ボリュメトリック・フィルタリング法を使用して光コヒーレンス・トモグラフィ画像形成の機能を向上させる装置及び方法
本発明による装置及び方法を提供することが可能であり、少なくとも1つの第1電磁放射線を含む特定の放射線が少なくとも1つのサンプルに向けられ、且つ、少なくとも1つの第2電磁放射線が基準に向けられる。特定の断面幅を有する第1電磁放射線をサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成することが可能である。特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、サンプルの少なくとも一部分内で第1電磁放射線を並進運動させることが可能である。第1電磁放射線に関連する第3電磁放射線と第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間において干渉を検出することが可能である。更には、第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OCT(Optical Coherence Tomography:光コヒーレンス・トモグラフィ)画像形成の機能を向上させる装置及び方法に関し、更に詳しくは、これらのOCT画像を生成するために使用可能な計測データの三次元フィルタリング(例えば、ボリュメトリック・フィルタリング(volumetric filtering))を利用した手法を使用してOCT画像のコントラストを向上させることができるような装置及び方法に関する。
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2006年8月25日付けで出願された米国特許出願第60/840,213号の優先権を主張するものであり、この全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
例えば、2mmの深さの組織微細構造の高分解能の断面画像を提供することが可能である診断手順及び診断技術として、「OCT(Optical Coherence Tomography)」を使用する可能性が十分に認識されている。しかしながら、いくつかの臨床応用分野においては、従来のOCT技術による診断における有用性が、スペックル雑音(speckle noise)の交絡現象(confounding effect)によって制限されている。このスペックル雑音は、画像形成分解能のサイズのスケールにおいて大きな規模の振幅雑音になり得るが、このスペックル雑音は、評価対象の組織の深度断層画像を提供するべく使用され得るコヒーレンス測距法(coherence ranging technique)により生成される可能性がある。特定の臨床に関連する構造は、約10mmの画像形成分解能よりもサイズが大きいにも拘わらず、このスペックル雑音のために周囲組織に対して上記構造を明瞭に識別するのに十分な固有の光散乱コントラストを確保できない可能性がある。
【0003】
スペックル雑音の影響を軽減させるための既に提案されている方法は、物理的複合法(physical compounding method)又はデジタル処理法のいずれかに分類されることが可能である。例えば、物理的複合法は、一般に、分析対象の組織の同一場所の複数のスペックル非相関計測値を組み合わせることによって機能する。このような方法を実施する際には、画像形成システムに対する変更を必要とする可能性があり、この変更は、カテーテルの設計及び侵襲を最小限にしたプローブの設計を複雑化するおそれがある。これらの物理的複合法の例は、角度複合法、周波数複合法、及び偏光複合法(例えば、偏光ダイバーシティ検出)を包含することが可能である。これとは対照的に、組織構造に関連する特定の特徴を保持しつつ、スペックル雑音を選択的に除去することを目的とした手順又はフィルタを使用するようなデジタル処理法は、従来、専ら二次元画像に適用されてきた。このようなデジタル処理法は、適応フィルタリング、正規化、及びウェーブレット(wavelet)法による雑音低減を含む。しかしながら、このデジタル処理法は、前述の物理的複合法とは異なり、オリジナルのスペックル雑音を有する画像内に含まれる情報コンテンツに制限される可能性が高い。従って、このデジタル処理法は、雑音に対して視覚的にフィルタリングを行い、且つ、内在する組織構造を認識するようなOCTの経験豊富な開発者の相当高い能力を上回る性能を有することが重要である。
【0004】
しかしながら、このような制限は、一般に、ボリュメトリック・OCTデータセットに対して三次元において機能させるべくデジタル処理法を拡張した場合には、適用されないであろう。OCT画像形成速度に関するある程度の改善により、OCT法及びOCTシステムを使用するボリュメトリック画像形成の臨床における実際的な実施が可能になっている。従って、現在、このようなOCT法及びOCTシステムを広範な疾病スクリーニングのためのツールとして利用するといったような潜在的な臨床的モチベーションが存在している。これらの三次元データセットは、直接的な視覚化が不可能であるため、通常、データセットから断層画像化された1つ又は複数の画像に基づいて診断を実行することが可能である。好ましくは、これらの断層画像化された画像は、断層面内(例えば、面内計測)及び断層面外の隣接する場所(例えば、面外計測)の両方から得られる計測情報を包含することが可能である。
【0005】
実際に、前述のような従来の装置及び方法に関連した欠点の少なくともいくつかのものを克服しなければならないというニーズが存在する可能性がある。例えば、このニーズは、データセットを断層画像化する前に、当該データセットに対してボリュメトリック・フィルタリングを行うことによって達成され得る。このような代表的なプロセスは、面外計測を取り入れることによって、結果的に得られる画像の情報コンテンツを増加させることができるので、大幅な機能向上を実現することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願PCT/US2004/029148
【特許文献2】米国特許出願第11/266,779号
【特許文献3】米国特許出願第10/501,276号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような問題点及び/又は欠点の少なくともいくつかのものを処理及び/又は克服するために、本発明は、これらの画像を生成するために使用可能な計測データの三次元フィルタリング(例えば、ボリュメトリック・フィルタリング)を利用した手法を使用して、OCT画像のコントラストを向上させることができるような装置及び方法の例示的な実施例を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な実施例によれば、機能が向上した画像を生成することができるようにするために、三次元においてデータセットのフィルタリングを行うことが可能である。本発明の第1の例示的な実施例においては、組織の特定の断層面の画像を生成する前に、非対称ボリュメトリック・メジアンフィルタ(asymmetric volumetric median filter)を三次元OCTデータセットに適用することが可能である。この例示的な実施例においては、フィルタリング・カーネル(filtering kernel)は、画像の断層面に対して面外の寸法が面内の寸法よりも大きなものであってよい。本発明の第2の例示的な実施例においては、ディザリングされたビーム(dithered beam)(ディザリングビーム)のスキャン(走査)パターンを生成し、大きなサンプルの動きが存在する状況において高忠実度のボリュメトリック画像形成の実行を可能にするべく構成可能なOCT画像形成システムを提供することが可能である。このディザリングビームによって取得したデータセットに対して適切にフィルタリングを行うことにより、機能が向上した二次元画像を生成することが可能である。
【0009】
従って、本発明による装置及び方法の例示的な実施例は、少なくとも上記のような理由によって提供されることが可能である。例えば、少なくとも1つの第1ファイバ構成部及び少なくとも1つの第2ファイバ構成部を提供することが可能である(これらの第1ファイバ構成部及び第2ファイバ構成部の各々は、光透過特性を有する)。第1ファイバ構成部は、少なくとも1つの電磁放射線を透過し、且つ、少なくとも1つの電磁放射線を少なくとも1つのサンプルに転送するべく構成されることが可能である。第2ファイバ構成部は、サンプルから受光した少なくとも1つの電磁放射線を透過するべく構成されることが可能であり、且つ、第1ファイバ構成部の少なくとも一部分をその内部に収容することが可能である。
【0010】
本発明の別の例示的な実施例によれば、第1及び第2ファイバ構成部は、それぞれ、ファイバであってよい。第1及び第2フィルタリング構成部の中の少なくとも1つのものを使用して第1及び第2ファイバのフィルタリングを行い、特定の波長を有する個々の透過された電磁放射線及び受光した電磁放射線の各々の少なくとも一部がその内部において転送されることを防止することが可能である。更には、受光した電磁放射線は、サンプルに関連するラマン放射線であってよい。
【0011】
更には、本発明の特定の例示的な実施例によれば、本発明による装置及び方法を提供することが可能であり、この場合に、少なくとも1つの第1電磁放射線を含む特定の放射線が少なくとも1つのサンプルに向けられ、且つ、少なくとも1つの第2電磁放射線が基準に向けられる。特定の断面幅を有する第1電磁放射線をサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成することが可能である。第1電磁放射線は、特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、サンプルの少なくとも一部分内で提供されることが可能であることが可能である。第1電磁放射線に関連する第3電磁放射線と第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間において干渉を検出することが可能である。更には、第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供することが可能である。
