説明

プリント基板、プリント基板装置、プリント基板装置の検査装置およびプリント基板装置の検査方法

【課題】検査対象のプリント基板の下方から光を当てて検査する場合、従来はプリント基板を透光性の材料で製造しなければならなかったので、ガラスエポキシ等の一般的な材料を用いた安価なプリント基板を用いた製品の検査ができないという問題があった。
【解決手段】電子部品の本体部が上部に位置するエリア内であって、全てのリードが位置する場所の近傍に、光が通過する貫通孔が形成されたプリント基板の下方から貫通孔に向けて光を出射させた後、この光が電子部品のリードに当たって反射した反射光が、硬化した半田および/またはプリント基板の表面に形成されたソルダーレジストに再反射した再反射光を、電子部品の上方から撮像装置により検出し、この撮像装置により検出された再反射光の状態に基づいて電子部品のリードの浮きの有無を判断するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板、プリント基板に電子部品を実装したプリント基板装置、プリント基板装置の検査装置およびプリント基板装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント基板(ベアボード)の表面にクリーム半田等を用いて半田付けした電子部品の半田付け状態を検査するに際し、プリント基板の裏面(下方)から当てた光をプリズム等を用いて反射させ、この反射光をプリント基板の上方に設けた顕微鏡等を用いて検査する技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−247106号公報
【特許文献2】特開昭62−036509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記した従来技術は、プリント基板が透光性を有する材料で形成されていなければならず、プリント基板の材料として一般的に用いられているガラスエポキシ基材を用いることができなかった。このため、プリント基板が高価になるという問題があった。
【0005】
さらに、前記した従来技術は、透光性の材料から形成されたプリント基板を通過して反射した光を、電子部品の近傍に置いたプリズムによりさらに反射させて顕微鏡等に入射させなければならなかったため、プリズムを必要とするのみならず、電子部品の近傍にプリズムを置くスペースが必要であるという問題があった。したがって、かかる従来技術は、高密度実装されたプリント基板装置において採用することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたものであって、透光性を有しない一般的なプリント基板の下方より当てた光を反射および再反射させ、この再反射光をプリント基板の上方に設けたCCDカメラにより検出するという簡単な構成により、電子部品のリードの浮きの有無を判断するプリント基板装置の検査方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
第1発明に係るプリント基板(ベアボード)は、本体部の側面から複数のリードが突出した電子部品が半田により半田付けされるプリント基板において、プリント基板は、電子部品の本体部が上部に位置するエリア内であって、全てのリードの近傍に、光が通過する貫通孔が形成されたものである。
【0008】
ここで、「電子部品の本体部が上部に位置するエリア」とは、プリント基板に電子部品を実装(半田を用いて固定)したと仮定し、プリント基板の真上からこの電子部品を見たときに、この電子部品の本体部がプリント基板の表面(上面)に占める部分をいう。さらに別言すると、プリント基板に電子部品を実装(半田を用いて固定)したと仮定した場合に、電子部品の本体部の裏面と対向するプリント基板の表面の一部分のことである。
【0009】
かかる構成のプリント基板を用いることにより、半田付けした電子部品のリードの半田付け状態(浮き不良の有無)を、プリント基板の下方から光を貫通孔に向けて当てることにより検査することができる。検査の詳細については、後述する。
【0010】
(第2発明)
第2発明に係るプリント基板装置は、第1発明のプリント基板に、電子部品のリードが半田により半田付けされたものである。
より詳しく説明すると、プリント基板(ベアボード)の表面に形成されたパッド上にクリーム半田が印刷され、このクリーム半田上に電子部品のリードが電子部品実装装置等により載せられた後、リフローされ、電子部品のリードがプリント基板に半田付けされたプリント基板装置において、電子部品の本体部と対向するプリント基板のエリア内における全てのリードの近傍に、光が通過する貫通孔が形成されたものである。
【0011】
かかる構成により、本第2発明に係るプリント基板装置は、半田付けした電子部品のリードの半田付け状態(浮きの有無)を、プリント基板装置の下方から光を当てることにより、プリント基板装置の上方に設けたCCDカメラ等の撮像装置を用いて検査することができる。検査の詳細については、後述する。
【0012】
(第3発明)
