説明

プラスチック層を生成する方法および装置

基板の上側に200μm未満の層厚を有したプラスチック層を製造する方法であって、
粉末散布装置によって基板上側にプラスチック粉末を塗布する工程と、
次に、基板下側を清掃する工程と、
提供したプラスチック粉末を炉内で溶解させ、その結果として、プラスチック層を基板上に形成する工程と、
この基板を冷却する工程と、を含み、
基板は、上記工程を順次連続的に運搬される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング材料としてプラスチック粉末を使用して例えば銅箔などの基板上に均一で薄いプラスチック層を生成する方法に関し、また、その方法を行なう装置に関する。特に、プリント回路のための基材は、そのプリント回路と共に生成されるように意図されている。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板を生成するために、金属層(例えば、銅層)および電気的に絶縁するプラスチック層を備えた積層物が多くの場合使用される。プラスチック層は、通常、例えばエポキシ樹脂などの誘電体である。そのような積層物のための従来の製造方法は、まず、溶剤を使用して銅層に液状の樹脂を塗布する工程を含んでいる。次に、炉内で乾燥させ、それによって溶剤が蒸発する。これは、孔隙率、ピンホール、溶剤の介在の増大などを含む多くの問題を、エポキシ樹脂の層に生じさせる原因となることがある。さらに、溶剤の使用は、環境を保護する観点からも不利である。
【0003】
特許文献1は、粉末の形態のコーティングを施すことによってコーティング層を生成する方法を開示しており、それは、溶解されてその後硬化される。特許文献2は、回転可能な測定ローラと、該ローラの溝から粉末を除去するスクレーパと、粉末塊を粉砕し、ローラから除去された粉末を分配する振動篩とを使用して、粉末の形態のコーティングを施す装置について記述している。特許文献3は、ブラシを具備した回転する粉末搬送ローラを備えた粉末散布機について記述しており、ブラシは、粉末搬送ローラの回転軸と平行な往復運動を行なうように駆動される。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、基板の裏側(粉末コーティングを施した側とは反対側)は、粉末粒子によって汚染されるという問題が存在する。これは、プリント回路基板用の基材を生成する場合に特に不利である。なぜならば、導体路を生成するための後続のエッチング処理中に、基板の領域が溶解した粉末によって覆われることがあり、したがってエッチングされず、廃棄せざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第103 13 555 1(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第1 577 653号明細書
【特許文献3】独国特許発明第25 43 197(C2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、基板上にプラスチック層を生成する改良した方法を提供すると共に、そのような方法を行なう改良した装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特に、その意図は、プラスチック層を基板の片側に生成することであり、プラスチック層は、可能な限り孔がなく、また、200μm未満の層厚を有し、その層厚さ公差は小さい。また、その意図は、ランスルー(run−through:一連)システムにおける連続生成を可能にすることである。
【0008】
さらに、その意図は、本方法および本発明装置を使用して基板上に達成される約200
μmから10μmまでの層厚さに対するものである。本製造方法は、とりわけコスト効率が良く、環境にやさしい。溶剤は必要ない。
【0009】
本目的は、独立項に記載の特徴によって達成される。従属項は、本発明の実施形態について記述している。
本発明の1つの態様によれば、基板の上側で200μm未満の層厚さを有したプラスチック層を生成する方法が提供される。本発明にかかる方法は、粉末散布装置によって基板上側にプラスチック粉末を提供する工程と、次に、この基板下側を清掃する工程と、次に、前記プラスチック粉末を炉内で溶解し、その結果、基板上にプラスチック層を形成する工程と、基板を冷却する工程とを含んでいる。基板は、上記工程を順次連続的に運搬される。
【0010】
このように、本製造方法は、溶剤を使用せずに行なうことができる。基板下側の清掃工程は、プラスチック層によって覆われる領域が融解中に基板の下側に形成されないことをさらに確実にすることができる。プラスチック層は、基板の冷却中に凝固することができる。これによって、プラスチック・コーティングを施した基板が巻き取られ、運搬されるか、または、さらに処理されることを可能にすることができる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、粉末散布装置は、調量ローラを備えることが可能であり、プラスチック粉末は、調量ローラによって調量される。したがって、プラスチック粒状材料またはプラスチック粉末が、基板に非常に均一に塗布されることができ、均一な層が生成される。
【0012】
