説明

ホスホジエステラーゼ10の阻害剤としてのアリール及びヘテロアリール縮合イミダゾ(1,5−a)ピラジン

本発明は、イミダゾ[1,5−a]ピラジン誘導体と、それらを製造する方法と、これらの化合物を含む医薬製剤と、ヒトを含む哺乳類の中枢神経系疾患を治療するための活性化合物としての、ホスホジエステラーゼ10(PDE10)の阻害剤であるこれらの化合物の薬学的使用とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミダゾ[1,5−a]ピラジン誘導体と、それらの製造方法と、これらの化合物を含む医薬製剤と、中枢神経系におけるホスホジエステラーゼ10活性を阻害するために本発明による化合物を使用することにより影響され得るヒトを含む哺乳類の疾患を治療するための活性化合物としての、ホスホジエステラーゼ10の阻害剤であるこれらの化合物の薬学的使用とに関する。更に詳しくは、本発明は、神経障害及び精神障害、例えば精神病や、症状としての認知障害を含む障害の治療に関する。
【0002】
精神病性障害、とりわけ統合失調症は、日常生活に極めて支障を来す重症の精神障害である。精神病の症状は、2つの種類に分けることができる。急性期において、それは、陽性症状と呼ばれる幻覚及び妄想に支配される。急性期が軽減すると、いわゆる陰性症状が目立ってくる。陰性症状としては、認知障害、社会恐怖症、注意力の低下、無関心並びに言語学習及び言語記憶の障害、言語流暢性及び運動機能の障害が挙げられる。
【0003】
現在までに幾つかの抗精神病薬が利用可能であるものの、精神病の現在の治療は充分でない。ハロペリドール等、ドーパミンD2受容体に対する高親和性を有する古典的な抗精神病薬は、錐体外路症状(=EPS)等の極度の副作用を示し、統合失調症の陰性症状を改善しないため、患者を日常生活に戻すことができない。
【0004】
クロザピンは、統合失調症の陽性症状、陰性症状及び認知的症状を改善し、EPSがない標準治療薬として登場したが、主要な致死的副作用の可能性として無顆粒球症を示す(Capuano et al.,Curr Med Chem 9:521−548,2002)。また、依然として多くの治療抵抗性症例がある(Lindenmayer et al.,J Clin Psychiatry 63:931−935,2002)。
【0005】
結論としては、精神病の陽性症状、陰性症状及び認知的症状を改善し、且つ、より良好な副作用プロファイルを有する新規な抗精神病薬を開発する必要性が依然としてある。
【0006】
精神病の正確な病理学的機序は、まだ知られていない。幾つかの神経伝達物質系の機能障害が示された。関与する2つの主要な神経伝達物質系は、ドーパミン作動系及びグルタミン酸作動系である。
従って、急性精神病性症状は、ドーパミン作働薬によって刺激される可能性があり(Capuano et al.,Curr Med Chem 9:521−548,2002)、ハロペリドール等の古典的抗精神病薬は、ドーパミンD2受容体に対する高親和性を有する(Nyberg et al.,Psychopharmacology 162:37−41,2002)。ドーパミン作動性神経伝達物質系の活動亢進(アンフェタミン活動亢進、アポモルヒネ登攀)に基づく動物モデルは、統合失調症の陽性症状を模倣するために使用される。
【0007】
更に、グルタミン酸作動性神経伝達物質系が統合失調症の発症に重要な役割を果たしている証拠が増えつつある(Millan,Prog Neurobiol 70:83−244,2005)。従って、フェンシクリジンやケタミン等のNMDA拮抗薬は、ヒト及び齧歯類における統合失調症の症状を刺激する可能性がある(Abi−Saab et al.,Pharmacopsychiatry 31 Suppl 2:104−109,1998;Lahti et al.,Neuropsychopharmacology 25:455−467,2001)。フェンシクリジン及びMK−801の急性投与は、精神病症状を模倣するラットにおいて、活動亢進、常同行動、及び運動失調を誘発する。その上、ドーパミン作動性モデルとは対照的に、NMDA拮抗薬に基づく精神病の動物モデルは、精神病の陽性症状だけでなく、陰性症状及び認知的症状をも模倣する(Abi−Saab et at.,Pharmacopsychiatry 31 Suppl 2:104−109,1998;Jentsch and Roth,Neuropsychopharmacology 20:201−225,1999)。従って、NMDA拮抗薬は、更に、認知障害及び社会的相互作用障害を誘発する。
【0008】
これまでのところ、哺乳類においてホスホジエステラーゼの11のファミリーが同定されている(Essayan,J Allergy Clin Immunol 108:671−680,2001)。細胞シグナルカスケードにおけるPDEの役割は、環状ヌクレオチドcAMP及び/又はcGMPを不活性化させることである(Soderling and Beavo,Proc Natl Acad USA 96(12):7071−7076,2000)。cAMP及びcGMPは、Gタンパク質結合受容体のシグナルカスケードにおける重要な二次伝達物質であるので、PDEは、生体のホメオスタシスにおいて役割を果たす幅広い範囲の生理学的機序に関与する。
【0009】
PDEファミリーは、環状ヌクレオチドに対する基質特異性、調節の機序、及び阻害剤に対する感受性が異なる。その上、PDEファミリーは、器官の細胞の間で、更に細胞内で、生体内で異なって局在する。これらの差異により、各種生理機能におけるPDEファミリーの関与に差異が生じる。
【0010】
PDE10(PDE10A)は、主に、脳内で発現し、本明細書中では側坐核及び尾状核被殻の中で発現する。中程度に発現する領域は、視床、海馬、前頭部皮質、及び嗅結節である(Menniti et al.,William Harvey Research Conference,Porto,December 6th−8th,2001)。全てのこれらの脳領域は、統合失調症の病理学的機序に関与することが記載され(Lapiz et al.,Neurosci Behav Physiol 33:13−29,2003)、その酵素の位置が、精神病の病理学的機序において主要な役割を示す。
【0011】
線条において、PDE10Aは、主に中型有棘神経細胞に見出され、主にこれらの神経細胞のシナプス後膜に結合する(Xie et al.,Neuroscience 139:597−607,2006)。この位置により、PDE10Aは、精神病の病理学的機序において主な役割を果たす2種の神経伝達物質系のドーパミン作動系及びグルタミン酸作動系の中型有棘神経細胞への入力により誘発されるシグナルカスケードに対して重要な影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
ホスホジエステラーゼ(PDE)10Aは、特に、cAMP及びcGMPの両方を加水分解し、cAMPに対する親和性(Km=0.05μM)がcGMPに対する親和性(Km=3μM)よりも高い(Soderling et al.,Curr.Opin.Cell Biol 12:174−179,1999)。
【0013】
精神病患者は、cGMP及びcAMPのレベル並びにその下流の基質の機能障害を有することを示した(Kaiya,Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids 46:33−38,1992;Muly,Psychopharmacol Bull 36:92−105,2002;Garver et al.,Life Sci 31:1987−1992,1982)。更に、ハロペリドールによる治療は、それぞれラット及び患者におけるcAMP及びcGMPのレベルの増加と関連した(Leveque et al.,J Neurosci 20:4011−4020,2000;Gattaz et al.,Biol Psychiatry 19:1229−1235,1984)。PDE10Aは、cAMP及びcGMPの両方を加水分解するので(Kotera et al.,Biochem Biophys Res Commun 261:551−557,1999)、PDE10Aの阻害はまた、cAMP及びcGMPの増加を誘発することになり、それにより、環状ヌクレオチドレベルに対するハロペリドールと同様の影響を及ぼすことになる。
【0014】
PDE10A阻害剤の抗精神病の潜在性は、パパベリン(中程度の選択的PDE10A阻害剤)が、ラット(精神病の動物モデル)におけるアポモルヒネ誘発常同行動を抑制し、ラットにおけるハロペリドール誘発カタレプシーを増加させるが、同時にラットの脳におけるドーパミン濃度を減少させること(古典的抗精神病薬によっても認められる活性)を示したKostowskiら(Pharmacol Biochem Behav 5:15−17,1976)の研究により更に支持される。これは、精神病の治療のためのPDE10A阻害剤としてパパベリンを確立する特許出願により更に支持される(米国特許出願公開第2003/0032579号)。
【0015】
主に精神病の陽性症状を軽減する古典的抗精神病薬に加えて、PDE10Aは、精神病の陰性症状及び認知的症状を改善する潜在性をも有する。
【0016】
中型有棘神経細胞へのドーパミン作動性入力に焦点を当てると、cAMP及びcGMPのレベルをアップレギュレートすることによるPDE10A阻害剤は、Gsタンパク質結合ドーパミンD1受容体の活性化が細胞内cAMPを増加させるのに対して、Giタンパク質結合ドーパミンD2受容体の活性化はアデニリルシクラーゼ活性の阻害により細胞内cAMPレベルを低下させるので、D1作動薬及びD2拮抗薬としての役割を果たす(Mutschler et al.,Mutschler Arzneimittelwirkungen.8th ed.Stuttgart:Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH,2001)。
【0017】
D1受容体シグナル伝達によってもたらされる細胞内cAMPレベルの上昇は、前頭部皮質における作業記憶を担う一連のニューロンプロセスを調節すると思われ(Sawaguchi,Parkinsonism Relat Disord 7:9−19,2000)、D1受容体の活性化は、統合失調症患者における作業記憶障害を改善する可能性があることが報告されている(Castner et al.,Science 287:2020−2022,2000)。従って、この経路の更なる増大によっても、統合失調症の認知的症状が改善される可能性があると思われる。
【0018】
精神病の陰性症状に対するPDE10A阻害の効果は、パパベリンが、ラットにおけるフェンシクリジン(NMDA拮抗薬)の亜慢性投与によって誘発される注意セットの移行障害を逆転させることを示すことができたRodeferら(Eur.J Neurosci 21:1070−1076,2005)により更に示された。新しい刺激に対する注意の移行の障害を含む注意障害は、統合失調症の陰性症状に属する。前記研究において、前記注意障害は、フェンシクリジンを7日間投与した後、ウォッシュアウト期間を設けることにより誘発された。PDE10A阻害剤のパパベリンは、亜慢性治療により誘発される永続的な障害を逆転させることが可能だった。
【0019】
イミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジノンの合成、及び幾つかの医学的使用は、特許及び文献に十分に記載されている。
【0020】
Berlex Laboratories,Inc.からの文献EP0400583及びUS5,055,465においては、イミダゾキノキサリノンの基、それらのアザ類似体、及びそれらの製造方法が報告される。これらの化合物は、繊維抗張効果、血管拡張効果及び静脈抗張効果を有することが分かった。その治療活性は、ホスホジエステラーゼ3(PDE3)の阻害に基づく。
【0021】
EP0736532においては、ピリド[3,2−e]ピラジノン及びそれらの製造方法が報告される。これらの化合物は、抗喘息特性及び抗アレルギー特性を有することが記載されている。本発明の例は、PDE4及びPDE5の阻害剤である。
【0022】
WO00/43392においては、不十分な血液供給を伴う勃起機能不全、心不全、肺緊張亢進及び血管疾患の治療のためのPDE3及びPDE5の阻害剤であるイミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジノンの使用が報告されている。
【0023】
WO01/68097に報告されたピリド[3,2−e]ピラジノンの別の群は、PDE5の阻害剤であり、且つ、勃起機能不全の治療のために使用され得る。
【0024】
また、イミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジノンの更なる製造方法は、D.Norris et al.(Tetrahedron Letters 42(2001),4297−4299)にも記載されている。
【0025】
WO92/22552においては、一般に3位でカルボン酸基及びその誘導体と置換されるイミダゾ[1,5−a]キノキサリンが言及されている。これらの化合物は、精神安定剤及び鎮静剤/催眠剤として有用であることが記載されている。
【0026】
対照的に、ほんのわずかに限られた数のイミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジン、及びそれらの医学的使用は、既に公開されている。
【0027】
WO99/45009においては、式(I)
【化1】

のイミダゾピラジンの基が記載されている。
【0028】
これらの化合物は、免疫学的障害等のタンパク質チロシンキナーゼ関連性障害の治療に使用されるタンパク質チロシンキナーゼの阻害剤であると記載されている。
【0029】
SARデータは、P.Chen et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.12(2002),1361−1364及びP.Chen et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.12(2002),3153−3156に報告されている。
【0030】
同様の置換基を有するイミダゾキノキサリンは、US6235740B1に特許請求されている。また、これらの化合物は、例えば免疫学的障害の治療のために使用され得るチロシンキナーゼ阻害剤であると記載されている。
【0031】
イミダゾキノキサリンの他の基は、US6239133B1に特許請求されており、アミノ置換(US6235740B1)が、酸素、硫黄又は単結合を介して連結される多くの置換基と置換される。これらの化合物は、キナーゼ阻害に基づく免疫学的疾患の治療のためにも有用であると特許請求されている。
【0032】
発明の要旨
本発明は、式(II):
【化2】

