説明

ホスホジエステラーゼ4阻害剤としての6−アミノ−1H−インダゾール及び4−アミノベンゾフラン化合物

PDE4阻害は、例えばアミノインダゾール及びアミノベンゾフラン類似体である新規化合物によって達成される。本発明の化合物は一般式I及びIIであり:ここでR1、R2、R3、R4、R7及びR8は本願において定められる通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にホスホジエステラーゼ4(PDE4)酵素阻害の分野に関する。より明確には、本発明は、例えばアミノインダゾール及びアミノベンゾフラン類似体の新規化合物による選択的PDE4阻害、それらの化合物の調製方法、それらの化合物を含む組成及びそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクリックヌクレオチド特異的ホスホジエステラーゼ(PDEs)は、様々なサイクリックヌクレオシドモノホスフェート(cAMP及びcGMPを含む)の加水分解を触媒する酵素ファミリーを言う。これらのサイクリックヌクレオチドは、細胞内のセカンドメッセンジャーとして作用し、並びにメッセンジャーとして、様々なホルモン及び神経伝達物質に結合した細胞表面受容体からのインパルスを運搬する。PDEsは、細胞内のサイクリックヌクレオチドレベルを調節するように作用し、並びにかかるサイクリックモノヌクレオチドを分解し、それらのメッセンジャーの役割を終わらせることにより、サイクリックヌクレオチドのホメオスタシスを維持する。
【0003】
PDE酵素は、cAMP又はcGMPの加水分解に対するそれらの特異性、カルシウム、カルモジュリン又はcGMPによる調節に対するそれらの感受性、並びに様々な化合物によるそれらの選択的阻害に従い11種のファミリーに群別することができる。例えば、PDE1は、Ca2+/カルモジュリンにより刺激される。PDE2は、cGMP-依存性であり、心臓及び副腎において認められる。PDE3は、cGMP-依存性であり、及びこの酵素阻害は、陽性の変力活性を引き起こす。PDE4は、cAMP特異性であり、その阻害は、気道の弛緩、抗炎症及び抗鬱活性を引き起こす。PDE5は、血管平滑筋中のcGMP含量の調節において重要であるらしく、従ってPDE5阻害剤は、心血管活性を有し得る。PDEsは、識別できる生化学特性を有するので、これらは恐らく多種多様な調節の型に従属するであろう。
【0004】
PDE4は、cAMPに関する低いミカリエス定数を含む様々な速度論的特徴、及びある種の薬物に対する感受性により識別される。PDE4酵素ファミリーは、4種の遺伝子から成り、これはPDE4A、PDE4B、PDE4C、及びPDE4Dと称されるPDE4酵素の4種のアイソフォームを形成する[参照:Wang等、「Expression, Purification, and Characterization of human cAMP-Specific Phosphodiesterase (PDE4) Subtypes A, B, C, and D」、Biochem. Biophys. Res. Comm.、234:320-324 (1997)]。加えて各PDE4アイソフォームの様々なスプライシング変異体が同定されている。
【0005】
PDE4同位酵素は、細胞の細胞質ゾルに局在化され、及びいかなる公知の膜構造にも結合していない。PDE4同位酵素は、アデノシン5'-モノホスフェート(AMP)へのその加水分解を触媒することにより、cAMPを特異的に不活性化する。cAMP活性の調節は、炎症及び記憶を含む、多くの生物学的プロセスにおいて重要である。ロリプラム、ピクラミラスト(piclamilast)、CDP-840及びアリフロのようなPDE4同位酵素の阻害剤は、強力な抗炎症試薬であり、その結果喘息又は関節炎のような炎症が問題である疾患の治療に有用となり得る。更に、ロリプラムは、範例学習において、ラット及びマウスの認知能を改善する。
【0006】
【化1】

【0007】
ロリプラムのような化合物に加え、ペントキシフィリン、デンブフィリン、及びテオフィリンなどのキサンチン誘導体が、PDE4を阻害し、及びそれらの認知増強作用について最近かなりの注目を浴びている。cAMP及びcGMPは、多くの様々なホルモン及び神経伝達物質に対する細胞反応を媒介するセカンドメッセンジャーである。従って、治療的に有意な作用は、PDE阻害、並びに神経系及び体内のいずれかに位置するような重要な細胞において得られる細胞内cAMP又はcGMPの増加から生じる。
【0008】
以前に抗鬱薬として開発されたロリプラムは、PDE4酵素を選択的に阻害し、及びPDE酵素サブタイプの分類における標準薬となっている。PDE4分野の初期の研究は、うつ及び炎症に焦点があてられ、引き続き痴呆のような適応症を含むように拡大されている(「The PDE IV Family Of Calcium- Phosphodiesterases Enzymes」、John A. Lowe, III等、Drugs of the Future、17(9): 799- 807 (1992)参照)。更にロリプラム及び他の第一世代のPDE4阻害剤の臨床開発は、これらの化合物の副作用プロファイルのために終結された。霊長類における主な副作用は嘔吐であるが、齧歯類における主な副作用は、精巣の脱顆粒、血管平滑筋の脆弱化、向精神作用、胃酸分泌の増加及び胃びらんである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
本発明は、PDE4酵素を阻害する新規化合物、例えばアミノインダゾール及びアミノベンゾフラン類似体に関し、特に例えば比較的嘔吐を伴わない(例えば、先に検討された先行技術の化合物と比べ)など、副作用プロファイルを改善した。好適には、当該化合物は、PDE4酵素を選択的に阻害する。本発明の化合物は、同時に細胞、特に神経系の細胞への侵入を促進する。
【0010】
更に本発明は、かかる活性及び選択性を伴う化合物を合成するための方法、並びに例えば、神経学的徴候、特に記憶障害に関連した症状、最も特別にはそのような記憶障害が、PDE4酵素による細胞内cAMPレベルの代謝に一部起因しているか、もしくはそのような記憶障害がPDE4酵素活性を効果的に阻害することにより改善され得るような長期記憶障害に関連している、上昇した細胞内PDE4レベル又は低下したcAMPレベルに関与した疾患症状のための、PDE阻害、特にPDE4阻害を必要とする、例えば、ヒトを含む哺乳類などの患者を治療する方法(及びそれに対応する医薬組成物)を提供する。
好ましい観点では、本発明の化合物は、嘔吐を誘発しない用量で、PDE4酵素を阻害することにより、このような疾患を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は一般式I及びIIの化合物を含む:
【化2】

ここで、Rは、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
3から10好ましくは3から8の炭素原子を有するシクロアルキルであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、1から4の炭素原子を有するアルキル、1から4の炭素原子を有するアルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばシクロペンチル)、或いは、
ヘテロ環基であり、飽和である場合、部分的に飽和である場合もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル)、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル(例えば、第三ブチルオキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシもしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばテトラヒドロフラニル、ピリジル、チエニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル等)、
【0012】
は、Hであり、或いは
1から4の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、及び/もしくはC1-4アルコキシによって置換される場合があり(例えば、CH3,C2H5,CHF2,CF3、等)、そして1以上の−CH2CH2−基は−CH=CH−もしくは−C≡C−にそれぞれ置き換わることができ、
【0013】
は、Hであり、
1から8、好ましくは1から4の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばメチル、エチル、プロピル、等)、
部分的に不飽和な炭素環アルキル基であり、炭素環部位が5から14の炭素原子を有し、アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、及び炭素環部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、アルキル部位は、任意にハロゲン、C1-4アルコキシ、シアノ、又はそれらの組合せにより置換され(例えばシクロヘキセニルメチル、等)、
7から19の炭素原子を有すアリールアルキルであり、アリール部位は6から14の炭素原子を有し、アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、
アリールアルキルラジカルはアリール部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノにより置換される場合があり、及び/又はアルキル部位がハロゲン、シアノもしくはメチルにより置換される場合があり(例えばベンジル、フェネチル、フェンプロピル(phenpropyl)、メチルベンジル、メトキシベンジル、トリフルオロメチル、ベンジル、メチレンジオキソベンジル、等)、或いは、
ヘテロアリールアルキル基であり、ヘテロアリール部位は部分的に、又は全て飽和されてよく、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、ヘテロアリールアルキル基はヘテロアリール部位に置換基がない場合と、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び/又はアルキル部位がハロゲン、シアノ、もしくはメチル又はそれらの組合せにより置換される場合があり(例えば、ピリジルメチル、ピリジルプロピル、メチルピリジルメチル、クロロピリジルメチル、ジクロロピリジルメチル、チエニルメチル、チアゾリルメチル、キノリニルメチル、イソキノリニルメチル、ピペリジニルメチル、フラニルメチル、イミダゾリルメチル、メチルイミダゾリルメチル、ピロリルメチル等)、;
【0014】
は、Hであり、
6から14の炭素原子を有すアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、OCF、アミノ、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル)、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、2(−ヘテロ環)テトラゾール−5−イル(例えば、2−(2−テトラヒドロピラニル)テトラゾール−5−イル)、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル(例えば、第三ブチルオキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ(例えば第三ブチルジメチルシリルオキシ)、R―L―、又はそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばフェニル、メチルフェニル、クロロフェニル、フルオロフェニル、ビニルフェニル、シアノフェニル、メチレンジオキソフェニル、エチルフェニル、ジクロロフェニル、カルボキシフェニル、エトキシカルボニルフェニル、ジメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ニトロフェニル、アミノフェニル、等、といったフェニル、ナフチル、及びビフェニルで置換される場合と、置換されない場合)、或いは、
5から10の環式原子を有するヘテロアリールであり、少なくとも1の環式原子がヘテロ原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル)、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル(例えば、第三ブチルオキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ(例えば、第三ブチルジメチルシリルオキシ)、R−L−、又はそれらの組合せにより置換される場合があり(例えば、ピリジル、チエニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリニル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、等)、;
【0015】
は、Hであり、
1から8の、好適には1から4の炭素原子を有すアルキルであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えば、メチル、エチル、プロピル、等)、
アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり、それぞれのアルキル部位は独立して1から8、好適には1から4の炭素原子を有し(例えばジメチルアミノ、等)、
部分的に不飽和である炭素環式アルキル基であり、炭素環部位が5から14の炭素原子を有し、及びアルキル部位は1から5の炭素原子を有し、この炭素環式アルキル基は炭素環部位において置換基がない場合と、好適には1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えば、シクロヘキセニルメチル、等)、
3から10、好適には3から8の炭素原子を有すシクロアルキルであり、置換基がない場合と1以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アルコキシ、1から4の炭素原子を有すアルキル、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばシクロペンチル)、
4から16、好適には4から12の炭素原子を有すシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル部位及び/又はアルキル部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシもしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばシクロペンチルメチル、シクロプロピルメチル、等)、
6から14の炭素原子を有するアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル)、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニルにより置換される場合があり(例えば、第三ブチルオキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ、アシル、アルキチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル(例えばフェニル及びナフチル、メチルフェニル、クロロフェニル、フルオロフェニル、ビニルフェニル、シアノフェニル、メチレンジオキソフェニル、エチルフェニル、ジクロロフェニル、カルボキシフェニル、エトキシカルボニルフェニル、ジメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ニトロフェニル、アミノフェニル等で置換される場合と置換されない場合)、
7から19の炭素原子を有すアリールアルキルであり、アリール部位は6から14の炭素原子を有し、及びアルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、
アリールアルキルラジカルは、アリール部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノにより置換される場合があり、及び/又はアルキル部位がハロゲン、シアノ、もしくはメチルにより置換される場合があり(例えば、ベンジル、フェネチル、フェンプロピル、メチルベンジル、メトキシベンジル、トリフルオロメチル、ベンジル、メチレンジオキソベンジル、等)、
ヘテロ環基であり、飽和である場合、部分的に飽和である場合、もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル)、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル(例えば、第三ブチルオキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えば、ピリジル、チエニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、等)、或いは
ヘテロ環アルキル基であり、ヘテロ環部位が飽和である場合、部分的に飽和である場合、もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、当該ヘテロ環アルキル基はヘテロ環部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び/又はアルキル部位がハロゲン、シアノ、又はメチル、もしくはその組合せにより置換される場合があり(例えば、ピリジルメチル、ピリジルプロピル、メチルピリジルメチル、等);
【0016】
Lは、8までの炭素原子を有す単結合、又は2価の脂肪族ラジカルであり、1以上の―CH―基は、いずれも任意に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONH−、−NHSO−、−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NHCONH−、−OCONH、−NHCOO−、−SCONH−、−SCSNH−、もしくは−NHCSNH−(例えば、−O−、CH−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CHCHCH−NH−CO−、−CH−CH−O−、−SO−NH−CHCH−O−、−O−CHCH−O−、−CH−NH−CO−、−CO−NH−CH−、−SO−NH−、−CH−NH−SO−、−CHCHCH−SO−NH−、−CONHSO−、等)に置き換えられており置き換えられており;
【0017】
は、Hであり、
1から8の、好適には1から4の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり(例えばメチル、エチル、プロピル、等);
【0018】
は、アルコキシ、又はアルキルチオであり、いずれのケースも1から4の炭素原子を有し、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり(例えばCH、CHF、CF、等)、
【0019】
は、−CO−C1-4アルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり(例えばCH、CHF、CF、等)、或いは
【化3】