プラスチック粉末を調量ローラから掃い落とすことが可能であり、掃い落とし位置から、プラスチック粉末は、調量ローラから基板上に落ちる前に、まず少なくとも1つの篩上に落ちる。基板から下側の篩までの距離は、100mm未満であることが可能であり、好ましくは50mm未満であるか、または、特に好ましくは、20mmもしくは15mmである。その結果、基板上の粉末の均一な分布を確実にすることができる。
【0013】
さらに、プラスチック粉末のD50値(提供されるプラスチック粒子の粒径について定義する)は、プラスチック粉末が提供される前に所定値範囲に設定することが可能である。これは、例えば、粉砕、整粒処理、または篩い分け処理によって行なわれることが可能である。したがって、粒径は、粉末散布装置での使用に対して最適化されることができ、その結果、粉末の均一な提供が達成される。
【0014】
好ましくは、基板下側の清掃は、少なくとも1つの粘着ローラを備えた清掃装置によって行なわれる。粘着ローラの使用によって、基板下側に付着した粉末粒子を確実に除去することが可能である。
【0015】
この場合、清掃装置は、粘着ローラを駆動するモータ駆動装置を備えることが可能である。したがって、粘着ローラは、基板によって駆動される必要がない。このように、プラスチック粉末の均一な分布に悪影響を与える基板の振動を回避することが可能である。
【0016】
清掃は、少なくとも2つの清掃工程で行なわれることが可能である。第1清掃工程は、ブラシによる吸込および/または清掃を含み、第2清掃工程は、粘着ローラを備えた装置による清掃を含んでいる。その結果、一連の清掃を確実にすることができる。第1清掃工程は、例えば、基板下側に位置する粒子の80%以上を除去するように構成される。このように、完全な粒子除去が可能であり、粒子が蓄積することに伴う粘着ローラの早急な飽和を回避することができる。
【0017】
第1清掃工程は、例えば、動物もしくは人工毛、またはプラスチック繊維からなるブラシによって行なわれる。
粒径分布は、プラスチック粉末を提供する前に設定されることができ、その結果、層の生成に適している。プラスチック粉末は、10〜100μmの範囲のD50値の粒径分布を有することが可能であり、好ましくは、20〜80μm、または、特に好ましくは30〜70μmである。
【0018】
好ましくは、プラスチック粉末の提供は、均一に行なわれ、その結果、均一な層厚さ分布を有したプラスチック層が得られる。
プラスチック層は、プリント回路基板を生成するための基材として作用することができる。特に、生成されたプラスチック層は、プリント回路基板または導体箔の誘電体として作用することができる。基板は、例えば、箔、板、または細長片であることが可能である。基板は、絶縁または導体材料製であることが可能であり、好ましくは、銅、アルミニウム、または鋼などの金属製である。プラスチック層がプリント回路基板/導体箔の誘電体として使用される場合、プラスチック層が本発明にかかる製造方法の後に所謂「Bステージ特性」を有すれば、それは有利であり、つまり、完全には化学架橋されない。
【0019】
本発明の別の態様によれば、基板の上側で200μm未満の層厚さを有したプラスチック層を生成する装置が提供される。本発明装置は、基板の上側にプラスチック粉末を提供する粉末散布装置と、基板下側を清掃する清掃装置と、基板に提供されたプラスチック粉末を溶解させる炉と、冷却ゾーンと、本発明装置を通じて基板を連続的に運搬する運搬装置とを備える。
【0020】
同様の利点は、本発明にかかる方法と同様に、本発明装置でも達成できる。特に、溶剤の使用、および、基板下側のプラスチック・コーティングを施した領域の形成が回避される。
【0021】
本発明にかかる装置の一実施形態によれば、粉末散布装置は、プラスチック粉末用の調量装置として調量ローラを備えることが可能である。さらに、粉末散布装置は、調量ローラからプラスチック粉末を掃い落とすブラシを備えることが可能である。さらに、少なくとも1つの篩が、プラスチック粉末が掃い落とされる位置(掃い落とし位置)と基板との間に配置されることが可能である。
【0022】
粉末散布装置は、少なくとも1つの貯蔵容器と、調量装置と、分配装置とを備えることが可能である。
例として、粉末散布装置は、分配装置を備えることが可能であり、分配装置の下縁部と基板との間の距離は、100mm未満であり、好ましくは50mm未満であり、または、特に好ましくは20mmもしくは15mmである。適切な分配装置は、例えば、少なくとも1つの篩である。
【0023】
さらに、清掃装置は、少なくとも1つの粘着ローラを備えることが可能である。清掃装置は、粘着ローラを駆動する駆動装置を備えることが可能であり、その結果、粘着ローラを基板によって駆動する必要がない。
【0024】
本発明装置が、前述の清掃装置の前工程に配置されるさらなる清掃装置を備える場合、有利となる。前工程に配置されたさらなる清掃装置は、吸引装置および/またはブラシを備えることが可能である。
【0025】
さらなる清掃装置のブラシは、清掃要素として、動物もしくは人工毛またはプラスチック繊維およびそれらの組合せを備えることが可能である。これらは、基板下側の有効な清
掃を提供することができる。
【0026】
炉は、基板において、散布した粉末を備えた側とは反対側に配置される加熱要素を備えることが可能である。
本発明の別の態様は、上述した装置の使用、プリント回路基板または導体箔を生成するための基材として片側にプラスチック・コーティングを施された銅箔を生成するその実施形態のうちの1つの使用に関する。
【0027】
