説明

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

プラズマを用いて複数の基板(26)を処理するプラズマ処理装置(10)。プラズマ処理装置の処理チャンバ(12)は、通常は垂直方向に向いた少なくとも一対の電極(24)を有し、この一対の電極(24)間に、プラズマ処理のために基板(26)が配置される。各電極(24)は、水平方向のプロセスガス及びプラズマの流れを可能にする穿孔板(42、50)を有し、これによりプラズマ均一性が向上する。ポリマー基板(26)に付着しているとともにポリマー基板(26)から突出している、バリ又は穿孔カス等の薄いポリマー領域を除去するのに有効な処理方法が規定される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理に関し、より詳細には、基板を処理するように構成されるプラズマ処理装置に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2003年10月28日に出願の米国仮特許出願第60/515,039号の利益を主張するものであり、その開示は、その全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ処理は、集積回路、電子用パッケージ、及びプリント回路基板に関係する用途で使用される基板の表面特性を変えるために一般的によく用いられている。特に、電子用パッケージでは、例えば、層間剥離不良及びボンド不良をなくし、配線結合強度を改善し、回路基板のチップのボイドのないアンダーフィルを保証し、酸化物を除去し、ダイ付着を強化し、かつ、ダイ封止の密着を改善するために、表面活性化及び/又は表面清浄度を高めるために、プラズマ処理が使用される。
【0004】
通常、プラズマ処理装置には、1つ又は複数の基板が配置され、各基板の表面は、発生したプラズマ種に曝される。原子の最も外側の表面層は、物理的スパッタリング、化学的スパッタリング、及びプラズマにより促進される化学反応によって除去される。物理的又は化学的作用を使用して、密着性といった特性を改善するように表面を条件づけし、異質な表面層を選択的に除去するか、又は基板の表面から不要な汚染物質を除去することができる。
【0005】
複数の大きな材料板の両側がプラズマ処理される、従来のバッチプラズマ処理装置がある。材料板の各々は一対の平行電極間に配置され、これら電極は、処理装置の処理チャンバ内に存在する好適な雰囲気で励起されてプラズマを発生する。かかるプラズマ処理装置では、エッチング均一性の程度に影響を及ぼす1つの要因は、基板付近のプラズマ密度の空間的な均一性であり、この均一性は、プラズマを発生するのに用いられる電極の構造によって決まる。固体平面電極は一様なプラズマを発生させるが、十分なガス流をもたらすことができないので、エッチング速度が許容不可能な程に低くなる可能性がある。したがって、バッチ処理チャンバの従来の固体電極は、大きな平面基板の対向する両側全体にわたって十分なプロセス均一性を与えることができなかった。両面にエッチングの均一性を与えるために、各基板の両側を囲む全ての空間位置でプラズマ密度を精密かつ正確に制御しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、各々大表面積を特徴とする平面基板の両側を一様にプラズマ処理することができるプラズマ処理装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、処理空間を有する真空チャンバと、処理空間を排気する真空ポートと、処理空間内にプロセスガスを導入するガスポートとを有するプラズマ処理装置を提供することによって、上記及び他の問題に取り組む。この装置はさらに、処理空間内のプロセスガスからプラズマを発生させることが可能なプラズマ励起源と、プラズマ励起源と電気的に結合する複数の電極とを有する。電極は、プラズマを用いて基板を処理するよう、処理空間内で電極間に対応する複数の処理領域を画定するように配置される。各電極は、電極を介してプロセスガス及びプラズマを送るように機能する少なくとも1つの穿孔板を有する。
【0008】
本発明は、プラズマ処理装置を用いて、例えばセラミックス、金属、及びポリマーが挙げられるがそれらに限定されない、広範の材料から成る基板をプラズマ処理することを意図する。プラズマ処理は、エッチング、清浄、表面活性化、及び当業者にとって明らかな任意の他のタイプの表面改質から成ることができる。例えば、プラズマ処理を用いて、標準リソグラフィー法の一部として基板をエッチングし、また、基板に特徴を形成するようにエッチング処理することができる。
【0009】
本発明の別の実施の形態では、基板をプラズマ処理する方法は、処理チャンバの内部に位置する一対の電極間に基板を配置する工程、処理チャンバ内にプロセスガスを導入する工程、及び一対の電極を励起し、処理チャンバ内でプロセスガスからプラズマを発生させる工程を有する。本方法は、処理領域の外側の位置から、電極の一方と基板との間に各々画定された処理領域の内側の一対の位置に、電極の各々の多孔盾部分を介してプロセスガス流及びプラズマを導く工程をさらに有する。
【0010】
