生じ、その結果、ウエハWの中心においてCOPに起因するパーティクルが発生しやすい。したがって、図16の処理では、ウエハWの中心部表面におけるパーティクル分布密度に基づいて確度が算出される。
【0129】
ここで、ウエハの種類によってはCOPが発生しないことがある。そして、用いるウエハは基板処理システム10の種類によってほぼ決まる。そこで、図16において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてCOPがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1601)。
【0130】
ステップS1601の判別の結果、COPがパーティクル発生要因に該当する場合、さらに、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きいか否か、又は周縁偏りに関する確度が50より大きいか否かを判別する(ステップS1602)。
【0131】
ステップS1602の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50以下であり、且つ周縁偏りに関する確度が50以下である場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外することなく、下記式から内側パーティクルの割合を算出する(ステップS1603)。
内側パーティクルの割合 = パーティクルマップにおける半径200mm以下の領域における単位面積あたりのパーティクル数/パーティクルマップの全領域における単位面積あたりのパーティクル数×100
ステップS1602の判別の結果、テーパパッドとの接触に関する確度が50より大きく、又は周縁偏りに関する確度が50より大きい場合、図10(A)のテーパパッド対応領域を除外して内側パーティクルの割合を算出する(ステップS1604)。
【0132】
次いで、内側パーティクルの割合が50より大きいか否かを判別し(ステップS1605)、内側パーティクルの割合が50より大きい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1606)、ステップS1608に進む。
確度 = (内側パーティクルの割合−50)×1.5+25
ステップS1605の判別の結果、内側パーティクルの割合が50以下である場合、確度を下記式から算出し(ステップS1607)、ステップS1608に進む。
確度 = 内側パーティクルの割合/2
次いで、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高いか否かを判別する(ステップS1608)。具体的には、図17に示すように、パーティクルマップにおいて半径30mm未満の領域(領域A)、半径30mm以上且つ100mm未満の領域(領域B)、及び半径200mm以上の領域(領域C)のそれぞれにおける単位面積あたりのパーティクル数を算出し、単位面積あたりのパーティクル数が領域A≧領域B≧領域Cを満たすか否かを判別する。
【0133】
ステップS1608の判別の結果、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高い場合、確度に30を加算し(ステップS1609)、パーティクル分布密度がパーティクルマップの中心部ほど高くはなっていない場合、確度から30だけ減算する(ステップS1610)。
【0134】
次いで、パーティクル分布の均一性が0.1より大きいか否かを判別する(ステップS1611)。ここでのパーティクル分布の均一性は、図14の処理におけるパーティクル分布の均一性と同じである。
【0135】
ステップS1611の判別の結果、パーティクル分布の均一性が0.1より大きい場合、そのままステップS1613に進み、パーティクル分布の均一性が0.1以下の場合、確度を2で除算し(ステップS1612)、ステップS1613に進む。
【0136】
続くステップS1613では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1615)、本処理を終了する。
【0137】
また、ステップS1601の判別の結果、COPがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1614)、本処理を終了する。
【0138】
図16の処理によれば、ウエハWの中心部表面におけるパーティクル分布密度に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがCOPによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、COPがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0139】
図18は、図5のステップS510における、析出ゴミに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。析出ゴミとは、ウエハWの表面上に析出した微小なゴミであり、該ゴミはウエハWが大気中に放置されると成長してパーティクルとなる。また、ウエハWの表面において微小なゴミはウエハWの表面の全面亘ってランダム的に析出する。したがって、図18の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの全体的な分布状態、具体的には、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合に基づいて確度が算出される。
【0140】
ここで、基板処理システム10の種類によっては析出ゴミが発生しないことがある。そこで、図18において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて析出ゴミがパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1801)。
【0141】
ステップS1801の判別の結果、析出ゴミがパーティクル発生要因に該当する場合、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合を算出する(ステップS1802)。ここでの内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合は、図14及び図16の処理における内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合と同じである。
【0142】
次いで、確度を下記式から算出する(ステップS1803)。
確度 = 100−ABS(外側パーティクルの割合−内側パーティクルの割合)×2
ここで、ABSは絶対値を示す。
【0143】
次いで、ガス穴転写に関する確度が50より小さいか否かを判別し(ステップS1804)、ガス穴転写に関する確度が50より小さい場合は、さらに、周縁偏りに関する確度が50より小さいか否かを判別し(ステップS1805)、周縁偏りに関する確度が50より小さい場合、そのままステップS1807に進む。
【0144】
ステップS1804の判別の結果、ガス穴転写に関する確度が50以上である場合、及びステップS1805の判別の結果、周縁偏りに関する確度が50以上である場合、確度を2で除算してステップS1807に進む。
【0145】
