説明

ファン組立体

【課題】部屋又はオフィスなどの家庭環境内において、湿り空気流、及び湿り空気を分散させる空気流を発生させるファン組立体の提供。
【解決手段】ファン組立体10が、ノズル14と、このノズル14が装着された本体12とを含む。ノズル14は、後側部分16及び前側部分18を有し、後側部分16は、第1の空気入口28と第1の空気出口30と、これらを連通する第1の内部通路46とを有し、前側部分18は、第2の空気入口54と第2の空気出口56と、それらを連通する、第1の内部通路46から分離された第2の内部通路58とを有する。ノズル14の部分は、ファン組立体10の外部からの空気を引き込むボアを定める。本体12は、第1の内部通路46を通る第1の空気流及び第2の内部通路58を通る第2の空気流を発生させるための流れ発生手段と、第2の空気流の温度、湿度、及び電荷のうちの1つを変化させるための手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン組立体に関する。好ましい実施形態では、本発明は、部屋又はオフィスなどの家庭環境内において、湿り空気流、及び湿り空気を分散させる空気流を発生させるための加湿装置を提供する。本発明は、環境内で温かい、冷たい、香りを付けた、又はイオン化した空気流を分散させるために使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
家庭用加湿装置は、一般に、所定量の水を蓄えるための水タンクを含むケーシングと、ケーシングの空気ダクトを通る空気流を生み出すためのファンとを有する携帯型電気器具の形をしている。蓄えられた水は、通常は重力により、受け取った水から水滴を発生させるための噴霧装置へ運ばれる。この噴霧装置は、変換器などの高周波振動装置の形をとることができる。水滴は、空気ダクトを通過する空気流に入り込み、これにより環境内にミストが放出される。この電気器具は、環境内の空気の相対湿度を検出するためのセンサを含むことができる。このセンサは、検出した相対湿度を示す信号を駆動回路に出力し、この駆動回路は、環境内の空気の相対湿度を所望のレベル付近に維持するように変換器を制御する。通常は、検出した相対湿度が所望のレベルよりも約5%高くなると変換器の作動が停止し、検出した相対湿度が所望のレベルよりも約5%低くなると再始動する。
【0003】
このような加湿器から放出される空気の流量は、例えば、毎秒1〜2リットルという比較的低い傾向にあるので、湿り空気が室内に分散される速度は非常に遅いものとなり得る。さらに、加湿器の局所環境内における空気の相対湿度は、ユーザの局所環境内における空気の相対湿度と比較して比較的急速に上昇するので、センサにより検出される相対湿度は、少なくとも最初は、ユーザの近くの空気の相対湿度を示しているわけではない。この結果、ユーザの局所環境内における空気の相対湿度が所望のレベルを著しく下回ったときに変換器の作動が停止することがある。湿り空気が室内に分散する速度が比較的遅いので、検出される相対湿度が変換器の作動を再開させるレベルまで下がるには、ある程度の時間がかかることがある。この結果、ユーザの局所環境内における空気の相対湿度が所望のレベルに達するのに長時間を要することがある。
【0004】
国際公開第2010/100462号には、湿り空気を大気中に放出するための加湿器と、この加湿器の前に位置するファン組立体とを含み、ファン組立体が、空気流を生み出すためのモータ駆動式羽根車を収容する本体と、この本体に装着され、空気流を受け入れる内部通路及び空気流を放出するための空気出口を含む環状ノズルとを有する加湿装置が記載されている。ノズルはボアを定め、このボアを通じて、ノズル外部からの空気と加湿器から放出された湿り空気の両方が、口部から放出された空気流によって引き込まれる。加湿器の出口は、ノズルのボアの最下部と同じレベルに位置する。加湿器から放出された湿り空気を、ファン組立体によって生じた空気流内に同伴させることにより、湿り空気を、加湿器から最大数メートルの距離まで急速に運ぶことができる。これにより、加湿器からこの距離に位置するユーザが、その局所環境内における空気の相対湿度の急速な上昇を体感できるようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2010/100462号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は、
後側部分及び前側部分を有するノズルと、
前記ノズルが装着された本体と、
を備え、
前記ノズルの後側部分が、少なくとも1つの第1の空気入口と、少なくとも1つの第1の空気出口と、前記少なくとも1つの第1の空気入口から前記少なくとも1つの第1の空気出口へ空気を運ぶための第1の内部通路とを有し、前記ノズルの前側部分が、少なくとも1つの第2の空気入口と、少なくとも1つの第2の空気出口と、前記少なくとも1つの第2の空気入口から前記少なくとも1つの第2の空気出口へ空気を運ぶための、好ましくは前記第1の内部通路から分離された第2の内部通路とを有し、前記ノズルの前記2つの部分が、前記ノズルから放出された空気によってファン組立体の外部からの空気を引き込むボアを定め、
前記本体が、前記第1の内部通路を通る第1の空気流及び前記第2の内部通路を通る第2の空気流を発生させるための手段と、前記第2の空気流が前記第2の内部通路に入る前に、前記第2の空気流の温度、湿度、組成及び電荷のうちの1つを変化させるための手段とを含む、
ことを特徴とするファン組立体を提供する。
【0007】
図示の実施形態では、ファン組立体が、第2の空気流を加湿するための加湿器を含むが、このファン組立体は、第2の空気流の別のパラメータを変化させるための加熱器、冷却器、空気清浄器及びイオン化装置をうちの1つを代わりに含むこともできる。
【0008】
