説明

ベンゾオキサゾールおよびベンゾジアゾールUV−Aサンスクリーン

本発明は、1,3−ベンゾオキサゾールまたはベンゾジアゾールUV−Aサンスクリーンおよび前記のUV−Aサンスクリーンを含有する組成物、特に局所組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なUV−Aサンスクリーンおよび該UV−Aサンスクリーンを含有する組成物、特に局所組成物に関するものである。
【0002】
UV光線は、波長によって、UV−A光線(320〜400nm)およびUV−B光線(280〜320nm)と呼ばれる。ヒト皮膚へのUV光線の損傷作用は、波長低下および暴露期間の増加と共に上昇する。UV光線は、それゆえ皮膚損傷を引き起こし、UV−B放射が、非常に深刻な皮膚損傷に至るサンバーン(紅斑)を引き起こすことがありうる。皮膚への太陽光による非常に頻繁および無防備な照射は、皮膚弾性の損失およびしわ形成の増加、そして全体として、皮膚の早期老化にもつながる。極端なケースでは、皮膚癌に至る病理的な皮膚変化が発生する可能性がある。
【0003】
UV−A放射は、迅速で、弱い直接的な皮膚の色素沈着を引き起こす。UV−A光線は、より深い皮膚層に達し、そしてそこで皮膚の老化プロセスを加速することができる。UV−A放射は、更に、光緊張性または光アレルギー性皮膚反応を誘発する可能性がある。UV−A暴露と皮膚癌増加のリスクとの間には、確認された関係が存在する。化粧用および皮膚用調製物のUV吸収剤は、その吸収極大の位置により、UV−AおよびUV−B吸収剤に分けられる。多数の安全かつ有効なUV−B吸収剤があるが、ヒト皮膚の保護に適したUV−A吸収剤はまれであり、その上、重大な欠点によって影響を受ける。
【0004】
欧州特許出願公開第669323号、ドイツ特許3644633号、ドイツ特許第4107439号は、例えば、UV−A範囲で吸収するベンゾ−ジアゾール、−チアゾールおよび/またはベンゾオキサゾールを開示している。これらの従来技術文献による化合物は、本発明による化合物とその化学構造が大きく異なり、低い脂溶性を示す。通常UVサンスクリーンは、皮膚への最適吸収を確保するために、化粧用および/または皮膚用組成物の脂質相中に含まれなければならないため、このことは深刻な欠点である。
【0005】
その上、通常、引用した従来技術のUV−Aサンスクリーンは、光安定性を示さない。それらは太陽光へ暴露されたときにその活性を失うため、このことは更なる欠点である。
【0006】
本発明の根本における目的は、先に述べた欠点を克服するUV−Aサンスクリーン、すなわち良好な脂溶性および高い光安定性を備えたUV−Aサンスクリーンを提供することである。
【0007】
この目的は、式I:
【0008】
【化5】

【0009】
の化合物を提供することによって達成され、
式中、
1およびR2は、相互より独立して、水素;ハロゲン;ヒドロキシ;(C1〜C20)−アルキル;(C2〜C20)−アルケニル;または(C1〜C20)−アルコキシであり;
Xは、酸素または場合によりR1によって置換されたイミノ基であり;
3およびR4は、相互より独立して、シアノ;−COOR5;−COR6;−CONH2;−CONHR7;または−CONR89であり;
5、R6、R7、R8およびR9は、相互より独立して、水素;1つ以上のメチレン基が場合により酸素によって置換された(C1〜C20)−アルキル;(C1〜C20)−ハロアルキル;場合によりトリ−(C1〜C5)−アルキルシリル、トリフェニルシリルまたは基−Si[CH3n[OSi(CH333-n(式中、nは、0、1、2または3である)によって置換された(C2〜C20)−アルケニルである。
【0010】
一般式Iの化合物は、UV−A範囲にその吸収極大を有する貴重な光安定性生成物である。それらは更に親油性であり、したがってサンスクリーン調合物の脂質相に含まれるのに適している。
【0011】
本明細書で使用されるように、C1〜C20−アルキルは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル残基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、テキシル(=1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)、1,1,2−トリメチルプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチル−ヘキシル、オクチルなどを意味する。C1〜C8−アルキル基が好ましい。
【0012】
2〜C20−アルケニルは、2〜20個の炭素原子を有し、少なくとも1つのC−C二重結合を含有する直鎖または分岐鎖アルケニル残基、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、メタリル、2−ペンテン−3−イル、3−ヘキセン−2−イル、3−ヘプテン−2−イル、3−オクテン−2−イル、1−オクテン−3−イル、および2−オクテン−1−イルを意味する。C2〜C8−アルケニル基が好ましい。
【0013】
「1つ以上のメチレン基が場合により酸素によって置換された(C1〜C20)−アルキル」の例は、メトキシメチル、4−オキサ−ヘキシル、4,7−ジオキサ−ノニル、および4,7,10−トリオキサ−ドデシルである。
【0014】
トリ−(C1〜C5)−アルキルシリル部分は、基−SiRであり、ここでR、RおよびRは、それぞれ独立して、C1〜C5−アルキルである。好ましいシリル部分は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチル−tert−ブチル−シリル、ジメチル−テキシル−シリルなどである。このましい三置換シリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、およびトリフェニルシリルである。
【0015】
一般式Iの化合物は、一般式IIIa(Xが、Oである場合)またはIIIb(Xが、NHまたはNR1である場合):
【0016】
【化6】

