説明

フレキシブル基板、撮影装置、及び基板間接続構造

【課題】プリント基板と電気的に接続して用いる際の電波ノイズの発生を効果的に抑制することのできるフレキシブル基板及び撮影装置を得る。
【解決手段】フレキシブル基板14に対して、当該フレキシブル基板14の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍までグランド層を有するグランド接続部14Bと、当該グランド接続部14Bに設けられ、かつ当該グランド接続部14Bのグランド層14Dをプリント基板のグランド層に電気的に接続するための接点(ネジ留め孔14H内におけるグランド層14D)と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板、撮影装置、及び基板間接続構造に係り、特に、予め定められた機能を有する電子素子が実装されると共に、ベタパターンとして構成されたグランド層を有し、かつ前記電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板と電気的に接続されるフレキシブル基板、当該フレキシブル基板を備えた撮影装置、前記電子素子が実装されたフレキシブル基板と前記駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続するための基板間接続構造及び当該基板間接続構造を備えた撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)エリアセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージ・センサ等の固体撮像素子の高解像度化に伴い、デジタル電子スチルカメラ、デジタルビデオカメラ等のデジタルカメラの需要が急増している。
【0003】
ところで、このようなデジタルカメラには、固体撮像素子と当該固体撮像素子を駆動させる駆動回路とを電気的に接続する形態として、当該固体撮像素子が実装されたフレキシブル基板と当該駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続する形態が採用されているものがある。
【0004】
しかしながら、この形態では、近年の固体撮像素子の高解像度化等に応じた高速駆動化等に起因して、強力な電波ノイズが発生していた。このため、従来、電波吸収体や導電布、フェライトコア等のEMI(Electromagnetic Interference)対策部品を用いて電波ノイズの放射や発生を抑制することが一般に行われていたが、著しくコストアップを伴うものであった。
【0005】
これに対処することのできる従来の技術として、特許文献1及び特許文献2には、CCDエリアセンサや当該CCDエリアセンサを駆動させる駆動回路を、フレームやシャーシ等により覆うことによってシールドする技術が開示されている。
【特許文献1】特開平2−150177号公報
【特許文献2】特開2000−115458公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、固体撮像素子が実装されたフレキシブル基板と当該固体撮像素子を駆動させる駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続する場合、各基板のグランドレベルを同一レベルとすることが各基板上に設けられた素子や回路等の誤動作を防止する上で好ましい。このため、従来は、フレキシブル基板のグランド層を、各種信号ラインと並行して設けられているグランドライン及びコネクタを介してプリント基板のグランド層と電気的に接続していた。
【0007】
しかしながら、この場合、一例として図17に模式的に示すように、フレキシブル基板とプリント基板のグランド層を、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインを介して直接接続していたため、CCDエリアセンサから放射された電波ノイズや各信号ラインにて発生したリップルノイズ等をフレキシブル基板のグランド層やノイズライン以外の電源/信号ラインが受けて共振し、更なる電波ノイズを2次的に発生させる結果、強力な電波ノイズが発生してしまう、という問題点があった。
【0008】
これに対し、前述した特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、CCDエリアセンサや当該CCDエリアセンサを駆動させる駆動回路をシールドすることによる電波ノイズの抑制効果は期待できるものの、上記2次的に発生する電波ノイズについては考慮されていないため、これらの技術であっても、必ずしも電波ノイズの発生を十分に抑制することができるとは限らない。
【0009】
なお、以上の問題点は、デジタルカメラに限らず、フレキシブル基板とプリント基板とを電気的に接続する構成を有するものには生じ得る問題である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、電波ノイズの発生を効果的に抑制することのできるフレキシブル基板、撮影装置、及び基板間接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のフレキシブル基板は、予め定められた機能を有する電子素子が実装されると共に、ベタパターンとして構成されたグランド層を有し、かつ前記電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板と電気的に接続されるフレキシブル基板であって、前記フレキシブル基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍まで前記グランド層を有する突出部と、前記突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層を前記プリント基板のグランド層に電気的に接続するための接点と、を備えている。
【0012】
本発明のフレキシブル基板は、一例として図10に示されるように、当該フレキシブル基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍までグランド層を有する突出部に設けられた接点を介して、当該突出部のグランド層がプリント基板のグランド層に電気的に接続される。
【0013】
従って、本発明のフレキシブル基板では、当該フレキシブル基板とプリント基板を、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、前述した共振の発生を抑制することができ、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0014】