本発明のさらに別の実施の形態では、ポリマー基板から突出する、穿孔カス又はバリ等の比較的薄いポリマー付着領域を除去する方法が提供される。本方法は、酸素、及びガス混合物の約10容量パーセント以下の量の三フッ化窒素を有するガス混合物を特徴とするプロセスガスを、ポリマー基板を保持する処理チャンバに供給する工程、プロセスガスにRF電力を送り、プラズマを発生させる工程、及び、薄い付着ポリマー領域を除去するのに有効な時間、ポリマー基板をプラズマに曝す工程を有する。特定の実施の形態では、RF電力は、プロセスガスに40kHzで約4,000ワット〜約8,000ワットの範囲で送られる。他の特定の実施の形態では、ポリマー基板は、約30℃〜約90℃の範囲のプロセス温度に加熱される。好ましくは、ガス混合物は、約5容量パーセント〜約10容量パーセントの三フッ化窒素を有し、ガス混合物の残りは酸素である。
【0011】
本発明のこれらの及び他の目的及び利点は、添付の図面及びその説明からより明らかとなろう。
【0012】
本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上記に挙げた本発明の概説、及び以下に挙げる詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2を参照すると、プラズマ処理装置10は、処理チャンバ12の周壁により囲まれた排気可能な処理空間16にアクセスすることができる開位置と、処理空間16が周囲環境から流体気密にシールされる閉位置との間で選択的に位置決め可能であるチャンバドア14を有する処理チャンバ12を備える。チャンバドア14は、チャンバドア14が閉位置にあるときに処理チャンバ12の別の位置と係合するとともに、チャンバドア14をシール係合状態に固定するラッチを有することができる。シール部材(図示せず)が、チャンバドア14の周縁、又はチャンバドア14が開位置にあるときに画定される処理空間16へのアクセス開口の周りの処理チャンバ12の一部の周縁を取り囲む。処理チャンバ12は、アルミニウム合金又はステンレス鋼等の高真空用途に適した導電材料から成り、電気的に接地される。
【0014】
処理チャンバ12は、真空技術の当業者にとって明らかな1つ又は複数の真空ポンプを含み得る真空ポンプ18によって真空ポート19を介して排気される。プロセスガスは、処理チャンバ12の1つの壁内を延びる入口ガスポート21を介して、例えば1分あたり約2〜約4の標準リットルの所定流量(slm)で、プロセスガス源20から処理空間16に導入される。プロセスガス流は通常、質量流量コントローラ(図示せず)によって計測される。質量流量コントローラによって与えられるガス流量、及び真空ポンプ18のポンピングレートは、後続するプラズマ処理が維持され得るように、プラズマ生成に適した処理圧力を与えるように調整される。
【0015】
処理空間16は、排気されると同時に、新鮮なガスが処理空間16内に続けて交換されるようにプロセスガスが導入される。プラズマ処理方法の際、平面基板26からスパッタリングされるとともにプロセスガスを消費した汚染種が、プロセスガスの流動流の一部とともに真空ポンプ18によって処理空間16から排気されることになる。処理チャンバ12内でのプラズマ処理の際の作動圧は通常、約150mTorr〜300mTorrである。
【0016】
本明細書に記載の平面基板26は、当該平面基板から突出するか又は当該平面基板にエンボス加工される特徴部を有してもよく、特徴部のない平面板に限定されない。さらに、平面基板26は、面積が矩形であることに限定されず、代わりに他の幾何学的形状を有していてもよい。
【0017】
図1及び図2を続けて参照すると、無線周波数(RF)発生器22のようなプラズマ励起源が複数の電極24と電気的に結合されるとともに電極24に電力を送り、処理空間16内に閉じ込められたプロセスガスをイオン化するとともに解離させて、プラズマを発生及び維持する。処理チャンバ12は、電力が供給されない接地電極としての役割を果たす。RF発生器22は、インピーダンスマッチングデバイス、及び約40kHz〜約13.56MHz、好ましくは約40kHzの周波数で動作するRF電源を有するが、他の周波数を用いてもよく、40kHzで約4,000ワット〜約8,000ワット、又は13.56MHzで300ワット〜2,500ワットの電力である。しかし、異なる処理チャンバ構造により、異なるバイアス電力、又は直流(DC)電源の使用が可能である。コントローラ(図示せず)は、エッチングプロセスの制御を容易にするプラズマ処理装置10の様々な構成部材に結合される。
【0018】
RF発生器22のRF電源は、交流電極24がともにバス接続されるとともに、同じくともにバス接続される残りの電極24を位相から180゜ずれたところで電力供給するように、二重出力電源とすることができる。この構成により、交流電極が電力供給されるとともに残りの電極が接地していたいくつかの従来の設計が改善され、電力供給電極に隣接する平面基板の側に高速なエッチング速度が生成される。電極24の双方が本発明により電力供給されるため、エッチング速度は、一対の電極24間に配置される1つ又は複数の平面基板26の対向する側で同様である。
【0019】
図1及び図2の参照を続けると、プラズマ処理中、処理チャンバ12の内部に平面基板26を支持するラック28が設けられている。ラック28は位置バー30を有し、この位置バー30は、個々の基板ホルダ33の各々の対向する縦縁に沿って複数のノッチ29、31の間に垂直方向に調整可能であり、それにより、縦寸法が異なる平面基板26を収容するスロット23を画定するようになっている。各平面基板26は、ラック28のスロット23の1つに挿入可能である。ラック28は、処理チャンバ12の外側にあるときは、移動しやすいように車輪付きカート32上に保持される。
【0020】
