説明

フレームレート変換方法

【課題】 フレームレート低減時に画像がコマ落ちとなり見づらくなるのを改善する。
【解決手段】 画像符号化ビット量が規定値以上になったことをレート制御部103で検出してフレームレートを低減する時に、エンコーダコア部302から出力される画像相関値に基づいて相関値処理部304から間引き画像情報を出力させ、間引き判定部308で間引き画像情報に基づいて間引く画像を決定し、フレームを間引いた後、時間情報調整部309で多重化後のデータに付加する時間情報を、間引いた間隔に対し、それ以上の間隔で均等化する。これによって、画像がコマ落ちとならず見づらくならないことを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDや携帯電話で用いられるMPEG等に代表される高圧縮の動画処理におけるフレームレート変換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のDVDや携帯電話の普及により動画処理には、更なる高圧縮、高画質化の要望が高まっている。高画質を維持したままで高圧縮を実現する技術のひとつにビットレートがある一定値以上になった場合にフレームを間引く処理を行うフレームレート変換処理がある。
【0003】
先行技術のフレームレート変換は、他から参照されないフレームをその時にフレームレートに応じて間引く処理を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また画像をシーンに分割して、シーン内容に応じてビットを配分しフレームレートを決定する処理を行っている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
以下、フレームレート変換方法およびそれを実施するフレームレート変換装置の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0006】
図11−1は先行技術のフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。図11−1において、符号1101は動画像データを入力する入力制御部を示す。符号1102は動画像データを符号化するエンコードコア部を示す。符号1109はエンコードコア部1102の出力データを保持するバッファを示す。符号1103はエンコードコア部1102の符号化結果のビット量からフレームレートを制御するレート制御部を示す。符号1104はレート制御部1103からの間引き指示信号を基にバッファ部1109からの符号化データを間引く間引き部を示す。符号1105は間引いた符号化データを出力する出力制御部を示す。符号1106はオーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部を示す。符号1107は画像およびオーディオの符号化データを保持するメモリ部を示す。符号1108はメモリ部1107から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部1107へ出力する多重化コア部を示す。符号1111はビデオ部を示し、符号1112は多重化部を示す。
【0007】
以上のように構成された先行技術のフレームレート制御方法において、以下にその方法について説明する。
【0008】
先行技術のフレームレート制御方法は、まず入力制御部1101にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部1102が入力制御部1101の出力画像データを受け取りエンコード処理を行う。つぎに、レート制御部1103でエンコードコア部1102からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き部1104へフレームレート低減の指示を出す。間引き部1104はレート制御部1103からのフレームレート低減指示に従って、エンコードコア部1102からの符号化データを間引き、出力制御部1105へ出力する。出力制御部1105でポストフィルタ処理等を施した後、メモリ部1107へ符号化データを出力する。これら画像符号化処理と同時に、オーディオ部1106でオーディオの符号化を行い、メモリ部1107へ出力する。多重化コア部1108ではメモリ部1107から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い、レート制御部1103からのフレームレート低減指示に従って時間情報を付加した後、メモリ部1107へ保存することでエンコード処理が完了する。先行技術においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図11−2に示す通りである。
【特許文献1】特開2001−258039号公報
【特許文献2】特開2002−058029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記先行技術のフレームレート変換方法では図11−2に示すように、フレームレート低減時フレームを間引くだけの処理を行うので、再生時にその区間がコマ落ちになり見づらくなる要因となっていた。
【0010】
したがって、本発明の目的は、再生時にコマ落ちとなって見づらくなるのを改善することができるフレームレート変換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、第1の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、エンコードコア部から出力される画像符号化データを保持しておくバッファ部と、レート制御部からの間引き指示信号に基づいてバッファ部に保持してある画像符号化データを間引く間引き部と、間引き部により間引いた画像符号化データおよび間引き情報を出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像符号化データおよびオーディオ符号化データを保持するメモリ部と、出力制御部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、メモリ部から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0012】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、間引き部でフレームを間引いた分、時間情報調整部で多重化後のデータに付加する時間情報を間引いた間隔のn倍(nは1より大きい数)の間隔で均等化する。
【0013】
この方法によれば、フレームレート低減時に、フレームを間引いた後、多重化時に付加する時間情報をフレームを間引いた区間のn倍の区間で等間隔になるように調整を行うことにより、コマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。
【0014】
上記第1の発明のフレームレート変換方法では、レート制御部からの間引き指示信号を間引き部に取り込むと共に時間情報変更指示部に取り込み、間引き区間がある一定以上連続した場合、時間情報変更指示部から時間情報調整部は変更時間情報信号を受け取り、フレーム間の時間間隔を徐々に広げていくことで、本来の間隔に近づけることが好ましい。
【0015】
