ファイル生成装置および方法、3次元形状再生装置および方法並びにプログラム
【課題】3次元データのファイルから簡易に所望とする距離範囲の3次元形状を再生できるようにする。
【解決手段】3次元データ生成部31が、撮像部21A,21Bが被写体を撮像することにより取得した画像データから、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを生成する。データ変換部24Aが、距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成する。ファイル生成部24が、変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データを特定し、特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する。
【解決手段】3次元データ生成部31が、撮像部21A,21Bが被写体を撮像することにより取得した画像データから、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを生成する。データ変換部24Aが、距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成する。ファイル生成部24が、変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データを特定し、特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の3次元形状を表す3次元データから3次元データファイルを生成するファイル生成装置および方法、生成された3次元データファイルから3次元形状を再生するための3次元形状再生装置および方法、並びにファイル生成方法および3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
異なる位置に設けられた2台以上のカメラを用いて被写体を撮像し、これにより取得された複数の画像(基準カメラによる基準画像および参照カメラによる参照画像)の間で対応する画素である対応点を探索し(ステレオマッチング)、互いに対応する基準画像上の画素と、参照画像上の画素との位置の差(視差)に三角測量の原理を適用することにより、基準カメラまたは参照カメラから当該画素に対応する被写体上の点までの距離を計測して、被写体の3次元形状を表す3次元画像を生成する手法が提案されている。
【0003】
このように生成された3次元画像のデータ(3次元データ)は、再利用のために保存する際に、基準画像および参照画像の画像データ(2次元画像データ)とは別個に保存されていたが、3次元データおよび2次元画像データを別個に保存すると、同一の目的のために生成された2つのデータを別個に管理する必要が生じる。このため、3次元データを2次元画像データに含めて1つのデータファイルとして出力する手法が提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2005−77253号公報
【特許文献2】WO2003/92304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された手法は、3次元データを2次元画像データに含めて1つのデータファイルを生成しているのみである。このため、例えばある特定の距離範囲の3次元形状のみを再生したい場合には、データファイルからすべての3次元データを読み出して距離範囲を判断する必要があり、その結果、3次元形状および2次元画像の再生に長時間を要することとなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、3次元データのファイルから簡易に所望とする距離範囲の3次元形状を再生できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるファイル生成装置は、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する3次元データ取得手段と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成するデータ変換手段と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
「距離順に並べ替える」とは、距離が小さい順に並べ替えるものであっても、距離が大きい順に並べ替えるものであってもよい。
【0008】
「格納場所情報」は、例えば3次元データファイルのヘッダに記述することにより、3次元データファイルに格納することができる。
【0009】
なお、本発明によるファイル生成装置においては、前記生成手段を、前記複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、前記変換済み3次元データを前記所定距離間隔により分割する手段としてもよい。
【0010】
また、本発明によるファイル生成装置においては、前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する2次元画像データ取得手段をさらに備えるものとし、
前記生成手段を、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手段としてもよい。
【0011】
「2次元画像データと3次元データとを関連づけて3次元データファイルを生成する」とは、2次元画像データと3次元データとが一体不可分となるように3次元データファイルを生成することを意味する。具体的には、2次元画像データおよび3次元データを結合して3次元データファイルに格納することのみならず、3次元データのみが格納された3次元データファイルと、2次元画像データのみが格納された2次元データファイルとを、ファイル名が同一で拡張子のみが異なる別ファイルとして生成すること等をも含むものである。
【0012】
なお、この場合、前記3次元データ取得手段を、前記2次元画像データから前記3次元データを生成することにより取得する手段としてもよい。
【0013】
また、この場合、前記生成手段を、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における前記距離データに付与して前記3次元データファイルを生成する手段としてもよい。
【0014】
また、この場合において、前記生成手段を、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合に、該画素位置と対応する距離データを削除する手段としてもよい。
【0015】
また、この場合において、前記データ変換手段を、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて、前記距離データを並べ替える手段としてもよい。
【0016】
本発明による3次元形状再生装置は、本発明によるファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
なお、本発明による3次元形状再生装置において、2次元画像データを取得した場合には、前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生するようにしてもよい。
【0018】
本発明によるファイル生成方法は、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得し、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成し、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、
該特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成することを特徴とするものである。
【0019】
なお、本発明によるファイル生成方法においては、前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得し、
前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成するようにしてもよい。
【0020】
本発明による3次元形状再生方法は、本発明によるファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生することを特徴とするものである。
【0021】
なお、本発明による3次元形状再生方法において、2次元画像データを取得した場合には、前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生するようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明によるファイル生成方法および3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるファイル生成装置および方法によれば、距離順に並べ替えられた距離データからなる変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データが特定され、特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および変換済み3次元データが格納された3次元データファイルが生成される。このため、3次元データファイルに格納された格納場所情報を参照すれば、所定距離間隔の境界にある距離データを特定することができる。したがって、所望とする距離範囲にある距離データのみからなる3次元データを3次元データファイルから容易に取得することができ、その結果、所望とする距離範囲にある3次元形状の画像の再生を容易に行うことができる。
【0024】
また、複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、変換済み3次元データを所定距離間隔により分割することにより、存在する距離データの範囲においてのみ3次元データファイルを生成することができるため、3次元データファイルのデータ量を低減することができる。
【0025】
また、3次元データが、被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、2次元画像データと3次元データとを関連づけて3次元データファイルを生成することにより、同一の目的のために生成された2次元画像データおよび3次元データの管理が容易となる。
【0026】
この場合、2次元画像データから3次元データを生成して取得することにより、3次元データを生成する装置を別個に設ける必要がなくなる。
【0027】
また、2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における距離データに付与して3次元データファイルを生成することにより、再生時における2次元画像と3次元形状との対応づけを容易に行うことができる。
【0028】
この場合において、2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、その画素位置と対応する距離データを削除することにより、3次元データファイルのデータ量を低減することができる。
【0029】
また、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて距離データを並べ替えることにより、距離が同一の距離データを並べ替える際の混乱を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるファイル生成装置および3次元形状再生装置を適用したステレオカメラ1の内部構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように第1の実施形態によるステレオカメラ1は、2つの撮像部21A,21B、撮像制御部22、画像処理部23、圧縮/伸長処理部24、フレームメモリ25、メディア制御部26、内部メモリ27、および表示制御部28を備える。
【0031】
図2は撮像部21A,21Bの構成を示す図である。図2に示すように、撮像部21A,21Bは、レンズ10A,10B、絞り11A,11B、シャッタ12A,12B、CCD13A,13B、アナログフロントエンド(AFE)14A,14BおよびA/D変換部15A,15Bをそれぞれ備える。
【0032】
レンズ10A,10Bは、被写体に焦点を合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズ等の複数の機能別レンズにより構成され、不図示のレンズ駆動部によりその位置が調整される。なお、本実施形態においては焦点位置は固定されているものとする。
【0033】
絞り11A,11Bは、不図示の絞り駆動部により、AE処理により得られる絞り値データに基づいて絞り径の調整が行われる。なお、本実施形態においては絞り値データは固定されているものとする。
【0034】
シャッタ12A,12Bはメカニカルシャッタであり、不図示のシャッタ駆動部により、AE処理により得られるシャッタスピードに応じて駆動される。なお、本実施形態においてはシャッタスピードは固定されているものとする。
【0035】
CCD13A,13Bは、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、被写体光がこの光電面に結像して光電変換されてアナログ撮像信号が取得される。また、CCD13A,13Bの前面にはR,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタが配設されている。
【0036】
AFE14A,14Bは、CCD13A,13Bから出力されるアナログ撮像信号に対して、アナログ撮像信号のノイズを除去する処理、およびアナログ撮像信号のゲインを調節する処理(以下アナログ処理とする)を施す。
