プリペイドカード管理システム
【課題】プリペイドカードの不正取得者による不正使用を防止してプリペイドカードの残高に応じた払い戻しを円滑に実施し得るプリペイドカード管理システムを提供する。
【解決手段】カード処理端末20によるプリペイドカード50の発行時に生体認証情報取得部24により取得された生体認証情報は、照合用生体認証情報としてカード番号に関連づけられて当該プリペイドカード50に記録されている。そして、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、カードリーダライタ27により当該プリペイドカード50を読み取ることで得られたカード番号に関連づけられる照合用生体認証情報との照合結果が一致する場合に、入出金部23により、当該プリペイドカード50に記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【解決手段】カード処理端末20によるプリペイドカード50の発行時に生体認証情報取得部24により取得された生体認証情報は、照合用生体認証情報としてカード番号に関連づけられて当該プリペイドカード50に記録されている。そして、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、カードリーダライタ27により当該プリペイドカード50を読み取ることで得られたカード番号に関連づけられる照合用生体認証情報との照合結果が一致する場合に、入出金部23により、当該プリペイドカード50に記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドカードを管理するプリペイドカード管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリペイドカードを管理するプリペイドカード管理システムに関する技術として、下記特許文献1に示すキャッシュレス遊技システムが知られている。このキャッシュレス遊技システムでは、カード所有者の生体情報に基づいてカードの利用者が正規のカード所有者であるか否かを認証し、カードの利用者が正規のカード所有者であることを条件に、当該利用者の操作に従ってカード所有者が金融機関に有する口座からデータセンターに設けたサーバーコンピュータに指定の金額を移し変えさせる。これにより、この指定の金額と引き換えに所定量の遊技媒体(パチンコ玉)が貸し出されることとなる。
【0003】
そして、換金時には、残存する遊技媒体の個数に応じた返還金額が、上記認証後にデータセンターのサーバーコンピュータに送信されることで、このサーバーコンピュータにおける当該金額分の増額がなされる。これにより、現金の取り扱いを不要とする遊技システムを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−183408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、現金の代わりにプリペイドカードを使用するシステムでは、購入者を特定することなくプリペイドカードの残高に応じた払い戻しができるため、プリペイドカードの紛失時に、不正取得者がプリペイドカードの残高に応じた現金を不正に払い戻すことが可能であるという問題がある。また、上記特許文献1に記載のような管理システムでは、プリペイドカードを不正に取得した不正取得者による不正使用は防止できるものの、カードの紛失が想定されていないため、紛失したプリペイドカードの残高に応じた現金の払い戻しができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プリペイドカードの不正取得者による不正使用を防止してプリペイドカードの残高に応じた払い戻しを円滑に実施し得るプリペイドカード管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のプリペイドカード管理システムでは、プリペイドカードの発行および前記プリペイドカードの残高に関する処理を実行可能なカード処理端末と、前記プリペイドカードを利用した支払いが可能な支払端末と前記カード処理端末との双方に通信可能に構成されてこれら各端末から送信される前記プリペイドカードの履歴情報を含めた情報を管理するサーバと、を有するプリペイドカード管理システムであって、前記カード処理端末は、前記プリペイドカードを購入する購入者の生体認証情報を取得する取得手段と、他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報が、残高情報と前記取得手段により取得された前記生体認証情報とに関連づけられて、前記残高情報とともに記録情報として少なくとも記録された前記プリペイドカードを発行する発行手段と、前記発行手段により発行された前記プリペイドカードの記録情報を含めた情報について前記サーバと通信可能な通信手段と、前記プリペイドカードの記録情報を読み取る読取手段と、2つの前記生体認証情報を照合可能な照合手段と、前記プリペイドカードに記録された前記残高情報に応じた現金を払い戻し可能な払戻手段と、を備え、前記発行手段による前記プリペイドカードの発行時に前記取得手段により取得された前記生体認証情報は、照合用生体認証情報として前記識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよび前記サーバの少なくともいずれかに記録されており、前記払戻手段は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、前記読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた前記識別情報に関連づけられる前記照合用生体認証情報との前記照合手段による照合結果が一致する場合に、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記払戻手段は、前記読取手段により前記生体認証情報が読み取られず、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられて前記サーバに記録された前記識別情報に関連づけられる前記残高情報を前記通信手段を介して当該サーバから取得して、この残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記サーバは、前記払戻手段による前記プリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のために前記カード処理端末に前記残高情報を送信するとき、この残高情報に対応する前記識別情報が記録されたプリペイドカードを無効とするために当該識別情報が登録された無効情報を前記カード処理端末および前記支払端末に送信し、前記カード処理端末は、前記通信手段を介して受信した前記無効情報が記憶される記憶手段を備え、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理を実施しないことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記カード処理端末は、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記カード処理端末は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者によってなされる前記プリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応して前記サーバにて管理される前記プリペイドカードの前記履歴情報を、前記通信手段を介して取得し、表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、カード処理端末の発行手段によるプリペイドカードの発行時に取得手段により取得された生体認証情報、例えば指紋情報や静脈情報等は、照合用生体認証情報として識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよびサーバの少なくともいずれかに記録されている。そして、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた識別情報に関連づけられる照合用生体認証情報との照合手段による照合結果が一致する場合に、払戻手段により、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0013】
これにより、プリペイドカードの購入者は、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、当該プリペイドカードの残高に応じた現金の払い戻しを受けることができる。一方、紛失等したプリペイドカードを不正に取得した不正取得者では、照合手段による照合結果が一致しないために、当該プリペイドカードの残高情報に応じた現金を払い戻すことができないこととなる。
したがって、プリペイドカードの不正取得者による不正使用を防止して購入者によるプリペイドカードの残高に応じた払い戻しを円滑に実施することができる。
【0014】
請求項2の発明では、カード処理端末の読取手段により生体認証情報が読み取られず、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられてサーバに記録された識別情報に関連づけられる残高情報を通信手段を介して当該サーバから取得して、払戻手段により、この残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0015】
これにより、プリペイドカードの購入者は、紛失等によりプリペイドカードがないために読取手段により生体認証情報が読み取られない場合でも、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、この生体認証情報に関連する残高情報に応じた現金の払い戻しを受けることができる。この場合、カード処理端末では、再度取得した生体認証情報に関連する残高情報がサーバから取得されるので、照合手段にて2つの生体認証情報を照合する照合処理を実施することなく払戻処理がなされることとなる。
【0016】
請求項3の発明では、サーバは、払戻手段によるプリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のためにカード処理端末に残高情報を送信するとき、上記無効情報をカード処理端末および支払端末に送信する。そして、カード処理端末では、読取手段により読み取られたプリペイドカードの識別情報が、記憶手段に記憶される無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理が実施されないこととなる。
【0017】
これにより、プリペイドカードを使用しない払い戻しを実施すると、払い戻しされた残高情報に関連する識別情報が無効情報に登録されるので、正当購入者であっても、プリペイドカードを使用せずに払い戻した後に当該プリペイドカードを使用した不正な払い戻しを防止することができる。
【0018】
請求項4の発明では、カード処理端末は、読取手段により読み取られたプリペイドカードの識別情報が、記憶手段に記憶される無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨が報知手段により報知される。これにより、払戻済みのプリペイドカードを使用した不正な払い戻し等が要求される場合には、報知手段により上述のように報知されるので、払戻済みのプリペイドカードを使用した不正な要求を確実に把握することができる。
【0019】
請求項5の発明では、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によってなされるプリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応してサーバにて管理されるプリペイドカードの履歴情報が表示手段により表示される。これにより、不正使用者による履歴情報の参照を防止して、購入者によるプリペイドカードの履歴情報の参照を円滑に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る管理システムの構成を概略的に例示するブロック図である。