このように、本発明のフレキシブル基板によれば、当該フレキシブル基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍までグランド層を有する突出部と、当該突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層をプリント基板のグランド層に電気的に接続するための接点と、を有しているので、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0015】
なお、本発明は、前記突出部を複数備えたものとしてもよい。また、本発明は、前記接点を、接続対象位置に対してネジにより共締め可能な形状としてもよい。特に、本発明は、前記共締め可能な形状を、前記ネジが貫通される孔を有する形状としてもよい。また、本発明は、前記孔を、前記ネジの胴部の径より所定サイズだけ大きい径のものとしてもよい。
【0016】
更に、本発明は、前記突出部におけるグランド層を当該突出部の片面のみに設けられるものとしてもよい。
【0017】
一方、上記目的を達成するために、本発明の撮影装置は、本発明のフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に実装された電子素子を駆動する駆動回路が実装され、かつ前記フレキシブル基板が電気的に接続されるプリント基板と、を備え、前記電子素子を固体撮像素子とし、前記駆動回路を前記固体撮像素子を駆動させる回路としたものである。
【0018】
従って、本発明の撮影装置によれば、本発明のフレキシブル基板と同様に作用するので、当該フレキシブル基板と同様に、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。なお、上記固体撮像素子には、CCDエリアセンサの他、CMOSイメージ・センサが含まれる。
【0019】
なお、本発明は、前記固体撮像素子を所定位置に固定する固定手段を更に備えたものとしてもよい。
【0020】
また、本発明は、前記フレキシブル基板の前記接点と共締めされると共に、前記プリント基板のグランド層に共締めされるフレームを更に備えたものとしてもよい。
【0021】
なお、前述した2次的に発生する電波ノイズに起因して、強力な電波ノイズが発生してしまう、という従来技術の問題点は、フレキシブル基板とプリント基板を電気的に接続する構成のみに限って生じるものではなく、各種基板間を電気的に接続する構成では生じ得る問題点である。
【0022】
そこで、この問題点を解決するために、本発明のフレキシブル基板は、予め定められた機能を有する電子素子が実装されると共に、ベタパターンとして構成されたグランド層を有し、かつグランドレベルを同一にする必要のある外部基板と電気的に接続される基板であって、当該基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍まで前記グランド層を有する突出部と、前記突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層を前記外部基板のグランド層に電気的に接続するための接点と、を備えた基板とすることができる。
【0023】
これにより、各種基板間を電気的に接続する構成における電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0024】
一方、上記目的を達成するために、本発明の基板間接続構造は、予め定められた機能を有する電子素子が実装されたフレキシブル基板と、当該電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、前記フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、前記プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続したことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の基板間接続構造によれば、一例として図7に示されるように、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点とが、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続される。
【0026】
従って、本発明では、フレキシブル基板とプリント基板を、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、前述した共振の発生を抑制することができ、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。また、本発明では、装置に元々備えられているフレームを適用することができるため、EMI対策部品等を用いる場合等のようにコストアップを招くこともない。
【0027】
なお、本発明のフレキシブル基板には、多層フレキシブル基板の他、単層のフレキシブル基板が含まれる。また、本発明のプリント基板には、多層プリント配線基板の他、単層のプリント配線基板も含まれる。更に、本発明のフレームには、導電性金属で構成されたものの他、導電性物質がコーティングされたものも含まれる。
【0028】
このように、本発明の基板間接続構造によれば、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続しているので、電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本発明の基板間接続構造は、予め定められた機能を有する電子素子が実装されたフレキシブル基板と、当該電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、前記フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、前記プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点と、前記第1接点が接触される第3接点及び前記第2接点が接触される第4接点が形成されると共に少なくとも前記第3接点と前記第4接点の間に電気的導通性を有するフレームと、前記第1接点と前記第3接点を共締めする第1締結具と、前記第2接点と前記第4接点を共締めする第2締結具と、を備えている。
【0030】
本発明の基板間接続構造によれば、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、第3接点と第4接点の間に電気的導通性を有するフレームの当該第3接点とが第1締結具によって共締めされると共に、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点と、前記第4接点とが第2締結具によって共締めされる。
【0031】