本発明装置を使用することによって生成される片側にプラスチック・コーティングを施された銅箔は、低い孔隙率および均一な層厚さを持ったプラスチック層を有することが可能である。その生成もまた、溶剤を使用することなしに行なうことができる。さらに、本発明装置の使用によって、銅箔の下側がプラスチック・フリーとなることを確実にすることができる。
【0028】
様々な実施形態にかかる装置および方法によって、プラスチック層は、使用可能な表面領域全体に亘って、公称層厚さからの、または、より大きな基板領域に亘って平均を取ることによって決定された平均層厚からの偏差を有した層厚さで堆積させることができる(偏差は、±30%未満であり、好ましくは±20%未満であり、特に好ましくは±10%未満である)。これは、50μm未満の公称層厚さも同様である。層厚さは、8cm未満の表面領域に亘るプラスチック層の重量測定によって判定される。粒径または粒径分布の設定が、本発明方法または装置において提供される場合、特に均一な層厚さを持ったプラスチック層を達成することができる。
【0029】
本発明の上記態様および実施形態の特徴は、組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかる装置の一実施形態において使用される粉末散布装置の模式的な断面図。
【図2】図1の調量ローラの拡大図を示しており、調量ローラに窪みを提供する境界設定要素の高さを示す図。
【図3】本発明にかかる方法の一実施形態にかかる処理シーケンスを示す図。
【図4】本発明にかかる装置の一実施形態の断面図を模式的に示しており、本実施形態は、図1に示される粉末散布装置を備えることを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、添付図面を参照して以下に説明される。図面においては、同一の参照符号は同一の要素を示している。
図は、単に、本発明を図示するための役割をなす模式図として理解されたい。従って、図中で示される要素は、互いに実測値を示すようには示されていない。
【0032】
本発明にかかる方法の一実施形態では、以下のように基板上に生成される。プラスチック層は、適切なシステムによって基板の上側でプラスチック粉末が均一に散布され、その後、基板の下側が清掃され、次に、塗布した粒状材料/粉末が溶解され、次に、冷却によって固体凝集状態に変化することによって基板上に生成される。その結果、均質なプラスチック層が形成される。これらの処理工程の前に、これらの処理工程の間で、およびこれらの処理工程の後に、例えば、粉砕処理、清掃工程、積層処理、切断処理などのさらなる処理工程を行なうことも可能である。このように、製造方法全体が溶剤の使用なしで行なわれる。
【0033】
プラスチック層を生成するために使用されるプラスチック粉末は、より細かいプラスチ
ック粉末およびより粗いプラスチック粒状材料の両方を含んでいる。
この方法を使用すると、他の材料も、均一な厚さの薄い層を形成するために随意に処理されることができる。この場合、基板は、上記工程を順次連続的に運搬される。
【0034】
プラスチック層の材料は、例えば、ポリエステル樹脂であることが可能である。適切な塗布装置によって、プラスチック粒状材料またはプラスチック粉末が、基板に非常に均一に塗布されることができ、したがって、均一な層を生成することができる。粉末散布装置が提案されている。これは、本質的に、分注装置、調量装置、および分配装置からなる。
【0035】
図1に示されるように、回転ローラ10は、調量装置、または、代わりに、分注装置3からの粉末を受け取る旋回ベルトとして提案されている。ローラ10の回転後に、受け取った粉末粒子は、それらが調量装置から除去される位置に達する。そこから、粉末は、所望の量で投入され、その下に位置する分配装置8上で既に比較的均一な分布となっている。そこから、粉末は、基板1上で所望の均一な分布で投入される。分注装置3(例えば、トラフ)は、調量装置に粉末の一定質量流を供給する。調量装置(例えば、ニードル・ローラ)は、可及的に一時的且つ物理的に均一な粉末の質量流を生じさせる作用をなす。分配装置(例えば、篩8)は、分配を改善する作用をなす。
【0036】
分注装置3は、粉末出口の近傍において、例えば、分注装置内の振動装置または回転刃の干渉なしに、粉末が分注装置から出ることを確実にする装置を備えることが可能である。ガス(例えば、窒素または空気)の分注装置3への供給が、粉末の流動化を実現するために提供されることも可能である。分注装置3は、少なくとも有効幅に亘って延びる粉末出口の開口を有することが可能である。有効幅は、基板上の所望の塗布幅である。
【0037】
ローラ10上に分注装置3から粉末を受け取るために、ローラ10は、境界設定要素(例えば、ニードル、ピン、バンプ、または壁)を使用することによる構造化した表面を有しており、その結果、ローラ表面は、外径に対して窪みを有している。装置(例えば、スクレーパ)によって、ローラ上の窪みは、均一な高さまで粉末で充填される。完成したプラスチック層の均一な層厚を実現するために、この充填レベルは、ローラの長さに沿って同一である。
【0038】
窪みの高さhは、図2に模式的に示されている。ここで、rは、ローラ10の外径を示している。窪みは、ローラの外径に対して、5mmの値を超えるべきでなく、好ましくは2.0mm、特に好ましくは1.5mmである。窪みは、外径に対して、少なくとも0.3mmの深さを有するべきであり、好ましくは0.5mm、特に好ましくは0.8mmである。例として、窪みは、外径に対して、0.3〜5mmの範囲の深さを有することが可能であり、好ましくは0.5〜2mmまたは0.8〜1.5mmである。