【図2】プリペイドカードに記録される情報を説明するための説明図である。
【図3】カード処理端末のメモリに記録される情報の一例を示す図表である。
【図4】支払端末のメモリに記録される情報の一例を示す図表である。
【図5】サーバのメモリに記録される取引ログデータの一例を示す図表である。
【図6】サーバのメモリに記録されるプリカマスタ情報の一例を示す図表である。
【図7】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図8】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図9】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図10】表示画面に表示されるメニュー画面を例示する説明図である。
【図11】表示画面に表示される利用履歴情報を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のプリペイドカード管理システムを具現化した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る管理システム10の構成を概略的に例示するブロック図である。図2は、プリペイドカード50に記録される情報を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る管理システム10は、金銭的情報等が記録されるプリペイドカード50の発行や払い戻しなど当該プリペイドカード50を管理するシステムであって、カード処理端末20、支払端末30およびサーバ40を備えている。カード処理端末20は、プリペイドカード50の発行やプリペイドカード50の残高に関する処理を実現するための端末であって、当該カード処理端末20全体を制御する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ22と協働して情報処理手段として機能する。メモリ22には、後述するカード端末処理等を実行可能な所定のプログラムや、ネガデータ等のプリペイドカード50に関する情報などが記憶される。なお、メモリ22は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0023】
また、カード処理端末20は、図1に示すように、入出金部23、生体認証情報取得部24、カード発行部25、通信部26、カードリーダライタ27および表示部28を備えている。入出金部23は、入金された金額に応じた金額情報を制御部21に出力する機能と、制御部21からの払い戻し指示に応じた現金を払い戻す機能とを備えている。なお、入出金部23は、特許請求の範囲に記載の「払戻手段」の一例に相当し得る。
【0024】
生体認証情報取得部24は、購入者の指紋を撮像可能な撮像部を有し、制御部21により制御されて、撮像部により撮像された画像から得られる指紋情報を生体認証情報として取得可能に構成されている。なお、生体認証情報取得部24は、特許請求の範囲に記載の「取得手段」の一例に相当し得る。
【0025】
カード発行部25は、制御部21からの指示に応じて、図2に示す所定のカード番号、残高情報、生体認証情報やその他カード情報が記録されたプリペイドカード50を発行可能に構成されている。なお、カード番号は、他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報であって、特許請求の範囲に記載の「識別情報」の一例に相当し得る。また、カード発行部25は、特許請求の範囲に記載の「発行手段」の一例に相当し得る。
【0026】
通信部26は、制御部21により制御されて、プリペイドカード50の発行時の情報や払い戻し時の情報等についてサーバ40との間で送受信可能に構成されている。なお、通信部26は、特許請求の範囲に記載の「通信手段」の一例に相当し得る。
【0027】
カードリーダライタ27は、プリペイドカード50との間で電磁波による無線通信等を行なうことで、当該プリペイドカード50に記憶される情報を読み取り可能であり、かつ、プリペイドカード50に対して残高情報等の情報を書き込み(更新)可能に構成されている。なお、カードリーダライタ27は、特許請求の範囲に記載の「読取手段」の一例に相当し得る。
【0028】
また、表示部28は、公知のタッチパネル機能を備えており、制御部21により制御されることで、所定の情報が表示画面28aに表示されるとともにこの表示画面28aの所定の位置に触れるタッチ操作をすることによりその接触位置に応じた情報の入力が行われるように構成されている。なお、表示部28は、特許請求の範囲に記載の「表示手段」の一例に相当し得る。
【0029】
図3は、カード処理端末20のメモリ22に記録される情報の一例を示す図表である。
このように構成されるカード処理端末20のメモリ22には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図3に例示するように、対象のカード番号と、操作日時と、その操作区分と、操作後の残高情報と、操作時に取得された生体認証情報等とが、データベース化されてメモリ22に格納される。
【0030】
また、支払端末30は、複数種類の商品が陳列される店舗内に設置されて、上述のようにカード処理端末20にて発行されたプリペイドカード50や現金等を使用した商品購入に関する処理を実現するための端末であって、当該支払端末30全体を制御する制御部31を備えている。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ32と協働して情報処理手段として機能する。
【0031】
また、支払端末30は、図1に示すように、カードリーダライタ33、入力装置34および通信部35を備えている。カードリーダライタ33は、プリペイドカード50との間で電磁波による無線通信等を行なうことで、当該プリペイドカード50に記憶される情報を読み取り可能であり、かつ、プリペイドカード50に対して残高情報等の情報を書き込み(更新)可能に構成されている。この機能により、支払端末30では、プリペイドカード50を使用した支払いが可能となる。
【0032】
入力装置34は、コードリーダやキー操作部等を備えており、コードリーダにより購入商品に付されているバーコードを光学的に読み取ることで購入商品の価格情報などが取得可能であって、キー操作部の操作に応じて商品購入に関する情報が入力可能に構成されている。通信部35は、制御部31により制御されて、商品購入に関する情報等についてサーバ40との間で送受信可能に構成されている。
【0033】
図4は、支払端末30のメモリ32に記録される情報の一例を示す図表である。
このように構成される支払端末30のメモリ32には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図4に例示するように、対象のカード番号と、取引日時と、当該支払端末30の支払端末IDと、購入金額情報と、取引区分と、取引後の残高情報とが、データベース化されてメモリ32に格納される。
【0034】
サーバ40は、1または2以上のカード処理端末20および支払端末30や、カード処理端末20にて発行された複数のプリペイドカード50を管理するためのもので、カード処理端末20等からの要求に応じて必要な情報を送信可能に構成されている。なお、図1では、サーバ40に対して、カード処理端末20および支払端末30が1つずつ通信可能に接続されているが、これに限らず、2以上のカード処理端末20や支払端末30が通信可能に接続されてもよい。
【0035】
このサーバ40は、当該サーバ40全体を制御する制御部41を備えている。この制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ42と協働して情報処理手段として機能する。メモリ42には、プリペイドカード50に関する情報などが記憶される。また、サーバ40は、上述したプリペイドカード50に関する情報などについてカード処理端末20や支払端末30との間で送受信するための通信部43を備えている。
【0036】
図5は、サーバ40のメモリ42に記録される取引ログデータの一例を示す図表であり、図6は、メモリ42に記録されるプリカマスタ情報の一例を示す図表である。
このように構成されるサーバ40のメモリ42には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図5に例示するように、対象のカード番号と、取引日時と、使用された支払端末30の支払端末IDと、購入金額情報と、取引区分と、取引後の残高情報とが、取引ログデータとして、データベース化されてメモリ42に格納される。また、例えば、図6に例示するように、発行済みの全てのカード番号と、当該カード番号に対応する生体認証情報と、ネガデータ登録の有無と、登録日時とが、プリカマスタ情報として、データベース化されてメモリ42に格納される。ここで、ネガデータは、カード番号が無効登録されているか否かを示す情報であり、個々のカード処理端末20から受信した無効カード番号(後述する)に応じて更新され(図6の2段目参照)、更新後に全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。本実施形態では、ネガデータは、後述するように無効カード番号に応じて残高情報を送信するときに、全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。なお、ネガデータは、所定時間経過毎に、例えば、1日1回、全てのカード処理端末20および支払端末30に送信されてもよい。また、ネガデータは、特許請求の範囲に記載の「無効情報」の一例に相当し得る。
【0037】
次に、カード処理端末20の制御部21にて実行されるカード端末処理について、図を参照して説明する。図7〜図9は、カード処理端末20の制御部21にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートである。図10は、表示画面28aに表示されるメニュー画面を例示する説明図である。図11は、表示画面28aに表示される利用履歴情報を例示する説明図である。
【0038】
カード処理端末20を起動すると、図7のステップS101にてメニュー画面表示処理がなされる。この処理では、図10に例示するように、表示画面28aに「カード購入」、「残高加金」、「利用履歴照会」および「払い戻し」の4つのメニュー29a〜29dが表示される。そして、各メニュー29a〜29dのいずれかが表示画面28aのタッチ操作に応じて選択されるか、サーバ40からネガデータを受信するまで、ステップS103〜S111にてNoとの判定が繰り返される。
【0039】
上記ステップS103からの繰り返し処理において、サーバ40から通信部26を介してネガデータを受信すると、ステップS111にてYesと判定される。そして、ステップS113にてネガデータ更新処理がなされ、メモリ22に記憶されているネガデータが受信したネガデータに応じて更新される。
【0040】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「カード購入」のメニュー29aのタッチ操作に応じて「カード購入」が選択(指示)されると、ステップS103にてYesと判定される。次に、ステップS115において、チャージ金額表示処理がなされ、表示画面28aにチャージ金額を示す「1,000円」、「2,000円」、「5,000円」および「10,000円」等の金額が表示される。続いて、ステップS117において、チャージ金額設定処理がなされる。この処理では、上記ステップS115にて表示された複数の金額情報に対してタッチ操作することでチャージ金額が選択されて、このチャージ金額に応じた入金が受け付けられる。
【0041】
そして、入出金部23にてチャージ金額が入金されると、ステップS119において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、購入者に対して生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0042】
