説明

ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI−3キナーゼ)阻害剤としてのテトラ−アザ−複素環

本発明は、過剰または異常細胞増殖によって特徴付けられる疾患の治療に適する、一般式(1)の化合物(式中、R1〜R4、A、X,mおよびkは、請求項1に定義される通りである)、および前記特性を有する医薬品の調製のためのそれらの使用を包含する。


(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(1)の新規テトラ−アザ−複素環式
【化1】

(式中、基R1〜R4、A、X,mおよびkは、特許請求の範囲および明細書に記載の意味を有する)、それらの異性体、これらのテトラ−アザ−複素環の調製方法、および医薬品としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
かなりの数のプロテインキナーゼが、様々な徴候、例えば、癌、ならびに炎症性および自己免疫疾患における治療的介入の適切な標的分子であることがすでに実証されている。これまでに確認された、発癌に関与する遺伝子の内、高い割合が、キナーゼをコードしているので、これらの酵素は、特に癌の治療にとって注目すべき標的分子である。
ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3−キナーゼ)は、ホスホイノシチドのイノシトール環の3位へのリン酸基の転移を触媒する、脂質キナーゼのサブファミリーである。
それらは、例えば、細胞の成長および分化過程、細胞骨格変化の制御、ならびに細胞内輸送過程の調節のような多数の細胞過程において、重要な役割を果たす。特定のホスホイノシチド基質に対するin vitroでのそれらの特異性に基づいて、PI3−キナーゼは、様々な種類に分けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般式(1)の化合物(式中、基R1〜R4、A、X,mおよびkは、下記の意味を有する)が、特定のキナーゼの阻害剤として作用することが、今回驚くべきことに見出された。こうして、本発明による化合物は、例えば、キナーゼの活性に関連し、過剰または異常細胞増殖によって特徴付けられる疾患の治療に使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、それらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグおよび混合物の形であってもよく、また、薬理学的に許容されるそれらの塩であってもよい、一般式(1)の化合物に関する。
【化2】

式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立にR5を表し、
Aは、芳香族環を表し、
Xは、置換されていてもよいC1−C3アルキリデン鎖であって、1個または2個の非隣接メチレン単位が、独立にC(O)、C(O)NRgg、NRgC(O)、SO、SO2、NRgSO2、SO2NRgg、O、S、またはNRggによって置き換えられていてもよく、
mおよびkは、独立に、0または1を表し、
各R5は、Ra、Rb、ならびに同じもしくは異なる1つまたは複数のRbおよび/またはRcによって置換されたRaの中から選択される基を表し、
各Raは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロアリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRbおよび/またはRcによって置換されていてもよい基を表し;
各Rbは、適切な基を表し、=O、−ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRc、=NRc、=NORc、=NNRcc、=NN(Rg)C(O)NRcc、−NRcc、−ONRcc、−N(ORc)Rc、−N(Rg)NRcc、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Rc、−S(O)ORc、−S(O)2c、−S(O)2ORc、−S(O)NRcc、−S(O)2NRcc、−OS(O)Rc、−OS(O)2c、−OS(O)2ORc、−OS(O)NRcc、−OS(O)2NRcc、−C(O)Rc、−C(O)ORc、−C(O)SRc、−C(O)NRcc、−C(O)N(Rg)NRcc、−C(O)N(Rg)ORc、−C(NRg)NRcc、−C(NOH)Rc、−C(NOH)NRcc、−OC(O)Rc、−OC(O)ORc、−OC(O)SRc、−OC(O)NRcc、−OC(NRg)NRcc、−SC(O)Rc、−SC(O)ORc、−SC(O)NRcc、−SC(NRg)NRcc、−N(Rg)C(O)Rc、−N[C(O)Rc2、−N(ORg)C(O)Rc、−N(Rg)C(NRg)Rc、−N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、−N[C(O)Rc]NRcc、−N(Rg)C(S)Rc、−N(Rg)S(O)Rc、−N(Rg)S(O)ORc、−N(Rg)S(O)2c、−N[S(O)2c2、−N(Rg)S(O)2ORc、−N(Rg)S(O)2NRcc、−N(Rg)[S(O)22c、−N(Rg)C(O)ORc、−N(Rg)C(O)SRc、−N(Rg)C(O)NRcc、−N(Rg)C(O)NRgNRcc、−N(Rg)N(Rg)C(O)NRcc、−N(Rg)C(S)NRcc、−[N(Rg)C(O)]2c、−N(Rg)[C(O)]2c、−N{[C(O)]2c2、−N(Rg)[C(O)]2ORc、−N(Rg)[C(O)]2NRcc、−N{[C(O)]2ORc2、−N{[C(O)]2NRcc2、−[N(Rg)C(O)]2ORc、−N(Rg)C(NRg)ORc、−N(Rg)C(NOH)Rc、−N(Rg)C(NRg)SRc、−N(Rg)C(NRg)NRccおよび−N=C(Rg)NRccの中から互いに独立に選択され、
各Rcは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2−6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5−12員のヘテロ−アリール、6−18員のヘテロアリールアルキル、3−14員のヘテロシクロアルキルおよび4−14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRdおよび/またはReによって置換されていてもよい基を表し、
各Rdは、適切な基を表し、=O、−ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRe、=NRe、=NORe、=NNRee、=NN(Rg)C(O)NRee、−NRee、−ONRee、−N(Rg)NRee、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Re、−S(O)ORe、−S(O)2e、−S(O)2ORe、−S(O)NRee、−S(O)2NRee、−OS(O)Re、−OS(O)2e、−OS(O)2ORe、−OS(O)NRee、−OS(O)2NRee、−C(O)Re、−C(O)ORe、−C(O)SRe、−C(O)NRee、−C(O)N(Rg)NRee、−C(O)N(Rg)ORe、−C(NRg)NRee、−C(NOH)Re、−C(NOH)NRee、−OC(O)Re、−OC(O)ORe、−OC(O)SRe、−OC(O)NRee、−OC(NRg)NRee、−SC(O)Re、−SC(O)ORe、−SC(O)NRee、−SC(NRg)NRee、−N(Rg)C(O)Re、−N[C(O)Re2、−N(ORg)C(O)Re、−N(Rg)C(NRg)Re、−N(Rg)N(Rg)C(O)Re、−N[C(O)Re]NRee、−N(Rg)C(S)Re、−N(Rg)S(O)Re、−N(Rg)S(O)ORe −N(Rg)S(O)2e、−N[S(O)2e2、−N(Rg)S(O)2ORe、−N(Rg)S(O)2NRee、−N(Rg)[S(O)22e、−N(Rg)C(O)ORe、−N(Rg)C(O)SRe、−N(Rg)C(O)NRee、−N(Rg)C(O)NRgNRee、−N(Rg)N(Rg)C(O)NRee、−N(Rg)C(S)NRee、−[N(Rg)C(O)]2e、−N(Rg)[C(O)]2e、−N{[C(O)]2e2、−N(Rg)[C(O)]2ORe、−N(Rg)[C(O)]2NRee、−N{[C(O)]2ORe2、−N{[C(O)]2NRee2、−[N(Rg)C(O)]2ORe、−N(Rg)C(NRg)ORe、−N(Rg)C(NOH)Re、−N(Rg)C(NRg)SRe、−N(Rg)C(NRg)NReeおよび−N=C(Rg)NReeの中から互いに独立に選択され、
各Reは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2−6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5−12員のヘテロ−アリール、6−18員のヘテロアリールアルキル、3−14員のヘテロシクロアルキルおよび4−14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRfおよび/またはRgによって置換されていてもよい基を表し、
各Rfは、適切な基を表し、それぞれの場合に=O、−ORg、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRg、=NRg、=NORg、=NNRgg、=NN(Rh)C(O)NRgg、−NRgg、−ONRgg、−N(Rh)NRgg、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Rg、−S(O)ORg、−S(O)2g、−S(O)2ORg、−S(O)NRgg、−S(O)2NRgg、−OS(O)Rg、−OS(O)2g、−OS(O)2ORg、−OS(O)NRgg、−OS(O)2NRgg、−C(O)Rg、−C(O)ORg、−C(O)SRg、−C(O)NRgg、−C(O)N(Rh)NRgg、−C(O)N(Rh)ORg、−C(NRh)NRgg、−C(NOH)Rg、−C(NOH)NRgg、−OC(O)Rg、−OC(O)ORg、−OC(O)SRg、−OC(O)NRgg、−OC(NRh)NRgg、−SC(O)Rg、−SC(O)ORg、−SC(O)NRgg、−SC(NRh)NRgg、−N(Rh)C(O)Rg、−N[C(O)Rg2、−N(ORh)C(O)Rg、−N(Rh)C(NRh)Rg、−N(Rh)N(Rh)C(O)Rg、−N[C(O)Rg]NRgg、−N(Rh)C(S)Rg、−N(Rh)S(O)Rg、−N(Rh)S(O)ORg、−N(Rh)S(O)2g、−N[S(O)2g2、−N(Rh)S(O)2ORg、−N(Rh)S(O)2NRgg、−N(Rh)[S(O)22g、−N(Rh)C(O)ORg、−N(Rh)C(O)SRg、−N(Rh)C(O)NRgg、−N(Rh)C(O)NRhNRgg、−N(Rh)N(Rh)C(O)NRgg、−N(Rh)C(S)NRgg、−[N(Rh)C(O)]2g、−N(Rh)[C(O)]2g、−N{[C(O)]2g2、−N(Rh)[C(O)]2ORg、−N(Rh)[C(O)]2NRgg、−N{[C(O)]2ORg2、−N{[C(O)]2NRgg2、−[N(Rh)C(O)]2ORg、−N(Rh)C(NRh)ORg、−N(Rh)C(NOH)Rg、−N(Rh)C(NRh)SRg、−N(Rh)C(NRh)NRgg;および−N=C(Rh)NRhhの中から互いに独立に選択され、
各Rgは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロ−アリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRhによって置換されていてもよい基を表し、
各Rhは、水素、C1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロアリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から互いに独立に選択される。
【0005】
本発明の一態様は、Xが、C1-6アルキルによって置換されていてもよい、−CH2−、−(CH22−、および−(CH23−からなる群から選択される、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R3が、C6-10アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、1つまたは複数のR4によって置換されていてもよい基である、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R3が、ピリジル、ピリミジルまたはピラゾリルである、一般式(1)の化合物に関する。
【0006】
本発明の別の態様は、R3が、ハロゲン、−CN、−ORc、−NRcc、およびC1-6アルキル(Rbによって置換されていてもよい)からなる群から選択される残基によって置換されている、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R3が水素である、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R1が、−NHC(O)Rc、−NHC(O)ORc、−NHC(O)NRcc、および−C(O)NRccからなる群から選択される、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R1が、−NHC(O)CH3である、一般式(1)の化合物に関する。
本発明の別の態様は、R4が、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、5〜12員のヘテロアリール、および3〜14員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、一般式(1)の化合物に関する。
【0007】
本発明の一態様は、医薬品としての、一般式(1)の化合物、または薬理学的に有効なそれらの塩に関する。
本発明の一態様は、増殖抑制活性を有する医薬品を調製するための、一般式(1)の化合物、または薬理学的に有効なそれらの塩に関する。
本発明の一態様は、一般式(1)の1種または複数の化合物または薬理学的に有効なそれらの塩を活性物質として含み、通常の添加剤および/または担体と組み合わせられていてもよい医薬製剤である。
本発明の一態様は、癌、感染症、炎症および自己免疫疾患の治療および/または予防のための医薬品を調製するための、一般式(1)の化合物の使用である。
【0008】
本発明の一態様は、それらの互変異性体、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物の形であってもよく、さらには薬理学的に許容されるそれらの塩であってもよい、一般式(1)の化合物、および式(1)とは異なる他の少なくとも1種の細胞分裂抑制もしくは細胞毒性活性物質を含む医薬製剤である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の例は、その範囲を限定することなく、本発明を例示する。
定義
本明細書で用いられる場合、特に断らない限り、以下の定義が適用される。
アルキル置換基は、それぞれの場合に、飽和、不飽和、直鎖または分岐状の脂肪族炭化水素基(アルキル基)を意味し、これには、飽和アルキル基と、不飽和のアルケニル基およびアルキニル基との両方が含まれる。アルケニル置換基は、それぞれの場合に、少なくとも1つの2重結合を有する、直鎖または分岐状で、不飽和のアルキル基である。アルキニル置換基は、それぞれの場合に、少なくとも1つの3重結合を有する、直鎖または分岐状で、不飽和のアルキル基である。
【0010】
ヘテロアルキルという用語は、上でその最も広い意味で定義されたアルキルから、炭化水素鎖の1つまたは複数の基−CH3を、互いに独立に、基−OH、−SHまたは−NH2に、1つまたは複数の基−CH2−を、互いに独立に、基−O−、−S−、または−NH−に、1つまたは複数の基
【化3】

