説明

ブリスターの充填量を検査する方法

【課題】ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の体積を検査する方法を提供する。
【解決手段】測定システム(3)の測定領域(9)に、反射性で粉末物質の薄層で満たされた複数のポケット(11)をもつブリスターパック(5)をもたらす段階(40);粉末物質(13)を近赤外放射にさらす段階(42);ポケット(11)から反射される放射を検出し、ポケット(11)に対する実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲を記録する段階(44);実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲に対して、実際の反射スペクトル(25b)で表示された強度に関連した実際の値を計算する段階(46);実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲において、計算された実際の値と基準値とを比較する段階(48);比較結果の関数として粉末物質(13)の濃度に対する層厚さの比を検査する段階(50)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の体積を検査するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
数年前まで、ブリスターパックのポケットにおける粉末形式の薬は、粉末物質の正確な量がポケット内に存在することを確かめる、とても複雑な秤量器によって秤量されていた。しかしながら、秤量器の複雑さのために、ランダムに抽出したサンプルを扱うことのみが可能であった。
【0003】
改善として、ブリスターパックポケットの中の粉末の少量の体積を、容量測定センサによって測定することが提案された。このタイプの方法は、例えば特許文献1で知られている。この方法では、ブリスターパックの個々のポケット内の粉末物質の容量測定パラメータが測定され、このようにして得られた値に基づいて、ブリスターパックのそれぞれのポケット内に存在する量が決定されうる。これらのタイプの方法の不利点は、別個のセンサ、およびそれに関連する電子回路が、それぞれの個々のポケットに提供されなければならないために、測定センサシステムがとても複雑となることである。
【0004】
近赤外において動作させる測定装置も知られている。それらは、タブレットまたは粉末物質内に存在している分子混合物のNIRスペクトルを記録することができる(例えば特許文献2)。製品に特定された波長での関連する吸収強度を比較することによって、関連する重量分布、すなわち混合物における個々の物質の濃度、についての結論を引き出すことが可能である。しかしながら、固体または粉末の混合物の量の絶対的な定量は、通常、NIR分光法を使ってできない。というのは、いわゆる異方性効果の結果として、分光器応答信号は、放射が通過する層厚さに直接的に比例しないからである。
【特許文献1】欧州特許第1 193 177A号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 887 638A号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブリスターパッケージマシンの高い生産速度においてさえも、信頼性があり、速やかな方法で、複雑な機器を要せずに、それぞれの個々のポケットを満たす物質の量を監視することが可能であるような手段によって、ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の体積を検査する方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の体積を検査するための新規な方法は、以下の段階:
−−測定装置の測定領域に少なくとも1つのブリスターパックを提供する段階であって、反射性となるよう設計され、粉末物質の薄層で満たされた複数のポケットを、該ブリスターパックが有するようにする段階と;
−−前記ブリスターパックのポケットの少なくとも1つにおける粉末物質を、近赤外放射にさらす段階と;
−−前記ポケットから反射される放射を検出することによって、実際の反射スペクトルの少なくとも一部の範囲を記録する段階と;
−−実際の反射スペクトルの少なくとも一部の範囲に対して、実際の反射スペクトルで表示された強度に関連した実際の値を計算する段階と;
−−実際の反射スペクトルの少なくとも一部の範囲において、計算された実際の値と、少なくとも1つのモデルスペクトルにおいて表示された強度に関連した対応する基準値と、を比較する段階と;
−−前記比較結果の関数として、粉末物質の濃度に対する層厚さの比を検査する段階と、
を有することを特徴とする。
【0007】
粉末物質の濃度に対する層厚さの比と、粉末物質の量との間の比例をベースにして、生産量およびパッケージラインの速度を減じることを必要とせずに、粉末物質の体積がポケットのおよその何らかの望ましい数で容易に検証できる、ということがかなえられる。
