説明

フレキシブルケーブル接続構造及びフレキシブルケーブル用コネクタ

【課題】本発明はフレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に挿入する際の傾き防止すると共に、端子部とコネクタピンとの接続状態を確認できることを課題とする。
【解決手段】フレキシブルケーブル接続構造10は、フレキシブルケーブル20の端子部30をフレキシブルケーブル用コネクタ40のケーブル挿入口60に挿入すると、ケーブル挿入口60の複数のコネクタピン50が端子部30に接続される。フレキシブルケーブル20のケーブル側ガイド部90はケーブル挿入口60の挿入完了位置に達すると、ケーブル挿入口60内に設けられた係合部がケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に係合すると共に、端子部30がコネクタピン50の接触圧により挟持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフレキシブルケーブルの各端子とコネクタとが接続されるフレキシブルケーブル接続構造及びフレキシブルケーブル用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルケーブルとしては、例えば、FFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuits)と呼ばれる導電層の上面、下面に絶縁層を積層してなる薄くて可撓性を有する帯状のケーブルがある。この種のフレキシブルケーブルは、両端部に導電層を露出させた複数の端子が並列に配されており、紙のように薄く、且つ幅広に形成された絶縁層間に複数の導電パターンが所定の狭ピッチで並設されている。また、フレキシブルケーブルは、コネクタのケーブル挿入口もケーブル形状に対応して薄く、且つ横幅寸法が幅広に形成されている。また、複数の端子の裏面側には、コネクタ挿入時の強度を高めるため、補強板が積層されている。
【0003】
この種のフレキシブルケーブルが接続される接続構造としては、ケーブル挿入口の内部に各ケーブル端子に接触するための複数のコネクタピンがケーブル側の各導電パターンと同じピッチで並設されている。従って、フレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に差し込むことにより、フレキシブルケーブルの各導電パターンの端子は、複数のコネクタピンの接触圧によって挟持されると共に、各コネクタピンと電気的に導通される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−45036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のフレキシブルケーブル接続構造では、フレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に差し込む際に、フレキシブルケーブル自体は可撓性を有するため、コネクタへの挿入圧力が作用した場合に湾曲しやすくなっており、補強板を把持してフレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に挿入することになる。しかしながら、フレキシブルケーブルの端子部の厚さが薄くて把持しにくい形状であるため、フレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に真っ直ぐに挿入することが難しいという問題があった。
【0006】
また、フレキシブルケーブルの端子部をコネクタのケーブル挿入口に挿入してもフレキシブルケーブルの端子部が左右方向に傾いた状態で挿入された場合は、端子部の各導電パターンの延在方向が各コネクタピンの延在方向と傾いた状態で対向することになり、各導電パターンと各コネクタピンとが確実に接触できなくなる。ところが、従来のフレキシブルケーブル接続構造においては、組み付け作業を行なう作業者はコネクタ内部の状態を外部から確認できないので、各導電パターンと各コネクタピンとがどのように接触しているかは不明のまま組み付け作業を行なっていた。
【0007】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したフレキシブルケーブル接続構造及びフレキシブルケーブル用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、フレキシブルケーブルの端部に形成された複数の導電パターンよりなる端子部をコネクタの内部に並設された複数のコネクタピンに接続するフレキシブルケーブル接続構造において、
前記フレキシブルケーブルの端子部の裏面側に固着されたケーブル側ガイド部と、
前記コネクタのケーブル挿入口に設けられ、前記ケーブル側ガイド部の挿脱方向をガイドするコネクタ側ガイド部と、
を備え、
前記ケーブル側ガイド部を前記コネクタのケーブル挿入口に挿入するのに伴って前記ケーブル側ガイド部が前記コネクタ側ガイド部を摺動することにより挿脱方向をガイドされることを特徴とする。
(2)本発明の前記ケーブル側ガイド部は、前記挿脱方向に延在する突部または溝からなる被規制部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル側ガイド部の前記被規制部に嵌合して前記ケーブル側ガイド部の挿脱方向を規制する規制部を有することを特徴とする。
(3)本発明の前記ケーブル側ガイド部は、前記挿脱方向に延在する被係合部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記端子部が前記コネクタピンに接触し、前記コネクタピンの接触圧により保持される位置に達したとき、前記ケーブル側ガイド部の前記被係合部に係合する係合部を有することを特徴とする。
(4)本発明の前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル挿入口の上側に横架された端部が前記ケーブル挿入口の入口より所定距離内側に引っ込んだ位置に形成されたことを特徴とする。
(5)本発明の前記被規制部は、前記挿脱方向と平行に複数設けられ、
前記規制部は、前記複数の被規制部のそれぞれに嵌合するように複数設けられたことを特徴とする。
(6)本発明の前記被係合部は、前記挿脱方向と直交する横幅方向に複数個が並設され、
前記係合部は、前記複数の被係合部のそれぞれに係合するように前記挿脱方向と直交する横幅方向に複数個が並設されたことを特徴とする。
(7)本発明の前記コネクタ側ガイド部は、前記コネクタピンと対向する前記ケーブル挿入口の内壁に前記規制部及び前記係合部を有することを特徴とする。