を次の基
【化4】

に、1つまたは複数の基=CH−を基=N−に、1つまたは複数の基=CH2を基=NHに、あるいは、1つまたは複数の基≡CHを基≡Nに置き換えることによって誘導され得る基を表し、全てにおいて、ヘテロアルキルには、最大で3個のヘテロ原子のみが存在し得るが、2個の酸素の間および2個の硫黄原子、または1個の酸素原子と1個の硫黄原子との間には、少なくとも1個の炭素原子が存在していなければならず、基は全体として化学的安定性を有していなければならない。
【0011】
アルキルによる間接的な定義/誘導から、ヘテロアルキルは、ヘテロ原子を有する飽和炭化水素鎖、ヘテロアルケニルおよびヘテロアルキニルのサブグループからなり、直鎖(無分岐鎖)および分岐鎖へのさらなる分割が行われ得るということが出てくる。ヘテロアルキルが置換されていると想定される場合、置換は、互いに独立に、それぞれの場合に、水素を有する酸素、硫黄、窒素および/または炭素原子の全てで、モノ−またはポリ置換で、起こり得る。ヘテロアルキルそれ自体は、置換基として、炭素原子およびヘテロ原子のいずれを介して、分子に連結されていてもよい。
【0012】
例として、次の代表的化合物が列挙される:
ジメチルアミノメチル;ジメチルアミノエチル(1−ジメチルアミノエチル;2−ジメチル−アミノエチル);ジメチルアミノプロピル(1−ジメチルアミノプロピル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル);ジエチルアミノメチル;ジエチルアミノエチル(1−ジエチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル);ジエチルアミノプロピル(1−ジエチルアミノプロピル、2−ジエチルアミノ−プロピル、3−ジエチルアミノプロピル);ジイソプロピルアミノエチル(1−ジイソプロピルアミノエチル、2−ジ−イソプロピルアミノエチル);ビス−2−メトキシエチルアミノ;[2−(ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチル;3−[2−(ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−プロピル;ヒドロキシメチル;2−ヒドロキシ−エチル;3−ヒドロキシプロピル;メトキシ;エトキシ;プロポキシ;メトキシメチル;2−メトキシエチルなど。
【0013】
アルキリデン鎖という用語は、分子の残りの部分に結び付く2つの位置を有し、完全に飽和しているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を有し得る、線状または分岐状炭素鎖を表し、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、これらに限らないが、−C(O)−、−C(O)NRg−、−NRgC(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、−NRgSO2−、−SO2NRg−、−O−、−S−、または−NRg−が含まれる基により、置き換えられていてもよい。
【0014】
ハロアルキルは、1つまたは複数の水素原子がハロゲン原子によって置き換えられた、アルキル基のことである。ハロアルキルには、飽和アルキル基、ならびに不飽和アルケニルおよびアルキニル基の両方が、例えば、−CF3、−CHF2、−CH2F、−CF2CF3、−CHFCF3、−CH2CF3、−CF2CH3、−CHFCH3、−CF2CF2CF3、−CF2CH2CH3、−CF=CF2、−CCl=CH2、−CBr=CH2、−CI=CH2、−C≡C−CF3、−CHFCH2CH3および−CHFCH2CF3などが含まれる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素原子を指す。
シクロアルキルは単環または2環式の環を意味し、この環系は、飽和環であり得るが、あるいは、2重結合もまた含んでいてもよい不飽和、非芳香族環であってもよく、例えば、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ノルボルニルおよびノルボルネニルなどであり得る。
【0015】
シクロアルキルアルキルは、炭素原子、通常は末端C原子に結合した水素原子が、シクロアルキル基によって置き換えられた、非環状アルキル基を含む。
アリールは、6〜10個の炭素原子を有する単環または2環式芳香族環、例えば、フェニルおよびナフチルのことである。
アリールアルキルは、炭素原子、通常は末端C原子に結合した水素原子が、アリール基によって置き換えられた、非環状アルキル基を含む。
【0016】
ヘテロアリールは、1つまたは複数の炭素原子の代わりに、同じかまたは異なる1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、窒素、硫黄または酸素原子を含む、単環または2環式芳香族環を意味する。例には、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニルおよびトリアジニル。二環式ヘテロアリール基は、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニルおよびベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフリル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジル、ベンゾテトラヒドロフリル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソキサジニル、ベンゾイソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジル−N−オキシドテトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリル−N−オキシド、ピリミジニル−N−オキシド、ピリダジニル−N−オキシド、ピラジニル−N−オキシド、キノリニル−N−オキシド、インドリル−N−オキシド、インドリニル−N−オキシド、イソキノリル−N−オキシド、キナゾリニル−N−オキシド、キノキサリニル−N−オキシド、フタラジニル−N−オキシド、イミダゾリル−N−オキシド、イソオキサゾリル−N−オキシド、オキサゾリル−N−オキシド、チアゾリル−N−オキシド、インドリジニル−N−オキシド、インダゾリル−N−オキシド、ベンゾチアゾリル−N−オキシド、ベンゾイミダゾリル−N−オキシド、ピロリル−N−オキシド、オキサジアゾリル−N−オキシド、チアジアゾリル−N−オキシド、トリアゾリル−N−オキシド、テトラゾリル−N−オキシド、ベンゾチオピラニル−S−オキシドおよびベンゾチオピラニル−S,S−ジオキシドが含まれる。
【0017】
ヘテロアリールアルキルは、炭素原子、通常は末端C原子に結合した水素原子が、ヘテロアリール基によって置き換えられた、非環状アルキル基を包含する。
ヘテロシクロアルキルは、3〜12個の炭素原子を含み、1つまたは複数の炭素原子の代わりに、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素または硫黄を有する、飽和または不飽和で、単環、2環式もしくは架橋2環式の非芳香族環のことである。このようなヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル−S−オキシド、チオモルホリニル−S,S−ジオキシド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル−S,S−ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル−S−オキシド、テトラヒドロチエニル−S,S−ジオキシド、ホモチオモルホリニル−S−オキシド、2−オキサ−5−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、3.8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、3.8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、3.9−ジアザ−ビシクロ[4.2.1]ノナンおよび2.6−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンである。
ヘテロシクロアルキルアルキルは、炭素原子、通常は末端C原子に結合した水素原子が、ヘテロシクロアルキル基によって置き換えられた、非環状アルキル基のことである。
【0018】
中間体
本発明において出発材料として用いられる、置換または無置換の、5,6−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピラゾール−4−オン、6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オン、および5,6,7,8−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−4−オンは、これらに限らないが、Larsen, Scott D. Synlett 1997, 1013、およびEP1241170に記載のような文献にある手順に従って合成できる。
【0019】
一般的手順A1:N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールによるケト−エン−アミンの生成
モノケトンをDMAに入れ、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(5〜10当量)を加え、マイクロ波を用いて反応混合物を150℃で5分間加熱する、または通常の通り130℃で1〜3時間加熱する。反応混合物をRTまで冷却した後、析出する生成物を濾別し、40℃で真空乾燥する。生成物は、さらなる精製なしに用いることができる。
【0020】
一般的手順A2:酸塩化物による1,3−ジケトンの生成
不活性雰囲気下でモノケトンを無水THFに加え、反応混合物を−78℃に冷却する。LHMDS(3当量)を反応温度が−60℃未満に保たれるように、反応混合物にゆっくりと加える。添加が終わった後、酸塩化物(1〜2当量)の無水THF溶液をゆっくりと加える。反応混合物を終夜撹拌し、それをRTまで温める。後処理のために、混合物を−20℃に冷却し、反応を、希塩酸およびリン酸緩衝液(530mLのH2O中、22gのNaH2PO4、および87gのNa2HPO4からなる)により止め、結果的に、最終pHを約6とする。酢酸エチルを加え、有機層を分離する。水性相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去する。残った固体をMTBEまたはEtOHで磨砕する。生成物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製されるか、またはさらなる精製なしに用いられてもよい。
【0021】
一般的手順A3:活性エステルによる1,3−ジケトンの生成
a)活性エステルの生成
カルボン酸をDCMまたはDCEに溶かし、CDI(1当量)を加え、反応混合物をRTで終夜撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をさらなる精製なしに用いる。
b)ジケトンの生成
LHMDS(3当量)の1MのTHF溶液をTHFで希釈し、得られる溶液を不活性雰囲気下で−10℃に冷却する。反応温度が−10℃未満に保たれるように、モノケトンを小さく分けて加える。−10℃でさらに1時間撹拌した後、活性エステル(1〜2当量)のTHF溶液をゆっくりと加える。反応混合物を終夜撹拌し、それをRTまで温める。反応を塩化アンモニウム飽和水溶液で止め、水性相をDCMにより2回抽出する。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去する。残った固体をMTBEまたはEtOHで磨砕する。生成物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製されるか、またはさらなる精製なしに用いられてもよい。
【0022】
A−1)N−{5−[1−ジメチルアミノ−メト−(Z/E)−イリデン]−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル}−アセトアミド
【化5】