このように、本発明の基板間接続構造によれば、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、第3接点と第4接点の間に電気的導通性を有するフレームの当該第3接点とを第1締結具によって共締めすると共に、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点と、前記第4接点とを第2締結具によって共締めしているので、一例として図7に示されるように、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。
【0032】
なお、本発明は、前記プリント基板を複数有し、前記第2締結具により、前記複数のプリント基板の各々の前記第2接点と前記第4接点を共締めするものとしてもよい。
【0033】
また、本発明は、前記第2締結具を、前記フレームの表面と前記プリント基板の表面とが対向する状態で前記第2接点と前記第4接点を共締めするものとし、電気的導通性を有すると共に、前記第2接点と前記第4接点が前記第2締結具によって共締めされた状態で、前記プリント基板を前記フレームとの間で囲み、かつ前記フレームと当該フレームの電気的導通性を有する部位に接触するように設けられる第2フレームを更に備えてもよい。
【0034】
また、本発明は、前記フレキシブル基板を、当該フレキシブル基板の前記グランドレベルとなる導電性層が当該フレキシブル基板の略全面に設けられたものとしてもよい。
【0035】
更に、本発明は、前記第1締結具及び前記第2締結具をネジとしてもよい。
【0036】
一方、上記目的を達成するために、本発明の撮影装置は、本発明の基板間接続構造を備え、前記電子素子を固体撮像素子とし、前記駆動回路を前記固体撮像素子を駆動させる回路としたものである。
【0037】
従って、本発明の撮影装置によれば、本発明の基板間接続構造と同様に作用するので、当該基板間接続構造と同様に、電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。なお、上記固体撮像素子には、CCDエリアセンサの他、CMOSイメージ・センサが含まれる。
【0038】
なお、前述した2次的に発生する電波ノイズに起因して、強力な電波ノイズが発生してしまう、という従来技術の問題点は、フレキシブル基板とプリント基板を電気的に接続する構成のみに限って生じるものではなく、各種基板間を電気的に接続する構成では生じ得る問題点である。
【0039】
そこで、この問題点を解決するために、本発明の基板間接続構造は、予め定められた機能を有する電子素子が実装された第1基板と、当該第1基板とグランドレベルを同一にする必要のある第2基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、前記第1基板に形成されると共に当該第1基板のグランドレベルとされる第1接点と、前記第2基板に形成されると共に当該第2基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続したことを特徴とするものとすることができる。
【0040】
これにより、各種基板間を電気的に接続する構成における電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0041】
以上説明したように、本発明によれば、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明のフレキシブル基板及び基板間接続構造を、静止画像及び動画像の撮影を行うデジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
【0043】
まず、図1の一部破断側面図を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10に適用された基板間接続構造の要部構成について説明する。
【0044】
同図に示されるように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、CCDエリアセンサ12が実装されたフレキシブル基板14と、CCDエリアセンサ12を駆動させる駆動回路26が実装された第1プリント基板20と、CPU(中央処理装置)、電源回路、液晶ディスプレイ駆動回路(共に図示省略。)等が実装された第2プリント基板30と、が備えられている。
【0045】
本実施の形態に係るフレキシブル基板14は、図2に示されるように、略中央部にCCDエリアセンサ12が実装されると共に平面視略矩形形状とされた本体14Aと、本体14Aの図2紙面左右方向両端部で、かつ図2紙面上下方向略中央部に設けられると共に、図2紙面上下方向の幅が本体14Aより狭い略矩形形状とされた一対のグランド接続部14Bと、本体14Aの図2紙面下端部に設けられると共に、図2紙面左右方向の幅が本体14Aより狭い略矩形形状とされた、フレキシブル基板14上の各種信号ラインを第1プリント基板20に電気的に接続するための信号接続部14Cと、が設けられている。
【0046】
本実施の形態に係るフレキシブル基板14は、グランド層と、電源層及び信号層とが互いに絶縁層を介して積層されて構成された所謂多層フレキシブル基板である。
【0047】
図3には、フレキシブル基板14の図2におけるA−A切断線による断面図が示されている。同図に示されるように、本実施の形態に係るフレキシブル基板14は、導電性金属(本実施の形態では、銅)により構成されたグランド層14Dが本体14A、グランド接続部14B、信号接続部14Cの略全域に亘ってベタパターンとして設けられているのに対し、信号層14E及び電源層14Kは、本体14A及び信号接続部14Cのみに設けられている。ここで、グランド層14Dと、信号層14E及び電源層14Kとの間は絶縁層14Fによって絶縁されている。なお、グランド層を信号層14Eの空き領域にもベタパターンとして設ける形態とすることもできる。この場合、当該グランド層はグランド層14Dとビア(Via)を介して電気的に接続することになる。また、配線の都合等に応じて信号ラインをグランド層に配線する形態とすることもできる。
【0048】
また、フレキシブル基板14の表面及び裏面には、非導電性で柔軟性のある物質(本実施の形態では、PET(Poly Ethylene Terephthalate))により構成された表面層14Gが設けられており、グランド層14D、信号層14E、及び電源層14Kと外部との接触を防止している。
【0049】
ここで、図2及び図3に示されるように、グランド接続部14Bの端部近傍には、グランド層14Dのみが小径とされ、他の層が当該小径より大径とされたネジ留め孔14Hが設けられている。なお、ネジ留め孔14Hにおける上記小径は、ネジ50(図1も参照。)の胴部の径より所定サイズ(ここでは、ネジ50の胴部の径の1.2倍のサイズ)だけ大きく、かつネジ50の頂部の径より小さいものとされている。当該ネジ留め孔14H内におけるグランド層14Dが請求項1〜請求項10に係る発明の「接点」、及び請求項11〜請求項18に係る発明の「第1接点」に相当する。