次に、ステップS121にてカード発行処理がなされる。この処理では、所定の規定により自動的に採番されたカード番号と、上記チャージ金額に相当する残高情報と、照合用生体認証情報として指紋情報と、その他カード情報とが記録されたプリペイドカード50がカード発行部25により発行される。そして、ステップS123にてカード出力処理がなされ、上述のように発行されたプリペイドカード50が購入者に引き渡すために当該カード処理端末20から出力されて、ステップS101からの処理がなされる。これにより、購入者は、自己の指紋情報が記録されたプリペイドカード50を取得することとなる。なお、上述のように発行されたプリペイドカード50に関する情報は、発行の都度、通信部26を介してサーバ40に送信されてもよいし、所定量まとめた段階でサーバ40に送信されてもよい。
【0043】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「残高加金」のメニュー29bのタッチ操作に応じて「残高加金」が選択(指示)されると、ステップS105にてYesと判定される。次に、ステップS125において、カード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS127において、チャージ金額表示処理がなされ、表示画面28aに加金対象のチャージ金額を示す「1,000円」、「2,000円」、「5,000円」および「10,000円」等の金額が表示される。続いて、ステップS129において、チャージ金額設定処理がなされる。この処理では、上記ステップS127にて表示された複数の金額情報に対してタッチ操作することでチャージ金額が選択されて、このチャージ金額に応じた現金を受け付ける。なお、ステップS127,S129および上述したS115,S117では、購入者によるタッチ操作に応じてチャージ金額を自由に設定してもよいし、画面選択させることなく受け付けた現金をそのままチャージ金額として設定してもよい。
【0044】
そして、入出金部23にてチャージ金額が入金されると、ステップS131にてカード情報更新処理がなされる。この処理では、プリペイドカード50の残高情報が、カードリーダライタ27により、上記チャージ金額を加金するように更新される。そして、ステップS133にてカード出力処理がなされ、上述のように更新されたプリペイドカード50が購入者に引き渡すために当該カード処理端末20から出力されて、ステップS101からの処理がなされる。これにより、購入者は、カード処理端末20によりプリペイドカード50の残高を増額することができる。なお、上述のように残高加金されたプリペイドカード50に関する情報は、都度、通信部26を介してサーバ40に送信されてもよいし、所定量まとめた段階でサーバ40に送信されてもよい。
【0045】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、プリペイドカード50における利用履歴情報の表示を指示するために「利用履歴照会」のメニュー29cのタッチ操作に応じて「利用履歴照会」が選択(指示)されると、ステップS107にてYesと判定される。次に、図8のステップS135において、プリペイドカード50を使用する利用履歴照会か否かについて判定される。この判定では、プリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示され、プリペイドカード50を使用する旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS135にてYesと判定される。
【0046】
そして、ステップS137にてカード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS139において、カード番号取得処理がなされ、取り込まれたプリペイドカード50のカード番号がカードリーダライタ27により読み取られて取得される。次に、ステップS141にて利用履歴情報取得処理がなされる。この処理では、通信部26を介してサーバ40と通信し、ステップS139にて取得したカード番号に対応する利用履歴情報が当該サーバ40のメモリ42から取得される。
【0047】
そして、ステップS143にてプリペイドカード50を出力した後、ステップS145にて、利用履歴表示処理がなされる。この処理では、図11に例示するように、上記ステップS141にて取得した利用履歴情報が表示画面28aに表示される。
【0048】
一方、上述のようにプリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示されている際に、プリペイドカード50を使用しない旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS135にてNoと判定される。次に、ステップS147において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように購入者に促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0049】
次に、ステップS149において、利用履歴情報取得処理がなされる。この処理では、サーバ40と通信し、ステップS147にて取得した生体認証情に対応する1または2以上のカード番号と、このカード番号に対応する利用履歴情報が通信部26を介して当該サーバ40のメモリ42から取得される。続いて、ステップS151にてカード番号表示処理がなされ、上記ステップS149にて取得された利用履歴情報に対応するカード番号が表示画面28aにメニューとして選択可能に表示される。そして、表示画面28aのタッチ操作に応じて所望のカード番号が選択されると、ステップS145にて利用履歴表示処理がなされて、選択されたカード番号の利用履歴情報が表示画面28aに表示される(図11参照)。これにより、購入者は、プリペイドカード50を使用しない場合でも、当該プリペイドカード50の利用履歴を参照することができる。なお、ステップS149にて1つのカード番号とこのカード番号に対応する利用履歴情報のみが取得される場合には、ステップS151にてカード番号を表示することなく、ステップS145にて上記利用履歴情報を表示画面28aに表示してもよい。また、ステップS145では、複数のカード番号に対応する利用履歴情報を表示画面28aに同時に表示してもよい。
【0050】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「払い戻し」のメニュー29dのタッチ操作に応じて「払い戻し」が選択(指示)されると、ステップS109にてYesと判定される。次に、図9のステップS153において、プリペイドカード50を使用する払い戻しか否かについて判定される。この判定では、プリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示され、プリペイドカード50を使用する旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS153にてYesと判定される。
【0051】
そして、ステップS155にてカード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS157において、記録情報読取処理がなされ、取り込まれたプリペイドカード50のカード番号、照合用生体認証情報および残高情報等がカードリーダライタ27により読み取られる。そして、ステップS159において、ステップS157にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されているか否かについて判定される。ここで、読み取ったカード番号が、メモリ22に記憶されたネガデータに登録されていなければ、ステップS159にてNoと判定される。
【0052】
そして、ステップS161において、生体認証情報再取得処理がなされる。この処理では、使用者に対して生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として再度取得される。
【0053】
続いて、ステップS163にて照合処理がなされ、ステップS157にて読み取った照合用生体認証情報とステップS161にて再度取得した生体認証情報とを照合する処理がなされる。そして、これら2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされる場合には、ステップS165にてYesと判定される。続いて、ステップS167にて払戻処理がなされ、当該プリペイドカード50の残高情報に応じた現金が入出金部23により使用者に対して払い戻される(図3の3段目参照)。なお、払い戻されたプリペイドカード50は、購入者に返却されることなくそのまま本体内に回収されることとなる。
【0054】
一方、上述した2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされない場合には、ステップS165にてNoと判定される(図3の4段目参照)。そして、ステップS169にて報知処理がなされる。この処理では、プリペイドカード50の購入者と異なる不正使用者が当該プリペイドカード50を使用しているとして、報知情報が通信部26を介してサーバ40等に送信される。この報知情報をサーバ40等にて受信することで、プリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。なお、上記報知処理とともに、または上記報知処理に代えて、照合結果が一致しないために払い戻しが出来ない旨を表示画面28aに表示することで報知してもよい。報知後、使用を防止するために返却せずに回収してしまってもよい。また、ステップS169を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「報知手段」の一例に相当し得る。
【0055】
一方、上述のように「払い戻し」が選択されてプリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示されている際に、プリペイドカード50を使用しない旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS153にてNoと判定される。次に、ステップS171において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように購入者に促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0056】
次に、ステップS173において、残高情報取得処理がなされる。この処理では、通信部26を介してサーバ40と通信し、ステップS171にて取得した生体認証情に対応する1または2以上のカード番号と、このカード番号に対応する残高情報が当該サーバ40のメモリ42から取得される。続いて、ステップS175にてカード番号表示処理がなされ、上記ステップS173にて取得されたカード番号が表示画面28aにメニューとして選択可能に表示される。なお、カード番号を表示画面28aに表示するとき、支払い対象を明確にするために、このカード番号に関連する利用履歴情報やその他カード情報を表示画面28aに表示してもよい。
【0057】
そして、表示画面28aのタッチ操作に応じて所望のカード番号が選択されると、ステップS177にて無効カード番号送信処理がなされる。この処理では、選択されたカード番号に対応するプリペイドカード50の今後の使用を無効とするために、当該カード番号が無効カード番号として通信部26を介してサーバ40に送信される。サーバ40では、通信部43を介して無効カード番号が受信されると、この無効カード番号が無効登録されるようにメモリ42に記憶されたネガデータが更新され、このように更新されたネガデータが全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。