【0039】
境界設定要素間の距離は、塗布された粉末が次の工程で(例えば、ブラシによって)そこから除去される前に、それが窪みに詰まったままとなるように狭く選択されることができる。その表面上のローラの材料は、プラスチックまたは金属から作られることが可能である。境界設定要素の材料は、プラスチックまたは金属から作られることが可能であり、好ましくは金属から作られる。
【0040】
粉末は、ローラの回転の後に少なくとも部分的にそこから除去されるまで、ローラ表面の窪みに留まる。除去は、ブラシによって行なわれることが可能である。例えば、回転ブラシが考えられる。ブラシの回転方向は、好ましくはローラの回転方向に対向する。別の可能な配置は、ローラの軸芯と平行に延び、軸方向に振動するように移動されるブラシである。
【0041】
ブラシの毛は、プラスチックまたはセラミックから作られることが可能であり、好ましくは金属から作られる。ブラシの毛は、導電性であることが可能である。ブラシは、電位を持つことが可能であり、さらに、接地されることが可能である。イオン化気体(例えば、イオン化空気)の流れを、プラスチック粒子の付着を防止するためにブラシに与えることが可能である。掃い落とし位置(つまり、ブラシの毛がローラ表面と接触する位置)は、幾何学的なローラ軸と略(ローラ径の+/−30%)同一の高さに位置することが可能である。
【0042】
ブラシとローラとの間の平行度および窪み内へのブラシの毛の侵入深さは、粉末が付着したローラの全長に沿って可及的に均一とするべきである。偏差は、基板への粉末の均一な塗布を実現するために0.5mm未満であるべきであり、好ましくは0.1mm、特に好ましくは0.05mmである。
【0043】
基板上に散布した粉末層の均一性を改善するために、掃い落とし後の粉末は、まず篩式装置上に落ちることが可能である。この装置は、掃い落とし位置の下方に位置する。それは、例えば、メッシュ・スクリーン、多孔板であることが可能である。この篩式装置は、駆動装置によって動作させることが可能である。この運動は、好ましくは基板に対して平行な平面内である。それは、基板の運搬方向を横断して直線的に振動するように行なわれることが可能である。それは、基板と平行な平面内で、例えば、円運動で移動されることが可能である。
【0044】
篩の駆動は、独立していてもよい。さらに、ブラシおよび篩は、共通の駆動装置を使用することが可能である。篩式装置は、1枚からなることが可能である。それは、互いに重ねられた複数枚からなることも可能である。
【0045】
動作周波数は、例えば少なくとも10Hzであり、好ましくは少なくとも100Hz、特に好ましくは少なくとも200Hzである。最大動作周波数は、100,000Hz以上であることが可能である。篩動作に適した駆動装置は、とりわけ電気式および空気圧式モータまたは超音波発生器であることが可能である。篩式装置の下方には、上述したタイプの一または複数のさらなる篩式装置が配置されることが可能である。それらは、個別の動作パラメータを有した個別の動作駆動装置またはさらに共通の動作駆動装置を備えることが可能である。
【0046】
最も下の篩式装置と基板との間の離隔幅dは、最大で50mmであるべきであり、好ましくは25mm、特に好ましくは20mm、さらに特に好ましくは15mmである。その離隔幅は、最小で1mmであるべきであり、好ましくは2mm、特に好ましくは3mm、より特に好ましくは5mmである。
【0047】
最も下の篩式装置のメッシュ幅は、100μm〜1000μmであることが可能であり、好ましくは200μm〜800μmである。その上方に配置される篩式装置は、1mm〜10mmの孔径でより粗く構築されることが可能であり、好ましくは2mm〜6mmである。
【0048】
粒子が篩のうちの1つに詰まったままとなり、したがって篩の離隔幅が変わる状況を回避するために、少なくとも1つの篩は、機械的な衝撃によって、詰まった粒子を落とす篩のそのような振動を生成する装置を備えることが可能である。そのような装置は、篩の動作を介して駆動されることが可能である。この装置は、それと共に動作する物体の質量慣性を利用することが可能である。この物体は、動作している篩の各方向転換の終端位置でぶつかり、したがって篩に衝撃を生じさせることが可能である。
【0049】
基板は、塗布または粉末散布装置に対して速く動作されるので、所望の層厚さが実現される。しかしながら、実質的に一定の基板の速度を与えておき、分注装置の速度(つまり、例えばローラの回転速度)を変更するかまたは調整することも可能である。
【0050】
散布した層の十分な均一性を実現するために、平面的且つ水平に基板を案内することが役立つ場合がある。特に、これは、塗布装置の下方で役立つことがある。この案内は、例えば、基板の下方のテーブルまたは少なくとも2つのローラによって達成されることが可能である。
【0051】
一般に、粉末の散布と層の冷却との間で水平且つ平面的に基板を案内することは有利である場合がある。段差の高さは、最大10%であるべきであり、好ましくは最大7%、特に好ましくは最大5%である。
【0052】
