説明

フォトレジスト現像廃液の再生処理方法

【課題】フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像廃液の簡単且つ効率的な再生処理方法を提供する。
【解決手段】フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像廃液を処理するに当たって、水素イオン形(H形)の陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及び/又はH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去し、得られる処理液を電気透析及び電解の少なくとも一方の方法で処理して濃縮分離して、再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液を再生回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ(LCD)、プリント基板等の電子部品の製造工程等で発生するフォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現像廃液の再生処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部品等を製造するには、ウェハー等の基板上にネガ型又はポジ型のフォトレジストの皮膜を形成し、パターンマスクを通して光等を照射し、次いで現像液により不要のフォトレジストを溶解して現像し、更にエッチング等の処理を行った後、基板上の不溶性のフォトレジスト膜を剥離しなければならない。フォトレジストは、露光部分が可溶性となるポジ型と露光部分が不溶性となるネガ型があり、ポジ型フォトレジストの現像液としてはアルカリ現像液が主流であり、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものもある。
【0003】
上記アルカリ現像液としては、通常、水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラアルキルアンモニウムヒドロオキシド)の水溶液が用いられる。従って、かかる現像工程から排出される廃液(「フォトレジスト現像廃液」又は「フォトレジストアルカリ現像廃液」と言う)には、通常、溶解したフォトレジストとテトラアルキルアンモニウムイオンが含有されている。ここで、テトラアルキルアンモニウムイオンは、上述したことより明らかな通り、通常は水酸化物イオン(OH- )を対イオンとするものであるが、廃液(廃水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と混合されることがあり得るので、他種のイオンを対イオンとする塩の形の場合もあり得る。従って、本明細書中の一般的な説明では対イオンを特定せず、「イオン」と言う概念で捉えたものである。しかし、廃液中のテトラアルキルアンモニウムイオンは、上述のように、通常は水酸化テトラアルキルアンモニウムとして存在するので、これを中心として本発明を説明する。
【0004】
従来、かかるフォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現像廃液を処理する方法としては、全量業者引取する方法、蒸発法や逆浸透膜法により濃縮し廃棄処分(焼却又は業者引取)する方法、活性汚泥により生物分解処理し放流する方法がある。また、上記のようにして得た濃縮廃液あるいはもともとテトラアルキルアンモニウムイオン濃度の高い濃厚廃液については、電気透析法や電解法によりテトラアルキルアンモニウムイオンを好ましくは水酸化物の形(電解法では必然的に水酸化物の形となる)で濃縮回収し、再利用するといった試みがなされている。
【0005】
蒸発法や逆浸透膜法により濃縮する方法は、アルカリ可溶性のフォトレジストとテトラアルキルアンモニウムイオンが共に濃縮されるため、処理後の廃液は廃棄処分せざるを得ない。活性汚泥により生物分解処理する方法は、テトラアルキルアンモニウムイオンの生物分解性が悪く、また、他の有機物成分が廃液に混在している場合は、該他の有機物成分を分解する微生物の方の増殖が活発となり、テトラアルキルアンモニウムイオンを分解する微生物の増殖が不活発となるので更にその生物分解性が悪くなるため、低濃度の廃液の場合しか処理できず、大規模な処理施設が必要となる。