【0058】
上述のように無効カード番号送信処理がなされると、ステップS167にて払戻処理がなされ、選択されたカード番号に対応する残高情報に応じた現金が入出金部23により使用者に対して払い戻される。これにより、購入者は、プリペイドカード50を紛失等したために所持していない場合であっても、払い戻しを受けることができる。
【0059】
上述したステップS159において、ステップS157にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されている場合には(S159でYes)、ステップS169にて報知処理がなされる。この処理では、払戻済みのプリペイドカード50を使用しているとして、報知情報が通信部26を介してサーバ40等に送信される。この報知情報をサーバ40等にて受信することで、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。なお、上記報知処理とともに、または上記報知処理に代えて、払戻済みのプリペイドカード50を使用しているために払い戻しが出来ない旨を表示画面28aに表示することで報知すること、または、報知後、使用を防止するために返却せずに回収してしまってもよい。
【0060】
また、支払端末30でも、商品購入時等でプリペイドカード50を使用した支払いがなされると、この処理に関する情報が通信部35を介してサーバ40に送信される。さらに、サーバ40から通信部35を介してネガデータを受信すると、メモリ22に記憶されているネガデータが受信したネガデータに応じて更新される。そして、商品購入時にカードリーダライタ33にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されている場合には、上記ステップS169と同様に報知処理がなされる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20によるプリペイドカード50の発行時に生体認証情報取得部24により取得された生体認証情報は、照合用生体認証情報としてカード番号に関連づけられて当該プリペイドカード50に記録されている。そして、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用した払い戻しが指示されるとき(S153でYes)、再度取得された生体認証情報と、カードリーダライタ27により当該プリペイドカード50を読み取ることで得られたカード番号に関連づけられる照合用生体認証情報との照合結果が一致する場合に、入出金部23により、当該プリペイドカード50に記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0062】
これにより、プリペイドカード50の購入者は、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、当該プリペイドカード50の残高に応じた現金の払い戻しを受けることができる。一方、紛失等したプリペイドカード50を不正に取得した不正取得者では、生体認証情報の照合結果が一致しないために、当該プリペイドカード50の残高情報に応じた現金を払い戻すことができないこととなる。
したがって、プリペイドカード50の不正取得者による不正使用を防止して購入者によるプリペイドカード50の残高に応じた払い戻しを円滑に実施することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20のカードリーダライタ27により生体認証情報が読み取られず、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用しない払い戻しが指示されるとき(S153でNo)、再度取得された生体認証情報に関連づけられてサーバ40に記録されたカード番号に関連づけられる残高情報を通信部26を介して当該サーバ40から取得して、入出金部23により、この残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0064】
これにより、プリペイドカード50の購入者は、紛失等によりプリペイドカード50がないためにカードリーダライタ27により生体認証情報が読み取られない場合でも、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、この生体認証情報に関連する残高情報に応じた現金の払い戻しを受けることができる。この場合、カード処理端末20では、再度取得した生体認証情報に関連する残高情報がサーバ40から取得されるので、2つの生体認証情報を照合する照合処理を実施することなく払戻処理がなされることとなる。
【0065】
さらに、本実施形態に係る管理システム10では、サーバ40は、プリペイドカード50を使用しない払い戻しの実施のためにカード処理端末20に残高情報を送信するとき、ネガデータ(無効情報)をカード処理端末20および支払端末30に送信する。そして、カード処理端末20では、カードリーダライタ27により読み取られたプリペイドカード50のカード番号が、メモリ22に記憶されるネガデータに登録されたカード番号に一致するとき、当該プリペイドカード50に関する処理が実施されないこととなる。
【0066】
これにより、プリペイドカード50を使用しない払い戻しを実施すると、払い戻しされた残高情報に関連するカード番号がネガデータに登録されるので、正当購入者であっても、プリペイドカード50を使用せずに払い戻した後に当該プリペイドカード50を使用した不正な払い戻しを防止することができる。
【0067】
さらにまた、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20は、カードリーダライタ27により読み取られたプリペイドカード50のカード番号が、メモリ22に記憶されるネガデータに登録されたカード番号に一致するとき、当該プリペイドカード50が無効である旨が報知される。これにより、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な払い戻し等が要求される場合には、上述のように報知されるので、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)ステップS137にてプリペイドカード50を取り込んだ後に、このプリペイドカード50に記録されたカード番号および生体認証情報を読み取り、ステップS161と同様に生体認証情報再取得処理を実施して、これら2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされる場合に、ステップS141以降の処理を実施するようにしてもよい。すなわち、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によってなされるプリペイドカード50における利用履歴照会の指示(選択)に応じて、この取得された生体認証情報に対応してサーバ40にて管理されるプリペイドカード50の利用履歴情報が表示画面28aにより表示される。これにより、不正使用者による利用履歴情報の参照を防止して、購入者によるプリペイドカード50の利用履歴情報の参照を円滑に実施することができる。
【0069】
(2)生体認証情報取得部24は、指紋情報を生体認証情報(照合用生体認証情報)として取得可能に構成されることに限らず、例えば、静脈情報、虹彩情報や顔認識など個人を識別可能な情報を取得可能に構成されてもよい。この場合、ステップS163の照合処理等では、生体認証情報取得部24にて上述のように取得された生体認証情報に基づいて照合されることとなる。
【0070】
(3)カード購入時に取得された生体認証情報は、プリペイドカード50に記録されることなく、サーバ40にのみ記録されてもよい。この場合、生体認証情報が必要となる処理(ステップS163の照合処理等)では、その都度、通信部26を介してサーバ40から生体認証情報を取得することとなる。
【0071】
(4)ステップS139にてカード番号を取得した後に、このカード番号がネガデータ登録されているか否か判定し、ネガデータ登録されている場合にはステップS169と同様に報知処理を実施してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…管理システム(プリペイドカード管理システム)
20…カード処理端末
21…制御部(報知手段)
22…メモリ(記憶手段)
23…入出金部(払戻手段)
24…生体認証情報取得部(取得手段)
25…カード発行部(発行手段)
26…通信部(通信手段)
27…カードリーダライタ(読取手段)
28…表示部(表示手段)
30…支払端末
40…サーバ
50…プリペイドカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドカードを管理するプリペイドカード管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリペイドカードを管理するプリペイドカード管理システムに関する技術として、下記特許文献1に示すキャッシュレス遊技システムが知られている。このキャッシュレス遊技システムでは、カード所有者の生体情報に基づいてカードの利用者が正規のカード所有者であるか否かを認証し、カードの利用者が正規のカード所有者であることを条件に、当該利用者の操作に従ってカード所有者が金融機関に有する口座からデータセンターに設けたサーバーコンピュータに指定の金額を移し変えさせる。これにより、この指定の金額と引き換えに所定量の遊技媒体(パチンコ玉)が貸し出されることとなる。
【0003】
そして、換金時には、残存する遊技媒体の個数に応じた返還金額が、上記認証後にデータセンターのサーバーコンピュータに送信されることで、このサーバーコンピュータにおける当該金額分の増額がなされる。これにより、現金の取り扱いを不要とする遊技システムを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−183408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、現金の代わりにプリペイドカードを使用するシステムでは、購入者を特定することなくプリペイドカードの残高に応じた払い戻しができるため、プリペイドカードの紛失時に、不正取得者がプリペイドカードの残高に応じた現金を不正に払い戻すことが可能であるという問題がある。