【0023】
A−01a)(4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化6】

4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸(2.56g、14.2mmol、EP1241170に従って調製)の無水トルエン(160mL)溶液にトリエチルアミン(2.38mL、17.1mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(3.68mL、17.1mmol)を加え、反応混合物をRTで終夜撹拌する。次いで、tert−ブタノール(26.7mL、74.1mmol)を加え、反応物を120℃に5時間加熱する。減圧下で溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチル)によって精製する。収量:2.32g、HPLC−MS:Rt=1.55分、(M+H−56)+=196。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.8 (s, 1H), 6.7 (s, 1H), 4.2 (t, 2H), 2.6 (t, 2H), 2.3 (五重線, 2H), 1.4 (s, 9H).
【0024】
A−01b)2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オン
【化7】

A−01a(4.50g、17.9mmol)のジオキサン(20mL)溶液に、ジオキサン中4MのHCl溶液(22mL)を加え、反応混合物を60℃で2時間撹拌する。反応混合物をRTに冷却し、濾過する。固体をジオキサンで洗い、真空乾燥する。収量:2.77g、HPLC−MS:Rt=0.49分、(M+H)+=152。1H NMR (DMSO-d6): δ 6.5 (s, 1H), 4.3 (t, 2H), 2.7 (t, 2H), 2.3 (五重線, 2H).
【0025】
A−01c)N−(4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−アセトアミド
【化8】

水浴で冷却しながら、塩化アセチル(0.98mL、14mmol)を、A−01b(1.74g、11.5mmol)およびDBU(3.4mL、23mmol)のACN(10mL)中混合物にゆっくりと加え、反応混合物をRTで2時間撹拌する。NaHCO3の飽和水溶液を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中0〜10%のMeOH)によって精製する。収量:1.60g、HPLC−MS:Rt=0.19分、(M+H)+=194。1H NMR (DMSO-d6): δ 10.6 (s, 1H), 6.9 (s, 1H), 4.2 (t, 2H), 2.6 (t, 2H), 2.3 (五重線, 2H), 2.2 (s, 3H).
A−01は、A−01c(0.60g、3.1mmol)から出発して一般的手順A1を用いて調製する。収量:0.43g、HPLC−MS:Rt=1.6分、(M+H)+=249。
【0026】
A−02)N−{5−[1−ジメチルアミノ−メト−(Z/E)−イリデン]−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−2−イル}−アセトアミド
【化9】

【0027】
A−02a)(4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化10】

120℃でジフェニルホスホリルアジド(3.85mL、17.8mmol)を4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−2−カルボン酸(3.15g、16,2mmol、EP1241170に従って調製)およびナトリウムtert−ブトキシド(1.56g、16.2mmol)のtert−ブタノール(60mL)溶液に滴下して加え、反応混合物を2時間撹拌する。反応混合物をRTに冷却し、濾過する。固体をトルエンで洗い、濾液を減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチル)によって精製する。収量:2.16g。HPLC−MS:Rt=1.69分、(M−H)-=264。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.7 (s, 1H), 6.7 (s, 1H), 4.4 (t, 2H), 2.8 (t, 2H), 2.0 (五重線, 2H), 1.8 (五重線, 2H), 1.4 (s, 9H).
【0028】
A−02b)2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−4−オン
【化11】

A0−2bは、A−02a(0.94g、3.54mmol)から出発してA−01bと同様に調製される。収量:0.42g。HPLC−MS:Rt=0.89分、(M+H)+=166。
【0029】
A−02c)N−(4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−2−イル)−アセトアミド
【化12】

A−02b(1.6g、9.7mmol)の酢酸(15mL)溶液に無水酢酸(1.8mL、19mmol)を加え、反応混合物を95℃で2時間撹拌する。水を加え、反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液で中和し、10%のMeOHを含む酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残留物を凍結乾燥する。収量:1.84g。HPLC−MS:Rt=1.69分、(M+H)+=208。1H NMR (DMSO-d6): δ 10.5 (s, 1H), 6.9 (s, 1H), 4.4 (t, 2H), 2.8 (t, 2H), 2.0 (m, 5H), 1.9 (五重線, 2H).
【0030】
A−02は、A−02c(1.84g、3.1mmol)から出発して一般的手順A1を用いて調製する。収量:0.77g。HPLC−MS:Rt=1.64分、(M+H)+=263。
【0031】
A−03)5−[1−ジメチルアミノ−メト−(Z/E)−イリデン]−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化13】

【0032】
A−03a)4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化14】

4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸(16g、89mmol)のEtOH(170mL)中混合物に12mLの濃硫酸をゆっくりと加え、反応混合物を100℃で2時間加熱する。反応混合物をRTまで冷却し、減圧下で濃縮する。残留物を氷上に注ぎ、NaHCO3の飽和水溶液を加えて中和し、DCMで抽出する。合わせた有機相を水および塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。収量:17g、HPLC−MS:Rt=1.79分、(M+H)+=209。
【0033】
A−03は、A−03a(5.00g、24.0mmol)から出発して一般的手順A1を用いて調製する。冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、水および酢酸エチルで後処理する。収量:6.22g。HPLC−MS:Rt=1.82分、(M+H)+=264。
【0034】
A−04)[5−(2−アセチルアミノ−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−カルボニル)−ピリジン−2−イル]−エチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化15】