(8)本発明は、フレキシブルケーブルの端部に形成された複数の導電パターンよりなる端子部が挿入されるケーブル挿入口と、該ケーブル挿入口の内壁に並設され前記端子部が接続される複数のコネクタピンとを有するフレキシブルケーブル用コネクタにおいて、
前記フレキシブルケーブルの端子部の裏面側に固着されたケーブル側ガイド部の挿脱方向をガイドするコネクタ側ガイド部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル側ガイド部が前記ケーブル挿入口に挿入されるのに伴って前記ケーブル側ガイド部との摺動により挿脱位置をガイドすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ケーブル側ガイド部をコネクタのケーブル挿入口に挿入するのに伴ってケーブル側ガイド部がコネクタ側ガイド部との摺動により挿入位置をガイドされてケーブル挿脱方向に真っ直ぐ挿入されるため、端子部の各導電パターンの位置が各コネクタピンの位置と一致し、各導電パターンと各コネクタピンとが確実に接触するように組み付けることができる。
【0010】
また、本発明によれば、コネクタ側ガイド部の規制部が、ケーブル側ガイド部の被規制部に嵌合してケーブル側ガイド部の挿脱方向を規制するため、ケーブル側ガイド部の挿脱方向をケーブル挿入口の挿脱方向と一致させることができ、フレキシブルケーブルの挿脱方向がケーブル挿入口に対して傾かないように真っ直ぐに挿入させることが可能になる。
【0011】
さらに、本発明によれば、コネクタ側ガイド部の係合部が、ケーブル側ガイド部の被係合部に係合する際のクリック感により、フレキシブルケーブルの端子部がコネクタ内の各コネクタピンと接触した状態に保持されたことを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるフレキシブルケーブル接続構造の実施例1を示す分解斜視図である。
【図2A】フレキシブルケーブルを上方からみた平面図である。
【図2B】フレキシブルケーブルを下方からみた底面図である。
【図2C】図2A中C−C線に沿うフレキシブルケーブルの縦断面図である。
【図2D】図2A中D−D線に沿うフレキシブルケーブルの縦断面図である。
【図3A】実施例1のコネクタを示す斜視図である。
【図3B】実施例1のコネクタ側ガイド部を示す斜視図である。
【図4】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を挿入する前の状態を示す斜視図である。
【図5A】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を挿入する前の状態を示す縦断面図である。
【図5B】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部の先端を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図5C】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を挿入した係合状態を示す縦断面図である。
【図6】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を斜め上方から挿入した状態を示す斜視図である。
【図7A】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を斜め上方から挿入した状態を示す縦断面図である。
【図7B】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部が挿入される過程で水平にガイドされた挿入状態を示す縦断面図である。
【図7C】実施例1のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部が挿入されて係合された状態を示す縦断面図である。
【図8】実施例2のフレキシブルケーブル接続構造を示す分解斜視図である。
【図9】実施例2のコネクタを示す斜視図である。
【図10A】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を挿入する前の状態を示す縦断面図である。
【図10B】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部の先端を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図10C】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を挿入した係合状態を示す縦断面図である。
【図11A】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部を斜め上方から挿入した状態を示す縦断面図である。
【図11B】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部が挿入される過程で水平にガイドされた挿入状態を示す縦断面図である。
【図11C】実施例2のコネクタのケーブル挿入口にケーブル側ガイド部が挿入されて係合された状態を示す縦断面図である。
【図12】変形例の構成を示す分解斜視図である。
【図13】変形例のコネクタを示す斜視図である。
【図14】変形例のフレキシブルケーブルを下方から見た底面図である。
【図15】変形例を斜め下方からみた分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明によるフレキシブルケーブル接続構造の実施例1を示す分解斜視図である。図1に示されるように、フレキシブルケーブル接続構造10は、フレキシブルケーブル20の端部に形成された端子部30をフレキシブルケーブル用コネクタ(以下「コネクタ」という)40のケーブル挿入口60に挿入すると、ケーブル挿入口60の上側に並設された複数のコネクタピン50が端子部30に接続されるように構成されている。尚、コネクタ40は、プリント基板上に固定されると共に、コネクタ40の背面側に延在するコネクタピン50の端部がプリント基板上に形成された接続パターンに半田付けされる。
【0015】
実施例1のコネクタ40は、ケーブル挿入口60の下側に複数のコネクタピン50が並設され、且つコネクタ側ガイド部70がケーブル挿入口60の上側に配置された下接点タイプである。従って、コネクタ側ガイド部70は、ケーブル挿入口60の上側を形成するようにコネクタ40と一体成型されている。さらに、コネクタ40の左右側面の締結溝42,44には、コネクタ40をプリント基板に締結するための金属製のL字状ブラケット80が圧入されている。