【0037】
A/D変換部15A,15Bは、AFE14A,14Bによりアナログ処理が施されたアナログ撮像信号をデジタル信号に変換する。なお、撮像部21A,21BのCCD13A,13Bにおいて取得され、デジタル信号に変換されることにより得られる画像データは、画素毎にR,G,Bの濃度値を持つRAWデータである。なお、撮像部21Aにより取得される画像データにより表される2次元画像を基準画像G1、撮像部21Bにより取得される画像データにより表される2次元画像を参照画像G2とする。また、以降の説明において、基準画像および参照画像の画像データに対してもG1,G2の参照符号を用いるものとする。
【0038】
撮像制御部22は、レリーズボタン押下後に撮像の制御を行う。
【0039】
なお、本実施形態においては、焦点位置、絞り値データおよびシャッタスピードは固定されているが、AF処理およびAE処理を行って、撮影の都度、焦点位置、絞り値データおよびシャッタスピードを設定するようにしてもよい。
【0040】
画像処理部23は、撮像部21A,21Bが取得した画像データG1,G2に対して、画像データの感度分布のばらつきおよび光学系の歪みを補正する補正処理を施すとともに、2つの画像を並行化するための並行化処理を施す。さらに、並行化処理後の画像に対してホワイトバランスを調整する処理、階調補正、シャープネス補正、および色補正等の画像処理を施す。なお、画像処理部23における処理後の基準画像および参照画像およびこれらの画像データについても、処理前の参照符号G1,G2を用いるものとする。
【0041】
ファイル生成部24は、画像処理部23によって処理が施された基準画像の画像データG1と、後述するように生成された被写体の3次元形状を表す3次元データV1とから3次元データファイルF0を生成する。この3次元データファイルF0においては、画像データG1および3次元データV1に対して必要な圧縮処理が施され、さらにExifフォーマット等に基づいて、撮影日時および後述する3次元データV1のアドレス等の付帯情報が記述されたヘッダが付与される。ここで、ファイル生成部24は、後述するように生成された距離データを距離が小さい順に並べ替えて変換済みの3次元データV1を生成するデータ変換部24Aを備える。なお、ファイル生成部24が行う詳細な処理については後述する。
【0042】
フレームメモリ25は、撮像部21A,21Bが取得した基準画像G1および参照画像G2を表す画像データおよび3次元データに対して、前述の画像処理部23が行う処理を含む各種処理を行う際に使用する作業用メモリである。
【0043】
メディア制御部26は、記録メディア29にアクセスして3次元データファイルF0の書き込みと読み込みの制御を行う。
【0044】
内部メモリ27は、ステレオカメラ1において設定される各種定数、およびCPU36が実行するプログラム等を記憶する。
【0045】
表示制御部28は、フレームメモリ25に格納された画像データをモニタ20に表示させたり、記録メディア29に記録されている3次元データファイルF0に含まれる3次元データV1により表される被写体の3次元形状の画像である3次元画像をモニタ20に表示させたりするためのものである。
【0046】
また、ステレオカメラ1は、ステレオマッチング部30および3次元データ生成部31を備える。
【0047】
ステレオマッチング部30は、図3に示すように、基準画像G1上のある画素Paに写像される実空間上の点は、点P1,P2,P3というように点O1からの視線上に複数存在するため、実空間上の点P1 ,P2 ,P3 等の写像である直線(エピポーラ線)上に、画素Paに対応する参照画像R上の画素Pa′が存在するという事実に基づいて、基準画像G1と参照画像G2との対応点を参照画像G2上において探索する。なお、図3において点O1は基準カメラとなる撮像部21Aの視点、点O2は参照カメラとなる撮像部21Bの視点である。ここで、視点とは撮像部21A,21Bの光学系の焦点である。また、対応点の探索は、画像処理が施された基準画像G1および参照画像G2を用いてもよいが、画像処理前の並行化処理のみが施された基準画像G1および参照画像G2を用いることが好ましい。以降では、対応点の探索は画像処理前の基準画像G1および参照画像G2を用いるものとして説明する。
【0048】
具体的には、ステレオマッチング部30は、対応点の探索を行う際に、あらかじめ定められた相関ウィンドウWをエピポーラ線に沿って移動し、各移動位置において基準画像G1および参照画像G2の相関ウィンドウW内の画素についての相関を算出し、参照画像G2上の相関が最大となる位置における相関ウィンドウWの中心画素を、基準画像G1上の画素Paに対応する対応点とする。なお、相関を評価するための相関評価値としては、対応する画素値の差分絶対値和および差分2乗和の逆数等を用いることができる。この場合、相関評価値が小さいほど、相関が大きいものとなる。
【0049】
図4は並行化処理後の基準画像および参照画像の位置関係を説明するための図である。図4に示すように、撮像部21A,21Bにおける基準画像G1および参照画像G2が得られる面となる画像面は、撮像部21A,21Bの光軸との交点を原点とする。また、画像面上における撮像部21A,21Bの座標系をそれぞれ(u,v)、(u′,v′)とする。ここで、並行化処理により撮像部21A,21Bの光軸は平行となるため、画像面におけるu軸およびu′軸は同一直線上において同一方向を向くこととなる。また、並行化処理により、参照画像G2上におけるエピポーラ線は、u′軸に平行なものとなるため、基準画像G1上におけるu軸も、参照画像G2のエピポーラ線の方向と一致することとなる。
【0050】
ここで、撮像部21A,21Bの焦点距離をf、基線長をbとする。なお、焦点距離fおよび基線長bはキャリブレーションパラメータとしてあらかじめ算出されて内部メモリ27に記憶されている。このとき、3次元空間上における被写体の位置を表す距離データ(X,Y,Z)は、撮像部21Aの座標系を基準とすると、下記の式(1)〜(3)により表される。
【0051】
X=b・u/(u−u′) (1)
Y=b・v/(u−u′) (2)
Z=b・f/(u−u′) (3)
ここでu−u′は、撮像部21A,21Bの画像面上における投影点の横方向のずれ量(視差)である。
【0052】
このようにして距離データ(X,Y,Z)を3次元空間において複数算出することにより、その3次元空間に含まれる被写体の3次元形状を表すことができ、複数の距離データの集合が3次元データV0となる。ここで、距離データX,Yはその画素の位置を表す位置情報であり、距離データZは距離を表す情報である。なお、距離データは基準画像G1および参照画像G2の共通する範囲においてのみ算出される。また、図5に示すように、3次元データV0の座標系は、撮像部21Aの座標系と一致することから、基準画像G1の各画素位置の座標(x,y)と距離データ(X,Y,Z)とを対応づけることができるなお、図5においてY軸は紙面に垂直方向に存在する。なお、基準画像G1は左上隅の画素を原点とし、水平方向をx方向、垂直方向をy方向とする座標系を有する。
【0053】
3次元データ生成部31は、ステレオマッチング部30が求めた対応点を用いて、上記式(1)〜(3)により、撮像部21A,21Bから被写体までの距離を表す距離データ(X,Y,Z)を3次元空間上において複数算出し、算出した複数の距離データ(X,Y,Z)からなる3次元データV0を生成する。
【0054】
なお、図6に示すように、被写体Hの形状によっては、撮像部21Aからは臨むことができるが撮像部21Bからは臨むことができない隠れ点P0が存在する場合がある。このような隠れ点P0については、距離データ(X,Y,Z)を算出することができないため、隠れ点P0については距離データが存在するのか否かが分からない。また、基準画像G1において参照画像G2と共通しない範囲においても距離データ(X,Y,Z)は算出することができない。このため、本実施形態においては、距離データ(X,Y,Z)が算出できない3次元空間上の点においては、距離データ(X,Y,Z)の値としてFFの値(X,Y,Zを16進数で表す場合)を与えて((X,Y,Z)=(FF,FF,FF))、距離データが算出されなかったことが分かるようにしておくものとする。
【0055】
CPU36は、入出力部37からの信号に応じてステレオカメラ1の各部を制御する。
【0056】
入出力部37は、各種インターフェース並びに撮影者が操作可能なスイッチ、レリーズボタンおよび操作ボタン等を備えてなるものである。
【0057】
データバス38は、ステレオカメラ1を構成する各部およびCPU36に接続されており、ステレオカメラ1における各種データおよび各種情報のやり取りを行う。
【0058】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図7は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここではレリーズボタンが全押しされて撮影の指示が行われた以降の処理について説明する。
【0059】
レリーズボタン4が全押しされることによりCPU36が処理を開始し、撮像部21A,21BがCPU36からの指示により被写体を撮像し、さらに撮像部21A,21Bが取得した画像データに対して、画像処理部23が、補正処理、並行化処理および画像処理を施して基準画像および参照画像の画像データG1,G2を取得し(ステップST1)、ステレオマッチング部30が対応点を探索し、3次元データ生成部31が、探索した対応点に基づいて3次元データV0を生成する(ステップST2)。
【0060】
次いで、ファイル生成部24が、3次元データV0に含まれる各距離データ(X,Y,Z)に、対応する基準画像G1の画素位置の座標(x,y)を付与する(ステップST3)。これにより、3次元データV0に含まれる距離データと基準画像G1の各画素の画素位置とが対応づけられて、距離データが(x,y,X,Y,Z)のデータを有するものとなる。
【0061】
次いで、CPU36からの指示により、表示制御部28が情報入力画面をモニタ20に表示し、3次元データファイルF0生成に際しての距離の基準となる基準平面の位置、処理モードおよび距離範囲の指定を、入出力部37からの入力により受け付ける(情報入力受け付け:ステップST4)。図8は情報入力画面を示す図である。図8に示すように情報入力画面50には、基準平面の位置、処理モードおよび距離範囲を入力するための第1から第4の入力ボックス51〜54が表示されている。
【0062】
基準平面は、図5に示す座標系におけるZ軸に直交する、後述するように距離データを距離順に並べ替える際の基準となる平面である。なお、基準平面の位置としては、ステレオカメラ1からの距離を入力する。なお、図8においては、基準平面の位置として0mmが入力された状態を示している。
【0063】
また、ステレオカメラ1においては、3次元データファイルF0を生成する処理モードとして複数のモードが設定可能とされており、撮影者は例えばモードの番号を入力して処理モードを指定する。処理モードの内容については後述する。なお、図8においては処理モードとして「1」が入力された状態を示している。
【0064】
また、距離範囲は、3次元データファイルF0に格納する3次元データV0の距離範囲であり、撮影者は3次元データファイルF0に含めることを所望する3次元データV0の距離範囲の最小値および最大値を入力することにより、距離範囲を指定する。なお、図8においては距離範囲として0mm〜1000mmが入力された状態を示している。
【0065】
ここで、第1から第3の入力ボックス51〜54には上下の矢印ボタンが付与されており、撮影者は入出力部37の操作ボタンを用いて矢印ボタンを上下に押下することにより、入力ボックス51〜54に入力する値を変更することができる。
【0066】
次いで、データ変換部24Aが、基準画像G1の座標が付与された距離データ(x,y,X,Y,Z)について、基準平面からの距離が同じ(すなわちデータZの値が同じ)距離データが存在するか否かを判定する(ステップST5)。ステップST5が否定されると、上述したように入力された距離範囲に存在する距離データを、距離が基準平面に近い順に並べ替えて、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST6)。
【0067】
ステップST5が肯定されると、基準平面からの距離が同じ距離データを抽出し(ステップST7)、抽出した距離データに付与されている基準画像G1の座標に基づいて、評価値E0を算出する(ステップST8)。ここで評価値E0は、基準画像G1の左上隅の座標を原点とした場合における、原点からその座標までの画素数を用いる。具体的には、評価値E0は基準画像G1の座標(x,y)を用いて、E0=(基準画像G1の水平方向の画素数)×y+xにより算出する。そして、データ変換部24Aは、基準平面からの距離が同じ距離データについては、評価値E0が小さい順に並べ替えることにより、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST9)。
【0068】
ステップST6,ST9に続いて、ファイル生成部24が、画像データG1と3次元データV1とを1つのファイルとなるように結合する(ステップST10)。この際、X,Y,ZがFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)は削除される。そして、ファイル生成部24は、撮影者が入力した距離範囲を所定の分割数により分割し、分割した場合の距離の境界における距離データを特定する(ステップST11)。なお、本実施形態においては、分割数を8とする。また、境界における距離データは、分割した距離範囲における最遠の距離を表す距離データとするが、最近の距離を表す距離データであってもよい。
【0069】