この方法によれば、間引き区間が一定以上連続した場合でも、徐々にフレーム間隔を広げることでバッファ容量の増加を防いだ上で、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0016】
第2の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、画像間の相関値を保持し相関値に応じて間引き画像情報を出力する相関値処理部と、エンコードコア部からの画像符号化データを出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、レート制御部からの間引き指示信号とメモリ部に保持されている間引き画像情報とから間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、間引き判定部からの間引き情報を基にメモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0017】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍(n>0)の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化する。
【0018】
この方法によれば、フレームレート低減時に、本来間引く間隔のn倍(n>0)の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化することにより、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。
【0019】
上記第2の発明においては、時間情報調整部に時間調整を調整する間隔を指示する時間調整間隔指示部を持ち、フレームを間引く間隔と時間情報を調整する間隔とを別々に設定可能とすることが好ましい。
【0020】
この方法によれば、視覚的な見づらさをさらに緩和することができる。
【0021】
第3の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、複数の画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する複数相関値処理部と、複数相関値処理部からの相関値データを保持しておく相関値用バッファと、エンコードコア部からの画像符号化データを出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、レート制御部からの間引き指示信号とメモリ部に保持されている間引き画像情報とから間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、間引き判定部からの間引き情報を基にメモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0022】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化する。
【0023】
ここで、本来の間隔について説明する。本来の間隔とは、フレームレートを落とした(画像を間引いた)場合に本発明を適用しない場合(従来例)のフレームの間隔である。フレームレートを1/nにした場合、本来の間隔とは画像を間引く前のフレームの間隔のn倍になる。
【0024】
この方法によれば、フレームレート低減時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化することにより、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。
【0025】
上記第3の発明においては、複数相関値処理部に重み付け係数を与える重み付け係数バッファを持ち、基準フレームからの距離によって相関値の重み付けを変えることが好ましい。
【0026】
この方法によれば、視覚的な見づらさをさらに緩和することができる。
【0027】
第4の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、画像間の相関値からその画像の間引きのためのランク付けを行う相関値ランク付け部と、エンコードコア部からの符号化データを出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像およびオーディオの符号化データおよび間引き画像ランク情報を保持するメモリ部と、レート制御部からの間引き指示信号とメモリ部に保持されている間引き画像ランク情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、間引き判定部からの間引き情報を基にメモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0028】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔で画像間の相関値を基にランク付けされた情報を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化する。
【0029】
この方法によれば、フレームレート低減時に、本来間引く間隔のn倍の間隔で画像間の相関値を基にランク付けされた情報を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化することにより、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。
【0030】
上記第4の発明においては、相関値ランク付け部にランクを判定するための閾値を与えるランク閾値設定部を持ち、ランク付けのための閾値を可変とすることが好ましい。
【0031】
この方法によれば、視覚的な見づらさをさらに緩和することができる。
【0032】
第5の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる入力動画像データから中間画像を生成する中間画像生成部と、入力制御部からの入力画像と中間画像生成部からの中間画像データとを符号化するエンコードコア部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する相関値処理部と、エンコードコア部からの符号化データおよび中間画像から生成された中間画像符号化データを出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像符号化データ、中間画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、レート制御部からの間引き指示信号とメモリ部に保持されている間引き画像情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、間引き判定部からの間引き情報を基にメモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0033】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化する。
【0034】