【0017】
の化合物と、一般式IV:
【0018】
【化7】

【0019】
の化合物との縮合によって調製可能であり、式中、R1、R2、R3およびR4は、先で与えられた意味を有する。
【0020】
複素環形成を伴う縮合は、酸性触媒の存在下で実施される。H2SO4、HCl、H3PO4、H3BO3、またはp−トルエンスルホン酸などの、いずれの強力な無機または有機酸も、この目的に使用することができる。反応によって形成された水は、(例えばトルエンまたはCH2Cl2を溶媒として使用する)共沸蒸留によって、またはP25などの吸湿剤によって除去することができる。反応温度は、0℃〜200℃で変化し、酸の濃度および強度に依存する。
【0021】
一般式IVの出発原料は、Knoevenagel縮合によって、すなわち、場合によりアルカノールによって構成されたエステルの形態の、一般式Vの化合物を、一般式VIの化合物と反応させることによって得ることができる。
【0022】
【化8】

【0023】
縮合は、例えば、水との共沸混合物を形成できる溶媒(例えばトルエンまたはクロロホルム)および水分離器の存在下での共沸蒸留下に起こる。酸および/または塩基:酢酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、硫酸、BF3などの酸、またはピリジン、ピペリジン、またはモルホリンなどの塩基を、触媒として使用できる。P25などの無水物も反応を触媒することができる。
【0024】
一般式Iの化合物は、上記の工程の順序を逆にすることによっても、すなわち一般式VIIの化合物に一般式VIの化合物を反応させることによっても製造できる。
【0025】
【化9】

【0026】
次に、一般式VIIの化合物は、一般式IIIa(X=O)またはIIIb(X=NHまたはNR1)の化合物に一般式Vの化合物を反応させることによって得られる。一般反応条件は、先に記載した閉環と同じである。
【0027】
式Iの好ましい化合物は、XがOである化合物である。その上、特に好ましい化合物は、R1およびR2が、水素である化合物、ならびにR3が、シアノおよびR4が、−COOR5である化合物である。そのような化合物の例は、
2−シアノ−3−{4−[5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル]−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステルおよび
2−シアノ−3−{4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステルである。
【0028】
3およびR4が、相互に独立して−COOR5である化合物も好ましい。そのような化合物の例は、
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジブチルエステル;
3−{4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル}−2−プロピオニル−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル;
2−(4−[6−ヒドロキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;
2−(4−[6−{2−エチル−ヘキシルオキシ}−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;および
2−(4−{6−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−ベンゾオキサゾール−2−イル}−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステルである。
【0029】
別の態様において、本発明は、一般式:
(H3C)3Si−(B)q−OSi(CH33 II
〔式中、
Bは、B1、B2、B3、B4およびB5:
【0030】
【化10】

【0031】
からなる群より選択される残基であり、
Wは、W1、W2およびW3:
【0032】
【化11】

【0033】
(式中、X、R1、R2、R3、およびR4は、先に定義したとおりであり;Yは、酸素、(C1〜C20)−アルキレン、(C2〜C20)−アルケニレン、または−O−(C1〜C20)−アルキレンであり;Y′は、(C1〜C20)−アルキレンまたは(C2〜C20)−アルケニレンである)からなる群より選択される残基であり、
qは、1〜400の整数であり、任意の配列における残基B1〜B5の和を表し、ここで少なくとも1つのBが、B1、B2、B3またはB4であり、比
(B1+B2+B3+B4)/(B1+B2+B3+B4+B5)
は0.6を超えない〕の置換ポリシロキサンに関する。
【0034】
式IIの好ましいポリシロキサンは、qが、2〜100の範囲にあるポリシロキサンである。特に好ましい式IIのポリシロキサンは、比(B1+B2+B3+B4)/(B1+B2+B3+B4+B5)が0.01〜0.4であるポリシロキサンである。
【0035】
好ましい式IIのポリシロキサンは、
【0036】
【化12】

【0037】
である。
【0038】
一般式IIの化合物は、式VIII:
【0039】
【化13】

【0040】
の化合物をポリ−(メチル−ヒドロシロキサン):
【0041】
【化14】

【0042】
にグラフトすることによって調製可能であり、
式中、m+p=q、
qは、先に定義したとおりであり、
異なる残基は任意の配列にある。
【0043】
反応パートナーのモル比がハイブリッド含有量、すなわち化合物IXの基−Si[H][CH3]−O−の含有量によって決定されることは明らかである。
【0044】
通例、反応は、純粋なポリシロキサン中、または例えばトルエン、THFもしくはイソプロパノールのポリシロキサン溶液中で起こる。反応は、均一系触媒(カールシュテット触媒)または不均一系白金触媒(塩化白金酸)の存在下で、40〜150℃、好ましくは60〜100℃の温度にて、2〜48時間で変化する期間にわたって行われる。
【0045】
式VIIIaaおよびVIIIabの化合物は、N−メチルピロリドンまたはブタノンなどの極性非プロトン性溶媒中、50〜150℃にて、塩基(例えばKOHもしくはK2CO3)を用いて、式VIIの化合物(式中、R2は、OHである)を、a)プロパラギルブロミドもしくはb)アリルブロミドとそれぞれ処理することによって得られる。この新しい式VIIaaまたはVIIabの化合物を、先に記載したように化合物VIと処理することができる。式VIIIbaまたはVIIIbbの化合物は、化合物VII(式中、Xは、NHまたはNR1である)から開始して上記の条件下でしかるべく得ることができる。式VIIIcaおよびVIIIcbの化合物は、式VIの化合物(式中、R3は、CNであり、R4は、COOR5である)(化合物VI′)を処理し、式VI″またはVI″′の化合物をそれぞれ得、次いで化合物VIIと反応させることによって得られる。
【0046】
【化15】

