説明

ベンゾオキサゾールアリールアミドから誘導されたCETP阻害剤

式Iの構造を有する化合物は、これらの化合物の薬学的に許容される塩を含め、強力なCETP阻害剤であり、HDL−コレステロールの上昇、LDL−コレステロールの減少および動脈硬化症の治療または予防に有用である。式Iにおいて、A−Bはアリールアミド部分である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)を阻害し、したがってHDL−コレステロールの上昇、LDL−コレステロールの低下、ならびに動脈硬化症の治療および予防において有用性を有する化合物のクラスに関する。
【背景技術】
【0002】
動脈硬化症およびこの臨床的帰結である冠動脈心疾患(CHD)、卒中および末梢血管疾患は、先進国の健康管理システムの実に大きな負担となっている。米国だけでも約1300万人の患者がCHDと診断されており、毎年50万人を超える死がCHDに起因している。さらにこの被害は、肥満症および糖尿病の蔓延が増大し続けているので次の四半世紀にわたり増大すると予期される。
【0003】
哺乳動物において、循環リポタンパク質プロファイルの変動は動脈硬化症およびCHDのリスクと相関していることが長きにわたり認められている。冠動脈イベントの減少におけるHMG−CoA還元酵素阻害剤、特にスタチンの臨床的成功は、レベルが動脈硬化症のリスク増加と直接相関している循環低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の減少に基づいている。より最近になって、疫学的研究により高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルと動脈硬化症との反比例関係が実証されており、低い血清HDL−CレベルがCHDのリスク増加と関連しているという結論に至っている。
【0004】
リポタンパク質レベルの代謝制御は、多くの因子が関与する複雑で動的なプロセスである。ヒトにおける1つの重要な代謝制御は、HDLからアポB含有リポタンパク質、特にVLDLへのコレステリルエステルの移動を触媒する血漿糖タンパク質であるコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)である(Hesler,C.B.ら(1987)Purification and characterization of human plasma cholesteryl ester transfer protein、J.Biol.Chem.262(5)、2275−2282頁)を参照のこと。)。生理学的条件下で、正味の反応は、CETPがアポBリポタンパク質からトリグリセリドをHDLへ運搬し、コレステロールエステルをHDLからアポBリポタンパク質へ輸送するヘテロ交換である。
【0005】
ヒトにおいて、CETPは、コレステロールが末梢組織から肝臓へ戻されるプロセスである逆コレステロール輸送において役割を担っている。興味深いことに、高いHDLレベルを有する動物を含み、冠動脈心疾患に対して抵抗性を示すことが公知である多くの動物、例えばげっ歯類は、CETPを有しない(Guyard−Dangremont,V.ら、(1998)Phospholipid and cholesteryl ester transfer activities in plasma from 14 vertebrate species、Relation to atherogenesis susceptibility、Comp.Biochem.Physiol.B Biochem.Mol.Biol.120(3)、517−525頁を参照のこと。)。少数の公知のヒト無発現突然変異についての研究を含む、冠動脈心疾患のリスクに関してCETP活性の天然の変動の作用を相関づける多数の疫学的研究が実施されてきた(Hirano,K.−I.、Yamashita,S.およびMatsuzawa,Y.(2000)Pros and cons of inhibiting cholesteryl ester transfer protein、Curr.Opin.Lipidol.11(6)、589−596頁を参照のこと。)。これらの研究は、血漿HDL−C濃度とCETP活性との負の相関を明確に実証しており(Inazu,A.ら(2000)Cholesteryl ester transfer protein and atherosclerosis、Curr.Opin.Lipidol.11(4)、389−396頁を参照のこと。)、CETP脂質転送活性の薬理学的阻害は、HDL−Cのレベルを増加させる一方でLDLのレベルを低下させることによりヒトに有益であり得るという仮説に至っている。
【0006】
スタチン、例えばシンバスタチン(ZOCOR(登録商標))が示す顕著な治療的進歩にもかかわらず、スタチンは、動脈硬化症およびこの後の動脈硬化疾患イベントの治療および予防において約1/3のリスク減少を達成するにすぎない。現在、HDL−Cの循環レベルを好ましく上昇させる薬理学的療法はほとんど利用することができない。ある種のスタチンおよびいくつかのフィブレートは、穏やかなHDL−Cの増大を提供する。臨床的に証明されているHDL−Cを上昇させる最も効果的な治療を提供するナイアシンは、1つには副作用、例えば紅潮に起因する患者のコンプライアンスの問題を抱えている。HDLコレステロールレベルを安全に効果的に上昇させる薬剤は、既存の治療に対して相補的である機序を介して循環脂質プロファイルを顕著に改善することができる薬理学的療法の手段を提供することにより、重要であるが依然として満たされていない医学的要望に応えることができる。
【0007】
CETPを阻害する化合物の新しいクラスは、数社の製薬会社において研究されており、または臨床試験中である。CETP阻害剤は現在市販されていない。Pfizer社のCETP阻害剤トルセトラピブの臨床試験は、アウトカム試験の間この薬物を使用していた患者の死亡率が増加したために最近中止された。安全で有効な1種以上の医薬化合物を見出すことができるように、新たな化合物が必要とされている。本明細書に記載の新規化合物は、極めて強力なCETP阻害剤である。本化合物は、2−アリールベンゾオキサゾールのアミド誘導体および関連化合物である。2−アリールベンゾオキサゾールをベースとするCETP阻害剤の種々のファミリーは、WO2007/070173に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/070173号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Hesler,C.B.ら(1987)Purification and characterization of human plasma cholesteryl ester transfer protein、J.Biol.Chem.262(5)、2275−2282頁
【非特許文献2】Guyard−Dangremont,V.ら、(1998)Phospholipid and cholesteryl ester transfer activities in plasma from 14 vertebrate species、Relation to atherogenesis susceptibility、Comp.Biochem.Physiol.B Biochem.Mol.Biol.120(3)、517−525頁
【非特許文献3】Hirano,K.−I.、Yamashita,S.およびMatsuzawa,Y.(2000)Pros and cons of inhibiting cholesteryl ester transfer protein、Curr.Opin.Lipidol.11(6)、589−596頁
【非特許文献4】Inazu,A.ら(2000)Cholesteryl ester transfer protein and atherosclerosis、Curr.Opin.Lipidol.11(4)、389−396頁
【発明の概要】
【0010】
(発明の要旨)
式Iを有する化合物は、この化合物の薬学的に許容される塩を含め、CETP阻害剤であり、HDL−コレステロールの上昇、LDL−コレステロールの低下、ならびに動脈硬化症の治療、予防および/または動脈硬化症の発症リスクの減少において有用性を有する:
【0011】
【化1】

その薬学的に許容される塩を含む式Iの化合物において、
Qは、O、Sおよび−N(R)−からなる群から選択され;
Aは、1,4−フェニレン、2,5−ピリジニレンおよび2,5−ピリミジニレンから選択される二官能性環式基であり、ここで、Aは、1−3個の置換基Rで置換されていてもよく;
各Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルおよび−OC−Cアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、各アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
各Rは、H、C−Cアルキル、C−CアルケニルおよびC−Cアルキニルからなる群から独立して選択され、ここで、各アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、(a)1−5個のハロゲンで置換されていてもよいC−Cアルキル、(b)1−5個のハロゲンで置換されていてもよいC2−5アルケニル;(c)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−OC−Cアルキル、(d)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−SC−Cアルキル、(e)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−OC2−5アルケニル、(f)C−Cシクロアルキル、(g)フェニル、(h)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する5−6員の飽和または部分不飽和の複素環式基、(i)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する5−7員のヘテロ芳香族基、(j)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−C(=O)OC1−3アルキル、ならびに(k)−C(=O)OHからなる群から選択され、ここで、前記C−Cシクロアルキル、フェニル、5−6員の飽和または部分不飽和の複素環式基および5−7員のヘテロ芳香族基は、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;
は、ハロゲン、CH、CF、−OCH、−OCF、−CN、フェニルおよび1−2個のNを有する6員のヘテロ芳香族基からなる群から選択され、ここで、フェニルおよび6員のヘテロ芳香族基は、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;
およびRは、H、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群からそれぞれ選択され;
Bは、
(a)−C(=O)N(R)(CR(CRおよび
(b)−C(=O)N(R)(CR)D
からなる群から選択され;
は、HおよびC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CF、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−CアルキルおよびCFからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CF、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CFおよび(ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の基で置換されていてもよい。)フェニルからなる群から選択され;
xは、0または1であり;
yは、0、1または2であり;
は、
(a)1−2個の二重結合を含んでいてもよい、フェニル環に縮合していてもよいC−Cシクロアルキル、
(b)1−2個の二重結合を含んでいてもよい二環式C−C12シクロアルキル、
(c)−O−および−S−から独立して選択される1−3個の環員を含み、1個のカルボニル基を含んでいてもよい、1−2個の二重結合を含んでいてもよい4−8員の飽和または部分不飽和の複素環(前記複素環は、複素環の炭素原子を介して式Iにより表されている構造の残部に連結しており、ここで、前記複素環は、フェニル環またはC−Cシクロアルキルに縮合していてもよい。)、
(d)各環が5−7員環である、炭素原子を介してスピロ環式結合により結合している2個の環を有するスピロ環式基(ここで、Dは、スピロ環式基の何れかの環中に(i)−O−および−S−から独立して選択される1−2個の環員を含んでいてもよい、(ii)1個のカルボニル基を含んでいてもよい、(iii)1−2個の二重結合を含んでいてもよい、ここで、スピロ環式基Dの何れかの環は、フェニル環またはC−Cシクロアルキルに縮合していてもよい。)、
(e)フェニルおよびナフチルから選択される芳香族環、ならびに
(f)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、1個の−C(=O)−基を環員として有していてもよい5−7員のヘテロ芳香族環(前記ヘテロ芳香族環は、ヘテロ芳香族環の炭素原子を介して式Iにより表されている構造の右側に連結しており、ここで、前記ヘテロ芳香族環は、フェニル環に縮合していてもよい。)
からなる群から選択される環式基であり;
ここで、(a)−(f)に定義の前記環式基Dは、任意の縮合環を含め、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−N(R−、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキル、−OCF、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)OC−Cアルキル、−C(=O)OHおよび−NRC(=O)C−Cアルキルから独立して選択される1−5個の置換基で置換されていてもよく、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル(実施例8を参照のこと。)および環式基Dからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、使用されるすべてのC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびOC−Cアルキルは、1−9個のハロゲンで置換されていてもよく、ここで、Dは、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結しており、
ここで、Dは、(a)フェニル、(b)ナフチル、(c)1−2個の二重結合を有していてもよいC−Cシクロアルキル、(d)N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、1個の−C(=O)−基を有していてもよい飽和または部分不飽和の単環式または二環式の4−10員複素環(前記複素環は、1−2個の二重結合を有していてもよい。)、ならびに(e)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、1個の−C(=O)−基を有していてもよい単環式または二環式の5−12員ヘテロ芳香族基からなる群から選択され、
は、−C(=O)−、S、−S(O)−、O、−N(R)C(=O)−、−CHN(R)C(=O)−、−CHC(=O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−CHN(R)S(O)−、−CHS(O)N(R)−、−C−Cアルケニレン−、ならびにO、S、−S(O)−、−NR−、−N(R)C(=O)−および−N(R)S(O)−から選択される1個のヘテロ原子または二官能性基を−C−Cアルキレン−基の2個の隣接炭素間に含んでいてもよい。−C−Cアルキレン−からなる群から選択され、ここで、Dは、ハロゲン、−CN、−NO、−N(R−、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキルおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、Dに直接結合しているまたは結合基Lを介してDに連結している1個の環式基Dで置換されていてもよく、ここで、Dは、Dと同一の選択肢を有し、Lは、Lと同一の選択肢を有し、D6は、ハロゲン、−CN、−NO、−N(R−、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキルおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、D4およびD6上の置換基に使用されるすべてのC−Cアルキル、C−Cアルケニルおよび−OC−Cアルキル基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、−OC−Cアルキル、−CHS(O)−Cアルキル、C−C15アルキル、C−C15アルケニル、C−C15アルキニル、−NR−Cアルキル、−NRC(=O)OC−Cアルキルおよび−OC(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され、ここで、DのC−C15アルキル、C−C15アルケニル、C−C15アルキニルおよびC−Cアルキル基は、1−9個のハロゲンで置換されていてもよく、−N(R、−N(R)C(=O)OC−Cアルキル、−N(R)C(=O)C−Cアルキルおよび−OHから選択される1個の基で置換されていてもよく、ここで、D上の−N(R)C(=O)OC−Cアルキルおよび−N(R)C(=O)C−Cアルキル置換基のC−Cアルキル基は、1−9個のハロゲンで置換されていてもよい。
【0012】
式Iの化合物および続いて記載される化合物において、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、特に記載のない限り、直鎖または分枝鎖であってよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態において、
Qは、Oである。
【0014】
本発明の実施形態において、Aは、1,4−フェニレン、2,5−ピリジニレンおよび2,5−ピリミジニレンから選択される二官能性環式基であり、ここで、Aは、1−3個の置換基Rで置換されていてもよい。
【0015】
本発明の実施形態において、各Rは、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から独立して選択される。
【0016】
本発明の実施形態において、Rは、(a)1−5個のFで置換されていてもよいC−Cアルキル、(b)1−3個のFで置換されていてもよいC2−3アルケニル、(c)1−3個のFで置換されていてもよい−OC−Cアルキル、(d)1−3個のFで置換されていてもよい−SC−Cアルキル、(e)1−3個のFで置換されていてもよい−OC2−3アルケニル、(f)C−Cシクロアルキル、(g)フェニル、(h)ピリジル、(i)1−3個のFで置換されていてもよい−C(=O)OC1−3アルキルおよび(k)−C(=O)OHからなる群から選択され、ここで、前記C−Cシクロアルキル、フェニルおよびピリジニル置換基は、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよい。
【0017】
本発明の実施形態において、Rは、ハロゲン、CH、CF、−OCH、−OCFおよび−CNからなる群から選択される。
【0018】
本発明の実施形態において、RおよびRは、H、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群からそれぞれ選択される。
【0019】
本発明の化合物または薬学的に許容されるこの塩は、式Iaによっても記載される。
【0020】
【化2】

