ホモダイマー、ホモテトラマーまたはダイマーのダイマーのからなる安定に連結された複合体を発生させるための方法および使用
本発明は、多重機能性および/または結合特異性を有することができる明白な組成の安定に拘束された構造体のための方法および組成物に関する。特定の態様は、前駆体に結合した二量体化およびドッキングドメインを含有するモノマーを含むホモダイマーに関する。前駆体は、実質的に任意の分子または構造体、例えば、抗体、抗体フラグメント、抗体アナログもしくは模倣体、アプタマー、結合ペプチド、結合タンパク質のフラグメント、タンパク質もしくは他の分子のための既知のリガンド、酵素、検出可能な標識もしくはタグ、治療剤、毒素、医薬、サイトカイン、インターロイキン、放射性同位元素、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、ポリヌクレオチド、RNAi、オリゴ糖、天然もしくは合成ポリマー物質、ナノ粒子、量子ドット、有機もしくは無機化合物等であることができる。他の態様は、同じであるかまたは異なることができる第1ホモダイマーおよび第2ホモダイマーを含むテトラマーに関する。開示された方法および組成物は、実質的にいかなる機能性および/または結合特異性も有するホモダイマー、ホモテトラマーおよびヘテロテトラマーを得るための容易な且つ一般的方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ターゲティング部分およびエフェクター部分の両方の多重コピーを含む人工作用物質は高度に望ましい。何故ならば、それらはより強い(avid)結合を与えそして増強された効力を与えるであろうからである。リコンビナント技術はターゲティングドメインおよびエフェクタードメインの両方を有する融合タンパク質を作成するためによく適用されるけれども、多重結合価または多機能性を得るために同じまたは異なるモノマー成分を含むマルチマー構造は、コンジュゲーション化学の慎重な適用によってのみ得ることができる。
【0002】
リコンビナント工学により発生させた作用物質では、問題は、高い製造コスト、低い発現収率、血清中の不安定性、集合体または解離したサブユニットの形成をもたらす溶液中での不安定性、多数の生成物形態の存在による不明確なバッチ組成、汚染性副生物、立体的因子または変化したコンフォメーションに帰される減少した機能的活性もしくは結合アフィニティー/アビディティー等を含むことがある。化学的架橋の種々の方法により発生させた作用物質では、高い製造コストおよび精製された製品の不均一性(heterogeneity)が2つの主な制限である。
【0003】
従って、明白な組成、均一な純度および変わらないアフィニティーを有し、そして徹底的な精製工程を必要としないで高い収率で産生されうる、一般に多重特異性または機能性の多価構造体を製造する方法に対する要求が当技術分野には依然としてある。更に、このよう構造体は、in vivo適用を可能とするのに十分に血清中で安定でもなければならない。構築することが容易でありおよび/または比較的精製された形態で得ることが容易な多重特異性または機能性の安定な多価構造体に対する要求が存在する。
【0004】
発明の要約
本発明は、多重機能または多重結合特異性またはその両方を有することができ、そしてin vitroおよびin vivo用途に適当な安定に拘束された構造体(stably tethered structures)を発生させるためのプラットホーム技術を開示する。1つの態様では、安定に拘束された構造体は、タンパク質または非タンパク質であることができる任意の有機物質のホモダイマーとして産生される。以後a2として示されるホモダイマーは、各サブユニットにおいて含有される二量体化およびドッキングドメイン(dimerization and docking domain)(DDD)と呼ばれる、別のペプチド結合を介して互いに連結された2つの同一なサブユニットからなる。このサブユニットは、DDD配列を関心のある前駆体にスペーサー基を介してリコンビナント工学またはケミカルコンジュゲーションにより連結することにより構築され、これは自己会合してダイマーを形成することができる構造体をもたらす。DDD1(図1a、配列番号1)と呼ばれるDDD配列で作られた代表的なa2構築物は、実施例2および3に記載されている。
【0005】
他の態様では、安定に拘束された構造体は、主として、タンパク質または非タンパク質であることができる任意の有機物質のホモテトラマーとして産生される。以後a4として示されるホモテトラマーは、4つのサブユニットの各々において含有される、DDD2(図1b、配列番号2)と呼ばれるDDD配列により作られた2つの同一のa2構築物からなる。5つのこのようなa4構築物は実施例4および5に記載されている。
【0006】
更に他の態様では、安定に拘束された構造体は、任意の2つの異なるa4構築物からハイブリッドテトラマーとして産生される。以後a2a’2と呼ばれるハイブリッドテトラマーは、それぞれのa4構築物に由来する2つの異なるa2構築物からなる。3つのこのようなa2a’2構築物は実施例6に記載されている。他の態様では、例えばアビマー(avimers)(Silverman et al., Nat. Biotechnol.(2005), 23: 1556-1561)などの多重ドメインを含む単一鎖ポリペプチドである融合タンパク質は、関心のある前駆体として使用されて、得られるa2、a4およびa2a’2構築物の結合価、機能性および特異性を増加させることができ、該得られるa2、a4およびa2a’2構築物は、エフェクターおよび担体と更にコンジュゲーションさせて、このような改変により可能となった追加の機能を獲得することができる。
【0007】
多数のa2、a4およびa2a’2構築物は、開示された方法および組成物によりデザインされそして産生されうる。例えば、下記に列挙された少なくとも7つの型のタンパク質またはペプチドをベースとする構築物がもくろまれる:
1型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントからなる二価a2構築物。選ばれた例について表1参照。
2型: 2つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる二価a2構築物。選ばれた例について表2参照。
3型: 同じmAbに由来する4つのFabまたはscFvフラグメントからなる四価a4構築物。選ばれた例について表3参照。
4型: 4つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる四価a4構築物。選ばれた例について表4参照。
5型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントおよび異なるmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントからなる二重特異的四価a2a’2構築物。選ばれた例について表5参照。
6型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントおよび2つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる多機能性a2a’2構築物。選ばれた例について表6参照。
7型:異なる非免疫グロブリンタンパク質の2つの対からなる多機能性a2a’2構築物。選ばれた例について表7参照。
【0008】
一般に、1型カテゴリーの製品は、同じモノクローナル抗体に由来する2つの安定に拘束されたFab(またはscFv)フラグメントからなる二価結合タンパク質がin vivoで一価Fab’に解離することが知られている対応する二価F(ab’)2よりもより望ましい種々の用途において有用である。例えば、7E3の2つの安定に拘束されたFabフラグメントからなるa2製品の有効性は、7E3のFabフラグメントを使用して血小板凝集を防止するReoPro(商標)(Centocor,Inc)の有効性を超えて改良されるであろう。
【0009】
一般に、2型カテゴリーの製品は、改良された有効性または薬物動態学またはその両方について一価作用物質よりも二価作用物質がより望ましくありうる種々の用途において有用である。例えば、エリスロポエチンの2つのコピーからなるa2製品は、1つのエリスロポエチンのみを含有するEpogen(登録商標)(Amgen)よりも好ましいことがありうる。他の例は、ヒトIgG1のCH2およびCH3ドメインに融合されたAβ12−28Pの2つのコピーからなるa2製品である。Aβ12−28Pは、位置18のバリンがプロリンにより置換されているβ−アミロイド(Aβ)のN末端12〜28残基を含有するペプチドである。Aβ12−28Pは、非原繊維形成性であり、無毒性であり、そしてAβへのアポリポタンパク質E(apoE)の結合をブロックして、トランスジェニックマウスモデルにおいてAβプラークを減少させることができる(Sadowski et al., Am J Pathol. (2004), 165:937-948)。Aβ12−28PへのCH2およびCH3の融合は、2つの目的:(1)得られる複合体がFcRnを介して血液脳関門を横切ることを促進するため;(2)抗AβアームへのAβの結合およびミクログリア上のFcレセプターへのCH2−CH3ドメインの結合のあとのミクログリア細胞によるAβプラークの有効な減少(Hartman et al., J. Neurosci. (2005), 25:6213-6220)のために役立つであろう。
【0010】
一般に、3型カテゴリーの製品は、同じモノクローナル抗体由来の4つの安定に拘束されたFab(またはscFv)フラグメントからなる四価結合タンパク質が同じモノクローナル抗体に基づく三価、二価または一価結合タンパク質よりも望ましい種々の用途において有用である。例えば、アダリムマブなどの抗TNFα抗体の4つの安定に拘束されたFabフラグメントからなるa4製品の有効性は、HUMIRA(商標)(Abbott Laboratories)よりも関節炎を処置するのにより有効でありうる。
【0011】
一般に、4型カテゴリーの製品は、四価作用物質が、ターゲットへの結合の高められたアビディティーにより三価、二価または一価の作用物質よりも望ましいことがありうる種々の用途において有用である。例えば、因子IXの4つのコピーからなるa4製品は、血友病を処置するための治療剤として、1つのみの因子IXを含有するBenefix(商標)(Wyeth)よりも好ましくありうる。
【0012】
一般に、5型カテゴリーの製品は、2つの異なるa2サブユニットからなる二重特異的四価結合タンパク質が所望される種々の用途において有用である。例えば、トラスツズマブ(trastuzumab)の2つのFabフラグメントおよびペルツズマブ(pertuzumab)の2つのFabフラグメントからなるa2a’2製品は、HER2レセプターを過剰発現する癌を処置するためにHerceptin(登録商標)(Genentech)またはOmnitarg(商標)(Genentech)よりも有効でありうる。
【0013】
一般に、6型カテゴリーの製品は、非免疫グロブリンタンパク質のターゲット特異的送達または結合が所望される種々の用途において有用である。例えば、腫瘍関連抗原(例えばCD74)に対するインターナライジング抗体の2つのFabフラグメントおよび毒素(例えばデグリコシル化リシンA鎖またはランピルナーゼ(ranpirnase))の2つのコピーからなるa2a’2製品は、ターゲット腫瘍細胞を破壊するための毒素の選択的送達のために価値があるであろう。他の例は、Aβに対する抗体の2つのFabフラグメントおよびトランスフェリン(Tf)の2つのコピーからなるa2a’2製品であり、これは、アルツハイマー病の有効な治療のために血液脳関門を横切りそしてAβを中和することが期待される。
【0014】
一般に、7型カテゴリーの製品は、2つの異なる非免疫グロブリンタンパク質の組み合わせが、各それぞれの非免疫グロブリンタンパク質単独よりも望ましい種々の用途で有用である。例えば、IL−4Rのためのレセプターの可溶性成分(sIL−4R)の2つのコピーおよびIL−13のためのレセプターの可溶性成分(sIL−13R)の2つのコピーからなるa2a’2製品は、喘息またはアレルギーを処置するための潜在力のある治療剤であろう。他の例は、Aβ12−28Pの2つのコピーおよびTfの2つのコピーからなるa2a’2製品である。Aβ12−28PへのTfの付加は、得られる複合体がアルツハイマー病の有効な処置のために血液脳関門を横切ることを可能とすることが期待される。
【0015】
本発明の安定に拘束された構造体は、それらのコンジュゲートを含めて、多様な治療および診断用途に使用するのに適当である。例えば、抗体結合ドメインに基づくa2、a4またはa2a’2構築物は、このような構築物が追加の機能的作用物質にコンジュゲーションされていない場合には、ネイキッドな抗体を使用する治療と同じ方式で、治療のために使用することができる。または、これらの安定に拘束された構造体は、1つ以上の機能的作用物質で誘導体化されて診断または治療用途を可能とすることができる。追加の作用物質は、慣用のコンジュゲーション化学を使用して安定に拘束された構造体に共有結合により連結させることができる。
【0016】
安定に拘束された構造体の使用の方法は、疾患または他の医学的状態の検出、診断および/または処置を含むことができる。このような状態は、癌、過形成、糖尿病性網膜症、黄班変性(macular degeneration)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、喘息、浮腫、肺高血圧、乾癬、角膜移植片拒絶、血管新生性緑内障、オスラー−ウエバーシンドローム(Osler-Webber Syndrome)、心筋血管新生(myocardial angiogenesis)、プラーク血管新生(plaque neovascularization)、再発狭窄症、血管外傷後の新生内膜形成(neointima formation after vascular trauma)、毛細血管拡張症、血友病関節症、血管繊維腫、慢性炎症と関連した線維症、肺線維症、深部静脈血栓症(deep venous thrombosis)または創傷顆粒形成(wound granulation)を含むことができるが、それらに限定されない。
【0017】
特定の態様では、開示された方法および組成物は、自己免疫疾患、例えば急性特発性血小板減少性紫斑症、慢性特発性血小板減少性紫斑症、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎(lupus nephritis)、リウマチ熱、多腺性症候群、水泡性類天疱瘡、若年性糖尿病、ヘノッホ−シェンライン紫斑症、ポスト連鎖球菌腎炎(post-streptococcalnephritis)、結節性紅班、タカヤス動脈炎、アジソン病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、多形性紅班、IgA腎症、結節性多発性動脈炎、剛直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、閉塞性血栓血管炎 (thromboangitisubiterans)、シェーグレン症候群、一次胆汁性肝硬変、ハシモト甲状腺炎、甲状腺中毒症、強皮症、慢性活動性肝炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡、ウェグネル肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄ろう、巨細胞動脈炎/多発性筋肉痛、悪性貧血、急速進行性糸球体腎炎、乾癬または線維化肺胞炎を処置するのに使用することができる。
【0018】
ある態様では、安定に拘束された構造体は、癌の治療処置のために使用することができる。任意のタイプの腫瘍および任意のタイプの腫瘍抗原がターゲティングされうることは予想される。ターゲティングされうる例示的タイプの腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、胆管癌、乳癌、頚部癌(cervical cancer)、慢性リンパ球白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭部癌および頚部癌(neck cancer)、ホジキンリンパ腫、肺癌、髄質甲状腺癌(medullary thyroid cancer)、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、腎臓癌、卵巣癌、膵臓癌、神経膠腫、黒色腫、肝臓癌、前立腺癌および膀胱癌を含む。
【0019】
ターゲティングされうる腫瘍関連抗原は、カルボニックアンヒドラーゼIX、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、BrE3抗原、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD45、CD74、CD79a、CD80、HLA−DR、NCA95、NCA90、HCGおよびそのサブユニット、CEA(CEACAM−5)、CEACAM−6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Ba733、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、Le−Y、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、PAM−4抗原、PSA、PSMA、RS5、S100、TAG−72、p53、テナシン、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、胎盤成長因子(PlGF)、17−1A抗原、血管新生マーカー(例えば、ED−Bフィブロネクチン)、腫瘍遺伝子マーカー、腫瘍遺伝子産物および他の腫瘍関連抗原を含むが、それらに限定されない。腫瘍関連抗原に関する最近のレポートは、Mizukami et al., (2005, Nature Med. 11: 992-97);Hatfield et al., (2005, Curr. Cancer Drug Targets 5:229-48);Vallbohmer et al. (2005, J. Clin. Oncol. 23:3536-44);およびRen et al. (2005, Ann. Surg. 242-55-63)を含み、各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
他の態様では、安定に拘束された構造体は、病原性生物、例えばバクテリア、ウイルスまたは真菌による感染を処置するために使用することができる。処置されうる例示的真菌は、Microsporum、Trichophyton、Epidermophyton、Sporothrix schenckii、Cryptococcus neoformans、Coccidioides immitis、Histpolasma capsulatum、Blastomyces dermatitidisまたはCandida albicansを含む。例示的ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトパピローマウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス(human serum parvo-like virus)、シミアンウイルス40、呼吸合胞体ウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、はしかウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタインバールウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水泡性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスまたはブルータングウイルス(blue tongue virus)を含む。例示的バクテリアは、Bacillus anthracis、Streptococcus agalactiae、Legionella pneumophilia、Streotococcus pyogenes、Echerichia coli、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Pneumococcus spp、Hemophilis influenzae B、Treponema pallidum、ライム病スピロヘータ(Lyme disease spirochetes)、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium leprae、Brucella abortus、Mycobacterium tuberculosisまたはMycoplasmaを含む。
【0021】
限定ではないけれども種々の態様において、モノマー、ダイマーおよび/またはテトラマーに組み込まれた前駆体は、1種以上のタンパク質、例えば、バクテリア毒素、植物毒素、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリン毒素(diphtherin toxin)、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ランピルナーゼ(Rap)、Rap(N69Q)、PE38、dgA、DT390、PLC、tPA、サイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、界面活性剤タンパク質D、IL−4、sIL−4R、sIL−13R、VEGF121、TPO、EPO、クロット溶解剤、酵素、蛍光タンパク質、sTNFα−R、アビマー、scFv、dsFvまたはナノボディを含むことができる。
【0022】
他の態様では、抗血管新生剤は、前駆体の一部またはすべてを形成することができまたは安定に拘束された構造体に結合させることができる。使用される例示的抗血管新生剤は、アンギオスタチン、バキュロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体もしくはペプチド、抗胎盤成長因子抗体もしくはペプチド、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体もしくはペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kプロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンを含む。
【0023】
更に他の態様では、1種以上の治療剤、例えば、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カリケアマイシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルムスチン、セレブレックス、クロラムブシル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ドクソルビシン、2−ピロリノドクソルビシン(2P−DOX)、シアノモルホリノドクソルビシン、ドクソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、メドロプロゲステロンアセタート、メゲストロールアセタート、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、PSI−341、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン、タキソール、テストステロンプロピオナート、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ベルケイド、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLR1、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、アンチセンスオリゴヌクレオチド、干渉RNAまたはその組み合わせを、安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせまたは組み込むことができる。
【0024】
種々の態様において、1種以上のエフェクター、例えば、診断剤、治療剤、化学療法剤、放射性同位元素、画像化剤、抗血管新生剤(anti-angiogenic agent)、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、薬物、プロドラッグ、酵素、結合分子、細胞表面レセプターのためのリガンド、キレーター、イムノモデュレーター、オリゴヌクレオチド、ホルモン、光検出可能な標識(photodetectable label)、染料、ペプチド、毒素、コントラスト剤、常磁性標識、超音波標識、プロアポトーシス剤(pro-apoptotic agent)、リポソーム、ナノ粒子またはその組み合わせを安定に拘束された構造体に結合させることができる。
【0025】
種々の態様は、安定に拘束された構造体および疾患細胞のアポトーシスを誘導するのに使用される該安定に拘束された構造体の使用の方法に関する。更なる詳細は、U.S. Patent Application Publication No. 20050079184において見出すことができる、その全体のテキストは参照により本明細書に組み込まれる。このような構造体は、CD2、CD3、CD8、CD10、CD21、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD48、CD52、CD55、CD59、CD70、CD74、CD80、CD86、CD138、CD147、HLA−DR、CEA、CSAp、CA−125、TAG−72、EFGR、HER2、HER3、HER4、IGF−1R、c−Met、PDGFR、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、TNFR1、TNFR2、NGFR、Fas(CD95)、DR3、DR4、DR5、DR6、VEGF、PIGF、ED−Bフィブロネクチン、テナシン、PSMA、PSA、カルボニックアンヒドラーゼIXおよびIL−6からなる群より選ばれる抗原に対する結合アフィニティーを有する第1および/または第2前駆体を含むことができる。更に特定の態様では、アポトーシスを誘導するのに使用される安定に拘束された構造体は、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体またはフラグメントを含むことができる。好ましい態様では、安定に拘束された構造体は、抗CD74X抗CD20、抗CD74X抗CD22、抗CD22X抗CD20、抗CD20X抗HLA−DR、抗CD19X抗CD20、抗CD20X抗CD80、抗CD2X抗CD25、抗CD8X抗CD25および抗CD2X抗CD147の組合わせを含むことができる。更に好ましい態様では、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体または抗体フラグメントは、LL2(抗CD22)、LL1(抗CD74)およびA20(抗CD20)の可溶性ドメインに由来することができる。
【0026】
例示的態様の説明
特許、特許出願、論文、本および専門書を含むがそれらに限定されない、本願で引用されたすべての文献または文献の一部は、そのまま参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0027】
定義
本明細書で使用された単数表現(“a”または“an”)は、1つまたは1つより多くの品目を意味することができる。
【0028】
本明細書で使用された、「および」および「または」は、連言的または選言的を意味するのに使用することができる。即ち、両用語は、特記しない限り「および/または」と同等であると理解されるべきである。
【0029】
本明細書で記載された抗体は、完全長(即ち、天然に生じるかまたは正常な免疫グロブリン遺伝子フラグメント組換え方法(normal immunoglobulin gene fragment recombinatorial processes)により形成された)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)または、抗体フラグメントのような、免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(即ち、特異的に結合する)部分またはアナログを指す。
【0030】
抗体フラグメントは、F(ab)2、F(ab’)2、Fab、Fv、sFv等の如き抗体の一部である。構造にかかわりなく、抗体フラグメントは、インタクトな抗体により認識される同じ抗原と結合する。用語「抗体フラグメント」は、特異的抗原に結合して複合体を形成することにより抗体のように作用する任意の合成のまたは遺伝子工学的に作成されたタンパク質も含む。例えば、抗体フラグメントは、可変領域からなる単離されたフラグメント、例えば、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメント、軽可変領域および重可変領域がペプチドリンカーにより連結されているリコンビナント一本鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、および超可変領域に模擬するアミノ酸残基からなる最小認識単位(CDR)を含む。
【0031】
エフェクターは、選ばれた結果を引き起こす原子、分子または化合物である。エフェクターは、治療剤および/または診断剤を含むことができる。
【0032】
治療剤は、疾患の処置において有用な原子、分子または化合物である。治療剤の例は、抗体、抗体フラグメント、薬物、毒素、酵素、ヌクレアーゼ、ホルモン、イムノモデュレーター、アンチセンスオリゴヌクレオチド、小さい干渉RNA(siRNA)、キレーター、ホウ素化合物、光活性剤(photoactive agents)、染料および放射性同位元素を含む。他の例示的治療剤および使用の方法は、US Patent Publication Nos. 20050002945、20040018557、20030148409および20050014207に開示されており、この各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
診断剤は、疾患を診断するのに有用な原子、分子または化合物である。有用な診断剤は、放射性同位元素、染料(例えばビオチン−ストレプトアビジン複合体を伴う)、コントラスト剤、蛍光化合物または分子および磁気共鳴画像化(MRI)のための増強剤(例えば、常磁性イオン)を含むが、それらに限定されない。
【0034】
イムノコンジュゲートは、結合分子(例えば抗体成分)の原子、分子またはより高次の構造体との(例えば担体、治療剤または診断剤との)コンジュゲートである。
【0035】
ネイキッドな抗体はいかなる他の作用物質にもコンジュゲーションされていない抗体である。
【0036】
担体は、治療剤または診断剤と会合してターゲティングされた細胞へのこのような作用物質の送達を促進することができる原子、分子またはより高次の構造体である。担体は、脂質(例えばより高次の構造体を形成することができる両親媒性脂質)、多糖(例えばデキストラン)または他のより高次の構造体、例えばミセル、リポソームまたはナノ粒子を含むことができる。
【0037】
本明細書で使用された、抗体融合タンパク質という用語は、同じまたは異なる特異性を有する同じまたは異なるscFvまたは抗体フラグメントの2つ以上が連結されているリコンビナントに産生された抗原結合分子である。融合タンパク質の結合価は、融合タンパク質が単一の抗原またはエピトープに対していかに多くの結合アームまたは部位を有するかを示し、即ち、一価、二価、三価または多価であることを示す。抗体融合タンパク質の多重結合価は、それが抗原への結合における多重相互作用を利用することができ、従って抗原への結合のアビディティーを増加させることを意味する。特異性は、抗体融合タンパク質がいかに多くの抗原またはエピトープに結合することができるかを示し;即ち、一重特異的、二重特異的、三重特異的、多重特異的を示す。これらの定義を使用すると、天然の抗体、例えば、IgGは、二つの結合アームを有するので二価であるが、それは1つのエピトープに結合するので一重特異的である。一重特異的な多価融合タンパク質は、エピトープに対する1つより多くの結合部位を有するが、1種のこのようなエピトープにのみ結合し、例えば同じ抗原と反応性の二つの結合部位を有するダイアボディである。融合タンパク質は、単一抗体成分、異なる抗体成分の多価または多重特異的組み合わせまたは同じ抗体成分の多重コピーを含むことができる。融合タンパク質は、抗体もしくは抗体フラグメントおよび治療剤を更に含むことができる。このような融合タンパク質のための適当な治療剤の例は、イムノモデュレーター(「抗体−イムノモデュレーター融合タンパク質」および毒素(「抗体−毒素融合タンパク質」)を含む。1つの好ましい毒素は、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、好ましくはリコンビナントRNアーゼを含む。
【0038】
本明細書に記載された抗体もしくはイムノコンジュゲート調製物または組成物は、もしも投与された量が生理学的に有意であるならば、「治療的に有効な量」で投与されるといわれる。作用物質は、もしもその存在がレシピエント哺乳動物の生理学における検出可能な変化をもたらすならば、生理学的に有意である。特に、抗体調製物は、その存在が抗腫瘍応答を引き起こすかまたは自己免疫疾患状態の兆候および症候を軽減するならば、生理学的に有意である。生理学的に有意な効果は、ターゲット細胞の成長阻害もしくは死をもたらすレシピエント哺乳動物における体液性および/または細胞性免疫応答の喚起作用であることもできる。
【0039】
安定に拘束された構造体のコンジュゲート
追加の部分が、上記した安定に拘束された構造体にコンジュゲーションされうる。例えば、薬物、毒素、放射性化合物、酵素、ホルモン、細胞傷害性タンパク質、キレート、サイトカインおよび他の機能的作用物質を、安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせることができる。コンジュゲーションは、例えば、側鎖にアミン、カルボキシル、チオールまたはヒドロキシル基を含有するアミノ酸残基への共有結合を介してであることができる。この目的で種々の慣用のリンカー、例えば、ジイソシアナート、ジイソチオシアナート、ビス(ヒドロキシスクシンイミド)エステル、カルボジイミド、マレイミド、ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド等を使用することができる。安定に拘束された構造体への作用物質のコンジュゲーションは、好ましくは、改変されていない構造体に含まれた各サブユニットの活性に有意に影響を与えない。コンジュゲーションは、a4およびa’4構築物に別々に行うことができ、そして得られるコンジュゲートは、a2a’2構築物を調製するために使用される。更に、細胞傷害剤を最初にポリマー担体にカップリングさせることができ、次いでこれを安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせる。この方法については、Ryser et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75:3867-3870, 1978; U.S.4,699,784およびU.S.4,046,722を参照されたい。これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
本明細書に記載されたコンジュゲートは、当技術分野で知られている種々の方法により調製されうる。例えば安定に拘束された構造体は、131Iで放射能標識することができ、そして脂質にコンジュゲーションさせることができ、それにより得られるコンジュゲートはリポソームを形成することができる。リポソームは、1種以上の治療剤(例えばFUdR−dOの如き薬物)または診断剤を取り込む(incorporate)ことができる。または、担体のほかに、安定に拘束された構造体は、131I(例えば、チロシン残基において)および薬物(例えばリシン残基のεアミノ基において)にコンジュゲーションさせることができ、そして担体は、追加の治療剤または診断剤を取り込むことができる。治療剤および診断剤は、安定に拘束された構造体の1つ以上のサブユニットと共有結合により会合させることができる。
【0041】
リポソームおよびミセルの形成は、当技術分野で知られている。例えばWrobel and Collins, Biochimica et Biophysica Acta(1995), 1235:296-304; Lundberg et al., J. Pharm. Pharmacol.(1995), 51:1099-1105; Lundberg et al., Int. J.Pharm. (2000), 205:101-108; Lundberg, J.Pharm. Sci.(1994), 83:72-75; Xu et al., Molec. Cancer Ther.(2002), 1:337-346; Torchilin et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA.(2003), 100:6039-6044;U.S. 5,565,215; U.S.6,379,698; およびU.S.2003/0082154参照。
【0042】
薬物送達または画像化のために有用なポリマー、シリカまたは金属から形成されたナノ粒子またはナノカプセルも記載されている。例えば、West et al., Applications of Nanotechnology to Biotechnology(2000), 11:215-217;U.S.5,620,708; U.S.5,702,727; およびU.S.6,530,944参照。抗体または結合分子をリポソームにコンジュゲーションさせて治療剤または診断剤のためのターゲティングされた担体を形成することは記載されている。例えば、Bendas, Biodrugs(2001), 15:215-224; Xu et al., Mol. Cancer Ther(2002), 1:337-346; Torchilin et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A.(2003), 100:6039-6044; Bally et al., J. Liposome Res.(1998), 8:299-335; Lundberg, Int. J. Pharm.(1994), 109:73-81; Lundberg et al., J. Pharm. Pharmacol.(1997), 49:16-21; Lundberg, Anti-cancer Drug Design(1998), 13:453-461参照。U.S.6,306,393; U.S. Serial No. 10/350,096;U.S.Serial No. 09/590,284,および1999年6月9日に出願されたU.S.Serial No. 60/138,284も参照。すべてのこれらの参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
多用な種類の診断剤および治療剤が、安定に拘束された構造体のコンジュゲートを形成するのに有利に使用され得るか、または安定に拘束された構造体上の認識部位に結合するハプテンに連結されうる。診断剤は、放射性同位元素、MRIに使用するための増強剤または超音波画像化のためのコントラスト剤および蛍光化合物を含むことができる。多くの適切な画像化剤が当技術分野で知られており、タンパク質またはペプチドへのそれらの結合のための方法も知られている(例えば、U.S. Patents 5,021,236 および 4,472,509参照、両方共参照により本明細書に組み込まれる)。ある結合方法は、例えば、タンパク質またはペプチドに結合したDTPAなどの有機キレート化剤(U.S.Patent 4,472,509)を使用する金属キレート複合体の使用を伴う。
【0044】
安定に拘束された構造体に放射性金属または常磁性イオンをローディングするために、それを、放射性金属または常磁性イオンを結合するためのキレート化基の多重コピーを結合させた担体と最初に反応させることが必要でありうる。このような担体は、例えば、このような目的に有用であることが知られているエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ポルフィリン、ポリアミド、クラウンエーテル、ビス−チオセミカルバゾン、ポリオキシム等の如きキレート化基を結合させることができるペンダント基を有する、ポリリシン、多糖または誘導体化されたもしくは誘導体化可能なポリマー物質であることができる。キレートを含有する担体は、凝集および免疫反応性の損失を最小にするための方法において標準化学を使用して安定に拘束された構造体にカップリングさせることができる。
【0045】
このようなコンジュゲートを調製するために適用されうる他のより格別な方法および試薬はU.S.4,824,659に開示されており、これは参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。特に有用な金属−キレート組み合わせは、60〜4,000keVkの一般的エネルギー範囲にある診断同位元素と共に使用される2−ベンジル−DTPAおよびそのモノメチルおよびシクロヘキシルアナログを含む。いくらかの有用な診断核種は、18F、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94Tc、94mTc、99mTcまたは111In含むことができる。非放射性金属、例えばマンガン、鉄およびガドリニウムで錯化された同じキレートは、本明細書に記載された安定に拘束された構造体および担体と共に使用されるとき、MRIのために有用である。大環状キレート、例えばNOTA、DOTAおよびTETAは、種々の金属および放射性金属と共に使用され、最も特定的にはそれぞれ、ガリウム、イットリウムおよび銅の放射性核種と共に使用される。このような金属−キレート錯体は、関心のある金属に環サイズを合わせることにより非常に安定にすることができる。他の環型キレート、例えば、223Raを錯化するための大環状ポリエーテルを使用することができる。
【0046】
治療剤は、例えば、化学療法薬物、例えば、ビンカアルカロイド、アンスラサイクリン、エピドフィルロトキシン(epidophyllotoxins)、タキサン、代謝拮抗物質、アルキル化剤、抗生物質、Cox−2阻害剤、抗有糸分裂剤、抗血管新生剤およびプロアポトーシス剤、特にドクソルビシン、メトトレセート、タキソール、CPT−11、カンプトテカンおよびこれら以外のものおよび他のクラスの抗癌剤等を含む。他の癌化学療法薬物は、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルネート、ニトロソ尿素、トリアゼン、葉酸アナログ、ピリミジンアナログ、プリンアナログ、白金配位錯体、ホルモン等を含む。適当な化学療法剤は、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 19th Ed.(Mack Publishing Co. 1995), and GOODMAN AND GILMAN'S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, 7th Ed. (MacMillan Publishing Co. 1985)ならびにこれらの刊行物の改訂版に記載されている。他の適当な化学療法剤、例えば、実験薬物は、当業者に知られており、そして当技術分野で知られている方法を使用して本明細書に記載された安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせることができる。
【0047】
他のクラスの治療剤は、α粒子を放出する(例えば、212Pb、212Bi、213Bi、211At、223Ra、225Ac)、β粒子を放出する(例えば、32P、33P、47Sc、67Cu、67Ga、89Sr、90Y、111Ag、125I、131I、142Pr、153Sm、161Tb、166Ho、166Dy、177Lu、186Re、188Re、189Re)またはオージェ電子を放出する(例えば、111In、125I、67Ga、191Os、193mPt、195mPt、195mHg)放射性核種からなる。安定に拘束された構造体は、診断剤で述べた方法を使用して上記放射性核種1種以上で標識することができる。
【0048】
検出可能な標識(例えば、蛍光分子)または細胞傷害剤(例えば、放射性ヨウ素)を含有する適当なペプチドは、安定に拘束された構造体と、共有結合により、非共有結合によりまたはそれ以外の結合で会合させることができる。例えば、治療的に有用なコンジュゲートは、光活性剤または染料を安定に拘束された構造体に組み込むことにより得ることができる。蛍光組成物、例えば蛍光色素および他の色素源または染料、例えば可視光に感受性のポルフィリンは、適当な光を外傷に向けることにより外傷を検出そして処置するために使用された。治療では、これは光放射、光治療、または光力学的治療と呼ばれてきた。Jori et al. (eds), PHOTODYNAMIC THERAPY OF TUMORS AND OTHER DISEASES (Libreria Progetto 1985);Van den Bergh, Chem. Britian(1986), 22:430参照。更に、モノクローナル抗体を、光治療を達成するために光活性化された染料とカップリングさせた。Mew et al., J. Immunol.(1983), 130:1473; idem., Cancer Res.(1985),45-4380; Oseroff et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1986),83:8744;idem., Photochem. Photobiol.(1987),46:83; Hasan et al., Prog. Clin. Biol. Res.(1989),288:471; Tatsuta et ql., Lasers Surg. Med.(1989),9:422; Pelegrin et al., Cancer(1991),67:2529.参照。内視鏡用途も意図される。検出および治療の内視鏡方法は、U.S.4,932,412; U.S.5,525,338; U.S.5,716,595; U.S.5,736,119; U.S.5,922,302; U.S.6,096,289;およびU.S.6,387,350に記載されており、これらはそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
ある態様では、本明細書に開示された新規な構築物および方法は、治療的介入のためのRNAiのターゲティングされた送達のために有用である。送達ビヒクルは、前駆体としてのヒトプロタミン(〜50アミノ酸残基のペプチド)に融合したインターナライジング抗体結合ドメインを有するa2(ダイマー)またはa4(テトラマー)構造であることができる。a2構築物の例は、VH−CH1−hP1−DDD1//VL−CLまたはVH−CH1−hP2−DDD1//VL−CL(式中、hP1およびhP2は、それぞれヒトプロタミン1およびヒトプロタミン2である)であり;両方ともin vivo用途のための安定なDNA複合体を形成することができる(Nat Biotechnol. 23:709-717, 2005; Gene Therapy. 13:194-195,2006)。a4構築物の例は、VH−CH1−hP1−DDD2//VL−CLまたはVH−CH1−hP2−DDD2//VL−CLであり、これは、各々RNAiに結合するためのヒトプロタミンを有する、4つの活性なFabフラグメントを与えるであろう。多価複合体は、ターゲット細胞への結合およびターゲット細胞へのレセプター媒介インターナリゼーションを促進するであろうし、ターゲット細胞において非共有結合的に結合したRNAiは、エンドソーム内で解離されそして細胞質中に放出される。酸化還元化学は関与していないので、hP1またはhP2における3つの分子内ジスルフィド結合の存在は、問題を与えない。RNAiの送達のほかに、これらの構築物は、治療遺伝子またはDNAワクチンのターゲティングされた送達のために使用することもできる。他の使用分野は、機能の点でRNAiのタンパク質アナログである細胞内発現抗体(intrabodies)を産生するためのA4/A2技術を適用することである。
【0050】
ペプチド投与
特許請求の範囲に請求された方法および/または組成物の種々の態様は、被験体に投与されるべき1種以上のペプチドをベースとする安定に拘束された構造体に関する。投与は、鼻、頬側、吸入、直腸、膣、局所、同所(orthotopic)、皮膚内、皮下、筋肉内、腹腔内、動脈内、鞘内、または静脈内注射を含むがそれらに限定されない当技術分野で知られている任意の経路により行うことができる。
【0051】
被験体に経口的に投与された改変されていないペプチドは、消化管内で分解され得、そして配列および構造に依存して、腸内層(intestinal lining)を横切る不十分な吸収を示すことがある。しかしながら、ペプチドを化学的に改変してペプチドを内在性プロテアーゼによる分解により少なく感受性にすることまたは消化管を通してより吸収性にするための方法は周知されている(例えば、Blondelle et al., 1995, Byophys. J.69:604-11; Ecker and Crooke, 1995, Biotechnology 13:351-69; Goodman and Ro, 1995, BURGERS MEDICAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY, VOL. I. ed. Wolf, John Wiley & Sons; Goodman and Shao, 1996, Pure & Appl. Chem. 68:1303-08参照)。ペプチドアナログ、例えばD−アミノ酸を含有するペプチド;ペプチドの構造に模倣するする有機分子からなるペプチド模倣体;またはビニロガスペプトイド(vinylogous peptoids)の如きペプトイド、のライブラリーを調製するための方法も記載されており、そして被験体への経口的投与のために適当なペプチドをベースとする安定に拘束された構造体を構築するために使用されうる。