この方法によれば、フレームレート低減時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化することにより、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。さらに、画像エンコード時に中間画像を生成してエンコードしておくことで、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【0035】
第6の発明は、動画像データを入力する入力制御部と、入力制御部から与えられる動画像データを符号化するとともに中間画像の動きベクトルから中間画像符号化データを生成するエンコードコア部と、エンコードコア部で生成される中間データである複数の動きベクトルから中間画像の動きベクトルを生成してエンコードコア部へ与える中間画像用動きベクトル生成部と、エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する相関値処理部と、エンコードコア部からの符号化データおよび中間画像符号化データを出力する出力制御部と、オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、画像符号化データ、中間画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、レート制御部からの間引き指示信号とメモリ部に保持されている間引き画像情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、間引き判定部からの間引き情報を基にメモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法である。
【0036】
そして、このフレームレート変換方法では、符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化する。
【0037】
この方法によれば、フレームレート低減時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化することにより、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とする。さらに、画像エンコード時に中間画像用動きベクトルを生成してエンコードしておくことで、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【発明の効果】
【0038】
以上の説明のように、先行技術のフレームレート変換方法においては、フレームレート低減時にフレームを間引くだけの処理を行うので、再生時にその区間がコマ落ちになり見づらくなる要因となっていたものが、本発明を用いることにより、画像を間引いた後、時間情報を調整してフレームを等間隔に並べることができ、コマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0039】
また、画像の相関値を基に相関値の高い画像を間引くことで画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0040】
また、画像エンコード時に中間画像または中間画像用動きベクトルを生成してエンコードしておくことで、画像の劣化を押さえた上でコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
【0042】
図1−1は本発明の実施の形態1におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。図1−1において、符号101は動画像データを入力する入力制御部を示す。符号102は動画像データを符号化するエンコードコア部を示す。符号103は符号化結果のビット量からフレームレートを制御するレート制御部を示す。符号104は符号化データを保持しておくバッファ部を示す。符号105はレート制御部103からの間引き指示信号に基づいてバッファ部104に保持してある符号化データを間引く間引き部を示す。符号106は間引いた符号化データおよび間引き情報を出力する出力制御部を示す。符号107はオーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部を示す。符号108は画像およびオーディオの符号化データを保持するメモリ部を示す。符号109は出力制御部106からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部を示す。符号110はメモリ部108から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部109からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部108へ出力する多重化コア部を示す。符号111はビデオ部を示し、符号112は多重化部を示す。
【0043】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0044】
本発明の実施の形態1におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部101にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部102が入力制御部101の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、符号化データをバッファ部104へ保存する。つぎに、レート制御部103でエンコードコア部102からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き部105へフレームレート低減の指示を出す。間引き部105はレート制御部103からのフレームレート低減指示に従って、バッファ部104から必要な符号化画像データを取得し出力制御部108へ出力する。出力制御部108でポストフィルタ処理等を施した後、符号化データをメモリ部108へ出力、間引き情報を時間情報調整部109へ出力する。これら画像符号化処理と同時に、オーディオ部107でオーディオの符号化を行い、符号化データをメモリ部108へ出力する。時間情報調整部109で出力制御部106からの間引き情報を基に、間引いた間隔のn倍の間隔で時間情報が等間隔になるように調整し、調整した時間情報を多重化コア部110へ出力する。多重化コア部110ではメモリ部108から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い、時間情報調整部109からの調整時間情報に従って時間情報を付加した後、メモリ部108へ保存することでエンコード処理が完了する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図1−2に示す通りである。
【0045】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0046】
以上のような方法で、本発明の実施の形態1では、フレームを間引いた間隔のn倍の間隔でフレームを等間隔に並べ直すことでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0047】
