説明

ボンディング装置

【課題】従来、安価であって実験レベルで利用可能なボンディング装置を提供することができないという課題があった。
【解決手段】
第一回路部品100が上面に載置され、互いに直交する第一方向と第二方向との二方向に移動可能なステージ20と、第一回路部品100に対し異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを順次位置あわせして載置する治具10と、位置あわせする際に、ステージ20上方から拡大して撮影する撮影部30と、撮影部30の撮影した画像を表示する表示部50と、ステージ20上に載置された第一回路部品100と、異方導電性フィルム300を挟んで載置された第二回路部品200とに対して、異方導電性フィルム300を挟む方向に圧力を加える加圧部60と、加圧部60が圧力を加えている際加熱する加熱部70とを具備するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスや基板等の微小な回路部品のボンディングに用いられるボンディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体デバイスを基板等に実装する装置として、ワイヤボンディング装置が知られていた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−221257号公報(第1頁、第1図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のワイヤボンディング装置は、動作が複雑であるとともに、構造が複雑であるため、価格が高価であった。また、設備も大型であった。このため、大学の研究室や中小企業等においては、導入が困難であるという課題があった。また、このようなワイヤボンディング装置は、通常は、生産ラインに導入されるため、研究段階や構想段階での試作に自由に利用することができず、このような実装が、手作業で行われたりしていた。この結果、ボンディングを容易に精度良く行うことが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のボンディング装置は、上面に接続端子を有する第一回路部品と下面に接続端子を有する第二回路部品とを異方導電性フィルムを用いてボンディングするボンディング装置であって、前記第一回路部品が上面に載置され、当該上面に平行である互いに直交する第一方向と第二方向との二方向に移動可能なステージと、前記第一回路部品に対して、前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを順次位置あわせして、前記第一回路部品上に前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを順次載置するための治具と、前記第一回路部品に対して、前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを位置あわせする際に、前記ステージの上方から、前記第一回路部品と前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを拡大して撮影する撮影部と、前記撮影部の撮影した画像を表示する表示部と、前記ステージ上に載置された前記第一回路部品と、当該第一回路部品上に前記異方導電性フィルムを挟んで載置された前記第二回路部品とに対して、前記異方導電性フィルムを挟む方向に圧力を加える加圧部と、前記加圧部が圧力を加えている際に、前記異方導電性フィルムを加熱する加熱部とを具備するボンディング装置である。
【0005】
かかる構成により、大型の設備等が不要であり、安価であって実験レベルで利用可能なボンディング装置を提供することができる。
【0006】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記加圧部により加えられた圧力を計測する加圧計測部と、前記加圧計測部の計測した圧力が予め設定した値以上となった場合に、前記加圧部による加圧を停止する加圧制御部とを更に具備するボンディング装置である。
【0007】
かかる構成により、加圧部により加圧する圧力を簡易な構成で正確に制御できる。
【0008】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記第一回路部品と、前記異方導電性フィルムと、前記第二回路部品とをそれぞれ配置する位置を示す画像であるガイド画像を示す情報であるガイド画像情報が格納され得るガイド画像情報格納部を更に具備し、前記表示部は、前記ガイド画像情報格納部に格納されているガイド画像情報が示すガイド画像を、前記撮影部が撮影した画像に合成して表示するボンディング装置である。
【0009】
かかる構成により、位置あわせを、正確かつ容易に行うことが可能となる。
【0010】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記ステージは、当該ステージ上面の、前記第一回路部品が載置される領域に隣接した領域の高さを可変とする高さ調節機構を備えているボンディング装置である。
【0011】
かかる構成により、ボンディング前に、配置される高さの異なる回路部品同士を、高さを調節して重ね合わせて保持しておくことができ、回路部品同士の重ね合わせが難しい場合においても、容易にボンディングを行うことができる。
【0012】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記第一回路部品上に順次載置された異方導電性フィルムと第二回路部品とを、前記加圧部により加圧する直前まで前記第一回路部品上に固定する固定治具を更に具備するボンディング装置である。
【0013】
かかる構成により、位置あわせした第一回路部品と異方導電性フィルムと第二回路部品との配置が、ボンディング直前までずれないようにすることができる。
【0014】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記固定治具は、前記ステージの下方向および前記ステージの中心方向に付勢されるアームを具備し、前記加圧部が前記第二回路部品を加圧する直前に、前記アームを、前記ステージの上方向および前記ステージの外側に向かう方向に移動させる退避機構を更に具備するボンディング装置である。