であり、
【0020】
は、H、又は1から4の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり(例えばCH、CHF、CF、等)、
【0021】
10は、1から6の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり(例えばCH、CHF、CF、等)、
【0022】
11は、1から6の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり(例えばCH、CHF、CF、等)、
X及びYは、それぞれ独立してO又はSであり、及び
【0023】
Aは、2から7の炭素原子を有するアルキレンであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり;
ここで一般式I中のR及びRは、共にH以外であり、そして一般式II中のR及びRの少なくとも1つはH以外であり;且つ
薬学的に許容され得るそれらの塩類である。
【0024】
本発明の更なる観点では、一般式III 及びIVのような新規化合物の属を提供する:
【化4】

【0025】
ここで、R、R,R,R,R,及びRは、上記に定められる通りである。一般式I及びIIの下位に属する化合物は、PDE4阻害活性を有するだけでなく、R及びRが共にH以外である一般式IIの化合物を調製するための中間体としても有用である。
【0026】
更に、一般式I及びIIの好適な化合物は、それらの下位の式V及びVIであり、
【化5】

ここで、R、R,R,R,及びRは、一般式I及びIIに定められる通りであり、B,D及びEの一つはNであり、及びその他はCである。好適にはDはNである。Rも、好適にはピリジル又はフェニルであり、いずれの場合も置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0027】
本発明の更なる観点によると、一般式I及びIIの化合物は以下の化合物から選定される:
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
1−シクロペンチル−6−〔N−(3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕−1H−アミノインダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
1−シクロペンチル−6−(N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル))アミノインダゾール、
1−シクロペンチル−6−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノインダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−(N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))−アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル〕−N−(3−ピリジルメチル)アミノ−1H−インダゾール、
1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノ−1H−インダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−N−(4−フェニルスルホニルアミノカルボニルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)−4−アミノベンゾフラン、及び
薬学的に許容され得るそれらの塩類。
【0028】
ここで光学活性化合物は、ラセミ混合物を含み、それらの分割されたエナンチオマー、もしくはそれらの混合物のフォームであってよい。
【0029】
本発明の化合物は、動物(例えば哺乳動物、特にヒト)におけるPDE4活性を効果的に阻害及び調節する。これらの化合物は神経学的活性、特に長期記憶を含め認知に影響するような活性を見せる。これらの化合物はcAMPレベルの減少が関与する疾患の治療でも効果を有するであろう。これは炎症性疾患に限定されることなく、それ以外も含む。これらの化合物は抗うつ薬としての機能も果たし、認知及び精神分裂病ネガティブな徴候の治療に有用である。
【0030】
PDE阻害活性、並びにPDE4阻害活性の選択性、及びPDE4同位酵素阻害の選択性を測定するための検定は、当業界において公知である。例えば本明細書において参考文献により組み入られる米国特許No.6,136,821を参照。
【0031】
本発明における更なる観点は、本明細書において記載されたPDE4阻害剤の製品の中間体として有用である化合物(例えば、一般式I及びIIのPDE4阻害剤)、及び/又は本発明の応用でPDE4阻害剤の放射ラベルした類似体の合成のために有用である化合物を提供する。
【0032】
従って、一般式I及びIIの化合物と一致する中間体化合物が提供され、ここでR,R、R、及びRは、一般式I及びIIのために前記に定められているが、R又はRはH、第三-ブチルジメチルシリル−、又は適当なフェノール性もしくはインダゾール性保護基である。適当な保護基は、例えば、Green,T.W.及びWuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,1999,pp.246-293.に発表されている。これらの中間体は、例えば適当な放射性ラベル試薬を伴うHを有すR1もしくはR7中における保護基を除去することにより、且つ結果物を反応させることにより、RCO−、2CO−、14CH−もしくは11CH−となる放射性ラベル化合物の合成のためにも有益である。かかる放射性ラベル化合物は、動物において、PETイメージング試験において、並びにin vivo, ex vivo,及びin vitro結合試験において、組織に分布した化合物を測定するために有用である。
【0033】
前記の一般式III に対応した化合物におけるR4、R7及びR8は、R3がH以外である一般式IIに対応した化合物を生産するために有用な中間体であることは前記の通りである。
【0034】
また前記の一般式IVに対応した化合物におけるR3、R7及びR8は、R4がH以外である一般式IIに対応した化合物を生産するために有用な中間体であることは前記の通りである。
【0035】
本明細書においてハロゲンとは、F、Cl、Br、及びIを言う。好適なハロゲンはF及びClである。
【0036】
官能基として又はそれ自体が置換基としてのアルキル、或いは官能基の一部として又は置換基としてのアルキルは(例えば、アルキルアミノ、トリアルキルシリルオキシ、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル)、1から12の炭素原子、好適には1から8の炭素原子、特に1から4の炭素原子を有す直鎖もしくは側鎖の脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。適したアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルを含む。適したアルキル基の他の例は、1−,2−又は3−メチルブチル,1,1−、1,2−又は2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1−,2−,3−又は4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−又は3,3−ジメチルブチル、1−又は2−エチルブチル、エチルメチルプロピル、トリメチルプロピル、メチルヘキシル、ジメチルペンチル、エチルペンチル、エチルメチルブチル、ジメチルブチル、及び同種のものである。
【0037】
置換されるアルキル基とは、上記の通り1以上の部位をハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、及び/又はシアノにより置換されるアルキル基である。ハロゲンは好適な置換基であり、特にF及びClが好適である。
【0038】
アルコキシは、アルキル−O−基を意味し、アルコキシアルコキシは、アルキル−O−アルキル−O−基を意味し、そのアルキル部位は上記検討の通りである。適したアルコキシ、及びアルコキシアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ メトキシメトシキ エトキシメトキシ、プロポキシメトキシ、及びメトキシエトキシである。好適なアルコキシ基は、メトキシ及びエトキシを含む。同様にアルコキシカルボニルは、アルキル−O−CO−を意味し、アルキル部位は前記検討の通りである。実施例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、及び第三ブトキシカルボニルを含む。
【0039】
シクロアルキルは、単環、二環又は三環の3から10の炭素原子、好適には3から8の炭素原子、特に3から6の炭素原子を有す非芳香族性飽和炭化水素ラジカルを意味する。適したシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル(norbornyl)、1−デカリン、アダマント−1−イル、及びアダマント−2−イルを含む。他の適したシクロアルキル基は、スピロペンチル、ビシクロ〔2.1.0〕ペンチル、ビシクロ〔3.1.0〕ヘキシル、スピロ〔2.4〕ヘプチル、スピロ〔2.5〕オクチル、ビシクロ〔5.1.0〕オクチル、スピロ〔2.6〕ノニル、ビシクロ〔2.2.0〕ヘキシル、スピロ〔3.3〕ヘプチル、ビシクロ〔4.2.0〕オクチル、及びスピロ〔3.5〕ノニルを含む。好適なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。シクロアルキル基は置換基があってよく、例えばハロゲン、及び/又はアルキル基により置換される。
【0040】
シクロアルキルアルキルは、シクロアルキル−アルキルラジカルをいい、シクロアルキル及びアルキル部位は前記検討の通りである。適例は、シクロプロピルメチル及びシクロペンチルメチルを含む。
【0041】
官能基として又はそれ自体が置換基としてのアリール、或いは官能基の一部として又は置換基としてのアリールは、6から14の炭素原子、好適には6から12の炭素原子、特に6から10の炭素原子を含む芳香族炭素環式ラジカルをいう。適したアリール基は、フェニル、ナフチル、及びビフェニルを含む。置換されるアリール基は、上記の1以上で(例えばハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アシル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、及びフェノキシ)置換されるアリール基を含む。
【0042】
アリールアルキルは、アリール−アルキル−ラジカルをいい、アリール及びアルキル部位は前記の通りである。適例はベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、フェンプロピル(phenpropyl)、フェンブチル(phenbutyl)、フェンペンチル(phenpentyl)、及びナフチルメチルを含む。
【0043】
ヘテロアリールは1又は2の環、及び計5から10の環式原子を有する芳香族ヘテロ環基をいい、少なくとも1の環式原子がヘテロ原子である。好適には、当該ヘテロアリール基はN、O及びSから選定された1から3、特に1又は2のヘテロ環式原子を含む。適したヘテロアリール基は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ジチアリル、オキサチアリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、オキサジニル、イソオキサジニル、オキサチアジニル、オキサジアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、チオナフテニル、イソチオナフテニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、プリニル、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、及びベンゾオキサジニル、例えば、2−チエニル、3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−,6−,7−又は8−キノリニル、及び1−,3−,4−,5−,6−,7−又は8−イソキノリニルを含む。
【0044】
置換されたヘテロアリール基とは上記ヘテロアリール基をいい、1以上の部位で、例えばハロゲン、アリール、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、メチレン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノによって置換される。
【0045】
ヘテロ環は上記のようにヘテロアリール基、及び好適にはN、S、及びOから選定された少なくとも1のヘテロ環式原子を含む非芳香族性環式基を含む(例えばテトラヒドロフラニル、ピペリジニル、及びピロリジニル)。
【0046】
ヘテロ環−アルキルは、ヘテロ環−アルキル基をいい、ヘテロ環式、及びアルキル部位は前記検討の通りである。適例は、ピリジルメチル、チエニルメチル、ピリミジルメチル、ピラジニルメチル、及びイソキノリニルメチルである。
【0047】
部分的に不飽和化された炭素環構造は、5から14の炭素原子、好適には6から10の炭素原子を含む非芳香族性単環、又は二環構造であり、当該環構造は、少なくとも1のC=C結合を含む。適例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、テトラヒドロナフテニル、及びインダン−2−イルである。
【0048】
アルケニルは、2から12の炭素原子を含む直鎖又は側鎖の脂肪族ラジカルであり、1以上の−CH−CH−構造はそれぞれ−CH=CH−で置き換わる。適したアルケニル基は、エテニル、1−プロペニル、2−メチルエテニル、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテニル、及び2−ペンテニルである。
【0049】
アルキニルは、2から12の炭素原子を含む直鎖又は側鎖の脂肪族ラジカルをいい、1以上の−CH−CH−構造はそれぞれ−C≡C−で置き換わる。適したアルケニル基は、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、及び2−ブチニルである。
【0050】
アシルは、1から13の炭素原子を有すアルカノイルラジカルをいい、アルキル部位はハロゲン、アルキル、アリール、及び/もしくはアルコキシ、又は7から15の炭素原子を有すアロイルラジカル(アリール部位が、例えばハロゲン、アルキル、及び/もしくはアルコキシにより置換することができる)により置換することができる。適したアシル基は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル及びベンゾイルを含む。
【0051】
好適には1から3の置換基、特に1から2の置換基を有すラジカルで置換される。
【0052】
一般式Iの化合物中において、Rは、好適には2から4の炭素原子を有すアルキル基であってよく、任意にハロゲン、好適にはフッ素及び塩素により置換される。
【0053】
は好適にはシクロアルキル、特にシクロペンチル又はシクロヘキシルでもよい。
【0054】
は好適にはH又は1から4の炭素原子を有すアルキルであり、特にCである。
【0055】
は好適には水素、1から4の炭素原子を有するアルキルであり(例えばメチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチル)、アリールアルキル(例えば置換基を有す、又は置換基を有さないベンジル、フェネチル、及びフェンプロピル)、或いはヘテロアリールアルキル基(例えば置換基を有す、又は置換基を有さないピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、ピロリルメチル、ピリミジニルメチル、チアゾリルメチル、イソキノリニルメチル及びキノリニルメチル)である。Rのアリール及びヘテロアリール部位の好適な置換基は、F、Cl、CH、C、OCH、及びCNである。特にRは好適にはピリジルメチルである。
【0056】
は、好適にはアリール、又はヘテロアリールであり、特にフェニル、ナフチル、ビフェニル、フラニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリジル、キノリニル、及びイソキノリニルであり、それぞれ1以上の置換基がない場合と、置換基がある場合がある。好適な置換基はOH、F、Cl、CF、アルキル(メチル又はエチルのような)、アルコキシ(メトキシ及びエトキシのような)、CN、ビニル、CHOH、CONHOH、CONH、メチレンジオキシ、COOH、及びそれらの組合せである。例えばRは、ハロゲン、COOH、及び/又はCNより置換されたフェニルであってよい。
【0057】
更に、Rがアリールである場合、特にフェニルである場合、好適には置換基はR−L−、例えばR−,R−O−,R−CO−,R−NH−CO−,R−SO−NH−,R−SO−NH−アルキレン−O−,NH−アルキル−NH−CO−,R−アルキレン−NH−CO−、アルキル−CO−NH−アルキル−,並びにメチル、エチル、Cl、F,CN、OCH、CF、アミノ、ニトロ、HOCH及びCOOHを含む。
【0058】
がR−SO−NH−により置換されたアリールである場合、好適にはフェニル基で置換された場合、Rは好適にはメチル、エチル、プロピル又はフェニルである。
【0059】
4がR−SO−NH−アルキレン−O−により置換されたアリールである場合、置換されたフェニルが好適である。そのような場合Rは好適にはメチル、エチル、プロピル、又はフェニルであり、そしてアルキレンは好適には−CH−、−CHCH−、又は−CHCHCH−である。
【0060】
4がR−L−で置換されたアリールであり場合、置換されたフェニルが好適である。そのような場合、好適なR基は、フェニル、テトラゾリル、オキサジニル、ピペラジニル、メチルピペラジニル、ピリジル、メチルピリジル、ピロリニル、メチルピロリニル、ピペラジニル、又はメチルピペラジニルを含み、またLは好適には単結合、−O−,−CO−,−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH−O−、−CHCH−O−、−CHCHCH−O−、−CH−NH−CHCH−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、又は−CONHSO−である。
【0061】
が好適には1から4の炭素原子を有すアルコキシであって、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、そして置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合がある(例えばCH,C)。
【0062】
は好適には−CO−C1-4−アルキル、例えば−COCHである。
【0063】
は好適には−CHである。
【0064】
X及びYは好適にはOもしくはSの両方であり、特にOである。
【0065】
Aは好適には−CHCH−である。
【0066】
更に、好適には本発明に従うPDE4阻害剤は、以下に示す好適な基を除き、一般式I及びIIに対応するIaからIIeの下位の式によって記載される化合物である:
【0067】
Ia
は、アーリルアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリール又はヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0068】
Ib
は、シクロアルキルであり;及び
は、H、又はCである。
【0069】
Ic
は、シクロアルキルであり;
は、H、又はCであり;
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0070】
Id
は、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0071】
Ie
は、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0072】
If
は、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、フェニルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0073】
IIa
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある。
【0074】
IIb
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCHであり、又は
【化6】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;及び
Aは、−CHCH−である。
【0075】
IIc
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;及び
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCHであり、又は
【化7】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;及び
Aは、−CHCH−である。
【0076】
IId
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCHであり、又は
【化8】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;及び
Aは、−CHCH−である。
【0077】
IIe
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、フェニルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCHであり、又は
【化9】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;及び
Aは、−CHCH−である。
【0078】
好適な観点は、本発明の化合物、及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物、並びに任意に以下で検討する他の活性物質を含む;PDE4酵素、特に同位酵素を阻害する方法、(例えばin vitro 又は in vivo(動物、例えば動物モデル、又は哺乳動物もしくはヒトにおいて)のいずれかで、慣習的な検定により、又は本明細書において記載された一つにより測定されるような);神経学的徴候の治療方法、(例えば、特に長期記憶、認知障害、又は認知の衰え、記憶障害等の記憶喪失);哺乳動物(例えばヒト、例えば本明細書において言及された哺乳動物)中のPDE4活性により病態を調節する治療方法。
【0079】
本発明の化合物は、都合よく調製され得る。全ての出発原料は公知であるか、又は公知の出発原料から都合よく調製することができる。用いることのできる工程のいくつかは、以下に示す。
【化10】

【0080】
出発原料6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチルインダゾールは、クルツィウス(Curtius)再調製により6−カルボキシ−1−シクロペンチル−3−エチルインダゾール対応物質から合成させ得る。出発物質6−カルボキシ−1−シクロペンチル−3−エチルインダゾールは、当業界において通常の方法により調製され得る(WO 098/09961参照)。或いは出発物質6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチルインダゾールは、6−ハロ−1−シクロアルキル−3−エチルインダゾールのアミノ化、又は6−ニトロ−1−シクロアルキル−3−エチルインダゾールの還元によって合成され得る。インダゾール骨格は、2,4−ジフルオロプロピオフェノンによりシクロアルキルヒドラジン反応といった当業界においていくつかの通常の方法によって調製され得る。
【化11】