そして、ファイル生成部24は、分割したそれぞれの距離範囲(以下、分割距離範囲とする)における最後の距離データのアドレスおよび必要な情報をヘッダに記述し(ステップST12)、3次元データファイルF0を生成する(ステップST13)。そして、メディア制御部26が3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST14)、処理を終了する。
【0070】
ここで、必要な情報としては、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数、基準画像の画像データG1の開始アドレス、3次元データV1の開始アドレス、3次元データV1の終了アドレス、基準平面の位置、撮影者が入力した距離範囲、3次元データV1の最近距離とその距離データのアドレス、3次元データV1の最遠距離とその距離データのアドレス、および分割距離範囲の間隔の他、ファイル名および撮影日時等の情報が含まれる。
【0071】
また、本実施形態においては、基準平面はZ=0(すなわちXY平面)であり、距離範囲は0mm〜1000mm、分割数は8となっている。このため、図9に示すように、0mm〜1000mmの距離範囲が125mm間隔で8つの範囲H1〜H8に分割される。なお各範囲H1〜H8は、それぞれ0mm以上125mm未満、125mm以上250mm未満、250mm以上375mm未満、375mm以上500mm未満、500mm以上625mm未満、625mm以上750mm未満、750mm以上875mm未満、875mm以上1000mm以下となる。
【0072】
図10は3次元データファイルF0のファイル構造を示す図である。図10に示すように3次元データファイルF0には、ヘッダ60、画像データG1および3次元データV1が格納されている。3次元データV1は距離データが8つの範囲H1〜H8に分けられて3次元データファイルF0に格納されており、各範囲H1〜H8の最遠の距離を表す距離データのアドレスh1〜h8がヘッダ60に記述される。
【0073】
図11は第1の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図である。図11に示すようにヘッダには、ファイル名として3D001.VVV、撮影日時として2007.12.24、処理モードとして1が記述される。また、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数1280×1024、基準画像の画像データG1の開始アドレスa1、3次元データV1の開始アドレスa2、3次元データV1の終了アドレスa3、基準平面の位置Z=0、入力した距離範囲0mm〜1000mm、3次元データV1の最近距離0mmとその距離データのアドレスa4、3次元データV1の最遠距離1000mmとその距離データのアドレスa5、および分割距離範囲の間隔125mm、範囲H1〜H8の最後の距離データのアドレスh1〜h8が記述される。
【0074】
図12は3次元データファイルF0における画像データG1および3次元データV1の格納の状態を示す図である。図12に示すように、画像データG1は基準画像G1の各画素のRGB各色の画素値が、原点(すなわち(x,y)=(0,0))から順に並べられている。なお、連続して並ぶRGB3つの画素値が、基準画像G1の1画素のRGB各色の画素値に相当する。
【0075】
また、3次元データV1は、基準平面に近い順に距離データ(x,y,X,Y,Z)が並べられている。ここで、(X,Y,Z)=(FF,FF,FF)となる場合、距離データ(x,y,X,Y,Z)は3次元データV1が画像データG1と結合される際に削除される。例えば図12の部分Aの距離データが削除されると、部分Aのデータがなくなることから、その分後のデータがつめて並べられる。
【0076】
次いで、3次元データファイルF0の再生時の処理について説明する。図13は3次元データファイルF0の再生時に行われる処理を示すフローチャートである。撮影者による3次元データファイルF0の再生の指示がなされることによりCPU36が処理を開始し、記録メディア29に記録された3次元データファイルF0を読み出して、3次元データファイルF0のヘッダから再生可能な距離範囲および分割距離範囲の間隔を読み出し(ステップST21)、表示制御部28が、再生範囲の選択画面をモニタ20に表示する(ステップST22)。
【0077】
図14は再生範囲の選択画面を示す図である。図14に示すように再生範囲の選択画面70は、再生可能な距離範囲および分割距離範囲の間隔を説明するテキスト71と、再生する距離範囲を指定する距離範囲指定ボックス72,73とが表示されている。なお、距離範囲指定ボックス72は再生の開始距離を、距離範囲指定ボックス73は再生の終了距離をそれぞれ入力するものとなっている。ここで、距離範囲指定ボックス72,73には上下の矢印ボタンが付与されており、撮影者は入出力部37の操作ボタンを用いて矢印ボタンを上下に押下することにより、距離範囲指定ボックス72,73に再生の開始距離および再生の終了距離を入力することができる。ここで、距離範囲指定ボックス72,73に表示される距離は3次元データファイルF0のヘッダに記述された距離範囲および分割距離範囲の間隔に応じて選択可能とされている。本実施形態においては、0mm〜1000mmの範囲において125mm間隔で距離を入力することができる。
【0078】
そして、CPU36は、再生範囲が選択されると(ステップST23:肯定)、3次元データファイルF0のヘッダに記述された範囲H1〜H8のアドレスh1〜h8を参照して、撮影者が選択した再生範囲の距離データからなる3次元データV2を3次元データファイルF0から取得する(ステップST24)。さらに、取得した3次元データV2に含まれる距離データに付与された基準画像G1の座標に基づいて、対応する基準画像の画素値(RGB)を取得する(ステップST25)。そして、取得した3次元データV2および画素値に基づいて、表示制御部28が、撮影者が選択した再生範囲における被写体の3次元形状および2次元画像の確認画面をモニタ20に再生する(ステップST26)。
【0079】
図15は3次元形状および2次元画像の確認画面を示す図である。図15に示すように、確認画面74には撮影者が選択した再生範囲における3次元形状の画像である3次元画像75および2次元画像76が表示される。なお、画像75,76において、選択された再生範囲以外の部分を斜線で示す。また、3次元画像75は距離に応じて色が異なるものであるが、ここでは白塗りで示している。また、モニタ20には削除ボタン77および終了ボタン78が表示されている。
【0080】
CPU36は、撮影者により削除ボタン77が選択されたか否かを判定し(ステップST27)、ステップST27が肯定されると、削除確認画面を表示する(ステップST28)。図16は削除確認画面を示す図である。図16に示すように削除確認画面80には、現在再生されている部分以外のデータの削除の可否を撮影者に問い合わせるためのテキスト81、YESボタン82およびNOボタン83が表示されている。CPU36は、YESボタン82が選択されたか否かを判定し(ステップST29)、ステップST29が肯定されると、現在表示中の3次元形状を表す3次元データV2に含まれる距離データ以外の距離データを3次元データファイルF0から削除するとともに、ヘッダを編集する(ステップST30)。そして、メディア制御部26が、距離データが削除されかつヘッダが編集された処理済みの3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST31)、処理を終了する。
【0081】
なお、ステップST27が否定されると、終了ボタン78が選択されたか否かを判定し(ステップST32)、ステップST32が肯定されると処理を終了する。ステップST32が否定されると、ステップST26に戻る。また、ステップST29が否定されるとステップST26に戻る。
【0082】
なお、ヘッダの編集は、削除した距離データに関するアドレスh1〜h8および範囲H1〜H8を削除するとともに、3次元データV1の開始アドレス、終了アドレス、入力した距離範囲、3次元データV1の最近距離とその距離データのアドレス、および3次元データの最遠距離とその距離データのアドレスを再生範囲の3次元データV2に対応するものに変更することにより行えばよい。
【0083】
このように、本実施形態においては、距離順に並べ替えられた距離データからなる変換済みの3次元データV1を所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データを特定し、特定した距離データのアドレスをヘッダに記述して3次元データV1が格納された3次元データファイルF0を生成するようにしたものである。このため、3次元データファイルF0のヘッダのアドレスを参照すれば、所定距離間隔の境界にある距離データを特定することができる。したがって、所望とする距離範囲にある距離データのみからなる3次元データV1を3次元データファイルF0から容易に取得することができ、その結果、所望とする距離範囲にある3次元形状の画像の再生を容易に行うことができる。
【0084】
また、3次元データV1を、被写体を撮影することにより取得した基準画像および参照画像の画像データG1,G2から生成し、基準画像の画像データG1と3次元データV1とを関連づけて3次元データファイルF0を生成しているため、同一の目的のために生成された画像データG1および3次元データV0の管理が容易となる。
【0085】
また、基準画像および参照画像の画像データG1,G2から3次元データV1を生成しているため、3次元データV1を生成する装置を別個に設ける必要がなくなる。
【0086】
また、画像データG1により表される画像の画素位置の座標を、その画素位置における距離データに付与して3次元データファイルF0を生成しているため、再生時における基準画像G1と3次元形状との対応づけを容易に行うことができる。
【0087】
また、基準画像G1の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、その距離データを削除することにより、3次元データファイルF0のデータ量を低減することができる。
【0088】
また、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する基準画像G1の画素位置の順序に基づいて距離データを並べ替えて変換済みの3次元データV1を生成することにより、距離が同一の距離データを並べ替える際の混乱を防止できる。
【0089】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態によるステレオカメラは、第1の実施形態と行われる処理のみが異なり、構成は同一であるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、3次元データV0から被写体が存在する距離範囲を求め、その距離範囲の距離データのみを用いて3次元データファイルF0を生成するようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0090】
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図17は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態におけるステップST41〜ステップST43の処理は、第1の実施形態におけるステップST1〜ステップST3と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0091】
ステップST43に続いて、CPU36は3次元データファイルF0生成に際しての距離の基準となる基準平面の位置および処理モードの指定を、入出力部37からの入力により受け付ける(情報入力受け付け:ステップST44)。第1の実施形態においては処理モードとして「1」を入力していたが、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる処理を行うものであることから、処理モードとして「2」を入力するものとする。また、第2の実施形態においては、3次元データV0から被写体が存在する距離範囲を求め、その距離範囲の距離データのみを用いて3次元データファイルF0を生成するものであるため、距離範囲の入力は受け付けない。
【0092】
次いで、データ変換部24Aが、第1の実施形態のステップST5と同様に、基準画像G1の座標が付与された距離データ(x,y,X,Y,Z)について、基準平面からの距離が同じ距離データが存在するか否かを判定し(ステップST45)、ステップST45が否定されると、距離データを距離が基準平面に近い順に並べ替えて、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST46)。さらに、3次元データV1に含まれる距離データにより表される距離の最近距離および最遠距離を取得する(ステップST47)。
【0093】
ステップST45が肯定されると、第1の実施形態におけるステップST7〜ステップST9と同様にステップST48〜ステップST50の処理を行い、変換済みの3次元データV1を取得する。さらに、ステップST47に進み、3次元データV1に含まれる距離データにより表される距離の最近距離および最遠距離を取得する。
【0094】
図18は第2の実施形態において取得される最近距離および最遠距離を説明するための図である。図18に示すように被写体Hをステレオカメラ1により撮影した場合、被写体Hは距離D1と距離D2との間にのみ存在するため、距離データは距離D1と距離D2との間においてのみ算出される。したがって、最近距離はD1、最遠距離はD2となる。
【0095】