本発明のファン組立体を、加湿した空気流を放出するために使用した場合と、国際公開第2010/100462号に記載される加湿装置との違いは、本発明では、ファン組立体のノズルが、湿った第2の空気流と、この湿り空気流を環境内へ運ぶ第1の空気流の両方を放出するように配置されている点にある。対照的に、国際公開第2010/100462号では、ファン組立体の後方に位置する加湿装置の出口から湿り空気流が放出され、ファン組立体によって生じる空気流の下方部分に同伴される。従って、本発明では、ノズルの1又はそれ以上の異なる空気出口から湿り空気流が放出されるようにすることができる。これらの空気出口を、例えばノズルのボアの周囲に配置して、湿り空気流が第1の空気流内で比較的均一に分散されるようにすることができる。第2の空気流の湿度を変化させる構成要素を本体内に配置することにより、ノズルの前側部分が、ノズルの後側部分と比較して比較的小さなサイズを有することができるようになる。従って、本発明では、加湿装置の外観がコンパクトになり、構成要素の数が減少し、従って製造コストを削減することができる。
【0009】
ファン組立体の本体は、第1の空気流をノズルの後側部分へ運ぶための第1の空気通路と、第2の空気流をノズルの前側部分へ運ぶための第2の空気通路とを含むことができる。従って、上述した第2の空気流のパラメータを変化させるための手段は、第2の空気通路内に位置することができる。
【0010】
本体は、少なくとも第1の空気流をファン組立体内に流入できるようにするための空気流入口を含むことができる。空気流入口は、単一の開口を含むこともできるが、複数の開口を含むことが好ましい。これらの開口は、本体の外面の一部を形成するメッシュ、グリル又はその他の成形した構成要素によって設けることができる。
【0011】
第1の空気通路は、空気流入口からノズルの後側部分に延びることが好ましい。第2の空気通路は、空気流入口から空気を直接受け入れるように配置することができる。或いは、第2の空気通路を、第1の空気通路から空気を受け入れるように配置することもできる。この場合、空気通路間の接合部は、流れ発生手段から下流に位置してもよいし、又は上流に位置してもよい。接合部を流れ発生手段から下流に配置する利点は、流れ発生手段が、単一の羽根車と、この羽根車から下流に第1及び第2の空気流に分割された空気流を発生させるためのモータを含むことができる点である。接合部を流れ発生手段から上流に配置する利点は、第2の空気流の流量を、第2の空気流の湿度又は温度を変化させるための選択手段に適した値に制御できる点である。この場合、流れ発生手段は、第1の羽根車と、この第1の羽根車を、空気流入口を通る空気流を発生させるように駆動するための第1のモータと、第1の羽根車から離れて生じた空気流の一部を引き込むことによって第2の空気流を発生させるための第2の羽根車とを含むことができる。第2の羽根車は、第1のモータにより、第1及び第2の羽根車が常に同時に回転するように駆動することができる。しかしながら、ファン組立体は、第2の羽根車を駆動するための第2のモータを含むことが好ましい。これにより、ユーザが必要とする限り、第2の羽根車を、第2の空気流を生じるように駆動できるようになり、従ってファンの後側部分のみを通じてファン組立体から空気流を放出できるようになる。
【0012】
各モータを制御するための共通コントローラを設けることもできる。例えば、このコントローラを、現在第1のモータが作動している場合にのみ、又は第2のモータが第1のモータと同時に作動している場合にのみ第2のモータを作動させるように構成することができる。第1のモータが停止している場合には、第2のモータも自動的に停止することができる。従って、コントローラは、第1のモータを第2のモータとは別個に作動できるように構成されることが好ましい。
【0013】
第1の空気流は、第1の空気流量で放出され、第2の空気流は、第1の空気流量よりも低い第2の空気流量で放出されることが好ましい。第1の空気流量は、可変空気流量であってもよく、これに対し第2の空気流量は、一定空気流量であってもよい。これらの異なる空気流を生じさせるために、第1の羽根車は第2の羽根車と異なることができる。例えば、第1の羽根車を混成流羽根車又は軸方向羽根車にし、第2の羽根車を径方向羽根車にすることができる。これとは別に、又はこれに加えて、第1の羽根車を第2の羽根車よりも大きくすることができる。第1及び第2のモータの性質は、選択する羽根車及び相対空気流の最大流量に応じて選択することができる。
【0014】
空気通路は、とりわけ、空気流入口の場所及び第2の空気流の湿度又は温度を変化させるための選択手段の性質に応じて、本体内にあらゆる所望の構成で配置することができる。本体のサイズを縮小させるために、第1の空気通路を第2の空気通路に隣接させて配置してもよい。各空気通路は本体内を垂直に延び、第2の空気通路は第1の空気通路の前で垂直に延びることができる。
【0015】
後側部分の(単複の)空気出口は、第2の空気流が第1の空気流内のノズルから離れて運ばれるように、前側部分の(単複の)空気出口の後方に位置することが好ましい。ノズルの各部分は環状であることが好ましい。ノズルのそれぞれの構成要素によって2つのノズル部分を設け、これらを組み立て中に互いに接続することができる。或いは、ノズルの共通の内壁と外壁の間に位置する隔壁又はその他の分割部材によって、ノズルの内部通路を分離することもできる。上述したように、第1の内部通路は第2の内部通路から分離されることが好ましいが、第1の内部通路から第2の内部通路に比較的少量の空気を抽気して、第2の空気流をノズル前側部分の(単複の)空気出口を通るように促すこともできる。
【0016】
第1の空気流の流量は、第2の空気流の流量よりも大きいことが好ましいので、ノズルの後側部分の容量は、ノズルの前側部分の容量よりも大きいことが好ましい。
【0017】