【0081】
出発物質ベンゾフランは、商業的に入手できるもの、又は文献方法により適切なやり方で置換されたサリチルアルデヒドのβ−ケトエーテルの分子内アルドール縮合によって合成できるもの(Strategies for Organic Drug Synthesis and Design,Daniel Lednicer,Ed.,1998,John Wiley and Sons,Inc.Chapter 10 pp.286-289参照)のいずれかである。無水酢酸中の硝酸による2−アセチル−7−メトキシベンゾフランのニトロ化は、2−アセチル−7−メトキシ−4−ニトロベンゾフランを提供する(上記スキーム中において、DPA特許は米国特許出願No.10/051,309を言う)。
【0082】
ジオキサン又はジオキソランのような適切な塩基安定保護基によるカルボニル基の保護は、所望される出発物質4−ニトロベンゾフランを提供する。WO99/40085及びWO99/37640も参照。
【0083】
当業界で通常の知識を有す者が認知するであろう一般式I及びIIの化合物のいくつかは、異なる幾何異性体のフォームで存在し得る。更に本発明の化合物のいくつかは、1以上の非対称の炭素原子を有し、そしてこのようにして光学異性のフォームで、及びそれらのラセミ体と非ラセミ体の混合物のフォームで、とりわけジアステレオマーとジアステレオマー混合物のフォームで存在し得る。シス異性体、トランス異性体、ジアスエレオマー混合物、ラセミ体、エナンチオマーの非ラセミ体混合物、並びに実質的に純粋な及び純粋なエナンチオマーを含むこれらの全ての化合物は、本発明の範囲内にある。実質的に純粋なエナンチオマーは、対応するエナンチオマーをわずか5重量%、好適にはわずか2%、最適にはわずか1%含む。
【0084】
光学異性体は慣用的な方法(例えば光学的に活性な酸もしくは塩基を用いたジアステレオマー塩の形成、又は共有結合性ジアステレオマーの形成)に従い、ラセミ混合物の分割によって得ることができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、及びショウノウスルホン酸である。ジアステレオマーの混合物は、当業界において公知の方法によって(例えばクロマトグラフィー、又は分別結晶化によって)、それらの物理的及び/又は化学的相違に基づき、それらの個々のジアステレオマーへ分離され得る。光学的に活性な塩基又は酸は、その後分離されたジアルテレオマーの塩から遊離される。光学異性体の分割のための異なる方法は、キラルクロマトグラフィー(例えばキラルHPLCカラム)の使用に関与し、慣例的な誘導の有無を問わず、エナンチオマーの分割を最大にするための最適条件が選ばれる。適したキラルHPLCカラムは、Diacel(例えば、全て規定通りに選択され得る多くの他の中でもChiracel OD、及びChiracel OJ)により製造される。誘導化(derivitization)があってもなくても、酵素的分割は有用でもある。一般式I及びIIの光学活性化合物は、同様に光学活性開始原料を利用するキラル合成により得られる。
【0085】
更に、当業界において通常の知識を有する者は、当該化合物を異なる多くの同位体フォーム(例えばH、H、11C、及び/又は14Cの含有に富む)で使用することができることを認識するであろう。
【0086】
本発明は本明細書において開示する、本発明の全ての化合物の薬学的に許容され得る塩類及びプロドラッグといった化合物の有用なフォームにも関する。薬学的に許容され得る塩類とは、塩(例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、及びクエン酸塩)を形成するために無機酸又は有機酸と共に塩基として機能する主な化合物を反応させることにより得られるものを含む。薬学的に許容され得る塩類とは酸として機能する主な化合物も含み、そして例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、及びコリン塩を形成するための適切な塩基と反応する。それらの当業界における当業者は、任意の多くの公知の方法により適切な無機酸又は有機酸と当該化合物の反応によって、所望される化合物の酸付加塩類が調製され得ることを更に認識するだろう。或いは、アルカリ及びアルカリ土類金属の塩類は、様々な公知の方法により適切な塩基と本発明の化合物を反応させることにより調製される。
【0087】
以下は、無機酸又は有機酸との反応により得ることができる酸塩類の更なる例である:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ジグルコネート、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルフェート(hemisulfates)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoates)、ペクチネート(pectinates)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩、及びウンデカン酸塩。
【0088】
おそらく当該塩類のフォームは、哺乳動物への投与のために薬学的に許容できる。しかしながら、薬学的に許容できない化合物の塩類は中間体として適しており(例えば塩として化合物を単離するため)、その後アルカリ試薬で処理することにより遊離塩基化合物に戻る塩へ変換される。当該遊離塩基はその後、もし所望されるならば、薬学的に許容され得る酸付加塩へ変換される。
【0089】
本発明の化合物は、単独でも製剤の活性成分としてでも投与され得る。従って、本発明は、例えば1以上の薬学的に許容され得るキャリアを含む一般式I又は一般式IIの化合物の医薬組成物も含む。
【0090】
多くの基準となる参考文献では、本発明に伴う化合物を投与するために適した様々な製剤化調製のため、発表された手順を利用することができる。潜在的な製剤化及び調製の例は、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(最新版);Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Lieberman,Lachman and Schwartz,編)Marcel Dekker,Inc.,により発行された最新版、及びRemington’s Pharmaceutical Sciences(Arthur Osol,編),1553-1593(最新版)に含まれる。
【0091】
PDE4阻害剤の高い程度での視点では、本発明の化合物はPDE4阻害剤及び/又は認知増強を要求又は所望するいずれかの者に投与することができる。投与は患者のニーズに従い、例えば、吸入、経腸、経膣、局所(topically,locally)、経皮、及び点眼によって、経口的、点鼻的、非経口的(皮下、静注、筋注、胸内及び点滴による)に達成され得る。
【0092】
錠剤、ゲルカプセル、カプセル、キャプレット、顆粒、ロゼンジ、及びバルクパウダーのようなかかる固形フォームを含む様々な固形経口投与フォームは、本発明の化合物を投与するために使用することができる。本発明の化合物は、懸濁試薬、可溶化剤、緩衝試薬、結合剤、崩壊剤、保存剤、着色剤、香味料、潤滑剤及びそれらの類似物に制限されずに含み、単独で、又は様々な薬学的に許容できる当業界において公知のキャリア、希釈剤(スクロース、マンニトール、ラクトース、スターチといった)及び賦形剤を組み合わせて投与することができる。徐放カプセル、徐放錠及び徐放ゲルも本発明の化合物の投与において都合がよい。
【0093】
水性溶液、非水性溶液、エマルジョン、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む様々な液体経口投与フォームは、本発明の化合物を投与するためにも使用することができる。かかる投与フォームは、水のような当業界において公知である適切な不活性希釈剤、そして保存剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、並びに本発明の化合物を乳化及び/又は懸濁のための試薬といった当業界において公知である適切な賦形剤を含む。本発明の化合物は、例えば等張の滅菌溶液のフォームで静脈注射することができる。他の調製も可能である。
【0094】
本発明の化合物の直腸への坐剤投与は、ココアバター、サリチレート、及びポリエチレングリコールのような、適した賦形剤と共に化合物を混合することによって調製され得る。膣内投与ための製剤化は、当業界において公知である適したキャリアを、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、又はスプレー製剤のフォーム中に活性成分を付加し含ませることができる。
【0095】
医薬化合物を局所投与するために、クリーム、軟膏、リニメント、ローション、エマルジョン、懸濁液、ゲル、水溶液、ペースト、パウダー、スプレー、及び皮膚、目、耳、又は鼻への投与のために適した滴剤のフォームであってよい。局所投与は、経皮パッチのような手段を通して経皮投与にも関与する。
【0096】
吸入の投与のために適したエアロゾル製剤も作製することができる。例えば、呼吸気道の疾患治療のため、本発明に伴う化合物はパウダーのフォーム(例えば、微小化(micronized))又は噴霧化された水溶液もしくは懸濁液のフォームで吸入することにより投与できる。エアロゾル製剤は、気密構造化された許容され得る高圧ガス中へ置くことができる。
【0097】
当該化合物は、単独の活性試薬として投与することができ、或いは認知障害の治療において及び/又は精神病治療において用いられる他の作用薬のような他の薬剤、例えば他のPDE4阻害剤、カルシウムチャネル遮断剤、コリン性薬剤、アデノシン受容体分子、amphakines NMDA−R調節因子、mGluR調節因子、及びコリンエステラーゼ阻害剤(例えばドネペジル、リバスチジミン(rivastigimine)、及びグランサナミン(glanthanamine))とのコンビネーションとして投与することができる。かかるコンビネーションにおいて、それぞれの活性成分はそれらの通常の投与量の範囲内又はそれらの通常の投与量範囲未満の投与量のいずれかによって投与することができる。
【0098】
本発明は、更にPDE4酵素の阻害剤に関与する治療の方法を含む。このようにして本発明は動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおける選択的なPDE4酵素の阻害方法を含み、ここでの当該阻害は治療的効果を有し、かかる阻害は特に長期記憶の記憶喪失といった神経学的徴候に関与する状況を緩和するであろう。かかる方法は、本明細書において開示されたように化合物の阻害量を単独で、又は製剤の一部として特に哺乳動物、最適にはヒト、での必要性の中で動物に投与することを含んで成る。
【0099】
記憶障害の状況は、新しい情報を学ぶための能力の障害、及び/又は以前に習得した情報を呼び戻すことができないことにより明らかにされる。記憶障害は痴呆の第一の徴候であり、アルツハイマー病、精神分裂病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病、HIV,心血管病、及び頭部外傷、並びに年齢に関連した認知減退のような疾患に関連した徴候でもあり得る。
【0100】
痴呆は記憶喪失及び記憶とは別個の追加の知能障害を含む疾患である。本発明は痴呆の全ての型における記憶障害により苦しむ患者を治療するための方法を含む。痴呆は、それらの原因により分類され、並びに:神経変性の痴呆(例えばアルツハイマ−、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病)、血管性(例えば、梗塞、出血性、心血管性疾患)、血管性及びアルツハイマー性の混合、細菌性髄膜炎、クロイツフェルトヤコブ病、多発性硬化症、外傷性(例えば硬膜下血腫、又は外傷性脳損傷)、感染(例えばHIV)、遺伝性(ダウン症)、毒性(例えば重金属、アルコール、いくつかの薬物)、代謝性(例えばビタミンB12又はフォレート欠損)、CNS低酸素症、クッシング病、精神医学性(例えばうつ及び精神分裂病)、及び水頭症を含む。
【0101】
本発明は痴呆とは別の軽度な認知障害(MCI)及び年齢に関連した認知減退を含む記憶喪失を扱うための方法を含む。本発明は疾患の結果としての記憶障害のための治療の方法を含む。他の応用において、本発明は、一般の麻酔、化学療法、放射線治療、外科手術後の外傷、及び治療介入(therapeutic intervention)の使用における結果である記憶喪失を共に取り扱うための方法を含む。
【0102】
当該化合物は、精神分裂病、両極の躁鬱、大うつ、並びに薬剤常用及びモルヒネ依存を含む精神医学系症状を治療するために使用することができる。これらの化合物は不眠を改善(enhance)させるであろう。PDE4阻害剤はcAMPレベルを引き上げるため、及びニューロンにアポトーシスが起こるのを予防するために用いることができる。PDE4阻害剤は抗炎症性としても公知である。抗アポトーシス及び抗炎症領域のコンビネーションは、脳卒中、脊髄損傷、神経発生(neurogenesis)、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、及び多系統萎縮症(MSA)を含む任意の疾患又は損傷の結果として生じる神経減縮を治療するためにそれらの化合物を有用にする。
【0103】
このように本発明の好適な態様によると、例えば、アルツハイマー病、精神分裂病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病、うつ、加齢、頭部損傷、脳卒中、CNS低酸素症、脳の老化、多発性梗塞性痴呆、及び急性神経性疾患並びにHIV、及び心血管性疾患を含む他の神経学的状況による記憶障害で苦しんでいる患者の治療方法を含み、一般式IもしくはIIによる化合物又は薬学的に許容できるそれらの塩の有効量を投与することを含む。
【0104】
本発明の化合物は精神分裂病のようなNMDA機能が減少することにより特徴付けられる病態で苦しんでいる患者を治療する方法の中で使用することもできる。
【0105】
当該化合物は、上昇したPDE4のレベルにより特徴付けられる精神病(例えば躁鬱、大うつ、及び精神医学系及び神経学的疾患と関連したうつ、といった様々なうつの形態)を治療するためにも用いることができる。
【0106】