【0015】
かかる構成により、固定治具が、ボンディング時の邪魔にならないようにすることができる。
【0016】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記撮影部と前記加圧部とが並列して配置されており、前記ステージは当該撮影部下の位置と加圧部下の位置との間を移動するボンディング装置である。
【0017】
かかる構成により、撮影部下において位置あわせして重ね合わせた第一回路部品と異方導電性フィルムと第二回路部品とを、加圧部の下に移動させて、容易にボンディングすることができる。
【0018】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記撮影部の前記ステージ側に配置されたリング照明を更に具備するボンディング装置である。
【0019】
かかる構成により、位置あわせの際に、ステージ上を均等に明るくすることができ、位置あわせを用意とすることができる。
【0020】
また、本発明のボンディング装置は、前記ボンディング装置において、前記第一回路部品と前記第二回路部品とは、接続される端子同士が対向するよう位置あわせされるボンディング装置である。
【0021】
かかる構成により、第一回路部品と第二回路部品とが、電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるボンディング装置等によれば、安価であって実験レベルで利用可能なボンディング装置を提供することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、ボンディング装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるボンディング装置を示す正面図である。なお、図1において、固定治具80や表示部50等は、省略している。
【0025】
図2は、本実施の形態におけるボンディング装置を示す側面図である。なお、本実施の形態において、ステージ20上に配置されている第一の回路部品(以下、第一回路部品と称す)100、下面に接続端子(以下、端子と称す)を有する第二の回路部品(以下、第二回路部品と称す)200、および異方導電性フィルム300の縮尺と、ボンディング装置の縮尺とは、説明の便宜上、実際とは異なるものであるとする。
【0026】
図3は、本実施の形態におけるボンディング装置の構成を示す模式図である。
【0027】
図4は、ステージ20の上面の構成を説明するための平面図である。
【0028】
図5は、ステージ20の構成を説明するための、ステージ20上部の側面図である。
【0029】
本実施の形態にかかるボンディング装置は、上面に端子を有する第一回路部品100と、下面に端子を有する第二回路部品200とを、異方導電性フィルム300を用いてボンディングする装置である。このボンディング装置は、特に、第一回路部品100上に、第二回路部品200を、所望の対応する端子同士が対向するように位置あわせして、対応する端子同士が電気的に接続されるよう、異方導電性フィルム300を用いてボンディングする装置である。なお、ここでは、第一回路部品100と第二回路部品200との全体が重なるよう位置あわせしてボンディングしてもよいし、図5に示すように、第一回路部品100と第二回路部品200との一部が重なるよう位置あわせしてボンディングしてもよい。また、異方導電性フィルム300は、第一回路部品100と第二回路部品200とが重なる部分に配置される。
【0030】
回路部品とは、電子部品や基板、センサーユニット等の回路を有する部品である。電子部品は、例えば、LSIやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等である。この実施の形態において利用される電子部品の厚さは、例えば数十μmから100μm程度であるが、厚さは問わない。このボンディング装置は、特に5mm角以下の微細な電子部品をボンディングすることが可能なものである。基板は、例えば、配線等が設けられたフィルム基板等である。ただし、基板の材質等は問わない。センサユニットは、例えば、MEMS等に用いられる圧力センサや加速度センサのユニット等である。
【0031】
この実施の形態では、第一回路部品100が電子部品で、第二回路部品200が基板である場合について説明する。ただし、第一回路部品100が基板で、第二回路部品200が電子部品であっても良い。また、第一回路部品100および第二回路部品200の両方が、基板であっても良いし、両方が電子部品であっても良い。
【0032】
異方導電性フィルム300は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の接着剤に導電性を持つ金属等の微細粒子を混ぜ合わせたものによって構成されたフィルムである。例えば、基板等の回路部品に、電子部品等の回路部品を実装する際に、基板と電子部品との間に異方導電性フィルムを挟み、加熱しながら基板と電子部品とを挟む方向に加圧することで、異方導電性フィルム300の、基板の突起している端子と、電子部品の突起している端子とが当接される部分のみが加圧され、加圧された部分に分散している微細粒子同士が接触することで、基板の端子と電子部品の端子とを電気的に接続することができる。異方導電性フィルム300の加圧されなかった部分は、粒子同士が分散しており、絶縁性が保たれており、電子部品の端子間、あるいはフィルム基板の端子間の絶縁は保持される。このため、第一回路部品と第二回路部品とを、所望の対応する一組以上の端子同士が対向するように、異方導電性フィルムを挟んで積層し、加熱しながら第一回路部品と第二回路部品を積層方向に加圧することで、一組以上の端子を、対応する端子間の導電性と、対応しない端子間の絶縁性とを両立しながら、同時に一括接続することが可能となる。半導体部品と基板との接続に用いられる異方導電性フィルム300としては、通常、20〜70μm程度の厚さのものが利用される。ただし、厚さは問わない。