【0012】
本発明の別の例示的な実施例によれば、乗数の上限は、特定の断面幅の50、60、70、80、及び/又は90であってよい。第1電磁放射線は、サンプルの少なくとも一部分内で、特定の軸とは異なる更なる軸に沿って並進運動可能である。サンプルの少なくとも一部分に関連する少なくとも1つの画像を干渉の関数として生成することが可能である。第1電磁放射線は、正弦波パターン、三角形パターン、鋸歯パターン、及び/又は螺旋パターンにおいて、サンプルの少なくとも一部分内で並進運動可能である。
【0013】
本発明の更に別の例示的な実施例においては、第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有することが可能であり、この特定の断面幅な、特定の軸以外の任意のその他の軸に沿った第一電磁放射線の更なる断面幅を上回るものであってよい。又、第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有することが可能であり、この特定の断面幅は、特定の軸と別の軸に沿った第1電磁放射線の更なる断面幅を少なくとも2倍だけ上回る。更には、第1電磁放射線は、更なる軸に沿ってサンプルの少なくとも一部分内で並進運動可能であり、且つ、更なる軸は、特定の軸に対してほぼ垂直であってよい。第一電磁放射線の振幅プロファイル及び/又は位相プロファイルを変調することが可能である。空間光変調構成部、ガルバノメーター構成部、音響−光変調構成部、導波路モードスクランブル構成部、及び/又は非対称導波路構成部の中の少なくとも1つのものを提供することが可能である。非対称導波路構成部は、第1電磁放射線の少なくとも3つの直交モードを伝播させるべく構成されることが可能である。
【0014】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点、ならびに、その他の目的、特徴、及び利点は、添付の特許請求の範囲の請求項との関連において、本発明の実施例に関する以下の詳細な説明を参照することにより、明らかであろう。
【0015】
又一方で、本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本発明のいくつかの例示的な実施例を示す添付の図面との関連において以下の詳細な説明を参照することにより、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】ボリュメトリック・データセットを取得するために使用可能な本発明によるOFDI(Optical Frequency Domain Imaging:光周波数ドメイン画像形成)システムの例示的な実施例の概略的なブロック図である。
【図1B】ラスタースキャンがなされたパターンである本発明の例示的な一実施例による代表的な照射図である。
【図1C】ディザリングされたビームのスキャンパターンである本発明の別の例示的な実施例による典型的な照射図である。
【図2A】フィルタリングがなされていない典型的な画像である。
【図2B】本発明の別の例示的な実施例によるカーネルサイズ(kernel size)の様々な面内及び面外寸法を有するボリュメトリック・メジアンフィルタリング手順を適用して結果的に入手可能であるような機能が向上した典型的な画像のセットである。
【図2C】図2Aのカーネルサイズに類似したカーネルサイズを有する本発明の例示的な実施例によるボリュメトリック・メジアンフィルタリング手順を適用して結果的に入手可能であるような機能が向上した第2の典型的な画像である。
【図3A】ディザリングビームの適用によって機能向上がなされなかった典型的な画像である。
【図3B】本発明の例示的な一実施例による第1振幅を有するディザリングビームの適用によって機能が向上した例示的な画像である。
【図3C】本発明の別の例示的な実施例による第1振幅を有するディザリングビームの適用によって機能が向上した別の典型的な画像である。
【図4A】本発明の例示的な一実施例による第1の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図4B】本発明の別の例示的な実施例による第2の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図4C】本発明の更なる例示的な実施例による第3の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図5A】本発明の例示的な一実施例による対称楕円画像形成ビームの図である。
【図5B】本発明の特定の例示的な実施例による非対称楕円画像形成ビームの図である。
【図6A】本発明の例示的な実施例による画像形成システムからサンプルに画像形成ビームを伝達するために使用可能な典型的な非対称導波路構成部の概略図の正面図である。
【図6B】図6Aに示されたファイバが使用可能な本発明の例示的な実施例による典型的な内視鏡光学画像形成プローブの側面図である。
【図6C】図6Bのプローブの概略図の平面図である。
【図7】本発明の例示的な一実施例による回転ミラーとの組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための典型的な方法を示す動作図である。
【図8】本発明の別の例示的な実施例による線形空間光変調器との組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための別の典型的な方法を示す動作図である。
【図9】本発明の例示的な実施例による矩形モードファイバの光位相プロファイル/光振幅プロファイルを変調するための典型的な方法を示す動作図である。
【図10】本発明の特定の例示的な実施例による内視鏡画像形成構成部であって、レンズによる集束の前にファイバ端部を振動させるべく圧電アクチュエータを使用してディザリングビームを生成するための典型的な内視鏡画像形成構成部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面の全体を通して、特記されていない限り、同一の参照番号及び文字を使用して、図示された実施例の類似した特徴、要素、構成部品、又は部分を表記している。更には、以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明するが、この説明は、例示的な実施例との関連において行われる。添付の特許請求の範囲の請求項により規定された本発明の真の範囲及び精神を逸脱することなしに、説明対象の実施例に対して変更及び変形を実施することが可能であるものと解釈されたい。
【0018】
図1Aは、本発明の例示的な実施例による「OFDI(Optical Frequency Domain Imaging)」技術に基づいた第2世代OCT(Optical Coherence Tomography)画像形成システムの図を示している。図1Aのシステムは、波長掃引狭帯域レーザー源(波長掃引レーザー)100を利用し、単一要素のフォトレシーバ(photo−receiver)を使用して波長の関数として干渉縞を記録することが可能である。尚、ここでは、図1Aに示された例示的なシステムを、OFDI技術を利用することが可能であるものとして説明しているが、本発明による方法及び装置のその他の例示的な実施例は、同様に、時間ドメインOCT技術及び空間ドメインOCT技術を含むが、これらの時間ドメインOCT技術及び空間ドメインOCT技術に限定されないようなその他のOCT画像形成システムにも対応可能である。
【0019】
図1Aに示されているように、波長掃引狭帯域レーザー源100から供給された光又はその他の電磁放射線は、スプリッタ105において、基準経路106aとサンプル経路106bに分割されることが可能である。サンプル経路106aは、光サーキュレータ120、二次元ガルバノメーターミラー(二次元ガルバノメータースキャナ)130、及び集束レンズ135を介して、サンプル140に向けられることが可能である。基準光は、基準経路106bを通して向けられる。この基準経路は、サンプル経路106aの光学経路長に一致させるべく意図されたものであってよい。特定の典型的な構成は、このような機能を実現することが知られている。これらの典型的な構成は、サーキュレータを使用して基準光を可変遅延ライン115に向けることが可能であるような図1Aに示された非反射性経路及び構成を含む。戻ってきた基準光及びサンプル光は、結合器145において互いに干渉する。結合器145からの出力ビームは、第1偏光ビームスプリッタ(PBS)150a及び第2偏光ビームスプリッタ(PBS)150bに向けられることが可能である。これらの第1偏光ビームスプリッタ及び第2偏光ビームスプリッタのそれぞれの出力は、第1平衡型レシーバ155a及び第2平衡型レシーバ155bに向けられることが可能である。
【0020】
従来の処理技術を使用して、計測された干渉縞をサンプル内の深さ分解反射率を表すAラインに変換することが可能である。二次元ガルバノメーターミラー130を使用して二次元において画像形成ビーム136をスキャンすることにより、例示的な画像を取得することが可能である。例えば、サンプル140の表面上のx−y面内における任意のビームスキャンパターンを生成することが可能である。図1Bに示されているように、例えば、x次元に沿って迅速にスキャンし、且つ、y次元における様々な変位(160a、160b、160c、及び160d)について反復することにより、ボリュメトリック画像形成技術を遂行することが可能である。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、図1Cに示されているように、ビームが、x次元(165)において更に低速でスキャンしつつ、y次元において迅速に振動するように、ビームのディザリングを行うことも可能である。このような典型的なスキャン技術により、三次元における画像の記録を円滑に実行することが可能であり、且つ、ボリュメトリック・フィルタリング法の適用を実現することが可能である。