また、電気透析や電解によりテトラアルキルアンモニウムイオンを好ましくは水酸化物の形で濃縮回収する方法が公害対策や資源の有効活用等の点でベストであるが、得られる溶液を、例えば、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造用のフォトレジストアルカリ現像液として再利用する場合には高い純度が要求され、この点で微量のフォトレジスト、Na+ 、K+ 、Ca2+等の陽イオン(特に、Na+ )等の不純物が残留してしまうということが問題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現像廃液の上述のような従来の処理方法の欠点を解消し、簡単且つ効果的なフォトレジスト現像廃液の再生処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像廃液を処理するに当たって、水素イオン形(H形)の陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去する工程と、前記工程を経て得られる処理液を電気透析及び電解の少なくとも一方の方法で処理して濃縮分離する工程とを少なくとも含む、フォトレジスト現像廃液からフォトレジスト現像液として再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液を再生回収することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理方法を提供するものである。
【0008】
本発明の方法においては、フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現像廃液(以下、時に「現像廃液」と略称する)を、直接、イオン交換樹脂と接触させる不純物の吸着除去の工程と電気透析及び/又は電解による濃縮の工程により処理するのが簡単であるが、必要に応じてこれらの工程の前に予め現像廃液又はその濃縮液(後述する蒸発及び/又は逆浸透膜処理による濃縮液)を中和して、固液分離してフォトレジストを或る程度除去し、フォトレジスト量が減少したテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含む中和処理液を得て、上記のような工程に通すのが特に陰イオン交換樹脂の交換容量の観点からは好ましい場合もある。但し、この場合、テトラアルキルアンモニウムイオンを水酸化物(OH)の形とするためには、電解工程を要するのが通常である。
【0009】
なお、水酸化テトラアルキルアンモニウム及びフォトレジストを含有する現像廃液は、通常pH12〜14のアルカリ性を呈しており、フォトレジストはアルカリ性液中では溶解している。本発明はかかるアルカリ性の現像廃液にもそのまま適用することができる。アルカリ可溶性のフォトレジストはカルボキシル基等を有しており、現像の際はこれらの基がテトラアルキルアンモニウム塩の形となってフォトレジストが現像液に溶解するので、現像廃液を中和してpH10以下、好ましくはpH8以下(酸性でも可)にすると、再びカルボキシル基等になりフォトレジストの大半は不溶性となって、遠心分離や濾過等の固液分離方法でフォトレジストの大半を除去できるようになる。本明細書では、このように、現像廃液等を中和し、フォトレジストを遠心分離や濾過等の固液分離方法で或る程度除去した処理液を「中和処理液」と言う。
【0010】
現像廃液中に元来存在するNa+ 、K+ 、Ca2+等の陽イオンは、例えば、Na+ は現像液である水酸化テトラメチルアンモニウム商品中に10ppb以下、使用後の現像廃液中に100ppb以上存在する場合があり、Cl- 、NO3 - 、SO42- 、HCO3 - 、CO32- 等の陰イオンも存在する場合がある。
【0011】
陰イオン交換樹脂がOH形の場合は、テトラアルキルアンモニウムイオンが水酸化テトラアルキルアンモニウムの形で陰イオン交換処理液中に存在するようになるので有利である。また、陽イオン交換樹脂にも接触させると、陽イオン成分も吸着除去される。
【0012】
イオン交換樹脂として、陽イオン交換樹脂のみを使うか、または、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の両方を使うかは、再生される水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液の用途との関連における該溶液中に残留するフォトレジスト、陰イオン類及び陽イオン類等の各種不純物の許容量によって決めればよい。但し、例えば、上述のように、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造用の現像液として再生水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を用いるには、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の両方を用いるのが望ましい。
【0013】
陰イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やアクリル系等の陰イオン交換樹脂が好ましく、あるいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いても良いが、後述するように、特にフォトレジスト除去効率の点でスチレン系陰イオン交換樹脂が好ましい。なお、アクリル系陰イオン交換樹脂は、(メタ)アクリル酸やそのエステル類をジビニールベンゼン(DVB)等で架橋したものである。また、フォトレジスト除去効率の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましいが、弱塩基性陰イオン交換樹脂も特に中性又は酸性側では、フォトレジスト除去効果があり、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いても良い。