ノズルの後側部分は、単一の連続する空気出口を含むことができ、これらはノズルのボアの周囲に延びることが好ましく、またボアの軸を中心とすることが好ましい。或いは、ノズルの後側部分は、ノズルのボアの周囲に配置された複数の空気出口を含むことができる。例えば、後側部分の空気出口を、ボアの両側に配置することができる。後側部分の(単複の)空気出口は、ボアの少なくとも前部を通じて空気を放出するように配置されることが好ましい。このボアの前部は、少なくともノズルの前側部分によって定めることができ、またノズル後側部分の一部によって定めることもできる。後側部分の(単複の)空気出口は、このボアの前部を定める面上に空気を放出し、ボアを通じて引き込まれる空気容量をノズルの後側部分から放出される空気によって最大にするように配置することができる。
【0018】
ノズルの前側部分の(単複の)空気出口は、このノズル面上に第1の空気流を放出するように配置することができる。或いは、前側部分の(単複の)空気出口をノズルの前端に配置し、ノズル面から離れて空気を放出するように配置することもできる。前側部分は、単一の連続する空気出口を含むことができ、これらはノズル前端の周囲に延びることができる。或いは、前側部分が複数の空気出口を含むこともでき、これらをノズル前端の周囲に配置することもできる。例えば、前側部分の空気出口を、ノズル前端の両側に配置することができる。前側部分の複数の空気出口の各々は、例えば、スロット、複数の線形に配列されたスロット、又は複数の開口などの、1又はそれ以上の開口を含むことができる。
【0019】
好ましい実施形態では、ファン組立体が、ノズルから第2の空気流が放出される前に、この第2の空気流の湿度を増加させるように構成された加湿システムを含む。外観がコンパクトで構成要素の数が少ないファン組立体を提供するために、加湿システムの少なくとも一部をノズルの下方に配置することができる。加湿システムの少なくとも一部を、第1の羽根車及び第1のモータの下方に配置することもできる。例えば、水を霧化するための変換器をノズルの下方に配置することができる。この変換器は、第2のモータを制御するコントローラによって制御することができる。
【0020】
第2の態様では、本発明は、
ノズルと、
前記ノズルが装着された本体と、
を備え、
前記ノズルが、少なくとも1つの第1の空気入口と、少なくとも1つの第1の空気出口と、前記少なくとも1つの第1の空気入口から前記少なくとも1つの第1の空気出口へ空気を運ぶための第1の内部通路と、少なくとも1つの第2の空気入口と、少なくとも1つの第2の空気出口と、前記少なくとも1つの第2の空気入口から前記少なくとも1つの第2の空気出口へ空気を運ぶための、好ましくは前記第1の内部通路から分離された第2の内部通路とを有し、前記ノズルが、このノズルから放出された空気によってファン組立体の外部からの空気を引き込むボアを定め、
前記本体が、前記第1の内部通路を通る第1の空気流及び前記第2の内部通路を通る第2の空気流を発生させるための手段と、前記第2の空気流が前記第2の内部通路に入る前に前記第2の空気流を加湿するための加湿手段とを含む、
ことを特徴とするファン組立体を提供する。
【0021】
本体は、加湿手段に水を供給するための取り外し可能な水タンクを含むことができる。本体は、空気入口及び空気流発生手段を有する基部を含むことができ、この基部上に水タンクを装着することができる。基部及び水タンクは、各々が湾曲した外面を有し、この基部及び水タンクの外面は、実質的に同じ半径であることが好ましい。このことは、ファン組立体のコンパクトな外観にさらに寄与することができる。
【0022】
第3の態様では、本発明は、
ノズルと、
前記ノズルが装着された本体と、
を備え、
前記ノズルが、少なくとも1つの第1の空気入口と、少なくとも1つの第1の空気出口と、前記少なくとも1つの第1の空気入口から前記少なくとも1つの第1の空気出口へ空気を運ぶための第1の内部通路と、少なくとも1つの第2の空気入口と、少なくとも1つの第2の空気出口と、前記少なくとも1つの第2の空気入口から前記少なくとも1つの第2の空気出口へ空気を運ぶための第2の内部通路とを有し、前記ノズルが、前記空気出口から放出された空気によってファン組立体の外部からの空気を引き込むボアを定め、
前記本体が、基部と、この基部に装着された水タンクとを含み、前記基部が、前記第1の内部通路を通る第1の空気流及び前記第2の内部通路を通る第2の空気流を発生させるための流れ発生手段と、前記水タンクから水を受け取るための容器と、この容器内に存在する水を霧化するための変換器と、前記第1の空気流を前記少なくとも1つの第1の空気入口へ運ぶための第1の空気通路と、前記第2の空気流を前記少なくとも1つの第2の空気入口へ運ぶための第2の空気通路とを含む、
ことを特徴とするファン組立体を提供する。
【0023】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2及び第3の態様の各々にも等しく適用可能であり、逆もまた同様である。
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態をほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ファン組立体の正面図である。
【図2】ファン組立体の側面図である。
【図3】ファン組立体の背面図である。
【図4】図1の線A−Aに沿って切り取った側断面図である。
【図5】図1の線B−Bに沿って切り取った上部断面図である。
【図6】図4の線C−Cに沿って切り取った、水タンクを取り外した上部断面図である。
【図7】図5に示す領域Dの拡大図である。
【図8】ファン組立体の制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜図3は、ファン組立体10の外観図である。大まかに言えば、このファン組立体10は、ファン組立体10に入る空気が通過する複数の空気流入口を含む本体12、及び本体12上に装着された環状ケーシングの形のノズル14を含み、このノズル14は、ファン組立体10から空気を放出するための複数の空気出口を含む。
【0027】