つぎに、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図2−1は本発明の実施の形態2におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態1を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図2−1において、符号201はレート制御部103からの間引き指示を基に間引き区間がある一定以上連続した場合、時間情報調整部109に、低減したフレームレートに対応するフレーム間隔になるまで、フレーム間の時間間隔を徐々に広げていく指示を出す時間情報変更指示部を示す。
【0049】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0050】
本発明の実施の形態2におけるフレームレート変換方法は、時間情報変更指示部201がレート制御部103からの間引き指示を基に間引き区間がある一定以上連続しているか判断し一定以上連続している場合は、時間情報調整部109にフレーム間の時間間隔を徐々に広げていく指示を出す。
【0051】
これ以外の動作に関しては、本発明の実施の形態1と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図2−2に示す通りである。
【0052】
以上のような方法で、本発明の実施の形態2では、フレームを間引いた間隔のn倍の間隔でフレームを等間隔に並べ直すことでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。また、間引き区間が一定以上連続した場合でも、徐々にフレーム間隔を広げることでバッファ容量の増加を防いだ上で、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0053】
つぎに、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。
【0054】
図3−1は本発明の実施の形態1におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。図3−1において、符号301は動画像データを入力する入力制御部を示す。符号302は動画像データを符号化するエンコードコア部を示す。符号303は符号化結果のビット量からフレームレートを制御するレート制御部を示す。符号304は画像間の相関値を保持し間引き画像情報を出力する相関値処理部を示す。符号305は符号化データを出力する出力制御部を示す。符号306はオーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部を示す。符号307は画像およびオーディオの符号化データと間引き画像情報を保持するメモリ部を示す。符号308はレート制御部303からの間引き指示信号を受けて、メモリ部307に保持してある間引き画像情報を取得し、その間引き画像情報を基に間引く画像を決定する間引き判定部を示す。符号309は間引き判定部308からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部を示す。符号310はメモリ部307から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、時間情報調整部309からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データをメモリ部307へ出力する多重化コア部である。符号311はビデオ部を示し、符号312は多重化部を示す。
【0055】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0056】
本発明の実施の形態3におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部301にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部302が入力制御部301の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、画像間相関値を相関値処理部304へ、符号化データを出力制御部305へ出力する。つぎに、レート制御部303でエンコードコア部302からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き判定部308へフレームレート低減の指示を出す。相関値処理部304では画像間相関値を基に相関値の大きい画像をフレームレート低減区間のn倍の範囲で判定し間引き画像情報をメモリ部307へ保存する。出力制御部305でポストフィルタ処理等を施した後、符号化データをメモリ部307へ出力する。これら画像符号化処理と同時に、オーディオ部306でオーディオの符号化を行い、符号化データをメモリ部307へ出力する。間引き判定部308はレート制御部303からのフレームレート低減指示およびメモリ部307に保存されている間引き画像情報を基に、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、実際に間引く画像の情報を生成する。時間情報調整部309で間引き判定部308からの間引き情報を基に、フレームレート低減区間のn倍の区間で時間情報が等間隔になるように調整し、調整した時間情報を多重化コア部310へ出力する。多重化コア部310ではメモリ部307から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い、時間情報調整部309からの調整時間情報に従って時間情報を付加した後、メモリ部307へ保存することでエンコード処理が完了する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図3−2に示す通りである。
【0057】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0058】
以上のような方法で、本発明の実施の形態3では、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、その区間で画像を間引き、フレームを等間隔に並べ直すことでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0059】
つぎに、本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。
図4−1は本発明の実施の形態4におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態3を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図4−1において、符号401は時間情報調整部309に時間情報の調整区間の指示を出す時間調整間隔指示部を示す。
【0060】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0061】
本発明の実施の形態4におけるフレームレート変換方法は、時間情報調整部309が時間調整間隔指示部401からの時間調整間隔の指示と間引き部308からの間引き情報を基に、フレームレート低減区間のn倍の区間で画像を間引いたことに対し、時間調整間隔をフレームレート低減区間のn倍の区間とは異なる区間で設定を行う。
【0062】