【0021】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Rは、1−3個のFで置換されていてもよいC−Cアルキル、C2−3アルケニル、−OCH、−OCF、−SCH、−SCF、シクロプロピル、−C(=O)OC1−3アルキル、および(ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよい。)フェニルからなる群から選択される。
【0022】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Rは、HおよびCHからなる群から選択される。
【0023】
は、H、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択される。
【0024】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Rは、HおよびCHからなる群から選択され;
およびRは、Hである。
【0025】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Rは、−CH(CHである。
【0026】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Dは、フェニル、インドリル、イミダゾリル、シクロプロピル、フェニルに縮合していてもよいC−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニルおよびフェニルに縮合している6−7員の環式モノエーテルまたはジエーテルから選択される環式基であり、ここで、Dは、ハロゲン、C−Cアルキル、CF、−OCH、−OCF、−COH、−COCH、−NO、−OHおよび(1−9個のFで置換されていてもよい。)C−Cアルキレン−O−C−Cアルキルから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルおよびDから選択される1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、Dは、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結している。
【0027】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Dは、フェニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、ピリジル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニルおよびナフチルから選択される環式基であり、ここで、Dは、C−Cアルキル、CF、C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−OCF、ハロゲン、−COH、−CO−Cアルキル、−CNおよび−OHから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結していてもよい1個のD基で置換されていてもよい。
【0028】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Dは、フェニル、C−Cシクロアルキル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、フラニル、2−オキサゾリジノニルおよび2−アゼチジノニルからなる群から選択され、ここで、Dは、C−Cアルキル、CF、−OC−Cアルキル、−OCF、ClおよびFから独立して選択される1−2個の置換基で置換されていてもよい。
【0029】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Lは、−CH−、−O−、−C(=O)−、−CHCHNHCH−、−CHC(=O)NH−およびC−Cアルケニレンからなる群から選択される。
【0030】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Lは、−S(O)−およびC−Cアルケニレンから選択される。
【0031】
式IおよびIaの化合物の実施形態において、Dは、C−CアルキニルおよびC−C12アルキルからなる群から選択され、ここで、C−C12アルキルは、1−3個のFで置換されていてもよい。
【0032】
定義
「Ac」は、CHC(=O)−であるアセチルである。
【0033】
「アルキル」は、特に炭素鎖が定義されない限り、直鎖もしくは分枝鎖またはこれらの組合せであってよい飽和炭素鎖を意味する。接頭語「アルク」を有する他の基、例えばアルコキシおよびアルカノイルも、特に炭素鎖が定義されない限り、直鎖もしくは分枝鎖またはこれらの組合せであってよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどを含む。
【0034】
「アルキレン」基は、一官能性ではなく二官能性であるアルキル基である。例えば、メチルはアルキル基であり、メチレン(−CH−)は対応するアルキレン基である。
【0035】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖もしくは分枝鎖またはこれらの組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどを含む。
【0036】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖もしくは分枝鎖またはこれらの組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例は、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどを含む。
【0037】
「シクロアルキル」は、特に記載のない限り(例えば、シクロアルキルは、1個以上の二重結合を有すると定義され得る。)、3個から8個の炭素原子を有する飽和炭素環を意味する。本用語は、アリール基に縮合しているシクロアルキル環をも含む。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを含む。「シクロアルケニル」は、1個以上の二重結合を有する非芳香族炭素環を意味する。
【0038】
「アリール」(および「アリーレン」)は、構造中の置換基または基を記載するために使用される場合、環が芳香族であり、炭素環原子のみを含有する単環式または二環式化合物を意味する。用語「アリール」は、シクロアルキルまたは複素環に縮合しているアリール基を意味することもある。好ましい「アリール」は、フェニルおよびナフチルである。フェニルは、一般に最も好ましいアリール基である。
【0039】
「EDC」は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドである。
【0040】
「ヘテロシクリル」、「複素環」および「複素環式」は、特に記載のない限り、N、SおよびOから独立して選択される1−4個のヘテロ原子を含有する完全にまたは部分的に飽和の環または芳香族の5−6員環を意味する。
【0041】
「ベンゾ複素環」は、それぞれがO、NまたはSである1−2個のへテロ原子を有する5−6員複素環に縮合しているフェニル環を表し、ここで、複素環は飽和または不飽和であってよい。例は、インドール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフランおよびキノリンを含む。
【0042】
「DIPEA」は、ジイソプロピルエチルアミンである。
【0043】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0044】
「HOBT」は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールである。
【0045】
「IPAC」は、酢酸イソプロピルである。
【0046】
「Me」は、メチルを表す。
【0047】
「Weinrebアミン」は、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンである。
【0048】
医薬組成物におけるような用語「組成物」は、有効成分および担体を構成する不活性成分を含む生成物、ならびに任意の2種以上の成分の組合せ、錯化もしくは凝集から、または1種以上の成分の解離から、1種以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用から直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することにより作製される任意の組成物を包含する。
【0049】
置換基「テトラゾール」は、2H−テトラゾール−5−イル置換基およびこの互変異性体を意味する。
【0050】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物は1個以上の不斉中心を含有することができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じることができる。本発明は、式Iの化合物のすべてのこのような立体異性体形態および立体異性体のすべての混合物を含むことを意味する。構造が立体化学表示によらないで示される場合、すべての立体化学構造、例えば鏡像異性体、ジアステレオマー(ジアステレオマーが考えられる場合)、ならびにラセミ混合物を含む鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物が個々に、および集合的に含まれる。化合物の立体化学構造が提供される場合、化合物の立体異性体のあらゆる表記は、他の鏡像異性体、ジアステレオマー(考えられる場合)およびラセミ混合物を含むこれらの混合物を含む。
【0051】
本明細書に記載の化合物のいくつかは、オレフィン性二重結合を含有することができ、特に記載のない限り、EおよびZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0052】
本明細書に記載の化合物のいくつかは、互変異性体として存在することができる。例は、ケト−エノール互変異性体として公知のケトンおよびこのエノール形態である。個々の互変異性体およびこれらの混合物は、式Iの化合物に包含される。
【0053】
1個以上の不斉中心を有する式Iの化合物は、当該技術分野において十分公知の方法によりジアステレオ異性体、鏡像異性体などに分割することができる。
【0054】
代替的に、キラル中心を有する鏡像異性体および他の化合物は、公知の立体配置の光学的に純粋な出発材料および/または試薬を使用する立体特異的な合成により合成することができる。
【0055】
本明細書におけるビフェニルおよびビアリール化合物のいくつかは、NMRスペクトルにおいてアトロプ異性体(回転異性体)の混合物として観察される。個々のアトロプ異性体およびこれらの混合物は、本発明の化合物に包含される。
【0056】