【0016】
ここで、フレキシブルケーブル20の構成について説明する。
【0017】
図2Aはフレキシブルケーブル20を上方からみた平面図である。図2Bはフレキシブルケーブル20を下方からみた底面図である。図2Cは図2A中C−C線に沿うフレキシブルケーブル20の縦断面図である。図2Dは図2A中D−D線に沿うフレキシブルケーブル20の縦断面図である。図2A〜図2Dに示されるように、フレキシブルケーブル20は、FFC(Flexible Flat Cable)と呼ばれる可撓性を有する薄い帯状のケーブルであり、下面側端部に端子部30が形成され、端子部30の裏面側となる上面側端部にはケーブル側ガイド部90が固着されている。また、フレキシブルケーブル20は、ポリエステル樹脂などからなる絶縁層22の下面側に複数の導電パターン32(32〜32)が並列に形成されている。また、複数の導電パターン32(32〜32)は、下面側が端子部30となる露出部分を除いてポリエステル樹脂などからなる絶縁層24に被覆されている。このようにフレキシブルケーブル20は、複数の導電パターン32(32〜32)の上面、下面に絶縁層22,24を積層してなる三層構造であり、紙のように薄いため、上下方向に撓ませることができる。
【0018】
さらに、フレキシブルケーブル20の上面側端部に固着されたケーブル側ガイド部90は、樹脂材により一体成型されており、上面側の左右両側付近と中央の3箇所に挿脱方向(Xa、Xb方向)に延在するガイド溝(被規制部)91〜93が形成されている。さらに、ケーブル側ガイド部90の上面側端部近傍には、被係合部としての係合孔94,95が設けられている。一対の係合孔94,95は、左右方向(Ya、Yb方向)に離間した位置に形成されており、上下方向(Za、Zb方向)に凹んだ長方形状の凹部からなる。
【0019】
また、ケーブル側ガイド部90の上面側中央に形成されたガイド溝92は、挿入側端部に向けて幅広形状に傾斜するテーパ部92aを有する。このテーパ部92aにより、ケーブル側ガイド部90の入口側の横幅が広くなっているので、フレキシブルケーブル20の挿入操作時の左右方向(Ya、Yb方向)の位置ずれを調整可能になっている。
【0020】
ここで、コネクタ40及びコネクタ側ガイド部70の構成について説明する。
【0021】
図3Aは実施例1のコネクタ40を示す斜視図である。図3Bは実施例1のコネクタ側ガイド部90を示す斜視図である。図3A及び図3Bに示されるように、コネクタ40は、フレキシブルケーブル20の端子部30及びケーブル側ガイド部90が挿入されるケーブル挿入口60と、ケーブル挿入口60の下側に配された複数のコネクタピン50を有する下部ベース100と、ケーブル挿入口60の上側に配されたコネクタ側ガイド部70を有する天板110と、ケーブル挿入口60の左右側方の側壁120,130とを有する。
【0022】
ケーブル挿入口60は、下部ベース100と、天板110と、側壁120,130とに囲まれた空間であり、厚さ寸法、横幅寸法がフレキシブルケーブル20の端子部30及びケーブル側ガイド部90の厚さ寸法、横幅寸法よりも僅かに大きい寸法に形成されている。
【0023】
図3Bに示されるように、ケーブル挿入口60の下側に配された下部ベース100には、複数のコネクタピン50を収納する複数のピン挿通孔102がケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に形成されている。複数のピン挿通孔102は、フレキシブルケーブル20の導電パターン32(32〜32)と対向するように、左右方向(Ya、Yb方向)に同一ピッチで配されている。従って、各ピン挿通孔102に挿入された各コネクタピン50は、それぞれがフレキシブルケーブル20の導電パターン32(32〜32)に接触すると共に、ケーブル側ガイド部90の厚さ分の弾性変位に伴うばね力によって導電パターン32(32〜32)を挟持する。
【0024】
また、ケーブル挿入口60の天板110の下側には、ケーブル側ガイド部90の挿脱動作をガイドするコネクタ側ガイド部70が形成されている。コネクタ側ガイド部70は、ケーブル側ガイド部90の斜め挿入動作を防止するガイド突部(規制部)71〜73と、ケーブル側ガイド部90を挿入完了位置に係合する一対の係合部74,75とから構成されている。ガイド突部71〜73は、それぞれケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に平行に延在形成されており、ケーブル側ガイド部90のガイド溝91〜93に嵌合するように左右方向(Ya、Yb方向)にガイド溝91〜93と同じ間隔に並設されている。
【0025】
また、両側のガイド突部71,73は、ケーブル挿入口60の正面から見ると半円形状に形成されており、中央のガイド突部72は、ケーブル挿入口60の正面から見ると台形状に形成されている。
【0026】
係合部74,75は、ケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に延在する片持ち梁形状に形成されており、片持ちアーム部の先端部が上下方向(Za、Zb方向)に変位してケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に係合する。また、係合部74,75は、左右方向(Ya、Yb方向)に係合孔94,95と同じ間隔で離間した位置に並設されている。
【0027】
ここで、フレキシブルケーブル20の端子部30及びケーブル側ガイド部90をケーブル挿入口60に挿入する際の挿入動作について説明する。
【0028】
図4は実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を挿入する前の状態を示す斜視図である。図5Aは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を挿入する前の状態を示す縦断面図である。
【0029】
図4及び図5Aに示されるように、フレキシブルケーブル20をコネクタ40に接続する際は、ケーブル側ガイド部90を把持してコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入する。その際、端子部30の導電パターン32(32〜32)がコネクタ40の下側に配された各コネクタピン50に接触するようにケーブル側ガイド部90をケーブル挿入口60に挿入する。
【0030】