【0008】
通常の場合、それぞれのモデルスペクトルは、以下の段階:
−−所定の層厚さの粉末物質で満たされた複数のポケットを少なくとも1つのブリスターパックに提供する段階と;
−−前記ブリスターパックの少なくとも1つのポケットにおける粉末物質を、近赤外放射にさらす段階と;
−−前記ポケットから反射された放射を検出することによって、モデルスペクトルの少なくとも一部の範囲を記録する段階と、
を用いて得られることになる。
【0009】
このようにして、信頼性のあるモデルスペクトルが作られ、検査される粉末物質の特定の特性、および測定の幾何学的な条件に対して、調整(キャリブレーション)される。
【0010】
互いに比較されうるデータが容易にスペクトルから抽出されうるように、前記基準値は、実際の反射スペクトルから実際の値が計算されるのと同じ方法で、モデルスペクトルから計算される。
【0011】
他の新規な方法の利点は、いくつかのブリスターパックが、コンベヤーベルト上を、測定装置の測定領域に断続的に運ばれるか、または、コンベヤーベルト上を、測定装置の測定領域を通して連続的に運ばれる、ということである。
【0012】
スペクトルが速やかに記録されうるように、前記ポケットから反射された放射を、2つのミラーを使うことによって検出し、そのそれぞれが、スペクトロメータに反射される放射を伝えるように、1つの方向に動くことができる、ということが有利である。従って、ただ1つのスペクトロメータが使われる場合でさえも、測定領域に位置するブリスターパックのすべてのポケットが、連続的に、極めて短い期間に検査されうる。
【0013】
検査手順の質を保証するために、いくつかの異なったモデルスペクトルを、それぞれの個々のポケットの局所的な方向の関数として記録することが有利である。
【0014】
測定精度内の非常に小さな偏差さえも回避するために、粉末物質が近赤外放射にさらされる前に、ポケットにおける粉末物質の重心がカメラを用いて記録され、また計算される。そして、ミラーは、このようにして決定された重心に基づいて調整される。
【0015】
反射スペクトルが粉末物質の圧縮度に依存してかなり変化するので、粉末物質が近赤外放射にさらされる前に、粉末材料によって覆われた2次元領域を検査するカメラを用い、それによってそれの圧縮度を決定することが有利である。
【0016】
強度カーブの比較を容易にする特別な実施の態様においては、前記実際の値と前記参考値が、実際の反射スペクトルとモデルスペクトルの強度カーブの1次または2次導関数として計算される。しかしながら、回転補正またはウェーブレット解析(画像信号解析)のような他の数学的な方法を使うこともできる。
【0017】
正しくない充填レベルを検出するために使われる新規な方法の実施の態様では、前記実際の値が前記基準値と所定の値だけ異なるならば、前記実際の値と前記基準値との比較は負の評価を与え、それの結果としてブリスターパックに対する除去の基準が生成される。
【0018】
前記実際の値を、異なった層厚さで異なった濃度の粉末物質から記録されたいくつかのモデルスペクトルの基準値と比較することは、特に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の方法による追加の詳細、特徴、および利点は、図面を参照する以下の説明から導出することができる。
【0020】
図1は、新規な方法を実行するのに適したNIR測定システム3を示す。検査されるべきブリスターパック5は、コンベヤーベルト7上を、断続的または連続的のいずれかによってNIR測定システム3の測定領域9に輸送される。図1に示すように、いくつかのブリスターパック5が、コンベヤーベルト7上で互いに隣り合うよう整列されうる。また、これらのパックの一つ一つが、いくつかの数のポケット11を有することができ、それらポケットは、通常、行と列に整列される。
【0021】
ポケット11は、コンベヤーベルト7の方に下方へ曲がり、粉末物質13によって満たされる、その粉末物質はそれぞれのポケット11内でただ一つの薄層を形成する。新規な方法のためには、0.5〜1.5mmの範囲で層厚さが望ましい。しかし、良好な結果は約2mmまでの厚さにおいて得られうる。
【0022】
個々のポケット11は、例えばアルミニウムまたは何らかの他の反射性材料から成り、ポケット11の材料の体積を検査するための測定が困難なしに遂行できるように、まだ保護フィルムによって覆われていない。ポケット11は、品質管理手順の後にシールされる。
【0023】
個々のブリスターパック5が、図1に示すような例えば3列の繰り返しパターン下にある測定領域9に送られることが望ましい。この新規な方法は、コンベヤーベルト7の速い速度においてさえ、依然としてそれぞれの個々のブリスターパック5の全ポケット11を、毎秒200ポケットに達する速度で検査することが可能なものとなる。
【0024】