さらに、ローラ駆動装置などの他の装置から可及的に小さく動作および振動するようにこの案内を構成することが役立つことがあり、その駆動装置を備えたブラシ装置またはその駆動装置を備えた篩式装置は、ピックアップされて基板上に送られる。例えば、上記の案内は、塗布装置から機械的に分離されることが可能であるか、または、案内は、50kg以上の重量で構成されることが可能である。基板の十分に平面な案内は、基板が案内なしで表される平面から外へ案内されるように案内を配置することによって実現されることができる。例えば、案内は、案内なしに基板が通る連続平面の少し上方に配置されることが可能であり、その結果、基板は、次に平面的に案内上に押される。
【0053】
粉末塗布の準備をするために、上述したシステムによる塗布に先立って、或る値または値範囲に粉末粒子の粒径を設定することが役立つ場合がある。例えば、D50値(つまり、50%の質量が小さい直径を有し、50%がこの値よりも大きな直径を有している粒径値)は、100μm未満であるべきであり、好ましくは80μm未満であり、特に好ましくは70μm未満である。さらに、D50値は、10μm以上であるべきであり、好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上である。
【0054】
これらの値を実現するために、プラスチック粉末は、生成中に、粉砕される(例えば、粉砕処理で)、および/または、ずらされる(例えば、篩い分け処理で)ことが可能である。プラスチック粉末の成分の十分な均質性を得るために、出発材料を完全に混合することは有利である。完全な混合は、例えば、撹拌槽または押出成形機などの中で行なわれることが可能である。
【0055】
粉末塗布の後、コーティングを施した基板を清掃することが必要であることがある。図4は、そのような清掃を提供する本発明にかかる装置の実施形態を示している。
下側の清掃は、結果として絶縁されず、したがってフィルムがプリント回路として使用される場合にエッチング可能でないポイントがそこに位置するので、とりわけ重要である場合がある。後のエッチング処理中に、プリント回路の電気的な不具合をもたらすので、エッチング可能なポイントはなくすべきである。
【0056】
箔製造方法の清掃工程用の清掃システムが特定の要求を満たすべきことが分かった。
例えば、下側に付着した粉末粒子が後の融解処理中に許容可能ではないので、非常に良好な清掃性能が実現されると有利である。さらに、清掃処理が粉末塗布の所望の均一性を害さないことが望ましい。例えば、箔に望ましくない振動をさせないようにすべきである。本システムの信頼性のある連続動作もまた可能であるべきである。図4に示される本発明の本実施形態では、これは、2つの異なる清掃装置を備えた少なくとも2段階清掃システムによって達成される。しかしながら、本発明にかかる装置が単に1つの清掃装置を備えることも可能であることは明らかである。
【0057】
この目的を達成するために、清掃の本質的な部分として、少なくとも1つの粘着ローラを備えた清掃装置がまず提案される。回転する粘着ローラを備えた装置を使用してもよい。このローラは、基板後側をその円筒面で支持することができ、その粘着剤を施した面によって基板後側から望まない粒子を除去し取ることができる。
【0058】
しかしながら、基板後側と接触する回転する転写ローラも使用されることが可能である。次いで、転写ローラは、基板後側から粒子を取り、転写ローラの回転の後、転写ローラを支持する粘着ローラは、転写ローラから粒子を取り、粒子をその粘着面で保持する。最後の変形形態の利点は、粘着性粒子が基板後側に残存し続けないという事実にある。さらに、ローラは、基板後側に付着せず、その結果、生じる虞のある如何なる振動も回避される。転写ローラの表面は、プラスチックから作られることが可能である。粒子に対する転写ローラの表面の粘着力は、基板後側よりも大きくあるべきであるが、粘着ローラの表面よりも弱くあるべきである。
【0059】
両方の変形形態では、箔がローラ表面上にその縁部で押される場合、それは箔の十分な平坦性、および箔幅全体に亘る粒子の除去を確実にするために有利である。さらに、粘着ローラ装置がモータ駆動装置を有している場合、それは有利であることがあり、その結果、ローラは箔を介して駆動されない。その駆動は、基板と接触するローラの周速度が基板の運搬速度と実質的に等しく(+/−20%)なるように行なわれることが可能である。その結果、許容できない非均一粒子分布状態をもたらすことがある望ましくない振動を回避することが可能である。
【0060】
基板と接触するローラと基板との間の十分な接触を実現するために、基板は、接触ローラによってその運搬経路から上方へ押し出されることが可能である。粘着ローラ装置の前後に、装置(例えば、基板後側および粒子の静電荷を除去する空気イオン化)が提供されることが可能である。これは、箔から粒子を除去することをより簡単にし、如何なる再付着も防止する。互いに前後方向に配置された複数の粘着ローラ装置を使用することも可能であり、それは完全な粒子除去の可能性を増大させる。
【0061】
蓄積した粒子による粘着ローラの過度に迅速な飽和を回避するために、基板後側用のさらなる清掃装置が、粘着ローラ装置のすぐ前の付着した粒子の殆どを除去するために、設けられることが可能である。これは、例えば吸引装置であることが可能である。より高い粒子密度が縁部に存在することがあるので、吸込は、好ましくは縁部に適用されることが可能である。例えば、粉末塗布の直後または塗布中に、基板上側の縁部に吸込を適用することも役立つことがある。このように、基板下側の粒子の蓄積を低減することができる。