前記の通り、本発明の化合物は抗炎症性活性も見せる。結果として本発明の化合物は、多様なアレルギー性及び炎症性疾患の治療に有益であり、特に減少したサイクリックAMPレベル、及び/又は上昇したホスホジエステラーゼ4レベルによって特徴付けられる病態の治療に有益である。従って、本発明の更なる態様によると、一般式I又は一般式II、或いは薬学的に許容され得るそれらの塩による化合物の有効量での投与を含むアレルギー性及び炎症性病態の治療方法が提供される。そのような病態は、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春の結膜炎、esoniophilic肉芽腫、乾癬、炎症性関節炎、リウマチ性関節炎、敗血症ショック、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋層及び脳の再潅流障害、慢性糸球体腎炎、内毒素系ショック、成人呼吸困難シンドローム、嚢胞性繊維症(cystic fibrosis)、動脈性再狭窄(arterial restenosis)、関節硬化症、角化症、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、発熱(pyresis)、真性糖尿病(diabetes mellitus)、塵肺症、慢性閉塞性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患、毒性及びアレルギー性接触性湿疹、アトピー性湿疹、脂漏性湿疹、lichen simplex、日焼け、肛門性器部位の掻痒、円形脱毛症、肥大性瘢痕、円盤状エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、小胞及び広範囲の膿皮症、内因性及び外因性のにきび、にきび性しゅさ、Beghet’s病、アナフィラキシー様紫斑性腎炎、炎症性腸疾患、白血病、多発性硬化症、胃腸性疾患、自己免疫性疾患、及びその類似疾患を含む。
【0107】
喘息、慢性気管支炎、乾癬、アレルギー性鼻炎、及び他の炎症性疾患の治療のため及び腫瘍壊死因子を阻害するためのPDE4阻害剤は、当業界において公知である。例えば、WO98/58901,JP-11-18957,JP 10-072415,WO93/25517,WO94/14742,US5,814,651及びUS5,935,9778を参照。これらの参考文献は、PDE4阻害活性を測定するための検定及びそのような化合物を合成するための方法についても発表する。これらの論文の全体の開示は、本明細書において参考文献によって組み入れられている。
【0108】
PDE4阻害剤は、骨粗鬆症の予防又は改善のため、抗生物質として、アテローム性硬化症の病変から変動するコレステロール値による心血管性疾患の治療のため、リウマチ性関節炎(RA)の治療のため、移植後の間葉細胞増殖の長期間の阻害のため、良性前立腺増殖症の二次的な尿閉塞の治療のため、結腸癌細胞の走化性抑制及び侵入減少のため、慢性リンパ球性白血病のB細胞(B−CLL)の治療のため、子宮収縮の阻害のため、肺血管の虚血性再潅流障害(IRI)を弱めるため、角膜の水分補給のため、IL−2R発現の阻害及びそれらによる記憶T細胞へのHIV−1DNA核の導入を廃止するため、大腸炎の予防及び治療の両方の中でのグルコースにより誘導されるインスリン分泌の増加のため、並びにマスト細胞の脱顆粒の阻害のために用いられてよい。
【0109】
本発明の化合物は、活性試薬のみとして投与することができ、或いは認知障害の治療において及び/又は精神病治療において用いられる他の作用薬のような他の薬剤、例えば他のPDE4阻害剤、カルシウムチャネル遮断剤、コリン性薬剤、アデノシン受容体分子、amphakines NMDA−R調節因子、mGluR調節因子、及びコリンエステラーゼ阻害剤(例えばドネペジル、rivastigimine,及びglanthanamine)とのコンビネーションとして投与することができる。かかるコンビネーションにおいて、それぞれの活性成分はそれらの通常の投与量の範囲内又はそれらの通常の投与量範囲未満の投与量のいずれかによって投与することができる。
【0110】
本発明の化合物の投与量は、他の考慮すべき事項の中でも、治療される特定の徴候、徴候の重篤さ、投与経路、投与間隔、利用される特定の化合物、有効性、毒性プロファイル、化合物の薬物動態プロファイル、及びいかなる有害な副作用の存在を含む様々な因子に依存する。
【0111】
本発明の化合物は典型的に投与量レベルで投与され、及び上記の公知化合物のように哺乳動物におけるPDE4阻害のために慣習的なものである。例えば、当該化合物は単回又は多数回で、例えば0.01−100mg/kg/日の投与量レベルで、好適には0.1−70mg/kg/日で、特に0.5−10mg/kg/日で経口投与することができる。単位投与フォームは、例えば活性化合物の0.1−50mgを含むことができる。静脈内投与では、当該化合物は、例えば0.001−50mg/kg/日、好適には0.001−10mg/kg/日、特に0.01−1mg/kg/日で単回又は多数回の投与量を投与することができる。単位投与フォームでは、例えば活性化合物0.1−10mgを含むことができる。
【0112】
本発明の手順を実施するにおいて、特定の緩衝剤、培地、試薬、細胞、培養条件、及びそれらの類似物に制限される意図ではないことが当然に理解されるが、当業界において通常の知識を有す者が、存在する論文の中での特定の文脈において関連や価値があることを認知するであろう全ての関連材料を含むように解されるべきである。例えば、1の緩衝剤系又は培養培地を他と置き換えることはしばしば可能であり、更に同一の結果でなくとも、類似の結果を達成する。当業界における当業者等は、過度な実験をせず、本明細書において開示された方法及び手順を用いてそれらの目的を最適化するであろうかかる置換を成すことを可能にする程のかかる系及び方法論の十分な知識を有するであろう。
【0113】
上記及び下記で引用した全ての出願、特許、及び公開の開示全体、及び2002年7月19日に出願された米国仮出願No.60/396,726は、参考文献として本明細書に組み入れた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0114】
実施例
本明細書は、以下の制限的ではない実施例の方法により更にここに説明される。これらの開示された実施例の適用において、関連業界における当業者等にとって彼等自身が疑問を示唆することがないであろう本発明により開示された方法の他の態様及び異なる態様を明確に留意すべきである。
【0115】
上記及び下記の例において、全ての温度は℃で正確に発表されておらず;及び他の方法が示されていない限り、全ての割合及びパーセンテージは重量による。
【実施例1】
【0116】
6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−1H−インダゾール
t−ブタノール(1mL)中の1−シクロペンチル−3−エチル−1H−インダゾール−6−カルボン酸(258mg)及びトリエチルアミン(0.56mL)の混合物にジフェニルホスホリルアジド(0.33mL)を付加した。当該混合物を100℃で4時間撹拌し、その後水(25mL)及びエーテル(25mL)中に分離した。エーテル層を集め、乾燥させ(MgSO)及びシリカのプラグを通して通過した。当該シリカを追加の25mLエーテルで洗浄し、当該混合物を真空中で濃縮した。残留物をTHF(5mL)に溶かし、6Naq.HCL(1mL)を付加し、そして当該混合物を18時間撹拌した。エーテル(25mL)及び水(25mL)を付加し、エーテル層を集め乾燥させ(MgSO)そして真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーで精製し、0.14gの6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−1H−インダゾール(59%の収率)を回収した。H NMR(300MHz)δ7.45(d,J=8.4Hz,1H),6.52(m,2H),4.74(p,J=7.8Hz,1H),3.86(br,2H),2.95(q,J=7.7Hz,2H),2.3−1.8(m,,6H),1.8−1.6(m,2H)、1.37(t,J=7.7Hz,3H)。
【実施例2】
【0117】
1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−(3−ピリジルメチル)〕アミノ−1H−インダゾール
メタノール(5mL)中の3−ピリジンカルボキシアルデヒド(106mg、1.0mol)の混合物へ6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−1H−インダゾール(240mg、1.05mmol)及びp−トルエンスルホン酸1水和物(2.0mg)を付加した。反応混合物を4時間撹拌した。フラスコをその後0℃に冷却し、水酸化ホウ素ナトリウム(0.09g,2.3mmol)を4時間かけて小分けして付加した。反応混合液は、撹拌しながら16時間室温で暖めた。TLCは、反応が完了したことを示した(1:3ヘキサン:酢酸エチル)。当該溶媒を蒸発し、水(10mL)で希釈し、そして酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。組合された有機層は、食塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、及び所望する生成物を回収するために濃縮した。H NMR(300MHz)δ8.64(s,1H),8.51(m,1H),7.70(m,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),7.25(m,1H),6.50(m,1H),6.33(s,1H),4.68(p,J=7.8Hz,1H),4.55(br,1H),4.40(s,1H),2.90(q,J=7.7Hz,2H),2.1−1.8(m,6H),1.8−1.6(m,2H),1.34(t,J=7.7Hz,3H)。
【0118】
以下の化合物は上記実施例2で記載された方法と類似の方法で調製した。
1−シクロペンチル−6−(3−ピリジルメチル)アミノインダゾール,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、及び
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン。
【実施例3】
【0119】
6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル〕−N−(3−ピリジルメチル)アミノ−1H−インダゾール
【0120】
オーブンで乾燥させアルゴンを流した10mLのフラスコに以下のオーダーで、0.06g(0.61mmol)のNaOtBu、36mgのPddba、2.0mLのトルエン、0.014mLのP(tBu)、及び2.0mLトルエン溶液中の140mg(0.436mmol)の6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−N−(3−ピリジルメチル)−1H−イミダゾールを付加した。310mg(1.5mmol)のtert−ブチル3−ヨードベンゾエートを撹拌しながら滴下付加し、当該混合物を18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で2回洗浄し、3N HCl(3x15mL)で抽出した。組み合わせた酸抽出物を、15mLのEtOAcで洗浄し、その後6N NaOHでpHが12以上になるように注意深く中和した。塩基性溶液はEtOAcで抽出し(2x15mL)、組み合わせた有機性フラクションを連続して15mLの水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)そして濃縮した。残留物をシリカゲル(Biotate Flash 40M)を充填したクロマトグラフィーでヘキサン中の25%EtOAcにより溶出することによって精製した。H NMR(300MHz)δ8.65(br,1H),8.51(br,1H),8.26(d,J=8.4,1H),7.75(m,1H),7.7−7.5(m,3H),7.27(m,1H),7.1−7.0(m,2H),6.85(d,J=8.4,1H),5.22(s,1H),4.76(p,J=7.8Hz,1H),2.96(q,J=7.7Hz,2H),2.1−1.8(m,6H),1.8−1.6(m,2H),1.54(s,9H),1.34(t,J=7.7Hz,3H)。
【0121】
以下の化合物は上記実施例3で記載された方法と類似の方法で調製した。
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
1−シクロペンチル−6−〔N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノインダゾール,及び
1−シクロペンチル−6−〔N−(3−(1,1−ジメチルエトシキカルボニル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕−1H−アミノインダゾール。
【実施例4】
【0122】
6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノ−1H−インダゾール
【0123】
170mg(0.344mmol)の6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−N−〔3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル〕−N−(3−ピリジルメチル)−1H−インダゾール,3.35mLのジクロロメタン、及び0.84mLのトリフルオロ酢酸から成る溶液を室温で5時間撹拌した。当該溶液を5.0mLの水で洗浄した。その後、5.0mLの水を付加して、水性の10%NaOHを付加することによってpHを6に調節した。組合せた水性層をジクロロメタン(2x5mL)で抽出した。当該ジクロロメタンを組合せた抽出物を蒸発させ、そして残留物を溶出させる物質としてCHCl中で10%MeOHを用いてSiOを充填したフラッシュクロマトグラフィーにかけて精製した。H NMR(300MHz)δ8.90(br,1H),8.70(br,1H),8.25(d,J=8.4,1H),7.7−7.5(m,4H),7.20(m,1H),7.1−7.0(m,2H),6.86(d,J=8.4,1H),5.20(s,1H),4.76(p,J=7.8Hz,1H),2.96(q,J=7.7Hz,2H),2.05(m,4H),1.88(m,2H),1.65(m,2H),1.36(t,J=7.7Hz,3H)。
【0124】
以下の化合物は上記実施例4で記載された方法と類似の方法で調製した。
1−シクロペンチル−6−〔N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノインダゾール。
【実施例5】
【0125】
2−アセチル−7−メトキシ−4−ニトロベンゾフラン