ノズル14は、2つの異なる空気流を同時に又は別個に放出するように配置される。ノズル14は、後側部分16、及びこの後側部分16に接続された前側部分18を含む。各部分16、18は環状の形であり、これらは一体にノズル14のボア20を形成する。ボア20は、各部分16、18の中心がボア20の軸X上に位置するように、ノズル14の中心を貫いて延びる。
【0028】
この例では、各部分16、18が、ボア20の両側に位置する2つのほぼ直線部分と、この直線部分の上端を接合する湾曲した上部と、直線部分の下端を接合する湾曲した下部とを含むという点で「レーストラック」形状を有する。しかしながら、部分16、18は、あらゆる所望の形状を有することができ、例えば、円形又は長円形であってもよい。この実施形態では、ノズル14の高さの方がノズルの幅よりも大きいが、ノズル14の幅の方がノズルの高さよりも大きくなるようにノズル14を構成することもできる。
【0029】
ノズル14の各部分16、18は、空気流のそれぞれ一方が通る流路を定める。この実施形態では、ノズル14の後側部分16が、ノズル14を通過する第1の空気流が通る第1の空気流路を定め、ノズル14の前側部分18が、ノズル14を通過する第2の空気流が通る第2の空気流路を定める。
【0030】
図4も参照すると分かるように、ノズル14の後側部分16は、環状内側ケーシング部分24に接続されてこの周囲に延びる環状外側ケーシング部分22を含む。各ケーシング部分22、24は、ボア軸Xの周囲に延びる。各ケーシング部分は、複数の接続部品から形成することができるが、この実施形態では、各ケーシング部分22、24がそれぞれの単一の成形部品から形成される。図5及び図7も参照すると分かるように、組み立て中、外側ケーシング部分22の前端は、内側ケーシング部分24の前端に接続される。内側ケーシング部分24の前端上に形成された環状突起部が、外側ケーシング部分22の前端に位置する環状スロットに挿入される。ケーシング部分22、24は、スロットに導入された接着剤を使用してともに接続することができる。
【0031】
外側ケーシング部分22は、本体12の開放上端に接続された基部26を含み、この基部26は、ノズル14の第1の空気入口28を定める。外側ケーシング部分22及び内側ケーシング部分24は、ノズル14の第1の空気出口30を一体に定める。この第1の空気出口30は、外側ケーシング部分22の内面32の一部と内側ケーシング部分24の外面34の一部を重ね合わせ又は向かい合わせることによって定められる。この第1の空気出口30は、環状スロットの形をしており、ボア軸Xの周囲に0.5mm〜5mmの比較的一定の幅を有する。この例では、第1の空気出口が約1mmの幅を有する。外側ケーシング部分22と内側ケーシング部分24の重なり合った部分を離して付勢するためのスペーサ36を第1の空気出口30の周囲に離間させて、第1の空気出口30の幅を制御することができる。これらのスペーサは、ケーシング部分22、24のいずれかと一体化することができる。
【0032】
第1の空気出口30は、ノズル14のボア20の前部を通じて空気を放出するように配置される。第1の空気出口30は、ノズル14の外面上に空気を向けるような形状にされる。この実施形態では、内側ケーシング部分24の外面がコアンダ面40を含み、この上に第1の空気出口30が第1の空気流を向けるように配置される。コアンダ面40は環状であり、従って中心軸Xの周囲で連続する。内側ケーシング部分24の外面は、第1の空気出口30からノズル14の前端44へ延びる方向に軸Xから離れて先細になるディフューザ部分42も含む。
【0033】
ケーシング部分22、24は、第1の空気流を第1の空気入口28から第1の空気出口30へ運ぶための環状の第1の内部通路46を一体に定める。第1の内部通路46は、外側ケーシング部分22の内面と内側ケーシング部分24の内面によって定められる。ノズル14の後側部分16の先細になった環状口部48が、第1の空気流を第1の空気出口30へ導く。従って、ノズル14を通る第1の空気流路は、第1の空気入口28、第1の内部通路46、口部48及び第1の空気出口30から形成されると考えることができる。
【0034】
ノズル14の前側部分18は、環状後側ケーシング部分52に接続された環状前側ケーシング部分50を含む。各ケーシング部分50、52は、ボア軸Xの周囲に延びる。ケーシング部分22、24と同様に、各ケーシング部分50、52も複数の接続部品から形成することができるが、この実施形態では、各ケーシング部分50、52がそれぞれの単一の成形部品から形成される。再び図5及び図7を参照して分かるように、組み立て中、後側ケーシング部分52の前端は、前側ケーシング部分50の後端に接続される。後側ケーシング部分52の前端上に形成された環状突起部が、前側ケーシング部分50の後端に位置するスロットに挿入され、この中に接着剤が導入される。後側ケーシング部分52は、例えばやはり接着剤を使用して、ノズル14の後側部分18の内側ケーシング部分24の前端に接続される。必要であれば、後側ケーシング部分52を省き、前側ケーシング部分50を、ノズル14の後側部分18の内側ケーシング部分24の前端に直接接続することもできる。
【0035】
前側ケーシング部分50の下端は、ノズル14の第2の空気入口54を定める。前側ケーシング部分50は、ノズル14の複数の第2の空気出口56も定める。この第2の空気出口56は、例えば、成形又は機械加工によって、ノズル14の前端44のボア20のそれぞれの側に各々が形成される。従って、第2の空気出口56は、第2の空気流をノズル14から離れて放出するように構成される。この例では、各第2の空気出口56が、0.5mm〜5mmの比較的一定の幅のスロットの形をしている。この例では、各第2の空気出口56が約1mmの幅を有する。或いは、各第2の空気出口56は、ノズル14の前端44に形成された1列に並んだ円形の開口又はスロットの形であってもよい。
【0036】
