説明

フードロック部構造

【課題】フード前端部付近に衝突体が衝突した場合に効率的にエネルギー吸収をすることができるフードロック部構造を得る。
【解決手段】ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付部60に設けられた衝撃吸収機構部50は、ロックストライカ32からロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合に衝撃荷重に抗しながらロックベース44を車両下方側へ案内してエネルギーを吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フードを車体側にロックするフードロック部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部においては、フード前端部付近に衝突体が衝突した際の該衝突体に発生する衝撃荷重を低減するために、例えば、ロックストライカからフードロック装置に作用する衝撃荷重が所定値以上になったときに、ロックベース取付部の一部が離脱すると共にロックベースが一の取付部を中心として回転移動する構造がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構造では、ロックベース取付部の一部が離脱した後にフード側からの入力に対して低反力となってしまう場合が考えられ、このような場合にはエネルギー吸収の効率が良くない。
【特許文献1】特開2002−19641公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合に効率的にエネルギー吸収をすることができるフードロック部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載する本発明のフードロック部構造は、フード側に取り付けられ、車体側のロック手段と係合可能なロックストライカと、前記車体側に取り付けられると共に前記ロック手段が配設され、前記フードの閉止状態では前記ロックストライカを支持可能なロックベースと、前記ロックベースにおける前記車体側への取付部に設けられ、前記ロックベースにフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合に前記衝撃荷重に抗しながら前記ロックベースを車両下方側へ案内してエネルギーを吸収する衝撃吸収手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載する本発明のフードロック部構造によれば、ロックベースにおける車体側への取付部に設けられた衝撃吸収手段は、ロックベースにフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合に衝撃荷重に抗しながらロックベースを車両下方側へ案内してエネルギーを吸収するので、フード前端部付近に衝突体が衝突して所定値以上の衝撃荷重が入力された場合には、衝撃吸収手段が衝撃荷重に抗しながらロックベースを案内することで衝撃エネルギーが吸収され、ロックベースが衝撃吸収手段によって車両下方側へ案内されることでフードの移動ストロークが確保される。
【0007】
請求項2に記載する本発明のフードロック部構造は、請求項1記載の構成において、前記衝撃吸収手段は、前記ロックベースの一部を構成して前記ロックベースを車両下方側へ案内する方向を長手方向とする取付用の貫通部が貫通形成された取付基部と、前記貫通部を貫通して前記取付基部と前記車体側とを締結する締結手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載する本発明のフードロック部構造によれば、ロックベースを車両下方側へ案内する方向を長手方向として貫通部が形成され、締結手段は、貫通部を貫通して取付基部と車体側とを締結するので、フード前端部付近に衝突体が衝突してロックベースが貫通部の案内する方向に沿って車両下方側へ案内移動される場合には、締結手段による貫通部を貫通する方向の締結荷重、すなわち、締結手段の軸力によって、ほぼ一定の反力が維持される。
【0009】
請求項3に記載する本発明のフードロック部構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記ロックストライカは、前記ロックベースに当接可能な棒状の下軸部を備え、前記下軸部の軸方向が、車両斜め前方上側から前記フードへの入力方向に対して、略垂直に設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載する本発明のフードロック部構造によれば、ロックストライカは、ロックベースに当接可能な下軸部の軸方向が、車両斜め前方上側からフードへの入力方向に対して、略垂直となっているので、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、ロックストライカは、該ロックストライカに作用した荷重をロックベースに効率的に伝えて該ロックベースを移動させる。
【0011】
請求項4に記載する本発明のフードロック部構造は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の構成において、車両側面視において、前記ロックベースにおける前記車体側への取付面の面方向を、車両斜め前方上側から前記フードへの入力方向に、略一致させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載する本発明のフードロック部構造によれば、車両側面視において、ロックベースにおける車体側への取付面の面方向が、車両斜め前方上側からフードへの入力方向に、略一致するので、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、ロックストライカからロックベースへの荷重入力方向と、ロックベースの案内移動される方向とが略一致し、ロックストライカからロックベースへの荷重がロックベースを効率的に移動させる。