【0035】
A−04a)6−(tert−ブトキシカルボニル−エチル−アミノ)−ニコチン酸
【化16】

6−クロロ−ニコチン酸メチルエステル(60g、0.35mol)を、500mLの2M(THF中)エチルアミンに入れ、密封した管の中において100℃で16時間撹拌する。反応混合物をRTまで冷却し、減圧下で溶媒を除去する。残留物を氷上に注ぎ、15分間撹拌する。析出物を濾別し、水で洗い、真空乾燥する。乾燥した6−エチルアミノ−ニコチン酸メチルエステル(30g、0.17mol)を、150mLのDCMに溶かし、トリエチルアミン(29mL、0.20mol)、DMAP(4.0g、33mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(91.7g、0.42mol)を0℃で順次加える。反応混合物を放置してRTまで温め、16時間撹拌する。反応混合物に100mLの10%(水中)クエン酸を加え、反応混合物を10分間撹拌する。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。収量:60g。未精製の6−(tert−ブトキシカルボニル−エチル−アミノ)−ニコチン酸メチルエステルを100mLのジオキサンに入れ、水酸化リチウム一水和物(13.5g、0.32mol)の100mL中溶液を加え、反応混合物をRTで4時間撹拌する。反応混合物からジオキサンを減圧下で除去し、水を加え、反応混合物を10%クエン酸水溶液でpH6に酸性化する。生成する析出物を濾別し、真空乾燥する。収量:36g。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.2 (s, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.2 (d, 1H), 7.8 (d, 1H), 4.0 (四重線, 2H), 1.5 (s, 9H), 1.2 (t, 3H).
【0036】
A−04b)(5−クロロカルボニル−ピリジン−2−イル)−エチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化17】

A−04a(0.80g、3.0mmol)を18mLのDCEに入れ、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニル−アミン(0.80mL,6.0mmol)を加え、反応混合物をRTで終夜撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を精製なしに次のステップで用いる。
【0037】
A−04は、A−1c(0.35g、1.8mmol)およびA−04b(3.0mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製する。収量:1.0g、含量60%。HPLC−MS:Rt=2.19/2.29分、(M+H)+=442。
【0038】
A−05)N−[5−(6−クロロ−ピリジン−3−カルボニル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−アセトアミド
【化18】

A−05は、A−01c(8.44g、43.7mmol)および6−クロロ−ニコチノイルクロリド(13.1g、74.3mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製する。収量:4.85g、含量40%。HPLC−MS:Rt=1.96/1.99分、(M+H)+=333/335。
【0039】
A−06)5−[6−(tert−ブトキシカルボニル−エチル−アミノ)−ピリジン−3−カルボニル]−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸
【化19】

A−06は、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸(0.50g、2.8mmol)およびA−04b(1.34g、4.72mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製する。収量:0.76g。HPLC−MS:Rt=2.23/2.31分、(M+H)+=429。
【0040】
A−07)5−(6−クロロ−ピリジン−3−カルボニル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸
【化20】

A−07は、4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸(5.00g、27.8mmol)および6−クロロ−ニコチノイルクロリド(7.33g、41.6mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製する。収量:7.37g。HPLC−MS:Rt=1.94分、(M+H)+=320/322。
【0041】
A−08)N−[5−(6−メチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−アセトアミド
【化21】

ナトリウムtert−ペントキシド(4.22g、38.4mmol)のDMSO(12mL)中混合物に、A−01c(2.47g、12.8mmol)を加え、反応混合物をRTで0.5時間撹拌する。6−メチル−ニコチン酸メチルエステル(2.71g、17.9mmol)を、2.5mLのDMSOに溶かし、反応混合物に1時間かけて滴下して加える。反応混合物を0.5時間撹拌し、次いで、酢酸(3.1mL、54mmol)を含む50mLの水に注ぐ。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。収量:5.59g、含量60%。HPLC−MS:Rt=1.73分、(M+H)+=313。
【0042】
A−09)N−tert−ブトキシカルボニル−[5−(2−アセチルアミノ−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−カルボニル)−ピリジン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化22】

【0043】
A−09a)6−[N,N−ジ−(tert−ブトキシカルボニル)−アミノ]−ニコチン酸
【化23】

6−アミノ−ニコチン酸メチルエステル(13.7g、90.0mmol)、トリエチルアミン(12.5mL、90.0mmol)およびDMAP(3.30g、27.0mmol)を200mLのDCMに入れ、二炭酸ジ−tert−ブチル(41.3g、189mmol)のDCM(40mL)溶液を滴下して加える。反応混合物をRTで終夜撹拌する。5%のKHSO4水溶液を加え、反応混合物をDCMで抽出する。合わせた有機相をKHCO3の50%飽和水溶液で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。収量:34.9g。
この残留物の17.3gを、150mLのMeOHおよび300mLの水の混合物に入れ、水酸化リチウム(2.33g、97.3mmol)を加え、反応混合物をRTで3時間撹拌する。反応混合物を酢酸でpH4に酸性化し、生成する析出物を濾別し、水で洗い、真空乾燥する。収量:11.8g。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.0 (s, 1H), 8.2 (d, 1H), 7.2 (d, 2H), 1.4 (s, 18H).
【0044】
A−09b)N−tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロカルボニル−ピリジン−2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化24】

A−09a(5.00g、14.8mmol)をトルエンとの共沸蒸留によって脱水し、次いで、20mLの無水THFに入れ、0℃に冷却する。1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニル−アミン(3.95g、30.0mmol)を滴下して加え、反応混合物をRTで3時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を精製なしに次のステップで用いる。
【0045】
A−09は、A−01c(2.50g、12.9mmol)およびA−09b(6.93g、19.4mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製される。収量:2.65g。HPLC−MS:Rt=2.51/2.57分、(M+H)+=514。
【0046】
A−10)N−[5−(6−クロロ−ピリジン−3−カルボニル)−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−2−イル]−アセトアミド
【化25】

A−10は、A−02c(1.15g、5.55mmol)および6−クロロ−ニコチノイルクロリド(1.47g、8.32mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製する。収量:0.36g。HPLC−MS:Rt=2.01分、(M+H)+=347/349。
【0047】
A−11)2−メチル−5−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−4−オン
【化26】

【0048】
A−11a)2−メチル−4−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−5−カルボン酸エチルエステル
【化27】

5−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(15g、97.3mmol)、炭酸カリウム(20.2g、146mmol)および5−ブロモ吉草酸エチル(17.1mL、107mmol)のアセトニトリル(150mL)中混合物を加熱還流し、2時間撹拌する。反応混合物をRTまで冷却し、減圧下で濃縮し、200mLのジクロロメタンに入れ、100mLの水で3回洗う。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。収量:24.4g、位置異性体の混合物。異性体生成物を280mLのトルエンに入れ、カリウムtert−ブトキシド(14.8g、107mmol)を加え、反応混合物を加熱還流し、3.5時間撹拌する。反応混合物をRTに冷却し、100mLの水で抽出する。水相を6NのHClでpH6に酸性化し、析出する固体を濾別し、真空乾燥する。収量:4.87g。HPLC−MS:Rt=2.20分、(M+H)+=237。
【0049】
A−11b)2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]アゼピン−4−オン
【化28】

A−11a(4.69g、19.9mmol)を、36mLの4N HClに入れ、加熱還流し、2時間撹拌する。反応混合物をRTに冷却し、減圧下で濃縮する。収量:4.64g。HPLC−MS:Rt=1.81分、(M+H)+=165。
【0050】
A−11c)1−トリチル−1H−イミダゾール−4−カルボニルクロリド
【化29】

メチル−4−イミダゾールカルボキシレート(9.20g、73mmol)を、130mLのジクロロメタンに入れ、トリエチルアミン(20.2mL、146mmol)およびクロロトリフェニルメタン(22.4g、80.2mmol)を加える。反応混合物をRTで終夜撹拌する。反応混合物を5%のNaHCO3水溶液で洗い、有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。収量:26.9g。位置異性体の混合物。異性体生成物を80mLのメタノールに入れ、水酸化リチウム(3.50g、24.0mmol)の水(100mL)溶液を、滴下して加え、反応混合物をRTで終夜撹拌する。反応混合物を酢酸でpH4に酸性化し、200mLのジクロロメタンで1回、100mLのジクロロメタンで1回抽出する。有機相を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を10%の酢酸エチルを含む100mLのシクロヘキサンで磨砕する。収量:10.5g、位置異性体の混合物。異性体生成物(3.00g、8.47mmol)を、5mLの無水THFに入れ、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(2.15mL、16.1mL)および1mLのジメチルアセトアミドを加える。反応混合物をRTで0.5時間撹拌し、減圧下で濃縮する。収量:3.2g。
【0051】
A−11は、A−11b(0.50g、3.0mmol)およびA−11c(2.84g、7.61mmol)から出発して一般的手順A2を用いて調製される。収量:5.0g、含量最大値30%。HPLC−MS:Rt=2.61分、(M−H)-=499。
【0052】
A−12)5−ジメチルアミノメチレン−2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オン
【化30】