ケーシング部分50、52は、第1の空気流を第2の空気入口54から第2の空気出口56へ運ぶための環状の第2の内部通路58を一体に定める。第2の内部通路58は、ケーシング部分50、52の内面によって定められる。従って、ノズル14を通る第2の空気流路は、第2の空気入口54、内部通路58及び第2の空気出口56によって形成されると考えることができる。
【0037】
本体12は、ほぼ円筒形である。図1〜図4を参照して分かるように、本体12は、ノズル14を通じて第1の空気流を第1の空気流路へ運ぶための第1の空気通路70、及びノズル14を通じて第2の空気流を第2の空気流路へ運ぶための第2の空気通路72を含む。空気は、空気流入口74によって本体12に流入できるようになる。この実施形態では、空気流入口74が、本体12のケーシング部分に形成された複数の開口を含む。或いは、空気流入口74は、ケーシング部分内に形成された窓内に装着された1又はそれ以上のグリル又はメッシュを含むこともできる。本体12のケーシング部分は、本体12と同じ直径を有するほぼ円筒形の基部76と、この基部76と一体化して本体12の後部の外面部分を形成する湾曲した外面を有する管状後側部分78とを含む。空気流入口74は、このケーシング部分の後側部分78の湾曲した外面内に形成される。ケーシング部分の後側部分78の開放上端上には、ノズル14の後側部分16の基部26が装着される。
【0038】
ケーシング部分の基部76は、ファン組立体10のユーザインターフェイスを含むことができる。このユーザインターフェイスについては図8に概略的に示しており、以下でより詳細に説明する。基部76に形成された開口80を通じて、ファン組立体10に電力を供給するための主電力ケーブル(図示せず)が延びる。
【0039】
第1の空気通路70は、ケーシング部分の後側部分78を通過し、第1の空気通路70を通る第1の空気流を発生させるための第1のユーザ操作可能システムを収容する。この第1のユーザ操作可能システムは、この実施形態では混成流羽根車の形の第1の羽根車82を含む。第1の羽根車82は、この第1の羽根車82を駆動するための第1のモータ84から外向きに延びる回転シャフトに接続される。この実施形態では、第1のモータ84がDCブラシレスモータであり、このモータの速度は、ユーザによる速度の選択に応答して制御回路によって可変である。第1のモータ84の最大速度は、5,000〜10,000rpmであることが好ましい。第1のモータ84は、下部88に接続された上部86を含むモータバケット内に収容される。モータバケットの上部88は、螺旋状の羽根を有する静止円盤の形のディフューザ90を含む。モータバケット内には、環状発泡体消音部材を配置することもできる。ディフューザ90は、ノズル14の第1の空気入口28の直下に位置する。
【0040】
モータバケットは、ほぼ裁頭円錐形の羽根車ハウジング92内に位置してこれに装着される。さらに、羽根車ハウジング92は、本体12の後側部分78内に位置してこれに接続された複数の角度的に離間した支持体94、この例では3つの支持体上に装着される。羽根車ハウジング92の底部には、空気流を羽根車ハウジング92内へ導くための環状入口部材96が接続される。
【0041】
羽根車ハウジング92上には、可撓性密封部材98が装着される。この可撓性密封部材は、羽根車ハウジングの外面の周囲を入口部材96に空気が通過するのを防ぐ。密封部材98は、好ましくはゴムから形成された環状リップシールを含むことが好ましい。密封部材98は、電気ケーブル100を第1のモータ84へ導くためのガイド部分をさらに含む。
【0042】
第2の空気通路72は、第1の空気通路70からの空気を受け入れるように配置される。第2の空気通路72は、第1の空気通路70に隣接して位置し、第1の空気通路70と平行にノズル14の方へ上方に延びる。第2の空気通路72は、ケーシング部分の後側部分78の下端に位置する空気入口102を含む。この空気入口102は、本体12の空気流入口74の反対側に位置する。第2の空気通路72を通る第2の空気流を発生させるための第2のユーザ操作可能システムが設けられる。この第2のユーザ操作可能システムは、第2の羽根車104、及びこの第2の羽根車104を駆動するための第2のモータ106を含む。この実施形態では、第2の羽根車104が径方向流羽根車104の形をしており、第2のモータ106はDCモータの形をしている。第2のモータ106は固定回転速度を有し、第1のモータ84を作動させるために使用する制御回路と同じ制御回路によって作動することができる。第2のユーザ操作可能システムは、第1の空気流の最小空気流量よりも小さな空気流量の第2の空気流を発生させるように構成されることが好ましい。例えば、第2の空気流の流量は、毎秒1〜5リットルであることが好ましいのに対し、第1の空気流の最小流量は、毎秒10〜20リットルであることが好ましい。
【0043】
第2の羽根車104及び第2のモータ106は、本体12の下部内壁108上に装着される。図4に示すように、第2の羽根車104及び第2のモータ106を空気入口102から上流に配置することができ、従って、第2の空気流が空気入口102を通って第2の空気通路72内に向けられるように配置することができる。しかしながら、第2の羽根車104及び第2のモータ106を第2の空気通路72内に配置してもよい。空気入口102は、本体12の空気流入口74から直接第2の空気流を受け入れるように配置することができ、例えば、空気入口102を空気流入口74の内面と当接させることができる。
【0044】
ファン組立体10の本体12は、空気入口102からの第2の空気流を受け入れて、この第2の空気流をノズル14の第2の空気入口54へ運ぶための中心ダクト110を含む。この実施形態では、第2のユーザ操作可能システムが、第2の空気流がノズル14に入る前にこの第2の空気流の湿度を増加させるための加湿システムを含み、このシステムは、ファン組立体10の本体12内に収容される。従って、このファン組立体の実施形態は、加湿装置を提供すると考えることができる。加湿システムは、下壁108上に取り外し可能に装着できる水タンク112を含む。図1〜図3に示すように、水タンク112は、本体12の外側円筒面の一部を形成する外側凸面壁114と、ダクト110の周囲に延びる内側凹面壁116とを有する。水タンク112は、2〜4リットルの容量を有することが好ましい。水タンク112の上面は、ハンドル118を定めるように成形されて、ユーザが水タンク112を下壁108から片手で持ち上げることができるようにされる。