【0033】
ボンディング装置は、治具10、ステージ20、撮影部30、リング照明35、ガイド画像情報格納部40、表示部50、加圧部60、加圧計測部61、加圧制御部62、加熱部70、固定治具80を具備している。
【0034】
ここでは、ステージ20、加圧計測部61、固定治具80等は、撮影部30の撮影領域下の位置と、加圧部60による加圧が可能な領域下の位置との間を、移動可能な第二のステージ90上に載置され固定されている場合について説明する。具体的には、撮影部30の撮影領域下の位置と、加圧部60下の位置との間にレール91が配置されており、第二のステージ90が、このレール91上に移動可能に設置されている。この第二のステージ90の移動は、手動で行われても、電動で行われても良い。なお、ステージ20、加圧計測部61、固定治具80等が、撮影部30の撮影領域下の位置と、加圧部60による加圧が可能な領域下の位置との間を、相対的に移動可能であれば、ステージ20、加圧計測部61、固定治具80等を移動させる代わりに、撮影部30や、加圧部60等を移動させるようにしても良い。
【0035】
治具10は、第一回路部品100に対して、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200と、を順次位置あわせし、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを順次載置する。すなわち、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300を挟んで第二回路部品200が載置される。治具10は、第一回路部品100に対する異方導電性フィルム300および第二回路部品200の位置あわせの際に、異方導電性フィルム300および第二回路部品200を、第一回路部品100上で、例えば挟持したり、縦方向や横方向に押したりして、移動させる。具体的には、治具10は、先端に第二回路部品200と接触するマイクロツール11を備えた二本のフレキシブルアームユニット12を備えており、当該先端に取り付けられたマイクロツール11、すなわち微細な軸状の工具で、異方導電性フィルム300および第二回路部品200を挟持したり、押したりして、異方導電性フィルム300および第二回路部品200を第一回路部品100に対して相対的に、上下、前後、左右、言い換えればx軸、y軸、z軸方向に、自在に移動させて、位置あわせを行う。この治具10においては、フレキシブルアームユニット12を、当該フレキシブルアームユニット12の関節等に設けられたマイクロメータヘッダ等を回転させて、曲げる位置や向き等を変更することで、第二回路部品200の位置を、上下、前後、左右の所望の位置に固定することができる。マイクロツール11の先端形状は、第二回路部品200の形状や材質等に応じて適宜選択するようにする。治具10は、手動で位置を移動させられるものであってもよいし、図示しない制御部等により制御することで、電動で第二回路部品200の位置を移動させられるものであっても良い。なお、治具10は、第二回路部品200を第一回路部品100の上方において自由に移動可能に保持できるものであれば、上記以外の構成であってもよい。また、フレキシブルアームユニット12の数は、位置あわせが可能であれば、1以上であればよく、数は問わない。ここで述べる位置あわせとは、具体的には、互いに接続させたい第一回路部品100の所望の端子と、第二回路部品200の所望の端子同士が対向するような位置関係となるように第一回路部品100と第二回路部品200とを配置すること、および第一回路部品100と第二回路部品200とが重なり合う部分に異方導電性フィルム300を配置することである。
【0036】
ステージ20は、平面である上面を有しており、第一回路部品100が、当該第一回路部品100の接続端子を有する上面が上向きとなるように、当該ステージ20の上面に載置される。ステージ20は、第一回路部品100の載置される位置を決めるために、上面に平行な互いに直交する第一方向と第二方向の二方向、いわゆるx軸方向およびy軸方向、に移動可能な構造を有している。具体的には、ステージ20は、x軸方向において位置を移動させるマイクロメータヘッド21と、y軸方向において位置を移動させるマイクロメータヘッド22とを具備しており、マイクロメータヘッド21およびマイクロメータヘッド22を、手動、または電動で回転させることで、x軸方向およびy軸方向にステージ20を微動させることができる。これによりステージ20上に載置された第一回路部品100の位置をx軸方向およびy軸方向に微動させる。なお、ここでは、二方向に移動可能なステージ20を用いるようにしたが、三方向、例えば、上記の二方向に加えて、ステージ20の上面に垂直な方向に移動可能なステージ20を用いるようにしてもよい。また、ステージ20は、これらの移動方向の軸に対して、回転移動が可能なものであってもよい。
【0037】
ステージ20の第一回路部品100が載置される上面には、第一回路部品100が位置決めのための位置決め治具23が設けられている。この実施の形態の位置決め治具23は、ステージ20の上面に設けられた、第一回路部品100の一のコーナーに合わせた形状の突起状の部材である。位置決め治具23は、一方向において、ステージ20上面に設けられた溝27に合わせて、ステージ20上面をスライド可能に取り付けられているスライド部材24を備えている。ただし、位置決め治具23は、利用する第一回路部品100が常に同じサイズのものである場合、ステージ20に対して位置が動かないように完全に固定されていてもよい。また、位置決め治具23は、直交する二方向において位置変更可能なものであっても良い。位置決め治具23は、ここでは、第一回路部品100の角部を当接可能な平面形状を有しているが、位置決め治具23第一回路部品100の異なる2方向の辺が当接可能な形状を有しているものであってもよい。この位置決め治具23に、第一回路部品100を当接させて配置することで、第一回路部品100の位置決めができる。上述したステージ20を第一方向と第二方向とに移動させるための構造、例えばマイクロメータヘッド21等は、この位置決め治具23が、後述する撮影部30の撮影領域内の所定の位置に配置されるようステージ20を移動させるために用いられる。位置決め治具23の高さは、第一回路部品100の厚さ未満の厚さであることが好ましい。