【0047】
化合物VI″を得るためには、化合物VI′を室温にて無水HClまたは濃H2SO4によって処理し、プロピノールまたはプロペノールそれぞれの添加、およびアンモニウム塩中間体の加水分解を続けた。化合物VI″′は、化合物VI′から過剰なプロピノールまたはプロペノールをそれぞれ使用して、エステル交換によって形成される。
【0048】
本発明の更なる態様は、式Iおよび/またはIIの1つ以上の化合物のUV−Aスクリーン剤としての使用に関する。特に、一般式Iおよび/またはIIの化合物は、ヒト皮膚および/またはヒト毛髪をUV−A照射から保護するためにはもちろん、UV感受性プラスチック材料および医薬製品を保護するためにも適している。
【0049】
本発明のなお別の態様は、式Iおよび/またはIIの1つ以上の化合物および少なくとも1つの薬学的および/または美容的に許容される賦形剤を含有する組成物、特に局所組成物を提供することである。
【0050】
特に、式IまたはIIの1つ以上の化合物を含む組成物は、ヒト皮膚および/または毛髪への局所利用に適している。したがってそれらは、紫外線放射、特に太陽光放射に対して感受性である物質を保護するために適しており、式IまたはIIの少なくとも1つの光保護的有効量を含む。本発明の好ましい実施態様において、そのような組成物は、UV放射の悪影響からヒト皮膚および/またはヒト毛髪を保護するために適している。このケースでは、本発明による組成物は、担体として局所的に利用可能であり、美容上許容されるビヒクルまたは希釈剤を含む、化粧用および/または皮膚用組成物である。
【0051】
適切な場合、追加のUV−AおよびUV−Bスクリーン剤を本発明の化粧用および/または皮膚用組成物に添加してもよい。各種のUVフィルターの組合せも相乗効果を示すことがある。
【0052】
UVスクリーン剤、すなわち一般式Iおよび/またはIIの化合物ならびに追加のUV−A/Bスクリーン剤の総量は、重要ではない。適切な量は、組成物の総量の重量により、0.5〜20%、好ましくは0.5〜12%で変化する。
【0053】
本発明のUV−Aスクリーン剤に添加できる適切なUV−Bスクリーン剤は、以下の有機および無機化合物である。
・アクリレート、例えば2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、PARSOL(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど
・カンファ誘導体、例えば4−メチルベンジリデンカンファ(PARSOL(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファ、カンファベンザルコニウムメトスルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファ、スルホベンジリデンカンファ、スルホメチルベンジリデンカンファ、テレフタリデンジカンファスルホン酸など
・シンナメート誘導体、例えばメトキシケイ皮酸オクチル(PARSOL(登録商標)MCX)、メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン(PARSOL(登録商標)Hydro)、メトキシケイ皮酸イソアミルなどはもちろんのこと、シロキサンに結合したケイ皮酸誘導体
・p−アミノ安息香酸誘導体、例えばp−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸グリセリル
・ベンゾフェノン、例えばベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4,2,2′、4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなど
・ベンザルマロン酸のエステル、例えばジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート
・2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)−プロパン二酸のエステル、例えば2−(4−エトキシ−アニリロメチレン)−プロパン二酸ジエチルエステル(欧州特許出願公開第0895776号)
・欧州特許第0358584号、欧州特許第0538431号、および欧州特許出願公開第0709080号に記載されているベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン化合物
・ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)
・顔料、例えば微粒子化TiO2など、「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。TiO2粒子は、金属酸化物、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムによって、あるいは有機コーティング、例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどによってコーティングされることもある。そのようなコーティングは、当分野で周知である。
・イミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(PARSOL(登録商標)HS)。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えばアルカリ塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、第1級、第2級、および第3級アミンの塩、例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などである。
・サリチレート誘導体、例えばイソプロピルベンジルサリチレート、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸オクチル(NEO HELIOPAN OS)、サリチル酸イソオクチルまたはサリチル酸ホモメンチル(ホモサラート、HELIOPAN)など
・トリアゾン誘導体、例えばオクチルトリアゾン(UVINUL T−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(UVASORB HEB)など
【0054】
本発明のUV−Aスクリーン剤に添加できる適切な従来のUV−Aスクリーン剤は、以下の有機および無機化合物である。
・ジベンゾイルメタン誘導体、例えば4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイル−メタン(PARSOL(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなど
・ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2,2′−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(TINOSORB M)など
・フェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩、例えば2,2−(1,4−フェニレン)−ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(Neoheliopan AP)
・アミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン、例えば欧州特許第1046391号に記載されている2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル
・顔料、例えば微粒子化ZnOなど。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。ZnO粒子は、金属酸化物、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムによって、あるいは有機コーティング、例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどによってコーティングされることもある。そのようなコーティングは、当分野で周知である。
【0055】
ジベンゾイルメタン誘導体は、感光性UV−Aスクリーン剤であるため、それらを光安定化することが望ましい。それゆえ「従来のUV−Aスクリーン剤」という用語は、例えば、
・欧州特許第0514491号および欧州特許出願公開第0780119号に記載されている3,3−ジフェニルアクリレート誘導体
・米国特許第5605680号に記載されているベンジリデンカンファ誘導体
・欧州特許第0358584号、欧州特許第053843号、および欧州特許出願公開第0709080号に記載されているベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン
によって安定化されたPARSOL(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体も指す。
【0056】
本発明の組成物は、通常の化粧用アジュバントおよび添加剤、例えば保存料/抗酸化剤、脂質物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、追加のサンスクリーン、消泡剤、保湿剤、香料、表面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性もしくは両性ポリマー、またはその混合物、推進剤、酸性化もしくは塩基性化剤、染料、着色料、顔料、またはナノ顔料、特に紫外線放射を物理的に遮断することによって追加の光保護効果を提供するのに適したもの、あるいは特にサンスクリーン/抗日光組成物の製造のための化粧品に通常調合されるその他の成分も含有できる。化粧用および皮膚用アジュバントならびに添加剤の必要量は、熟練者によって容易に選択される所望の生成物に基づくことができる。
【0057】
特に好ましい抗酸化剤は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばβ−カロテン、γ−カロテン、リコピン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−およびラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−およびグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)はもちろんのこと、非常に少ない適合用量(例えばpmol〜μmol/kg)のスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、追加の(金属)−キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、酪酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、没食子酸抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、およびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルNa、酢酸アルスコルビルなど)、トコフェロールおよび誘導体(ビタミンEアセテートなど)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)はもちろんのこと、コニフェリルベンゾエート、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体;マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えばZnO;ZnSO4)、セレンおよび誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)および挙げた活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群より選択される抗酸化剤である。
【0058】
保存料および/または抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.01〜約10重量%で変化する量で存在していてもよい。好ましくは、保存料および/または抗酸化剤は、約0.1〜約1重量%で変化する量で存在する。
【0059】
本発明の組成物は、乳化剤も含有していてもよい。乳化剤は、2つ以上の不混和性液体を均質に混合させて、同時に組成物の粘度を上昇させる。更に乳化剤は、組成物を安定させるように作用する。
【0060】
O/W、W/Oおよび/またはO/W/O調合物を形成するために、本発明に従って使用できる乳化剤は、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセリル−6ヘキサリシノラート、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4/PEG−8プロピレングリコールココエート、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノレイン酸カリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびその混合物を含む。更に適切な乳化剤は、リン酸エステルおよびその塩、例えばリン酸セチル、セチルリン酸DEA、セチルリン酸カリウム、ナトリウムグリセリルオレエートホスフェート、水素添加植物グリセリドホスフェート、およびその混合物である。更に、1つ以上の合成ポリマーを乳化剤として使用できる。例えばPVPエイコサンコポリマー、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレスメタクリレートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびその混合物。好ましい乳化剤は、PVPエイコサンコポリマー、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、イソステアリン酸PEG−20ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびその混合物である。
【0061】
乳化剤は、組成物の総重量の約0.01〜約15重量%、好ましくは約0.1〜約3重量%で変化する総量で存在する。
【0062】
脂質/油相は、
・鉱油および鉱ろう
・カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、好ましくはヒマシ油
・天然または合成油、好ましくはカルボン酸または脂肪酸とアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセリンとのエステル
・アルキルベンゾエート、ならびに
・シリコーンオイル、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびその混合物
から好都合に選択される。
【0063】
本発明による組成物の油相に含まれることが可能な脂肪物質は、3〜30個の炭素原子を有する、飽和および/または不飽和、直鎖または分岐鎖アルキルカルボン酸と、3〜30個の炭素原子を有する、飽和および/または不飽和、直鎖および/または分岐鎖アルコールとのエステル、ならびに芳香族カルボン酸と、3〜30個の炭素原子を有する、飽和および/または不飽和、直鎖または分岐鎖アルコールとのエステルから好都合に選択される。そのようなエステルは、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、ヘプタン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ステアリン酸トリデシル、トリメリト酸トリデシル、ならびにホホバ油などのそのようなエステルの合成、半合成、および天然混合物から好都合に選択することができる。
【0064】
本発明による組成物での使用に適した他の脂肪成分は、極性油、例えばレシチン、および脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する、飽和および/または不飽和、直鎖または分岐鎖炭酸のトリグリセリンエステルを含むが、これに対して脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは、合成、半合成、および天然油(例えばココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ココナッツ油、ヒマシ油、水素添加ヒマシ油、コムギ油、ブドウ油およびその他);非極性油、例えば直鎖および/または分岐鎖炭化水素およびワックス、例えば鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン(ポリデセンが好ましい)、水素添加ポリイソブテンおよびイソヘキサデカン;ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル;直鎖または環式シリコーン油、例えばシクロメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ−(メチルフェニルシロキサン)、およびその混合物から選択される。
【0065】
本発明の組成物へ好都合に含まれることができる他の脂肪成分は、イソエイコサン;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール;コハク酸(カプリル酸/カプリン酸)ジグリセリル;(カプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール;乳酸アルキル(C12−13);酒石酸ジアルキル(C12−13);トリイソステアリン;(ヘキサカプリル酸/ヘキサカプリン酸)ジペンタエリスリチル;モノイソステアリン酸プロピレングリコール;トリカプリリン;ジメチルイソソルビッドである。安息香酸アルキル(C12−15)およびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸アルキル(C12−15)およびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、ならびに安息香酸アルキル(C12−15)、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物の使用が特に好ましい。
【0066】
本発明による組成物の油相は、天然植物または動物ワックス、例えばミツロウ、チャイナワックス、マルハナバチワックスおよび他の昆虫のワックス、ならびにシア脂も含有することができる。
【0067】
本発明による組成物は、更に、1つ以上のエモリエントを含有することができる。エモリエントは、皮膚表面に軟化または鎮静効果を提供し、一般に局所使用に安全であると見なされる。エモリエントは、組成物の蒸発速度および粘着力を制御するのにも役立つ。好ましいエモリエントは、鉱油、ラノリン油、ココナツ油、ココアバター、オリーブオイル、アロエ抽出物、ホホバ油、ヒマシ油、脂肪酸、例えばオレイン酸およびステアリン酸、脂肪アルコール、例えばセチルアルコールおよびヘキサデシルアルコール、アジピン酸ジイソプロピル、C9〜C15アルコールの安息香酸およびヒドロキシ安息香酸エステル、イソノナン酸イソノニル、C15〜C50アルカン、鉱油、シリコーン、例えばジメチルポリシロキサン、エーテル、例えばポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテル、および安息香酸アルキル(C2〜C15)およびその混合物を含む。最も好ましいエモリエントは、ヒドロキシ安息香酸エステル、アロエベラ、安息香酸アルキル(C1215)、およびその混合物である。
【0068】
エモリエントは、組成物の総重量の約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約15重量%、および最も好ましくは約4〜約10重量%で変化する量で存在する。
【0069】
本発明の調合物の水相は、通常の化粧用添加剤、例えばアルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級アルキルジオールまたはポリオールおよびそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−もしくは−モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−、−モノエチル−もしくは−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−もしくは−モノエチルエーテルおよび類似生成物、ポリマー、フォーム安定剤;電解質および、特に1種以上の増粘剤を含有することができる。
【0070】
本発明の調合物で使用される増粘剤は、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウムおよび/またはケイ酸アルミニウムの群、ポリサッカライド、およびその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリレートコポリマー、好ましくは、タイプ980、981、1382、2984、5984のカルボポールなどの、カルボポールの群のポリアクリレートを含む。
【0071】
湿潤剤などの保湿剤は、皮膚の角質層の経皮水損失(TEWL)を低下させるために、本発明による組成物に含ませることができる。適切な湿潤剤は、グリセリン、乳酸、ピロリドン、炭酸、尿素、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、PEG−4、およびその混合物を含む。追加の適切な保湿剤は、水溶性および/または水ゲル化ポリサッカライド、例えばヒアルロン酸、キトサンおよび/またはSOLABIA SからFucogel(登録商標)1000(CAS−Nr.178463−23−5)として入手可能なフコースリッチポリサッカライドなどの群の高分子保湿剤である。保湿剤は、場合により、組成物の総重量の約0.5〜約8重量%、好ましくは約1〜約5重量%で変化する量で存在する。
【0072】
乳化剤、発泡剤および安定剤などの適切な中和剤も本発明の組成物に含めることができる。適切な中和剤は、水酸化アルカリ、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウム;有機塩基、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、エチレンジアミン四酢酸トリナトリウム;塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジン;および上記のいずれかの組合せを含む。中和剤は、場合により、組成物の総重量の約0.01〜約8重量%、好ましくは1〜約5重量%の量で存在する。
【0073】
本発明の組成物への電解質の添加は、疎水性乳化剤の挙動を変化させるために好ましい。それゆえ本発明のマイクロエマルジョンは、好ましくは、これに限定されるわけではないが、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩を含む、アニオンを有する1つまたは複数の塩の電解質を含有する。他の適切な電解質は、これに限定されるわけではないが乳酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩などの有機アニオンをベースとすることができる。好ましいカチオンは、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ金属、マグネシウム、鉄および亜鉛イオンである。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびその混合物である。電解質は、組成物の総重量の約0.01〜約8重量%で変化する量で存在する。
【0074】
本発明による組成物は、抗日光/サンスクリーン組成物またはメイクアップ製品として紫外線照射の損傷効果からヒト表皮または毛髪を光保護するために有用である。そのような組成物を、特に、ローション、濃縮ローション、ゲル、クリーム、ミルク、軟膏、粉末または固体チューブスティックの形態で提供することが可能であり、場合によりエアロゾルとして包装することが可能であり、ムース、フォーム、またはスプレーの形で提供することが可能である。それらは溶媒または脂肪物質中への懸濁物または分散物の形態で、あるいは好ましくはO/W型のエマルジョン、例えばクリームまたはミルク、ベシクル分散物の形態で、軟膏、ゲル、固体チューブスティックまたはエアロゾルムースの形態でありうる。エマルジョンは、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性表面活性剤も含むことができる。
【0075】
本発明により化粧用組成物が毛髪を保護するために使用される場合、それらは、ローション、ゲル、あるいはシャンプーまたはシャンプーの前後、ヘアダイまたはブリーチの前後、パーマまたはストレートパーマ作業の前、最中または後に利用されるコンディショナーなどの洗い流し組成物、スタイリングもしくはトリートメントローションまたはゲル、ブロードライもしくは毛髪セットローションまたはゲル、毛髪ラッカー、または毛髪のパーマ、ストレートパーマ、ダイもしくはブリーチ用の組成物の形態でありうる。
【0076】
本発明は、以下の実施例によって更に説明される。
【実施例1】
【0077】
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
【0078】
【化16】