これにより、ケーブル側ガイド部90は、係合孔(被係合部)94,95が上面側に配されており、係合孔94,95が天板110に設けられた係合部74,75のアーム先端部74a,75aに対向する位置にある。また、天板110の端部は、下部ベース100の端部よりも内側(Xb方向)に引っ込んでいるため、後述するようにケーブル側ガイド部90が斜め上方からケーブル挿入口60に挿入されることを可能している。また、ケーブル側ガイド部90の先端部分の上側角部及び天板110の端部の下側角部には、夫々面取り96、111が形成されている。
【0031】
また、コネクタ40の下部ベース100は、ケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に貫通する複数のピン挿通孔102を有しており、各ピン挿通孔102の上側にはケーブル挿入口60に連通する開口104が形成されている。各ピン挿通孔102に収納された各コネクタピン50は、端子50aと、挿通部50bと、接触部50cと、掛止部50dとを有する。コネクタピン50の端子50aは、コネクタ40の背面側に延在してプリント基板上の導電パターンに半田付けされる。また、挿通部50bは、コネクタ40の背面側(Xb側)からピン挿通孔102に挿通される。
【0032】
コネクタピン50の接触部50cは、挿通部50bより上方に傾斜するように形成されており、その傾斜上部がピン挿通孔102の開口104よりケーブル挿入口60内に突出している。また、コネクタピン50の掛止部50dは、接触部50cの先端でS字状に曲げられており、ピン挿通孔102の横架部106に掛止されて上方への移動を制限されている。
【0033】
図5Bは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90の先端を挿入した状態を示す縦断面図である。図5Bに示されるように、ケーブル側ガイド部90がコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入される過程において、ケーブル側ガイド部90のガイド溝91〜93にコネクタ40のケーブル挿入口60内に突出するガイド突部71〜73が相対的に嵌合する。これにより、ケーブル側ガイド部90は、左右方向(Ya、Yb方向)の挿入位置をガイド突部71〜73に規制されてケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)へガイドされる。
【0034】
このガイド動作により、端子部30の複数の導電パターン32は、夫々が複数のコネクタピン50の接触部50cに接触する位置に位置決めされる。従って、ガイド突部71〜73とガイド溝91〜93との嵌合により各導電パターン32に挿入位置と各コネクタピン50との位置とが一致する。
【0035】
ケーブル側ガイド部90がコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入されると、下面側の端子部30の導電パターン32がコネクタピン50の接触部50cに接触すると共に、ケーブル側ガイド部90の上面側がコネクタ40の天板110の下面に押し付けられて上下方向(Za、Zb方向)で挟持される。
【0036】
図5Cは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を挿入した係合状態を示す縦断面図である。図5Cに示されるように、さらに、ケーブル側ガイド部90を挿入方向(Xb方向)に摺動させることにより、ケーブル側ガイド部90の先端上面が係合部74,75のアーム先端部74a,75aに摺接しながら、下方に変位してコネクタピン50の接触部50cを押し下げる。これにより、コネクタピン50による導電パターン32への接触圧が増大してコネクタピン50と導電パターン32との電気的接続が確実に行なわれる。
【0037】
さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に移動すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の先端上面に摺接して上方に変位すると共に、コネクタピン50の接触部50cを下方に弾性変形させる。そして、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の挿入完了位置に達すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95を係合すると共に、端子部30がコネクタピン50の接触圧により挟持される。この係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に嵌合した際のクリック動作は、ケーブル側ガイド部90を把持している操作者にクリック感として伝達されると共に、カッチといったクリック音として操作者の聴覚にも伝達される。
【0038】
従って、操作者は、上記クリック動作によりケーブル側ガイド部90がコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入され、且つ端子部30の導電パターン32がコネクタピン50の接触部50cに接触した状態に保持されたことを感覚的に確認することが可能になる。
【0039】
また、ケーブル側ガイド部90の挿入完了後は、ケーブル挿入口60において、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に嵌合し、且つ端子部30がコネクタピン50の接触圧により挟持されているので、フレキシブルケーブル20が離脱方向(Xa方向)に引張られても簡単に外れることが防止される。尚、フレキシブルケーブル20をコネクタ40から分離させる際は、ケーブル側ガイド部90を分離方向(Xa方向)に引張ることにより係合部74,75のアーム先端部74a,75がケーブル側ガイド部90の係合孔94,95から離脱して外すことが可能になる。
【0040】
ここで、ケーブル側ガイド部90が斜め上方からケーブル挿入口60に挿入された場合の挿入動作について説明する。
【0041】
図6は実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を斜め上方から挿入した状態を示す斜視図である。図7Aは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を斜め上方から挿入した状態を示す縦断面図である。
【0042】
図6及び図7Aに示されるように、コネクタ40は、ケーブル挿入口60の入口側において、天板110の端部が下部ベース100の端部よりも寸法Lの距離分内側(Xb方向)に引っ込んでいる。そのため、コネクタ40は、ケーブル側ガイド部90を斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)からケーブル挿入口60に挿入することが可能な構成になっている。
【0043】