【0050】
また、図4に示されるように、本実施の形態に係るフレキシブル基板14には、CCDエリアセンサ12が実装された状態で、CCDエリアセンサ12の撮像面に被写体像を結像するレンズ(図示省略。)の光軸方向に対するCCDエリアセンサ12の位置決めを行うスペーサ70(図1では、図示省略。)に対する押圧力をCCDエリアセンサ12に付与する複数の板バネ14Iが設けられている。なお、スペーサ70は、図示しない筐体フレームの所定位置に固定されている。
【0051】
一方、図1に示されるように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、フレキシブル基板14のグランド接続部14Bと、第1プリント基板20とが電気的に接続されると共に導電性金属により構成された第1フレーム40と、第2プリント基板30が電気的に接続されると共に導電性金属により構成された第2フレーム42の、2つのフレームが備えられている。
【0052】
本実施の形態に係る第1フレーム40は、図5(A)に示されるように、フレキシブル基板14のグランド接続部14Bが接続される側の面(図5(A)にて示されている面の反対側の面。以下、「フレキシブル基板取り付け面」という。)が矩形形状とされると共に、外周部が当該フレキシブル基板取り付け面の反対側の面の方向に直角に折り曲げられた箱状の形状とされている。これに対し、第2フレーム42は、図5(B)に示されるように、外周部の形状及びサイズが第1フレーム40の外周部に対応する矩形形状で、板状のものとされている。従って、第1フレーム40及び第2フレーム42を、互いの外周部を当接させることにより、内部に空間を有する直方体を構成することができる。
【0053】
そして、第1フレーム40の上記直方体を構成した際の当該直方体の内部側に位置される面には、図1及び図5(A)に示されるように、第1プリント基板20を取り付けるための複数(ここでは、2つ)の基板取り付け柱40Aが立設されている。また、第2フレーム42の上記直方体を構成した際の当該直方体の内部側に位置される面には、図1及び図5(B)に示されるように、第2プリント基板30を取り付けるための複数(ここでは、2つ)の基板取り付け柱42Aが立設されている。なお、基板取り付け柱40Aは第1フレーム40と同一の導電性金属で構成されており、基板取り付け柱42Aは第2フレーム42と同一の導電性金属で構成されている。
【0054】
一方、第1プリント基板20及び第2プリント基板30は、グランド層、電源層、信号層が互いに絶縁層を介して積層されて構成された所謂多層プリント配線基板として構成されている。そして、第1プリント基板20における第1フレーム40の基板取り付け柱40Aの頂部に当接する領域20Bは、図6(A)に示されるようにグランド層20Aが剥き出しの状態とされる一方、第2プリント基板30における第2フレーム42の基板取り付け柱42Aの頂部に当接する領域30Bは、図6(B)に示されるようにグランド層30Aが剥き出しの状態とされている。なお、領域20Bの面積は基板取り付け柱40Aの頂部が接触する面積より大きく、領域30Bの面積は基板取り付け柱42Aの頂部が接触する面積より大きい。
【0055】
一方、図1に示されるように、第1プリント基板20の第1フレーム40に取り付けられる面とは反対側の面には、第2プリント基板30と電気的に接続するコネクタ24が実装される一方、第2プリント基板30の第2フレーム42に取り付けられる面とは反対側の面には、第1プリント基板20に実装されたコネクタ24に嵌合するコネクタ32が実装されている。また、第1プリント基板20の第1フレーム40に取り付けられる面には、フレキシブル基板14の信号接続部14Cの端部に設けられた接点部14J(図2も参照。)が嵌合されるコネクタ22が実装されている。
【0056】
本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、図1に示されるように、フレキシブル基板14における2つのグランド接続部14Bのネジ留め孔14Hがネジ50によって第1フレーム40のネジ留め部40Bに共締めされる一方、第1フレーム40の基板取り付け柱40Aに第1プリント基板20がネジ54によって共締めされる。そして、フレキシブル基板14における信号接続部14Cの接点部14Jが第1プリント基板20のコネクタ22に嵌合されることにより、フレキシブル基板14の信号層14E、電源層14K及びグランド層14Dの各信号ライン、電源ライン及びグランドラインと、第1プリント基板20の信号層、電源層及びグランド層の対応する信号ライン、電源ライン及びグランドラインとが電気的に接続される。
【0057】
一方、第2フレーム42の基板取り付け柱42Aに第2プリント基板30がネジ60によって共締めされた後、第1プリント基板20のコネクタ24と第2プリント基板30のコネクタ32とを嵌合させることにより、第1プリント基板20の信号層、電源層及びグランド層の各信号ライン、電源ライン及びグランドラインと、第2プリント基板30の信号層、電源層及びグランド層の対応する信号ライン、電源ライン及びグランドラインとが電気的に接続される。
【0058】
そして、この状態で第1フレーム40と第2フレーム42の各外周部をネジ62にて共締めすることにより、図1に示される基板間接続構造が構成される。
【0059】
このように構成された基板間接続構造では、一例として図7に模式的に示されるように、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点(ネジ留め孔14H内におけるグランド層14D)と、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点(第1プリント基板20の領域20B内におけるグランド層20A)とが、電気的導通性を有するフレーム(第1フレーム40)を介して電気的に接続される。
【0060】
従って、この基板間接続構造では、フレキシブル基板とプリント基板を、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、前述した共振の発生を抑制することができ、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。また、この基板間接続構造では、装置(デジタルカメラ10)に元々備えられているフレームを適用することができるため、EMI対策部品等を用いる場合等のようにコストアップを招くこともない。
【実施例】
【0061】
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10に対する情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)の基準に基づく電波ノイズの実測結果について説明する。なお、以下に示す測定結果の各数値(〜dB)はQP測定値である。