【0021】
図2Aは、ベースライン画像内に大きなスペックル雑音が図示されているように、ボリュメトリック・フィルタリング法を適用することなしに図1Bに示されたスキャンパターンを使用してデータセットから得られた(x−z面内における)典型的な単一断面画像190を示している。図2B及び図2Cは、面内(x−z)次元及び面外(y)次元において動作するボリュメトリック・メジアンフィルタの様々なサイズにおいて図1Bのスキャンパターンを使用して人間の皮膚から取得した典型的なOFDI画像を示している。
【0022】
例えば、図2Aに示されている表皮と真皮との境界を含む画像のサブセットが、フィルタリングを行っていない状態で図2Bに示されており(最も左側の画像191)、且つ、面外フィルタリングを行っていない状態で、面内フィルタのカーネルサイズを増大させた場合の画像が、上部列の画像192〜194に示されている。これらの画像に対する例示的な結果は、従来の2D(二次元)メジアンフィルタリングアルゴリズムの能力及び限界を実証している。これらの画像内には、スペックルの低減に伴う相当なぼやけが形成されている。図2Bに示された画像の下部列195〜197には、(面内フィルタリングを行うことなく)面外フィルタのカーネルサイズの増大の効果が提供されている。この場合、面内フィルタのカーネルサイズを増大させた場合の結果に使用されたものに等しいフィルタサイズを使用しているにも拘わらず、特徴のぼやけを伴うことのない構造的な視認性の明瞭な向上を観察することが可能である。これらの例示的な結果は、画像の断層面に対する最小限の面内フィルタリング及び大きな規模の面外フィルタリングを伴うサイズが顕著に非対称であるようなボリュメトリック・フィルタの使用によって得られる好ましい画像機能向上の結果を提供している。図2Cは、最適な画像の機能向上を実現するべく推定された面内フィルタリング及び面外フィルタリングの組み合わせに基づいて生成された典型的な断面画像198を示している。
【0023】
図3Aは、ディザリングビームのスキャン動作によるOFDI画像の補正を伴うことなしに(例えば、ピークとピークとの間のディザリング振幅が0μmである)生成された典型的なOFDI画像50、51を示している。図3B及び図3Cは、本発明の例示的な実施例に従ってそれぞれ異なる振幅を有するディザリングビームを適用することによって機能が向上した典型的な画像52、53及び54、55をそれぞれ示している。例えば、ディザリングビームスキャンを使用したスキャンは、500Hzで振幅が変化する正弦波波形によって駆動されたy軸ミラーを有する2D(二次元)ガルバノメーターを使用して実行されることが可能である。例えば、10kHzのシステムAラインレートの場合には、単一のディザリング周期は、20個の固有のAラインを包含することが可能である。取得したデータセットを単一画像として整理し、且つ、2D(二次元)メジアンフィルタを適用することにより、典型的なフィルタリング法を実行することが可能である。好ましいディザリング振幅を判定するために、例えば、0μm〜70μmのピークとピークとの間のディザリング振幅において、例えば、17.5μmのステップにより、人間の皮膚の生体計測値を取得することが可能である。例示的なメジアンフィルタリング法を単一のディザリング周期にわたって実行し、例えば、5μm(x次元)×7.5μm(z)という面内フィルタサイズ及び0〜70μmにおいて変化する面外フィルタサイズを生成することが可能である。図3B及び図3Cは、それぞれ、35μm及び70μmのピークとピークとの間のディザリング振幅において結果的に得られた画像52、53及び54、55を示している。
【0024】
図4A〜図4Cは、本発明の例示的な実施例による3つの例示的なディザリングビームスキャンパターンを示している。例えば、図4Aは、y次元における高速のゼロ平均変調、及びx次元における低速の一定速度のスキャン動作を含む典型的正弦波スキャンパターン200を示している。図4Bは、同一又は類似の周波数において90度の位相差を有する状態でx次元及びy次元をスキャンすることによって生成可能な典型的な螺旋スキャンパターン205を示しており、この螺旋スキャンパターンは、x次元における固定された速度の低速スキャン動作をも含んでいる。図4Cは、典型的な直交スキャンパターン210を示しており、この場合には、y次元は、高速の鋸歯パターンによって駆動され、且つ、x次元は、低速の固定された速度スキャンによって駆動されている。y次元における変位の程度は、例えば、集束ビームの断面幅の約0.5〜100倍であってよい。
【0025】
図5Aは、等しくない面内分解能スケール及び面外分解能スケールによるサンプルの画像形成を実現することが可能な典型的な対称画像形成ビームプロファイルを示している。図5Aには、円形のガウスビーム焦点が示されており、この場合には、焦点300におけるビームプロファイルは、x次元(スキャン方向)及びy次元(面外次元)において、対称である。図5Bは、サンプルの画像形成を実現することが可能な典型的な非対称画像形成ビームプロファイルを示している。図5Bにおいては、y次元において相対的に大きな非対称のビームプロファイル305を使用することが可能である。図5Bに示されたビームスキャンは、球形集束オプティクス及び円筒形集束オプティクスの組み合わせを使用することにより、或いは、図6A〜図6Cに示されているように、非円形導波路を使用することにより、生成されることが可能である。
【0026】
例えば、図6Aは、画像形成システムからサンプルに画像形成ビームを伝達するために使用可能な典型的な非対称導波路構成部を示している。例えば、この導波路構成部のコア400(これは、任意選択により、ガラス光ファイバ又はフォトニックバンドギャップファイバ(photonic band−gap fiber)であってよい)は、別の次元との関係において1つの次元にて相対的に大きな広がりを有することが可能である。この導波路構成部のクラッディング405は、図6Aに示されているように、円形であるか、或いは、その形状が非対称であってもよい。この結果、球形集束オプティクスを使用してこの画像形成ビームをサンプル上に結像することにより、結果的に、同様に非対称のビームプロファイルをサンプル上に得ることが可能である。
【0027】
図6Bは、この図6Aに示されたファイバが使用可能な本発明の例示的な実施例による典型的な内視鏡光学画像形成プローブを示しており、これによって、非対称画像形成ビームプロファイルをサンプル上に結果的に得ることができる。例えば、非対称のコア410を有する光ファイバを外部駆動シャフト425内において回転及び配置し、トルク伝達を増大させることが可能である。光ファイバの端部において、光は、空気又はアモルファスガラス等の部分411を通して拡大し、レンズ415によって集束されることが可能であり、且つ、プリズム420又はミラーによって横方向に向けられることが可能である。レンズ415は、ファイバプローブから概ね距離Δrだけ離れたところに、集束されたスポットを生成することが可能である。ファイバの角度方向は、図6Bに示されているように、集束されたビームが、x次元よりもz次元において大きくなることができるようになっている。ファイバ又は駆動シャフト425を回転させることにより、非対称画像形成ビームを並進運動させることが可能であり、且つ、これによって、中空の器官の画像形成を円滑に実行することが可能である。図6Cは、画像形成プローブの正面図を示しており、この正面図は、y次元に比較してx次元において相対的に厳密な焦点及び相対的に小さなスポットサイズを示している。
【0028】
図7は、本発明の例示的な一実施例による回転ミラーとの組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための典型的な方法の動作図を示している。又、図7は、システムからの画像形成ビームを(例えば、画像形成に使用される)矩形コアファイバの近位端に結合させるべく構成された本発明の例示的な実施例による構成をも示している。例えば、図7の構成によれば、ファイバの遠位端における画像形成ビームの位相プロファイル及び振幅プロファイルを変調することが可能である。この例示的な構成においては、ファイバの非対称コア502は、相対的に大きな広がりを有するコアの次元において複数の光学モードをサポートするべく構成されることが可能である。それぞれのモード又はこれらのモードの異なる組み合わせを励起することにより、それぞれが非相関スペックル雑音を有する反射率の複数の計測値を取得することが可能である。これらの計測値の組み合わせにより、スペックルが低減された画像形成の実行を実現することが可能である。図7に示されているように、ガウス対称入力ビーム510を画像形成システムからガルバノメーターミラー515に向けることが可能である。このミラー515は、レンズ505を通して光を導き、コアの矩形の広がりの範囲内の様々な横方向位置においてコア上に光を集束することが可能である。ガルバノメーターミラー515を傾斜させることにより、コアの励起位相プロファイル/励起振幅プロファイルを近位端において変調することが可能であり、且つ、それゆえに、遠位端において変調することも可能である。図6Bに示されているものに類似したプローブ設計は、内視鏡画像形成に使用可能である。例えば、戻ってきた光を同一又は類似のオプティクスを通して再収集することが可能である。
【0029】