無水酢酸(50mL)中の2−アセチル−7−メトキシベンゾフラン(4.0g)の溶液へ0℃で70%硝酸(1.5mL)を滴下付加した。当該混合物を室温に暖め、3時間撹拌し、その後氷中で飽和した炭酸ナトリウム(200mL)へ注いだ。固体の炭酸ナトリウムを注意深く塩基性になるまで(pH=8)撹拌しながら付加した。当該混合物をろ過し、固体を減圧濾過によって集めた。当該固体は100mL(メタノール)中で1時間沸騰させ、その後0℃に冷却し、2−アセチル−7−メトキシ−4−ニトロベンゾフラン(2.1g)を与えるためにろ過した。H NMR(300MHz)δ8.29(d,J=8.9Hz,1H),8.14(s,1H),7.00(d,J=8.9Hz,1H),4.14(s,3H),2.68(s,3H)。
【実施例6】
【0126】
7−メトシキ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−ニトロベンゾフラン
トルエン(50mL)中における2−アセチル−7−メトシキ−4−ニトロベンゾフラン(2.1g)、エチレングリコール(2mL)、及びp−トルエンスルホン酸(25mL)の混合物は、付属のDean−Stark器具により18時間蒸留するために暖めた。当該混合物を飽和したaq.NaHCO(50mL)及びエーテル(50mL)中に分離した。エーテル層を集めて、水(25mL)及び食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして純粋な7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−ニトロベンゾフラン(2.1g)を与えるために濃縮した。H NMR(300MHz)δ8.22(d,J=9.0Hz,1H),7.44(s,1H),6.84(d,J=9.0Hz,1H),4.11(s,3H),4.11(m,4H),1.86(s,3H)。
【実施例7】
【0127】
4−アミノ−7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))ベンゾフラン
エタノール(100mL)中の活性炭(200mg)上の10%Pdの懸濁液へ、N保護下で、7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−ニトロベンゾフラン(6.50g、23mmol)を付加した。当該反応混合物を真空下で3回ガス抜きした。当該反応混合物を当該反応混合物中で浮遊することができる水素ガスの中で激しく撹拌した。4時間後TLC(5:1ヘキサン:酢酸エチル)によって反応が完了した。当該反応混合物をセライトのパッドを通してろ過し、当該セライトは追加のエタノールですすいだ。真空中で溶媒を除去し、黄色の油としての表題の化合物を5.1g(88%の収率)得た。
【実施例8】
【0128】
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)アミノベンゾフラン
CHCl(10mL)中の7−メトキシ−2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−(N−3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)アミノベンゾフラン、t−ブチルエステル(120mg)を採取し、そしてトリフルオロ酢酸(2mL)を付加し、当該混合物を4時間撹拌した。当該混合物を真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー溶出(65mgの2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−)3−ピリジルメチル)アミノベンゾフランを回収するためにEtOAc中で15分間かけて0%から10%メタノール線形性勾配により溶出)により精製した。H NMR(300MHz)□11.60(br,1H),8.71(br,1H),8.56(br,1H),7.80(d,J=7.5Hz,1H),7.60−7>50(m,2H),7.35(m,1H),7.20(t,J=7.9Hz,1H),7.10−7.00(m,2H),6.95−6.80(m,2H),5.09(s,2H),4.01(s,3H),2.54(s,3H)。
【0129】
以下の化合物は上記実施例8で記載された方法と類似の方法で調製した。
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトシキ−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトシキ−4−〔N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトシキ−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,
2−アセチル−7−メトシキ−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン,及び
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン。
【実施例9】
【0130】
2−アセチル−7−メトシキ−N−(4−フェニルスルホニルアミノカルボニルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)−4−アミノベンゾフラン
ジクロロメタン(5mL)中において室温で2−アセチル−7−メトシキ−N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)−4−アミノベンゾフラン(416mg,1.0mmol),ベンゼンスルホンアミド(200mg,1.2mmol),及びDMAP(150mg,1.2mmol)の溶液へEDCI(230mg,1.2mmol)を1回で付加し、当該混合物を室温で16時間撹拌した。当該混合物を水(25mL)及びEtOAc(25mL)中に分離し、そしてpHを1.0N HClにより5−6に調整した。EtOAcを分離し、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)そして真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー溶出(2−アセチル−7−メトキシ−N−(4−フェニルスルホニルアミノカルボニルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)−4−アミノベンゾフラン(415mg)を提供するためにEtOAc中において5%から10%MeOH線形性勾配により溶出)により精製した。H NMR(300MHz)δ8.53(br,1H),8.46(br,1H),8.06(d,J=7.3Hz,2H),7.8−7.3(m,6H),7.21(m,1H),7.1−7.0(m,2H),6.91(d,J=8.5Hz,1H),6.56(d,J=7.3Hz,2H),4.99(s,2H),4.02(s,3H),2.54(s,3H)。
【実施例10】
【0131】
タイプ4ホスホジエステラーゼ阻害活性のIn vitro計測
組換え酵素を発現するバキュロウィルスを感染させたSf9細胞からヒトPDE4を得た。hPDE−4D6をコードしたcDNAをバキュロウィルスベクターへサブクローンさせた。昆虫細胞(Sf9)にバキュロウィルスを感染させ、感染細胞をタンパク質が発現するまで培養した。バキュロウィルス感染細胞は溶解し、溶解産物はhPDE−4D6酵素源として用いた。当該酵素は、DEAEイオン交換クロマトグラフィーを用いて部分的に精製した。本手順は、他のPDE−4酵素をコードしたcDNAを繰り返し用いることができる。
【0132】
検定:
タイプ4ホスホジエステラーゼは、環状アデノシンモノホスフェート(cAMP)を5’−アデノシンモノホスフェート(5’−AMP)へ変える。ヌクレオチダーゼは5’−AMPをアデノシン変える。従って、PDE4及びヌクレオチダーゼの活性の組合せは、cAMPをアデノシンへ変える。アデノシンは、中性のアルミナカラムによってcAMPから容易に分離される。ホスホジエステラーゼ阻害剤は本アッセイにおいてcAMPのアデノシンへの変換を遮断し;その結果、PDE4阻害剤はアデノシンの減少の原因となる。
【0133】
hPDE−4D6を発現する細胞溶解(40ul)は、50ulの検定混合物及び10ulの阻害剤を組合して、室温で12分間培養した。最終的な濃縮物の成分検定は:0.4ug酵素、10mMトリス−HCl(pH7.5),10mM MgCl、3uM cAMP,0.002U5’−ヌクレオチダーゼ、及び3x10cpmの〔3H〕cAMPであった。100μLの沸騰した5mN HClの付加により反応を停止した。反応混合物の75μLのアリコートを、それぞれのウェルからアルミナカラム(Multiplate;Millipore)へ移した。ラベルされたアデノシンは、2分間2000rpmで回転することによりOptiPlateへ溶出し;シンチレーション流体の150μL毎のウェルをOptiPlateへ付加した。当該プレートを封印し、約30分間振り、そしてcpmの〔H〕アデノシンをWallac Triflux(登録商標)を用いることによって測定した。
【0134】
全ての試験化合物は100%DMSO中に溶解し、DMSOの最終的な濃度が0.1%であるような検定へと希釈される。DMSOはこの濃度で酵素活性に影響を与えない。
【0135】
アデノシン濃度の減少は、PDE活性阻害を指摘する。pIC50の値は0.1nMから10,000nMの範囲の化合物の6から12の濃度をスクリーニングし、及びその後H−アデノシン濃度に対する薬剤濃度をプロットすることにより測定した。非線形回帰ソフトウェア(Assay Explore(登録商標))は、pIC50の値を評価するために使用した。
【実施例11】
【0136】
(方法A)
ラットでの受動的回避、学習及び記憶のin vivo試験
当該試験は、以前発表されたように実施した(Zhang,H.-T.,Crissman,A.M.,Dorairaj,N.R.,Chandler,L.J.,及びO’Donnell,J.M.,Neuropsychopharmacology,2000,23,198-204.)。器具は(Model E10-16SC,Coulbourn Instruments,Allentown,PA)、裁断機扉により暗くされた区画と、連結した明るくされた区画を有す2つの仕切られた空間から成る。暗くされた区画の床ステンレススチールの棒から成り、そこに定常電流源から電気的な足場ショックを通すことができる。全ての実験群を、実験の開始前日に当該器具に最初に慣らした。訓練の間、ラットを(雄Sparaque-Dawley(Harlan)体重250から350g)扉が開けられる前の1分間、閉められた裁断機扉の反対に向けて明るくされた区画に置いた。暗くされた区画に入るまでの時間を記録した。ラットが暗くされた区画に入った後、扉を閉め、そして0.5mA電気ショックを3秒間与えた。24時間後、食塩水又は試験化合物(0.1から2.5mg/kg,i.p.)を注射する30分前(記憶保持試験開始前の30分間)にラットに0.1mg/kgのMK−801又は食塩水を投与した。ラットを裁断機扉で仕切られ明るくされた区画に再び置いた。暗くされた区画に入るまでの時間を試験が終了した時間である180秒まで記録した。
【0137】
全てのデータを分散分析により分析した(ANOVA);個々の比較はKewman-Keuls試験を用いてなされた。Naiveラットは、明るくされた区画から暗くされた区画への横断に30秒未満必要とした。しかしながら、電気ショックにさらされてから24時間経過後、賦形剤により前処理された多くのラットは暗くされた区画に再度入らず;入るまでの時間が平均175秒まで増加した(p<0.001)。MK−801(0.1mg/kg)で前処理を行った場合、賦形剤と比較すると、この入るまでの時間が著しく減少した(p<0.001)。MK−801のこの記憶喪失の効果は、現行試験化合物の統計的に意味のある用量依存的態様を覆す。
【0138】
(方法B)
ラットの放射状アーム迷路での仕事、学習及び記憶のためのin vivo試験
当該試験は、以前発表されたように実施した(Zhang,H.-T.,Crissman,A.M.,Dorairaj,N.R.,Chandler,L.J.,及びO’Donnell,J.M.,Neuropsychopharmacology,2000,23,198-204)。飼育を開始して5日後のラット(雄Sparaque-Dawley(Harlan)体重250から350g)を8のアームの放射状迷路(それぞれのアームは60x10x高さ12cm;迷路は床上70cm上昇させた)に慣らすために2日間置いた。その後フードウェルの近くに置いたフードペレットと共にラットを個別に5分間迷路の中心に置き、そして翌日ウェル中のアームの末端に;1日に2回導いた。次に、無作為に選択した4つのアームにそれぞれ1のフードペレットを餌として置いた。ラットを15秒間中央のプラットフォーム(直径26cm)に留め、例え最初にどちらから来ようとも、その後全てのフードペレットを回収するまで、又は10分経過するまで、迷路を自由に動くことを許した。4つのパラメーターが記録された:1)仕事記憶エラー、即ち、同じ試験の間に既に訪れている餌が置かれたアームに入ること;2)参照記憶エラー、即ち、餌が置かれていないアームに入ること;3)全てのアームに入ること;及び4)試験存続時間(秒)、即ち、迷路の中の全ペレットが回収されるまでにかかった時間。5つの継続的な試験において仮に仕事記憶エラーがゼロであった場合、及び平均の参照記憶エラーが1未満であった場合、ラットに薬剤試験を開始した。MK−801又は食塩水を賦形剤又は試験薬の15分前(試験まで45分を与える)に注射した。試験はいくつかの視覚を刺激する範囲外の迷路を含み、明るくされた部屋の中で実施した。
【0139】
全てのデータを分散分析により分析した(ANOVA);個々の比較はKewman-Keuls試験を用いてなされた。コントロールと比較して、MK−801(0.1mg/kg,ip)は仕事記憶エラー及び参照記憶エラーの両頻度を増加させた(p<0.01)。MK−801のこの記憶喪失の効果は、現行試験化合物の統計的に意味のある用量依存的態様を覆す。
【0140】
前記実施例は、一般的な反応物及び/もしくは操作条件、又は特に本発明で記載された反応物及び/もしくは操作条件を、前記実施例で使用したものの代わりに用いることにより、類似の成果を繰り返すことができる。
【0141】
更に本発明は生成物及び特定の化合物に関し説明し、本発明のバリエーション及び改変は当該発明の意図又は範囲から離れずに実施し得ることが明確である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I又はIIの化合物:
【化1】