【0052】
ある態様では、標準ペプチド結合連結は、1つ以上の替わりの連結基、例えば、CH2−NH、CH2−S、CH2−CH2、CH=CH、CO−CH2、CHOH−CH2等により置換されうる。ペプチド模倣体を調製するための方法は、周知されている(例えば、Hruby, 1982, Life Sci 31: 189-99; Holladay et al., 1983, Tetrahedron Lett. 24:4401-04; Jennings-White et al., 1982, Tetrahedron Lett. 23:2533; Almquiest et al., 1980, J.Med. Chem. 23:1392-98; Hudson et al., 1979, Int. J. Pept. Res. 14:177-185; Spatola et al., 1986, Life Sci 38: 1243-49; U.S.Patent Nos. 5,169,862; 5,539,085; 5,576,423; 5,051,448; 5,559,103、各々は参照により本明細書に組み込まれる)。ペプチド模倣体は それらのペプチドアナログと比べてin vivoで増強された安定性および/または吸収を示すことができる。
【0053】
または、ペプチドは、N末端および/またはC末端キャッピングを使用してエキソペプチダーゼ活性を阻止することによって、経口送達により投与することができる。例えば、C末端はアミドペプチドを使用してキャッピングすることができ、そしてN末端はペプチドのアセチル化によりキャッピングすることができる。ペプチドは、例えば、環状アミド、ジスルフィド、エーテル、スルフィド等の形成により環化させてエキソペプチダーゼをブロッキングすることもできる。
【0054】
ペプチド安定化は、特にエキソペプチダーゼが作用することが知られている位置で、天然に存在するL−アミノ酸に替わるD−アミノ酸の置換により行うこともできる。エンドペプチダーゼ結合および開裂配列は、当技術分野で知られておりそしてD−アミノ酸を組み込んでいるペプチドを製造および使用する方法は記載されている(例えば、2004年6月14日に出願されたMcBride et al..のU.S.Patent Publication No. 20050025709、参照により本明細書に組み込まれる)。ある態様では、ペプチドおよび/またはタンパク質は、プロテイナーゼ阻害剤および/またはペプチダーゼ阻害剤との共処方により経口投与されうる。
【0055】
治療ペプチドの経口送達のための他の方法は、Mehta("Oral delivery and recombinant production of peprtide hormones"June 2004, BioPharm International)に開示されている。ペプチドは、腸内タンパク質分解活性をモデュレーションしそして腸壁を横切るペプチド輸送を増強する賦形剤を伴う、腸溶コーティングされた固体剤形において投与される。この技術を使用するインタクトなペプチドの相対的バイオアベイラビリティーは投与された投薬量の1〜10%の範囲にあった。インスリンは、コール酸ナトリウムおよびプロテアーゼ阻害剤を有する腸溶コーティングされたマイクロカプセルを使用してイヌに成功裡に投与された(Ziv et al., 1994, J.Bone Miner. Res. 18(Suppl. 2):792-94)。ペプチドの経口投与は、透過増強剤としてアシルカルニチンおよび腸溶コーティングを使用して行われた(Eudragit L30D-55, Rohm Pharma Polymers、Mehta, 2004参照)。経口投与されたペプチド用に使用される賦形剤は、ペプチドの可溶性または吸収を改良するために一般に洗剤または他の作用物質と共に腸内プロテアーゼ/ペプチダーゼの阻害剤1種以上を含むことができ、これらは腸溶コーティングされたカプセルまたは錠剤内にパッケージングされうる(Mehta, 2004)。有機酸をカブセル内に含ませて、カプセルが腸内で溶解すると、腸を酸性化しそして腸内プロテアーゼ活性を阻害することができる(Mehta,2004)。ペプチドの経口送達のための他の代替方法は、ポリエチレングリコール(PEG)をベースとする両親媒性オリゴマーにコンジュゲーションさせて吸収および酵素による分解への抵抗を増化させることを含むであろう(Soltero and Ekwuribe, 2001,Pharm. Technol. 6:110)。
【0056】
更に他の態様では、あるタンパク質、例えばIgG1のFc領域へのコンジュゲーションによりペプチドを経口もしくは吸入投与用に改変することができる(実施例3〜7参照)。ペプチド−Fcコンジュゲートの調製および使用のための方法は、例えば、Low et al.(2005, Hum. Reprod. 20:1805-13)およびDumont et al.(2005, J.Aerosol. Med. 18:294-303)に開示されており、各々は参照により本明細書に組み込まれる。Low et al.(2005)は、CHO細胞におけるリコンビナント発現を使用して、一本鎖またはヘテロダイマー形態のIgG1のFc領域に、FSHのαおよびβサブユニットをコンジュゲーションさせることを開示している。Fcコンジュゲーションされたペプチドは、新生児Fcレセプター媒介輸送システムにより肺または腸の上皮細胞を介して吸収された。Fcコンジュゲーションされたペプチドは、ネイティブなペプチドと比較してin vivoでの改良された安定性および吸収を示した。ヘテロダイマーコンジュゲートは単一鎖形態よりも活性であることも観察された。
【0057】
タンパク質およびペプチド
種々のポリペプチドまたはタンパク質は、特許請求の範囲で請求された方法および組成物の範囲内で使用されうる。ある態様では、タンパク質は、抗体または抗原結合部位を含有する抗体のフラグメントを含むことができる。本明細書で使用された、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、一般に約200アミノ酸より大きく、遺伝子から翻訳された完全長配列以下のタンパク質;約100アミノ酸より大きいポリペプチド;および/または約3〜約100アミノ酸のペプチドを指すが、これらに限定されない。便宜上、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、本明細書では交換可能に使用される。従って、用語「タンパク質」または「ペプチド」は、天然に存在するタンパク質に見出された20種の普通のアミノ酸の少なくとも1種または少なくとも1種の改変されたもしくは格別のアミノ酸を含むアミノ酸配列を包含する。
【0058】
本明細書で使用された「アミノ酸残基」は、任意の天然に存在するアミノ酸、任意のアミノ酸誘導体または当技術分野で知られている任意のアミノ酸模倣体を指す。ある態様では、タンパク質またはペプチドの残基は、アミノ酸残基の配列を中断するいかなる非アミノ酸もなしに連続している。他の態様では、配列は、1つ以上の非アミノ酸配列を含んでいてもよい。特定の態様では、タンパク質またはペプチドの残基の配列は、1つ以上の非アミノ酸部分により中断されていてもよい。
【0059】
従って、用語「タンパク質またはペプチド」は、天然に存在するタンパク質に見出される20種の普通のアミノ酸の少なくとも1種、または下記に示されたアミノ酸を含むがそれらに限定されない少なくとも1種の改変されたもしくは格別のアミノ酸を含むアミノ酸配列を包含する。
【0060】
【表1】
【0061】
タンパク質またはペプチドは、標準分子生物学技術によるタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの発現、天然のソースからのタンパク質またはペプチドの単離またはタンパク質もしくはペプチドの化学的合成を含む、当業者に知られている任意の技術により作製することができる。種々の遺伝子に対応するヌクレオチドならびにタンパク質、ポリペプチドおよびペプチド配列は以前に開示されておりそして当業者に知られているコンピューター化されたデータベースに見出されうる。1つのこのようなデータベースは、National Center for Biotechnology Information's Genbank and GenPept databases(www.ncbi.nlm.nih.gov/)である。既知の遺伝子のためのコード領域は、本明細書に開示された技術を使用してまたは当業者に知られているとおりに増幅および/または発現されうる。または、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドの種々の商業的製造は当業者に知られている。
【0062】
ペプチド模倣体
ポリペプチドの調製のための他の態様は、ペプチド模倣体の使用である。模倣体は、タンパク質二次構造のエレメントを模倣するペプチド含有分子である。例えば、Johnson et al.,"Peptide Turn Mimetics"in BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY, Pezzuto et al., Eds., Chapman and Hall, New York(1993)参照。これらは参照により本明細書に組みこまれる。ペプチド模倣体の使用の背景の論理は、タンパク質のペプチド主鎖が、分子相互作用、例えば抗体と抗原の相互作用、を促進するようにアミノ酸側鎖を配向するために主として存在するということである。ペプチド模倣体は、天然の分子に類似した分子相互作用を可能とすることが期待される。
【0063】
融合タンパク質
種々の態様は融合タンパク質に関することができる。これらの分子は、一般にN末端またはC末端で、第2ポリペプチドもしくはタンパク質のすべてまたは一部に連結されたペプチドのすべてまたは実質的な部分を有する。融合タンパク質を発生させる方法は、当業者に周知されている。このようなタンパク質は、例えば、二官能性架橋試薬を使用する化学的結合により、完全な融合タンパク質のde novo合成により、または第2ペプチドもしくはタンパク質をコードするDNA配列への第1タンパク質もしくはペプチドをコードするDNA配列の結合、次いでインタクトな融合タンパク質の発現により製造することができる。
【0064】
合成ペプチド
タンパク質またはペプチドは、全体的にせよ部分的にせよ、慣用の技術に従って溶液中でまたは固体支持体上で合成することができる。種々の自動合成装置が市販されておりそして既知のプロトコールに従って使用することができる。例えば、Stewart and Young,(1984, Solid Phase Peptide Synthesis, 2d. ed., Pierce Chemical co,); Tam et al.,(1983, J.Am. Chem. Soc., 105:6442); Merrifield, (1986,Science, 232:341-347); and Barany and Merrifield(1979, The peptides, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press, New York, pp.1-284)参照。通常約6から約35〜50アミノ酸までの短いペプチド配列はこのような方法により容易に合成することができる。または、関心のあるペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入し、適切なホスト細胞中にトランスフォーメーションまたはトランスフェクションしそして発現のために適当な条件下に培養する、リコンビナントDNA技術を使用することができる。
【0065】
抗体
種々の態様は、ターゲットに対する抗体に関する。用語「抗体」は、本明細書では、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子を指すのに使用され、そして抗体フラグメント、例えば、Fab’、Fab、F(ab’)2、単一ドメイン抗体(DABs)、Fv、scFv、(単一鎖Fv)等を含む。種々の抗体をベースとする構築物およびフラグメントを調製および使用するための技術は、当技術分野で周知されている。抗体を調製しそして特徴付けるための手段も当技術分野で周知である(例えば、Harlowe and Lane, 1988, Antibodies,1988,Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory参照)。使用される抗体は広い多様な既知のソースから商業的に得ることもできる。例えば、種々の抗体分泌ハイブリドーマ系統が、American Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)から入手可能である。
【0066】
抗体フラグメントの産生
特許請求の範囲に請求された方法および/または組成物のいくらかの態様は、抗体フラグメントに関することができる。このような抗体フラグメントは、慣用の方法による全体の抗体のペプシンもしくはパパイン消化により得ることができる。例えば、抗体フラグメントは、ペプシンにより抗体を酵素開裂させてF(ab’)2フラグメントを得ることにより産生することができる。このフラグメントは、チオール還元剤を使用して更に開裂させることができ、次いで場合によりジスルフィド結合の開裂から生じるスルフヒドリル基のためのブロッキング基によりブロッキングして、Fab’一価フラグメントを産生する。または、パパインnを使用する酵素による開裂は、2つの一価のFabフラグメントおよびFcフラグメントを産生する。抗体フラグメントを産生するための例示的方法は、U.S.Pat.No.4,036,945; U.S.Pat.No.4,331,647;Nisonoff et al., 1960, Arch. Biochem. Biophys., 89:230; Porter, 1959, Biochem. J., 73:119; Edelman et al., 1967, METHODS IN ENZYMOLOGY, page 422(Academic Press), and Coligan et al.(ends), 1991, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY,(John Wiley & Sons)に開示されている。
【0067】
抗体を開裂する他の方法、例えば重鎖を分離して一価軽−重鎖フラグメントを形成すること、フラグメントのさらなる開裂または他の酵素よる技術、化学的技術、または遺伝子技術も、フラグメントがインタクトな抗体により認識される抗原に結合するかぎりは、使用されうる。例えば、Fvフラグメントは、VHおよびVL鎖の会合を含む。この会合は、Inbar et al., 1972, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA,69:2659に記載のとおり、非共有結合性であることができる。または、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合により連結させることができるかまたはグルタルアルデヒドなどの化学品により架橋させることができる。Sandhu,1992,Crit.Rev.Biotech., 12:437参照。
【0068】
好ましくは、Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより連結されたVHおよびVL鎖を含む。これらの単一鎖抗原結合タンパク質(sFv)は、オリゴヌクレオチドリンカー配列により連結されたVHおよびVLドメインをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を構築することにより調製される。構造遺伝子を、発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを、次いでE.coliなどのホスト細胞に導入する。リコンビナントホスト細胞は、2つのVドメインを橋かけするリンカーペプチドを有する単一ポリペプチド鎖を合成する。sFv’sを産生するための方法は、当技術分野で周知されている。Whitlow et al., 1991, Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:97; Bird et al., 1988, Science, 242:423; U.S.Pat.No. 4,946,778; Pack et al., 1993, Bio/Technology, 11:1271, and Sandhu, 1992, Crit. Rev. Biotech., 12:437参照。
【0069】
他の形態の抗体フラグメントは、単一の相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」は、関心のある抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することにより得られうる。このような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することにより調製される。Larrick et al., 1991, Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:106; Ritter et al.(eds.), 1995, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRODUCTION, ENGINEERING AND CLINICAL APPLICATION, pages 166-179(Cambridge University Press); Birch et al.,(eds.), 1995, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND APPLICATIONS, pages 137-185(Wiley-Liss, Inc)参照。
【0070】
キメラおよびヒト化抗体
キメラ抗体は、ヒト抗体の可変領域が、例えば、マウス抗体の相補性決定領域(CDRs)を含む、マウス抗体の可変領域により置換されているリコンビナントタンパク質である。キメラ抗体は、被験体に投与されるとき、減少した免疫原性および増化した安定性を示す。キメラ抗体を構築するための方法は、当技術分野で周知されている(例えば、Leung et al., 1994, Hybridoma 13:469)。
【0071】
キメラモノクローナル抗体は、マウスCDRsをマウス免疫グロブリンの重および軽可変鎖からヒト抗体の対応する可変ドメインにトランスファーすることによりヒト化されうる。キメラモノクローナル抗体におけるマウスフレームワーク領域(FR)は、ヒトFR配列によっても置換される。ヒト化モノクローナルの安定性および抗原特異性を保存するために、1つ以上のヒトFR残基をマウス対応残基により置換することができる。ヒト化モノクローナル抗体は被験体の治療的処置のために使用することができる。ターゲットに対するヒト化抗体のアフィニティーは、CDR配列の選ばれた改変により増化させることもできる(WO0029584A1)。ヒト化モノクローナル抗体の産生の技術は当技術分野で周知されている(例えば、Jones et al., 1986,Nature, 321:522; Riechmann et al., Nature, 1988,332:323; Verhoeyen et al., 1988, Science,239:1534; Carter et al., 1992, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA, 89:4285; Sandhu, Crit. Rev. Biotech., 1992, 12:437; Tempest et al., 1991, Biotechnology 9:266; Singer et al., J.Immunol., 1993, 150-2844参照)。
【0072】
他の態様は、非ヒト霊長類抗体に関することができる。ヒヒにおける治療的に有用な抗体を生じるための一般的技術は、例えば、Goldenberg et al., WO91/11465(1991)およびLosman et al., Int. J. Cancer 46:310(1990)において見出されうる。
【0073】
ヒト抗体
コンビナトリアルアプローチまたはヒト免疫グロブリンローカスでトランスフォーメーションされたトランスジェニック動物を使用して完全にヒト抗体を産生するための方法は、当技術分野で知られている(例えば、Mancini et al., 2004, New Microbiol. 27:315-28; Conrad and Scheller, 2005, Comb. Chem. High Throughput Screen. 8:117-26; Brekke and Loset, 2003, Curr. Opin. Pharmacol. 3:544-50; 各々は参照により本明細書に組み込まれる)。このような完全にヒト抗体は、キメラもしくはヒト化抗体より少なくすらある副作用を示しそして本質的に内在性ヒト抗体としてin vivoで機能することが予想される。ある態様では、特許請求の範囲に請求された方法および手順は、このような技術により産生されたヒト抗体を利用することができる。
【0074】
1つの態様では、ファージディスプレー技術を使用してヒト抗体を発生させることができる(例えば、Dantas-Barbosa et al., 2005, Genet. Mol.Res. 4:126-40、参照により本明細書に組みこまれる)。ヒト抗体は、正常なヒトから、または癌の如き特定の疾患状態を示すヒトから発生させることができる(Dantas-Barbosa et al., 2005)。疾患のある個体からヒト抗体を構築することの利点は、循環抗体レパートリーが疾患関連抗原に対する抗体に偏らされている(biased)ことがありうるということである。
【0075】
この方法の1つの非限定的例では、Dantas-Burbosa et al.(2005)は、骨肉腫患者からのヒトFab抗体フラグメントのファージディスプレーライブラリーを構築した。一般に、循環している血液リンパ球(同上)から全RNAが得られた。リコンビナントFabをμ、γおよびκ鎖抗体レパートリーからクローニングしそしてファージディスプレーライブラリー(同上)に挿入した。RNAsをcDNAsに転換しそして重および軽鎖免疫グロブリン配列に対して特異的プライマーを使用して、Fab cDNAライブラリーを作成するために使用した(Marks et al., 1991, J.Mol.Biol. 222:581-97, 参照により本明細書に組み込まれた)。ライブラリー構築は、Andris-Widhopf et al.(2000, In: Phage Display Laboratory Mannual, Barbas et al.(eds), 1st edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY pp.9.1 to 9.22、参照により本明細書に組みこまれる)に従って行われた。最終Fabフラグメントを制限エンドヌクレアーゼで消化しそしてバクテリオファージゲノムに挿入してファージディスプレーライブラリーを作成した。このようなライブラリーを当技術分野で知られているとおり標準ファージディスプレー方法によりスクリーニングすることができる。当業者は、この技術が単に説明的なものでありそしてファージディスプレーによりヒト抗体または抗体フラグメントを作成しそしてスクリーニングするための任意の既知の方法を利用することができることを理解するであろう。
【0076】
他の態様では、遺伝子工学的に作成されてヒト抗体を産生するトランスジェニック動物を使用して、本質的に任意の免疫原性ターゲットに対する抗体を、標準免疫感作プロトコールを使用して発生させることができる。このようなシステムの非限定的例は、Abgenix(Fremont, CA)からのXenoMouse(登録商標)(例えば、Green et al., 1999, J.Immunol. Methods 231:11-23, 参照により本明細書に組みこまれる)である。XenoMouse(登録商標)および類似した動物において、マウス抗体遺伝子は不活性化されそして機能的ヒト抗体遺伝子により置換されているが、マウス免疫系の残りはインタクトなままである。
【0077】
XenoMouse(登録商標)を、アクセサリー遺伝子および調節配列と共に、可変領域配列の大部分を含む、ヒトIgHおよびIgκローカスの部分を含有した生殖細胞系コンフィガードYACs(germline-configured YACs)(酵母人口染色体)でトランスフォーメーションした。ヒト可変領域レパートリーを使用して抗体産生性B細胞を発生させることができ、これを既知の技術によりハイブリドーマにプロセッシングすることができる。ターゲット抗原で免疫感作されたXenoMouse(登録商標)は、正常な免疫応答によりヒト抗体を産生するであろうし、これは上記した標準技術により回収されおよび/または産生されうる。XenoMouse(登録商標)の種々の系統が入手可能であり、その各々は異なるクラスの抗体を産生することができる。このようなヒト抗体を、化学的架橋または他の既知の方法により他の分子にカップリングさせることができる。トランスジェニックに産生された抗体は、正常なヒト抗体の薬物動態学的性質を保持しながら、治療的潜在力を有することが示された。(Green et al., 1999)。当業者は、特許請求の範囲に請求された組成物および方法がXenoMouse(登録商標)システムの使用に限定されるものではなくて、遺伝子工学的に作成された任意のトランスジェニック動物を利用してヒト抗体を産生することができることを認識するであろう。
【0078】
プレターゲティング
二重特異的な安定に拘束された構築物の使用のための1つのストラテジーは、プレターゲティング法(pre-targeting methologies)を含み、この方法では、エフェクター分子は、二重特異的構築物が投与された後被験体に投与される。エフェクター、ハプテンまたは担体に対する結合部位および疾患に罹っている組織に対する結合部位を含む二重特異的構築物は、疾患のある組織に局在化しそして疾患のある組織へのエフェクターの局在化の特異性を増化させる(U.S.Patent Application No.20050002945)。エフェクター分子は二重特異的構築物よりもはるかに速く循環から除かれ得るので、正常な組織は、エフェクター分子が疾患ターゲティング抗体に直接連結されている場合よりも、プレターゲティングストラテジーが使用される場合にエフェクター分子への曝露が減少することができる。
【0079】
プレターゲティング方法は、検出もしくは治療剤のターゲット:バックグラウンド比を増化させるために開発された。ブレターゲティングおよびビオチン/アビジンアプローチの例は、例えば、Goodwin et al., U.S.Pat.No.4,863,713; Goodwin et qal., J.Nucl. Med.229:226,1988; Hanatowich et al., J.Nucl. Med.28:1294,1987; Oehr et al., J.Nucl.Med.29:728,1988; Klibanov et al., J.Nucl.Med.29:1951,1988; Sinitsyn et al., J.Nucl.Med.30:66,1989; Kalofonos et al., J.Nucl.Med.31:1791,1990; Schechter et al., Int.J.Cancer48:167,1991; Paganelli et al., Cancer Res.51:5960,1991; Paganelli et al., Nucl.med.Commun.12:211,1991; U.S.Pat.No.5,256,395; Stickney et al., Cancer Res.51:6650,1991; Yuan et al., Cancer Res.51:3119,1991; U.S.Pat.No.6,077,499; U.S.Ser.No.09/597,580; U.S.Ser.No.10/361,026; U.S.Ser.No.09/337,756; U.S.Ser.No.09/823,746; U.S.Ser.No.10/116,116; U.S.Ser.No.09/382,186; U.S.Ser.No.10/150,654; U.S.Pat.No.6,090,381; U,S,Pat.No.6,472,511; U.S.Ser.No.10/114,315; U.S.Provisional Application No.60/386,411; U.S.Provisional Application No. 60/345,641; U.S.Provisional Application No.60/345,641; U.S.Provisional Application No.60/3328,835; U.S.Provisional Application No.60/426,379; U.S.Ser.No.09/823,746; U.S.Ser.No.09/337,756;およびU.S.Provisional Application No.60/342,103に記載されており、そのすべては参照により本明細書に組みこまれる。
【0080】
ある態様では、二重特異的構築物およびターゲティング可能な構築物は、例えばU.S.Pat.Nos.6,126,916; 6,077,499; 6,010,680; 5,776,095; 5,776,094; 5,776,093; 5,772,981; 5,753,206; 5,746,996; 5,697,902; 5,328,679; 5,128,119; 5,101,827; および4,735,210(これらの各々は参照により本明細書に組みこまれる)に記載の方法を使用して、正常なまたは疾患のある組織および器官を処置および/または画像化するのに使用することができる。追加の方法は、1999年6月22日に出願されたU.S.application Ser. No.09/337,756および2001年4月3日に出願されたU.S.application Ser. No.09/823,746に記載されている。
【0081】
アプタマー
ある態様では、構築物形成のための前駆体は、アプタマーを含むことができる。アプタマーの結合特徴を構築しそして決定する方法は、当技術分野に周知されている。例えば、このような技術は、U.S.Patent Nos. 5,582,981; 5,595,877; および5,637,459に記載されており、これらの各々は参照により本明細書に組みこまれる。
【0082】
アプタマーは、合成、リコンビナントおよび精製方法を含む任意の既知の方法により調製することができ、そして単独でまたは同じターゲットに対して特異的な他のリガンドと組み合わせて使用することができる。一般に、最小で約3ヌクレオチド、好ましくは少なくとも5ヌクレオチドは、特異的結合を行うのに必要である。10塩基より短い配列のアプタマーは実行可能でありうるが、10、20、30または40ヌクレオチドのアプタマーが好ましくありうる。
【0083】
アプタマーは、結合特異性を与える配列を含有することが必要であるが、フランキング領域により延長されてもよくそして、他の場合には誘導体化されてもよい。好ましい態様では、アプタマーの結合配列は、プライマー結合配列によりフランキングされることができ、これはPCRまたは他の増幅技術によるアプタマーの増幅を促進する。更なる態様では、 フランキング配列は、アプタマーの基質への固定化を増強するための部分を優先的に認識するかまたは該部分に優先的に結合する特異的配列、を含むことができる。
【0084】
アプタマーは、普通のDNAまたはRNA分子として単離され、配列決定されおよび/または増幅されまたは合成されうる。または、関心のあるアプタマーは、改変されたオリゴマーを含むことができる。アプタマー中に通常存在するヒドロキシル基のいずれかは、ホスホネート基もしくはホスフェート基により置換されていてもよく、標準保護基により保護されていてもよくまたは活性化されて他のヌクレオチドへの追加の結合の用意をすることができ、または固体支持体にコンジュゲーションさせることができる。1つ以上のホスホジエステル結合が、替わりの連結基により置換されていてもよく、例えばP(O)Oが、P(O)S、P(O)NR2、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCNR2(式中、RはHもしくはアルキル(1〜20C)でありそしてR’はアルキル(1〜20C)であり;更にこの基はOまたはSを介して隣接したヌクレオチドに結合していてもよい)により置換されていてもよい。オリゴマーにおける結合は、すべてが同一である必要はない。
【0085】
関心のある特定のターゲットに結合するアプタマーの調製およびスクリーニングのための方法は、周知されており、例えば、U.S.Pat.No.5,475,096およびU.S.Pat.No.5,270,163において周知であり、これらは参照により本明細書に組みこまれる。この技術は、一般に、候補アプタマーの混合物からの選択および結合の段階的反復、結合したアプタマーの結合されていないアプタマーからの分離および増幅を含む。最も高いアフィニティーに対応する少数の配列のみ(場合により1分子のアプタマーのみ)が混合物中に存在するので、混合物中の有意な量のアプタマー(約5〜50%)が分離期間中保持されているように分配基準を設定することが一般に望ましい。各サイクルは、ターゲットに対する高いアフィニティーを有するアプタマーの濃縮をもたらす。3〜6回の選択および増幅サイクルの反復を使用して、ターゲットへの高いアフィニティーおよび特異性で結合するアプタマーを発生させることができる。
【0086】
アビマー(Avimers)
ある態様では、本明細書に記載された前駆体、成分および/または複合体は、1種以上のアビマー配列を含むことができる。アビマーは、種々のターゲット分子に対するそれらのアフィニティーおよび特異性において抗体に幾分類似した結合タンパク質のクラスである。それらは、in vitroエキソンシャフリングおよびファージディスプレーによりヒト細胞外レセプタードメインから開発された。(Silverman et al., 2005, Nat. Biotechnol. 23:1493-94; Silverman et al., 2006, Nat. Biotechnol.24:220)。得られる多重ドメインタンパク質は、単一エピトープ結合タンパク質と比較して、改良されたアフィニティー(ある場合にナノモル以下)および特異性を示すことができる多重独立結合ドメインを含むことができる。(同上)。種々の態様において、アビマーは、例えば、特許請求の範囲に請求された方法および組成物において使用するためのDDD配列に結合させることができる。アビマーの構築および使用の方法に関する追加の詳細は、例えば、U.S.Patenr Application Publication Nos. 20040175756, 20050048512, 20050053973, 20050089932および20050221384に開示されており、その各々の実施例の節は参照により本明細書に組みこまれる。
【0087】
疾患組織検出、診断および画像化の方法
タンパク質をベースとするin vitro診断
本発明は、疾患関連抗原の存在についてin vitroおよび/またはin vivoで生物学的サンプルをスクリーニングするための安定に拘束された構造体の使用を意図する。例示的イムノアッセイでは、抗体、融合タンパク質またはそのフラグメントを含む安定に拘束された構造体は、下記するとおり、液相において利用することができまたは固相担体に結合させることができる。好ましい態様、特にin vivo投与を伴う態様では、抗体またはそのフラグメントはヒト化される。抗体またはそのフラグメントは完全にヒトであることも好ましい。なお更に好ましくは、融合タンパク質は、ヒト化抗体または完全にヒト抗体を含む。当業者は、特定の遺伝子の発現のレベルを決定するための広く多様な技術が知られておりそして任意のこのような既知の方法、例えば、イムノアッセイ、RT−PCR、mRNA精製および/またはcDNA作成、続く遺伝子発現アッセイチップへのハイブリダイゼーションを利用して、個々の被験体および/または組織における発現のレベルを決定することができることを認識するであろう。使用される例示的なin vitroアッセイは、RIA、ELISA、サンドイッチELISA、ウエスタンブロット、スロットブロット、ドットブロット等を含む。このような技術はインタクトな抗体を使用して開発されたけれども、抗体、抗体フラグメントまたは他の結合部分を組み込んだ安定に拘束された構造体を使用することができる。
【0088】
抗体、融合タンパク質、抗体フラグメントおよび/または他の結合部分を組み込んだ安定に拘束された構造体は、組織学的試験片から調製された組織切片におけるターゲット抗原の存在を検出するのに使用することもできる。このようなin situ検出を使用して抗原の存在を決定しそして検査された組織における抗原の分布を決定することができる。in situ検出は、凍結されたもしくはパラフィンに埋め込まれた組織切片に検出可能に標識された構造体を適用することにより達成されうる。in situ検出の一般的技術は、当業者に周知である。例えば、Ponder, "Cell Marking Techniques and Their Applkcation," in MAMMALIAN DEVELOPMENT:A PRACTCAL APPROACH 113-38 Monk(ed)(IRL Press 1987), and Coligan at pages 5.8.1-5.8.8参照。
【0089】
安定に拘束された構造体は、任意の適切なマーカー部分、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光標識、染料、色素原、化学発光標識、生物発光標識または常磁性標識で検出可能に標識されうる。
【0090】
マーカー部分は、γ計数管またはβシンチレーション計数管の使用などの手段により、またはオートラジオグラフィーにより検出される放射性同位元素であることができる。好ましい態様では、診断コンジュゲートは、γ、βまたはポジトロン放出同位元素である。マーカー部分は、所定の条件下に信号を発生する分子を指す。マーカー部分の例は、放射性同位元素、酵素、蛍光標識、化学的発光標識、生物発光標識および常磁性標識を含む。安定に拘束された構造体へのマーカー部分の結合は、当技術分野で知られている標準技術を使用して達成することができる。これに関して典型的な方法は、Kennedy et al., Clin. Chim.Acta 70:1(1976), Schurs et al., Clin.Chim.Acta81:1(1977), Shih et al., Int'l J.Cancer46:1101(1990)により記載されている。
【0091】
核酸をベースとするin vitro診断
安定に拘束された構造体は、ある態様では、核酸部分を組み込まれていることができる。特定の態様では、特に核酸増幅方法を使用して、核酸を分析して結合のレベルを決定することができる。種々の形態の増幅が当技術分野で周知されておりそして任意のこのような方法を使用することができる。一般に、増幅は増幅されるべきターゲット核酸配列に選択的にまたは特異的にハイブリダイゼーションする1つ以上のプライマーの使用を含む。
【0092】
本明細書で定義された用語「プライマー」は、テンプレート依存性方法における新生核酸(nascent nucleic acid)の合成をプライミングすることができる任意の核酸を包含することを意味する。増幅プライマーの選択およびデザインのためのコンピューター化されたプログラムは、当業者に周知の市販のおよび/または公的ソースから入手可能である。与えられたサンプル中に存在するマーカー配列を増幅させるのに多数のテンプレート依存性方法が利用可能である。最もよく知られている増幅法の1つは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRとも呼ばれる)であり、これはU.S.Patenr Nos.4,683,195, 4,683,202および4,800,159に詳細に記載されている。しかしながら、他の増幅方法が知られておりそして使用することができる。
【0093】
in vivo診断
標識されたペプチドまたはMAbsにより診断画像化する方法は周知である。例えば、イムノシンチグラフィーの技術では、リガンドまたは抗体をγ放出放射性同位元素で標識しそして患者に導入する。γカメラを使用してγ放出放射性同位元素の位置および分布を検出する。例えば、Srivastava(ed.),RADIOLABELED MONOCLONAL ANTIBODIES FOR IMAGING AND THERAPY(Plenum Press 1988), Chase,"Medical Applications of Radioisotopes," in REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIENCES,18th Edition, Gennaro et al.(eds.),pp.624-652(Mack Publishing Co., 1990),and Brown, "Clinical Use of Monoclonal Antibodies," in BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY 227-49, Pezzuto et al.(eds.)(Chapmann & Hall 1993)参照。例えば511keVのエネルギーを有するようなポジトロン放出放射性核種(PET同位元素)、例えば18F、68Ga、64Cuおよび124Iの使用も好ましい。このような画像化は、安定に拘束された構造体の直接標識によりまたは、Goldenberg et al,"Antibody Pre-targeting Advances Cancer Radioimmunodetection and Radioimmunotherapy,"(J Clin Oncol 2006;24:823-834)に記載のようにプレターゲティングされた画像化方法により行うことができる。U.S.Patenr Publication Nos.20050002945, 20040018557, 20030148409および20050014207も参照。これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
患者に送達される放射線量は、最小の半減期、身体中の最小の保持、および検出及び正確な測定を可能とする最小量の同位元素の最善の組み合わせのための同位元素の選択によりできる限り低いレベルに維持される。診断画像化に適切な放射性同位元素の例は、99mTcおよび111Inを含む。
【0095】
安定に拘束された構造体またはそれらに結合するハプテンもしくは担体は、in vivo診断の目的で、常磁性イオンおよび種々の放射線学的コントラスト剤で標識することもできる。磁気共鳴画像化に特に有用なコントラスト剤は、ガドリニウム、マンガン、ジスプロシウム、ランタン、または鉄イオンを含む。追加の作用物質は、クロム、銅、コバルト、ニッケル、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウムまたはネオジムを含む。リガンド、抗体およびそのフラグメントは、超音波コントラスト/増強剤にコンジュゲーションされてもよい。例えば、1つの超音波コントラスト剤は、ヒト化IgGまたはそのフラグメントを含むリポソームである。超音波コントラスト剤はガス充填されているリポソームであることも好ましい。
【0096】
画像化剤および放射性同位元素
多くの適切な画像化剤が、タンパク質またはペプチドへのそれらの結合のための方法と同じく当技術分野で知られている(例えば、U.S.Patents 5,021,236および4,472,509参照、両方共参照により本明細書に組み込まれる)。ある結合方法は、例えばタンパク質またはペプチドに結合したDTPAのような有機キレート化剤を使用する金属キレート錯体の使用を含む(U.S.Patent.4,472,509)。タンパク質またはペプチドは、グルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩などのカップリング剤の存在下に酵素と反応させることもできる。フルオレセインマーカーとのコンジュゲートは、これらのカップリング剤の存在下にまたはイソチオシアナートとの反応により調製される。
【0097】
画像化剤としての使用の潜在力のある常磁性イオンの非限定的例は、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)およびエルビウム(III)を含み、ガドリニウムが特に好ましい。他の状況、例えば、X線画像化において有用なイオンは、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)および特にビスマス(III)を含むが、それらに限定されない。
【0098】
画像化剤または治療剤として使用される潜在力のある放射性同位元素は、アスタチン211、炭素14、クロム51、塩素36、コバルト57、コバルト58、銅62、銅64、銅67、Eu152、フッ素18、ガリウム67、ガリウム68、水素3、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、インジウム111、鉄52、鉄59、ルテチウム177、リン32、リン33、レニウム186、レニウム188、Sc47、セレン75、銀111、硫黄35、テクネチウム94m、テクネチウム99m、イットリウム86およびイットリウム90およびジルコニウム89を含む。I125は、しばしばある態様において使用するために好ましくそしてテクネチウム99mおよびインジウム111も、それらの低いエネルギーおよび長期間の検出のための適性によりしばしば好ましい。
【0099】
放射性に標識されたタンパク質またはペプチドは、当技術分野で周知の方法に従って製造することができる。例えば、それらは、ヨウ化ナトリウムもしくはカリウムおよび化学的酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムまたは酵素的酸化剤、例えばラクトペルオキシダーゼとの接触によりヨウ素化されうる。タンパク質またはペプチドは、リガンド交換方法により、例えば過テクネチウム酸塩(pertechnate)を第一スズ溶液で還元し、還元されたテクネチウムをセファデックスカラム上にキレート化しそしてこのカラムにペプチドを適用することにより、または、直接標識技術、例えば、過テクネチウム酸塩、還元剤、例えばSNCl2、バッファー溶液、例えばフタル酸ナトリウムカリウム溶液およびペプチドをインキュベーションすることにより、テクネチウム−99mで標識することができる。金属イオンとして存在する放射性同位元素をペプチドに結合させるのにしばしば使用される媒介官能基は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、DOTA、NOTA、ポルフィリンキレートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含む。ローダミン、フルオロセインイソチオシアナートおよびレノグラフィンを含む、蛍光標識の使用も意図される。
【0100】
ある態様では、タンパク質またはペプチドは、第二結合リガンドに、または色素原基質と接触すると着色した生成物を発生する酵素(酵素タグ)に連結させることができる。適当な酵素の例は、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、(セイヨウワサビ)ヒドロゲンペルオキシダーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む。好ましい第二結合リガンドはビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン化合物である。このような標識の使用は、明らかに(in light)当業者に周知されておりそして例えば、U.S. Patents 3,817,837; 3,850,752; 3,939,350; 3,996,345; 4,227,437; 4,275,149;および4,366,241に記載されており、各々は参照により本明細書に組み込まれる。これらの蛍光標識は、in vitro使用のために好ましができる。
【0101】
別の態様では、リガンド、抗体または他のタンパク質もしくはペプチドは蛍光マーカーでタグ付けすることができる。光検出可能な標識の非限定的例は、Alexa350、Alexa430、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY630/650、BODIPY650/665、BODIPY FL、BODIPY−R6G、BODIPY−TMR、BODIPY−TRX、5−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルアミノ、カスケードブルー、Cy2、Cy3、Cy5、6−FAM、塩化ダンシル、フルオレセイン、HEX、6−JOE、NBD(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー(Pacific Blue)、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレジルファストバイオレット(cresyl fast violet)、クレジルブルーバイオレット(cresyl blue violet)、ブリリアントクレジルブルー(brilliant cresyl blue)、パラアミノ安息香酸、エリスロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシンフルオレセイン、希土類金属クリプテート、ユーロピウムトリスビピリジンジアミン、ユーロピウムクリプテートもしくはキレート、ジアミン、ジシアニン、La Jollaブルー染料、アロピコシアニン、アロコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリスロシアニン、フィコエリスリンR、REG、ローダミングリーン、ローダミンイソチオシアナート、ローダミンレッド、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン、エダンス(Edans)およびテキサスレッドを含む。これらのおよび他の発光標識(luminescent labels)は、Molecular Probes(Eugene, OR)およびEMD Biosciences(San Diego, CA)などの商業的ソースから得ることができる。