【0013】
請求項5に記載する本発明のフードロック部構造は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の構成において、車両側面視において、前記ロックストライカから前記ロックベースへの入力位置が、前記ロックベースにおける前記車体側への取付面の延長線上又はその近傍に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載する本発明のフードロック部構造によれば、車両側面視において、ロックストライカからロックベースへの入力位置が、ロックベースにおける車体側への取付面の延長線上又はその近傍に設定されているので、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、ロックストライカからロックベースへの荷重入力に伴うロックベースと車体側との取付位置に作用するモーメントが、防止又は抑制される。このため、ロックベースは、衝撃吸収手段によって車両下方側へ案内された際に安定的に移動する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のフードロック部構造によれば、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合に効率的にエネルギー吸収をすることができるという優れた効果を有する。
【0016】
請求項2に記載のフードロック部構造によれば、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、衝突体への反力をほぼ一定に維持でき、効率的なエネルギー吸収ができるという優れた効果を有する。
【0017】
請求項3に記載のフードロック部構造によれば、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、ロックストライカに作用した荷重をロックベースに効率的に伝えることで、衝突体への反力の増加を抑えながら、ロックベースを移動させることができるという優れた効果を有する。
【0018】
請求項4に記載のフードロック部構造によれば、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合、ロックストライカからロックベースへの荷重がロックベースを効率的に移動させることで、衝突体への反力の増加を抑えながら、ロックベースを移動させることができるという優れた効果を有する。
【0019】
請求項5に記載のフードロック部構造によれば、フード前端部付近に衝突体が衝突した場合にロックベースを安定的に移動させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るフードロック部構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。
【0021】
図1に示されるように、車両前部10には、エンジンルーム12を開閉可能に覆うフード14が配設されている。フード14の車両前後方向における後端部には、ヒンジ(図示省略)が配設されており、これによって、フード14は、ヒンジ(図示省略)における車幅方向の軸回りに回転移動可能となっている。
【0022】
図2に示されるように、フード14は、フード14の外板を構成すると共に略車両前後方向に沿って延設されるフードアウタパネル16と、このフードアウタパネル16に対してフード下方側に配置されてフード14の内板を構成するフードインナパネル18と、を含んで構成されている。フードアウタパネル16の前端縁部16Aとフードインナパネル18の前端縁部18Aとは、ヘミング加工にて結合されている。また、フードアウタパネル16とフードインナパネル18との間には、フードロックリインフォースメント20が配設されている。フードロックリインフォースメント20は、前部側がフードインナパネル18に接合されると共に後端部がフードアウタパネル16に接合されている。
【0023】
閉止状態のフード14における前端部14Aのフード幅方向(車幅方向と同じ方向)の中央部に対応してフードロック部30が配設されている。フードロック部30は、フード14側に取り付けられたロックストライカ32と、エンジンルーム12内で車体としてのラジエータサポートアッパ22側に配設されてロックストライカ32との係合用装置とされるフードロック装置40と、を含んで構成されている。
【0024】
ロックストライカ32は、フードインナパネル18のフード前端側(前端縁部18Aからフード後方側へ所定距離離れた位置)に配置されており、フードインナパネル18に貫通形成された貫通孔18Bにフード上方側から挿入され、フードインナパネル18に対してフード下方側に突出している。これにより、ロックストライカ32は、フードロック装置40におけるロック手段としてのメインラッチ42(図4参照)が係合可能とされている。
【0025】
また、ロックストライカ32は、高強度の鉄鋼製で丸棒状とされ、ベンディングマシンで折り曲げられることで、車両側面視でフード14側が開放された屈曲形状(略U字形状)とされている。より具体的には、ロックストライカ32は、フード前後方向に並びフード14側から立設するように配設される前後一対の脚部36A、36Bと、これらの脚部36A、36Bを連結する下軸部34と、一対の脚部36A、36Bにおいて下軸部34とは反対側の端部から延出してフード幅方向(車幅方向と同じ方向)に互いに離間する方向へ延出する取付端部38A、38Bと、を含んで構成されている。
【0026】