[式中、変数R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、X、m及びnは、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物及びその製剤学的に認容性の塩を提供する。
【0033】
本発明は、更に、式(IIa)
【化3】

[式中、変数R1、R2、R3、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物及びその医薬品許容し得る塩を提供する。
【0034】
本発明は、更に、式(II)[式中、m及びnは、0であり;AとNの間の結合は、二重結合であり;R3は、CNであり;R1、R2、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物の製造方法を提供する。
【0035】
本発明は、式(II)[式中、m及びnは、0であり;AとNの間の結合は、二重結合であり;R3は、NHSO28、N(SO282、N(R8)SO28、NHSO29及びN(R10)SO29から選択され;R1、R2、R4、R5、R8及びR9は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物の製造方法を提供する。
【0036】
本発明は、更に、場合により製剤学的に認容性の担体と共に、活性薬剤として本発明の記載された化合物の内の1種以上又はそれらの製剤学的に認容性の塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0037】
本発明は、更に、ホスホジエステラーゼ10活動亢進及び/又は障害に関連した、伴う、及び/又は起因した障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0038】
本発明は、更に、中枢神経系障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0039】
本発明は、更に、哺乳類における学習能力及び記憶能力の改善のための医薬の製造のための、本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0040】
本発明は、更に、肥満、2型糖尿病、代謝症候群又は耐糖能障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0041】
本発明は、更に、患者における体脂肪又は体重を減少させるための医薬の製造のための、本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0042】
本発明は、更に、少なくとも1種の更なる製剤学的に有効な化合物と組み合わせて本発明の少なくとも1種の化合物又はその製剤学的に認容性の塩を含有する医薬組成物又はキットを提供する。
【0043】
本発明は、更に、治療に使用するための本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩を提供する。
【0044】
本発明は、更に、治療に使用するための医薬の製造のための本発明の化合物又はそれらの製剤学的に認容性の塩の使用を提供する。
【0045】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、下記の添付の明細書に記載される。本発明の他の特徴、目的及び効果は、明細書及び図面、並びに請求項から明らかであろう。
【0046】
発明の詳細な説明
本発明は、式(II)の化合物と、製剤学的に認容性の塩、溶媒和物及び誘導体(例えばプロドラッグやそれらの代謝産物)とに関する。
【0047】
式(II)
【化4】

[式中、AとNの間の結合は、単結合又は二重結合であり、
Aは、前記結合が二重結合である場合にCであり、前記結合が単結合である場合にCHであり、
mは、0又は1であり、
nは、0又は1であり、
X、Y及びZは、独立してC及びNから選択され、ここでX、Y及びZの内の1つ以下がNであり、
1及びR2は、独立して、
H、ハロ、
環状基、
1-8アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルケニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルキニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、及び
3〜8個の環原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系(例えばフェニル)或いはN−酸化物を含むN、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜15個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、CF3、COOH、CONH2、CONHR7、CON(R72及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択され;
7は、各場合において独立してC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、或いはN−酸化物を含むN、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、又は、
基CON(R72における2個のR7は、それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有することができる飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成し(場合により、ハロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、ニトロ、C1-3アルキル及び/又はO−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
3は、
H、
環状基、
3
CN、
SOR8、SO28
NH(CO)OR8、N((CO)OR82、(NR8((CO)OR8)、
NH−(C=O)−NH2、NR8−(C=O)−NH2
NH−(C=O)−NHR8、NR8−(C=O)−NHR8
NH−SO28、N(SO282、及びNR8(SO28)、
9、NHSO29、N(SO292、又はN(R10)SO29から選択され、
8は、各場合において独立して、
環状基、
1-8アルキル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルキル、
2-8アルケニル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルケニル、
又はC2-8アルキニル(各々場合によりハロ、OH及び/又はO−C1-3アルキル、及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
9は、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1-5アルキル、ヘテロアリール−C1-5アルキルであり、ここでアリールは、フェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは、N−酸化物を含むN、S及びOから選択される少なくとも1個の原子を含有する5〜15個の環原子の芳香族複素環系であり、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換され、及び
10は、C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
各場合においてR4及びR5は、独立して、
H、
ハロ、
環状基、
11
OH又はOR11
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)
NH2、NHR11及びNR1112から選択され、
ここでR11及びR12は、独立して、
−環状基、
−C1-6アルキル又はC3-6シクロ(ヘテロ)アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−アリール−C1-5−アルキル(ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、又は
−R11及びR12(それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有することができる飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成する(場合により、ハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される))から選択され、及び
6は、H、C1-5アルキル、C3-6シクロアルキル及び(CO)−C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択される]の化合物、
或いはそれらの製剤学的に認容性の塩及び誘導体である。
【0048】
幾つかの実施形態において、式(II)
【化5】

[式中、AとNの間の結合は、単結合又は二重結合であり、
Aは、前記結合が二重結合である場合にCであり、前記結合が単結合である場合にCHであり、
mは、0又は1であり、
nは、0又は1であり、
X、Y及びZは、独立してC及びNから選択され、ここでX、Y及びZの内の1つ以下がNであり、
1及びR2は、独立して、
H、ハロ、
環状基、
1-8アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルケニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルキニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、及び
3〜8個の環原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系(例えばフェニル)或いはN−酸化物を含むN、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜15個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、CF3、COOH、CONH2、CONHR7、CON(R72及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択され;
7は、各場合において独立してC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、或いはN−酸化物を含むN、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、又は、
基CON(R72における2個のR7は、それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有することができる飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成し(場合により、ハロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、ニトロ、C1-3アルキル及び/又はO−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
3は、
H、
3
CN、
SOR8、SO28
NH(CO)OR8、N((CO)OR82、(NR8((CO)OR8)、
NH−(C=O)−NH2、NR8−(C=O)−NH2
NH−(C=O)−NHR8、NR8−(C=O)−NHR8
NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、
NHSO29、N(SO292、及びN(R10)SO29から選択され、
8は、各場合において独立して、
環状基、
1-8アルキル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルキル、
2-8アルケニル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルケニル、
又はC2-8アルキニル(各々場合によりハロ、OH及び/又はO−C1-3アルキル、及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
9は、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1-5アルキル、ヘテロアリール−C1-5アルキルであり、ここでアリールは、フェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは、N−酸化物を含むN、S及びOから選択される少なくとも1個の原子を含有する5〜15個の環原子の芳香族複素環系であり、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換され、及び
10は、C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
各場合においてR4及びR5は、独立して、
H、
ハロ、
環状基、
11
OH又はOR11
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)
NH2、NHR11及びNR1112から選択され、
ここでR11及びR12は、独立して、
−環状基、
−C1-6アルキル又はC3-6シクロ(ヘテロ)アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−アリール−C1-5−アルキル(ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、又は
−R11及びR12(それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有することができる飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成する(場合により、ハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される))から選択され、及び
6は、H、C1-5アルキル、C3-6シクロアルキル及び(CO)−C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択される]の化合物、
或いはそれらの製剤学的に認容性の塩及び誘導体である。
【0049】
幾つかの実施形態において、AとNの間の前記結合は、二重結合である。
【0050】
幾つかの実施形態において、mが0であるか、若しくはnが0であるか、若しくはm及びnが両方0である。
【0051】
幾つかの実施形態において、X及びYがCであり且つZがNであり、X及びZがCであり且つYがNであり、或いはY及びZがCであり且つXがNである。別の実施形態において、X、Y及びZは炭素原子である。
【0052】
幾つかの実施形態において、R1は、
H、
1-4アルキル、特にC2-4アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
3-8シクロアルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、及び
フェニル(場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択される。
【0053】
更なる実施形態において、R1は、C2-4アルキル、シクロヘキシル又はフェニル(場合により置換される)から選択される。
【0054】
幾つかの実施形態において、R2は、H又はC1-4アルキル、特にメチル(場合により置換される)である。
【0055】
幾つかの実施形態において、R2は、水素、CF3、CHF2、CH2F又はメチル基である。
【0056】
幾つかの実施形態において、R2は、H以外である。
【0057】
幾つかの実施形態において、R1とR2のいずれもHではない。
【0058】
幾つかの実施形態において、R3は、H、N3、CN、SOR8、SO28、NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、NHSO29、N(SO292、又はN(R10)SO29である。
【0059】
幾つかの実施形態において、R3はCNである。
【0060】
幾つかの実施形態において、R3は、NH−(C=O)OR8、特にNH−(C=O)−OC1-5アルキル(場合により上記に示すように一置換若しくは多置換される)である。
【0061】
幾つかの実施形態において、R3は、NH−SO28、特にNH−SO2−C1-5アルキル(場合により上記に示すように一置換若しくは多置換される)である。
【0062】
幾つかの実施形態において、R4及びR5は、H、ハロ(例えばF)、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、NH2、NHC1-3アルキル(ここでアルキルは場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
テトラヒドロピロリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニル(場合によりハロ、OH、C1-5アルキル及び/又はO−C1-3アルキル或いはアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基、例えば
【化6】

で一置換若しくは多置換される)から選択される。
【0063】
幾つかの実施形態において、R4及びR5は、H、ハロ、C1-3アルキル、及びO−C1-3アルキル、例えばO−メチル(場合により環状基、例えばC3-8シクロアルキルで置換される)から選択される。例えば、R5は、特にH、F、Cl、OCH3又はシクロプロピルメトキシ(即ち、−O−CH2−シクロプロピル)であってよい。
【0064】
幾つかの実施形態において、Hとは異なる置換基R4又はR5は、環系の6位、7位及び/又は8位に位置し、即ちZ、Y及び/又は8位に結合する。
【0065】
別の実施形態において、Hとは異なる置換基R4又はR5は、環系の8位に結合し、即ちXに結合する。
【0066】
また、本発明は、式(IIa)
【化7】

[式中、
1及びR2は、独立して、
H、ハロ、
環状基、
1-8アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルケニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルキニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、及び
3〜8個の原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系、或いはN、N−酸化物、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜15個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、CF3、COOH、CONH2、CONHR7、CON(R72及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択され;
7は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、或いはN、N−酸化物、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
又は、基CON(R72における2個のR7は、それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成し(場合により、ハロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
3は、
H、
3
CN、
SOR8、SO28
NH(CO)OR8、N((CO)OR82、(NR8((CO)OR8)、
NH−(C=O)−NH2、NR8−(C=O)−NH2
NH−(C=O)−NHR8、NR8−(C=O)−NHR8
NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、
NHSO29、N(SO292、及びN(R10)SO29から選択され;
8は、環状基、C1-8アルキル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルキル、C2-8アルケニル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルケニル、又はC2-8アルキニル(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル、及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
9は、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1-5アルキル、又はヘテロアリール−C1-5アルキルであり、ここでアリールは、フェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは、N、N−酸化物、S及びOから選択される少なくとも1個の原子を含有する5〜15個の環原子の芳香族複素環系であり、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換され;
10は、C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
各場合においてR4及びR5は、独立して、
H、
ハロ、
環状基、
11
OH又はOR11
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)
NH2、NHR11及びNR1112から選択され;及び
11及びR12は、独立して、
−環状基、
−C1-6アルキル又はC3-6シクロ(ヘテロ)アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−アリール−C1-5−アルキル(ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−或いはR11及びR12(それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成する(場合により、ハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される))から選択される]の化合物、又はそれらの製剤学的に認容性の塩を含む。
【0067】
幾つかの実施形態において、R1は、C1-8アルキル(ハロ、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で置換される)である。
【0068】
幾つかの実施形態において、R1は、C1-8アルキルである。幾つかの実施形態において、R1は、エチル又はプロピルである。
【0069】
幾つかの実施形態において、R1は、3〜8個の原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である。幾つかの実施形態においては、R1はシクロヘキシルである。
【0070】
幾つかの実施形態において、R1は、3〜8個の原子を有する多価不飽和の炭素環系(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である。
【0071】
幾つかの実施形態において、R1は、フェニル(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である。
【0072】
幾つかの実施形態において、R1は、ハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換されたフェニルである。
【0073】
幾つかの実施形態において、R1は、フルオロ、クロロ及び/又はメチルで一置換若しくは多置換されたフェニルである。
【0074】
幾つかの実施形態において、R1は、クロロで一置換されたフェニルである。
【0075】
幾つかの実施形態において、R1は、2−クロロフェニルである。
【0076】
幾つかの実施形態において、R2は、H又はC1-8アルキルである。
【0077】
幾つかの実施形態において、R2は、C1-8アルキルである。
【0078】
幾つかの実施形態において、R2は、メチルである。
【0079】
幾つかの実施形態において、R3は、H、N3、CN、SOR8、SO28、NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、NHSO29、N(SO292、又はN(R10)SO29である。
【0080】
幾つかの実施形態において、R3は、CNである。
【0081】
幾つかの実施形態において、R3は、SO28であり、前記R8は、C1-8アルキルである。
【0082】
幾つかの実施形態において、R3は、SO28であり、前記R8は、メチル、エチル又はプロピルである。
【0083】
幾つかの実施形態において、R3は、NH−SO28、NR8(SO28)、NHSO29、又はN(R10)SO29である。
【0084】
幾つかの実施形態において、R3は、NH−SO28であり、前記R8は、C1-8アルキルである。
【0085】
幾つかの実施形態において、R3は、NH−SO28であり、前記R8は、メチルである。
【0086】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の各々は、独立して、H、ハロ、C1-3アルキル、環状基、及びO−C1-3アルキルから選択されるが、ここでO−C1-3アルキルは、場合によりハロ及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される。
【0087】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はハロであり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0088】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はフルオロ又はクロロであり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0089】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はO−C1-3アルキルであり、そのO−C1-3アルキルは、場合によりハロ又は環状基で一置換若しくは多置換される。
【0090】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0091】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はOCH3であり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0092】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方は、環状基で一置換されたO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方はHである。例えば、前記環状基は、シクロプロピルである。幾つかの実施形態において、前記環状基は、キノリニルである。
【0093】
幾つかの実施形態において、R4及びR5は、ハロで多置換されたO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0094】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方はO−CH2CF3であり、R4及びR5の内の他方はHである。
【0095】
幾つかの実施形態において、R4及びR5の内の一方は環状基であり、R4及びR5の内の他方はHである。例えば、前記環状基は、ピペリジニルである。
【0096】
幾つかの実施形態において、本発明は、式(IIb)
【化8】