【0102】
使用される化学発光標識化合物は、ルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルまたは生物発光化合物、例えばルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンを含むことができる。診断コンジュゲートは、例えば、外科手術中の診断、内視鏡の診断または血管内腫瘍もしくは疾患診断において使用することができる。
【0103】
種々の態様において、使用される標識は金属ナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子を調製する方法は知られている。(例えば、U.S.Patent Nos. 6,054,495; 6,127,120; 6,149,868; Lee and Meisel, J.Phys. Chem. 86:3391-3395,1982参照)。ナノ粒子は、商業的ソースから得ることもできる(例えば、Nanoprobes Inc., Yaphank, NY; Polysciences, Inc., Warrington,PA)。改変されたナノ粒子、例えばNanoprobes, Inc(Yaphank, NY)からのNanogold(登録商標)ナノ粒子が市販されている。タンパク質またはペプチドへのコンジュゲーションのために使用される官能化ナノ粒子は、商業的に得ることができる。
【0104】
治療剤
医薬組成物
ある態様では、安定に拘束された構造体および/または1種以上の治療剤を被験体、例えば癌を有する被験体に投与することができる。このような作用物質は、医薬組成物の形態で投与することができる。一般に、これはヒトまたは動物に有害でありうる不純物を本質的に含まない組成物を調製することを伴うであろう。当業者は、医薬組成物は例えば経口的もしくは非経口的、例えば静脈内を含む種々の経路により被験体に投与することができることを知るであろう。
【0105】
ある態様では、有効量の治療剤を被験体に投与しなければならない。「有効量」は、所望の効果を生じる作用物質の量である。有効量は、例えば、作用物質の有効性および意図する効果に依存するであろう。例えば、充実性腫瘍を減少または除去するためまたはその転移を阻止するかもしくは減少させるために、癌治療のために必要な量と比較して、より少ない量の抗血管新生剤が、例えば、黄班変性または子宮内膜症などの過形成状態の処置のために必要でありうる。特定の目的に対する特定の作用物質の有効量は、当業者に周知の方法を使用して決定することができる。
【0106】
化学療法剤
或る態様では、化学療法剤を投与することができる。使用される抗癌化学療法剤は、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン(CDDP)、シクロホスファミド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドクソルビシン、エストロゲンレセプター結合剤、エトポシド(VP16)、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ゲムシタビン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、メトトレキセート、マイトマイシン、ナベルビン、ニトロソウレア、プリコマイシン、プロカルバジン、ラロキシフェン、タモキシフェン、タキソール、テマゾロミド(temazolomide)(DTICの水性形態)、トランスプラチナム(transplatinum)、ビンブラスチンおよびメトトレキセート、ビンクリスチンまたは前記のものの任意のアナログもしくは誘導体変異体を含むが、それらに限定されない。感染性生物に対して使用される化学療法剤は、アシクロビル、アルベンダゾール、アマンタジン、アミカシン、アモキシシリン、アムホテリシンB、アムピシリン、アズトレオナム、アジスロマイシン、バシトラシン、バクトリム、バトラフェン(Batrafen)(登録商標)、ビフォナゾール、カルベニシリン、カスポフンギン、セファクロル、セファゾリン、セファロスポリン、セフェピム、セフトリアクソン、セフォタキシム、クロラムフェニコール、シドフォビル、Cipro(登録商標)、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クロトリマゾール、クロキサシリン、ドキシサイクリン、エコナゾール、エリスロサイクリン、エリスロマイシン、フラジル、フルコナゾール、フルシトシン、フォスカルネット、フラゾリドン、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、イミペネム、イソニアジド、イトラコナゾール、カナマイシン、ケトコナゾール、リンコマイシン、リネゾリド、メロペネム、ミコナゾール、ミノサイクリン、ナフチフィン、ナリジクス酸、ネオマイシン、ネチルマイシン、ニトロフラントイン、ナイスタチン、オセルタミビル、オキサシリン、パロモマイシン、ペニシリン、ペンタミジン、ピペラシリン−タゾバクタム、リファブチン、リファンピン、リマンタジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、テトラサイクリン、チオコナゾール、トブラマイシン、トルシクラート、トルナフタート、トリメトプリムスルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、ザナミル(zanamir)およびジスロマイシンを含むが、それらに限定されない。
【0107】
化学療法剤および投与方法、投薬量等は、当業者に周知されている(例えば、"Physicians Desk Reference", Goodman & Gilman's "The Phar4macological Basis of Therapeutics" and in "Remington's Pharmaceutical Sciences"参照、該当部分における参照により本明細書に組み込まれる)。投薬量のいくらかの変更が、処置されるべき被験体の状態に依存して必然的に行われるであろう。投与の責任を担う医師は、いずれにせよ、個々の被験体のための適切な用量を決定するであろう。
【0108】
ホルモン
コルチコステロイドホルモンは、他の化学療法剤の有効性を増化させることができ、その結果としてそれらはしばしば組合わせ処置において使用される。プレドニゾンおよびデキサメタゾンは、コルチコステロイドホルモンの例である。プロゲスチン、例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセタートおよびメゲストロールアセタートは、子宮内膜および胸の癌において使用された。エストロゲン、例えばジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオールは、癌、例えば前立腺癌において使用された。抗エストロゲン、例えばタモキシフェンは、癌、例えば乳癌において使用された。アンドロゲン、例えばテストステロンプロピオナートおよびフルオキシメステロンも乳癌を処置するのに使用された。
【0109】
血管新生阻害剤(Angiogenesis inhibitors)
ある態様では、抗血管新生剤、例えばアンギオスタチン、バクロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体、抗PIGFペプチドおよび抗体、抗血管成長因子抗体、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体およびペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン−2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kプロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンを使用することができる。
【0110】
イムノモデュレーター
本明細書で使用された、用語「イムノモデュレーター」は、サイトカイン、幹細胞成長因子、リンホトキシンおよび造血因子、例えば、インターロイキン、コロニー刺激因子、インターフェロン(例えば、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ)および「S1因子」と命名された幹細胞成長因子を含む。適当なイムノモデュレーター部分の例は、IL−2、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、IL−21、インターフェロンγ、TNFα等を含む。
【0111】
用語「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとしての他の細胞に作用する1つの細胞集団により放出されるタンパク質またはペプチドについての包括的用語である。本明細書で広く使用された、サイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、成長因子および伝統的ポリペプチドホルモンを含む。サイトカインに含まれるのは、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体形成ホルモン(LH);肝臓成長因子;プロスタグランジン、繊維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質;腫瘍壊死因子αおよびβ;ミュラー阻害物質(mullerian inhibiting substance);マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子、例えばNGF−β;血小板成長因子;トランスフォーミング成長因子(TGFs)、例えばTGF−αおよびTGF−β;インスリン様成長因子IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン、例えばインターフェロンα、βおよびγ;コロニー刺激因子(CSFs)、例えばマクロファージCSF(M−CSF);顆粒球−マクロファージCSF(GM−CSF);および顆粒球CSF(G−CSF);インターロイキン(ILs)、例えばIL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12;IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18;IL−21、LIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPO、kitリガンドまたはFLT−3、アンギオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、腫瘍壊死因子およびLTである。本明細書で使用された用語サイトカインは、天然のソースからのタンパク質またはリコンビナント細胞培養物からのタンパク質およびネイティブ配列サイトカインの生物学的に活性な均等物を含む。
【0112】
ケモカインは、化学誘引物質として一般に作用して、ケモカイン発現の部位に免疫エフェクター細胞をリクルートする。ケモカインは、RANTES、MCAF、MIP1−α、MIP1−βおよびIP−10を含むがそれらに限定されない。当業者は、ある種のサイトカインが化学誘引物質効果を有することも知られておりそして用語ケモカインの下に分類されうることも認識するであろう。同様に、用語イムノモデュレーターおよびサイトカインは、それらのそれぞれのメンバーにおいてオーバーラップする。
【0113】
放射性同位元素治療および放射免疫治療
ある態様では、ペプチドおよび/またはタンパク質は、放射性核種治療または放射免疫治療法に使用することができる(例えば、Govindan et al., 2005, Technology in Cancer Research&Treatment, 4:375-91; Sharkey and Goldenberg, 2005, J.Nucl.Med.46:115S-127S; Goldenberg et al.(J Clin Oncol 2006;24:823-834), "Antibody Pre-targeting Advances Cancer Radioimmunodetection and Radioimmunotherapy,"参照、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる)。特定の態様では、安定に拘束された構造体は、使用される放射性同位元素により直接タグ付けすることができ、そして被験体に投与されうる。別の態様では、放射性同位元素(1種または複数)は、放射性標識されそして疾患のある組織における高められた発現の部位に局在する二重特異的な安定に拘束された構造体の投与後に注射されるハプテンペプチドまたはリガンドを使用して、上記したプレターゲティング方法において投与されうる。
【0114】
疾患のある組織を処置するために有用な放射性同位元素は、111In、177Lu、212Bi、213Bi、211At、62Cu、67Cu、90Y、125I、131I、32P、33P、47Sc、111Ag、67Ga、142Pr、153Sm、161Tb、166Dy、166Ho、186Re、188Re、189Re、212Pb、223Ra、225Ac、59Fe、75Se、77As、89Sr、99Mo、105Rh、109Pd、143Pr、149Pm、169Er、194Ir、198Au、199Auおよび211Pbを含むがそれらに限定されない。治療的放射性核種は、好ましくは、20〜6000keVの範囲、好ましくはオージェエミッターについて60〜200keVの範囲、βエミッターについて100〜2500keVおよびαエミッターについて4000〜6000keVの範囲の壊変エネルギーを有する。有用なβ粒子放出核種(beta-particle-emitting nuclides)の最大壊変エネルギーは、好ましくは20〜5,000keV、更に好ましくは100〜4,000keVおよび500〜2,500keVである。オージェ放出粒子(auger-emitting particles)により実質的に壊変する放射性核種も好ましい。例えば、Co−58、Ga−67、Br−80m、Tc−99m、Rh−103m、Pt−109、In−111、Sb−119、I−125、Ho−161、Os−189mおよびIr−192。有用なβ粒子放出核種の壊変エネルギーは、好ましくは<1,000keV、更に好ましくは<100keV、最も好ましくは<70keVである。α粒子の発生を伴って実質的に壊変する放射性核種も好ましい。このような放射性核種は、Dy−152、At−211、Bi−212、Ra−223、Rn−219、Po−215、Bi−211、Ac−225、Fr−221、At−217、Bi−213およびFm−255を含むが、それらに限定されない。有用なα粒子放出放射性核種(alpha-particle-emitting radionuclides)の壊変エネルギーは、好ましくは2,000〜10,000keV、更に好ましくは3,000〜8,000keV、最も好ましくは4,000〜7,000keVである。
【0115】
例えば、その61.5時間半減期およびβ粒子およびγ線の豊富な供給による放射免疫治療のためのより有望な放射性同位元素の1つと考えられる67Cuは、キレート化剤、p−ブロモアセトアミド−ベンジル−テトラエチルアミンテトラ酢酸(TETA)を使用してタンパク質またはペプチドにコンジュゲーションさせることができる。または、強力なβ粒子を放出する90Yは、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を使用してペプチド、抗体、融合タンパク質またはそのフラグメントにカップリングさせることができる。
【0116】
追加の潜在力のある放射性同位元素は、11C、13N、15O、75Br、198Au、224Ac、126I、133I、77Br、113mIn、95Ru、97Ru、103Ru、105Ru、107Hg、203Hg、121mTe、122mTe、125mTe、165Tm、167Tm、168Tm、197Pt、109Pd、105Rh、142Pr、143Pr、161Tb、166Ho、199Au、57Co、58Co、51Cr、59Fe、75Se、201Tl、225Ac、76Br、169Yb等を含む。
【0117】
他の態様では、放射線増感剤を使用することができる。放射性増感剤の添加は、増強された効果をもたらすことができる。放射線増感剤は、D.M.Goldenberg(ed),CANCER THERAPY WITH RADIOLABELED ANTIBODIES, CRC Press(1995)に記載されており、これはそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
熱中性子活性化治療のためのホウ素アデンドを加えられた担体(boron addend-loaded carrier)を有するペプチド、抗体、抗体フラグメントまたは融合タンパク質は、通常同様な方法で達成されるであろう。しかしながら、中性子照射が行われる前にターゲティングされていないイムノコンジュゲートが除去される(clear)まで待つことは有利である。クリアランスは、リガンドに結合する抗体を使用して加速させることができる。この一般的原理の説明についてはU.S.Pat.No.4,624,846参照。例えば、カルボランなどのホウ素アデンド(boron addends)を抗体に結合させることができる。カルボランは、当技術分野で周知のとおり、ペンダント側鎖上にカルボキシル官能基を持って調製されうる。アミノデキストランなどの担体へのカルボランの結合は、カルボランのカルボキシル基の活性化および担体上のアミンとの縮合により達成することができる。次いで、この中間コンジュゲートを抗体にコンジュゲーションさせる。コンジュゲートの投与の後に、ホウ素アデンドは、熱中性子照射により活性化され、そしてα放出により壊変して高度に毒性の近距離効果を生じる放射性原子に転換される。
【0119】
キット
種々の態様は、患者の疾患のある組織を処置または診断するのに適当な化合物を含有するキットに関することができる。例示的キットは少なくとも1種の安定に拘束された構造体を含有することができる。投与用の成分を含有する組成物が、例えば経口送達などの消化管を経由する送達用に処方されていないならば、ある他の経路を経由してキット成分を送達することができる装置を含ませることができる。非経口送達などの用途のための1つのタイプの装置は、被験体の身体に組成物を注射するために使用される注射器である。吸入装置も使用することができる。
【0120】
キット成分は、一緒に包装するかまたは2つ以上の容器に分離することができる。ある態様では、容器は、再構成のために適当な組成の無菌の凍結乾燥された処方物を含有するバイアルであることができる。キットは、再構成および/または他の試薬の希釈のために適当な1種以上のバッファーを含有することもできる。使用されうる他の容器は、パウチ、トレー、ボックス、チューブ等を含むが、それらに限定されない。キット成分は、包装されそして容器内に無菌で維持されることができる。含ませることができる他の構成部品は、その使用のためのキットを使用する人へのインストラクションである。
【0121】
実施例
下記の実施例は、特許請求の範囲に請求された本発明を説明するために提供されるが 限定するために与えられるのではない。
【0122】
実施例1. Fd鎖のC末端またはN末端に結合されたDDD1配列を有するFabをベースとするサブユニットを産生するための一般的ストラテジー
Fd鎖のC末端またはN末端に結合されたDDD1配列(配列番号1)を有するFabをベースとするサブユニットは、融合タンパク質として産生される。プラスミドベクターpdHL2を使用して多数の抗体および抗体をベースとする構築物が産生された。Gillies et al., J Immunol Methods(1989), 125:191-202; Losman et al., Cancer(Phila)(1997),80:2660-6参照。このジシストロン哺乳動物発現ベクターは、IgGの重鎖および軽鎖の合成を指向する。ベクター配列は、多くの異なるIgG−pdHL2構築物について殆ど同じであり、唯一の差は可変ドメイン(VHおよびVL)配列に存在する。当業者に知られている分子生物学的ツール使用して、これらのIgG−pdHL2発現ベクターは、重鎖のヒンジ、CH2およびCH3ドメインのためのコード配列を、ヒンジの最初の4残基、14残基Gly−SerリンカーおよびヒトRIIαの最初の44残基をコードする配列で置換することにより、Fd−DDD1−pdHL2またはFd−DDD2−pdHL2発現ベクターに転換されうる。シャトルベクターCH1−DDD1−pGemTは、下記するとおり、IgG−pdHL2ベクター(図2a)のFd−DDD1−pdHL2ベクター(図2b)への転換を促進するようにデザインされた。
【0123】
シャトルベクターCH1−DDD1−pGemTの発生
CH1の調製
CH1ドメインを、テンプレートとしてpdHL2プラスミドベクターを使用するPCRにより増幅した。左PCRプライマーは、CH1ドメインの上流(5’)およびCH1コード配列の5’であるSacII制限エンドヌクレアーゼ部位からなる。右プライマーは、ヒンジの最初の4残基(PKSC)をコードする配列、続いてBamHI制限部位を含む最後の2つのコドン(GS)を有するGGGGSからなる。
【表2】
【0124】
410bpPCRアンプリマー(amplimer)を、pGemT PCRクローニングベクター(Promega,Inc.)にクローニングしそしてクローンをT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。
【0125】
(G4S)2DDD1の構築
(G4S)2DDD1と命名された二重鎖オリゴヌクレオチドは、Sigma Genosys(Haverhill, UK)により合成されて、最初の2つのコドンがBamHI制限部位を含むリンカーペプチドの11残基により先行されたDDD1のアミノ酸配列(配列番号1)をコードする。停止コドンおよびEagI制限部位は3’端部に結合。コードされたポリペプチド配列は下記に示される。
【表3】
【0126】
それらの3’端部で30塩基対オーバーラップする、RIIA1−44 topおよびRIIA1−44 bottomと命名された2つのオリゴヌクレオチドを合成し(Sigma Genosys)そして174bpDDD1配列の中心154bp塩基対を含むように組み合わせた。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてTaqポリメラーゼによるプライマー延長反応に供した。
【表4】
【0127】
プライマー延長に続いて、二重鎖を、下記のプライマー
【表5】
を使用するPCRにより増幅した。
【0128】
このアンプリマーを、pGemTにクローニングしそしてT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。
【0129】
DDD1をCH1とライゲーションすること
DDD1配列をコードする190bpフラグメントをBamHIおよびNotI制限酵素によりpGemTから切り出し、次いでCH1−pGemTにおける同じ部位にライゲーションしてシャトルベクターCH1−DDD1−pGemTを発生させた。
【0130】
pdHL2をベースとするベクターにCH1−DDD1をクローニングすること
CH1−DDD1をコードする配列を下記のとおりpdHL2ベクターにおける任意のIgG構築物に組み込むことができる。pdHL2からSacII/EagI制限フラグメント(CH1−CH3)を除去しそしてそれを、それぞれのpGemTシャトルベクターから切り出されるCH1−DDD1のSacII/EagIフラグメントで置換することにより、全体の重鎖定常ドメインをCH1−DDD1で置換する。
【0131】
DDD1の位置はCH1のカルボキシル末端に制限されずそして実施例2に示されたように、VHドメインのアミノ末端に配置されうることが留意される。
【0132】
実施例2. Fd鎖のC末端またはN末端に融合したDDD1配列を介して安定に連結された2つの同じFabサブユニットからなるa2構築物を発生させるための方法
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2は、柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN−14FabにDDD1配列が連結されている融合タンパク質の2つのコピーを含むa2構築物を産生するための発現ベクターである(図3)。hMN−14IgGを産生するのに使用されたプラスミドベクターhMN14(I)−pdHL2は、SacIIおよびEagI制限エンドヌクレアーゼにより消化してCH1−CH3ドメインを除去し、そしてSacIIおよびEagIによりCH1−DDD1−SV3シャトルベクターから切り出されたCH1−DDD1フラグメントを挿入することにより、C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2に転換された。
【0133】
N−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2
N−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2は、柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端においてhMN−14FabにDDD1配列が連結されている融合タンパク質の2つのコピーを含むa2構築物を産生するための発現ベクターである(図4)。
【0134】
この発現ベクターは下記のとおり工学的に作成された。DDD1ドメインを、下記に示された2つのプライマーを使用するPCRにより増幅した。
【表6】
【0135】
PCRの結果として、NcoI制限部位および、BamHI制限を含有するリンカー(G4S)2の一部のためのコード配列が、それぞれ5’及び’3端部に結合された。170bpPCRアンプリマーをpGemTベクターにクローニングしそしてクローンをT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。194bpインサートを、NcoIおよびSalI制限酵素によりpGemTベクターから切り出し、そしてこれらの同じ酵素による消化により調製されたSV3シャトルベクターにクローニングして、中間ベクターDDD1−SV3を発生させた。
【0136】
下記に示されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCRにより、hMN−14Fd配列を増幅した。
【表7】
【0137】
PCRの結果として、BamHI制限部位およびリンカー(G4S)の一部のためのコード配列がアンプリマーの5’端部に結合された。停止コドンおよびEagI制限部位は、3’端部に結合された。1043bpアンプリマーをpGemTにクローニングした。hMN−14Fdインサートを、BamHIおよびEagI制限酵素によりpGemTから切り出し、次いでこれらの同じ酵素による消化により調製されたDDD1−SV3ベクターとライゲーションして、構築物N−DDD1−Fd−hMN−14−SV3を発生させた。
【0138】
N−DDD1−hMN−14Fd配列をXholおよびEagI制限酵素により切り出し、そして1.28kbインサートフラグメントを、これらの同じ酵素によるC−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2の消化により調製されたベクターフラグメントとライゲーションした。最終発現ベクターは、N−DDD1−Fd−hMN−14−pDHL2である。
【0139】
N−DDD1−Fab−hMN−14およびC−DDD1−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2およびN−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、Sp2/0由来のミエローマ細胞にエレクトロポレーションによりトランスフェクションした。C−DDD1−hMN−14−pdHL2は、hMN−14κ軽鎖およびhMN−14Fd−DDD1の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、hMN−14κ軽鎖およびhMN−14Fd−DDD1は組み合わさってC−DDD1−hMN−14Fabを形成する。N−DDD1−hMN−14−pdHL2は、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD1−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD1−Fd−hMN−14は組み合わさってN−DDD1−Fab−hMN−14を形成する。各融合タンパク質は、DDD1ドメインの相互作用を介して安定なホモダイマーを形成する。
【0140】
エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。クローンを、WI2(hMN−14に対するラット抗idモノクローナル抗体)でコーティングされたマイクロタイタープレートおよびHRPをコンジュゲーションされたヤギ抗ヒトFabによる検出を使用するELISAにより、タンパク質発現についてスクリーニングした。最も高い生産性C−DDD1−Fab−hMN14およびN−DDD1−Fab−hMN14クローンの最初の生産性は、それぞれ60mg/Lおよび6mg/Lであった。
【0141】
両方の融合タンパク質を、アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。AD1−Cは、DDD1含有a2構築物に対して特異的に結合するペプチドである。AD1−Cのアミノ酸配列(配列番号3)は図5に示される。AD1−Cを、スルフヒドリル基の無水クロロ酢酸との反応のあとAffigelにカップリングさせた。培養上清をAD1−Cアフィゲルカラムにローディングする前に限外ろ過により約10倍濃縮した。カラムをPBSでベースラインに至るまで洗浄しそして、C−DDD1−Fab−hMN−14を0.1Mグリシン、pH2.5で溶出した。1段階アフィニティー精製により、回転びん培養物1.2リットルから約81mgのC−DDD1−Fab−hMN−14を得た。溶出液のSE−HPLC分析(図6)は、107kDaタンパク質と合致した保持時間(8.7分)を有する単一タンパク質ピークを示す。純度は、還元SDS−PAGE(図7)によっても確められ、還元SDS−PAGE(図7)はC−DDD1−Fab−hMN−14の2つのポリペプチド成分について予想された分子サイズの2つのみのバンドを示す。
【0142】
C−DDD1−Fab−hMN−14について上記したとおりにN−DDD1−Fab−hMN−14を精製し、回転びん培養物1.2リットルから10mgを得た。溶出液のSE−HPLC分析(図8)は、C−DDD1−Fab−hMN−14と同様な且つ107kDaタンパク質と合致した保持時間(8.77分)を有する単一タンパク質ピークを示す。還元SDS−PAGEは、N−DDD1−Fab−hMN−14のポリペプチド成分に帰属される2つのみのバンドを示す。
【0143】
C−DDD1−Fab−hMN−14の結合活性を、試験物品が種々の量のWI2と混合されているサンプルのSE−HPLC分析により決定した。WI2 FabおよびC−DDD1−Fab−hMN−14を0.75:1のモル比で混合することにより調製されたサンプルは、3つのピークを示し、これらは、結合していないC−DDD1−Fab−hMN14(8.71分)、1つのWI2 Fabに結合したC−DDD1−Fab−hMN−14(7.95分)および2つのWI2 Fabに結合したC−DDD1−Fab−hMN14(7.37分)に帰属された。WI2 FabおよびC−DDD1−Fab−hMN−14を4のモル比で含有するサンプルを分析したとき、7.36分における単一のピークのみが観察された。これらの結果(図9)は、C−DDD1−Fab−hMN−14はダイマーでありそして2つの活性な結合部位を有することを証明する。この実験をN−DDD1−Fab−hMN−14で繰り返したとき、非常に類似した結果(図10)が得られた。
【0144】
競合ELISA(図11および図12)は、C−DDD1−Fab−hMN−14およびN−DDD1−Fab−hMN−14はhMN−14 IgGに類似した且つ一価hMN−14Fabよりも有意に強いアビディティーで、CEAに結合することを証明した。ELISAプレートを、hMN−14が特異的に結合するCEAのエピトープ(A3B3)を含有する融合タンパク質でコーティングした。C−DDD1−Fab−hMN−14は、図13および図14に示されたとおり、免疫反応性の認められうる損失なしに、少なくとも24時間、プールされたヒト血清において安定である。C−DDD1−Fab−hMN−14をヒト結腸直腸癌異種移植片(LS174T)を有するマウスにおいて評価しそして結果(図15及び図16)は、CEAへの結合についてやはり二価であるhBS14−1について得られた結果と同様であった。
【0145】
実施例3.各々が、それぞれ、軽鎖のN末端およびFd鎖のC末端に連結されたランピルナーゼ(Rap)およびDDD1配列を含有する、2つの同じFab融合タンパク質からなるa2構築物を発生させるための方法
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2の構築
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2は、各々が、それぞれ、軽鎖のN末端およびFd鎖のC末端に連結されたランピルナーゼ(Rap)およびDDD1配列を含有する、2つの同じFab融合タンパク質を含むa2構築物を産生するための発現ベクターである。hPAM4は、MUC−1に対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。各々hPAM4の軽鎖のN末端に融合したRapの2つの分子からなる2L−Rap(N69Q)−hPAM4と呼ばれる免疫毒素を産生するために使用されたプラスミドベクターRap−hPAM4−γ1−pdHL2を、SacIIおよびNgoM4で消化して、CH1−CH3ドメインをコードするフラグメントを除去し、次いでSacIIおよびNgoM4でプラスミドベクターC−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2から切り出されたCH1−DDD1をライゲーションして、Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2を発生させた。
【0146】
Rap−hPAM4−Fab−DDD1の産生、精製および特徴付け
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2は、Rap融合したhPAM4軽鎖およびhPAM4−Fd−DDD1の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、Rap融合したhPAM4軽鎖およびhPAM4Fd−DDD1は組み合わさってRap−Fab融合タンパク質を形成する。各融合タンパク質は、DDD1ドメインの相互作用を介して、Rap−hPAM4−Fab−DDD1と呼ばれる安定なホモダイマーを形成する。
【0147】
エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。クローンを、WS(hPAM4に対するラット抗idモノクローナル抗体)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用しそしてML98−1(Rapに対するマウスモノクローナル抗体)でプローブされそしてHRPをコンジュゲーションされたヤギ抗マウスFcを使用するELISAにより、タンパク質発現についてスクリーニングした。
【0148】
Rap−hPAM4−Fab−DDD1を、AD1−Cアフィゲルカラムを使用して上記したとおりに精製した。選ばれたクローンの最初の生産性は、約0.5mg/リットルであった。アフィニティー精製されたRap−hPAM4−Fab−DDD1のSE−HPLC分析(図17)は、〜130kDaの予想された分子質量と合致した保持時間(8.15分)を有する単一のタンパク質ピークを示す。WSに対するRap−hPAM4−Fab−DDD1の結合アフィニティーは、hPAM4IgGの結合アフィニティーに類似していることが示された(図18)。
【0149】
実施例4. 各々がペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端に連結されているDDD2配列を含有する、4つの同じFab融合タンパク質からなるa4構築物を発生させるための方法
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2の構築
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端においてhMN−14Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価N−DDD2−Fab−hMN−14と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0150】
この発現ベクターは下記のとおりに工学的に製造された。DDD2の残基1〜13を含む2つのオーバーラップする相補性オリゴヌクレオチド(DDD2TopおよびDDD2Bottom)を合成により作成した。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてT4ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)によりリン酸化して、それぞれ、制限エンドヌクレアーゼNcoIおよびPstIで消化されたDNAとのライゲーションのために適合性である5’および3’端部にオーバーハングをもたらした。
【表8】
【0151】
二重鎖DNAを、NcoIおよびPstIによる消化により調製されたベクターフラグメント、DDD1−hMN14Fd−SV3とライゲーションさせて、中間構築物DDD2hMN14Fd−SV3を発生させた。DDD2−hMN14Fdのためのコード配列を含有する1.28kbインサートフラグメントを、XhoIおよびEagI制限エンドヌクレアーゼにより中間構築物から切り出し、そしてこれらの同じ酵素による消化により調製されたhMN−14−pdHL2ベクターDNAとライゲーションした。最終発現ベクターは、N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2である。
【0152】
四価N−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりSp/EEEミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロンベクターは、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD2−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってFabをベースとするサブユニットN−DDD2−Fab−hMN−14を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートし、そしてトランスフェクタントクローンを0.05μM(MTX)で選択した。
【0153】
クローンをWI2(hMN−14抗Id)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてやぎ抗ヒトFab−HRPで検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期生産性を有していた。総計16mgのN−DDD2−Fab−hMN−14を、回転びん培養物1.8リットルからタンパク質Lアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。培養上清を、タンパク質Lカラムにローディングする前に限外ろ過により約10倍濃縮した。カラムをPBSでベースラインに至るまで洗浄し、そしてN−DDD2−Fab−hMN14を、1mM EDTA、0.1M NaAc、pH2.5で溶出し、そして直ちにトリスHClで中和した。SE−HPLC分析(図19)は、4つのタンパク質ピークを示し、その2つは後にテトラマーa4(7.94分)およびダイマーa2(8.88分)形態のN−DDD2−Fab−hMN−14に帰属され、そして残りの2つはκ鎖のダイマーおよびモノマーであった。混合物中のテトラマーa4形態の大部分は、TCEPなどのチオール還元剤を加えるとダイマーa2形態に転換され(図20)、これは、テトラマーa4形態が、明らかに、DDD2中に存在するシステイン間に形成された分子間ジスルフィド橋かけにより連結された2つのダイマーa2構造体からなることを示唆する。全体のN−DDD2−Fab−hMN−14の約15%が、高いTCEP濃度および長い反応時間によってすら、還元の後a4形態で残っており、これは、ジスルフィド橋かけに加えて、ドメインスワッピングなどの他の機構がa4形態の形成に寄与しているかも知れないことを示唆していることに留意される。四価N−DDD2−Fab−hMN−14を、Superdex−200カラムを使用するゲルろ過クロマトグラフィーにより他の分子形態から分離した。
【0154】
実施例5.各々が、ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端に連結されたDDD2配列を含有する、4つの同じFab融合タンパク質からなるa4構築物を発生させるための方法
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN−14Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hMN−14と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0155】
この発現ベクターは下記のとおりに工学的に製造された。リンカーペプチドの一部(GGGGSGGGCG)およびDDD2の残基1〜13のためのコード配列を含む、2つのオーバーラップする相補性オリゴヌクレオチド(DDD2TopおよびDDD2Bottom)を合成により作成した。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてT4PNKによりリン酸化して、それぞれ、制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびPstIで消化されたDNAとのライゲーションのために適合性である5’および3’端部にオーバーハングをもたらした。
【表9】
【0156】
二重鎖DNAを、BamHIおよびPstIによる消化により調製されたシャトルベクター、CH1−DDD1−pGemTとライゲーションさせて、シャトルベクターCH1−DDD2−pGemTを発生させた。507bpフラグメントを、SacIIおよびEagIによりCH1−DDD2−pGemTから切り出し、そしてSacIIおよびEagによる消化により調製されたIgG発現ベクターhMN−14(I)−pdHL2とライゲーションさせた。最終発現構築物は、C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2である。
【0157】
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhA20−Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hA20と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0158】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhA20−IgG−pdHL2をSacIIおよびNdeIにより消化して7578bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNdelIで消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、7578bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hA20−phHL2を発生させた。
【0159】
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN3−Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hMN−3と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。hMN−3は、CEA(CEACAM5)またはNCA−90(CEACAM6)のNドメインに対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。
【0160】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhMN−3−IgG−pdHL2をSacIIおよびNgoM4により消化して8118bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNgoM4で消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、8118bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hMN−3−phHL2を発生させた。
【0161】
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhLL2−Fabに結合している融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hLL2と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。hLL2は、CD22に対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。
【0162】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhLL2−IgG−pdHL2をSacIIおよびNdeIにより消化して7578bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNdeIで消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、7578bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hLL2−phHL2を発生させた。
【0163】
四価N−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりSp/EEEミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hMN−14κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hMN14を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートし、そしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。
【0164】
クローンをWI2(hMN−14抗Id)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてやぎ抗ヒトFab−HRPで検出を達成した。最も高い生産性クローンは、約100mg/Lの初期生産性を有していたが、これはN−DDD2−Fab−hMN−14の生産性より10倍高かった。総計200mgのC−DDD2−Fab−hMN−14を、N−DDD2−Fab−hMN−14について上記したとおり回転びん培養物1.8リットルからプロテインLアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。プロテインLで精製したC−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルは、N−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルに類似しており、4つのタンパク質ピークを示した。4つのタンパク質ピークの2つは、C−DDD2−Fab−hMN−14のテトラマーa4(8.40分)およびダイマーa2(9.26分)形態に帰属され、そして残りの2つはκ鎖のダイマーおよびモノマーを表す。四価C−DDD2−Fab−hMN−14を、Superdex−200カラムを使用するゲルろ過クロマトグラフィーにより他の分子形態から分離した。N−DDD2−Fab−hMN−14と同様に、TCEPの添加は、図21に示されたとおりa4形態の大部分をa2形態に転換する。タンデムカラムシステムでの四価C−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルは、図22に示されており、19.57分の保持時間を有する単一ピークとして現れる。四価C−DDD2−Fab−hMN−14の4つのWI2フラグメントに結合する能力は図23に示される。
【0165】
四価C−DDD2−Fab−hA20の産生、精製および特徴付け
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hA20κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hA20の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hA20を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。