第3発明に係るプリント基板装置の検査装置は、第2発明のプリント基板装置を搬送する基板搬送装置と、このプリント基板装置の下方からプリント基板に形成した貫通孔に向けて光を出射する発光装置と、この発光装置から出射された光が電子部品のリードに当たって反射した反射光が、硬化したクリーム半田および/またはソルダーレジストに再反射した再反射光を、電子部品の上方から検出する撮像装置と、この撮像装置により検出された再反射光に基づいてプリント基板装置の良否判断を行う制御装置と、を備えたものである。
【0013】
かかる構成の第3発明に係るプリント基板装置の検査装置は、プリント基板装置の下方からプリント基板に形成した貫通孔に向けて発光装置により光を出射することにより、第2発明のプリント基板装置における電子部品のリードの浮きの有無を判断することができる。
【0014】
(第4発明)
第4発明に係るプリント基板装置の検査方法は、第2発明のプリント基板装置の下方からプリント基板の貫通孔に向けて光を出射させた後、この光が電子部品のリードに当たって反射した反射光が、硬化したクリーム半田および/またはプリント基板の表面に形成されたソルダーレジストに再反射した再反射光を、電子部品の上方から撮像装置により検出し、この撮像装置により検出された再反射光の状態に基づいて電子部品のリードの浮きの有無を判断するものである。
【0015】
かかる構成の第4発明に係るプリント基板装置の検査方法は、第2発明のプリント基板装置における電子部品のリードの浮きの有無を確実に判断することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、プリント基板に電子部品を実装したプリント基板装置におけるリードの浮き不良の有無を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プリント基板装置の平面図である。
【図2】プリント基板の平面図である。
【図3】プリント基板の平面図(部分拡大図)である。
【図4】プリント基板装置の平面図(部分拡大図)である。
【図5】良品のプリント基板装置の断面図(図4の断面B−B)である。
【図6】不良品のプリント基板装置の断面図(図4の断面B−B)である。
【図7】プリント基板装置の検査装置の平面図である(撮像装置を省略)。
【図8】プリント基板装置の検査装置の平面図である(撮像装置を省略)。
【図9】プリント基板装置の検査装置の側面図である(撮像装置を省略)。
【図10】良品のプリント基板装置の検査状態を示した断面図(図4の断面B−B)である。
【図11】不良品のプリント基板装置の検査状態を示した断面図(図4の断面B−B)である。
【図12】不良品のプリント基板装置の検査状態を示した断面図(略図4の断面B−B)である。
【図13】プリント基板の平面図(部分拡大図)である。
【図14】プリント基板の平面図(部分拡大図)である。
【図15】プリント基板装置の平面図(部分拡大図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図2は本発明に係るプリント基板の平面図、図1は図2のプリント基板に電子部品3を実装した本発明に係るプリント基板装置の平面図、図3は図2の点線部Aを拡大した部分拡大図、図4は図1の点線部Aの部分拡大図、図5は図4の断面B−B、図6は図4において電子部品3のリード5が浮いている(浮き不良)の状態を示した断面図(図4の断面B−B)である。図5および図6において、元になる平面図を図4を用いて共通にしているのは、浮き不良は、真上から見た場合に略同一に見えるからである。
尚、図1および図2において、電子部品3以外の部分の図示を省略しているが、これは説明を簡単にするためであり、電子部品3以外のプリント基板1の部分においても他の電子部品が実装されても良いことは言うまでもない。
【0020】
(プリント基板)
本発明に係るプリント基板(ベアボード)1は、図1〜図4に示すように電子部品3の8本のリード5が半田付けされる8個のパッド6を有しており、電子部品3の本体部4の裏面(下面)が対向するエリア8内であって、全て(8本)のリード5が位置する場所の近傍に、8個の貫通孔9を有するものである。
【0021】
この貫通孔9は、後述する検査装置の発光装置から出射される光を通過させるためのものであり、プリント基板1に貫通孔9を設けることにより、これから実装(半田付け)される電子部品3のリード5の浮き不良を容易かつ確実に発見(検出)することができる。
【0022】
また、プリント基板1の表面および裏面には、ソルダーレジスト7が形成されている。ここで、ソルダーレジストとは、プリント基板の表面を覆い、半田による被覆や部品実装の際、配線パターンの表面に不必要な半田が付着してしまう事を防ぐ保護コーティング材である。さらに、永久保護マスクとして、プリント基板の配線パターンを湿度やほこり等から保護すると同時に、電気的トラブルから配線パターンを守る絶縁体機能があり、耐薬品性、耐熱性に優れ、半田付けをする際の高熱や金めっきにも耐えられる保護皮膜である。
【0023】
ソルダーレジストの形成方法は一般的に活性エネルギー線をマスクパターンを介して照射することによりパターンを形成するフォトリソグラフィー法が用いられている。マスクパターンを使用することにより、半田の不必要な部分を選択することができる。
【0024】