NIR測定システム3は、1つ、または好ましくは複数のNIRランプ15から成り、それは近赤外放射によって全測定領域9をカバーする。分光吸収の後に、いくらかの励起均一NIR光が、粉末物質13を通過するのにつれて直接分子結晶によってすべての方向に反射される。しかしながら、反射される放射のいくらかと、さらに吸収されない励起NIR光は、粉末材料13の全層を通過し、ポケット11の底から反射されて、その上で再び粉末混合物と相互作用する。ポケット11からこのようにして反射される光は、少なくともスペクトルの部分的な範囲において、通過した層厚さとの絶対的な強度相関を持っている。−−これは驚くべきことである。最初の非等方性散乱は、ポケットの底からのミラー性反射によって、そして粉末物質を通ったNIR放射の第2の通過によって均質化され、結果としてポケットから反射される放射の強度が放射された層の厚さに比例する、と想定される。
【0025】
通常の場合、x方向に動くことのできるミラー17、およびy方向に動くことのできるミラー(しかし図1では、簡単さのために、ただ1つのミラーが示されている)は、ポケットから反射される放射を受け取るために、例えばスペクトロメータ21にファイバー光学ケーブル19を通してそれを伝達するために使われる。スペクトロメータ21では、放射が、その種々の波長に分割され、そして信号がアナログ−デジタル・コンバータ23によって強度スペクトル25に変換される。この強度スペクトル25は、全NIR範囲、またはそれの一部のみにわたって広げることができる。結果としての強度カーブは、それぞれの波長に対する反射された放射の強度を示す。モデルスペクトル25aと実際の検査の際に記録された実際の反射スペクトル25bは、いずれも、強度スペクトル25に変換されうる。記録されたスペクトル25a、25bは、評価ユニット27で評価される。
【0026】
選択肢として、測定領域9の上流または測定領域9の直上にカメラ29を提供することができ、そのカメラは、空のものがあるか、あるいは粉末物質13が非常に圧縮されているかを決定するべきポケット11に対する予めの検査を行なう。後者は、粉末によってカバーされた2次元領域の大きさによって:つまり、圧縮された粉末がより小さな領域をカバーすることによって、決定されうる。さらにカメラ29は、種々のポケット11内の粉末物質13の重心を決定するために使うことができ、その上では、電子的に制御されたミラー17の動きが、スペクトロメータ21に導かれたビームが常にポケット11の重心から反射される、という方法で調整される。そうでなければ、測定は、単にポケット11の中心において遂行される。ミラーの動きを制御するプロセスは極めて複雑であり、そして制御ユニット(図示しない)を用いて自動的に実行される。制御ユニットにおいて予めプログラムされた一連のミラーの動きが開始され、あるいは、それらのシーケンスが、ポケット11内の粉末物質に関する重心に対して、カメラ29によって送られた信号との強調によって急速に修正されうる。
【0027】
図2はモデルスペクトル25aを記録するための方法32の流れ図である。これは、ポケット11内の材料の体積についての以下ようなの検査の際に、検査されるべきポケット11の実際に記録された実際の反射スペクトル25bと比較される。それは、以前の測定結果を平均することによって、または、わずかに異なった特性、例えば少し異なった層厚さか、少し異なった組成、を有する物質の類似する測定スペクトルからの導出によって得られたスペクトルを、モデルスペクトル25aとして使うことも可能である。
【0028】
しかしながら、通常の場合、ポケット11に対するモデルスペクトルは、多くのポケット11を有するいくつかのブリスターパック5を測定領域9にもたらすことによって得られ、その測定領域では、粉末物質13は、最大で2.0mmの、好ましくは0.5〜1.5mmの、以前に決定した層厚さと、ある好ましい圧縮度をもっている(ステップ34)。前述のように、移動可能なミラー17とスペクトロメータ21の同時使用によって、多くの異なったポケット11に対するモデルスペクトル25aを記録することが可能であり、そこでは、それぞれのポケットの位置またはそれぞれの検出角のために、システムを調整(キャリブレーション)することが極めて重要である。
【0029】
放射の固定された角度と固定された検出角に加えて、信号強度と層厚さとの間の正確な相関関係を確立する他の重要な基準は、測定時間にわたっての粉末混合物の一定の平均濃度の仮定である。これが保証できないならば、基本的な測定自体を遂行することだけでなく、実際の測定に先立って多数のキャリブレーション関数を選択するために次に使われる相関係数を決定することも、必要となる。あらゆる場合において、得られた層厚さと粉末物質の濃度との間の比は粉末物質の量に直接比例する。
【0030】
ブリスターパック5のすべてのポケット11内の粉末物質13がNIRランプ15によって近赤外放射にさらされる時(ステップ36)、ポケット11から反射された放射は、ミラー17とスペクトロメータ21へのファイバー光学ケーブル19とによって導かれ、そしてA/Dコンバータ23によってモデルスペクトル25aに変換される(ステップ38)。