【0053】
A−12a)2−(3−エトキシカルボニル−プロピル)−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【化31】

5−フェニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(9.10g、45.0mmol)を、100mLのアセトニトリルに入れ、60℃に加熱する。4−ブロモ酪酸エチル(8.78g、45.0mmol)および炭酸カリウム(8.09g、58.5mmol)を加え、反応混合物を85℃に加熱し、還流下で5時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残留物を水に入れ、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中8〜40%の酢酸エチル)によって精製する。収量:10.3g。Rf(シリカゲル、DCM中2%メタノール)=0.41。
【0054】
A−12b)2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オン
【化32】

80℃で、200mLのトルエン中のA−12a(10.0g、31.6mmol)をカリウムtert−ブトキシド(4.26g、37.9mmol)のトルエン(150mL)中混合物に3時間かけて加える。添加終了後に反応混合物を90℃でさらに1時間撹拌し、次いで、3MのHClに注ぐ。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を減圧下で濃縮する。残留物を50mLのジオキサンに入れ、150mLの6N HCLを加え、反応混合物を90℃で3時間撹拌する。反応混合物を炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中20〜43%の酢酸エチル)によって精製する。収量:2.5g。HPLC−MS:Rt=1.96分、(M+H)+=213。
【0055】
A−12は、A−12b(0.60g、2.83mmol)から出発して一般的手順A1を用いて調製する。収量:1.2g(未精製)。HPLC−MS:Rt=1.86分、(M+H)+=268。

例B−01からB−16は、一般的手順B1またはB2に従って合成する。合成に必要とされる適切なケト−エン−アミンまたはジケトンおよびヒドラジンは、例の表から推定できる。
【0056】
一般的手順B1:
適切なケト−エン−アミンまたは1,3−ジケトン(1当量)および適切なヒドラジンまたはヒドラジン塩(1〜5当量)を酢酸に入れ、反応物を90℃で1〜5時間加熱する。酢酸を減圧下で除去し、残留物を水に入れる。反応混合物を2MのNaOH水溶液でpH5〜6に中和し、DCMで抽出する。合わせた有機相を水および塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物は、NPまたはRPカラムクロマトグラフィーによって精製できる。
【0057】
一般的手順B2:
適切な1,3−ジケトン(1当量)および適切なヒドラジンまたはヒドラジン塩(1〜5当量)をピリジンに入れ、反応物を60℃で1〜16時間加熱する。ピリジンを減圧下で除去し、残留物を水に入れる。反応混合物を5%クエン酸水溶液でpH5〜6に酸性化し、DCMで抽出する。合わせた有機相を水および塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物は、NPまたはRPカラムクロマトグラフィーによって精製でき、保護基は除去されなければならないことがある。
【0058】
【表1】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】
例C−01からC−13は、一般的手順Cに従って合成する。合成に必要とされる、適切なケト−エン−アミンおよびアミジンまたはグアニジンは、例の表から推定できる。
【0066】
一般的手順C:
適切なケト−エン−アミン(1当量)および適切なアミジン塩またはグアニジン塩(1〜3当量)をピリジンに入れ、マイクロ波を用い、150℃に30分間加熱する。反応混合物をRTに冷却し、NaHCO3の飽和水溶液を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水および塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物は、NPまたはRPカラムクロマトグラフィーを用いて精製できる。
【0067】
【表2】

【0068】

【0069】

【0070】
例D−01)1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−カルボン酸メチルアミド
【化33】

【0071】
D−01a)1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−カルボン酸
【化34】

15mLのジオキサンおよび50mLの水の混合物中、B−07(3.16g、9.80mmol)の溶液にLiOH(0.59g、25mmol)を加え、反応混合物をRTで2日間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物をさらなる精製なしに用いる。
【0072】
D−01a(0.50g、1.7mmol)を、15mLのDMFに懸濁し、HATU(1.3g、3.4mmol)およびDIPEA(1.8mL、10mmol)を加え、反応混合物をRTで10分間撹拌する。メチルアミン(THF中2M、2.5mL)の溶液を加え、反応混合物をRTで終夜撹拌する。水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチル)によって精製する。収量:0.35g。HPLC−MS:Rt=1.99分、(M+H)+=308。
【0073】
D−02)8−フェニル−4,5−ジヒドロ−3,3a,7,9−テトラアザ−ベンズ[e]インデン−2−カルボン酸
【化35】

D−02は、C−09から、例D−01aと同様にして調製する。HPLC−MS:Rt=2.43分、(M+H)+=293。
例D−03からD−26は、例D−01と同様にして合成する。合成に必要とされる、適切な酸およびアミンは、例の表から推定できる。
【0074】
【表3】

【0075】

【0076】

【0077】

【0078】

【0079】
E−01)N−[3−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−1−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イル]−アセトアミド
【化36】

B−17(50mg、0.14mmol)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中2M、134μL)、2−ビフェニルジシクロヘキシルホスフィン(9.5mg、27μmol)およびトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(12mg、13μmol)の混合物をマイクロ波照射を用い、120℃で10分間加熱する。反応混合物をメタノールに入れ、減圧下で濃縮する。残留物をRP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中2〜98%のアセトニトリル)によって精製する。収量:16mg。HPLC−MS:Rt=1.26分、(M+H)+=352。
【0080】
例E−02およびE−03は、例E−01と同様にして合成する。合成に必要とされる適切な出発材料は、例の表から推定できる。
【0081】
【表4】

F−01)1−イソプロピル−3−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イルアミン
【化37】

B−24(0.24g、0.68mmol)を5mLのジオキサンに入れ、0.54mLの濃HClを加え、反応混合物を80℃で0.5時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中7〜50%のアセトニトリル)によって精製する。収量:36mg。HPLC−MS:Rt=1.37分、(M+H)+=309。
【0082】
F−02)3−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イルアミン
【化38】

F−02は、B−26から出発してF−01と同様にして調製する。HPLC−MS:Rt=1.18分、(M+H)+=358。
【0083】
G−01)[3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イル]−メタノール
【化39】

B−22(0.82g、2.0mmol)を28mLの無水THFに入れ、反応混合物を0℃に冷却し、ホウ素−THF錯体(THF中1M、14mL)を加え、RTまで昇温しながら反応混合物を終夜撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、5mLの水を加える。冷却浴を取り除き、反応混合物をRTで0.5時間撹拌する。反応混合物をDCMで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル中0〜5%のイソプロパノール)によって精製する。収量:0.38g。HPLC−MS:Rt=1.67分、(M+H)+=392/394。
【0084】
G−02)7−クロロメチル−3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン
【化40】

G−01(0.38g、0.97mmol)を4mLのDCMに入れ、塩化チオニル(0.14mL、1.9mmol)を加え、反応混合物をRTで1時間撹拌する。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残留生成物をさらなる精製なしに次で用いる。収量:0.43g。HPLC−MS:Rt=2.66分、(M+H)+=410/412。
【0085】
G−03)[3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イル]−アセトニトリル
【化41】

G−02(140mg、341μmol)を1mLのDMSOに入れ、シアン酸ナトリウム(50mg、1.0mmol)を加え、反応混合物をRTで2時間撹拌する。生成物をRP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中50〜98%のメタノール)によって精製する。収量:64mg。HPLC−MS:Rt=1.91分、(M+H)+=401/403。
【0086】
G−04)[3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−イルメチル]−メチル−アミン
【化42】

G−02(177mg、431μmol)を、1mLのDMSOに入れ、メチルアミン(THF中2M、1.1mL)を加え、反応混合物をRTで1時間撹拌する。生成物をRP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中50〜98%のメタノール)によって精製する。収量:28mg。HPLC−MS:Rt=1.96分、(M+H)+=405/407。
【0087】
G−05)3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−7−メチル−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン
【化43】

G−02(140mg、341μmol)を15mLのメタノールに入れ、カーボン担持パラジウム(5%、60mg)を加え、反応混合物を5barの水素ガスの下においてRTで2時間撹拌する。反応混合物をセライト濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を、RP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中40〜98%のメタノール)によって精製する。収量:8.7mg。HPLC−MS:Rt=1.94分、(M+H)+=376/378。
【0088】
G−06)3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−o−トリル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,5a,6−テトラアザ−as−インダセン−7−カルボニトリル
【化44】