続くステップS1807では、算出された確度が0より大きいか否かを判別し、算出された確度が0である場合、本処理を終了し、算出された確度が0より大きい場合、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1809)、本処理を終了する。
【0146】
また、ステップS1801の判別の結果、析出ゴミがパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1808)、本処理を終了する。
【0147】
図18の処理によれば、内側パーティクルの割合及び外側パーティクルの割合に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが析出ゴミによって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、析出ゴミがパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0148】
図19は、図5のステップS511における、水−CF系ガスの反応に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。処理ガス中のCF系ガスがチャンバ11内に残留し、水分と反応すると反応生成物が生じ、該反応生成物がパーティクルとしてウエハWの表面に付着する。このとき、付着したパーティクルはウエハWの表面上において二次曲線状に分布する。したがって、図19の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて確度が算出される。
【0149】
ここで、基板処理システム10の種類によっては水−CF系ガスの反応が発生しないことがある。そこで、図19において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいて水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS1901)。
【0150】
ステップS1901の判別の結果、水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当する場合、パーティクルマップにおいてV字状二次曲線を特定する(ステップS1902)。
【0151】
図20は、ステップS1902におけるV字状二次曲線の特定について説明するための図である。
【0152】
図20(A)において、パーティクルマップ上に濃色で示すパーティクル群56a〜56eが存在している。これらのパーティクル群56a〜56eから、外縁部に存在しているパーティクル群(パーティクルマップにおける半径275mm以上の領域に存在するパーティクル群)、パーティクルマップにおける面積が所定値より小さいパーティクル群、及びパーティクルマップの中心を原点とした座標系において各パーティクル群を通過するV字状二次曲線を近似的に算出し、該V字状二次曲線を中心線とする幅40mmの帯に全てのパーティクルが含まれないパーティクル群を除外する。
【0153】
さらに、図20(B)に示す、除外されなかったパーティクル群56a,56b,56cを通過するV字状二次曲線57a,57bを近似的に算出してパーティクルマップ上にプロットする。このとき、算出されるV字状二次曲線が接近する複数のパーティクル群同士(例えば、パーティクル群56a,56b)については各パーティクル群を通過する1つのV字状二次曲線57aを算出する。
【0154】
次いで、確度を下記式から算出し(ステップS1903)、ステップS1904に進む。
確度 = V字状二次曲線へのパーティクル集中度
ここで、V字状二次曲線へのパーティクル集中度は下記式から算出される。
V字状二次曲線へのパーティクル集中度 = パーティクル群におけるV字状二次曲線からの距離が15mm以内のパーティクルの数/パーティクル群におけるV字状二次曲線からの距離が30mm以内のパーティクルの数×100
次いで、確度が30より大きく且つ70より小さいか否かを判別し(ステップS1904)、確度が30以下であるか、又は70以上である場合、そのままステップS1906に進み、確度が30より大きく且つ70より小さい場合、確度を下記式から算出し(ステップS1905)、ステップS1906に進む。
確度 = V字状二次曲線におけるパーティクル占有率
ここで、V字状二次曲線におけるパーティクル占有率は、V字状二次曲線においてパーティクル群におけるパーティクルが存在する部分の長さのV字状二次曲線の全長に対する割合である。
【0155】
次いで、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS1906)、本処理を終了する。
【0156】
また、ステップS1901の判別の結果、水−CF系ガスの反応がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS1907)、本処理を終了する。
【0157】
図19の処理によれば、ウエハWの表面におけるパーティクルの二次曲線状分布に基づいて確度が算出されるので、パーティクルが水−CF系ガスの反応によって発生したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、水−CF系ガスの反応がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0158】
図21は、図5のステップS512における、メトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。ウエハWが帯電していると、メトロロジーユニット24内において発塵して浮遊するパーティクルがウエハWの表面に引き寄せられて付着することがある。また、メトロロジーユニット24では、ウエハWの表面の検査の際、ウエハWが回転台25に載置されて回転されるため、ウエハWの表面に付着するパーティクルは螺旋状に分布する。したがって、図21の処理では、ウエハWの表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて確度が算出される。
【0159】
ここで、基板処理システム10の種類によってはメトロロジーユニット24を備えないものがある。そこで、図21において、まず、クライアントPC47から取得した基板処理システム10等の名称に基づいてメトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当するか否かを判別する(ステップS2101)。
【0160】
ステップS2101の判別の結果、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当する場合、パーティクルマップにおいて螺旋状分布を特定する(ステップS2102)。
【0161】
図22は、ステップS2102における螺旋状分布の特定について説明するための図である。
【0162】
図22(A)において、パーティクルマップ上に濃色で示すパーティクルの螺旋状分布58a〜58cが存在している。これらの螺旋状分布58a〜58cから、外縁部に存在しているパーティクル(パーティクルマップにおける半径275mm以上の領域に存在するパーティクル)及び中心部に存在しているパーティクル(パーティクルマップにおける半径35mm以下の領域に存在するパーティクル)を除外する。
【0163】