【0038】
図4および図5に示すように、ステージ20は、ステージ20上面の、第一回路部品100が載置される領域100aに隣接した領域25の高さを可変とする高さ調節機構26を備えている。この実施の形態においては、高さ調節機構26は、スクリュージャッキと同様の構成を有している。なお、高さ調節機構26は、領域25の高さを可変とするものであれば、どのような構造のものであっても良い。高さ調節機構26は、後述する加圧部60が加圧を行う際に、異方導電性フィルム300の厚さを所定の厚さに保つために用いられる。領域25の高さは、第一回路部品100の厚さと、異方導電性フィルム300の厚さとを加えた高さ、もしくは、その高さから、異方導電性フィルム300が接着時に、圧縮されたり、第一回路部品100の接続端子等が異方導電性フィルム方向に沈み込む高さ等を、減算した高さであって、加圧により、第一回路部品100の端子と第二回路部品200の端子とが異方導電性フィルム300により電気的に接続される高さとすることが好ましい。なお、高さ調節機構26は、加圧部60による加圧により高さが変動しない耐圧性を有する構造とすることが好ましい。
【0039】
撮影部30は、第一回路部品100に対して、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200とを位置あわせする際に、ステージ20の上方から、第一回路部品100と、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200とを拡大して撮影する。また、本実施の形態においては、ステージ20の位置を位置決めする際にも、ステージ20表面を拡大して撮影する。撮影部30は、具体的には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備えたカメラである。撮影部30の撮影倍率は、第一回路部品100と第二回路部品200との大きさにもよるが、100〜1000倍程度、好ましくは約200から400倍であることが好ましい。撮影部30は動画像を撮影することが好ましいが、所定の時間間隔で撮影された複数の静止画像であってもよい。撮影部30が撮影した画像の情報は、表示部50に送信される。
【0040】
リング照明35は、撮影部30のステージ20側に配置されており、撮影部30が撮影する際に、撮影部30の照明として用いられる。リング照明35は、ここでは、高輝度のLED(Light Emitting Diode)光源を有するリング照明が用いられているが、光源の種類は問わない。
【0041】
ガイド画像情報格納部40には、第一回路部品100と、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200とをそれぞれ配置する位置を示す画像であるガイド画像を示す情報であるガイド画像情報が格納される。ガイド画像情報は、具体的には、第一回路部品100と、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200とを、位置あわせして重ね合わせて配置した場合の、それぞれの位置を、それぞれの輪郭や、コーナーの位置等により示す画像情報である。ガイド画像情報は、第一回路部品100と、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200とのそれぞれについてのガイド画像情報を、個別に格納していても良いし、第一回路部品100と、異方導電性フィルム300と、第二回路部品200と位置を全て表した一のガイド画像情報を格納していても良い。ガイド画像情報格納部40に格納されているガイド画像情報は、例えば、図示しない受付部等が受け付けて蓄積したものであっても良いし、工場出荷時等に予め格納されているものであってもよい。ガイド画像情報格納部40としては、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0042】
表示部50は、撮影部30が撮影した画像を表示する。具体的には、表示部50は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示デバイスを備えており、この表示デバイスに、画像をリアルタイムで表示する。本実施の形態においては、特に、表示部50は、ガイド画像情報格納部40に格納されているガイド画像情報を読み出し、読み出したガイド画像情報が示すガイド画像を、撮影部が撮影した画像に合成して表示する。表示する際の合成手法は問わない。なお、本実施の形態においては、表示部50が表示デバイスを備えている場合について説明したが、表示部50が表示デバイスを備えておらず、外部の表示デバイスを備えた装置に、撮影部30が撮影した画像の情報を送信して画像を表示させるようにしても良い。表示部50は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0043】
加圧部60は、ステージ20上に載置された第一回路部品100と、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300を挟んで載置された第二回路部品200とに対して、異方導電性フィルム300を挟む方向に圧力を加える。具体的には、加圧部60は、鉛直方向に伸びる軸601を具備しており、軸601を第二回路部品200の上方から、下方に移動させることにより第二回路部品200の上面を押圧して、第二回路部品200と異方導電性フィルム300と第一回路部品100とを、ステージ20に押し当てるように、圧力を加える。加える圧力は、例えば1cm当たり100g〜20kgである。この圧力は、利用する異方導電性フィルム300の仕様により設定される。なお、加圧部60の軸601と、第二回路部品200との間には、後述する加熱部70等の他の部材が配置されていてもよい。加圧部60は、具体的には、ステージ20の鉛直方向に移動可能な軸601を有しており、パルスモータ602のシャフトにピニオン221を設け、回転動作を軸601に設けたラック222により、軸601の鉛直方向の直線動作に変更することにより、軸の下端を押し下げて、直接または間接的に、第二回路部品200の上面を押圧することで、加圧を行うようにしている。ただし、加圧部60の機構は鉛直方向に加圧が可能な構成であればどのような構成であっても良い。なお、加圧部60は、例えばステージ20を上方に押し上げる等により、第一回路部品100の下面側から加圧しても良いし、第一回路部品100の下面と、第二回路部品200の上面との両側から加圧してもよい。加圧部60の加圧や減圧等の動作の制御は、後述する加圧制御部62等の制御部により行われる。