【0166】
クローンを、WR2(hA20−に対するラット抗id)でコーティングされたマイクロタイタープレート使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期の生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hA20を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。四価C−DDD2−Fab−hA20のSE−HPLCプロフィルは図24に示される。四価C−DDD2−Fab−hA20は、抗IgMの不存在下においてすらDaudiおよびRamosに対する強力な抗増殖活性を示した(図25)。対照的に、二価hA20IgGまたはF(ab’)2は、抗IgMの不存在下または存在下に同じ条件下にDaudiまたはRamosの成長を阻害することに不活性であった。抗IgMの存在下にhA20IgGまたはF(ab’)2の観察された抗増殖活性は明らかに抗IgMのそれによるものであった。
【0167】
四価C−DDD2−Fab−hMN−3の産生および精製
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hMN−3κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hMN−3の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hMN−3を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレート中にプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)により選択した。
【0168】
クローンを、CEACAM5でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期の生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hMN−3を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。
【0169】
四価C−DDD2−Fab−hLL2の産生および精製
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2ベクターをエレクトロポレーションによりSp2/0由来のミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hLL2κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hLL2の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hLL2を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレート中にプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)により選択した。
【0170】
クローンを、WN(hLL2に対するラット抗id)でコーティングされたマイクロタイタープレート使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約15mg/Lの初期生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hLL2を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。
【0171】
実施例6.2つの異なるa4およびa’4構築物からa2a’2構築物を発生させるための方法
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hA20の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hMN−3および四価C−DDD2−Fab−hA20を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hA20の形成を、図26に示されたとおり、CEACAM5でコーティングされたプレートを使用しそしてWR2でプローブされるELISAにより証明した。
【0172】
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hMN−3および四価C−DDD2−Fab−hMN−14を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hMN−14の形成を、図27に示されたとおり、BXPC3細胞を使用するフローサイトメトリーにより証明した。
【0173】
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hA20−×C−DDD2−Fab−hLL2の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hA20および四価C−DDD2−Fab−hLL2を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hA20×C−DDD2−Fab−hLL2の形成を、WN(hLL2に対するラット抗id)でコーティングされるプレートを使用しそしてWR2(hA20に対するラット抗id)でプローブされるELISAにより証明した。
【0174】
【表10】
【0175】
【表11】
【0176】
【表12】
【0177】
【表13】
【0178】
【表14】
【0179】
【表15】
【0180】
【表16】
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】2つの例示的DDD配列を示す。DDD1(配列番号1)の下線を引いた配列は、ヒトPKAのRIIαにおいて見出された最初の44アミノ末端残基に対応する。DDD2(配列番号2)は、N末端の二つのアミノ酸残基においてDDD1とは異なる。
【図2】IgG(上部パネル)およびC−DDD1−Fab(下部パネル)のためのpdHL2をベースとする発現ベクターの略図を示す。
【図3】C−DDD1−Fab−hMN−14およびDDD1媒介二量体化により形成された推定a2構造の略図である。
【図4】N−DDD1−Fab−hMN−14およびDDD1媒介二量体化により形成された推定a2構造の略図である。
【図5】AD1−C(配列番号3)のペプチド配列を示す。
【図6】アフィニティー精製されたC−DDD1−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。
【図7】アフィニティー精製されたC−DDD1−Fab−hMN−14のSDS−HPLC分析を示す。
【図8】アフィニティー精製されたN−DDD1−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。
【図9】C−DDD1−Fab−hMN−14が二つの活性な結合部位を含有することを示す。
【図10】N−DDD1−Fab−hMN−14が二つの活性な結合部位を含有することを示す。
【図11】C−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーが二価hMN−14IgGまたはF(ab’)2に少なくとも同等でありそして一価Fabより約5倍高いことを示す。
【図12】N−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーが二価hMN−14IgGに同等でありそしてC−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーがhMN−14IgGより高いことを示す。
【図13】C−DDD1−Fab−hMN−14は、プールされたヒト血清において安定であり、96時間にわたり分子統合性の見かけの変化を伴わないことを示す。
【図14】C−DDD1−Fab−hMN−14は、プールされたヒト血清中で安定であり、28時間にわたり免疫反応性が変化しないことを示す。
【図15】C−DDD1−Fab−hMN−14の腫瘍取り込みを、ヒト結腸直腸癌異種移植片を有するマウスにおけるhBS14−1の腫瘍取り込みと比較する。
【図16】ヒト結腸直腸癌異種移植片を有するマウスにおけるhBS14−1の正常な器官取り込みと、C−DDD1−Fab−hMN−14の正常な器官取り込みを比較する。
【図17】アフィニティー精製されたRap−hPAM4−Fab−DDD1のSE−HPLC分析を示す。
【図18】Rap−hPAM4−Fab−DDD1の結合アフィニティーはhPAM4IgGの結合アフィニティーと同等であることを示す。
【図19】CBindL(プロテインLセルロース)で精製されたN−DDD2−Fab−hMN−14におけるa4形態の優勢な存在を示す。SE−HPLCトレースは、a2形態の存在およびモノマーおよびダイマー形態の両方における遊離軽鎖も示す。
【図20】5mMTCEPで還元すると精製されたN−DDD2−Fab−hMN−14中に存在するa4形態のa2形態への解離を示し、これはダイマー軽鎖をモノマー軽鎖にも転換する。
【図21】還元されるとa4中のC−DDD2−Fab−hMN−14のa2形態への転換の略図を示す。
【図22】Superdex−2000ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製後の四価C−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。二つのカラム(Biosil SEC250)は、解像力を増化させるためにタンデムに連結される。四価C−DDD2−Fab−hMN−14は、19.58分の保持時間を有する単一ピーク(A4として示された)として現れる。
【図23】四価C−DDD2−Fab−hMN−14は、4つの機能的CEA結合Fabフラグメントからなることを示す。SE−HPLCの条件は、図22の場合と同じであった。(a)WI2Fab’を1:1のモル比で四価C−DDD2−Fab−hMN−14と混合すると、四価C−DDD2−Fab−hMN−14の、1つのWI2Fab’フラグメントへの結合(18.32分で、1として示された)、2つのWI2Fab’フラグメントへの結合(17.45分で、2として示された)または3つのWI2Fab’フラグメントへの結合(16.92分で、3として示された)ならびに結合していない形態のC−DDD2−Fab−hMN−14を表す4つのタンパク質が観察された。(b)WI2Fab’を5:1のモル比で四価C−DDD2−Fab−hMN−14と混合すると、4つのWI2Fabフラグメントに結合した四価C−DDD2−Fab−hMN−14からなる複合体のみが16.24分で観察された(4として示された)。過剰のWI2Fab’(Wとして示された)が24.17分のピークで検出された。
【図24】Superdex−200ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製後の四価C−DDD2−Fab−hA20のSE−HPLC分析を示す。
【図25】四価C−DDD2−Fab−hA20(hA20A4と略記された)による細胞成長阻害を示す。Daudi(1−1)細胞(上部パネル)またはRamos細胞(下部パネル)を、抗IgM(0.1ug/mL)の不存在下または存在下に、10nMのhA20、hA20F(ab’)2またはhA20A4を含有する完全培地中で100,000細胞/mLの最終濃度で二重に(in duplicate)48ウエルプレート中に再懸濁させた。細胞を3日間インキュベーションしそしてMTTアッセイを行って生存可能な細胞集団を決定した。hA20A4のみが、抗IgMの不存在下に有意な成長阻害(40〜50%)を引き起こした。
【図26】ELISAにより二重特異的四価hMN−3xhA20の存在を示す。
【図27】フローサイトメトリーによる二重特異的四価hMN−3xhMN−14の存在を示す。高いレベルのCEACAM6を発現するがバックグラウンドレベルのCEACAM5しか発現しないBXPC3細胞を、蛍光タグで標識されたhMN−14に対するラット抗イディオタイプmAbであるAlexa−532−WI2の存在下にサンプル(10ug/mL)の各々と室温で1時間インキュベーションし、そしてGuavaPCAを使用してフローサイトメトリーにより解析した。二重特異的hMN−3xhMN−14を含有するサンプルのヒストグラムのみがポジティブに染色されたBXPC3細胞を示した。
【技術分野】
【0001】
ターゲティング部分およびエフェクター部分の両方の多重コピーを含む人工作用物質は高度に望ましい。何故ならば、それらはより強い(avid)結合を与えそして増強された効力を与えるであろうからである。リコンビナント技術はターゲティングドメインおよびエフェクタードメインの両方を有する融合タンパク質を作成するためによく適用されるけれども、多重結合価または多機能性を得るために同じまたは異なるモノマー成分を含むマルチマー構造は、コンジュゲーション化学の慎重な適用によってのみ得ることができる。
【0002】
リコンビナント工学により発生させた作用物質では、問題は、高い製造コスト、低い発現収率、血清中の不安定性、集合体または解離したサブユニットの形成をもたらす溶液中での不安定性、多数の生成物形態の存在による不明確なバッチ組成、汚染性副生物、立体的因子または変化したコンフォメーションに帰される減少した機能的活性もしくは結合アフィニティー/アビディティー等を含むことがある。化学的架橋の種々の方法により発生させた作用物質では、高い製造コストおよび精製された製品の不均一性(heterogeneity)が2つの主な制限である。
【0003】
従って、明白な組成、均一な純度および変わらないアフィニティーを有し、そして徹底的な精製工程を必要としないで高い収率で産生されうる、一般に多重特異性または機能性の多価構造体を製造する方法に対する要求が当技術分野には依然としてある。更に、このよう構造体は、in vivo適用を可能とするのに十分に血清中で安定でもなければならない。構築することが容易でありおよび/または比較的精製された形態で得ることが容易な多重特異性または機能性の安定な多価構造体に対する要求が存在する。
【0004】
発明の要約
本発明は、多重機能または多重結合特異性またはその両方を有することができ、そしてin vitroおよびin vivo用途に適当な安定に拘束された構造体(stably tethered structures)を発生させるためのプラットホーム技術を開示する。1つの態様では、安定に拘束された構造体は、タンパク質または非タンパク質であることができる任意の有機物質のホモダイマーとして産生される。以後a2として示されるホモダイマーは、各サブユニットにおいて含有される二量体化およびドッキングドメイン(dimerization and docking domain)(DDD)と呼ばれる、別のペプチド結合を介して互いに連結された2つの同一なサブユニットからなる。このサブユニットは、DDD配列を関心のある前駆体にスペーサー基を介してリコンビナント工学またはケミカルコンジュゲーションにより連結することにより構築され、これは自己会合してダイマーを形成することができる構造体をもたらす。DDD1(図1a、配列番号1)と呼ばれるDDD配列で作られた代表的なa2構築物は、実施例2および3に記載されている。
【0005】
他の態様では、安定に拘束された構造体は、主として、タンパク質または非タンパク質であることができる任意の有機物質のホモテトラマーとして産生される。以後a4として示されるホモテトラマーは、4つのサブユニットの各々において含有される、DDD2(図1b、配列番号2)と呼ばれるDDD配列により作られた2つの同一のa2構築物からなる。5つのこのようなa4構築物は実施例4および5に記載されている。
【0006】
更に他の態様では、安定に拘束された構造体は、任意の2つの異なるa4構築物からハイブリッドテトラマーとして産生される。以後a2a’2と呼ばれるハイブリッドテトラマーは、それぞれのa4構築物に由来する2つの異なるa2構築物からなる。3つのこのようなa2a’2構築物は実施例6に記載されている。他の態様では、例えばアビマー(avimers)(Silverman et al., Nat. Biotechnol.(2005), 23: 1556-1561)などの多重ドメインを含む単一鎖ポリペプチドである融合タンパク質は、関心のある前駆体として使用されて、得られるa2、a4およびa2a’2構築物の結合価、機能性および特異性を増加させることができ、該得られるa2、a4およびa2a’2構築物は、エフェクターおよび担体と更にコンジュゲーションさせて、このような改変により可能となった追加の機能を獲得することができる。
【0007】
多数のa2、a4およびa2a’2構築物は、開示された方法および組成物によりデザインされそして産生されうる。例えば、下記に列挙された少なくとも7つの型のタンパク質またはペプチドをベースとする構築物がもくろまれる:
1型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントからなる二価a2構築物。選ばれた例について表1参照。
2型: 2つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる二価a2構築物。選ばれた例について表2参照。
3型: 同じmAbに由来する4つのFabまたはscFvフラグメントからなる四価a4構築物。選ばれた例について表3参照。
4型: 4つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる四価a4構築物。選ばれた例について表4参照。
5型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントおよび異なるmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントからなる二重特異的四価a2a’2構築物。選ばれた例について表5参照。
6型: 同じmAbに由来する2つのFabまたはscFvフラグメントおよび2つの同じ非免疫グロブリンタンパク質からなる多機能性a2a’2構築物。選ばれた例について表6参照。
7型:異なる非免疫グロブリンタンパク質の2つの対からなる多機能性a2a’2構築物。選ばれた例について表7参照。
【0008】
一般に、1型カテゴリーの製品は、同じモノクローナル抗体に由来する2つの安定に拘束されたFab(またはscFv)フラグメントからなる二価結合タンパク質がin vivoで一価Fab’に解離することが知られている対応する二価F(ab’)2よりもより望ましい種々の用途において有用である。例えば、7E3の2つの安定に拘束されたFabフラグメントからなるa2製品の有効性は、7E3のFabフラグメントを使用して血小板凝集を防止するReoPro(商標)(Centocor,Inc)の有効性を超えて改良されるであろう。
【0009】
一般に、2型カテゴリーの製品は、改良された有効性または薬物動態学またはその両方について一価作用物質よりも二価作用物質がより望ましくありうる種々の用途において有用である。例えば、エリスロポエチンの2つのコピーからなるa2製品は、1つのエリスロポエチンのみを含有するEpogen(登録商標)(Amgen)よりも好ましいことがありうる。他の例は、ヒトIgG1のCH2およびCH3ドメインに融合されたAβ12−28Pの2つのコピーからなるa2製品である。Aβ12−28Pは、位置18のバリンがプロリンにより置換されているβ−アミロイド(Aβ)のN末端12〜28残基を含有するペプチドである。Aβ12−28Pは、非原繊維形成性であり、無毒性であり、そしてAβへのアポリポタンパク質E(apoE)の結合をブロックして、トランスジェニックマウスモデルにおいてAβプラークを減少させることができる(Sadowski et al., Am J Pathol. (2004), 165:937-948)。Aβ12−28PへのCH2およびCH3の融合は、2つの目的:(1)得られる複合体がFcRnを介して血液脳関門を横切ることを促進するため;(2)抗AβアームへのAβの結合およびミクログリア上のFcレセプターへのCH2−CH3ドメインの結合のあとのミクログリア細胞によるAβプラークの有効な減少(Hartman et al., J. Neurosci. (2005), 25:6213-6220)のために役立つであろう。
【0010】
一般に、3型カテゴリーの製品は、同じモノクローナル抗体由来の4つの安定に拘束されたFab(またはscFv)フラグメントからなる四価結合タンパク質が同じモノクローナル抗体に基づく三価、二価または一価結合タンパク質よりも望ましい種々の用途において有用である。例えば、アダリムマブなどの抗TNFα抗体の4つの安定に拘束されたFabフラグメントからなるa4製品の有効性は、HUMIRA(商標)(Abbott Laboratories)よりも関節炎を処置するのにより有効でありうる。
【0011】
一般に、4型カテゴリーの製品は、四価作用物質が、ターゲットへの結合の高められたアビディティーにより三価、二価または一価の作用物質よりも望ましいことがありうる種々の用途において有用である。例えば、因子IXの4つのコピーからなるa4製品は、血友病を処置するための治療剤として、1つのみの因子IXを含有するBenefix(商標)(Wyeth)よりも好ましくありうる。
【0012】
一般に、5型カテゴリーの製品は、2つの異なるa2サブユニットからなる二重特異的四価結合タンパク質が所望される種々の用途において有用である。例えば、トラスツズマブ(trastuzumab)の2つのFabフラグメントおよびペルツズマブ(pertuzumab)の2つのFabフラグメントからなるa2a’2製品は、HER2レセプターを過剰発現する癌を処置するためにHerceptin(登録商標)(Genentech)またはOmnitarg(商標)(Genentech)よりも有効でありうる。
【0013】
一般に、6型カテゴリーの製品は、非免疫グロブリンタンパク質のターゲット特異的送達または結合が所望される種々の用途において有用である。例えば、腫瘍関連抗原(例えばCD74)に対するインターナライジング抗体の2つのFabフラグメントおよび毒素(例えばデグリコシル化リシンA鎖またはランピルナーゼ(ranpirnase))の2つのコピーからなるa2a’2製品は、ターゲット腫瘍細胞を破壊するための毒素の選択的送達のために価値があるであろう。他の例は、Aβに対する抗体の2つのFabフラグメントおよびトランスフェリン(Tf)の2つのコピーからなるa2a’2製品であり、これは、アルツハイマー病の有効な治療のために血液脳関門を横切りそしてAβを中和することが期待される。
【0014】
一般に、7型カテゴリーの製品は、2つの異なる非免疫グロブリンタンパク質の組み合わせが、各それぞれの非免疫グロブリンタンパク質単独よりも望ましい種々の用途で有用である。例えば、IL−4Rのためのレセプターの可溶性成分(sIL−4R)の2つのコピーおよびIL−13のためのレセプターの可溶性成分(sIL−13R)の2つのコピーからなるa2a’2製品は、喘息またはアレルギーを処置するための潜在力のある治療剤であろう。他の例は、Aβ12−28Pの2つのコピーおよびTfの2つのコピーからなるa2a’2製品である。Aβ12−28PへのTfの付加は、得られる複合体がアルツハイマー病の有効な処置のために血液脳関門を横切ることを可能とすることが期待される。
【0015】
本発明の安定に拘束された構造体は、それらのコンジュゲートを含めて、多様な治療および診断用途に使用するのに適当である。例えば、抗体結合ドメインに基づくa2、a4またはa2a’2構築物は、このような構築物が追加の機能的作用物質にコンジュゲーションされていない場合には、ネイキッドな抗体を使用する治療と同じ方式で、治療のために使用することができる。または、これらの安定に拘束された構造体は、1つ以上の機能的作用物質で誘導体化されて診断または治療用途を可能とすることができる。追加の作用物質は、慣用のコンジュゲーション化学を使用して安定に拘束された構造体に共有結合により連結させることができる。
【0016】
安定に拘束された構造体の使用の方法は、疾患または他の医学的状態の検出、診断および/または処置を含むことができる。このような状態は、癌、過形成、糖尿病性網膜症、黄班変性(macular degeneration)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、喘息、浮腫、肺高血圧、乾癬、角膜移植片拒絶、血管新生性緑内障、オスラー−ウエバーシンドローム(Osler-Webber Syndrome)、心筋血管新生(myocardial angiogenesis)、プラーク血管新生(plaque neovascularization)、再発狭窄症、血管外傷後の新生内膜形成(neointima formation after vascular trauma)、毛細血管拡張症、血友病関節症、血管繊維腫、慢性炎症と関連した線維症、肺線維症、深部静脈血栓症(deep venous thrombosis)または創傷顆粒形成(wound granulation)を含むことができるが、それらに限定されない。
【0017】
特定の態様では、開示された方法および組成物は、自己免疫疾患、例えば急性特発性血小板減少性紫斑症、慢性特発性血小板減少性紫斑症、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎(lupus nephritis)、リウマチ熱、多腺性症候群、水泡性類天疱瘡、若年性糖尿病、ヘノッホ−シェンライン紫斑症、ポスト連鎖球菌腎炎(post-streptococcalnephritis)、結節性紅班、タカヤス動脈炎、アジソン病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、多形性紅班、IgA腎症、結節性多発性動脈炎、剛直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、閉塞性血栓血管炎 (thromboangitisubiterans)、シェーグレン症候群、一次胆汁性肝硬変、ハシモト甲状腺炎、甲状腺中毒症、強皮症、慢性活動性肝炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡、ウェグネル肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄ろう、巨細胞動脈炎/多発性筋肉痛、悪性貧血、急速進行性糸球体腎炎、乾癬または線維化肺胞炎を処置するのに使用することができる。
【0018】
ある態様では、安定に拘束された構造体は、癌の治療処置のために使用することができる。任意のタイプの腫瘍および任意のタイプの腫瘍抗原がターゲティングされうることは予想される。ターゲティングされうる例示的タイプの腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、胆管癌、乳癌、頚部癌(cervical cancer)、慢性リンパ球白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭部癌および頚部癌(neck cancer)、ホジキンリンパ腫、肺癌、髄質甲状腺癌(medullary thyroid cancer)、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、腎臓癌、卵巣癌、膵臓癌、神経膠腫、黒色腫、肝臓癌、前立腺癌および膀胱癌を含む。
【0019】
ターゲティングされうる腫瘍関連抗原は、カルボニックアンヒドラーゼIX、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、BrE3抗原、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD45、CD74、CD79a、CD80、HLA−DR、NCA95、NCA90、HCGおよびそのサブユニット、CEA(CEACAM−5)、CEACAM−6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Ba733、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、Le−Y、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、PAM−4抗原、PSA、PSMA、RS5、S100、TAG−72、p53、テナシン、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、胎盤成長因子(PlGF)、17−1A抗原、血管新生マーカー(例えば、ED−Bフィブロネクチン)、腫瘍遺伝子マーカー、腫瘍遺伝子産物および他の腫瘍関連抗原を含むが、それらに限定されない。腫瘍関連抗原に関する最近のレポートは、Mizukami et al., (2005, Nature Med. 11: 992-97);Hatfield et al., (2005, Curr. Cancer Drug Targets 5:229-48);Vallbohmer et al. (2005, J. Clin. Oncol. 23:3536-44);およびRen et al. (2005, Ann. Surg. 242-55-63)を含み、各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
他の態様では、安定に拘束された構造体は、病原性生物、例えばバクテリア、ウイルスまたは真菌による感染を処置するために使用することができる。処置されうる例示的真菌は、Microsporum、Trichophyton、Epidermophyton、Sporothrix schenckii、Cryptococcus neoformans、Coccidioides immitis、Histpolasma capsulatum、Blastomyces dermatitidisまたはCandida albicansを含む。例示的ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトパピローマウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス(human serum parvo-like virus)、シミアンウイルス40、呼吸合胞体ウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、はしかウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタインバールウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水泡性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスまたはブルータングウイルス(blue tongue virus)を含む。例示的バクテリアは、Bacillus anthracis、Streptococcus agalactiae、Legionella pneumophilia、Streotococcus pyogenes、Echerichia coli、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Pneumococcus spp、Hemophilis influenzae B、Treponema pallidum、ライム病スピロヘータ(Lyme disease spirochetes)、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium leprae、Brucella abortus、Mycobacterium tuberculosisまたはMycoplasmaを含む。
【0021】
限定ではないけれども種々の態様において、モノマー、ダイマーおよび/またはテトラマーに組み込まれた前駆体は、1種以上のタンパク質、例えば、バクテリア毒素、植物毒素、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリン毒素(diphtherin toxin)、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ランピルナーゼ(Rap)、Rap(N69Q)、PE38、dgA、DT390、PLC、tPA、サイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、界面活性剤タンパク質D、IL−4、sIL−4R、sIL−13R、VEGF121、TPO、EPO、クロット溶解剤、酵素、蛍光タンパク質、sTNFα−R、アビマー、scFv、dsFvまたはナノボディを含むことができる。
【0022】
他の態様では、抗血管新生剤は、前駆体の一部またはすべてを形成することができまたは安定に拘束された構造体に結合させることができる。使用される例示的抗血管新生剤は、アンギオスタチン、バキュロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体もしくはペプチド、抗胎盤成長因子抗体もしくはペプチド、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体もしくはペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kプロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンを含む。
【0023】
更に他の態様では、1種以上の治療剤、例えば、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カリケアマイシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルムスチン、セレブレックス、クロラムブシル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ドクソルビシン、2−ピロリノドクソルビシン(2P−DOX)、シアノモルホリノドクソルビシン、ドクソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、メドロプロゲステロンアセタート、メゲストロールアセタート、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、PSI−341、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン、タキソール、テストステロンプロピオナート、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ベルケイド、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLR1、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、アンチセンスオリゴヌクレオチド、干渉RNAまたはその組み合わせを、安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせまたは組み込むことができる。
【0024】
種々の態様において、1種以上のエフェクター、例えば、診断剤、治療剤、化学療法剤、放射性同位元素、画像化剤、抗血管新生剤(anti-angiogenic agent)、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、薬物、プロドラッグ、酵素、結合分子、細胞表面レセプターのためのリガンド、キレーター、イムノモデュレーター、オリゴヌクレオチド、ホルモン、光検出可能な標識(photodetectable label)、染料、ペプチド、毒素、コントラスト剤、常磁性標識、超音波標識、プロアポトーシス剤(pro-apoptotic agent)、リポソーム、ナノ粒子またはその組み合わせを安定に拘束された構造体に結合させることができる。
【0025】
種々の態様は、安定に拘束された構造体および疾患細胞のアポトーシスを誘導するのに使用される該安定に拘束された構造体の使用の方法に関する。更なる詳細は、U.S. Patent Application Publication No. 20050079184において見出すことができる、その全体のテキストは参照により本明細書に組み込まれる。このような構造体は、CD2、CD3、CD8、CD10、CD21、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD48、CD52、CD55、CD59、CD70、CD74、CD80、CD86、CD138、CD147、HLA−DR、CEA、CSAp、CA−125、TAG−72、EFGR、HER2、HER3、HER4、IGF−1R、c−Met、PDGFR、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、TNFR1、TNFR2、NGFR、Fas(CD95)、DR3、DR4、DR5、DR6、VEGF、PIGF、ED−Bフィブロネクチン、テナシン、PSMA、PSA、カルボニックアンヒドラーゼIXおよびIL−6からなる群より選ばれる抗原に対する結合アフィニティーを有する第1および/または第2前駆体を含むことができる。更に特定の態様では、アポトーシスを誘導するのに使用される安定に拘束された構造体は、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体またはフラグメントを含むことができる。好ましい態様では、安定に拘束された構造体は、抗CD74X抗CD20、抗CD74X抗CD22、抗CD22X抗CD20、抗CD20X抗HLA−DR、抗CD19X抗CD20、抗CD20X抗CD80、抗CD2X抗CD25、抗CD8X抗CD25および抗CD2X抗CD147の組合わせを含むことができる。更に好ましい態様では、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体または抗体フラグメントは、LL2(抗CD22)、LL1(抗CD74)およびA20(抗CD20)の可溶性ドメインに由来することができる。
【0026】
例示的態様の説明
特許、特許出願、論文、本および専門書を含むがそれらに限定されない、本願で引用されたすべての文献または文献の一部は、そのまま参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0027】
定義
本明細書で使用された単数表現(“a”または“an”)は、1つまたは1つより多くの品目を意味することができる。
【0028】
本明細書で使用された、「および」および「または」は、連言的または選言的を意味するのに使用することができる。即ち、両用語は、特記しない限り「および/または」と同等であると理解されるべきである。
【0029】
本明細書で記載された抗体は、完全長(即ち、天然に生じるかまたは正常な免疫グロブリン遺伝子フラグメント組換え方法(normal immunoglobulin gene fragment recombinatorial processes)により形成された)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)または、抗体フラグメントのような、免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(即ち、特異的に結合する)部分またはアナログを指す。
【0030】
抗体フラグメントは、F(ab)2、F(ab’)2、Fab、Fv、sFv等の如き抗体の一部である。構造にかかわりなく、抗体フラグメントは、インタクトな抗体により認識される同じ抗原と結合する。用語「抗体フラグメント」は、特異的抗原に結合して複合体を形成することにより抗体のように作用する任意の合成のまたは遺伝子工学的に作成されたタンパク質も含む。例えば、抗体フラグメントは、可変領域からなる単離されたフラグメント、例えば、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメント、軽可変領域および重可変領域がペプチドリンカーにより連結されているリコンビナント一本鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、および超可変領域に模擬するアミノ酸残基からなる最小認識単位(CDR)を含む。
【0031】
エフェクターは、選ばれた結果を引き起こす原子、分子または化合物である。エフェクターは、治療剤および/または診断剤を含むことができる。
【0032】
治療剤は、疾患の処置において有用な原子、分子または化合物である。治療剤の例は、抗体、抗体フラグメント、薬物、毒素、酵素、ヌクレアーゼ、ホルモン、イムノモデュレーター、アンチセンスオリゴヌクレオチド、小さい干渉RNA(siRNA)、キレーター、ホウ素化合物、光活性剤(photoactive agents)、染料および放射性同位元素を含む。他の例示的治療剤および使用の方法は、US Patent Publication Nos. 20050002945、20040018557、20030148409および20050014207に開示されており、この各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
診断剤は、疾患を診断するのに有用な原子、分子または化合物である。有用な診断剤は、放射性同位元素、染料(例えばビオチン−ストレプトアビジン複合体を伴う)、コントラスト剤、蛍光化合物または分子および磁気共鳴画像化(MRI)のための増強剤(例えば、常磁性イオン)を含むが、それらに限定されない。
【0034】
イムノコンジュゲートは、結合分子(例えば抗体成分)の原子、分子またはより高次の構造体との(例えば担体、治療剤または診断剤との)コンジュゲートである。
【0035】
ネイキッドな抗体はいかなる他の作用物質にもコンジュゲーションされていない抗体である。
【0036】
担体は、治療剤または診断剤と会合してターゲティングされた細胞へのこのような作用物質の送達を促進することができる原子、分子またはより高次の構造体である。担体は、脂質(例えばより高次の構造体を形成することができる両親媒性脂質)、多糖(例えばデキストラン)または他のより高次の構造体、例えばミセル、リポソームまたはナノ粒子を含むことができる。
【0037】
本明細書で使用された、抗体融合タンパク質という用語は、同じまたは異なる特異性を有する同じまたは異なるscFvまたは抗体フラグメントの2つ以上が連結されているリコンビナントに産生された抗原結合分子である。融合タンパク質の結合価は、融合タンパク質が単一の抗原またはエピトープに対していかに多くの結合アームまたは部位を有するかを示し、即ち、一価、二価、三価または多価であることを示す。抗体融合タンパク質の多重結合価は、それが抗原への結合における多重相互作用を利用することができ、従って抗原への結合のアビディティーを増加させることを意味する。特異性は、抗体融合タンパク質がいかに多くの抗原またはエピトープに結合することができるかを示し;即ち、一重特異的、二重特異的、三重特異的、多重特異的を示す。これらの定義を使用すると、天然の抗体、例えば、IgGは、二つの結合アームを有するので二価であるが、それは1つのエピトープに結合するので一重特異的である。一重特異的な多価融合タンパク質は、エピトープに対する1つより多くの結合部位を有するが、1種のこのようなエピトープにのみ結合し、例えば同じ抗原と反応性の二つの結合部位を有するダイアボディである。融合タンパク質は、単一抗体成分、異なる抗体成分の多価または多重特異的組み合わせまたは同じ抗体成分の多重コピーを含むことができる。融合タンパク質は、抗体もしくは抗体フラグメントおよび治療剤を更に含むことができる。このような融合タンパク質のための適当な治療剤の例は、イムノモデュレーター(「抗体−イムノモデュレーター融合タンパク質」および毒素(「抗体−毒素融合タンパク質」)を含む。1つの好ましい毒素は、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、好ましくはリコンビナントRNアーゼを含む。
【0038】
本明細書に記載された抗体もしくはイムノコンジュゲート調製物または組成物は、もしも投与された量が生理学的に有意であるならば、「治療的に有効な量」で投与されるといわれる。作用物質は、もしもその存在がレシピエント哺乳動物の生理学における検出可能な変化をもたらすならば、生理学的に有意である。特に、抗体調製物は、その存在が抗腫瘍応答を引き起こすかまたは自己免疫疾患状態の兆候および症候を軽減するならば、生理学的に有意である。生理学的に有意な効果は、ターゲット細胞の成長阻害もしくは死をもたらすレシピエント哺乳動物における体液性および/または細胞性免疫応答の喚起作用であることもできる。
【0039】
安定に拘束された構造体のコンジュゲート
追加の部分が、上記した安定に拘束された構造体にコンジュゲーションされうる。例えば、薬物、毒素、放射性化合物、酵素、ホルモン、細胞傷害性タンパク質、キレート、サイトカインおよび他の機能的作用物質を、安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせることができる。コンジュゲーションは、例えば、側鎖にアミン、カルボキシル、チオールまたはヒドロキシル基を含有するアミノ酸残基への共有結合を介してであることができる。この目的で種々の慣用のリンカー、例えば、ジイソシアナート、ジイソチオシアナート、ビス(ヒドロキシスクシンイミド)エステル、カルボジイミド、マレイミド、ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド等を使用することができる。安定に拘束された構造体への作用物質のコンジュゲーションは、好ましくは、改変されていない構造体に含まれた各サブユニットの活性に有意に影響を与えない。コンジュゲーションは、a4およびa’4構築物に別々に行うことができ、そして得られるコンジュゲートは、a2a’2構築物を調製するために使用される。更に、細胞傷害剤を最初にポリマー担体にカップリングさせることができ、次いでこれを安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせる。この方法については、Ryser et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75:3867-3870, 1978; U.S.4,699,784およびU.S.4,046,722を参照されたい。これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
本明細書に記載されたコンジュゲートは、当技術分野で知られている種々の方法により調製されうる。例えば安定に拘束された構造体は、131Iで放射能標識することができ、そして脂質にコンジュゲーションさせることができ、それにより得られるコンジュゲートはリポソームを形成することができる。リポソームは、1種以上の治療剤(例えばFUdR−dOの如き薬物)または診断剤を取り込む(incorporate)ことができる。または、担体のほかに、安定に拘束された構造体は、131I(例えば、チロシン残基において)および薬物(例えばリシン残基のεアミノ基において)にコンジュゲーションさせることができ、そして担体は、追加の治療剤または診断剤を取り込むことができる。治療剤および診断剤は、安定に拘束された構造体の1つ以上のサブユニットと共有結合により会合させることができる。
【0041】
リポソームおよびミセルの形成は、当技術分野で知られている。例えばWrobel and Collins, Biochimica et Biophysica Acta(1995), 1235:296-304; Lundberg et al., J. Pharm. Pharmacol.(1995), 51:1099-1105; Lundberg et al., Int. J.Pharm. (2000), 205:101-108; Lundberg, J.Pharm. Sci.(1994), 83:72-75; Xu et al., Molec. Cancer Ther.(2002), 1:337-346; Torchilin et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA.(2003), 100:6039-6044;U.S. 5,565,215; U.S.6,379,698; およびU.S.2003/0082154参照。
【0042】
薬物送達または画像化のために有用なポリマー、シリカまたは金属から形成されたナノ粒子またはナノカプセルも記載されている。例えば、West et al., Applications of Nanotechnology to Biotechnology(2000), 11:215-217;U.S.5,620,708; U.S.5,702,727; およびU.S.6,530,944参照。抗体または結合分子をリポソームにコンジュゲーションさせて治療剤または診断剤のためのターゲティングされた担体を形成することは記載されている。例えば、Bendas, Biodrugs(2001), 15:215-224; Xu et al., Mol. Cancer Ther(2002), 1:337-346; Torchilin et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A.(2003), 100:6039-6044; Bally et al., J. Liposome Res.(1998), 8:299-335; Lundberg, Int. J. Pharm.(1994), 109:73-81; Lundberg et al., J. Pharm. Pharmacol.(1997), 49:16-21; Lundberg, Anti-cancer Drug Design(1998), 13:453-461参照。U.S.6,306,393; U.S. Serial No. 10/350,096;U.S.Serial No. 09/590,284,および1999年6月9日に出願されたU.S.Serial No. 60/138,284も参照。すべてのこれらの参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