また、パーティクルマップを、格子を用いて半径方向が3mm且つパーティクルマップの中心を回転中心とする場合の回転角度が1°であるメッシュに分解し(図22(A))、各メッシュを、x軸がパーティクルマップの中心からの距離であり且つy軸がパーティクルの中心を回転中心とする場合の回転角度である座標系(以下、「変換座標系」という。)に変換配置する(図22(B)、但し、図中各メッシュの枠線は省略する。)。さらに、変換座標系をx=300mmの線に関して対称に複写する。そして、変換座標系と複写された変換座標系を並べた座標系(以下、「拡大座標系」という。)において各螺旋状分布58a〜58cを通過する二次曲線59a〜59cを近似的に算出する。このとき、二次曲線においてパーティクルが存在するメッシュ(螺旋状分布に対応するメッシュ)が占有する長さが二次曲線の全長の50%以下である螺旋状分布やx軸方向の長さが20mm以下の螺旋状分布を拡大座標系から除去する。また、互いに近接する複数の螺旋状分布を一定の条件下で結合する。
【0164】
次いで、確度を下記式から算出し(ステップS2103)、ステップS2104に進む。
確度 = 二次曲線におけるパーティクル占有率×螺旋状分布長さ/螺旋状分布構成パーティクル数
ここで、二次曲線におけるパーティクル占有率は、拡大座標系における、二次曲線の全長に対する二次曲線においてパーティクルが存在するメッシュ(螺旋状分布に対応するメッシュ)が占有する長さの割合である。
【0165】
次いで、確度が0より大きいか否かを判別し(ステップS2104)、確度が0である場合、本処理を終了し、確度が0より大きい場合、拡大座標系における螺旋状分布から回帰直線を求め、該回帰直線の傾きを確度に加算する(ステップS2105)。
【0166】
次いで、ステップS706と同様に、確度に、パーティクルの材質、形状及びサイズから算出されたパーティクル発生要因に関する確度を加算し(ステップS2106)、本処理を終了する。
【0167】
また、ステップS2101の判別の結果、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクル発生要因に該当しない場合、確度を0に設定し(ステップS2107)、本処理を終了する。
【0168】
図21の処理によれば、ウエハWの表面におけるパーティクルの螺旋状分布に基づいて確度が算出されるので、パーティクルがメトロロジーユニットにおいて発塵したか否かの確度を正確に算出することができ、もって、メトロロジーユニットにおける発塵がパーティクルの発生要因である可能性を正確に判別することができる。
【0169】
また、上述した図9のフォーカスリングとのこすれに関する確度算出処理、図11のフォーカスリングの肩やられに関する確度算出処理、図12のガス穴転写に関する確度算出処理、図14の周縁偏りに関する確度算出処理、図16のCOPに関する確度算出処理、図18の析出ゴミに関する確度算出処理、図19の水−CF系ガスの反応に関する確度算出処理及び図21のメトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出処理では、基板処理システム10等の名称に基づいて各パーティクル発生要因に関する確度が算出されるか否かが判別される(ステップS901、ステップS1101、ステップS1201、ステップS1401、ステップS1601、ステップS1801、ステップS1901、及びステップS2101)ので、対象となる基板処理システム10では起こり得ないパーティクル発生要因について確度が算出されることはなく、これにより、パーティクルの発生要因を正確に判別することができる。
【0170】
なお、上述した本実施の形態では、エッチング処理が施される基板が半導体ウエハWであったが、エッチング処理が施される基板はこれに限られず、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等のガラス基板であってもよい。
【0171】
また、本発明の目的は、上述した本実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体を、コンピュータに供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される。
【0172】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が上述した本実施の形態の機能を実現することになり、プログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0173】
また、プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
【0174】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上記本実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した本実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0175】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した本実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0176】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムによって発生要因が判別されるパーティクルが付着した基板を処理した基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1におけるプロセスモジュールの構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別システムの構成を概略的に示す図である。
【図4】図3のパーティクル発生要因判別システムが用いるデータを示す図であり、図4(A)はウエハ表面の画像データであり、図4(B)はパーティクルの大きさや形状のSEM画像データである。
【図5】本実施の形態に係るパーティクル発生要因判別方法としてのパーティクル発生要因判別処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS513におけるクライアントPCのディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】テーパパッドとの接触に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図8】パーティクルマップにおけるテーパパッド対応領域及びテーパパッド周辺領域を示す図であり、図8(A)はパーティクルマップにおける各テーパパッド対応領域の位置を示す平面図であり、図8(B)はパーティクルマップにおけるテーパパッド対応領域及びテーパパッド周辺領域を示す拡大平面図である。
【図9】フォーカスリングとのこすれに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図10】フォーカスリングとのこすれに関する確度算出に用いるデータを説明するための図であり、図10(A)はパーティクルマップの周縁部において10等分された各領域を示す平面図であり、図10(B)は図10(A)の各領域におけるパーティクル数をプロットしたグラフであり、図10(C)はエッジ領域を示す平面図である。
【図11】フォーカスリングの肩やられに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図12】ガス穴転写に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図13】パーティクルマップの周縁部における所定周波数成分の割合の算出に用いられる各領域を示す平面図である。