[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物を含む。
【0097】
幾つかの実施形態において、本発明は、式(IIa)
【化9】

[式中、
1は、C1-8アルキル、C3-8シクロアルキル、又はハロで一置換されたフェニルであり;
2は、C1-8アルキルであり;
3は、CN又はNH−SO28であり、ここでR8は、C1-8アルキルであり;及び
各場合においてR4及びR5は、独立して、H、ハロ、C3-6シクロ(ヘテロ)アルキル又はOR11から選択され、ここでR11は、C1-6アルキル(場合によりハロ及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)である]の化合物、或いはそれらの製剤学的に認容性の塩を含む。
【0098】
式(II)の特定の化合物の例としては、以下のものがある:
N−(1−エチル−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
N−(1−エチル−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
N−(8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
N−(1−(2−クロロフェニル)−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
N−(1−シクロヘキシル−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
N−[1−エチル−3−メチル−8−(ピペリジン−1−イル)−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド
8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−カルボニトリル
1−シクロヘキシル−8−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−カルボニトリル;
N−(8−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−シクロヘキシル−8−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(8−シクロプロピルメトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−シクロヘキシル−8−シクロプロピルメトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−[1−シクロヘキシル−3−メチル−8−(キノリン−2−イルメトキシ)−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[1−(2−クロロ−フェニル)−7−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド;及び
N−(7−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
或いはそれらの薬学的な塩及び誘導体。
【0099】
また、本発明は、式(IV)
【化10】

[式中、Lは、Cl又はBrであり;並びにR1、R2、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物をシアニド塩と反応させる段階を含む、式(II)[式中、m及びnは0であり;AとNの間の前記結合は二重結合であり;R3はCNであり、並びにR1、R2、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物の製造方法を提供する。幾つかの実施形態において、前記シアニド塩は、KCNである。
【0100】
また、本発明は、
(a)式(IV)
【化11】