すなわち、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)から挿入された場合、ケーブル側ガイド部90の上面側が天板110の端部に摺接しながら、ケーブル側ガイド部90の先端部分が下部ベース100の上面を摺動する。
【0044】
図7Bは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90が挿入される過程で水平にガイドされた挿入状態を示す縦断面図である。図7Bに示されるように、ケーブル側ガイド部90の先端部分の上側角部及び天板110の端部の下側角部には、夫々面取り96,111が形成されているので、ケーブル側ガイド部90は下部ベース100の上面を摺動しながらケーブル挿入口60内に進入すると共に、B方向に回動するようにガイドされてその傾斜角度が次第に水平方向に変化し、やがて水平状態(α=ゼロ)に至る。
【0045】
また、ケーブル側ガイド部90がコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入される過程において、水平状態となったケーブル側ガイド部90のガイド溝91〜93にコネクタ40のケーブル挿入口60内に突出するガイド突部71〜73が相対的に嵌合する。これにより、ケーブル側ガイド部90は、左右方向(Ya、Yb方向)の挿入位置をガイド突部71〜73に規制されてケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)へガイドされる。
【0046】
このガイド動作により、端子部30の複数の導電パターン32は、夫々が複数のコネクタピン50の接触部50cに接触する位置に位置決めされる。従って、ガイド突部71〜73とガイド溝91〜93との嵌合により各導電パターン32に挿入位置と各コネクタピン50との位置とが一致する。
【0047】
図7Cは実施例1のコネクタ40のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90が挿入されて係合された状態を示す縦断面図である。図7Cに示されるように、さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に摺動されることにより、ケーブル側ガイド部90の先端部分が係合部74,75のアーム先端部74a,75aに摺接しながら、下方に変位してコネクタピン50の接触部50cを押し下げる。これにより、コネクタピン50による導電パターン32への接触圧が増大してコネクタピン50と導電パターン32との電気的接続が確実に行なわれる。
【0048】
さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に移動すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の先端上面側に摺接して上方に変位すると共に、コネクタピン50の接触部50cを下方に弾性変形させる。そして、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の挿入完了位置に達すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に係合すると共に、端子部30の各導電パターン32が各コネクタピン50の接触圧により挟持される。この係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に嵌合した際のクリック動作は、ケーブル側ガイド部90を把持している操作者にクリック感として伝達されると共に、カッチといったクリック音として操作者の聴覚にも伝達される。
【0049】
このように、フレキシブルケーブル接続構造10によれば、ケーブル側ガイド部90を斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)からケーブル挿入口60に挿入させた場合でも、ケーブル側ガイド部90が水平状態になるようにガイドすることができるので、ケーブル側ガイド部90を水平に挿入した場合と同様に、ケーブル側ガイド部90をケーブル挿入口60に真っ直ぐ挿入することが可能である。
【実施例2】
【0050】
図8は実施例2のフレキシブルケーブル接続構造を示す分解斜視図である。尚、図8において、実施例1と同一部分には同一符合を付してその説明を省略する。
【0051】
図8に示されるように、実施例2のフレキシブルケーブル接続構造200は、フレキシブルケーブル20の端部に形成された端子部30をコネクタ240のケーブル挿入口60に挿入すると、ケーブル挿入口60の上側に並設された複数のコネクタピン250に端子部30が接続されるように構成されている。尚、フレキシブルケーブル20は、前述した実施例1のものと同じ構成であり、同一符合を付してその説明を省略する。
【0052】
実施例2のコネクタ240は、ケーブル挿入口60の上側に複数のコネクタピン250が並設され、且つコネクタ側ガイド部270がケーブル挿入口60の下側に配置された上接点タイプである。従って、フレキシブルケーブル20は、実施例1の場合と上下面を逆向きにした反転状態、すなわち、端子部30の導電パターン32(32〜32)が上面側にし、ケーブル側ガイド部90を下面側にした向きでケーブル挿入口60に挿入される。
【0053】
図9は実施例2のコネクタ240を示す斜視図である。図9に示されるように、コネクタ240は、フレキシブルケーブル20の端子部30及びケーブル側ガイド部90が挿入されるケーブル挿入口60と、ケーブル挿入口60の上側に配された複数のコネクタピン250を有する下部ベース100と、ケーブル挿入口60の上側に配されたコネクタ側ガイド部70を有する天板110と、ケーブル挿入口60の左右側方の側壁120,130とを有する。
【0054】
ケーブル挿入口60の上側に配された天板100には、複数のコネクタピン250を保持する複数のピン挿通孔112がケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に形成されている。複数のピン挿通孔112は、フレキシブルケーブル20の導電パターン32(32〜32)と対応するように、左右方向(Ya、Yb方向)に同一ピッチで配されている。従って、各ピン挿通孔112に挿入された各コネクタピン250は、それぞれがフレキシブルケーブル20の各導電パターン32(32〜32)に接触するように設けられている。
【0055】
また、下部ベース100の上面には、ガイド突部71〜73と、一対の係合部74,75とからなるコネクタ側ガイド部70が設けられている。
【0056】
ここで、上記実施例2におけるフレキシブルケーブル20の端子部30及びケーブル側ガイド部90をケーブル挿入口60に挿入する際の挿入動作について説明する。