取付端部38A、38Bは、フードインナパネル18及びフードロックリインフォースメント20に接合されている。下軸部34は、棒状(直線状)とされ、フードロック装置40におけるロックベース44(図4参照、詳細後述)に当接可能となっている。下軸部34の軸方向(軸線34Xの延在する方向)は、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向、本実施形態では、衝撃試験用として予め設定されたフード14へのインパクタ衝突方向(水平面との角度が50°に傾斜した方向)と同じ方向)に対して、垂直(広義には略垂直)に設定されている。
【0027】
なお、本実施形態では、フード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力されて図4に示されるロックストライカ32が車両下方側へ移動した場合、ロックストライカ32の下軸部34が所定ストローク以上移動しない限りロックストライカ32の下軸部34はラジエータサポートアッパ22に当接しないように設定されている(第2〜第4の実施形態においても同様)。
【0028】
図3及び図4に示されるように、フードロック装置40におけるロックベース44は、その幅方向両側がラジエータサポートアッパ22側に取り付けられており、図中では、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への取付部を符号60で示す。また、図2に示されるように、車両側面視において、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への取付面44Bの面方向(矢印C方向)は、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に、一致(広義には略一致)させた設定となっている。
【0029】
なお、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に対して、フード14の閉止時におけるロックベース44への荷重入力方向は、近い方向に設定されており、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に延在させた仮想直線と前記荷重入力方向に延在させた仮想直線とにより形成される角の角度αが、0°≦α≦15°となるように設定するのが好ましく、角度αを0°に近付けるほどよい。
【0030】
図4に示されるように、ロックベース44は、幅方向両側の取付基部52の間が平板状のベース本体部46とされている。ベース本体部46の縁部46Aは、その大部分が周壁状に立設されている。ベース本体部46の幅方向中央部には、ベース本体部46の上端で開口すると共に略車両上下方向に沿う切欠部48がロックベース44の厚さ方向に貫通して形成されている。フード14(図1参照)の閉止状態では、切欠部48の下端部48Aにロックストライカ32の下軸部34が当接してロックベース44がロックストライカ32を支持可能となっている。また、図3に示されるように、車両側面視において、ロックストライカ32からロックベース44への入力位置Bは、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への取付面44Bの延長線44L上に(換言すれば、入力位置と取付点とのオフセットが、延長線44Lを含んで(延長線44Lの延在方向に)延びる仮想直線に対して垂直な方向でゼロに)設定されている。
【0031】
図4に示されるように、ロックベース44のベース本体部46には、その車両後方側にメインラッチ42が配設されている。メインラッチ42は、ベース本体部46(ロックベース44)に支持されると共に、フード14をロックする状態の配置位置となる通常位置と通常位置から退避された退避位置との間で略車両前後方向の軸回りに回転移動可能とされている。メインラッチ42の自由端側には、ロックストライカ32と係合するための係合部42Aが形成され、この係合部42Aには、ロックストライカ32が入り込み可能な切欠部142Aが形成されている。メインラッチ42が車両前後方向の軸回りに一方向であるロック方向に所定角度回転移動すると、通常位置に配置されるようになっており、この状態では、係合部42Aにおける切欠部142Aは、ロックベース44の切欠部48及び後述する補助ラッチ(セカンダリラッチ)43との間にロックストライカ32の下軸部34を保持可能となっている。
【0032】
メインラッチ42には、係合部42Aの下方部に圧縮コイルスプリング(図示省略)の一端が係止されており、前記圧縮コイルスプリングの他端は、ロックベース44側に係止されている。これにより、前記圧縮コイルスプリングは、メインラッチ42を常にロック方向とされる通常位置の方向へ付勢している。なお、メインラッチ42は、所定操作により、前記圧縮コイルスプリングの付勢力に抗してロック方向とは反対方向に回転移動可能となっている。
【0033】
一方、ロックベース44のベース本体部46には、その車両前方側には、車両正面視で略逆L字状の補助ラッチ43が配設されている。補助ラッチ43は、その下部がベース本体部46(ロックベース44)に支持されると共に略車両前後方向を軸方向とする軸部材45回りに回転移動可能となっている。補助ラッチ43の上端部は、鉤状に屈曲されたフック部43Aとなっており、このフック部43Aは、ロックストライカ32のU字形状の内側を貫通可能とされると共に図2に示されるフード14に形成された係合部20Aに係合可能とされている。
【0034】