多用な種類の診断剤および治療剤が、安定に拘束された構造体のコンジュゲートを形成するのに有利に使用され得るか、または安定に拘束された構造体上の認識部位に結合するハプテンに連結されうる。診断剤は、放射性同位元素、MRIに使用するための増強剤または超音波画像化のためのコントラスト剤および蛍光化合物を含むことができる。多くの適切な画像化剤が当技術分野で知られており、タンパク質またはペプチドへのそれらの結合のための方法も知られている(例えば、U.S. Patents 5,021,236 および 4,472,509参照、両方共参照により本明細書に組み込まれる)。ある結合方法は、例えば、タンパク質またはペプチドに結合したDTPAなどの有機キレート化剤(U.S.Patent 4,472,509)を使用する金属キレート複合体の使用を伴う。
【0044】
安定に拘束された構造体に放射性金属または常磁性イオンをローディングするために、それを、放射性金属または常磁性イオンを結合するためのキレート化基の多重コピーを結合させた担体と最初に反応させることが必要でありうる。このような担体は、例えば、このような目的に有用であることが知られているエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ポルフィリン、ポリアミド、クラウンエーテル、ビス−チオセミカルバゾン、ポリオキシム等の如きキレート化基を結合させることができるペンダント基を有する、ポリリシン、多糖または誘導体化されたもしくは誘導体化可能なポリマー物質であることができる。キレートを含有する担体は、凝集および免疫反応性の損失を最小にするための方法において標準化学を使用して安定に拘束された構造体にカップリングさせることができる。
【0045】
このようなコンジュゲートを調製するために適用されうる他のより格別な方法および試薬はU.S.4,824,659に開示されており、これは参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。特に有用な金属−キレート組み合わせは、60〜4,000keVkの一般的エネルギー範囲にある診断同位元素と共に使用される2−ベンジル−DTPAおよびそのモノメチルおよびシクロヘキシルアナログを含む。いくらかの有用な診断核種は、18F、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94Tc、94mTc、99mTcまたは111In含むことができる。非放射性金属、例えばマンガン、鉄およびガドリニウムで錯化された同じキレートは、本明細書に記載された安定に拘束された構造体および担体と共に使用されるとき、MRIのために有用である。大環状キレート、例えばNOTA、DOTAおよびTETAは、種々の金属および放射性金属と共に使用され、最も特定的にはそれぞれ、ガリウム、イットリウムおよび銅の放射性核種と共に使用される。このような金属−キレート錯体は、関心のある金属に環サイズを合わせることにより非常に安定にすることができる。他の環型キレート、例えば、223Raを錯化するための大環状ポリエーテルを使用することができる。
【0046】
治療剤は、例えば、化学療法薬物、例えば、ビンカアルカロイド、アンスラサイクリン、エピドフィルロトキシン(epidophyllotoxins)、タキサン、代謝拮抗物質、アルキル化剤、抗生物質、Cox−2阻害剤、抗有糸分裂剤、抗血管新生剤およびプロアポトーシス剤、特にドクソルビシン、メトトレセート、タキソール、CPT−11、カンプトテカンおよびこれら以外のものおよび他のクラスの抗癌剤等を含む。他の癌化学療法薬物は、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルネート、ニトロソ尿素、トリアゼン、葉酸アナログ、ピリミジンアナログ、プリンアナログ、白金配位錯体、ホルモン等を含む。適当な化学療法剤は、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 19th Ed.(Mack Publishing Co. 1995), and GOODMAN AND GILMAN'S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, 7th Ed. (MacMillan Publishing Co. 1985)ならびにこれらの刊行物の改訂版に記載されている。他の適当な化学療法剤、例えば、実験薬物は、当業者に知られており、そして当技術分野で知られている方法を使用して本明細書に記載された安定に拘束された構造体にコンジュゲーションさせることができる。
【0047】
他のクラスの治療剤は、α粒子を放出する(例えば、212Pb、212Bi、213Bi、211At、223Ra、225Ac)、β粒子を放出する(例えば、32P、33P、47Sc、67Cu、67Ga、89Sr、90Y、111Ag、125I、131I、142Pr、153Sm、161Tb、166Ho、166Dy、177Lu、186Re、188Re、189Re)またはオージェ電子を放出する(例えば、111In、125I、67Ga、191Os、193mPt、195mPt、195mHg)放射性核種からなる。安定に拘束された構造体は、診断剤で述べた方法を使用して上記放射性核種1種以上で標識することができる。
【0048】
検出可能な標識(例えば、蛍光分子)または細胞傷害剤(例えば、放射性ヨウ素)を含有する適当なペプチドは、安定に拘束された構造体と、共有結合により、非共有結合によりまたはそれ以外の結合で会合させることができる。例えば、治療的に有用なコンジュゲートは、光活性剤または染料を安定に拘束された構造体に組み込むことにより得ることができる。蛍光組成物、例えば蛍光色素および他の色素源または染料、例えば可視光に感受性のポルフィリンは、適当な光を外傷に向けることにより外傷を検出そして処置するために使用された。治療では、これは光放射、光治療、または光力学的治療と呼ばれてきた。Jori et al. (eds), PHOTODYNAMIC THERAPY OF TUMORS AND OTHER DISEASES (Libreria Progetto 1985);Van den Bergh, Chem. Britian(1986), 22:430参照。更に、モノクローナル抗体を、光治療を達成するために光活性化された染料とカップリングさせた。Mew et al., J. Immunol.(1983), 130:1473; idem., Cancer Res.(1985),45-4380; Oseroff et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1986),83:8744;idem., Photochem. Photobiol.(1987),46:83; Hasan et al., Prog. Clin. Biol. Res.(1989),288:471; Tatsuta et ql., Lasers Surg. Med.(1989),9:422; Pelegrin et al., Cancer(1991),67:2529.参照。内視鏡用途も意図される。検出および治療の内視鏡方法は、U.S.4,932,412; U.S.5,525,338; U.S.5,716,595; U.S.5,736,119; U.S.5,922,302; U.S.6,096,289;およびU.S.6,387,350に記載されており、これらはそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
ある態様では、本明細書に開示された新規な構築物および方法は、治療的介入のためのRNAiのターゲティングされた送達のために有用である。送達ビヒクルは、前駆体としてのヒトプロタミン(〜50アミノ酸残基のペプチド)に融合したインターナライジング抗体結合ドメインを有するa2(ダイマー)またはa4(テトラマー)構造であることができる。a2構築物の例は、VH−CH1−hP1−DDD1//VL−CLまたはVH−CH1−hP2−DDD1//VL−CL(式中、hP1およびhP2は、それぞれヒトプロタミン1およびヒトプロタミン2である)であり;両方ともin vivo用途のための安定なDNA複合体を形成することができる(Nat Biotechnol. 23:709-717, 2005; Gene Therapy. 13:194-195,2006)。a4構築物の例は、VH−CH1−hP1−DDD2//VL−CLまたはVH−CH1−hP2−DDD2//VL−CLであり、これは、各々RNAiに結合するためのヒトプロタミンを有する、4つの活性なFabフラグメントを与えるであろう。多価複合体は、ターゲット細胞への結合およびターゲット細胞へのレセプター媒介インターナリゼーションを促進するであろうし、ターゲット細胞において非共有結合的に結合したRNAiは、エンドソーム内で解離されそして細胞質中に放出される。酸化還元化学は関与していないので、hP1またはhP2における3つの分子内ジスルフィド結合の存在は、問題を与えない。RNAiの送達のほかに、これらの構築物は、治療遺伝子またはDNAワクチンのターゲティングされた送達のために使用することもできる。他の使用分野は、機能の点でRNAiのタンパク質アナログである細胞内発現抗体(intrabodies)を産生するためのA4/A2技術を適用することである。
【0050】
ペプチド投与
特許請求の範囲に請求された方法および/または組成物の種々の態様は、被験体に投与されるべき1種以上のペプチドをベースとする安定に拘束された構造体に関する。投与は、鼻、頬側、吸入、直腸、膣、局所、同所(orthotopic)、皮膚内、皮下、筋肉内、腹腔内、動脈内、鞘内、または静脈内注射を含むがそれらに限定されない当技術分野で知られている任意の経路により行うことができる。
【0051】
被験体に経口的に投与された改変されていないペプチドは、消化管内で分解され得、そして配列および構造に依存して、腸内層(intestinal lining)を横切る不十分な吸収を示すことがある。しかしながら、ペプチドを化学的に改変してペプチドを内在性プロテアーゼによる分解により少なく感受性にすることまたは消化管を通してより吸収性にするための方法は周知されている(例えば、Blondelle et al., 1995, Byophys. J.69:604-11; Ecker and Crooke, 1995, Biotechnology 13:351-69; Goodman and Ro, 1995, BURGERS MEDICAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY, VOL. I. ed. Wolf, John Wiley & Sons; Goodman and Shao, 1996, Pure & Appl. Chem. 68:1303-08参照)。ペプチドアナログ、例えばD−アミノ酸を含有するペプチド;ペプチドの構造に模倣するする有機分子からなるペプチド模倣体;またはビニロガスペプトイド(vinylogous peptoids)の如きペプトイド、のライブラリーを調製するための方法も記載されており、そして被験体への経口的投与のために適当なペプチドをベースとする安定に拘束された構造体を構築するために使用されうる。
【0052】
ある態様では、標準ペプチド結合連結は、1つ以上の替わりの連結基、例えば、CH2−NH、CH2−S、CH2−CH2、CH=CH、CO−CH2、CHOH−CH2等により置換されうる。ペプチド模倣体を調製するための方法は、周知されている(例えば、Hruby, 1982, Life Sci 31: 189-99; Holladay et al., 1983, Tetrahedron Lett. 24:4401-04; Jennings-White et al., 1982, Tetrahedron Lett. 23:2533; Almquiest et al., 1980, J.Med. Chem. 23:1392-98; Hudson et al., 1979, Int. J. Pept. Res. 14:177-185; Spatola et al., 1986, Life Sci 38: 1243-49; U.S.Patent Nos. 5,169,862; 5,539,085; 5,576,423; 5,051,448; 5,559,103、各々は参照により本明細書に組み込まれる)。ペプチド模倣体は それらのペプチドアナログと比べてin vivoで増強された安定性および/または吸収を示すことができる。
【0053】
または、ペプチドは、N末端および/またはC末端キャッピングを使用してエキソペプチダーゼ活性を阻止することによって、経口送達により投与することができる。例えば、C末端はアミドペプチドを使用してキャッピングすることができ、そしてN末端はペプチドのアセチル化によりキャッピングすることができる。ペプチドは、例えば、環状アミド、ジスルフィド、エーテル、スルフィド等の形成により環化させてエキソペプチダーゼをブロッキングすることもできる。
【0054】
ペプチド安定化は、特にエキソペプチダーゼが作用することが知られている位置で、天然に存在するL−アミノ酸に替わるD−アミノ酸の置換により行うこともできる。エンドペプチダーゼ結合および開裂配列は、当技術分野で知られておりそしてD−アミノ酸を組み込んでいるペプチドを製造および使用する方法は記載されている(例えば、2004年6月14日に出願されたMcBride et al..のU.S.Patent Publication No. 20050025709、参照により本明細書に組み込まれる)。ある態様では、ペプチドおよび/またはタンパク質は、プロテイナーゼ阻害剤および/またはペプチダーゼ阻害剤との共処方により経口投与されうる。
【0055】
治療ペプチドの経口送達のための他の方法は、Mehta("Oral delivery and recombinant production of peprtide hormones"June 2004, BioPharm International)に開示されている。ペプチドは、腸内タンパク質分解活性をモデュレーションしそして腸壁を横切るペプチド輸送を増強する賦形剤を伴う、腸溶コーティングされた固体剤形において投与される。この技術を使用するインタクトなペプチドの相対的バイオアベイラビリティーは投与された投薬量の1〜10%の範囲にあった。インスリンは、コール酸ナトリウムおよびプロテアーゼ阻害剤を有する腸溶コーティングされたマイクロカプセルを使用してイヌに成功裡に投与された(Ziv et al., 1994, J.Bone Miner. Res. 18(Suppl. 2):792-94)。ペプチドの経口投与は、透過増強剤としてアシルカルニチンおよび腸溶コーティングを使用して行われた(Eudragit L30D-55, Rohm Pharma Polymers、Mehta, 2004参照)。経口投与されたペプチド用に使用される賦形剤は、ペプチドの可溶性または吸収を改良するために一般に洗剤または他の作用物質と共に腸内プロテアーゼ/ペプチダーゼの阻害剤1種以上を含むことができ、これらは腸溶コーティングされたカプセルまたは錠剤内にパッケージングされうる(Mehta, 2004)。有機酸をカブセル内に含ませて、カプセルが腸内で溶解すると、腸を酸性化しそして腸内プロテアーゼ活性を阻害することができる(Mehta,2004)。ペプチドの経口送達のための他の代替方法は、ポリエチレングリコール(PEG)をベースとする両親媒性オリゴマーにコンジュゲーションさせて吸収および酵素による分解への抵抗を増化させることを含むであろう(Soltero and Ekwuribe, 2001,Pharm. Technol. 6:110)。
【0056】
更に他の態様では、あるタンパク質、例えばIgG1のFc領域へのコンジュゲーションによりペプチドを経口もしくは吸入投与用に改変することができる(実施例3〜7参照)。ペプチド−Fcコンジュゲートの調製および使用のための方法は、例えば、Low et al.(2005, Hum. Reprod. 20:1805-13)およびDumont et al.(2005, J.Aerosol. Med. 18:294-303)に開示されており、各々は参照により本明細書に組み込まれる。Low et al.(2005)は、CHO細胞におけるリコンビナント発現を使用して、一本鎖またはヘテロダイマー形態のIgG1のFc領域に、FSHのαおよびβサブユニットをコンジュゲーションさせることを開示している。Fcコンジュゲーションされたペプチドは、新生児Fcレセプター媒介輸送システムにより肺または腸の上皮細胞を介して吸収された。Fcコンジュゲーションされたペプチドは、ネイティブなペプチドと比較してin vivoでの改良された安定性および吸収を示した。ヘテロダイマーコンジュゲートは単一鎖形態よりも活性であることも観察された。
【0057】
タンパク質およびペプチド
種々のポリペプチドまたはタンパク質は、特許請求の範囲で請求された方法および組成物の範囲内で使用されうる。ある態様では、タンパク質は、抗体または抗原結合部位を含有する抗体のフラグメントを含むことができる。本明細書で使用された、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、一般に約200アミノ酸より大きく、遺伝子から翻訳された完全長配列以下のタンパク質;約100アミノ酸より大きいポリペプチド;および/または約3〜約100アミノ酸のペプチドを指すが、これらに限定されない。便宜上、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、本明細書では交換可能に使用される。従って、用語「タンパク質」または「ペプチド」は、天然に存在するタンパク質に見出された20種の普通のアミノ酸の少なくとも1種または少なくとも1種の改変されたもしくは格別のアミノ酸を含むアミノ酸配列を包含する。
【0058】
本明細書で使用された「アミノ酸残基」は、任意の天然に存在するアミノ酸、任意のアミノ酸誘導体または当技術分野で知られている任意のアミノ酸模倣体を指す。ある態様では、タンパク質またはペプチドの残基は、アミノ酸残基の配列を中断するいかなる非アミノ酸もなしに連続している。他の態様では、配列は、1つ以上の非アミノ酸配列を含んでいてもよい。特定の態様では、タンパク質またはペプチドの残基の配列は、1つ以上の非アミノ酸部分により中断されていてもよい。
【0059】
従って、用語「タンパク質またはペプチド」は、天然に存在するタンパク質に見出される20種の普通のアミノ酸の少なくとも1種、または下記に示されたアミノ酸を含むがそれらに限定されない少なくとも1種の改変されたもしくは格別のアミノ酸を含むアミノ酸配列を包含する。
【0060】
【表1】
【0061】
タンパク質またはペプチドは、標準分子生物学技術によるタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの発現、天然のソースからのタンパク質またはペプチドの単離またはタンパク質もしくはペプチドの化学的合成を含む、当業者に知られている任意の技術により作製することができる。種々の遺伝子に対応するヌクレオチドならびにタンパク質、ポリペプチドおよびペプチド配列は以前に開示されておりそして当業者に知られているコンピューター化されたデータベースに見出されうる。1つのこのようなデータベースは、National Center for Biotechnology Information's Genbank and GenPept databases(www.ncbi.nlm.nih.gov/)である。既知の遺伝子のためのコード領域は、本明細書に開示された技術を使用してまたは当業者に知られているとおりに増幅および/または発現されうる。または、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドの種々の商業的製造は当業者に知られている。
【0062】
ペプチド模倣体
ポリペプチドの調製のための他の態様は、ペプチド模倣体の使用である。模倣体は、タンパク質二次構造のエレメントを模倣するペプチド含有分子である。例えば、Johnson et al.,"Peptide Turn Mimetics"in BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY, Pezzuto et al., Eds., Chapman and Hall, New York(1993)参照。これらは参照により本明細書に組みこまれる。ペプチド模倣体の使用の背景の論理は、タンパク質のペプチド主鎖が、分子相互作用、例えば抗体と抗原の相互作用、を促進するようにアミノ酸側鎖を配向するために主として存在するということである。ペプチド模倣体は、天然の分子に類似した分子相互作用を可能とすることが期待される。
【0063】
融合タンパク質
種々の態様は融合タンパク質に関することができる。これらの分子は、一般にN末端またはC末端で、第2ポリペプチドもしくはタンパク質のすべてまたは一部に連結されたペプチドのすべてまたは実質的な部分を有する。融合タンパク質を発生させる方法は、当業者に周知されている。このようなタンパク質は、例えば、二官能性架橋試薬を使用する化学的結合により、完全な融合タンパク質のde novo合成により、または第2ペプチドもしくはタンパク質をコードするDNA配列への第1タンパク質もしくはペプチドをコードするDNA配列の結合、次いでインタクトな融合タンパク質の発現により製造することができる。
【0064】
合成ペプチド
タンパク質またはペプチドは、全体的にせよ部分的にせよ、慣用の技術に従って溶液中でまたは固体支持体上で合成することができる。種々の自動合成装置が市販されておりそして既知のプロトコールに従って使用することができる。例えば、Stewart and Young,(1984, Solid Phase Peptide Synthesis, 2d. ed., Pierce Chemical co,); Tam et al.,(1983, J.Am. Chem. Soc., 105:6442); Merrifield, (1986,Science, 232:341-347); and Barany and Merrifield(1979, The peptides, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press, New York, pp.1-284)参照。通常約6から約35〜50アミノ酸までの短いペプチド配列はこのような方法により容易に合成することができる。または、関心のあるペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入し、適切なホスト細胞中にトランスフォーメーションまたはトランスフェクションしそして発現のために適当な条件下に培養する、リコンビナントDNA技術を使用することができる。
【0065】
抗体
種々の態様は、ターゲットに対する抗体に関する。用語「抗体」は、本明細書では、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子を指すのに使用され、そして抗体フラグメント、例えば、Fab’、Fab、F(ab’)2、単一ドメイン抗体(DABs)、Fv、scFv、(単一鎖Fv)等を含む。種々の抗体をベースとする構築物およびフラグメントを調製および使用するための技術は、当技術分野で周知されている。抗体を調製しそして特徴付けるための手段も当技術分野で周知である(例えば、Harlowe and Lane, 1988, Antibodies,1988,Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory参照)。使用される抗体は広い多様な既知のソースから商業的に得ることもできる。例えば、種々の抗体分泌ハイブリドーマ系統が、American Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)から入手可能である。
【0066】
抗体フラグメントの産生
特許請求の範囲に請求された方法および/または組成物のいくらかの態様は、抗体フラグメントに関することができる。このような抗体フラグメントは、慣用の方法による全体の抗体のペプシンもしくはパパイン消化により得ることができる。例えば、抗体フラグメントは、ペプシンにより抗体を酵素開裂させてF(ab’)2フラグメントを得ることにより産生することができる。このフラグメントは、チオール還元剤を使用して更に開裂させることができ、次いで場合によりジスルフィド結合の開裂から生じるスルフヒドリル基のためのブロッキング基によりブロッキングして、Fab’一価フラグメントを産生する。または、パパインnを使用する酵素による開裂は、2つの一価のFabフラグメントおよびFcフラグメントを産生する。抗体フラグメントを産生するための例示的方法は、U.S.Pat.No.4,036,945; U.S.Pat.No.4,331,647;Nisonoff et al., 1960, Arch. Biochem. Biophys., 89:230; Porter, 1959, Biochem. J., 73:119; Edelman et al., 1967, METHODS IN ENZYMOLOGY, page 422(Academic Press), and Coligan et al.(ends), 1991, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY,(John Wiley & Sons)に開示されている。
【0067】
抗体を開裂する他の方法、例えば重鎖を分離して一価軽−重鎖フラグメントを形成すること、フラグメントのさらなる開裂または他の酵素よる技術、化学的技術、または遺伝子技術も、フラグメントがインタクトな抗体により認識される抗原に結合するかぎりは、使用されうる。例えば、Fvフラグメントは、VHおよびVL鎖の会合を含む。この会合は、Inbar et al., 1972, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA,69:2659に記載のとおり、非共有結合性であることができる。または、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合により連結させることができるかまたはグルタルアルデヒドなどの化学品により架橋させることができる。Sandhu,1992,Crit.Rev.Biotech., 12:437参照。
【0068】
好ましくは、Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより連結されたVHおよびVL鎖を含む。これらの単一鎖抗原結合タンパク質(sFv)は、オリゴヌクレオチドリンカー配列により連結されたVHおよびVLドメインをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を構築することにより調製される。構造遺伝子を、発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを、次いでE.coliなどのホスト細胞に導入する。リコンビナントホスト細胞は、2つのVドメインを橋かけするリンカーペプチドを有する単一ポリペプチド鎖を合成する。sFv’sを産生するための方法は、当技術分野で周知されている。Whitlow et al., 1991, Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:97; Bird et al., 1988, Science, 242:423; U.S.Pat.No. 4,946,778; Pack et al., 1993, Bio/Technology, 11:1271, and Sandhu, 1992, Crit. Rev. Biotech., 12:437参照。
【0069】
他の形態の抗体フラグメントは、単一の相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」は、関心のある抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することにより得られうる。このような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することにより調製される。Larrick et al., 1991, Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:106; Ritter et al.(eds.), 1995, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRODUCTION, ENGINEERING AND CLINICAL APPLICATION, pages 166-179(Cambridge University Press); Birch et al.,(eds.), 1995, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND APPLICATIONS, pages 137-185(Wiley-Liss, Inc)参照。
【0070】
キメラおよびヒト化抗体
キメラ抗体は、ヒト抗体の可変領域が、例えば、マウス抗体の相補性決定領域(CDRs)を含む、マウス抗体の可変領域により置換されているリコンビナントタンパク質である。キメラ抗体は、被験体に投与されるとき、減少した免疫原性および増化した安定性を示す。キメラ抗体を構築するための方法は、当技術分野で周知されている(例えば、Leung et al., 1994, Hybridoma 13:469)。
【0071】
キメラモノクローナル抗体は、マウスCDRsをマウス免疫グロブリンの重および軽可変鎖からヒト抗体の対応する可変ドメインにトランスファーすることによりヒト化されうる。キメラモノクローナル抗体におけるマウスフレームワーク領域(FR)は、ヒトFR配列によっても置換される。ヒト化モノクローナルの安定性および抗原特異性を保存するために、1つ以上のヒトFR残基をマウス対応残基により置換することができる。ヒト化モノクローナル抗体は被験体の治療的処置のために使用することができる。ターゲットに対するヒト化抗体のアフィニティーは、CDR配列の選ばれた改変により増化させることもできる(WO0029584A1)。ヒト化モノクローナル抗体の産生の技術は当技術分野で周知されている(例えば、Jones et al., 1986,Nature, 321:522; Riechmann et al., Nature, 1988,332:323; Verhoeyen et al., 1988, Science,239:1534; Carter et al., 1992, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA, 89:4285; Sandhu, Crit. Rev. Biotech., 1992, 12:437; Tempest et al., 1991, Biotechnology 9:266; Singer et al., J.Immunol., 1993, 150-2844参照)。
【0072】
他の態様は、非ヒト霊長類抗体に関することができる。ヒヒにおける治療的に有用な抗体を生じるための一般的技術は、例えば、Goldenberg et al., WO91/11465(1991)およびLosman et al., Int. J. Cancer 46:310(1990)において見出されうる。
【0073】
ヒト抗体
コンビナトリアルアプローチまたはヒト免疫グロブリンローカスでトランスフォーメーションされたトランスジェニック動物を使用して完全にヒト抗体を産生するための方法は、当技術分野で知られている(例えば、Mancini et al., 2004, New Microbiol. 27:315-28; Conrad and Scheller, 2005, Comb. Chem. High Throughput Screen. 8:117-26; Brekke and Loset, 2003, Curr. Opin. Pharmacol. 3:544-50; 各々は参照により本明細書に組み込まれる)。このような完全にヒト抗体は、キメラもしくはヒト化抗体より少なくすらある副作用を示しそして本質的に内在性ヒト抗体としてin vivoで機能することが予想される。ある態様では、特許請求の範囲に請求された方法および手順は、このような技術により産生されたヒト抗体を利用することができる。
【0074】
1つの態様では、ファージディスプレー技術を使用してヒト抗体を発生させることができる(例えば、Dantas-Barbosa et al., 2005, Genet. Mol.Res. 4:126-40、参照により本明細書に組みこまれる)。ヒト抗体は、正常なヒトから、または癌の如き特定の疾患状態を示すヒトから発生させることができる(Dantas-Barbosa et al., 2005)。疾患のある個体からヒト抗体を構築することの利点は、循環抗体レパートリーが疾患関連抗原に対する抗体に偏らされている(biased)ことがありうるということである。
【0075】
この方法の1つの非限定的例では、Dantas-Burbosa et al.(2005)は、骨肉腫患者からのヒトFab抗体フラグメントのファージディスプレーライブラリーを構築した。一般に、循環している血液リンパ球(同上)から全RNAが得られた。リコンビナントFabをμ、γおよびκ鎖抗体レパートリーからクローニングしそしてファージディスプレーライブラリー(同上)に挿入した。RNAsをcDNAsに転換しそして重および軽鎖免疫グロブリン配列に対して特異的プライマーを使用して、Fab cDNAライブラリーを作成するために使用した(Marks et al., 1991, J.Mol.Biol. 222:581-97, 参照により本明細書に組み込まれた)。ライブラリー構築は、Andris-Widhopf et al.(2000, In: Phage Display Laboratory Mannual, Barbas et al.(eds), 1st edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY pp.9.1 to 9.22、参照により本明細書に組みこまれる)に従って行われた。最終Fabフラグメントを制限エンドヌクレアーゼで消化しそしてバクテリオファージゲノムに挿入してファージディスプレーライブラリーを作成した。このようなライブラリーを当技術分野で知られているとおり標準ファージディスプレー方法によりスクリーニングすることができる。当業者は、この技術が単に説明的なものでありそしてファージディスプレーによりヒト抗体または抗体フラグメントを作成しそしてスクリーニングするための任意の既知の方法を利用することができることを理解するであろう。
【0076】
他の態様では、遺伝子工学的に作成されてヒト抗体を産生するトランスジェニック動物を使用して、本質的に任意の免疫原性ターゲットに対する抗体を、標準免疫感作プロトコールを使用して発生させることができる。このようなシステムの非限定的例は、Abgenix(Fremont, CA)からのXenoMouse(登録商標)(例えば、Green et al., 1999, J.Immunol. Methods 231:11-23, 参照により本明細書に組みこまれる)である。XenoMouse(登録商標)および類似した動物において、マウス抗体遺伝子は不活性化されそして機能的ヒト抗体遺伝子により置換されているが、マウス免疫系の残りはインタクトなままである。
【0077】
XenoMouse(登録商標)を、アクセサリー遺伝子および調節配列と共に、可変領域配列の大部分を含む、ヒトIgHおよびIgκローカスの部分を含有した生殖細胞系コンフィガードYACs(germline-configured YACs)(酵母人口染色体)でトランスフォーメーションした。ヒト可変領域レパートリーを使用して抗体産生性B細胞を発生させることができ、これを既知の技術によりハイブリドーマにプロセッシングすることができる。ターゲット抗原で免疫感作されたXenoMouse(登録商標)は、正常な免疫応答によりヒト抗体を産生するであろうし、これは上記した標準技術により回収されおよび/または産生されうる。XenoMouse(登録商標)の種々の系統が入手可能であり、その各々は異なるクラスの抗体を産生することができる。このようなヒト抗体を、化学的架橋または他の既知の方法により他の分子にカップリングさせることができる。トランスジェニックに産生された抗体は、正常なヒト抗体の薬物動態学的性質を保持しながら、治療的潜在力を有することが示された。(Green et al., 1999)。当業者は、特許請求の範囲に請求された組成物および方法がXenoMouse(登録商標)システムの使用に限定されるものではなくて、遺伝子工学的に作成された任意のトランスジェニック動物を利用してヒト抗体を産生することができることを認識するであろう。
【0078】
プレターゲティング
二重特異的な安定に拘束された構築物の使用のための1つのストラテジーは、プレターゲティング法(pre-targeting methologies)を含み、この方法では、エフェクター分子は、二重特異的構築物が投与された後被験体に投与される。エフェクター、ハプテンまたは担体に対する結合部位および疾患に罹っている組織に対する結合部位を含む二重特異的構築物は、疾患のある組織に局在化しそして疾患のある組織へのエフェクターの局在化の特異性を増化させる(U.S.Patent Application No.20050002945)。エフェクター分子は二重特異的構築物よりもはるかに速く循環から除かれ得るので、正常な組織は、エフェクター分子が疾患ターゲティング抗体に直接連結されている場合よりも、プレターゲティングストラテジーが使用される場合にエフェクター分子への曝露が減少することができる。
【0079】
プレターゲティング方法は、検出もしくは治療剤のターゲット:バックグラウンド比を増化させるために開発された。ブレターゲティングおよびビオチン/アビジンアプローチの例は、例えば、Goodwin et al., U.S.Pat.No.4,863,713; Goodwin et qal., J.Nucl. Med.229:226,1988; Hanatowich et al., J.Nucl. Med.28:1294,1987; Oehr et al., J.Nucl.Med.29:728,1988; Klibanov et al., J.Nucl.Med.29:1951,1988; Sinitsyn et al., J.Nucl.Med.30:66,1989; Kalofonos et al., J.Nucl.Med.31:1791,1990; Schechter et al., Int.J.Cancer48:167,1991; Paganelli et al., Cancer Res.51:5960,1991; Paganelli et al., Nucl.med.Commun.12:211,1991; U.S.Pat.No.5,256,395; Stickney et al., Cancer Res.51:6650,1991; Yuan et al., Cancer Res.51:3119,1991; U.S.Pat.No.6,077,499; U.S.Ser.No.09/597,580; U.S.Ser.No.10/361,026; U.S.Ser.No.09/337,756; U.S.Ser.No.09/823,746; U.S.Ser.No.10/116,116; U.S.Ser.No.09/382,186; U.S.Ser.No.10/150,654; U.S.Pat.No.6,090,381; U,S,Pat.No.6,472,511; U.S.Ser.No.10/114,315; U.S.Provisional Application No.60/386,411; U.S.Provisional Application No. 60/345,641; U.S.Provisional Application No.60/345,641; U.S.Provisional Application No.60/3328,835; U.S.Provisional Application No.60/426,379; U.S.Ser.No.09/823,746; U.S.Ser.No.09/337,756;およびU.S.Provisional Application No.60/342,103に記載されており、そのすべては参照により本明細書に組みこまれる。
【0080】
ある態様では、二重特異的構築物およびターゲティング可能な構築物は、例えばU.S.Pat.Nos.6,126,916; 6,077,499; 6,010,680; 5,776,095; 5,776,094; 5,776,093; 5,772,981; 5,753,206; 5,746,996; 5,697,902; 5,328,679; 5,128,119; 5,101,827; および4,735,210(これらの各々は参照により本明細書に組みこまれる)に記載の方法を使用して、正常なまたは疾患のある組織および器官を処置および/または画像化するのに使用することができる。追加の方法は、1999年6月22日に出願されたU.S.application Ser. No.09/337,756および2001年4月3日に出願されたU.S.application Ser. No.09/823,746に記載されている。
【0081】
アプタマー
ある態様では、構築物形成のための前駆体は、アプタマーを含むことができる。アプタマーの結合特徴を構築しそして決定する方法は、当技術分野に周知されている。例えば、このような技術は、U.S.Patent Nos. 5,582,981; 5,595,877; および5,637,459に記載されており、これらの各々は参照により本明細書に組みこまれる。
【0082】
アプタマーは、合成、リコンビナントおよび精製方法を含む任意の既知の方法により調製することができ、そして単独でまたは同じターゲットに対して特異的な他のリガンドと組み合わせて使用することができる。一般に、最小で約3ヌクレオチド、好ましくは少なくとも5ヌクレオチドは、特異的結合を行うのに必要である。10塩基より短い配列のアプタマーは実行可能でありうるが、10、20、30または40ヌクレオチドのアプタマーが好ましくありうる。
【0083】
アプタマーは、結合特異性を与える配列を含有することが必要であるが、フランキング領域により延長されてもよくそして、他の場合には誘導体化されてもよい。好ましい態様では、アプタマーの結合配列は、プライマー結合配列によりフランキングされることができ、これはPCRまたは他の増幅技術によるアプタマーの増幅を促進する。更なる態様では、 フランキング配列は、アプタマーの基質への固定化を増強するための部分を優先的に認識するかまたは該部分に優先的に結合する特異的配列、を含むことができる。
【0084】
アプタマーは、普通のDNAまたはRNA分子として単離され、配列決定されおよび/または増幅されまたは合成されうる。または、関心のあるアプタマーは、改変されたオリゴマーを含むことができる。アプタマー中に通常存在するヒドロキシル基のいずれかは、ホスホネート基もしくはホスフェート基により置換されていてもよく、標準保護基により保護されていてもよくまたは活性化されて他のヌクレオチドへの追加の結合の用意をすることができ、または固体支持体にコンジュゲーションさせることができる。1つ以上のホスホジエステル結合が、替わりの連結基により置換されていてもよく、例えばP(O)Oが、P(O)S、P(O)NR2、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCNR2(式中、RはHもしくはアルキル(1〜20C)でありそしてR’はアルキル(1〜20C)であり;更にこの基はOまたはSを介して隣接したヌクレオチドに結合していてもよい)により置換されていてもよい。オリゴマーにおける結合は、すべてが同一である必要はない。
【0085】
関心のある特定のターゲットに結合するアプタマーの調製およびスクリーニングのための方法は、周知されており、例えば、U.S.Pat.No.5,475,096およびU.S.Pat.No.5,270,163において周知であり、これらは参照により本明細書に組みこまれる。この技術は、一般に、候補アプタマーの混合物からの選択および結合の段階的反復、結合したアプタマーの結合されていないアプタマーからの分離および増幅を含む。最も高いアフィニティーに対応する少数の配列のみ(場合により1分子のアプタマーのみ)が混合物中に存在するので、混合物中の有意な量のアプタマー(約5〜50%)が分離期間中保持されているように分配基準を設定することが一般に望ましい。各サイクルは、ターゲットに対する高いアフィニティーを有するアプタマーの濃縮をもたらす。3〜6回の選択および増幅サイクルの反復を使用して、ターゲットへの高いアフィニティーおよび特異性で結合するアプタマーを発生させることができる。
【0086】
アビマー(Avimers)
ある態様では、本明細書に記載された前駆体、成分および/または複合体は、1種以上のアビマー配列を含むことができる。アビマーは、種々のターゲット分子に対するそれらのアフィニティーおよび特異性において抗体に幾分類似した結合タンパク質のクラスである。それらは、in vitroエキソンシャフリングおよびファージディスプレーによりヒト細胞外レセプタードメインから開発された。(Silverman et al., 2005, Nat. Biotechnol. 23:1493-94; Silverman et al., 2006, Nat. Biotechnol.24:220)。得られる多重ドメインタンパク質は、単一エピトープ結合タンパク質と比較して、改良されたアフィニティー(ある場合にナノモル以下)および特異性を示すことができる多重独立結合ドメインを含むことができる。(同上)。種々の態様において、アビマーは、例えば、特許請求の範囲に請求された方法および組成物において使用するためのDDD配列に結合させることができる。アビマーの構築および使用の方法に関する追加の詳細は、例えば、U.S.Patenr Application Publication Nos. 20040175756, 20050048512, 20050053973, 20050089932および20050221384に開示されており、その各々の実施例の節は参照により本明細書に組みこまれる。
【0087】
疾患組織検出、診断および画像化の方法
タンパク質をベースとするin vitro診断
本発明は、疾患関連抗原の存在についてin vitroおよび/またはin vivoで生物学的サンプルをスクリーニングするための安定に拘束された構造体の使用を意図する。例示的イムノアッセイでは、抗体、融合タンパク質またはそのフラグメントを含む安定に拘束された構造体は、下記するとおり、液相において利用することができまたは固相担体に結合させることができる。好ましい態様、特にin vivo投与を伴う態様では、抗体またはそのフラグメントはヒト化される。抗体またはそのフラグメントは完全にヒトであることも好ましい。なお更に好ましくは、融合タンパク質は、ヒト化抗体または完全にヒト抗体を含む。当業者は、特定の遺伝子の発現のレベルを決定するための広く多様な技術が知られておりそして任意のこのような既知の方法、例えば、イムノアッセイ、RT−PCR、mRNA精製および/またはcDNA作成、続く遺伝子発現アッセイチップへのハイブリダイゼーションを利用して、個々の被験体および/または組織における発現のレベルを決定することができることを認識するであろう。使用される例示的なin vitroアッセイは、RIA、ELISA、サンドイッチELISA、ウエスタンブロット、スロットブロット、ドットブロット等を含む。このような技術はインタクトな抗体を使用して開発されたけれども、抗体、抗体フラグメントまたは他の結合部分を組み込んだ安定に拘束された構造体を使用することができる。
【0088】
抗体、融合タンパク質、抗体フラグメントおよび/または他の結合部分を組み込んだ安定に拘束された構造体は、組織学的試験片から調製された組織切片におけるターゲット抗原の存在を検出するのに使用することもできる。このようなin situ検出を使用して抗原の存在を決定しそして検査された組織における抗原の分布を決定することができる。in situ検出は、凍結されたもしくはパラフィンに埋め込まれた組織切片に検出可能に標識された構造体を適用することにより達成されうる。in situ検出の一般的技術は、当業者に周知である。例えば、Ponder, "Cell Marking Techniques and Their Applkcation," in MAMMALIAN DEVELOPMENT:A PRACTCAL APPROACH 113-38 Monk(ed)(IRL Press 1987), and Coligan at pages 5.8.1-5.8.8参照。
【0089】
安定に拘束された構造体は、任意の適切なマーカー部分、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光標識、染料、色素原、化学発光標識、生物発光標識または常磁性標識で検出可能に標識されうる。
【0090】
マーカー部分は、γ計数管またはβシンチレーション計数管の使用などの手段により、またはオートラジオグラフィーにより検出される放射性同位元素であることができる。好ましい態様では、診断コンジュゲートは、γ、βまたはポジトロン放出同位元素である。マーカー部分は、所定の条件下に信号を発生する分子を指す。マーカー部分の例は、放射性同位元素、酵素、蛍光標識、化学的発光標識、生物発光標識および常磁性標識を含む。安定に拘束された構造体へのマーカー部分の結合は、当技術分野で知られている標準技術を使用して達成することができる。これに関して典型的な方法は、Kennedy et al., Clin. Chim.Acta 70:1(1976), Schurs et al., Clin.Chim.Acta81:1(1977), Shih et al., Int'l J.Cancer46:1101(1990)により記載されている。
【0091】
核酸をベースとするin vitro診断
安定に拘束された構造体は、ある態様では、核酸部分を組み込まれていることができる。特定の態様では、特に核酸増幅方法を使用して、核酸を分析して結合のレベルを決定することができる。種々の形態の増幅が当技術分野で周知されておりそして任意のこのような方法を使用することができる。一般に、増幅は増幅されるべきターゲット核酸配列に選択的にまたは特異的にハイブリダイゼーションする1つ以上のプライマーの使用を含む。
【0092】