【0079】
a)ジエチル−p−カルボキシ−ベンザルマロネート
水分離器と連結された還流冷却器および磁気スターラーを備えた油浴を装備した500mlの三口反応フラスコに、トルエン300ml中の4−カルボキシ−ベンズアルデヒド(Fluka)24.8g(170mmol)、ジエチルマロネート26.3g(170mmol)、モルホリン1.3gおよびp−トルエン−スルホン酸1.4gを加えた。還流下で2時間後、水3mlを分離した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、NH4ClおよびNaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して褐色蜜を得た。トルエンによる再結晶は、褐色結晶18gを与えた。融点100〜102℃。UV(エタノール)286nm(E=24800)
【0080】
b)2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
五酸化リン10g、ヘキサメチルジシロキサン25mlおよび1,2−ジクロロベンゼン50mlを250ml丸底フラスコ中で混合し、混合物が透明になるまで数分間還流した。
【0081】
先で得たジエチル−p−カルボキシ−ベンザルマロネート1.5gおよび2−アミノフェノール0.66gを透明な五酸化リン混合物15mlに溶解させ、4時間還流した。次に冷反応混合物を酢酸エチル150mlで希釈し、1n NaOHおよびNaCl水溶液で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濃縮し、褐色結晶1gを得て、これをヘキサン:酢酸エチル=3:1(v/v)中でのシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけた。黄色結晶の形態の生成物0.77gを得た。融点99〜102℃。UV(CH2Cl2)331nm(E=1010);MS:365(M),320,291,275,247,219(100%)。
【0082】
溶解度測定
過剰のUVサンスクリーンを、Cetiol LC(ココイルカプリレートカプレート)およびCrodamol DA(アジピン酸ジイソプロピル)をそれぞれ含有するフラスコに入れた。懸濁物を混合し、超音波浴で10分間処理した。室温で18時間放置した後、残りの結晶を覆う溶液を、ミリポアマイクロフィルタ(孔径0.45μm)で濾過した。この飽和溶液の濃度を、UV分光法によって検量線と比較して決定した。
【0083】
この生成物の溶解度は、Cetiol LC中では4.5%、Crodamol DA中では11%であることが見出された。
【0084】
光安定性:
光安定性は、パイレックスフィルタ(2.3mm)を有するHeraeusの150W Hg−ランプ、および内径0.3mmかつ全長10mのテフロン毛細管を用い、オンラインシステムHg−lamp/HPLCで測定した。サンプル3.6mgをMeOH 10ml中に溶解させ、この溶液10μlを注入した。分解生成物は、分離しなかった。照射された溶液の波長358nmでのUV吸収は、14分まで定期的に測定し、結果をブチルメトキシジベンゾイルメタンの対応する光安定性と比較した。生成物は、>90%で検出され、光安定性を示したが、一方、照射14分後に、ブチルメトキシジベンゾイルメタンのわずか16%のみが検出された。
【0085】
あるいは測定は、International Journal of Cosmetic Science 18,167−177(1996)に記載されたプロトコルに従って実施した。
【実施例2】
【0086】
2−シアノ−3−{4−[5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル]−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル
【0087】
【化17】