図4に示されるように、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への左右両側の取付部60には、衝撃吸収手段としての衝撃吸収機構部50が設けられている。衝撃吸収機構部50は、ロックベース44にフード14(図2参照)上方側から所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合に衝撃荷重fに抗しながらロックベース44を長孔52Aに沿って車両下方側へ案内してエネルギーを吸収するようになっており、ロックベース44の一部を構成して貫通部としての長孔52Aが貫通形成された取付基部52と、長孔52Aを貫通して取付基部52とラジエータサポートアッパ22側とを締結する締結手段としてのボルト54及びナット56(図3参照)と、を含んで構成されている。なお、図3及び図4では、ロックベース44がフード14(図2参照)上方側からの衝撃荷重fによって移動した状態におけるロックベース44の下部を二点鎖線で図示すると共に、衝撃荷重fによってロックベース44が案内移動される方向を矢印Xで示す。
【0035】
図4に示されるように、取付基部52は、ロックベース44における車幅方向両側の端部とされており、この取付基部52には、略車両上下方向(衝撃荷重入力時におけるロックベース44を車両下方側へ案内する方向)を長手方向とする取付用の長孔52Aが貫通形成されている(締付孔の長孔化)。長孔52Aの形成方向は、車両側面視及び車両正面視のいずれにおいても、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)と一致(略一致)した方向に設定されている。
【0036】
また、ボルト54は、その雄ねじ部54A(図3参照)が車両前方側から長孔52Aの下部及びラジエータサポートアッパ22を貫通しており、図3に示されるように、雄ねじ部54Aの先端側には、ラジエータサポートアッパ22側に配設されたナット56の雌ねじ部56Aが螺合されている。ここで、ボルト54の頭部54Bとナット56とが取付基部52及びラジエータサポートアッパ22を挟み込んで締め付ける(締結荷重を作用させる)ことによって取付基部52がラジエータサポートアッパ22側に取り付けられている。すなわち、取付基部52及びラジエータサポートアッパ22へ作用させる締結荷重の調整がトルク管理によって行われている(締付トルクの管理)。
【0037】
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0038】
図4に示されるロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付部60に設けられた衝撃吸収機構部50は、ロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重f(図2参照)が入力された場合に衝撃荷重fに抗しながらロックベース44を車両下方側へ案内してエネルギーを吸収するので、図2に示されるように、フード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突して所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合には、衝撃吸収機構部50が衝撃荷重fに抗しながらロックベース44を案内することで衝撃エネルギーが吸収され、ロックベース44が衝撃吸収機構部50によって車両下方側へ案内されることでフード14の移動ストローク(EAストローク)が確保される。
【0039】
ここで、図4に示されるように、ロックベース44を車両下方側へ案内する方向を長手方向として長孔52Aが形成され、図3及び図4に示されるように、ボルト54及びナット56は、長孔52Aを貫通して取付基部52とラジエータサポートアッパ22とを締結するので、図2に示されるフード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突して図4に示されるロックベース44が長孔52Aの案内する方向に沿って車両下方側へ案内移動される場合には、ボルト54における長孔52Aを貫通する軸方向の締結荷重、すなわち、ボルト締結による軸力によって、ほぼ一定の反力が維持される。
【0040】
また、図2に示されるように、ロックストライカ32は、ロックベース44に当接可能な下軸部34の軸方向が、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に対して、垂直(略垂直)となっているので、フード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突した場合、ロックストライカ32は、該ロックストライカ32に作用した荷重をロックベース44に効率的に伝えて該ロックベース44を移動させる。このため、ロックベース44を移動させるのに必要な衝突体70からの入力荷重は、低減されるので、衝突体70への反力の増加が低減される。
【0041】
補足すると、図3に示されるロックストライカ32とメインラッチ42との係合状態において、ロックストライカ32は、ロックベース44に対して下軸部34の軸方向へは荷重を伝えることはできず、ロックベース44に対して下軸部34の軸方向に垂直な方向へ荷重を伝えることになる。このため、ロックストライカ32の下軸部34の軸方向が車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に対して、垂直(略垂直)であれば、ロックストライカ32は、ロックベース44を効率的に押圧することができる。
【0042】