用語「薬学的に許容される塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第−マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。固体形態の塩は、1種以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態であってもよい。薬学的に許容される非毒性の有機塩基から誘導される塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を含む。
【0057】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の酸から調製することができる。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特に好ましくは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0058】
本明細書において使用される式Iの化合物の表記は、薬学的に許容される塩をも含むことを意味すると解される。
【0059】
代謝物−プロドラッグ
代謝物自体が特許請求の範囲に記載の発明の範囲に属する場合、治療有効代謝物も本発明の化合物である。患者に投与されるにつれて、または患者に投与された後に特許請求の範囲に記載の化合物に変換される化合物であるプロドラッグも本発明の化合物である。
【0060】
有益性
本発明の化合物は、強力なCETPの阻害剤である。したがって、本発明の化合物は、CETPの阻害剤により治療される疾患および病態の治療に有用である。
【0061】
本発明の一態様は、本発明の化合物の治療有効量を、治療を必要としている患者に投与することにより、CETPを阻害することにより治療もしくは予防することができる疾患もしくは病態を治療し、またはこれらの発症のリスクを減少させる方法を提供する。患者は、ヒトまたは哺乳動物であり、ヒトであることが最も多い。「治療有効量」は、特定の疾患の治療において所望の臨床的アウトカムを得るのに有効である化合物の量である。
【0062】
本発明の化合物により治療することができる疾患もしくは病態または本発明の化合物により治療された結果として患者の発症のリスクが減少する疾患もしくは病態は、以下のものを含む:動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高ベータリポタンパク質血症、低アルファリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再灌流傷害、血管形成再狭窄、高血圧症、糖尿病の血管合併症、肥満症、内毒素血症およびメタボリック症候群。
【0063】
本発明の化合物は、HDL−Cの上昇および/またはHDL−CとLDL−Cとの比の増加に特に有効である。本発明の化合物は、LDL−Cの低下にも有効である。HDL−CおよびLDL−Cのこれらの変化は、動脈硬化症の治療、動脈硬化症の発症の減少もしくは反転、動脈硬化症を発症するリスクの減少または動脈硬化症の予防に有益であり得る。
【0064】
投与および用量範囲
哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効用量を提供するために、任意の好適な投与経路を使用することができる。例えば、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経鼻投与などが使用され得る。剤形は、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアロゾル剤などを含む。好ましくは、式Iの化合物は経口投与される。
【0065】
使用される有効成分の有効投与量は、使用される具体的な化合物、投与様式、治療されている病態および治療されている病態の重症度に応じて変動し得る。このような投与量は、当業者により容易に確認することができる。
【0066】
式Iの化合物が適応される疾患を治療する場合、本発明の化合物が、好ましくは単回1日用量として、または1日2回から6回の分割用量で、または徐放形態で与えられる、動物またはヒトの体重1キログラム当たり約0.01ミリグラムから約100ミリグラムの1日投与量で投与されると一般に満足な結果が得られる。70kgの成人のヒトの場合において、総1日用量は、一般に約0.5ミリグラムから約500ミリグラムである。特に強力な化合物については、成人のヒトに対する投与量は、0.1mgほどの低量であってよい。投与計画は、最適な治療的応答を提供するため、この範囲内にまたはこの範囲外にさえ調整することができる。
【0067】
経口投与は、通常、錠剤を使用して実施される。錠剤中の用量の例は、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、250mgおよび500mgである。他の経口形態も、同一の投与量を有することができる(例えば、カプセル剤)。
【0068】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iの化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、有効成分としての式Iの化合物または薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体および必要に応じて他の治療成分を含む。用語「薬学的に許容される塩」は、無機塩基または無機酸および有機塩基または有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を意味する。プロドラッグが投与される場合、医薬組成物はプロドラッグまたは薬学的に許容されるこの塩をも含むことができる。医薬組成物は、本質的に、他の治療成分を用いずに式Iの化合物および薬学的に許容される担体からなっていてもよい。
【0069】
本組成物は、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与および静脈内投与を含む。)、経眼投与(眼内投与)、経肺投与(経鼻投与またはバッカル吸入)または経鼻投与に好適な組成物を含むが、任意の所与の症例において最も好適な経路は、治療されている病態の性質および重症度、ならびに有効成分の性質に依存する。本組成物は単位剤形として提供することが便利であり得、薬学分野において十分公知の方法の何れかによって調製することができる。
【0070】
式Iの化合物は、実際に使用する場合、有効成分として慣用の医薬配合技術により医薬担体と緊密に混合して組み合わせることができる。担体は、投与、例えば経口投与または非経口投与(静脈内投与を含む。)にとって所望される製剤の形態に応じて広範な形態を採ってよい。経口剤形用の組成物の調製において、通常の医薬媒体の何れかを使用することができ、経口液体製剤、例えば懸濁剤、エリキシル剤および液剤などの場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤など;または、経口固体製剤、例えば、散剤、硬および軟カプセル剤、ならびに錠剤などの場合、担体、例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができ、液体製剤に比べて固体経口製剤が好ましい。
【0071】
錠剤およびカプセル剤は、投与が容易であるので、最も有利な経口投与量単位形態であり、この場合、固体の医薬担体が当然に使用される。所望により、錠剤は標準的な水性または非水性技術によりコーティングすることができる。このような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の有効化合物を含有すべきである。無論、これらの組成物中の有効化合物の割合は変動し得、単位の重量の約2パーセントから約60パーセントが便利であり得る。このような治療有用組成物中の有効化合物の量は、有効投与量が得られるような量である。有効化合物は、例えば、液滴剤または噴霧剤として鼻内投与することもできる。
【0072】
錠剤、ピル、カプセル剤などは、結合剤、例えばトラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えばスクロース、ラクトースまたはサッカリンを含有してもよい。投与量単位形態がカプセル剤である場合、投与量単位形態は上記タイプの材料に加えて液体担体、例えば脂肪油を含有してよい。
【0073】
種々の他の材料が、コーティングとして、または投与量単位の物理的形態を改変するために存在してよい。例えば、錠剤は、シェラック、糖またはこれら両方でコーティングされていてよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、有効成分に加えて甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、色素および着香剤、例えばチェリーまたはオレンジフレーバーを含有してよい。
【0074】
式Iの化合物は、非経口投与することもできる。これらの有効化合物の液剤または懸濁剤は、界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースと好適に混合された水の中で調製することができる。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよび油中のこれらの混合物中で調製することもできる。通常の貯蔵および使用条件下で、これらの製剤は微生物の増殖を防止するために防腐剤を含有する。
【0075】
注射使用に好適な医薬形態は、無菌の水性液剤または分散剤および無菌の注射液剤または分散剤の即時調製用無菌粉末を含む。すべての場合において、形態は無菌でなければならず、容易に注射することができる程度に液体状でなければならない。形態は、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、微生物、例えば細菌および真菌の汚染作用に対して防腐されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、これらの好適な混合物および植物油を含有する溶媒または分散媒であってよい。
【0076】
併用療法
本発明の化合物(例えば、式IおよびIa−Ij)は、式Iの化合物が有用である疾患または病態の治療または軽減に有用でもあり得る他の薬物と組み合わせて使用することができる。このような他の薬物は、このような他の薬物について一般に使用される経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは順次に投与することができる。式Iの化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物および式Iの化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用療法は、式Iの化合物および1種以上の他の薬物が異なるスケジュールで投与される療法をも含む。
【0077】
経口配合物が使用される場合、薬物は単一の組合せ錠剤もしくは他の経口剤形に組み合わせることができ、または薬物を別個の錠剤または他の経口剤形として一緒に包装することができる。本発明の化合物および他の有効成分は、1種以上の他の有効成分と組み合わせて使用される場合、それぞれが単独で使用される場合に比べて低い用量で使用することができることも企図される。したがって、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1種以上の他の有効成分を含有する医薬組成物を含む。
【0078】
本発明の化合物(例えば、式I)と組み合わせて投与することができ、別個にまたは同一の医薬組成物中で投与することができる他の有効成分の例は、限定されるものではないが、患者の脂質プロファイルを改善する他の化合物、例えば(i)HMG−CoA還元酵素阻害剤(一般に、ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチンおよび他のスタチンを含むスタチンである。)、(ii)胆汁酸捕捉剤(コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)、(iii)ナイアシンおよび関連化合物、例えばニコチニルアルコール、ニコチンアミドおよびニコチン酸またはこの塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばクロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレートおよびエトフィブレートを含むゲムフィブロジルおよびフェノフィブリン酸誘導体(フィブレート)、(v)コレステロール吸収阻害剤、例えばスタノールエステル、ベータシトステロール、ステロールグリコシド、例えばチクエシド;およびアゼチジノン、例えばエゼチミブ、(vi)選択的ACAT−1およびACAT−2阻害剤および二重阻害剤を含むアシルCoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害剤、例えばアバシミブおよびメリナミド、(vii)フェノール系抗酸化剤、例えばプロブコール、(viii)ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤、(ix)抗酸化性ビタミン、例えばビタミンCおよびE、ならびにベータカロテン(x)甲状腺ホルモン模倣体(thyromimetics)、(xi)LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質、(xii)血小板凝集阻害剤、例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニストおよびアスピリン、(xiii)ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知)、(xiv)葉酸または薬学的に許容されるこの塩もしくはエステル、例えばナトリウム塩およびメチルグルカミン塩、(xv)FXRおよびLXRリガンド(阻害剤およびアゴニストの両方を含む。)、(xvi)ABCA1遺伝子発現を増強する薬剤、ならびに(xvii)回腸胆汁酸輸送体を含む。
【0079】
患者の脂質プロファイルの改善(すなわち、HDL−Cの上昇およびLDL−Cの低下)に使用するために本発明の化合物と使用することができる治療化合物の好ましいクラスは、スタチンおよびコレステロール吸収阻害剤の一方または両方を含む。特に好ましくは、本発明の化合物と、シンバスタチン、エゼチミブまたはシンバスタチンおよびエゼチミブの両方との組合せである。本発明の化合物と、シンバスタチン以外のスタチン、例えばロバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチンおよびZD−4522との組合せも好ましい。
【0080】
最後に、本発明の化合物は、他の疾患、例えば糖尿病、高血圧症および肥満症の治療に有用な化合物、ならびに他の抗動脈硬化症化合物と使用することができる。このような組合せは、糖尿病、肥満症、動脈硬化症および脂質異常症のような1種以上の疾患、またはメタボリック症候群に伴う複数の疾患を治療するために使用することができる。組合せは、これらの疾患の治療において相乗活性を示し得、有効成分の減少用量、例えば組み合わせなければ治療量以下であり得る用量を投与する可能性が生じる。
【0081】
本発明の化合物と組み合わせて投与することができる他の有効成分の例は、限定されるものではないが、以下のものを含む主として抗糖尿病化合物である化合物を含む:
(a)グリタゾンおよび非グリタゾン(例えば、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512およびLY−818を含む、PPARガンマアゴニストおよびパーシャルアゴニスト;
(b)ビグアニド、例えばメトフォルミンおよびフェンフォルミン;
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ビルダグリプチン、シタグリプチンおよびサクサグリプチンを含むジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤;
(e)例えば、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁剤および吸入インスリン配合物などを含むインスリンまたはインスリン模倣体;
(f)スルホニルウレア、例えばトルブタミド、グリピジド、グリメピリド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミドおよび関連材料;
(g)α−グリコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、アジポシン(adiposine);カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;およびサルボスタチン);
(h)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばムラグリタザル、テサグリタザル、ファルグリタザルおよびナベグリタザル;
(i)PPARδアゴニスト、例えばGW501516および国際公開第97/28149号パンフレットに開示されているもの;
(j)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(k)GLP−1;GLP−1誘導体;GLP−1類似体、例えばエキセンディン、例えばエキセナチド(Byetta);および非ペプチジルGLP−1受容体アゴニスト;
(l)GIP−1;ならびに
(m)非スルホニルウレアインスリン分泌促進物質、例えばメグリチニド(例えば、ナテグリニドおよびラペグリニド(rapeglinide))。
【0082】
本発明と組み合わせて使用することができるこれらの他の有効成分は、5−HT(セロトニン)阻害剤、ニューロペプチドY5(NPY5)阻害剤、メラノコルチン4受容体(Mc4r)アゴニスト、カンナビノイド受容体1(CB−1)アンタゴニスト/インバースアゴニストおよびβアドレナリン受容体アゴニストを含む抗肥満症化合物をも含む。これらは、本節において後により詳細に列記されている。
【0083】
これらの他の有効成分は、炎症病態を治療するために使用される有効成分、例えばアスピリン、非ステロイド系抗炎症薬、グルココルチコイド、アザルフィジン、ならびにエトリコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブおよびBextraを含む選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤をも含む。
【0084】
降圧化合物も、本発明の化合物との併用治療において有利に使用することができる。本発明の化合物と使用することができる降圧化合物の例は、(1)アンジオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン;(2)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、例えばエナラプリルおよびカプトプリル;(3)カルシウムチャンネル遮断剤、例えばニフェジピンおよびジルチアザム;ならびに(4)エンドセリンアンタゴニストを含む。
【0085】
以下のものを含む抗肥満症化合物は、本発明の化合物と組み合わせて投与することができる:(1)成長ホルモン分泌促進物質および成長ホルモン分泌促進物質受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリンおよびMK−0677;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド、例えばカンナビノイドCB受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、例えばリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、ならびにSR−14778およびSR141716A(Sanofi Synthelabo)、SVL−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer);(4)抗肥満症セロトニン作用薬、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミンおよびシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316、243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114およびSR59119A;(6)膵臓リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(Xenical(登録商標))、TritonWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェート;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906およびGI−264879A;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819AおよびJCF−104;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda);(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン−1受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867−A;(13)メラノコルチンアゴニスト、例えばMelanotan II;(14)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142およびME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141およびPT−14(Palatin);(15)5HT−2アゴニスト;(16)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503およびR−1065;(17)ガラニンアンタゴニスト;(18)CCKアゴニスト;(19)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えばAR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623およびSR146131;(20)GLP−1アゴニスト;(21)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(22)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばヒオペラミド(hioperamide)、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファンおよびGT2394(Gliatech);(24)β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素−1阻害剤(11β−HSD−1阻害剤)、例えばBVT3498およびBVT2733、(25)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト;(26)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(27)NE(ノルエピネフリン)輸送体阻害剤、例えばGW320659、デスピラミン(despiramine)、タルスプラムおよびノミフェンシン;(28)グレリン受容体アンタゴニスト;(29)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)および組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(30)レプチン誘導体;(31)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6、ベータ−Ala11、Phe13、Nle14]Bn(6−14)および[D−Phe6、Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド;(32)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド(butabindide)、PD170、292およびPD149164(Pfizer);(33)CNTF誘導体、例えばアクソカイン(Regeneron);(34)モノアミン再取り込み阻害剤、例えばシブトラミン;(35)UCP−1(脱共役タンパク質−1、2または3)アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)およびレチノイン酸;(36)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(37)FAS(脂肪酸合成酵素)阻害剤、例えばCeruleninおよびC75;(38)DGAT1(ジアシルグリセロールアシル転移酵素1)阻害剤;(39)DGAT2(ジアシルグリセロールアシル転移酵素2)阻害剤;(40)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(41)グルココルチコイドアンタゴニスト;(42)アシル−エストロゲン、例えばオレオイル−エストロン;(43)ジカルボキシレート輸送体阻害剤;(44)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体および断片、例えばBIM−43073D、BIM−43004C、(45)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28、31)]NPY24−36、TASP−Vおよびシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(46)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵臓ペプチド(PP);(47)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えば、BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906およびGI−264879A;(48)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソンおよびナルトレキソン;(49)グルコース輸送体阻害剤;(50)ホスフェート輸送体阻害剤;(51)5−HT(セロトニン)阻害剤;(52)ベータ遮断剤;(53)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト);(54)クロベンゾレクス;(55)クロホレクス;(56)クロミノレクス;(57)クロルテルミン;(58)シクレキセドリン(cyclexedrine);(59)デキストロアンフェタミン;(60)ジフェメトキシジン(diphemethoxidine)、(61)N−エチルアンフェタミン;(62)フェンブトラゼート;(63)フェニソレクス;(64)フェンプロポレクス;(65)フルドレクス;(66)フルミノレクス;(67)フルフリルメチルアンフェタミン;(68)レバンフェタミン;(69)レボファセトペラン;(70)メフェノレックス;(71)メタンフェプラモン;(72)メタンフェタミン;(73)ノルシュードエフェドリン;(74)ペントレクス;(75)フェンジメトラジン;(76)フェンメトラジン;(77)ピシロレクス;(78)フィトファーム57;(79)ゾニサミド、(80)アミノレクス;(81)アンフェクロラール;(82)アンフェタミン;(83)ベンゾフェタミン、ならびに(84)クロルフェンテルミン。
【0086】
本発明の化合物を使用する上述の併用療法は、メタボリック症候群の治療においても有用であり得る。広く使用されている1つの定義によれば、メタボリック症候群を罹患している患者は、以下の5種の症状の群:(1)腹部肥満症;(2)高トリグリセリド血症;(3)低い高密度リポタンパク質コレステロール(HDL);(4)高血圧症および(5)高い空腹時グルコース(患者が糖尿病をも罹患している場合、2型糖尿病に特徴的な範囲内であり得る。)から選択される3種以上の症状を有することを特徴とする。これらの症状のそれぞれは、最近発表されたThird Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection、Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel IIIまたはATP III)、National Institutes of Health、2001、NIH Publication No.01−3670において臨床的に定義されている。メタボリック症候群を罹患している患者は、動脈硬化症および冠動脈心疾患を含む上記列記の大血管および小血管合併症を発症するリスクが増加する。上述の組合せは、メタボリック症候群の1種以上の症状(例えば、2種の症状、3種の症状、4種の症状または5種の症状すべて)を同時に軽減することができる。
【0087】
CETPアッセイ
CETP阻害剤である化合物を同定するためにIC50を測定するインビトロ連続アッセイを、コレステリルエステル脂質ドナーとしてのBODIPY(登録商標)−CEおよびトリグリセリド脂質ドナーとしてのBODIPY(登録商標)−TGを使用するEppsらにより記載された方法の変法に基づき実施した。Eppsら(1995)Method for measuring the activities of cholesteryl ester transfer protein(lipid transfer protein)、Chem.Phys.Lipids.77、51−63頁を参照のこと。
【0088】
アッセイに使用する粒子は、本質的に、Eppsらによる記載の通りプローブ超音波処理により以下の材料から作製した。合成コレステリルエステル(CE)ドナーHDL粒子は、DOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)、BODIPY(登録商標)−CE(Molecular Probes C−3927)、トリオレイン(トリグリセリド)、ダブシルジセチルアミド(バックグラウンド蛍光を減少させるための非拡散性クエンチャー分子)およびアポHDLを含有した。合成トリグリセリド(TG)ドナーHDL粒子は、DOPC、BODIPY(登録商標)−TGおよびアポHDLを含有した。BODIPY(登録商標)−TGは、塩化メチレン中でジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でジオレインおよび脂肪酸類似体4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ドデカン酸を含有するBODIPY(Molecular Probes)から室温で合成した。ダブシルジセチルアミドは、ジイソプロピルアミン触媒の存在下でダブシルn−スクシンイミドをDMF中でジセチルアミンと95℃で一晩加熱することにより作製した。ヒト血液からの天然のリポタンパク質をアクセプター粒子として使用した。1.063g/ml未満の密度を有する粒子を超遠心により回収した。これらの粒子は、VLDL、IDLおよびLDLを含む。粒子濃度は、BCAアッセイ(Pierce、USA)により測定されたタンパク質濃度として表現した。粒子は、使用するまで4℃で貯蔵した。
【0089】
アッセイは、Dynex Microfluor2U底黒色96ウェルプレート(カタログ#7205)中で実施した。CETP、1×CETP緩衝液(50mMのTris(pH7.4)、100mMのNaCl、1mMのEDTA)、3%のヒト血清および最終濃度の半分のアクセプター粒子を含有するアッセイカクテルを調製し、アッセイカクテルの100μLをプレートの各ウェルに添加した。DMSO中の試験化合物を3μLの容量で添加した。プレートをプレート振とう器上で混合し、次いで25℃で1時間インキュベートした。ドナー粒子、残りのアクセプター粒子および1×CETP緩衝液を含有する第2のアッセイカクテルを調製した。第2のアッセイカクテルの47μLを反応ウェルに添加してアッセイを開始した。アッセイは150μLの最終容量中で実施した。CE転送反応は、以下の通り実施した:化合物を試験する際、材料の最終濃度は:2.5ng/μLのCEドナー粒子、7.5ng/μLのアクセプター粒子(それぞれ、タンパク質含有量により表現する。)、1×CETP緩衝液、14−30nMの組換えヒトCETP(CHO細胞中で発現、部分的に精製されている。)および最大2%のDMSOであり;次いで、反応を、試料を45秒毎にEx=480nm、Em=511nmで読み取り、495nmでのカットオフフィルタを用い、光電子増倍管設定が中であり、較正がオンであり、6回読み取り/ウェルとした、25℃で45分間の動的操作に設定した蛍光プレートリーダ(Molecular Devices Spectramax GeminiXS)中で実施した。TG転送反応は上述の通り実施したが、ただし、2.5ng/uLのTGドナー粒子を使用した。TG転送は538nmの励起波長で計測した一方、550nmでのカットオフフィルタを用いて37℃で45分間45秒毎に568nmで発光を読み取った。
【0090】
データは初期速度を取得することにより評価し、多くの場合0−500秒または1000秒である曲線の擬似線形部分についての1秒当たりの相対蛍光単位として表現した。阻害剤を有する試料の速度と、未阻害(DMSOのみ)の陽性対照とを比較することにより阻害パーセントを得た。シグモイド4パラメータ方程式に適合させた阻害パーセントと阻害剤濃度の対数のプロットを使用してIC50を算出した。
【実施例】
【0091】
以下のスキームおよび実施例は、本発明をより詳細に把握および理解するために提供する。出発材料は、公知の手順を使用し、または下記に示す通り作製する。
【0092】
実施例は、いかなる形においても本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。本発明の化合物は、上述のCE転送反応について計測されたIC50値が14μM以下である。IC50値は、17nMから14uMの範囲内である。化合物の多くはIC50値が17nM−200nMであり、好ましい化合物は一般にIC50値が17nM−100nMである。以下の化合物または化合物の立体異性体は、IC50値が12nM−41nMの範囲内である:44、45、47、48、53、64、65、76、81および82。
【0093】
中間体1
【0094】
【化3】