車輪付きカート32はトラック34を有し、このトラック34に沿って、ラック28が水平方向に移動可能であり、トラック34は処理チャンバ12の内部の対応するトラック36とほぼ同じ縦の高さにある。平面基板26の一群がラック28に装填された後、チャンバドア14が開き、ラック28は、トラック34及び36が位置合わせされるように位置決めされる。ラック28は、車輪付きカート32のトラック34から処理チャンバ12の内側のトラック36に移動し、チャンバドア14が閉じて、真空ポンプ18により排気準備が整った密閉環境を提供する。
【0021】
図1〜図3を参照すると、電極24は、支持体27によって処理チャンバ12の天井から対応するタング25により縦方向に懸架される。電極24の各々は、RF発生器22と電気的に接続してプラズマを発生するのに十分な電力を受け取る。電極24は、処理領域38が各隣接する一対の電極24間に画定されるように水平方向に離間される。プラズマが各側面配置電極24と基板26の片側との間に存在するため、各領域38が平面基板26を受け入れて基板26の対向する両側をプラズマ処理する。各側面配置電極24の平面にほぼ平行に向いた複数の平坦な基板26の1つが、各隣接する一対の電極24間の領域38に配置される。平面基板26は電極24と処理チャンバ12に対して電気的に浮遊する。
【0022】
各電極24は、例えば、他の空間40を装填する金属メッシュから成る、少なくとも1つの穿孔板42を含む。各穿孔板42は、穿孔板42の全領域に対する穿孔板42の通路又は孔43の全横断面積の比によって表される気孔率を特徴とする。本発明の特定の実施形態では、各電極24は、枠44の一方の水平側から枠44の対向する水平側にかけて延びる複数の垂直方向のクロスメンバ46を有する環状の周縁枠44を有する。1つの穿孔板42は、各対のクロスメンバ46間に画定された空間、及びクロスメンバ46の、枠44の対応する両縦側面44a、44bの組の先端(すなわち最前端及び最後端)間の空間に位置決めされる。
【0023】
各穿孔板42は、隣接する電極24間の領域38へ、かつ、その領域間にプロセスガス及びプラズマ種用の流路を画定する。通常、各穿孔板42の総面積に対する各穿孔板42の孔43の全体的な断面積の比(すなわち開口領域比)は、約20%以下である。好ましくは、開口領域比は、電極24が固体電極をシミュレートするとともに、ガス流を過度に制限せずに十分なエッチング速度を与えるのに十分に固体電極に類似するように、穿孔板のメッシュサイズを変えることによって調整される。穿孔板42のメッシュサイズは、図には概略的に示されており、説明のために誇張されている(すなわち等尺率ではない)。
【0024】
個々の穿孔板42のメッシュサイズは、電極42内の位置に応じて様々であり得る。例えば、メッシュサイズは、電極24の側面44a、44bに隣接した穿孔板42に比して、電極24の中央付近の穿孔板42の方が大きくなり得る。このことは、電極24の幅の両端にわたって調整すべき隣接する電極24間の領域38の種々の部分に対しガスコンダクタンスを可能にし、側面配置基板26の幅の両端にわたってエッチング速度を均一にするのに有用となり得る。
【0025】
穿孔板42は、十分な熱及び電流を伝導するために枠44及びクロスメンバ46と熱的、かつ、電気的に結合する。好ましくは、穿孔板42は、図2Aに示すように、電極24がその面積の両端にわたって均一な厚みを有するように枠44及びクロスメンバ46と同じ厚みを有する。いくつかの実施形態では、穿孔板42は、枠44及びクロスメンバ46よりも薄くてもよく、穿孔板42は、枠44及びクロスメンバ46の中央面と同一面内にあるように位置決めされる。
【0026】
電極24は、隣接する電極24がほぼ平行に並んで離間した関係として画定された側面配置関係を有する。本発明の種々の代替的な実施形態において、本発明は、電極24が、垂直方向、水平方向、又はその間の任意の角度で向けられ得ることを意図する。
【0027】
図1、図2、図2A、及び図3を続けて参照すると、電極24の数は、平面基板26の数及び処理チャンバ12の寸法に合わせてある。処理すべき基板26の数が数(n)によって表される場合、電極24の数は、各基板26が一対の電極24の側面に配置されるため、(n+1)に等しい。隣接する電極24間の隔たりは、約6cm〜約1cmの範囲とすることができるが、基板26の厚みに応じて他の変数の間をとる場合もある。
【0028】
電極24の温度は、管状枠44及びクロスメンバ46の内側に湾曲した蛇行状通路48内に蒸留水又は別の適した熱交換液を循環させることによって制御される。このため、熱交換液は、処理チャンバ12の外部の供給源45から各電極24の蛇行状管状通路48の入口ポート47へ、冷媒排出口50の出口ポート49まで供給される。所望する効果により、液体の流量及び温度を調整することによって、熱交換液を用いて電極24を加熱又は冷却することができる。熱は電極24から基板26に伝導するため、電極24の温度の調整により、プラズマ処理の際に基板26の温度を有利に調整することもできる。本発明のいくつかの実施形態では、熱交換液の循環は、電極24からの過度の熱を除去することができる。
【0029】
本発明の一態様では、電極24の矩形寸法又は面積は、プラズマ処理される基板26の矩形寸法又は面積よりも大きい。本発明のいくつかの実施形態では、各電極24の矩形枠44の長さ及び幅(すなわち外寸)は、基板26よりも少なくとも約1インチ(2.54センチメートル)大きい。電極24及び基板26の相対面積の調整は、基板の周縁のプラズマ処理が基板の中央付近のプラズマ処理と同様であることを確実にするのに役立つ。電極24はすべて、側面配置基板26に面する対向する矩形面の面積が等しい。
【0030】