【0045】
水タンク112は、例えば、協働するネジ接続を通じて放出口120が取り外し可能に接続された下面を有する。この例では、下壁108から水タンク112を取り外し、放出口120が上方へ突出するように水タンク112を反転させることにより、水タンク112が充填される。次に、水タンク112から放出口120をねじって外し、水タンク112から放出口120を外したときに露出される開口を通じて水タンク112内に水を導入する。水タンク112が充填されると、ユーザは、放出口120を水タンク112に再接続し、水タンク112を再び反転させて、水タンク112を下壁108上に置き直す。放出口120内には、水タンク112を再反転させたときに、放出口120の水出口124を通る水の漏出を防ぐためのバネ仕掛け弁122が位置する。この弁122は、弁122のスカート部126が放出口120の上面と係合する位置の方へ付勢されて、水タンク112から放出口120に水が入るのを防ぐ。
【0046】
下壁108は、水タンク112からの水を受け入れるための水容器132を定める凹部130を含む。水タンク112が下壁108上に位置するときには、下壁108の凹部130から上方へ延びるピン134が放出口120内に突出する。このピン134は、弁122を上方に押して放出口120を開き、これにより水が重力によって水タンク112から水容器132内に流入できるようにする。この結果、ピン134の上面と実質的に同一平面上にあるレベルまで水容器132に水が満たされるようになる。水容器132内には、水容器132内の水のレベルを検出するための磁気レベルセンサ135が配置される。
【0047】
下壁108の凹部130は、下壁108の下方に位置する、水容器132に蓄えられた水を霧化するための圧電変換器138の表面を露出させるための開口136を含む。下壁128と変換器138の間には、変換器138からの熱を第2のヒートシンク142に伝達するための環状金属ヒートシンク140が位置する。第2のヒートシンク142は、この第2のヒートシンク142から本体12のケーシング部分の外面に形成された第2の開口144の組を通じて熱が伝わるように、この開口144に隣接して位置する。変換器138とヒートシンク140の間には、環状密封部材146が不透水性シールを形成する。下壁128の下方には、変換器138の超音波振動を作動させて水容器132内の水を霧化させるための駆動回路が位置する。
【0048】
水容器132の片側には、入口ダクト148が位置する。入口ダクト148は、入口ダクト148から放出された空気流が水容器132内に存在する水の表面上を通過するように、第2の空気流を、水容器132に蓄えられた水に対して最大レベルを上回るレベルで第2の空気通路72内に運ぶように配置される。
【0049】
本体12のケーシング部分の側壁には、ファン組立体の動作を制御するためのユーザインターフェイスが位置する。図8に、このユーザインターフェイス及びファン組立体10のその他の電気構成要素を含む、ファン組立体10の制御システムを概略的に示す。この例では、ユーザインターフェイスが、複数のユーザ操作可能ボタン160a、160b、160c、160d及びディスプレイ162を含む。第1のボタン160aは、第1のモータ84を作動及び停止させるために使用され、第2のボタン160bは、第1のモータ84の速度、従って第1の羽根車82の回転速度を設定するために使用される。第3のボタン160cは、第2のモータ106を作動及び停止させるために使用される。第4のボタン160dは、部屋、オフィス又はその他の家庭内環境などの、ファン組立体10が存在する環境の所望の相対湿度レベルを設定するために使用される。例えば、第4のボタン160dを繰り返し押すことにより、この所望の相対湿度レベルを20℃において30%〜80%の範囲内で選択することができる。ディスプレイ162は、現在選択されている相対湿度レベルを示す。
【0050】
ユーザインターフェイスは、ボタンの1つを押したときに駆動回路166に制御信号を出力し、駆動回路166により出力された制御信号を受け取るユーザインターフェイス回路164をさらに含む。このユーザインターフェイスは、加湿システムの状態に応じて視覚的警告を与えるための1又はそれ以上のLEDを含むこともできる。例えば、駆動回路166がレベルセンサ135から受け取った信号によって水タンク112が空になったことが示された場合、このことを示す第1のLED168aを駆動回路166によって点灯させることができる。
【0051】
外部環境内の空気の相対湿度を検出し、この検出した相対湿度を示す信号を駆動回路166に供給するための湿度センサ170も設けられる。この例では、ファン組立体10内に引き込まれた空気流の相対湿度を検出するために、湿度センサ170を空気流入口74のすぐ後方に配置することができる。ユーザインターフェイスは、湿度センサ170からの出力が、ファン組立体10に入る空気流の相対湿度がユーザにより設定された所望の相対湿度レベル以上であることを示す場合に駆動回路166によって点灯される第2のLED168bを含むことができる。
【0052】