また、陰イオン交換樹脂の対イオンは、OH- でもCl- 等でもよいが、Cl- 等を対イオンとするCl形等の陰イオン交換樹脂を用いるとテトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンも少なくとも一部がCl- 等に変わることになるので、OH- を対イオンとするOH形陰イオン交換樹脂を用いるのが好ましい。なお、弱塩基性陰イオン交換樹脂を中性又は酸性側で用いた場合や、Cl- 等を対イオンとするCl形等の陰イオン交換樹脂を用いた場合には、テトラアルキルアンモニウムイオンを水酸化テトラアルキルアンモニウムの形とするためには、後段で電解を行えば良い。
【0014】
陽イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が好ましく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イオン交換樹脂のいずれでも良く、あるいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いても良い。
【0015】
陽イオン交換樹脂は、通常、水素イオン形(H形)かナトリウムイオン形(Na形)で市販されている。本発明では、陽イオン交換樹脂としては、H形のままで用いる。
【0016】
イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂)は、その使用に際して溶出物が無いように、超純水で充分洗浄したものを用いるのが好ましいのは言うまでもない。
【0017】
陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の両方をイオン交換樹脂として用いる場合は、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を混合した混合イオン交換樹脂としてカラム又は塔中に充填して用いても良いが、陰イオン交換樹脂を上流側に、陽イオン交換樹脂を下流側にカラム又は塔中に積層充填して用いるのが好ましい。しかし、もともと廃液中にフォトレジストが少量しか存在しない場合等においては、上流側に陽イオン交換樹脂、下流側に陰イオン交換樹脂を配置しても差し支えない。また、陰イオン交換樹脂を上流側のカラム又は塔に充填し、陽イオン交換樹脂を下流側のカラム又は塔に充填し、個別に配置して用いることもでき、この場合は、長時間の運転によって、交換容量が減少したり、劣化した方のイオン交換樹脂のみを容易に交換することができ、便利である。
【0018】
上流側に陰イオン交換樹脂、下流側に陽イオン交換樹脂を配置する場合の利点は、陰イオン交換樹脂からは極微量のアミン類が溶出することが考えられるので、下流側に陽イオン交換樹脂を配置することで、この溶出アミン類を捕捉することができることである。また、高分子物質であるフォトレジストは、陽イオン交換樹脂の表面に吸着し、その陽イオン交換の活性度を低下させてしまう虞があるので、上流側に陰イオン交換樹脂を配置し、前もってフォトレジストを充分除去しておくのが有利である。
【0019】
また、電気透析及び/又は電解工程の少なくとも前に、フォトレジスト現像廃液またはその処理液(中和処理及び/又はイオン交換処理液)を蒸発及び/又は逆浸透膜処理して濃縮する工程を更に含めるのが好ましい。このような蒸発及び/又は逆浸透膜処理の工程は、中和処理工程及び/又はイオン交換処理工程を行う場合にはその前後又は両者の中間のいずれの段階で行ってもよい。
【0020】
この蒸発及び/又は逆浸透膜処理工程を行うことの利点としては、電気透析や電解における電流効率を向上、被処理液量の減少に伴う電気透析装置及び/又は電解装置の小型化とランニングコストの低減、印加電圧の低減、並びに、テトラアルキルアンモニウムイオン回収率の向上などを挙げることができる。
【0021】
前述したように、蒸発や逆浸透膜処理ではフォトレジスト等の不純物も濃縮液に濃縮されるが、濃縮されたこれらの不純物は、望ましくは蒸発や逆浸透膜処理の少なくとも後段でのイオン交換処理、および、少なくとも電気透析及び/又は電解により除去されるので、特に問題は無い。
【0022】
なお、蒸発の凝縮水や逆浸透膜処理の透過水はフォトレジストやテトラアルキルアンモニウムイオンが殆ど含まれていないので、工程水等として用いることができる。なお、逆浸透膜処理の場合は、逆浸透膜の劣化を少なくする観点から被処理液のpH9〜12で行うのが好ましい。
【0023】
蒸発と逆浸透膜処理とを比較すると、前者はランニングコストが高いが濃縮倍率を容易に上げることできる利点があり、後者はランニングコストが低いという利点があるが濃縮倍率に限界があり、敢えて濃縮倍率を上げるには浸透圧に勝つための大型高圧ポンプが必要であり、実用的な濃縮液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度上限は数%程度である。従って、蒸発と逆浸透膜処理のどちらを選ぶか、またはその組み合わせを採るかは、フォトレジスト現像廃液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度等の特性から判断すればよい。