電極24は、アルミニウムなどの比較的高い導電率及び熱伝導率を有する金属から形成される。基板26に面する電極24の側面は、非金属から成る任意の層51により陽極酸化又は化学蒸着等の方法により被覆されてもよい。任意の非金属層51は、プラズマの端−中央の均一性が高まると考えられる。電極24の導電コアを被覆する非金属層51は、約10ミクロン(μm)〜約300ミクロン(μm)の範囲の厚みを有し得る。例示的な被覆材料としては、酸化アルミニウム及び珪素等の耐火材料が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、電極24の縁がプラズマ密度の局部的な変化(非金属層51の存在によって著しく減少するか又はなくなる)をもたらすと考えられるため、非金属層51は枠44にのみ施され得る。本発明のいくつかの実施形態では、非金属層51は、電極24に対する積層として施されてもよい。非金属層51を加えることにより、基板26に面する、当該基板の面積にほぼ等しい領域を、電極24が有することが可能となるとともに、端−中央の処理の均一性及びプラズマの均一性が高まる。
【0031】
本明細書での「垂直方向(縦)」、「水平方向」等の用語の言及は、参照とするための例示としてのものであって限定するものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な他の参照を用いることができることを理解されたい。電極24は垂直方向に向いているものとして言及されているが、本発明は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、電極24が水平方向に向いていてもよいことが意図される。
【0032】
使用に際して、図1、図2、図2A、及び図3を参照すると、平面基板26は、ラック28に装填され、処理チャンバ12に移行され、この処理チャンバ12はチャンバドア14を閉めることによって密閉される。処理空間16は、真空ポンプ18によって装置作動圧よりも低いチャンバ圧に減圧される。真空ポンプ18によって処理空間16を積極的に排気しながら、プロセスガス流を導入して、通常は約150mTorr〜約300mTorrの範囲の適した動作圧にまでチャンバ圧を上げる。RF発生器22は、電極24に電源を供給するように励起され、処理空間16内に、特に平面基板26の1つが配置されている各対の隣接電極24間の領域38にプラズマを発生させる。冷媒流は、電極温度を調整するために、各電極24の筒状枠44及びクロスメンバ46の内側の通路48を介して始まる。
【0033】
プロセスガス及びプラズマ種は、穿孔板42を介して、隣接する電極24間に画定された領域38へ、かつ、その領域38間に流れ込むとともに拡散する。同様に、プロセスガス及びプラズマは、対峙する電極24の周縁について画定された空隙を介して領域38に流れ込むことができる。穿孔板42があることにより、領域38間に、また、処理空間から最端の電極24に関連した領域38にかけて、プロセスガス及びプラズマ種を移動させやすくなる。平面基板26の露出した対向面を処理(すなわち、エッチング、清浄、パターニング、改質、活性化等)するのに十分な持続時間、基板26はプラズマに曝される。処理が完了すると、チャンバドア14が開き、ラック28が処理チャンバ12から取り外され、基板26が装脱される。
【0034】
図4(同じ参照符号は図1〜図3と同じ特徴を指す)を参照して、かつ、本発明の他の実施形態によれば、電極24aは、クロスメンバ46と枠44との間に画定された複数の開口の各々に位置する穿孔バー又は穿孔板50を有する。穿孔板50は、枠44及びクロスメンバ46の部分に溶接されて一体構造を画定することができる。各穿孔板50は、プロセスガスのクロスフローが生じてプラズマの均一性を向上させるように、通路又は孔51で穿孔されている。各穿孔板50の開口領域は約20%未満であり、例えば、約1%未満であってもよい。好ましくは、各穿孔板50は、電極24aが固体電極とさらによく類似するように枠44及びクロスメンバ46と同じ厚みを有する。個々の穿孔板50の開口領域は、電極24aの側縁44a、44b間の位置に応じて様々であり得る。例えば、開口領域は、電極24aの側縁44a、44bに隣接する穿孔板50に比して、電極24aの中央付近の穿孔板50の方が大きい。このことは、隣接する電極24a間の領域38の種々の部分に対するガスコンダクタンスを電極24aの幅の両端にわたって調整することを可能にし、側面配置基板26の幅の両端にわたってエッチング速度を均一にするのに有用となり得る。
【0035】
図5〜図7及び図8Aを参照すると、プラズマ処理装置10において使用するラック28aは、1つ又は複数の基板26を保持するように各々構成された複数の基板ホルダ52を有する。ラック28a(処理チャンバ12の外側にあるときは車輪付きカート32上に保持されている)は、保持された基板26を処理するためにラック28(図1)のように処理チャンバ12に挿入される。ラック28とは対照的に、ラック28aは、積極的な水冷及び基板挟持を行って、プラズマ処理の際に基板26から熱を除去するのに十分な伝熱経路を与える。トラック34に沿った移動によって処理チャンバ12に挿入されると、各基板ホルダ52は一対の電極24間に配置される。基板ホルダ52は互いに平行に配置され、各々、支持構造55によって共通のベース53上に支持される。
【0036】