図8は、本発明の例示的な実施例による矩形コアファイバの光学位相プロファイル/振幅プロファイルを変調するための典型的な方法の動作図を示しており、この動作図は、図7に示されているものに類似したものであってよい。又、図8は、この例示的な方法を実行することが可能な構成の別の例示的な実施例をも示している。但し、図8に示されているように、線形空間光変調器615によってガルバノメーターミラー515を代替することが可能である。例えば、システムからの入力ビーム610を、ビームの位相プロファイル及び/又は振幅プロファイルを迅速に変更する機能を有する線形空間光変調器615を通過させることが可能である。この光は、レンズ605を通して矩形コアファイバ600のコア602上に集束されることが可能である。線形空間光変調器615の代わりに、音響−光変調器又は電気−光変調器を使用してビームプロファイルを変更することも可能であろう。
【0030】
図9は、本発明の例示的な実施例による矩形モードファイバの光学位相プロファイル/光学振幅プロファイルを変調するための典型的な方法の動作図を示している。例えば、コア702内の光は、堅い静止した支持体705とアクチュエータ710との間に配置されたファイバの一部を通過する。アクチュエータ710を起動することにより、ファイバ内の圧縮応力を変化させる下向き又は上向きの動きを生成することが可能であり、且つ、モードプロファイルを変化させることが可能である。アクチュエータ710は、任意選択により、圧電スタック型アクチュエータであってよく、且つ、アクチュエータに対するコア702の向きは、図9に示されているものであってもよく、或いは、回転することも可能である。
【0031】
図10は、本発明の例示的な特定の実施例による内視鏡画像形成構成部であって、レンズによる集束の前にファイバ端部を振動させるべく圧電アクチュエータ型小直径内視鏡画像形成プローブを使用して(図4Aに示されたパターンに類似した)ディザリングビームスキャンを生成するための典型的な内視鏡画像形成構成部の図を示している。図10に示されているように、光ファイバ800は、画像形成光を集束レンズ820に向けることが可能である。光ファイバの先端が振動するように、圧電アクチュエータ805を正弦波信号によって駆動することが可能である。光ファイバからの光は、エアギャップ815内にて拡大し、レンズ820によって集束され、且つ、プリズム825によって横方向に向けられることが可能である。光ファイバの先端を振動させた結果として、画像形成ビーム830の集束されたスポットは、図示のディザリングパターン835において振動することが可能である。ハウジング810内に収容されたカテーテル全体の回転により、例えば、中空の円筒形器官840内で内部的にビームをスキャンさせることが可能である。
【0032】
以上述べた内容は、本発明の原理を例示するものに過ぎない。本明細書における開示内容に鑑み、これまで説明した実施例に対する様々な変更及び変形が当業者にとって明らかとなるであろう。実際に、本発明の例示的な実施例による装置、システム、及び方法は、画像形成システムと共に使用可能であり、且つ、例えば、2004年9月8日付けで出願された国際特許出願PCT/US2004/029148、2005年11月2日付けで出願された米国特許出願第11/266,779号、及び、2004年7月9日付けで出願された米国特許出願第10/501,276号に記述されているものと共に使用可能である。これらの特許出願明細書の全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれている。従って、当業者は、本明細書に明示的に図示及び記述されてはいないが、本発明の原理を実現するための多数のシステム、装置、及び方法であって、且つ、本発明の精神及び範囲に属する多数のシステム、装置、及び方法を考え出すことが可能であることを理解されたい。更には、以上のように本明細書に引用されることによって本明細書に明示的に組み込まれていない場合でも、従来技術の知識は、その全てが本明細書に明示的に包含されている。以上において引用された全ての文献は、本明細書に引用されることにより、その全ての内容が本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、OCT(Optical Coherence Tomography:光コヒーレンス・トモグラフィ)画像形成の機能を向上させる装置及び方法に関し、更に詳しくは、これらのOCT画像を生成するために使用可能な計測データの三次元フィルタリング(例えば、ボリュメトリック・フィルタリング(volumetric filtering))を利用した手法を使用してOCT画像のコントラストを向上させることができるような装置及び方法に関する。
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2006年8月25日付けで出願された米国特許出願第60/840,213号の優先権を主張するものであり、この全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
例えば、2mmの深さの組織微細構造の高分解能の断面画像を提供することが可能である診断手順及び診断技術として、「OCT(Optical Coherence Tomography)」を使用する可能性が十分に認識されている。しかしながら、いくつかの臨床応用分野においては、従来のOCT技術による診断における有用性が、スペックル雑音(speckle noise)の交絡現象(confounding effect)によって制限されている。このスペックル雑音は、画像形成分解能のサイズのスケールにおいて大きな規模の振幅雑音になり得るが、このスペックル雑音は、評価対象の組織の深度断層画像を提供するべく使用され得るコヒーレンス測距法(coherence ranging technique)により生成される可能性がある。特定の臨床に関連する構造は、約10mmの画像形成分解能よりもサイズが大きいにも拘わらず、このスペックル雑音のために周囲組織に対して上記構造を明瞭に識別するのに十分な固有の光散乱コントラストを確保できない可能性がある。
【0003】
スペックル雑音の影響を軽減させるための既に提案されている方法は、物理的複合法(physical compounding method)又はデジタル処理法のいずれかに分類されることが可能である。例えば、物理的複合法は、一般に、分析対象の組織の同一場所の複数のスペックル非相関計測値を組み合わせることによって機能する。このような方法を実施する際には、画像形成システムに対する変更を必要とする可能性があり、この変更は、カテーテルの設計及び侵襲を最小限にしたプローブの設計を複雑化するおそれがある。これらの物理的複合法の例は、角度複合法、周波数複合法、及び偏光複合法(例えば、偏光ダイバーシティ検出)を包含することが可能である。これとは対照的に、組織構造に関連する特定の特徴を保持しつつ、スペックル雑音を選択的に除去することを目的とした手順又はフィルタを使用するようなデジタル処理法は、従来、専ら二次元画像に適用されてきた。このようなデジタル処理法は、適応フィルタリング、正規化、及びウェーブレット(wavelet)法による雑音低減を含む。しかしながら、このデジタル処理法は、前述の物理的複合法とは異なり、オリジナルのスペックル雑音を有する画像内に含まれる情報コンテンツに制限される可能性が高い。従って、このデジタル処理法は、雑音に対して視覚的にフィルタリングを行い、且つ、内在する組織構造を認識するようなOCTの経験豊富な開発者の相当高い能力を上回る性能を有することが重要である。
【0004】
しかしながら、このような制限は、一般に、ボリュメトリック・OCTデータセットに対して三次元において機能させるべくデジタル処理法を拡張した場合には、適用されないであろう。OCT画像形成速度に関するある程度の改善により、OCT法及びOCTシステムを使用するボリュメトリック画像形成の臨床における実際的な実施が可能になっている。従って、現在、このようなOCT法及びOCTシステムを広範な疾病スクリーニングのためのツールとして利用するといったような潜在的な臨床的モチベーションが存在している。これらの三次元データセットは、直接的な視覚化が不可能であるため、通常、データセットから断層画像化された1つ又は複数の画像に基づいて診断を実行することが可能である。好ましくは、これらの断層画像化された画像は、断層面内(例えば、面内計測)及び断層面外の隣接する場所(例えば、面外計測)の両方から得られる計測情報を包含することが可能である。
【0005】
実際に、前述のような従来の装置及び方法に関連した欠点の少なくともいくつかのものを克服しなければならないというニーズが存在する可能性がある。例えば、このニーズは、データセットを断層画像化する前に、当該データセットに対してボリュメトリック・フィルタリングを行うことによって達成され得る。このような代表的なプロセスは、面外計測を取り入れることによって、結果的に得られる画像の情報コンテンツを増加させることができるので、大幅な機能向上を実現することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願PCT/US2004/029148
【特許文献2】米国特許出願第11/266,779号
【特許文献3】米国特許出願第10/501,276号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような問題点及び/又は欠点の少なくともいくつかのものを処理及び/又は克服するために、本発明は、これらの画像を生成するために使用可能な計測データの三次元フィルタリング(例えば、ボリュメトリック・フィルタリング)を利用した手法を使用して、OCT画像のコントラストを向上させることができるような装置及び方法の例示的な実施例を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な実施例によれば、機能が向上した画像を生成することができるようにするために、三次元においてデータセットのフィルタリングを行うことが可能である。本発明の第1の例示的な実施例においては、組織の特定の断層面の画像を生成する前に、非対称ボリュメトリック・メジアンフィルタ(asymmetric volumetric median filter)を三次元OCTデータセットに適用することが可能である。この例示的な実施例においては、フィルタリング・カーネル(filtering kernel)は、画像の断層面に対して面外の寸法が面内の寸法よりも大きなものであってよい。本発明の第2の例示的な実施例においては、ディザリングされたビーム(dithered beam)(ディザリングビーム)のスキャン(走査)パターンを生成し、大きなサンプルの動きが存在する状況において高忠実度のボリュメトリック画像形成の実行を可能にするべく構成可能なOCT画像形成システムを提供することが可能である。このディザリングビームによって取得したデータセットに対して適切にフィルタリングを行うことにより、機能が向上した二次元画像を生成することが可能である。