[式中、Lは、Cl又はBrであり;並びにR1、R2、R4及びR5は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物をNH3又はアルキルアミンと反応させて4−アミノ誘導体を形成する段階;及び
(b)その後、4−アミノ誘導体をスルホン酸塩化物又は無水物と反応させて最終スルホンアミドを提供する段階を含む、式(II)[式中、m及びnは0であり;AとNの間の前記結合は二重結合であり;R3は、NHSO28、N(SO282、N(R8)SO28、NHSO29、及びN(R10)SO29から選択され;及び
8、R9及びR10は、本明細書のどこかで定義される通りである]の化合物の製造方法を提供する。
【0101】
定義
本明細書の各種箇所で、本発明の化合物の置換基は、基又は範囲で開示される。本発明は、かかる基及び範囲のメンバーのいずれの個々のサブコンビネーションも含むことが特に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、個別にメチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル及びC6アルキルを開示することが特に意図される。
【0102】
本発明の化合物は安定であることが更に意図される。本明細書で使用される場合、「安定」とは、反応混合物からの有用な程度の純度での単離を存続させるのに十分に強く、且つ、好ましくは有効な治療剤への配合化が可能な化合物をいう。
【0103】
明確にするために別々の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴を、単一の実施形態における組み合わせにおいて提供することもできることが、更に理解される。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈において記載される本発明の各種特徴は、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて提供することも可能である。
【0104】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0105】
「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、場合により上記に示されるように置換してよい、例えば、メチル、エチル、ビニル、エチニル、プロピル、イソプロピル、アリル、プロピニル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ブテニル、ブチニル等、最高8個の炭素原子、好ましくは最高6個の炭素原子、より好ましくは最高5個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の炭化水素基を指す。「アルキル」基は、飽和しており、「アルケニル」基は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有し、「アルキニル」基は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する。
【0106】
本明細書に使用される場合、「環状基」は、飽和、不飽和又は芳香族の炭素環又は複素環(場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)を指す。環状基は、3〜24員の単環又は多環であり得る。幾つかの実施形態において、環状基は、3員環、4員環、5員環、6員環又は7員環である。環状基は、3〜20個の、又は幾つかの実施形態において4〜10個の環形成炭素原子を含有することができる。環状基は、以下で定義される通りのシクロ(ヘテロ)アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基を含む。「シクロ(ヘテロ)アルキル」は、シクロアルキル基及びシクロヘテロアルキル基の両方を指す。シクロヘテロアルキル基及びヘテロアリール基は、例えば、O、N、S及び/又はPから選択される、1〜6個の、又は幾つかの実施形態において1〜3個の環形成ヘテロ原子を含有してよい。環状基は、炭素原子を介して或いは場合によりN基、O基、S基、SO基又はSO2基を介して結合され得る。アリール環状基の例は、フェニルである。シクロアルキル環状基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。ヘテロアリール環状基の例としては、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル等が挙げられる。シクロヘテロアルキル環状基の例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロチエニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾ−1,4−ジオキサン、ピペリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニルが挙げられる。ヘテロアリール基の例は、以下で提供される。
【0107】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル等、単環式又は多環式(例えば、2個、3個又は4個の縮合環を有する)の芳香族炭化水素を指す。幾つかの実施形態において、アリール基は、6個〜約20個の炭素原子を有する。
【0108】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」は、アリール基で置換したアルキル基を指す。アリールアルキル基の例としては、ベンジルやフェニルエチルが挙げられる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、環化したアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を含む非芳香族炭素環を指す。シクロアルキル基としては、スピロ環を含む単環式又は多環式(例えば、2個、3個又は4個の縮合環を有する)の環系が挙げられる。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は、3個〜約20個の炭素原子、3個〜約14個の炭素原子、3個〜約10個の炭素原子、又は3個〜7個の炭素原子を有することができる。シクロアルキル基は、0、1、2又は3個の二重結合、及び/又は、0、1又は2個の三重結合を更に有することができる。また、シクロアルキル環、例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン等のベンゾ誘導体に縮合する(即ち、共通の結合を有する)1個以上の芳香族環を有する部分も、シクロアルキルの定義に含まれる。1個以上の縮合芳香族環を有するシクロアルキル基は、芳香族部分又は非芳香族部分のいずれかを介して結合し得る。例えばオキソ置換基又はスルフィド置換基を有するシクロアルキル基の1個以上の環形成炭素原子が酸化され得る。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、アダマンチル等が挙げられる。
【0110】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」基は、硫黄、酸素、窒素等の少なくとも1個のヘテロ原子環体を有する芳香族複素環を指す。ヘテロアリール基としては、単環式及び多環式の(例えば、2個、3個又は4個の縮合環を有する)系が挙げられる。また、ヘテロアリール基におけるいずれの環形成N原子も、酸化されてN−オキソ部分を形成することができる。ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピリジル、N−オキソピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニル等が挙げられる。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1個〜約20個の炭素原子を有し、更なる実施形態において約3個〜約20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、3個〜約14個の、3個〜約7個の、又は5〜6個の環形成原子を含有する。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1個〜約4個の、1個〜約3個の、又は1〜2個のヘテロ原子を有する。
【0111】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」基は、ヘテロアリール基で置換したアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキル基の例は、ピリジルメチルである。
【0112】
本明細書で使用される場合、「シクロヘテロアルキル」は、環形成原子の内の1つ以上がヘテロ原子(例えばO原子、N原子、S原子)である非芳香族複素環を指す。シクロヘテロアルキル基としては、単環式又は多環式の(例えば、2個、3個又は4個の縮合環を有する)環系並びにスピロ環を挙げることが可能である。シクロヘテロアルキル基の例としては、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾ−1,4−ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル等が挙げられる。また、非芳香族複素環、例えば、フタルイミジル、ナフタルイミジル、及び複素環のベンゾ誘導体に縮合する(即ち、共通の結合を有する)1個以上の芳香族環を有する部分も、シクロヘテロアルキルの定義に含まれる。1個以上の縮合芳香族環を有するシクロヘテロアルキル基は、芳香族部分又は非芳香族部分のいずれかを介して結合され得る。また、1個以上の環形成原子が1個又は2個のオキソ基又はスルフィド基で置換される部分も、シクロヘテロアルキルの定義に含まれる。幾つかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、1個〜約20個の炭素原子を有し、更なる実施形態において約3個〜約20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、3個〜約20個の、3個〜約14個の、3個〜約7個の、又は5〜6個の環形成原子を含有する。幾つかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、1個〜約4個の、1個〜約3個の、又は1〜2個のヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、0〜3個の二重結合を含有する。幾つかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、0〜2個の三重結合を含有する。
【0113】
本明細書で使用される場合、「置換される」という用語は、分子又は基における非水素部分での水素部分の置換を指す。分子又は基は、一置換されてよい。また、分子又は基は、同じ又は異なる置換基で多置換されてもよい。置換基は、単一の非水素部分から構成されるか、或いは2個以上の非水素部分の組み合わせから、例えばハロ及びC1-3アルキルから構成され、しかるにC1-3ハロアルキル置換基である。
【0114】
「反応」という用語は、指示された試薬と共に、熱力学によるその分子相互作用及び化学転換並びに化学系の動力学を可能にするような方法で起こるものを指すものとする。反応は、特に固体試薬に対して、前記試薬の内の少なくとも1種が少なくとも部分的に可溶である適切な溶媒又は溶媒混合物を使用することにより容易にされ得る。典型的には、反応は、適切な時間、所望の化学転換をもたらすのに適切な条件の下で実施される。
【0115】
本発明は、更に、式(II)による化合物の生理学的に許容し得る塩、溶媒和物及び誘導体に関する。式(II)による化合物の誘導体は、例えば、アミド、エステル及びエーテルである。更に、「誘導体」という用語は、式(II)の化合物のプロドラッグ及び代謝産物をも包含する。
【0116】
また、本発明は、本明細書に記載される化合物の製剤学的に認容性の塩をも含む。本明細書で使用される場合、「製剤学的に認容性の塩」は、親化合物が、存在する酸部分又は塩基部分をその塩形態に転化することにより修飾される開示された化合物の誘導体を指す。製剤学的に認容性の塩の例としては、アミン等の塩基性残基の鉱物塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の製剤学的に認容性の塩としては、例えば無毒性の無機酸又は有機酸から形成される親化合物の従来の無毒性塩が挙げられる。本発明の製剤学的に認容性の塩は、従来の化学的手法により、塩基性部分又は酸性部分を含有する親化合物から合成され得る。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態を、水における、又は、有機溶媒における、又は、その2つの混合物における化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることにより製造することが可能であり;一般に、エーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル等の非水性媒質が好ましい。適切な塩の一覧は、各々の内容全体が参考として本明細書で援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に明らかにされている。
【0117】
生理学的に許容し得る塩は、無機酸又は有機酸で塩基を中和することにより、或いは、無機塩基又は有機塩基で酸を中和することにより、得ることが可能である。適切な無機酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸又は臭化水素酸であり、一方で適切な有機酸の例は、カルボン酸、スルホ酸又はスルホン酸(例えば、酢酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、タンニン酸、コハク酸、アルギン酸、安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、3−アミノサリチル酸、アスコルビン酸、エンボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、シュウ酸、グルコン酸、アミノ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸)である。適切な無機塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアであり、一方で適切な有機塩基の例は、アミンであるが、好ましくは、第三級アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キナルジン、ピリミジン)である。
【0118】
「製剤学的に認容性の」というフレーズは、適切な医療の判断の範囲内で、妥当なベネフィット/リスク比に相応して、過度の毒性、刺激、アレルギー応答や他の問題や合併症なしでヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しているそれらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために本明細書において用いられる。
【0119】
更に、式(II)による化合物の生理学的に許容し得る塩は、四級化剤を使用してそれ自体公知の方法で、第三級アミノ基を有する誘導体を対応する第四級アンモニウム塩に転化することにより、得ることが可能である。適切な四級化剤の例は、ハロゲン化アルキル(例えばヨウ化メチル、臭化エチル、塩化n−プロピル)、更に、ハロゲン化アリールアルキル(例えば塩化ベンジルや2−フェニルエチルブロミド)である。
【0120】
更に、不斉炭素原子を含有する本発明の化合物の場合、本発明は、D形、L形、及びD、Lの混合型に関し、また、2個以上の不斉炭素原子が存在する場合、ジアステレオマー型に関する。不斉炭素原子を含有し、概してラセミ化合物として生じる本発明のそれらの化合物は、公知の方法で、例えば光学活性酸を使用して、光学活性異性体に分離することが可能である。しかしながら、最初から光学活性出発物質を使用することも可能であり、次いで、対応する光学活性化合物又はジアステレオマー化合物が最終生成物として得られる。
【0121】
また、本発明の化合物は、互変異性型をも含む。互変異性型は、プロトンの移動を伴って単結合を隣接する二重結合と交換することから生じる。互変異性型は、同じ実験式及び総電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例としては、ケトン−エノール対、アミド−イミド酸対、ラクタム−ラクチム対、アミド−イミド酸対、エナミン−イミン対、プロトンが複素環系の2つ以上の位置を占めることができる環状型、例えば、1H−及び3H−イミダゾール、1H−、2H−及び4H−1,2,4−トリアゾール、1H−及び2H−イソインドール、1H−及び2H−ピラゾールが挙げられる。互変異性型は、平衡する可能性があり、或いは、適切な置換により1つの型に立体配置的に固定され得る。
【0122】
本明細書に記載される化合物は、不斉であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。全ての立体異性体(例えば鏡像異性体やジアステレオマー)は、特記しない限り意図される。不斉置換炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性型又はラセミ型で単離され得る。光学活性出発材料からの光学活性型の製造方法は、本技術分野で知られており、例えばラセミ混合物の分解による、或いは、立体選択的合成による。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた、本明細書に記載される化合物に存在する可能性があり、全てのかかる安定な異性体は、本発明において検討される。本発明の化合物のシス幾何異性体及びトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物として又は分離した異性体型として単離され得る。
【0123】
また、本発明の化合物としては、中間体又は最終化合物において生じる原子の全ての同位体を挙げることもできる。同位体としては、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有するそれらの原子が挙げられる。例えば、水素の同位体としては、トリチウムやジュウテリウムが挙げられる。
【0124】
本明細書で用いられる「化合物」という用語は、示される構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体及び同位体を含むものとする。
【0125】
また、全ての化合物及びそれらの製剤学的に認容性の塩は、溶媒和形態又は水和形態をも含むものとする。
【0126】
幾つかの実施形態において、本発明の化合物及びその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」は、化合物が、形成されたか若しくは検出された環境から少なくとも部分的に又は実質的に分離されることを意味する。部分的分離は、例えば、本発明の化合物において濃縮された組成物を含むことができる。実質的分離は、少なくとも約50質量%、少なくとも約60質量%、少なくとも約70質量%、少なくとも約80質量%、少なくとも約90質量%、少なくとも約95質量%、少なくとも約97質量%又は少なくとも約99質量%の本発明の化合物或いはその塩を含有する組成物を含むことができる。
【0127】
薬学的方法
本発明による化合物は、治療的に使用され得る薬理学的に重要な特性を有することが分かった。本発明の化合物は、単独で、互いに組み合わせて、又は他の活性化合物と組み合わせて使用され得る。本発明による化合物は、ホスホジエステラーゼ10の阻害剤である。従って、ホスホジエステラーゼ10の阻害が価値があるホスホジエステラーゼの活動亢進及び/又は障害に関連した、それに伴う、及び/又はそれが包摂する障害を治療又は予防するために、本発明の化合物及びそれらの塩並びに更にこれらの化合物又はそれらの塩を含む医薬製剤を使用できることは、本発明の主題の一部である。
【0128】
驚くべきことに、本発明の化合物は、酵素PDE10の強力阻害剤である。
【0129】
本発明の化合物(それらの塩、溶媒和物及びプロドラッグを含む)並びに更にPDE10の阻害に有効な量の本発明の化合物又はその塩の内の1種、溶媒和物又はプロドラッグを含む医薬組成物を、ヒトを含む哺乳類の中枢神経系障害の治療に使用できることは、本発明の一実施形態である。
【0130】
更に詳しくは、本発明は、(1)統合失調症及び他の精神病性障害;(2)気分[感情]障害;(3)不安障害を含む神経症性障害、ストレス関連性障害及び身体表現性障害;(4)摂食障害;過剰な性的衝動を含む性機能不全;(5)成人の人格及び行動の障害;(6)通常、乳児期、幼児期及び青年期に最初に診断される障害;(7)精神発達遅滞及び(8)心理的発達の障害;(9)ヒトを含む哺乳類における認知障害の症状を含む障害;(10)虚偽性障害を含むが、これらに限定されない神経障害及び精神障害の治療に関する。
【0131】
(1)本発明により治療され得る統合失調症及び他の精神病性障害の例としては、異なる種類の連続性又は偶発性の統合失調症(例えば、妄想性障害、破瓜病性障害、緊張病性障害、未分化障害、残遺性障害、統合失調症様障害);統合失調型障害(例えば、境界型統合失調症、潜伏統合失調症、精神病前統合失調症、前駆性統合失調症、偽神経症性統合失調症、偽精神病性統合失調症、統合失調型人格障害);持続性妄想性障害;急性精神病性障害、一過性精神病性障害及び持続性精神病性障害;誘発性妄想障害;異なる種類の統合失調感情障害(例えば、躁鬱型又は混合型);産褥精神病並びに他の且つ不特定の非器質性精神病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
(2)本発明により治療され得る気分[感情]障害の例としては、双極性障害に関連する躁病エピソード及び1回の躁病エピソード、軽躁病、精神病性症状を伴う躁病;双極性感情障害(例えば、精神病性症状がある又はない現行の軽躁病性エピソード及び躁病エピソードを伴う双極性感情障害、双極性I型障害又は双極性II型障害を含む);うつ病性障害(例えば、軽度、中等度又は重度の種類の1回のエピソード又は再発性の大うつ病性障害、分娩後発症のうつ病性障害、精神病性症状を伴ううつ病性障害);持続性気分[感情]障害(例えば、循環気質、気分変調症);月経前不快気分障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
(3)本発明により治療され得る神経症性障害、ストレス関連性障害及び身体表現性障害に属する障害の例としては、恐怖症性不安障害(例えば、精神病関連に限定されないが、主として広場恐怖症及び社会恐怖症);他の不安障害(例えば、パニック障害、全般性不安障害);強迫性障害;過酷なストレスへの反応及び適応障害(例えば、心的外傷後ストレス障害);解離性障害及び他の神経症性障害(例えば、離人症−現実感喪失症候群)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
(5)本発明により治療され得る成人の人格及び行動の障害の例としては、妄想型、分裂病型、統合失調型、反社会型、境界型、演技型、自己愛型、回避型、非社交型、情緒不安定型、強迫型、不安型及び依存型の特異的な人格障害;混合人格障害;習慣及び衝動障害(例えば、抜毛癖、放火癖、不適応攻撃性);性的嗜好の障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
(6)本発明によって治療され得る通常、乳児期、幼児期及び青年期に最初に診断される障害の例としては、多動性障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、行動障害;行動障害と情緒障害との混合障害;非器質性遺尿症、非器質性遺糞;常同性運動障害;及び他の特異的な行動情緒障害(例えば、活動亢進を伴わない注意欠陥障害、自慰過剰、咬爪癖、鼻をほじる癖及び親指を吸う癖);心理的発達の障害、特に幼児期の分裂病的障害及び広汎性発達障害(例えば、アスペルガー症候群に関連する精神病性エピソード)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
例示的な神経障害としては、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症(例えば、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、AIDS関連認知症、前頭側頭型認知症)、脳外傷に関連する神経変性、卒中発作に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性、低血糖誘発神経変性、てんかん発作に関連する神経変性、神経毒中毒に関連する神経変性、又は多系統萎縮症を含むが限定されない神経変性障害が挙げられる。