【0062】
さらなる清掃装置は、同じ方法で作用する回転ブラシ・ローラまたは回転ブラシ・ベルトなどの少なくとも1つのブラシ装置を備えることが可能である。このブラシ・ローラは、基板後側から粒子を除去することができ、また、例えば、ローラの回転の後に、吸引装置によってブラシ表面からそれら粒子を再び放出することができる。このように、ブラシ・ローラは、基板後側を清掃し、順次そのブラシ・ローラ自体が清掃される。それは、髪の毛、布、織物、プラスチック繊維などを備えることが可能である。好ましくは、柔軟な鳥の特徴、例えば、ダチョウおよびエミューからの羽毛が利用される。粒子は、例えば、粒子を棒または壁などの打撃装置で叩き落すことによって、ブラシから除去されることができる。これは、有用に吸引装置と組み合わせることが可能である。吸引装置は、ブラシ・ローラの下方に配置されることが可能である。加えて、ブラシからの粒子の除去は、ブラシに供給されるイオン化気体の使用によって支援されることが可能である。また、ブラシ表面は、該ブラシ表面の粒子の付着をもたらす静電荷を排除するために、帯電または接地面と接触させることも可能である。
【0063】
基板に如何なる望ましくない振動も伝えないようにするために、基板とローラ表面との間の相対速度は、5m/sを超えるべきでない。基板は、ローラをその最大径から100mm以上「圧縮」するべきでない。接触点の前後の1m未満の範囲で、基板は、さらにモータによって駆動されることが可能な、例えばローラによって支持されることが可能である。十分な平坦性を確実にするために、縁部は、押下げ装置(例えば、ローラまたはホイール)によって平面内で保持されることが可能である。ホイールは、それらが斜め外方に向くような、したがって、箔をピンと張るような、それらの向きの観点から取り付けられることが可能である。
【0064】
粉末塗布および清掃の後、基板上で散布したプラスチック粉末の融解が行なわれる。均一な溶解およびしたがってプラスチック層の生成中の均一な層厚を実現するために(例えば、銅箔などの金属箔上にプラスチック層を生成するために)、基板が連続して通る一または複数の加熱領域を有した放射炉を使用することが役立つ場合がある。
【0065】
例えば、NIR範囲(0.5〜3μmの放射波長)で動作する炉が利用されることが可能である。製品の所望の材料特性を実現するために、60秒、好ましくは45秒、特に好ましくは30秒の処理時間を超えるべきでない。最小処理時間は、1秒であり、好ましくは3秒、特に好ましくは5秒である。
【0066】
さらに、炉内で2つの処理工程を行なうことも可能である。まず、塗布された粉末層を融解し、次に、プラスチックを化学架橋させる。両処理は、一度に且つ同一炉内で行なわれることが可能である。この処理工程中の化学架橋が完全に行なわれないことがあるが、むしろ架橋の程度のみが必要とされる。例えば、最大可能架橋結合の3%と80%との間であることが可能である。架橋の程度は、炉内の滞留時間によって調整されることが可能である。架橋の程度は、炉の供給エネルギによって調整されることも可能である。炉に必要なエネルギの調整は、プラスチック層の表面の温度を通じて行なわれることが可能である。
【0067】
加熱要素は、好ましくは基板上、つまり、基板のコーティングを施した側の上側に配置される。炉内の加熱要素は、品物が連続して通過するセグメントに分割されることが可能である。セグメントは、温度検出のために少なくとも1つのセンサを割り当てられることが可能である。炉は、品物の表面温度がセグメント間で異なるように操作されることが可能である。特に、最初のセグメントの下方の温度は、後続のセグメントの下方の温度よりも低くすることが可能である。
【0068】
融解の後、例えば、エアノズルなどの流体ノズルまたは十分な寸法の冷却通路によって冷却が行なわれ、その結果、プラスチック層は、プラスチック層を伴う基板が巻き取られることができるか、または、如何なる付着も起こらないように積み重ねられることができるような一貫性を有する。50℃の最高温度に冷却することは、炉から離れた後、10秒以内に行なうべきであり、好ましくは5秒である。その後、製品は、所望の特性を有する。上述した製造方法によって、生成したプラスチック層は、無孔である。
【0069】
図1は、銅箔の片側にプラスチック層を生成するために使用されることができるような塗布装置を模式的に示している。
分注容器3は、プラスチック粉末2を連続的または不連続的に充填される。緩和装置4は、粉末が分注容器3から連続的に出ることを確実にする。分注容器3から、粉末は、ローラ10上を送られ、境界設定要素(例えば、ニードル)間のローラ窪みを充填する。ローラ窪みの均一な充填レベルは、スクレーパ5を介して設定される。スクレーパ5は、ローラ材料の如何なる摩耗(例えば、金属による削りくず)も回避するために、ローラ10
の表面で接触がなされないように設定されることが可能である。
【0070】
一旦ローラ上に位置する粉末がローラの回転によってさらに運搬されると、それは、ブラシ6によってローラ窪みから掃い落とされ、その下方に位置する篩式装置8上に落下する。篩式装置9の駆動装置は、ブラシ6用の駆動装置7から分離またはそれと共有することが可能である。篩式装置8から、粉末は、塗布装置の下方に運搬された銅箔1の上に均一に分配される。篩下縁部と銅箔1の表面との間の距離dは、50mm未満である。銅箔1つの運搬方向は、矢印によって示されている。しかしながら、運搬は、反対方向に行なわれることも可能である。