これ以外の動作に関しては、本発明の実施の形態3と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図4−2に示す通りである。
【0063】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0064】
以上のような方法で、本発明の実施の形態4では、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間としてその区間で画像を間引き、フレームを等間隔に並べ直す間隔をフレームレート低減区間のn倍とは異なる区間で設定することでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【0065】
つぎに、本発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。
【0066】
図5−1は本発明の実施の形態5におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態3を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図5−1において、符号501は複数の画像の相関値を基に間引く画像を決定する複数相関値処理部を示す。符号502は複数相関値処理部501からの相関値を保持および出力する相関値用バッファを示す。
【0067】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0068】
本発明の実施の形態5におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部301にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部302が入力制御部301の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、画像間相関値を複数相関処理部501へ、符号化データを出力制御部305へ出力する。つぎに、レート制御部303でエンコードコア部302からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き判定部308へフレームレート低減の指示を出す。複数相関値処理部501ではフレームレート低減区間のn倍の範囲の複数の画像間相関値を基に、相関値判定の基準画像から離れるに従い相関に対する重み付けを小さくし、その中で相関値の大きい画像を判定し間引き画像情報をメモリ部307へ保存する。
【0069】
以降の動作に関しては、本発明の実施の形態3と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図5−2に示す通りである。
【0070】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0071】
以上のような方法で、本発明の実施の形態5では、間引く画像を決定する相関値の対象を複数の画像に広げることでより確度の高い間引きが可能となり、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0072】
つぎに、本発明の実施の形態6について図面を参照しながら説明する。
【0073】
図6−1は本発明の実施の形態6におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態5を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図6−1において、符号601は複数の画像の相関値の重み付けの係数を変更するための係数を保持している重み付け係数バッファを示す。
【0074】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0075】
本発明の実施の形態6におけるフレームレート変換方法は、複数相関値処理部501で必要となる重み付け係数として、重み付け係数バッファ601で保持している係数を使用する。
【0076】
これ以外の動作に関しては、本発明の実施の形態5と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図6−2に示す通りである。
【0077】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0078】
以上のような方法で、本発明の実施の形態6では、間引く画像を決定するの相関値の対象を複数の画像に広げ、その画像間での重み付け値も可変とできることで、より確度の高い間引きが可能となり、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【0079】
つぎに、本発明の実施の形態7について図面を参照しながら説明する。
【0080】
図7−1は本発明の実施の形態7におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態3を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図7−1において、符号701は画像間の相関値を基に間引く画像のランク付けを行う相関値ランク付け部を示す。
【0081】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0082】
本発明の実施の形態7におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部301にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部302が入力制御部301の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、画像間相関値を相関値ランク付け部701へ、符号化データを出力制御部305へ出力する。つぎに、レート制御部303でエンコードコア部302からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き判定部308へフレームレート低減の指示を出す。相関値ランク付け部701ではフレームレート低減区間のn倍の範囲でいくつかの閾値を基本にして相関値と閾値から相関値をランク付けし間引き画像ランク情報をメモリ部307へ保存する。間引き判定部308はレート制御部303からのフレームレート低減指示およびメモリ部307に保存されている間引き画像ランク情報を基に、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、実際に間引く画像の情報を生成する。
【0083】
以降の動作に関しては、本発明の実施の形態3と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図7−2に示す通りである。
【0084】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0085】
以上のような方法で、本発明の実施の形態7では、間引く画像を決定する相関値のランク付けを行うことでより確度の高い間引きが可能となり、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【0086】
つぎに、本発明の実施の形態8について図面を参照しながら説明する。