【0057】
図10Aは実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を挿入する前の状態を示す縦断面図である。図10Aに示されるように、フレキシブルケーブル20をコネクタ240に接続する際は、ケーブル側ガイド部90を把持してコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入する。その際、端子部30の導電パターン32(32〜32)がコネクタ240の上側に配された各コネクタピン250に接触するように導電パターン32(32〜32)を上側にしてケーブル側ガイド部90をケーブル挿入口60に挿入する。
【0058】
これにより、ケーブル側ガイド部90は、係合孔(被係合部)94,95を下面側に配しており、係合孔94,95が下部ベース100の上面に設けられた係合部74,75のアーム先端部74a,75aに対向する位置にある。また、ケーブル側ガイド部90の先端部分の下側角部及び下部ベース100の端部の上側角部には、夫々面取り96,101が形成されている。
【0059】
また、コネクタ240の天板110は、ケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に貫通する複数のピン挿通孔112を有しており、各ピン挿通孔112の下側にはケーブル挿入口60に連通する開口114が形成されている。各ピン挿通孔112に保持された各コネクタピン250は、端子250aと、挿通部250bと、接触部250cと、掛止部250dとを有する。コネクタピン250の端子250aは、コネクタ240の背面側から下方に曲げられており、プリント基板上の導電パターンに半田付けされる。また、挿通部250bは、コネクタ240の背面側(Xb側)からピン挿通孔112に挿通される。
【0060】
コネクタピン250の接触部250cは、挿通部250bより下方に傾斜するように形成されており、その傾斜下部がピン挿通孔112の開口114よりケーブル挿入口60内に突出している。また、コネクタピン250の掛止部250dは、接触部250cの先端でS字状に曲げられており、ピン挿通孔112の下側に横架された横架部116に掛止されて下方への移動を制限されている。この横架部116は、ケーブル挿入口60の入口上部に横架されており、且つ横架部116の入口側端部が下部ベース100の端部よりも寸法Lの距離分内側(Xb方向)に引っ込んでいる。そのため、後述するように、ケーブル側ガイド部90が斜め上方からケーブル挿入口60に挿入されることを可能している。
【0061】
図10Bは実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90の先端を挿入した状態を示す縦断面図である。図10Bに示されるように、ケーブル側ガイド部90がコネクタ240のケーブル挿入口60に挿入される過程において、ケーブル側ガイド部90のガイド溝91〜93にコネクタ240のケーブル挿入口60内に突出するガイド突部71〜73が相対的に嵌合する。これにより、ケーブル側ガイド部90は、左右方向(Ya、Yb方向)の挿入位置をガイド突部71〜73に規制されてケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)への動作位置にガイドされる。
【0062】
このガイド動作により、端子部30の複数の導電パターン32は、夫々が複数のコネクタピン250の接触部250cに接触する位置に位置決めされる。従って、ガイド突部71〜73とガイド溝91〜93との嵌合により各導電パターン32に挿入位置と各コネクタピン250との位置とが一致する。
【0063】
ケーブル側ガイド部90がコネクタ240のケーブル挿入口60に挿入されると、上面側の端子部30の導電パターン32がコネクタピン250の接触部250cに接触すると共に、ケーブル側ガイド部90の下面側がコネクタ40の下部ベース100の上面に押し付けられて上下方向(Za、Zb方向)で挟持される。
【0064】
図10Cは実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90を挿入した係合状態を示す縦断面図である。図10Cに示されるように、さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に摺動されることにより、ケーブル側ガイド部90の先端下面が係合部74,75のアーム先端部74a,75aに摺接しながら、上方に変位してコネクタピン250の接触部250cを押し上げる。これにより、コネクタピン250による導電パターン32への接触圧が増大してコネクタピン250と導電パターン32との電気的接続が確実に行なわれる。
【0065】
さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に移動すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の先端下面に摺接して下方に変位すると共に、コネクタピン250の接触部250cを上方に弾性変形させる。そして、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の挿入完了位置に達すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に係合すると共に、端子部30がコネクタピン250の接触圧により挟持される。この係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に嵌合した際のクリック動作は、ケーブル側ガイド部90を把持している操作者にクリック感として伝達されると共に、カッチといったクリック音として操作者の聴覚にも伝達される。
【0066】
従って、操作者は、上記クリック動作によりケーブル側ガイド部90がコネクタ240のケーブル挿入口60に挿入され、且つ端子部30の導電パターン32がコネクタピン250の接触部250cに接触した状態に保持されたことを感覚的に確認することが可能になる。尚、フレキシブルケーブル20をコネクタ240から分離させる際は、ケーブル側ガイド部90を分離方向(Xa方向)に引張ることにより係合部74,75のアーム先端部74a,75がケーブル側ガイド部90の係合孔94,95から離脱して外すことが可能になる。
【0067】
ここで、実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90が斜め上方から挿入された場合の挿入動作について説明する。
【0068】