【0088】
a)2−シアノ−{p−カルボキシ−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル
水分離器と連結された還流冷却器および磁気スターラーを備えた油浴を装備した250mlの三口反応フラスコに、トルエン80mlおよびジメチルホルムアミド20ml中の4−カルボキシ−ベンズアルデヒド(Fluka)3.8g(25mmol)、シアン酢酸−2−エチル−ヘキシルエステル6.8g(33mmol)、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−アミン0.3gおよびp−トルエン−スルホン酸0.25gを加えた。還流下で22時間後、反応混合物をトルエンで希釈し、NH4ClおよびNaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して白色結晶6.2g(74%)を得た。融点159〜162℃。UV(CH22)305nm(E=811)。
【0089】
b)2−シアノ−3−{4−[5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル]−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル
先で得た2−シアノ−{p−カルボキシ−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル3.6gおよび2−アミノ−4−tert−ブチル−フェノール2.5gを透明な五酸化リン混合物16ml(実施例1bに記載した)に溶解させ、4時間還流させた。次に冷反応混合物をクロロホルム100mlで希釈し、1n NaOHで3回およびNaCl水溶液で1回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濃縮し、褐色蜜を得て、これをペンタンで洗浄し、高真空下で乾燥させた。生成物の褐色結晶1.02gを得た。融点80〜81℃。
UV(CH22)363nm(E=816);MS:458(M),443(100%),409,346,331。
【0090】
この生成物の溶解度は、Cetiol LC中では3.8%およびCrodamol DA中では7.4%と決定された。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、光安定性であることが示された。
【実施例3】
【0091】
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジブチルエステル
【0092】
【化18】

