説明

ヒダ付き自立性包装袋、ヒダ付き自立性包装体、ヒダ付き自立性包装体用原反ロール及びヒダ付き自立性包装体の製造方法

【課題】ヒダ付き自立性包装材料のリブと直交するヒダとの交叉部におけるヒートシール性を向上することを目的とする。さらにリブと直交するヒダとの交叉部をより鋭角に屈曲することによりヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を付与することを目的とする。
【解決手段】包装袋の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブを有し、かつ包装袋の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返して該折り返し部分の内面同士を接着してなる一以上のヒダが延伸されたヒダ付き自立性包装袋において、少なくとも折り畳まれた底面部と外周部との稜に形成されヒダが外周部から延長して同一平面を形成し、前記底面部とヒダ裏面上端とは略直角に形成され、前記ヒダが前記リブと交叉する部分に切欠部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性、意匠性に関した構造に特徴を有するものであり、特にリブと直交するヒダとの干渉部をより鋭角に屈曲することができるヒダ付き自立性包装袋、ヒダ付き自立性包装体、ヒダ付き自立性包装体用原反ロール及びヒダ付き自立性包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブを有し、かつ包装袋の上下方向に対して直角方向に一以上のヒダが延伸されたヒダ付き自立性包装袋であって、折り畳まれた底面部と正面・背面・側面部との稜に形成され、前記ヒダが正面・背面・側面部から延長して同一平面を形成するヒダ付き自立性包装袋が知られている(特許文献1参照)。
上記のヒダ付き自立性包装袋は、帯状に三枚重ねとなるように折り返し、該折り返し部の内面同士をヒートシールしてなるヒダを包装袋の下端に形成し、包装袋の底面部を隠すように構成したものである。このような構成により皺のない密封性に優れたヒダが得られる。
【0003】
しかし、図10に示すような包装袋の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブを有する包装材料においては、リブと直交するヒダとの干渉部においてヒートシール及び鋭角な屈曲が困難であるという問題点があった。図10(a)に示すように包装袋70の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブ71が形成される。そして包装袋70の上下方向に対して直角方向には帯状に三枚重ねとなるように折り返して該折り返し部分の内面同士を接着してなる一以上のヒダ72が形成されている。リブ71は図10(a)および(b)に示す如く一方方向に倒される、この際リブ71とヒダ72とは交叉する部分73を形成することになる。かかる交叉する部分73には、図10(c)に示す如く包装袋70の下端に底面部を形成するために屈曲された際に底面部と外周部との稜に位置することになる。図10(c)は、平板な包装袋が立方的な包装体となった状態を示している。
【0004】
図10(c)の如き包装体には、二つの問題点が挙げられる。
第一に交叉したリブの影響でヒートシールが不完全となる可能性がある。かかる問題点を図11(b)に則して説明する。図11(b)は、リブ71とヒダ72の交叉する部分73における断面図であり、具体的には図10(c)におけるX(b)−X(b)矢視断面図である。72a〜72fはヒダであり、72aと72bは内面同士がヒートシールされており、72cと72dは内面同士がヒートシールされており、72eと72fは内面同士がヒートシールされている。また71aと71bは内面同士が合掌状にヒートシールされリブを形成する。ここでヒダをヒートシールによって形成した後に包材の端部同士を合掌状にヒートシールしようとすると、71a側は72aと72bの上から、71b側は72cと72dの上からヒートシールがなされることになる。通常、ヒートシールは加熱されたヒートシーラによって包材の外面を押圧することによってなされるが、71aと71bをヒートシールする際には、ヒートシーラから71a及び71bへの伝熱を妨げるようにヒダ72a,72b及び72c,72dが合掌状の71a及び71bを両側から挟み込んだ状態となる。この状態でヒートシールを行うと包材のリブ71とヒダ72の交叉する部分73のみヒートシーラからの伝熱が不十分となりヒートシールが不完全となる可能性があった。
【0005】
第二の問題点は、包装袋70の下端は底面部を形成するために屈曲されることになり、かかる屈曲部である底面部と外周部との稜にはヒダが位置することになることから生じる。屈曲部においては実質的に二枚の包材が積層されているヒダが合掌状に接着されることにより、リブは実質的に複数の包材が積層された状態となる。そして包装材の底を形成する際には略直角にリブを織り込むことになるが、この際にはリブを左右いずれかの方向に倒して屈曲させることから屈曲部においては七枚分の包材が積層されていることになる。図11(b)は屈曲部の断面図であるが、71a,71b,72c,72d,72e,72f、74の七枚分の包材が折り畳まれることになる。すなわち、リブ71a,bがヒダ72c,d及び72e,fを外側より抑える形となり[図11(b)]、ヒダ72c,d,e,fが直角にならず湾曲してしまい安定感や見栄えが悪いという問題点があった。