【0071】
相互の幾何学的な関係の高い精度を実現するために、ローラ10、スクレーパ5、およびブラシ6の案内は、共通のフレームに取り付けられることが可能である。
図2は、その外径に対するローラの窪みを規定する境界設定要素の高さを示している。
【0072】
図3は、層用途の処理シーケンスを示している。基板1は、巻き戻しステーションAから巻き取りステーションGまで運搬される。処理ステージBでは、プラスチック粉末は、粒径分布および成分に関して生成される。次に、基板1への粉末塗布は、処理ステージCで行なわれる。処理ステージDでは、基板後側および/または基板縁部の清掃を行なうことが可能である。次に、粉末は、ステージEにおいて炉内で溶解され、次に、冷却ゾーンFで冷却され、その結果、所望の特性を有した箔コーティングが形成される。最後に、コーティングを施した基板は、さらなる処理のための巻き取りステーションGで巻き取られる。本方法は、例えば、図1を参照して記述された粉末散布装置および/または図4を参照して記述された装置を使用して行なわれることが可能である。
【0073】
図4は、清掃システムを備えた本発明にかかる装置の実施形態を模式的に示している。まず、プラスチック粉末2が、基板1(例えば、箔)上に散布される。粉末は、分注装置3から送られ、ブラシ6を備えたローラ10によって調量される。そこでは、掃い落とし位置の下方に位置した篩8は、粉末塗布の十分な均一性を保証する。粉末を散布するために、本発明装置は、図1に示される粉末散布装置を備えることが可能である。
【0074】
次に、その上側の基板縁部の清掃が、例えば縁部吸込21によって行なわれることが可能である。その後、基板下側の粒子の静電荷の除去は、静電荷用の除去装置14(例えば、空気イオン化装置)によって行なわれることが可能である。これに清掃工程が続き、該清掃工程は、ダチョウ/エミューの羽毛を備えたブラシ・ローラ11を使用し、ブラシが回転する際に、基板後側と接触し、粒子を拾い上げる。次にブラシに位置する粒子は、静電荷用の除去装置15によってそれらの羽毛への付着力を大きく弱められる。次に、粒子は、打撃装置12で羽毛から除去され、吸い出される。ブラシを掛けた後で、且つ、さらなる清掃ステージの前に、基板への粒子の付着力は、静電荷用の除去装置16によって低減されることができる。
【0075】
次の清掃ステージ中に、残りの粒子が、転写ローラ18によって基板から除去され、粘着ローラ19に渡される。後工程の静電荷用の除去装置17は、粒子の如何なる再付着を回避することも助ける。基板縁部に作用する押下げ装置22,23,24(例えば、ホイールなど)は、基板の十分な平坦性を保証する。最後の清掃工程の後で、プラスチック粒子は、炉内で溶解され、次に、基板と共に結果として生じるプラスチック層は、冷却ゾーン26で冷却される。
【0076】
図1および図4に示される要素の多くが随意であることは明らかである。例として、1つのみの清掃装置(例えば、粘着ローラだけ)を設けることも可能である。イオン化装置および縁部吸込も随意である。基板用の案内は、図4に示されるものとは異なるように構
成されることも可能である。加えて、プラスチック粉末の調量は、調量ローラ10以外の手段を使用して行なわれることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 コーティングを施される基板、箔
2 プラスチック粉末
3 分注装置
4 緩和装置
5 粉末掻取装置、スクレーパ
6 ブラシ
7 ブラシ用の駆動装置
8 篩式装置
9 篩式装置用の駆動装置
10 ローラ
11 ブラシ・ローラ
12 打撃装置
14,15,16,17 イオン化装置
18 転写ローラ
19 粘着ローラ
21 縁部吸込
22,23,24 押下げ装置
25 炉
26 冷却ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)の上側に200μm未満の層厚を有したプラスチック層を製造する方法であって、
粉末散布装置によって基板上側にプラスチック粉末(2)を提供する工程と、
次に、基板下側を清掃する工程と、
前記プラスチック粉末(2)を炉(25)内で溶解させ、その結果、前記プラスチック層を前記基板上に形成する工程と、
前記基板(1)を冷却する工程と、を含み、
前記基板(1)は、上記工程を順次連続的に運搬される、方法。
【請求項2】
前記粉末散布装置は、調量ローラ(10)を備え、前記プラスチック粉末(2)は、前記調量ローラ(10)によって調量される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粉末は、前記調量ローラ(10)から掃い落とされ、掃い落とし位置から、基板(1)上に落ちる前に、まず、少なくとも1つの篩(8)上に落ちる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板(1)から前記篩の下縁部までの距離は、50mm未満である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