図11Aは実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90が斜め上方から挿入された状態を示す縦断面図である。図11Aに示されるように、コネクタ240は、ケーブル挿入口60において、入口上側の横架部116の入口側端部が下部ベース100の端部よりも寸法Lの距離分内側(Xb方向)に引っ込んでいる。そのため、コネクタ40は、ケーブル側ガイド部90を斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)からケーブル挿入口60に挿入することが可能な構成になっている。
【0069】
すなわち、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)から挿入された場合、ケーブル側ガイド部90の上面側に配された接続部30が天板110の端部に摺接しながら、ケーブル側ガイド部90の先端部分が下部ベース100の上面を摺動する。
【0070】
図11Bはケーブル側ガイド部90がコネクタ240のケーブル挿入口60に挿入される過程で水平にガイドされた挿入状態を示す縦断面図である。図11Bに示されるように、ケーブル側ガイド部90の先端部分の上側角部及び天板110の端部の下側角部には、夫々面取り96,111が形成されているので、ケーブル側ガイド部90は下部ベース100の上面を摺動しながらケーブル挿入口60内に進入すると共に、B方向に回動するようにガイドされてその傾斜角度が次第に水平方向に変化して水平状態(α=ゼロ)に至る。
【0071】
また、ケーブル側ガイド部90がコネクタ40のケーブル挿入口60に挿入される過程において、水平状態となったケーブル側ガイド部90のガイド溝91〜93にコネクタ40のケーブル挿入口60内に突出するガイド突部71〜73が相対的に嵌合する。これにより、ケーブル側ガイド部90は、左右方向(Ya、Yb方向)の挿入位置をガイド突部71〜73に規制されてケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)へガイドされる。
【0072】
このガイド動作により、端子部30の複数の導電パターン32は、夫々が複数のコネクタピン250の接触部250cに接触する位置に位置決めされる。従って、ガイド突部71〜73とガイド溝91〜93との嵌合により各導電パターン32に挿入位置と各コネクタピン250との位置とが一致する。
【0073】
図11Cは実施例2のコネクタ240のケーブル挿入口60にケーブル側ガイド部90が挿入されて係合された状態を示す縦断面図である。図11Cに示されるように、さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に摺動されることにより、ケーブル側ガイド部90の先端部分が係合部74,75のアーム先端部74a,75aに摺接しながら、上方に変位してコネクタピン250の接触部250cを押し上げる。これにより、コネクタピン50による導電パターン32への接触圧が増大してコネクタピン250と導電パターン32との電気的接続が確実に行なわれる。
【0074】
さらに、ケーブル側ガイド部90が挿入方向(Xb方向)に移動すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の先端下面に摺接して下方に変位すると共に、コネクタピン250の接触部250cを上方に弾性変形させる。そして、ケーブル側ガイド部90がケーブル挿入口60の挿入完了位置に達すると、係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に係合すると共に、端子部30がコネクタピン50の接触圧により挟持される。この係合部74,75のアーム先端部74a,75aがケーブル側ガイド部90の係合孔94,95に嵌合した際のクリック動作は、ケーブル側ガイド部90を把持している操作者にクリック感として伝達されると共に、カッチといったクリック音として操作者の聴覚にも伝達される。
【0075】
このように、実施例2のフレキシブルケーブル接続構造200においても、ケーブル側ガイド部90を斜め上方(水平方向に対して傾斜角度α)からケーブル挿入口60に挿入させた場合でも、ケーブル側ガイド部90が水平状態になるようにガイドすることができるので、ケーブル側ガイド部90を水平に挿入した場合と同様に、ケーブル側ガイド部90を真っ直ぐケーブル挿入口60に挿入することが可能である。
【0076】
ここで、変形例について説明する。
【0077】
図12は変形例の構成を示す分解斜視図である。図13は変形例のコネクタを示す斜視図である。図14は変形例のフレキシブルケーブルを下方から見た底面図である。図15は変形例を斜め下方からみた分解斜視図である。尚、図12乃至図15において、上記実施例1,2と同一部分には、同一符合を付してその説明を省略する。
【0078】
図12乃至図15に示されるように、変形例のフレキシブルケーブル接続構造300では、コネクタ340の下部ベース100の上面に複数のガイド突部71〜71nのそれぞれがケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に延在形成され、且つ所定の間隔で横方向(Ya,Yb方向)に並設されている。
【0079】
また、ケーブル側ガイド部190は、下面側に複数のガイド突部71〜71nに嵌合する複数のガイド溝91〜91nがケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)に延在形成され、且つ複数のガイド突部71〜71nと同じピッチで横方向(Ya,Yb方向)に並設されている。
【0080】
従って、ケーブル側ガイド部190をコネクタ340のケーブル挿入口60に挿入する際は、複数のガイド突部71〜71nと複数のガイド溝91〜91nとが全て同時に嵌合することになり、ケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)へのガイドが確実に行える。また、ケーブル挿脱方向(Xa、Xb方向)と直交するYa、Yb方向への横応力が作用した場合でも複数のガイド突部71〜71nと複数のガイド溝91〜91nとの嵌合により横応力に対する強度が高められ、接続部30の各導電パターン32がYa、Yb方向にずれることが防止され、フレキシブルケーブル20とコネクタ340との接続強度が確保されると共に、接続状態での信頼性も高められている。
【産業上の利用可能性】
【0081】
上記実施例では、フレキシブルケーブル20としてFFC(Flexible Flat Cable)を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、これ以外のフレキシブルケーブルを用いたフレキシブルケーブル接続構造にも本発明を適用することができるのは勿論である。