【特許文献1】特開2003−191963
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ヒダ付き自立性包装材料の下端におけるリブと直交するヒダとの交叉部におけるヒートシール性を向上することを目的とする。またリブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することによりヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、従来のヒダ付き自立性包装材料の上記問題点に鑑みて、ヒダ付き自立性包装材料のヒダとリブとの交叉部分の干渉を緩和するために以下の構成を創作した。
(1)本発明に係るヒダ付き自立性包装袋は、包装袋の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブを有し、かつ包装袋の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返して該折り返し部分の内面同士を接着してなる一以上のヒダが延伸されたヒダ付き自立性包装袋において、少なくとも折り畳まれた底面部と外周部との稜に形成されヒダが外周部から延長して同一平面を形成し、前記底面部とヒダ裏面上端とは略直角に形成され、前記ヒダが前記リブと交叉する部分に切欠部を有することを特徴とする。
【0008】
(2)前記切欠部の欠き幅が前記リブの幅の二倍以上の長さを有することを特徴とする上記(1)に記載されたヒダ付き自立性包装袋である。
(3)前記切欠部の欠き幅が前記リブの幅の三倍以上の長さを有することを特徴とする上記(1)に記載されたヒダ付き自立性包装袋である。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか一に記載された包装袋に被包装物を収容して開口部を接着してなることを特徴とするヒダ付き自立性包装体である。
【0009】
(5)ヒダ付き自立性包装体用原反ロールにおいて、原反ロールの少なくとも一面がヒートシール性を有し、該ヒートシール性を有する面と反対の面上に、繰り出し方向と直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返されたヒダが形成され、当該ヒダは製袋時に連続する方向に対して直角方向に切り離される予定位置から包材繰り出し方向に包装体の底面部の形成に必要な寸法をもって所定間隔に配置され、前記ヒダが製袋時に包装体の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブと交叉する部分に切欠部が形成され、該切欠部の欠き幅がリブの幅の二倍以上の長さを有することを特徴とするヒダ付き自立性包装体用原反ロールである。
【0010】
(6)上記(5)記載の原反ロールをフォーマーに掛けて間欠走行させるか又は連続走行させ、筒状に曲成した原反ロールの両端縁を合掌状にヒートシールしてトンネル状の包装筒として間欠走行させるか又は連続走行するとともに、搬入コンベアにより被包装品をヒダとヒダとの間に位置するようにフォーマー内側に形成される前記包筒内に送給し、次い
でフォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
【0011】
(7)上記(5)記載の原反ロールを間欠走行させるか又は連続走行させ、フォーマーに掛けて該フォーマーの内側に通された被包装物充填筒に巻き付けながら筒状に曲成した原反ロールの両端縁を合掌状にヒートシールしてトンネル状の包装筒を形成し、被包装物品を被包装物充填筒内を通して上部より落下させるとともにフォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
(8)前記袋切り離しのカットを入れる工程後、包装体は搬出用コンベアに載置され、該搬出用コンベアと直交するコンベア上に前記切り離された包装体を移送し、移送された包装体の上部をガイドレールによって保持しながら間欠走行させ、加圧プレートによってヒダに接触しないように包装体の底部側より底部を押圧することにより底部を成形することを特徴とする上記(6)記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
【0012】
(9)前記袋切り離しのカットを入れ、一つ下流側に位置する包装体を切り離した後、加圧プレートによってヒダに接触しないようにヒートシール部に固定されている包装体の底部側より底部を押圧することにより底部を成形する工程を有し、加圧プレートが終端が軸着された回動可能なアームの先端に固着されていることを特徴とする上記(7)記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