また、図2に示されるように、車両側面視において、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの面方向(矢印C方向)が、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に、一致(略一致)するので、フード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突した場合、ロックストライカ32からロックベース44への荷重入力方向と、ロックベース44における取付面44Bの面方向(矢印C方向)と、ロックベース44の案内移動される方向とが一致(略一致)し、ロックストライカ32からロックベース44への荷重fがロックベース44を効率的に移動させる。すなわち、衝突体70からの入力ベクトルの方向(矢印A方向参照)と、ロックベース44を移動させるロックベース44への入力ベクトルの方向とが、一致(略一致)するので、ロックベース44を移動させるのに必要な衝突体70からの入力荷重は、低減されることになり、衝突体70への反力の増加が低減される。
【0043】
さらに、図3に示されるように、車両側面視において、ロックストライカ32からロックベース44への入力位置Bが、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの延長線44L上に設定されているので、図2に示されるフード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突した場合、ロックベース44における取付面44Bの面方向(矢印C方向)の設定と相俟って、図3に示されるロックストライカ32からロックベース44への荷重fの入力に伴うロックベース44とラジエータサポートアッパ22とのボルト取付位置D(取付点)に作用するモーメントが、防止又は抑制される。
【0044】
補足すると、ロックベース44への入力方向(矢印fで示される方向)と、ロックベース44における取付面44Bの面方向(矢印C方向)と、が成す入力角θが0°となり、また、ロックストライカ32からロックベース44への入力位置Bと、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bとは、取付面44Bの延長線44Lを含んで(延長線44Lの延在方向に)延びる仮想直線に対しての垂直な方向でのオフセット量Sが0となるので、ロックベース44への入力荷重をf、入力位置Bとボルト取付位置Dとの距離をU、ボルト取付位置Dでの支持点モーメントをMとすると、M=U×fsinθ+S×fcosθ=0となる。このため、ロックベース44は、衝撃吸収機構部50によって車両下方側へ案内された際にボルト取付位置Dでの所謂こじれを殆ど生じさせずに安定的に(矢印X方向に)移動する。
【0045】
次に、本実施形態に係るフードロック部構造のエネルギー吸収特性(F−S特性)を対比例と対比しながら示す。図5は、本実施形態に係るフードロック部構造及び対比例のF−S特性、すなわち、変形ストロークと荷重(反力)との関係をグラフ化したものである。図5の実線は、本実施形態に係るフードロック部構造のF−S特性を示す。
【0046】
一の対比例とされる図5の一点鎖線Kは、車体側に固定されたフードロック装置のロックベースに対してフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合にロックベースの取付部分を移動も離脱もさせない構造のF−S特性を示す。他の対比例とされる図5の点線Jは、車体側に固定されたフードロック装置のロックベースに対してフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合にロックベースの取付部分の一部を離脱させてロックベースを回転移動させる構造のF−S特性を示す。
【0047】
また、図5の一点鎖線K及び点線JでそれぞれF−S特性を示す対比例の構造は、いずれも、ロックストライカの下軸部の軸方向が車両斜め前方上側からフードへの入力方向に対して略垂直でなく(すなわち、垂直でなくかつ実質的に垂直といえる関係にもなく)、車両側面視において、ロックベースにおける車体側への取付面の面方向が車両斜め前方上側からフードへの入力方向と交差しており、かつ、車両側面視において、ロックストライカからロックベースへの入力位置が、ロックベースにおける車体側への取付面の延長線上から離間して設定されている。
【0048】
図5に示されるように、本実施形態におけるフードロック部構造のF−S特性は、変形ストローク(S)の前半では、対比例(一点鎖線K及び点線Jの場合)と同じ曲線を示しているが、変形ストローク(S)の後半では、対比例(一点鎖線K及び点線Jの場合)に比べて理想とする荷重値付近で長く推移している。本実施形態におけるフードロック部構造は、一の対比例(一点鎖線Kの場合)のように早く底付き状態になるということがないので、所定量の変形ストロークが確保されており、また、他の対比例(点線Jの場合)のようにロックベースの取付部分の一部における離脱後に極めて低反力になるということがないので、適度な反力が維持されている。
【0049】
すなわち、本実施形態のフードロック部構造では、締付孔の長孔化及び締付トルクの管理がなされるために、変形ストローク(S)の後半において荷重がほぼ一定に維持されている。
【0050】
また、本実施形態のフードロック部構造では、図2に示されるロックストライカ32の下軸部34の軸方向が車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に対して垂直(略垂直)に設定され、かつ、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの面方向(矢印C方向)が、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に、一致(略一致)していることで、図5の点線Jで示される対比例(ロックベースの離脱に必要な荷重がフードへの入力の分力となる場合)に比べても荷重を抑えることができる。
【0051】