【0062】
図11には、図1に示される状態のデジタルカメラ10の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合、何れの周波数においても限度値(クラスB情報技術装置に対する限度値)に対して大きくマージンをとることができ、電波ノイズの抑制効果が十分に得られていることが分かる。なお、この場合の限度値に対する電波ノイズの最小マージンは6.9(dB)であった。
【0063】
一方、図12には、図1に示される状態のデジタルカメラ10に対して、フレキシブル基板14における一対のグランド接続部14Bを双方とも第1フレーム40に接続しない(ネジ50によりネジ留めしない)場合の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合、周波数が約380(MHz)から約850(MHz)までの範囲内で水平偏波及び垂直偏波の双方ともに限度値を越えている。なお、この場合の限度値からの最大ノイズ突出レベルは9.6(dB)であった。この結果から、グランド接続部14Bは十分なノイズ低減効果を有することが分かる。
【0064】
更に、図13には、図1に示される状態のデジタルカメラ10に対して、フレキシブル基板14における一対のグランド接続部14Bの一方(ここでは、信号接続部14Cに近い側(図2の左側)のグランド接続部14B)を第1フレーム40に接続しない場合の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合においても、何れの周波数においても限度値に対して或る程度のマージンをとることができ、電波ノイズの抑制効果が或る程度は得られることが分かる。なお、この場合の限度値に対する電波ノイズの最小マージンは4.5(dB)であった。
【0065】
以上の測定結果から、フレキシブル基板14に設けた一対のグランド接続部14Bは、一方のみでもノイズ低減効果が得られるものの、双方とも用いた方が、より効果的であることが判明した。
【0066】
一方、図14には、図1に示される状態のデジタルカメラ10に対して、第1プリント基板20の第1フレーム40へのネジ54による共締めを行わず、かつ第2プリント基板30の第2フレーム42へのネジ60による共締めを行わない場合の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合、周波数が約180(MHz)から約630(MHz)までの範囲内で水平偏波及び垂直偏波の双方ともに限度値を越えている。なお、この場合の限度値からの最大ノイズ突出レベルは9.7(dB)であった。図11に示した測定結果と本結果から、フレキシブル基板のグランドレベルとされた接点と、プリント基板のグランドレベルとされた接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続する基板間接続構造には、十分なノイズ低減効果を有することが分かる。
【0067】
また、図15には、図1に示される状態のデジタルカメラ10に対して、第1プリント基板20の第1フレーム40へのネジ54による共締めのみを行わない場合の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合、周波数が約390(MHz)で水平偏波が限度値を越えている。なお、この場合の限度値からのノイズ突出レベルは2.8(dB)であった。
【0068】
更に、図16は、図1に示される状態のデジタルカメラ10に対して、第1プリント基板20の第1フレーム40への一方のネジ54(ここでは、信号接続部14Cから遠い側(図1の上側)のネジ54)による共締めのみを行わない場合の電波ノイズの測定結果例が示されている。同図に示されるように、この場合においても、何れの周波数においても限度値に対して或る程度のマージンをとることができ、電波ノイズの抑制効果が或る程度は得られることが分かる。なお、この場合の限度値に対する電波ノイズの最小マージンは3.0(dB)であった。
【0069】
以上の測定結果から、プリント基板とフレームの上記共締めによるノイズ低減効果は、共締めする箇所数が増加するほど向上することが判明した。
【0070】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、当該フレキシブル基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍までグランド層を有する突出部(ここでは、グランド接続部14B)と、当該突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層をプリント基板のグランド層に電気的に接続するための接点(ここでは、ネジ留め孔14H内におけるグランド層14D)と、を有しているので、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0071】
また、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、前記突出部を複数(ここでは、2つ)備えているので、電波ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0072】
また、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、前記接点を、接続対象位置に対してネジにより共締め可能な形状としているので、当該接点を接続対象位置に対して簡易かつ強固に共締めすることができる。
【0073】
特に、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、前記共締め可能な形状を、前記ネジが貫通される孔を有する形状としているので、前記接点を接続対象位置に対して確実に共締めすることができる。
【0074】
また、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、前記孔を、前記ネジの胴部の径より所定サイズだけ大きい径のものとしているので、フレキシブル基板を、余裕をもって位置決めすることができ、プリント基板に接続した際のフレキシブル基板に対する不要なストレスの発生を抑制することができる。
【0075】
更に、本実施の形態に係るフレキシブル基板では、前記突出部におけるグランド層を当該突出部の片面のみに設けられるものとしているので、当該突出部を、より柔軟性の高いものとすることができる結果、プリント基板に接続した際のフレキシブル基板に対する不要なストレスの発生を更に抑制することができる。
【0076】