メチル4−(7−ブロモ−5−シアノ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート
【0095】
段階A.3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−ニトロベンゾニトリル
熱電対、撹拌パドルおよび窒素ラインを備えた5Lの3首丸底フラスコに、3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(95g)および氷酢酸(3.3L)を添加した。次いで、亜硝酸ナトリウム(120g)を小分けにして添加した。混合物を50℃に加熱し、この温度で一晩撹拌した。次いで、混合物を冷却しておき、水(10l)を収容する大型抽出器中に注いだ。酢酸エチル(10L)を添加し、層を分離した。水層を酢酸エチル(4L)により抽出し、合わせた有機層を水およびブラインにより洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して96.9gの所望生成物を提供した。質量スペクトル(ESI)243.0(M+)。
【0096】
段階B.3−アミノ−5−ブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル
撹拌パドル、熱電対および窒素により覆った凝縮器を備えたClaisenアダプター、ならびにセプタムによりキャップした添加漏斗を備えた22lの3首丸底フラスコに、3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−ニトロベンゾニトリル(96.9g、段階A)のメタノール(14L)中混合物を添加した。この混合物に、塩化鉄(III)(9.3g)および活性炭(38g、Darco6−60、100メッシュ粉末)を添加した。混合物を加熱還流(65℃)し、この温度で15分間撹拌した。ヒドラジン(80ml)を還流混合物に添加漏斗を介して滴加した。添加を完了させてから、混合物を還流しながら2時間撹拌した。次いで、混合物を冷却しておき、Celiteに通してメタノールにより洗浄して濾過し、赤色油状物に濃縮した。300mlの酢酸および700mlのメタノールの混合物を添加し、混合物を再度濃縮し、次いで800mlのトルエンにより2回共濃縮した。残留物をIsco Companion XL、1.5kgカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、3カラム容量のヘキサン中30%のEtOAc、次いで6カラム容量にわたる30%から60%のヘキサン中EtOAcの線形勾配、次いで2カラム容量のヘキサン中60%のEtOAcにより溶出させて精製して40g(55%)の表題化合物を提供した。質量スペクトル(ESI)214.9(M+1)。
【0097】
段階C.メチル4−(7−ブロモ−5−シアノ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート
撹拌バー、ならびに熱電対および窒素により覆った凝縮器を備えたClaisenアダプターを備えた3L丸底フラスコに、テレフタル酸モノメチルエステルクロリド(37.3g)および3−アミノ−5−ブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(40g、段階B)のジオキサン(675ml)中溶液を添加した。混合物を加熱還流し、この温度で一晩撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空中で除去した。フラスコにDean−Starkトラップを備え、p−トルエンスルホン酸一水和物(35.8g)およびトルエン(2.5L)を添加した。混合物を加熱還流し、この温度で一晩撹拌した。次いで、混合物を冷却しておき、新たな5Lのフラスコに移し、褐色固体に濃縮した。粗製生成物をメタノールにより粉砕して55.5g(83%)の表題化合物を提供した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ 8.50(s,1H)、8.34(d,J=8.0Hz,2H)、8.29(s,1H)、8.19(d,J=8.0Hz,2H)、3.91(s,3H)。
【0098】
中間体2
【0099】
【化4】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸
【0100】
段階A.メチル4−(5−シアノ−7−イソプロペニル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート
撹拌パドル、窒素により覆った凝縮器および熱電対を備えた5Lの3首丸底フラスコに、4−(7−ブロモ−5−シアノ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート(55.5g、中間体1)トルエン(2L)、水(375ml)、エタノール(150ml)、2Mの水性炭酸ナトリウム(250ml)およびイソプロペニルボロン酸(83.4g、中間体3)を添加した。混合物を窒素により3回パージし、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.1g)を添加し、混合物を窒素により3回パージした。混合物を加熱還流(91℃)し、この温度で一晩加熱した。次いで、混合物を20℃に冷却し、生成物を濾過し、水により洗浄し、乾燥させ、3Lの丸底フラスコに移し、トルエン(1L)によりリンスした。残留溶媒を真空中で除去した。質量スペクトル(ESI)319.1(M+1)。
【0101】
段階B.メチル4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート
5ガロンの反応容器に、メチル4−(5−シアノ−7−イソプロペニル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート(40.6g、段階A)、テトラヒドロフラン(4L)および10%の炭素上パラジウム(8g)を添加した。反応混合物を10psiの水素下で60℃に3時間加熱し、次いでCeliteに通してジクロロメタンにより十分洗浄して濾過した。溶出剤を真空中で濃縮することにより、40.5g(99%)の表題化合物を提供した。質量スペクトル(ESI)321.1(M+)。
【0102】
段階C.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸
撹拌バー、ならびに熱電対および窒素ラインを備えたClaisenアダプターを備えた5Lの丸底フラスコに、メチル4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾエート(40.5g、段階B)、テトラヒドロフラン(1.25L)、メタノール(630ml)、水(315ml)および水酸化リチウム一水和物(10.7g)を添加した。混合物を50℃に加熱し、この温度で1時間撹拌した。次いで、混合物を冷却し、濃密なスラリーに濃縮した。1NのHCl(3.2L)を添加し、オフホワイト色固体を形成させた。混合物を5分間撹拌し、次いで水(2×500ml)により洗浄して濾過した。固体を2Lの丸底フラスコに移し、トルエン(1L)から濃縮し、次いで真空中で乾燥させた。質量スペクトル(ESI)307.0(M+1)。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ 8.69(d,J=7.5Hz,2H)、8.28(s,1H)、8.16(d,J=8.0Hz,2H)、7.81(s,1H)、3.46(七重線,J=6.5Hz,1H)、1.40(d,H=7.0Hz,6H)。
【0103】
中間体3
【0104】
【化5】

イソプロペニルボロン酸
【0105】
撹拌パドル、セプタムによりキャップした添加漏斗、ならびに熱電対および窒素ラインを備えたClaisenアダプターを備えた12Lの3首丸底フラスコに、ホウ酸トリメチル(405ml)およびテトラヒドロフラン(2.4L)を添加した。この溶液に、臭化イソプロペニルマグネシウム(2.4Lのテトラヒドロフラン中0.5M溶液)を、氷水浴を使用して温度を30℃未満に保持して添加漏斗を介して添加した。添加を完了させてから、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、1NのHCl(4L)を収容する大型抽出器中に注いだ。エーテル(4L)を添加し、層を分離し、水層をエーテル(2L)により抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、温度を30℃未満に保持して真空中で濃縮して197.3gの表題化合物を提供した。H NMR(500MHz,CDCl):δ 6.13(s,1H);5.84(s,1H);5.63(ほぼd,J=12.1Hz,2H);4.38(br.s,1H);1.87(ほぼd,J=21.7Hz,6H)。
【0106】
実施例1
【0107】
【化6】

N−(4−ブロモベンジル)−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
【0108】
35mlのジクロロメタンに、4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(306mg、中間体2)を添加した。この混合物に、1.5mlの塩化オキサリルのジクロロメタン中2M溶液を添加し、次いで80μlのジメチルホルムアミドを添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、混合物を加熱を最小にし、または加熱せず(<30℃)真空中で濃縮し、高真空下で乾燥させて微量の溶媒を除去した。次いで、この残留物に10mlのジクロロメタン、186mgの({1−[4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}メチル)アミンおよび1.05mlのジイソプロピルエチルアミンを添加した。混合物を15分間撹拌し、次いでBiotage 65iカラムに直接移し、フラッシュクロマトグラフィーを介し、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中0%から100%の酢酸エチルの勾配、次いで4カラム容量の100%の酢酸エチルを溶出させて精製して表題化合物(389mg、82%)を提供した。質量スペクトル(ESI)475.9(M+2)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.34(d,J=8.5Hz,2H)、7.97(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.51(s,1H)、7.50(d,J=8.4Hz,2H)、7.28(d,J=8.4Hz,2H)、6.49(bs,1H)、4.64(d,J=5.9Hz,2H)、3.48(七重線,J=7.0Hz,1H)、1.46(d,J=6.9Hz,6H)。
【0109】
実施例2
【0110】
【化7】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(2’−イソプロポキシ−5’−メチルビフェニル−4−イル)メチル]ベンズアミド
【0111】
炭酸ナトリウム(100μlの2M水溶液)、(2−イソプロポキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸(19mg)およびN−(4−ブロモベンジル)−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(24mg、実施例1)を、トルエン(2.1ml)、水(0.6ml)およびエタノール(0.3ml)中で溶解させた。この溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9mg)を添加した。混合物を、マイクロ波を介して150℃に25分間加熱した。混合物を冷却してから、真空中で濃縮し、次いでジクロロメタン(5ml)中で溶解させた。試料をBiotage 40Mカラムに移し、フラッシュクロマトグラフィーを介し、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中0%から100%の酢酸エチルの勾配、次いで4カラム容量の100%の酢酸エチルを溶出させて精製して表題化合物を提供した。質量スペクトル(ESI)544.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.35(d,J=8.4Hz,2H)、8.00(d,J=8.2Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.58(d,J=8.0Hz,2H)、7.52(s,1H)、7.40(d,J=8.0Hz,2H)、7.13(s,1H)、7.09(d,J=8.2Hz,1H)、6.90(d,J=8.4Hz,2H)、6.47(t,J=4.6Hz,1H)、4.73(d,J=5.5Hz,3H)、4.40(七重線,J=6.2Hz,1H)、3.48(七重線,J=7.1Hz,1H)、2.32(s,3H)、1.46(d,J=6.9,6H)、1.24(d,J=5.9,6H)。
【0112】
実施例3
【0113】
【化8】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(4’−メチルビフェニル−4−イル)メチル]ベンズアミド
【0114】
N−(4−ブロモベンジル)−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(30mg、実施例1)のトルエン(1ml)、水(0.5ml)およびエタノール(0.25ml)中溶液に、(4−メチルフェニル)ボロン酸(30mg)、2Mの水性炭酸カリウム(1ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を添加した。溶液をマイクロ波用管内で密封し、マイクロ波反応器内で150℃に60分間加熱した。次いで、混合物を酢酸エチル(10ml)および水(10ml)により希釈した。相を分離し、水相を酢酸エチル(10ml)により抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml)により洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量のヘキサン中2%の酢酸エチル、次いで10カラム容量にわたる2%から100%のヘキサン中酢酸エチルの線形勾配により溶出させて精製して表題化合物(10mg、33%)を提供した。質量スペクトル(ESI)486.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.34(s,1H)、8.32(s,1H)、7.99(s,1H)、7.98(s,1H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H)、7.59(s,1H)、7.58(s,1H)、7.51(s,1H)、7.49(s,1H)、7.47(s,1H)、7.45(s,1H)、7.43(s,1H)、7.24(s,1H)、6.58−6.56(app t,J=10.5,1H)、4.72(d,J=5.5Hz,2H)、3.44−3.50(m,1H)、2.40(s,3H)、1.45(d,J=6.5Hz,6H)。
【0115】
実施例4
【0116】
【化9】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[2’−イソプロポキシ−5’−メチル−2−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]メチル}ベンズアミド
【0117】
表題化合物を、実施例2に記載の手順に従ってN−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(実施例7)から調製した。質量スペクトル(ESI)612.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.35(d,J=8.3Hz,2H)、8.01(d,J=8.2Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.58(m,4H)、7.18(m,2H)、6.97(d,J=8.1Hz,1H)、6.48(t,J=5.0Hz,1H)、4.91(d,J=5.2Hz,3H)、4.51(七重線,J=6.1Hz,1H)、3.48(七重線,J=7.1Hz,1H)、2.38(s,3H)、1.46(d,J=7.0,6H)、1.29(d,J=6.0,6H)。
【0118】
実施例5
【0119】
【化10】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−(4−{3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン−1−イル}ベンジル)ベンズアミド
【0120】
ナトリウムtert−ブトキシド(10mg)、N−(4−ブロモベンジル)−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(24mg、実施例1)および3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン(31mg)を、トルエン(5.0mL)中で溶解させた。この混合物に、ビスパラジウムトリベンジリデンアセトン(10mg)および1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスフィン)(12mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に25分間加熱した。混合物を冷却してから、次いで真空中で濃縮し、ジクロロメタン中に取り、Biotage Horizon、40Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーを介し、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたる0%から100%のヘキサン中酢酸エチルの線形勾配、次いで4カラム容量の100%の酢酸エチルにより溶出させて精製して表題化合物(16mg、53%)を提供した。質量スペクトル(ESI)609.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.5Hz,2H)、7.95(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.59(d,J=8.0Hz,2H)、7.51(s,1H)、7.39(d,J=8.0Hz,2H)、7.29(d,J=8.4Hz,2H)、6.60(d,J=8.4Hz,2H)、6.33(t,J=4.0Hz,1H)、4.59(d,J=5.3Hz,2H)、3.75(t,J=8.4Hz,1H)、3.57(m,5H)、2.47(m,1H)、2.15(m,1H)、1.46(d,J=6.9,6H)。
【0121】
実施例6
【0122】
【化11】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{4−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ベンジル}ベンズアミド
【0123】
表題化合物を、実施例3に記載の手順に従って4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル]ベンズアミド(26mg、実施例8)および1−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(24mg)から調製した(26mg、93%)。質量スペクトル(ESI)554.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.2Hz,2H)、7.97(d,J=8.3Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.51(s,1H)、7.41(m,4H)、7.33(d,J=8.0Hz,2H)、7.20(d,J=7.8Hz,2H)、6.42(bs,1H)、4.67(d,J=5.5Hz,2H)、4.04(s,2H)、3.38(七重線,J=6.9Hz,1H)、1.46(d,J=6.8,6H)。
【0124】
実施例1−6に記載の手順に続いて、表1に列記の化合物を調製した。各置換基上の記号「X」は、表上の構造への置換基の結合点を示している。
【0125】
【化12】