(10)前記切り離しのカットを入れる工程後、包装体は搬出用コンベアに載置され、該搬出用コンベアと直交するコンベア上に前記切り離された包装体を移送し、移送される包装体が該直交するコンベアの上方であって進行方向に配置される上部ガイドレールによって上部を押圧されながら間欠走行又は連続走行するとともに、直交するコンベアの進行方向であって、包装体の底部を圧接する位置に加圧部材を延接し移動する包装体の底部を押圧することにより移動しながら底部を成形することを特徴とする上記(6)記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
(11)前記加圧プレート又は加圧部材がヒータを内蔵していることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか一に記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ヒダ付き自立性包装材料のヒダとリブとの交叉部分に所定の大きさの切欠部を形成することによって、リブと直交するヒダとの交叉部におけるヒートシール性を向上することができる。さらにリブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することによりヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を持ったヒダ付き自立性包装袋及びヒダ付き自立性包装体を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る包装袋及び包装体を示す概略図である。
【図2】実施の形態2に係る包装袋及び包装体を示す概略図である。
【図3】実施の形態3に係る包装袋及び包装体を示す概略図である。
【図4】本発明に係る原反ロールの実施形態の一例を示す斜視図である。
【図5】ヒダ付き自立性包装体を製造できる横形製袋充填包装装置の概略斜視図である。
【図6】ヒダ付き自立性包装体を製造する縦形製袋充填包装装置の概略斜視図である
【図7】ヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。
【図8】ヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。(a)は、縦形製袋充填包装装置の袋切り離しのカットを入れ包装体を切り離す工程前における加圧プレートの配置状態を示す部分概念図であり、(b)はヒダ付き自立性包装体の底部を成形する動作を示す部分概念図である。
【図9】ヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。
【図10】従来例を示す図である。
【図11】リブとヒダとの交叉する部分の断面図である。(a)が本発明の実施の形態1に係る断面図である。(b)は図10の従来例に係る断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1,10,20 包装袋
2,12,22 リブ
3,13,43,23 ヒダ
4,14,44 切欠部
5 リブとヒダの交叉する部分
30 原反ロール
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1
図1は実施の形態1に係る包装袋の一部斜視図及び包装体の斜視図である。図1(a)に示すように、本実施の形態1に係る包装袋1は、包装袋1の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブ2が形成されている。また包装袋1の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返され、さらに折り返し部分の内面同士が接着されているヒダ3が外周に渡って形成されている。
ヒダがリブと交叉する部分には切欠部が形成されている。切欠部はリブの幅(l1)の
略三倍である。ここで切欠部の幅とはリブの合掌状のリブが形成される前における包材において形成される幅であり、図1(a)においては、リブ2の両側(リブの高さの2倍)における切欠部も含む長さである。
【0017】
図1(b)は、上記リブを手前側に倒しリブとヒダの交叉する部分5をヒートシールした状態を示す図である。このような状態で底面部を折り畳むと図1(c)の状態になる。この際、底面部6の開口部7も封着される。
底面部を折り畳んだ後、包装体として自立させたものを図1(d)に示した。図1(d)に示すように、底面部と外周部との稜に形成されたヒダに切欠部が形成されていることにより交叉する部分における包材の重なりが軽減されることから、リブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を付与することができる。
図11(a)は、図1(d)におけるX(a)−X(a)矢視断面図である。従来の断面図である図11(b)に比較して、図11(a)のリブとヒダの交叉する部分には、包材の重なっている部分が軽減されており、底面部を形成する包材6と、ヒートシールされたリブ2a,2bのみが存在することになる。図11(a)より明らかなように、ヒダ3a,bとリブ2a,bとは略直角になることにより、リブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を持ったヒダ付き自立性包装袋を提供することができる。
【0018】
実施の形態2