(式中、Rは、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
3から10の炭素原子を有するシクロアルキルであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、1から4の炭素原子を有するアルキル、1から4の炭素原子を有するアルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは、
ヘテロ環基であり、飽和である場合、部分的に飽和である場合もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシもしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
は、Hであり、或いは
1から4の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、及び/もしくはC1-4アルコキシによって置換される場合があり、そして1以上の−CH2CH2−基は−CH=CH−もしくは−C≡C−にそれぞれ任意に置き換わり、
は、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
部分的に不飽和な炭素環アルキル基であり、当該炭素環部位が5から14の炭素原子を有し、当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、当該炭素環部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び当該アルキル部位は、任意にハロゲン、C1-4アルコキシ、シアノ、又はそれらの組合せにより置換され、
7から19の炭素原子を有すアリールアルキルであり、当該アリール部位は6から14の炭素原子を有し、及び当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、
アリールアルキルラジカルは当該アリール部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノもしくはメチルにより置換される場合があり、或いは、
ヘテロアリールアルキル基であり、当該ヘテロアリール部位は部分的に、又は全て飽和されてよく、及び5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、当該ヘテロアリールアルキル基は当該ヘテロアリール部位に置換基がない場合と、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノ、もしくはメチル又はそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、Hであり、
6から14の炭素原子を有すアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、OCF、アミノ、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、2(−ヘテロ環)テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R―L―、又はそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは
5から10の環式原子を有するヘテロアリールであり、少なくとも1の環式原子がヘテロ原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R−L−、又はそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、Hであり、
1から8の炭素原子を有すアルキルであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり、それぞれのアルキル部位は独立的に1から8の炭素原子を有し、
部分的に不飽和である炭素環式アルキル基であり、当該炭素環部位が5から14の炭素原子を有し、及びアルキル部位は1から5の炭素原子を有し、この炭素環式アルキル基は置換基がない場合と、好適には炭素環部位の中で1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
3から10の炭素原子を有すシクロアルキルであり、置換基がない場合と1以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アルコキシ、1から4の炭素原子を有すアルキル、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
4から16の炭素原子を有すシクロアルキルアルキルであり、当該シクロアルキル部位及び/又は当該アルキル部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシもしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
6から14の炭素原子を有するアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルにより置換される場合があり、
7から19の炭素原子を有すアリールアルキルであり、当該アリール部位は6から14の炭素原子を有し、及び当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、
アリールアルキルラジカルは、当該アリール部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノ、もしくはメチルにより置換される場合があり、
ヘテロ環基であり、飽和である場合、部分的に飽和である場合、もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは
ヘテロ環アルキル基であり、当該ヘテロ環部位が飽和である場合、部分的に飽和である場合、もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、及び当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、当該ヘテロ環アルキル基は当該ヘテロ環部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノ、又はメチル、もしくはその組合せにより置換される場合があり;
Lは、8までの炭素原子を有す単結合、又は2価の脂肪族ラジカルであり、1以上の−CH−基は、いずれも任意に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONH−、−NHSO−、−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NHCONH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SCONH−、−SCSNH−、もしくは−NHCSNH−により置き換えられており;
は、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、アルコキシ、又はアルキルチオであり、いずれのケースも1から4の炭素原子を有し、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
は、−CO−C1-4アルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び当該アルキル部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、或いは
【化2】