【0126】
【表1】



【0127】
実施例26
【0128】
【化13】

メチル−3−(4−クロロフェニル)−2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}プロパノエート
【0129】
室温において、磁気撹拌器を備えた2ドラムバイアルに、4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(153mg、0.5mmol、中間体2)、DL−4−クロロフェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(125mg、0.5mmol)、ブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(233mg、0.5mmol)および5mlのジメチルホルムアミドを入れた。これに、ジイソプロピルエチルアミン(524μl、3mmol)を滴加し、この添加の間、反応物は赤色を帯びた橙色に変化した。数分後、反応混合物は薄黄色の澄明な溶液に薄くなった。反応混合物を室温で3日間撹拌しておいた。残留物をBiotage SP1、40Mシリカカートリッジを使用するクロマトグラフィーにより、15カラム容量にわたる20%から100%の酢酸エチル中ヘキサンの線形勾配により溶出させて精製して表題化合物を白色固体(150mg)として提供した。質量スペクトル(ESI)502.2(M+1)。H NMR(600MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.2Hz,2H)、7.93(d,J=1.2Hz,1H)、7.89(d,J=8.4Hz,2H)、7.5(s,1H)、7.26(d,J=8.2Hz,2H)、7.1(d,J=8.3Hz,2H)、6.66(d,J=7.3Hz,1H)、3.79(s,1H)、3.46(m,1H)、3.3(dd,J=5.9,5.9Hz,1H)、3.21(dd,J=5.2,5.0Hz,1H)、1.44(J=6.9Hz,6H)。
【0130】
実施例26に記載の手順に続いて、表2に列記の化合物を調製した:
【0131】
【化14】

【0132】
【表2】

【0133】
実施例34
【0134】
【化15】

2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}−3−メチル酪酸
【0135】
表題化合物を、中間体2、段階Cに記載の手順と同様の手順を使用してメチル2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}−3−メチルブタノエート(実施例29)から調製した。質量スペクトル(ESI)406.20(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.19(d,J=8.4Hz,2H)、7.89(d,J=8.4Hz,2H)、7.79(d,J=1.4Hz,1H)、7.38(s,1H)、7.02(d,J=8.4Hz,2H)、4.59(m,1H)、3.45(m,1H)、2.2 m,1H)、1.32(d,J=7.10Hz,6H)、0.91(t,J=6.3Hz,6H)。
【0136】
実施例35
【0137】
【化16】

メチル(2S)−3−(4−クロロフェニル)−2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}プロパノエート
【0138】
メチル(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)プロパノエート(中間体4)を、5mLのTFA/水[95:5]により2時間処理した。反応混合物を砕氷上に注ぎ、炭酸カリウムにより塩基性化した。生成物をジクロロメタンにより抽出し、合わせた有機物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して粗製メチル(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)プロパノエートを提供した。この化合物および4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2)を、実施例1に記載の手順に従ってカップリングさせて表題化合物を提供した。質量スペクトル(ESI)502.2(M+1)。H NMR(600MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.4Hz,2H)、7.92(d,J=1.4Hz,1H)、7.88(d,J=8.4Hz,2H)、7.5(s,1H)、7.25(d,J=8.3Hz,2H)、7.06(d,J=8.4Hz,2H)、6.68(d,J=7.3Hz,1H)、5.07(m,1H)、3.45(m,H)、3.3(dd,J=5.9,5.9Hz,1H)、3.21(dd,J=5.2,5.2Hz,1H)、1.44(d,J=7.0Hz,6H)。
【0139】
中間体4
【0140】
【化17】

メチル(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)プロパノエート
【0141】
250mLの丸底フラスコに、N−Boc−4−クロロ−L−フェニルアラニン(0.971g、3.24mmol)、炭酸カリウム(0.448g、3.24mmol)、撹拌バーおよび30mlのアセトンを添加した。これに、硫酸ジメチル(0.613ml、6.48mmol)を添加し、反応を周囲温度で36時間進行させておいた。反応物を水(15ml)によりクエンチし、生成物を酢酸エチル(4×100ml)により抽出した。有機物をプールし、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機物を濾過し、真空中で濃縮して薄黄色残留物を提供した。残留物をBiotage SP1、40M Biotageシリカカートリッジ上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン−酢酸エチルの線形勾配により溶出させて精製して表題化合物を薄黄色泡状物(950mg)として提供した。質量スペクトル(ESI)214.1(M−Boc)。H NMR(600MHz,CDCl):δ7.24(d,J=8.3Hz,2H)、7.06(d,J=8.1Hz,1H)、4.96(d,J=7Hz,1H)、4.56(d,J=6Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.08(dd,J=5.7,5.7Hz,2H)、3.01(dd,J=5.9,6.0Hz,1H)、1.42(s,9H)。
【0142】
実施例36
【0143】
【化18】

4’−((2S)−2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}−3−メトキシ−3−オキソプロピル)ビフェニル−3−カルボキシレート
【0144】
撹拌バーを備えたマイクロ波用バイアルに、メチル(2S)−3−(4−クロロフェニル)−2−{[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}プロパノエート(実施例35)、(1),3−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(32mg、0.179mmol)、炭酸カリウム(25mg、0.179mmol)、1,1−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)パラジウムジクロリド(3.9mg、0.006mmol)、400μlのテトラヒドロフランおよび400μlの水を入れた。バイアルをクリンプして閉じ、100℃で12分間マイクロ波照射した。粗製反応混合物を5mlの酢酸エチルにより希釈し、シリカのパッドにアプライした。シリカパッドを酢酸エチル(15ml)により洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をBiotage SP1、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、20カラム容量にわたる0%から100%のヘキサン−酢酸エチルの線形勾配により溶出させて精製して表題化合物をオフホワイト色固体(35mg)として生じさせた。質量スペクトル(ESI)502.2(M+1)。H NMR(600MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.4Hz,2H)、8.25(m,H)、7.99(,J=7.7Hz,1H)、7.92(d,J=1.9Hz,1H)、7.91(d,J=8.4Hz,2H)、7.7(d,J=1.7Hz,1H)、7.56(d,J=8.2Hz,2H)、7.94(m,1H)、7.22(d,J=8.2Hz,2H)、6.69(d,J=7.4Hz,1H)、5.14(m,1H)、3.93(s,3H)、3.82(s,3H)、3.45(m,1H)、3.38(dd,J=5.7,5.9Hz,1H)、3.3(dd,J=5.4,5.2Hz,1H)、1.43(d,J=7Hz,6H)。
【0145】
実施例36に記載の手順に続いて、表3に列記の化合物を調製した:
【0146】
【化19】

【0147】
【表3】

【0148】
中間体5
【0149】
【化20】

4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0150】
段階A.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(4−オキソシクロヘキシル)メチル]ベンズアミド
tert−ブチル[(4−オキソシクロヘキシル)メチル]カルバメート(5.0g、22.00mmol)のジクロロメタン(100ml)中溶液に、トリフルオロ酢酸(10ml)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮し、トルエン(5ml)により共濃縮した。4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2、6.13g、20mmol)、o−ベンゾトリアゾール−1−イル−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(15.2g、40.1mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.0g、29.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(20ml、115mmol)のジクロロメタン(100ml)中懸濁液を、室温で5分間撹拌し、次いで、脱保護したアミンのジクロロメタン(100ml)中溶液を添加した。混合物を25℃で一晩撹拌した。混合物を濾過し、次いで300mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液により希釈した。相を分離し、水相を2×100mlのジクロロメタンにより抽出した。合わせた有機物を100mlのブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、65iカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製した。得られた生成物をBiotage Horizon、65iカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中0%から100%のアセトンの勾配により溶出させて再精製した。得られた生成物を、ジクロロメタンから結晶化して表題化合物(5.52g、13.29mmol、66.4%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)416.0(M+1)。
【0151】
段階B.4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(4−オキソシクロヘキシル)メチル]ベンズアミド(2.0g、4.81mmol)のジクロロメタン(75ml)中(部分溶解)溶液を、0℃に冷却した。2,6−ルチジン(1.121ml、9.63mmol)を添加し、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.440ml、14.44mmol)を滴加した。混合物を一晩撹拌しながら室温に加温しておいた。混合物を油状物に濃縮し、Biotage Horizon 65iカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(2.03g、3.71mmol、77%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)548.0(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.34(d,J=8.5Hz,2H);7.95(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(s,1H);7.52(s,1H)、6.32(br s,1H)、5.77(br s,1H)、3.42−3.54(m,3H)、2.34−2.51(m,3H)、1.86−2.08(m,3H)、1.52−1.64(m,1H)、1.46(d,J=6.5Hz,6H)。
【0152】
実施例41
【0153】
【化21】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]メチル}ベンズアミド
【0154】
4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(50mg、0.091mmol、中間体5)および4−フルオロフェニルボロン酸(25mg、0.179mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)および1Mの水性炭酸カリウム(1ml、1.000mmol)中混合物に、1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1mg、5.64μmol)を添加した。混合物を密封管内で100℃で10分間マイクロ波照射し、冷却し、次いでこの反応条件に10分間再び付し、この時点でLC/MS分析は出発材料を示さなかった。反応混合物の有機相を、25用サンプレットに直接添加し、Biotage Horizon、25Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(37.5mg、0.076mmol、83%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)494.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.32(d,J=8.5Hz,2H);7.96(d,J=8.0Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H);7.51(s,1H)、7.32(ddd,J=2.0,5.5,8.5Hz,2H)、6.99(t,J=9.0Hz,2H)、6.39(br t,J=5.5Hz,1H)、6.03(s,1H)、3.42−3.58(m,3H)、2.34−2.56(m,3H)、1.96−2.08(m,3H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.44−1.62(m,2H)。
【0155】
実施例42
【0156】
【化22】

シスおよびトランス4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
【0157】
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]メチル}ベンズアミド(30mg、0.061mmol、実施例41)のメタノール(1ml)およびテトラヒドロフラン(1ml)中溶液に、10%の炭素上パラジウム(10mg、0.094mmol)を添加した。混合物を窒素によりフラッシュし、次いで水素によりフラッシュし、水素バルーン下で6時間撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発材料を示さなかった。混合物を1000ミクロンプレートに直接添加し、次いで1:1の酢酸エチル−ヘキサンにより溶出させて所望生成物トランス−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(11.9mg、0.024mmol、39.5%の収率)およびシス−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(14.0mg、0.028mmol、46.5%の収率)を提供した。
【0158】
トランス−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド:質量スペクトル(ESI)496.0(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.5Hz,2H);7.96(d,J=8.5Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H);7.51(s,1H)、7.15(dd,J=5.5,8.5Hz,2H)、6.97(t,J=8.5Hz,2H)、6.35(br t,J=5.5Hz,1H)、3.48(七重線,J=6.5Hz,1H)、3.42(t,J=6.5Hz,2H)、2.50(m,1H)、1.96(m,4H)、1.66−1.80(m,2H)、1.46(d,J=7Hz,6H)、1.40−1.52(m,2H)、1.23(m,3H)。
【0159】
シス−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド:質量スペクトル(ESI)496.0(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.5Hz,2H);7.95(d,J=8.0Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H);7.51(s,1H)、7.21(dd,J=5.5,9.0Hz,2H)、6.98(t,J=9.0Hz,2H)、6.35(br t,J=5.5Hz,1H)、3.61(dd,J=6.0,7.5Hz,2H)、3.48(七重線,J=6.5Hz,1H)、2.62(m,1H)、2.05(m,1H)、1.66−1.84(m,8H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)。
【0160】
中間体6
【0161】
【化23】

1−(1−{4−[(1E)−ペンタ−1−エン−1−イル]フェニル}シクロヘキシル)メタンアミン
【0162】
1−(4−クロロフェニル)−1−シクロヘキサンカルボニトリル(100mg、0.455mmol)および1−ペンテニルボロン酸(104mg、0.910mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)および1Mの炭酸カリウム(1.5ml、1.500mmol)中混合物に、1,1’−ビス(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(10mg、0.056mmol)を添加した。混合物を密封管内で100℃で20分間マイクロ波照射し、この時点でLC/MS分析は新たなピークを示した。反応混合物を10mLのEtOAcおよび10mLの飽和水性NaHCOにより希釈した。相を分離し、水相を10mLのEtOAcにより抽出した。合わせた有機物を10mLのブラインにより洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1CVの100%のヘキサン、次いで10CVにわたるヘキサン中0%から100%のEtOAcの勾配により溶出させて精製して所望生成物1−{4−[(1E)−ペンタ−1−エン−1−イル]フェニル}シクロヘキサンカルボニトリル(83mg、0.328mmol、72.0%の収率)を提供した。1−{4−[(1E)−ペンタ−1−エン−1−イル]フェニル}シクロヘキサンカルボニトリル(75mg、0.296mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)中0℃溶液に、エーテル中1.0Mの水素化リチウムアルミニウム(1ml、1.000mmol)を添加した。混合物を室温に加温しておき、この温度で一晩撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発ニトリルの完全な消失を示した。混合物を0℃に再冷却し、30μlの水、30μlの15%NaOHおよび80μlの水の滴加によりクエンチした。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで固体をエーテルにより十分洗浄して濾過した。濾液を濃縮して表題化合物(78mg、0.303mmol、102%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)258.0(M+1)。
【0163】
中間体7
【0164】
【化24】

1−{1−[4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]シクロヘキシル}メタンアミン
【0165】
表題化合物を、中間体6に記載の手順に従って1−(4−クロロフェニル)−1−シクロヘキサンカルボニトリルおよびトリフルオロメチルフェニルボロン酸から合成した。質量スペクトル(ESI)334.1(M+1)。
【0166】
中間体8
【0167】
【化25】