図2は実施の形態2に係る包装袋の一部斜視図及び包装体の斜視図である。図2(a)に示すように、本実施の形態2に係る包装袋10は、包装袋10の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブ12が形成されている。また包装袋10の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返され、さらに折り返し部分
の内面同士が接着されているヒダ13が外周に渡って形成されている。
ヒダ13がリブ12と交叉する部分には切欠部14が形成されている。切欠部14はリブの幅(l2)の略二倍である。ここで切欠部の幅とはリブの合掌状のリブが形成される
前における包材において形成される幅である。実施の形態2における切欠部は、リブ12の片側及びリブ12が倒れ込む部分となる。切欠部をこのような幅に形成することによって、リブ12を形成する際にリブの片面にヒートシーラーを直接圧着できるので、リブと直交するヒダとの交叉部におけるヒートシール性を向上することができる。
【0019】
図2(b)は、上記リブ12を手前側に倒した状態を示す図である。このような状態で底面部を折り畳むと図2(c)の状態になる。この際、底面部16の開口部17も封着される。
底面部16を折り畳んだ後、包装体として自立させたものを図2(d)に示した。図2(d)に示すように、底面部と外周部との稜に形成されたヒダに切欠部が形成されている。外方からは切欠部の殆どの部分がリブ12によって隠れる状態になる。ことにより交叉する部分における包材の重なりが軽減されることから、リブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を付与することができる。
【0020】
実施の形態3
図3は実施の形態3に係る包装袋の一部斜視図及び包装体の斜視図である。図3(a)は、本実施の形態3に係る包装袋20を作成する際の包材を示したものである。切欠部の幅(l1+l2)は、リブ形成のためにヒートシールされる部分の幅(l3)の三倍強であ
る。
図3(b)に示す如く包装袋20の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブ22が形成されている。また包装袋20の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返され、さらに折り返し部分の内面同士が接着されているヒダ23が外周に渡って形成されている。
図3(c)は、底面部を折り畳むと図3(c)の状態になる。この際、底面部26の開口部27も封着される。
図3(d)は、本実施の形態3に係る包装体を底面側からみた斜視図である。本実施の形態3は包装体に角部がなく底面が船形状に形成されたものである。図3(d)に示すように、底面部と外周部の稜に形成されたヒダに切欠部が形成されていることにより交叉する部分における包材の重なりが軽減されることから、リブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を付与することができる。
【0021】
実施の形態4
図4は本発明に係る原反ロール30の実施形態の一例を示す斜視図である。
この原反ロールの製造方法は、アンワインダーに袋内面となる内層がシーラントフィルムからなる包材、例えばOPPとCPPを積層してなる包材の原反ロールを取り付け、次いでヒダ付け装置に通して、帯状に三枚重ねとなるように折り返して折り返し部分の内面同士を接着してヒダ43を形成する。ヒダ43は所定間隔に配置されて形成される。この際ヒダの両端をカットすることによって切欠部44,44を形成する。次いでガイドロール、第二の段差ロール、ガイドロールに順に掛けられ、ワインダーに取付けたコアに包材を巻き取ることによって製造する。
【0022】
実施の形態5
本発明に係るヒダ付き自立性包装体の製造方法の一例を図5を参照して説明する。本実施の形態は、本発明に係るヒダ付き自立性包装体の製造方法の一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0023】
図5は、ヒダ付き自立性包装体を製造できる横形製袋充填包装装置50の概略斜視図である。
図5において、原反ロールはヒダ付き包材の原反ロール51であり、少なくとも内面がヒートシール性を有している包材からなり連続する方向に対して直角方向に帯状に延伸するヒダが所定間隔をもって形成されている。ヒダは内面同士が合掌状に折り重ねられてヒートシールされ繰り出し方向下流側に倒されて、かつ製袋時に連続する方向に対して直角方向に切り離される予定位置から包材繰り出し方向に袋底面部の形成に必要な所要寸法離れた位置に設けられている。前記ヒダの両端には切欠部が形成されており、かかる切欠部の欠き幅がリブの幅の約三倍程度の長さを有している。
原反ロール51から繰り出されるヒダ付き包材は、ガイドロール52に掛けられてから図示しないサーボモータにより駆動される包材繰り出しロール52’と回転自在なニップロールにより挟圧され繰り出されるように通され、次いでガイドロール52'’、段差ロ
ール52'''、ガイドロール52''''、蛇行矯正ロール52'''''に掛けられる。
【0024】