個々の基板ホルダ52は、その周囲に延びるとともに蒸留水のような熱交換液が循環し得る流体通路58、60を各々が有する一対の中空枠54、56を有する。循環熱交換液は基板ホルダ52を冷却し、プラズマ処理の間、伝導により基板26から熱を除去して基板26の温度を下げる。枠54、56は、中央に矩形窓が画成されており、この窓にわたって、基板26がプラズマ処理チャンバ12の内部のプラズマに曝される。枠54、56は、アルミニウム等、優れた熱伝導率を有する任意の材料から形成され得る。
【0037】
熱交換液は、枠54の流体通路58を介して、液体入口62及び液体出口64間に移される。枠54の液体出口64は、導管65によって枠56の流体通路60の液体入口66と接続される。流体通路60は、基板ホルダ52から冷却液を排出する液体出口68を有する。結果として、枠54及び56は循環熱交換液を共有する。熱交換液は、冷媒マニホルド72から延びる供給ライン70によって枠54の液体入口62に供給され、排出ライン74により排出口76に戻される。他の基板ホルダ52は各々、同じ形式の冷却構成を有して構成され、冷媒マニホルド72及び排出口76を共有する。液体入口66、供給ライン70、及び排出ライン74は、例えば、可撓性のテフロン(登録商標)チューブの長さとすることができる。
【0038】
基板ホルダ52への冷媒液の流れは、基板26の温度を測定することによって制御され得る。基板温度が目標温度を超える場合、冷媒液の流れが確立されて基板26を冷却し得る。
【0039】
中空枠54、56は、基板26の外縁との挟持関係を有し、この関係は効率的な伝熱経路を与える。中空枠54、56の上端は、ヒンジ78によりともに接続され、このヒンジ78には、好ましくは、中空枠54、56が互いに側方、かつ、垂直方向に移動することができるように3点構造を有する。開閉バー82(図7)により作動されるカム作用開閉装置80が、中空枠54、56の下端に接続する。開閉バー82は、枠54、56が離間していないほぼL字状の第1の状態から、枠54、56が分離して互いに垂直方向に離間する第2の状態に、開閉装置80を移動させる。開閉バー82を操作して、開閉装置80を作動させると、支持ストッパ83が開閉装置80と接触するように移動可能であり、この支持ストッパ83は、枠54、56を固定状態に維持するとともに、枠54、56間に基板26を挿入するために開位置にあるように維持する。支持ストッパ83は、軸を中心に回転可能に支持構造55と接続される。
【0040】
各基板ホルダ52の枠54は、複数のロケータ84を有し、このロケータ84は協働して、中空枠54、56によって保持される基板26の位置を定める。2つのロケータ84(図7)は、基板26の底縁と接触するとともに、基板26の1つの側縁と接触しているが、本発明はそのように限定されない。枠54は、処理チャンバ12の前部へ延びる2つのアーム86、及び処理チャンバ12の後部へ延びる2つのアーム88を有する。アーム86、88は各々アラインメントポスト90を有し、このアラインメントポスト90は、別のアラインメントポスト92とは反対方向に外向きに突出する。アーム86、88のアラインメントポスト90は、基板ホルダ52の片側の側面に位置する垂直電極24と4つの点にて接触し、アーム86、88のアラインメントポスト92は、基板ホルダ52の対向側の側面に位置する垂直電極24と4つの点にて接触する。接触は、基板26と側面配置対の電極24との間の平行度を保証するように動作する。より詳細には、アラインメントポスト90、92は協働して、側面配置電極24間の中央面位置に、かつ、これら側面配置電極24の各々によって画定された垂直面との垂直関係を保持する面内に、基板26を位置決めする。このため、アラインメントポスト90、92は、基板ホルダ52から等しい距離突出する。
【0041】
使用に際して、図8A〜図8D(同じ参照符号は図5〜図7の同じ特徴を指す)を参照して、基板26をラック28aに装填する手順が説明される。最初に、ラック28aは処理チャンバ12の外側にあり、車輪付きカート32上に支持されており、基板ホルダ52は各々閉位置にある(図8Aに示す)。この装填位置では、開閉バー82を用いてカム作用開閉装置80を作動させ、このカム作用開閉装置80が枠54に対して側方及び垂直方向に枠56を移動させ(図8Bに示す)、開位置をもたらす。枠54、56が開位置に保持されて、基板26を受け入れる空隙を与えるように所定位置に支持ストッパ83が軸を中心に回転される(図8Cに示す)。
【0042】
基板26が枠54、56間に位置した後、支持ストッパ83は軸を中心に回転して初期位置に戻り、これにより、枠54、56が基板26で閉じることで、優れた伝熱経路を画定するのに十分な接触状態で基板26の周縁が枠54、56間に挟持されるようになっている。枠54、56の重さにより枠54、56は閉位置に維持される。基板26が、基板ホルダ52各々に装填され、ラック28aが処理チャンバ12の内側の処理位置に位置決めされて、基板26をプラズマ処理するようになっている。アラインメントポスト90、92は、各基板26が隣接する電極24の各々と接触する平面に対して平行な面内あるように、隣接する電極24と接触する。上述のように、処理チャンバ12内で発生したプラズマが基板26の表面を処理する。
【0043】