【0044】
加圧計測部61は、加圧部60により、第一回路部品100と、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300を挟んで載置された第二回路部品200とに対して、鉛直方向に加えられた圧力を計測する。なお、実質的に同じであることから、圧力を計測する代わりに、ここでは、荷重、すなわち重量を計測する。具体的には、加圧計測部61は、ステージ20の下部に設けられており、加圧部60により加圧が行われる前、好ましくは直前、の荷重に対する、加圧部60により加圧が行われている際の荷重の差を、計測して、この計測値を、加圧部60により加えられた荷重の値として出力する。具体的には、加圧計測部61は、第一回路部品100と異方導電性フィルム300と第二回路部品200とが積層されて配置されたステージ20の、加圧部60による加圧前の重量の測定値を「0」点に合わせ、加圧部60により加圧が行われている際の重量の測定値を、随時、加圧制御部62に送信する。ここでは、例えば、測定範囲が、5g〜200kg/cmの加圧計測部61が用いられる。加圧計測部61は、ここでは、厚さが約10mmであるロードセル型の荷重計測器を用いているが、重量が計測できるものであれば、電磁式等の他の荷重計測器を用いても良い。また、加圧計測部61は、加圧部60により加えられている圧力が計測可能なものであれば、どのような構造のものを用いても良い。
【0045】
加圧制御部62は、加圧部60の加圧動作の制御を行う。ここでは特に、加圧計測部61の計測結果に応じて、加圧部60の加圧動作の制御を行う。具体例としては、加圧計測部61の計測結果が予め設定された値以上となった場合に、加圧部60が加える圧力の増加を停止する信号を、加圧部60に出力する。加圧部60は、この圧力の増加を停止する信号を受信した場合に、軸601の移動を停止する。また、圧力の増加を停止した後、予め設定された時間が経過した時点で、加圧を終了させるための、加圧部60が加える圧力を減圧させる指示を出力する。加圧部60は、この圧力を減圧する信号を受信した場合に、軸601を上方に移動させて加圧を終了する。これにより、加圧部60が加える圧力が所定の圧力となった場合に、加圧する圧力を所定時間一定に保った後、加圧を終了することができる。なお、加圧制御部62が、一定に保つ圧力の値や、圧力を保つ時間等を示す情報は、予め図示しないメモリ等に蓄積しておき、加圧制御部62が、加圧動作時に適宜読み出すようにする。加圧制御部62は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。加圧制御部62の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0046】
加熱部70は、加圧部60が圧力を加えている際に、異方導電性フィルム300を加熱する。加熱部70は、異方導電性フィルム300を、第一回路部品100や第二回路部品200等を介して間接的に加熱しても良いし、直接加熱しても良い。本実施の形態の加熱部70は、例えば、アルミ製のカートリッジヒータ等の、電熱線等を内部に有する加熱ブロックである。加熱部70は例えば図示しない加熱制御部から供給される電流に応じて発熱する。ただし、加熱部70は、加熱が可能なものであればどのような構造を有していても良い。ここで用いられる加熱部70の加熱温度は、異方導電性フィルム300を溶かすことができる温度であれば良い。一般的な異方導電性フィルムは、100℃から250℃で溶融する樹脂を含むものが多いことから、加熱部70は、100℃から250℃に加熱可能なものであることが好ましい。例えば、加熱部70の温度は、例えば加熱部70の内部や外部等に設けられた温度センサー等の温度の測定結果等に基づいて、図示しない加熱制御部によりフィードバック制御される。なお、加熱部70の温度制御等については公知技術であるので、ここでは説明を省略する。また、加熱部70は、加圧部60の軸601の下方に設けられている。加熱部70の下面には、加熱による第二回路部品200への悪影響を押さえるために、テフロン(登録商標)シート71が貼り付けられており、加圧部60が加圧を行う際には、加圧部60の軸601が下方に移動して、加熱部70の下面が、テフロン(登録商標)シート71を介して第二回路部品200に当接される。これにより、加圧部60の圧力が、加熱部70を介して、第二回路部品200の上面に加えられる。なお、ここで述べる「圧力を加えている際」とは、圧力を加えている期間のうちの全ての期間であっても良いし、一部の期間であっても良い。なお、加熱部70を、ステージ20の上面側に設けるようにしても良い。
【0047】