【0082】
また、上記実施例では、ケーブル側ガイド部190に複数のガイド溝を設け、コネクタ40,240に複数のガイド突部を設けた構成を例に挙げたが、これに限らず、ケーブル側ガイド部190に複数のガイド突部を設け、コネクタ40,240に複数のガイド溝を設けた構成としても良いのは勿論である。
【0083】
また、上記実施例では、ケーブル側ガイド部190に係合孔を設け、コネクタ40,240に係合部を設けた構成を例に挙げたが、これに限らず、ケーブル側ガイド部190に係合部を設け、コネクタ40,240に係合孔を設けた構成としても良いのは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
10,200,300 フレキシブルケーブル接続構造
20 フレキシブルケーブル
30 端子部
32(32〜32) 導電パターン
40,240,340 コネクタ
50,250 コネクタピン
50a 端子
50b 挿通部
50c 接触部
50d 掛止部
60 ケーブル挿入口
70 コネクタ側ガイド部
71〜73、71〜71n ガイド突部
74,75 係合部
74a,75a アーム先端部
80 L字状ブラケット
90,190 ケーブル側ガイド部
91〜93、91〜91n ガイド溝
94,95 係合孔
96,101 面取り
100 下部ベース
102 ピン挿通孔
106,116 横架部
110 天板
120,130 側壁
250a 端子
250b 挿通部
250c 接触部
250d 掛止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルケーブルの端部に形成された複数の導電パターンよりなる端子部をコネクタの内部に並設された複数のコネクタピンに接続するフレキシブルケーブル接続構造において、
前記フレキシブルケーブルの端子部の裏面側に固着されたケーブル側ガイド部と、
前記コネクタのケーブル挿入口に設けられ、前記ケーブル側ガイド部の挿脱方向をガイドするコネクタ側ガイド部と、
を備え、
前記ケーブル側ガイド部を前記コネクタのケーブル挿入口に挿入するのに伴って前記ケーブル側ガイド部が前記コネクタ側ガイド部を摺動することにより挿脱方向をガイドされることを特徴とするフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項2】
前記ケーブル側ガイド部は、前記挿脱方向に延在する突部または溝からなる被規制部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル側ガイド部の前記被規制部に嵌合して前記ケーブル側ガイド部の挿脱方向を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項3】
前記ケーブル側ガイド部は、前記挿脱方向に延在する被係合部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記端子部が前記コネクタピンに接触し、前記コネクタピンの接触圧により保持される位置に達したとき、前記ケーブル側ガイド部の前記被係合部に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項4】
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル挿入口の上側に横架された端部が前記ケーブル挿入口の入口より所定距離内側に引っ込んだ位置に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項5】
前記被規制部は、前記挿脱方向と平行に複数設けられ、
前記規制部は、前記複数の被規制部のそれぞれに嵌合するように複数設けられたことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項6】
前記被係合部は、前記挿脱方向と直交する横幅方向に複数個が並設され、
前記係合部は、前記複数の被係合部のそれぞれに係合するように前記挿脱方向と直交する横幅方向に複数個が並設されたことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項7】
前記コネクタ側ガイド部は、前記コネクタピンと対向する前記ケーブル挿入口の内壁に前記規制部及び前記係合部を有することを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルケーブル接続構造。
【請求項8】
フレキシブルケーブルの端部に形成された複数の導電パターンよりなる端子部が挿入されるケーブル挿入口と、該ケーブル挿入口の内壁に並設され前記端子部が接続される複数のコネクタピンとを有するフレキシブルケーブル用コネクタにおいて、
前記フレキシブルケーブルの端子部の裏面側に固着されたケーブル側ガイド部の挿脱方向をガイドするコネクタ側ガイド部を有し、
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル側ガイド部が前記ケーブル挿入口に挿入されるのに伴って前記ケーブル側ガイド部との摺動により挿脱位置をガイドすることを特徴とするフレキシブルケーブル用コネクタ。
【請求項9】
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル側ガイド部の突部または溝に嵌合して前記ケーブル側ガイド部の挿脱方向を規制する規制部を有することを特徴とする請求項8に記載のフレキシブルケーブル用コネクタ。
【請求項10】
前記コネクタ側ガイド部は、前記端子部が前記コネクタピンに接触し、前記コネクタピンの接触圧により保持される位置に達したとき、前記ケーブル側ガイド部の被係合部に係合する係合部を有することを特徴とする請求項8または9に記載のフレキシブルケーブル用コネクタ。
【請求項11】
前記コネクタ側ガイド部は、前記ケーブル挿入口の上側に横架された端部が前記ケーブル挿入口の入口より所定距離内側に引っ込んだ位置に形成されたことを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載のフレキシブルケーブル用コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−267411(P2010−267411A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115767(P2009−115767)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】