続いて、ファイル生成部24が、画像データG1と3次元データV1とを1つのファイルとなるように結合する(ステップST51)。この際、X,Y,ZがFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)は削除される。そして、ファイル生成部24は、上述した最近距離D1および最遠距離D2の間の距離範囲を所定の分割数により分割し、分割した場合の境界における距離データを特定する(ステップST52)。なお、本実施形態においては、分割数を8とする。また、境界における距離データは、分割した距離範囲における最後の距離データとする。
【0096】
そして、ファイル生成部24は、分割距離範囲における最後の距離データのアドレスおよび必要な情報をヘッダに記述し(ステップST53)、3次元データファイルF0を生成する(ステップST54)。そして、メディア制御部26が3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST55)、処理を終了する。
【0097】
ここで、図18に示すように最近距離D1および最遠距離D2を取得した場合、距離範囲D1D2が8等分されることとなる。具体的には、最近距離D1=900mm、最遠距離D2=1000mmとすると、分割数は8であることから、900mm〜1000mmの距離範囲が12.5mm間隔で8つの範囲H11〜H18に分割される。なお各範囲H11〜H18は、それぞれ900mm以上912.5mm未満、912.5mm以上925mm未満、925mm以上937.5mm未満、937.5mm以上950mm未満、950mm以上962.5mm未満、962.5mm以上975mm未満、975mm以上987.5mm未満、987.5mm以上1000mm以下となる。
【0098】
図19は第2の実施形態におけるヘッダの記述内容の例を示す図である。図19に示すようにヘッダには、ファイル名として3D002.VVV、撮影日時として2007.12.24、処理モードとして2が記述される。また、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数1280×1024、基準画像G1の画像データG1の開始アドレスa11、3次元データV1の開始アドレスa12、3次元データV1の終了アドレスa13、基準平面の位置Z=0、算出する距離範囲900mm〜1000mm、3次元データV1の最近距離900mmとその距離データのアドレスa14、3次元データV1の最遠距離1000mmとその距離データのアドレスa15、および分割距離範囲の間隔12.5mm、範囲H11〜H18の最遠の距離を表す距離データのアドレスh11〜h18が記述される。
【0099】
このように、第2の実施形態においては、距離データにより表される距離における最近距離D1および最遠距離D2の間においてのみ3次元データV1を所定距離間隔により分割しているため、存在する距離データの範囲においてのみ3次元データファイルF0を生成することができ、その結果、3次元データファイルF0のデータ量を低減することができる。
【0100】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、X,Y,ZとしてFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)を、画像データG1との結合時に削除しているが、これを削除することなく、3次元データファイルF0を生成するようにしてもよい。また、この場合の処理モードとしては、上記第1および第2の実施形態の処理モード1,2とは異なる処理モードの番号を設定しておけばよい。
【0101】
また、上記第1および第2の実施形態においては、3次元データファイルF0に基準画像の画像データG1のみを含めているが、参照画像の画像データG2も含めるようにしてもよい。なお、この場合において3次元データV1と結合する画像データは画像データG1,G2のいずれであってもよい。また、この場合の処理モードとしては、上記第1および第2の実施形態の処理モード1,2とは異なる処理モードの番号を設定しておけばよい。
【0102】
また、3次元データファイルF0に画像データG1,G2を含めることなく、3次元データV1のみを含む3次元データファイルF0を生成してもよい。この場合、3次元データファイルF0とファイル名が同一で拡張子が異なる画像データG1,G2の画像ファイルを別個に生成して、3次元データファイルF0と画像ファイルとを関連づけておくことが好ましい。なお、3次元データファイルF0と画像ファイルとの関連づけは、これに限定されるものではなく、3次元データファイルF0と画像ファイルとを一体不可分とできれば、例えばこれらのファイルを同一のフォルダに記録することによっても行うことができる。また、3次元データV1のみを含む3次元データファイルF0を再生する場合には、指定された距離範囲の3次元画像のみを再生するようにしてもよい。
【0103】
また、上記第1および第2の実施形態においては、2つの撮像部21A,21Bを設け、2つの画像から3次元データV0を生成しているが、3以上の撮像部を設け、取得された3以上の画像データから3次元データV0を生成するようにしてもよい。
【0104】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、ステレオカメラ1内において3次元データファイルF0を生成しているが、ファイル生成部24およびデータ変換部24Aをステレオカメラ1とは別個に設け、基準画像および参照画像の画像データG1,G2および3次元データV0を外部のファイル生成部24およびデータ変換部24Aに出力して、3次元データファイルF0を生成するようにしてもよい。
【0105】
また、上記第1および第2の実施形態においては、ステレオカメラ1において撮像部21A,21Bにより取得した基準画像および参照画像の画像データG1,G2から3次元データV0を生成しているが、あらかじめ撮影により取得されて、記録メディア29に記録された基準画像および参照画像の画像データG1,G2を読み出し、読み出した画像データG1,G2から3次元データV0を生成するようにしてもよい。
【0106】
また、上記第1および第2の実施形態においては、基準平面からの距離が小さい順に距離データを並べ替えているが、基準平面からの距離が大きい順に並べ替えるようにしてもよい。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、コンピュータを、上記のファイル生成部24およびファイル変換部24Aに対応する手段として機能させ、図7,13,17に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施形態によるファイル生成装置および3次元形状再生装置を適用したステレオカメラの内部構成を示す概略ブロック図
【図2】撮像部の構成を示す図
【図3】ステレオマッチングを説明するための図
【図4】並行化処理後の基準画像および参照画像の位置関係を説明するための図
【図5】第1の実施形態の撮影時における距離データの座標系を説明するための図
【図6】隠れ点を説明するための図
【図7】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図8】情報入力画面を示す図
【図9】第1の実施形態における距離範囲の分割を説明するための図
【図10】3次元データファイルF0のファイル構造を示す図
【図11】第1の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図
【図12】3次元データファイルF0における画像データG1および3次元データV1の格納の状態を示す図
【図13】3次元データファイルF0の再生時に行われる処理を示すフローチャート
【図14】再生範囲の選択画面を示す図
【図15】3次元形状および2次元画像の確認画面を示す図
【図16】削除確認画面を示す図
【図17】第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図18】第2の実施形態における距離範囲の分割を説明するための図
【図19】第2の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図
【符号の説明】
【0109】
1 ステレオカメラ
21A,21B 撮像部
24 ファイル生成部
24A データ変換部
30 ステレオマッチング部
31 3次元データ生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の3次元形状を表す3次元データから3次元データファイルを生成するファイル生成装置および方法、生成された3次元データファイルから3次元形状を再生するための3次元形状再生装置および方法、並びにファイル生成方法および3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
異なる位置に設けられた2台以上のカメラを用いて被写体を撮像し、これにより取得された複数の画像(基準カメラによる基準画像および参照カメラによる参照画像)の間で対応する画素である対応点を探索し(ステレオマッチング)、互いに対応する基準画像上の画素と、参照画像上の画素との位置の差(視差)に三角測量の原理を適用することにより、基準カメラまたは参照カメラから当該画素に対応する被写体上の点までの距離を計測して、被写体の3次元形状を表す3次元画像を生成する手法が提案されている。
【0003】
このように生成された3次元画像のデータ(3次元データ)は、再利用のために保存する際に、基準画像および参照画像の画像データ(2次元画像データ)とは別個に保存されていたが、3次元データおよび2次元画像データを別個に保存すると、同一の目的のために生成された2つのデータを別個に管理する必要が生じる。このため、3次元データを2次元画像データに含めて1つのデータファイルとして出力する手法が提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2005−77253号公報
【特許文献2】WO2003/92304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された手法は、3次元データを2次元画像データに含めて1つのデータファイルを生成しているのみである。このため、例えばある特定の距離範囲の3次元形状のみを再生したい場合には、データファイルからすべての3次元データを読み出して距離範囲を判断する必要があり、その結果、3次元形状および2次元画像の再生に長時間を要することとなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、3次元データのファイルから簡易に所望とする距離範囲の3次元形状を再生できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるファイル生成装置は、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する3次元データ取得手段と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成するデータ変換手段と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
「距離順に並べ替える」とは、距離が小さい順に並べ替えるものであっても、距離が大きい順に並べ替えるものであってもよい。
【0008】
「格納場所情報」は、例えば3次元データファイルのヘッダに記述することにより、3次元データファイルに格納することができる。
【0009】
なお、本発明によるファイル生成装置においては、前記生成手段を、前記複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、前記変換済み3次元データを前記所定距離間隔により分割する手段としてもよい。
【0010】
また、本発明によるファイル生成装置においては、前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する2次元画像データ取得手段をさらに備えるものとし、
前記生成手段を、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手段としてもよい。
【0011】
「2次元画像データと3次元データとを関連づけて3次元データファイルを生成する」とは、2次元画像データと3次元データとが一体不可分となるように3次元データファイルを生成することを意味する。具体的には、2次元画像データおよび3次元データを結合して3次元データファイルに格納することのみならず、3次元データのみが格納された3次元データファイルと、2次元画像データのみが格納された2次元データファイルとを、ファイル名が同一で拡張子のみが異なる別ファイルとして生成すること等をも含むものである。
【0012】
なお、この場合、前記3次元データ取得手段を、前記2次元画像データから前記3次元データを生成することにより取得する手段としてもよい。
【0013】
また、この場合、前記生成手段を、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における前記距離データに付与して前記3次元データファイルを生成する手段としてもよい。
【0014】
また、この場合において、前記生成手段を、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合に、該画素位置と対応する距離データを削除する手段としてもよい。
【0015】
また、この場合において、前記データ変換手段を、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて、前記距離データを並べ替える手段としてもよい。
【0016】
本発明による3次元形状再生装置は、本発明によるファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
なお、本発明による3次元形状再生装置において、2次元画像データを取得した場合には、前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生するようにしてもよい。