であり、
は、H、又は1から4の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
10は、1から6の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
11は、1から6の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
X及びYは、それぞれ独立したO又はSであり、及び
Aは、2から7の炭素原子を有するアルキレンであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり;
ここで式I中のR及びRは、共にH以外であり、そして式II中のR及びRの少なくとも1つはH以外である;)又は、
薬学的に許容され得るそれらの塩であり;
光学活性化合物が、ラセミ混合物を含み、それらの分割されたエナンチオマー、もしくはそれらの混合物のフォームであり得る化合物。
【請求項2】
一般式III 又はIVである請求項1に記載の化合物:
【化3】

(式中、
は、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、C1-4アルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
部分的に不飽和な炭素環アルキル基であり、当該炭素環部位が5から14の炭素原子を有し、当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、及び当該炭素環部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、当該アルキル部位は、任意にハロゲン、C1-4アルコキシ、シアノ、又はそれらの組合せにより置換され、
7から19の炭素原子を有すアリールアルキルであり、当該アリール部位は6から14の炭素原子を有し、及び当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、
アリールアルキルラジカルは当該アリール部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲン、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノもしくはメチルにより置換される場合があり、或いは、
ヘテロアリールアルキル基であり、当該ヘテロアリール部位は部分的に、又は全て飽和されてよく、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、当該アルキル部位は側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、1から5の炭素原子を有し、当該ヘテロアリールアルキル基は当該ヘテロアリール部位に置換基がない場合と、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、CFO、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、及び/又は当該アルキル部位がハロゲン、シアノ、もしくはメチル又はそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、Hであり、
6から14の炭素原子を有すアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、OCF、アミノ、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、2(−ヘテロシサイクル)テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R―L―、又はそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは
5から10の環式原子を有するヘテロアリールであり、少なくとも1の環式原子がヘテロ原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R−L−、又はそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、アルコキシ、又はアルキルチオであり、いずれのケースも1から4の炭素原子を有し、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
は、−CO−C1-4アルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び当該アルキル部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、或いは、
【化4】