【0087】
図8−1は本発明の実施の形態8におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態7を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図8−1において、符号801は相関値ランク付け部701で使用する閾値を与えるランク閾値設定部を示す。
【0088】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0089】
本発明の実施の形態8におけるフレームレート変換方法は、相関値ランク付け部701で必要となる閾値として、ランク閾値設定部801で保持している閾値を使用する。この時のフレーム間引きのイメージは図7−2に示す通りである。
【0090】
これ以外の動作に関しては、本発明の実施の形態7と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図7−2に示す通りである。
【0091】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0092】
以上のような方法で、本発明の実施の形態8では、間引く画像を決定する相関値のランク付けを行い、その時必要となる閾値を可変とすることでより確度の高い間引きが可能となり、視覚的な見づらさをいっそう緩和することが可能となる。
【0093】
つぎに、本発明の実施の形態9について図面を参照しながら説明する。
【0094】
図9−1は本発明の実施の形態9におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態3を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図9−1において、符号901は複数の画像から中間画像を生成する中間画像生成部を示す。
【0095】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0096】
本発明の実施の形態9におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部301にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部302が入力制御部301の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、画像間相関値を相関値処理部304へ、符号化データを出力制御部305へ、ピクチャ情報を中間画像生成部901へ出力する。中間画像生成部901でエンコーダコア部302からのピクチャ情報を基に、非参照画像である場合に、図9−2に示すように中間画像を生成し、エンコーダコア部302に送り再度エンコーダ処理を行い、中間画像符号化データを出力制御部305へ出力する。つぎに、レート制御部303でエンコードコア部302からのビット量を監視して、一定量以上になると間引き判定部308へフレームレート低減の指示を出す。相関値処理部304ではフレームレート低減区間のn倍の範囲で画像間相関値を基に相関値の大きい画像を判定し間引き画像情報をメモリ部307へ保存する。出力制御部305でポストフィルタ処理等を施した後、符号化データおよび中間画像符号化データをメモリ部307へ出力する。これら画像符号化処理と同時に、オーディオ部306でオーディオの符号化を行い、符号化データをメモリ部307へ出力する。間引き判定部308はレート制御部303からのフレームレート低減指示およびメモリ部307に保存されている間引き画像情報を基に、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、画像を間引く場合その相関値の対象となった画像を2枚間引き、代わりに中間画像を挿入するための情報を生成する。時間情報調整部309で間引き判定部308からの間引き情報を基に、フレームレート低減区間のn倍の区間で時間情報が等間隔になるように調整し、調整した時間情報を多重化コア部310へ出力する。多重化コア部310ではメモリ部307から画像符号化データまたは中間値符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、画像符号化データまたは中間値符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い、時間情報調整部309からの調整時間情報に従って時間情報を付加した後、メモリ部307へ保存することでエンコード処理が完了する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図9−3に示す通りである。
【0097】
なお、図9−2において、「中間画像から動き予測」と記載しているが、これは、エンコード時に予め2つの画像の中間画像を作成して、その中間画像を基にしたエンコード(動きベクトル予測等)も同時に行うと言うことである。
【0098】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0099】
以上のような方法で、本発明の実施の形態9では、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、その区間で画像を間引く時に中間画像をエンコードした画像で置き換え、フレームを等間隔に並べ直すことでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0100】
つぎに、本発明の実施の形態10について図面を参照しながら説明する。
【0101】
図10−1は本発明の実施の形態10におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置を表すものである。本実施の形態は、上記実施の形態9を発展させたものなので、同一部分については同一符号を付して重複した説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。図10−1において、符号1001は中間画像用動きベクトル生成部を示す。
【0102】
以上のように構成された本実施の形態のフレームレート変換方法について、以下にその方法を説明する。
【0103】
本発明の実施の形態10におけるフレームレート変換方法は、まず入力制御部301にエンコードする動画像データを入力しプレフィルタ処理等を施す。つぎに、エンコードコア部302が入力制御部301の出力画像データを受け取りエンコード処理を行い、画像間相関値を相関値処理部304へ、符号化データを出力制御部305へ、動きベクトル情報を中間画像用動きベクトル生成部1001へ出力する。中間画像用動きベクトル生成部1001でエンコーダコア部302からの動き情報を基に、非参照画像である場合に図10−2に示すように中間画像に相当する動きベクトルを生成し、エンコーダコア部302に送り再度エンコーダ処理を行い、中間画像符号化データを出力制御部305へ出力する。
【0104】
これ以降の動作に関しては、本発明の実施の形態9と同一であるので、説明を省略する。本実施の形態においてフレームレートを1/2に低減する場合のフレーム間引きのイメージは図9−3に示す通りである。
【0105】
以上の方法により、フレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが実現できる。