【0137】
(8)心理的発達の障害の例としては、発語及び言語の発達障害、学業の能力の発達障害(例えば、算術能力の特異的な障害、読字障害及び書字障害並びに他の学習障害が挙げられるが、これらに限定されない。これらの障害は、主として乳児期、幼児期及び青年期に診断される。
【0138】
(9)本明細書において「症状として認知障害を含む障害」の中で使用される「認知障害」というフレーズは、1つ以上の認知的局面(例えば、一般の同じ年齢集団内で他の人たちと比較した特定個人における記憶、知性、学習能力及び論理能力、又は注意力)が正常以下又は最適以下に機能することを指す。
【0139】
本発明により治療され得る症状として認知障害を含む障害の例としては、統合失調症、うつ病、老年性記憶障害、自閉症、自閉症圏障害、脆弱X症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、脊髄損傷、CNS低酸素症、ルイス体認知症、卒中発作、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺ハンチントン病、並びにHIV疾患、脳外傷、心臓血管疾患、薬物乱用における認知障害、糖尿病関連認知障害、及び軽度の認知障害を含む、精神病関連に限定されないが、主として認知障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
(11)更に、本発明は、大脳基底核の機能不全を伴う運動障害に関する。本発明により治療され得る大脳基底核の機能不全を伴う運動障害の例としては、異なる亜型のジストニー、例えば、局所性ジストニー、多巣性ジストニー、又は分節性ジストニー、捻転ジストニー、脳半球ジスキネジー、全般性ジスキネジー及び遅発性ジスキネジー(精神薬により誘発される)、アカシジア、ジスキネジー、例えば、ハンチントン病、パーキンソン病、ルイス体疾患、下肢静止不能症候群、PLMSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
(12)更に本発明は、症候性の精神障害を含む器質性障害の治療、とりわけ器質性妄想性(統合失調症様)障害、認知症に関連する初老期精神病又は老人性精神病、てんかん及びパーキンソン病における精神病並びに他の器質性及び症候性精神病;譫妄;感染性精神病;脳の疾患、損傷及び機能不全による人格障害及び行動障害に関する。
【0142】
(13)本発明は、精神活性化合物による精神障害及び行動障害の治療に関し、更に詳しくは、アルコール、オピオイド、カンナビノイド、コカイン、幻覚剤、他の刺激薬(カフェイン、揮発性溶剤及び他の精神活性化合物を含む)により誘発された精神病性障害並びに残遺性精神病性障害及び遅発性精神病性障害の治療に関する。
【0143】
(14)本発明は、更に、ヒトを含む哺乳類における学習能力及び記憶能力の全般的な改善に関する。
【0144】
統合失調症を治療するために現在使用されている化合物は、幾つかの望ましくない副作用と関連していた。これらの副作用としては、体重増加、高プロラクチン血症、トリグリセリドレベル増加、代謝症候群(マーカー:糖尿病、高脂血症、高血圧及び肥満)、ブドウ糖異常(例えば、高血糖、血中ブドウ糖増加、耐糖能障害)、錐体外路症状の発現が挙げられる。リスペリドンやオランザピン等の従来の非定型抗精神病薬で観察される体重増加は、心臓血管疾患及び真性糖尿病のリスクの増加と関連していた。
【0145】
本発明の化合物は、体重を維持すると共に、ブドウ糖レベル及び/又は耐糖能を維持又は改善すると共に、トリグリセリドレベル及び/又は総コレステロールレベルを維持する及び/又は改善すると共に、及び/又は投与前のベースライン時測定値と同様のEPSプロファイルを維持すると共に、患者におけるPANSS総スコアの減少等の臨床的に関連する改善をもたらすために統合失調症を治療するのに有用である。
【0146】
本発明のPDE10阻害剤は、肥満、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、代謝症候群、耐糖能障害、並びに関連の健康リスク、症状又は障害の予防及び治療に更に有用である。従って、前記化合物は、過体重又は肥満の個体の体脂肪又は体重を減少させるためにも使用され得る。幾つかの実施形態において、PDE10阻害剤は、PDE10に対して選択的であり、このことは、PDE10阻害剤が他のいずれのPDEに対するよりも良好なPDE10の阻害剤であることを意味する。幾つかの実施形態において、選択的PDE10阻害剤は、他のPDEのものと比較して少なくとも10倍又は少なくとも100倍PDE10活性を減少させることができる。
【0147】
本明細書で使用される場合、「過体重」及び「肥満」という用語は、ボディマスインデックス(BMI)で測定される理想体重(又は体脂肪)を超えた18歳以上の成人を指すものとする。BMIは、キログラムでの体重をメートルでの高さの二乗で割って(kg/m2)算出されるか、或いは、703をかけたポンドでの体重をインチでの高さの二乗で割って(lbs×703/in2)算出される。過体重の個体は、典型的には25〜29のBMIを有するのに対して、肥満の個体は、典型的には30以上のBMIを有する(例えば、National Heart,Lung,and Blood institute,Clinical Guidelines on the Identification,Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults,The Evidence Report,Washington,DC:U.S.Department of Health and Human Services,NIH publication no.98−4083,1998参照)。過剰な体重、過剰な体脂肪及び肥満を示すための他の手段としては、体脂肪の直接的な測定及び/又はウエストヒップ比測定が挙げられる。
【0148】
「代謝症候群」という用語は、本技術分野におけるその通常の意味に従って使用される。American Heart Associationは、代謝症候群について、以下の5つの症状の内の少なくとも3つを有するものと特徴づけている:1)胴囲増加(男性においては>102cm(40インチ);女性においては>88cm(35インチ))、2)トリグリセリド増加(>150mg/dL(>1.7mmol/L)又はトリグリセリド増加の薬物治療)、3)HDL−C低下(男性においては<40mg/dL(1.03mmol/L)、女性においては<50mg/dL(1.3mmol/L)又はHDL−C低下の薬物治療、4)血圧上昇(>130/85mmHg又は高血圧の薬物治療)、及び5)空腹時血中ブドウ糖増加(>100mg/dL又はブドウ糖増加の薬物治療)。Grundy,S.M.et al.,Circulation,2005,112(17,e285(online at circ.ahajournals.org/cgi/reprint/112/17/e285))参照。世界保健機関による代謝症候群(Alberti et al.,Diabet.Med.15,539−553,1998参照)は、1)高血圧(>160/90mmHg)、2)高脂血症(トリグリセリド≧150mg/dL、又は男性においてHDLコレステロール<35mg/dL及び女性において<39mg/dL)、3)中心性肥満(男性について>0.90及び女性について>0.85のウエストヒップ比或いはBMI>30kg/m2)、及び4)ミクロアルブミン尿症(尿中アルブミン排泄率≧20μg/分又はアルブミン・クレアチン比≧20μg/kg)の内の2つ以上を加えて、糖尿病、耐糖能障害、低空腹時血中ブドウ糖又はインスリン抵抗性を患う個体を含む。
【0149】
体脂肪又は体重の減少に関する、並びに肥満、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、代謝症候群、耐糖能障害並びに関連の健康リスク、症状又は障害の治療又は予防に関する本方法は、本発明の1種以上の化合物の投与により実施され得る。幾つかの実施形態においては、抗肥満剤等の1種以上の更なる治療剤が投与され得る。抗肥満剤の例としては、アポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(apo−B/MTP)阻害剤、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11β−HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3−36又はその類似体、MCR−4作動薬、コレシストキニン−A(CCK−A)作動薬、モノアミン再取込み阻害剤(例えばシブトラミン)、カンナビノイド受容体−I拮抗薬(例えば、リモナバン)、交感神経様作動薬、P3アドレナリン受容体作動薬、5ドーパミン作動薬;(例えばブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体類似体、5HT2C作動薬、メラニン濃縮ホルモン拮抗薬、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン受容体作動薬、ガラニン拮抗薬、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、即ち、オルリスタット)、食欲抑制剤(例えば、ボンベシン作動薬)、ニューロペプチド−Y受容体拮抗薬(例えば、NPY Y5受容体拮抗薬、例えば、米国特許第6,566,367号;第61649,624号;第61638,942号;第61605,720号;第61495,569号;第61462,053号;第61388,077号;第6,335,345号;及び第6,326,375号;米国特許出願公開第2002/0151456号及び第20031036652号;及びPCT公開第WO031010175号、第WO03/082190号に記載される化合物)並びに受容体作動薬又は拮抗薬、オレキシン受容体拮抗薬、グルカゴン様ペプチド−1受容体作動薬、毛様神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体拮抗薬、ヒスタミン3受容体拮抗薬又は逆作動薬、ニューロメジンU受容体作動薬等が挙げられる。他の抗肥満剤は、本技術分野における当業者に直ちに明らかである。
【0150】
体脂肪又は体重の減少のための、並びに肥満、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、代謝症候群、耐糖能障害、関連の健康リスク、症状の治療又は予防のためのPDE10阻害剤を使用するための代表的方法は、WO2005/120514に報告されている。
【0151】
また、本発明は、疼痛の症状及び障害の治療方法をも含む。かかる疼痛の症状及び障害の例としては、炎症性疼痛、痛覚過敏、炎症性痛覚過敏、片頭痛、癌疼痛、骨関節炎疼痛、術後疼痛、非炎症性疼痛、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛症候群を含む神経障害性疼痛の亜範疇、化学療法誘発ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、HIV感覚性ニューロパシー、腫瘍浸潤に続発するニューロパシー、有痛性糖尿病性ニューロパシー、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛、乳房切除後疼痛、三叉神経痛、中枢性神経障害性疼痛症候群、中枢性卒中後疼痛、多発性硬化症疼痛、パーキンソン病疼痛、脊髄損傷疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
更なる一実施形態において、本発明の化合物は、疼痛を治療するために有効な1種以上の他の薬剤と組み合わせて投与される。かかる薬剤としては、鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、オピオイド、抗うつ薬が挙げられる。各種の実施形態において、1種以上の薬剤は、ブプレノルフィン、ナロキソン、メタドン、酢酸レボメタジル、L−αアセチルメタドル(LAAM)、ヒドロキシジン、ジフェノキシレート、アトロピン、クロルジアゼポキシド、カルバマゼピン、ミアンセリン、ベンゾダイアゼピン、フェノジアジン、ジスルフラム、アカンプロセート、トピラメート、オンダンセトロン、セルトラリン、ブプロピオン、アマンタジン、アミロライド、イスラジピン、チアガビン、バクロフェン、プロプラノロール、三環系抗うつ薬、デシプラミン、カルバマゼピン、バルプロエート、ラモトリジン、ドキセピン、フルオキセチン、イミプラミン、モクロベミド、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン、トリプトファン、ベンラファクシン、トラゾドン、クエチアピン、ゾルピデム、ゾピクロン、ザレプロン、ガバペンチン、メマンチン、プレガバリン、カンナビノイド、トラマドール、デュロキセチン、ミルナシプラン、ナルトレキソン、パラセタモール、メトクロプラミド、ロペラミド、クロニジン、ロフェキシジン及びジアゼパムから成る群から選択される。
【0153】
また、本発明は、1種以上の抗精神病薬との本発明の化合物の組み合わせにより統合失調症及び上記の通りの他の精神病性障害を治療する方法をも含む。本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な抗精神病薬の例としては、フェノチアジン(クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオロペラジン)、チオキサンチン(クロルプロチキセン、チオチキセン)、複素環式ジベンザゼピン(クロザピン、オランザピン及びアリピプラゾール)、ブチロフェノン(ハロペリドール)、ジフェニルブチルピペリジン(ピモジド)、インドロン(モリンドロン)という抗精神病薬の種類が挙げられるが、これらに限定されない。本発明における化合物と組み合わせて潜在的治療価値を有する他の抗精神病薬としては、ロクサピン、スルピリド、リスペリドンが挙げられる。
【0154】
本発明は、更に、1種以上の抗うつ薬との本発明の化合物の組み合わせによりうつ病又は治療抵抗性うつ病を治療する方法を含む。本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な抗うつ薬の例としては、ノルエピネフリン再取込み阻害剤(第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン)、モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)(イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリン)、モノアミン酸化酵素の可逆的阻害剤(RIMA)(モクロベミド)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)(ベンラファクシン)、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)受容体拮抗薬、αアドレナリン作動性受容体拮抗薬、非定型抗抑うつ薬(ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
組成物及び投与
有効量の本発明による化合物、又はそれらの塩が、生理学的に許容し得る担体、希釈剤及び/又はアジュバントに加えて、医薬組成物を製造するために使用される。活性化合物の投与量は、投与経路、患者の年齢及び体重、治療される疾患の性質及び重症度、並びに類似の因子に応じて変えてよい。1日量は単一用量として与えることができ、これは一度に投与されるか、又は2回以上の1日量に更に分割され、概して0.001〜2000mgである。0.1〜500mg、例えば、0.1〜100mgの1日量を投与することが特に好ましい。
【0156】
適切な投与形態は、経口製剤、非経口製剤、静脈内製剤、経皮的製剤、局所的製剤、吸入製剤、鼻腔内製剤及び舌下製剤である。本発明による化合物の経口製剤、非経口製剤(例えば、静脈内製剤や筋肉内製剤)、鼻腔内製剤(例えば、乾燥粉末)又は舌下製剤を使用することが特に好ましい。通例のガレヌス製剤の形態(例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、分散性粉剤、顆粒剤、水溶液、アルコール含有水溶液、水性又は油性の懸濁剤、シロップ剤、ジュース剤又は滴剤)が使用される。
【0157】
固体の医薬形態は、不活性成分及び担体物質(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、デンプン、マンニトール、アルギナート、ゼラチン、グアーガム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、タルク、高分散のケイ酸、シリコーン油、高分子量脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、ゼラチン、寒天、或いは植物油脂又は動物油脂、或いは固体の高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)を含むことができ、経口投与に適切な製剤は、所望の場合、更なる香味剤及び/又は甘味剤を含むことができる。
【0158】
液体の医薬形態は、滅菌でき、及び/又は、適切な場合、補助物質、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、浸透剤、乳化剤、展着剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための又は緩衝のための塩、糖又は糖アルコール、及び/又は粘度調節剤を含むことができる。
【0159】
かかる添加剤の例は、酒石酸及びクエン酸緩衝液、エタノール及び金属イオン封鎖剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びその無毒性塩)である。高分子量ポリマー(例えば、液体ポリエチレンオキシド、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デキストラン、ゼラチン)は、粘度の調節に適切である。固体担体物質の例は、デンプン、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、タルク、高分散性のケイ酸、高分子量脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、ゼラチン、寒天、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、動物性脂肪及び植物性脂肪、固体の高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)である。
【0160】
非経口適用又は局所適用のための油性懸濁剤は、植物性の合成油又は半合成油(例えば、各場合において脂肪酸鎖中に8〜22C原子を有する液体脂肪酸エステル)であってよく、該脂肪酸は、例えばパルミチン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、ペンタデカン酸、リノール酸、エライジン酸、ブラシジン酸、エルカ酸又はオレイン酸であり、これらは1〜6C原子を有する一価から三価のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール又はそれらの異性体、グリコール、グリセロール)でエステル化されている。かかる脂肪酸エステルの例は、市販のミグリオール、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、PEG6−カプリン酸、飽和脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールトリオレアート、エチルオレアート、蝋状脂肪酸エステル、例えば、人工ダックテイル腺脂肪、ヤシ脂肪酸イソプロピルエステル、オレイルオレアート、デシルオレアート、エチルラクテート、ジブチルフタレート、ジイソプロピルアジペート、とりわけ、ポリオール脂肪酸エステルである。異なる粘度のシリコーン油、又は脂肪アルコール(例えば、イソトリデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコール、オレイルアルコール)又は脂肪酸(例えば、オレイン酸)も適切である。植物油(例えば、ヒマシ油、扁桃油、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、落花生油、ダイズ油)を使用することが更に可能である。
【0161】
適切な溶媒、ゲル化剤及び可溶化剤は、水又は水混和性溶媒である。適切な物質の例は、アルコール、例えば、エタノールやイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、2−オクチルドデカノール、ポリエチレングリコール、フタレート、アジペート、プロピレングリコール、グリセロール、ジ−又はトリプロピレングリコール、蝋類、メチルセロソルブ、セロソルブ、エステル、モルホリン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等である。
【0162】
水又は有機溶媒の両方において溶解又は膨潤可能なセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース又はエチルセルロースや、可溶性デンプン)は、膜形成剤として使用され得る。
【0163】
ゲル化剤と膜形成剤との混合物もまた完全に可能である。この場合、特に、イオン性高分子(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、アミロペクチンセミグリコール酸ナトリウム、ナトリウム塩としてのアルギン酸又はプロピレングリコールアルギナート、アラビアゴム、キサンタンゴム、グアーガム又はカラゲナンが使用される。更なる製剤として以下のものが使用できる:グリセロール、異なる粘度のパラフィン、トリエタノールアミン、コラーゲン、アラントイン及びノバンチソール酸。界面活性剤、乳化剤又は湿潤剤の使用、例えば、ラウリル硫酸Na、脂肪アルコールエーテルサルフェート、ジ−Na−N−ラウリル−β−イミノジプロピオネート、ポリエトキシル化ヒマシ油又はモノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート(例えば、Tween)、セチルアルコール、レシチン、グリセロールモノステアレート、ステアリン酸ポリオキシエチレン、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、塩化セチルトリメチルアンモニウム又はモノ−/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸モノエタノールアミン塩の使用もまた製剤に必要とされ得る。エマルションを安定化させるための安定剤(例えば、モンモリロナイトやコロイド状ケイ酸)又は活性物質の分解を防ぐための安定剤(例えば、酸化防止剤、例えば、トコフェロールやブチルヒドロキシアニソール)或いは保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル)も同様に所望の製剤を製造するために使用され得る。
【0164】
非経口投与用製剤は、別々の用量単位形態(例えば、アンプルやバイアル)に存在してよい。活性化合物の溶液、好ましくは水溶液、特に、等張溶液そして更に懸濁液が好ましくは使用される。これらの注射形態は、必要に応じて他の固体担体物質を含有する活性化合物、例えば凍結乾燥物を、所望の溶媒又は懸濁化剤と混合することにより、すぐに使用できる製剤として利用可能にされ得るか、若しくは単に使用前に直接製造され得る。
【0165】
鼻腔内製剤は、水性溶液又は油性溶液として或いは水性懸濁剤又は油性懸濁剤として存在してよい。前記製剤は、適切な溶媒又は懸濁化剤を使用して使用前に製造される凍結乾燥物として存在してもよい。
【0166】
吸入可能製剤は、粉剤、溶液又は懸濁剤として存在してよい。好ましくは、吸入可能製剤は、粉剤の形態で、例えば、活性成分と適切な製剤助剤(例えば、ラクトース)との混合物として存在する。
【0167】
製剤は、通例の抗菌条件及び無菌条件の下で製造、小分け、及び密閉される。
【0168】
上記に示されるように、本発明の化合物は、更なる活性剤、例えば、中枢神経系障害の治療に有用な治療的に活性の化合物との併用療法として投与してよい。これらの更なる化合物は、ドーパミンD2受容体調節剤やNMDA調節剤等のPDE10阻害に基づかない活性を有するPDE10阻害剤又は化合物であってよい。
【0169】
併用療法の場合、活性成分は、幾つかの活性成分を単一剤形で含有する組成物として及び/又は個々の活性成分を別々の剤形で含有するキットとして製造してよい。併用療法に使用される活性成分は、同時投与又は別々に投与してよい。
【0170】
実験
式(II)の化合物の合成は、式(III):
【化12】