D−16(50mg、124μmol)を1mLのオキシ塩化リンに入れ、五塩化リン(97mg、469μmol)を加え、反応混合物をマイクロ波放射を用いて、120℃で10分間加熱する。反応混合物を、15mLの氷水に投入し、反応混合物をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をRP HPLC(C18、0.1%のギ酸を含む水中50〜98%のメタノール)によって精製する。収量:20mg。HPLC−MS:Rt=2.07分、(M+H)+=387/389。
【0089】
さらに、以下の化合物を、本明細書またはWO2006/040279に記載の方法に従って調製できる。
【化45】

【0090】
分析方法1
HPLC:Agilent 1100シリーズ
MS:Agilent LC/MSD SL
カラム:Phenomenex、Mercury Gemini C18、3μm、2.0×20mm
溶媒 A:5mMのNH4HCO3/20mMのNH3
B:アセトニトリル HPLCグレード
検出: MS:正負
質量範囲:120〜700m/z
フラグメンター:70
ゲイン EMV:1
閾値:150
ステップサイズ:0.25
UV:315nm
帯域幅:170nm
リファレンス:オフ
レンジ:210〜400nm
レンジステップ:2.00nm
ピーク幅:< 0.01分
スリット:2nm
注入:5μL
流量:1.00mL/分
カラム温度:40℃
勾配: 0.00 分 5%B
0.00〜2.50分 5%→95%B
2.50〜2.80分 95%B
2.81〜3.10分 95%→5%B
【0091】
分析方法2
HPLC:Agilent 1100/1200シリーズ
MS:Agilent LC/MSD SL
カラム:Waters、Sunfire、C18、5μm、2.1×50mm
溶媒 A:H2O+0.1%のギ酸
B:アセトニトリルのHPLCグレード+0.1%ギ酸
検出: MS:正負
質量範囲:100〜750m/z
フラグメンター:70
ゲインEMV:1
閾値:150
ステップサイズ:0.30
UV:254/210nm
帯域幅:8nm
リファレンス:オフ
レンジ:190〜400nm
レンジステップ:4.00nm
ピーク幅:<0.01分
スリット:4nm
注入:1〜5μL
流量:1.00mL/分
カラム温度:40℃
勾配: 0.00〜0.10分 5%B
0.10〜1.50分 5%→95%B
1.50〜2.10分 95%B
2.10〜2.20分 95%→5%B
【0092】
【表5】

【0093】
以下の例は、これらの例に本発明を限定することなく、本発明による化合物の生物活性を記載する。
【0094】
PC3増殖試験
試験は、蛍光染料の結合による、細胞DNA含量の測定に基づく。細胞DNA含量は高度に調節されているので、それは、細胞数に、きっちりと比例する。増殖の程度は、薬剤により処理された試料に対する細胞数を無処理コントロールと比較することによって求められる。PC3(ヒト前立腺癌細胞系)細胞を、マイクロタイタープレートに播種し、培養基において37℃および5%のCO2で終夜インキュベートする。試験物質は段階希釈し、全容積が200μL/ウェルであるように細胞に加える。物質でなく希釈液が添加された細胞が、コントロールとしての役目を果たす。3日間のインキュベーション時間の後、培地を100μL/ウェルの染料結合溶液に置き換え、細胞を、暗所において37℃でさらに60分間インキュベートする。蛍光を測定するために、励起は、485nmの波長で行われ、発光は530nmで測定する。EC50値は、GraphPad Prismプログラムを用いて計算する。挙げられた例のほとんどの化合物は、10μM未満のEC50(PC3の増殖)を有する。
【0095】
PC3細胞におけるP−AKTの測定
PC3細胞におけるP−AKTレベルを、細胞ベース(cell−based)ELISAによって検出する。細胞は、96ウェルプレートで培養し、試験物質の段階希釈液により2時間処理する。物質でなく希釈液が添加された細胞が、コントロールとしての役目を果たす。次に、細胞を素早く固定して、タンパク質の修飾を保存する。次いで、各ウェルを、Ser473−リン酸化AKTに特異的な1次抗体と共にインキュベートする。HRP標識(HRP−conjugated)2次抗体および現像液との次のインキュベーションにより、450nmでの比色計の読みを得る。EC50値は、GraphPad Prismプログラムを用いて計算する。挙げられた例のほとんどの化合物は、10μM未満のEC50(P−AKT PC3)を有する。
【0096】
本発明の物質は、PI3キナーゼ阻害剤である。それらの生物学的特性によって、一般式(1)の新規化合物およびそれらの異性体、ならびに生理学的に許容されるそれらの塩は、過剰または異常細胞増殖によって特徴付けられる疾患の治療に適している。
【0097】
これらの疾患には、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIVおよびカポジ肉腫);炎症および自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、糸球体腎炎および創傷治癒);バクテリア、真菌および/または寄生生物感染症;白血病、リンパ腫および固形腫瘍;皮膚疾患(例えば、乾癬);骨の疾患;心臓血管疾患(例えば、再狭窄および肥大)が含まれる。さらに、化合物は、増殖性細胞(例えば、有毛細胞、腸細胞、血球および前駆細胞)を、照射、UV処理および/または細胞増殖抑制処理に起因する、DNA損傷から保護するのに有用である(Davis et al., 2001)。
【0098】
例えば、これらに限定されないが、次の癌疾患は、本発明による化合物により治療できる:脳腫瘍(例えば、聴神経腫瘍)、星細胞腫(例えば、毛様細胞性星細胞腫、原線維性星細胞腫、原形質性星細胞腫、肥胖細胞性星細胞腫、退形成性星細胞腫および膠芽腫)、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍(例えば、プロラクチン産生腺腫、HGH(ヒト成長ホルモン)産生腫瘍およびACTH−産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン))、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、および乏突起膠腫;神経腫瘍(新生物)、例えば、自律神経系の腫瘍(例えば、交感神経芽細胞腫、神経節細胞腫、傍神経節腫(褐色細胞腫およびクロム親和性細胞腫)ならびに頚動脈小体腫瘍)、末梢神経系の腫瘍(例えば、断端神経腫、神経線維腫、神経鞘腫(neurinoma、neurilemoma、schwannoma)および悪性神経鞘腫(malignant schwannoma))、さらには、中枢神経系の腫瘍、例えば、脳および脊髄の腫瘍;腸癌、例えば、直腸癌、結腸癌、肛門癌、小腸腫瘍および十二指腸腫瘍;眼瞼腫瘍、例えば、基底細胞腫または基底細胞癌;膵臓腺癌または膵臓癌;膀胱癌(bladder cancerまたはbladder carcinoma);肺癌(気管支癌)、例えば、小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)および非小細胞気管支癌(例えば、扁平上皮癌、腺癌および大細胞気管支癌);胸部癌、例えば、乳癌(例えば、浸潤性乳管癌、膠様癌、浸潤性小葉癌、管状癌、腺様嚢胞癌、および乳頭癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、バーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)、および菌状息肉腫;子宮癌もしくは子宮内膜癌または子宮体癌;CUP症候群(原発不明癌);卵巣癌(overian cancerまたははoverian carcinoma)、例えば、粘液、子宮内膜または漿液癌;胆嚢癌;胆管癌、例えば、クラツキン腫瘍;精巣癌、例えば、セミノーマおよび非セミノーマ;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば、悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、慢性リンパ性白血病)、有毛細胞白血病、免疫細胞腫、形質細胞腫(多発性骨髄腫)、免疫芽細胞腫(immunoblastoma)、バーキットリンパ腫、T−ゾーン菌状息肉腫、大細胞未分化リンパ芽腫およびリンパ芽腫;喉頭癌、例えば、声帯首腫瘍、声門上部、声門、および声門下喉頭腫瘍;骨癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxoidfibroma)、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、線維性骨異形成症、若年性骨嚢胞、および動脈瘤骨嚢胞;頭/首腫瘍、例えば、唇、舌、口腔底、口腔、歯肉、パレット(pallet)、唾液腺、咽頭、鼻腔、副鼻腔、喉頭および中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝細胞癌(liver cell carcinomaまたはhepatocellular carcinoma(HCC));白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌(stomach cancerまたはstomach carcinoma)、例えば、乳頭腺、管状腺および粘液腺癌、印環細胞癌、腺様扁平上皮癌、小細胞癌および未分化癌;黒色腫、例えば、表在拡大型、結節型悪性黒子型および末端黒子型黒色腫;腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌または副腎腫またはグラビッツ腫瘍;食道癌(oesophageal cancerまたはoesophageal carcinoma);ペニスの癌;前立腺癌;咽頭癌(pharyngeal cancerまたはpharyncal carcinoma)、例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌、および下咽頭癌;網膜芽細胞腫;膣癌(vaginal cancerまたはvaginal carcinoma);扁平上皮癌、腺癌、元の位置にある(in situ)癌、悪性黒色腫、および肉腫;甲状腺癌、例えば、乳頭、滬胞および髄様甲状腺癌、さらには未分化癌;皮膚の棘細胞腫(spinalioma)、有棘細胞癌(prickle cell carcinoma)および扁平上皮癌;胸腺腫、尿道癌および外陰癌。