【図14】周縁偏りに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図15】パーティクルマップの周縁部において10等分された各領域を示す平面図である。
【図16】COPに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図17】パーティクルマップにおいて中心から分割された各領域を示す平面図である。
【図18】析出ゴミに関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図19】水−CF系ガスの反応に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図20】ステップS1902におけるV字状二次曲線の特定について説明するための図であり、図20(A)はパーティクルマップにおける各パーティクル群を示す平面図であり、図20(B)は各パーティクル群に関して近似的に算出されたV字状二次曲線を示す平面図である。
【図21】メトロロジーユニットにおける発塵に関する確度算出の処理を示すフローチャートである。
【図22】ステップS2102における螺旋状分布の特定について説明するための図であり、図22(A)はパーティクルマップにおける各螺旋状分布を示す平面図であり、図22(B)はx軸がパーティクルマップの中心からの距離であり且つy軸がパーティクルの中心を回転中心とする場合の回転角度である座標系を示す図である。
【符号の説明】
【0178】
W ウエハ
10 基板処理システム
12 プロセスモジュール
20 テーパパッド
24 メトロロジーユニット
34 フォーカスリング
35 シャワーヘッド
37 ガス穴
43 パーティクル発生要因判別システム
47 クライアントPC
48 ホストサーバ
51 ディスプレイ
52 確度リスト
53 パーティクルマップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインターフェイス装置と、パーティクル発生要因判別装置とを備え、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムであって、
前記パーティクル発生要因判別装置は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納する格納部と、前記格納されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出部とを有し、
前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示することを特徴とするパーティクル発生要因判別システム。
【請求項2】
前記算出部は、さらに前記パーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから前記点数を算出することを特徴とする請求項1記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記格納されたプログラムに基づき、前記基板処理システムの種類に応じて前記点数を算出するか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項4】
前記格納部は、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項5】
前記格納部が格納する前記算出方法のプログラムに対応するパーティクル発生要因は、前記基板の周縁部における局所的な接触、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ、前記基板を囲む部材からの発塵、ガス穴転写、COP(Crystal Originated Particle)、析出ゴミ、水−ハロゲン系ガスの反応、及び前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項6】
前記基板の周縁部における局所的な接触の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項7】
前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は前記基板を囲む部材からの発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項8】
前記ガス穴転写の可能性を点数で算出する算出方法では、基板処理システムが備えるプロセスモジュールにおいて処理ガスを供給するシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、前記基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項9】
前記COPの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項10】
前記析出ゴミの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面において分布する前記パーティクルの数及び前記基板の周縁部表面において分布する前記パーティクルの数に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項11】
前記水−ハロゲン系ガスの反応の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの二次曲線状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項12】
前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの螺旋状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項13】
前記ユーザインターフェイス装置は前記基板の表面におけるパーティクル分布を表示し、さらに、前記パーティクル分布において各前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルを、他の前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項14】
前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について対策方法を表示することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項15】
パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法であって、
複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、
前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、
各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とするパーティクル発生要因判別方法。
【請求項16】
パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記パーティクル発生要因判別方法は、