【0031】
図3は、ブリスターパックのポケット内の充填量を検査するための新規な方法の標準的な順番を示す。モデルスペクトル25aを記録する場合のように、最大で2.0mmの層厚さまでの粉末物質13で満たされた、複数のポケット11を有するいくつかのブリスター5が、コンベヤーベルト7により、NIR計測装置3の測定領域9に運ばれる(ステップ40)。ブリスターパック5のポケット11内の粉末物質13は、NIRランプ15を用いて近赤外放射にさらされる(ステップ42)。それぞれのポケット11から反射された放射の、少なくともある一部の範囲が、実際の反射スペクトル25bに変換される(ステップ44)。その範囲では、実際の反射スペクトル25bの生成が、モデルスペクトル25aの記録に類似した方法で進められ。このことは図2を参照して上述された。
【0032】
ここで評価ユニット27では、実際の反射スペクトル25bで表示された強度に関連した実際の値が、ステップ46で計算される。これらの実際の値の例は、強度カーブ自体、その強度カーブの1次導関数、およびその強度カーブの2次導関数である。しかしながら、回転補正またはウェーブレット解析(画像信号解析)のような数学的な方法を用いて記録された強度と直接的な関係にある他の実際の値を計算することも可能である。ステップ48では、計算された実際の値が、評価ユニット27において、対応する基準値と比較される。その基準値は、可能ならば、実際の値が実際の反射スペクトルにおける強度に関連付けるのと正確に同じ方法で、モデルスペクトル25aで表示された強度に関連付けられる。基準値の計算においては、実際の値を計算するのに使ったのと同じ計算ステップを使うことが望ましい。
【0033】
検査される粉末物質に応じ、スペクトルの少なくともある範囲においては、実際の値と、粉末物質13の異なった層厚さに対する基準値との間に、偏差を示す、ということが発見された。これらの範囲を評価することによって、それぞれのポケット11内の粉末物質13の層厚さが、比較の結果の関数として検査されうる(ステップ50)。
【0034】
既に上述のように、可視光線範囲での追加のカメラ29は、個々のポケット11内の粉末物質13の重心を決定するために、および/または、粉末材料がポケット11をカバーする2次元領域に基づいて粉末材料13の圧縮度の予めの検査を遂行するために、使うことができる。
【0035】
しかしながら、圧縮された材料に対する実際の反射スペクトル25bの強度値が、より圧縮度の低い粉末13に対して得られる実際の値とは明白に異なるという事実に基づいて、非常に圧縮されているかを決定することも可能である。
【0036】
そのスペクトルと、粉末物質13の異なった濃度に対して記録された多くの異なったモデルスペクトル25aに基づく粉末物質13の濃度に対する層厚さの比と、の間の相関関係を確立することは有利である。
【0037】
従って、ポケット11を満たす量が予め設定された許容誤差を逸脱したブリスターパック5と、材料が過度に圧縮されたパックの両方を分類し除外することができる。
【0038】
このようにして、信頼性のある方法で、高い生産速度においてさえも、すべてのブリスターパック5のそれぞれの個々のポケット11を、一つの計測装置3を用いて自動的に検査できるような、種々のブリスターパック5のポケット11内の充填量を検査するための方法が、作り出される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の、体積を検査する新規な方法を実行するための、NIR測定システムの概略斜視図である。
【図2】新規な方法で使われるモデルスペクトルを記録する望ましい方法の流れ図である。
【図3】ブリスターパックのポケットを満たす粉末物質の薄層の形態にある材料の、体積を検査する新規な方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0040】
3 NIR計測装置
5 ブリスターパック
7 コンベヤーベルト
9 測定領域
11 ポケット
13 粉末材料
15 NIRランプ
17 ミラー
19 ファイバー光学ケーブル
21 スペクトロメータ
23 A/Dコンバータ
25 スペクトル
25a モデルスペクトル
25b 反射スペクトル
27 評価ユニット
29 カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブリスターパック(5)のポケット(11)を満たす粉末物質(13)の薄層の形態にある材料の体積を検査する方法であって:
−−測定システム(3)の測定領域(9)に少なくとも1つのブリスターパック(5)を提供する段階(40)であって、反射性となるよう設計され、粉末物質(13)の薄層で満たされた複数のポケット(11)を、該ブリスターパックが有するようにする段階と;
−−前記ブリスターパック(5)のポケット(11)の少なくとも1つにおける粉末物質(13)を、近赤外放射にさらす段階(42)と;