[式中、R1、R2、R4、R5、X、Y及びZは上記の通りである]のイミダゾ[1,5−a]ピラジノンから開始することができる。
【0171】
式(III)の化合物の製造は、例えば、J.Med.Chem.1991,34,2671−2677に十分に記載されている。
【0172】
文献から公知であり且つ既にWO99/45009において使用されている標準的手法によれば、式(III)の化合物は、POCl3、PCl3、PCl5、SOCl2、POBr3、PBr3又はPBr5等のハロゲン化試薬で処理することによりハロゲン化され、例えば式(IV)
【化13】

[式中、LはCl又はBrであり、R1、R2、R4、R5、X、Y及びZは、上記定義される通りである]の4−クロロ又は4−ブロモ−イミダゾ[1,5−a]ピラジンが得られる。
【0173】
実施例
中間体B1:4−クロロ−8−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キナゾリン
【化14】

【0174】
3.8gの8−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キナゾリン−4−オンと30mLのPOCl3とを混合して還流まで7時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を400mLの砕氷/水で処理し、1時間攪拌する。生成物を2×300mLのジクロロメタンで抽出する。回収した有機層を、300mLの水、200mLの炭酸ナトリウム溶液(5%)、100mLの水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。溶媒を減圧下で除去する。
収量:4.0g
融点:137〜140℃
【0175】
中間体B2:4−クロロ−1−エチル−3−メチル−8−ピペリジン−1−イル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン
【化15】

【0176】
2−(2−エチル−4−メチル−イミダゾリル)−4−ピペリジン−イル−ニトロベンゼン
5gの2−(2−エチル−4−メチル−イミダゾリル)−4−フルオロ−ニトロベンゼンと10gのピペリジンとを100℃で30分間加熱した。冷却後、150mLの酢酸エチルを添加した。溶液を、50mLの水で3回抽出した。有機層を、乾燥状態に蒸発させた。残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製する。
収量:5.5g
【0177】
2−(2−エチル−4−メチル−イミダゾリル)−4−ピペリジン−イル−アニリン
5.0gの2−(2−エチル−4−メチル−イミダゾリル)−ピペリジン−イル−ニトロベンゼンを50mLのエタノールに溶解し、0.5gのPd/C5%を添加した。反応物を45℃及び20バールの水素で5時間撹拌した。触媒を除去し、溶液を乾燥状態に蒸発させた。
収量:4.5g
【0178】
1−エチル−3−メチル−8−ピペリジン−イル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−オン
4.8gの2−(2−エチル−4−メチル−イミダゾリル)−4−ピペリジン−イルアニリンと16gの尿素とを170℃で8時間加熱した。80℃に冷却した後、80mLの水を添加した。1時間撹拌した後、生成物を濾別し、60℃で乾燥させる。
収量:4.2g
融点:313〜317℃
【0179】
4−クロロ−1−エチル−3−メチル−8−ピペリジン−1−イル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン
3.5gの1−エチル−3−メチル−8−ピペリジン−1−イル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−オンを25mLのホスホロキシクロライドで8時間還流させた。25mLのトルエンを2回添加し、乾燥状態に蒸留した。次いで、100mLの氷水と50mLの炭酸ナトリウム溶液(20%)とを添加した。混合物を、100mLのジクロロメタンで2回抽出した。有機層を乾燥状態に蒸発させ、残渣をシリカゲル(ジクロロメタン/メタノール=95/5)上で精製した。
収量:0.99g
融点160〜163℃
【0180】
この手法に従って、式(IV)の多くの他の中間体Bを製造することができる。幾つかの例は、以下のものである:
【化16】

X、Y、Z=C
【0181】
【表1】

【0182】
式(IV)の中間体をシアニド塩(例えばKCN)で処理することにより、式(II)の化合物[式中、m及びnは0であり、AとNの間の結合は二重結合であり、R3は、−CNである]を製造することができる。
【0183】
実施例1:8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−カルボニトリル
【化17】

【0184】
560mgの4−クロロ−8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン(2mmol)を10mLのDMFに溶解させ、600mgのシアン化カリウムを添加した。混合物を90〜100℃で10時間撹拌し、冷却し、50mLの水と50mLのトルエンとを添加した。有機相を25mLの水で2回洗浄し、乾燥状態に蒸留した。残渣に対して、50%酢酸エチル、45%ジクロロメタン、5%メタノールでシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った。
収量:0.31g
融点:187〜188℃
【0185】
WO99/45009の方法に従ってNH3又はアルキルアミン、例えばC1-5アルキルアミンで式(IV)の中間体を処理して対応する4−アミノ誘導体を形成することにより、式(II)[m及びnは0であり、AとNの間の結合は二重結合であり、R3は、NH−SO26、N(SO262、N(R6)(SO26)、NHSO27、N(SO272及びN(R8)SO27であり、ここでR6、R7及びR8は、上記定義される通りである]の化合物を製造することができる。これらの4−アミノ誘導体を、最終スルホンアミドを形成するスルホン酸塩化物又はスルホン酸無水物で処理する。
【0186】
実施例2:N−(1−エチル−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド
【化18】

【0187】
2.26gの1−エチル−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル−アミン(10mmol)を40mLのトルエンと共に撹拌した。2.18gのメタンスルホン酸無水物(12.5mmol)を添加し、混合物を還流下で30分間加熱した。90℃に冷却した後、3.0gのトリエチルアミンを添加した。反応物を90〜100℃で15分間〜2時間撹拌し、TLCで制御した。冷却後、25mLの水を添加し、室温で1時間撹拌した。生成物を濾別し、20mLの水及び20mLのトルエンで2回洗浄し、乾燥させた。
収量:2.35g
融点195〜199℃
【0188】
50〜60℃でMeOH/水性NaHCO3を使用して実施例2の標題化合物にジメタンスルホン化生成物を転化させることができる。
【0189】
実施例2について上記記載されたものと同じ手法及び反応条件を使用して、以下の実施例も合成した。
【0190】
【化19】

X、Y、Z=C
5=H
【0191】
【表2】

【0192】
実施例1について上記記載されたものと同じ手法及び反応条件を使用して、実施例8を合成した。実施例2について上記記載されたものと同じ手法及び反応条件を使用して、実施例9〜15を合成した。
【0193】
【化20】