本発明の特定の一実施形態では、プラズマ処理は、バリ又は穿孔カス等、ポリマーの薄領域又はタブを除去するプロセスから成る。平面基板に付着したこれらの薄い付着ポリマー領域は、例えば、終わった製造工程によって生成され得る。この薄い付着ポリマー領域は、平面基板26よりも著しく薄い。通常、薄い付着ポリマー領域は約5ミクロン未満の厚みである。したがって、プラズマ処理は、基板26の厚みへの影響を最小限にとどめて、薄い付着ポリマー領域を効果的かつ有効に除去する。このため、プラズマは、基板26の全体の厚みにほとんど影響を及ぼさないとともに、プラズマ処理表面にあるいかなる特徴(例えば、トレンチ及びビア又は金属化トレース)も変えることなく、プラズマ中のイオン及びラジカルが薄い付着ポリマー領域を腐食させるので、異方性エッチングプロセスによって薄い付着ポリマー領域を除去するのに十分な処理時間又は持続時間が持続する。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、ポリマー平面基板に付着した薄いポリマー領域をエッチングする処理方法が提供される。基板に悪影響を与えずに、典型的な厚み(例えば5ミクロン)の薄いポリマー領域を除去するのに、約8分〜約30分の範囲の処理時間で十分である。しかし、正確な処理時間は、プラズマ処理される平面基板の数及び薄い付着ポリマー領域の厳密な厚みが挙げられるがこれらに限定されない複数の異なる変数に応じて決まるであろう。
【0045】
電極24に供給されるRF電源(図1〜図4)は、40kHzにて約4,000ワット〜約8,000ワットの範囲にある。平面ポリマー基板は、隣接する電極からの伝熱によって約30℃〜約90℃の範囲の温度等、室温をほぼ上回るプロセス温度に維持される。一般に、エッチング速度はプロセス温度の上昇に伴い増大するが、均一性は、プロセス温度が約90℃を上回ると、減少し得る。いくつかのポリマーでは、基板を形成する材料は温度に敏感であるとともにプロセス温度が適当に制限されている。
【0046】
プロセスガスは、約150〜約300mTorrの範囲の作動圧を与えるために、流速が全体で2slm〜4slmの範囲である処理チャンバ内に導入される。プロセスガスは、三フッ化窒素(NF)と酸素(O)の混合物であり、三フッ化窒素はそのガス混合物の約10容量%以下で含まれる。好ましくは、プロセスガスは、約5容量%〜約10容量%の三フッ化窒素(NF)と酸素(O)であるその残り(90容量%〜95容量%)の混合物であり、それら2つの成分がプロセスガス混合物の全100容量%をなす。しかし、NF及びOの相対量が一定に保たれる限り、アルゴン(Ar)等の不活性ガスをプロセスガス混合物に任意選択的に添加してもよい。発生したプラズマ中にあるフッ素及び酸素のラジカル及びイオンが、消費されたプロセスガスとともに処理チャンバから排出される揮発性ガス種を形成することによって、基板表面から材料を除去し、特に、基板表面に付着しているとともに基板表面から突出している薄いポリマー領域を除去する。
【0047】
処理方法は、多数のポリマーから成る平面基板から薄い付着ポリマー領域を除去するのに一般に適用可能であるが、ABFポリマーから成る平面基板から薄い付着ポリマー領域を除去するのに特に適用可能である。三フッ化窒素の使用により、四フッ化炭素又は他のフッ化炭化水素に依存する従来のポリマードライエッチング方法に比して向上するが、その理由は、三フッ化窒素があまり安定でなく、より溶解しやすいため、プラズマ中で発生するラジカルを劇的に増大させるからである。処理方法の特徴は、エッチングに使用されるソースガス混合物に炭素が含まれていないことである。また、薄い付着ポリマー領域は、湿式化学エッチング法に頼ることなく除去される。本発明の処理方法は、両面プリント回路基板等のエンボス板の表面から不要な薄い付着ポリマー領域を除去するのに特に適用可能であるが、その理由は、エンボス領域に金属化を施す等の後続の処理工程において、欠陥の無い表面で開始することが重要であるからである。
【0048】
薄い付着ポリマー領域を除去するエッチングプロセスの後に、ポリマー基板表面上に残渣が存在する可能性がある。処理方法の第2の工程では、真空を壊すことなく、好ましくはプラズマを消失させることなく、残渣を除去するのに適したプロセスガスの雰囲気を提供してプラズマを発生させることができる。プロセスガスのラジカル及びイオンは塵埃と反応して、プラズマチャンバから排出される揮発性生成物を形成する。プロセスガスは、三フッ化窒素と酸素の混合物を含み、三フッ化窒素は、ガス混合物の約90容量%以上で含まれる。例えば、残渣が珪素である状況では、エッチングに用いられる上述のガス混合物は、約90容量%〜約95容量%のNF及びその残り(5容量%〜10容量%)のOに変わり得る。しかし、NF及びOの相対量が一定に保たれる限り、Ar等の不活性ガスをプロセスガス混合物に任意選択的に添加してもよい。
【0049】
本発明を各種実施形態の記載により説明するとともに、これらの実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をかかる詳細に制限又は限定することは本出願人の意図ではない。さらなる利点及び修正が当業者には容易に明らかであろう。したがって、より広範な態様における本発明は、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示するとともに説明した例示的な例に限定されない。したがって、本出願人の一般的発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、かかる詳細から逸脱することができる。本発明の範囲自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置の斜視図である。
【図2】図1のプラズマ処理装置の断面図である。
【図2A】図2の線2A−2Aにほぼ沿った断面図である。
【図3】本発明の電極と一群の基板との関係を示す、プラズマ処理装置の一部の概略的な端面図である。