また、上記特許文献1に記載のような管理システムでは、プリペイドカードを不正に取得した不正取得者による不正使用は防止できるものの、カードの紛失が想定されていないため、紛失したプリペイドカードの残高に応じた現金の払い戻しができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プリペイドカードの不正取得者による不正使用を防止してプリペイドカードの残高に応じた払い戻しを円滑に実施し得るプリペイドカード管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のプリペイドカード管理システムでは、プリペイドカードの発行および前記プリペイドカードの残高に関する処理を実行可能なカード処理端末と、前記プリペイドカードを利用した支払いが可能な支払端末と前記カード処理端末との双方に通信可能に構成されてこれら各端末から送信される前記プリペイドカードの履歴情報を含めた情報を管理するサーバと、を有するプリペイドカード管理システムであって、前記カード処理端末は、前記プリペイドカードを購入する購入者の生体認証情報を取得する取得手段と、他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報が、残高情報と前記取得手段により取得された前記生体認証情報とに関連づけられて、前記残高情報とともに記録情報として少なくとも記録された前記プリペイドカードを発行する発行手段と、前記発行手段により発行された前記プリペイドカードの記録情報を含めた情報について前記サーバと通信可能な通信手段と、前記プリペイドカードの記録情報を読み取る読取手段と、2つの前記生体認証情報を照合可能な照合手段と、前記プリペイドカードに記録された前記残高情報に応じた現金を払い戻し可能な払戻手段と、を備え、前記発行手段による前記プリペイドカードの発行時に前記取得手段により取得された前記生体認証情報は、照合用生体認証情報として前記識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよび前記サーバの少なくともいずれかに記録されており、前記払戻手段は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、前記読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた前記識別情報に関連づけられる前記照合用生体認証情報との前記照合手段による照合結果が一致する場合に、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記払戻手段は、前記読取手段により前記生体認証情報が読み取られず、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられて前記サーバに記録された前記識別情報に関連づけられる前記残高情報を前記通信手段を介して当該サーバから取得して、この残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記サーバは、前記払戻手段による前記プリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のために前記カード処理端末に前記残高情報を送信するとき、この残高情報に対応する前記識別情報が記録されたプリペイドカードを無効とするために当該識別情報が登録された無効情報を前記カード処理端末および前記支払端末に送信し、前記カード処理端末は、前記通信手段を介して受信した前記無効情報が記憶される記憶手段を備え、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理を実施しないことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記カード処理端末は、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリペイドカード管理システムにおいて、前記カード処理端末は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者によってなされる前記プリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応して前記サーバにて管理される前記プリペイドカードの前記履歴情報を、前記通信手段を介して取得し、表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、カード処理端末の発行手段によるプリペイドカードの発行時に取得手段により取得された生体認証情報、例えば指紋情報や静脈情報等は、照合用生体認証情報として識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよびサーバの少なくともいずれかに記録されている。そして、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた識別情報に関連づけられる照合用生体認証情報との照合手段による照合結果が一致する場合に、払戻手段により、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0013】
これにより、プリペイドカードの購入者は、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、当該プリペイドカードの残高に応じた現金の払い戻しを受けることができる。一方、紛失等したプリペイドカードを不正に取得した不正取得者では、照合手段による照合結果が一致しないために、当該プリペイドカードの残高情報に応じた現金を払い戻すことができないこととなる。
したがって、プリペイドカードの不正取得者による不正使用を防止して購入者によるプリペイドカードの残高に応じた払い戻しを円滑に実施することができる。
【0014】
請求項2の発明では、カード処理端末の読取手段により生体認証情報が読み取られず、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられてサーバに記録された識別情報に関連づけられる残高情報を通信手段を介して当該サーバから取得して、払戻手段により、この残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0015】
これにより、プリペイドカードの購入者は、紛失等によりプリペイドカードがないために読取手段により生体認証情報が読み取られない場合でも、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、この生体認証情報に関連する残高情報に応じた現金の払い戻しを受けることができる。この場合、カード処理端末では、再度取得した生体認証情報に関連する残高情報がサーバから取得されるので、照合手段にて2つの生体認証情報を照合する照合処理を実施することなく払戻処理がなされることとなる。
【0016】
請求項3の発明では、サーバは、払戻手段によるプリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のためにカード処理端末に残高情報を送信するとき、上記無効情報をカード処理端末および支払端末に送信する。そして、カード処理端末では、読取手段により読み取られたプリペイドカードの識別情報が、記憶手段に記憶される無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理が実施されないこととなる。
【0017】
これにより、プリペイドカードを使用しない払い戻しを実施すると、払い戻しされた残高情報に関連する識別情報が無効情報に登録されるので、正当購入者であっても、プリペイドカードを使用せずに払い戻した後に当該プリペイドカードを使用した不正な払い戻しを防止することができる。
【0018】
請求項4の発明では、カード処理端末は、読取手段により読み取られたプリペイドカードの識別情報が、記憶手段に記憶される無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨が報知手段により報知される。これにより、払戻済みのプリペイドカードを使用した不正な払い戻し等が要求される場合には、報知手段により上述のように報知されるので、払戻済みのプリペイドカードを使用した不正な要求を確実に把握することができる。
【0019】
請求項5の発明では、取得手段により生体認証情報が取得された購入者によってなされるプリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応してサーバにて管理されるプリペイドカードの履歴情報が表示手段により表示される。これにより、不正使用者による履歴情報の参照を防止して、購入者によるプリペイドカードの履歴情報の参照を円滑に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る管理システムの構成を概略的に例示するブロック図である。
【図2】プリペイドカードに記録される情報を説明するための説明図である。
【図3】カード処理端末のメモリに記録される情報の一例を示す図表である。
【図4】支払端末のメモリに記録される情報の一例を示す図表である。
【図5】サーバのメモリに記録される取引ログデータの一例を示す図表である。
【図6】サーバのメモリに記録されるプリカマスタ情報の一例を示す図表である。
【図7】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図8】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図9】カード処理端末の制御部にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図10】表示画面に表示されるメニュー画面を例示する説明図である。
【図11】表示画面に表示される利用履歴情報を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のプリペイドカード管理システムを具現化した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る管理システム10の構成を概略的に例示するブロック図である。図2は、プリペイドカード50に記録される情報を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る管理システム10は、金銭的情報等が記録されるプリペイドカード50の発行や払い戻しなど当該プリペイドカード50を管理するシステムであって、カード処理端末20、支払端末30およびサーバ40を備えている。カード処理端末20は、プリペイドカード50の発行やプリペイドカード50の残高に関する処理を実現するための端末であって、当該カード処理端末20全体を制御する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ22と協働して情報処理手段として機能する。メモリ22には、後述するカード端末処理等を実行可能な所定のプログラムや、ネガデータ等のプリペイドカード50に関する情報などが記憶される。なお、メモリ22は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0023】
また、カード処理端末20は、図1に示すように、入出金部23、生体認証情報取得部24、カード発行部25、通信部26、カードリーダライタ27および表示部28を備えている。入出金部23は、入金された金額に応じた金額情報を制御部21に出力する機能と、制御部21からの払い戻し指示に応じた現金を払い戻す機能とを備えている。なお、入出金部23は、特許請求の範囲に記載の「払戻手段」の一例に相当し得る。
【0024】
生体認証情報取得部24は、購入者の指紋を撮像可能な撮像部を有し、制御部21により制御されて、撮像部により撮像された画像から得られる指紋情報を生体認証情報として取得可能に構成されている。なお、生体認証情報取得部24は、特許請求の範囲に記載の「取得手段」の一例に相当し得る。
【0025】
カード発行部25は、制御部21からの指示に応じて、図2に示す所定のカード番号、残高情報、生体認証情報やその他カード情報が記録されたプリペイドカード50を発行可能に構成されている。なお、カード番号は、他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報であって、特許請求の範囲に記載の「識別情報」の一例に相当し得る。また、カード発行部25は、特許請求の範囲に記載の「発行手段」の一例に相当し得る。
【0026】
通信部26は、制御部21により制御されて、プリペイドカード50の発行時の情報や払い戻し時の情報等についてサーバ40との間で送受信可能に構成されている。なお、通信部26は、特許請求の範囲に記載の「通信手段」の一例に相当し得る。
【0027】
カードリーダライタ27は、プリペイドカード50との間で電磁波による無線通信等を行なうことで、当該プリペイドカード50に記憶される情報を読み取り可能であり、かつ、プリペイドカード50に対して残高情報等の情報を書き込み(更新)可能に構成されている。なお、カードリーダライタ27は、特許請求の範囲に記載の「読取手段」の一例に相当し得る。
【0028】
また、表示部28は、公知のタッチパネル機能を備えており、制御部21により制御されることで、所定の情報が表示画面28aに表示されるとともにこの表示画面28aの所定の位置に触れるタッチ操作をすることによりその接触位置に応じた情報の入力が行われるように構成されている。なお、表示部28は、特許請求の範囲に記載の「表示手段」の一例に相当し得る。
【0029】
図3は、カード処理端末20のメモリ22に記録される情報の一例を示す図表である。