ファン組立体10を動作させるには、ユーザが第1のボタン160aを押し、これに応答して駆動回路166が第1のモータ84を作動させて第1の羽根車82を回転させる。第1の羽根車82が回転すると、空気流入口74を通じて本体12内に空気が引き込まれるようになる。空気流が、第1の空気通路70を通ってノズル14の第1の空気入口28に移動し、ノズル14の後側部分16内の第1の内部通路46に入る。この第1の内部通路46の基部において、空気流は、ノズル14のボア20の周囲を反対方向に通過する2つの空気ストリームに分かれる。空気流が第1の内部通路46を通過すると、空気がノズル14の口部48に入る。口部48内への空気流は、ノズル14のボア20の周囲で実質的に均一であることが好ましい。口部48は、この空気流をノズル14の第1の空気出口30の方へ導き、ここを通じて空気流がファン組立体10から放出される。
【0053】
第1の空気出口30から放出された空気流は、ノズル14のコアンダ面40上に向けられ、外部環境からの、特に第1の空気出口30の周囲領域及びノズル14の後側部分周囲からの空気を同伴することにより第2の空気流が生じるようになる。この二次空気流はノズル14のボア20を通過し、ここでノズル14から放出された空気流と一緒になる。
【0054】
第1のモータ84が動作している場合、ユーザは、第3のボタン160cを押すことにより、ファン組立体10から放出される空気流の湿度を増加させることができる。これに応答して、駆動回路166が、第2のモータ106を作動させて第2の羽根車104を回転させる。この結果、回転中の第2の羽根車104によって第1の空気通路70から空気が引き込まれ、第2の空気通路72内に第2の空気流を作り出す。回転中の第2の羽根車104によって生じた第2の空気流の空気流量は、第1の空気流が第1の空気通路70を通ってノズル14の第1の空気入口28に移動し続けるように、回転中の第1の羽根車82によって生じる空気流量よりも低い。
【0055】
第2のモータ106が作動すると同時に、駆動回路166が、好ましくは1〜2MHzの周波数で変換器138の振動を作動させて、水容器132内に存在する水を霧化する。これにより、水容器132内に存在する水の上に水飛沫が生じる。水容器132内の水が霧化されるにつれ、水容器132には水タンク112から水が絶えず補給され、水容器132内の水のレベルは実質的に一定を保つ一方で、水タンク112内の水のレベルは徐々に低下するようになる。
【0056】
第2の羽根車104の回転とともに、第2の空気流が入口ダクト148を通過し、水容器132内に存在する水の上に直接放出されて、第2の空気流内に水飛沫が同伴するようになる。今や湿気を帯びたこの第2の空気流は、中心ダクト110を通って第2の空気通路72からノズル14の第2の空気入口54まで上方へ移動し、ノズル14の前側部分18内の第2の内部通路58に入る。第2の内部通路58の基部において、この第2の空気流は、ノズル14のボア20の周囲を逆方向に通過する2つの空気ストリームに分かれる。空気流が第2の内部通路58を通過すると、各空気流は、ノズル14の前端44に位置する第2の空気出口56のそれぞれ一方から放出される。放出された第2の空気流は、ノズル14から第1の空気流が放出されることによって生じた空気流内でファン組立体10から離れて運ばれ、これによりファン組立体10から数メートルの距離で湿度の高い空気流が急速に体感できるようになる。
【0057】
その後第3のボタン160cが押されなければ、湿度センサ170によって検出したファン組立体に入る空気流の相対湿度が、第4のボタン160dを使用してユーザにより選択された相対湿度レベルよりも20℃において1%高くなるまで、この湿り空気流がノズルの前側部分18から放出される。その後、ノズル14の前側部分18からの湿り空気流の放出は、変換器138への作動信号の供給を終了することにより、駆動回路166によって終了される。任意に、ノズル14の前側部分18から第2の空気流が放出されないように第2のモータ106を停止することもできる。しかしながら、湿度センサ170が第2のモータ106のすぐ近くに位置する場合は、第2のモータ106が継続的に動作して、湿度センサ170の局所環境における不適切な温度変化を避けることが好ましい。湿度センサ170がファン組立体10の外部に位置する場合、例えば、湿度センサ170に近い環境の空気の相対湿度が、ユーザにより選択された相対湿度レベルよりも20℃において1%高くなったときにも第2のモータ106を停止することができる。
【0058】
ファン組立体10からの湿り空気流の放出が終了したことを受けて、湿度センサ170により検出される相対湿度は低下し始める。湿度センサ170に近い環境の空気の相対湿度が、ユーザにより選択された相対湿度レベルを20℃において1%下回るまで低下すると、駆動回路166は、ノズル14の前側部分18からの湿り空気流の放出を再始動するための作動信号を変換器138に出力する。上述したように、湿度センサ170によって検出される相対湿度が、ユーザにより選択された相対湿度レベルよりも20℃において1%高くなるまでノズル14の前側部分18から湿り空気流が放出され、この時点で変換器138の作動が終了する。
【0059】
この変換器138の、検出された湿度レベルをユーザにより選択されたレベル付近に維持するための作動シーケンスは、ボタン160a、160cの一方が押されるまで、又は水容器132内の水のレベルが最低レベルまで低下したことを示す信号をレベルセンサ135から受け取るまで続く。ボタン160aが押された場合、駆動回路166は、両方のモータ84、106を停止してファン組立体10のスイッチを切る。
【符号の説明】
【0060】
10 ファン組立体
12 本体
14 ノズル
16 後側部分
18 前側部分
22 外側ケーシング部分
24 内側ケーシング部分
26 基部
28 第1の空気入口
30 第1の空気出口
40 コアンダ面
42 ディフューザ部分
44 前端
46 第1の内部通路
48 口部
50 前側ケーシング部分
52 後側ケーシング部分
54 第2の空気入口
56 第2の空気出口
58 第2の内部通路
70 第1の空気通路
72 第2の空気通路
74 空気流入口
76 基部
78 後側部分
80 開口
82 第1の羽根車
84 第1のモータ
86 上部
88 下部
90 ディフューザ
92 羽根車ハウジング
94 支持体
96 入口部材