【図4】本発明による電極の他の実施形態の側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による、図1のプラズマ処理装置とともに使用する基板保持ラックの斜視図である。
【図6】図5のラックの基板ホルダの端面図である。
【図7】基板ホルダの1つが見られる、図5のラックの側面図である。
【図8A】図5のラックに基板を装填する手順を示す、図5に示す基板ホルダの1つの端面図である。
【図8B】図5のラックに基板を装填する手順を示す、図5に示す基板ホルダの1つの端面図である。
【図8C】図5のラックに基板を装填する手順を示す、図5に示す基板ホルダの1つの端面図である。
【図8D】図5のラックに基板を装填する手順を示す、図5に示す基板ホルダの1つの端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスガスから生成されるプラズマを用いて基板(26)を処理する装置(10)であって、
処理空間(16)、該処理空間(16)を排気する真空ポート(19)、および前記処理空間(16)内にプロセスガスを導入するガスポート(21)を有する処理チャンバ(12)、
前記処理空間(16)内で前記プロセスガスからプラズマを生成することが可能なプラズマ励起源(22)、および
前記プラズマ励起源(22)と電気的に結合する複数の電極(24)であって、前記プラズマを用いて前記基板(26)を処理するための前記処理空間(16)内で、前記電極(24)間に対応する複数の処理領域(38)を画定するように配置され、また、前記電極(24)の各々は、前記電極(24)の各々を介して前記プロセスガス及び前記プラズマを送るように機能する、少なくとも1つの穿孔板(42、50)を有する複数の電極(24)、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記穿孔板(42、50)は表面領域を画定し、該表面領域は、複数の孔(43、51)及び表面領域の20%未満の開口領域を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電極(24)の少なくとも1つは複数の前記穿孔板(42、50)を有し、前記穿孔版の各々は表面領域を画定し、該表面領域は複数の孔(43、51)及び表面領域の20%未満の開口領域を有する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記穿孔板(42、50)の少なくとも2つは異なる開口領域を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電極(24)の各々は、前記穿孔板(42、50)を保持する枠(44)と、冷媒液の流れを受け入れるようになっている、前記枠(44)内の内部通路(48)とを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
さらに、前記処理チャンバ(12)の内部に配置される複数の基板ホルダ(33、52)を有し、該基板ホルダ(33、52)の各々は、前記処理領域(38)の1つに配置され、前記基板(26)の少なくとも1つを支持する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記基板ホルダ(52)の各々は、前記基板(26)の外周に挟持力を加えるように構成される第1の枠及び第2の枠(54、56)を有し、該第1の枠及び該第2の枠(54、56)は、前記基板(26)をプラズマに曝すために、隣接する一対の前記電極(24)間の前記基板ホルダ(52)内に窓が画定されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記基板ホルダ(33、52)の各々は、隣接する一対の前記電極(24)の一方へ突出する第1の複数のアラインメントポスト(90)と、前記隣接する一対の電極(24)の他方へ突出する第2の複数のアラインメントポスト(92)とを有し、該アラインメントポスト(90、92)は、前記隣接する一対の電極(24)の各々によって画定される面に対して実質的に平行な面内に前記基板(26)を位置決めするような寸法となっている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記基板ホルダ(33、52)及び前記基板(26)は、前記処理チャンバ(12)の外側の複数の装填位置から、前記処理チャンバ(12)の内側の前記処理領域(38)に移行可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記電極(24)の各々は、導電コアと、該コアを被覆する非金属層(51)とを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電極(24)の各々は、前記穿孔板(42、50)を囲む枠(44)を有し、該枠(44)及び前記穿孔板(42、50)は、前記電極(24)の領域にわたって均一な厚みを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電極(24)の各々は、該電極(24)の各々を介して前記プロセスガス及び前記プラズマを送るように各々構成される複数の穿孔板(42、50)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電極(24)は、前記処理領域(38)を画定するように側面の位置関係を有する実質的に平行な面に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
基板(26)をプラズマ処理する方法であって、