−−前記ポケット(11)から反射される放射を検出することによって、それぞれのポケット(11)に対する実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲を記録する段階(44)と;
−−実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲に対して、実際の反射スペクトル(25b)で表示された強度に関連した実際の値を計算する段階(46)と;
−−実際の反射スペクトル(25b)の少なくとも一部の範囲において、計算された実際の値と、少なくとも1つのモデルスペクトル(25a)において表示された強度に関連した対応する基準値と、を比較する段階(48)と;
−−前記比較結果(48)の関数として、粉末物質(11)の濃度に対する層厚さの比を検査する段階(50)と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
それぞれのモデルスペクトル(25a)は:
−−所定の層厚さの粉末物質(13)で満たされた複数のポケット(11)を少なくとも1つのブリスターパック(5)に提供する段階(34)と;
−−前記ブリスターパック(5)の少なくとも1つのポケット(11)における粉末物質(13)を、近赤外放射にさらす段階(36)と;
−−前記ポケット(11)から反射された放射を検出することによって、それぞれのポケット(11)に対するモデルスペクトル(25a)の少なくとも一部の範囲を記録する段階(38)と、
により得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準値は、実際の反射スペクトル(25b)から実際の値が計算されるのと同じ方法で、モデルスペクトル(25a)から計算されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
いくつかのブリスターパック(5)は、コンベヤーベルト(7)上を、測定システム(3)の測定領域(9)に断続的に運ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
いくつかのブリスターパック(5)は、コンベヤーベルト(7)上を、測定システム(3)の測定領域(9)を通して連続的に運ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポケット(11)から反射された放射は、2つのミラー(17)を使うことによって検出され、それぞれのミラーは、スペクトロメータ(21)に反射される放射を伝えるように、1つの方向に動くよう設計されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
いくつかの異なったモデルスペクトル(25a)が、それぞれのポケット(11)の局所的な方向の関数として記録されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
粉末物質(13)が近赤外放射で放射される段階(36,42)の前に、それぞれのポケット(11)における粉末物質(13)の重心がカメラ(29)を用いて記録され、また計算され、その状況で、ミラー(17)が問題となっている重心に調整されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
粉末物質(13)が近赤外放射で放射される段階(36,42)の前に、2次元領域が粉末材料(13)によって覆われ、それによって圧縮度がカメラ(29)を用いて検査されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記実際の値と前記参考値は、実際の反射スペクトル(25b)とモデルスペクトル(25a)の強度カーブの1次または2次導関数として計算され、または回転補正またはウェーブレット解析のような他の数学的な方法が使われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記実際の値が前記基準値と所定の値だけ異なるならば、前記実際の値と前記基準値との比較は負の評価を与え、それの結果としてブリスターパック(5)に対する除去の基準が生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記実際の値は、異なった層厚さで異なった濃度の粉末物質によって記録されたいくつかのモデルスペクトル(25a)の基準値と比較されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2008−281569(P2008−281569A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−126364(P2008−126364)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(508143867)ウールマン・ヴィジオテック・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】