一方、本実施の形態に係るデジタルカメラでは、前記フレキシブル基板と、当該フレキシブル基板に実装された電子素子(ここでは、CCDエリアセンサ12)を駆動する駆動回路が実装され、かつ前記フレキシブル基板が電気的に接続されるプリント基板と、を備えているので、前記フレキシブル基板と同様に、電波ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラでは、固体撮像素子(ここでは、CCDエリアセンサ12)を所定位置に固定する固定手段(ここでは、板バネ14I)を備えているので、プリント基板に接続した際のフレキシブル基板に対する不要なストレスに起因する前記固体撮像素子の位置ずれを防止することができる。
【0078】
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラでは、前記フレキシブル基板の前記接点と、前記プリント基板のグランド層とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続しているので、接続経路を、より太くすることができる結果、電波ノイズの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0079】
特に、本実施の形態では、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続しているので、電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。
【0080】
より具体的には、本実施の形態では、フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、第3接点(ここでは、ネジ留め部40B)と第4接点(ここでは、基板取り付け柱40A)の間に電気的導通性を有するフレーム(ここでは、第1フレーム40)の当該第3接点とを第1締結具(ここでは、ネジ50)によって共締めすると共に、プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点と、前記第4接点とを第2締結具(ここでは、ネジ54)によって共締めしているので、フレキシブル基板の占有可能面積等の制限によって比較的細いものとして設けられているグランドラインのみを介して直接接続する場合に比較して接続経路を太くすることができる結果、電波ノイズの発生を低コストで効果的に抑制することができる。
【0081】
また、本実施の形態では、前記第2締結具を、前記フレームの表面と前記プリント基板の表面とが対向する状態で前記第2接点と前記第4接点を共締めするものとし、電気的導通性を有すると共に、前記第2接点と前記第4接点が前記第2締結具によって共締めされた状態で、前記プリント基板を前記フレームとの間で囲み、かつ前記フレームと当該フレームの電気的導通性を有する部位に接触するように設けられる第2フレーム(ここでは、第2フレーム42)を更に備えているので、前記フレーム及び前記第2フレームによって前記プリント基板をシールドすることができる結果、前記プリント基板から放射される電波ノイズを抑制することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、第2締結具(ここでは、ネジ54及びネジ60)により、複数のプリント基板(ここでは、第1プリント基板20及び第2プリント基板30の2枚のプリント基板)の各々の第2接点(ここでは、第1プリント基板20の領域20B内におけるグランド層20A及び第2プリント基板30の領域30B内におけるグランド層30A)と第4接点(ここでは、基板取り付け柱40A及び基板取り付け柱42A)を共締めしているので、前記複数のプリント基板のグランドレベルを一定とすることができ、この結果として、当該複数のプリント基板から放射される電波ノイズを抑制することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、前記フレキシブル基板を、当該フレキシブル基板の前記グランドレベルとなる導電性層(ここでは、グランド層14D)が当該フレキシブル基板の略全面に設けられたものとしているので、当該フレキシブル基板から放射される電波ノイズも抑制することができる。
【0084】
更に、本実施の形態では、前記第1締結具及び前記第2締結具をネジとしているので、共締め対象物を強固に共締めすることができる結果、電波ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0086】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記の実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。上記の実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0087】
例えば、上記実施の形態では、フレキシブル基板14のグランド層14Dを第1プリント基板20のグランド層20Aに第1フレーム40を介して電気的に接続した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図8に示すように、フレキシブル基板14のグランド層14Dを第1プリント基板20のグランド層20Aに直接共締めする形態とすることもできる。この場合、同図に示されるように、第1プリント基板20に対して、当該第1プリント基板20のグランド層20Aが剥き出しの状態とされた接点28を設けることになる。この場合も、上記実施の形態における第1フレーム40を介在させることによる効果以外の効果を奏することができる。
【0088】
また、上記実施の形態では、本発明のプリント基板として2枚のプリント基板(第1プリント基板20及び第2プリント基板30)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明のプリント基板として1枚のプリント基板を適用する形態や、3枚以上のプリント基板を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0089】
また、上記実施の形態では、第1フレーム40及び第2フレーム42を導電性金属により構成されたものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各フレームとも非導電性物質に対して導電性物質でコーティングしたものを適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0090】
また、上記実施の形態で説明したフレキシブル基板、フレーム、プリント基板等の各種構成部品の形状も説明したものに限定されるものではなく、例えば、平面視三角形以上の複数角形形状、円形状、半円形状、楕円形状、半楕円形状や、これらの形状を複数組み合わせた形状等、発明の適用対象とする装置の形状や条件等に応じて適宜変更できることも言うまでもない。