X、Y、Z=C
5=H
【0194】
【表3】

【0195】
驚くべきことに、式(II)の化合物は、酵素PDE10の強力阻害剤である。物質が10μM未満、好ましくは1μM未満のIC50を有する場合、この物質は有効にPDE10を阻害すると考えられる。選択化合物についてのIC50値は、下記の第1表において提供され、ここで「+」は、IC50値が10nM以下であることを示し、「++」は、IC50値が10〜100nMの間にあることを示し、「+++」は、IC50値が100nM以上であることを示す。
【0196】
PDE10の阻害
方法A
ホスホジエステラーゼアイソエンザイム10(PDE10)活性を、ラット、ブタ及びモルモットの線条体それぞれの配合物において決定した。雄のウィスターラット(180〜200g)、雄の雑種ブタ(150kg)及び雄のモルモット(CRL(HA)、500g)それぞれからの線条体を回収し、−70℃で冷凍した。
【0197】
調製の日に、0.5gの線条体を、4℃において50mMのTris/Mg緩衝液10mL中で均質化し、100000gで1時間遠心分離した。上清をサイトゾル画分と呼び、これを除去して氷で保存した。同じであるが1%のトリトンを含有する緩衝液中でペレットを再懸濁し、4℃で45分間インキューベートした。両方の画分を独立してAEkta−FPLCにおいて5mLのHi TrapTM QHPカラム上に適用した。カラムの洗浄後、結合したPDEタンパク質を、サイトゾル画分用の4℃の50mMのTris/Mg緩衝液中で且つ膜画分用の1%トリトンの存在下で増大する塩化ナトリウム勾配(0mM〜500mMの塩化ナトリウム)で溶出させた。溶出されて回収した画分を、ある濃度において特定のPDE−阻害剤の存在下で及び非存在下でPDE10−活性について100nMの[3H]−cAMPにより試験した。100%阻害が予想される。PDE10−活性を有する画分を、−20℃で使用するまでアリコート中で貯留し、凍結した。
【0198】
PDE10活性をマイクロタイタープレートにおいて1段階の手順で決定した。100μLの反応混合物は、50mM Tris−HCl/5mM MgCl2緩衝液(pH=7.4)(Sigma(ドイツ国ダイゼンホーフェン);Merck(ドイツ国ダルムシュタット))、0.1μMの[3H]−cAMP(Amersham(英国バッキンガムシャー州))及び酵素を含有した。非特異的活性を酵素なしで試験した。反応を、基質溶液の添加により開始し、37℃で30分間実施した。酵素活性を、25μLのYSi−SPA−ビーズ(Amersham−Pharmacia)の添加により停止した。1時間後に混合物をマイクロタイタープレート(Microbeta Trilux)の液体シンチレーションカウンターにおいて測定した。インキュベーション混合物をピペットで取るために、ロボットBiomek(Fa.Beckman)を使用する。基質cAMPについて決定されたKm値は、それぞれ、ラット線条体からのPDE10の場合78nM、ブタ線条体の場合88nM、モルモット線条体の場合66.7nMである。cGMPは、PDE10の第2の基質である。そのKm値は、これらの種からのPDE10の場合1800nM、2200nM及び1700nMである。cGMPによる試験の場合、500nMのこの基質を使用した。アッセイにおける酵素の最適量を決定し、各酵素配合物及び基質について別々に最適化した後、その酵素を化合物試験で使用した。IC50値の決定のために、ヒルプロット、2−パラメータ−モデルを使用した。他のPDE−亜型の特異的な阻害剤は、PDE10配合物を有意に阻害しない。パパベリンを、最も一般的なPDE10阻害剤として使用したが、パパベリンは、ラット、ブタ及びモルモットの線条体からのPDE10の場合それぞれ142nM、110nM及び77nMのIC50値を有するPDE10を阻害する。
【0199】
方法B
ホスホジエステラーゼアイソエンザイム10(PDE10)活性を、それぞれヒト組換えPDE10A及びブタ線条体からのPDE10の配合物において決定した。
【0200】
PDE10A1のDNA(AB020593、2340bp)を合成し、ベクターpCR4.TOPO(Entelechon GmbH(ドイツ国レーゲンスブルク))にクローニングした。次いでその遺伝子をバキュロウイルスベクターに挿入し、そのバキュロウイルスベクターをバキュロウイルスDNAで連結した。SF21−細胞において酵素タンパク質を発現させた。細胞を回収するための200gでの遠心分離によりその細胞を採取することによりこれらの細胞からその酵素を単離した。細胞を50mM Tris−HCl/5mM MgCl2緩衝液(pH=7.4)に再懸濁し、細胞の音波処理により溶解させた。サイトゾルPDE10Aを、上清における48000gでの1時間の遠心分離により得て、−70℃で保存した。
【0201】
雄の雑種ブタ(150kg)からの線条体を回収し、−70℃で凍結した。調製の日に、0.5gの線条体を、4℃において50mMのTris/Mg緩衝液10mL中で均質化し、100000gで1時間遠心分離した。上清を除去し、同じであるが1%のトリトンを含有する緩衝液中でペレットを再懸濁し、4℃で45分間インキューベートした。膜画分をAEkta−FPLCにおいて5mLのHi TrapTM QHPカラム上に適用した。カラムの洗浄後、結合したPDEタンパク質を、4℃の50mMのTris/Mg緩衝液中で1%トリトンの存在下で増大する塩化ナトリウム勾配(0mM〜500mMの塩化ナトリウム)で溶出させた。溶出されて回収した画分を、ある濃度において特定のPDE−阻害剤の存在下で及び非存在下でPDE10−活性について100nMの[3H]−cAMPにより試験した。100%阻害が予想される。PDE10−活性を有する画分を、−20℃で使用するまでアリコート中で貯留し、凍結した。
【0202】
PDE10活性をマイクロタイタープレートにおいて1段階の手順で決定した。100μLの反応混合物は、50mM Tris−HCl/5mM MgCl2緩衝液(pH=7.4)(Sigma(ドイツ国ダイセンホーフェン);Merck(ドイツ国ダルムシュタット))、0.1μMの[3H]−cAMP(Amersham(英国バッキンガムシャー州))及び酵素を含有した。非特異的活性を酵素なしで試験した。反応を、基質溶液の添加により開始し、37℃で30分間実施した。酵素活性を、25μLのYSi−SPA−ビーズ(Amersham−Pharmacia)の添加により停止した。1時間後に混合物をマイクロタイタープレート(Microbeta Trilux)の液体シンチレーションカウンターにおいて測定した。インキュベーション混合物をピペットで取るために、ロボットBiomek(Fa.Beckman)を使用する。基質cAMPについて決定されたKm値は、それぞれ、ブタ線条体の場合88nM、ヒト組換えPDE10Aの場合130nMである。アッセイにおける酵素の最適量を決定し、各酵素配合物について最適化した後、その酵素を化合物試験で使用した。IC50値の決定のために、ヒルプロット、2−パラメータ−モデルを使用した。他のPDE−亜型の特異的な阻害剤は、PDE10配合物を有意に阻害しない。パパベリンを、最も一般的なPDE10阻害剤として使用したが、パパベリンは、ヒト組換えPDE10AからのPDE10及びブタの線条体からのPDE10の場合それぞれ89nM及び103nMのIC50値を有するPDE10を阻害する。
【0203】
本発明による化合物は、<1μMのIC50値を有するPDE10の強力阻害剤である。
【0204】
式IIの化合物は、MK−801−誘発性活動亢進及び常同性吸引、動物の精神病モデルに及ぼす有意な抗精神病効果を示す。
【0205】
試験手順:
150〜180gの重量の雌のウィスターラット(Crl:(WI)BR,Charles River(ドイツ国ズルツフェルド))を、MK−801−誘発性精神病に使用した。動物を標準的な条件下で5匹の群で収容し、12時間の明/暗周期(0600時間でオンの光)で食料(固形飼料,ssniff M/R 15,Speziaeldiat GmbH(ドイツ国ゾースト/ヴェストファーレン州))と水を自由に摂取させた。
【0206】
Biotrend Chemikalien GmbH((ドイツ国ケルン))により配給されるTocrisによりMK−801(ジゾシルピン、MW337.37)を得た。
【0207】
化合物の製造:
各物質及び投与量について投与体積0.5mL/100gに到達するように化合物を新たに0.5%のヒドロキシエチルセルロースに懸濁させた。ヒドロキシエチルセルロースを蒸留水に溶解させた。
【0208】
投与体積0.5mL/100gに到達するようにMK−801を食塩水に溶解させた。この懸濁液と溶液とを投薬処置の前及びその間に電磁攪拌機上に置いた。
【0209】
NMDA拮抗薬MK−801により誘発された行動は一般的にラットの精神病モデルとして認められる。MK−801は、腹腔内投与後のラットにおいて常同性吸引、活動亢進及び失調を誘発する。
【0210】
ラットの歩行活動をMotiTest Apparatus(TSE,Bad(ドイツ国ハンブルク))により記録した。試験領域は、プレキシガラス保護壁(20cmの高さ)を備えた正方形の領域(45×45cm)から成り、ここでラットは自由に移動できた。水平方向の移動を、この領域の各壁の底に沿って配置された32個の赤外光電池により記録した。活動[秒]をコンピュータプログラム「ActiMot」(TSE,Bad(ドイツ国ハンブルク))により測定した。
【0211】
常同性吸引について、Andine et al.(1999年)により記載された方法に従って5分毎に1時間に亘り(12間隔)実験者によりスコアをつけた。12間隔のスコアを、記録時間の最後に総計した。
【0212】
【表4】

【0213】
実験日に雌のラットを試験室に置き、試験前の適時に試験化合物又はビヒクルの投与を受けた。0.1mg/kgのMK−801を試験10分前に腹腔内投与した。
【0214】
試験の開始時にラットをMotiTest装置の正方形領域の中心に置いた。ラットの行動を1時間記録した。各試験動物を取り出した後、箱を完全に清浄にして乾燥させた。
【0215】
統計:
1つの分散分析(ANOVA)方法により結果を分析した。個々の比較のためにチューキー試験を使用した。P≦0.05を有意とみなした。
【0216】
経口投与又は腹腔内投与の後、本発明の化合物は、≦30mg/kgの投与量でこのモデルにおいてインビボ活性を示す。
【0217】
第1表:選択実施例についてのPDE10阻害IC50
【表5】

【0218】
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の各種改変は、前述の記載から当業者に明らかになるであろう。かかる改変はまた、添付の特許請求の範囲内にあることも意図される。本出願に引用される全ての特許、特許出願及び雑誌文献を含む各参考文献は、その内容全体が参考として本明細書で援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)
【化1】

[式中、
AとNの間の結合は、単結合又は二重結合であり;
Aは、前記結合が二重結合である場合にCであり、前記結合が単結合である場合にCHであり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
X、Y及びZは、独立してC及びNから選択され、ここでX、Y及びZの内の1つ以下がNであり;
1及びR2は、独立して、
H、ハロ、
環状基、
1-8アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルケニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルキニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
3〜8個の環原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系或いはN、N−酸化物、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜15個の環原子を有する複素環系(各環系は、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、CF3、COOH、CONH2、CONHR7、CON(R72及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択され;
7は、各場合において独立してC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、或いはN、N−酸化物O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
又は、基CON(R72における2個のR7は、それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成し(場合により、ハロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、ニトロ、C1-3アルキル及び/又はO−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
3は、
H、
3
CN、
SOR8、SO28
NH(CO)OR8、N((CO)OR82、NR8((CO)OR8)、
NH−(C=O)−NH2、NR8−(C=O)−NH2
NH−(C=O)−NHR8、NR8−(C=O)−NHR8
NH−SO28、N(SO282、及びNR8(SO28)、
NHSO29、N(SO292、及びN(R10)SO29から選択され;
8は、各場合において独立して、
環状基、
1-8アルキル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルキル、
2-8アルケニル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルケニル、
又はC2-8アルキニル(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル、及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
9は、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1-5アルキル、ヘテロアリール−C1-5アルキルであり、
ここでアリールは、フェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは、N、N−酸化物、S及びOから選択される少なくとも1個の原子を含有する5〜15個の環原子の芳香族複素環系であり、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換され、及び
10は、C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり、
各場合においてR4及びR5は、独立して、
H、
ハロ、
環状基、
11
OH又はOR11
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
NH2、NHR11及びNR1112から選択され;
11及びR12は、独立して、
−環状基、
−C1-6アルキル又はC3-6シクロ(ヘテロ)アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−アリール−C1-5−アルキル(ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、又は
−或いはR11及びR12(それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成する(場合により、ハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される))から選択され;及び
6は、
H、
1-5アルキル、C3-6シクロアルキル及び(CO)−C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択される]の化合物、或いはその製剤学的に認容性の塩。
【請求項2】
AとNの間の前記結合が二重結合である、請求項1に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項3】
m及びnが両方0である、請求項1又は2に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項4】
1が、C2-4アルキル、C3-8シクロアルキル又はフェニル(各々場合によりハロ及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項5】
2が、H、CF3、CHF2、CH2F又はメチルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項6】
3が、H、N3、CN、SOR8、SO28、NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、NHSO29、N(SO292、又はN(R10)SO29である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項7】
3がCNである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項8】
3が、−NH−(C=O)OR8である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項9】
3が、−NH−SO28である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項10】
4及びR5が、H、ハロ、C1-3アルキル、及びO−C1-3アルキルであり、ここでアルキルは場合によりハロ、OH及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項11】
式(IIa)
【化2】