段差ロール52'''は下流側からのヒダ付き包材の繰り出しに対して繰り出し抵抗を軽
くて一定に保つ役目をする。包材繰り出しロール52’は、段差ロール52'''が下限位
置に下がるとフィルムの繰り出し量を少なくし、又、上限位置に上がるとフィルムの繰り出し量を多くするようにサーボモータにより回転される。
次いで蛇行矯正ロール52'''''に掛けられたヒダ付き包材は、上面が開かれた断面C
形のフォーマー53に対し下方から上に被さるように掛けられ、ガイド部材54,54の押さえ込みによりフォーマー53の入口でフォーマー53の内面側に折り返されフォーマー53の内面から離れないように移行してかつ包材両端縁が合掌状に折り合わされてヒートシーラ55によって内面がヒートシールされリブが形成され包装筒となる。
ヒダが設けられるピッチは、原則として袋高さ寸法とヒダからボトムシールまでの底面部を形成するための寸法(好ましくはサイドガセットの折り込み寸法と略同寸法)とボトムヒートシールに必要な寸法との合計寸法に等しい長さである。
フォーマー53の上流側の搬入コンベア56は、例えばエンドレスチェーン56aに一定ピッチに付設された搬送爪56bでレーンテーブル56cに載置供給される被包装品A,A・・・を押動するようになっていて、フォーマー53の入口へ送り込んでヒダ間の所定位置に位置する所定ピッチとなるようにフォーマー53の内側に形成される包装筒内に送給される。
【0025】
次いで、フォーマー53のところで形成される包装筒は、フォーマー53の下流側半部の下側に設けられたバキューム機能付き包装牽引用ベルトコンベア57により吸引されて走行されるようになっており、引き続き、搬送用シャトルコンベア58により搬送され、さらに、ボックスモーションタイプのエンドシールカッター装置59の下流側の搬出用シャトルコンベア60により搬送されるようになっている。
エンドシールカッター装置59は、ヒートシーラー59a,59cが開いた状態から包装筒に対して被包装品と被包装品との間に位置するように包装筒の移送に同調して移動しつつ互いに近接移動して包装筒の高さ中央で噛み合って二条ヒートシールを行ない引き続き包装筒の移送に同調して移動しつつ一方のヒートシーラー59aに組み込まれたカッター59cが二条ヒートシールの中央をカットし、その後ヒートシーラー59a,59bが互いに離間して上流へ復帰移動するボックスモーションを行なうようになっている。
【0026】
コンベア58,60がシャトルコンベア構造であるのは、エンドシールカッター装置59がボックスモーションタイプであることに対応しており、下側のヒートシーラー59bが上昇してくるとき隙間を空けて該隙間位置をヒートシーラー59bの移動に同調して変動し、エンドシール・カットが終了して下側のヒートシーラー59bが下降すると隙間を解消する。なお、エンドシールカッター装置は回転ヒートシール・カッタータイプであっ
ても良い。
エンドシールカッター装置59に付随して一対のガセット形成用付き込み爪61a,61bが設けられている。該一対のガセット形成用付き込み爪61a,61bは、前記二条ヒートシールを施すときにヒートシーラー59a,59bの閉じ合わせ動作に先行してヒートシーラー59a,59bの包装移送方向両側の際の高さ中段に付き込んでガセット(マチ)を付ける。以上の工程により内容物の充填された包装体が製造される。
【0027】
実施の形態6
図6は、ヒダ付き自立性包装体を製造する縦形製袋充填包装装置60の概略斜視図である。
図6に示すように、包材の原反ロール60から繰り出される包材は、ガイドロール61aに掛けられてから図示しないサーボモータにより増減速駆動される包材繰り出しロール
61bと回転自在なニップロール61cにより牽引され走行されるように通され、次いで、段差ロール61dに掛けられてからガイドロール61e,fに掛けられる。
段差ロール61dは、下流側からの包材の引き出しに対して繰り出し抵抗を軽くて一定に保つ役目をする。包材繰り出しロール61bは、段差ロール61dが下限位置に下がるとフィルムの繰り出し量を少なくし、又、上限位置に上がるとフィルムの繰り出し量を多くする。
【0028】
次いで、包材は、ヒダ付け装置はガイドロール61g、hに掛けられてからフォーマー62の襟部62aに掛けられ、フォーマー62の前側が開いている断面C形の筒部62bとその内側を通っている被包装物充填筒63との隙間に通されて前記被包装物充填筒63を一巻きして包材の両端が合掌状に対向するように曲成される。この際、両側からヒートシーラ64a,64bで把持することにより包材の両端を合掌状にヒートシールすることにより包装筒となる。
次いで包装筒は、被包装物充填筒63の下方に垂下し、被包装物充填筒63の下端より垂下する四本の包装筒内四隅ガイド65に案内されて矩形筒に維持され、カットマーク位置を挟んで上下位置であって左右側面の幅中央を先端が二股状である一対の底ガセット形成用付き込み棒66a,66bにより付き込まれることにより、ヒートシール・カットされて切り離される包装体のトップヒートシールの内側に折り畳まれるトップガセット、及び上側の次に包装体とされるボトムヒートシールの内側に折り畳まれるボトムガセットが形成される。そして包装筒は横ヒートシーラー67a,67bによって二条のヒートシール(トップヒートシールとボトムヒートシール)を施されるとともに、一方の横ヒートシーラーに組み込まれている図示しないカッターにより二条のヒートシール間にカットが入れられて袋の切り離しが行なわれる。