さらに、本実施形態のフードロック部構造では、車両側面視において、図2に示されるロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの面方向(矢印C方向)が、車両斜め前方上側からフード14への入力方向(矢印A方向)に、一致(略一致)し、かつ、図3に示されるロックストライカ32からロックベース44への入力位置Bが、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの延長線44L上に設定されているので、図5の点線Jで示される対比例に比べて所謂こじれを効果的に抑制又は防止することができ、ロックベース44を安定的に移動させることができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係るフードロック部構造では、図2に示されるフード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突した場合に、フード14の移動ストロークを効率的にかつ安定的に延ばすことができ、また、衝突体70への反力をほぼ一定に維持できて効率的にエネルギー吸収をすることが可能となる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るフードロック部構造について、図6を用いて説明する。図6には、本発明の第2の実施形態に係るフードロック部構造が正面図にて示されている。この図に示されるように、第2の実施形態に係るフードロック部構造は、長孔52A(図4参照)に代えて、貫通部としての切欠部52Bを備える点で、第1の実施形態に係るフードロック部構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
図6に示されるように、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付部60には、衝撃吸収手段としての衝撃吸収機構部62が設けられている。衝撃吸収機構部62は、ロックベース44の一部を構成する取付基部52を備えており、取付基部52は、正面視で上方側が開口した略U字形状に形成されている。取付基部52には、略車両上下方向(ロックベース44を車両下方側へ案内する方向)を長手方向とする取付用の切欠部52Bが貫通形成されている。
【0055】
また、ボルト54が車両前方側から切欠部52Bの下部及びラジエータサポートアッパ22を貫通し、第1の実施形態と同様に、ボルト54の先端側には、ラジエータサポートアッパ22側に配設されたナット56(図3参照)が螺合されている。すなわち、ボルト54及びナット56(図3参照)が取付基部52とラジエータサポートアッパ22とを締結している。このため、衝撃吸収機構部62は、ロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合に衝撃荷重fに抗しながらロックベース44を車両下方側へ案内してエネルギーを吸収するようになっている。このような構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0056】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るフードロック部構造について、図7を用いて説明する。図7には、本発明の第3の実施形態に係るフードロック部構造が正面図にて示されている。この図に示されるように、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への第三の取付部60が設けられる点で、第1の実施形態に係るフードロック部構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
図7に示されるように、ロックベース44の下部からは、車幅方向の一方側へ向けて張出部64が延設されている。張出部64の先端部は、ラジエータサポートアッパ22側への取付用となる取付片部64Aとされている。取付片部64Aには、車両上方側が開口するように正面視で凹状に切り欠かれた切欠部164Aが形成されている。切欠部164A内は、車両前方側から挿通されたボルト66によって貫通されており、このボルト66は、ラジエータサポートアッパ22を貫通すると共に、その先端部側がナット(図示省略)によって螺合されている。
【0058】
この取付片部64Aにおけるラジエータサポートアッパ22への取付面(図示省略)は、車両側面視において、図3に示される取付基部52におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの延長線44L上に設定され、また、車両側面視において、図7に示される取付片部64Aにおける前記取付面の面方向は、図3に示される取付基部52における取付面44Bの面方向(矢印C方向)と一致(略一致)した方向に設定されている。
【0059】
取付片部64Aは、ロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合に、ボルト66から外れて車両下方側へ移動するようになっている。すなわち、この取付片部64Aの取付部60は、衝撃荷重fが入力された場合に取付片部64Aがボルト66から外れるまでは衝撃荷重fに抗するが、取付片部64Aがボルト66から外れた後には反力を発生させずかつロックベース44の車両下方側への案内にも寄与しない構成になっている。
【0060】