【0024】
更に、最後段またはその近くに膜処理装置を設置しても良く、この場合、元々現像廃液中に存在する微粒子を除去できると共に、電気透析装置及び/又は電解装置、ポンプ、イオン交換樹脂等から微粒子が混入してきても、これを確実に除去できるので好ましい。
【0025】
上記膜処理装置としては、0.03〜1μm程度の細孔径を有するポリプロピレン(PP)製フィルターやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターを用いた膜処理装置や、限外濾過膜装置等を挙げることができ、目的に合わせて適切な膜処理装置を選
択し、使用することができる。
【0026】
このようにして得られた高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液としての処理液を更に(電気透析、電解)、蒸発、逆浸透等の方法又はこれらを組み合わせた方法により濃縮しても良い。この場合、上記の膜処理装置による処理を行う場合は、各処理操作の順序はどのような順序でも可能であるが、膜処理装置による処理の目的が微粒子の除去であることに鑑みると、膜処理装置による処理を最後段に行うのが好ましい。
【0027】
イオン交換樹脂との接触の後段で、電気透析や電解によりテトラアルキルアンモニウムイオンの濃縮を行う際、電気透析や電解の少なくとも一方を循環方式又は多段方式で行っても良く、この場合、得られる濃縮液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度や純度を高めることができる。
【0028】
フォトレジストアルカリ現像廃液中のテトラアルキルアンモニウムイオンは、各種電子部品を製造する際に使用するフォトレジストの現像液に用いられるアルカリとしての水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム等(特に、前二者)の水酸化テトラアルキルアンモニウムから由来する。
【0029】
現像廃液中のテトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンは、上述したように水酸化物イオン(OH- )であるのが通常であるが、工場によっては、また、中和を行った場合には、弗化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオン等の無機陰イオン、及び、蟻酸イオン、酢酸イオン、蓚酸イオン等の有機陰イオンから選ばれる少なくとも一種がテトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンの少なくとも一部となるのが一般的である。特に炭酸イオン、炭酸水素イオンは、空気中の炭酸ガスが現像廃液中に溶け込んで少量存在することが多い。なお、電解を行って得られる濃縮液では、水酸化物イオンが通常テトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンとなるので、得られる水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液をフォトレジストアルカリ現像液として再利用するに支障を生じる程、水酸化物イオン以外の上記の対イオンの量が多い場合は、少なくとも電解の工程を本発明の方法に含めれば良い。
【0030】
通常のフォトレジスト現像廃液中で、フォトレジストはカルボキシル基等による陰イオン性の高分子として溶解しており、一方、水酸化テトラアルキルアンモニウムは、陽イオンであるテトラアルキルアンモニウムイオンと陰イオンである水酸化物イオンに解離している。
【0031】
このような廃液を陰イオン交換樹脂と接触させることで、廃液中のフォトレジストを陰イオン交換樹脂に吸着させ、除去することができる。
【0032】
アルカリ現像フォトレジストはノボラック樹脂を母体樹脂とするものが主流で、このノボラック樹脂は多数のベンゼン環を有している。陰イオン交換樹脂として特にスチレン系のベンゼン環を有する陰イオン交換樹脂等を用いた場合には、静電的相互作用に加えて、ベンゼン環同士の親和(疎水的)相互作用により、高選択的にフォトレジストを除去することができると考えられる。
【0033】
電気透析及び/又は電解による濃縮前に、フォトレジスト現像廃液を上記のような陰イオン交換樹脂と接触処理すると、該現像廃液の水酸化テトラアルキルアンモニウム濃度が低いから、フォトレジストの除去は容易に行われる。従って、フォトレジストを殆ど含まない水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を電気透析及び/又は電解によって濃縮することになるので、陽イオン交換樹脂とも接触させ陽イオン不純物も除去すると、得られる処理液は高純度の現像液として再生、再利用することができる。
【0034】