【0099】
新規化合物は、適切である場合、他の最新の化合物、例えば、他の抗腫瘍物質、細胞毒性物質、細胞増殖阻害剤、抗血管新生物質、ステロイドまたは抗体と組み合わせることを含めて、前記疾患の予防、または短期もしくは長期の治療のために用いることができる。
【0100】
一般式(1)の化合物は、それらを単独で、または本発明による他の活性化合物と組み合わせて、また、適切である場合、薬理学的に活性な他の化合物とも組み合わせて、用いることができる。本発明による化合物と組み合わせて投与され得る化学療法剤には、これらに限定されないが、ホルモン、ホルモン類似体、および抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、ブセレリン酢酸塩、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロンおよびオクトレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、およびアタメスタン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、ゴセレリン酢酸塩、およびリュープロリド(LUPROLIDE))、成長因子の阻害剤(血小板由来成長因子および肝細胞成長因子のような成長因子、阻害剤の例は、成長因子抗体、成長因子受容体抗体、およびチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ゲフィチニブ、イマニチブ、ラパチニブ、アービタックス(Erbitux)(登録商標)およびトラスツズマブ);代謝拮抗剤(例えば、葉酸代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサートおよびラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビンおよびゲムシタビン、プリンおよびアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビンおよびペントスタチン、シタラビンおよびフルダラビン);抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンおよびイダルビシン)、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシンならびにストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン(meclorethamine)、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミドおよびテモゾロミド、ニトロソウレア(例えば、カルムスチンおよびロムスチン)ならびにチオテパ);抗有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビンおよびビンクリスチン;ならびに、タキサン、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシドおよびエトポホス(etopophos)、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカンおよびミトキサントロン)、ならびに様々な化学療法剤、例えば、アミホスチン、アナグレリド、クロドロネート(clodronate)、フィルグラスチン(filgrastin)、インターフェロンα、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、 パミドロナート(pamidronate)およびポルフィマーが含まれる。
【0101】
使用に適する形態の例は、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に、注射(s.c.、i.v.、i.m.)および注入のための溶液、シロップ、エマルジョンまたは分散性粉末である。これに関連して、薬学的に活性な(1種または複数の)化合物の割合は、それぞれの場合に、全組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲にあるべきである、すなわち、下で指定される投薬量範囲を達成するのに十分な量であるべきである。必要な場合、記載の投薬量を1日に数回与えることができる。
適切な錠剤は、例えば、(1種または複数の)活性化合物を、知られている補助物質、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはラクトース)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンもしくはアルギン酸)、バインダー(例えば、デンプンもしくはゼラチン)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルク)、ならびに/または、デポ効果を達成するための作用剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレートもしくはポリビニルアセテート)と混合することによって得ることができる。錠剤はまた、いくつかの層を備え得る。
【0102】
関連して、糖被覆錠剤は、錠剤と同様に調製されたコアを、糖被覆に通常用いられる剤(例えば、コリドンもしくはシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタンもしくは糖)により被覆することによって製造される。コアはまた、デポ効果を達成するために、または不適合性を避けるために、いくつかの層を備えていてもよい。
同じ様に、糖被覆はまた、デポ効果を達成するように、いくつかの層を備えていてもよく、錠剤の場合に上で挙げた補助物質を用いることが可能である。
【0103】
本発明による活性化合物または活性化合物の組合せのシロップは、甘味料(例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロールもしくは糖)、さらには風味向上剤(例えば、バニリンもしくはオレンジエキスのような香味剤)をさらに含み得る。それらは、懸濁助剤または増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、湿潤剤(例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物)、または保護剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾエート)もまた含み得る。
注射および注入溶液は、通常の方法で、例えば、等張剤、保存剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾエート)、または安定剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩)を加え、適切である場合、乳化剤および/または分散剤を用いて生成され、例えば、希釈剤として水を用いる時に、適切である場合、可溶化剤または補助溶媒として有機溶媒を用いることが可能であり、注射ボトルもしくはアンプル、または注入ボトルに分取される。
【0104】
カプセルは、1種または複数の活性化合物または活性化合物の組合せを含み、例えば、活性化合物を不活性担体(例えば、ラクトースもしくはソルビトール)と混合し、その混合物をゼラチンカプセルにカプセル化することによって製造できる。適切な座薬は、例えば、この目的を想定した添加剤(例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール、またはそれらの誘導体)と混合することによって製造できる。
【0105】
例として挙げることができる補助物質は、水、薬学的に問題のない有機溶媒、例えばパラフィン(例えば、石油留分)、植物由来のオイル(例えば、落花生油もしくはゴマ油)、1価もしくは多価アルコール(例えば、EtOHもしくはグリセロール)、担体物質、例えば、天然無機粉末(例えば、カオリン、粘土質土、タルクおよびチョーク)、合成無機粉末(例えば、高分散性ケイ酸およびケイ酸塩)、糖(例えば、ショ糖、ラクトースおよびブドウ糖)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプンおよびポリビニルピロリドン)、ならびに流動促進剤(glidant)(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸およびラウリル硫酸ナトリウム)である。
投与は、通常の方法で、好ましくは、経口または経皮で、特に好ましくは経口で実施される。経口使用の場合、錠剤は、また、前記担体物質以外に、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸二カルシウムのような添加剤を、デンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチンなどのような様々なさらなる物質と一緒に、当然のこととして含み得る。さらに、錠剤化のために、流動促進剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクを用いることもまた可能である。水性懸濁液の場合、様々な風味向上剤または染料もまた、前記補助物質に加えて、活性化合物に添加され得る。
非経口投与では、適切な液体担体材料を用い、活性化合物の溶液を用いることが可能である。静脈内投与での投薬量は、1〜1000mg/時間、好ましくは5mg/時間〜500mg/時間の間である。
【0106】
これにもかかわらず、適切である場合、体重または投与経路の特質、医薬品に対する個人の反応、その製剤の特質、および投与が行われる時間または間隔に応じて、前記の量を変えることが必要であり得る。このため、ある場合には、前記の最低量より少量で済まして十分であり得るし、別の場合には、前記の上限を超えなければならない。比較的大きな量が投与されている時には、これらを、1日のうちに与えられるいくつかの1回用量に分割することが適切であり得る。
【実施例】
【0107】
以下の製剤例は、本発明を例示するが、その範囲を限定しない。
医薬製剤例