尚、プリント基板1の母材となり得る樹脂としては、ガラス繊維とエポキシ樹脂を混合した板をベースにしたガラスエポキシ基材であるCEM−3や、ガラス繊維を編んだ布にエポキシ樹脂を含浸させた板をベースにしたガラスエポキシ基材であるFR−4等の非透明(非透光性)の樹脂を例示することができる。
【0025】
(プリント基板装置)
本発明に係るプリント基板装置は、前記したプリント基板(ベアボード)1に電子部品3を半田付けしたものである。
より詳細に説明すると、プリント基板装置2は、プリント基板1に形成されたパッド6に公知のクリーム半田印刷装置によりクリーム半田を印刷し、公知の電子部品実装装置により、電子部品3のリード5をパッド6上に印刷されたクリーム半田上に置き、公知のリフロー炉に通して、プリント基板1に電子部品3を半田付けしたものである。
【0026】
図1〜図5に示したように、電子部品3の本体部4の真下に位置するプリント基板1のエリア8の内部であって、リード5の近傍には貫通孔9が形成されている。かかる構成により、後述する検査装置および検査方法により、リード5の浮き不良を確実に発見することができる。尚、浮き不良とは、パッド6に対してリード5が電気的に接続されていない状態をいう。
【0027】
(プリント基板装置の検査装置)
次に、本発明に係るプリント基板装置の検査装置について説明する。
図7〜図9に示すように、プリント基板装置2の検査装置9は、プリント基板装置2を搬送する基板搬送装置としてのコンベア20と、プリント基板装置2の下方からプリント基板1に形成した貫通孔9に向けて光を出射する発光装置24と、発光装置24から出射された光が電子部品3のリード5に当たって反射した反射光が、硬化したクリーム半田および/またはソルダーレジストに再反射した再反射光を電子部品3の上方から検出するための撮像装置としてのCCDカメラ26と、このCCDカメラにより検出された再反射光の状態に基づいて電子部品3のリード5の浮きの有無を判断する制御装置28とを主な構成要素とするものである。
【0028】
検査装置12の詳細な構成および作用を以下に説明する。
コンベア20は、ベースプレート29に固定されたプレート30および支柱27に固定されている。このコンベア20における左右一対のコンベアベルト21の上に、プリント基板装置2の両端部が載せられて搬送される。そして、コンベア20により搬送されたプリント基板装置2は、プリント基板装置2の搬送方向下流側に設けられ、ベースプレート29に固定されたストッパ22の突出したストッパピン23に衝突して止められる。
【0029】
その後、プリント基板装置2の位置決めピン用の穴11にプレート30に固定された位置決め機構21の位置決めピン31が挿入され、プリント基板装置2が検査装置12に位置決めされる。
【0030】
コンベア20に位置決めされたプリント基板装置2の検査対象である電子部品3の上方には、支柱27にスペーサ32を介して固定されたCCDカメラ26が位置している。また、検査対象の電子部品3の下方には、ベースプレート29に固定された発光装置24が固定されている。この発光装置は、光を出射するものであれば良いが、本実施例においては、赤色LEDを用いた。
【0031】
ベースプレート29および支柱27には、制御装置28が固定されている。この制御装置28は、CCDカメラがとらえた発光装置24から出射された光の一部の再反射光を用いてプリント基板装置2の電子部品3のリード5の浮き不良の有無を判断するものである。
前記した構成の検査装置12により、プリント基板装置2の電子部品3の浮き不良を確実に検出することができる。
【0032】
(プリント基板装置の検査方法)
次に、本発明に係るプリント基板装置2の検査方法について説明する。
まず、前記した検査装置12に、浮き不良が発生していない良品のプリント基板装置2をセットして基準データを採取する。すなわち、良品のプリント基板装置2の下方に設置した発光装置24から貫通孔9に向けて光を出射させる。そうすると、図10に示すように、光の一部Dは、電子部品3のリード5に当たって反射し、この反射光がプリント基板1の表面に形成されたソルダーレジスト7に再反射する。尚、プリント基板の仕様によっては、反射光が半田に当たって再反射する場合もあり得る。
【0033】
プリント基板装置2の上方に固定されたCCDカメラ26は、この再反射光を検出し、検出データを制御装置28に送る。その後、制御装置28は、各リードの半田付け部分に設定した検査枠内の色の分布や明るさの分布を制御装置28のメモリに記憶する。
【0034】
例えば、CCDカメラ26により検出した再反射光を光の三原色で抽出し、抽出した色の濃淡度合いの分布を記憶する。より具体的には、図15に示すように、検査対象である電子部品4のリード5の半田付け部分の近傍に設定した検査枠35内に存在する色の濃淡度合い(色の分布幅)を良品と判断するための基準データとして記憶する。
本実施例1においては、暗室内で、かつ、発光装置として赤色LEDを使用したため、明るい赤色から暗い赤色の分布幅が基準データとして記憶された。
【0035】