フォトレジストが高濃度に含まれている現像廃液については、陰イオン交換樹脂のイオン交換容量の観点から、前処理として中和を行うことでフォトレジストを不溶化し、遠心分離や濾過等の固液分離方法で分離除去した後に、中和処理液を上記のような陰イオン交換樹脂と接触させ、残留したフォトレジストを陰イオン交換樹脂に吸着させて除去するのが有利であるが、この中和により、少なくとも一部の水酸化テトラアルキルアンモニウムは、テトラアルキルアンモニウム塩となる。陽イオン交換樹脂とも接触させ陽イオン不純物も除去する。こうして得られたテトラアルキルアンモニウム塩を含む溶液(中和処理液)を電気透析や電解で濃縮を行えば、高純度のテトラアルキルアンモニウム塩(電気透析の場合)又は水酸化テトラアルキルアンモニウム(電解の場合)の溶液の回収を行うことができる。電解の場合はそのまま、また、電気透析を行った場合は、更に電解を行い水酸化テトラアルキルアンモニウムの形として再生することができる。得られる処理液は高純度の現像液として、再生、再利用することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法では、少なくともフォトレジストを含むテトラアルキルアンモニウムイオン含有フォトレジスト現像廃液に対して、H形の陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂との接触工程と電気透析及び/又は電解工程を少なくとも行うことによって、フォトレジスト、その他のイオン成分等の不純物を充分に除去することができ、フォトレジストアルカリ現像液として再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウム含有溶液を得ることができる。
【0036】
電気透析及び/又は電解工程の少なくとも前に、蒸発及び/又は逆浸透膜処理工程を行えば、電気透析や電解における電流効率の向上、被処理液量の減少に伴う電気透析装置及び/又は電解装置の小型化とランニングコストの低減、印加電圧の低減、並びに、テトラアルキルアンモニウムイオン回収率の向上などの利点が生じ、トータルな処理コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
上記のような本発明を実施するための最良の形態としては、次のような実施態様を挙げることができるが、本発明がこれらの実施態様に限定されるもので無いことは言うまでもない。
【0038】
<1>フォトレジスト現像廃液を陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去する工程と、前記工程を経て得られる処理液を電気透析及び電解の少なくとも一方の方法で処理して濃縮分離する工程とを少なくとも含む、フォトレジスト現像液として再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液を再生回収することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【0039】
<2>フォトレジスト現像廃液を中和し、不溶性となったフォトレジストを分離除去する工程と、前記工程を経て得られる中和処理液を陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去する工程と、前記の2工程を経て得られる処理液を電気透析及び電解により又は電解により濃縮分離する工程とを少なくとも含む、フォトレジスト現像液として再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液を再生回収することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【0040】
上記<1>や<2>の方法において、最後段又はその近辺で膜処理を行うのが望ましいことは、既述の通りである。また、上記<1>や<2>の方法において、電気透析及び/又は電解工程の少なくとも前に、フォトレジスト現像廃液またはその処理液(中和処理及び/又はイオン交換処理液)を蒸発及び/又は逆浸透膜処理して濃縮する工程を更に含むのが好ましいことも、既述の通りである。
【0041】
フォトレジストの現像液としては、最も一般的には水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」と略す)濃度2.38重量%の水溶液を用いている。この現像液でフォトレジストの現像を行うと、通常はフォトレジストとTMAHを含む現像廃液を生じる。薬品からの混入や配管材等からの溶出により現像廃液にNa+ 、K+ 、Ca2+、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Al3+等の陽イオン性の金属イオン類が含まれているのが通常で、電子部品の製造においてはこれらの金属イオン類が悪影響を与える場合がある。そこで、本発明ではH形の陽イオン交換樹脂で処理するのである。
【0042】
次に、図1を参照しつつ、本発明の現像廃液の処理方法において電気透析を行う場合の電気透析の原理を説明する。なお、テトラアルキルアンモニウムイオン(以下、「TAAイオン」と略す)はその対イオンが水酸化物イオン(OH- 、以下、「OHイオン」と略す)で、水酸化テトラアルキルアンモニウム(以下、「TAAH」と略す)の形である通常の場合について説明する。