【0106】
以上のような方法で、本発明の実施の形態10では、画像を間引く区間をフレームレート低減区間のn倍の区間として、その区間で画像を間引く時に中間画像用動きベクトルから中間画像をエンコードした画像で置き換え、フレームを等間隔に並べ直すことでフレームレート低減時にコマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することが可能となる。
【0107】
なお、上記実施の形態ではソフトウエアによる処理を前提として説明したが、DSP、マイクロコンピュータ、メディアプロセッサ等でハードウエアのみで実現する場合でも同様である。また実施の形態および図面において、フレームレートを1/2に低減する場合を例に説明しているがこれも一例であり、その他のレートに低減する場合も同様である。このように上記実施の形態は本発明の説明を目的とするのもであって、本発明の内容をそれらに限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明にかかるフレームレート変換方法は、コマ落ちのレベルを緩和し、視覚的な見づらさを緩和することを可能とし、DVDや携帯電話で用いられるMPEG等に代表される高圧縮の動画処理に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1−1】本発明の実施の形態1におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図1−2】本発明の実施の形態1におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図2−1】本発明の実施の形態2におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図2−2】本発明の実施の形態2におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図3−1】本発明の実施の形態3におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図3−2】本発明の実施の形態3におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図4−1】本発明の実施の形態4におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図4−2】本発明の実施の形態4におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図5−1】本発明の実施の形態5におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図5−2】本発明の実施の形態5におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図6−1】本発明の実施の形態6におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図6−2】本発明の実施の形態6におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図7−1】本発明の実施の形態7におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図7−2】本発明の第7および実施の形態8におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図8】本発明の実施の形態8におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図9−1】本発明の実施の形態9におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図9−2】本発明の実施の形態9における中間画像生成図である。
【図9−3】本発明の第9および第10実施の形態におけるフレーム間引きのイメージ図である。
【図10−1】本発明の実施の形態10におけるフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図10−2】本発明の実施の形態10における中間画像生成図である。
【図11−1】先行技術のフレームレート変換方法を実施するフレームレート変換装置のブロック図である。
【図11−2】先行技術のフレームレート変換方法のフレーム間引きのイメージ図である。
【符号の説明】
【0110】
101、301、1101 入力制御部
102、302、1102 エンコーダコア部
103、303、1103 レート制御部
104 バッファ部
105、1104 間引き部
106、305、1105 出力制御部
107、306、1106 オーディオ部
108、307、1107 メモリ部
109、309 時間情報調整部
110、310、1108 多重化コア部
201 時間情報変更指示部
308 間引き判定部
401 時間調整間隔指示部
501 複数相関値処理部
502 相関値用バッファ部
601 重み付け係数バッファ部
701 相関値ランク付け部
801 ランク閾値設定部
901 中間画像生成部
1001 中間画像用動きベクトル生成部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
前記エンコードコア部から出力される画像符号化データを保持しておくバッファ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号に基づいて前記バッファ部に保持してある画像符号化データを間引く間引き部と、
前記間引き部により間引いた画像符号化データおよび間引き情報を出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像符号化データおよびオーディオ符号化データを保持するメモリ部と、
前記出力制御部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記メモリ部から画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、前記間引き部でフレームを間引いた分、前記時間情報調整部で多重化後のデータに付加する時間情報を間引いた間隔のn倍(nは1より大きい数)の間隔で均等化するフレームレート変換方法。
【請求項2】
前記レート制御部からの間引き指示信号を前記間引き部に取り込むと共に時間情報変更指示部に取り込み、間引き区間がある一定以上連続した場合、前記時間情報変更指示部から前記時間情報調整部は変更時間情報信号を受け取り、フレーム間の時間間隔を徐々に広げていくことで、本来の間隔に近づけるようにした請求項1記載のフレームレート変更方法。
【請求項3】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
画像間の相関値を保持し相関値に応じて間引き画像情報を出力する相関値処理部と、