【0093】
a)2−p−トルイル−ベンゾオキサゾール
350mlの三口反応フラスコに窒素雰囲気下にて、ジエチレングリコール−ジエチルエーテル120mlおよびジエチレングリコール−ジブチルエーテル30ml中のp−トルイル酸40.8g、o−アミノフェノール33gおよびH3BO31.5gを加えた。最初にこの混合物を、ゆっくりとした蒸留が開始するまで、180℃に加熱した。次に、実際に出発原料がtlc上に見えなくなるまで、更に220℃で10時間加熱した。この段階で、溶媒90mlを蒸留で除去した。冷えた結晶性残留物を酢酸エチルに溶解させ、次に1n NaOH、1n HClおよびNaCl飽和水溶液によって洗浄した。有機相を乾燥および濃縮した。結晶性物質をヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥させ、褐色結晶29.5gを得た。融点104〜105℃。UV:(CH2C12)303nm(E=1323)。
【0094】
b)4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンズアルデヒド
磁気スターラー、還流冷却器、および氷冷浴を装備した750ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下にて、無水酢酸200mlに溶解させた2−p−トルイル−ベンゾオキサゾール22gを加えた。この混合物を−5℃に冷却し、温度を0℃以下に維持しながら、濃硫酸44.5mlを滴下漏斗によってゆっくり滴下した。次に無水酢酸200mlに溶解させたCrO315.3gの溶液を同じ温度でゆっくり添加した。緑色混合物を攪拌しながら一晩放置し、次に氷に注いだ。沈殿を濾過し、水で洗浄して、高真空下で乾燥させ、微量の出発原料を含有する、結晶形のアルデヒド18.6gを得た。融点162−163℃。UV(CH2Cl2)324nm(E=1233)。
CrO3溶液の添加後に反応混合物を、直ちに後処理した場合に、主に(約73%の含有量)4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンズアルデヒド−ジアセチルアシラールを得た。UV(CH2Cl2)302nm(E=964)。
【0095】
c)2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジブチルエステル
水分離器と連結された還流冷却器および磁気スターラーを備えた油浴を装備した50mlの三口反応フラスコに、キシレン30ml中の4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンズアルデヒド2.3g(10mmol)、ジ−n−ブチルマロネート2.6g(1.1mmol)、モルホリン0.25mlおよびp−トルエン−スルホン酸0.17gを加えた。還流下で5日後、主に所望の生成物をHPLCによって検知した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびNaCl溶液で洗浄し、Na2SO4によって乾燥させ、濃縮して褐色蜜4.9gを得た。ヘキサン/酢酸エチル(9:1〜1:1,v/v)でのクロマトグラフィーは、黄色液体1.5gを与えた。UV(エタノール)329nm(E=758)、MS:421(M,100%)。
【0096】
この生成物は、Cetiol LCと混和性である。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、光安定性であることが示された。
【実施例4】
【0097】
2−シアノ−3−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル)−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル
【0098】
【化19】