2−[トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]エタノール
【0168】
トランス−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)シクロヘキサンカルボン酸(750mg、3.50mmol)のジクロロメタン(5ml)中溶液に、塩化オキサリル(5.25ml、10.50mmol)および1滴(約10μl)のジメチルホルムアミドを添加した。室温で1時間撹拌した後、メタノール中にクエンチさせたアリコートのLC/MS分析は所望のメチルエステルを示した。混合物を濃縮し、次いでテトラヒドロフラン(5ml)中で溶解させた。濃縮水酸化アンモニウム(5ml、36.0mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌し、次いで小容量に濃縮し、50mlの1M水酸化ナトリウム中に注ぎ、50mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、水相を2×25mlの酢酸エチルにより抽出し、次いで合わせた有機物を25mlのブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮して985mg(99%)の所望のアミドを提供した。残留物のテトラヒドロフラン(5ml)中0℃溶液に、水素化リチウムアルミニウム(17.50ml、17.50mmol)を滴加した。混合物を室温に加温しておき、この温度で週末にわたり撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発アミドの完全な消失を示した。混合物を0℃に再冷却し、600μlの水、600μlの15%水酸化ナトリウムおよび1mlの水の滴加によりクエンチした。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで固体をエーテルにより十分洗浄して濾過した。濾液を濃縮して表題化合物(418mg、2.66mmol、76%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)157.9(M+1)。
【0169】
実施例43
【0170】
【化26】

N−{[トランス−4−(2−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}エチル)シクロヘキシル]メチル}−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
【0171】
段階A.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
表題化合物を、実施例1に記載の通り4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2)および2−[トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]エタノール(中間体8)から調製した。質量スペクトル(ESI)446.1(M+1)。
【0172】
段階B.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−オキソエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(50mg、0.112mmol)のジクロロメタン(2ml)中溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(60mg、0.141mmol)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発材料を示さなかった。混合物を、Biotage Horizon、25Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(48mg、0.108mmol、96%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)444.0(M+1)。
【0173】
段階C.N−{[トランス−4−(2−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}エチル)シクロヘキシル]メチル}−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−オキソエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(25mg、0.056mmol)のメタノール(2ml)中溶液に、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン(20mg、0.082mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(10mg、0.159mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、この時点でLC/MS分析は所望の分子量における新たなピークを示した。次いで、反応混合物を10mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液および10mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、水相を2×10mlの酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機物を10mlのブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(11.9mg、0.018mmol、31.5%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)671.5(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.5Hz,2H);7.96(d,J=8.5Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H);7.83(s,2H)、7.75(s,1H)、7.51(s,1H)、6.35(br t,J=5.5Hz,1H)、5.30(s,2H)、3.85(s,2H)、3.48(七重線,J=6.5Hz,1H)、3.35(t,J=6.5Hz,2H)、2.65(t,J=6.5Hz,2H)、1.80(m,4H)、1.60(m,1H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.40−1.52(m,1H)、0.90−1.15(m,4H)。
【0174】
実施例44
【0175】
【化27】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−オキソ−2−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}エチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
【0176】
段階A.[トランス−4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]酢酸
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−オキソエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(50mg、0.113mmol、実施例43、段階B)のt−ブタノール(4ml)中(部分溶解)懸濁液に、2−メチル−2−ブテン(0.060ml、0.570mmol)を添加し、次いで亜塩素酸ナトリウム(25mg、0.276mmol)およびリン酸二水素ナトリウム(27mg、0.225mmol)の水(1ml)中溶液を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し(混合物は微細懸濁液を維持した。)、この時点でLC/MS分析は出発材料を示さなかった。混合物を10mlの水および10mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、水相をpH4に酸性化し、2×10mlの酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機物を10mlのブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮して表題化合物(52mg、0.113mmol、100%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)459.8(M+1)。
【0177】
段階B.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−オキソ−2−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}エチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
表題化合物を、実施例1に記載の通り[トランス−4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]酢酸および2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)ピリジンから調製した。質量スペクトル(ESI)604.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.50(d,J=5.0Hz,1H)、8.44(s,1H)、8.35(d,J=8.0Hz,2H);8.02(d,J=8.5Hz,2H)、8.02(d,J=1.5Hz,1H);7.65(s,1H)、7.33(d,J=5.0Hz,1H)、3.50(七重線,J=7.0Hz,1H)、3.26(d,J=7.0Hz,2H)、2.35(d,J=6.5Hz,2H)、185−1.70(m,5H)、1.65(m,1H)、1.47(d,J=7.0Hz,6H)、1.08−1.18(m,4H)。
【0178】
実施例45
【0179】
【化28】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(トランス−4−{2−[2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−1−(トリフルメチル)エトキシ]エチル}シクロヘキシル)メチル]ベンズアミド
【0180】
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド(50mg、0.112mmol、実施例43、段階A)および1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(57mg、0.226mmol)のトルエン(2ml)中溶液に、トリ−n−ブチルホスフィン(0.06ml、0.241mmol)を添加した。10分間撹拌した後、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロパノール(0.03ml、0.245mmol)を添加した。テトラヒドロフラン(2ml)を添加して出発材料を可溶化し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(8.7mg、0.014mmol、12.72%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)610.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.5Hz,2H);7.94(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(d,J=1.5Hz,1H);7.51(s,1H)、6.27(br s,1H)、3.72(t,J=6.5Hz,2H)、3.46(七重線,J=6.5Hz,1H)、3.36(t,J=6.0Hz,2H)、1.83(m,4H)、1.50−1.65(m,5H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.40−1.50(m,2H)、0.85−1.22,(m,6H)。
【0181】
中間体9
【0182】
【化29】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]メチル}ベンズアミド
【0183】
4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(425mg、0.776mmol、中間体5)、ビスピナコラトジボロン(200mg、0.788mmol)、酢酸カリウム(230mg、2.344mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(22mg、0.040mmolおよびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)−ジクロロメタン付加物(32mg、0.039mmol)の混合物に、ジオキサン(4ml)を添加した。混合物を密封管内で140℃で1時間マイクロ波照射し、冷却し、次いでこの反応条件に30分間再び付し、この時点で出発材料は残留していなかった。反応混合物を濾過し、濃縮し、残留物をBiotage Horizon、40Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(145mg、0.276mmol、35.6%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)526.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.5Hz,2H);7.93(d,J=8.5Hz,2H)、7.90(d,J=1.5Hz,1H);7.49(s,1H)、6.53(br s,1H)、6.44(br t,J=5.5Hz,1H)、3.68(s,2H)、3.46(七重線,J=7.0Hz,1H)、3.42(t,J=6.0Hz,2H)、2.28(br d,J=16.5Hz,2H)、2.04−2.18(m,1H)、1.72−2.04(m,4H)、1.44(d,J=7.0Hz,6H)、1.10−1.40(m,15H)。
【0184】
実施例46
【0185】
【化30】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−({4−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]シクロヘキサ−3−エン−1−イル}メチル)ベンズアミド
【0186】
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]メチル}ベンズアミド(70mg、0.133mmol、中間体9)、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(45mg、0.199mmol)および炭酸セシウム(130mg、0.400mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)および水(0.6ml)中混合物に、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)−ジクロロメタン付加物(7mg、8.57μmol)を添加した。混合物を加熱還流し、この温度で一晩撹拌した。反応混合物を冷却し、25用サンプレットに直接添加し、次いでBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(35mg、0.064mmol、48.2%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)545.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.80(s,1H)、8.34(d,J=8.5Hz,2H);7.97(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(d,J=1.0Hz,1H);7.85(d,J=8.0Hz,1H)、7.52(s,1H)、7.48(d,J=8.5Hz,1H)、6.83、(br s,1H)、6.37(br t,J=5.5Hz,1H)、3.54(br t,J=4.5Hz,2H)、3.48(七重線,J=6.5Hz,1H)、2.75(br d,J=16.5Hz,1H)、2.53(br d,J=15.5Hz,2H)、2.04−2.16(m,3H)、1.50−1.68(m,3H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.25(m,2H)。
【0187】
実施例47
【0188】
【化31】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−({4−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]シクロヘキサ−3−エン−1−イル}メチル)ベンズアミド
【0189】
4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]メチル}ベンズアミド(70mg、0.133mmol、中間体9)、4−トリフルオロメチルベンジルブロミド(30mg、0.126mmol)および2Mの炭酸ナトリウム(0.15ml、0.300mmol)のトルエン(2ml)、水(0.6ml)およびエタノール(0.25ml)中混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4mg、3.46μmol)を添加した。混合物を、密封管内で100℃で30分間マイクロ波照射し、この時点でLC/MS分析は生成物の分子量における新たなピークを示した。反応混合物の有機相を25用サンプレットに直接添加し、Biotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製した。この生成物を、Kromasil C18 21×100mmカラム上での逆相HPLCにより、90%の水(0.1%のTFA)から95%のアセトニトリル(0.1%のTFA)により15ml/分で10分間にわたり溶出させて再精製し、2分間維持し、次いで0.5分間にわたり90%の水に戻し、0.5分間維持して表題化合物(9.4mg、0.017mmol、25.3%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)558.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.32(d,J=8.5Hz,2H);7.93(d,J=8.5Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H);7.53(d,J=8.0Hz,2H)、7.51(s,1H)、7.27(d,J=8.5Hz,1H)、6.28(br t,J=5.5Hz,1H)、5.48(br s,1H)、3.47(七重線,J=7.0Hz,1H)、3.44(br t,J=6.0Hz,2H)、3.32(s,1H)、2.24(m,1H)、1.80−1.98(m,7H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.30−1.42(m,2H)。
【0190】
実施例1、41、42、46および47に記載の手順に続いて、表4に列記の化合物を調製した。各置換基上の記号「X」は、表上の構造への置換基の結合点を示している。
【0191】
【化32】

【0192】
【表4】





【0193】
実施例86
【0194】
【化33】

N−{[トランス−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]メチル}−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
【0195】
表題化合物を、実施例1に記載の手順を使用して調製した。質量スペクトル(ESI)512.7(M+2)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.34(d,J=8.2Hz,2H)、7.96(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.52(s,1H)、7.25(d,J=8.2Hz,2H)、7.12(d,J=8.3Hz,2H)、6.28(t,J=5.5Hz,1H)、3.48(七重線,J=6.9Hz,1H)、3.42(t,J=6.5Hz,2H)、2.50(tt,J=11.9,4.1Hz,1H)、1.97、(m,4H)、1.73、(m,1H)、1.50(m,2H)1.46(d,J=6.9Hz,6H)、1.22(ddd,J=12.1,12.0,2.0Hz,2H)。
【0196】
実施例87
【0197】
【化34】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−{[トランス−4−(2’−イソプロポキシ−5’−メチルビフェニル−4−イル)シクロヘキシル]メチル}ベンズアミド
【0198】
N−{[トランス−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]メチル}−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(28mg)、2−イソプロピル−5−メチルボロン酸(39mg)、炭酸カリウム(28mg)およびパラジウムジ−tert−ブチルホスフィノフェロセン(5mg)の混合物を、5mlマイクロ波用バイアル内に装入した。これに、1mlのテトラヒドロフランおよび1mlの水を添加した。次いで、バイアルを150℃で約30分間マイクロ波照射した。反応混合物を、Biotage Horizon、40Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたる0%から100%のヘキサン中酢酸エチルの線形勾配、次いで4カラム容量の100%の酢酸エチルにより溶出させて精製して表題化合物(25mg、78%)を提供した。質量スペクトル(ESI)626.4(M−1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.34(d,J=8.2Hz,2H)、7.96(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.52(s,1H)、7.49(d,J=8.0Hz,2H)、7.22(d,J=8.3Hz,2H)、7.14(s,1H)、7.05(d,J=7.6Hz,1H)、6.88(d,J=8.3Hz,1H)、6.29(t,J=5.0Hz,1H)、4.34(七重線,J=6.2Hz,1H)、3.48(七重線,J=6.9Hz,1H)、3.43(t,J=6.2Hz,2H)、2.50(tt,J=12.1,4.0Hz,1H)、2.32(s,3H)、2.02、(m,4H)、1.75、(m,1H)、1.54(m,2H)1.46(d,J=6.8Hz,6H)、1.23(m,2H)、1.22(d,J=5.9Hz,6H)。
【0199】
実施例88
【0200】
【化35】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−({トランス−4−[4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]シクロヘキシル}メチル)ベンズアミド
【0201】
触媒原液の調製:乾燥マイクロ波用バイアルに、酢酸パラジウム(67.3mg、0.1mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(60mg、0.2mmol)を添加した。バイアルをクリンプして閉じ、次いで排気し、窒素により3回後充填した。バイアルに、トルエンまたはジメチルアセトアミド(10ml)を添加した。混合物を30分間混合しておいた。
【0202】
方法:マイクロ波用バイアル(0.5−2mL)に、N−{[トランス−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]メチル}−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(50mg、0.1mmol、実施例86)、炭酸セシウム(13.4mmol、0.14mmol)、2−オキサゾリジノン(10.4mg、0.12mmol)および撹拌バーを入れた。バイアルをクリンプして閉じ、次いで排気し、窒素により3回後充填した。バイアルに、1mlの触媒原液を添加した。反応混合物を150℃で30分間マイクロ波照射した。粗製反応混合物をシリカのパッドにアプライし、酢酸エチル(3×5ml)により洗浄した。濾液を真空中で濃縮して黄褐色固体を提供し、黄褐色固体を分取HPLCにより、アセトニトリル−水−0.1%TFAにより溶出させて精製して表題化合物を薄黄色固体(5.2mg)として提供した。質量スペクトル(ESI)563.26(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(d,J=8.4Hz,2H)、7.92(s,1H)、7.49(s,1H)、7.43(d,J=8.7Hz,2H)、7.19(d,J=8.7Hz,2H)、6.34(t,J=5.7Hz,1H)、4.45(t,J=8Hz,2H)、4.02(t,J=8.2Hz,2H)、3.47(m,1H)、3.40(t,J=6.4Hz,2H)、2.49(m,1H)、1.95(t,J=13.6Hz,4H)、1.7(m,1H)、1.583(s br,1H)、1.44(d,J=6.9,6H)、1.2(m,4H)。
【0203】
実施例89
【0204】
【化36】