このように構成されるカード処理端末20のメモリ22には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図3に例示するように、対象のカード番号と、操作日時と、その操作区分と、操作後の残高情報と、操作時に取得された生体認証情報等とが、データベース化されてメモリ22に格納される。
【0030】
また、支払端末30は、複数種類の商品が陳列される店舗内に設置されて、上述のようにカード処理端末20にて発行されたプリペイドカード50や現金等を使用した商品購入に関する処理を実現するための端末であって、当該支払端末30全体を制御する制御部31を備えている。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ32と協働して情報処理手段として機能する。
【0031】
また、支払端末30は、図1に示すように、カードリーダライタ33、入力装置34および通信部35を備えている。カードリーダライタ33は、プリペイドカード50との間で電磁波による無線通信等を行なうことで、当該プリペイドカード50に記憶される情報を読み取り可能であり、かつ、プリペイドカード50に対して残高情報等の情報を書き込み(更新)可能に構成されている。この機能により、支払端末30では、プリペイドカード50を使用した支払いが可能となる。
【0032】
入力装置34は、コードリーダやキー操作部等を備えており、コードリーダにより購入商品に付されているバーコードを光学的に読み取ることで購入商品の価格情報などが取得可能であって、キー操作部の操作に応じて商品購入に関する情報が入力可能に構成されている。通信部35は、制御部31により制御されて、商品購入に関する情報等についてサーバ40との間で送受信可能に構成されている。
【0033】
図4は、支払端末30のメモリ32に記録される情報の一例を示す図表である。
このように構成される支払端末30のメモリ32には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図4に例示するように、対象のカード番号と、取引日時と、当該支払端末30の支払端末IDと、購入金額情報と、取引区分と、取引後の残高情報とが、データベース化されてメモリ32に格納される。
【0034】
サーバ40は、1または2以上のカード処理端末20および支払端末30や、カード処理端末20にて発行された複数のプリペイドカード50を管理するためのもので、カード処理端末20等からの要求に応じて必要な情報を送信可能に構成されている。なお、図1では、サーバ40に対して、カード処理端末20および支払端末30が1つずつ通信可能に接続されているが、これに限らず、2以上のカード処理端末20や支払端末30が通信可能に接続されてもよい。
【0035】
このサーバ40は、当該サーバ40全体を制御する制御部41を備えている。この制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ42と協働して情報処理手段として機能する。メモリ42には、プリペイドカード50に関する情報などが記憶される。また、サーバ40は、上述したプリペイドカード50に関する情報などについてカード処理端末20や支払端末30との間で送受信するための通信部43を備えている。
【0036】
図5は、サーバ40のメモリ42に記録される取引ログデータの一例を示す図表であり、図6は、メモリ42に記録されるプリカマスタ情報の一例を示す図表である。
このように構成されるサーバ40のメモリ42には、プリペイドカード50に関する情報がデータベース化されて格納されることとなる。具体的には、例えば、図5に例示するように、対象のカード番号と、取引日時と、使用された支払端末30の支払端末IDと、購入金額情報と、取引区分と、取引後の残高情報とが、取引ログデータとして、データベース化されてメモリ42に格納される。また、例えば、図6に例示するように、発行済みの全てのカード番号と、当該カード番号に対応する生体認証情報と、ネガデータ登録の有無と、登録日時とが、プリカマスタ情報として、データベース化されてメモリ42に格納される。ここで、ネガデータは、カード番号が無効登録されているか否かを示す情報であり、個々のカード処理端末20から受信した無効カード番号(後述する)に応じて更新され(図6の2段目参照)、更新後に全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。本実施形態では、ネガデータは、後述するように無効カード番号に応じて残高情報を送信するときに、全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。なお、ネガデータは、所定時間経過毎に、例えば、1日1回、全てのカード処理端末20および支払端末30に送信されてもよい。また、ネガデータは、特許請求の範囲に記載の「無効情報」の一例に相当し得る。
【0037】
次に、カード処理端末20の制御部21にて実行されるカード端末処理について、図を参照して説明する。図7〜図9は、カード処理端末20の制御部21にて実行されるカード端末処理の流れを例示するフローチャートである。図10は、表示画面28aに表示されるメニュー画面を例示する説明図である。図11は、表示画面28aに表示される利用履歴情報を例示する説明図である。
【0038】
カード処理端末20を起動すると、図7のステップS101にてメニュー画面表示処理がなされる。この処理では、図10に例示するように、表示画面28aに「カード購入」、「残高加金」、「利用履歴照会」および「払い戻し」の4つのメニュー29a〜29dが表示される。そして、各メニュー29a〜29dのいずれかが表示画面28aのタッチ操作に応じて選択されるか、サーバ40からネガデータを受信するまで、ステップS103〜S111にてNoとの判定が繰り返される。
【0039】
上記ステップS103からの繰り返し処理において、サーバ40から通信部26を介してネガデータを受信すると、ステップS111にてYesと判定される。そして、ステップS113にてネガデータ更新処理がなされ、メモリ22に記憶されているネガデータが受信したネガデータに応じて更新される。
【0040】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「カード購入」のメニュー29aのタッチ操作に応じて「カード購入」が選択(指示)されると、ステップS103にてYesと判定される。次に、ステップS115において、チャージ金額表示処理がなされ、表示画面28aにチャージ金額を示す「1,000円」、「2,000円」、「5,000円」および「10,000円」等の金額が表示される。続いて、ステップS117において、チャージ金額設定処理がなされる。この処理では、上記ステップS115にて表示された複数の金額情報に対してタッチ操作することでチャージ金額が選択されて、このチャージ金額に応じた入金が受け付けられる。
【0041】
そして、入出金部23にてチャージ金額が入金されると、ステップS119において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、購入者に対して生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0042】
次に、ステップS121にてカード発行処理がなされる。この処理では、所定の規定により自動的に採番されたカード番号と、上記チャージ金額に相当する残高情報と、照合用生体認証情報として指紋情報と、その他カード情報とが記録されたプリペイドカード50がカード発行部25により発行される。そして、ステップS123にてカード出力処理がなされ、上述のように発行されたプリペイドカード50が購入者に引き渡すために当該カード処理端末20から出力されて、ステップS101からの処理がなされる。これにより、購入者は、自己の指紋情報が記録されたプリペイドカード50を取得することとなる。なお、上述のように発行されたプリペイドカード50に関する情報は、発行の都度、通信部26を介してサーバ40に送信されてもよいし、所定量まとめた段階でサーバ40に送信されてもよい。
【0043】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「残高加金」のメニュー29bのタッチ操作に応じて「残高加金」が選択(指示)されると、ステップS105にてYesと判定される。次に、ステップS125において、カード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS127において、チャージ金額表示処理がなされ、表示画面28aに加金対象のチャージ金額を示す「1,000円」、「2,000円」、「5,000円」および「10,000円」等の金額が表示される。続いて、ステップS129において、チャージ金額設定処理がなされる。この処理では、上記ステップS127にて表示された複数の金額情報に対してタッチ操作することでチャージ金額が選択されて、このチャージ金額に応じた現金を受け付ける。なお、ステップS127,S129および上述したS115,S117では、購入者によるタッチ操作に応じてチャージ金額を自由に設定してもよいし、画面選択させることなく受け付けた現金をそのままチャージ金額として設定してもよい。
【0044】
そして、入出金部23にてチャージ金額が入金されると、ステップS131にてカード情報更新処理がなされる。この処理では、プリペイドカード50の残高情報が、カードリーダライタ27により、上記チャージ金額を加金するように更新される。そして、ステップS133にてカード出力処理がなされ、上述のように更新されたプリペイドカード50が購入者に引き渡すために当該カード処理端末20から出力されて、ステップS101からの処理がなされる。これにより、購入者は、カード処理端末20によりプリペイドカード50の残高を増額することができる。なお、上述のように残高加金されたプリペイドカード50に関する情報は、都度、通信部26を介してサーバ40に送信されてもよいし、所定量まとめた段階でサーバ40に送信されてもよい。
【0045】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、プリペイドカード50における利用履歴情報の表示を指示するために「利用履歴照会」のメニュー29cのタッチ操作に応じて「利用履歴照会」が選択(指示)されると、ステップS107にてYesと判定される。次に、図8のステップS135において、プリペイドカード50を使用する利用履歴照会か否かについて判定される。この判定では、プリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示され、プリペイドカード50を使用する旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS135にてYesと判定される。
【0046】
そして、ステップS137にてカード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS139において、カード番号取得処理がなされ、取り込まれたプリペイドカード50のカード番号がカードリーダライタ27により読み取られて取得される。次に、ステップS141にて利用履歴情報取得処理がなされる。この処理では、通信部26を介してサーバ40と通信し、ステップS139にて取得したカード番号に対応する利用履歴情報が当該サーバ40のメモリ42から取得される。
【0047】
そして、ステップS143にてプリペイドカード50を出力した後、ステップS145にて、利用履歴表示処理がなされる。この処理では、図11に例示するように、上記ステップS141にて取得した利用履歴情報が表示画面28aに表示される。
【0048】
一方、上述のようにプリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示されている際に、プリペイドカード50を使用しない旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS135にてNoと判定される。次に、ステップS147において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように購入者に促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0049】