【0043】
図1に示したように、陰極1と陽極2の間には陽イオン交換膜(カチオン交換膜)3と陰イオン交換膜(アニオン交換膜)4が交互に並べられて複数のセルを構成している。セルに送られたTAAH及びフォトレジストを含有する原廃液(イオン交換樹脂処理を経て得られる処理液、または、蒸発及び/又は逆浸透膜処理及びイオン交換樹脂処理を経て得られる処理液)中のTAAHは、陽イオンとしてのTAAイオン(TAA+ )と陰イオンとしてのOHイオンに解離しているため、陰極1と陽極2間に直流電流が印加されるとTAAイオンは陽イオン交換膜3を通って陰極側に移動するが次の陰イオン交換膜4で殆ど阻止され、一方、OHイオンは陰イオン交換膜4を通って陽極側に移動するが次の陽イオン交換膜で殆ど阻止されるため、或るセルではTAAHが濃縮され、該セルに隣接するセルではTAAHが減少することになる。即ち、陰イオン交換膜4を陰極1に面した側に有するセル(A)は濃縮セルとして機能し、ここではTAAHが濃縮されて濃縮液となり、陰イオン交換膜4を陽極2に面した側に有するセル(B)は脱塩セルとして機能し、ここではTAAHが減少して脱塩液となる。原廃液中のフォトレジストはイオン交換膜を殆ど通らないため濃縮セル及び脱塩セルをそのまま通過して濃縮液中及び脱塩液中に残留する。
【0044】
上述の説明で明らかなように、図1に示したように脱塩セル及び濃縮セルの両方に原廃液を通液した場合は、濃縮液中にもフォトレジストがそのまま残留することとなるが、濃縮セル側ではTAAHのみが濃縮されるのであってフォトレジストは濃縮されないので、濃縮液中のフォトレジストは原廃液中の濃度とほぼ同じであり、この点において、電気透析法はTAAHのみでなくフォトレジストも同時に濃縮されてしまう蒸発法や逆浸透膜法とは明らかに相違する。
【0045】
本発明では、フォトレジストアルカリ現像液として再利用できる高純度のTAAHの溶液を再生回収することを目的としているので、電気透析でフォトレジストを殆ど含まない濃縮液を得ることが好ましく、そのためには、脱塩セル側に原廃液を通液し、濃縮セル側に(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液するのが好ましい。しかし、濃縮セルにも原廃液を送る場合、脱塩液として排出される排水の量(容積)が減少する点では有利である。
【0046】
電気透析装置は、一般的に使用されているものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜としては、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであれば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオセプタ〔徳山曹達(株)製〕等を挙げることができる。また、イオン交換膜の特性も、一般的なものでよく、例えば、厚さは、0.1〜0.6mm、抵抗は、1〜10Ω・cm2 程度のものであればよい。
【0047】
電気透析装置の構造は、特に限定されず、例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩される液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保って交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
【0048】
ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐アルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアルコール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAAイオンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低いので、両者間の輸率の差を利用してTAAイオンの電気透析による濃縮を行うことができるのである。但し、中性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰イオン交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
【0049】
電気透析のプロセスの例としては、図2に示すような循環方式と、図3に示すような多段処理方式を挙げることができる。
【0050】