提供されるプラスチック粒子の粒径について定義する前記プラスチック粉末(2)のD50値は、前記プラスチック粉末が提供される前に、所定値範囲に設定される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記清掃する工程は、少なくとも1つの粘着ローラ(19)を備えた清掃装置によって行なわれる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記清掃装置は、前記粘着ローラ(19)を駆動するモータ駆動装置を備えている請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記清掃する工程は、少なくとも次の2つの清掃工程によって行なわれる:
第1清掃工程は、吸込および/またはブラシ(11)による清掃を含み、
第2清掃工程は、粘着ローラ(19)を備えた装置による清掃を含んでいる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1清掃工程は、前記基板の下側に位置する前記粒子の80%以上を除去するように構成されている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1清掃工程は、鳥羽毛またはプラスチック繊維を備えたブラシによって行なわれる請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記プラスチック粉末(2)は、10〜100μmの範囲のD50値を持った粒径分布を有している請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記プラスチック粉末の提供は、均一に行なわれ、その結果、均一な層厚分布を持ったプラスチック層が得られる請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記炉内の加熱要素は、前記基板における、散布した前記粉末を備えた側とは反対側に配置される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
基板(1)の上側に200μm未満の層厚を有したプラスチック層を製造する製造装置であって、
前記基板の上側にプラスチック粉末を提供する粉末散布装置と、
前記基板の下側を清掃する清掃装置(11;19)と、
前記基板(1)に提供された前記プラスチック粉末(2)を溶解させる炉(25)と、
冷却ゾーン(26)と、
前記生成装置を通じて前記基板を連続的に運搬する運搬装置と、を備える製造装置。
【請求項15】
前記粉末散布装置は、前記プラスチック粉末(2)を調量する調量ローラ(10)を備えている請求項14に記載の製造装置。
【請求項16】
前記粉末散布装置は、前記調量ローラ(10)から前記プラスチック粉末を掃い落とすブラシ(6)を備えている請求項15に記載の製造装置。
【請求項17】
少なくとも1つの篩(8)が、前記プラスチック粉末(2)が掃い落とされる位置と前記基板(1)との間に配置されている請求項16に記載の製造装置。
【請求項18】
前記粉末散布装置は、少なくとも1つの貯蔵容器と、調量装置(10)と、分配装置(8)とを備えている請求項14乃至17のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項19】
前記粉末散布装置は、分配装置(8)を備え、該分配装置(8)の下縁部と前記基板(1)との間の距離は、100mm未満である請求項14乃至18のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項20】
前記清掃装置は、少なくとも1つの粘着ローラ(19)を備えている請求項14乃至19のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項21】
前記清掃装置は、前記粘着ローラ(19)を駆動する駆動装置を備えている請求項20に記載の製造装置。
【請求項22】
前記清掃装置の前工程に配置されるさらなる清掃装置を備える請求項14乃至21のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項23】
前記前工程のさらなる清掃装置は、吸引装置(21)および/またはブラシ(11)を備えている請求項22に記載の製造装置。
【請求項24】
前記ブラシ(11)は、清掃要素として鳥羽毛またはプラスチック繊維を備えている請求項23に記載の製造装置。
【請求項25】
前記炉内の加熱要素は、前記基板における、散布した前記粉末を備えた側とは反対側に配置されている請求項14乃至24のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項26】
プリント回路基板または導体箔を生成する基材として片側にプラスチック・コーティングを施された銅箔を生成するための請求項14乃至25のいずれか一項に記載の装置の使用。
【請求項27】
片側にプラスチック・コーティングを施された基板を製造するための請求項14乃至25のいずれか一項に記載の装置の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−527626(P2011−527626A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515485(P2011−515485)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001063
【国際公開番号】WO2010/094500
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】