【0091】
また、上記実施の形態では、CCDエリアセンサ12を板バネ14Iにより固定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スプリング等のCCDエリアセンサ12をスペーサ70側に付勢することのできる他の部材を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0092】
また、上記実施の形態では、第1フレーム40と第2フレーム42との組み合わせによって略密閉状態とされた直方体を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該直方体に放熱用の開口部や複数のフィン(ひれ)を設ける形態等とすることもできる。この場合、プリント基板に実装されている素子や回路等からの発熱を抑制することができる。
【0093】
また、上記実施の形態では、第1プリント基板20、第2プリント基板30共に基板周辺近傍の2箇所でフレームに共締めする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各プリント基板共に1箇所で共締めする形態や、3箇所以上で共締めする形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、上記実施の形態では、本発明のフレキシブル基板として図3に示した構造とされたものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図9に示される構造のものを適用する形態とすることもできる。なお、同図に示されるフレキシブル基板14’は、上記実施の形態に係るフレキシブル基板14に比較して、グランド接続部14Bにおけるグランド層14Dと絶縁層14Fの積層位置が逆とされたものである。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0095】
また、上記実施の形態では、本発明の電子素子としてCCDエリアセンサ12を適用し、本発明の駆動回路としてCCDエリアセンサ12を駆動させる回路を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明の電子素子としてLCD(液晶ディスプレイ)を適用し、本発明の駆動回路として当該LCDを駆動させる回路を適用する形態等とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0096】
また、上記実施の形態では、第1プリント基板20にCCDエリアセンサ12を駆動させる駆動回路26が実装されており、第2プリント基板30にCPU、電源回路、液晶ディスプレイ駆動回路等が実装されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1プリント基板20に、駆動回路26と、上記CPU、電源回路、液晶ディスプレイ駆動回路等が実装されている形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0097】
更に、上記実施の形態では、本発明のフレキシブル基板及び基板間接続構造をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明は、フレキシブル基板とプリント基板とを電気的に接続する構成を有するものであれば、パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)、携帯電話機、画像形成装置、画像入力装置等のあらゆる装置に適用できることも言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラに適用された基板間接続構造の要部構成を示す一部破断側面図である。
【図2】実施の形態に係るフレキシブル基板の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係るフレキシブル基板の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態に係るCCDエリアセンサの位置決めに関する構成を示す断面図である。
【図5】実施の形態に係る第1フレーム及び第2フレームの構成を示す平面図である。
【図6】実施の形態に係る第1プリント基板及び第2プリント基板の構成を示す平面図である。
【図7】実施の形態の効果の説明に供する模式図である。
【図8】実施の形態に係るデジタルカメラに適用された基板間接続構造の要部構成の変形例を示す一部破断側面図である。
【図9】実施の形態に係るフレキシブル基板の他の構成例を示す断面図である。
【図10】発明の効果の説明に供する模式図である。
【図11】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対する電波ノイズの測定結果の一例を示すグラフである。
【図12】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対して一部のノイズ対策を行わない場合の電波ノイズの測定結果の一例を示すグラフである。
【図13】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対して一部のノイズ対策を行わない場合の電波ノイズの測定結果の他の例を示すグラフである。
【図14】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対して一部のノイズ対策を行わない場合の電波ノイズの測定結果の他の例を示すグラフである。
【図15】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対して一部のノイズ対策を行わない場合の電波ノイズの測定結果の他の例を示すグラフである。
【図16】発明の効果の説明に供するグラフであり、実施の形態に係るデジタルカメラに対して一部のノイズ対策を行わない場合の電波ノイズの測定結果の他の例を示すグラフである。
【図17】従来技術の問題点の説明に供する模式図である。
【符号の説明】
【0099】
10 デジタルカメラ
12 CCDエリアセンサ(電子素子)
14 フレキシブル基板
14A 本体
14B グランド接続部(突出部)
14C 信号接続部
14D グランド層(導電性層)
14E 信号層
14F 絶縁層
14G 表面層
14H ネジ留め孔
14I 板バネ(固定手段)
14J 接点部
20 第1プリント基板(プリント基板)
20A グランド層
20B 領域(第2接点)
26 駆動回路
30 第2プリント基板(プリント基板)
30A グランド層
30B 領域(第2接点)
40 第1フレーム(フレーム)
40A 基板取り付け柱(第4接点)
40B ネジ留め部(第3接点)