98 密封部材
100 電気ケーブル
102 空気入口
104 第2の羽根車
106 第2のモータ
108 下壁
110 ダクト
112 水タンク
114 外側凸面壁
116 内側凹面壁
118 ハンドル
120 放出口
122 弁
124 水出口
126 スカート部
130 凹部
132 水容器
134 ピン
135 レベルセンサ
136 開口
138 変換器
140 ヒートシンク
142 第2のヒートシンク
146 密封部材
148 入口ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後側部分及び前側部分を有するノズルと、
前記ノズルが装着された本体と、
を備え、
前記ノズルの後側部分が、少なくとも1つの第1の空気入口と、少なくとも1つの第1の空気出口と、前記少なくとも1つの第1の空気入口から前記少なくとも1つの第1の空気出口へ空気を運ぶための第1の内部通路とを有し、前記ノズルの前側部分が、少なくとも1つの第2の空気入口と、少なくとも1つの第2の空気出口と、前記少なくとも1つの第2の空気入口から前記少なくとも1つの第2の空気出口へ空気を運ぶための第2の内部通路とを有し、前記ノズルの前記2つの部分が、前記ノズルから放出された空気によってファン組立体の外部からの空気を引き込むボアを定め、
前記本体が、前記第1の内部通路を通る第1の空気流及び前記第2の内部通路を通る第2の空気流を発生させるための流れ発生手段と、前記第2の空気流が前記第2の内部通路に入る前に、前記第2の空気流の温度、湿度、組成及び電荷のうちの1つを変化させるための手段とを含む、
ことを特徴とするファン組立体。
【請求項2】
前記ノズルの各部分の形状が環状である、
ことを特徴とする請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の空気出口が、前記少なくとも1つの第2の空気出口の後方に位置する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記ノズルの前記後側部分が、前記ノズルの前記ボアの周囲に延びる空気出口を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項5】
前記空気出口が連続している、
ことを特徴とする請求項4に記載のファン組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の空気出口が、前記ボアの少なくとも前部を通じて前記第1の空気流を放出するように配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の空気出口が、前記ボアの前記前部を定める面上に前記第1の空気流を放出するように配置される、
ことを特徴とする請求項6に記載のファン組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2の空気出口が、前記ノズルの前端に位置する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2の空気出口が、前記ボアの周囲に位置する複数の空気出口を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項10】
前記複数の空気出口の各々が、1又はそれ以上の開口を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のファン組立体。
【請求項11】
前記本体が、前記第1の空気流を前記ノズルの前記後側部分へ運ぶための第1の空気通路と、前記第2の空気流を前記ノズルの前記前側部分へ運ぶための第2の空気通路とを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項12】
前記本体が、少なくとも前記第1の空気流が前記ファン組立体内に流入できるようにするための空気流入口を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のファン組立体。
【請求項13】
前記空気流入口が、複数の開口を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記第2の空気通路が、前記第1の空気通路からの空気を受け入れるように配置される、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項15】
前記第2の空気通路が、前記流れ発生手段から上流にある前記第1の空気通路からの空気を受け入れるように配置される、
ことを特徴とする請求項14に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記流れ発生手段が、第1の羽根車と、該第1の羽根車を駆動して前記第1の空気流を発生させるための第1のモータとを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項17】
前記流れ発生手段が、第2の羽根車と、該第2の羽根車を駆動して前記第2の空気流を発生させるための第2のモータとを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載のファン組立体。
【請求項18】
前記第1の内部通路が、前記第2の内部通路から分離される、
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれかに記載のファン組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−29107(P2013−29107A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167516(P2012−167516)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】