である)又は、
薬学的に許容され得るそれらの塩であり;
光学活性化合物が、ラセミ混合物を含み、それらの分割されたエナンチオマー、もしくはそれらの混合物のフォームであり得る化合物。
【請求項3】
下位の式V又はVIである請求項1に記載の化合物:
【化5】

(式中、
は、Hであり、
1から8の炭素原子を有するアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
3から10の炭素原子を有するシクロアルキルであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、1から4の炭素原子を有するアルキル、1から4の炭素原子を有するアルコキシ、もしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは、
ヘテロ環基であり、飽和である場合、部分的に飽和である場合もしくは不飽和である場合があり、5から10の環式原子を有し、少なくとも1の環式原子がN,OもしくはS原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシもしくはそれらの組合せにより置換される場合があり、
は、Hであり、或いは
1から4の炭素原子を有すアルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲン、シアノ、及び/もしくはC1-4アルコキシによって置換される場合があり、そして1以上の−CH2CH2−基は−CH=CH−もしくは−C≡C−にそれぞれ任意に置き換わり、
は、Hであり、
6から14の炭素原子を有すアリールであり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、OCF、アミノ、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、2(−ヘテロ環)テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R―L―、又はそれらの組合せにより置換される場合があり、或いは
5から10の環式原子を有するヘテロアリールであり、少なくとも1の環式原子がヘテロ原子であり、置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、アミノメチル、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R−L−、又はそれらの組合せにより置換される場合があり;
は、アルコキシ、又はアルキルチオであり、いずれのケースも1から4の炭素原子を有し、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、
は、−CO−C1-4アルキルであり、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、及び当該アルキル部位に置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり、或いは
【化6】

である)並びにB,D及びEの1つがNであり、及び他の2つがCである化合物。
【請求項4】
前記DがNであり、B及びEがCである請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記Rがピリジル又はフェニルであり、当該ピリジル又はフェニルは置換基がない場合と、1以上のハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリフルオロメチル、OCF、アミノ、アミノアルキル、アミノアルコキシ ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサム酸、テトラゾール−5−イル、2(−ヘテロ環)テトラゾール−5−イル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、フェノキシ、トリアルキルシリルオキシ、R−L−、又はそれらの組合せにより置換される場合がある請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
以下の請求項1に記載の化合物:
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
1−シクロペンチル−6−〔N−(3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕−1H−アミノインダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−フェニル−N−(4−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
1−シクロペンチル−6−(N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル))アミノインダゾール、
1−シクロペンチル−6−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノインダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
7−メトキシ−2−(2−メチル−(1,3−ジオキソラン−2−イル))−4−(N−(4−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))−アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−シアノフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−フェニル−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(3−シアノフェニル)−N−(4−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−(N−(4−アセチルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル))アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(4−カルボキシ−3−クロロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
2−アセチル−7−メトキシ−4−〔N−(3−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノベンゾフラン、
6−アミノ−1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−3−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)フェニル〕−N−(3−ピリジルメチル)アミノ−1H−インダゾール、
1−シクロペンチル−3−エチル−6−〔N−(3−カルボキシフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)〕アミノ−1H−インダゾール、
2−アセチル−7−メトキシ−N−(4−フェニルスルホニルアミノカルボニルフェニル)−N−(3−ピリジルメチル)−4−アミノベンゾフラン、又は
薬学的に許容され得るそれらの塩であり、
光学活性化合物が、ラセミ混合物を含み、それらの分割されたエナンチオマー、もしくはそれらの混合物のフォームであり得る化合物。
【請求項7】
前記、それぞれのアリール基が、独立して、フェニル、ナフチル、又はビフェニル基であり、任意に1以上のハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アシル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、又はフェノキシにより置換されており;
それぞれのヘテロアリール基が、独立して、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ジチアリル、オキサチアリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、オキサジニル、イソオキサジニル、オキサチアジニル、オキサジアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、チオナフテニル、イソチオナフテニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、プリニル、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、又はベンゾオキサジニル基であり、任意に1以上の部位でハロゲン、アリール、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、メチレン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノにより置換され;及び
それぞれのヘテロ環基が、独立して、上記のヘテロアリール基であり、又は任意に上記の通りに置換されるテトラヒドロフラニル、ピペリジニル、もしくはピロリジニル基である請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記、Rは、2から4の炭素原子を有すアルキル基であり、任意にフッ素又は塩素により置換され、或いはシクロペンチル又はシクロヘキシルであり;
はH又は1から4の炭素原子を有すアルキルであり;
は水素であり;1から4の炭素原子を有するアルキルであり;置換基を有す、又は置換基を有さないベンジル、フェネチル、及びフェンプロピルであり;或いは置換基を有す、又は置換基を有さないピリジルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、ピロリルメチル、ピリミジニルメチル、チアゾリルメチル、イソキノリニルメチル及びキノリニルメチルであり;
は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フラニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリジル、キノリニル、及びイソキノリニルであり、それぞれ置換基を有さない場合と、1以上のOH、F、Cl、CF、アルキル、アルコキシ、CN、ビニル、CHOH、CONHOH、CONH、メチレンジオキシ、又はCOOHにより置換される場合があり、或いはRがフェニルの場合、任意にR−,R−O−,R−CO−,R−NH−CO−,R−SO−NH−,R−SO−NH−アルキレン−O−,NH−アルキル−NH−CO−,R−アルキレン−NH−CO−、アルキル−CO−NH−アルキル−,並びにメチル、エチル、Cl、F,CN、OCH、CF、アミノ、ニトロ、HOCH又はCOOHにより置換され;
は1から4の炭素原子を有すアルコキシであって、側鎖がある場合と、側鎖がない場合があり、そして置換基がない場合と、1以上のハロゲンにより置換される場合があり;
は−CO−C1-4−アルキルであり;
は−CHであり;
X及びYはそれぞれO又はSであり;そして
Aは−CHCH−である請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記、Rは、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記、Rは、シクロアルキルであり;そして
は、H、又はCである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記、Rは、シクロアルキルであり;
は、H、又はCであり;
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記、Rは、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記、Rは、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記、Rは、シクロペンチルであり;
は、H、又はCであり;
は、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、フェニルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
前記、Rは、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合がある請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記、Rは、1から4の炭素原子を有するアルコキシであり;
は、COCH又は
【化7】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;そして
Aは−CHCH−である請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記、Rは、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;そして
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCH又は
【化8】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;そして
Aは−CHCH−である請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
前記、Rは、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、Hであり、又はアリールもしくはヘテロアリールであり、いずれのケースも置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCH又は
【化9】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;そして
Aは−CHCH−である請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
前記、Rは、ピリジルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、フェニルであり、置換基がある場合と、置換基がない場合があり;
は、1から4の炭素原子を有すアルコキシであり;
は、COCH又は
【化10】

であり;
は、−CHであり;
X及びYは共にO又はSであり;そして
Aは−CHCH−である請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容され得るキャリアーを含む医薬組成物。
【請求項21】
前記請求項1の化合物が、0.1−50mgの単位投与量で提供される請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
患者におけるPDE4酵素阻害効果をもたらし、認知を増強させ、及び/又は精神病を治療するための方法であって、請求項1に記載の化合物の有効量を前記患者に投与することを含む方法。
【請求項23】
前記化合物を、0.01−100mg/体重kg/日の量を投与する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記患者がヒトである請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記患者が認知障害又は認知減退で苦しんでいる患者である請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が記憶障害で苦しんでいる患者である請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記患者がアルツハイマー病、精神分裂病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病、HIV,心血管病、頭部外傷、又は年齢に関連した認知減退が原因とされる記憶障害で苦しんでいる患者である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記患者が痴呆が原因とされる記憶障害で苦しんでいる患者である請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記患者が精神病で苦しんでいる患者である請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記精神病が精神分裂病、両極の躁鬱、大うつ、薬剤常用又はモルヒネ依存である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
cAMPレベル減少に関与する疾患を有す患者を治療するための方法であって、請求項1に記載の化合物の有効量を前記患者へ投与することを含む方法。
【請求項32】
前記患者をPDE4酵素阻害効果をもたらすように処置する請求項22記載の方法。
【請求項33】
アレルギー性又は炎症性疾患で苦しんでいる患者を治療するための方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を有効量投与することを含む方法。
【請求項34】
疾患又は損傷の結果として生じる神経減縮で苦しんでいる患者を治療するための方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を有効量投与することを含む方法。
【請求項35】
前記疾患又は損傷が脳卒中、脊髄損傷、神経発生(neurogenesis)、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、及び多系統萎縮症(MSA)である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記患者がアルツハイマー病、精神分裂病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病、うつ、加齢、頭部損傷、脳卒中、CNS低酸素症、脳の老化、多発性梗塞性痴呆、急性神経性疾患、HIV、又は心血管性疾患の記憶障害で苦しんでいる患者である請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2006−502995(P2006−502995A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523528(P2004−523528)
【出願日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/022401
【国際公開番号】WO2004/009557
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(501494104)メモリー・ファーマシューティカルズ・コーポレイション (25)
【氏名又は名称原語表記】MEMORY PHARMACEUTICALS CORPORATION
【Fターム(参考)】