本明細書で定義された用語「プライマー」は、テンプレート依存性方法における新生核酸(nascent nucleic acid)の合成をプライミングすることができる任意の核酸を包含することを意味する。増幅プライマーの選択およびデザインのためのコンピューター化されたプログラムは、当業者に周知の市販のおよび/または公的ソースから入手可能である。与えられたサンプル中に存在するマーカー配列を増幅させるのに多数のテンプレート依存性方法が利用可能である。最もよく知られている増幅法の1つは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRとも呼ばれる)であり、これはU.S.Patenr Nos.4,683,195, 4,683,202および4,800,159に詳細に記載されている。しかしながら、他の増幅方法が知られておりそして使用することができる。
【0093】
in vivo診断
標識されたペプチドまたはMAbsにより診断画像化する方法は周知である。例えば、イムノシンチグラフィーの技術では、リガンドまたは抗体をγ放出放射性同位元素で標識しそして患者に導入する。γカメラを使用してγ放出放射性同位元素の位置および分布を検出する。例えば、Srivastava(ed.),RADIOLABELED MONOCLONAL ANTIBODIES FOR IMAGING AND THERAPY(Plenum Press 1988), Chase,"Medical Applications of Radioisotopes," in REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIENCES,18th Edition, Gennaro et al.(eds.),pp.624-652(Mack Publishing Co., 1990),and Brown, "Clinical Use of Monoclonal Antibodies," in BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY 227-49, Pezzuto et al.(eds.)(Chapmann & Hall 1993)参照。例えば511keVのエネルギーを有するようなポジトロン放出放射性核種(PET同位元素)、例えば18F、68Ga、64Cuおよび124Iの使用も好ましい。このような画像化は、安定に拘束された構造体の直接標識によりまたは、Goldenberg et al,"Antibody Pre-targeting Advances Cancer Radioimmunodetection and Radioimmunotherapy,"(J Clin Oncol 2006;24:823-834)に記載のようにプレターゲティングされた画像化方法により行うことができる。U.S.Patenr Publication Nos.20050002945, 20040018557, 20030148409および20050014207も参照。これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
患者に送達される放射線量は、最小の半減期、身体中の最小の保持、および検出及び正確な測定を可能とする最小量の同位元素の最善の組み合わせのための同位元素の選択によりできる限り低いレベルに維持される。診断画像化に適切な放射性同位元素の例は、99mTcおよび111Inを含む。
【0095】
安定に拘束された構造体またはそれらに結合するハプテンもしくは担体は、in vivo診断の目的で、常磁性イオンおよび種々の放射線学的コントラスト剤で標識することもできる。磁気共鳴画像化に特に有用なコントラスト剤は、ガドリニウム、マンガン、ジスプロシウム、ランタン、または鉄イオンを含む。追加の作用物質は、クロム、銅、コバルト、ニッケル、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウムまたはネオジムを含む。リガンド、抗体およびそのフラグメントは、超音波コントラスト/増強剤にコンジュゲーションされてもよい。例えば、1つの超音波コントラスト剤は、ヒト化IgGまたはそのフラグメントを含むリポソームである。超音波コントラスト剤はガス充填されているリポソームであることも好ましい。
【0096】
画像化剤および放射性同位元素
多くの適切な画像化剤が、タンパク質またはペプチドへのそれらの結合のための方法と同じく当技術分野で知られている(例えば、U.S.Patents 5,021,236および4,472,509参照、両方共参照により本明細書に組み込まれる)。ある結合方法は、例えばタンパク質またはペプチドに結合したDTPAのような有機キレート化剤を使用する金属キレート錯体の使用を含む(U.S.Patent.4,472,509)。タンパク質またはペプチドは、グルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩などのカップリング剤の存在下に酵素と反応させることもできる。フルオレセインマーカーとのコンジュゲートは、これらのカップリング剤の存在下にまたはイソチオシアナートとの反応により調製される。
【0097】
画像化剤としての使用の潜在力のある常磁性イオンの非限定的例は、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)およびエルビウム(III)を含み、ガドリニウムが特に好ましい。他の状況、例えば、X線画像化において有用なイオンは、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)および特にビスマス(III)を含むが、それらに限定されない。
【0098】
画像化剤または治療剤として使用される潜在力のある放射性同位元素は、アスタチン211、炭素14、クロム51、塩素36、コバルト57、コバルト58、銅62、銅64、銅67、Eu152、フッ素18、ガリウム67、ガリウム68、水素3、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、インジウム111、鉄52、鉄59、ルテチウム177、リン32、リン33、レニウム186、レニウム188、Sc47、セレン75、銀111、硫黄35、テクネチウム94m、テクネチウム99m、イットリウム86およびイットリウム90およびジルコニウム89を含む。I125は、しばしばある態様において使用するために好ましくそしてテクネチウム99mおよびインジウム111も、それらの低いエネルギーおよび長期間の検出のための適性によりしばしば好ましい。
【0099】
放射性に標識されたタンパク質またはペプチドは、当技術分野で周知の方法に従って製造することができる。例えば、それらは、ヨウ化ナトリウムもしくはカリウムおよび化学的酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムまたは酵素的酸化剤、例えばラクトペルオキシダーゼとの接触によりヨウ素化されうる。タンパク質またはペプチドは、リガンド交換方法により、例えば過テクネチウム酸塩(pertechnate)を第一スズ溶液で還元し、還元されたテクネチウムをセファデックスカラム上にキレート化しそしてこのカラムにペプチドを適用することにより、または、直接標識技術、例えば、過テクネチウム酸塩、還元剤、例えばSNCl2、バッファー溶液、例えばフタル酸ナトリウムカリウム溶液およびペプチドをインキュベーションすることにより、テクネチウム−99mで標識することができる。金属イオンとして存在する放射性同位元素をペプチドに結合させるのにしばしば使用される媒介官能基は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、DOTA、NOTA、ポルフィリンキレートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含む。ローダミン、フルオロセインイソチオシアナートおよびレノグラフィンを含む、蛍光標識の使用も意図される。
【0100】
ある態様では、タンパク質またはペプチドは、第二結合リガンドに、または色素原基質と接触すると着色した生成物を発生する酵素(酵素タグ)に連結させることができる。適当な酵素の例は、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、(セイヨウワサビ)ヒドロゲンペルオキシダーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む。好ましい第二結合リガンドはビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン化合物である。このような標識の使用は、明らかに(in light)当業者に周知されておりそして例えば、U.S. Patents 3,817,837; 3,850,752; 3,939,350; 3,996,345; 4,227,437; 4,275,149;および4,366,241に記載されており、各々は参照により本明細書に組み込まれる。これらの蛍光標識は、in vitro使用のために好ましができる。
【0101】
別の態様では、リガンド、抗体または他のタンパク質もしくはペプチドは蛍光マーカーでタグ付けすることができる。光検出可能な標識の非限定的例は、Alexa350、Alexa430、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY630/650、BODIPY650/665、BODIPY FL、BODIPY−R6G、BODIPY−TMR、BODIPY−TRX、5−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルアミノ、カスケードブルー、Cy2、Cy3、Cy5、6−FAM、塩化ダンシル、フルオレセイン、HEX、6−JOE、NBD(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー(Pacific Blue)、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレジルファストバイオレット(cresyl fast violet)、クレジルブルーバイオレット(cresyl blue violet)、ブリリアントクレジルブルー(brilliant cresyl blue)、パラアミノ安息香酸、エリスロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシンフルオレセイン、希土類金属クリプテート、ユーロピウムトリスビピリジンジアミン、ユーロピウムクリプテートもしくはキレート、ジアミン、ジシアニン、La Jollaブルー染料、アロピコシアニン、アロコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリスロシアニン、フィコエリスリンR、REG、ローダミングリーン、ローダミンイソチオシアナート、ローダミンレッド、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン、エダンス(Edans)およびテキサスレッドを含む。これらのおよび他の発光標識(luminescent labels)は、Molecular Probes(Eugene, OR)およびEMD Biosciences(San Diego, CA)などの商業的ソースから得ることができる。
【0102】
使用される化学発光標識化合物は、ルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルまたは生物発光化合物、例えばルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンを含むことができる。診断コンジュゲートは、例えば、外科手術中の診断、内視鏡の診断または血管内腫瘍もしくは疾患診断において使用することができる。
【0103】
種々の態様において、使用される標識は金属ナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子を調製する方法は知られている。(例えば、U.S.Patent Nos. 6,054,495; 6,127,120; 6,149,868; Lee and Meisel, J.Phys. Chem. 86:3391-3395,1982参照)。ナノ粒子は、商業的ソースから得ることもできる(例えば、Nanoprobes Inc., Yaphank, NY; Polysciences, Inc., Warrington,PA)。改変されたナノ粒子、例えばNanoprobes, Inc(Yaphank, NY)からのNanogold(登録商標)ナノ粒子が市販されている。タンパク質またはペプチドへのコンジュゲーションのために使用される官能化ナノ粒子は、商業的に得ることができる。
【0104】
治療剤
医薬組成物
ある態様では、安定に拘束された構造体および/または1種以上の治療剤を被験体、例えば癌を有する被験体に投与することができる。このような作用物質は、医薬組成物の形態で投与することができる。一般に、これはヒトまたは動物に有害でありうる不純物を本質的に含まない組成物を調製することを伴うであろう。当業者は、医薬組成物は例えば経口的もしくは非経口的、例えば静脈内を含む種々の経路により被験体に投与することができることを知るであろう。
【0105】
ある態様では、有効量の治療剤を被験体に投与しなければならない。「有効量」は、所望の効果を生じる作用物質の量である。有効量は、例えば、作用物質の有効性および意図する効果に依存するであろう。例えば、充実性腫瘍を減少または除去するためまたはその転移を阻止するかもしくは減少させるために、癌治療のために必要な量と比較して、より少ない量の抗血管新生剤が、例えば、黄班変性または子宮内膜症などの過形成状態の処置のために必要でありうる。特定の目的に対する特定の作用物質の有効量は、当業者に周知の方法を使用して決定することができる。
【0106】
化学療法剤
或る態様では、化学療法剤を投与することができる。使用される抗癌化学療法剤は、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン(CDDP)、シクロホスファミド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドクソルビシン、エストロゲンレセプター結合剤、エトポシド(VP16)、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ゲムシタビン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、メトトレキセート、マイトマイシン、ナベルビン、ニトロソウレア、プリコマイシン、プロカルバジン、ラロキシフェン、タモキシフェン、タキソール、テマゾロミド(temazolomide)(DTICの水性形態)、トランスプラチナム(transplatinum)、ビンブラスチンおよびメトトレキセート、ビンクリスチンまたは前記のものの任意のアナログもしくは誘導体変異体を含むが、それらに限定されない。感染性生物に対して使用される化学療法剤は、アシクロビル、アルベンダゾール、アマンタジン、アミカシン、アモキシシリン、アムホテリシンB、アムピシリン、アズトレオナム、アジスロマイシン、バシトラシン、バクトリム、バトラフェン(Batrafen)(登録商標)、ビフォナゾール、カルベニシリン、カスポフンギン、セファクロル、セファゾリン、セファロスポリン、セフェピム、セフトリアクソン、セフォタキシム、クロラムフェニコール、シドフォビル、Cipro(登録商標)、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クロトリマゾール、クロキサシリン、ドキシサイクリン、エコナゾール、エリスロサイクリン、エリスロマイシン、フラジル、フルコナゾール、フルシトシン、フォスカルネット、フラゾリドン、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、イミペネム、イソニアジド、イトラコナゾール、カナマイシン、ケトコナゾール、リンコマイシン、リネゾリド、メロペネム、ミコナゾール、ミノサイクリン、ナフチフィン、ナリジクス酸、ネオマイシン、ネチルマイシン、ニトロフラントイン、ナイスタチン、オセルタミビル、オキサシリン、パロモマイシン、ペニシリン、ペンタミジン、ピペラシリン−タゾバクタム、リファブチン、リファンピン、リマンタジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、テトラサイクリン、チオコナゾール、トブラマイシン、トルシクラート、トルナフタート、トリメトプリムスルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、ザナミル(zanamir)およびジスロマイシンを含むが、それらに限定されない。
【0107】
化学療法剤および投与方法、投薬量等は、当業者に周知されている(例えば、"Physicians Desk Reference", Goodman & Gilman's "The Phar4macological Basis of Therapeutics" and in "Remington's Pharmaceutical Sciences"参照、該当部分における参照により本明細書に組み込まれる)。投薬量のいくらかの変更が、処置されるべき被験体の状態に依存して必然的に行われるであろう。投与の責任を担う医師は、いずれにせよ、個々の被験体のための適切な用量を決定するであろう。
【0108】
ホルモン
コルチコステロイドホルモンは、他の化学療法剤の有効性を増化させることができ、その結果としてそれらはしばしば組合わせ処置において使用される。プレドニゾンおよびデキサメタゾンは、コルチコステロイドホルモンの例である。プロゲスチン、例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセタートおよびメゲストロールアセタートは、子宮内膜および胸の癌において使用された。エストロゲン、例えばジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオールは、癌、例えば前立腺癌において使用された。抗エストロゲン、例えばタモキシフェンは、癌、例えば乳癌において使用された。アンドロゲン、例えばテストステロンプロピオナートおよびフルオキシメステロンも乳癌を処置するのに使用された。
【0109】
血管新生阻害剤(Angiogenesis inhibitors)
ある態様では、抗血管新生剤、例えばアンギオスタチン、バクロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体、抗PIGFペプチドおよび抗体、抗血管成長因子抗体、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体およびペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン−2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kプロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンを使用することができる。
【0110】
イムノモデュレーター
本明細書で使用された、用語「イムノモデュレーター」は、サイトカイン、幹細胞成長因子、リンホトキシンおよび造血因子、例えば、インターロイキン、コロニー刺激因子、インターフェロン(例えば、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ)および「S1因子」と命名された幹細胞成長因子を含む。適当なイムノモデュレーター部分の例は、IL−2、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、IL−21、インターフェロンγ、TNFα等を含む。
【0111】
用語「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとしての他の細胞に作用する1つの細胞集団により放出されるタンパク質またはペプチドについての包括的用語である。本明細書で広く使用された、サイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、成長因子および伝統的ポリペプチドホルモンを含む。サイトカインに含まれるのは、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体形成ホルモン(LH);肝臓成長因子;プロスタグランジン、繊維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質;腫瘍壊死因子αおよびβ;ミュラー阻害物質(mullerian inhibiting substance);マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子、例えばNGF−β;血小板成長因子;トランスフォーミング成長因子(TGFs)、例えばTGF−αおよびTGF−β;インスリン様成長因子IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン、例えばインターフェロンα、βおよびγ;コロニー刺激因子(CSFs)、例えばマクロファージCSF(M−CSF);顆粒球−マクロファージCSF(GM−CSF);および顆粒球CSF(G−CSF);インターロイキン(ILs)、例えばIL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12;IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18;IL−21、LIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPO、kitリガンドまたはFLT−3、アンギオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、腫瘍壊死因子およびLTである。本明細書で使用された用語サイトカインは、天然のソースからのタンパク質またはリコンビナント細胞培養物からのタンパク質およびネイティブ配列サイトカインの生物学的に活性な均等物を含む。
【0112】
ケモカインは、化学誘引物質として一般に作用して、ケモカイン発現の部位に免疫エフェクター細胞をリクルートする。ケモカインは、RANTES、MCAF、MIP1−α、MIP1−βおよびIP−10を含むがそれらに限定されない。当業者は、ある種のサイトカインが化学誘引物質効果を有することも知られておりそして用語ケモカインの下に分類されうることも認識するであろう。同様に、用語イムノモデュレーターおよびサイトカインは、それらのそれぞれのメンバーにおいてオーバーラップする。
【0113】
放射性同位元素治療および放射免疫治療
ある態様では、ペプチドおよび/またはタンパク質は、放射性核種治療または放射免疫治療法に使用することができる(例えば、Govindan et al., 2005, Technology in Cancer Research&Treatment, 4:375-91; Sharkey and Goldenberg, 2005, J.Nucl.Med.46:115S-127S; Goldenberg et al.(J Clin Oncol 2006;24:823-834), "Antibody Pre-targeting Advances Cancer Radioimmunodetection and Radioimmunotherapy,"参照、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる)。特定の態様では、安定に拘束された構造体は、使用される放射性同位元素により直接タグ付けすることができ、そして被験体に投与されうる。別の態様では、放射性同位元素(1種または複数)は、放射性標識されそして疾患のある組織における高められた発現の部位に局在する二重特異的な安定に拘束された構造体の投与後に注射されるハプテンペプチドまたはリガンドを使用して、上記したプレターゲティング方法において投与されうる。
【0114】
疾患のある組織を処置するために有用な放射性同位元素は、111In、177Lu、212Bi、213Bi、211At、62Cu、67Cu、90Y、125I、131I、32P、33P、47Sc、111Ag、67Ga、142Pr、153Sm、161Tb、166Dy、166Ho、186Re、188Re、189Re、212Pb、223Ra、225Ac、59Fe、75Se、77As、89Sr、99Mo、105Rh、109Pd、143Pr、149Pm、169Er、194Ir、198Au、199Auおよび211Pbを含むがそれらに限定されない。治療的放射性核種は、好ましくは、20〜6000keVの範囲、好ましくはオージェエミッターについて60〜200keVの範囲、βエミッターについて100〜2500keVおよびαエミッターについて4000〜6000keVの範囲の壊変エネルギーを有する。有用なβ粒子放出核種(beta-particle-emitting nuclides)の最大壊変エネルギーは、好ましくは20〜5,000keV、更に好ましくは100〜4,000keVおよび500〜2,500keVである。オージェ放出粒子(auger-emitting particles)により実質的に壊変する放射性核種も好ましい。例えば、Co−58、Ga−67、Br−80m、Tc−99m、Rh−103m、Pt−109、In−111、Sb−119、I−125、Ho−161、Os−189mおよびIr−192。有用なβ粒子放出核種の壊変エネルギーは、好ましくは<1,000keV、更に好ましくは<100keV、最も好ましくは<70keVである。α粒子の発生を伴って実質的に壊変する放射性核種も好ましい。このような放射性核種は、Dy−152、At−211、Bi−212、Ra−223、Rn−219、Po−215、Bi−211、Ac−225、Fr−221、At−217、Bi−213およびFm−255を含むが、それらに限定されない。有用なα粒子放出放射性核種(alpha-particle-emitting radionuclides)の壊変エネルギーは、好ましくは2,000〜10,000keV、更に好ましくは3,000〜8,000keV、最も好ましくは4,000〜7,000keVである。
【0115】
例えば、その61.5時間半減期およびβ粒子およびγ線の豊富な供給による放射免疫治療のためのより有望な放射性同位元素の1つと考えられる67Cuは、キレート化剤、p−ブロモアセトアミド−ベンジル−テトラエチルアミンテトラ酢酸(TETA)を使用してタンパク質またはペプチドにコンジュゲーションさせることができる。または、強力なβ粒子を放出する90Yは、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を使用してペプチド、抗体、融合タンパク質またはそのフラグメントにカップリングさせることができる。
【0116】
追加の潜在力のある放射性同位元素は、11C、13N、15O、75Br、198Au、224Ac、126I、133I、77Br、113mIn、95Ru、97Ru、103Ru、105Ru、107Hg、203Hg、121mTe、122mTe、125mTe、165Tm、167Tm、168Tm、197Pt、109Pd、105Rh、142Pr、143Pr、161Tb、166Ho、199Au、57Co、58Co、51Cr、59Fe、75Se、201Tl、225Ac、76Br、169Yb等を含む。
【0117】
他の態様では、放射線増感剤を使用することができる。放射性増感剤の添加は、増強された効果をもたらすことができる。放射線増感剤は、D.M.Goldenberg(ed),CANCER THERAPY WITH RADIOLABELED ANTIBODIES, CRC Press(1995)に記載されており、これはそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
熱中性子活性化治療のためのホウ素アデンドを加えられた担体(boron addend-loaded carrier)を有するペプチド、抗体、抗体フラグメントまたは融合タンパク質は、通常同様な方法で達成されるであろう。しかしながら、中性子照射が行われる前にターゲティングされていないイムノコンジュゲートが除去される(clear)まで待つことは有利である。クリアランスは、リガンドに結合する抗体を使用して加速させることができる。この一般的原理の説明についてはU.S.Pat.No.4,624,846参照。例えば、カルボランなどのホウ素アデンド(boron addends)を抗体に結合させることができる。カルボランは、当技術分野で周知のとおり、ペンダント側鎖上にカルボキシル官能基を持って調製されうる。アミノデキストランなどの担体へのカルボランの結合は、カルボランのカルボキシル基の活性化および担体上のアミンとの縮合により達成することができる。次いで、この中間コンジュゲートを抗体にコンジュゲーションさせる。コンジュゲートの投与の後に、ホウ素アデンドは、熱中性子照射により活性化され、そしてα放出により壊変して高度に毒性の近距離効果を生じる放射性原子に転換される。
【0119】
キット
種々の態様は、患者の疾患のある組織を処置または診断するのに適当な化合物を含有するキットに関することができる。例示的キットは少なくとも1種の安定に拘束された構造体を含有することができる。投与用の成分を含有する組成物が、例えば経口送達などの消化管を経由する送達用に処方されていないならば、ある他の経路を経由してキット成分を送達することができる装置を含ませることができる。非経口送達などの用途のための1つのタイプの装置は、被験体の身体に組成物を注射するために使用される注射器である。吸入装置も使用することができる。
【0120】
キット成分は、一緒に包装するかまたは2つ以上の容器に分離することができる。ある態様では、容器は、再構成のために適当な組成の無菌の凍結乾燥された処方物を含有するバイアルであることができる。キットは、再構成および/または他の試薬の希釈のために適当な1種以上のバッファーを含有することもできる。使用されうる他の容器は、パウチ、トレー、ボックス、チューブ等を含むが、それらに限定されない。キット成分は、包装されそして容器内に無菌で維持されることができる。含ませることができる他の構成部品は、その使用のためのキットを使用する人へのインストラクションである。
【0121】
実施例
下記の実施例は、特許請求の範囲に請求された本発明を説明するために提供されるが 限定するために与えられるのではない。
【0122】
実施例1. Fd鎖のC末端またはN末端に結合されたDDD1配列を有するFabをベースとするサブユニットを産生するための一般的ストラテジー
Fd鎖のC末端またはN末端に結合されたDDD1配列(配列番号1)を有するFabをベースとするサブユニットは、融合タンパク質として産生される。プラスミドベクターpdHL2を使用して多数の抗体および抗体をベースとする構築物が産生された。Gillies et al., J Immunol Methods(1989), 125:191-202; Losman et al., Cancer(Phila)(1997),80:2660-6参照。このジシストロン哺乳動物発現ベクターは、IgGの重鎖および軽鎖の合成を指向する。ベクター配列は、多くの異なるIgG−pdHL2構築物について殆ど同じであり、唯一の差は可変ドメイン(VHおよびVL)配列に存在する。当業者に知られている分子生物学的ツール使用して、これらのIgG−pdHL2発現ベクターは、重鎖のヒンジ、CH2およびCH3ドメインのためのコード配列を、ヒンジの最初の4残基、14残基Gly−SerリンカーおよびヒトRIIαの最初の44残基をコードする配列で置換することにより、Fd−DDD1−pdHL2またはFd−DDD2−pdHL2発現ベクターに転換されうる。シャトルベクターCH1−DDD1−pGemTは、下記するとおり、IgG−pdHL2ベクター(図2a)のFd−DDD1−pdHL2ベクター(図2b)への転換を促進するようにデザインされた。
【0123】
シャトルベクターCH1−DDD1−pGemTの発生
CH1の調製
CH1ドメインを、テンプレートとしてpdHL2プラスミドベクターを使用するPCRにより増幅した。左PCRプライマーは、CH1ドメインの上流(5’)およびCH1コード配列の5’であるSacII制限エンドヌクレアーゼ部位からなる。右プライマーは、ヒンジの最初の4残基(PKSC)をコードする配列、続いてBamHI制限部位を含む最後の2つのコドン(GS)を有するGGGGSからなる。
【表2】
【0124】
410bpPCRアンプリマー(amplimer)を、pGemT PCRクローニングベクター(Promega,Inc.)にクローニングしそしてクローンをT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。
【0125】
(G4S)2DDD1の構築
(G4S)2DDD1と命名された二重鎖オリゴヌクレオチドは、Sigma Genosys(Haverhill, UK)により合成されて、最初の2つのコドンがBamHI制限部位を含むリンカーペプチドの11残基により先行されたDDD1のアミノ酸配列(配列番号1)をコードする。停止コドンおよびEagI制限部位は3’端部に結合。コードされたポリペプチド配列は下記に示される。
【表3】
【0126】
それらの3’端部で30塩基対オーバーラップする、RIIA1−44 topおよびRIIA1−44 bottomと命名された2つのオリゴヌクレオチドを合成し(Sigma Genosys)そして174bpDDD1配列の中心154bp塩基対を含むように組み合わせた。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてTaqポリメラーゼによるプライマー延長反応に供した。
【表4】
【0127】
プライマー延長に続いて、二重鎖を、下記のプライマー
【表5】
を使用するPCRにより増幅した。
【0128】
このアンプリマーを、pGemTにクローニングしそしてT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。
【0129】
DDD1をCH1とライゲーションすること
DDD1配列をコードする190bpフラグメントをBamHIおよびNotI制限酵素によりpGemTから切り出し、次いでCH1−pGemTにおける同じ部位にライゲーションしてシャトルベクターCH1−DDD1−pGemTを発生させた。
【0130】
pdHL2をベースとするベクターにCH1−DDD1をクローニングすること
CH1−DDD1をコードする配列を下記のとおりpdHL2ベクターにおける任意のIgG構築物に組み込むことができる。pdHL2からSacII/EagI制限フラグメント(CH1−CH3)を除去しそしてそれを、それぞれのpGemTシャトルベクターから切り出されるCH1−DDD1のSacII/EagIフラグメントで置換することにより、全体の重鎖定常ドメインをCH1−DDD1で置換する。
【0131】
DDD1の位置はCH1のカルボキシル末端に制限されずそして実施例2に示されたように、VHドメインのアミノ末端に配置されうることが留意される。
【0132】
実施例2. Fd鎖のC末端またはN末端に融合したDDD1配列を介して安定に連結された2つの同じFabサブユニットからなるa2構築物を発生させるための方法
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2は、柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN−14FabにDDD1配列が連結されている融合タンパク質の2つのコピーを含むa2構築物を産生するための発現ベクターである(図3)。hMN−14IgGを産生するのに使用されたプラスミドベクターhMN14(I)−pdHL2は、SacIIおよびEagI制限エンドヌクレアーゼにより消化してCH1−CH3ドメインを除去し、そしてSacIIおよびEagIによりCH1−DDD1−SV3シャトルベクターから切り出されたCH1−DDD1フラグメントを挿入することにより、C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2に転換された。
【0133】
N−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2
N−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2は、柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端においてhMN−14FabにDDD1配列が連結されている融合タンパク質の2つのコピーを含むa2構築物を産生するための発現ベクターである(図4)。
【0134】
この発現ベクターは下記のとおり工学的に作成された。DDD1ドメインを、下記に示された2つのプライマーを使用するPCRにより増幅した。
【表6】
【0135】
PCRの結果として、NcoI制限部位および、BamHI制限を含有するリンカー(G4S)2の一部のためのコード配列が、それぞれ5’及び’3端部に結合された。170bpPCRアンプリマーをpGemTベクターにクローニングしそしてクローンをT7(5’)配向におけるインサートについてスクリーニングした。194bpインサートを、NcoIおよびSalI制限酵素によりpGemTベクターから切り出し、そしてこれらの同じ酵素による消化により調製されたSV3シャトルベクターにクローニングして、中間ベクターDDD1−SV3を発生させた。
【0136】
下記に示されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCRにより、hMN−14Fd配列を増幅した。
【表7】
【0137】
PCRの結果として、BamHI制限部位およびリンカー(G4S)の一部のためのコード配列がアンプリマーの5’端部に結合された。停止コドンおよびEagI制限部位は、3’端部に結合された。1043bpアンプリマーをpGemTにクローニングした。hMN−14Fdインサートを、BamHIおよびEagI制限酵素によりpGemTから切り出し、次いでこれらの同じ酵素による消化により調製されたDDD1−SV3ベクターとライゲーションして、構築物N−DDD1−Fd−hMN−14−SV3を発生させた。
【0138】
N−DDD1−hMN−14Fd配列をXholおよびEagI制限酵素により切り出し、そして1.28kbインサートフラグメントを、これらの同じ酵素によるC−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2の消化により調製されたベクターフラグメントとライゲーションした。最終発現ベクターは、N−DDD1−Fd−hMN−14−pDHL2である。
【0139】
N−DDD1−Fab−hMN−14およびC−DDD1−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
C−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2およびN−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、Sp2/0由来のミエローマ細胞にエレクトロポレーションによりトランスフェクションした。C−DDD1−hMN−14−pdHL2は、hMN−14κ軽鎖およびhMN−14Fd−DDD1の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、hMN−14κ軽鎖およびhMN−14Fd−DDD1は組み合わさってC−DDD1−hMN−14Fabを形成する。N−DDD1−hMN−14−pdHL2は、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD1−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD1−Fd−hMN−14は組み合わさってN−DDD1−Fab−hMN−14を形成する。各融合タンパク質は、DDD1ドメインの相互作用を介して安定なホモダイマーを形成する。
【0140】
エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。クローンを、WI2(hMN−14に対するラット抗idモノクローナル抗体)でコーティングされたマイクロタイタープレートおよびHRPをコンジュゲーションされたヤギ抗ヒトFabによる検出を使用するELISAにより、タンパク質発現についてスクリーニングした。最も高い生産性C−DDD1−Fab−hMN14およびN−DDD1−Fab−hMN14クローンの最初の生産性は、それぞれ60mg/Lおよび6mg/Lであった。
【0141】
両方の融合タンパク質を、アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。AD1−Cは、DDD1含有a2構築物に対して特異的に結合するペプチドである。AD1−Cのアミノ酸配列(配列番号3)は図5に示される。AD1−Cを、スルフヒドリル基の無水クロロ酢酸との反応のあとAffigelにカップリングさせた。培養上清をAD1−Cアフィゲルカラムにローディングする前に限外ろ過により約10倍濃縮した。カラムをPBSでベースラインに至るまで洗浄しそして、C−DDD1−Fab−hMN−14を0.1Mグリシン、pH2.5で溶出した。1段階アフィニティー精製により、回転びん培養物1.2リットルから約81mgのC−DDD1−Fab−hMN−14を得た。溶出液のSE−HPLC分析(図6)は、107kDaタンパク質と合致した保持時間(8.7分)を有する単一タンパク質ピークを示す。純度は、還元SDS−PAGE(図7)によっても確められ、還元SDS−PAGE(図7)はC−DDD1−Fab−hMN−14の2つのポリペプチド成分について予想された分子サイズの2つのみのバンドを示す。
【0142】
C−DDD1−Fab−hMN−14について上記したとおりにN−DDD1−Fab−hMN−14を精製し、回転びん培養物1.2リットルから10mgを得た。溶出液のSE−HPLC分析(図8)は、C−DDD1−Fab−hMN−14と同様な且つ107kDaタンパク質と合致した保持時間(8.77分)を有する単一タンパク質ピークを示す。還元SDS−PAGEは、N−DDD1−Fab−hMN−14のポリペプチド成分に帰属される2つのみのバンドを示す。
【0143】
C−DDD1−Fab−hMN−14の結合活性を、試験物品が種々の量のWI2と混合されているサンプルのSE−HPLC分析により決定した。WI2 FabおよびC−DDD1−Fab−hMN−14を0.75:1のモル比で混合することにより調製されたサンプルは、3つのピークを示し、これらは、結合していないC−DDD1−Fab−hMN14(8.71分)、1つのWI2 Fabに結合したC−DDD1−Fab−hMN−14(7.95分)および2つのWI2 Fabに結合したC−DDD1−Fab−hMN14(7.37分)に帰属された。WI2 FabおよびC−DDD1−Fab−hMN−14を4のモル比で含有するサンプルを分析したとき、7.36分における単一のピークのみが観察された。これらの結果(図9)は、C−DDD1−Fab−hMN−14はダイマーでありそして2つの活性な結合部位を有することを証明する。この実験をN−DDD1−Fab−hMN−14で繰り返したとき、非常に類似した結果(図10)が得られた。
【0144】
競合ELISA(図11および図12)は、C−DDD1−Fab−hMN−14およびN−DDD1−Fab−hMN−14はhMN−14 IgGに類似した且つ一価hMN−14Fabよりも有意に強いアビディティーで、CEAに結合することを証明した。ELISAプレートを、hMN−14が特異的に結合するCEAのエピトープ(A3B3)を含有する融合タンパク質でコーティングした。C−DDD1−Fab−hMN−14は、図13および図14に示されたとおり、免疫反応性の認められうる損失なしに、少なくとも24時間、プールされたヒト血清において安定である。C−DDD1−Fab−hMN−14をヒト結腸直腸癌異種移植片(LS174T)を有するマウスにおいて評価しそして結果(図15及び図16)は、CEAへの結合についてやはり二価であるhBS14−1について得られた結果と同様であった。
【0145】
実施例3.各々が、それぞれ、軽鎖のN末端およびFd鎖のC末端に連結されたランピルナーゼ(Rap)およびDDD1配列を含有する、2つの同じFab融合タンパク質からなるa2構築物を発生させるための方法
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2の構築
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2は、各々が、それぞれ、軽鎖のN末端およびFd鎖のC末端に連結されたランピルナーゼ(Rap)およびDDD1配列を含有する、2つの同じFab融合タンパク質を含むa2構築物を産生するための発現ベクターである。hPAM4は、MUC−1に対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。各々hPAM4の軽鎖のN末端に融合したRapの2つの分子からなる2L−Rap(N69Q)−hPAM4と呼ばれる免疫毒素を産生するために使用されたプラスミドベクターRap−hPAM4−γ1−pdHL2を、SacIIおよびNgoM4で消化して、CH1−CH3ドメインをコードするフラグメントを除去し、次いでSacIIおよびNgoM4でプラスミドベクターC−DDD1−Fd−hMN−14−pdHL2から切り出されたCH1−DDD1をライゲーションして、Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2を発生させた。
【0146】
Rap−hPAM4−Fab−DDD1の産生、精製および特徴付け
Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。Rap−hPAM4−Fd−DDD1−pdHL2は、Rap融合したhPAM4軽鎖およびhPAM4−Fd−DDD1の両方の合成および分泌を指向するジシストロン発現ベクターであり、Rap融合したhPAM4軽鎖およびhPAM4Fd−DDD1は組み合わさってRap−Fab融合タンパク質を形成する。各融合タンパク質は、DDD1ドメインの相互作用を介して、Rap−hPAM4−Fab−DDD1と呼ばれる安定なホモダイマーを形成する。
【0147】
エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。クローンを、WS(hPAM4に対するラット抗idモノクローナル抗体)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用しそしてML98−1(Rapに対するマウスモノクローナル抗体)でプローブされそしてHRPをコンジュゲーションされたヤギ抗マウスFcを使用するELISAにより、タンパク質発現についてスクリーニングした。
【0148】
Rap−hPAM4−Fab−DDD1を、AD1−Cアフィゲルカラムを使用して上記したとおりに精製した。選ばれたクローンの最初の生産性は、約0.5mg/リットルであった。アフィニティー精製されたRap−hPAM4−Fab−DDD1のSE−HPLC分析(図17)は、〜130kDaの予想された分子質量と合致した保持時間(8.15分)を有する単一のタンパク質ピークを示す。WSに対するRap−hPAM4−Fab−DDD1の結合アフィニティーは、hPAM4IgGの結合アフィニティーに類似していることが示された(図18)。
【0149】
実施例4. 各々がペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端に連結されているDDD2配列を含有する、4つの同じFab融合タンパク質からなるa4構築物を発生させるための方法
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2の構築
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のN末端においてhMN−14Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価N−DDD2−Fab−hMN−14と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0150】
この発現ベクターは下記のとおりに工学的に製造された。DDD2の残基1〜13を含む2つのオーバーラップする相補性オリゴヌクレオチド(DDD2TopおよびDDD2Bottom)を合成により作成した。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてT4ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)によりリン酸化して、それぞれ、制限エンドヌクレアーゼNcoIおよびPstIで消化されたDNAとのライゲーションのために適合性である5’および3’端部にオーバーハングをもたらした。
【表8】
【0151】
二重鎖DNAを、NcoIおよびPstIによる消化により調製されたベクターフラグメント、DDD1−hMN14Fd−SV3とライゲーションさせて、中間構築物DDD2hMN14Fd−SV3を発生させた。DDD2−hMN14Fdのためのコード配列を含有する1.28kbインサートフラグメントを、XhoIおよびEagI制限エンドヌクレアーゼにより中間構築物から切り出し、そしてこれらの同じ酵素による消化により調製されたhMN−14−pdHL2ベクターDNAとライゲーションした。最終発現ベクターは、N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2である。
【0152】
四価N−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