このような構成によれば、取付片部64Aがボルト66から外れた後には、前述した第1実施形態とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0061】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係るフードロック部構造について、図8を用いて説明する。図8には、本発明の第4の実施形態に係るフードロック部構造が正面図にて示されている。この図に示されるように、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への一の(図中左側の)取付部60がロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合にも車両下方側へ移動しない点で、第1の実施形態に係るフードロック部構造とは異なる。なお、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図8に示されるように、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22側への取付部60は、三箇所となっている。ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付部60のうち、車幅方向の一方側(図8の左側)には、ロックベース44の一部を構成する取付片部74が配設されている。取付片部74には、その中央部に丸孔とされた取付孔74Aが貫通形成されている。取付孔74A内は、車両前方側から挿通されたボルト76によって貫通されており、このボルト76は、取付孔74A及びラジエータサポートアッパ22を貫通すると共に、その先端部側がナット(図示省略)によって螺合されている。
【0063】
ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付部60のうち、車幅方向の他方側(図8の右側)には、衝撃吸収手段としての衝撃吸収機構部80が設けられている。衝撃吸収機構部80は、ロックベース44における車幅方向の他方側(図8の右側)において上下に配設される取付基部52を備えている。これらの取付基部52に形成された貫通部としての長孔52Cは、取付片部74のラジエータサポートアッパ22への取付用とされるボルト76を中心とした円弧状に形成されている点で、第1の実施形態における長孔52A(図4参照)と異なるが、長孔52Cの機能は、第1の実施形態における長孔52A(図4参照)と実質的に同様である。また、ボルト54は、車両前方側から長孔52Cの下部及びラジエータサポートアッパ22を貫通しており、その先端側には、ナット56(図3参照)が螺合されている。
【0064】
すなわち、ロックベース44は、ラジエータサポートアッパ22に対してボルト76回りに回転移動可能に取り付けられており、衝撃吸収機構部80は、ロックベース44にフード上方側から所定値以上の衝撃荷重fが入力された場合に衝撃荷重fに抗しながらロックベース44を車両下方側へ回転移動させるように案内してエネルギーを吸収するようになっている。
【0065】
なお、取付片部74におけるラジエータサポートアッパ22への取付面(図示省略)は、車両側面視において、取付基部52におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの延長線44L(図3参照)上に設定され、また、車両側面視において、図8に示される取付片部74における前記取付面の面方向は、取付基部52における取付面44Bの面方向(図3の矢印C方向参照)と略一致(略一致)した方向に設定されている。
【0066】
上記構成によれば、車両正面視での衝撃荷重fの入力方向とロックベース44の移動方向とが一致しないため、第1実施形態に比べれば、ロックベース44を移動させるための効率が若干良くないが、図2に示されるフード14の前端部14A付近に衝突体70が衝突した場合、衝突体70への反力をほぼ一定に維持でき、効率的なエネルギー吸収ができる。
【0067】
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、衝撃吸収機構部50、62、80は、ロックベース44の一部を構成してロックベース44を車両下方側へ案内する方向を長手方向とする取付用の貫通部(長孔52A、切欠部52B、長孔52C)が貫通形成された取付基部52と、前記貫通部(長孔52A、切欠部52B、長孔52C)を貫通して取付基部52とラジエータサポートアッパ22とを締結する締結手段(ボルト54及びナット56)と、を備えているが、衝撃吸収手段は、例えば、ロックベースとは別体とされてロックベースにおける車体側への取付部分の背後(車両後方側となる位置)に配設されて車体側に固定されかつロックベースを車両下方側へ案内する方向を長手方向とする貫通部(長孔、切欠部等)が貫通形成された案内プレートと、前記案内プレートの貫通部を貫通して前記取付部分と前記案内プレートとを締結する締結具(締結手段)と、を備えた衝撃吸収機構部等のような他の衝撃吸収手段であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、ボルト54が取付基部52の貫通部(長孔52A、切欠部52B、長孔52C)を車両前方側から貫通してその先端側にナット56が螺合されることで、取付基部52とラジエータサポートアッパ22とを締結しているが、例えば、ナット56を配設する代わりに車体としてのラジエータサポートアッパ(22)に雌ねじ部を形成し、前記雌ねじ部がボルト(54)の先端側に螺合されることで、取付基部(52)とラジエータサポートアッパ(22)とが締結されるような構成としてもよい。また、例えば、車体側に配設されたスタッドボルトが取付基部の貫通部を車両後方側から貫通すると共にその先端側にナットが螺合されることで、取付基部と車体側とを締結するような構成としてもよい。
【0069】
さらに、上記実施形態では、車両側面視において、ロックストライカ32からロックベース44への入力位置Bは、ロックベース44におけるラジエータサポートアッパ22への取付面44Bの延長線44L上に設定されているが、ロックストライカから車体側への入力位置は、ロックベースにおける車体側への取付面の延長線上の近傍(換言すれば、ロックベースにおける車体側への取付面の延長線上に設定された場合と実質的に同様の作用及び効果が得られるような、実質的に延長線上と把握される延長線の近接位置)に設定されていてもよい。