【0099】
還流冷却器および磁気スターラーを備えた油浴を装備した50mlの三口反応フラスコに、トルエン15ml中の4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンズアルデヒド−ジアセチルアシラール2g(73%生成物含有率、実施例3bに述べた)、シアノ酢酸−2−エチル−ヘキシルエステル1.0mlおよび無水ZnCl20.31gを加えた。この混合物を20時間50℃に加熱した。次に、pH9を達成するために、水およびNaOHを添加した。有機相を酢酸エチルによって希釈し、水およびNaCl溶液で洗浄し、Na2SO4によって乾燥させ、濃縮した。残留物をヘキサン/酢酸エチル(9:1〜1:1、v/v)でクロマトグラフィーにかけ、次にヘキサンおよびトルエンで再結晶させて、2−シアノ−3−{4−[ベンゾオキサゾール−2−イル]−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステルの黄色がかった結晶0.7gを得た。融点84〜85℃;UV(CH2Cl2)355nm(E=964);MS:402(M),290(100%),273,246。
【0100】
この生成物の溶解度は、Cetiol LC中=1.6%およびCrodamol DA中=2.8%と決定された。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、E/Z異性化後に光安定性であることが示された。
【実施例5】
【0101】
3−{4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル}−2−プロピオニル−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル
【0102】
【化20】

【0103】
実施例4と同じ反応を実施したが、シアノ酢酸−2−エチル−ヘキシルエステルの代わりに、エチル−3−オキソ−バレレートを使用した。クロマトグラフィーの後、E−およびZ−生成物を得た。Z生成物のデータ:融点82〜83℃;UV(CH2Cl2)334nm(E=1083);MS:349(M),334,320(100%),292,252。
【0104】
生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、E/Z異性化後に光安定性であることが示された。
【実施例6】
【0105】
2−(4−[6−ヒドロキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
【0106】
【化21】

【0107】
実施例1bと同じ反応を実施したが、2−アミノフェノールの代わりに、4−アミノ−レゾルシノールを利用した。粗物質は、クロマトグラフィーの代わりに、アセトニトリル、ヘキサンおよびCH2Cl2から3回再結晶し、12%の黄色結晶を得た。融点153〜55℃。UV(CH2Cl2)346nm(E=851);MS:381(M,100%),336,307,291,263,235。
【0108】
この生成物の溶解度は、Crodamol DA中=1.6%と決定された。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、光安定性であることが示された。
【実施例7】
【0109】
2−(4−[6−{2−エチル−ヘキシルオキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
【0110】
【化22】

【0111】
還流冷却器および磁気スターラーを備えた油浴を装備した50mlの三口反応フラスコに、1−メチル−2−ピロリドン10ml中の2−(4−[6−ヒドロキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル(実施例6に記載した)0.7g、2−エチル−ヘキシル−1−ブロミド0.34mlおよび無水Na2CO30.5gを加えた。KJおよび硫酸テトラブチルアンモニウムをそれぞれ微量添加した。100℃で20時間後、出発原料はtlc上に見えなかった。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1n NaOH、水、およびNaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濃縮した。次にヘキサン/酢酸エチル(9:1〜1:1,v/v)でクロマトグラフにかけ、淡黄色結晶300mgを得た。融点50〜52℃;UV(エタノール)352nm(E=695);MS:493(M),381(100%),307,235。
【0112】
この生成物の溶解度は、Cetiol LC(ココイルカプリレートカプレート)中=10.2%と決定された。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、光安定性であることが示された。
【実施例8】
【0113】
2−(4−{6−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−ベンゾオキサゾール−2−イル}−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
【0114】
【化23】

【0115】
実施例7と同じ反応を実施したが、2−エチル−ヘキシル−1−ブロミドの代わりに、2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ−メチルスルホネートを利用した。後処理後、生成物をヘキサン/ジエチルエーテル(9:1〜1:1、v/v)によってクロマトグラフにかけ、黄色がかった油状物を得て、これは2ヶ月後にのみ結晶化した。融点43〜45℃;UV(CH2C12)341nm(E=551);MS:497(M,100%),452,381。
【0116】
この生成物の溶解度は、Cetiol LC中=4.6%と決定された。生成物は、HeraeusのHg−lamp 150Wによって高い希釈度で照射され、光安定性であることが示された。
【実施例9】
【0117】
2−(4−{6−[2−(メチル−ビス−(トリメチル−シリルオキシ)−シリル)−プロパ−2−エニルオキシ]−ベンゾオキサゾール−2−イル}−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
【0118】
【化24】