N−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりSp/EEEミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロンベクターは、hMN−14κ軽鎖およびN−DDD2−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってFabをベースとするサブユニットN−DDD2−Fab−hMN−14を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートし、そしてトランスフェクタントクローンを0.05μM(MTX)で選択した。
【0153】
クローンをWI2(hMN−14抗Id)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてやぎ抗ヒトFab−HRPで検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期生産性を有していた。総計16mgのN−DDD2−Fab−hMN−14を、回転びん培養物1.8リットルからタンパク質Lアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。培養上清を、タンパク質Lカラムにローディングする前に限外ろ過により約10倍濃縮した。カラムをPBSでベースラインに至るまで洗浄し、そしてN−DDD2−Fab−hMN14を、1mM EDTA、0.1M NaAc、pH2.5で溶出し、そして直ちにトリスHClで中和した。SE−HPLC分析(図19)は、4つのタンパク質ピークを示し、その2つは後にテトラマーa4(7.94分)およびダイマーa2(8.88分)形態のN−DDD2−Fab−hMN−14に帰属され、そして残りの2つはκ鎖のダイマーおよびモノマーであった。混合物中のテトラマーa4形態の大部分は、TCEPなどのチオール還元剤を加えるとダイマーa2形態に転換され(図20)、これは、テトラマーa4形態が、明らかに、DDD2中に存在するシステイン間に形成された分子間ジスルフィド橋かけにより連結された2つのダイマーa2構造体からなることを示唆する。全体のN−DDD2−Fab−hMN−14の約15%が、高いTCEP濃度および長い反応時間によってすら、還元の後a4形態で残っており、これは、ジスルフィド橋かけに加えて、ドメインスワッピングなどの他の機構がa4形態の形成に寄与しているかも知れないことを示唆していることに留意される。四価N−DDD2−Fab−hMN−14を、Superdex−200カラムを使用するゲルろ過クロマトグラフィーにより他の分子形態から分離した。
【0154】
実施例5.各々が、ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端に連結されたDDD2配列を含有する、4つの同じFab融合タンパク質からなるa4構築物を発生させるための方法
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN−14Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hMN−14と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0155】
この発現ベクターは下記のとおりに工学的に製造された。リンカーペプチドの一部(GGGGSGGGCG)およびDDD2の残基1〜13のためのコード配列を含む、2つのオーバーラップする相補性オリゴヌクレオチド(DDD2TopおよびDDD2Bottom)を合成により作成した。オリゴヌクレオチドをアニーリングしそしてT4PNKによりリン酸化して、それぞれ、制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびPstIで消化されたDNAとのライゲーションのために適合性である5’および3’端部にオーバーハングをもたらした。
【表9】
【0156】
二重鎖DNAを、BamHIおよびPstIによる消化により調製されたシャトルベクター、CH1−DDD1−pGemTとライゲーションさせて、シャトルベクターCH1−DDD2−pGemTを発生させた。507bpフラグメントを、SacIIおよびEagIによりCH1−DDD2−pGemTから切り出し、そしてSacIIおよびEagによる消化により調製されたIgG発現ベクターhMN−14(I)−pdHL2とライゲーションさせた。最終発現構築物は、C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2である。
【0157】
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhA20−Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hA20と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。
【0158】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhA20−IgG−pdHL2をSacIIおよびNdeIにより消化して7578bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNdelIで消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、7578bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hA20−phHL2を発生させた。
【0159】
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhMN3−Fabに結合されている融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hMN−3と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。hMN−3は、CEA(CEACAM5)またはNCA−90(CEACAM6)のNドメインに対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。
【0160】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhMN−3−IgG−pdHL2をSacIIおよびNgoM4により消化して8118bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNgoM4で消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、8118bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hMN−3−phHL2を発生させた。
【0161】
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2の構築
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2は、DDD2配列が柔軟性ペプチドスペーサーを介してFd鎖のC末端においてhLL2−Fabに結合している融合タンパク質の4つのコピーを含む、以後四価C−DDD2−Fab−hLL2と呼ばれるa4構築物を産生するための発現ベクターである。hLL2は、CD22に対して特異的なヒト化モノクローナル抗体である。
【0162】
この発現ベクターは、下記のとおり3段階で工学的に作成された。最初に、発現ベクターhLL2−IgG−pdHL2をSacIIおよびNdeIにより消化して7578bpフラグメントを生じさせた。次いで、発現ベクターC−DDD2−hMN−14−Fd−pdHL2をSacIIおよびNdeIで消化しそしてCH1−DDD2をコードする509bpフラグメントを単離した。第3に、7578bpフラグメントを509bpフラグメントとライゲーションして、C−DDD2−Fd−hLL2−phHL2を発生させた。
【0163】
四価N−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
C−DDD2−Fd−hMN−14−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりSp/EEEミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hMN−14κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hMN−14の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hMN14を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートし、そしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。
【0164】
クローンをWI2(hMN−14抗Id)でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてやぎ抗ヒトFab−HRPで検出を達成した。最も高い生産性クローンは、約100mg/Lの初期生産性を有していたが、これはN−DDD2−Fab−hMN−14の生産性より10倍高かった。総計200mgのC−DDD2−Fab−hMN−14を、N−DDD2−Fab−hMN−14について上記したとおり回転びん培養物1.8リットルからプロテインLアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。プロテインLで精製したC−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルは、N−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルに類似しており、4つのタンパク質ピークを示した。4つのタンパク質ピークの2つは、C−DDD2−Fab−hMN−14のテトラマーa4(8.40分)およびダイマーa2(9.26分)形態に帰属され、そして残りの2つはκ鎖のダイマーおよびモノマーを表す。四価C−DDD2−Fab−hMN−14を、Superdex−200カラムを使用するゲルろ過クロマトグラフィーにより他の分子形態から分離した。N−DDD2−Fab−hMN−14と同様に、TCEPの添加は、図21に示されたとおりa4形態の大部分をa2形態に転換する。タンデムカラムシステムでの四価C−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLCプロフィルは、図22に示されており、19.57分の保持時間を有する単一ピークとして現れる。四価C−DDD2−Fab−hMN−14の4つのWI2フラグメントに結合する能力は図23に示される。
【0165】
四価C−DDD2−Fab−hA20の産生、精製および特徴付け
C−DDD2−Fd−hA20−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hA20κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hA20の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hA20を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレートにおいてプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)で選択した。
【0166】
クローンを、WR2(hA20−に対するラット抗id)でコーティングされたマイクロタイタープレート使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期の生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hA20を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。四価C−DDD2−Fab−hA20のSE−HPLCプロフィルは図24に示される。四価C−DDD2−Fab−hA20は、抗IgMの不存在下においてすらDaudiおよびRamosに対する強力な抗増殖活性を示した(図25)。対照的に、二価hA20IgGまたはF(ab’)2は、抗IgMの不存在下または存在下に同じ条件下にDaudiまたはRamosの成長を阻害することに不活性であった。抗IgMの存在下にhA20IgGまたはF(ab’)2の観察された抗増殖活性は明らかに抗IgMのそれによるものであった。
【0167】
四価C−DDD2−Fab−hMN−3の産生および精製
C−DDD2−Fd−hMN−3−pdHL2ベクターを、エレクトロポレーションによりNS0ミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hMN−3κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hMN−3の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hMN−3を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレート中にプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)により選択した。
【0168】
クローンを、CEACAM5でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約10mg/Lの初期の生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hMN−3を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。
【0169】
四価C−DDD2−Fab−hLL2の産生および精製
C−DDD2−Fd−hLL2−pdHL2ベクターをエレクトロポレーションによりSp2/0由来のミエローマ細胞にトランスフェクションした。このジシストロン発現ベクターは、hLL2κ軽鎖およびC−DDD2−Fd−hLL2の両方の合成および分泌を指向し、これらは組み合わさってC−DDD2−Fab−hLL2を形成する。エレクトロポレーションの後、細胞を96ウエル組織培養プレート中にプレートしそしてトランスフェクタントクローンを0.05μMメトトレキセート(MTX)により選択した。
【0170】
クローンを、WN(hLL2に対するラット抗id)でコーティングされたマイクロタイタープレート使用するELISAによりタンパク質発現についてスクリーニングし、そしてヤギ抗ヒトFab−HRPにより検出を達成した。最も高い生産性のクローンは、約15mg/Lの初期生産性を有していた。四価C−DDD2−Fab−hLL2を、プロテインLアフィニティークロマトグラフィー、続くSuperdex200ゲルろ過により、回転びん中に産生された細胞培養上清から精製した。
【0171】
実施例6.2つの異なるa4およびa’4構築物からa2a’2構築物を発生させるための方法
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hA20の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hMN−3および四価C−DDD2−Fab−hA20を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hA20の形成を、図26に示されたとおり、CEACAM5でコーティングされたプレートを使用しそしてWR2でプローブされるELISAにより証明した。
【0172】
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hMN−14の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hMN−3および四価C−DDD2−Fab−hMN−14を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hMN−3×C−DDD2−Fab−hMN−14の形成を、図27に示されたとおり、BXPC3細胞を使用するフローサイトメトリーにより証明した。
【0173】
二重特異的四価C−DDD2−Fab−hA20−×C−DDD2−Fab−hLL2の産生、精製および特徴付け
実施例5から得られた四価C−DDD2−Fab−hA20および四価C−DDD2−Fab−hLL2を組みあわせそして、そして室温で1時間1mMグルタチオンで還元し、次いで酸化されたグルタチオンを2mMの最終濃度となるように加えた。テトラマー画分をSuperdex−200カラムでのゲルろ過により他の分子形態から精製した。二重特異的四価C−DDD2−Fab−hA20×C−DDD2−Fab−hLL2の形成を、WN(hLL2に対するラット抗id)でコーティングされるプレートを使用しそしてWR2(hA20に対するラット抗id)でプローブされるELISAにより証明した。
【0174】
【表10】
【0175】
【表11】
【0176】
【表12】
【0177】
【表13】
【0178】
【表14】
【0179】
【表15】
【0180】
【表16】
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】2つの例示的DDD配列を示す。DDD1(配列番号1)の下線を引いた配列は、ヒトPKAのRIIαにおいて見出された最初の44アミノ末端残基に対応する。DDD2(配列番号2)は、N末端の二つのアミノ酸残基においてDDD1とは異なる。
【図2】IgG(上部パネル)およびC−DDD1−Fab(下部パネル)のためのpdHL2をベースとする発現ベクターの略図を示す。
【図3】C−DDD1−Fab−hMN−14およびDDD1媒介二量体化により形成された推定a2構造の略図である。
【図4】N−DDD1−Fab−hMN−14およびDDD1媒介二量体化により形成された推定a2構造の略図である。
【図5】AD1−C(配列番号3)のペプチド配列を示す。
【図6】アフィニティー精製されたC−DDD1−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。
【図7】アフィニティー精製されたC−DDD1−Fab−hMN−14のSDS−HPLC分析を示す。
【図8】アフィニティー精製されたN−DDD1−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。
【図9】C−DDD1−Fab−hMN−14が二つの活性な結合部位を含有することを示す。
【図10】N−DDD1−Fab−hMN−14が二つの活性な結合部位を含有することを示す。
【図11】C−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーが二価hMN−14IgGまたはF(ab’)2に少なくとも同等でありそして一価Fabより約5倍高いことを示す。
【図12】N−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーが二価hMN−14IgGに同等でありそしてC−DDD1−Fab−hMN−14の結合アフィニティーがhMN−14IgGより高いことを示す。
【図13】C−DDD1−Fab−hMN−14は、プールされたヒト血清において安定であり、96時間にわたり分子統合性の見かけの変化を伴わないことを示す。
【図14】C−DDD1−Fab−hMN−14は、プールされたヒト血清中で安定であり、28時間にわたり免疫反応性が変化しないことを示す。
【図15】C−DDD1−Fab−hMN−14の腫瘍取り込みを、ヒト結腸直腸癌異種移植片を有するマウスにおけるhBS14−1の腫瘍取り込みと比較する。
【図16】ヒト結腸直腸癌異種移植片を有するマウスにおけるhBS14−1の正常な器官取り込みと、C−DDD1−Fab−hMN−14の正常な器官取り込みを比較する。
【図17】アフィニティー精製されたRap−hPAM4−Fab−DDD1のSE−HPLC分析を示す。
【図18】Rap−hPAM4−Fab−DDD1の結合アフィニティーはhPAM4IgGの結合アフィニティーと同等であることを示す。
【図19】CBindL(プロテインLセルロース)で精製されたN−DDD2−Fab−hMN−14におけるa4形態の優勢な存在を示す。SE−HPLCトレースは、a2形態の存在およびモノマーおよびダイマー形態の両方における遊離軽鎖も示す。
【図20】5mMTCEPで還元すると精製されたN−DDD2−Fab−hMN−14中に存在するa4形態のa2形態への解離を示し、これはダイマー軽鎖をモノマー軽鎖にも転換する。
【図21】還元されるとa4中のC−DDD2−Fab−hMN−14のa2形態への転換の略図を示す。
【図22】Superdex−2000ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製後の四価C−DDD2−Fab−hMN−14のSE−HPLC分析を示す。二つのカラム(Biosil SEC250)は、解像力を増化させるためにタンデムに連結される。四価C−DDD2−Fab−hMN−14は、19.58分の保持時間を有する単一ピーク(A4として示された)として現れる。
【図23】四価C−DDD2−Fab−hMN−14は、4つの機能的CEA結合Fabフラグメントからなることを示す。SE−HPLCの条件は、図22の場合と同じであった。(a)WI2Fab’を1:1のモル比で四価C−DDD2−Fab−hMN−14と混合すると、四価C−DDD2−Fab−hMN−14の、1つのWI2Fab’フラグメントへの結合(18.32分で、1として示された)、2つのWI2Fab’フラグメントへの結合(17.45分で、2として示された)または3つのWI2Fab’フラグメントへの結合(16.92分で、3として示された)ならびに結合していない形態のC−DDD2−Fab−hMN−14を表す4つのタンパク質が観察された。(b)WI2Fab’を5:1のモル比で四価C−DDD2−Fab−hMN−14と混合すると、4つのWI2Fabフラグメントに結合した四価C−DDD2−Fab−hMN−14からなる複合体のみが16.24分で観察された(4として示された)。過剰のWI2Fab’(Wとして示された)が24.17分のピークで検出された。
【図24】Superdex−200ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製後の四価C−DDD2−Fab−hA20のSE−HPLC分析を示す。
【図25】四価C−DDD2−Fab−hA20(hA20A4と略記された)による細胞成長阻害を示す。Daudi(1−1)細胞(上部パネル)またはRamos細胞(下部パネル)を、抗IgM(0.1ug/mL)の不存在下または存在下に、10nMのhA20、hA20F(ab’)2またはhA20A4を含有する完全培地中で100,000細胞/mLの最終濃度で二重に(in duplicate)48ウエルプレート中に再懸濁させた。細胞を3日間インキュベーションしそしてMTTアッセイを行って生存可能な細胞集団を決定した。hA20A4のみが、抗IgMの不存在下に有意な成長阻害(40〜50%)を引き起こした。
【図26】ELISAにより二重特異的四価hMN−3xhA20の存在を示す。
【図27】フローサイトメトリーによる二重特異的四価hMN−3xhMN−14の存在を示す。高いレベルのCEACAM6を発現するがバックグラウンドレベルのCEACAM5しか発現しないBXPC3細胞を、蛍光タグで標識されたhMN−14に対するラット抗イディオタイプmAbであるAlexa−532−WI2の存在下にサンプル(10ug/mL)の各々と室温で1時間インキュベーションし、そしてGuavaPCAを使用してフローサイトメトリーにより解析した。二重特異的hMN−3xhMN−14を含有するサンプルのヒストグラムのみがポジティブに染色されたBXPC3細胞を示した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホモダイマーを含む組成物であって、該ホモダイマーの各モノマーが前駆体に結合した二量体化およびドッキングドメイン(DDD)を含む、組成物。
【請求項2】
前記DDDが配列番号1(DDD1)または配列番号2(DDD2)の配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記モノマーが前記前駆体および前記DDDを含む融合タンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記前駆体が前記DDDに化学的に連結されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記前駆体と前記DDDとの間にリンカーペプチドを更に含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記前駆体が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模擬体、ポリヌクレオチド、RNAi、オリゴ糖、アビマー、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、天然もしくは合成ポリマー物質、ナノ粒子、量子ドット、有機化合物または無機化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記前駆体が抗体のFdフラグメントである、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体の軽鎖を更に含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記軽鎖が前記Fdフラグメントに結合してFabフラグメントを形成する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記抗体またはそのフラグメントが、ヒト化抗体、ヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記Fabフラグメントが、hMN−14、L19、hA20、hLL2、L243、hCC49、7E3、hLL1、hPAM4、hRS7、rH1、L49、抗CD14、抗CD111、Humira(登録商標)、REMICADE(登録商標)、Xolair(登録商標)、Synagis(登録商標)およびhMN−15、のFabフラグメントからなる群より選ばれる、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記前駆体が、バクテリア毒素、植物毒素、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリン毒素(diphtherin toxin)、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ランピルナーゼ(Rap)、Rap(N69Q)、PE38、dgA、DT390、PLC、tPA、サイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、界面活性剤タンパク質D、IL−4、sIL−4R、sIL−13R、VEGF121、TPO、EPO、クロット溶解剤、酵素、蛍光タンパク質、sTNFα−R、アビマー、scFv、dsFvおよびナノボディからなる群より選ばれるタンパク質を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項13】
前記前駆体が、免疫グロブリン軽鎖(VL−CL)または免疫グロブリンFcドメイン(CH2−CH3)に融合したポリペプチドを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
前記CLをCH1に連結する前記CLのカルボキシル末端のシステインが欠失しているかまたは非システインに突然変異している、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記免疫グロブリン軽鎖または前記Fcドメインが、ヒト抗体またはヒト化抗体から選ばれる、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記DDD配列が、cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)の調節サブユニットに由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対する特異的抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、Le−Y、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物、に対する少なくとも1つの結合部位を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項18】
共有結合連結または非共有結合連結により前記ホモダイマーにコンジュゲーションされた1つ以上のエフェクターまたは担体を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記エフェクターが、診断剤、治療剤、化学療法剤、放射性同位元素、画像化剤、抗血管新生剤、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、薬物、プロドラッグ、酵素、結合分子、細胞表面レセプターのためのリガンド、キレーター、イムノモデュレーター、オリゴヌクレオチド、ホルモン、光検出可能な標識、染料、ペプチド、毒素、コントラスト剤、常磁性標識、超音波標識、プロアポトーシス剤、リポソーム、ナノ粒子またはその組み合わせである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記抗血管新生剤が、アンギオスタチン、バキュロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体もしくはペプチド、抗胎盤成長因子抗体もしくはペプチド、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体もしくはペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kブロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記治療剤が、アブリン、アマンタジン、アモキシシリン、アムホテリシンB、アンピシリン、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、アズトレオナム、アジスロマイシン、バシトラシン、バクトリム、バトラフェン(登録商標)、ビフォナゾール、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カリケアマイシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルベニシリン、カスポフンギン、カルムスチン、セファクロル、セファゾリン、セファロスポリン、セフェピム、セフトリアクソン、セフォタキシム、セレブレックス、クロラムブシル、クロラムフェニコール、シプロ(登録商標)、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ジフテリア毒素、DNアーゼI、ドクソルビシン、2−ピロリノドクソルビシン(2P−DOX)、ドキシサイクリン、シアノモルホリノドクソルビシン、ドクソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エストロゲンレセプター結合剤、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、エリスロサイクリン、エリスロマイシン、フラギル、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、ゲロニン、ゲムシタビン、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド、イソニアジド、イトラコナゾ−ル、カナマイシン、ケトコナゾール、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、メドロプロゲステロンアセタート、メゲストロールアセタート、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、ミノサイクリン、ナフチフィン、ナリジクス酸、ネオマイシン、ナベルビン、ニトロソウレア、ナイスタチン、オンコナーゼ、オキサシリン、パロモマイシン、ペニシリン、ペンタミジン、ピペラシリン−タゾバクタム、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、ヨウシュヤマゴボー抗ウイルスタンパク質、PSI−341、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ラロキシフェン、rapLR1、リボヌクレアーゼ、リシン、セムスチン、リファブチン、リファンピン、リマンタジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン、タキソール、テストステロンプロピオナート、テトラサイクリン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、トランスプラチナム、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ウラシルマスタード、バラシクロビル、バンコマイシン、ベルケイド、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、ザナミル、ジスロマイシン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、干渉RNAまたはその組み合わせである、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記診断剤または治療剤が、225Ac、211At、212Bi、213Bi、14C、51Cr、36Cl、45Ti、57Co、58Co、62Cu、64Cu、67Cu、166DY、152Eu、18F、67Ga、68Ga、195mHg、166Ho、3H、111In、123I、124I、125I、131I、52Fe、59Fe、177Lu、191Os、212Pb、32P、33P、142Pr、195mPt、223Ra、186Re、188Re、189Re、47Sc、75Se、111Ag、153Sm、89Sr、35S、161Tb、94mTc、86Y、90Yおよび89Zrからなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記画像化剤が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)およびビスマス(III)からなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記光検出可能な標識が、Alexa350、Alexa430、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY630/650、BODIPY650/665、BODIPY−FL、BODIPY−R6G、BODIPY−TMR、BODIPY−TRX、5−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルアミノ、カスケードブルー、Cy2、Cy3、Cy5、6−FAM、塩化ダンシル、フルオレセイン、HEX、6−JOE、NBD(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレジルファストバイオレット、クレジルブルーバイオレット、ブリリアントクレジルブルー、パラアミノ安息香酸、エリスロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシニルフルオレセイン、希土類金属クリプテート、ユーロピウムトリスビピリジンジアミン、ユーロピウムクリプテートもしくはキレート、ジアミン、ジシアニン、La Jollaブルー染料、アロピコシアニン、アロコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリスロシアニン、フィコエリスリンR、REG、ローダミングリーン、ローダミンイソチオシアナート、ローダミンレッド、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン、およびテキサスレッドからなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項25】
前記エフェクターまたは担体が、前記ホモダイマーに化学的に架橋されている、請求項18に記載の組成物。
【請求項26】
前記ホモダイマーが、2つ以上のエフェクターまたは2つ以上の担体に結合している、も請求項18に記載の組成物。
【請求項27】
前記2つ以上の担体または2つ以上のエフェクターが、同じであるかまたは異なっている、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記1種以上の担体が、少なくとも1種の診断剤または治療剤である、請求項18に記載の組成物。
【請求項29】
2つのホモダイマーが共有結合により結合してテトラマーを形成する、請求項1に記載の2つのホモダイマーを含む組成物。
【請求項30】
前記DDDが、配列番号2(DDD2)の配列を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記2つのホモダイマーが、前記DDD2配列間のジスルフィド結合によって共有結合により結合している、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記テトラマー中の2つのホモダイマーが同じである、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記テトラマー中の2つのホモダイマーが異なる、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記第1ホモダイマーが、第1前駆体に連結されたDDD配列を含む第1モノマーを含み、そして前記第2ホモダイマーが、第2前駆体に連結されたDDD配列を含む第2モノマーを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項35】
前記2つのホモダイマーが、該ホモダイマーの各々のDDD部分間のジスルフィド結合により相互に保持されている、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記第1前駆体および第2前駆体が、ターゲット分子、複合体(composites)、集合体(aggregates)、細胞、抗原または組織に対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項37】
前記第1前駆体および第2前駆体が、同じターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対するアフィニティーを有する、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記第1前駆体および第2前駆体が、2つの異なるターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対するアフィニティーを有する、請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
前記第1前駆体がターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対する結合部位を有し、そして前記第2前駆体がハプテンに対する結合部位を有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項40】
前記第1前駆体が、細胞表面レセプター、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、ウロキナーゼ、CA19−9、CEA、CEACAM6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD40、CD74、ED−Bフィブロネクチン、EGFR、GD2、G250抗原、HER2/neu、hTR、HLAクラスII、HMWMAA、HN/NDV、IGF1R、IL−2R/Tac、IL−17、MUC1、PSMA、M13コートタンパク質、GpIIb/IIIa、CD74、EGP−1、CD25/Tac、LeY、メゾテリン、Erb−B2、Erb−B3、EpCAM、GP240、GpIIb/IIIa、p97、CD3、IL−4R、IL−4、IL−13、VEGFR−2、CD14、CD111/ネクチン−1、葉酸レセプターα、gp120、IL−6、IL−5、IL−8、CD154、IgE、LFA−1、β−トリプターゼ、CD105/エンドグリン、TNFα、RSV F−プロテイン、CEAのA1B1、CEAのNドメイン、PfMSP−1、TAG−72、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、VEFGR1/Flt−1、VEFGR2/KDRまたはVEFGR3/Flt−4、に対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項41】
前記第2前駆体が、IL−17、ヒスタミン−スクシニル−グリシン(HSG)、インジウム−DTPA、CD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEFGR2/KDR、VEFGR3/Flt−4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2、アデノウイルスファイバーノブ、M13コートタンパク質、GpIIB/IIIa、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンまたはウロキナーゼに対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項42】
前記第1前駆体が、CEA、ED−Bフィブロネクチン、CD20、CD22、CD19、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt−4、HER2/neu、CD30、CD33、PfMSP−1、HN/NDV、EpCAM/17−1A、hTR、IL−2R/Tac、CA19−9、MUC1、HLAクラスII、GD2、G250、TAG−72、PSMA、CEACAM6、HMWMAA、CD40、M13コートタンパク質およびGpIIB/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、ヒスタミン−スクシニル−グリシン(HSG)およびインジウム−DTPAからなる群より選ばれるハプテンに対するアフィニティー、またはCD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt−4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2およびアデノウイルスファイバーノブからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項43】
前記第1前駆体が、M13コートタンパク質およびGpIIb/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティー、またはアルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンおよびウロキナーゼからなる群より選ばれる生体分子に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、M13コートタンパク質およびGpIIb/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティー、またはアルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンおよびウロキナーゼからなる群より選ばれる生体分子に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項44】
前記第1前駆体が、CD3、CD74、CD19、CD22、MUC1、EGP−1、EGF1R CD30、CD25/Tac、LeY、メゾテリン、Erb−B2、EpCAM、GP240、GpIIb/IIIaおよびp97からなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、リボヌクレアーゼ、ランピルナーゼ、バクテリア毒素、植物毒素、PE38、dgA、DT390、ホスホリパーゼC(PLC)、ゲロニン、クロット溶解性タンパク質、tPA、ウロキナーゼおよびヒルジンからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項45】
前記第1前駆体が、疾患または医学的状態と関連した任意の細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、サイトカイン、成長因子、カルボキシペプチダーゼG2、ペニシリアミダーゼ、β−ラクタマーゼ、シトシンデアミナーゼ、ニトロレダクターゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはその種々の工学的に作成されたアナログ、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、およびストレプトアビジンからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項46】
前記第1前駆体が、リボヌクレアーゼ、バクテリア毒素、植物毒素、サイトカイン、成長因子および界面活性剤タンパク質D(Sp−D)からなる群より選ばれ、そして前記第2前駆体が疾患または医学的状態と関連した任意の細胞表面抗原に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項47】
前記第1前駆体および前記第2前駆体が、細胞表面レセプターに対するリガンド、IL−4、VEGF121、可溶性セプター成分、sIL−4R、sIL−13R、毒素、PE38、志賀毒素様毒素およびジフテリア毒素からなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項48】
CD14、CD11/ネクチン−1、葉酸レセプターα、gp120、IL−6、IL−5、IL−8、CD154、IgE、KFA−1、β−トリプターゼ、CD105/エンドグリン、GpIIb/IIIa、TNFα、RSV F−プロテイン、CEAのA1B1およびCEAのNドメイン、に対する結合分子からなる群より選ばれる、請求項34の組成物。
【請求項49】
前記第1前駆体および前記第2前駆体が、同じでありそしてサイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、tPA、TPO、EPOおよびsTNFα−Rからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項50】
a)請求項1に記載のホモダイマーを得;そして
b)該ホモダイマーを、該ホモダイマーが治療効果を有する状態を伴っている被験体に投与する、
ことを含む方法。
【請求項51】
前記状態が、癌、過形成、糖尿病性網膜症、若年性糖尿病、黄班変性、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、喘息、浮腫、肺高血圧、乾癬、角膜移植片拒絶、血管新生性緑内障、オスラー−ウエバーシンドローム、心筋血管新生、プラーク血管新生、再発狭窄症、血管外傷後の新生血管内膜形成、毛細血管拡張症、血友病関節症、血管繊維腫、慢性炎症と関連した線維症、肺線維症、深部静脈血栓症または創傷顆粒形成である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記状態が癌であり、そして前記前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、G250抗原、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、LeY、マクロファージ阻害因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物からなる群より選ばれる腫瘍関連抗原に対する結合アフィニティーを有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記癌が、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、腎細胞癌、胆管癌、脳癌、乳癌、頚部癌(cervical cancer)、慢性リンパ球白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭部癌および頚部癌(neck cancer)、ホジキンリンパ腫、肺癌、髄質甲状腺癌、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、前立腺癌、黒色腫または膀胱癌である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1種以上の抗癌治療を前記ホモダイマーと組み合わせて投与することを更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記治療が、化学療法剤、サイトカイン、放射治療、免疫治療、放射性免疫治療、局在化過温症(localized hyperthermia)、レーザー照射、抗血管新生剤または外科手術を投与することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
a)請求項34に記載のテトラマーを得;そして
b)前記テトラマーを、該テトラマーが治療効果を有する状態を伴っている被験体に投与する、ことを含む方法。
【請求項57】