【0070】
なお、請求項3の「略垂直に設定」の概念には、上記実施形態のように、「垂直に設定」が含まれる他、垂直に設定した場合と実質的に同様の作用及び効果が得られて実質的に垂直と把握される方向に設定するものも含まれる。
【0071】
また、請求項4の「略一致させる」の概念には、上記実施形態のように、「一致させる」が含まれる他、一致させた場合と実質的に同様の作用及び効果が得られて実質的に一致させていると把握されるものも含まれる。
【0072】
なお、フードロック部構造は、請求項1記載の衝撃吸収手段(請求項2の構成の場合を含む)を有し、かつ、(1)ロックストライカは、ロックベースに当接可能な棒状の下軸部を備え、下軸部の軸方向が、フードへの車両斜め前方上側からフードへの入力方向に対して、略垂直に設定されていること(請求項3)、(2)車両側面視において、ロックベースにおける車体側への取付面の面方向を、車両斜め前方上側からフードへの入力方向に、略一致させること(請求項4)、(3)車両側面視において、ロックストライカからロックベースへの入力位置が、ロックベースにおける車体側への取付面の延長線上又はその近傍に設定されていること(請求項5)、における(1)〜(3)の少なくとも一の要件を満たす他のフードロック部構造であってもよい。また、フードロック部構造は、請求項1記載の衝撃吸収手段(請求項2の構成の場合を含む)を有するが、上記(1)〜(3)のいずれをも満たさないフードロック部構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフードロック部構造を備えた車両の前部を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るフードロック部構造を示す側面図である。
【図4】図3の4線矢視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るフードロック部構造のF−S特性を対比例と対比しながら示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るフードロック部構造の正面図(図3と同様の方向から見た図)である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るフードロック部構造の正面図(図3と同様の方向から見た図)である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るフードロック部構造の正面図(図3と同様の方向から見た図)である。
【符号の説明】
【0074】
14 フード
22 ラジエータサポートアッパ(車体)
32 ロックストライカ
34 下軸部
42 メインラッチ(ロック手段)
44 ロックベース
44B 取付面
44L 延長線
50 衝撃吸収機構部(衝撃吸収手段)
52 取付基部
52A 長孔(貫通部)
52B 切欠部(貫通部)
52C 長孔(貫通部)
54 ボルト(締結手段)
56 ナット(締結手段)
60 取付部
62 衝撃吸収機構部(衝撃吸収手段)
80 衝撃吸収機構部(衝撃吸収手段)
A フードへの入力方向
B 入力位置
C 取付面の面方向
f 衝撃荷重

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フード側に取り付けられ、車体側のロック手段と係合可能なロックストライカと、
前記車体側に取り付けられると共に前記ロック手段が配設され、前記フードの閉止状態では前記ロックストライカを支持可能なロックベースと、
前記ロックベースにおける前記車体側への取付部に設けられ、前記ロックベースにフード上方側から所定値以上の衝撃荷重が入力された場合に前記衝撃荷重に抗しながら前記ロックベースを車両下方側へ案内してエネルギーを吸収する衝撃吸収手段と、
を有することを特徴とするフードロック部構造。
【請求項2】
前記衝撃吸収手段は、
前記ロックベースの一部を構成して前記ロックベースを車両下方側へ案内する方向を長手方向とする取付用の貫通部が貫通形成された取付基部と、
前記貫通部を貫通して前記取付基部と前記車体側とを締結する締結手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のフードロック部構造。
【請求項3】
前記ロックストライカは、前記ロックベースに当接可能な棒状の下軸部を備え、前記下軸部の軸方向が、車両斜め前方上側から前記フードへの入力方向に対して、略垂直に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフードロック部構造。
【請求項4】
車両側面視において、前記ロックベースにおける前記車体側への取付面の面方向を、車両斜め前方上側から前記フードへの入力方向に、略一致させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のフードロック部構造。
【請求項5】
車両側面視において、前記ロックストライカから前記ロックベースへの入力位置が、前記ロックベースにおける前記車体側への取付面の延長線上又はその近傍に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のフードロック部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−57708(P2009−57708A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223762(P2007−223762)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】