[式中、
1及びR2は、独立して、
H、ハロ、
環状基、
1-8アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルケニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
2-8アルキニル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
3〜8個の原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系、或いはN、N−酸化物、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜15個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル、CF3、COOH、CONH2、CONHR7、CON(R72及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)から選択され;
7は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、或いはN、N−酸化物、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を有する複素環系(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
又は、基CON(R72における2個のR7は、それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成し(場合により、ハロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される);
3は、
H、
3
CN、
SOR8、SO28
NH(CO)OR8、N((CO)OR82、NR8((CO)OR8)、
NH−(C=O)−NH2、NR8−(C=O)−NH2
NH−(C=O)−NHR8、NR8−(C=O)−NHR8
NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、
NHSO29、N(SO292、及びN(R10)SO29から選択され;
8は、環状基、C1-8アルキル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルキル、C2-8アルケニル、C3-8シクロ(ヘテロ)アルケニル、又はC2-8アルキニル(各々場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル、及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
9は、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1-5アルキル、又はヘテロアリール−C1-5アルキルであり、ここでアリールは、フェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは、N、N−酸化物、S及びOから選択される少なくとも1個の原子を含有する5〜15個の環原子の芳香族複素環系であり、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換され;
10は、C1-5アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)であり;
各場合においてR4及びR5は、独立して、
H、
ハロ、
環状基、
11
OH又はOR11
NH(C=O)−C1-3アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)
NH2、NHR11及びNR1112から選択され;及び
11及びR12は、独立して、
−環状基、
−C1-6アルキル又はC3-6シクロ(ヘテロ)アルキル(場合によりハロ、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−アリール−C1-5−アルキル(ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、OH、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)、
−或いはR11及びR12(それらが結合する窒素原子と共に、N、N−酸化物、S及びOから選択される最高3個のヘテロ原子を含有する飽和若しくは不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成する(場合により、ハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル又はアリール−C1-5−アルキルで一置換若しくは多置換され、ここでアリールはフェニルであり、そのフェニルは場合によりハロ、アミノ、C1-3アルキルアミノ、ジ−C1-3アルキルアミノ、ニトロ、C1-3アルキル、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される))から選択される]の化合物、又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項12】
1が、C1-8アルキル(場合によりハロ、O−C1-3アルキル及び/又は環状基で置換される)である、請求項11に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項13】
1が、C1-8アルキルである、請求項11に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項14】
1が、エチル又はプロピルである、請求項13に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項15】
1が、3〜8個の原子を有する飽和、一価不飽和若しくは多価不飽和の炭素環系(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である、請求項11に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項16】
1がシクロヘキシルである、請求項15に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項17】
1が、3〜8個の原子を有する多価不飽和の炭素環系(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である、請求項15に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項18】
1が、フェニル(場合によりハロ、C1-3アルキル、及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換される)である、請求項17に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項19】
1が、ハロ、C1-3アルキル及び/又はO−C1-3アルキルで一置換若しくは多置換されたフェニルである、請求項17に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項20】
1が、フルオロ、クロロ及び/又はメチルで一置換若しくは多置換されたフェニルである、請求項19に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項21】
1が、クロロで一置換されたフェニルである、請求項20に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項22】
1が、2−クロロフェニルである、請求項21に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項23】
2が、H又はC1-8アルキルである、請求項11〜22のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項24】
2が、C1-8アルキルである、請求項11〜22のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項25】
2が、メチルである、請求項24に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項26】
3が、H、N3、CN、SOR8、SO28、NH−SO28、N(SO282、NR8(SO28)、NHSO29、N(SO292、又はN(R10)SO29である、請求項11〜25のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項27】
3が、CNである、請求項11〜25のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項28】
3が、SO28である、請求項11〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
8が、C1-8アルキルである、請求項28に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項30】
8が、メチル、エチル又はプロピルである、請求項28に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項31】
3が、NH−SO28、NR8(SO28)、NHSO29、又はN(R10)SO29である、請求項11〜25のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項32】
3が、NH−SO28である、請求項11〜25のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項33】
8が、C1-8アルキルである、請求項32に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項34】
8が、メチルである、請求項33に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項35】
4及びR5の各々が、独立して、H、ハロ、C1-3アルキル、環状基、及びO−C1-3アルキルから選択されるが、ここでO−C1-3アルキルは、場合によりハロ及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される、請求項11〜34のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項36】
4及びR5の内の一方がハロであり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項11〜34のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項37】
4及びR5の内の一方がフルオロ又はクロロであり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項36に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項38】
4及びR5の内の一方がO−C1-3アルキルであり、そのO−C1-3アルキルは、場合によりハロ又は環状基で一置換若しくは多置換される、請求項11〜34のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項39】
4及びR5の内の一方がO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項38に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項40】
4及びR5の内の一方がOCH3であり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項39に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項41】
4及びR5の内の一方が、環状基で一置換されたO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項38に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項42】
前記環状基が、シクロプロピルである、請求項41に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項43】
前記環状基が、キノリニルである、請求項41に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項44】
4及びR5の内の一方が、ハロで多置換されたO−C1-3アルキルであり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項38に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項45】
4及びR5の内の一方がO−CH2CF3であり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項44に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項46】
4及びR5の内の一方が環状基であり、R4及びR5の内の他方がHである、請求項35に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項47】
前記環状基が、ピペリジニルである、請求項46に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項48】
前記化合物が、式(IIb)
【化3】

[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1〜47のいずれか1項に定義される]を有する、請求項11〜47のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項49】
前記化合物が、式(IIa)
【化4】

[式中、
1は、C1-8アルキル、C3-8シクロアルキル、又はハロで一置換されたフェニルであり;
2は、C1-8アルキルであり;
3は、CN又はNH−SO28であり、ここでR8は、C1-8アルキルであり;及び
各場合においてR4及びR5は、独立して、H、ハロ、C3-6シクロ(ヘテロ)アルキル又はOR11から選択され、ここでR11は、C1-6アルキル(場合によりハロ及び/又は環状基で一置換若しくは多置換される)である]を有する、請求項1に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項50】
N−(1−エチル−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−エチル−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−(2−クロロフェニル)−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−シクロヘキシル−8−フルオロ−3−メチル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−[1−エチル−3−メチル−8−(ピペリジン−1−イル)−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド;
8−フルオロ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ(1,5−a)キノキサリン−4−カルボニトリル;
1−シクロヘキシル−8−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−カルボニトリル;
N−(8−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−シクロヘキシル−8−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(8−シクロプロピルメトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−(1−シクロヘキシル−8−シクロプロピルメトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミド;
N−[1−シクロヘキシル−3−メチル−8−(キノリン−2−イルメトキシ)−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[1−(2−クロロ−フェニル)−7−メトキシ−3−メチル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル]−メタンスルホンアミド;及び
N−(7−メトキシ−3−メチル−1−プロピル−イミダゾ[1,5−a]キノキサリン−4−イル)−メタンスルホンアミドから選択される請求項1に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩。
【請求項51】
式(IV)
【化5】

[式中、Lは、Cl又はBrであり;並びにR1、R2、R4及びR5は、請求項1〜50のいずれか1項に定義される通りである]の化合物をシアニド塩と反応させる段階を含む、
m及びnが0であり;
AとNの間の前記結合が二重結合であり;及び
3がCNである、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
【請求項52】
前記シアニド塩が、KCNである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
(a)式(IV)
【化6】

[式中、Lは、Cl又はBrであり;並びにR1、R2、R4及びR5は、請求項1〜50のいずれか1項に定義される通りである]の化合物をNH3又はアルキルアミンと反応させて4−アミノ誘導体を形成する段階;及び
(b)その後、4−アミノ誘導体をスルホン酸塩化物又は無水物と反応させて最終スルホンアミドを提供する段階を含む、
m及びnが0であり;
AとNの間の前記結合が二重結合であり;
3が、NHSO28、N(SO282、N(R8)SO28、NHSO29、及びN(R10)SO29から選択され;及び
8、R9及びR10が、請求項1〜50のいずれか1項に定義される通りである、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
【請求項54】
場合により製剤学的に認容性の担体と共に、活性薬剤として請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩を含む医薬組成物。
【請求項55】
ホスホジエステラーゼ10活動亢進及び/又は障害に関連した、伴う、及び/又は起因した障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩の使用。
【請求項56】
中枢神経系障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩の使用。
【請求項57】
前記障害が、統合失調症及び他の精神病性障害;気分障害;神経症性障害、ストレス関連性障害及び身体表現性障害;摂食障害;過剰な性的衝動を含む性機能不全;成人の人格及び行動の障害;通常、乳児期、幼児期及び青年期に最初に診断される障害、精神発達遅滞;心理的発達の障害;認知障害の症状を含む障害;及び虚偽性障害から選択される、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項58】
前記統合失調症及び他の精神病性障害が、連続性又は偶発性の統合失調症;統合失調型障害;持続性妄想性障害;急性精神病性障害、一過性精神病性障害及び持続性精神病性障害;誘発性妄想障害;異なる種類の統合失調感情障害;産褥精神病;並びに他の且つ不特定の非器質性精神病から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項59】
前記気分障害が、双極性障害に関連する躁病エピソード及び1回の躁病エピソード、軽躁病、精神病性症状を伴う躁病;双極性感情障害;うつ病性障害;持続性気分障害;及び月経前不快気分障害から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項60】
神経症性障害、ストレス関連性障害及び身体表現性障害に属する前記障害が、恐怖症性不安障害;パニック障害又は全般性不安障害;強迫性障害;過酷なストレスへの反応及び適応障害;解離性障害、及び他の神経症性障害から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項61】
成人の人格及び行動の前記障害が、妄想型、分裂病型、統合失調型、反社会型、境界型、演技型、自己愛型、回避型、非社交型、情緒不安定型、強迫型、不安型及び依存型の特異的な人格障害;混合人格障害;習慣及び衝動障害;及び性的嗜好の障害から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項62】
通常、乳児期、幼児期及び青年期に最初に診断される前記障害が、多動性障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、行動障害;行動障害と情緒障害との混合障害;非器質性遺尿症、非器質性遺糞;常同性運動障害;活動亢進を伴わない注意欠陥障害、自慰過剰、咬爪癖、鼻をほじる癖及び親指を吸う癖;心理的発達の障害、特に幼児期の分裂病的障害及び広汎性発達障害から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項63】
心理的発達の前記障害が、発語及び言語の発達障害、学業の能力の発達障害(これらの障害は、主として乳児期、幼児期及び青年期に診断される)から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項64】
症状として認知障害を含む前記障害が、精神病関連に限定されないが、主として認知障害;老年性記憶障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、ルイス体認知症、卒中発作、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺ハンチントン病、並びにHIV疾患、脳外傷、薬物乱用における認知障害、及び軽度の認知障害から選択される、請求項57に記載の使用。
【請求項65】
前記障害が、局所性ジストニー、多巣性ジストニー、又は分節性ジストニー、捻転ジストニー、脳半球ジスキネジー、全般性ジスキネジー及び遅発性ジスキネジー、アカシジア、ハンチントン病、パーキンソン病、ルイス体疾患、下肢静止不能症候群及びPLMSから選択されるジスキネジーから選択される大脳基底核の機能不全を伴う運動障害から選択される、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項66】
前記障害が、症候性の精神障害;器質性妄想性(統合失調症様)障害;認知症に関連する初老期精神病又は老人性精神病、てんかん及びパーキンソン病における精神病並びに他の器質性及び症候性精神病;譫妄;感染性精神病;並びに脳の疾患、損傷及び機能不全による人格障害及び行動障害から選択される器質性障害である、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項67】
前記障害が、精神活性化合物による精神障害及び行動障害、アルコール、オピオイド、カンナビノイド、コカイン、幻覚剤、カフェイン、揮発性溶剤及び他の精神活性化合物により誘発された精神病性障害並びに残遺性精神病性障害及び遅発性精神病性障害である、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項68】
哺乳類における学習能力及び記憶能力の改善のための医薬の製造のための、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩の使用。
【請求項69】
肥満、2型糖尿病、代謝症候群又は耐糖能障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩の使用。
【請求項70】
前記患者が過体重又は肥満である、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
前記化合物が、選択的PDE10阻害剤である、請求項69又は70に記載の使用。
【請求項72】
前記医薬が、更なる治療剤を含む、請求項69に記載の使用。
【請求項73】
前記更なる治療剤が抗肥満剤である、請求項72に記載の使用。
【請求項74】
患者における体脂肪又は体重を減少させるための医薬の製造のための、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物又はその製剤学的に認容性の塩の使用。
【請求項75】
前記患者が過体重又は肥満である、請求項74に記載の使用。
【請求項76】
前記化合物が、選択的PDE10阻害剤である、請求項74又は75に記載の使用。
【請求項77】
前記医薬が、更なる治療剤を含む、請求項76に記載の使用。
【請求項78】
前記更なる治療剤が抗肥満剤である、請求項77に記載の使用。
【請求項79】
ヒト用医薬における、又は、動物用医薬品における、請求項55〜78のいずれか1項に記載の使用。
【請求項80】
少なくとも1種の更なる製剤学的に有効な化合物と組み合わせて請求項1〜50のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物又はその製剤学的に認容性の塩を含む医薬組成物又はキット。
【請求項81】
前記更なる活性化合物が、PDE10阻害に基づかない中枢神経系障害の治療に有用な治療的に活性の化合物である、請求項80に記載の組成物又はキット。

【公表番号】特表2011−504892(P2011−504892A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535302(P2010−535302)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010184
【国際公開番号】WO2009/068320
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(502332957)ビオティエ セラピーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】Biotie Therapies GmbH
【住所又は居所原語表記】Meissner Strasse 191, D−01445 Radebeul,Germany
【Fターム(参考)】