固定治具80は、第一回路部品100上に順次載置された異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを、加圧部60により加圧する直前まで第一回路部品100上に固定する。具体的には、図6(a)〜図6(c)に示すように、固定治具80は第一の端部81aと第二の端部81bとを有し、第一の端部81aと第二の端部81bとの間で回動可能に支持されているアーム81を具備しており、アーム81の第一の端部81bが、ステージ20の下方向およびステージの中心方向に、それぞれバネ等により付勢されている。この第二回路部品200の上面にこのアーム81の第一の端部81aを配置して、第二回路部品200の上面を押さえることにより、第一回路部品100上に順次載置された異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを固定することができる。固定治具80は、通常、撮影部30により撮影されている状態であって、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300と第二回路部品200とが順次載置された時点において、第一回路部品100上に順次載置された異方導電性フィルム300と第二回路部品200との固定を行う。また、このアーム81を第二回路部品200上以外の位置に移動させることで、固定を解除することができる。ここでは、ボンディング装置は、加圧部60が第二回路部品200を加圧する直前、すなわち、ここでは加熱部70がテフロン(登録商標)シート71を介して第二回路部品200の上面に接する直前に、アーム81を、ステージ20の上方向およびステージ20の外側に向かう方向に移動させる退避機構を備えている。なお、ここで述べる直前とは、位置ずれを防ぐためには、1秒以内であることが好ましい。
【0048】
以下、固定治具80の構造を、図6(a)〜(c)を用いて説明する。図6(a)に示すように、アーム81の第二の端部81bには、第一の接触子82に取り付けられた従節端83が接続されている。バネ84が、第一の接触子82を斜め上方に引っ張っていることにより、アーム81の第一の端部81aが下方向に付勢されている。また、固定治具80全体が、バネ85により、ステージ20の中心方向に押圧されている結果、アーム81の第一の端部81aが、ステージ20の中心方向に付勢されている。
【0049】
ここで、図6(b)のように、加圧部60による第二回路部品200への加圧が開始される直前に、加圧部60の軸601が下降すると、第一接触子82と、固定治具80に取り付けられた第二接触子86とが、軸601の下降とともに下降する加圧部60に取り付けられた直進カム87に当接し、第一の接触子82は、加圧部60とともにさらに下降する直進カム87により、バネ84を押し縮める方向である下方向に押し戻される。これにより、アーム81の第二の端部81bが下方向に移動して、第一の端部81aが上方に移動し、第二回路部品200の上面から、アーム81が離れる。
【0050】
さらに、加圧部60の軸601が下降すると、第二接触子86は、直進カム87によりバネ84を押し縮める方向であるステージ20の外側方向に押し戻され、これにより固定治具80全体がステージ20の外側方向に移動する。これにより、これにより、アーム81の第二の端部81bが、ステージ20の中央から離れる方向に移動して、第二回路部品200上の領域外に移動する。これにより、図6(c)のように、固定治具80による第二回路部品200の固定が解除される。このように、直進カム87、第一接触子82、および第二接触子86が上述した退避機構を構成している。
【0051】
なお、本実施の形態においては、フィルム300と第二回路部品200とが順次載置された時点において、第一回路部品100上に順次2載置された異方導電性フィルム300と第二回路部品200との固定を行うようにしているが、第一回路部品100がステージ20上に位置決めして載置された時点で、第一回路部品100を固定するために用いたり、異方導電性フィルム300を位置決めして載置した時点で、異方導電性フィルム300を固定するために用いたりしてもよい。また、ここでは、固定治具80が一つだけ設けられている場合について説明しているが、複数の固定治具80を設けるようにし、第一回路部品100、異方導電性フィルム300および第二回路部品200を、それぞれが重ね合わせられる位置以外の位置で押さえることで、各固定治具80で固定するようにしても良い。
【0052】
次に、ボンディング装置を用いたボンディング処理の具体例について説明する。ここでは、第一回路部品100がLSI、第二回路部品200がフィルム基板である場合を例に挙げて説明する。
【0053】
まず、図2に示すように、第二のステージ90を撮影部30の下方に配置する。そして、第一回路部品100をステージ20に載置する処理を開始することを示す情報を、ボンディング装置に、図示しないメニュー画面や、キーボード等の操作により与えると、撮影部30が撮影した画像を表示部50に表示する。このとき、高さ調節機構26により、ステージ20上面の第一回路部品100に隣接する領域の高さを、第一回路部品100厚さと、異方導電性フィルム300の厚さとを加算した高さ分だけ、他の部分よりも高い高さとなるように予め調節しておく。
【0054】
ここで、ガイド画像情報格納部40には、図8(a)〜図8(c)に示すようなガイド画像情報が、予め用意され、格納されているものとする。図8(a)は、表示部50の表示領域51に対する第一回路部品100が配置される位置を枠41で示す画像、図8(b)は、表示部50の表示領域51に対する異方導電性フィルム300が配置される位置を枠42で示す画像、図8(c)は、表示部50の表示領域51に対する第二回路部品200が配置される位置を枠43で示す画像である。表示部50に表示されるこれらの画像の枠41〜43に沿って、第一回路部品100、異方導電性フィルム300、第二回路部品200を、順次載置することで、撮影部30の撮影領域を変更しない限り、すなわちステージ20や撮影部30の位置等を変更しない限り、第一回路部品100の所望の接続端子と、第二回路部品200の所望の接続端子とが、異方導電性フィルム300を介して対向するように、第一回路部品100や第二回路部品200の端子の位置等から、予め設定されているものとする。
【0055】
表示部50は、第一回路部品100をステージ20に載置する処理を開始することを示す情報に対応して、図8(a)に示すような、表示部50の表示領域に対する第一回路部品100が配置される位置を枠41で示す画像を、ガイド画像情報格納部40から読み出して、撮影部30が撮影した画像と合成して、表示する。表示部50に表示されるステージ20上の画像をモニタしながら、図9(a)に示すように、枠41内が、第一回路部品100が配置されるべき位置に位置するように、ユーザが、ステージ20のマイクロメータヘッドを操作する。具体的には、枠41の左上のコーナーが、位置決め治具23のコーナーと一致するように、ステージ20を移動させる。そして、図7に示すように、表示部50に表示されるステージ20上の画像をモニタしながら、治具10を操作して、枠41内に第一回路部品100が位置するように、第一回路部品100を移動させ、第一回路部品100の端子101が表面側に位置するよう配置する。操作が完了した時点で、ボンディング装置に、図示しないメニュー画面や、キーボード等の操作により、第一回路部品100の載置が終了したことを示す情報を与える。