前記エンコードコア部からの画像符号化データを出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号と前記メモリ部に保持されている間引き画像情報とから間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に前記メモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に画像符号化データとオーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍(n>0)の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化するフレームレート変換方法。
【請求項4】
前記時間情報調整部に時間調整を調整する間隔を指示する時間調整間隔指示部を持ち、フレームを間引く間隔と時間情報を調整する間隔とを別々に設定可能とした請求項3記載のフレームレート変換方法。
【請求項5】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
複数の画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する複数相関値処理部と、
前記複数相関値処理部からの相関値データを保持しておく相関値用バッファと、
前記エンコードコア部からの画像符号化データを出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号と前記メモリ部に保持されている間引き画像情報とから間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に前記メモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に前記画像符号化データと前記オーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化するフレームレート変換方法。
【請求項6】
前記複数相関値処理部に重み付け係数を与える重み付け係数バッファを持ち、基準フレームからの距離によって相関値の重み付けを変える請求項5記載のフレームレート変換方法。
【請求項7】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる動画像データを符号化するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
画像間の相関値からその画像の間引きのためのランク付けを行う相関値ランク付け部と、
前記エンコードコア部からの符号化データを出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像およびオーディオの符号化データおよび間引き画像ランク情報を保持するメモリ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号と前記メモリ部に保持されている間引き画像ランク情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に前記メモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に前記画像符号化データと前記オーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔で画像間の相関値を基にランク付けされた情報を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化するフレームレート変換方法。
【請求項8】
前記相関値ランク付け部にランクを判定するための閾値を与えるランク閾値設定部を持ち、ランク付けのための閾値を可変とする請求項7記載のフレームレート変換方法。
【請求項9】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる入力動画像データから中間画像を生成する中間画像生成部と、
前記入力制御部からの入力画像と前記中間画像生成部からの中間画像データとを符号化するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する相関値処理部と、
前記エンコードコア部からの符号化データおよび中間画像から生成された中間画像符号化データを出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像符号化データ、中間画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号と前記メモリ部に保持されている間引き画像情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に前記メモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に前記画像符号化データと前記オーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化するフレームレート変換方法。
【請求項10】
動画像データを入力する入力制御部と、
前記入力制御部から与えられる動画像データを符号化するとともに中間画像の動きベクトルから中間画像符号化データを生成するエンコードコア部と、
前記エンコードコア部で生成される中間データである複数の動きベクトルから中間画像の動きベクトルを生成して前記エンコードコア部へ与える中間画像用動きベクトル生成部と、
前記エンコードコア部による符号化結果のビット量からフレームレートを制御する間引き指示信号を出力するレート制御部と、
画像間の相関値を保持し相関値に応じた間引き画像情報を出力する相関値処理部と、
前記エンコードコア部からの符号化データおよび中間画像符号化データを出力する出力制御部と、
オーディオの符号化を行うとともにオーディオ符号化データを出力するオーディオ部と、
画像符号化データ、中間画像符号化データ、オーディオ符号化データおよび間引き画像情報を保持するメモリ部と、
前記レート制御部からの間引き指示信号と前記メモリ部に保持されている間引き画像情報から間引く画像を判定する間引き情報を出力する間引き判定部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に多重化時に付加する時間情報を調整する時間情報調整部と、
前記間引き判定部からの間引き情報を基に前記メモリ部から必要な画像符号化データとオーディオ符号化データとを取得し、前記時間情報調整部からの調整後の時間情報を基に前記画像符号化データと前記オーディオ符号化データとの多重化を行い多重化データを前記メモリ部へ出力する多重化コア部とを備えたフレームレート変換装置におけるフレームレート変換方法であって、
符号化結果のビット量が規定値以上になりフレームを間引く時に、本来間引く間隔のn倍の間隔でフレーム間の相関値を基に相関値の高いフレームを間引き、多重化後のデータに付加する時間情報を均等化するフレームレート変換方法。


【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【公開番号】特開2006−148409(P2006−148409A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334204(P2004−334204)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】