図2に示す循環方式では、TAAHとフォトレジストを含有する原廃液の入った廃液槽6から原廃液をポンプ9により脱塩液槽7に送り、脱塩液槽7からポンプ10により直流電流を印加した電気透析装置5の脱塩セルに送り、脱塩セルから流出する脱塩液を脱塩液槽7に戻し循環させる。一方、濃縮液槽8には原廃液、或いは、(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を仕込んでおき、ポンプ11で電気透析装置5の濃縮セルへ送り、濃縮セルから流出する濃縮液を濃縮液槽8に戻し循環させる。脱塩液槽7の脱塩液の電気伝導度を電気伝導度計12で測定し、脱塩されて一定の脱塩率になったところで脱塩液槽7内の脱塩液の一部を槽外に排出し、排出した分だけ脱塩液槽7内に廃液槽6より原廃液を送る。一方、濃縮液槽8中のTAAH濃度が所定の濃度に達したら、濃縮液を濃縮液槽8から取り出す。取り出した濃縮液は、膜処理工程や再利用等に廻す。
【0051】
図3に示す多段処理方式では、廃液槽14からポンプ15で送られた原廃液を第1の電気透析装置13−1で電気透析して得られる脱塩液を、第2の電気透析装置13−2へポンプ16で輸送して電気透析し、該脱塩液中に残留するTAAHの濃縮、回収を図る。第2の電気透析装置13−2で電気透析されてTAAHが濃縮された濃縮液は、第1の電気透析装置13−1で電気透析されポンプ17で輸送される濃縮液と共に第3の電気透析装置13−3で電気透析することにより、TAAHを更に高濃度に濃縮する。第3の電気透析装置13−3で電気透析された濃縮液は膜処理工程や再利用等に廻され、第3の電気透析装置13−3で処理された脱塩液は、ポンプ18で第2の電気透析装置13−2に送り返し、第1の電気透析装置13−1で得られる前記脱塩液と共に電気透析処理して残留するTAAHの濃縮、回収を図る。第2の電気透析装置13−2から流出する脱塩液は、含有物の殆どがフォトレジストであり、TAAH濃度は低いので系外に排出する。
【0052】
図3には示されていないが、第1の電気透析装置13−1の濃縮セル側に(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液するようにしてもよく、より高い純度の濃縮液を得ることも可能である。しかし、図2及び図3の両方式のシステムにおいて、濃縮セルにも原廃液を送る場合、脱塩液として排出される排水の量(容積)が減少する点では有利である。
【0053】
次に、図4を参照しつつ、本発明の現像廃液の処理方法において電解を行う場合の電解の原理を説明する。なお、TAAイオンはその対イオンがOHイオンで、TAAHの形である通常の場合について説明する。
【0054】
図4に示したように、陰極21と陽極22の間には陽イオン交換膜23が配置され、陰極セル(C)と陽極セル(D)を構成している。陽イオン交換膜は、理屈の上では陽イオンしか通さない(実際は僅かに陰イオン等も通す)。陽極セル(D)に原廃液(イオン交換樹脂処理を経て得られる処理液、または、蒸発や逆浸透膜処理及びイオン交換樹脂処理を経て得られる処理液)を通液し、陰極セル(C)には(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液する。原廃液中のTAAHはTAAイオン(TAA+ )とOHイオン(OH- )に解離しているため、陰極21と陽極22の間に直流電流を印加すると、TAAイオンは陽イオンであるので陰極(−)側に移動し陽イオン交換膜23を通って陰極セル(C)に入る。陰極21上では水(H2 O←→H+ +OH- )の水素イオン(H+ )が電子(e- )を受け取り、水素ガス(H2 )を生じ、残った陰イオンであるOHイオン(OH- )は、陽極セル(D)から陰極セル(C)に入ってきたTAAイオンの対イオンとなりTAAHを生成する。従って、電解が進行すると陰極セル(C)中ではTAAHが濃縮されることとなる。この意味で、陰極セル(C)は濃縮セルとして機能する。一方、陽極22上では、TAAHのOHイオン(OH- )が電子(e- )を放出し、酸素ガス(O2 )と水とになる。この意味では、陽極セル(D)は脱塩セルとして機能し、脱塩液(TAAイオンが希薄になった「希薄液」)を生じる。
【0055】
なお、原廃液中にCl- やBr- 等のOH- より電気分解されやすいイオン種が含まれているとCl2 やBr2 等のガスが生じる。この場合、陽極セルを更に陰イオン交換膜で区分し陽極側の区分セルに水酸化アンモニウム等のアルカリ物質を添加しておくと、中和によりCl2 やBr2 等のガスの発生が防止できる。SO42- やNO3 - の場合はOH- より電気分解され難いので、OH- の方が電気分解されO2 が発生し、H2 SO4 やHNO3 等が残る。
【特許文献1】特開昭57−155390号公報
【0056】
また、陽イオン交換膜を用いる代わりに2枚の親水化処理した多孔質テフロン(登録商標)膜等の中性膜を使用し、陽極室、中間室及び陰極室を設け、中間室に原廃液を通しても電解を行うことができる。
【特許文献2】特開昭60−247641号公報
【0057】
更に純度の高いTAAH濃縮液を得たい場合は、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を複数枚(好ましくは2枚)配置して、陽極側のセル(陽極セル)に原廃液を通液し、陰極側のセル(陰極セル)及び中間セルには(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液すると、多段にTAAHを精製することになり、陰極セルからは高純度のTAAH濃縮液が得られる。
【0058】