【0108】
細かく粉砕した活性化合物、ラクトース、およびトウモロコシデンプンの一部を、互いに混合する。混合物を篩にかけ、その後、それを、ポリビニルピロリドンの水溶液で湿らせ、混練し、湿式造粒し、乾燥する。顆粒状材料、トウモロコシデンプンの残りおよびステアリン酸マグネシウムを篩にかけ、互いに混合する。混合物をプレスして、適切な形状および大きさの錠剤とする。

【0109】
細かく粉砕した活性化合物、トウモロコシデンプンの一部、ラクトース、マイクロクリスタリンセルロースおよびポリビニルピロリドンを互いに混合し、その後、混合物を篩にかけ、トウモロコシデンプンの残りおよび水と一緒に、顆粒状材料を作り、これを乾燥し、篩にかける。次に、顆粒状材料に、カルボキシメチルデンプンナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加え、それを混合し、混合物をプレスして適切な大きさの錠剤とする。
【0110】

【0111】
活性化合物を、その固有のpH、または適切である場合、pH5.5〜6.5のいずれかで、水に溶かし、その後、塩化ナトリウムを、等張化剤として加える。得られる溶液を、濾過によって、パイロジェンフリー(pyrogen−free)にし、濾液を無菌条件下でアンプルに分取し、次いで、それらを、滅菌し、溶融によって密封する。アンプルは、5mg、25mg、および50mgの活性化合物を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立にR5を表し、
Aは、芳香族環を表し、
Xは、置換されていてもよいC1−C3アルキリデン鎖であって、1個または2個の非隣接メチレン単位が、独立に、C(O)、C(O)NRgg、NRgC(O)、SO、SO2、NRgSO2、SO2NRgg、O、S、またはNRggによって置き換えられていてもよく、
mおよびkは、独立に、0または1を表し、
各R5は、Ra、Rb、ならびに同じもしくは異なる1つまたは複数のRbおよび/またはRcによって置換されたRaの中から選択される基を表し、
各Raは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロアリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRbおよび/またはRcによって置換されていてもよい基を表し;
各Rbは、適切な基を表し、=O、−ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRc、=NRc、=NORc、=NNRcc、=NN(Rg)C(O)NRcc、−NRcc、−ONRcc、−N(ORc)Rc、−N(Rg)NRcc、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Rc、−S(O)ORc、−S(O)2c、−S(O)2ORc、−S(O)NRcc、−S(O)2NRcc、−OS(O)Rc、−OS(O)2c、−OS(O)2ORc、−OS(O)NRcc、−OS(O)2NRcc、−C(O)Rc、−C(O)ORc、−C(O)SRc、−C(O)NRcc、−C(O)N(Rg)NRcc、−C(O)N(Rg)ORc、−C(NRg)NRcc、−C(NOH)Rc、−C(NOH)NRcc、−OC(O)Rc、−OC(O)ORc、−OC(O)SRc、−OC(O)NRcc、−OC(NRg)NRcc、−SC(O)Rc、−SC(O)ORc、−SC(O)NRcc、−SC(NRg)NRcc、−N(Rg)C(O)Rc、−N[C(O)Rc2、−N(ORg)C(O)Rc、−N(Rg)C(NRg)Rc、−N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、−N[C(O)Rc]NRcc、−N(Rg)C(S)Rc、−N(Rg)S(O)Rc、−N(Rg)S(O)ORc、−N(Rg)S(O)2c、−N[S(O)2c2、−N(Rg)S(O)2ORc、−N(Rg)S(O)2NRcc、−N(Rg)[S(O)22c、−N(Rg)C(O)ORc、−N(Rg)C(O)SRc、−N(Rg)C(O)NRcc、−N(Rg)C(O)NRgNRcc、−N(Rg)N(Rg)C(O)NRcc、−N(Rg)C(S)NRcc、−[N(Rg)C(O)]2c、−N(Rg)[C(O)]2c、−N{[C(O)]2c2、−N(Rg)[C(O)]2ORc、−N(Rg)[C(O)]2NRcc、−N{[C(O)]2ORc2、−N{[C(O)]2NRcc2、−[N(Rg)C(O)]2ORc、−N(Rg)C(NRg)ORc、−N(Rg)C(NOH)Rc、−N(Rg)C(NRg)SRc、−N(Rg)C(NRg)NRccおよび−N=C(Rg)NRccの中から互いに独立に選択され、
各Rcは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロ−アリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRdおよび/またはReによって置換されていてもよい基を表し、
各Rdは、適切な基を表し、=O、−ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRe、=NRe、=NORe、=NNRee、=NN(Rg)C(O)NRee、−NRee、−ONRee、−N(Rg)NRee、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Re、−S(O)ORe、−S(O)2e、−S(O)2ORe、−S(O)NRee、−S(O)2NRee、−OS(O)Re、−OS(O)2e、−OS(O)2ORe、−OS(O)NRee、−OS(O)2NRee、−C(O)Re、−C(O)ORe、−C(O)SRe、−C(O)NRee、−C(O)N(Rg)NRee、−C(O)N(Rg)ORe、−C(NRg)NRee、−C(NOH)Re、−C(NOH)NRee、−OC(O)Re、−OC(O)ORe、−OC(O)SRe、−OC(O)NRee、−OC(NRg)NRee、−SC(O)Re、−SC(O)ORe、−SC(O)NRee、−SC(NRg)NRee、−N(Rg)C(O)Re、−N[C(O)Re2、−N(ORg)C(O)Re、−N(Rg)C(NRg)Re、−N(Rg)N(Rg)C(O)Re、−N[C(O)Re]NRee、−N(Rg)C(S)Re、−N(Rg)S(O)Re、−N(Rg)S(O)ORe −N(Rg)S(O)2e、−N[S(O)2e2、−N(Rg)S(O)2ORe、−N(Rg)S(O)2NRee、−N(Rg)[S(O)22e、−N(Rg)C(O)ORe、−N(Rg)C(O)SRe、−N(Rg)C(O)NRee、−N(Rg)C(O)NRgNRee、−N(Rg)N(Rg)C(O)NRee、−N(Rg)C(S)NRee、−[N(Rg)C(O)]2e、−N(Rg)[C(O)]2e、−N{[C(O)]2e2、−N(Rg)[C(O)]2ORe、−N(Rg)[C(O)]2NRee、−N{[C(O)]2ORe2、−N{[C(O)]2NRee2、−[N(Rg)C(O)]2ORe、−N(Rg)C(NRg)ORe、−N(Rg)C(NOH)Re、−N(Rg)C(NRg)SRe、−N(Rg)C(NRg)NReeおよび−N=C(Rg)NReeの中から互いに独立に選択され、
各Reは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロ−アリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRfおよび/またはRgによって置換されていてもよい基を表し、
各Rfは、適切な基を表し、それぞれの場合に=O、−ORg、C1-3ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRg、=NRg、=NORg、=NNRgg、=NN(Rh)C(O)NRgg、−NRgg、−ONRgg、−N(Rh)NRgg、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Rg、−S(O)ORg、−S(O)2g、−S(O)2ORg、−S(O)NRgg、−S(O)2NRgg、−OS(O)Rg、−OS(O)2g、−OS(O)2ORg、−OS(O)NRgg、−OS(O)2NRgg、−C(O)Rg、−C(O)ORg、−C(O)SRg、−C(O)NRgg、−C(O)N(Rh)NRgg、−C(O)N(Rh)ORg、−C(NRh)NRgg、−C(NOH)Rg、−C(NOH)NRgg、−OC(O)Rg、−OC(O)ORg、−OC(O)SRg、−OC(O)NRgg、−OC(NRh)NRgg、−SC(O)Rg、−SC(O)ORg、−SC(O)NRgg、−SC(NRh)NRgg、−N(Rh)C(O)Rg、−N[C(O)Rg2、−N(ORh)C(O)Rg、−N(Rh)C(NRh)Rg、−N(Rh)N(Rh)C(O)Rg、−N[C(O)Rg]NRgg、−N(Rh)C(S)Rg、−N(Rh)S(O)Rg、−N(Rh)S(O)ORg、−N(Rh)S(O)2g、−N[S(O)2g2、−N(Rh)S(O)2ORg、−N(Rh)S(O)2NRgg、−N(Rh)[S(O)22g、−N(Rh)C(O)ORg、−N(Rh)C(O)SRg、−N(Rh)C(O)NRgg、−N(Rh)C(O)NRhNRgg、−N(Rh)N(Rh)C(O)NRgg、−N(Rh)C(S)NRgg、−[N(Rh)C(O)]2g、−N(Rh)[C(O)]2g、−N{[C(O)]2g2、−N(Rh)[C(O)]2ORg、−N(Rh)[C(O)]2NRgg、−N{[C(O)]2ORg2、−N{[C(O)]2NRgg2、−[N(Rh)C(O)]2ORg、−N(Rh)C(NRh)ORg、−N(Rh)C(NOH)Rg、−N(Rh)C(NRh)SRg、−N(Rh)C(NRh)NRgg;および−N=C(Rh)NRhhの中から互いに独立に選択され、
各Rgは、互いに独立に、水素、あるいはC1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロ−アリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から選択される、同じもしくは異なる1つまたは複数のRhによって置換されていてもよい基を表し、
各Rhは、水素、C1-6アルキル、2〜6員のヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、5〜12員のヘテロアリール、6〜18員のヘテロアリールアルキル、3〜14員のヘテロシクロアルキルおよび4〜14員のヘテロシクロアルキルアルキルの中から互いに独立に選択される]
の化合物であって、それらの互変異性体、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグおよびそれらの混合物の形であってもよく、薬理学的に許容されるそれらの塩であってもよい化合物。
【請求項2】
Xが、C1-6アルキルによって置換されていてもよい、−CH2−、−(CH22−、および−(CH23−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3が、C6-10アリール、および5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、1つまたは複数のR4によって置換されていてもよい基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
3が、ピリジル、ピリミジルまたはピラゾリルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
3が、ハロゲン、−CN、−ORc、−NRcc、およびC1-6アルキル(Rbによって置換されていてもよい)からなる群から選択される残基によって置換されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
3が水素である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項7】
1が、−NHC(O)Rc、−NHC(O)ORc、−NHC(O)NRcc、および−C(O)NRccからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
1が、−NHC(O)CH3である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
4が、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、5〜12員のヘテロアリール、および3〜14員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
医薬品としての、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、または薬理学的に有効なそれらの塩。
【請求項11】
増殖抑制活性を有する医薬品を調製するための、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、または薬理学的に有効なそれらの塩。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の一般式(1)の1種または複数の化合物または薬理学的に有効なそれらの塩を活性物質として含み、通常の添加剤および/または担体と組み合わせられていてもよい医薬製剤。
【請求項13】
癌、感染症、炎症および自己免疫疾患の治療および/または予防のための医薬品を調製するための、請求項1から9のいずれか1項に記載の一般式(1)の化合物の使用。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか1項に記載の一般式(1)の化合物、および式(1)とは異なる他の少なくとも1種の細胞分裂抑制または細胞毒性活性物質を含む、医薬製剤であって、細胞分裂抑制または細胞毒性活性物質は、それらの互変異性体、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、および混合物の形であってもよく、さらには薬理学的に許容されるそれらの塩であってもよい、医薬製剤。

【公表番号】特表2012−505857(P2012−505857A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531487(P2011−531487)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063491
【国際公開番号】WO2010/043676
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】