複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、
前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、
各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
ユーザインターフェイス装置と、パーティクル発生要因判別装置とを備え、パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別システムであって、
前記パーティクル発生要因判別装置は、複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納する格納部と、前記格納されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出部とを有し、
前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示することを特徴とするパーティクル発生要因判別システム。
【請求項2】
前記算出部は、さらに前記パーティクルの材質、形状及びサイズの少なくとも1つから前記点数を算出することを特徴とする請求項1記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記格納されたプログラムに基づき、前記基板処理システムの種類に応じて前記点数を算出するか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項4】
前記格納部は、新規のパーティクル発生要因の可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを格納することができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項5】
前記格納部が格納する前記算出方法のプログラムに対応するパーティクル発生要因は、前記基板の周縁部における局所的な接触、前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ、前記基板を囲む部材からの発塵、ガス穴転写、COP(Crystal Originated Particle)、析出ゴミ、水−ハロゲン系ガスの反応、及び前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項6】
前記基板の周縁部における局所的な接触の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板における他の部材と接触する部分の表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項7】
前記基板及び該基板を囲む部材のこすれ又は前記基板を囲む部材からの発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の周縁部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項8】
前記ガス穴転写の可能性を点数で算出する算出方法では、基板処理システムが備えるプロセスモジュールにおいて処理ガスを供給するシャワーヘッドの複数のガス穴の配置位置と、前記基板の表面におけるパーティクル分布位置とのずれに基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項9】
前記COPの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面におけるパーティクル分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項10】
前記析出ゴミの可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の中心部表面において分布する前記パーティクルの数及び前記基板の周縁部表面において分布する前記パーティクルの数に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項11】
前記水−ハロゲン系ガスの反応の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの二次曲線状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項12】
前記基板の回転機構を有する測定器における発塵の可能性を点数で算出する算出方法では、前記基板の表面における前記パーティクルの螺旋状分布に基づいて前記点数を算出することを特徴とする請求項5記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項13】
前記ユーザインターフェイス装置は前記基板の表面におけるパーティクル分布を表示し、さらに、前記パーティクル分布において各前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルを、他の前記パーティクル発生要因に関連する前記パーティクルとは色、形、大きさ、明るさや表示形式(点滅、不点滅)を変えて表示することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項14】
前記ユーザインターフェイス装置は各前記パーティクル発生要因について対策方法を表示することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のパーティクル発生要因判別システム。
【請求項15】
パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法であって、
複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、
前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、
各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とするパーティクル発生要因判別方法。
【請求項16】
パーティクルの発生要因を判別するパーティクル発生要因判別方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記パーティクル発生要因判別方法は、
複数のパーティクル発生要因の各々についての可能性を点数で算出する算出方法のプログラムを読み出す読み出しステップと、
前記読み出されたプログラムに基づいて少なくとも基板の表面におけるパーティクル分布から前記点数を各前記パーティクル発生要因について算出する算出ステップと、
各前記パーティクル発生要因について算出された前記点数を表示する表示ステップとを有することを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−212453(P2009−212453A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56431(P2008−56431)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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