【0009】
従って、本発明による装置及び方法の例示的な実施例は、少なくとも上記のような理由によって提供されることが可能である。例えば、少なくとも1つの第1ファイバ構成部及び少なくとも1つの第2ファイバ構成部を提供することが可能である(これらの第1ファイバ構成部及び第2ファイバ構成部の各々は、光透過特性を有する)。第1ファイバ構成部は、少なくとも1つの電磁放射線を透過し、且つ、少なくとも1つの電磁放射線を少なくとも1つのサンプルに転送するべく構成されることが可能である。第2ファイバ構成部は、サンプルから受光した少なくとも1つの電磁放射線を透過するべく構成されることが可能であり、且つ、第1ファイバ構成部の少なくとも一部分をその内部に収容することが可能である。
【0010】
本発明の別の例示的な実施例によれば、第1及び第2ファイバ構成部は、それぞれ、ファイバであってよい。第1及び第2フィルタリング構成部の中の少なくとも1つのものを使用して第1及び第2ファイバのフィルタリングを行い、特定の波長を有する個々の透過された電磁放射線及び受光した電磁放射線の各々の少なくとも一部がその内部において転送されることを防止することが可能である。更には、受光した電磁放射線は、サンプルに関連するラマン放射線であってよい。
【0011】
更には、本発明の特定の例示的な実施例によれば、本発明による装置及び方法を提供することが可能であり、この場合に、少なくとも1つの第1電磁放射線を含む特定の放射線が少なくとも1つのサンプルに向けられ、且つ、少なくとも1つの第2電磁放射線が基準に向けられる。特定の断面幅を有する第1電磁放射線をサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成することが可能である。第1電磁放射線は、特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、サンプルの少なくとも一部分内で提供されることが可能であることが可能である。第1電磁放射線に関連する第3電磁放射線と第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間において干渉を検出することが可能である。更には、第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供することが可能である。
【0012】
本発明の別の例示的な実施例によれば、乗数の上限は、特定の断面幅の50、60、70、80、及び/又は90であってよい。第1電磁放射線は、サンプルの少なくとも一部分内で、特定の軸とは異なる更なる軸に沿って並進運動可能である。サンプルの少なくとも一部分に関連する少なくとも1つの画像を干渉の関数として生成することが可能である。第1電磁放射線は、正弦波パターン、三角形パターン、鋸歯パターン、及び/又は螺旋パターンにおいて、サンプルの少なくとも一部分内で並進運動可能である。
【0013】
本発明の更に別の例示的な実施例においては、第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有することが可能であり、この特定の断面幅な、特定の軸以外の任意のその他の軸に沿った第一電磁放射線の更なる断面幅を上回るものであってよい。又、第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有することが可能であり、この特定の断面幅は、特定の軸と別の軸に沿った第1電磁放射線の更なる断面幅を少なくとも2倍だけ上回る。更には、第1電磁放射線は、更なる軸に沿ってサンプルの少なくとも一部分内で並進運動可能であり、且つ、更なる軸は、特定の軸に対してほぼ垂直であってよい。第一電磁放射線の振幅プロファイル及び/又は位相プロファイルを変調することが可能である。空間光変調構成部、ガルバノメーター構成部、音響−光変調構成部、導波路モードスクランブル構成部、及び/又は非対称導波路構成部の中の少なくとも1つのものを提供することが可能である。非対称導波路構成部は、第1電磁放射線の少なくとも3つの直交モードを伝播させるべく構成されることが可能である。
【0014】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点、ならびに、その他の目的、特徴、及び利点は、添付の特許請求の範囲の請求項との関連において、本発明の実施例に関する以下の詳細な説明を参照することにより、明らかであろう。
【0015】
又一方で、本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本発明のいくつかの例示的な実施例を示す添付の図面との関連において以下の詳細な説明を参照することにより、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】ボリュメトリック・データセットを取得するために使用可能な本発明によるOFDI(Optical Frequency Domain Imaging:光周波数ドメイン画像形成)システムの例示的な実施例の概略的なブロック図である。
【図1B】ラスタースキャンがなされたパターンである本発明の例示的な一実施例による代表的な照射図である。
【図1C】ディザリングされたビームのスキャンパターンである本発明の別の例示的な実施例による典型的な照射図である。
【図2A】フィルタリングがなされていない典型的な画像である。
【図2B】本発明の別の例示的な実施例によるカーネルサイズ(kernel size)の様々な面内及び面外寸法を有するボリュメトリック・メジアンフィルタリング手順を適用して結果的に入手可能であるような機能が向上した典型的な画像のセットである。
【図2C】図2Aのカーネルサイズに類似したカーネルサイズを有する本発明の例示的な実施例によるボリュメトリック・メジアンフィルタリング手順を適用して結果的に入手可能であるような機能が向上した第2の典型的な画像である。
【図3A】ディザリングビームの適用によって機能向上がなされなかった典型的な画像である。
【図3B】本発明の例示的な一実施例による第1振幅を有するディザリングビームの適用によって機能が向上した例示的な画像である。
【図3C】本発明の別の例示的な実施例による第1振幅を有するディザリングビームの適用によって機能が向上した別の典型的な画像である。
【図4A】本発明の例示的な一実施例による第1の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図4B】本発明の別の例示的な実施例による第2の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図4C】本発明の更なる例示的な実施例による第3の典型的なディザリングビームスキャンパターンの図である。
【図5A】本発明の例示的な一実施例による対称楕円画像形成ビームの図である。
【図5B】本発明の特定の例示的な実施例による非対称楕円画像形成ビームの図である。
【図6A】本発明の例示的な実施例による画像形成システムからサンプルに画像形成ビームを伝達するために使用可能な典型的な非対称導波路構成部の概略図の正面図である。
【図6B】図6Aに示されたファイバが使用可能な本発明の例示的な実施例による典型的な内視鏡光学画像形成プローブの側面図である。
【図6C】図6Bのプローブの概略図の平面図である。
【図7】本発明の例示的な一実施例による回転ミラーとの組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための典型的な方法を示す動作図である。
【図8】本発明の別の例示的な実施例による線形空間光変調器との組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための別の典型的な方法を示す動作図である。
【図9】本発明の例示的な実施例による矩形モードファイバの光位相プロファイル/光振幅プロファイルを変調するための典型的な方法を示す動作図である。
【図10】本発明の特定の例示的な実施例による内視鏡画像形成構成部であって、レンズによる集束の前にファイバ端部を振動させるべく圧電アクチュエータを使用してディザリングビームを生成するための典型的な内視鏡画像形成構成部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面の全体を通して、特記されていない限り、同一の参照番号及び文字を使用して、図示された実施例の類似した特徴、要素、構成部品、又は部分を表記している。更には、以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明するが、この説明は、例示的な実施例との関連において行われる。添付の特許請求の範囲の請求項により規定された本発明の真の範囲及び精神を逸脱することなしに、説明対象の実施例に対して変更及び変形を実施することが可能であるものと解釈されたい。
【0018】