【0119】
a)2−(4−[6−{2−プロパルギルオキシ}−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル
実施例7と同じ反応を実施したが、2−エチル−ヘキシル−1−ブロミドの代わりに、プロパルギルブロミドを利用した。後処理後、生成物をヘキサン/酢酸エチル(9: 1〜1:1,v/v)によってクロマトグラフにかけ、黄色結晶を得た。融点105〜107℃;UV(CH2Cl2)345nm(E=875);MS:419(M),380(100%),374,306,234。
【0120】
b)2−(4−{6−[2−(メチル−ビス−(トリメチル−シリルオキシ)−シリル)−プロパ−2−エニルオキシ]−ベンゾオキサゾール−2−イル}−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル(ヒドロシリル化反応)
トルエン5ml中の2−(4−[6−{2−プロパルギルオキシ}−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル(実施例9a、上記)200mg、1,1,1,3,5,5,5−へプタメチルトリシロキサン125mgおよびジビニル−テトラメチルジシロキサン白金錯体の触媒量を不活性雰囲気下で三口反応フラスコに入れ、80℃にて20時間攪拌し、次に還流下で2日間攪拌した。生成物溶液を水/メタノール混合物、1:10、v/vで洗浄し、濃縮した。この生成物をヘキサン/酢酸エチル9:1、v/vでクロマトグラフにかけ、蜜状液体を得た。UV348nm(E=535)。NMRは、ビシナルおよびジェミナルヒドロシリル化生成物の混合物=1.3を示した。生成物は、上記で試験した化粧用溶媒中での無制限の溶解度および高希釈度での優れた光安定性品質を有する。
【実施例10】
【0121】
以下の式:
【0122】
【化25】

【0123】
に統計的に一致するポリシロキサン
キシレン10ml中の2−(4−[6−{2−プロパルギルオキシ}−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル(実施例9a、上記)200mg、Wacker−Chemie GmbHのポリシロキサンAe−151 530mgおよび炭素担持白金5%の触媒量を、不活性雰囲気下で三口反応フラスコに入れ、5日間120℃に加熱した。生成物溶液をセライトで濾過し、水/メタノール混合物、1:10、v/vで洗浄し、濃縮して、褐色がかった油を得た。UV348nm(E=207)、Cetiol LC、およびCrodamol DA中での限定されない溶解度および高希釈度での優れた光安定性品質を有する。
【実施例11】
【0124】
O/WサンスクリーンローションUV−BおよびUV−Aの調製:
実施例1の化合物を2%含有する広域スペクトルのサンスクリーンローション。
【0125】
【表1】

【0126】
A部を85℃まで反応器中で加熱する。
B部を10分以内にゆっくり添加し、続けてKOHを添加して、冷却し、エマルジョンを脱気する。
【実施例12】
【0127】
高度保護サンミルクの調製
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】


(式中、
1およびR2は、相互より独立して、水素;ハロゲン;ヒドロキシ;(C1〜C20)−アルキル;(C2〜C20)−アルケニル;または(C1〜C20)−アルコキシであり;
Xは、酸素または場合によりR1によって置換されたイミノ基であり;
3およびR4は、相互より独立して、シアノ;−COOR5;−COR6;−CONH2;−CONHR7;または−CONR89であり;
5、R6、R7、R8、およびR9は、相互より独立して、水素;1つ以上のメチレン基が場合により1つ以上の酸素によって置換された(C1〜C20)−アルキル;(C1〜C20)−ハロアルキル;場合によりトリ−(C1〜C5)−アルキルシリル、トリフェニルシリルまたは基−Si[CH3n[OSi(CH333-n(式中、nは、0、1、2、または3である)によって置換された(C2〜C20)−アルケニルである)の化合物。
【請求項2】
Xが、Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1およびR2が、水素である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
3が、シアノであり、R4が、−COOR5である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
2−シアノ−3−{4−[5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル]−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステルまたは2−シアノ−3−{4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル}−アクリル酸2−エチルヘキシルエステルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
3およびR4が、相互より独立して−COOR5である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;
2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ベンジリデン)−マロン酸ジブチルエステル;
3−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−フェニル)−2−プロピオニル−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル;
2−(4−[6−ヒドロキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;
2−(4−[6−{2−エチルヘキシル−オキシ}−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル;または
2−(4−{6−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−ベンゾオキサゾール−2−イル}−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
一般式:
(H3C)3Si−(B)q−OSi(CH33
〔式中、
Bは、B1、B2、B3、B4およびB5:
【化2】


からなる群より選択される残基であり、
Wは、W1、W2およびW3:
【化3】


(式中、X、R1、R2、R3およびR4は、前記請求項1で定義したとおりであり;Yは、酸素、(C1〜C20)−アルキレン、(C2〜C20)−アルケニレン、または−O−(C1〜C20)−アルキレンであり;Y′は、(C1〜C20)−アルキレンまたは(C2〜C20)−アルケニレンである)からなる群より選択される残基であり、
qは、1〜400の整数であり、任意の配列における残基B1〜B5の和を表し、ここで少なくとも1つのBが、B1、B2、B3またはB4であり、比
(B1+B2+B3+B4)/(B1+B2+B3+B4+B5)
は、0.6を超えない〕のポリシロキサン。
【請求項9】
qが、2〜200の整数である、請求項8記載のポリシロキサン。
【請求項10】
比(B1+B2+B3+B4)/(B1+B2+B3+B4+B5)が、0.01〜0.4の間で変化する、請求項8または9記載のポリシロキサン。
【請求項11】
【化4】


である、請求項10記載のポリシロキサン。
【請求項12】
UV−Aスクリーン剤としての請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項13】
ヒト皮膚またはヒト毛髪を保護するための、請求項12記載の化合物の使用。
【請求項14】
UV放射に対して感受性であるプラスチック材料および医薬製品を保護するための、請求項12記載の化合物の使用。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項記載の1つ以上の化合物および少なくとも1つの薬学的および/または美容的に許容される賦形剤を含む組成物。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか一項記載の1つ以上の化合物が、組成物の総量の0.5〜20重量%の量で存在する、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれか一項記載の1つ以上の化合物が、組成物の総量の0.5〜12重量%の量で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
局所組成物である、請求項15、16または17記載の組成物。
【請求項19】
本明細書、特に実施例に実質的に記載された発明。

【公表番号】特表2006−508900(P2006−508900A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−514617(P2004−514617)
【出願日】平成15年4月8日(2003.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2003/003634
【国際公開番号】WO2004/000256
【国際公開日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
パイレックス
テフロン
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】