【0018】
本発明によるファイル生成方法は、被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得し、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成し、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、
該特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成することを特徴とするものである。
【0019】
なお、本発明によるファイル生成方法においては、前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得し、
前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成するようにしてもよい。
【0020】
本発明による3次元形状再生方法は、本発明によるファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生することを特徴とするものである。
【0021】
なお、本発明による3次元形状再生方法において、2次元画像データを取得した場合には、前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生するようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明によるファイル生成方法および3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるファイル生成装置および方法によれば、距離順に並べ替えられた距離データからなる変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データが特定され、特定された距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および変換済み3次元データが格納された3次元データファイルが生成される。このため、3次元データファイルに格納された格納場所情報を参照すれば、所定距離間隔の境界にある距離データを特定することができる。したがって、所望とする距離範囲にある距離データのみからなる3次元データを3次元データファイルから容易に取得することができ、その結果、所望とする距離範囲にある3次元形状の画像の再生を容易に行うことができる。
【0024】
また、複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、変換済み3次元データを所定距離間隔により分割することにより、存在する距離データの範囲においてのみ3次元データファイルを生成することができるため、3次元データファイルのデータ量を低減することができる。
【0025】
また、3次元データが、被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、2次元画像データと3次元データとを関連づけて3次元データファイルを生成することにより、同一の目的のために生成された2次元画像データおよび3次元データの管理が容易となる。
【0026】
この場合、2次元画像データから3次元データを生成して取得することにより、3次元データを生成する装置を別個に設ける必要がなくなる。
【0027】
また、2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における距離データに付与して3次元データファイルを生成することにより、再生時における2次元画像と3次元形状との対応づけを容易に行うことができる。
【0028】
この場合において、2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、その画素位置と対応する距離データを削除することにより、3次元データファイルのデータ量を低減することができる。
【0029】
また、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて距離データを並べ替えることにより、距離が同一の距離データを並べ替える際の混乱を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるファイル生成装置および3次元形状再生装置を適用したステレオカメラ1の内部構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように第1の実施形態によるステレオカメラ1は、2つの撮像部21A,21B、撮像制御部22、画像処理部23、圧縮/伸長処理部24、フレームメモリ25、メディア制御部26、内部メモリ27、および表示制御部28を備える。
【0031】
図2は撮像部21A,21Bの構成を示す図である。図2に示すように、撮像部21A,21Bは、レンズ10A,10B、絞り11A,11B、シャッタ12A,12B、CCD13A,13B、アナログフロントエンド(AFE)14A,14BおよびA/D変換部15A,15Bをそれぞれ備える。
【0032】
レンズ10A,10Bは、被写体に焦点を合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズ等の複数の機能別レンズにより構成され、不図示のレンズ駆動部によりその位置が調整される。なお、本実施形態においては焦点位置は固定されているものとする。
【0033】
絞り11A,11Bは、不図示の絞り駆動部により、AE処理により得られる絞り値データに基づいて絞り径の調整が行われる。なお、本実施形態においては絞り値データは固定されているものとする。
【0034】
シャッタ12A,12Bはメカニカルシャッタであり、不図示のシャッタ駆動部により、AE処理により得られるシャッタスピードに応じて駆動される。なお、本実施形態においてはシャッタスピードは固定されているものとする。
【0035】
CCD13A,13Bは、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、被写体光がこの光電面に結像して光電変換されてアナログ撮像信号が取得される。また、CCD13A,13Bの前面にはR,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタが配設されている。
【0036】
AFE14A,14Bは、CCD13A,13Bから出力されるアナログ撮像信号に対して、アナログ撮像信号のノイズを除去する処理、およびアナログ撮像信号のゲインを調節する処理(以下アナログ処理とする)を施す。
【0037】
A/D変換部15A,15Bは、AFE14A,14Bによりアナログ処理が施されたアナログ撮像信号をデジタル信号に変換する。なお、撮像部21A,21BのCCD13A,13Bにおいて取得され、デジタル信号に変換されることにより得られる画像データは、画素毎にR,G,Bの濃度値を持つRAWデータである。なお、撮像部21Aにより取得される画像データにより表される2次元画像を基準画像G1、撮像部21Bにより取得される画像データにより表される2次元画像を参照画像G2とする。また、以降の説明において、基準画像および参照画像の画像データに対してもG1,G2の参照符号を用いるものとする。
【0038】
撮像制御部22は、レリーズボタン押下後に撮像の制御を行う。
【0039】
なお、本実施形態においては、焦点位置、絞り値データおよびシャッタスピードは固定されているが、AF処理およびAE処理を行って、撮影の都度、焦点位置、絞り値データおよびシャッタスピードを設定するようにしてもよい。
【0040】
画像処理部23は、撮像部21A,21Bが取得した画像データG1,G2に対して、画像データの感度分布のばらつきおよび光学系の歪みを補正する補正処理を施すとともに、2つの画像を並行化するための並行化処理を施す。さらに、並行化処理後の画像に対してホワイトバランスを調整する処理、階調補正、シャープネス補正、および色補正等の画像処理を施す。なお、画像処理部23における処理後の基準画像および参照画像およびこれらの画像データについても、処理前の参照符号G1,G2を用いるものとする。
【0041】
ファイル生成部24は、画像処理部23によって処理が施された基準画像の画像データG1と、後述するように生成された被写体の3次元形状を表す3次元データV1とから3次元データファイルF0を生成する。この3次元データファイルF0においては、画像データG1および3次元データV1に対して必要な圧縮処理が施され、さらにExifフォーマット等に基づいて、撮影日時および後述する3次元データV1のアドレス等の付帯情報が記述されたヘッダが付与される。ここで、ファイル生成部24は、後述するように生成された距離データを距離が小さい順に並べ替えて変換済みの3次元データV1を生成するデータ変換部24Aを備える。なお、ファイル生成部24が行う詳細な処理については後述する。
【0042】
フレームメモリ25は、撮像部21A,21Bが取得した基準画像G1および参照画像G2を表す画像データおよび3次元データに対して、前述の画像処理部23が行う処理を含む各種処理を行う際に使用する作業用メモリである。
【0043】
メディア制御部26は、記録メディア29にアクセスして3次元データファイルF0の書き込みと読み込みの制御を行う。
【0044】
内部メモリ27は、ステレオカメラ1において設定される各種定数、およびCPU36が実行するプログラム等を記憶する。
【0045】
表示制御部28は、フレームメモリ25に格納された画像データをモニタ20に表示させたり、記録メディア29に記録されている3次元データファイルF0に含まれる3次元データV1により表される被写体の3次元形状の画像である3次元画像をモニタ20に表示させたりするためのものである。
【0046】
また、ステレオカメラ1は、ステレオマッチング部30および3次元データ生成部31を備える。
【0047】
ステレオマッチング部30は、図3に示すように、基準画像G1上のある画素Paに写像される実空間上の点は、点P1,P2,P3というように点O1からの視線上に複数存在するため、実空間上の点P1 ,P2 ,P3 等の写像である直線(エピポーラ線)上に、画素Paに対応する参照画像R上の画素Pa′が存在するという事実に基づいて、基準画像G1と参照画像G2との対応点を参照画像G2上において探索する。なお、図3において点O1は基準カメラとなる撮像部21Aの視点、点O2は参照カメラとなる撮像部21Bの視点である。ここで、視点とは撮像部21A,21Bの光学系の焦点である。また、対応点の探索は、画像処理が施された基準画像G1および参照画像G2を用いてもよいが、画像処理前の並行化処理のみが施された基準画像G1および参照画像G2を用いることが好ましい。以降では、対応点の探索は画像処理前の基準画像G1および参照画像G2を用いるものとして説明する。
【0048】
具体的には、ステレオマッチング部30は、対応点の探索を行う際に、あらかじめ定められた相関ウィンドウWをエピポーラ線に沿って移動し、各移動位置において基準画像G1および参照画像G2の相関ウィンドウW内の画素についての相関を算出し、参照画像G2上の相関が最大となる位置における相関ウィンドウWの中心画素を、基準画像G1上の画素Paに対応する対応点とする。なお、相関を評価するための相関評価値としては、対応する画素値の差分絶対値和および差分2乗和の逆数等を用いることができる。この場合、相関評価値が小さいほど、相関が大きいものとなる。
【0049】
図4は並行化処理後の基準画像および参照画像の位置関係を説明するための図である。図4に示すように、撮像部21A,21Bにおける基準画像G1および参照画像G2が得られる面となる画像面は、撮像部21A,21Bの光軸との交点を原点とする。また、画像面上における撮像部21A,21Bの座標系をそれぞれ(u,v)、(u′,v′)とする。ここで、並行化処理により撮像部21A,21Bの光軸は平行となるため、画像面におけるu軸およびu′軸は同一直線上において同一方向を向くこととなる。また、並行化処理により、参照画像G2上におけるエピポーラ線は、u′軸に平行なものとなるため、基準画像G1上におけるu軸も、参照画像G2のエピポーラ線の方向と一致することとなる。
【0050】
ここで、撮像部21A,21Bの焦点距離をf、基線長をbとする。なお、焦点距離fおよび基線長bはキャリブレーションパラメータとしてあらかじめ算出されて内部メモリ27に記憶されている。このとき、3次元空間上における被写体の位置を表す距離データ(X,Y,Z)は、撮像部21Aの座標系を基準とすると、下記の式(1)〜(3)により表される。
【0051】
X=b・u/(u−u′) (1)
Y=b・v/(u−u′) (2)
Z=b・f/(u−u′) (3)
ここでu−u′は、撮像部21A,21Bの画像面上における投影点の横方向のずれ量(視差)である。
【0052】
このようにして距離データ(X,Y,Z)を3次元空間において複数算出することにより、その3次元空間に含まれる被写体の3次元形状を表すことができ、複数の距離データの集合が3次元データV0となる。ここで、距離データX,Yはその画素の位置を表す位置情報であり、距離データZは距離を表す情報である。なお、距離データは基準画像G1および参照画像G2の共通する範囲においてのみ算出される。また、図5に示すように、3次元データV0の座標系は、撮像部21Aの座標系と一致することから、基準画像G1の各画素位置の座標(x,y)と距離データ(X,Y,Z)とを対応づけることができるなお、図5においてY軸は紙面に垂直方向に存在する。なお、基準画像G1は左上隅の画素を原点とし、水平方向をx方向、垂直方向をy方向とする座標系を有する。
【0053】
3次元データ生成部31は、ステレオマッチング部30が求めた対応点を用いて、上記式(1)〜(3)により、撮像部21A,21Bから被写体までの距離を表す距離データ(X,Y,Z)を3次元空間上において複数算出し、算出した複数の距離データ(X,Y,Z)からなる3次元データV0を生成する。