図1Aは、本発明の例示的な実施例による「OFDI(Optical Frequency Domain Imaging)」技術に基づいた第2世代OCT(Optical Coherence Tomography)画像形成システムの図を示している。図1Aのシステムは、波長掃引狭帯域レーザー源(波長掃引レーザー)100を利用し、単一要素のフォトレシーバ(photo−receiver)を使用して波長の関数として干渉縞を記録することが可能である。尚、ここでは、図1Aに示された例示的なシステムを、OFDI技術を利用することが可能であるものとして説明しているが、本発明による方法及び装置のその他の例示的な実施例は、同様に、時間ドメインOCT技術及び空間ドメインOCT技術を含むが、これらの時間ドメインOCT技術及び空間ドメインOCT技術に限定されないようなその他のOCT画像形成システムにも対応可能である。
【0019】
図1Aに示されているように、波長掃引狭帯域レーザー源100から供給された光又はその他の電磁放射線は、スプリッタ105において、基準経路106aとサンプル経路106bに分割されることが可能である。サンプル経路106aは、光サーキュレータ120、二次元ガルバノメーターミラー(二次元ガルバノメータースキャナ)130、及び集束レンズ135を介して、サンプル140に向けられることが可能である。基準光は、基準経路106bを通して向けられる。この基準経路は、サンプル経路106aの光学経路長に一致させるべく意図されたものであってよい。特定の典型的な構成は、このような機能を実現することが知られている。これらの典型的な構成は、サーキュレータを使用して基準光を可変遅延ライン115に向けることが可能であるような図1Aに示された非反射性経路及び構成を含む。戻ってきた基準光及びサンプル光は、結合器145において互いに干渉する。結合器145からの出力ビームは、第1偏光ビームスプリッタ(PBS)150a及び第2偏光ビームスプリッタ(PBS)150bに向けられることが可能である。これらの第1偏光ビームスプリッタ及び第2偏光ビームスプリッタのそれぞれの出力は、第1平衡型レシーバ155a及び第2平衡型レシーバ155bに向けられることが可能である。
【0020】
従来の処理技術を使用して、計測された干渉縞をサンプル内の深さ分解反射率を表すAラインに変換することが可能である。二次元ガルバノメーターミラー130を使用して二次元において画像形成ビーム136をスキャンすることにより、例示的な画像を取得することが可能である。例えば、サンプル140の表面上のx−y面内における任意のビームスキャンパターンを生成することが可能である。図1Bに示されているように、例えば、x次元に沿って迅速にスキャンし、且つ、y次元における様々な変位(160a、160b、160c、及び160d)について反復することにより、ボリュメトリック画像形成技術を遂行することが可能である。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、図1Cに示されているように、ビームが、x次元(165)において更に低速でスキャンしつつ、y次元において迅速に振動するように、ビームのディザリングを行うことも可能である。このような典型的なスキャン技術により、三次元における画像の記録を円滑に実行することが可能であり、且つ、ボリュメトリック・フィルタリング法の適用を実現することが可能である。
【0021】
図2Aは、ベースライン画像内に大きなスペックル雑音が図示されているように、ボリュメトリック・フィルタリング法を適用することなしに図1Bに示されたスキャンパターンを使用してデータセットから得られた(x−z面内における)典型的な単一断面画像190を示している。図2B及び図2Cは、面内(x−z)次元及び面外(y)次元において動作するボリュメトリック・メジアンフィルタの様々なサイズにおいて図1Bのスキャンパターンを使用して人間の皮膚から取得した典型的なOFDI画像を示している。
【0022】
例えば、図2Aに示されている表皮と真皮との境界を含む画像のサブセットが、フィルタリングを行っていない状態で図2Bに示されており(最も左側の画像191)、且つ、面外フィルタリングを行っていない状態で、面内フィルタのカーネルサイズを増大させた場合の画像が、上部列の画像192〜194に示されている。これらの画像に対する例示的な結果は、従来の2D(二次元)メジアンフィルタリングアルゴリズムの能力及び限界を実証している。これらの画像内には、スペックルの低減に伴う相当なぼやけが形成されている。図2Bに示された画像の下部列195〜197には、(面内フィルタリングを行うことなく)面外フィルタのカーネルサイズの増大の効果が提供されている。この場合、面内フィルタのカーネルサイズを増大させた場合の結果に使用されたものに等しいフィルタサイズを使用しているにも拘わらず、特徴のぼやけを伴うことのない構造的な視認性の明瞭な向上を観察することが可能である。これらの例示的な結果は、画像の断層面に対する最小限の面内フィルタリング及び大きな規模の面外フィルタリングを伴うサイズが顕著に非対称であるようなボリュメトリック・フィルタの使用によって得られる好ましい画像機能向上の結果を提供している。図2Cは、最適な画像の機能向上を実現するべく推定された面内フィルタリング及び面外フィルタリングの組み合わせに基づいて生成された典型的な断面画像198を示している。
【0023】
図3Aは、ディザリングビームのスキャン動作によるOFDI画像の補正を伴うことなしに(例えば、ピークとピークとの間のディザリング振幅が0μmである)生成された典型的なOFDI画像50、51を示している。図3B及び図3Cは、本発明の例示的な実施例に従ってそれぞれ異なる振幅を有するディザリングビームを適用することによって機能が向上した典型的な画像52、53及び54、55をそれぞれ示している。例えば、ディザリングビームスキャンを使用したスキャンは、500Hzで振幅が変化する正弦波波形によって駆動されたy軸ミラーを有する2D(二次元)ガルバノメーターを使用して実行されることが可能である。例えば、10kHzのシステムAラインレートの場合には、単一のディザリング周期は、20個の固有のAラインを包含することが可能である。取得したデータセットを単一画像として整理し、且つ、2D(二次元)メジアンフィルタを適用することにより、典型的なフィルタリング法を実行することが可能である。好ましいディザリング振幅を判定するために、例えば、0μm〜70μmのピークとピークとの間のディザリング振幅において、例えば、17.5μmのステップにより、人間の皮膚の生体計測値を取得することが可能である。例示的なメジアンフィルタリング法を単一のディザリング周期にわたって実行し、例えば、5μm(x次元)×7.5μm(z)という面内フィルタサイズ及び0〜70μmにおいて変化する面外フィルタサイズを生成することが可能である。図3B及び図3Cは、それぞれ、35μm及び70μmのピークとピークとの間のディザリング振幅において結果的に得られた画像52、53及び54、55を示している。
【0024】
図4A〜図4Cは、本発明の例示的な実施例による3つの例示的なディザリングビームスキャンパターンを示している。例えば、図4Aは、y次元における高速のゼロ平均変調、及びx次元における低速の一定速度のスキャン動作を含む典型的正弦波スキャンパターン200を示している。図4Bは、同一又は類似の周波数において90度の位相差を有する状態でx次元及びy次元をスキャンすることによって生成可能な典型的な螺旋スキャンパターン205を示しており、この螺旋スキャンパターンは、x次元における固定された速度の低速スキャン動作をも含んでいる。図4Cは、典型的な直交スキャンパターン210を示しており、この場合には、y次元は、高速の鋸歯パターンによって駆動され、且つ、x次元は、低速の固定された速度スキャンによって駆動されている。y次元における変位の程度は、例えば、集束ビームの断面幅の約0.5〜100倍であってよい。
【0025】
図5Aは、等しくない面内分解能スケール及び面外分解能スケールによるサンプルの画像形成を実現することが可能な典型的な対称画像形成ビームプロファイルを示している。図5Aには、円形のガウスビーム焦点が示されており、この場合には、焦点300におけるビームプロファイルは、x次元(スキャン方向)及びy次元(面外次元)において、対称である。図5Bは、サンプルの画像形成を実現することが可能な典型的な非対称画像形成ビームプロファイルを示している。図5Bにおいては、y次元において相対的に大きな非対称のビームプロファイル305を使用することが可能である。図5Bに示されたビームスキャンは、球形集束オプティクス及び円筒形集束オプティクスの組み合わせを使用することにより、或いは、図6A〜図6Cに示されているように、非円形導波路を使用することにより、生成されることが可能である。
【0026】
例えば、図6Aは、画像形成システムからサンプルに画像形成ビームを伝達するために使用可能な典型的な非対称導波路構成部を示している。例えば、この導波路構成部のコア400(これは、任意選択により、ガラス光ファイバ又はフォトニックバンドギャップファイバ(photonic band−gap fiber)であってよい)は、別の次元との関係において1つの次元にて相対的に大きな広がりを有することが可能である。この導波路構成部のクラッディング405は、図6Aに示されているように、円形であるか、或いは、その形状が非対称であってもよい。この結果、球形集束オプティクスを使用してこの画像形成ビームをサンプル上に結像することにより、結果的に、同様に非対称のビームプロファイルをサンプル上に得ることが可能である。
【0027】
図6Bは、この図6Aに示されたファイバが使用可能な本発明の例示的な実施例による典型的な内視鏡光学画像形成プローブを示しており、これによって、非対称画像形成ビームプロファイルをサンプル上に結果的に得ることができる。例えば、非対称のコア410を有する光ファイバを外部駆動シャフト425内において回転及び配置し、トルク伝達を増大させることが可能である。光ファイバの端部において、光は、空気又はアモルファスガラス等の部分411を通して拡大し、レンズ415によって集束されることが可能であり、且つ、プリズム420又はミラーによって横方向に向けられることが可能である。レンズ415は、ファイバプローブから概ね距離Δrだけ離れたところに、集束されたスポットを生成することが可能である。ファイバの角度方向は、図6Bに示されているように、集束されたビームが、x次元よりもz次元において大きくなることができるようになっている。ファイバ又は駆動シャフト425を回転させることにより、非対称画像形成ビームを並進運動させることが可能であり、且つ、これによって、中空の器官の画像形成を円滑に実行することが可能である。図6Cは、画像形成プローブの正面図を示しており、この正面図は、y次元に比較してx次元において相対的に厳密な焦点及び相対的に小さなスポットサイズを示している。