そして、実際に量産品のプリント基板装置を検査した際に、検査枠35内における検査データが、基準データ(色の分布幅)内のデータを例えば、30%以上含むする場合に良品と判断する。30%以上というスレッショルド(Threshold)の設定は、検査する部品毎に設定するものであり、40%以上であっても60%以上であっても良い。以上がプリント基板装置2を検査するに当たっての準備である。
尚、図15においては、検査枠35を1つのリード5に設定した場合を例示したが、実際には、検査枠35は、全てのリード5について設定される。つまり、本実施例1の電子部品4は、リード5が8本あるので、8箇所に設定される。
【0036】
次に、実際にプリント基板装置を検査する方法について説明する。
図11に示すように、プリント基板装置2に実装した電子部品4の一部のリード51が浮いていた場合、発光装置24から出射された光の一部Dは、正常に半田付けされたリード5と異なる反射および再反射をする。つまり、正常に半田付けされたリード5の再反射光Eと、浮き不良が発生しているリード51の再反射光Fに違いが生じる。
【0037】
電子部品3の上部に位置するCCDカメラ26が検査枠35内の再反射光Fを光の三原色で検出した後、制御装置28がこの再反射光Fの光の三原色のデータに基づいて色の濃淡度合いを算出する。そして、制御装置28は、かかる色の濃淡度合いを前記した基準データと対比し、基準データの30%未満であれば、浮き不良が発生していると判断することができる。
【0038】
図11に示した実施例においては、図10の正常な半田付け状態の場合に検査枠35内を測定した基準データ(明るい赤色から暗い赤色の分布幅)と対比した場合に、かかる基準データ内に該当する色の濃淡度合いが30%未満であったため、浮き不良が有りと判断された。
【0039】
また、図12に示した浮き不良の場合は、リード52の曲がりが大きいために、リード52に反射した光の一部Dがパッド6上で固化した半田により再反射している。このような場合であっても、制御装置28は、CCDカメラ26が検出した検査枠35内の再反射光Gの光の三原色に基づいて色の濃淡度合いを算出した後、前記した基準データと対比することにより、浮き不良が発生していると判断することができる。
【0040】
図12の場合は、半田のフィレットに反射光の一部が再反射しているので、明るい赤色が基準データと対比して多かったため、基準データ内に該当する色の濃淡度合いが30%未満であるとして、浮き不良が有りと判断された。
【0041】
以上説明したように、本発明は、電子部品3のリード5に反射した反射光が、硬化した半田および/またはソルダーレジスト7に再反射した再反射光を撮像装置により検出して浮き不良の有無を判断することにより、従来より検出が困難であった浮き不良の検出を確実にすることができる。
【0042】
尚、検査装置12を暗所に置き、暗所中で基準データの採取およびプリント基板装置の検査を行うことが望ましい。外乱光の影響を受けることなく、発光装置24が出射する光のみに基づいて浮き不良の有無の検査ができるからである。本実施例1においては、検査装置12を暗室中に置き、発光装置24としての赤色LEDが出射する光のみを用いて検査した。その結果、浮き不良の発見率は100%であった。
【実施例2】
【0043】
本発明に係るプリント基板の他の実施例を、図13を用いて以下に説明する。
尚、説明を簡単にするため、実施例1と同一の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、プリント基板1に形成した8個の貫通孔9を2個の長孔91とした点である。かかる長孔91を形成したプリント基板1を用いたプリント基板装置2であっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0045】
本発明に係るプリント基板の他の実施例を、図14を用いて以下に説明する。
尚、説明を簡単にするため、実施例1と同一の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
本実施例3の実施例1との主な相違点は、プリント基板1に形成した8個の貫通孔9を1個の孔92とした点である。かかる孔92を形成したプリント基板1を用いたプリント基板装置2であっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載から当事者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0048】
例えば、前記した実施例においては、制御装置28の浮き不良の検出手段として、CCDカメラが検出した再反射光の光の三原色に基づいて、色の濃淡度合いを算出し、良品の場合の基準データと比較して良否判断するものを示したが、電子部品のリードの長さやパッドの長さによって良品の検査基準が変わるので、輝度のみで良否判断しても良い。すなわち、撮像装置が検出した光に基づいて良否判断する手法は、任意の公知の手法を採用できる。
【0049】
また、前記した実施例においては、説明を簡単にするためにプリント基板1に1個の電子部品3を実装したものであって、CCDカメラ26および発光装置24を固定したものを示したが、プリント基板1に複数の検査対象である電子部品が実装されていても良いし、CCDカメラ26および発光装置24がXY(2軸)ロボット等に載せられ、XY平面を移動でき、プリント基板装置2の全面を検査できるものであっても良い。