42 第2フレーム(第2フレーム)
42A 基板取り付け柱(第4接点)
50 ネジ(第1締結具)
54,60 ネジ(第2締結具)
62 ネジ
70 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた機能を有する電子素子が実装されると共に、ベタパターンとして構成されたグランド層を有し、かつ前記電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板と電気的に接続されるフレキシブル基板であって、
前記フレキシブル基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍まで前記グランド層を有する突出部と、
前記突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層を前記プリント基板のグランド層に電気的に接続するための接点と、
を備えたフレキシブル基板。
【請求項2】
前記突出部を複数備えた
請求項1記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記接点を、接続対象位置に対してネジにより共締め可能な形状とした
請求項1又は請求項2記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記共締め可能な形状を、前記ネジが貫通される孔を有する形状とした
請求項3記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記孔を、前記ネジの胴部の径より所定サイズだけ大きい径のものとした
請求項4記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記突出部におけるグランド層を当該突出部の片面のみに設けられるものとした
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか1項記載のフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板に実装された電子素子を駆動する駆動回路が実装され、かつ前記フレキシブル基板が電気的に接続されるプリント基板と、
を備え、
前記電子素子を固体撮像素子とし、
前記駆動回路を前記固体撮像素子を駆動させる回路とした
撮影装置。
【請求項8】
前記固体撮像素子を所定位置に固定する固定手段
を更に備えた請求項7記載の撮影装置。
【請求項9】
前記フレキシブル基板の前記接点と共締めされると共に、前記プリント基板のグランド層に共締めされるフレーム
を更に備えた請求項7又は請求項8記載の撮影装置。
【請求項10】
予め定められた機能を有する電子素子が実装されると共に、ベタパターンとして構成されたグランド層を有し、かつグランドレベルを同一にする必要のある外部基板と電気的に接続される基板であって、
当該基板の外周部に突出した状態で設けられ、かつ先端又は先端近傍まで前記グランド層を有する突出部と、
前記突出部に設けられ、かつ当該突出部のグランド層を前記外部基板のグランド層に電気的に接続するための接点と、
を備えた基板。
【請求項11】
予め定められた機能を有する電子素子が実装されたフレキシブル基板と、当該電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、
前記フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、前記プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続したことを特徴とする基板間接続構造。
【請求項12】
予め定められた機能を有する電子素子が実装されたフレキシブル基板と、当該電子素子を駆動する駆動回路が実装されたプリント基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、
前記フレキシブル基板に形成されると共に当該フレキシブル基板のグランドレベルとされる第1接点と、
前記プリント基板に形成されると共に当該プリント基板のグランドレベルとされる第2接点と、
前記第1接点が接触される第3接点及び前記第2接点が接触される第4接点が形成されると共に少なくとも前記第3接点と前記第4接点の間に電気的導通性を有するフレームと、
前記第1接点と前記第3接点を共締めする第1締結具と、
前記第2接点と前記第4接点を共締めする第2締結具と、
を備えた基板間接続構造。
【請求項13】
前記プリント基板を複数有し、
前記第2締結具は、前記複数のプリント基板の各々の前記第2接点と前記第4接点を共締めする
請求項12記載の基板間接続構造。
【請求項14】
前記第2締結具を、前記フレームの表面と前記プリント基板の表面とが対向する状態で前記第2接点と前記第4接点を共締めするものとし、
電気的導通性を有すると共に、前記第2接点と前記第4接点が前記第2締結具によって共締めされた状態で、前記プリント基板を前記フレームとの間で囲み、かつ前記フレームと当該フレームの電気的導通性を有する部位に接触するように設けられる第2フレームを更に備えた
請求項12又は請求項13記載の基板間接続構造。
【請求項15】
前記フレキシブル基板を、当該フレキシブル基板の前記グランドレベルとなる導電性層が当該フレキシブル基板の略全面に設けられたものとした
請求項12乃至請求項14の何れか1項記載の基板間接続構造。
【請求項16】
前記第1締結具及び前記第2締結具をネジとした
請求項12乃至請求項15の何れか1項記載の基板間接続構造。
【請求項17】
請求項11乃至請求項16の何れか1項記載の基板間接続構造を備え、
前記電子素子を固体撮像素子とし、
前記駆動回路を前記固体撮像素子を駆動させる回路とした
撮影装置。
【請求項18】
予め定められた機能を有する電子素子が実装された第1基板と、当該第1基板とグランドレベルを同一にする必要のある第2基板とを電気的に接続するための基板間接続構造であって、
前記第1基板に形成されると共に当該第1基板のグランドレベルとされる第1接点と、前記第2基板に形成されると共に当該第2基板のグランドレベルとされる第2接点とを、電気的導通性を有するフレームを介して電気的に接続したことを特徴とする基板間接続構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図17】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2007−88425(P2007−88425A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188628(P2006−188628)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】