【0029】
横ヒートシーラー67a,67bによって包装筒に二条のヒートシールが行なわれている間に、一定量の被包装品がホッパー68に投入され被包装物充填筒63の内部を通って落下し横ヒートシーラー67a,67bの上に充填される。横ヒートシーラー67a,67bが開くと、フィルム送り装置のベルト69a,69bによりフィルム送りが行なわれる。以上の工程により内容物の充填された包装体が製造される。
【0030】
実施の形態7
図7は、横形製袋充填包装装置の袋切り離しのカットを入れる工程後に配置されるヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。
実施の形態5に示す横形製袋充填包装装置における袋切り離しのカットを入れる工程により切り離された包装体は、搬出用シャトルコンベア60によって搬出される。
搬出用シャトルコンベア60によって搬出された包装体A1は、搬出用シャトルコンベア60と直交するコンベア100上に前記切り離された包装体A2を移送する。この際、搬出用シャトルコンベア60よりコンベア100は下方に位置し、移送されてきた包装体
A2は止め板104に突き当たり、その後、移送された包装体A3の上部をガイドレール101によって保持されながら間欠走行される。包装体は加圧プレート102が配置された場所で停止する。加圧プレート102はシリンダ103によって包装体の底部側に繰り出されるようになっている。この際、加圧プレート102の上面面積や位置は包装体の底部外周に形成されたヒダと接触しないように形成されている点が重要である。加圧プレート102は包装体A3の底部を押圧することにより包装体の底部を成形することができる。
このようにしてリブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を持ったヒダ付き自立性包装体を提供することができる。
【0031】
実施の形態8
図8は、縦形製袋充填包装装置の袋切り離しのカットを入れ包装体を切り離す工程後におけるヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。図8(a)は、縦形製袋充填包装装置の袋切り離しのカットを入れ包装体を切り離す工程前における加圧プレート110の状態を示す部分概念図であり、(b)はヒダ付き自立性包装体の底部を成形する動作を示す部分概念図である。
実施の形態6に示す縦形製袋充填包装装置において、包装体A1とA2の開口側面は一対の底ガセット形成用付き込み棒66a,66bにより付き込まれ、横ヒートシーラー67a,67bによって二条のヒートシールを施されるとともに、一方の横ヒートシーラーに組み込まれている図示しないカッターにより二条のヒートシール間にカットが入れられて袋の切り離しが行なわれる。この際、加圧プレート110は包装体A1の側方に配置されている。加圧プレート110は終端がヒンジ112によって軸着された回動可能なアーム111の先端に固着されている。
【0032】
切り離された包装体A1は図8(b)に示す如く下部へ自由落下する。次にアーム111に固着された加圧プレート110はヒンジ112の軸動によってヒートシール部に固定されている包装体A2の底部側に回動し、包装体A2の底部を押圧することにより底部を成形することができる。
このようにしてリブとヒダとが交叉する部分をより鋭角に屈曲することができ、ヒダ付き自立性包装材料の自立安定性を向上し、優れた意匠性を持ったヒダ付き自立性包装体を提供することができる。
【0033】
実施の形態9
図9は、横形製袋充填包装装置の袋切り離しのカットを入れる工程後に配置されるヒダ付き自立性包装体の底部を成形するための機械要素を説明するための部分概念図である。
前記実施の形態5に示す横形製袋充填包装装置における袋切り離しのカットを入れる工程により切り離された包装体A1は、図示しない搬出用シャトルコンベアによって搬出される。
【0034】
搬出用シャトルコンベアによって搬出された包装体A1は、搬出用シャトルコンベアと直交するコンベア120上に前記切り離された包装体A2を移送する。この際、搬出用シャトルコンベアよりコンベア120は下方に位置し、移送されてきた包装体A2は止め板124に突き当たり、その後、移送された包装体A3の上部ガイドレール121,122によって押圧されながら間欠走行又は連続走行される。
【0035】
かかる上部ガイドレール121,122は、直交するコンベア120の上方であって進行方向に配置されている。本実施の形態9に係る上部ガイドレール121,122は二体配置されているが、包装体A3の上部を押圧する上部ガイドレール121のみであっても良い。移送される包装体A3の底部には加圧部材127が圧接している。かかる加圧部材