前記第2前駆体に結合するハプテンを前記被験体に投与することを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記テトラマーが前記状態と関連した組織に局在化した後、前記ハプテンを投与する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ハプテンが、抗血管新生剤、化学療法剤、サイトカイン、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、オリゴヌクレオチド、放射性同位元素、イムノモデュレーター、抗体、抗ウイルス剤、抗真菌剤、ホルモン、結合分子、脂質、ポリマー、ミセル、リポソーム、ナノ粒子またはその組合せからなる群より選ばれる作用物質に結合している、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記状態が真菌により引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記真菌が、Microsporum、Trichophyton、Epidermophyton、Sporothrix schenckii、Cryptococcus neoformans、Coccidioides immitis、Histpolasma capsulatum、Blastomyces dermatitidisまたはCandida albicanである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記状態がウイルスにより引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトパピローマウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス、シミアンウイルス40、呼吸合胞体ウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、はしかウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタイン−バールウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水泡性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスまたはブルータングウイルスである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記状態がバクテリアにより引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記バクテリアが、Bacillus anthracis、Streptococcus agalactiae、Legionella pneumophilia、Streotococcus pyogenes、Echerichia coli、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria menigitidis、Pneumococcus spp、Hemophilis influenzae B、Treponema pallidum、ライム病スピロヘータ、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium leprae、Brucella abortus、Mycobacterium tuberculosisまたはMycoplasmaである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記状態が自己免疫疾患である、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記自己免疫疾患が、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少性紫斑病、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、リウマチ熱、多腺性症候群、水泡性類天疱瘡、若年性糖尿病、ヘノッホ−シェンライン紫斑症、ポスト連鎖球菌腎炎、結節性紅班、タカヤス動脈炎、アジソン病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、多形性紅班、IgA腎症、結節性多発性動脈炎、剛直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、血栓性血管炎ユビテランス、シェーグレン症候群、一次胆汁性肝硬変、ハシモト甲状腺炎、甲状腺中毒症、強皮症、慢性活動性肝炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡、ウェグネル肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄ろう、巨細胞動脈炎/多発性筋肉痛、悪性貧血、急速進行性糸球体腎炎、乾癬または線維化肺胞炎である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記状態が、心筋梗塞、虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化症プラーク、移植片拒絶、アルツハイマー病、アトピー性組織、または活性化された顆粒球、単球、リンパ系細胞もしくはマクロファージの付着成長により引き起こされる炎症である、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
状態を診断する方法であって、
a)前記第1前駆体が前記状態と関連したターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に結合しておりそして前記第2前駆体が診断ハプテンに結合している請求項34に記載のテトラマーを得;
b)前記状態を伴っている疑いのある被験体に前記テトラマーを投与し;
c)前記第2前駆体に結合する診断ハプテンを同じ被験体に投与し;そして
d)前記テトラマーに結合したハプテンの存在を検出する;
ことを含み、前記状態と関連した組織への前記ハプテンの局在化が前記被験体における前記状態の存在の診断である、方法。
【請求項70】
前記ハプテンが、18F、45Ti、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94mTc、94Tc、99mTc、111In、123I、125I、154−158Gd、177Lu、32P、188Reおよび90Yからなる群より選ばれる放射性核種にコンジュゲーションされている、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記放射性核種は、同位元素検出器を使用して検出されるかまたは、γシンチグラフィー、シングルフォトンエミッションコンピューター断層撮影法もしくはポジトロンエミッショントモグラフィーにより画像化される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記状態が癌であり、そして前記第1前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、G250抗原、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、LeY、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物からなる群より選ばれる腫瘍関連抗原に結合する、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記ハプテンが、磁気共鳴画像化(MRI)コントラスト剤にコンジュゲーションされ、そしてテトラマーに結合したハプテンはMRIにより検出される、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記MRIコントラスト剤が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)またはエルビウム(III)である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記ハプテンが超音波画像化増強剤にコンジュゲーションされ、そして二成分複合体(binary complex)に結合したハプテンが超音波画像化により検出される、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記第1前駆体または前記第2前駆体が、CD19、CD20、CD22またはIL−17に対するアフィニティーを有する、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
前記テトラマーの投与がターゲット細胞集団におけるアポトーシスを誘導する、請求項56に記載の方法。
【請求項78】
前記テトラマーが、抗CD74X抗CD20、抗CD74X抗CD22、抗CD22X抗CD20、抗CD20X抗HLA−DR、抗CD19X抗CD20、抗CD20X抗CD80、抗CD2X抗CD25、抗CD8X抗CD25および抗CD2X抗CD147からなる群より選ばれる抗体または抗体フラグメントの組み合わせを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記第1および/または第2前駆体が、CD2、CD3、CD8、CD10、CD21、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD48、CD52、CD55、CD59、CD70、CD74、CD80、CD86、CD138、CD147、HLA−DR、CEA、CSAp、CA−125、TAG−72、EFGR、HER2、HER3、HER4、IGF−1R、c−Met、PDGFR、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、TNFR1、TNFR2、NGFR、Fas(CD95)、DR3、DR4、DR5、DR6、VEGF、PIGF、ED−Bフィブロネクチン、テナシン、PSMA、PSA、カルボニックアンヒドラーゼIXおよびIL−6からなる群より選ばれる抗原に対する結合アフィニティーを有する、請求項77に記載の方法。
【請求項1】
ホモダイマーを含む組成物であって、該ホモダイマーの各モノマーが前駆体に結合した二量体化およびドッキングドメイン(DDD)を含む、組成物。
【請求項2】
前記DDDが配列番号1(DDD1)または配列番号2(DDD2)の配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記モノマーが前記前駆体および前記DDDを含む融合タンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記前駆体が前記DDDに化学的に連結されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記前駆体と前記DDDとの間にリンカーペプチドを更に含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記前駆体が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模擬体、ポリヌクレオチド、RNAi、オリゴ糖、アビマー、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、天然もしくは合成ポリマー物質、ナノ粒子、量子ドット、有機化合物または無機化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記前駆体が抗体のFdフラグメントである、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体の軽鎖を更に含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記軽鎖が前記Fdフラグメントに結合してFabフラグメントを形成する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記抗体またはそのフラグメントが、ヒト化抗体、ヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記Fabフラグメントが、hMN−14、L19、hA20、hLL2、L243、hCC49、7E3、hLL1、hPAM4、hRS7、rH1、L49、抗CD14、抗CD111、Humira(登録商標)、REMICADE(登録商標)、Xolair(登録商標)、Synagis(登録商標)およびhMN−15、のFabフラグメントからなる群より選ばれる、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記前駆体が、バクテリア毒素、植物毒素、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリン毒素(diphtherin toxin)、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ランピルナーゼ(Rap)、Rap(N69Q)、PE38、dgA、DT390、PLC、tPA、サイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、界面活性剤タンパク質D、IL−4、sIL−4R、sIL−13R、VEGF121、TPO、EPO、クロット溶解剤、酵素、蛍光タンパク質、sTNFα−R、アビマー、scFv、dsFvおよびナノボディからなる群より選ばれるタンパク質を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項13】
前記前駆体が、免疫グロブリン軽鎖(VL−CL)または免疫グロブリンFcドメイン(CH2−CH3)に融合したポリペプチドを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
前記CLをCH1に連結する前記CLのカルボキシル末端のシステインが欠失しているかまたは非システインに突然変異している、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記免疫グロブリン軽鎖または前記Fcドメインが、ヒト抗体またはヒト化抗体から選ばれる、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記DDD配列が、cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)の調節サブユニットに由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対する特異的抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、Le−Y、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物、に対する少なくとも1つの結合部位を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項18】
共有結合連結または非共有結合連結により前記ホモダイマーにコンジュゲーションされた1つ以上のエフェクターまたは担体を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記エフェクターが、診断剤、治療剤、化学療法剤、放射性同位元素、画像化剤、抗血管新生剤、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、薬物、プロドラッグ、酵素、結合分子、細胞表面レセプターのためのリガンド、キレーター、イムノモデュレーター、オリゴヌクレオチド、ホルモン、光検出可能な標識、染料、ペプチド、毒素、コントラスト剤、常磁性標識、超音波標識、プロアポトーシス剤、リポソーム、ナノ粒子またはその組み合わせである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記抗血管新生剤が、アンギオスタチン、バキュロスタチン、カンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体もしくはペプチド、抗胎盤成長因子抗体もしくはペプチド、抗Flk−1抗体、抗Flt−1抗体もしくはペプチド、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤、インターフェロン、インターロイキン12、IP−10、Gro−β、トロンボスポンジン、2−メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、マリマスタット、ペントサンポリサルフェート、アンギオポエチン2、インターフェロンα、ハービマイシンA、PNU145156E、16Kブロラクチンフラグメント、リノマイド(Linomide)、サリドマイド、ペントキシフィリン、ゲニステイン、TNP−470、エンドスタチン、パクリタキセル、アキュチン(accutin)、アンギオスタチン、シドフォビル、ビンクリスチン、ブレオマイシン、AGM−1470、血小板因子4またはミノサイクリンである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記治療剤が、アブリン、アマンタジン、アモキシシリン、アムホテリシンB、アンピシリン、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、アズトレオナム、アジスロマイシン、バシトラシン、バクトリム、バトラフェン(登録商標)、ビフォナゾール、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カリケアマイシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルベニシリン、カスポフンギン、カルムスチン、セファクロル、セファゾリン、セファロスポリン、セフェピム、セフトリアクソン、セフォタキシム、セレブレックス、クロラムブシル、クロラムフェニコール、シプロ(登録商標)、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ジフテリア毒素、DNアーゼI、ドクソルビシン、2−ピロリノドクソルビシン(2P−DOX)、ドキシサイクリン、シアノモルホリノドクソルビシン、ドクソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エストロゲンレセプター結合剤、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、エリスロサイクリン、エリスロマイシン、フラギル、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、ゲロニン、ゲムシタビン、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド、イソニアジド、イトラコナゾ−ル、カナマイシン、ケトコナゾール、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、メドロプロゲステロンアセタート、メゲストロールアセタート、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、ミノサイクリン、ナフチフィン、ナリジクス酸、ネオマイシン、ナベルビン、ニトロソウレア、ナイスタチン、オンコナーゼ、オキサシリン、パロモマイシン、ペニシリン、ペンタミジン、ピペラシリン−タゾバクタム、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、ヨウシュヤマゴボー抗ウイルスタンパク質、PSI−341、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、ラロキシフェン、rapLR1、リボヌクレアーゼ、リシン、セムスチン、リファブチン、リファンピン、リマンタジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン、タキソール、テストステロンプロピオナート、テトラサイクリン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、トランスプラチナム、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ウラシルマスタード、バラシクロビル、バンコマイシン、ベルケイド、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、ザナミル、ジスロマイシン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、干渉RNAまたはその組み合わせである、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記診断剤または治療剤が、225Ac、211At、212Bi、213Bi、14C、51Cr、36Cl、45Ti、57Co、58Co、62Cu、64Cu、67Cu、166DY、152Eu、18F、67Ga、68Ga、195mHg、166Ho、3H、111In、123I、124I、125I、131I、52Fe、59Fe、177Lu、191Os、212Pb、32P、33P、142Pr、195mPt、223Ra、186Re、188Re、189Re、47Sc、75Se、111Ag、153Sm、89Sr、35S、161Tb、94mTc、86Y、90Yおよび89Zrからなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記画像化剤が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)およびビスマス(III)からなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記光検出可能な標識が、Alexa350、Alexa430、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY630/650、BODIPY650/665、BODIPY−FL、BODIPY−R6G、BODIPY−TMR、BODIPY−TRX、5−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルアミノ、カスケードブルー、Cy2、Cy3、Cy5、6−FAM、塩化ダンシル、フルオレセイン、HEX、6−JOE、NBD(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレジルファストバイオレット、クレジルブルーバイオレット、ブリリアントクレジルブルー、パラアミノ安息香酸、エリスロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシニルフルオレセイン、希土類金属クリプテート、ユーロピウムトリスビピリジンジアミン、ユーロピウムクリプテートもしくはキレート、ジアミン、ジシアニン、La Jollaブルー染料、アロピコシアニン、アロコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリスロシアニン、フィコエリスリンR、REG、ローダミングリーン、ローダミンイソチオシアナート、ローダミンレッド、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン、およびテキサスレッドからなる群より選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項25】
前記エフェクターまたは担体が、前記ホモダイマーに化学的に架橋されている、請求項18に記載の組成物。
【請求項26】
前記ホモダイマーが、2つ以上のエフェクターまたは2つ以上の担体に結合している、も請求項18に記載の組成物。
【請求項27】
前記2つ以上の担体または2つ以上のエフェクターが、同じであるかまたは異なっている、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記1種以上の担体が、少なくとも1種の診断剤または治療剤である、請求項18に記載の組成物。
【請求項29】
2つのホモダイマーが共有結合により結合してテトラマーを形成する、請求項1に記載の2つのホモダイマーを含む組成物。
【請求項30】
前記DDDが、配列番号2(DDD2)の配列を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記2つのホモダイマーが、前記DDD2配列間のジスルフィド結合によって共有結合により結合している、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記テトラマー中の2つのホモダイマーが同じである、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記テトラマー中の2つのホモダイマーが異なる、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記第1ホモダイマーが、第1前駆体に連結されたDDD配列を含む第1モノマーを含み、そして前記第2ホモダイマーが、第2前駆体に連結されたDDD配列を含む第2モノマーを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項35】
前記2つのホモダイマーが、該ホモダイマーの各々のDDD部分間のジスルフィド結合により相互に保持されている、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記第1前駆体および第2前駆体が、ターゲット分子、複合体(composites)、集合体(aggregates)、細胞、抗原または組織に対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項37】
前記第1前駆体および第2前駆体が、同じターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対するアフィニティーを有する、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記第1前駆体および第2前駆体が、2つの異なるターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対するアフィニティーを有する、請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
前記第1前駆体がターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に対する結合部位を有し、そして前記第2前駆体がハプテンに対する結合部位を有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項40】
前記第1前駆体が、細胞表面レセプター、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、ウロキナーゼ、CA19−9、CEA、CEACAM6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD40、CD74、ED−Bフィブロネクチン、EGFR、GD2、G250抗原、HER2/neu、hTR、HLAクラスII、HMWMAA、HN/NDV、IGF1R、IL−2R/Tac、IL−17、MUC1、PSMA、M13コートタンパク質、GpIIb/IIIa、CD74、EGP−1、CD25/Tac、LeY、メゾテリン、Erb−B2、Erb−B3、EpCAM、GP240、GpIIb/IIIa、p97、CD3、IL−4R、IL−4、IL−13、VEGFR−2、CD14、CD111/ネクチン−1、葉酸レセプターα、gp120、IL−6、IL−5、IL−8、CD154、IgE、LFA−1、β−トリプターゼ、CD105/エンドグリン、TNFα、RSV F−プロテイン、CEAのA1B1、CEAのNドメイン、PfMSP−1、TAG−72、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、VEFGR1/Flt−1、VEFGR2/KDRまたはVEFGR3/Flt−4、に対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項41】
前記第2前駆体が、IL−17、ヒスタミン−スクシニル−グリシン(HSG)、インジウム−DTPA、CD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEFGR2/KDR、VEFGR3/Flt−4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2、アデノウイルスファイバーノブ、M13コートタンパク質、GpIIB/IIIa、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンまたはウロキナーゼに対する結合アフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項42】
前記第1前駆体が、CEA、ED−Bフィブロネクチン、CD20、CD22、CD19、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt−4、HER2/neu、CD30、CD33、PfMSP−1、HN/NDV、EpCAM/17−1A、hTR、IL−2R/Tac、CA19−9、MUC1、HLAクラスII、GD2、G250、TAG−72、PSMA、CEACAM6、HMWMAA、CD40、M13コートタンパク質およびGpIIB/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、ヒスタミン−スクシニル−グリシン(HSG)およびインジウム−DTPAからなる群より選ばれるハプテンに対するアフィニティー、またはCD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt−1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt−4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2およびアデノウイルスファイバーノブからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項43】
前記第1前駆体が、M13コートタンパク質およびGpIIb/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティー、またはアルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンおよびウロキナーゼからなる群より選ばれる生体分子に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、M13コートタンパク質およびGpIIb/IIIaからなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティー、またはアルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジンおよびウロキナーゼからなる群より選ばれる生体分子に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項44】
前記第1前駆体が、CD3、CD74、CD19、CD22、MUC1、EGP−1、EGF1R CD30、CD25/Tac、LeY、メゾテリン、Erb−B2、EpCAM、GP240、GpIIb/IIIaおよびp97からなる群より選ばれる細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、リボヌクレアーゼ、ランピルナーゼ、バクテリア毒素、植物毒素、PE38、dgA、DT390、ホスホリパーゼC(PLC)、ゲロニン、クロット溶解性タンパク質、tPA、ウロキナーゼおよびヒルジンからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項45】
前記第1前駆体が、疾患または医学的状態と関連した任意の細胞表面抗原に対するアフィニティーを有し、そして前記第2前駆体が、サイトカイン、成長因子、カルボキシペプチダーゼG2、ペニシリアミダーゼ、β−ラクタマーゼ、シトシンデアミナーゼ、ニトロレダクターゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはその種々の工学的に作成されたアナログ、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、およびストレプトアビジンからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項46】
前記第1前駆体が、リボヌクレアーゼ、バクテリア毒素、植物毒素、サイトカイン、成長因子および界面活性剤タンパク質D(Sp−D)からなる群より選ばれ、そして前記第2前駆体が疾患または医学的状態と関連した任意の細胞表面抗原に対するアフィニティーを有する、請求項34に記載の組成物。
【請求項47】
前記第1前駆体および前記第2前駆体が、細胞表面レセプターに対するリガンド、IL−4、VEGF121、可溶性セプター成分、sIL−4R、sIL−13R、毒素、PE38、志賀毒素様毒素およびジフテリア毒素からなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項48】
CD14、CD11/ネクチン−1、葉酸レセプターα、gp120、IL−6、IL−5、IL−8、CD154、IgE、KFA−1、β−トリプターゼ、CD105/エンドグリン、GpIIb/IIIa、TNFα、RSV F−プロテイン、CEAのA1B1およびCEAのNドメイン、に対する結合分子からなる群より選ばれる、請求項34の組成物。
【請求項49】
前記第1前駆体および前記第2前駆体が、同じでありそしてサイトカイン、成長因子、可溶性レセプター成分、tPA、TPO、EPOおよびsTNFα−Rからなる群より選ばれる、請求項34に記載の組成物。
【請求項50】
a)請求項1に記載のホモダイマーを得;そして
b)該ホモダイマーを、該ホモダイマーが治療効果を有する状態を伴っている被験体に投与する、
ことを含む方法。
【請求項51】
前記状態が、癌、過形成、糖尿病性網膜症、若年性糖尿病、黄班変性、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、喘息、浮腫、肺高血圧、乾癬、角膜移植片拒絶、血管新生性緑内障、オスラー−ウエバーシンドローム、心筋血管新生、プラーク血管新生、再発狭窄症、血管外傷後の新生血管内膜形成、毛細血管拡張症、血友病関節症、血管繊維腫、慢性炎症と関連した線維症、肺線維症、深部静脈血栓症または創傷顆粒形成である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記状態が癌であり、そして前記前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、G250抗原、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、LeY、マクロファージ阻害因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物からなる群より選ばれる腫瘍関連抗原に対する結合アフィニティーを有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記癌が、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、腎細胞癌、胆管癌、脳癌、乳癌、頚部癌(cervical cancer)、慢性リンパ球白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭部癌および頚部癌(neck cancer)、ホジキンリンパ腫、肺癌、髄質甲状腺癌、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、前立腺癌、黒色腫または膀胱癌である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1種以上の抗癌治療を前記ホモダイマーと組み合わせて投与することを更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記治療が、化学療法剤、サイトカイン、放射治療、免疫治療、放射性免疫治療、局在化過温症(localized hyperthermia)、レーザー照射、抗血管新生剤または外科手術を投与することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
a)請求項34に記載のテトラマーを得;そして
b)前記テトラマーを、該テトラマーが治療効果を有する状態を伴っている被験体に投与する、ことを含む方法。
【請求項57】
前記第2前駆体に結合するハプテンを前記被験体に投与することを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記テトラマーが前記状態と関連した組織に局在化した後、前記ハプテンを投与する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ハプテンが、抗血管新生剤、化学療法剤、サイトカイン、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、オリゴヌクレオチド、放射性同位元素、イムノモデュレーター、抗体、抗ウイルス剤、抗真菌剤、ホルモン、結合分子、脂質、ポリマー、ミセル、リポソーム、ナノ粒子またはその組合せからなる群より選ばれる作用物質に結合している、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記状態が真菌により引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記真菌が、Microsporum、Trichophyton、Epidermophyton、Sporothrix schenckii、Cryptococcus neoformans、Coccidioides immitis、Histpolasma capsulatum、Blastomyces dermatitidisまたはCandida albicanである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記状態がウイルスにより引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトパピローマウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス、シミアンウイルス40、呼吸合胞体ウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、はしかウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタイン−バールウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水泡性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスまたはブルータングウイルスである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記状態がバクテリアにより引き起こされる、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記バクテリアが、Bacillus anthracis、Streptococcus agalactiae、Legionella pneumophilia、Streotococcus pyogenes、Echerichia coli、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria menigitidis、Pneumococcus spp、Hemophilis influenzae B、Treponema pallidum、ライム病スピロヘータ、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium leprae、Brucella abortus、Mycobacterium tuberculosisまたはMycoplasmaである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記状態が自己免疫疾患である、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記自己免疫疾患が、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少性紫斑病、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、リウマチ熱、多腺性症候群、水泡性類天疱瘡、若年性糖尿病、ヘノッホ−シェンライン紫斑症、ポスト連鎖球菌腎炎、結節性紅班、タカヤス動脈炎、アジソン病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、多形性紅班、IgA腎症、結節性多発性動脈炎、剛直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、血栓性血管炎ユビテランス、シェーグレン症候群、一次胆汁性肝硬変、ハシモト甲状腺炎、甲状腺中毒症、強皮症、慢性活動性肝炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡、ウェグネル肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄ろう、巨細胞動脈炎/多発性筋肉痛、悪性貧血、急速進行性糸球体腎炎、乾癬または線維化肺胞炎である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記状態が、心筋梗塞、虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化症プラーク、移植片拒絶、アルツハイマー病、アトピー性組織、または活性化された顆粒球、単球、リンパ系細胞もしくはマクロファージの付着成長により引き起こされる炎症である、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
状態を診断する方法であって、
a)前記第1前駆体が前記状態と関連したターゲット分子、複合体、集合体、細胞、抗原または組織に結合しておりそして前記第2前駆体が診断ハプテンに結合している請求項34に記載のテトラマーを得;
b)前記状態を伴っている疑いのある被験体に前記テトラマーを投与し;
c)前記第2前駆体に結合する診断ハプテンを同じ被験体に投与し;そして
d)前記テトラマーに結合したハプテンの存在を検出する;
ことを含み、前記状態と関連した組織への前記ハプテンの局在化が前記被験体における前記状態の存在の診断である、方法。
【請求項70】
前記ハプテンが、18F、45Ti、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94mTc、94Tc、99mTc、111In、123I、125I、154−158Gd、177Lu、32P、188Reおよび90Yからなる群より選ばれる放射性核種にコンジュゲーションされている、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記放射性核種は、同位元素検出器を使用して検出されるかまたは、γシンチグラフィー、シングルフォトンエミッションコンピューター断層撮影法もしくはポジトロンエミッショントモグラフィーにより画像化される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記状態が癌であり、そして前記第1前駆体が、カルボニックアンヒドラーゼIX、αフェトプロテイン、A3、A33抗体に対して特異的な抗原、Ba733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、結腸特異的抗原p(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、CSAp、EGFR、EGP−1、EGP−2、Ep−CAM、Flt−1、Flt−3、葉酸レセプター、G250抗原、HLA−DR、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)およびそのサブユニット、HER2/neu、低酸素症誘導性因子(HIF−1)、Ia、IL−2、IL−6、IL−8、インスリン成長因子1(IGF−1)、KC4抗原、KS−1抗原、KS1−4、LeY、マクロファージ抑制因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM−4抗体に対して特異的な抗原、胎盤成長因子、P53、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S100、TAC、TAG−72、テナシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン−フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED−Bフィブロネクチン、17−1A抗原、血管新生マーカー、腫瘍遺伝子マーカーまたは腫瘍遺伝子産物からなる群より選ばれる腫瘍関連抗原に結合する、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記ハプテンが、磁気共鳴画像化(MRI)コントラスト剤にコンジュゲーションされ、そしてテトラマーに結合したハプテンはMRIにより検出される、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記MRIコントラスト剤が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)またはエルビウム(III)である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記ハプテンが超音波画像化増強剤にコンジュゲーションされ、そして二成分複合体(binary complex)に結合したハプテンが超音波画像化により検出される、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記第1前駆体または前記第2前駆体が、CD19、CD20、CD22またはIL−17に対するアフィニティーを有する、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
前記テトラマーの投与がターゲット細胞集団におけるアポトーシスを誘導する、請求項56に記載の方法。
【請求項78】
前記テトラマーが、抗CD74X抗CD20、抗CD74X抗CD22、抗CD22X抗CD20、抗CD20X抗HLA−DR、抗CD19X抗CD20、抗CD20X抗CD80、抗CD2X抗CD25、抗CD8X抗CD25および抗CD2X抗CD147からなる群より選ばれる抗体または抗体フラグメントの組み合わせを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記第1および/または第2前駆体が、CD2、CD3、CD8、CD10、CD21、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD48、CD52、CD55、CD59、CD70、CD74、CD80、CD86、CD138、CD147、HLA−DR、CEA、CSAp、CA−125、TAG−72、EFGR、HER2、HER3、HER4、IGF−1R、c−Met、PDGFR、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、TNFR1、TNFR2、NGFR、Fas(CD95)、DR3、DR4、DR5、DR6、VEGF、PIGF、ED−Bフィブロネクチン、テナシン、PSMA、PSA、カルボニックアンヒドラーゼIXおよびIL−6からなる群より選ばれる抗原に対する結合アフィニティーを有する、請求項77に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
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【図24】
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【図26】
【図27】
【公表番号】特表2008−538747(P2008−538747A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505356(P2008−505356)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010762
【国際公開番号】WO2006/107617
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507332251)アイビーシー・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】IBC PHARMACEUTICALS,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010762
【国際公開番号】WO2006/107617
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507332251)アイビーシー・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】IBC PHARMACEUTICALS,INC.
【Fターム(参考)】
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