4−[トランス−4−({[4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
【0205】
5mlマイクロ波用バイアルに、4−(4−クロロシクロヘキシル)ベンズアミド(118mg、0.5mmol)、臭化ニッケル(218mg、1.0mmol)、撹拌バーおよびジメチルホルムアミド(600μl)を入れた。混合物を、マイクロ波反応器内で170℃に5分間加熱した。得られた混合物を水(2ml)中で溶解させ、シリカのパッドにアプライした。シリカパッドを酢酸エチル(2×10ml)により洗浄し、濾液を濃縮して白色固体(118mg)を提供し、白色固体をさらに精製することなく次の段階に用いた。質量スペクトル(ESI)238.05(M+1)および283.94(M+1)は、4−(4−クロロシクロヘキシル)ベンズアミドおよび4−(4−ブロモシクロヘキシル)ベンズアミドの約1:1混合物に対応するものであった。この混合物を丸底フラスコに添加し、THF(10ml)中で溶解させ、窒素により5分間フラッシュした。ボラン−THF(500μl、1mmol)の2M溶液を添加し、混合物を加熱還流し、この温度で6時間撹拌した。混合物を冷却し、炭酸カリウムの飽和水溶液(15ml)中に注ぎ、生成物を酢酸エチル(3×10ml)により抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して1−[4−(4−クロロシクロヘキシル)フェニル]メタンアミンおよび1−[4−(4−ブロモシクロヘキシル)フェニル]メタンアミンの混合物(100mg)を提供し、混合物をさらに精製することなく使用した。この混合物を、実施例1に記載の手順に従って4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2)とカップリングさせてN−[4−(4−クロロシクロヘキシル)ベンジル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミドおよびN−[4−(4−ブロモシクロヘキシル)ベンジル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミドの混合物(100mg)を提供した。質量スペクトル(ESI)512.08(M+1)および556.09(M+1)。高圧ガラスベッセルに、この混合物、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(17mg、0.0414mmol)、酢酸パラジウム(II)(24.2mg、0.036mmol)、トリエチルアミン(185μl、1.33mmol)、ならびに5mlのメタノールおよび5mlのジメチルホルムアミドの溶液を入れた。カルボニル化を、60psiの一酸化炭素下で70℃で24時間実施した。粗製反応混合物をシリカのパッドに通して濾過し、シリカパッドを酢酸エチル(3×10ml)により洗浄した。有機物をプールし、濃縮し、表題化合物を逆相クロマトグラフィーを使用し、Waters Xterrra(30×100mm)カラム上で水(0.1%TFA)中の40%から100%のアセトニトリル(0.1%TFA)の勾配により溶出させて単離して表題化合物(1.5mg)を提供した。質量スペクトル(ESI)536.24(M+1)。H NMR(600MHz,CDCl):δ8.32(d,J=8.Hz,2H)、7.94(d,J=8.35Hz,4 H)、7.92(d,J=1.4Hz,1H)、7.5(d,J=1.1Hz,1H)、7.25(s,2H)、6.33(m,1H)、3.89(s,3H)、3.46(m,1H)、3.41(m,2H)、2.56(m,1H)、1.97(m,4H)。1.72(m,1H)、1.51(m,1H)、1.44(d,J=7,6H)、1.23(m,4H)。
【0206】
実施例86および88に記載の手順に続いて、表5に列記の化合物を調製した:
【0207】
【化37】

【0208】
【表5】

【0209】
実施例1に記載の手順に続いて、表6に列記の化合物を調製した。各置換基上の記号「X」は、表上の構造への置換基の結合点を示している。
【0210】
【化38】

【0211】
【表6】


【0212】
中間体10
【0213】
【化39】

1−(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミンおよび1−(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン
【0214】
段階A.ベンジル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イルメチル)カルバメート
1−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン(100mg、0.472mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)中溶液に、クロリド炭酸ベンジル(0.074ml、0.520mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.181ml、1.039mmol)を添加した。混合物を25℃で一晩撹拌し、次いで濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中0%から100%のEtOAcの勾配により溶出させて精製して表題化合物(133mg、0.430mmol、91%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)310.1(M+1)。
【0215】
段階B.ベンジル[(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメートおよびベンジル[(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメート
ベンジル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イルメチル)カルバメート(100mg、0.323mmol)のニトロメタン(1ml)中0℃溶液に、硝酸(50μl、0.783mmol)の硫酸(100μl、1.876mmol)中溶液を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発材料の消失および新たな生成物の出現を示した。混合物を、10mlの氷水および10mlのジエチルエーテルの急速撹拌している混合物に滴加した。相を分離し、水相を2×10mlのジエチルエーテルにより抽出した。合わせた有機物をそれぞれ10mlの水およびブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量のヘキサン中5%の酢酸エチル、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中5%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物の約1:1混合物(合計90mg、0.254mmol、79%の収率)を提供した。混合物の質量スペクトル(ESI)355.1(M+1)。
【0216】
段階C.1−(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミンおよび1−(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン
ベンジル[(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメートおよびベンジル[(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメートの混合物(90mg、0.254mmol)のメタノール(2ml)中溶液に、40%(w/v)水性水酸化カリウム(400mg、2.85mmol)を添加した。混合物を75℃に加温して溶解を促進し、この温度で30分間撹拌し、この時点でLC/MS分析は出発材料の消失および新たな生成物の出現を示した。混合物を冷却し、10mLの水および20mLのEtOAcにより希釈した。相を分離し、水相を2×10mLのEtOAcにより抽出した。合わせた有機物を10mLのブラインにより洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して表題化合物(49mg、0.222mmol、88%の収率)を提供した。混合物の質量スペクトル(ESI)221.1(M+1)。
【0217】
実施例115
【0218】
【化40】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]ベンズアミドおよび4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−[(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]ベンズアミド
【0219】
表題化合物を、実施例1に記載の通り4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2)、ならびに1−(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミンおよび1−(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミンの混合物(中間体10)から混合物として調製した。スペクトルデータを化合物の混合物について提供する。質量スペクトル(ESI)509.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ
中間体11および12
【0220】
【化41】

N−[(1−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミドおよび1−(2−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン
【0221】
段階A.7−(アミノメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−1−アミンおよび7−(アミノメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−アミン
ベンジル[(1−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメートおよびベンジル[(2−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]カルバメートの混合物(900mg、2.54mmol、実施例115、段階B)(18mg、0.030mmol)のメタノール(10ml)中溶液に、炭素上パラジウム(90mg、0.846mmol)を添加した。混合物を窒素によりフラッシュし、次いで水素によりフラッシュし、水素バルーン下で一晩撹拌した。混合物をCeliteのプラグに通し、メタノールにより十分洗浄して濾過し、次いで濃縮し、この反応条件に一晩再び付した。炭素上パラジウムの別のアリコート(90mg、0.846mmol)を添加し、水素バルーン下での撹拌を週末にわたり継続した。混合物をCeliteのプラグに通し、メタノールにより十分洗浄して濾過し、次いで濃縮して表題化合物を混合物(501mg、2.63mmol、104%の収率)として提供した。混合物の質量スペクトル(ESI)191.0(M+1)。
【0222】
段階B.N−[(1−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミドおよび1−(2−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン
7−(アミノメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−1−アミンおよび7−(アミノメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−アミンの混合物(300mg、1.577mmol)のジクロロメタン(5ml)中懸濁液に、o−ベンゾトリアゾール−1−イル−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1315mg、3.47mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(320mg、2.365mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.67ml、3.84mmol)および4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(435mg、1.419mmol、中間体2)を添加し、混合物を25℃で一晩撹拌した。残留物をBiotage Horizon、40Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製した。得られた混合物を同一条件下で再精製して2種のジアステレオマーのN−[(1−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド(90mg、0.188mmol、11.93%の収率)および1−(2−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン(56mg、0.117mmol、7.42%の収率)を提供した。質量スペクトル:N−[(1−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−7−イル)メタンアミン(ESI)479.2(M+1)。質量スペクトル:1−(2−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−7−イル)メタンアミン(ESI)479.0(M+1)。H NMRデータ:混合物(500MHz,CDCl):δ8.32(d,J=8.5Hz,2H)、7.90−8.96(m,4H)、7.51(s,1H)、7.49(d,J=11Hz,1H)、7.49(d,J=8.0Hz,2H)、7.32(d,J=7.5Hz,2H)、7.25(d,J=8.5Hz,1H)、7.20(t,J=7.5Hz,1H)、6.42(br s,1H)、3.30−3.52(m,4H)、3.14(dd,J=8.0,14.0Hz,1H)、2.86−3.02(m,4H)、2.67(dd,J=11.5,14.5Hz,1H)、2.06−2.20(m,4H)、1.45(d,J=7.5Hz,6H)、1.40−1.50(m,2H)、1.14−1.36(m,5H)。
【0223】
実施例116
【0224】
【化42】

N−[(1−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
【0225】
N−[(1−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン(90mg、0.188mmol)の水(2ml)および濃縮塩酸(2ml、24.35mmol)中懸濁液を、0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(20mg、0.290mmol)の0.5mLの水中溶液を滴加した。この混合物を30分間撹拌し、次いで塩化銅(I)(24mg、0.242mmol)の濃縮塩酸(2ml、24.35mmol)中溶液を滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、75℃に短時間(約10分間)加温し、次いで冷却し、10mlの水および10mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、有機相を10mlの水により洗浄した。合わせた有機物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(21mg、0.042mmol、22.42%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)498.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.32(d,J=8.5Hz,2H)、7.95(d,J=8.5Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H)、7.51(s,1H)、7.21(dd,J=3.0,6.0Hz,1H)、7.01(d,J=3.0Hz,1H)、6.35(br t,J=6.0Hz,1H)、3.30−3.54(m,4H)、2.76−3.06(m,2H)、2.65(dd,J=11.5,14.5Hz,1H)、2.02−2.18(m,3H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.10−1.30(m,2H)。
【0226】
実施例117
【0227】
【化43】

N−[(2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メチル]−4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ベンズアミド
【0228】
1−(2−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−7−イル)メタンアミン(50mg、0.104mmol)の水(1ml)および濃縮塩酸(1ml、12.18mmol)中懸濁液を、氷浴中で冷却した。亜硝酸ナトリウム(10mg、0.145mmol)の0.5mLの水中溶液を滴加した。この混合物を30分間撹拌し、次いで塩化銅(I)(13mg、0.131mmol)の濃縮塩酸(1ml、12.18mmol)中溶液を滴加した。得られた混合物を室温で週末にわたり撹拌し、75℃に短時間(約10分間)加温し、次いで冷却し、10mlの水および10mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、有機相を10mlの水により洗浄した。合わせた有機物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(8.0mg、0.016mmol、15.38%の収率)を提供した。質量スペクトル(ESI)498.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.33(d,J=8.5Hz,2H)、7.94(d,J=8.0Hz,2H)、7.94(s,1H)、7.51(s,1H)、7.00−7.14(m,2H)、6.32(br t,J=5.5Hz,1H)、3.48(七重線,J=6.5Hz,1H)、3.39(t,J=6.0Hz,2H)、2.74−2.92(m,4H)、1.98−2.13(m,3H)、1.46(d,J=7.0Hz,6H)、1.12−1.30(m,2H)。
【0229】
実施例118
【0230】
【化44】

4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−イルメチル)ベンズアミド
【0231】
段階A.2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3(4H)−オン
3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オール(1g、6.02mmol)のジクロロメタン(20ml)中溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(2.8g、6.60mmol)を添加した。混合物を25℃で一晩撹拌し、次いでBiotage Horizon、40Mカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(964mg、5.87mmol、98%の収率)を提供した。H NMR(500MHz,CDCl):δ6.99(m,4H)、4.72(s,4H)。
【0232】
段階B.1−(3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−イル)メタンアミン
水素化ナトリウム(鉱油中60%)(143mg、3.56mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)中で懸濁させ、混合物を0℃に冷却した。冷却混合物に、トリエチルホスホノアセテート(0.598ml、3.02mmol)を添加した。10分間撹拌した後、2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3(4H)−オン(450mg、2.74mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)中溶液を滴加した。冷浴を除去し、混合物を室温に1時間加温し、重炭酸ナトリウムの半飽和溶液(20ml)の添加によりクエンチした。混合物を3×10mlの酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮して所望のエチルエステルを提供し、エチルエステルをさらに精製することなく使用した。このエステル(671mg、2.86mmol)およびギ酸アンモニウム(903mg、14.32mmol)のメタノール(10ml)中溶液に、Pd/C(70mg、0.658mmol)を添加した。添加が完了してから混合物は還流し始め、次いで油浴中で加熱して還流を合計2時間維持した。混合物を冷却し、Celiteのパッドに通し、メタノールにより十分洗浄して濾過し、濃縮した。残留物をBiotage Horizon、40Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のヘキサン、次いで10カラム容量にわたるヘキサン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して還元されたエステルを提供し、還元されたエステルをさらに精製することなく使用した。このエステル(212mg、0.897mmol)のテトラヒドロフラン(4ml)、メタノール(2ml)および水(1ml)中懸濁液に、水酸化リチウム(43.0mg、1.795mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、この時点で澄明な溶液が形成した。反応混合物を小容量に濃縮し、次いで10mlの1NのHClおよび10mlの酢酸エチルにより希釈した。相を分離し、水相を2×10mlの酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機物を10mlのブラインにより洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮し、次いで真空下で乾燥させて所望の酸を提供し、酸をさらに精製することなく使用した。この酸(200mg、0.961mmol)をトルエン(2ml)中で溶解させ、ジフェニルホスホリルアジド(0.25ml、1.158mmol)およびトリエチルアミン(0.19ml、1.363mmol)を添加した。混合物を100℃に加熱し、この温度で30分間撹拌し、次いで室温で一晩放置しておき、この時点でLC/MS分析は出発材料を示さなかった。次いで、反応混合物を濃縮し、残留物をBiotage Horizon、25Sカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、1カラム容量の100%のジクロロメタン、次いで10カラム容量にわたるジクロロメタン中0%から100%の酢酸エチルの勾配により溶出させて精製して表題化合物(106mg、0.591mmol、61.6%の収率)を提供した。H NMR(500MHz,CDCl):δ6.87−7.02(m,4H)、5.53(br d,2H)、4.01(ABq,JAB=11.5Hz,2H)、3.53(m,2H)、2.50(m,1H)。
【0233】
段階C.4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−イルメチル)ベンズアミド
表題化合物を、実施例1に記載の通り4−(5−シアノ−7−イソプロピル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)安息香酸(中間体2)および1−(3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−イル)メタンアミンから混合物として調製した。質量スペクトル(ESI)468.0(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.31(d,J=8.5Hz,2H)、7.96(d,J=8.5Hz,2H)、7.93(d,J=1.5Hz,1H)、7.51(d,J=1Hz,1H)、6.90−7.02(m,4H)、4.29(m,4H)、3.75(t,J=6Hz,2H)、3.47(七重線,J=7Hz,1H)、2.65(m,1H)、1.46(d,J=6.5Hz,6H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物または薬学的に許容されるこの塩
【化1】