【0054】
なお、図6に示すように、被写体Hの形状によっては、撮像部21Aからは臨むことができるが撮像部21Bからは臨むことができない隠れ点P0が存在する場合がある。このような隠れ点P0については、距離データ(X,Y,Z)を算出することができないため、隠れ点P0については距離データが存在するのか否かが分からない。また、基準画像G1において参照画像G2と共通しない範囲においても距離データ(X,Y,Z)は算出することができない。このため、本実施形態においては、距離データ(X,Y,Z)が算出できない3次元空間上の点においては、距離データ(X,Y,Z)の値としてFFの値(X,Y,Zを16進数で表す場合)を与えて((X,Y,Z)=(FF,FF,FF))、距離データが算出されなかったことが分かるようにしておくものとする。
【0055】
CPU36は、入出力部37からの信号に応じてステレオカメラ1の各部を制御する。
【0056】
入出力部37は、各種インターフェース並びに撮影者が操作可能なスイッチ、レリーズボタンおよび操作ボタン等を備えてなるものである。
【0057】
データバス38は、ステレオカメラ1を構成する各部およびCPU36に接続されており、ステレオカメラ1における各種データおよび各種情報のやり取りを行う。
【0058】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図7は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここではレリーズボタンが全押しされて撮影の指示が行われた以降の処理について説明する。
【0059】
レリーズボタン4が全押しされることによりCPU36が処理を開始し、撮像部21A,21BがCPU36からの指示により被写体を撮像し、さらに撮像部21A,21Bが取得した画像データに対して、画像処理部23が、補正処理、並行化処理および画像処理を施して基準画像および参照画像の画像データG1,G2を取得し(ステップST1)、ステレオマッチング部30が対応点を探索し、3次元データ生成部31が、探索した対応点に基づいて3次元データV0を生成する(ステップST2)。
【0060】
次いで、ファイル生成部24が、3次元データV0に含まれる各距離データ(X,Y,Z)に、対応する基準画像G1の画素位置の座標(x,y)を付与する(ステップST3)。これにより、3次元データV0に含まれる距離データと基準画像G1の各画素の画素位置とが対応づけられて、距離データが(x,y,X,Y,Z)のデータを有するものとなる。
【0061】
次いで、CPU36からの指示により、表示制御部28が情報入力画面をモニタ20に表示し、3次元データファイルF0生成に際しての距離の基準となる基準平面の位置、処理モードおよび距離範囲の指定を、入出力部37からの入力により受け付ける(情報入力受け付け:ステップST4)。図8は情報入力画面を示す図である。図8に示すように情報入力画面50には、基準平面の位置、処理モードおよび距離範囲を入力するための第1から第4の入力ボックス51〜54が表示されている。
【0062】
基準平面は、図5に示す座標系におけるZ軸に直交する、後述するように距離データを距離順に並べ替える際の基準となる平面である。なお、基準平面の位置としては、ステレオカメラ1からの距離を入力する。なお、図8においては、基準平面の位置として0mmが入力された状態を示している。
【0063】
また、ステレオカメラ1においては、3次元データファイルF0を生成する処理モードとして複数のモードが設定可能とされており、撮影者は例えばモードの番号を入力して処理モードを指定する。処理モードの内容については後述する。なお、図8においては処理モードとして「1」が入力された状態を示している。
【0064】
また、距離範囲は、3次元データファイルF0に格納する3次元データV0の距離範囲であり、撮影者は3次元データファイルF0に含めることを所望する3次元データV0の距離範囲の最小値および最大値を入力することにより、距離範囲を指定する。なお、図8においては距離範囲として0mm〜1000mmが入力された状態を示している。
【0065】
ここで、第1から第3の入力ボックス51〜54には上下の矢印ボタンが付与されており、撮影者は入出力部37の操作ボタンを用いて矢印ボタンを上下に押下することにより、入力ボックス51〜54に入力する値を変更することができる。
【0066】
次いで、データ変換部24Aが、基準画像G1の座標が付与された距離データ(x,y,X,Y,Z)について、基準平面からの距離が同じ(すなわちデータZの値が同じ)距離データが存在するか否かを判定する(ステップST5)。ステップST5が否定されると、上述したように入力された距離範囲に存在する距離データを、距離が基準平面に近い順に並べ替えて、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST6)。
【0067】
ステップST5が肯定されると、基準平面からの距離が同じ距離データを抽出し(ステップST7)、抽出した距離データに付与されている基準画像G1の座標に基づいて、評価値E0を算出する(ステップST8)。ここで評価値E0は、基準画像G1の左上隅の座標を原点とした場合における、原点からその座標までの画素数を用いる。具体的には、評価値E0は基準画像G1の座標(x,y)を用いて、E0=(基準画像G1の水平方向の画素数)×y+xにより算出する。そして、データ変換部24Aは、基準平面からの距離が同じ距離データについては、評価値E0が小さい順に並べ替えることにより、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST9)。
【0068】
ステップST6,ST9に続いて、ファイル生成部24が、画像データG1と3次元データV1とを1つのファイルとなるように結合する(ステップST10)。この際、X,Y,ZがFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)は削除される。そして、ファイル生成部24は、撮影者が入力した距離範囲を所定の分割数により分割し、分割した場合の距離の境界における距離データを特定する(ステップST11)。なお、本実施形態においては、分割数を8とする。また、境界における距離データは、分割した距離範囲における最遠の距離を表す距離データとするが、最近の距離を表す距離データであってもよい。
【0069】
そして、ファイル生成部24は、分割したそれぞれの距離範囲(以下、分割距離範囲とする)における最後の距離データのアドレスおよび必要な情報をヘッダに記述し(ステップST12)、3次元データファイルF0を生成する(ステップST13)。そして、メディア制御部26が3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST14)、処理を終了する。
【0070】
ここで、必要な情報としては、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数、基準画像の画像データG1の開始アドレス、3次元データV1の開始アドレス、3次元データV1の終了アドレス、基準平面の位置、撮影者が入力した距離範囲、3次元データV1の最近距離とその距離データのアドレス、3次元データV1の最遠距離とその距離データのアドレス、および分割距離範囲の間隔の他、ファイル名および撮影日時等の情報が含まれる。
【0071】
また、本実施形態においては、基準平面はZ=0(すなわちXY平面)であり、距離範囲は0mm〜1000mm、分割数は8となっている。このため、図9に示すように、0mm〜1000mmの距離範囲が125mm間隔で8つの範囲H1〜H8に分割される。なお各範囲H1〜H8は、それぞれ0mm以上125mm未満、125mm以上250mm未満、250mm以上375mm未満、375mm以上500mm未満、500mm以上625mm未満、625mm以上750mm未満、750mm以上875mm未満、875mm以上1000mm以下となる。
【0072】
図10は3次元データファイルF0のファイル構造を示す図である。図10に示すように3次元データファイルF0には、ヘッダ60、画像データG1および3次元データV1が格納されている。3次元データV1は距離データが8つの範囲H1〜H8に分けられて3次元データファイルF0に格納されており、各範囲H1〜H8の最遠の距離を表す距離データのアドレスh1〜h8がヘッダ60に記述される。
【0073】
図11は第1の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図である。図11に示すようにヘッダには、ファイル名として3D001.VVV、撮影日時として2007.12.24、処理モードとして1が記述される。また、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数1280×1024、基準画像の画像データG1の開始アドレスa1、3次元データV1の開始アドレスa2、3次元データV1の終了アドレスa3、基準平面の位置Z=0、入力した距離範囲0mm〜1000mm、3次元データV1の最近距離0mmとその距離データのアドレスa4、3次元データV1の最遠距離1000mmとその距離データのアドレスa5、および分割距離範囲の間隔125mm、範囲H1〜H8の最後の距離データのアドレスh1〜h8が記述される。
【0074】
図12は3次元データファイルF0における画像データG1および3次元データV1の格納の状態を示す図である。図12に示すように、画像データG1は基準画像G1の各画素のRGB各色の画素値が、原点(すなわち(x,y)=(0,0))から順に並べられている。なお、連続して並ぶRGB3つの画素値が、基準画像G1の1画素のRGB各色の画素値に相当する。
【0075】
また、3次元データV1は、基準平面に近い順に距離データ(x,y,X,Y,Z)が並べられている。ここで、(X,Y,Z)=(FF,FF,FF)となる場合、距離データ(x,y,X,Y,Z)は3次元データV1が画像データG1と結合される際に削除される。例えば図12の部分Aの距離データが削除されると、部分Aのデータがなくなることから、その分後のデータがつめて並べられる。
【0076】
次いで、3次元データファイルF0の再生時の処理について説明する。図13は3次元データファイルF0の再生時に行われる処理を示すフローチャートである。撮影者による3次元データファイルF0の再生の指示がなされることによりCPU36が処理を開始し、記録メディア29に記録された3次元データファイルF0を読み出して、3次元データファイルF0のヘッダから再生可能な距離範囲および分割距離範囲の間隔を読み出し(ステップST21)、表示制御部28が、再生範囲の選択画面をモニタ20に表示する(ステップST22)。
【0077】
図14は再生範囲の選択画面を示す図である。図14に示すように再生範囲の選択画面70は、再生可能な距離範囲および分割距離範囲の間隔を説明するテキスト71と、再生する距離範囲を指定する距離範囲指定ボックス72,73とが表示されている。なお、距離範囲指定ボックス72は再生の開始距離を、距離範囲指定ボックス73は再生の終了距離をそれぞれ入力するものとなっている。ここで、距離範囲指定ボックス72,73には上下の矢印ボタンが付与されており、撮影者は入出力部37の操作ボタンを用いて矢印ボタンを上下に押下することにより、距離範囲指定ボックス72,73に再生の開始距離および再生の終了距離を入力することができる。ここで、距離範囲指定ボックス72,73に表示される距離は3次元データファイルF0のヘッダに記述された距離範囲および分割距離範囲の間隔に応じて選択可能とされている。本実施形態においては、0mm〜1000mmの範囲において125mm間隔で距離を入力することができる。
【0078】
そして、CPU36は、再生範囲が選択されると(ステップST23:肯定)、3次元データファイルF0のヘッダに記述された範囲H1〜H8のアドレスh1〜h8を参照して、撮影者が選択した再生範囲の距離データからなる3次元データV2を3次元データファイルF0から取得する(ステップST24)。さらに、取得した3次元データV2に含まれる距離データに付与された基準画像G1の座標に基づいて、対応する基準画像の画素値(RGB)を取得する(ステップST25)。そして、取得した3次元データV2および画素値に基づいて、表示制御部28が、撮影者が選択した再生範囲における被写体の3次元形状および2次元画像の確認画面をモニタ20に再生する(ステップST26)。
【0079】
図15は3次元形状および2次元画像の確認画面を示す図である。図15に示すように、確認画面74には撮影者が選択した再生範囲における3次元形状の画像である3次元画像75および2次元画像76が表示される。なお、画像75,76において、選択された再生範囲以外の部分を斜線で示す。また、3次元画像75は距離に応じて色が異なるものであるが、ここでは白塗りで示している。また、モニタ20には削除ボタン77および終了ボタン78が表示されている。
【0080】
CPU36は、撮影者により削除ボタン77が選択されたか否かを判定し(ステップST27)、ステップST27が肯定されると、削除確認画面を表示する(ステップST28)。図16は削除確認画面を示す図である。図16に示すように削除確認画面80には、現在再生されている部分以外のデータの削除の可否を撮影者に問い合わせるためのテキスト81、YESボタン82およびNOボタン83が表示されている。CPU36は、YESボタン82が選択されたか否かを判定し(ステップST29)、ステップST29が肯定されると、現在表示中の3次元形状を表す3次元データV2に含まれる距離データ以外の距離データを3次元データファイルF0から削除するとともに、ヘッダを編集する(ステップST30)。そして、メディア制御部26が、距離データが削除されかつヘッダが編集された処理済みの3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST31)、処理を終了する。