次に、ステップS149において、利用履歴情報取得処理がなされる。この処理では、サーバ40と通信し、ステップS147にて取得した生体認証情に対応する1または2以上のカード番号と、このカード番号に対応する利用履歴情報が通信部26を介して当該サーバ40のメモリ42から取得される。続いて、ステップS151にてカード番号表示処理がなされ、上記ステップS149にて取得された利用履歴情報に対応するカード番号が表示画面28aにメニューとして選択可能に表示される。そして、表示画面28aのタッチ操作に応じて所望のカード番号が選択されると、ステップS145にて利用履歴表示処理がなされて、選択されたカード番号の利用履歴情報が表示画面28aに表示される(図11参照)。これにより、購入者は、プリペイドカード50を使用しない場合でも、当該プリペイドカード50の利用履歴を参照することができる。なお、ステップS149にて1つのカード番号とこのカード番号に対応する利用履歴情報のみが取得される場合には、ステップS151にてカード番号を表示することなく、ステップS145にて上記利用履歴情報を表示画面28aに表示してもよい。また、ステップS145では、複数のカード番号に対応する利用履歴情報を表示画面28aに同時に表示してもよい。
【0050】
また、上記ステップS103からの繰り返し処理において、「払い戻し」のメニュー29dのタッチ操作に応じて「払い戻し」が選択(指示)されると、ステップS109にてYesと判定される。次に、図9のステップS153において、プリペイドカード50を使用する払い戻しか否かについて判定される。この判定では、プリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示され、プリペイドカード50を使用する旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS153にてYesと判定される。
【0051】
そして、ステップS155にてカード取込処理がなされ、購入者が持参したプリペイドカード50が本体内に取り込まれる。続いて、ステップS157において、記録情報読取処理がなされ、取り込まれたプリペイドカード50のカード番号、照合用生体認証情報および残高情報等がカードリーダライタ27により読み取られる。そして、ステップS159において、ステップS157にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されているか否かについて判定される。ここで、読み取ったカード番号が、メモリ22に記憶されたネガデータに登録されていなければ、ステップS159にてNoと判定される。
【0052】
そして、ステップS161において、生体認証情報再取得処理がなされる。この処理では、使用者に対して生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として再度取得される。
【0053】
続いて、ステップS163にて照合処理がなされ、ステップS157にて読み取った照合用生体認証情報とステップS161にて再度取得した生体認証情報とを照合する処理がなされる。そして、これら2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされる場合には、ステップS165にてYesと判定される。続いて、ステップS167にて払戻処理がなされ、当該プリペイドカード50の残高情報に応じた現金が入出金部23により使用者に対して払い戻される(図3の3段目参照)。なお、払い戻されたプリペイドカード50は、購入者に返却されることなくそのまま本体内に回収されることとなる。
【0054】
一方、上述した2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされない場合には、ステップS165にてNoと判定される(図3の4段目参照)。そして、ステップS169にて報知処理がなされる。この処理では、プリペイドカード50の購入者と異なる不正使用者が当該プリペイドカード50を使用しているとして、報知情報が通信部26を介してサーバ40等に送信される。この報知情報をサーバ40等にて受信することで、プリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。なお、上記報知処理とともに、または上記報知処理に代えて、照合結果が一致しないために払い戻しが出来ない旨を表示画面28aに表示することで報知してもよい。報知後、使用を防止するために返却せずに回収してしまってもよい。また、ステップS169を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「報知手段」の一例に相当し得る。
【0055】
一方、上述のように「払い戻し」が選択されてプリペイドカード50の使用を確認するためのメニューが表示画面28aに表示されている際に、プリペイドカード50を使用しない旨のメニューが購入者によるタッチ操作に応じて選択されると、ステップS153にてNoと判定される。次に、ステップS171において、生体認証情報取得処理がなされる。この処理では、生体認証情報取得部24の撮像部にて指紋を撮像するように購入者に促す表示等が表示画面28aに表示され、この表示に応じて撮像部にて撮像された画像から得られる指紋情報が生体認証情報として取得される。
【0056】
次に、ステップS173において、残高情報取得処理がなされる。この処理では、通信部26を介してサーバ40と通信し、ステップS171にて取得した生体認証情に対応する1または2以上のカード番号と、このカード番号に対応する残高情報が当該サーバ40のメモリ42から取得される。続いて、ステップS175にてカード番号表示処理がなされ、上記ステップS173にて取得されたカード番号が表示画面28aにメニューとして選択可能に表示される。なお、カード番号を表示画面28aに表示するとき、支払い対象を明確にするために、このカード番号に関連する利用履歴情報やその他カード情報を表示画面28aに表示してもよい。
【0057】
そして、表示画面28aのタッチ操作に応じて所望のカード番号が選択されると、ステップS177にて無効カード番号送信処理がなされる。この処理では、選択されたカード番号に対応するプリペイドカード50の今後の使用を無効とするために、当該カード番号が無効カード番号として通信部26を介してサーバ40に送信される。サーバ40では、通信部43を介して無効カード番号が受信されると、この無効カード番号が無効登録されるようにメモリ42に記憶されたネガデータが更新され、このように更新されたネガデータが全てのカード処理端末20および支払端末30に送信される。
【0058】
上述のように無効カード番号送信処理がなされると、ステップS167にて払戻処理がなされ、選択されたカード番号に対応する残高情報に応じた現金が入出金部23により使用者に対して払い戻される。これにより、購入者は、プリペイドカード50を紛失等したために所持していない場合であっても、払い戻しを受けることができる。
【0059】
上述したステップS159において、ステップS157にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されている場合には(S159でYes)、ステップS169にて報知処理がなされる。この処理では、払戻済みのプリペイドカード50を使用しているとして、報知情報が通信部26を介してサーバ40等に送信される。この報知情報をサーバ40等にて受信することで、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。なお、上記報知処理とともに、または上記報知処理に代えて、払戻済みのプリペイドカード50を使用しているために払い戻しが出来ない旨を表示画面28aに表示することで報知すること、または、報知後、使用を防止するために返却せずに回収してしまってもよい。
【0060】
また、支払端末30でも、商品購入時等でプリペイドカード50を使用した支払いがなされると、この処理に関する情報が通信部35を介してサーバ40に送信される。さらに、サーバ40から通信部35を介してネガデータを受信すると、メモリ22に記憶されているネガデータが受信したネガデータに応じて更新される。そして、商品購入時にカードリーダライタ33にて読み取ったカード番号がネガデータ登録されている場合には、上記ステップS169と同様に報知処理がなされる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20によるプリペイドカード50の発行時に生体認証情報取得部24により取得された生体認証情報は、照合用生体認証情報としてカード番号に関連づけられて当該プリペイドカード50に記録されている。そして、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用した払い戻しが指示されるとき(S153でYes)、再度取得された生体認証情報と、カードリーダライタ27により当該プリペイドカード50を読み取ることで得られたカード番号に関連づけられる照合用生体認証情報との照合結果が一致する場合に、入出金部23により、当該プリペイドカード50に記録された残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0062】
これにより、プリペイドカード50の購入者は、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、当該プリペイドカード50の残高に応じた現金の払い戻しを受けることができる。一方、紛失等したプリペイドカード50を不正に取得した不正取得者では、生体認証情報の照合結果が一致しないために、当該プリペイドカード50の残高情報に応じた現金を払い戻すことができないこととなる。
したがって、プリペイドカード50の不正取得者による不正使用を防止して購入者によるプリペイドカード50の残高に応じた払い戻しを円滑に実施することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20のカードリーダライタ27により生体認証情報が読み取られず、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によりプリペイドカード50を使用しない払い戻しが指示されるとき(S153でNo)、再度取得された生体認証情報に関連づけられてサーバ40に記録されたカード番号に関連づけられる残高情報を通信部26を介して当該サーバ40から取得して、入出金部23により、この残高情報に応じた現金が払い戻される。
【0064】
これにより、プリペイドカード50の購入者は、紛失等によりプリペイドカード50がないためにカードリーダライタ27により生体認証情報が読み取られない場合でも、払い戻し時に再度生体認証情報を読み取らせることで、この生体認証情報に関連する残高情報に応じた現金の払い戻しを受けることができる。この場合、カード処理端末20では、再度取得した生体認証情報に関連する残高情報がサーバ40から取得されるので、2つの生体認証情報を照合する照合処理を実施することなく払戻処理がなされることとなる。
【0065】
さらに、本実施形態に係る管理システム10では、サーバ40は、プリペイドカード50を使用しない払い戻しの実施のためにカード処理端末20に残高情報を送信するとき、ネガデータ(無効情報)をカード処理端末20および支払端末30に送信する。そして、カード処理端末20では、カードリーダライタ27により読み取られたプリペイドカード50のカード番号が、メモリ22に記憶されるネガデータに登録されたカード番号に一致するとき、当該プリペイドカード50に関する処理が実施されないこととなる。
【0066】
これにより、プリペイドカード50を使用しない払い戻しを実施すると、払い戻しされた残高情報に関連するカード番号がネガデータに登録されるので、正当購入者であっても、プリペイドカード50を使用せずに払い戻した後に当該プリペイドカード50を使用した不正な払い戻しを防止することができる。