【0056】
この情報をトリガーとして、表示部50は、図8(b)に示すような異方導電性フィルム300を配置すべき位置を枠42で示す画像を、ガイド画像情報格納部40から読み出して、撮影部30が撮影した画像と合成して、表示する。図9(b)は、異方導電性フィルム300を第一回路部品100上に載置する処理を行っている際の、表示部50の表示例である。表示部50が表示する画像内に表示される枠42は、異方導電性フィルム300が配置されるべき位置である。
【0057】
表示部50に表示されるステージ20上の画像をモニタしながら、治具10を操作して、枠42内に異方導電性フィルム300が位置するように、異方導電性フィルム300を移動させ、配置する。そして、操作が完了した時点で、ボンディング装置に、図示しないメニュー画面や、キーボード等の操作により、異方導電性フィルム300の載置が終了したことを示す情報を与える。
【0058】
この情報をトリガーとして、表示部50は、図8(c)に示すような第二回路部品200を配置すべき位置を枠43で示す画像を、ガイド画像情報格納部40から読み出して、撮影部30が撮影した画像と合成して、表示する。図9(c)は、異方導電性フィルム300を第一回路部品100上に載置する処理を行っている際の、表示部50の表示例である。表示部50が表示する画像内に表示される枠43は、第二回路部品200が配置されるべき位置である。
【0059】
表示部50に表示されるステージ20上の画像をモニタしながら、治具10を操作して、枠43内に第二回路部品200が位置するように、第二回路部品200を移動させ、配置する。これにより、図5に示したように、第一回路部品100上に、異方導電性フィルム300と第二回路部品200とが位置決めして配置されたこととなる。
【0060】
さらに表示部50に表示されるステージ20上の画像をモニタしながら、固定治具80を操作して、第二回路部品200上面の第一回路部品100と異方導電性フィルム300とが重なり合っている領域上に、固定治具80のアーム81の第一の端部81aを配置して、第一回路部品100上に、異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを固定する。そして、操作が完了した時点で、ボンディング装置に、図示しないメニュー画面や、キーボード等の操作により、第二回路部品200の載置が終了したことを示す情報を与えると、表示部50が表示を終了する。
【0061】
つぎに、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300と第二回路部品200とを固定した状態で、第二のステージ90を移動させて、図10に示すように、ステージ20を、撮影部30の撮影領域下から、加圧部60の下方に移動させる。なお、図11に示すように、撮影部30をスタンド等に、上方に跳ね上げ可能に取り付けておき、第二ステージ90を移動させる際に、撮影部30が邪魔にならないように、上方に跳ね上げておくようにしてもよい。
【0062】
ここで、加熱部70を、異方導電性フィルム300を溶融させる温度に予熱しておく。ここでは例として、異方導電性フィルム300を構成する樹脂が200℃で溶融する樹脂を含むものであったとすると、加熱部70を約200℃に予熱しておく。
【0063】
そして、図12に示すように、加圧制御部62の制御により、加圧部60を下向きに移動させて、加熱部70を、第二回路部品200の上面に押し当てることにより、ステージ20上に載置された第一回路部品100と、第一回路部品100上に異方導電性フィルム300を挟んで載置された第二回路部品200とに対して、異方導電性フィルム300を挟み込む方向に圧力を加える。
【0064】
ここで、固定治具80は、図6(a)〜(c)に示したような構造を有しているため、加圧部60が、第二回路部品200の上面に押し当てられる直前に、第二回路部品200の上面から外れる。これにより、固定治具80が、加圧部60により行う加圧の邪魔にならない。
【0065】
加圧部60の加える圧力は、加圧計測部61の計測結果を用いて、加圧制御部62によって制御される。例えば、加圧計測部61の計測した荷重が、所定の荷重、もしくは荷重以上、となった場合に、加圧制御部62が加圧部60による加圧を停止する。すなわち、加圧部60による下方向への移動を停止させる。そして、異方導電性フィルム300による接着に必要な時間だけ、加圧した状態を保つ。ここでは、例えば、5秒だけ、加圧した状態を保つ。この加熱および加圧により、異方導電性フィルム300を構成する樹脂301が溶融して押圧されることにより、第一回路部品100の端子(電極)101と、第二回路部品200の端子201との間の導電性を持つ微細粒子302同士が接触した状態となり、接触した微細粒子302が、第一回路部品100の端子101と、第二回路部品200の端子201とに当接される。これにより、第一回路部品100の端子101と、第二回路部品200の端子201とが、微細粒子302を介して電気的に接続される。なお、端子間以外の部分においては、微細粒子302同士が接触しないため、樹脂301により絶縁性が保たれる。そして、加圧部60を上向きに移動させて、加圧および加熱を終了する。これにより、第一回路部品100と第二回路部品200とが異方導電性フィルム300によりボンディングされる。
【0066】
なお、ここで述べた、加熱の処理等の条件は、一例であり、適宜変更可能であることは今でもない。
【0067】
以上、本実施の形態によれば、撮影部30等を有する、第一回路部品100と第二回路部品200と異方導電性フィルム300との位置あわせを行う手段と、加圧部60および加熱部70等を有する、第一回路部品100と第二回路部品200と異方導電性フィルム300とを、加熱しながら加圧する手段とを備えるようにしたことにより、安価であって実験レベルで利用可能なボンディング装置を提供することができる。