処理チャンバ(12)の内部の一対の電極(24)間に画定された処理領域(38)内に前記基板(26)を支持する工程、
前記処理チャンバ(12)内にプロセスガスを導入する工程、
前記一対の電極(24)を励起し、前記処理チャンバ(12)内で前記プロセスガスからプラズマを発生させる工程、及び
前記電極(24)の各々の多孔質部分(42、50)を介して、前記処理領域(38)の外側の位置から、前記電極(24)の一方と前記基板(26)との間に各々画定される前記処理領域(38)の内側の一対の位置へ、前記プロセスガス及び前記プラズマの流れを導く工程、
を有する方法。
【請求項15】
さらに、基板ホルダ(33、52)により前記一対の電極(24)間に前記基板(26)を支持する工程、及び
前記プラズマに曝されている間、前記基板ホルダ(33、52)及び前記基板(26)を冷却する工程、
を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電極(24)の各々の前記多孔質部分は、前記処理領域(38)の外側の位置と前記処理領域(38)の内側の位置の一方との間の穿孔板(42、50)であり、前記電極(24)を介して前記プロセスガス及び前記プラズマの流れを導く工程は、
前記電極(24)の各々の前記穿孔板(42、50)を介して前記プロセスガス及び前記プラズマの流れを送る工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ポリマー基板(26)から突出する薄い付着ポリマー領域を除去する方法であって、
前記ポリマー基板(26)を保持する処理チャンバ(12)にプロセスガスを供給する工程であって、該プロセスガスは、酸素及び三フッ化窒素を含有するガス混合物を含み、三フッ化窒素は、該ガス混合物の約10容量パーセント以下で含まれる、プロセスガスを供給する工程、
前記プロセスガスからプラズマを発生させる工程、及び
前記薄い付着ポリマー領域を除去するのに有効な時間、前記ポリマー基板(26)を前記プラズマに曝す工程、
を有する方法。
【請求項18】
前記プラズマを発生させる工程は、さらに、
前記プロセスガスに40kHzで約4,000ワット〜約8,000ワットの範囲で電力を送る工程、
をさらに有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらに、周囲温度を上回るプロセス温度に前記ポリマー基板(26)を加熱する工程
を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリマー基板(26)を加熱する工程は、さらに、
約30℃〜約90℃の範囲のプロセス温度に前記ポリマー基板(26)を加熱する工程
を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ポリマー基板(26)を加熱する工程は、さらに、
基板ホルダ(52)との熱接触状態で前記ポリマー基板(26)を支持する工程、及び
前記基板ホルダ(52)を冷媒流により冷却し、前記プラズマから前記ポリマー基板(26)へ伝導される熱を除去する工程、
を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記プラズマを生成する工程は、さらに、
一対の電極(24)間に画定された処理領域(38)内に前記ポリマー基板(26)を配置する工程、及び
前記処理領域(38)に前記一対の電極(24)内の各々の穿孔板(42、50)を介して前記プラズマ及び前記プロセスガスを送る工程、
を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
さらに、前記電極(24)を冷媒流により冷却し、前記電極(24)から前記ポリマー基板(26)に伝導された熱を減少させる工程、
を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ガス混合物は、約5容量パーセント〜約10容量パーセントの三フッ化窒素、及び残りの酸素から成る、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記薄い付着ポリマー領域は、前記プラズマへ曝された後に前記ポリマー基板(26)上に残渣を残し、さらに、
三フッ化窒素が前記プロセスガスの約90容量パーセント以上で含まれるように前記ガス混合物を変化させる工程、及び
前記残渣を除去するのに有効な時間、前記ポリマー基板(26)を前記プラズマに曝す工程、
を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記ガス混合物は、約90容量パーセント〜約95容量パーセントの三フッ化窒素、及び残りの酸素から成る、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス混合物は、前記プラズマを消失させることなく変化する、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公表番号】特表2007−514275(P2007−514275A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538025(P2006−538025)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/032973
【国際公開番号】WO2005/045873
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】