[式中、
Qは、O、Sおよび−N(R)−からなる群から選択され;
Aは、1,4−フェニレン、2,5−ピリジニレンおよび2,5−ピリミジニレンから選択される二官能性環式基であり、ここで、Aは、1−3個の置換基Rで置換されていてもよく;
各Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルおよび−OC−Cアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、各アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
各Rは、H、C−Cアルキル、C−CアルケニルおよびC−Cアルキニルからなる群から独立して選択され、ここで、各アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、(a)1−5個のハロゲンで置換されていてもよいC−Cアルキル、(b)1−5個のハロゲンで置換されていてもよいC2−5アルケニル;(c)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−OC−Cアルキル、(d)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−SC−Cアルキル、(e)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−OC2−5アルケニル、(f)C−Cシクロアルキル、(g)フェニル、(h)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する5−6員の飽和または部分不飽和の複素環式基、(i)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する5−7員のヘテロ芳香族基、(j)1−5個のハロゲンで置換されていてもよい−C(=O)OC1−3アルキル、ならびに(k)−C(=O)OHからなる群から選択され、ここで、前記C−Cシクロアルキル、フェニル、5−6員の飽和または部分不飽和の複素環式基および5−7員のヘテロ芳香族基は、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;
は、ハロゲン、CH、CF、−OCH、−OCF、−CN、フェニルおよび1−2個のNを有する6員のヘテロ芳香族基からなる群から選択され、ここで、フェニルおよび6員のヘテロ芳香族基は、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;
およびRは、H、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群からそれぞれ選択され;
Bは、
(a)−C(=O)N(R)(CR(CRおよび
(b)−C(=O)N(R)(CR)D
からなる群から選択され;
は、HおよびC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CF、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−CアルキルおよびCFからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CF、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され;
は、H、C−Cアルキル、CFおよびフェニル(ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択され;
xは、0または1であり;
yは、0、1または2であり;
は、
(a)1−2個の二重結合を含んでいてもよい、フェニル環に縮合していてもよいC−Cシクロアルキル、
(b)1−2個の二重結合を含んでいてもよい二環式C−C12シクロアルキル、
(c)−O−および−S−から独立して選択される1−3個の環員を含み、1個のカルボニル基を含んでいてもよい、ならびに1−2個の二重結合を含んでいてもよい4−8員の飽和または部分不飽和の複素環(前記複素環は、複素環の炭素原子を介して式Iにより表されている構造の残部に連結しており、ここで、前記複素環は、フェニル環またはC−Cシクロアルキルに縮合していてもよい。)、
(d)各環が5−7員環である、炭素原子を介してスピロ環式結合により結合している2個の環を有するスピロ環式基(ここで、Dは、スピロ環式基の何れかの環中に(i)−O−および−S−から独立して選択される1−2個の環員を含んでいてもよい、(ii)1個のカルボニル基を含んでいてもよい、(iii)1−2個の二重結合を含んでいてもよい、ここで、スピロ環式基Dの何れかの環は、フェニル環またはC−Cシクロアルキルに縮合していてもよい。)、
(e)フェニルおよびナフチルから選択される芳香族環、ならびに
(f)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、1個の−C(=O)−基を環員として有していてもよい5−7員のヘテロ芳香族環(前記ヘテロ芳香族環は、ヘテロ芳香族環の炭素原子を介して式Iにより表されている構造の右側に連結しており、ここで、前記ヘテロ芳香族環は、フェニル環に縮合していてもよい。)
からなる群から選択される環式基であり;
ここで、(a)−(f)に定義の前記環式基Dは、任意の縮合環を含め、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−N(R−、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキル、−OCF、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)OC−Cアルキル、−C(=O)OHおよび−NRC(=O)C−Cアルキルから独立して選択される1−5個の置換基で置換されていてもよく、ならびに4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルおよび環式基Dからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、使用されるすべてのC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびOC−Cアルキルは、1−9個のハロゲンで置換されていてもよく、ここで、Dは、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結しており、
ここで、Dは、(a)フェニル、(b)ナフチル、(c)1−2個の二重結合を有していてもよいC−Cシクロアルキル、(d)N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、1個の−C(=O)−基を有していてもよい飽和または部分不飽和の単環式または二環式の4−10員複素環(前記複素環は、1−2個の二重結合を有していてもよい。)、ならびに(e)N、SおよびOから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有し、および1個の−C(=O)−基を有していてもよい単環式または二環式の5−12員ヘテロ芳香族基からなる群から選択され、
は、−C(=O)−、−S−、−S(O)−、−O−、−N(R)C(=O)−、−CHN(R)C(=O)−、−CHC(=O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−CHN(R)S(O)−、−CHS(O)N(R)−、−C−Cアルケニレン−、およびO、S、−S(O)−、−NR−、−N(R)C(=O)−および−N(R)S(O)−から選択される1個のヘテロ原子または二官能性基を−C−Cアルキレン−基の2個の隣接炭素間に含んでいてもよい。−C−Cアルキレン−からなる群から選択され、ここで、Dは、ハロゲン、−CN、−NO、−N(R−、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキル、COH、CO−Cアルキルおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ならびにDに直接結合しているまたは結合基Lを介してDに連結している1個の環式基Dで置換されていてもよく、ここで、Dは、Dと同一の選択肢を有し、ならびにLは、Lと同一の選択肢を有し、ならびにD6は、ハロゲン、−CN、−NO、−N(R−、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、CF、−OC−Cアルキル、−C−Cアルキレン−OC−Cアルキルおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、D4およびD6上の置換基に使用されるすべてのC−Cアルキル、C−Cアルケニルおよび−OC−Cアルキル基は、1−5個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、−OC−Cアルキル、−CHS(O)−Cアルキル、C−C15アルキル、C−C15アルケニル、C−C15アルキニル、−NR−Cアルキル、−NRC(=O)OC−Cアルキルおよび−OC(=O)OC−Cアルキルからなる群から選択され、ここで、DのC−C15アルキル、C−C15アルケニル、C−C15アルキニルおよびC−Cアルキル基は、1−9個のハロゲンで置換されていてもよく、ならびに−N(R、−N(R)C(=O)OC−Cアルキル、−N(R)C(=O)C−Cアルキルおよび−OHから選択される1個の基で置換されていてもよく、ここで、D上の−N(R)C(=O)OC−Cアルキルおよび−N(R)C(=O)C−Cアルキル置換基のC−Cアルキル基は、1−9個のハロゲンで置換されていてもよい。]。
【請求項2】
Qが、Oであり;
Aが、1,4−フェニレン、2,5−ピリジニレンおよび2,5−ピリミジニレンから選択される二官能性環式基であり、ここで、Aが、1−3個の置換基Rで置換されていてもよく;
各Rが、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から独立して選択され;
が、(a)1−5個のFで置換されていてもよいC−Cアルキル、(b)1−3個のFで置換されていてもよいC2−3アルケニル、(c)1−3個のFで置換されていてもよい−OC−Cアルキル、(d)1−3個のFで置換されていてもよい−SC−Cアルキル、(e)1−3個のFで置換されていてもよい−OC2−3アルケニル、(f)C−Cシクロアルキル、(g)フェニル、(h)ピリジル、(i)1−3個のFで置換されていてもよい−C(=O)OC1−3アルキルおよび(k)−C(=O)OHからなる群から選択され、ここで、前記C−Cシクロアルキル、フェニルおよびピリジニル置換基が、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;
が、ハロゲン、CH、CF、−OCH、−OCFおよび−CNからなる群から選択され;ならびに
およびRが、H、ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群からそれぞれ選択される、
請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項3】
式Iaを有する、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩
【化2】

[式中、Rは、1−3個のFで置換されていてもよいC−Cアルキル、C2−3アルケニル、−OCH、−OCF、−SCH、−SCF、シクロプロピル、−C(=O)OC1−3アルキル、およびフェニル(ハロゲン、CH、CF、−OCHおよび−OCFから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよい。)からなる群から選択され;
は、HおよびCHからなる群から選択され;
は、H、−C(=O)OHおよび−C(=O)OC1−3アルキルからなる群から選択され;
は、HおよびCHからなる群から選択され;
およびRは、Hであり;
xは、0または1であり;ならびに
yは、0である。]。
【請求項4】
が、フェニル、インドリル、イミダゾリル、シクロプロピル、フェニルに縮合していてもよいC−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニルおよびフェニルに縮合している6−7員の環式モノエーテルまたはジエーテルから選択される環式基であり、ここで、Dが、ハロゲン、C−Cアルキル、CF、−OCH、−OCF、−COH、−COCH、−NO、−OHおよびC−Cアルキレン−O−C−Cアルキル(1−9個のFで置換されていてもよい。)から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ならびに4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルおよびDから選択される1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、Dが、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結している、請求項1の化合物。
【請求項5】
が、フェニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、ピリジル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニルおよびナフチルから選択される環式基であり、ここで、Dが、C−Cアルキル、CF、C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−OCF、ハロゲン、−COH、−CO−Cアルキル、−CNおよび−OHから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ならびにDに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結している1個のD基で置換されていてもよい、請求項1の化合物。
【請求項6】
が、フェニル、C−Cシクロアルキル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、フラニル、2−オキサゾリジノニルおよび2−アゼチジノニルからなる群から選択され、ここで、Dが、C−Cアルキル、CF、−OC−Cアルキル、−OCF、ClおよびFから独立して選択される1−2個の置換基で置換されていてもよい、請求項1の化合物。
【請求項7】
結合基Lが、−CH−、−O−、−C(=O)−、−CHCHNHCH−、−CHC(=O)NH−およびC−Cアルケニレンからなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項8】
結合基Lが、−S(O)−およびC−Cアルケニレンから選択される、請求項1の化合物。
【請求項9】
が、C−CアルキニルおよびC−C12アルキルからなる群から選択され、ここで、C−C12アルキルが、1−3個のFで置換されていてもよい、請求項1の化合物。
【請求項10】
が、−CH(CHであり;ならびに
が、Hである、
請求項3の化合物。
【請求項11】
が、−CH(CHであり;
が、Hであり;
が、フェニル、インドリル、イミダゾリル、シクロプロピル、フェニルに縮合していてもよいC−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルおよびフェニルに縮合している6−7員の環式モノエーテルまたはジエーテルから選択される環式基であり、ここで、Dが、ハロゲン、C−Cアルキル、CF、−OCH、−OCF、−COH、−COCH、−NO、−OHおよびC−Cアルキレン−O−C−Cアルキル(1−9個のFで置換されていてもよい。)から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ならびに4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルおよびDから選択される1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、Dが、Dに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結しており;
が、フェニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、ピリジル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニルおよびナフチルから選択される環式基であり、ここで、Dが、C−Cアルキル、CF、C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−OCF、ハロゲン、−COH、−CO−Cアルキル、−CNおよび−OHから独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく、ならびにDに直接連結しているまたは結合基Lを介してDに連結している1個のD基で置換されていてもよく;
が、フェニル、C−Cシクロアルキル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、フラニル、2−オキサゾリジノニルおよび2−アゼチジノニルからなる群から選択され、ここで、Dが、C−Cアルキル、CF、−OC−Cアルキル、−OCF、ClおよびFから独立して選択される1−2個の置換基で置換されていてもよく;
が、−CH−、−O−、−C(=O)−、−CHCHNHCH−、−CHC(=O)NH−およびC−Cアルケニレンからなる群から選択され;
が、−S(O)−およびC−Cアルケニレンから選択され;ならびに
が、C−CアルキニルおよびC−C12アルキルからなる群から選択され、ここで、C−C12アルキルが、1−3個のFで置換されていてもよい、
請求項3の化合物。
【請求項12】
以下の化合物
【表1】




からなる群から選択される、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項13】
以下の化合物
【化3】

【表2】




【化4】

【表3】


【化5】

【表4】

【化6】

【表5】






【化7】

【表6】

【化8】

【表7】


からなる群から選択される、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項14】
治療を必要としている患者において動脈硬化症を治療する方法であって、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を、前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項15】
治療を必要としている患者においてHDL−Cを上昇させる方法であって、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を、前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項16】
治療を必要としている患者においてLDL−Cを低下させる請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を、前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項17】
動脈硬化症を治療する医薬品の製造のための、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩の使用。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩、薬学的に許容される担体、ならびに
(i)HMG−CoA還元酵素阻害剤;
(ii)胆汁酸捕捉剤;
(iii)ナイアシンおよび関連化合物;
(iv)PPARαアゴニスト;
(v)コレステロール吸収阻害剤;
(vi)アシルCoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害剤;
(vii)フェノール系抗酸化剤;
(viii)ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤;
(ix)抗酸化性ビタミン;
(x)甲状腺ホルモン模倣体;
(xi)LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質;
(xii)血小板凝集阻害剤;
(xiii)ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知);
(xiv)葉酸または薬学的に許容されるこの塩もしくはエステル;
(xv)FXRおよびLXRリガンド;
(xvi)ABCA1遺伝子発現を増強する薬剤;および
(xvii)回腸胆汁酸輸送体
からなる群から選択される1種以上の有効成分を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2010−530417(P2010−530417A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513203(P2010−513203)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/007470
【国際公開番号】WO2008/156717
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】