また、図2や図3の電気透析システムに用いられている様な構成は、電解の場合にもそのまま適用できるものである。
【0059】
なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」とは、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高いか低いかを示すものでは無い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明の方法において電気透析を行う場合の電気透析の原理の説明図である。
【図2】図2は、電気透析を循環方式で実施するためのプロセスの一例を説明するためのフロー図である。
【図3】図3は、電気透析を多段処理方式で実施するためのプロセスの一例を説明するためのフロー図である。
【図4】図4は、本発明の方法において電解を行う場合の電解の原理の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 陰極
2 陽極
3 陽イオン交換膜(カチオン交換膜)
4 陰イオン交換膜(アニオン交換膜)
5 電気透析装置
6 廃液槽
7 脱塩液槽
8 濃縮液槽
9、10、11 ポンプ
12 電気伝導度計
13−1 第1電気透析装置
13−2 第2電気透析装置
13−3 第3電気透析装置
14 廃液槽
15、16、17、18 ポンプ
21 陰極
22 陽極
23 陽イオン交換膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像廃液を処理するに当たって、水素イオン形(H形)の陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去する工程と、前記工程を経て得られる処理液を電気透析及び電解の少なくとも一方の方法で処理して濃縮分離する工程とを少なくとも含む、フォトレジスト現像廃液からフォトレジスト現像液として再利用できる高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液を再生回収することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項2】
前記フォトレジスト現像廃液を中和し、不溶性となったフォトレジストを分離除去する工程と、前記工程を経て得られる中和処理液をH形の陽イオン交換樹脂、または陰イオン交換樹脂及びH形の陽イオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着除去する工程と、前記の2工程を経て得られる処理液を電気透析及び電解により又は電解により濃縮分離する工程とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項3】
前記の電気透析及び/又は電解工程の少なくとも前に、前記フォトレジスト現像廃液またはその処理液(又はその中和処理液)を蒸発及び/又は逆浸透膜処理して濃縮する工程を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項4】
前記陰イオン交換樹脂及び前記陽イオン交換樹脂を混合イオン交換樹脂として用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項5】
前記陰イオン交換樹脂を上流側に、前記陽イオン交換樹脂を下流側に積層する積層イオン交換樹脂として用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項6】
前記陰イオン交換樹脂の層(カラム、塔)を前記陽イオン交換樹脂の層(カラム、塔)よりも上流側に配設することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項7】
前記陰イオン交換樹脂が、水酸化物イオン形(OH形、即ち、ヒドロオキシド形)強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。
【請求項8】
電気透析と電解から選ばれる少なくとも一方を循環方式又は多段方式で行うことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の処理方法。
【請求項9】
末端又はその近辺に膜処理装置を配設し、高純度の水酸化テトラアルキルアンモニウムの溶液から微粒子を除去することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−323095(P2007−323095A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225178(P2007−225178)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【分割の表示】特願2004−31598(P2004−31598)の分割
【原出願日】平成9年11月20日(1997.11.20)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】