127はヒータ128によって加熱された熱板125と、かかる熱板125に連接する冷却バー126ととから構成されている。このような加圧部材127によって移動する包装体の底部を押圧することにより包装体A3の底部を成形することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブを有し、かつ包装袋の上下方向に対して直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返して該折り返し部分の内面同士を接着してなる一以上のヒダが延伸されたヒダ付き自立性包装袋において、少なくとも折り畳まれた底面部と外周部との稜に形成されヒダが外周部から延長して同一平面を形成し、前記底面部とヒダ裏面上端とは略直角に形成され、前記ヒダが前記リブと交叉する部分に切欠部を有することを特徴とするヒダ付き自立性包装袋。
【請求項2】
前記切欠部のヒダ全体における欠き幅が前記リブの幅の二倍以上の長さを有することを特徴とする請求項1に記載されたヒダ付き自立性包装袋。
【請求項3】
前記切欠部のヒダ全体における欠き幅が前記リブの幅の三倍以上の長さを有することを特徴とする請求項1に記載されたヒダ付き自立性包装袋。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一に記載された包装袋に被包装物を収容して開口部を接着してなることを特徴とするヒダ付き自立性包装体。
【請求項5】
ヒダ付き自立性包装体用原反ロールにおいて、原反ロールの少なくとも一面がヒートシール性を有し、該ヒートシール性を有する面と反対の面上に、繰り出し方向と直角方向に帯状に三枚重ねとなるように折り返されたヒダが形成され、当該ヒダは製袋時に連続する方向に対して直角方向に切り離される予定位置から包材繰り出し方向に包装体の底面部の形成に必要な寸法をもって所定間隔に配置され、前記ヒダが製袋時に包装体の上下方向に包材の端縁における内面同士が接着された合掌状のリブと交叉する部分に切欠部が形成されていることを特徴とするヒダ付き自立性包装体用原反ロール。
【請求項6】
請求項5記載の原反ロールをフォーマーに掛けて間欠走行させるか又は連続走行させ、筒状に曲成した原反ロールの両端縁を合掌状にヒートシールしてトンネル状の包装筒として間欠走行させるか又は連続走行するとともに、搬入コンベアにより被包装品をヒダとヒダとの間に位置するようにフォーマー内側に形成される前記包筒内に送給し、次いでフォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き自立性包装体の製造方法。
【請求項7】
請求項5記載の原反ロールを間欠走行させるか又は連続走行させ、フォーマーに掛けて該フォーマーの内側に通された被包装物充填筒に巻き付けながら筒状に曲成した原反ロールの両端縁を合掌状にヒートシールしてトンネル状の包装筒を形成し、被包装物品を被包装物充填筒内を通して上部より落下させるとともにフォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き自立性包装体の製造方法。
【請求項8】
前記袋切り離しのカットを入れる工程後、包装体は搬出用コンベアに載置され、該搬出用コンベアと直交するコンベア上に前記切り離された包装体を移送し、移送された包装体の上部をガイドレールによって保持しながら間欠走行させ、加圧プレートによってヒダに接触しないように包装体の底部側より底部を押圧することにより底部を成形することを特徴とする請求項6記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法。
【請求項9】
前記袋切り離しのカットを入れ、一つ下流側に位置する包装体を切り離した後、加圧プレートによってヒダに接触しないようにヒートシール部に固定されている包装体の底部側よ
り底部を押圧することにより底部を成形する工程を有し、加圧プレートが終端が軸着された回動可能なアームの先端に固着されていることを特徴とする請求項7記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法。
【請求項10】
前記切り離しのカットを入れる工程後、包装体は搬出用コンベアに載置され、該搬出用コンベアと直交するコンベア上に前記切り離された包装体を移送し、移送される包装体が該直交するコンベアの上方であって進行方向に配置される上部ガイドレールによって上部を押圧されながら間欠走行又は連続走行するとともに、直交するコンベアの進行方向であって、包装体の底部を圧接する位置に加圧部材を延接し移動する包装体の底部を押圧することにより移動しながら底部を成形することを特徴とする請求項6記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法。
【請求項11】
前記加圧プレート又は加圧部材が、ヒータを内蔵していることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか一に記載のヒダ付き自立性包装体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−133051(P2008−133051A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280347(P2007−280347)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(307027717)株式会社彫刻プラスト (6)
【出願人】(593031849)
【Fターム(参考)】