【0028】
図7は、本発明の例示的な一実施例による回転ミラーとの組み合わせにおける矩形コアファイバを使用してスペックルを低減させるための典型的な方法の動作図を示している。又、図7は、システムからの画像形成ビームを(例えば、画像形成に使用される)矩形コアファイバの近位端に結合させるべく構成された本発明の例示的な実施例による構成をも示している。例えば、図7の構成によれば、ファイバの遠位端における画像形成ビームの位相プロファイル及び振幅プロファイルを変調することが可能である。この例示的な構成においては、ファイバの非対称コア502は、相対的に大きな広がりを有するコアの次元において複数の光学モードをサポートするべく構成されることが可能である。それぞれのモード又はこれらのモードの異なる組み合わせを励起することにより、それぞれが非相関スペックル雑音を有する反射率の複数の計測値を取得することが可能である。これらの計測値の組み合わせにより、スペックルが低減された画像形成の実行を実現することが可能である。図7に示されているように、ガウス対称入力ビーム510を画像形成システムからガルバノメーターミラー515に向けることが可能である。このミラー515は、レンズ505を通して光を導き、コアの矩形の広がりの範囲内の様々な横方向位置においてコア上に光を集束することが可能である。ガルバノメーターミラー515を傾斜させることにより、コアの励起位相プロファイル/励起振幅プロファイルを近位端において変調することが可能であり、且つ、それゆえに、遠位端において変調することも可能である。図6Bに示されているものに類似したプローブ設計は、内視鏡画像形成に使用可能である。例えば、戻ってきた光を同一又は類似のオプティクスを通して再収集することが可能である。
【0029】
図8は、本発明の例示的な実施例による矩形コアファイバの光学位相プロファイル/振幅プロファイルを変調するための典型的な方法の動作図を示しており、この動作図は、図7に示されているものに類似したものであってよい。又、図8は、この例示的な方法を実行することが可能な構成の別の例示的な実施例をも示している。但し、図8に示されているように、線形空間光変調器615によってガルバノメーターミラー515を代替することが可能である。例えば、システムからの入力ビーム610を、ビームの位相プロファイル及び/又は振幅プロファイルを迅速に変更する機能を有する線形空間光変調器615を通過させることが可能である。この光は、レンズ605を通して矩形コアファイバ600のコア602上に集束されることが可能である。線形空間光変調器615の代わりに、音響−光変調器又は電気−光変調器を使用してビームプロファイルを変更することも可能であろう。
【0030】
図9は、本発明の例示的な実施例による矩形モードファイバの光学位相プロファイル/光学振幅プロファイルを変調するための典型的な方法の動作図を示している。例えば、コア702内の光は、堅い静止した支持体705とアクチュエータ710との間に配置されたファイバの一部を通過する。アクチュエータ710を起動することにより、ファイバ内の圧縮応力を変化させる下向き又は上向きの動きを生成することが可能であり、且つ、モードプロファイルを変化させることが可能である。アクチュエータ710は、任意選択により、圧電スタック型アクチュエータであってよく、且つ、アクチュエータに対するコア702の向きは、図9に示されているものであってもよく、或いは、回転することも可能である。
【0031】
図10は、本発明の例示的な特定の実施例による内視鏡画像形成構成部であって、レンズによる集束の前にファイバ端部を振動させるべく圧電アクチュエータ型小直径内視鏡画像形成プローブを使用して(図4Aに示されたパターンに類似した)ディザリングビームスキャンを生成するための典型的な内視鏡画像形成構成部の図を示している。図10に示されているように、光ファイバ800は、画像形成光を集束レンズ820に向けることが可能である。光ファイバの先端が振動するように、圧電アクチュエータ805を正弦波信号によって駆動することが可能である。光ファイバからの光は、エアギャップ815内にて拡大し、レンズ820によって集束され、且つ、プリズム825によって横方向に向けられることが可能である。光ファイバの先端を振動させた結果として、画像形成ビーム830の集束されたスポットは、図示のディザリングパターン835において振動することが可能である。ハウジング810内に収容されたカテーテル全体の回転により、例えば、中空の円筒形器官840内で内部的にビームをスキャンさせることが可能である。
【0032】
以上述べた内容は、本発明の原理を例示するものに過ぎない。本明細書における開示内容に鑑み、これまで説明した実施例に対する様々な変更及び変形が当業者にとって明らかとなるであろう。実際に、本発明の例示的な実施例による装置、システム、及び方法は、画像形成システムと共に使用可能であり、且つ、例えば、2004年9月8日付けで出願された国際特許出願PCT/US2004/029148、2005年11月2日付けで出願された米国特許出願第11/266,779号、及び、2004年7月9日付けで出願された米国特許出願第10/501,276号に記述されているものと共に使用可能である。これらの特許出願明細書の全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれている。従って、当業者は、本明細書に明示的に図示及び記述されてはいないが、本発明の原理を実現するための多数のシステム、装置、及び方法であって、且つ、本発明の精神及び範囲に属する多数のシステム、装置、及び方法を考え出すことが可能であることを理解されたい。更には、以上のように本明細書に引用されることによって本明細書に明示的に組み込まれていない場合でも、従来技術の知識は、その全てが本明細書に明示的に包含されている。以上において引用された全ての文献は、本明細書に引用されることにより、その全ての内容が本明細書に組み込まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供するべく構成された少なくとも1つの第1構成部と、
特定の断面幅を有する前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成するべく構成された少なくとも1つの第2構成部であって、該少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成されるような前記少なくとも1つの第2構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出するべく構成された少なくとも1つの第3構成部とを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記所定の乗数の上限は、前記特定の断面幅に対して50、60、70、80、又は90の中の少なくとも1つである請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の軸とは異なる更なる軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく構成される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一部分に関連する少なくとも1つの画像を前記干渉の関数として生成するべく構成された少なくとも1つの第4構成部を更に有する請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2構成部は、正弦波パターン、三角形パターン、鋸歯パターン、又は螺旋パターンの中の少なくとも1つのものにおいて前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成される請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供するべく更に構成される請求項1記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供する段階と、
特定の断面幅を有する前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成する段階と、