【0081】
なお、ステップST27が否定されると、終了ボタン78が選択されたか否かを判定し(ステップST32)、ステップST32が肯定されると処理を終了する。ステップST32が否定されると、ステップST26に戻る。また、ステップST29が否定されるとステップST26に戻る。
【0082】
なお、ヘッダの編集は、削除した距離データに関するアドレスh1〜h8および範囲H1〜H8を削除するとともに、3次元データV1の開始アドレス、終了アドレス、入力した距離範囲、3次元データV1の最近距離とその距離データのアドレス、および3次元データの最遠距離とその距離データのアドレスを再生範囲の3次元データV2に対応するものに変更することにより行えばよい。
【0083】
このように、本実施形態においては、距離順に並べ替えられた距離データからなる変換済みの3次元データV1を所定距離間隔により分割した場合の境界における距離データを特定し、特定した距離データのアドレスをヘッダに記述して3次元データV1が格納された3次元データファイルF0を生成するようにしたものである。このため、3次元データファイルF0のヘッダのアドレスを参照すれば、所定距離間隔の境界にある距離データを特定することができる。したがって、所望とする距離範囲にある距離データのみからなる3次元データV1を3次元データファイルF0から容易に取得することができ、その結果、所望とする距離範囲にある3次元形状の画像の再生を容易に行うことができる。
【0084】
また、3次元データV1を、被写体を撮影することにより取得した基準画像および参照画像の画像データG1,G2から生成し、基準画像の画像データG1と3次元データV1とを関連づけて3次元データファイルF0を生成しているため、同一の目的のために生成された画像データG1および3次元データV0の管理が容易となる。
【0085】
また、基準画像および参照画像の画像データG1,G2から3次元データV1を生成しているため、3次元データV1を生成する装置を別個に設ける必要がなくなる。
【0086】
また、画像データG1により表される画像の画素位置の座標を、その画素位置における距離データに付与して3次元データファイルF0を生成しているため、再生時における基準画像G1と3次元形状との対応づけを容易に行うことができる。
【0087】
また、基準画像G1の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、その距離データを削除することにより、3次元データファイルF0のデータ量を低減することができる。
【0088】
また、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する基準画像G1の画素位置の順序に基づいて距離データを並べ替えて変換済みの3次元データV1を生成することにより、距離が同一の距離データを並べ替える際の混乱を防止できる。
【0089】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態によるステレオカメラは、第1の実施形態と行われる処理のみが異なり、構成は同一であるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、3次元データV0から被写体が存在する距離範囲を求め、その距離範囲の距離データのみを用いて3次元データファイルF0を生成するようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0090】
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図17は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態におけるステップST41〜ステップST43の処理は、第1の実施形態におけるステップST1〜ステップST3と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0091】
ステップST43に続いて、CPU36は3次元データファイルF0生成に際しての距離の基準となる基準平面の位置および処理モードの指定を、入出力部37からの入力により受け付ける(情報入力受け付け:ステップST44)。第1の実施形態においては処理モードとして「1」を入力していたが、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる処理を行うものであることから、処理モードとして「2」を入力するものとする。また、第2の実施形態においては、3次元データV0から被写体が存在する距離範囲を求め、その距離範囲の距離データのみを用いて3次元データファイルF0を生成するものであるため、距離範囲の入力は受け付けない。
【0092】
次いで、データ変換部24Aが、第1の実施形態のステップST5と同様に、基準画像G1の座標が付与された距離データ(x,y,X,Y,Z)について、基準平面からの距離が同じ距離データが存在するか否かを判定し(ステップST45)、ステップST45が否定されると、距離データを距離が基準平面に近い順に並べ替えて、変換済みの3次元データV1を取得する(ステップST46)。さらに、3次元データV1に含まれる距離データにより表される距離の最近距離および最遠距離を取得する(ステップST47)。
【0093】
ステップST45が肯定されると、第1の実施形態におけるステップST7〜ステップST9と同様にステップST48〜ステップST50の処理を行い、変換済みの3次元データV1を取得する。さらに、ステップST47に進み、3次元データV1に含まれる距離データにより表される距離の最近距離および最遠距離を取得する。
【0094】
図18は第2の実施形態において取得される最近距離および最遠距離を説明するための図である。図18に示すように被写体Hをステレオカメラ1により撮影した場合、被写体Hは距離D1と距離D2との間にのみ存在するため、距離データは距離D1と距離D2との間においてのみ算出される。したがって、最近距離はD1、最遠距離はD2となる。
【0095】
続いて、ファイル生成部24が、画像データG1と3次元データV1とを1つのファイルとなるように結合する(ステップST51)。この際、X,Y,ZがFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)は削除される。そして、ファイル生成部24は、上述した最近距離D1および最遠距離D2の間の距離範囲を所定の分割数により分割し、分割した場合の境界における距離データを特定する(ステップST52)。なお、本実施形態においては、分割数を8とする。また、境界における距離データは、分割した距離範囲における最後の距離データとする。
【0096】
そして、ファイル生成部24は、分割距離範囲における最後の距離データのアドレスおよび必要な情報をヘッダに記述し(ステップST53)、3次元データファイルF0を生成する(ステップST54)。そして、メディア制御部26が3次元データファイルF0を記録メディア29に記録し(ステップST55)、処理を終了する。
【0097】
ここで、図18に示すように最近距離D1および最遠距離D2を取得した場合、距離範囲D1D2が8等分されることとなる。具体的には、最近距離D1=900mm、最遠距離D2=1000mmとすると、分割数は8であることから、900mm〜1000mmの距離範囲が12.5mm間隔で8つの範囲H11〜H18に分割される。なお各範囲H11〜H18は、それぞれ900mm以上912.5mm未満、912.5mm以上925mm未満、925mm以上937.5mm未満、937.5mm以上950mm未満、950mm以上962.5mm未満、962.5mm以上975mm未満、975mm以上987.5mm未満、987.5mm以上1000mm以下となる。
【0098】
図19は第2の実施形態におけるヘッダの記述内容の例を示す図である。図19に示すようにヘッダには、ファイル名として3D002.VVV、撮影日時として2007.12.24、処理モードとして2が記述される。また、基準画像G1の水平方向および垂直方向の画素数1280×1024、基準画像G1の画像データG1の開始アドレスa11、3次元データV1の開始アドレスa12、3次元データV1の終了アドレスa13、基準平面の位置Z=0、算出する距離範囲900mm〜1000mm、3次元データV1の最近距離900mmとその距離データのアドレスa14、3次元データV1の最遠距離1000mmとその距離データのアドレスa15、および分割距離範囲の間隔12.5mm、範囲H11〜H18の最遠の距離を表す距離データのアドレスh11〜h18が記述される。
【0099】
このように、第2の実施形態においては、距離データにより表される距離における最近距離D1および最遠距離D2の間においてのみ3次元データV1を所定距離間隔により分割しているため、存在する距離データの範囲においてのみ3次元データファイルF0を生成することができ、その結果、3次元データファイルF0のデータ量を低減することができる。
【0100】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、X,Y,ZとしてFFの値を有する距離データ(x,y,X,Y,Z)を、画像データG1との結合時に削除しているが、これを削除することなく、3次元データファイルF0を生成するようにしてもよい。また、この場合の処理モードとしては、上記第1および第2の実施形態の処理モード1,2とは異なる処理モードの番号を設定しておけばよい。
【0101】
また、上記第1および第2の実施形態においては、3次元データファイルF0に基準画像の画像データG1のみを含めているが、参照画像の画像データG2も含めるようにしてもよい。なお、この場合において3次元データV1と結合する画像データは画像データG1,G2のいずれであってもよい。また、この場合の処理モードとしては、上記第1および第2の実施形態の処理モード1,2とは異なる処理モードの番号を設定しておけばよい。
【0102】
また、3次元データファイルF0に画像データG1,G2を含めることなく、3次元データV1のみを含む3次元データファイルF0を生成してもよい。この場合、3次元データファイルF0とファイル名が同一で拡張子が異なる画像データG1,G2の画像ファイルを別個に生成して、3次元データファイルF0と画像ファイルとを関連づけておくことが好ましい。なお、3次元データファイルF0と画像ファイルとの関連づけは、これに限定されるものではなく、3次元データファイルF0と画像ファイルとを一体不可分とできれば、例えばこれらのファイルを同一のフォルダに記録することによっても行うことができる。また、3次元データV1のみを含む3次元データファイルF0を再生する場合には、指定された距離範囲の3次元画像のみを再生するようにしてもよい。
【0103】
また、上記第1および第2の実施形態においては、2つの撮像部21A,21Bを設け、2つの画像から3次元データV0を生成しているが、3以上の撮像部を設け、取得された3以上の画像データから3次元データV0を生成するようにしてもよい。
【0104】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、ステレオカメラ1内において3次元データファイルF0を生成しているが、ファイル生成部24およびデータ変換部24Aをステレオカメラ1とは別個に設け、基準画像および参照画像の画像データG1,G2および3次元データV0を外部のファイル生成部24およびデータ変換部24Aに出力して、3次元データファイルF0を生成するようにしてもよい。
【0105】
また、上記第1および第2の実施形態においては、ステレオカメラ1において撮像部21A,21Bにより取得した基準画像および参照画像の画像データG1,G2から3次元データV0を生成しているが、あらかじめ撮影により取得されて、記録メディア29に記録された基準画像および参照画像の画像データG1,G2を読み出し、読み出した画像データG1,G2から3次元データV0を生成するようにしてもよい。
【0106】
また、上記第1および第2の実施形態においては、基準平面からの距離が小さい順に距離データを並べ替えているが、基準平面からの距離が大きい順に並べ替えるようにしてもよい。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、コンピュータを、上記のファイル生成部24およびファイル変換部24Aに対応する手段として機能させ、図7,13,17に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施形態によるファイル生成装置および3次元形状再生装置を適用したステレオカメラの内部構成を示す概略ブロック図
【図2】撮像部の構成を示す図
【図3】ステレオマッチングを説明するための図
【図4】並行化処理後の基準画像および参照画像の位置関係を説明するための図
【図5】第1の実施形態の撮影時における距離データの座標系を説明するための図
【図6】隠れ点を説明するための図
【図7】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図8】情報入力画面を示す図
【図9】第1の実施形態における距離範囲の分割を説明するための図
【図10】3次元データファイルF0のファイル構造を示す図
【図11】第1の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図
【図12】3次元データファイルF0における画像データG1および3次元データV1の格納の状態を示す図
【図13】3次元データファイルF0の再生時に行われる処理を示すフローチャート
【図14】再生範囲の選択画面を示す図
【図15】3次元形状および2次元画像の確認画面を示す図