【0068】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかるボンディング装置等は、回路部品同士のボンディング装置として適しており、特に、異方導電性フィルムを用いたボンディングに用いられるボンディング装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態におけるボンディング装置の正面図
【図2】同ボンディング装置の側面図
【図3】同ボンディング装置の模式図
【図4】同ボンディング装置のステージ表面の平面図
【図5】同ボンディング装置のステージの側面図
【図6】同ボンディング装置の動作を説明するための図
【図7】同ボンディング装置の動作を説明するための図
【図8】同ボンディング装置に格納されている画像情報を示す図
【図9】同ボンディング装置の表示例を示す図
【図10】同ボンディング装置の動作を説明するための図
【図11】同ボンディング装置の動作を説明するための図
【図12】同ボンディング装置の動作を説明するための図
【符号の説明】
【0071】
10 治具
11 マイクロツール
12 フレキシブルアームユニット
20 ステージ
21、22 マイクロメータヘッド
23 位置決め治具
26 調節機構
30 撮影部
35 リング照明
40 ガイド画像情報格納部
50 表示部
60 加圧部
61 加圧計測部
62 加圧制御部
70 加熱部
71 テフロン(登録商標)シート
80 固定治具
81 アーム
81a 第一の端部
81b 第二の端部
82 第一接触子
83 従節端
84、85 バネ
86 第二接触子
87 直進カム
90 第二ステージ
91 レール
100 第一回路部品
101、201 端子
200 第二回路部品
300 異方導電性フィルム
301 樹脂
302 微細粒子
601 軸
602 パルスモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に接続端子を有する第一回路部品と下面に接続端子を有する第二回路部品とを異方導電性フィルムを用いてボンディングするボンディング装置であって、
前記第一回路部品が上面に載置され、当該上面に平行である互いに直交する第一方向と第二方向との二方向に移動可能なステージと、
前記第一回路部品に対して、前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを順次位置あわせして、前記第一回路部品上に前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを順次載置するための治具と、
前記第一回路部品に対して、前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを位置あわせする際に、前記ステージの上方から、前記第一回路部品と前記異方導電性フィルムと前記第二回路部品とを拡大して撮影する撮影部と、
前記撮影部の撮影した画像を表示する表示部と、
前記ステージ上に載置された前記第一回路部品と、当該第一回路部品上に前記異方導電性フィルムを挟んで載置された前記第二回路部品とに対して、前記異方導電性フィルムを挟む方向に圧力を加える加圧部と、
前記加圧部が圧力を加えている際に、前記異方導電性フィルムを加熱する加熱部とを具備するボンディング装置。
【請求項2】
前記加圧部により加えられた圧力を計測する加圧計測部と、
前記加圧計測部の計測した圧力が予め設定した値以上となった場合に、前記加圧部による加圧を停止する加圧制御部とを更に具備する請求項1記載のボンディング装置。
【請求項3】
前記第一回路部品と、前記異方導電性フィルムと、前記第二回路部品とをそれぞれ配置する位置を示す画像であるガイド画像を示す情報であるガイド画像情報が格納され得るガイド画像情報格納部を更に具備し、
前記表示部は、前記ガイド画像情報格納部に格納されているガイド画像情報が示すガイド画像を、前記撮影部が撮影した画像に合成して表示する請求項1または請求項2記載のボンディング装置。
【請求項4】
前記ステージは、当該ステージ上面の、前記第一回路部品が載置される領域に隣接した領域の高さを可変とする高さ調節機構を備えている請求項1から請求項3いずれか記載のボンディング装置。
【請求項5】
前記第一回路部品上に順次載置された異方導電性フィルムと第二回路部品とを、前記加圧部により加圧する直前まで前記第一回路部品上に固定する固定治具を更に具備する請求項4記載のボンディング装置。
【請求項6】
前記固定治具は、
前記ステージの下方向および前記ステージの中心方向に付勢されるアームを具備し、
前記加圧部が前記第二回路部品を加圧する直前に、前記アームを、前記ステージの上方向および前記ステージの外側に向かう方向に移動させる退避機構を更に具備する請求項5記載のボンディング装置。
【請求項7】
前記撮影部と前記加圧部とが並列して配置されており、
前記ステージは当該撮影部下の位置と加圧部下の位置との間を移動する請求項1から請求項6いずれか記載のボンディング装置。
【請求項8】
前記撮影部の前記ステージ側に配置されたリング照明を更に具備する請求項1から請求項7いずれか記載のボンディング装置。
【請求項9】
前記第一回路部品と前記第二回路部品とは、接続される端子同士が対向するよう位置あわせされる請求項1から請求項8いずれか記載のボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−210948(P2008−210948A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45436(P2007−45436)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(505457363)
【出願人】(000113573)マイクロニクス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】