【0050】
また、前記した実施例においては発光装置24として赤色LEDを例示したが、これに限定されるものではなく、白色LED、青色LED、ハロゲンランプ等の光を発するものであれば良い。
また、前記した実施例においては、撮像装置26としてCCDカメラを例示したが、これに限定されるものではなく、入力した画像を電子データとして出力できるものであれば良く、例えば、ラインセンサ等であっても良い。
【0051】
さらに、前記した実施例においては、リード5が8本の電子部品3を例示して説明したが、リード5の本数は、8本に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0052】
また、本発明は、以下のように把握することもできる。
(1) 本体部の側面から複数のリードが突出した電子部品がプリント基板に半田付けされたプリント基板装置の検査方法において、
該プリント基板は、前記電子部品の前記本体部が上部に位置するエリア内であって、全ての前記リードが位置する場所の近傍に、光が通過する貫通孔が形成されており、
前記プリント基板装置の下方から前記貫通孔に向けて光を出射させた後、
該光が前記電子部品の前記リードに当たって反射した反射光が、硬化した半田および/または前記プリント基板の表面に形成されたソルダーレジストに再反射した再反射光を、前記電子部品の上方から撮像装置により検出し、
該撮像装置により検出された前記再反射光に基づいて前記電子部品の前記リードの浮きの有無を判断するプリント基板装置の検査方法
【0053】
(2) 本体部の側面から複数のリードが突出した電子部品がプリント基板に半田付けされたプリント基板装置の検査装置において、
該プリント基板は、前記電子部品の前記本体部が上部に位置するエリア内であって、全ての前記リードが位置する場所の近傍に、光が通過する貫通孔が形成されており、
前記プリント基板装置を搬送する基板搬送装置と、
該プリント基板装置の下方から前記貫通孔に向けて光を出射する発光装置と、
該発光装置から出射された前記光が前記リードに当たって反射した反射光が、硬化した半田および/またはソルダーレジストに再反射した再反射光を前記電子部品の上方から検出する撮像装置と、
該撮像装置により検出された前記再反射光の状態に基づいて前記電子部品の前記リードの浮きの有無を判断する制御装置とを備えたプリント基板装置の検査装置
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、プリント基板に電子部品が実装されたプリント基板装置の浮き不良の有無の検出に適用される。
【符号の説明】
【0055】
1 プリント基板
2 プリント基板装置
3 電子部品
4 本体部
5 リード
7 ソルダーレジスト
8 エリア
9 貫通孔
10 半田
12 検査装置
20 基板搬送装置(例えば、コンベア)
24 発光装置
26 撮像装置(例えば、CCDカメラ)
28 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部の側面から複数のリードが突出した電子部品が半田付けされるプリント基板において、
該プリント基板は、前記電子部品の前記本体部が上部に位置するエリア内であって、全ての前記リードが位置する場所の近傍に、光が通過する貫通孔が形成されたことを特徴とするプリント基板
【請求項2】
請求項1に記載のプリント基板に、前記電子部品の前記リードが半田付けされたプリント基板装置
【請求項3】
請求項2に記載のプリント基板装置を搬送する基板搬送装置と、
該プリント基板装置の下方から前記貫通孔に向けて光を出射する発光装置と、
該発光装置から出射された前記光が前記リードに当たって反射した反射光が、硬化した半田および/またはソルダーレジストに再反射した再反射光を前記電子部品の上方から検出する撮像装置と、
該撮像装置により検出された前記再反射光の状態に基づいて前記電子部品の前記リードの浮きの有無を判断する制御装置とを備えたプリント基板装置の検査装置
【請求項4】
請求項2に記載のプリント基板装置の下方から前記貫通孔に向けて光を出射させた後、
該光が前記電子部品の前記リードに当たって反射した反射光が、硬化した半田および/または前記プリント基板の表面に形成されたソルダーレジストに再反射した再反射光を、前記電子部品の上方から撮像装置により検出し、
該撮像装置により検出された前記再反射光の状態に基づいて前記電子部品の前記リードの浮きの有無を判断するプリント基板装置の検査方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−225708(P2010−225708A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69269(P2009−69269)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(310010793)富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】