【図16】削除確認画面を示す図
【図17】第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図18】第2の実施形態における距離範囲の分割を説明するための図
【図19】第2の実施形態におけるヘッダの記述内容を示す図
【符号の説明】
【0109】
1 ステレオカメラ
21A,21B 撮像部
24 ファイル生成部
24A データ変換部
30 ステレオマッチング部
31 3次元データ生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する3次元データ取得手段と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成するデータ変換手段と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する生成手段とを備えたことを特徴とするファイル生成装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、前記変換済み3次元データを前記所定距離間隔により分割する手段であることを特徴とする請求項1記載のファイル生成装置。
【請求項3】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する2次元画像データ取得手段をさらに備え、
前記生成手段は、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手段であることを特徴とする請求項1または2記載のファイル生成装置。
【請求項4】
前記3次元データ取得手段は、前記2次元画像データから前記3次元データを生成することにより取得する手段であることを特徴とする請求項3記載のファイル生成装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における前記距離データに付与して前記3次元データファイルを生成する手段であることを特徴とする請求項3または4記載のファイル生成装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、該画素位置と対応する距離データを削除する手段であることを特徴とする請求項5記載のファイル生成装置。
【請求項7】
前記データ変換手段は、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて、前記距離データを並べ替える手段であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のファイル生成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載のファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とする3次元形状再生装置。
【請求項9】
請求項3から7のいずれか1項記載のファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とする3次元形状再生装置。
【請求項10】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得し、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成し、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、
該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成することを特徴とするファイル生成方法。
【請求項11】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得し、
前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成することを特徴とする請求項10記載のファイル生成方法。
【請求項12】
請求項10記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生することを特徴とする3次元形状再生方法。
【請求項13】
請求項11記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生することを特徴とする3次元形状再生方法。
【請求項14】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する手順と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成する手順と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定する手順と、
該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する手順とを有することを特徴とするファイル生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する手順を有し、
前記3次元データファイルを生成する手順は、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手順であることを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
請求項10記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得する手順と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける手順と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する手順とを有することを特徴とする3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項11記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得する手順と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける手順と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生する手順とを有することを特徴とする3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する3次元データ取得手段と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成するデータ変換手段と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する生成手段とを備えたことを特徴とするファイル生成装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記複数の距離データにより表される複数の距離における最近距離と最遠距離との間においてのみ、前記変換済み3次元データを前記所定距離間隔により分割する手段であることを特徴とする請求項1記載のファイル生成装置。
【請求項3】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する2次元画像データ取得手段をさらに備え、
前記生成手段は、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手段であることを特徴とする請求項1または2記載のファイル生成装置。
【請求項4】
前記3次元データ取得手段は、前記2次元画像データから前記3次元データを生成することにより取得する手段であることを特徴とする請求項3記載のファイル生成装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の情報を、その画素位置における前記距離データに付与して前記3次元データファイルを生成する手段であることを特徴とする請求項3または4記載のファイル生成装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記2次元画像データにより表される画像の画素位置に対応する距離データが取得できない場合、該画素位置と対応する距離データを削除する手段であることを特徴とする請求項5記載のファイル生成装置。
【請求項7】
前記データ変換手段は、距離が同一の距離データが複数ある場合、対応する前記2次元画像データにより表される画像の画素位置の順序に基づいて、前記距離データを並べ替える手段であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のファイル生成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載のファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とする3次元形状再生装置。
【請求項9】
請求項3から7のいずれか1項記載のファイル生成装置により生成された3次元データファイルを取得するファイル取得手段と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける指定手段と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生する再生手段とを備えたことを特徴とする3次元形状再生装置。
【請求項10】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得し、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成し、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定し、
該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成することを特徴とするファイル生成方法。
【請求項11】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得し、
前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成することを特徴とする請求項10記載のファイル生成方法。
【請求項12】
請求項10記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生することを特徴とする3次元形状再生方法。
【請求項13】
請求項11記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得し、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付け、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生することを特徴とする3次元形状再生方法。
【請求項14】
被写体の3次元形状を表す複数の距離データからなる3次元データを取得する手順と、
前記複数の距離データを距離順に並べ替えて変換済み3次元データを生成する手順と、
前記変換済み3次元データを所定距離間隔により分割した場合の境界における前記距離データを特定する手順と、
該特定した距離データのファイル内における格納場所を表す格納場所情報および前記変換済み3次元データが格納された3次元データファイルを生成する手順とを有することを特徴とするファイル生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記3次元データが、前記被写体を撮影することにより取得した複数の2次元画像データから生成されてなる場合、該2次元データを取得する手順を有し、
前記3次元データファイルを生成する手順は、前記2次元画像データと前記3次元データとを関連づけて、前記3次元データファイルを生成する手順であることを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
請求項10記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得する手順と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける手順と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像を再生する手順とを有することを特徴とする3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項11記載のファイル生成方法により生成された3次元データファイルを取得する手順と、
前記3次元データファイルに含まれる前記格納場所情報に基づいて、前記3次元形状についての再生距離範囲の指定を受け付ける手順と、
前記3次元データファイルから前記再生距離範囲の距離データのみからなる3次元データを取得し、該取得した3次元データに関連する2次元画像データを取得し、該取得した3次元データにより表される3次元形状の画像および2次元画像データにより表される2次元画像を再生する手順とを有することを特徴とする3次元形状再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−176093(P2009−176093A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14596(P2008−14596)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】
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