前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させる段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出する段階とを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供するべく構成された少なくとも1つの第1構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成するべく構成された少なくとも1つの第2構成部であって、該少なくとも1つの第2構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供するべく更に構成されるような前記少なくとも1つの第2構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出するべく構成された少なくとも1つの第3構成部とを有することを特徴とする装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有しており、前記特定の断面幅は、前記特定の軸以外の任意のその他の軸に沿った前記少なくとも1つの第1電磁放射線の更なる断面幅を上回る請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有しており、前記特定の断面幅は、前記特定の軸と別の軸に沿った前記少なくとも1つの第1電磁放射線の更なる断面幅を少なくとも2倍だけ上回る請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第2構成部は、更なる軸に沿って前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成され、且つ、前記更なる軸は、前記特定の軸に対してほぼ垂直である請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線の振幅プロファイル又は位相プロファイルの中の少なくとも1つのものを変調するべく構成された少なくとも1つの第4構成部を更に有する請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第4構成部は、空間光変調構成部、ガルバノメーター構成部、音響−光変調構成部、又は導波路モードスクランブル構成部の中の少なくとも1つのものを含む請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2構成部は、少なくとも1つの非対称導波路構成部を含む請求項8記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの非対称導波路構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の少なくとも3つの直交モードを伝播させるべく構成される請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成される請求項8記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つ第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出する段階とを有することを特徴とする方法。
【請求項1】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供するべく構成された少なくとも1つの第1構成部と、
特定の断面幅を有する前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成するべく構成された少なくとも1つの第2構成部であって、該少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成されるような前記少なくとも1つの第2構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出するべく構成された少なくとも1つの第3構成部とを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記所定の乗数の上限は、前記特定の断面幅に対して50、60、70、80、又は90の中の少なくとも1つである請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の軸とは異なる更なる軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく構成される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一部分に関連する少なくとも1つの画像を前記干渉の関数として生成するべく構成された少なくとも1つの第4構成部を更に有する請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2構成部は、正弦波パターン、三角形パターン、鋸歯パターン、又は螺旋パターンの中の少なくとも1つのものにおいて前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成される請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供するべく更に構成される請求項1記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供する段階と、
特定の断面幅を有する前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成する段階と、
前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させる段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出する段階とを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供するべく構成された少なくとも1つの第1構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成するべく構成された少なくとも1つの第2構成部であって、該少なくとも1つの第2構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供するべく更に構成されるような前記少なくとも1つの第2構成部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つの第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出するべく構成された少なくとも1つの第3構成部とを有することを特徴とする装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有しており、前記特定の断面幅は、前記特定の軸以外の任意のその他の軸に沿った前記少なくとも1つの第1電磁放射線の更なる断面幅を上回る請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線は、特定の軸に沿った特定の断面幅を有しており、前記特定の断面幅は、前記特定の軸と別の軸に沿った前記少なくとも1つの第1電磁放射線の更なる断面幅を少なくとも2倍だけ上回る請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第2構成部は、更なる軸に沿って前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成され、且つ、前記更なる軸は、前記特定の軸に対してほぼ垂直である請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1電磁放射線の振幅プロファイル又は位相プロファイルの中の少なくとも1つのものを変調するべく構成された少なくとも1つの第4構成部を更に有する請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第4構成部は、空間光変調構成部、ガルバノメーター構成部、音響−光変調構成部、又は導波路モードスクランブル構成部の中の少なくとも1つのものを含む請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2構成部は、少なくとも1つの非対称導波路構成部を含む請求項8記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの非対称導波路構成部は、前記少なくとも1つの第1電磁放射線の少なくとも3つの直交モードを伝播させるべく構成される請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第2構成部は、前記特定の断面幅に対する0.5の乗数と100の乗数との間の所定の乗数に相当する距離について特定の軸に沿って、前記少なくとも一部分内で前記少なくとも1つの第1電磁放射線を並進運動させるべく更に構成される請求項8記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのサンプルに向けられた少なくとも1つの第1電磁放射線と、基準に向けられた少なくとも1つの第2電磁放射線とを含む特定の放射線を提供する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線を前記少なくとも1つのサンプルの少なくとも一部分に印加し、少なくとも1つの第3電磁放射線を生成する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線の非対称断面エリアを提供する段階と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線に関連する前記少なくとも1つ第3電磁放射線と前記少なくとも1つの第2電磁放射線に関連する少なくとも1つの第4電磁放射線との間の干渉を検出する段階とを有することを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−501877(P2010−501877A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526822(P2009−526822)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/076710
【国際公開番号】WO2008/024948
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/076710
【国際公開番号】WO2008/024948
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
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