【0067】
さらにまた、本実施形態に係る管理システム10では、カード処理端末20は、カードリーダライタ27により読み取られたプリペイドカード50のカード番号が、メモリ22に記憶されるネガデータに登録されたカード番号に一致するとき、当該プリペイドカード50が無効である旨が報知される。これにより、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な払い戻し等が要求される場合には、上述のように報知されるので、払戻済みのプリペイドカード50を使用した不正な要求を確実に把握することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)ステップS137にてプリペイドカード50を取り込んだ後に、このプリペイドカード50に記録されたカード番号および生体認証情報を読み取り、ステップS161と同様に生体認証情報再取得処理を実施して、これら2つの生体認証情報の照合結果が一致すると見なされる場合に、ステップS141以降の処理を実施するようにしてもよい。すなわち、生体認証情報取得部24により生体認証情報が取得された購入者によってなされるプリペイドカード50における利用履歴照会の指示(選択)に応じて、この取得された生体認証情報に対応してサーバ40にて管理されるプリペイドカード50の利用履歴情報が表示画面28aにより表示される。これにより、不正使用者による利用履歴情報の参照を防止して、購入者によるプリペイドカード50の利用履歴情報の参照を円滑に実施することができる。
【0069】
(2)生体認証情報取得部24は、指紋情報を生体認証情報(照合用生体認証情報)として取得可能に構成されることに限らず、例えば、静脈情報、虹彩情報や顔認識など個人を識別可能な情報を取得可能に構成されてもよい。この場合、ステップS163の照合処理等では、生体認証情報取得部24にて上述のように取得された生体認証情報に基づいて照合されることとなる。
【0070】
(3)カード購入時に取得された生体認証情報は、プリペイドカード50に記録されることなく、サーバ40にのみ記録されてもよい。この場合、生体認証情報が必要となる処理(ステップS163の照合処理等)では、その都度、通信部26を介してサーバ40から生体認証情報を取得することとなる。
【0071】
(4)ステップS139にてカード番号を取得した後に、このカード番号がネガデータ登録されているか否か判定し、ネガデータ登録されている場合にはステップS169と同様に報知処理を実施してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…管理システム(プリペイドカード管理システム)
20…カード処理端末
21…制御部(報知手段)
22…メモリ(記憶手段)
23…入出金部(払戻手段)
24…生体認証情報取得部(取得手段)
25…カード発行部(発行手段)
26…通信部(通信手段)
27…カードリーダライタ(読取手段)
28…表示部(表示手段)
30…支払端末
40…サーバ
50…プリペイドカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイドカードの発行および前記プリペイドカードの残高に関する処理を実行可能なカード処理端末と、
前記プリペイドカードを利用した支払いが可能な支払端末と前記カード処理端末との双方に通信可能に構成されてこれら各端末から送信される前記プリペイドカードの履歴情報を含めた情報を管理するサーバと、
を有するプリペイドカード管理システムであって、
前記カード処理端末は、
前記プリペイドカードを購入する購入者の生体認証情報を取得する取得手段と、
他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報が、残高情報と前記取得手段により取得された前記生体認証情報とに関連づけられて、前記残高情報とともに記録情報として少なくとも記録された前記プリペイドカードを発行する発行手段と、
前記発行手段により発行された前記プリペイドカードの記録情報を含めた情報について前記サーバと通信可能な通信手段と、
前記プリペイドカードの記録情報を読み取る読取手段と、
2つの前記生体認証情報を照合可能な照合手段と、
前記プリペイドカードに記録された前記残高情報に応じた現金を払い戻し可能な払戻手段と、を備え、
前記発行手段による前記プリペイドカードの発行時に前記取得手段により取得された前記生体認証情報は、照合用生体認証情報として前記識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよび前記サーバの少なくともいずれかに記録されており、
前記払戻手段は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、前記読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた前記識別情報に関連づけられる前記照合用生体認証情報との前記照合手段による照合結果が一致する場合に、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とするプリペイドカード管理システム。
【請求項2】
前記払戻手段は、前記読取手段により前記生体認証情報が読み取られず、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられて前記サーバに記録された前記識別情報に関連づけられる前記残高情報を前記通信手段を介して当該サーバから取得して、この残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする請求項1に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記払戻手段による前記プリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のために前記カード処理端末に前記残高情報を送信するとき、この残高情報に対応する前記識別情報が記録されたプリペイドカードを無効とするために当該識別情報が登録された無効情報を前記カード処理端末および前記支払端末に送信し、
前記カード処理端末は、
前記通信手段を介して受信した前記無効情報が記憶される記憶手段を備え、
前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理を実施しないことを特徴とする請求項2に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項4】
前記カード処理端末は、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項5】
前記カード処理端末は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者によってなされる前記プリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応して前記サーバにて管理される前記プリペイドカードの前記履歴情報を、前記通信手段を介して取得し、表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項1】
プリペイドカードの発行および前記プリペイドカードの残高に関する処理を実行可能なカード処理端末と、
前記プリペイドカードを利用した支払いが可能な支払端末と前記カード処理端末との双方に通信可能に構成されてこれら各端末から送信される前記プリペイドカードの履歴情報を含めた情報を管理するサーバと、
を有するプリペイドカード管理システムであって、
前記カード処理端末は、
前記プリペイドカードを購入する購入者の生体認証情報を取得する取得手段と、
他のプリペイドカードに対して識別するための識別情報が、残高情報と前記取得手段により取得された前記生体認証情報とに関連づけられて、前記残高情報とともに記録情報として少なくとも記録された前記プリペイドカードを発行する発行手段と、
前記発行手段により発行された前記プリペイドカードの記録情報を含めた情報について前記サーバと通信可能な通信手段と、
前記プリペイドカードの記録情報を読み取る読取手段と、
2つの前記生体認証情報を照合可能な照合手段と、
前記プリペイドカードに記録された前記残高情報に応じた現金を払い戻し可能な払戻手段と、を備え、
前記発行手段による前記プリペイドカードの発行時に前記取得手段により取得された前記生体認証情報は、照合用生体認証情報として前記識別情報に関連づけられて当該プリペイドカードおよび前記サーバの少なくともいずれかに記録されており、
前記払戻手段は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用した払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報と、前記読取手段により当該プリペイドカードを読み取ることで得られた前記識別情報に関連づけられる前記照合用生体認証情報との前記照合手段による照合結果が一致する場合に、当該プリペイドカードに記録された残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とするプリペイドカード管理システム。
【請求項2】
前記払戻手段は、前記読取手段により前記生体認証情報が読み取られず、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者により前記プリペイドカードを使用しない払い戻しが指示されるとき、再度取得された生体認証情報に関連づけられて前記サーバに記録された前記識別情報に関連づけられる前記残高情報を前記通信手段を介して当該サーバから取得して、この残高情報に応じた現金を払い戻すことを特徴とする請求項1に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記払戻手段による前記プリペイドカードを使用しない払い戻しの実施のために前記カード処理端末に前記残高情報を送信するとき、この残高情報に対応する前記識別情報が記録されたプリペイドカードを無効とするために当該識別情報が登録された無効情報を前記カード処理端末および前記支払端末に送信し、
前記カード処理端末は、
前記通信手段を介して受信した前記無効情報が記憶される記憶手段を備え、
前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードに関する処理を実施しないことを特徴とする請求項2に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項4】
前記カード処理端末は、前記読取手段により読み取られた前記プリペイドカードの前記識別情報が、前記記憶手段に記憶される前記無効情報に登録された識別情報に一致するとき、当該プリペイドカードが無効である旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項5】
前記カード処理端末は、前記取得手段により前記生体認証情報が取得された購入者によってなされる前記プリペイドカードにおける履歴情報表示の指示に応じて、この取得された生体認証情報に対応して前記サーバにて管理される前記プリペイドカードの前記履歴情報を、前記通信手段を介して取得し、表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリペイドカード管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−242836(P2011−242836A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111820(P2010−111820)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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